説明

アンテナ一体型発熱フィルム

【課題】発熱の均一性に優れたアンテナ一体型発熱フィルムを得る。
【解決手段】アンテナ一体型発熱フィルム10は、透明なフィルム本体12の表面に長手方向に沿って形成された帯状のアンテナ部14と、アンテナ部14の下方にアンテナ部14の長手方向に沿って形成された帯状の発熱部16と、を備えている。アンテナ部14は、フィルム本体12の長手方向の一辺12Aに沿った所定幅を占有して形成されており、金属の線状部19からなるアンテナ用導電層18を備えている。発熱部16は、帯状に配置された発熱用導電層20を備えており、発熱用導電層20は、導電性の金属細線22にて構成された多数の格子の交点を有するメッシュ状パターン24と、メッシュ状パターン24の両端部に略平行かつ略同じ長さに形成された第1電極26及び第2電極28とを備えている。第1電極26と第2電極28には電源30が接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱性に優れたアンテナ一体型発熱フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車産業の情報化対応のニーズが高まっている。自動車の情報化を実現する上で不可欠な技術は、車外との通信技術である。従来は、AM・FMラジオが主体であったが、TVやデジタル放送などメディア情報の多様化が進むとともに、GPS,ETCのようなITS関連双方向通信系へと拡大し、単に受信する状況から、情報を交換できる環境へ変化している。このように車載メディアの発展に伴って、車載用アンテナとしても種々のものが利用されており、厚み寸法が小さく、自動車のウィンドウガラスなどに設置することができるアンテナとして、フィルムアンテナが知られている(非特許文献1、特許文献1参照)。
【0003】
一方、自動車用デフロスターとしては、電気抵抗線をガラス内に入れて、電気を通し温めるという方法が一般的である。しかし、この方法では電気抵抗線が目立ち過ぎ視認性が悪いといった問題がある。透明性に優れた導電膜として、ハロゲン化銀感光材料を用い、導電性のための銀の導電部と透明性の確保のための開口部とを有するパターン形状となるようにハロゲン化銀乳剤層にパターン露光することにより製造される銀塩方式の導電膜がある(例えば、特許文献2〜7参照)。この銀塩方式の導電膜を自動車用のデフロスターに用いる検討もなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】平成16年度特許流通支援チャート 電気30車載用平面アンテナhttp://www.ryutu.inpit.go.jp/chart/H16/denki30/frame.htm
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−341020号公報
【特許文献2】特開2004−221564号公報
【特許文献3】特開2004−221565号公報
【特許文献4】特開2007−95408号公報
【特許文献5】特開2006−228469号公報
【特許文献6】特開2006−332459号公報
【特許文献7】特開2008−244067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景から、車載用アンテナフィルムと発熱フィルムを一体的に形成したいというニーズが生まれてきた。しかしながら、発熱フィルムの一部にアンテナ部を設けた場合には、発熱しにくい部分が生じ、発熱性が不均一となる問題がある。
【0007】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、発熱の均一性に優れたアンテナ一体型発熱フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意検討した結果、発熱部分を所定の形状とすることで、発熱性が不均一とならず、発熱の均一性に優れたアンテナ一体型発熱フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、車両のウィンドウガラスに設けられるアンテナ一体型発熱フィルムであって、前記ウィンドウガラスに貼着されるフィルム本体と、前記フィルム本体に該フィルム本体の一辺に沿って形成された帯状のアンテナ部と、前記フィルム本体に前記アンテナ部に沿って形成された帯状の発熱部と、を有している。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、フィルム本体に該フィルム本体の一辺に沿って形成された帯状のアンテナ部が設けられ、フィルム本体に前記アンテナ部に沿って形成された帯状の発熱部が設けられている。これによって、帯状の発熱部の部位によって導電量の差が生じにくくなり、発熱部をほぼ均一に発熱させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ一体型発熱フィルムにおいて、前記発熱部は、両端部に電極が設けられた発熱用導電層を備え、前記電極が前記フィルム本体の一辺と交差する方向に配置されると共に、前記電極が平行かつ同じ長さに形成されている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、発熱部は両端部に電極が設けられた発熱用導電層を備えており、両端部の電極がフィルム本体の一辺と交差する方向に配置されると共に、平行かつ同じ長さに形成されている。これによって、発熱用導電層の部位によって導電量の差がより一層生じにくくなり、発熱の均一性がさらに向上する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のアンテナ一体型発熱フィルムにおいて、前記発熱部及び前記アンテナ部の少なくとも一方は、ハロゲン化銀を含有する銀塩含有層を露光し、現像処理することによって形成される多数の連通した金属細線を有し、前記金属細線の幅が1μm以上40μm以下であり、前記金属細線の配置間隔が0.1mm以上50mm以下であるものとする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、発熱部及びアンテナ部の少なくとも一方は、ハロゲン化銀を含有する銀塩含有層を露光し、現像処理することによって形成される多数の連通した金属細線を有している。例えば、発熱部及びアンテナ部の両方を同時に露光し、現像処理することによって形成することができ、これによって生産効率が向上し、低コスト化が可能である。また、金属細線の幅と金属細線の配置間隔を上記範囲に設定することにより、金属細線が見えにくくなり、アンテナ一体型発熱フィルムの透明性が向上する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のアンテナ一体型発熱フィルムにおいて、前記発熱部が金属細線からなるメッシュ状パターンを備えると共に、前記アンテナ部が前記金属細線よりも太い複数の線状部を備え、前記複数の線状部の間及び前記複数の線状部の周囲の領域に、金属細線からなり、かつ電気を通電しない非通電用メッシュ状パターンが形成されているものとする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、発熱部が金属細線からなるメッシュ状パターンを備えると共に、アンテナ部が発熱部の金属細線よりも太い複数の線状部を備えている。アンテナ部の複数の線状部の間及び複数の線状部の周囲の領域には、金属細線からなり、かつ電気を通電しない非通電用メッシュ状パターンが形成されており、アンテナ部の内部及び周囲全体に非通電用メッシュ状パターンが形成されているように視認される。このため、非通電用メッシュ状パターンが形成されていない場合に比べて、防眩性が向上すると共に、見栄えが良好となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアンテナ一体型発熱フィルムにおいて、前記発熱部の表面抵抗が10オーム/sq以上500オーム/sq以下であるものとする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、発熱部の表面抵抗を上記範囲に設定することにより、発熱部を適切な温度に上昇させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のアンテナ一体型発熱フィルムによれば、発熱部をほぼ均一に発熱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係るアンテナ一体型発熱フィルムの全体構成を示す平面図である。
【図2】透明フィルム上にメッシュ状パターンを形成した状態を示す斜視図である。
【図3】透明フィルム上のメッシュ状パターンの両端部に第1電極及び第2電極を形成した状態を示す斜視図である。
【図4】図4(A)〜図4(E)は第1実施形態に係る発熱部のメッシュ状パターン又はアンテナ部の導電層を形成する方法の一例(第1方法)を示す工程図である。
【図5】第1比較例に係るアンテナ一体型発熱フィルムの全体構成を示す平面図である。
【図6】第2比較例に係るアンテナ一体型発熱フィルムの全体構成を示す平面図である。
【図7】第2実施形態に係るアンテナ一体型発熱フィルムのアンテナ部の一部を拡大して示す平面図である。
【図8】第3実施形態に係るアンテナ一体型発熱フィルムのアンテナ部の一部を拡大して示す平面図である。
【図9】第4実施形態に係るアンテナ一体型発熱フィルムの全体構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態であるアンテナ一体型発熱フィルムを図1〜図7を参照しながら説明する。
【0021】
図1に示されるように、アンテナ一体型発熱フィルム10は、長方形に形成された透明なフィルム本体12と、フィルム本体12の表面の図中上方にフィルム本体12の長手方向の一辺12Aに沿って形成された帯状のアンテナ部14と、アンテナ部14の図中下方にアンテナ部14に沿って形成された帯状の発熱部16と、を備えている。
【0022】
アンテナ部14は、フィルム本体12の長手方向の一辺12Aに沿った所定幅を占有して形成されており、金属の線状部19からなるアンテナ用導電層18を備えている。アンテナ用導電層18は、矩形状の枠部18Aの内側に長手方向に沿って複数の横線部18Bがほぼ等間隔で配置されており、枠部18Aの上辺の一端には、フィルム本体12の側縁部まで延びた延設部18Cが設けられている。延設部18Cの端部には、図示しない給電端子が接続される。本実施形態では、アンテナ用導電層18の枠部18Aの長手方向の全長は、フィルム本体12の長手方向の一辺12Aの長さよりもやや短く形成されている。
【0023】
アンテナ部14は、所定の周波数の帯域の電波を受信するものであり、例えば、中心周波数が83MHzで、76〜90MHzのFM帯域の電波を受信可能である。なお、アンテナ部14は、FM帯域に限らず、AM、TV、ETCなどの電波を受信するものでもよい。また、アンテナ用導電層18を構成する線状部19の幅は、例えば5μm以上、2mm以下であることが好ましく、10μm以上、1mm以下であることがより好ましい。
【0024】
発熱部16は、帯状に配置された発熱用導電層20を備えている。発熱用導電層20は、導電性の金属細線22にて構成された多数の格子の交点を有するメッシュ状パターン24を有し、このメッシュ状パターン24の対向する一対の端部(メッシュ状パターン24の両端部)に第1電極26及び第2電極28が形成された形状を有する。
【0025】
第1電極26及び第2電極28は、フィルム本体12の両端部の縁部に沿って形成されており、フィルム本体12の一辺12Aと直交する方向に配置されている。また、第1電極26及び第2電極28は、略平行でかつ略同じ長さに形成されている。第1電極26と第2電極28には電源30が接続されている。発熱用導電層20を構成するメッシュ状パターン24は、第1電極26と第2電極28の間の長方形状の領域に形成されており、メッシュ状パターン24の図中の下端部はフィルム本体12の一辺12Aの縁部まで配設されている。すなわち、発熱用導電層20の全体の外形形状で囲まれる領域は、メッシュ状パターン24が存在し、発熱部16の発熱領域34となる。
【0026】
図3に示されるように、アンテナ一体型発熱フィルム10は、フィルム本体12のアンテナ部14及び発熱部16が形成された面と反対側の面に粘着層44を備えると共に、粘着層44を覆う剥離シート46を備えている。このアンテナ一体型発熱フィルム10は、剥離シート46を剥離して粘着層44を車両のウィンドウガラス(例えば車両のリアガラス)に貼り付けることによって使用される。
【0027】
従来、リアガラスやヘッドランプカバーで使用されている面発熱体は、ヘッドランプカバーのような小さなヒーターでは通常1本、ヒーター面積の大きいリアガラスでもせいぜい10本以下の線発熱体を用いて、加熱したい面全体にわたって線発熱体を引き回していた。電流は、線発熱体の一方の端からもう一方の端まで線に沿って流れるため、すべての線発熱体が同じ材料で同じ線幅、線厚さであれば、線の存在密度により発熱量が決まる。つまり、どこでも同じような密度になるように発熱体を設ければ、加熱したい領域がどんな形状であろうとも均一な発熱を得ることができた。
【0028】
しかし、上述のような線発熱体の引き回しでは、肉眼で線発熱体を容易に視認でき、車両のウィンドウガラスに使用した場合に視界を妨げるという問題がある。そこで、本実施形態では、メッシュ状パターン24を形成して、透明性の高い発熱部16を構成するようにしている。ところが、このようなメッシュ状パターン24を有する透明性の高い発熱部16では、電流が流れる経路は無数にあり、抵抗が少なく流れやすい経路に電流が集中する。そのため、発熱させたい領域を均一に加熱するには工夫が必要であった。
【0029】
透明性の高い発熱部16を均一に加熱する方法は次のようにして達成できた。
【0030】
すなわち、発熱領域34が略長方形状となるように発熱用導電層20のメッシュ状パターン24を形成し、メッシュ状パターン24の両端部に帯状の第1電極26及び第2電極28を設け、第1電極26及び第2電極28間に電圧を印加し、電流を流す。メッシュ状パターン24を略長方形状とすることで、ほぼ均一に発熱させることができる。
【0031】
また、線状発熱体をジグザグに引き回す構成の場合は、隣接する導線間で電位差が生じ、マイグレーションの原因になるという問題があったが、本実施形態では、導電性の金属細線22にて構成された多数の格子の交点を有するメッシュ状パターン24としており、隣接する金属細線間は初めから短絡状態であるためマイグレーションがあっても問題にならない。
【0032】
さらに、透明性の高い発熱部16の場合は、対向する第1電極26及び第2電極28間の距離に比例して電気抵抗が大きくなる。電圧一定の場合は、電気抵抗に反比例して発熱量が変化する。つまり、電気抵抗が大きい程、発熱量は少なくなる。従って、第1電極26と第2電極28が平行に配置されるのが理想である。
【0033】
雪や霜が問題になるのは、主に環境温度がマイナス10℃からプラス3℃の間と考えている。なぜならマイナス10℃以下では、大気中に水分がほとんど存在しないため霜はもちろんのこと降雪も少なくなる。車両のウィンドウガラス(図示省略)の表面温度をマイナス10℃から霜や雪を溶かすに好ましい最低温度3℃まで上昇させるために、発熱分布(ばらつき)がゼロならば平均13℃温度上昇させればよいが、発熱分布(ばらつき)が仮にプラスマイナス5℃とすると、平均で13℃温度上昇させたとしても、カバー表面の最低温度が3℃を下回ることから、平均で18℃温度上昇させる必要がある。つまり、発熱分布(ばらつき)を少なくすればするほど省エネに寄与させることができる。
【0034】
例えば、透明性の高い発熱部16による加熱上昇温度(温度上昇幅)として、最小13℃、最大19℃、平均16℃にできれば、上述した例よりも2℃ほどエネルギーを低減でき、その分、省エネに有利であり好ましい。
【0035】
発熱部16の表面抵抗は、10オーム/sq以上、500オーム/sq以下であることが好ましい。また、発熱部16の電気抵抗は、12オーム以上、120オーム以下であることが好ましい。これにより、発熱部16による平均加熱上昇温度を適切な温度(例えば16℃)にすることができ、アンテナ一体型発熱フィルム10の発熱部16に付着した積雪等を除去することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、メッシュ状パターン24の金属細線22の幅が1μm以上、40μm以下であることが好ましい。これにより、メッシュ状パターン24が見えにくくなり、透明性を向上させることができる。
【0037】
メッシュ状パターン24の金属細線22のピッチは、0.1mm以上、50mm以下であることが好ましい。これは、メッシュ状パターン24の金属細線22の幅を1μm以上、40μm以下とし、さらに、発熱部16の表面抵抗を10オーム/sq以上、500オーム/sq以下、発熱部16の電気抵抗を12オーム以上、120オーム以下とする場合の好適な数値範囲である。
【0038】
次に、アンテナ一体型発熱フィルム10の製造方法について図2〜図7を参照しながら説明する。
【0039】
先ず、図2に示すように、絶縁性の透明フィルム40上に導電性の金属細線22にて構成された多数の格子の交点を有するメッシュ状パターン24を形成する。また、透明フィルム40上に金属の線状部19にて構成された矩形状のアンテナ用導電層18を形成する。
【0040】
その後、図3に示すように、透明フィルム40のメッシュ状パターン24の長手方向と直交する方向の両端部に第1電極26及び第2電極28を形成する。例えば導電性の銅テープ42A(帯状電極となる)を貼着することによって、第1電極26及び第2電極28を形成する。
【0041】
その後、透明フィルム40の裏面(メッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18が形成された面と反対側の面)に粘着剤からなる粘着層44を塗布し、粘着層44の全面を剥離シート46で覆う。これによって、透明フィルム40上にアンテナ部14と発熱部16とを備えたアンテナ一体型発熱フィルム10が完成する。
【0042】
アンテナ一体型発熱フィルム10は、剥離シート46を剥がして粘着層44を車両のウィンドウガラス(例えばリアガラスなど)に接着することにより車両のウィンドウガラスに貼り付けられる。発熱部16の第1電極26及び第2電極28への電源30の接続や、アンテナ部14のアンテナ用導電層18への図示しない給電端子の接続は、アンテナ一体型発熱フィルム10を車両のウィンドウガラス(図示省略)に貼り付けた後に行われる。
【0043】
ここで、透明フィルム40上に金属細線22によるメッシュ状パターン24及び金属の線状部19によるアンテナ用導電層18を形成するいくつの方法(第1方法〜第4方法)について、図4〜図7を参照しながら説明する。金属細線22によるメッシュ状パターン24及び金属の線状部19によるアンテナ用導電層18の形成方法は同じであるので、図4〜図7では説明を分りやすくするためにメッシュ状パターン24とアンテナ用導電層18を同じ層で示している。なお、図示を省略するが、実際には、メッシュ状パターン24を構成する金属細線22の線幅よりもアンテナ用導電層18を構成する線状部19の線幅が太い。
【0044】
第1方法は、透明フィルム40上に設けられた銀塩感光層を露光し、現像、定着することによって形成された金属銀部にてメッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18を構成する方法である。
【0045】
具体的には、図4(A)に示すように、ハロゲン化銀54(例えば臭化銀粒子、塩臭化銀粒子や沃臭化銀粒子)をゼラチン56に混ぜてなる銀塩感光層58を透明フィルム40上に塗布する。なお、図4(A)〜図4(C)では、ハロゲン化銀54を「粒々」として表記してあるが、あくまでも本発明の理解を助けるために誇張して示したものであって、大きさや濃度等を示したものではない。
【0046】
その後、図4(B)に示すように、銀塩感光層58に対してメッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18の形成に必要な露光を行う。本実施形態では、メッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18の形成のための露光を同時に行う。なお、メッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18の形成のための露光を別々に行ってもよい。ハロゲン化銀54は、光エネルギーを受けると感光して「潜像」と称される肉眼では観察できない微小な銀核を生成する。
【0047】
その後、潜像を肉眼で観察できる可視化された画像に増幅するために、図4(C)に示すように、現像処理を行う。具体的には、潜像が形成された銀塩感光層58を現像液(アルカリ性溶液と酸性溶液のどちらもあるが通常はアルカリ性溶液が多い)にて現像処理する。この現像処理とは、ハロゲン化銀粒子ないし現像液から供給された銀イオンが現像液中の現像主薬と呼ばれる還元剤により潜像銀核を触媒核として金属銀に還元されて、その結果として潜像銀核が増幅されて可視化された銀画像(現像銀60)を形成する。
【0048】
現像処理を終えたあとに銀塩感光層58中には光に感光できるハロゲン化銀54が残存するのでこれを除去するために図4(D)に示すように定着処理液(酸性溶液とアルカリ性溶液のどちらもあるが通常は酸性溶液が多い)により定着を行う。
【0049】
この定着処理を行うことによって、露光された部位には金属銀部62が形成され、露光されていない部位にはゼラチン56のみが残存し、光透過性部64となる。すなわち、透明フィルム40上に金属銀部62と光透過性部64との組み合わせによるメッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18が形成されることになる。
【0050】
ハロゲン化銀54として臭化銀を用い、チオ硫酸塩で定着処理した場合の定着処理の反応式を以下に示す。
AgBr(固体)+2個のS23イオン → Ag(S232
(易水溶性錯体)
【0051】
すなわち、2個のチオ硫酸イオンS23とゼラチン56中の銀イオン(AgBrからの銀イオン)が、チオ硫酸銀錯体を生成する。チオ硫酸銀錯体は水溶性が高いのでゼラチン56中から溶出されることになる。その結果、現像銀60が金属銀部62として定着されて残ることになる。この金属銀部62にてメッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18が構成されることになる。
【0052】
なお、現像工程は、潜像に対し還元剤を反応させて現像銀60を析出させる工程であり、定着工程は、現像銀60にならなかったハロゲン化銀54を水に溶出させる工程である。詳細は、T.H.James, The Theory of the Photographic Process, 4th ed., Macmillian Publishing Co.,Inc, NY,Chapter15, pp.438−442. 1977を参照されたい。
【0053】
現像処理は多くの場合アルカリ性溶液で行われることから、現像処理工程から定着処理工程に入る際に、現像処理にて付着したアルカリ溶液が定着処理溶液(多くの場合は酸性溶液である)に持ち込まれるため、定着処理液の活性が変わるといった問題がある。また、現像処理槽を出た後、膜に残留した現像液により意図しない現像反応が更に進行する懸念もある。そこで、現像処理後で、定着処理工程に入る前に、酢酸(酢)溶液等の停止液で銀塩感光層58を中和もしくは酸性化することが好ましい。
【0054】
もちろん、図4(E)に示すように、上述のようにして、金属銀部62を形成した後、例えばめっき処理(無電解めっきや電気めっきを単独ないし組み合わせる)を行って、金属銀部62のみに導電性金属66を担持させることによって、金属銀部62と該金属銀部62に担持された導電性金属66にてメッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18を形成するようにしてもよい。
【0055】
次に、第2方法は、例えば透明フィルム上に形成された銅箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する銅箔をエッチングすることによって、銅箔によるメッシュ状パターン及びアンテナ用導電層を形成する。
【0056】
次に、第3方法は、透明フィルム上に金属微粒子を含むペーストを印刷することによってメッシュ状パターン及びアンテナ用導電層を形成する方法である。もちろん、印刷されたペーストに、金属めっきを行うことによって、ペーストと金属めっきによるメッシュ状パターン及びアンテナ用導電層を形成するようにしてもよい。
【0057】
第4方法は、透明フィルムに金属薄膜をスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷してメッシュ状パターン及びアンテナ用導電層を形成する方法である。
【0058】
以上の方法によって形成されたアンテナ部14及び発熱部16を備えたアンテナ一体型発熱フィルム10は、発熱部16の発熱の均一性を向上させることができ、マイグレーションの懸念の解消を実現することができる。また、アンテナ部14及び発熱部16を1枚の透明フィルム40に形成することができるので、低コスト化を実現できる。また、第1方法では、アンテナ部14及び発熱部16を同時露光で形成することができるので、生産効率が上がり、更なる低コスト化を実現できる。また、アンテナ一体型発熱フィルム10では、金属細線22よりも太い線状部19で構成されたアンテナ部14が、金属細線22で構成された発熱部16の上方に形成されているので、車両のウィンドウガラスとして、例えばリアガラスに貼り付けた場合に車両の後方側の視界を遮ることがない。
【0059】
次に、本実施形態に係る発熱部16及びアンテナ部14において、特に好ましい態様であるハロゲン化銀写真感光材料を用いてメッシュ状パターン24、アンテナ用導電層18を形成する方法を中心にして述べる。メッシュ状パターン24の金属細線22とアンテナ用導電層18の線状部19は同じ材料で形成することができる。
【0060】
本実施形態に係るメッシュ状パターン24とアンテナ用導電層18は、上述したように、透明フィルム40上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を露光し、現像処理を施すことによって露光部及び未露光部に、それぞれ金属銀部62及び光透過性部64を形成することで形成することができる(図4を参照)。必要によっては、さらに金属銀部62に物理現像及び/又はめっき処理を施すことによって金属銀部62に導電性金属66を担持させるようにしてもよい。
【0061】
メッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18の形成方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの態様が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は物理現像して金属銀部62を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を物理現像して金属銀部62を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部62を非感光性受像シート上に形成させる態様。
【0062】
上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に透光性電磁波シールド膜や光透過性導電膜等の透光性導電膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は物理現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
【0063】
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に透光性導電膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀の比表面は小さい球形である。
【0064】
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に透光性導電膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
【0065】
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
【0066】
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
【0067】
(感光材料)
[透明フィルム40]
本実施形態の製造方法に用いられる透明フィルム40としては、フレキシブルなプラスチックフイルムを用いることができる。
【0068】
上記プラスチックフイルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、EVA等のポリオレフィン類、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、アクリル樹脂、ポリイミド、又はアラミド等を用いることができる。
【0069】
本実施形態においては、透光性、耐熱性、取り扱い易さ及び価格の点から、上記プラスチックフイルムはポリエチレンテレフタレートフイルムが適しているが、耐熱性・熱可塑性等の必要性により、適宜選択される。
【0070】
[保護層]
用いられる感光材料は、後述する乳剤層上に保護層を設けていてもよい。本実施形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する乳剤層に形成される。上記保護層は、めっき処理する上では設けない方が好ましく、設けるとしても薄い方が好ましい。その厚みは0.2μm以下が好ましい。上記保護層の塗布方法の形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法を適宜選択することができる。
【0071】
[乳剤層]
本実施形態の製造方法に用いられる感光材料は、透明フィルム40上に、光センサとして銀塩を含む乳剤層(銀塩感光層58)を有することが好ましい。本実施形態における乳剤層には、銀塩のほか、必要に応じて、染料、バインダ、溶媒等を含有することができる。
【0072】
<銀塩>
本実施形態で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩が好ましく、特に銀塩がハロゲン化銀写真感光材料用ハロゲン化銀粒子の形で用いられるのが好ましい。ハロゲン化銀は、光センサとしての特性に優れている。
【0073】
ハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤の形で好ましく用いられるハロゲン化銀について説明する。
【0074】
本実施形態では、光センサとして機能させるためにハロゲン化銀を使用することが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本実施形態においても用いることができる。
【0075】
上記ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらの組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgBrやAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。
【0076】
なお、ここで、「AgBr(臭化銀)を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。このAgBrを主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
【0077】
本実施形態に用いられるハロゲン化銀乳剤は、VIII族、VIIB族に属する金属を含有してもよい。特に、4以上の階調を得るためや低かぶりを達成するために、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物、鉄化合物、オスミウム化合物等を含有することが好ましい。
【0078】
これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当り10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
【0079】
本実施形態では、さらに光センサとしての感度を向上させるため、写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感の方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増感等のカルコゲン増感、金増感等の貴金属増感、還元増感等を用いることができる。これらは、単独又は組み合わせて用いられる。上記化学増感の方法を組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法等の組み合わせが好ましい。
【0080】
<バインダ>
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、且つ、乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダを用いることができる。本発明において、上記バインダとしては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
【0081】
上記バインダとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
【0082】
乳剤層中に含有されるバインダの含有量は、銀塩含有層中のAg/バインダ体積比が1/4以上になるように調節することが好ましく、1/2以上になるように調節することがさらに好ましい。
【0083】
<溶媒>
上記乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0084】
本発明の乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、前記乳剤層に含まれる銀塩、バインダ等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
【0085】
次に、メッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層18を形成するための各工程について説明する。
【0086】
[露光]
本実施形態では、透明フィルム40上に設けられた銀塩感光層58を有する感光材料への露光が行われる。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
【0087】
パターン像を形成させる露光方式としては、均一光をマスクパターンを介して感光面に照射してマスクパターンを像様形成させる面露光方式と、レーザ光等のビームを走査してパターン状の照射部を感光性面上に形成させる走査露光方式とがある。
【0088】
露光は、種々のレーザービームを用いて行うことができる。例えば、本実施形態における露光は、ガスレーザ、発光ダイオード、半導体レーザ、半導体レーザ又は半導体レーザを励起光源に用いた固体レーザと非線形光学結晶を組合わせた第2高調波発光光源(SHG)等の単色高密度光を用いた走査露光方式を好ましく用いることができ、さらに、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等も用いることができる。システムをコンパクトで、安価なものにするために、露光は、半導体レーザ、半導体レーザあるいは固体レーザと非線形光学結晶を組合わせた第2高調波発生光源(SHG)を用いて行うことがより好ましい。特に、コンパクトで、安価、さらに寿命が長く、安定性が高い装置を設計するためには、露光は半導体レーザを用いて行うことが最も好ましい。
【0089】
銀塩感光層58をパターン状に露光する方法は、レーザービームによる走査露光が好ましい。特に特開2000−39677号公報記載のキャプスタン方式のレーザ走査露光装置が好ましく、さらには該キャプスタン方式においてポリゴンミラーの回転によるビーム走査の代わりに特開2004−1224号公報記載のDMDを光ビーム走査系に用いることも好ましい。特に、3m以上の長尺フレキシブルフイルムヒータを作製する場合には、湾曲した露光ステージ上において、感光材料を搬送しながらレーザビームで露光するのが好ましい。
【0090】
メッシュ状パターン24は、後述するように、実質的に平行の直線状細線が交叉してなす三角形、四角形(菱形、正方形等)、六角形等の格子紋様や、平行な直線やジグザグ線、波線等、電圧の印加される電極間に電流を流せる構造であれば特に限定されない。
【0091】
[現像処理]
本実施形態では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
【0092】
リス現像液としては、KODAK社処方のD85等を用いることができる。本発明では、上記の露光及び現像処理を行うことにより露光部に金属銀部、好ましくはパターン状金属銀部が形成されると共に、未露光部に後述する光透過性部が形成される。
【0093】
現像処理で用いられる現像液は、画質を向上させる目的で、画質向上剤を含有することができる。画質向上剤としては、例えばベンゾトリアゾール等の含窒素へテロ環化合物を挙げることができる。また、リス現像液を利用する場合、特に、ポリエチレングリコールを使用することも好ましい。
【0094】
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
【0095】
本実施形態における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透光性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
【0096】
[物理現像及びめっき処理]
本実施形態では、上述した露光及び現像処理により形成された金属銀部62の導電性を向上させる目的で、金属銀部62に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本実施形態では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属銀部62に担持させることが可能であるが、さらに物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部62に担持させることもできる。
【0097】
本実施形態における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフイルム、インスタントスライドフイルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。
【0098】
また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
【0099】
なお、本発明は、以下に記載の公開番号の技術と適宜組合わせて使用することができる。特開2004−221564号公報、特開2004−221565号公報、特開2007−200922号公報、特開2006−352073号公報、国際公開第2006/001461号パンフレット、特開2007−129205号公報、特開2007−235115号公報、特開2007−207987号公報、特開2006−012935号公報、特開2006−010795号公報、特開2006−228469号公報、特開2006−332459号公報、特開2007−207987号公報、特開2007−226215号公報、国際公開第2006/088059号パンフレット、特開2006−261315号公報、特開2007−072171号公報、特開2007−102200号公報、特開2006−228473号公報、特開2006−269795号公報、特開2006−267635号公報、特開2006−267627号公報、国際公開第2006/098333号パンフレット、特開2006−324203号公報、特開2006−228478号公報、特開2006−228836号公報、特開2006−228480号公報、国際公開2006/098336号パンフレット、国際公開第2006/098338号パンフレット、特開2007−009326号公報、特開2006−336057号公報、特開2006−339287号公報、特開2006−336090号公報、特開2006−336099号公報、特開2007−039738号公報、特開2007−039739号公報、特開2007−039740号公報、特開2007−002296号公報、特開2007−084886号公報、特開2007−092146号公報、特開2007−162118号公報、特開2007−200872号公報、特開2007−197809号公報、特開2007−270353号公報、特開2007−308761号公報、特開2006−286410号公報、特開2006−283133号公報、特開2006−283137号公報、特開2006−348351号公報、特開2007−270321号公報、特開2007−270322号公報、国際公開第2006/098335号パンフレット、特開2007−088218号公報、特開2007−201378号公報、特開2007−335729号公報、国際公開第2006/098334号パンフレット、特開2007−134439号公報、特開2007−149760号公報、特開2007−208133号公報、特開2007−178915号公報、特開2007−334325号公報、特開2007−310091号公報、特開2007−311646号公報、特開2007−013130号公報、特開2006−339526号公報、特開2007−116137号公報、特開2007−088219号公報、特開2007−207883号公報、特開2007−207893号公報、特開2007−207910号公報、特開2007−013130号公報、国際公開第2007/001008号パンフレット、特開2005−302508号公報、特開2005−197234号公報。
【0100】
〔比較例〕
次に、アンテナ一体型発熱フィルムの第1比較例及び第2比較例について以下に説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0101】
図8に示されるように、第1比較例のアンテナ一体型発熱フィルム100は、フィルム本体12の長手方向の一辺12Aの図中右側の約半分の幅を占有して形成されたアンテナ部102と、アンテナ部102の下部及び図中左側側部を囲むように配置された発熱部104と、を備えている。アンテナ部102は、金属の線状部19からなる矩形状のアンテナ用導電層106を備えている。
【0102】
発熱部104は、アンテナ部102の下部及び図中左側側部を囲むように上縁部108Aが略L字状に形成された発熱用導電層108を備えている。発熱用導電層108は、導電性の金属細線22にて構成された多数の格子の交点を有するメッシュ状パターン114を有し、メッシュ状パターン114の対向する一対の端部に第1電極116と第2電極118が形成されている。第1電極116と第2電極118は、フィルム本体12の短辺部に沿って設けられており、図中左側の第1電極116が図中右側の第2電極118よりも長手方向の長さが長い。図示を省略するが、第1電極116と第2電極118には電源が接続されている。
【0103】
このようなアンテナ一体型発熱フィルム100では、発熱用導電層108の上縁部108Aがアンテナ部102の下部及び図中左側側部を囲むように略L字状に切り欠かれており、発熱用導電層108の長手方向長さが短い部位である左上端部108Bの導電量が低くなり(電気が流れにくくなり)、左上端部108Bが発熱しにくい。これは、電気が第1電極116と第2電極118との最短距離を流れる傾向にあるからである。
【0104】
図9に示されるように、第2比較例のアンテナ一体型発熱フィルム120は、フィルム本体12の長手方向の一辺12Aの図中右側の約半分の幅を占有して形成されたアンテナ部102と、アンテナ部102の下方側に上縁部が斜め方向に形成された発熱部124と、を備えている。
【0105】
発熱部124は、フィルム本体12の長手方向に沿ってアンテナ部102の図中左側側部から図中右側下部までの範囲で上縁部128Aが斜め方向に配置された発熱用導電層128を備えている。発熱用導電層128は、導電性の金属細線22にて構成された多数の格子の交点を有するメッシュ状パターン130を有し、メッシュ状パターン130の対向する一対の端部に第1電極132と第2電極134が形成されている。第1電極132と第2電極134は、フィルム本体12の短辺部に沿って設けられており、図中左側の第1電極132が図中右側の第2電極134よりも長手方向の長さが長い。図示を省略するが、第1電極132と第2電極134には電源が接続されている。
【0106】
このようなアンテナ一体型発熱フィルム120では、発熱用導電層128の上縁部128Aが斜め方向に配置されると共に、左右の第1電極132と第2電極134の長さが異なり、発熱用導電層128の斜め方向に配置された部位である左上端部128Bの導電量が低くなり(電気が流れにくくなり)、左上端部128Bが発熱しにくい。これは、電気が第1電極132と第2電極134との最短距離を流れる傾向にあるからである。
【0107】
これに対して、第1実施形態のアンテナ一体型発熱フィルム10では、図1に示されるように、フィルム本体12の長手方向の一辺12Aに沿って形成されたアンテナ部14の下方側に、アンテナ部14の長手方向に沿って帯状の発熱部16が設けられており、第1電極26と第2電極28が略平行で同じ長さで形成されている。このため、発熱部16の部位による導電量の差が生じにくくなり、発熱部16をほぼ均一に発熱させることができる。
【0108】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態のアンテナ一体型発熱フィルムについて以下に説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0109】
図10に示されるように、アンテナ一体型発熱フィルム150は、フィルム本体12の表面のアンテナ部14を構成するアンテナ用導電層18の矩形状の枠部18Aの外側、枠部18Aと横線部18Bの間及び複数の横線部18Bの間の領域に、導電性の金属細線154にて構成された多数の格子の交点を有する非通電用メッシュ状パターン152を備えている。非通電用メッシュ状パターン152は、図1に示される発熱部16のメッシュ状パターン24と同じ構成であるが、電極は設けられておらず、電気は通電されない。すなわち、非通電用メッシュ状パターン152はダミーの金属細線154である。
【0110】
このようなアンテナ一体型発熱フィルム150では、アンテナ部14を構成するアンテナ用導電層18の外側及び内側の領域に、非通電用メッシュ状パターン152を設けることにより、フィルム本体12の見た目全体にメッシュ状パターンが形成されているように視認させることができる。これによって、非通電用メッシュ状パターン152を設けないフィルム本体12と比べて、防眩性が向上すると共に、アンテナ一体型発熱フィルム150の見栄えが良好となる。
【0111】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態のアンテナ一体型発熱フィルムについて以下に説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と実質的に同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0112】
図11に示されるように、アンテナ一体型発熱フィルム160は、フィルム本体12の長手方向の一辺12Aに沿った所定幅を占有して形成されたアンテナ部162を備えている。アンテナ部162を構成するアンテナ用導電層164の矩形状の枠部164A及び複数の横線部164Bは、導電性の金属細線166からなる多数の格子の交点を有するメッシュ状パターンで形成されている。アンテナ用導電層164のメッシュ状パターンは、図1に示される発熱部16のメッシュ状パターン24と同じ構成である。
【0113】
このようなアンテナ一体型発熱フィルム160では、アンテナ部162を構成するアンテナ用導電層164をメッシュ状パターンで形成することにより、アンテナ部162の金属細線166が見えにくくなり、透明性を向上させることができる。また、アンテナ用導電層164をメッシュ状パターンで形成することにより、図1に示される発熱部16のメッシュ状パターン24と同じパターンで同じ形成方法により作製することができる。このため、アンテナ一体型発熱フィルム160を製造しやすくなり、低コスト化を実現できる。
【0114】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態のアンテナ一体型発熱フィルムについて以下に説明する。なお、第1実施形態〜第3実施形態と実質的に同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0115】
図12に示されるように、アンテナ一体型発熱フィルム170は、フィルム本体12の表面の図中左側に長手方向と直交する方向に沿って形成された帯状のアンテナ部172と、アンテナ部172の側方に沿って形成された帯状の発熱部174と、を備えている。
【0116】
アンテナ部172は、フィルム本体12の長手方向と直交する方向の一辺12Bに沿った所定幅を占有して形成されており、金属の線状部19からなるアンテナ用導電層176を備えている。アンテナ用導電層176は、矩形状の枠部176Aの内側にアンテナ用導電層176の長手方向に沿って複数の縦線部176Bがほぼ等間隔で形成されており、枠部176Aの上部の一端側には、フィルム本体12の上縁部まで延びた延設部176Cが設けられている。延設部176Cの端部には、図示しない給電端子が接続される。
【0117】
発熱部174は、帯状に配置された発熱用導電層178を備えている。発熱用導電層178は、導電性の金属細線22にて構成された多数の格子の交点を有するメッシュ状パターン24を有し、このメッシュ状パターン24の上下方向の両端部に第1電極180及び第2電極182が形成された形状を有する。
【0118】
第1電極180及び第2電極182は、フィルム本体12の一辺12Aに沿った縁部に形成されており、第1電極26及び第2電極28は、略平行でかつ略同じ長さに形成されている。メッシュ状パターン24は、第1電極180と第2電極182の間の長方形状の領域に形成されている。
【0119】
このようなアンテナ一体型発熱フィルム170では、フィルム本体12の長手方向の直交する方向の一辺12Bに沿って形成されたアンテナ部172の側方に、アンテナ部172に沿って帯状の発熱部174が設けられており、第1電極26と第2電極28が略平行でかつ略同じ長さに形成されている。このため、発熱部174の部位による導電量の差が生じにくくなり、発熱部174をほぼ均一に発熱させることができる。また、アンテナ一体型発熱フィルム170では、アンテナ部172がフィルム本体12の左側の縦方向に設けられているので、アンテナ一体型発熱フィルム170を車両のフロントガラスの助手席側の縁部に沿って貼り付けた際に、アンテナ部172が助手席の乗員の視界をさえぎることを回避できる。
【実施例1】
【0120】
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。本実施例では、図11に示されるアンテナ一体型発熱フィルム160を作製する方法を例に挙げて説明する。
【0121】
<メッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層164の形成(銀塩感光層の露光・現像)>
水媒体中のAg(銀)60gに対してゼラチン7.5gを含む球相当径平均0.05μmの沃臭化銀粒子(I=2モル%)を含有する乳剤を調製した。この際、Ag/ゼラチン体積比は1/1とし、ゼラチン種としては平均分子量2万の低分子量ゼラチンを用いた。
【0122】
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10-7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が1g/m2となるようにポリエチレンテレフタレート(PET)上に塗布した。PETは、塗布前に予め親水化処理したものを用いた。乾燥させた塗布膜に発熱部16及びアンテナ部162を形成するためのライン/スペース=15μm/285μmの現像銀像を与えうる格子状のフォトマスク(ライン/スペース=285μm/15μm(ピッチ300μm)の、スペースが格子状であるフォトマスク)を介して紫外線ランプを用いて露光し、下記の現像液を用いて25℃で45秒間現像し、さらに定着液(スーパーフジフィックス:富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、純水でリンスした。完成した透明フィルム40(メッシュ状パターン24及びアンテナ用導電層164が形成された透明フィルム40)の表面抵抗は40オーム/sqであった。これによって、アンテナ用導電層164からなるアンテナ部162を作製した。アンテナ用導電層164は多数の格子の交点を有するメッシュ状パターンで構成されている。
【0123】
[現像液の組成]
現像液1リットル中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/リットル
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/リットル
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/リットル
水酸化ナトリウム 0.360mol/リットル
臭化ナトリウム 0.031mol/リットル
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/リットル
【0124】
<第1電極26及び第2電極28の形成>
透明フィルム40に形成されたメッシュ状パターン24の対向する端部にそれぞれ幅12.5mm、長さ70mmの導電性銅テープ(銅テープ42A)を互いに凡そ平行になるように貼り、一対の電極(第1電極26及び第2電極28)を形成した。これによって、メッシュ状パターン24の両側の短辺部に第1電極26及び第2電極28を備えた発熱部16を作製した。さらに、発熱部16の第1電極26及び第2電極28に電源30を接続すると共に(図1参照)、アンテナ部162に図示しない給電端子を接続することにより、アンテナ一体型発熱フィルム160を作製した。
【0125】
(評価)
実施例1に係るアンテナ一体型発熱フィルム160の第1電極26及び第2電極28間に直流電圧を印加し、通電10分後のカバー表面温度分布を赤外線温度計で測定することにより、温度分布を確認した。本測定は室温20℃で行った。
【0126】
その結果、実施例1は、最低温度と最高温度の差が5℃程度であり、また、温度上昇幅として、最小13℃、最大18℃、平均15.5℃が実現できており、平均で18℃温度上昇させる場合よりも、2.5℃ほどエネルギーを低減でき、その分、省エネに有利であることがわかった。また、発熱部16の温度分布を測定したところ、発熱部16の全体にわたってほぼ均一に発熱していることがわかった。
【0127】
なお、本発明に係るアンテナ一体型発熱フィルム及びアンテナ一体型発熱フィルムの製造方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0128】
10 アンテナ一体型発熱フィルム
12 フィルム本体
12A 一辺
12B 一辺
14 アンテナ部
16 発熱部
19 線状部
20 発熱用導電層
22 金属細線
24 メッシュ状パターン
26 第1電極(電極)
28 第2電極(電極)
150 アンテナ一体型発熱フィルム
152 非通電用メッシュ状パターン
154 金属細線
160 アンテナ一体型発熱フィルム
162 アンテナ部
166 金属細線
170 アンテナ一体型発熱フィルム
172 アンテナ部
174 発熱部
178 発熱用導電層
180 第1電極(電極)
182 第2電極(電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウィンドウガラスに設けられるアンテナ一体型発熱フィルムであって、
前記ウィンドウガラスに貼着されるフィルム本体と、
前記フィルム本体に該フィルム本体の一辺に沿って形成された帯状のアンテナ部と、
前記フィルム本体に前記アンテナ部に沿って形成された帯状の発熱部と、
を有するアンテナ一体型発熱フィルム。
【請求項2】
前記発熱部は、両端部に電極が設けられた発熱用導電層を備え、
前記電極が前記フィルム本体の一辺と交差する方向に配置されると共に、前記電極が平行かつ同じ長さに形成されている請求項1に記載のアンテナ一体型発熱フィルム。
【請求項3】
前記発熱部及び前記アンテナ部の少なくとも一方は、ハロゲン化銀を含有する銀塩含有層を露光し、現像処理することによって形成される多数の連通した金属細線を有し、
前記金属細線の幅が1μm以上40μm以下であり、
前記金属細線の配置間隔が0.1mm以上50mm以下である請求項1又は請求項2に記載のアンテナ一体型発熱フィルム。
【請求項4】
前記発熱部が金属細線からなるメッシュ状パターンを備えると共に、前記アンテナ部が前記金属細線よりも太い複数の線状部を備え、
前記複数の線状部の間及び前記複数の線状部の周囲の領域に、金属細線からなり、かつ電気を通電しない非通電用メッシュ状パターンが形成されている請求項1又は請求項2に記載のアンテナ一体型発熱フィルム。
【請求項5】
前記発熱部の表面抵抗が10オーム/sq以上500オーム/sq以下である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアンテナ一体型発熱フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−186566(P2010−186566A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28051(P2009−28051)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】