説明

イヌGHRH遺伝子、ポリペプチド及び使用方法

本発明は、イヌプレプロGHRHポリペプチド、イヌ成熟GHRHペプチド、イヌプレプロGHRH又はイヌ成熟GHRHをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。本発明はまた、プレプロGHRH又はGHRHをコードし発現するベクターも包含し、それを使用して、脊椎動物において、具体的にはイヌにおいて遺伝子治療により疾患及び成長ホルモン欠乏を治療することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年5月1日に出願した米国仮出願第60/467,405号の優先権を主張する、2004年5月3日に出願した米国出願第10/838,122号の優先権を主張する、2004年12月17日に出願した米国出願第11/015,461号の優先権を主張するものである。上記の出願、及びその中で又はその実行の間に引用されたすべての文献(「出願引用文献」)、及び出願引用文献で引用又は参照されたすべての文献、及び本明細書で引用又は参照されたすべての文献(「本明細書引用文献」)、及び本明細書引用文献で引用又は参照されたすべての文献は、本明細書で又は参照により本明細書に組み込まれている任意の文献で言及された任意の製品用の、任意の製造業者の取扱説明書、説明書、製品仕様書、及び製品シートとともに、参照により本明細書に組み込まれ、本発明の実施において使用することができる。
【0002】
本発明は、イヌプレプロGHRHポリペプチド、イヌ成熟GHRHペプチド、イヌプレプロGHRH又はイヌ成熟GHRHをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。
【0003】
一実施形態では、本発明は、プレプロGHRH又はGHRHをコードし発現するベクターに関する。そのようなベクターを使用して、脊椎動物において、具体的にはイヌにおいて遺伝子治療により疾患及び成長ホルモン欠乏を治療することができる。
【0004】
他の実施形態では、本発明は、インビボでイヌプレプロGHRH又はイヌGHRHを発現するベクターを動物宿主に注射するステップを含む、ペプチドGHRHを脊椎動物へと、具体的にはイヌへと送達する方法に関する。
【0005】
本発明はまた、脊椎動物において、具体的にはイヌにおいて、貧血、悪液質、創傷治癒、骨折治癒、骨粗鬆症、肥満を治療する方法にも関する。
【背景技術】
【0006】
成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)は、下垂体前葉による成長ホルモン(GH)の合成及び分泌の調節に重要な役割を果たす視床下部のペプチドである。ヒトGHRHは、44アミノ酸からなるC末端アミド化ペプチドである。その一方で、ラットGHRHは、長さが43アミノ酸である非アミド化ペプチドであり、ヒトGHRHとの相同性が67%しかない。GHRHが前駆体(プレプロGHRH)に由来し、それがシグナルペプチドの除去及びC末端領域でのタンパク質分解性切断により成熟GHRHにプロセシングされることが明らかとなっている。前駆体のアミノ酸配列は、2つの考えられるスプライス受容部位の使用の違いに応じて、107残基又は108残基を含む。
【0007】
ヒト及びラットのGHRH遺伝子は、イントロン4個によって分離された小さなエキソン5個を含み、ゲノムDNA上に10キロ塩基にまたがっているが、イントロンの位置及びサイズに違いがある。
【0008】
特許出願EP1052286は、ゲノムライブラリーからイヌGHRH遺伝子をクローン化する非特異的な方法を例示するが、その記載からは、遺伝子のヌクレオチド配列が開示されず、又はイントロンを除去しエキソン配列を集合させて完全なコード配列を得る方法の指針が得られない。
【0009】
家畜では、GHRHは、乳汁の組成を変化させずに乳汁産生を促進し、飼料から乳汁への転換を増大させ、主として除脂肪体重の増大により成長を維持する。GH分泌の刺激によって、GHRHは、動物の免疫機能を亢進させる。GHRHは、成長ホルモン産生異常に起因する、ガンなどの慢性疾患での悪液質の治療(Bartlett et al Cancer 1994, 73, 1499-1504及びSurgery 1995, 117, 260-267)、創傷治癒、骨折治癒、加齢過程の遅延、骨粗鬆症、及び貧血(Sohmiya et al J. Endocrinol. Invest. 2000, 23, 31-36及びClin. Endocrinl. 2001, 55, 749-754)に大きな治療有用性がある。
【0010】
比較的少量のGHRHが、GHの産生及び分泌の刺激に必要であることが研究から示されている。しかし、異なる動物種に由来する異種GHRHを使用すると、GH放出の強力な刺激が生じない可能性がある。異種GHRHペプチドを治療として投与すると、宿主中の抗体反応が誘導される可能性もある。イヌGHRHをコードするDNAは、本発明まで不明であり、イヌ又は他の動物種の治療に十分な量のイヌGHRHを入手可能にする必要があった。
【0011】
本出願における任意の文献の引用又は特定は、そのような文献が本発明に対する従来技術として利用可能であることを認めるものではない。
【特許文献1】米国仮出願第60/467,405号
【特許文献2】米国出願第10/838,122号
【特許文献3】米国出願第11/015,461号
【特許文献4】特許出願EP1052286
【非特許文献1】Bartlett et al Cancer 1994, 73, 1499-1504
【非特許文献2】Bartlett et al Surgery 1995, 117, 260-267
【非特許文献3】Sohmiya et al J. Endocrinol. Invest. 2000, 23, 31-36
【非特許文献4】Sohmiya et al Clin. Endocrinl. 2001, 55, 749-754
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、一部には、出願人による新規なイヌプレプロGHRH及びイヌ成熟GHRHのポリヌクレオチド及びポリペプチドの配列の同定に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、イヌプレプロGHRHポリペプチド、イヌ成熟GHRHペプチド、及びイヌプレプロGHRH又はイヌ成熟GHRHをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。有利な実施形態では、イヌプレプロGHRHポリペプチドは、本質的に配列番号1のアミノ酸残基からなる。他の有利な実施形態では、イヌ成熟GHRHペプチドは、本質的に配列番号2のアミノ酸残基からなる。
【0014】
本発明はまた、本質的に配列番号3の配列を有するイヌプレプロGHRHからなる単離ポリヌクレオチド、又はそれと完全に相補的であるアンチセンス鎖、及び本質的に配列番号4の配列を有するイヌ成熟GHRHからなる単離ポリヌクレオチド、又はそれと完全に相補的であるアンチセンス鎖をも包含する。ポリヌクレオチドは、DNA分子でもよく、或いはRNA分子でもよい。
【0015】
一実施形態では、本発明は、イヌプレプロGHRH又はイヌGHRHをコードし発現するベクターに関する。そのようなベクターを使用して、脊椎動物において、遺伝子治療により疾患及び成長ホルモン欠乏を治療することができる。有利な実施形態では、発現ベクターは、イヌプレプロGHRHをコードするポリヌクレオチドを含み、そのポリヌクレオチドは、配列番号3のヌクレオチド塩基配列を含む。他の有利な実施形態では、発現ベクターは、イヌ成熟GHRHをコードするポリヌクレオチドを含み、そのポリヌクレオチドは、配列番号4のヌクレオチド塩基配列を含む。有利な実施形態では、ヌクレオチド塩基配列は、プロモーター、及び場合によってはエンハンサーと作動的に連結している。
【0016】
特に有利な実施形態では、本発明は、イヌプロGHRH、プロペプチドN末端(31〜106AAに対応)を欠失させたイヌプロGHRH、又はイヌGHRHをコードし発現するベクターに関し、ペプチドシグナル配列が、イヌプロGHRH、プロペプチドN末端(31〜106AAに対応)を欠失させたイヌプロGHRH、又はイヌGHRHと融合している。有利には、ペプチドシグナル配列はインスリン様成長因子(IGF)ペプチドシグナル配列である。特に有利な実施形態では、ペプチドシグナル配列はIGF−1ペプチドシグナル配列であり、より有利には、ウマIGF−1ペプチドシグナル配列である。
【0017】
他の有利な実施形態では、本発明は、ペプチドシグナル配列、有利にはIGF−1ペプチドシグナル配列、及びプロペプチドN末端を欠失させたプロGHRHを含み、場合によってはC末端にグリシンの付加を含むGHRHをコードし発現するベクターを包含する。さらに他の有利な実施形態では、本発明は、ペプチドシグナル配列、有利には、場合によってはリンカーテトラペプチドを介して連結した成熟GHRH及び血清アルブミンと融合したIGF−1シグナル配列を含むベクター骨格を提供する。GHRHは、ブタ又はウシ並びにイヌに由来するものでもよい。
【0018】
上記のベクターのいずれかを使用して、脊椎動物において、遺伝子治療により疾患及び成長ホルモン欠乏を治療することができる。有利な実施形態では、発現ベクターは、イヌプレプロGHRHをコードするポリヌクレオチドを含み、そのポリヌクレオチドは、配列番号3のヌクレオチド塩基配列を含む。他の有利な実施形態では、発現ベクターは、イヌ成熟GHRHをコードするポリヌクレオチドを含み、そのポリヌクレオチドは、配列番号4のヌクレオチド塩基配列を含む。有利な実施形態では、ヌクレオチド塩基配列は、プロモーター、及び場合によってはエンハンサーと作動的に連結している。
【0019】
他の実施形態では、本発明は、インビボでイヌプレプロGHRH又はイヌGHRHを発現するベクターを動物宿主に注射するステップを含む、ペプチドGHRHを脊椎動物へと、具体的にはイヌへと送達する方法に関する。有利な実施形態では、動物宿主はイヌである。有利な実施形態では、製剤は、イヌGHRH又はイヌプレプロGHRHを発現するベクター、並びにイヌGHRH又はイヌプレプロGHRHの細胞中への送達及び細胞中での発現を促進し、又はベクターの安定性を向上させる薬学上又は獣医学上許容される担体又は媒体又は賦形剤を含む。有利には、送達はインビボで動物に対して、有利には脊椎動物に対して、より有利にはイヌに対して行う。より有利な実施形態では、製剤中のベクターは、本質的に配列番号3からなるイヌプレプロGHRH配列、又は本質的に配列番号4からなるイヌ成熟GHRH配列を含む。
【0020】
本発明はまた、GHRH製剤を動物に注射するステップを含む、動物、有利には脊椎動物、より有利にはイヌにGHRHを送達する方法をも提供する。有利な実施形態では、製剤は、イヌGHRHを発現するベクター、及び薬学上又は獣医学上許容される担体又は媒体又は賦形剤を含む。
【0021】
本発明はまた、脊椎動物において、貧血、悪液質、創傷治癒、骨折治癒、骨粗鬆症及び肥満を治療する方法にも関する。本発明はまた、脊椎動物の免疫応答を刺激する方法にも関する。
【0022】
本開示において、特に請求項及び/又は段落において、「含む(comprises)」、「含まれる(comprised)」、「含んでいる(comprising)」などの用語は、米国特許法においてそれぞれに付与されている意味を有し得る;例えば、それらは「含む(includes)」、「含まれる(included)」、「含んでいる(including)」などを意味し得、「本質的に〜からなっている(consisting essentially of)」や「本質的に〜からなる(consists essentially of)」などの用語は、米国特許法においてそれぞれに付与されている意味を有し、例えば、それらでははっきりと列挙されていない要素を考慮するが、従来技術中で認められ、或いは本発明の基本的な又は新規な特徴に影響を及ぼす要素を除外することに留意されたい。本明細書において、「一貫して本質的に〜からなる(consistently essentially of)」とは、非イヌGHRH配列をはっきりと除外する意味を有する。
【0023】
これら及び他の実施形態は、下記の詳細な説明から開示され又は明らかとなり、それによって包含される。
【0024】
例として示すが、記載した特定の実施形態に本発明を単に限定するものではない下記の詳細な説明は、添付した図面と併せると最もよく理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、一部には、出願人による新規なイヌプレプロGHRH及びイヌ成熟GHRHのポリヌクレオチド及びポリペプチドの配列の同定に基づいている。本発明の前は、マウス、ラット、ブタやウシなど、様々な動物種由来のGHRHペプチド及びコード配列が入手可能であった。イヌにおいて異種GHRHを使用すると、GH放出の強力な刺激が生じない可能性があり、反復投与後に宿主中の抗体反応が誘導される可能性がある。イヌGHRHをコードするDNAは、本発明まで不明であり、イヌの治療に十分な量のイヌGHRHを入手可能にする必要があった。
【0026】
本発明は、下記のアミノ酸配列:H-MPLWVFFLVILTLSSGSHSSPPSLPIRIPRYADAIFTNSYRKVLGQLSARKLLQDIMSRQQGERNREQGAKVRLGRQVDSLWASQKQMALENILASLLQKRRNSQG-OH(配列番号1)を有するイヌプレプロGHRHポリペプチドに関する。ペプチドシグナル(プレペプチド)配列は、Met(1)からSer(20)にまたがっている。シグナルペプチドの切断は、Ser(19)の後で起こる可能性もある。括弧の間の数は、プレプロGHRH配列中でのアミノ酸の位置を意味する。H−M及びG−OHは、プレプロペプチドのN末端のMetアミノ酸及びカルボキシ末端のGlyアミノ酸が修飾されていないことを意味する。プレGHRHペプチドの切断後、プロGHRHペプチドがArg(30)の後及びLeu(74)の後で切断されて、成熟GHRHペプチドが生じる。
【0027】
イヌプレプロGHRHポリペプチドの変異体は、アミノ酸Leuによる2位のアミノ酸Proの置換を有する。
【0028】
本発明はまた、下記のアミノ酸配列:R1-YADAIFTNSYRKVLGQLSARKLLQDIMSRQQGERNREQGAKVRL-R2(配列番号2)を有するイヌ成熟GHRHペプチドにも関し、式中、Rは水素又はH−Metであり、RはOH又はNHである。N末端のH−Met又はH−Yは、メチオニン又はチロシンが修飾されていないことを意味する。成熟ペプチドのカルボキシ末端のL−OH又はL−NH2は、ロイシンアミノ酸が修飾されていない、又はアミド化されていることを意味する。
【0029】
他の実施形態では、本発明は、安定性が向上したイヌ成熟GHRH類似体を含む。この類似体は、Tyr(1)からHis(1)、Ala(2)からVal(2)、Gly(15)からAla(15)、Met(27)からLeu(27)又はSer(28)からAsn(28)からなる群間で選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する。括弧の間の数は、成熟GHRH配列中でのアミノ酸の位置を意味する。これらのアミノ酸置換をイヌプレプロGHRHポリペプチド中で導入することができる。そのような特異的アミノ酸置換を行うことは、当業者にとって日常的な実験である。例えば、限定されるものではないが、イヌ成熟GHRHポリヌクレオチドの部位特異的突然変異生成を行って、上記に列挙した1つ又は複数のアミノ酸置換を有する突然変異イヌ成熟GHRHペプチドを得ることができる。当技術分野で知られている方法を使用して、遺伝子を化学的に合成することもできる。
【0030】
「タンパク質」、「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「ポリペプチド断片」という用語は、任意の長さのアミノ酸残基からなるポリマーを指すのに本明細書において相互に使用される。ポリマーは、直鎖又は分枝状でもよく、修飾アミノ酸又はアミノ酸類似体を含んでもよく、アミノ酸以外の化学的部分によって中断されていてもよい。その用語はまた、天然に、或いは介入;例えば、ジスルフィド結合形成、糖鎖付加、脂質付加、アセチル化、リン酸化、又は標識や生物活性構成成分との結合など他の任意の操作若しくは改変によって修飾されているアミノ酸ポリマーをも包含する。
【0031】
本発明は、配列及び断片:5'-ATGCCACTCTGGGTGTTCTTCCTGGTGATCCTCACCCTCAGCAGTGGCTCCCACTCTTCCCCGCCATCCCTGCCCATCAGAATCCCTCGGTATGCAGACGCCATCTTCACCAACAGCTACCGGAAGGTGCTGGGCCAGCTGTCCGCCCGCAAGCTCCTGCAGGACATCATGAGCCGGCAGCAGGGAGAGAGAAACCGGGAGCAAGGAGCAAAGGTACGACTCGGCCGTCAGGTGGACAGTCTGTGGGCAAGCCAAAAGCAGATGGCATTGGAGAACATCCTGGCATCCCTGTTACAGAAACGCAGGAACTCCCAAGGATGA-3'(配列番号3)を有するイヌプレプロGHRHをコードする単離ポリヌクレオチドを包含する。
【0032】
本発明はまた、それぞれヌクレオチドT及びGによる5位及び6位のC及びAの置換を有するイヌプレプロGHRHをコードするポリヌクレオチドの変異体をも提供する。
【0033】
本発明はまた、配列:5'-TATGCAGACGCCATCTTCACCAACAGCTACCGGAAGGTGCTGGGCCAGCTGTCCGCCCGCAAGCTCCTGCAGGACATCATGAGCCGGCAGCAGGGAGAGAGAAACCGGGAGCAAGGAGCAAAGGTACGACTC-3'(配列番号4)を有するイヌ成熟GHRHをコードする単離ポリヌクレオチドをも含む。
【0034】
「ポリヌクレオチド」とは、任意の長さのポリマー型ヌクレオチドであり、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及び類似体を任意の組合せで含む。ポリヌクレオチドは、三次元構造を有することができ、既知又は未知の任意の機能を果たすことができる。「ポリヌクレオチド」という用語には、二本鎖、一本鎖、及び三重らせんの分子が含まれる。別段に指定又は要求しない限り、本明細書に記載する、ポリヌクレオチドである本発明の任意の実施形態は、二本鎖の形態と、DNA、RNA又はハイブリッド分子の二本鎖形態を形成することが知られ又は予測される2つの相補的な形態それぞれをどちらも包含する。
【0035】
以下はポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子又は遺伝子断片、エキソン、イントロン、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ及びプライマー。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体、ウラシル、フルオロリボースやチオレートなどの他の糖及び結合基や、ヌクレオチド分枝など、修飾ヌクレオチドを含んでもよい。ヌクレオチドの配列は、重合後に、結合などによって、標識構成成分でさらに修飾することができる。この定義において、他の型の修飾には、キャップ、1個又は複数個の天然に存在するヌクレオチドの類似体との置換、ポリヌクレオチドをタンパク質、金属イオン、標識構成成分、他のポリヌクレオチド又は固体支持体と結合させる手段の導入がある。
【0036】
「単離」ポリヌクレオチド又はポリペプチドとは、その生来の環境で付随する物質を実質的に含まないものである。実質的に含まないとは、これらの物質を少なくとも50%、有利には少なくとも70%、より有利には少なくとも80%、さらに有利には少なくとも90%含まないことを意味する。
【0037】
本発明は、GHRHポリヌクレオチドに相補的な鎖をさらに含む。
【0038】
相補的な鎖は、任意の長さのポリマーでもよく、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及び類似体を任意の組合せで含むことができる。
【0039】
ハイブリダイゼーション反応は、様々な「厳密性」の条件下で行うことができる。ハイブリダイゼーション反応の厳密性を増大させる条件は周知である。例えば、"Molecular Cloning: A Laboratory Manual", second edition (Sambrook et al. 1989)を参照されたい。適切な条件の例には、(厳密性が高くなる順に)以下のものがある:インキュベーション温度25℃、37℃、50℃、及び68℃;緩衝液濃度10×SSC、6×SSC、1×SSC、0.1×SSC(SSCとは0.15M NaCl及び15mMクエン酸の緩衝液である)、及び他の緩衝液系を使用するその同等物;ホルムアミド濃度0%、25%、50%、及び75%;インキュベーション時間5分〜24時間;洗浄ステップ1回、2回又はそれ以上;洗浄インキュベーション時間1、2、又は15分;並びに洗浄溶液6×SSC、1×SSC、0.1×SSC、又は脱イオン水。
【0040】
本発明はさらに、それによってコードされるポリペプチドの特性を亢進し、低下させ又はそれに有意な影響を及ぼさない可能性がある、イヌGHRHポリペプチドの機能的に同等な変異体及び誘導体並びに機能的に同等なその断片をコードするポリヌクレオチドを包含する。これらの機能的に同等な変異体、誘導体、及び断片は、イヌGHRH活性を保持する能力を示す。例えば、コードされたアミノ酸配列を変化させないDNA配列の変化、並びにアミノ酸残基の保存的置換が生じる変化、1つ又は少数のアミノ酸の欠失又は付加、及びアミノ酸類似体によるアミノ酸残基の置換は、コードされたポリペプチドの特性に有意な影響を及ぼさないものである。保存的アミノ酸置換は、グリシン/アラニン、バリン/イソロイシン/ロイシン、アスパラギン/グルタミン、アスパラギン酸/グルタミン酸、セリン/スレオニン/メチオニン、リシン/アルギニン、及びフェニルアラニン/チロシン/トリプトファンである。
【0041】
他の実施形態では、本発明は、配列番号1と少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の相同性又は同一性を有するイヌプレプロGHRHポリペプチド変異体を含む。
【0042】
他の実施形態では、本発明は、配列番号2と少なくとも97%、少なくとも97.5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%又は少なくとも99%の相同性又は同一性を有するイヌ成熟GHRHポリペプチド変異体を含む。
【0043】
他の実施形態では、本発明は、配列番号3と少なくとも86.5%、少なくとも87%、少なくとも87.5%、少なくとも88%、少なくとも88.5%、少なくとも89%、少なくとも89.5%、少なくとも90%、少なくとも90.5%、少なくとも91%、少なくとも91.5%、少なくとも92%、少なくとも92.5%、少なくとも93%、少なくとも93.5%、少なくとも94%、少なくとも94.5%、少なくとも95%、少なくとも95.5%、少なくとも96%、少なくとも96.5%、少なくとも97%、少なくとも97.5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%又は少なくとも99.5%の相同性又は同一性を有するイヌプレプロGHRHをコードするポリヌクレオチドの変異体を含む。本発明は、イヌプレプロGHRH類似体をコードするポリヌクレオチドをも包含する。有利な実施形態では、イヌプレプロGHRH類似体は、配列番号1と少なくとも86.5%、少なくとも87%、少なくとも87.5%、少なくとも88%、少なくとも88.5%、少なくとも89%、少なくとも89.5%、少なくとも90%、少なくとも90.5%、少なくとも91%、少なくとも91.5%、少なくとも92%、少なくとも92.5%、少なくとも93%、少なくとも93.5%、少なくとも94%、少なくとも94.5%、少なくとも95%、少なくとも95.5%、少なくとも96%、少なくとも96.5%、少なくとも97%、少なくとも97.5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%又は少なくとも99.5%の相同性又は同一性を有する。
【0044】
他の実施形態では、本発明は、配列番号4と90.5%、少なくとも91%、少なくとも91.5%、少なくとも92%、少なくとも92.5%、少なくとも93%、少なくとも93.5%、少なくとも94%、少なくとも94.5%、少なくとも95%、少なくとも95.5%、少なくとも96%、少なくとも96.5%、少なくとも97%、少なくとも97.5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%又は少なくとも99.5%の相同性又は同一性を有するイヌ成熟GHRHをコードするポリヌクレオチドの変異体を含む。本発明は、イヌ成熟GHRH類似体をコードするポリヌクレオチドをも包含する。有利な実施形態では、イヌ成熟GHRH類似体は、配列番号2と97.5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%又は少なくとも99.5%の相同性又は同一性を有する。
【0045】
本発明の目的で、重複及び同一性が最大となるが配列ギャップが最小となるように整列したときに配列を比較することによって配列の同一性又は相同性を決定することができる。具体的には、配列同一性は、いくつかの数学的アルゴリズムのいずれかを使用して決定することができる。2つの配列の比較に使用する数学的アルゴリズムの非限定的な例は、Karlin & Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1993; 90: 5873-5877などで改変された、Karlin & Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1990; 87: 2264-2268のアルゴリズムである。
【0046】
配列の比較に使用する数学的アルゴリズムの他の例は、Myers & Miller, CABIOS 1988; 4: 11-17のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(第2.0版)中に組み込まれている。アミノ酸配列の比較にALIGNプログラムを利用するとき、PAM120重み残基表、12のギャップ長ペナルティー、及び4のギャップペナルティーを使用することができる。局所的な配列の類似性及びアラインメントの領域を同定するさらに他の有用なアルゴリズムは、Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1988; 85: 2444-2448に記載のFASTAアルゴリズムである。
【0047】
WU−BLAST(Washington University BLAST)第2.0版ソフトウェアが本発明に従った使用に有利である。複数のUNIXプラットフォーム用のWU−BLAST第2.0版実行可能プログラムをftp://blast.wustl.edu/blast/executablesからダウンロードすることができる。このプログラムは、WU−BLAST第1.4版を基礎とし、そのプログラムは、パブリックドメインのNCBI−BLAST第1.4版を基礎とする(Altschul & Gish, 1996, Local alignment statistics, Doolittle ed., Methods in Enzymology 266: 460-480;Altschul et al., Journal of Molecular Biology 1990; 215: 403-410;Gish & States, 1993;Nature Genetics 3: 266-272;Karlin & Altschul, 1993; Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5877;これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれている)。
【0048】
一般に、アミノ酸配列の比較は、既知の構造を有するポリペプチドのアミノ酸配列を、未知の構造を有するポリペプチドのアミノ酸配列と整列することによって行う。次いで、配列中のアミノ酸を比較し、相同性があるアミノ酸の集団を一群にする。この方法によって、ポリペプチドの保存された領域が検出され、アミノ酸の挿入及び欠失が明らかとなる。アミノ酸配列間の相同性は、市販のアルゴリズムを使用することによって決定することができる(上記の相同性の記載も参照されたい)。本明細書においてその他の形で言及したものに加えて、米国バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)によって提供されるプログラムBLAST、gapped BLAST、BLASTN、BLASTP、及びPSI−BLASTにも言及する。これらのプログラムは、この目的で当技術分野において広く使用され、2つのアミノ酸配列の相同性がある領域を整列することができる。
【0049】
そのセット中のすべての検索プログラムにおいて、ギャップアラインメントルーチンは、データベース検索自体に不可欠である。ギャップ形成は、望ましい場合には停止することができる。長さのギャップ1つについての初期設定のペナルティー(Q)は、タンパク質及びBLASTPではQ=9であり、BLASTNではQ=10であるが、任意の整数に変更してもよい。ギャップを伸長する、初期設定の残基当たりのペナルティー(R)は、タンパク質及びBLASTPではR=2であり、BLASTNではR=10であるが、任意の整数に変更してもよい。重複及び同一性が最大となるが配列ギャップが最小となるように配列を整列するために、Q値及びR値の任意の組合せを使用することができる。初期設定のアミノ酸比較行列はBLOSUM62であるが、PAMなどの他のアミノ酸比較行列を利用することができる。
【0050】
或いは又はさらには、「相同性」又は「同一性」という用語は、例えば、ヌクレオチド又はアミノ酸の配列に関して、2つの配列間にある類似性の定量的尺度を示すことができる。%配列類似性は、(Nref−Ndif100/Nrefとして算出することができ、式中、Ndifは、整列したときに2つの配列で同一でない残基の合計数であり、Nrefは、配列の1つの残基数である。したがって、DNA配列AGTCAGTCは、配列AATCAATCとの配列同一性が75%である(Nref=8;Ndif=2)。
【0051】
或いは又はさらには、配列に関して「相同性」又は「同一性」という用語は、2つの配列の短い方でのヌクレオチド又はアミノ酸の数で割った、同一のヌクレオチド又はアミノ酸の位置の数を指すこともでき、2つの配列のアラインメントは、例えば、20ヌクレオチドのウィンドウサイズ、4ヌクレオチドの語長、及び4のギャップペナルティーを使用して、Wilbur及びLipmanのアルゴリズムに従って決定することができ(参照により本明細書に組み込まれているWilbur & Lipman, Proc Natl Acad Sci USA 1983; 80: 726)、アラインメントを含めた配列データのコンピュータ支援型の分析及び解釈は、好都合なことに、市販されているプログラム(例えば、Intelligenetics(商標)Suite、Intelligenetics社製、カリフォルニア州)を使用して行うことができる。RNA配列がDNA配列と類似する、又はある程度の配列の同一性又は相同性を有するというとき、DNA配列中のチミジン(T)は、RNA配列中のウラシル(U)と同じであるとみなす。したがって、RNA配列は、本発明の範囲内にあり、DNA配列中のチミジン(T)をRNA配列中のウラシル(U)と同じであるとみなすことにより、DNA配列に由来し得る。
【0052】
また、過度の実験を行わずに、当業者は、%相同性を決定するための他の多数のプログラム又は参照文献を参考にすることができる。
【0053】
本発明はさらに、ベクター分子又は発現ベクター中に含まれ、プロモーターエレメント、及び場合によってはエンハンサーと作動的に連結しているイヌGHRHポリヌクレオチドを包含する。
【0054】
本発明はさらに、ベクター分子又は発現ベクター中に含まれるイヌGHRHポリヌクレオチドを包含し、ペプチドシグナル配列が、イヌプロGHRH、プロペプチドN末端(31〜106AAに対応)を欠失させたイヌプロGHRH、又はイヌGHRHと融合している。有利には、ペプチドシグナル配列はインスリン様成長因子(IGF)ペプチドシグナル配列である。特に有利な実施形態では、ペプチドシグナル配列はIGF−1ペプチドシグナル配列であり、より有利には、ウマIGF−1ペプチドシグナル配列である。当業者なら、潜在性のスプライス部位を除去することによって、例えば、開始コドンの前にKozak共通配列を導入して発現を高めることによりコドンの使用を適合させることによって、ペプチドシグナル配列と融合したイヌプロGHRH、プロペプチドN末端(31〜106AAに対応)を欠失させたイヌプロGHRH、又はイヌGHRHのヌクレオチド配列の発現を最適化することができる。
【0055】
有利な実施形態では、プロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)の前早期遺伝子のプロモーターである。他の有利な実施形態では、プロモーター及び/又はエンハンサーエレメントは酸素誘導性である。本発明の方法で使用することができる酸素誘導性のプロモーター及び/又はエンハンサーには、それだけに限らないが、早期増殖反応−1(early growth response-1)(Egr1)のプロモーター(例えば、Park et al., J Clin Invest. 2002 Aug; 110(3): 403-1を参照)、低酸素誘導性因子(hypoxia-inducible factor)(HIF)の誘導性エンハンサー(例えば、Cuevas et al., Cancer Res. 2003 Oct 15; 63(20): 6877-84を参照)、及びMn−スーパーオキシドジスムターゼ(Mn−SOD)のプロモーター(例えば、Gao et al., Gene. 1996 Oct 17; 176(1-2): 269-70を参照)がある。
【0056】
他の実施形態では、エンハンサー及び/又はプロモーターには、様々な細胞又は組織に特異的なプロモーター(例えば、筋、内皮細胞、肝、体細胞又は幹細胞)、様々なウイルスのプロモーター及びエンハンサー並びに同質遺伝子として各動物種に特異的である様々なGHRHのDNA配列がある。例えば、イヌGHRHがイヌ筋細胞中で発現している場合、エンハンサー及び/又はプロモーターは、イヌGHRHの発現を最適化するために、イヌ筋細胞に特異的である可能性がある。筋特異的なプロモーター及びエンハンサーの例は記載されており、当業者に知られている(例えば、Li et al., Gene Ther. 1999 Dec; 6(12): 2005-11;Li et al., Nat Biotechnol. 1999 Mar; 17(3): 241-5及びLoirat et al., Virology. 1999 Jul 20; 260(1): 74-83を参照;これらの開示は、その全体が参照により組み込まれている)。
【0057】
本発明で使用することができるプロモーター及びエンハンサーには、それだけに限らないが、Rous肉腫ウイルスのLTR、HSV−1のTK、SV40の早期又は後期プロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター(MLP)、ホスホグリセリン酸キナーゼ、メタロチオネイン、α−1アンチトリプシン、アルブミン、コラゲナーゼ、エラスターゼI、β−アクチン、β−グロビン、γ−グロビン、α−フェトプロテイン、筋クレアチンキナーゼがある。
【0058】
「ベクター」とは、インビトロ又はインビボで標的細胞へと送達される異種ポリヌクレオチドを含む組換えDNA又はRNAのプラスミド又はウイルスを指す。異種ポリヌクレオチドは、治療の目的で対象とする配列を含んでもよく、場合によっては、発現カセットの形態でもよい。本明細書においては、ベクターは、最終的な標的の細胞又は対象の中で複製可能である必要がない。その用語はクローン化用ベクターを含み、ウイルスベクターもそれに含まれる。
【0059】
「組換えの」という用語は、ポリヌクレオチドの半合成的又は合成的な由来を意味し、それは天然には存在せず、又は天然には認められない配置で他のポリヌクレオチドと連結している。
【0060】
「異種の」とは、比較する残りの存在物と遺伝的に異なる存在物に由来することを意味する。例えば、ポリヌクレオチドは、遺伝子工学技術により、異なる供給源に由来するプラスミド又はベクター中に入れることができ、それは異種のポリヌクレオチドである。その生来のコード配列から除去し、生来の配列以外のコード配列と作動的に連結したプロモーターは、異種のプロモーターである。
【0061】
本発明のポリヌクレオチドは、同じ転写単位内にあるさらなるコード配列、プロモーターなどの調節エレメント、リボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、同じ又は異なるプロモーターの調節下にあるさらなる転写単位、クローン化、発現、相同組換え、及び宿主細胞の形質転換を可能にする配列や、本発明の実施形態の提供に望ましい可能性がある任意の構築物などのさらなる配列を含んでもよい。
【0062】
本発明は、プレプロGHRH、成熟GHRH、プロGHRH或いは変異体又は類似体又は断片を発現するベクターを包含する。成熟GHRH又はプロGHRHでは、ペプチドをコードするヌクレオチド配列の直前にインフレーム(in frame)でペプチドシグナルをコードするヌクレオチド配列を置いて、GHRHを細胞外媒質中に分泌させることが好ましい。シグナル配列は、プレプロGHRH由来の天然の配列でもよく、或いは分泌タンパク質のペプチドシグナル、例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子タンパク質(tPA)、特にヒトtPA(S. Friezner Degen et al J. Biol. Chem. 1996, 261, 6972-6985;R. Rickles et al J. Biol. Chem. 1988, 263, 1563-1569;D. Berg. et al Biochem. Biophys. Res. Commun. 1991, 179, 1289-1296)由来のシグナルペプチド、又はインスリン様成長因子1(IGF1)、特にウマIGF1(K. Otte et al. Gen. Comp. Endocrinol. 1996, 102(1), 11-15)、イヌIGF1(P. Delafontaine et al. Gene 1993, 130, 305-306)、ネコIGF1(WO−A−03/022886)、ウシIGF1(S. Lien et al. Mamm. Genome 2000, 11(10), 877-882)、ブタIGF1(M. Muller et al. Nucleic Acids Res. 1990, 18(2), 364)、ニワトリIGF1(Y. Kajimoto et al. Mol. Endocrinol. 1989, 3(12), 1907-1913)、シチメンチョウIGF1(GenBankアクセッション番号AF074980)由来のシグナルペプチドでもよい。IGF1由来のシグナルペプチドは、天然のものでもよく、或いは最適化する、具体的には潜在性のスプライス部位を除去し且つ/又はコドンの使用を適合させることによって最適化することもできる。成熟GHRHでは、コードポリヌクレオチド配列において、アミド化するためにGly及びArgをペプチドのC末端に付加することができる。
【0063】
イヌGHRHの発現用エレメントが本発明のベクター中に存在すると有利である。最小限の形では、これは、開始コドン(ATG)、終止コドン及びプロモーター、並びにまた場合によってはプラスミドなどの特定のベクター、及び特定のウイルスベクター、例えばポックスウイルス以外のウイルスベクター用のポリアデニル化配列を含み、本質的にそれらからなり、又はそれらからなる。ポリヌクレオチドがポリタンパク質断片、例えばイヌGHRHをコードするとき、ベクター中で、ATGを読み枠の5’に置き、終止コドンを3’に置くと有利である。エンハンサー配列、イントロンなどの安定化配列や、タンパク質の分泌を可能にするシグナル配列など、発現調節用の他のエレメントが存在してもよい。
【0064】
インビボ又はインビトロで本発明の遺伝子の遺伝子産物を発現させるベクター又は組換え体又はプラスミドを作製し且つ/又は投与する方法は、任意の望ましい方法、例えば、米国特許第4,603,112号;第4,769,330号;第4,394,448号;第4,722,848号;第4,745,051号;第4,769,331号;第4,945,050号;第5,494,807号;第5,514,375号;第5,744,140号;第5,744,141号;第5,756,103号;第5,762,938号;第5,766,599号;第5,990,091号;第5,174,993号;第5,505,941号;第5,338,683号;第5,494,807号;第5,591,639号;第5,589,466号;第5,677,178号;第5,591,439号;第5,552,143号;第5,580,859号;第6,130,066号;第6,004,777号;第6,130,066号;第6,497,883号;第6,464,984号;第6,451,770号;第6,391,314号;第6,387,376号;第6,376,473号;第6,368,603号;第6,348,196号;第6,306,400号;第6,228,846号;第6,221,362号;第6,217,883号;第6,207,166号;第6,207,165号;第6,159,477号;第6,153,199号;第6,090,393号;第6,074,649号;第6,045,803号;第6,033,670号;第6,485,729号;第6,103,526号;第6,224,882号;第6,312,682号;第6,348,450号;及び第6,312,683号;1986年10月16日に出願された米国特許出願第920,197号;WO90/01543;WO91/11525;WO94/16716;WO96/39491;WO98/33510;EP265785;EP0 370 573;Andreansky et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996; 93: 11313-11318;Ballay et al., EMBO J. 1993; 4: 3861-65;Felgner et al., J. Biol. Chem. 1994; 269: 2550-2561;Frolov et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996; 93: 11371-11377;Graham, Tibtech 1990; 8: 85-87;Grunhaus et al., Sem. Virol. 1992; 3: 237-52;Ju et al., Diabetologia 1998; 41: 736-739;Kitson et al., J. Virol. 1991; 65: 3068-3075;McClements et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996; 93: 11414-11420;Moss, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996; 93: 11341-11348;Paoletti, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996; 93: 11349-11353;Pennock et al., Mol. Cell. Biol. 1984; 4: 399-406;Richardson (Ed), Methods in Molecular Biology 1995; 39, "Baculovirus Expression Protocols," Humana Press Inc.;Smith et al. (1983) Mol. Cell. Biol. 1983; 3: 2156-2165;Robertson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996; 93: 11334-11340;Robinson et al., Sem. Immunol. 1997; 9: 271;並びにRoizman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996; 93: 11307-11312による、又はそれらの中で開示されている方法に類似する、又はそれらの中で引用された文献中に開示されている方法でもよい。したがって、本発明のベクターは、(参照により本明細書に組み込まれている文献中にある)ポックスウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アビポックスウイルス、カナリア痘ウイルス、鶏痘ウイルス、アライグマポックス(raccoonpox)ウイルス、豚痘ウイルスなど)、アデノウイルス(例えば、ヒトアデノウイルス、イヌアデノウイルス)、ヘルペスウイルス(例えば、イヌヘルペスウイルス)、バキュロウイルス、レトロウイルスなど、任意の適切な組換えウイルス又はウイルスベクターでもよく、或いは、ベクターはプラスミドでもよい。本明細書で引用され、参照により本明細書に組み込まれている文献は、本発明の実施に有用なベクターの例を提供するのに加えて、本発明の組成物中の1つ又は複数のベクターによって発現させ、或いはその組成物中に含まれる非イヌGHRHペプチド又はその断片、例えば、非イヌ成熟GHRHペプチド、非イヌプレプロGHRHペプチド、非イヌプレGHRHペプチド、非イヌプロGHRHペプチド又はその断片、サイトカインなどの供給源を提供することもできる。
【0065】
本発明はまた、発現ベクターなどのベクターを含む製剤、例えば治療用組成物にも関する。製剤は、1つ又は複数のGHRHポリヌクレオチドを含み、本質的にそれからなり、又はそれからなる(且つ有利にはそれを発現する)1つ又は複数のベクター、例えばインビボ発現ベクターなどの発現ベクターを含み、本質的にそれからなり、又はそれからなり得る。有利には、ベクターは、薬学上又は獣医学上許容される担体、賦形剤又は媒体中で、イヌGHRHをコードするコード領域を含み、本質的にそれからなり、又はそれからなるポリヌクレオチドを含み、発現する。したがって、本発明の実施形態によれば、製剤中の他の1つ又は複数のベクターは、イヌGHRHの1つ又は複数の他のタンパク質、或いはその断片をコードし、ポリヌクレオチドを含み、本質的にそれからなり、又はそれからなり、適当な状況下では、ベクターは、そのタンパク質又はその断片を発現する。
【0066】
他の実施形態によれば、製剤中の1つ又は複数のベクターは、イヌGHRHの1つ又は複数のタンパク質或いは(複数の)その断片をコードする(複数の)ポリヌクレオチドを含み、本質的にそれからなり、又はそれからなり、1つ又は複数のベクターは、(複数の)ポリヌクレオチドの発現を有する。本発明の製剤は、有利には、同じタンパク質及び/又は異なるタンパク質をコードするが、有利には同じタンパク質をコードする異なるイヌGHRH単離物由来のポリヌクレオチドを含み、本質的にそれからなり、又はそれからなり、また有利には適当な条件又は適切な条件の下で、或いは適切な宿主細胞中で、インビボで有利にはそれを発現する少なくとも2つのベクターを含み、本質的にそれからなり、又はそれからなる。1つ又は複数のベクターを含む製剤は、イヌGHRHペプチド、融合タンパク質又はそのエピトープをコードし、有利にはインビボで有利には発現するポリヌクレオチドを含み、本質的にそれからなり、又はそれからなる。本発明はまた、異なるGHRH、例えば、それだけに限らないが、イヌに加えて、ネコ、ウシ、ヤギ、ヒト、マウス、サル、ブタ、ラットやヒツジなどの異なる種由来のGHRHを含み、本質的にそれからなり、又はそれからなり、それをコードし発現するベクターの混合物をも対象とする。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、発現ベクターはウイルスベクターであり、具体的にはインビボ発現ベクターである。有利な実施形態では、発現ベクターはアデノウイルスベクターである。有利には、アデノウイルスはヒトAd5ベクター、E1欠失及び/又はE3欠失アデノウイルスである。
【0068】
特定の一実施形態では、ウイルスベクターは、ポックスウイルス、例えばワクシニアウイルス又は弱毒化ワクシニアウイルス(例えば、ニワトリ胚繊維芽細胞上でのアンカラワクチン株の570回を超える継代の後に得られたMVAという改変型アンカラ株;Stickl & Hochstein-Mintzel, Munch. Med. Wschr., 1971, 113, 1149-1153;Sutter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 1992, 89, 10847-10851を参照;ATCC VR−1508として入手可能;又はNYVAC、NYVACの構築、並びにコペンハーゲン株のワクシニアウイルスゲノムから欠失したさらなるORFも有し、異種コード核酸分子のこの組換え体の部位への挿入も有するNYVACの変異、また適合するプロモーターの使用について論じる米国特許第5,494,807号を参照、例えば米国特許第5,494,807号の実施例1〜6及び以下参照;WO96/40241も参照されたい)、アビポックスウイルス又は弱毒化アビポックスウイルス(例えば、カナリア痘、鶏痘、ハトポックス、鳩痘、ウズラポックス、ALVAC又はTROVAC;例えば、米国特許第5,505,941号、第5,494,807号を参照)、豚痘、アライグマポックス、ラクダ痘、或いは粘液腫症ウイルスである。
【0069】
本発明の他の実施形態によれば、ポックスウイルスベクターは、カナリア痘ウイルス又は鶏痘ウイルスベクターであり、有利には、弱毒化カナリア痘ウイルス又は鶏痘ウイルスである。これに関して、カナリア痘ウイルスは、アクセス番号VR−111でATCCから入手可能である。弱毒化カナリア痘ウイルスは、米国特許第5,756,103号(ALVAC)及びWO01/05934中に記載されている。多数の鶏痘ウイルス予防接種株、例えばMERIAL社によって売り出されているDIFTOSEC CT株、及びINTERVET社によって売り出されているNOBILIS VARIOLEワクチンも入手可能である;弱毒化鶏痘ウイルス株TROVACに関する米国特許第5,766,599号も参照されたい。
【0070】
その組換え体を生成する方法及びその組換え体をどのように投与するかに関する情報について、当業者は、本明細書で引用した文献及びWO90/12882を参照することができ、例えば、ワクシニアウイルスに関しては、とりわけ米国特許第4,769,330号、第4,722,848号、第4,603,112号、第5,110,587号、第5,494,807号及び第5,762,938号に言及がなされ、鶏痘ウイルスに関しては、とりわけ米国特許第5,174,993号、第5,505,941号及び第5,766,599号に言及がなされ、カナリア痘ウイルスに関しては、とりわけ米国特許第5,756,103号に言及がなされ、豚痘ウイルスに関しては、とりわけ米国特許第5,382,425号に言及がなされ、アライグマポックスウイルスに関しては、とりわけWO00/03030に言及がなされている。
【0071】
発現ベクターがワクシニアウイルスである場合、発現させる1つ又は複数のポリヌクレオチドの1つ又は複数の挿入部位は、有利には、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子又は挿入部位、血球凝集素(HA)遺伝子又は挿入部位、A型封入体(ATI)をコードする領域である;本明細書で引用した文献、特にワクシニアウイルスに関するものも参照されたい。カナリア痘ウイルスの場合では、有利には、1つ又は複数の挿入部位は、(複数の)ORFのC3、C5及び/又はC6である;本明細書で引用した文献、特にカナリア痘ウイルスに関するものも参照されたい。鶏痘ウイルスの場合では、有利には、1つ又は複数の挿入部位は、ORFのF7及び/又はF8である;本明細書で引用した文献、特に鶏痘ウイルスに関するものも参照されたい。MVAウイルスの1つ又は複数の挿入部位は、有利には、Carroll M. W. et al., Vaccine, 1997, 15 (4), 387-394;Stittelaar K. J. et al., J. Virol., 2000, 74 (9), 4236-4243;Sutter G. et al., 1994, Vaccine, 12 (11), 1032-1040を含めた様々な刊行物中にあるものと同様であり、これに関しては、完全なMVAゲノムがAntoine G., Virology, 1998, 244, 365-396に記載されており、それから当業者は他の挿入部位又は他のプロモーターを使用することができることにも留意されたい。
【0072】
有利には、発現させるポリヌクレオチドを、特定のポックスウイルスプロモーター、例えば、とりわけワクシニアプロモーター7.5kDa(Cochran et al., J. Virology, 1985, 54, 30-35)、ワクシニアプロモーターI3L(Riviere et al., J. Virology, 1992, 66, 3424-3434)、ワクシニアプロモーターHA(Shida, Virology, 1986, 150, 451-457)、牛痘プロモーターATI(Funahashi et al., J. Gen. Virol., 1988, 69, 35-47)、ワクシニアプロモーターH6(Taylor J. et al., Vaccine, 1988, 6, 504-508;Guo P. et al. J. Virol., 1989, 63, 4189-4198;Perkus M. et al., J. Virol., 1989, 63, 3829-3836)の調節下に挿入する。
【0073】
特定の実施形態では、ウイルスベクターは、ヒトアデノウイルス(HAV)やイヌアデノウイルス(CAV)などのアデノウイルスである。
【0074】
一実施形態では、ウイルスベクターは、ヒトアデノウイルス、具体的には、ウイルスゲノムのE1領域における欠失、具体的にはGenbankにおいてアクセッション番号M73260で且つ参照刊行物J. Chroboczek et al Virol. 1992, 186, 280-285で開示されているhAd5の配列を基準として約459ヌクレオチド位〜約3510ヌクレオチド位の欠失により複製できなくした血清型5型のアデノウイルスである。欠失させたアデノウイルスは、E1を発現する293細胞(F. Graham et al J. Gen. Virol. 1977, 36, 59-72)又はPER細胞、具体的にはPER.C6(F. Falloux et al Human Gene Therapy 1998, 9, 1909-1917)中で増殖する。E3領域において、具体的には約28592ヌクレオチド位〜約30470ヌクレオチド位でヒトアデノウイルスを欠失させることができる。E1領域における欠失は、E3領域における欠失と組み合わせて行うことができる(例えば、J. Shriver et al. Nature, 2002, 415, 331-335;F. Graham et al Methods in Molecular Biology Vol .7: Gene Transfer and Expression Protocols Edited by E. Murray, The Human Press Inc, 1991, p 109-128;Y. Ilan et al Proc. Natl. Acad. Sci. 1997, 94, 2587-2592;米国特許第6,133,028号;米国特許第6,692,956号;S. Tripathy et al Proc. Natl. Acad. Sci. 1994, 91, 11557-11561;B. Tapnell Adv. Drug Deliv. Rev.1993, 12, 185-199;X. Danthinne et al Gene Thrapy 2000, 7, 1707-1714;K. Berkner Bio Techniques 1988, 6, 616-629;K. Berkner et al Nucl. Acid Res. 1983, 11, 6003-6020;C. Chavier et al J. Virol. 1996, 70, 4805-4810を参照)。挿入部位は、事実上E1及び/又はE3領域の部分的な又は完全な欠失の後のE1及び/又はE3座位(領域)でもよい。有利には、発現ベクターがアデノウイルスであるとき、発現させるポリヌクレオチドは、強力なプロモーターなど真核細胞中で機能するプロモーター、好ましくはサイトメガロウイルス前早期遺伝子プロモーター(CMV−IEプロモーター)、具体的にはM. Boshart et al Cell 1985, 41, 521-530における約−734ヌクレオチド位〜+7ヌクレオチド位のエンハンサー/プロモーター領域、又はPromega社製のpCIベクターのエンハンサー/プロモーター領域の調節下に挿入する。CMV−IEプロモーターは、有利にはネズミ又はヒト由来である。伸長因子1αのプロモーターを使用することもできる。特定の一実施形態では、低酸素状態によって制御されるプロモーター、例えば、K. Boast et al Human Gene Therapy 1999, 13, 2197-2208に記載されているプロモーターHREを使用することができる。筋特異的プロモーターを使用することもできる(X. Li et al Nat. Biotechnol. 1999, 17, 241-245)。プラスミドベクターに関して、強力なプロモーターについても本明細書で論じる。一実施形態では、スプライシング配列をエンハンサー/プロモーター領域の下流に置くことができる。例えば、CMV−IE遺伝子から単離されたイントロン1(R. Stenberg et al J. Virol. 1984, 49, 190)、ウサギ又はヒトのβ−グロビン遺伝子から単離されたイントロン、具体的にはb−グロビン遺伝子のイントロン2、イムノグロブリン遺伝子から単離されたイントロン、SV40早期遺伝子由来のスプライシング配列、又はマウスイムノグロブリン受容配列と融合したヒトβ−グロビン供与配列を含むPromega社製のpCIベクターから単離されたキメライントロン配列(Genbankアクセッション番号CVU47120における約890ヌクレオチド位〜約1022ヌクレオチド位)。発現させるポリヌクレオチド、例えば、ウシ成長ホルモン遺伝子、具体的にはGenbankアクセッション番号BOVGHRHにおける約2339ヌクレオチド位〜約2550ヌクレオチド位、ウサギβ−グロビン遺伝子又はSV40後期遺伝子ポリアデニル化シグナルの下流にポリ(A)配列及び終結配列を挿入することができる。
【0075】
他の実施形態では、ウイルスベクターは、イヌアデノウイルス、具体的にはCAV−2である(例えば、L. Fischer et al. Vaccine, 2002, 20, 3485-3497;米国特許第5,529,780号;米国特許第5,688,920号;PCT出願WO95/14102を参照)。CAVでは、挿入部位は、E3領域中、且つ/又はE4領域と右ITR領域の間に位置する領域中でもよい(米国特許第6,090,393号;米国特許第6,156,567号を参照)。一実施形態では、挿入物は、サイトメガロウイルス前早期遺伝子プロモーター(CMV−IEプロモーター)や、ヒトアデノウイルスベクターについてすでに記載したプロモーターなどのプロモーターの調節下にある。発現させるポリヌクレオチド、例えば、ウシ成長ホルモン遺伝子、又はウサギβ−グロビン遺伝子のポリアデニル化シグナルの下流にポリ(A)配列及び終結配列を挿入することができる。
【0076】
他の特定の実施形態では、ウイルスベクターは、イヌヘルペスウイルス(CHV)やネコヘルペスウイルス(FHV)などのヘルペスウイルスである。CHVでは、挿入部位は、具体的にはチミジンキナーゼ遺伝子中、ORF3中、又はUL43ORF中でもよい(米国特許第6,159,477号を参照)。一実施形態では、発現させるポリヌクレオチドを、真核細胞中で機能するプロモーター、有利にはCMV−IEプロモーター(ネズミ又はヒト)の調節下に挿入する。特定の一実施形態では、低酸素状態によって制御されるプロモーター、例えば、K. Boast et al Human Gene Therapy 1999, 13, 2197-2208に記載されているプロモーターHREを使用することができる。発現させるポリヌクレオチド、例えば、ウシ成長ホルモン遺伝子、又はウサギβ−グロビン遺伝子のポリアデニル化シグナルの下流にポリ(A)配列及び終結配列を挿入することができる。
【0077】
本発明のさらなる実施形態によれば、発現ベクターは、プラスミドベクター又はDNAプラスミドベクター、具体的にはインビボ発現ベクターである。特定の非限定的な例では、pVR1020又は1012プラスミド(VICAL社製;Luke C. et al., Journal of Infectious Diseases, 1997, 175, 91-97;Hartikka J. et al., Human Gene Therapy, 1996, 7, 1205-1217;例えば米国特許第5,846,946号及び第6,451,769号を参照)を、ポリヌクレオチド配列挿入用ベクターとして利用することができる。pVR1020プラスミドは、pVR1012に由来し、ヒトtPAシグナル配列を含む。一実施形態では、ヒトtPAシグナルは、Genbankアクセッション番号HUMTPA14におけるアミノ酸M(1)〜アミノ酸S(23)を含む。他の特定の非限定的な例では、ポリヌクレオチド配列挿入用ベクターとして利用されるプラスミドは、Genbankアクセッション番号U28070におけるアミノ酸M(24)〜アミノ酸A(48)のウマIGF1のシグナルペプチド配列を含むことができる。実施の際に参考にし又は使用することができるDNAプラスミドに関するさらなる情報は、例えば、米国特許第6,852,705号;第6,818,628号;第6,586,412号;第6,576,243号;第6,558,674号;第6,464,984号;第6,451,770号;第6,376,473号及び第6,221,362号の中に認められる。
【0078】
プラスミドという用語は、本発明に従ったポリヌクレオチド、及び望ましい宿主又は標的の1つ又は複数の細胞中でのそのインビボ発現に必要なエレメントを含む任意のDNA転写単位を包含する;また、これに関して、超らせん型又は非超らせん型の環状プラスミド、並びに直鎖の形態が本発明の範囲内にあるものとされることに留意されたい。
【0079】
各プラスミドは、イヌ成熟GHRH、イヌプレプロGHRH、異種ペプチド配列と融合したイヌプロGHRH、プロペプチドN末端(31〜106AAに対応)を欠失させたプロペプチドGHRHをコードするポリヌクレオチドに加えて、プロモーターと作動的に連結した、又はプロモーターの調節下にある、又はプロモーターに依存する変異体、類似体又は断片を含み又は含有し又は本質的にそれからなる。一般に、真核細胞中で機能する強力なプロモーターを使用すると有利である。好ましい強力なプロモーターは、ヒト又はネズミ由来の前早期サイトメガロウイルスプロモーター(CMV−IE)、或いは、場合によってはラットやモルモットなど他に由来するものである。CMV−IEプロモーターは、事実上のプロモーター部を含むことができ、それはエンハンサー部と結合していてもよく、或いは結合していなくてもよい。EP−A−260 148、EP−A−323 597、米国特許第5,168,062号、第5,385,839号、及び第4,968,615号、並びにPCT出願WO87/03905を参照することができる。CMV−IEプロモーターは、有利にはヒトCMV−IE(Boshart M. et al., Cell., 1985, 41, 521-530)又はネズミCMV−IEである。
【0080】
より一般的な用語において、プロモーターはウイルス又は細胞に由来する。本発明の実施で通常使用することができるCMV−IE以外の強力なウイルスプロモーターは、SV40ウイルスの早期/後期プロモーター、又はラウス肉腫ウイルスのLTRプロモーターである。本発明の実施で通常使用することができる強力な細胞プロモーターは、例えば、デスミンプロモーター(Kwissa M. et al., Vaccine, 2000, 18, 2337-2344)や、アクチンプロモーター(Miyazaki J. et al., Gene, 1989, 79, 269-277)など、細胞骨格の遺伝子のプロモーターである。
【0081】
これらのプロモーターの機能的な細断片、即ち、十分なプロモーター活性を維持するこれらのプロモーターの一部分は本発明内に含まれ、例えば、PCT出願WO98/00166又は米国特許第6,156,567号に従った切断型CMV−IEプロモーターは、本発明の実施で使用することができる。その結果、本発明の実施におけるプロモーターは、十分なプロモーター活性を維持し、したがってプロモーターとして機能し、好ましくは、その誘導体又は細断片が由来する実際の又は完全長のプロモーターのものと実質的に類似した、例えば、米国特許第6,156,567号の切断型CMV−IEプロモーターの活性又は完全長CMV−IEプロモーターの活性と同種のプロモーター活性を維持する完全長プロモーターの誘導体及び細断片を含む。したがって、本発明の実施におけるCMV−IEプロモーターは、完全長プロモーターのプロモーターの一部分及び/又は完全長プロモーターのエンハンサーの一部分、並びに誘導体及び細断片を含み、本質的にそれからなり、又はそれからなり得る。
【0082】
好ましくは、プラスミドは、他の発現調節エレメントを含み、又は本質的にそれからなる。(複数の)安定化配列、例えば(複数の)イントロン配列、好ましくは、hCMV−IEの第1イントロン(PCT出願WO89/01036)、ウサギβ−グロビン遺伝子のイントロンII(van Ooyen et al., Science, 1979, 206, 337-344)を組み込むと特に有利である。
【0083】
ポックスウイルス以外のプラスミド及びウイルスベクター用のポリアデニル化シグナル(ポリA)に関しては、ウシ成長ホルモン(bGH)遺伝子のポリ(A)シグナル(米国特許第5,122,458号)、又はウサギβ−グロビン遺伝子のポリ(A)シグナル又はSV40ウイルスのポリ(A)シグナルをより多く使用することができる。
【0084】
本発明の有利な実施形態によれば、発現ベクターは、IGF1のシグナルペプチド、及びプロペプチドN末端(31〜106AAに対応)を欠失させたプロペプチドGHRHをコードするポリヌクレオチドを含む。本発明の他の有利な実施形態によれば、発現ベクターは、IGF1のシグナルペプチド及び成熟GHRH(31〜74AAに対応)をコードするポリヌクレオチドを含む。他の有利な実施形態では、本発明は、ペプチドシグナル配列、有利にはIGF−1ペプチドシグナル配列、及びプロペプチドN末端を欠失させたプロGHRH、及び場合によってはC末端でのグリシンの付加を含むGHRHをコードし発現するベクターを包含する。さらに他の有利な実施形態では、本発明は、ペプチドシグナル配列、有利にはリンカーテトラペプチドを介して作動的に連結した成熟GHRH及び血清アルブミンと融合したIGF−1シグナル配列を含むベクター骨格を提供する。GHRHは、ブタ又はウシ並びにイヌに由来するものでもよい。
【0085】
本発明の他の実施形態によれば、発現ベクターは、適当な細胞系においてタンパク質のインビトロ発現に使用する発現ベクターである。分泌後に、又は分泌後でなくても(細胞溶解の分泌が通常起こらず又は行われない場合)、培養上清中で、又は培養上清から、発現したタンパク質を回収し、場合によっては、限外濾過などの濃縮方法により濃縮し、且つ/或いはアフィニティー、イオン交換やゲル濾過型のクロマトグラフィー法などの精製手段により精製することができる。
【0086】
本発明で使用することができる宿主細胞には、それだけに限らないが、筋細胞、ケラチン生成細胞、筋原細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、ベロ細胞、BHK21、sf9細胞などがある。宿主細胞を培養する条件が、特定の遺伝子に従って様々であり、宿主細胞に応じて、イヌGHRHを培養する最適な条件を決定するのに、日常的な実験が時に必要となることが、当業者に理解されている。例えば、イヌGHRHをコードするベクターで、(治療の必要がある動物由来の筋組織から得ることができる)筋原細胞を形質転換することができ、形質転換した筋原細胞を動物に移植することができる。その結果、組換えイヌGHRHを発現するように遺伝子工学により作製された筋原細胞は、動物の血液中にホルモンを分泌することができる。他の例では、GHRHをコードするベクターでケラチン生成細胞を形質転換し、それを動物に移植し、その結果、イヌGHRHを循環中に分泌させることもできる。
【0087】
「宿主細胞」とは、遺伝子改変した、又は組換えプラスミドやベクターなどの外因性ポリヌクレオチドの投与によって遺伝子改変することができる原核細胞又は真核細胞を意味する。遺伝子改変細胞を指すとき、その用語は、最初に改変された細胞とその子孫細胞をどちらも指す。
【0088】
望ましい配列を含むポリヌクレオチドは、適切なクローン化用又は発現ベクター中に挿入することができ、そのベクターは、複製及び増幅に適した宿主細胞中に導入することができる。ポリヌクレオチドは、当技術分野で知られている任意の手段によって宿主細胞に導入することができる。対象とするポリヌクレオチドを含むベクターは、直接的な取り込み;エンドサイトーシス;トランスフェクション;f−交配;エレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストラン、又は他の物質を使用するトランスフェクション;微粒子銃;リポフェクション;及び感染(ベクターが感染性である、例えばレトロウイルスベクターである場合)を含めたいくつかの適当な手段のいずれかによって宿主細胞中に導入することができる。ベクター又はポリヌクレオチドの導入の選択は、宿主細胞の特長によってしばしば決まる。
【0089】
有利な実施形態では、本発明は、治療有効量の、イヌGHRHの送達及び標的細胞中での発現用の製剤の投与を提供する。治療有効量の決定は、当業者にとって日常的な実験である。一実施形態では、製剤は、イヌGHRHを発現するポリヌクレオチド、及び薬学上又は獣医学上許容される担体、媒体又は賦形剤を含む発現ベクターを含む。有利な実施形態では、薬学上又は獣医学上許容される担体、媒体又は賦形剤は、トランスフェクションを促進し、且つ/或いはベクター又はタンパク質の保存性を高める。
【0090】
薬学上又は獣医学上許容される担体又は媒体又は賦形剤は、当業者に周知である。例えば、薬学上又は獣医学上許容される担体又は媒体又は賦形剤は、0.9%NaCl溶液(例えば、食塩水)又はリン酸緩衝液でもよい。本発明の方法に使用することができる他の薬学上又は獣医学上許容される担体又は媒体又は賦形剤には、それだけに限らないが、ポリ−(L−グルタミン酸)又はポリビニルピロリドンがある。薬学上又は獣医学上許容される担体又は媒体又は賦形剤は、ベクター(又はインビトロで本発明のベクターから発現したタンパク質)の投与を促進する任意の化合物又は化合物の組合せでもよい;有利には、担体、媒体又は賦形剤は、トランスフェクションを促進し、且つ/或いはベクター(又はタンパク質)の保存性を高める。投与量及び投与体積は、本明細書において全体的な記載の中で論じるが、過度の実験を行わずに、当技術分野の知識と併せて読み取られた本開示から当業者が決定することもできる。
【0091】
プラスミドに独占的にではないが有利に適した四級アンモニウム塩を含む陽イオン性脂質は、有利には下記の式を有するものである:
【化1】

(式中、Rは、12〜18個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の直鎖脂肪族ラジカルであり、Rは、2又は3個の炭素原子を含む他の脂肪族ラジカルであり、Xは、アミン又はヒドロキシル基、例えばDMRIEである)。他の実施形態では、陽イオン性脂質は、中性脂質、例えばDOPEと結合している。
【0092】
これらの陽イオン性脂質の中で、DMRIE(N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチル−2,3−ビス(テトラデシルオキシ)−1−プロパンアンモニウム;WO96/34109)、有利には、中性脂質と、有利にはDOPE(ジオレオイル−ホスファチジル−エタノールアミン;Behr J. P., 1994, Bioconjugate Chemistry, 5, 382-389)と結合して、DMRIE−DOPEを形成するものが好ましい。
【0093】
有利には、アジュバントとのプラスミド混合物は、製剤を投与して、又は製剤投与のすぐ前に即時的に形成され、有利にはそれと同時に形成される;例えば、投与のすぐ前又は先に、プラスミド−アジュバントの混合物が形成され、有利には、その結果、投与以前に混合物が複合体を形成する十分な時間、例えば、投与前の約30分など、投与前の約10〜約60分が得られる。
【0094】
DOPEが存在する場合、DMRIE:DOPEのモル比は、有利には約95:約5〜約5:約95であり、より有利には約1:約1、例えば1:1である。
【0095】
DMRIE又はDMRIE−DOPEのアジュバント:プラスミドの重量比は、約50:約1〜約1:約5などの約50:約1〜約1:約10、有利には約1:約1及び約1:約2、例えば1:1及び1:2でもよい。
【0096】
特定の実施形態では、薬剤組成物をインビボで直接投与し、そのコード産物を宿主中でベクターによって発現させる。GHRHをコードするベクターのインビボ送達の方法(例えば、米国特許第6,423,693号;特許公開EP1052286、EP1205551、米国特許公開20040057941、WO9905300及びDraghia-Akli et al., Mol Ther. 2002 Dec; 6(6): 830-6を参照;これらの開示は、その全体が参照により組み込まれている)を改変して、本発明のイヌGHRHをイヌに送達することができる。本明細書に記載のイヌGHRHをコードするベクターのインビボ送達は、上記に挙げた参照文献の教示を得た当業者によって実現することができる。
【0097】
有利には、本発明に従った薬剤及び/又は治療用の組成物及び/又は製剤は、治療応答の誘発に有効な量の、本明細書で論じた1つ又は複数の発現ベクター及び/又はポリペプチドを含み、又は本質的にそれからなり、又はそれからなる;また、有効量は、過度の実験を行わずに、本明細書に組み込まれている文献、及び当技術分野の知識を含めた本開示から決定することができる。
【0098】
プラスミドベクターに基づく治療用及び/又は薬剤組成物の場合では、投与量は、一般的にいえば、約1μg〜約2000μg、有利には約50μg〜約1000μg、より有利には約100μg〜約800μgの、GHRHを発現するプラスミドである。プラスミドベクターに基づく治療用及び/又は薬剤組成物をエレクトロポレーションで投与する場合、プラスミドの投与量は、一般に約0.1μg〜1mg、有利には約1μg〜100μg、有利には約2μg〜50μgである。投与体積は、約0.1〜約2ml、有利には約0.2〜約1mlでもよい。これらの投与量及び投与体積は、イヌ、及びウマやネコなど他の哺乳動物標的種の治療に適している。
【0099】
治療用及び/又は薬剤組成物は、投与1回当たりに、GHRHを発現する組換えアデノウイルスのウイルス粒子約10個〜約1011個、有利には約10個〜約1010個、より有利には約10個〜約10個を含む。ポックスウイルスに基づく治療用及び/又は薬剤組成物の場合では、投与量は、約10pfu〜約10pfuでもよい。薬剤組成物は、投与1回当たりに、GHRHを発現するポックスウイルス又はヘルペスウイルスの組換え体約10〜約10、有利には約10〜約10pfuを含む。
【0100】
哺乳動物である標的種用の組成物の投与体積、例えば、ウイルスベクターに基づくイヌ用組成物、例えばポックスウイルスでないウイルスベクターに基づく組成物の投与体積は、一般に約0.1〜約2.0mlであり、好ましくは約0.1〜約1.0mlであり、より好ましくは約0.5ml〜約1.0mlである。
【0101】
本明細書における開示が一例として提供するものであり、本発明がそれだけに限定されないことが、当業者には理解されるはずである。本明細書における開示及び当技術分野の知識から、当業者なら、過度の実験を行わずに、各注射プロトコールについて使用する投与の回数、投与経路、及び投与量を決定することができる。
【0102】
本発明は、本発明に従って作製された有効量の治療用組成物を少なくとも1回動物に投与することを意図するものである。動物は、雄、雌、妊娠した雌及び新生仔でもよい。この投与は、様々な経路を介するものでもよく、その経路には、それだけに限らないが、筋内(IM)、皮内(ID)、又は皮下(SC)注射、或いは鼻内を介する又は経口の投与がある。針を含まない器具によって(例えば、Pigjet、Biojector又はVitajet器具(Bioject社製、米国オレゴン州)で)本発明に従った治療用組成物を投与することもできる。プラスミド組成物を投与する他の手法は、エレクトロポレーションを使用することである(例えば、S. Tollefsen et al. Vaccine, 2002, 20, 3370-3378;S. Tollefsen et al. Scand. J. Immunol., 2003, 57, 229-238;S. Babiuk et al., Vaccine, 2002, 20, 3399-3408;PCT出願WO99/01158を参照)。他の実施形態では、遺伝子銃又は金粒子銃によって、プラスミドを動物に送達する。有利な実施形態では、動物は脊椎動物である。より有利な実施形態では、脊椎動物はイヌである。
【0103】
本発明は、疾患状態の治療用薬剤組成物を作製するための、イヌGHRH、イヌ成熟GHRH、イヌプレプロGHRH、イヌプロGHRH、変異体、類似体又は断片をコードし発現させるウイルスベクターの使用に関する。例えば、本発明に従ったGHRHの投与によって刺激されたGHの分泌は、貧血の動物中の赤血球系細胞に対する直接刺激効果を有する可能性がある。しかし、GHRH組成物の投与から利益を得る可能性がある他の疾患状態には、それだけに限らないが、脊椎動物における悪液質、特にガンから生じる悪液質、創傷治癒、骨折治癒、骨粗鬆症、肥満などがある。本発明のイヌGHRHを発現するベクターは、成長ホルモン産生異常に起因する、ガンなどの慢性疾患での悪液質の治療(Bartlett et al Cancer 1994, 73, 1499-1504及びSurgery 1995, 117, 260-267)、創傷治癒、骨折治癒、加齢過程の遅延、骨粗鬆症、及び貧血(Sohmiya et al J. Endocrinol. Invest. 2000, 23, 31-36及びClin. Endocrinl. 2001, 55, 749-754)に治療有用性がある。
【0104】
ブタGHRHをコードするプラスミドの筋内送達により、イヌにおいて成長ホルモン及びIGF−I放出が刺激されて、貧血及び悪液質が治療されることが示されている(例えば、Draghia-Akli et al., Mol Ther. 2002 Dec; 6(6): 830-6)。GHRHの長期投与により、イヌにおいて骨折治癒が促進されることが示されている(例えば、Dubreuil et al., Can J Vet Res. 1996 Jan; 60(1): 7-13を参照)。動物中の骨の成長を促進するDubreuil et al.のポリエチレン製杆状外科的移植物(Can J Vet Res. 1996 Jan; 60(1): 7-13)の代わりに本発明の治療用イヌGHRHベクターを投与すると有利となるはずである。同様に、GHRHの長期投与により、ラットにおいて創傷治癒が促進されることが示されている(例えば、Garrel et al., Surg Res. 1991 Oct; 51(4): 297-302を参照)。また、動物中の創傷治癒を促進するGarrel et al.の徐放性ペレット状移植物(Surg Res. 1991 Oct; 51(4): 297-302)の代わりに本発明の治療用イヌGHRHベクターを投与すると有利となるはずである。
【0105】
本発明はまた、脊椎動物の免疫応答を刺激する方法にも関する。一実施形態では、脊椎動物は、トリ、ネコ、ウシ、イヌ、魚、ヤギ、ウマ、ヒト、マウス、サル、ブタ、ラット又はヒツジである。より有利な実施形態では、脊椎動物はイヌである。
【0106】
リンパ球はGH−IGF−I、GHRH及びそのそれぞれの受容体を発現するので、GHRHの投与によって、免疫細胞機能が亢進されると仮説が立てられている(例えば、Khorram et al., J Clin Endocrinol Metab. 1997 Nov; 82(11): 3590-6を参照)。ヒトでは、健常な老齢のヒトにGHRH類似体を投与した結果、大きな免疫亢進効果が得られ、それによって、免疫機能不全の状態に治療的利益がもたらされる可能性がある(例えば、Khorram et al., J Clin Endocrinol Metab. 1997 Nov; 82(11): 3590-6を参照)。トランスジェニックマウスにおけるGHRHの過剰発現によって、免疫機能のいくつかのパラメーターの有意な刺激が生じた(例えば、Dialynas et al., J Clin Endocrinol Metab. 1997 Nov; 82(11): 3590-6を参照)。他のマウスの研究では、GHRHは、実験的自己免疫性脳脊髄炎の発症に重要な役割を果たし、それによって、自己免疫疾患からの防御の治療的手法についての基礎がもたらされる可能性がある(例えば、Ikushima et al., J Immunol. 2003 Sep 15; 171(6): 2769-72を参照)。上記に挙げた研究から、GHRHが免疫細胞機能を亢進することが示唆されるので、本発明の治療用イヌGHRHベクターの投与は、脊椎動物における免疫応答の刺激に有利となるはずである。
【0107】
次に、下記の非限定的な実施例によって、本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0108】
視床下部をイヌから採取し、それを液体窒素中で直ちに凍結した。QIAGEN社製のキット(Rneasy Mini Protocol for Isolation of Total RNA、カタログ参照番号74104)を使用して、組織から全RNAを抽出した。そのキットの変性溶液600μl中で、Potter Dounceを用いて視床下部の細胞を解離させた。この溶液は、グアニジンチオシアネート及びβ−メルカプトエタノールを含んでいた。組織ホモジネートを、14000RPM(1分当たりの回転数)で5分間遠心分離して、砕片を除去した。70%エタノール溶液600μlを添加し、その混合物をRneasyカラム上に充填し、10000RPMで15秒間遠心分離した。キットに付いているRW1緩衝液でカラムを2回洗浄した。14000RPMで1分間の遠心分離後、RNアーゼを含まない緩衝液50μlを用いてRNAを溶出させた。
【0109】
5mMのMgCl、20mMのトリスHCl pH8.3、100mMのKCl、1mMのDTT、1mMの各dNTP、RNアーゼ阻害剤20単位、Moloneyネズミ白血病ウイルス逆転写酵素50単位、2.5μMのランダムヘキサヌクレオチドプライマー、及び全視床下部RNA2μlを含む反応混合物20μl中でcDNAを合成した。下記のサイクルで逆転写のステップを行った:23℃で5分間、42℃で20分間、99℃で5分間及び10℃で5分間。
【0110】
下記の反応用オリゴヌクレオチドを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりcDNAプールを増幅した:
【0111】
NB151(18mer)5'-ATGCYRCTCTGGGTGYTC-3'(配列番号5)
【0112】
NB152(17mer)5'-TCATCCYTGGGAGTTCC-3'(配列番号6)
【0113】
NB153(21mer)5'-GCTACCGGAAGGTKCTGGGCC-3'(配列番号7)
【0114】
NB154(21mer)5'-GGCCCAGMACCTTCCGGTAGC-3'(配列番号8)
【0115】
式中、YはC又はTであり、RはA又はGであり、KはG又はTであり、MはA又はCである。
【0116】
オリゴヌクレオチドNB151及びNB154を使用して、GHRH遺伝子の5’末端に対応する136塩基対(bp)の断片を増幅した。NB152及びNB153のオリゴヌクレオチドを使用して、GHRH遺伝子の3’末端に対応する、重複する206bpの断片を増幅した。
【0117】
反応混合物100μlは、cDNA混合物20μl、DNAポリメラーゼ2.5単位(J. Cline et al. Nucl. Acid Res.1996, 24, 3546-3551 and H. Hogrefe et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A 2002, 99, 596-601)、50mMのトリスHCl pH8.2、各オリゴヌクレオチド0.5μg(NB151/NB154又はNB152/NB153)を含んでいた。増幅は、94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分の35サイクルで行い、その後最後に72℃で10分の伸長を行った。
【0118】
GHRHmRNAの5’及び3’末端のヌクレオチド配列を得るために、RACEプロトコールに従って、cDNAの5’及び3’末端を増幅した。5’末端では、全視床下部RNA3μl、2μMのプライマーオリゴdT5’−CDS、2μMのSmtオリゴヌクレオチドを含む混合物5μlを70℃で加熱し、氷上で冷やして変性させた。オリゴヌクレオチドとともに変性させたRNA5μl、50mMのトリスHCl pH8.3、75mMのKCl、6mMのMgCl、2mMのDTT、1mMの各dNTP、逆転写酵素100単位を含む混合物反応液10μlを42℃で90分間インキュベートし、次いで、10mMのトリシン−KOH pH8.5、1mMのEDTAの緩衝液中に1:10で希釈した。アリコート2.5μlを、0.04μMのユニバーサルプライマー、0.2μMのNB154オリゴヌクレオチド、40mMのトリシン−KOH pH8.7、15mMのKOAc、3.5mMのMg(OAc)、3.75μg/mlのBSA、0.005%のTween 20(登録商標)、0.005%のNonidet-P40、0.2μMの各dNTP、TaqDNAポリメラーゼ2.5単位も含む反応混合物50μl中での増幅に使用した。3分を5サイクル、94℃で30秒、65℃で3分、72℃で3分を30サイクル行って、増幅を実施した。239bpの断片が得られた。
【0119】
Smt(30mer)5'-AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTACGCGGG-3'(配列番号9)
【0120】
オリゴdT5’−CDS 5'-(T)25N-1N-3'、式中、N−1はA、C又はGであり、NはA、C、G又はTである。
【0121】
ユニバーサルプライマー5'-CTAATACGACTCACTATAGGGCAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT-3'(配列番号10)
【0122】
3’末端では、全視床下部RNA3μl、2μMのSMART(Clontech Laboratories社製、カリフォルニア州Palo Alto)オリゴヌクレオチドだけを含む混合物5μl、希釈したcDNAのアリコート2.5μl、0.04μMのユニバーサルプライマーミックス、0.2μMのNB153オリゴヌクレオチド、50mMのトリスHCl pH8.3、75mMのKCl、6mMのMgCl2、3.75μg/mlのBSA、0.005%のTween 20(登録商標)、0.005%のNonidet-P40、0.2μMの各dNTP、TaqDNAポリメラーゼ2.5単位を含むPCR用の反応混合物50μl以外は、手順は上記に記載のものと同じである。386bpの断片が得られた。
【0123】
SMART(57mer)5'-AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTAC(T)30N-1N-3'(配列番号11)、式中、N−1はA、C又はGであり、NはA、C、G又はTである。
【0124】
PCR増幅断片を適当なプラスミド中に直接クローン化した。コロニーリフトハイブリダイゼーションによって、大腸菌(E. coli)コロニーをスクリーニングした。アルカリホスファターゼで標識したNB155プローブを使用して、プラスミドpCRII NB151/154及びpCRII NB152/153に対応する、GHRHcDNAを有するプラスミドを同定した。
【0125】
NB155(50mer)5'-GCCATCTTCACYAACARCTACCGGAAGGTBCTGGGCCAGCTVTCYGCCCG-3'(配列番号12)、式中、YはC又はTであり、RはA又はGであり、BはC又はG又はTであり、VはA又はC又はGである。
【0126】
クローンを配列決定した。321bpを含むイヌプレプロGHRHをコードするヌクレオチド配列は以下のものである:5'-ATGCCACTCT GGGTGTTCTT CCTGGTGATC CTCACCCTCA GCAGTGGCTC CCACTCTTCC CCGCCATCCC TGCCCATCAG AATCCCTCGG TATGCAGACG CCATCTTCAC CAACAGCTAC CGGAAGGTGC TGGGCCAGCT GTCCGCCCGC AAGCTCCTGC AGGACATCAT GAGCCGGCAG CAGGGAGAGA GAAACCGGGA GCAAGGAGCA AAGGTACGAC TCGGCCGTCA GGTGGACAGT CTGTGGGCAA GCCAAAAGCA GATGGCATTG GAGAACATCC TGGCATCCCT GTTACAGAAA CGCAGGAACT CCCAAGGATG A-3'(配列番号3)。
【0127】
対応するアミノ酸配列は以下のものである:H-MPLWVFFLVI LTLSSGSHSS PPSLPIRIPR YADAIFTNSY RKVLGQLSAR KLLQDIMSRQ QGERNREQGA KVRLGRQVDS LWASQKQMAL ENILASLLQK RRNSQG-OH(配列番号1)。シグナルペプチドは、アミノ酸1〜アミノ酸20にまたがり、成熟GHRHはアミノ酸31〜アミノ酸74にまたがる。
【実施例2】
【0128】
イヌGHRHをコードするポリヌクレオチドは、NB184及びNB185のオリゴヌクレオチド並びにDNAポリメラーゼ(J. Cline et al.1996及びH. Hogrefe et al. 2002)を使用する、全視床下部RNAからのRT−PCRによって得られる。
【0129】
NB184(33mer):5'-TTTCGCGGATCCTATGCAGACGCCATCTTCACC-3'(配列番号13)(その5’末端上にBamH I部位を含む)
【0130】
NB185(35mer):5'-AAAGCTCTAGATCAACGGCCGAGTCGTACCTTTGC-3'(配列番号14)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0131】
42℃で15分、95℃で5分、4℃で5分の逆転写ステップを1サイクル、95℃で45秒、55℃で45秒、72℃で1分のPCRステップを30サイクル行って増幅を実施する。
【0132】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR産物(164pb)を精製し、その後それをBamH I及びXbaIで消化して、147bpのBamH I/XbaI(断片A)を生じさせる。
【0133】
プラスミドのBamH I/Bgl II消化後にPB326及びPB329のオリゴヌクレオチドに対応するポリリンカー(BamH I、Not I、EcoR I、EcoR V、XbaI、Pml I、Pst I、Bgl II)の挿入によって、プラスミドpAB110をpVR1020プラスミド(Vical社製)から誘導する。
【0134】
PB326(40mer):5'-GATCTGCAGCACGTGTCTAGAGGATATCGAATTCGCGGCC-3'(配列番号15)
【0135】
PB329(40mer):5'-GATCCGCGGCCGCGAATTCGATATCCTCTAGACACGTGCT-3'(配列番号16)
【0136】
BamH I/XbaI消化によってプラスミドpAB110を直鎖化して、断片B(5055bp)を生じさせる。
【0137】
その後、断片A及びBを精製し、連結してプラスミドpNB179(5202bp)(図1)を生じさせる。
【実施例3】
【0138】
プラスミドpCRII NB151/154を最初にEcoR Iで消化する。EcoR I断片(167bp)を精製し、最後にBsaWIで消化して、EcoR I−BsaWI断片(143bp)を生じさせる。プラスミドpCRII NB152/153を最初にEcoR Iで消化する。EcoR I断片(235bp)を精製し、最後にBsaWIで消化して、BsaWI−EcoR I断片(220bp)を生じさせる。
【0139】
その後、これら2つの断片を精製し、EcoR Iで直鎖化したプラスミドpCRII NB151/154中にクローン化して、最終的なプラスミドpCRII NB151/152(4295bp)を生じさせする。
【実施例4】
【0140】
pNB209の構築は、イヌGHRH前駆体(106アミノ酸のポリペプチド)をコードするpVR1012プラスミド(Vical社製)に基づいている。
【0141】
5’及び3’末端にそれぞれSalI及びXbaI部位を有する、cGHRH遺伝子に対応するDNA断片を、プライマーNB361及びNB360、鋳型であるプラスミドpCRIINB151/152、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって増幅する。
【0142】
NB360(30mer):5'-AAAGCTCTAGATCATCCTTGGGAGTTCCTG-3'(配列番号17)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0143】
NB361(31mer):5'-TTTACGCGTCGACATGCTGCTCTGGGTGTTC-3'(配列番号18)(その5’末端上にSalI部位を含む)
【0144】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR産物(345bp)を精製し、その後それをSalI及びXbaIで消化して、断片A(327bp)を生じさせる。
【0145】
SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して、断片B(4880bp)を生じさせる。
【0146】
その後、断片A及びBを精製し、連結してプラスミドpNB209(5207bp)を生じさせる。図2にpNB209のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【実施例5】
【0147】
プラスミドpNB210/pNB211/pNB212/pNB213:GHRHプロペプチドと融合した真核生物tPAリーダーペプチドを含むハイブリッドタンパク質をコードする改変GHRH遺伝子を含むpAB110由来プラスミドの構築。
【0148】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるSalI及びEco47III部位を有する、tPA(1〜23AA)と対応するDNA断片は、プライマーNB355及びNB356、鋳型であるプラスミドpAB110、並びにDNAポリメラーゼ(J. Cline et al.1996及びH. Hogrefe et al. 2002)を使用するPCRによって得られる。
【0149】
NB355(20mer):5'-CCGTCGTCGACAGAGCTGAG-3'(配列番号19)(その5’末端上にSalI部位を含む)
【0150】
NB356(24mer):5'-AAAAGCGCTGGGCGAAACGAAGAC-3'(配列番号20)(その5’末端上にEco47III部位を含む)
【0151】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(184bp)を精製し、その後それをSalI及びEco47IIIで消化して、断片A(172bp)を生じさせる。
【0152】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるSalI及びNaeI部位を有する、tPA(1〜28AA)と対応するDNA断片は、プライマーNB355及びNB357、鋳型であるプラスミドpAB110、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって得られる。
【0153】
NB355(20mer):5'-CCGTCGTCGACAGAGCTGAG-3'(配列番号19)(その5’末端上にSalI部位を含む)
【0154】
NB357(42mer):5'-AAAGCCGGCATGGATTTCCTGGCTGGGCGAAACGAAGAC TGC-3'(配列番号21)(その5’末端上にtPAリーダーペプチドの5AA付加配列及びNaeI部位を含む)
【0155】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(199bp)を精製し、その後それをSalI及びNaeIで消化して、断片B(187bp)を生じさせる。
【0156】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるNlaIV及びXbaI部位を有する、欠失(1〜19AA)GHRHと対応するDNA断片は、プライマーNB358及びNB360、鋳型であるプラスミドpCRII NB151/152、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって得られる。
【0157】
NB358(21mer):5'-TTTGGTTCCCCGCCATCCCTG-3'(配列番号22)(その5’末端上にNlaIV部位を含む)
【0158】
NB360(30mer):5'-AAAGCTCTAGATCATCCTTGGGAGTTCCTG-3'(配列番号17)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0159】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(281bp)を精製し、その後それをNlaIV及びXbaIで消化して、断片C(265bp)を生じさせる。
【0160】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるStuI及びXbaII部位を有する、欠失(1〜20AA)GHRHと対応するDNA断片は、プライマーNB359及びNB360、鋳型であるプラスミドpCRII NB151/152、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって得られる。
【0161】
NB359(24mer):5'-TTTAGGCCTCCATCCCTGCCCATC-3'(配列番号23)(その5’末端上にStuI部位を含む)
【0162】
NB360(30mer):5'-AAAGCTCTAGATCATCCTTGGGAGTTCCTG-3'(配列番号17)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0163】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(278bp)を精製し、その後それをStuI及びXbaIで消化して、断片D(262bp)を生じさせる。
【0164】
SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して、断片E(4880bp)を生じさせる。
【0165】
その後、断片E、A及びCを精製し、連結してプラスミドpNB210(5313bp)を生じさせる。図3にpNB210のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0166】
その後、断片E、A及びDを精製し、連結してプラスミドpNB211(5310bp)を生じさせる。図4にpNB211のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0167】
その後、断片E、B及びCを精製し、連結してプラスミドpNB212(5331bp)を生じさせる。図5にpNB212のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0168】
その後、4断片E、B及びDを精製し、連結してプラスミドpNB213(5328bp)を生じさせる。図6にpNB213のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【実施例6】
【0169】
プラスミドpNB214/pNB215の構築
プラスミドpNB214/pNB215:イヌGHRH成熟ペプチドと融合したヒトtPAを含むハイブリッドタンパク質をコードする改変GHRH遺伝子を含むpAB110由来プラスミドの構築。
【0170】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるBst1107I及びXbaII部位を有する、ペプチド(31〜74AA)GHRHと対応するDNA断片は、プライマーNB362及びNB363、鋳型であるプラスミドpCRII NB151/152、並びにDNAポリメラーゼ(J. Cline et al.1996及びH. Hogrefe et al. 2002)を使用するPCRによって得られる。
【0171】
NB362(27mer):5'-TTTGTATACGCAGACGCCATCTTCACC-3'(配列番号24)(その5’末端上にBst1107I部位を含む)
【0172】
NB363(32mer):5'-AAAGCTCTAGATCAGAGTCGTACCTTTGCTCC-3'(配列番号25)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0173】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(152bp)を精製し、その後それをBst1107II及びXbaIで消化して、断片F(136bp)を生じさせる。
【0174】
その後、断片E、A及びFを精製し、連結してプラスミドpNB214(5184bp)を生じさせる。図7にpNB214のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0175】
その後、断片E、B及びFを精製し、連結してプラスミドpNB215(5202bp)を生じさせる。図8にpNB215のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0176】
断片E、A及びBは、実施例5に記載されている。
【実施例7】
【0177】
潜在性のスプライス部位を除去し、カニスファミリアリス(Canis familiaris)の1つにコドンの使用を適合させ、発現を高めるためにKozak共通配列を導入することによって、イヌプレプロGHRHヌクレオチド配列を最適化する。そのような改変遺伝子は、合成によって得られる:配列番号40。
【0178】
pNB216の構築は、イヌGHRH最適化前駆体(106アミノ酸のポリペプチド)配列番号40をコードするpVR1012プラスミド(Vical社製)に基づいている。
【0179】
最適化イヌプレプロGHRH遺伝子を挿入したプラスミドpCR-Script Amp-GHRH(Stratagene社製、米国カリフォルニア州Lajolla)をSalI及びXbaIで消化して、SalI−XbaI断片(336bp)を生じさせ、SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して断片E(4880bp)を生じさせる。その後、これら2つの断片を精製し、連結して、最終的なプラスミドpNB216(5216bp)を生じさせる。
【実施例8】
【0180】
プラスミドpNB217/pNB218:最適化したGHRHプロペプチドと融合した真核生物tPAリーダーペプチドを含むハイブリッドタンパク質をコードする改変GHRH遺伝子を含むpAB110由来プラスミドの構築。
【0181】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるNlaIV及びXbaI部位を有する、最適化した欠失(1〜20AA)GHRHと対応するDNA断片は、プライマーNB364及びNB365、鋳型であるプラスミドpCR-Script Amp-GHRH、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって得られる。
【0182】
NB364(24mer):5'-TTTGGCCCCCCCAGCCTGCCCATC-3'(配列番号45)(その5’末端上にNlaIV部位を含む)
【0183】
NB365(33mer):5'-AAAGCTCTAGATTATCAGCCCTGGCTGTTCCGC-3'(配列番号46)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0184】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(281bp)を精製し、その後それをNlaIV及びXbaIで消化して、断片G(265bp)を生じさせる。
【0185】
SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して、断片E(4880bp)を生じさせる。
【0186】
その後、断片E、A及びGを精製し、連結してプラスミドpNB217(5313bp)を生じさせる。図10にpNB217のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0187】
その後、断片E、B及びGを精製し、連結してプラスミドpNB218(5328bp)を生じさせる。図11にpNB218のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0188】
断片A及びBは、実施例5に記載されている。
【実施例9】
【0189】
プラスミドpNB219/pNB220:最適化したイヌGHRH成熟ペプチドと融合したヒトtPAを含むハイブリッドタンパク質をコードする改変GHRH遺伝子を含むpAB110由来プラスミドの構築。
【0190】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるBst1107I及びXbaI部位を有する、最適化したペプチド(31〜74AA)GHRHと対応するDNA断片は、プライマーNB366及びNB367、鋳型であるプラスミドpCRII NB151/152、並びにDNAポリメラーゼ(J. Cline et al.1996及びH. Hogrefe et al. 2002)を使用するPCRによって得られる。
【0191】
NB366(27mer):5'-TTTGTATACGCCGACGCCATCTTCACC-3'(配列番号47)(その5’末端上にBst1107I部位を含む)
【0192】
NB367(32mer):5'-AAAGCTCTAGATCACAGCCGCACTTTGGCGCC-3'(配列番号48)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0193】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(152bp)を精製し、その後それをBst1107I及びXbaIで消化して、断片H(136bp)を生じさせる。
【0194】
その後、断片E、A及びHを精製し、連結してプラスミドpNB219(5184bp)を生じさせる。図12にpNB219のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0195】
その後、断片E、B及びHを精製し、連結してプラスミドpNB220(5199bp)を生じさせる。図13にpNB220のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0196】
断片A及びBは、実施例5に記載されている。
【実施例10】
【0197】
米国特許公開第20040057941号の実施例2から、動物におけるDNA取り込み及び発現のための低電圧エレクトロポレーションの方法を適合させることができ、その開示は、その全体が参照により組み込まれている。過度の実験を行わずに、本明細書に記載の方法を改変して、本発明のプラスミドを送達することができる。
【0198】
直接筋内にプラスミドDNAを注射し、その後エレクトロポレーションを行うことは、骨格筋中にプラスミドDNAを局所的且つ制御された送達を行う方法である。受動的な送達様式で通常使用される多いプラスミド量ではなく、少ないプラスミド量(わずか0.1mg)を使用することは利点を有する。特定の理論に拘泥するものではないが、エレクトロポレーションによるプラスミド取り込みの増大の機構は、おそらく、タンパク質能動輸送を起こす又は起こさない、新たに形成された膜孔を介して生じる。特定の理論に拘泥するものではないが、筋細胞の透過性の程度は、電界強度、パルスの長さ、電極の形状及び型(Bureau et al., Biochim Biophys Acta. 2000 May 1; 1474(3): 353-9及びGilbert et al., Biochim Biophys Acta. 1997 Feb 11; 1334(1): 9-14.)、並びに細胞サイズ(Somiari et al., Mol Ther. 2000 Sep; 2(3): 178-87)に依存的である。古典的な電極の構成である、4mm離して配置した板又は1対のワイヤー電極は、げっ歯類で有効であることが示されているが、ブタ又はヒトのような大きな哺乳動物では、皮膚の抵抗の増大、皮下脂肪組織の厚さ、及び電界の強度が比例的に増大する場合の組織損傷の懸念から、これらの型の電極は実用的でない。ブタ又はイヌの筋線維は非常に大きく、その結果、げっ歯類の筋より電気的透過に適している。この報告では、大きな哺乳動物において様々な投与量のGHRH又は類似体の核酸配列を単回注射し、その後筋内アプリケーターでエレクトロポレーションを行うことが、貧血を治療し、消耗を反転させ、対象の体重を増加させ、慢性的な疾患を有する対象の平均寿命を延長することができる、生物学的に有意な効果を伴う治療的な血漿ホルモンレベルを生じさせるのに十分であることを示す。
【0199】
インビボエレクトロポレーションを介して、pSP-HV-GHRH系(ブタGHRHを発現するベクター)を健常なイヌの左前脛骨筋に送達した。イヌ4匹(雄2匹及び雌2匹)からなる1群を対照として使用し、イヌ8匹(雄4匹及び雌4匹)からなる3群にpSP-HV-GHRH系を注射した。イヌに媒体のみ(対照)、或いは200mcg、又は600mcg又は1000mcgのpSP-HV-GHRHを注射し、その後針エレクトロポレーションを行った。GHRH及びGHの全身レベルの増大を示す指標は、血清IGF−I濃度の増大である。したがって、注射してから28日後、媒体のみ(対照)、或いは200mcg、又は600mcg又は1000mcgのpSP-HV-GHRHを注射したイヌから血清を収集し、IGF−Iレベルを決定した。600mcgを注射したイヌのIGF−Iレベルは、対照(媒体のみ)処置動物より3倍高かった(図2)。IGF−Iレベルの増大は統計上有意であった(p<0.046)。200mcg及び1000mcgのプラスミドを注射した動物は対照より高いIGF−Iレベルを示したが、IGF−Iレベルは、600mcgを注射した動物より低かった。GHRHレベルの増大に対応するIGF−Iレベルの増大は、イヌにおいて組換えブタGH(「pGH」)を利用した他の研究と一致する。例えば、pGHで処置したイヌにおいて、血清GHレベルの上昇と相関する投与量関連性の血清IGF−Iレベルの増大(約2〜10倍)が認められた。
【0200】
特定の理論に拘泥するものではないが、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)は、下垂体前葉からの成長ホルモン(GH)の産生及び放出を刺激し、その成長ホルモンは、肝及び他の標的臓器からのIGF−Iの産生を刺激する。したがって、GHRH及びGHの全身レベルの増大を示す指標は、血清IGF−I濃度の増大である。200、600及び1000mcgのpSP-HV-GHRHを注射した健常なイヌの血清IGF−Iのレベルは、注射前の値と比較したとき、注射してから28日後ですべて高かった。600mcgのpSP-HV-GHRHを注射したイヌは、IGF−Iレベルの最も統計上有意な増大(例えば、90%より大きい、p<0.046)を示し、このことから、600mcgが健常なイヌの最適な濃度である可能性があることが示唆される。
【実施例11】
【0201】
プラスミドpNB240、pNB239及びpNB244の構築
pNB240の構築は、プロペプチドC末端を欠失させ、c−mycエピトープタグと融合したプレプロGHRHを含むハイブリッドタンパク質をコードする改変GHRH遺伝子を含むpVR1012プラスミド(Vical社製)に基づいている。
【0202】
pNB239及びpNB244の構築は、改変GHRHと融合し、c−mycエピトープタグと融合したウマIGF1(インスリン様成長因子1)ペプチドシグナル配列(SSIGF1、GenBankアクセッション番号U28070(24〜48AA)及びU85272で開示されている)を含むハイブリッドタンパク質をコードする改変GHRH遺伝子を含むpVR1012プラスミド(Vical社製)に基づいている。
【0203】
3’末端にさらなるXbaI部位を有する、プロペプチドC末端(1〜74AAに対応)を欠失させ、c−mycエピトープタグと融合したプレプロGHRHをコードするDNA断片を、プライマーPB091及びNB412、鋳型であるプラスミドpNB209(実施例4を参照)、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって増幅する。
【0204】
PB091(22mer):5'-CCAGACATAATAGCTGACAGAC-3'(配列番号51)
【0205】
NB412(68mer):5'-AAAGCTCTAGATTAGAGATCCTCTTCTGAGATAAGCTTTTGTTCGAGTCGTACCTTTGCTCCTTGCTC-3'(その3’末端上にc−mycエピトープタグ及びXbaI部位を含む)(配列番号52)
【0206】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(338bp)を精製し、その後それをSalI及びXbaIで消化して、断片A(261bp)を生じさせる。
【0207】
潜在性のスプライス部位を除去し、コドンの使用を適合させ、発現を高めるために開始コドンの前にKozak共通配列を導入することによって、ウマプレプロIGF1ヌクレオチド配列を最適化する。そのような改変遺伝子は、合成によって得られる:配列番号65。
【0208】
最適化ウマIGF1遺伝子を含むプラスミドpCR-Script Amp-eIGF1(Stratagene社製、米国カリフォルニア州Lajolla)をPCRの鋳型として、プライマーNB393及びNB394、並びにDNAポリメラーゼとともに使用した。
【0209】
NB393(38mer):5'-TTTGCGTCGACGCCACCATGCACATCATGAGCAGCAGC-3'(その5’末端上にSalI部位を含む)(配列番号66)
【0210】
NB394(38mer):5'-AAAGCTCTAGATTATCACATCCGGTAGTTCTTGTTGCC-3'(その5’末端上にXbaI部位を含む)(配列番号67)
【0211】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(424bp)を精製し、その後それをSalI及びXbaIで消化して、断片F(408bp)を生じさせる。
【0212】
SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して、断片E(4880bp)を生じさせる。
【0213】
その後、断片E及びFを精製し、連結してプラスミドpNB231(5288bp)を生じさせる。
【0214】
3’末端にさらなるNaeI部位を有するウマSSIFG1(図15〜18の1〜25AA)に対応するDNA断片は、プライマーPB091及びNB398、鋳型であるプラスミドpNB231、並びにDNAポリメラーゼ(J. Cline et al.1996及びH. Hogrefe et al. 2002)を使用するPCRによって得られる。
【0215】
PB091(22mer)(配列番号51)
【0216】
NB398(25mer):5'-AAAGCCGGCGGTGGCGCTGCTGGTG-3'(その3’末端上にNaeI部位を含む)(配列番号53)
【0217】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(159bp)を精製し、その後それをSalI及びNaeIで消化して、断片B(86bp)を生じさせる。
【0218】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるBst1107I及びXbaI部位を有する、c−mycエピトープタグと融合したGHRH成熟ペプチド(31〜74AA)に対応するDNA断片は、プライマーNB362及びNB412、鋳型であるプラスミドpNB209、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって得られる。
【0219】
NB362(27mer)(配列番号24)
【0220】
NB412(68mer)(配列番号52)
【0221】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(182bp)を精製し、その後それをBst1107I及びXbaIで消化して、断片C(166bp)を生じさせる。
【0222】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるNlaIV及びXbaI部位を有する、プロペプチドC末端(20〜74AA)を欠失させ、c−mycエピトープタグと融合したGHRHプロペプチドに対応するDNA断片は、プライマーNB358及びNB412、鋳型であるプラスミドpNB209、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって得られる。
【0223】
NB358(21mer)(配列番号22)
【0224】
NB412(68mer)(配列番号52)
【0225】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(215bp)を精製し、その後それをBst1107I及びXbaIで消化して、断片D(199bp)を生じさせる。
【0226】
SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して、断片E(4880bp)を生じさせる。
【0227】
その後、断片E及びAを精製し、連結してプラスミドpNB240(5141bp)を生じさせる。図14にpNB240のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0228】
その後、断片E、B及びCを精製し、連結してプラスミドpNB239(5132bp)を生じさせる。図15にpNB239のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0229】
その後、断片E、B及びDを精製し、連結してプラスミドpNB244(5165bp)を生じさせる。図16にpNB244のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0230】
Lipofectamin 2000を使用してCHO−K1細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞、カタログ番号CCl−61で米国基準菌株保存機構(American Tissue Culture Collection)ATCCから入手可能)の一過性トランスフェクションを行った後、pNB239、pNB240及びpNB244によってコードされる融合タンパク質のインビトロ発現について検討した。直径6cmのプレート中で90%コンフルエントな状態であるCHO−K1細胞に、製造業者の説明書に従って、プラスミド5μg及びリポフェクタミン10μlをそれぞれトランスフェクトした。トランスフェクション後、1%FCV(ウシ胎児血清)を含むMEM-glutamax培地中で細胞を24時間培養した。培養上清を回収し、タンパク質のトリコロ酢酸(trichoroacetic acid)沈殿によって40倍に濃縮した。細胞をPBS(リン酸緩衝食塩水)で洗浄し、掻爬によって回収し、LaemmliSDS−PAGE添加緩衝液を使用して溶解した。全細胞抽出物及び濃縮(40倍)培養上清を、SDS−PAGE、及び抗c−mycモノクローナル抗体(Euromedex社製、フランス)を使用するウェスタンブロット法にかけることにより、組換えタンパク質の産生及び分泌を分析した。
【0231】
プラスミドpNB240は、プレプロGHRHのアミノ酸1〜74を含み、c−mycエピトープタグと融合したハイブリッドタンパク質をコードする。
【0232】
プラスミドpNB239は、GHRH成熟ペプチド(31〜74AA)及びc−mycエピトープタグと融合したウマIGF1ペプチドシグナル配列(SSIGF1)を含むハイブリッドタンパク質をコードする。
【0233】
プラスミドpNB244は、GHRHプロペプチド(20〜74AA)及びc−mycエピトープタグと融合したウマIGF1ペプチドシグナル配列(SSIGF1)を含むハイブリッドタンパク質をコードする。
【0234】
発現結果の概要を表1に示す。その3つの構築物から、培養上清中で6.3kDaの発現産物が生じ、このことは、組換えホルモンが正確に成熟したことを示すものである。
【0235】
【表1】

【実施例12】
【0236】
プラスミドpNB232及びpNB245の構築
pNB232及びpNB245の構築は、改変GHRHと融合したウマIGF1ペプチドシグナル配列(SSIGF1、GenBankアクセッション番号U28070(24〜48AA)及びU85272で開示されている)を含むハイブリッドタンパク質をコードする改変GHRH遺伝子を含むpVR1012プラスミド(Vical社製)に基づいている。
【0237】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるBst1107I及びXbaI部位を有する、プロペプチドN末端(31〜106AAに対応)を欠失させたプロペプチドGHRHに対応するDNA断片は、プライマーNB362及びNB421、鋳型であるプラスミドpNB209(実施例4を参照)、並びにDNAポリメラーゼ(J. Cline et al.1996及びH. Hogrefe et al. 2002)を使用するPCRによって得られる。
【0238】
NB362(27mer)(配列番号24)
【0239】
NB421(36mer):5'-AAAGCTCTAGATTATCCTTGGGAGTTCCTGCGTTTC-3'(その5’末端上にXbaI部位を含む)(配列番号54)
【0240】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(248bp)を精製し、その後それをBst1107I及びXbaIで消化して、断片G(232bp)を生じさせる。
【0241】
SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して、断片H(4880bp)を生じさせる。
【0242】
その後、断片H、B及びFを精製し、連結してプラスミドpNB232(5102bp)を生じさせる。図17にpNB232のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0243】
その後、断片H、B及びGを精製し、連結してプラスミドpNB245(5198bp)を生じさせる。図18にpNB245のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0244】
断片Bは実施例11に記載されている。断片Fは実施例6に記載されている。
【実施例13】
【0245】
プラスミドpNB228、pNB297及びpNB298の構築
pNB228プラスミドは、カルボキシ末端プロペプチドを欠失させたプレプロGHRHペプチドをコードする核酸断片を含むpVR1012プラスミド(Vical社製)骨格に対応する。
【0246】
pNB297プラスミドは、プレプロGHRHのアミノ酸1〜74及びそのカルボキシ末端のグリシンをコードする核酸断片を含むpVR1012プラスミド(Vical社製)骨格に対応する。カルボキシ末端のグリシンは、アミド化酵素によって容易にアミド化されるはずである。
【0247】
pNB298プラスミドは、成熟GHRH(31〜74AA)及びそのカルボキシ末端のグリシンと融合したウマIGF1シグナル配列(SSIGF1)をコードする核酸断片を含むpVR1012プラスミド(Vical社製)骨格に対応する。
【0248】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるSalI及びXbaI部位を有する、カルボキシ末端プロペプチドを欠失させたプレプロGHRHに対応するDNA断片を、プライマーNB361及びNB363、鋳型であるプラスミドpNB209、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって増幅する。
【0249】
NB361(31mer):5'-TTTACGCGTCGACATGCTGCTCTGGGTGTTC-3'(配列番号17)(その5’末端上にSalI部位を含む)
【0250】
NB363(32mer):5'-AAAGCTCTAGATCAGAGTCGTACCTTTGCTCC-3'(配列番号24)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0251】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(249bp)を精製し、その後それをSalI及びXbaIで消化して、断片A(231bp)を生じさせる。
【0252】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるSalI及びXbaI部位を有する、プレプロGHRH(1〜74AA)及びそのカルボキシ末端のグリシンに対応するDNA断片を、プライマーNB361及びNB476、鋳型であるプラスミドpNB209、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって増幅する。
【0253】
NB361(31mer):5'-TTTACGCGTCGACATGCTGCTCTGGGTGTTC-3'(配列番号17)(その5’末端上にSalI部位を含む)
【0254】
NB476(32mer):5'-AAAGCTCTAGATTAGCCGAGTCGTACCTTTGC-3'(配列番号68)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0255】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(252bp)を精製し、その後それをSalI及びXbaIで消化して、断片B(234bp)を生じさせる。
【0256】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるSalI及びXbaI部位を有する、成熟GHRH(31〜74AA)及びそのカルボキシ末端のグリシンと融合したウマIGF1シグナル配列(SSIGF1)に対応するDNA断片は、プライマーNB393及びNB476、鋳型であるプラスミドpNB232、並びにDNAポリメラーゼ(J. Cline et al.1996及びH. Hogrefe et al. 2002)を使用するPCRによって得られる。
【0257】
NB393(38mer):5'-TTTGCGTCGACGCCACCATGCACATCATGAGCAGCAGC-3'(配列番号66)(その5’末端上にSalI部位を含む)
【0258】
NB476(32mer):5'-AAAGCTCTAGATTAGCCGAGTCGTACCTTTGC-3'(配列番号68)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0259】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(241bp)を精製し、その後それをSalI及びXbaIで消化して、断片C(225bp)を生じさせる。
【0260】
SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して、断片E(4880bp)を生じさせる。
【0261】
その後、断片E及びAを精製し、連結してプラスミドpNB228(5111bp)を生じさせる。図19にpNB228のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0262】
その後、断片E及びBを精製し、連結してプラスミドpNB297(5114bp)を生じさせる。図20にpNB297のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0263】
その後、断片E及びCを精製し、連結してプラスミドpNB298(5105bp)を生じさせる。図21にpNB298のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0264】
実施例13及び実施例6、11、12に記載の方法に従って、下記のプライマーを使用して、イヌGHRH配列の代わりにブタGHRH(配列番号82)を含むプラスミドpNB297及びpNB298に類似したプラスミドを構築する:
【0265】
プライマーNB361に対応するNB464(37mer)5'-TTTACGCGTCGACATGCTGCTGTGGGTGTTCTTCCTG-3'(配列番号83)、及び
【0266】
プライマーNB476に対応するNB465(39mer)5'-TTTTGCTCTAGATTAGCCCAGCCTCACCCTGGCGCCCTG-3'(配列番号84)
【0267】
プライマーNB362に対応するNB416(27mer)5'-TTTGTATACGCCGACGCCATCTTCACC-3'(配列番号85)、及び
【0268】
プライマーNB363に対応するNB418(38mer)5'-AAAGCTCTAGATTACAGCCTCACCCTGGCGCCCTGCTC-3'(配列番号86)
【0269】
プライマーNB476に対応するNB465(39mer)(配列番号84)。
【0270】
ブタGHRH(231mer)(配列番号82):5'-ATGCTGCTGTGGGTGTTCTTCCTGGTGACCCTGACCCTGAGCAGCGGCAG CCTGAGCAGCCTGCCCAGCCAGCCCCTGAGGATGCCCAGGTACGCCGACG CCATCTTCACCAACAGCTACAGGAAGGTGCTGGGCCAGCTGAGCGCCAGG AAGCTGCTGCAGGACATCATGAGCAGGCAGCAGGGCGAGAGGAACCAGGA GCAGGGCGCCAGGGTGAGGCTGGGCAGGCAGGTGGACAGCATGTGGGCCG ACCAGAAGCAGATGGCCCTGGAGAGCATCCTGGCCACCCTGCTGCAGGAG CACAGGAACAGCCAGGGCTGA-3'。
【実施例14】
【0271】
プラスミドpNB299及びpNB300の構築
pNB299プラスミドは、成熟GHRH(31〜74AA)と融合したウマIGF1シグナル配列(SSIGF1)をコードする核酸断片を含むpVR1012プラスミド(Vical社製)骨格に対応する。
【0272】
pNB300プラスミドは、リンカーテトラペプチド(GSGS)を介して成熟GHRH(前駆体のアミノ酸31〜74)及びイヌ血清アルブミン(前駆体のアミノ酸25〜608)と融合したウマIGF1シグナル配列(SSIGF1)をコードする核酸断片を含むpVR1012プラスミド(Vical社製)骨格に対応する。
【0273】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるSalI及びPshAI部位を有する、成熟GHRH(31〜74AA)と融合したウマIGF1シグナル配列(SSIGF1)に対応するDNA断片は、プライマーNB393及びNB477、鋳型であるプラスミドpNB232、並びにDNAポリメラーゼを使用するPCRによって得られる。
【0274】
NB393(38mer):5'-TTTGCGTCGACGCCACCATGCACATCATGAGCAGCAGC-3'(配列番号17)(その5’末端上にSalI部位を含む)
【0275】
NB477(50mer):5'-AAATCTAGAGCCGGTTTAAAAGACCGTAGTCGTACCTTTGCTCCTTGCTC-3'(配列番号75)(その5’末端上にXbaI及びPshAI部位を含む)
【0276】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(250bp)を精製し、その後それをSalI及びXbaIで消化して、断片A(236bp)を生じさせる。
【0277】
SalI/XbaI消化によってプラスミドpVR1012を直鎖化して、断片E(4880bp)を生じさせる。
【0278】
その後、断片E及びAを精製し、連結してプラスミドpNB299(5116bp)を生じさせる。図22にpNB299のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0279】
5’及び3’末端にそれぞれさらなるNaeI及びXbaI部位を有する、イヌ血清アルブミン(アミノ酸25〜608)と融合したリンカーGSGSに対応するDNA断片は、RT−PCRによって得られる。
【0280】
肝をイヌから収集し、それを液体窒素中で直ちに凍結する。QIAGEN社製のキット(Rneasy Mini Protocol for Isolation of Total RNA、カタログ参照番号74104)を使用して、組織から全RNAを抽出する。そのキットの変性溶液600μl中で、Potter Dounceを用いて肝の細胞を解離させる。この溶液は、グアニジンイソチオシアネート及びβ−メルカプトエタノールを含む。組織ホモジネートを、14000RPM(1分当たりの回転数)で5分間遠心分離して、砕片を除去する。70%エタノール溶液600μlを添加し、その混合物をRneasyカラム上に充填し、10000RPMで15秒間遠心分離する。キットに付いているRW1緩衝液でカラムを2回洗浄する。14000RPMで1分間の遠心分離後、RNアーゼを含まない緩衝液50μlを用いてRNAを溶出させる。5mMのMgCl2、20mMのトリスHCl pH8.3、100mMのKCl、1mMのDTT、1mMの各dNTP、RNアーゼ阻害剤20単位、Moloneyネズミ白血病ウイルス逆転写酵素50単位、2.5μMのランダムヘキサヌクレオチドプライマー、及び肝の全RNA2μlを含む反応混合物20μl中でcDNAを合成する。下記のサイクルで逆転写のステップを行う:23℃で5分間、42℃で20分間、99℃で5分間及び10℃で5分間。DNAポリメラーゼ及び下記の反応用オリゴヌクレオチドを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりcDNA貯留物を増幅する:
【0281】
NB478(43mer):5'-TTTGCCGGCTCAGGATCCGAAGCATATAAGAGTGAGATTGCTC-3'(配列番号78)(その5’末端上にNaeI部位及びリンカーGSGSを含む)
【0282】
NB479(35mer):5'-AAAGCTCTAGATTAGACTAAGGCAGCTTGAGCAGC-3'(配列番号79)(その5’末端上にXbaI部位を含む)
【0283】
フェノール−クロロホルム抽出によってPCR断片(1784bp)を精製し、その後それをNaeI及びXbaIで消化して、断片B(1768bp)を生じさせる。
【0284】
PshAI/XbaI消化によってプラスミドpNB299を直鎖化して、断片C(5098bp)を生じさせる。
【0285】
その後、断片C及びBを精製し、連結してプラスミドpNB300(6866bp)を生じさせる。図23にpNB300のプラスミド地図及びそのコードされたORFを示す。
【0286】
本実施例14に記載の方法に従って、下記のプライマーを使用して、イヌGHRH配列の代わりにブタGHRH(配列番号82)を含むプラスミドpNB299及びpNB300に類似したプラスミドを構築する:
【0287】
プライマーNB477に対応するNB459(53mer)5'-AAATCTAGAGCCGGTTTAAAAGACCGTAGTCTCACCCTGGCGCCCTGCTCCTG-3'(配列番号87)
【0288】
プライマーNB478に対応するNB457(40mer)5'-TTTGCCGGCTCAGGATCCGATACATACAAGAGTGAAATTG-3'(配列番号88)、及び
【0289】
プライマーNB479に対応するNB458(29mer)5'-AAAGCTCTAGATTAGGCTAAGATCCCTCG-3'(配列番号89)。
【0290】
本発明の有利な実施形態をこうして詳細に説明してきたが、本発明の趣旨又は範囲から逸脱せずに、その多数の明らかな変更形態が考えられるので、上記の段落によって定義された本発明が、上記の記載に示した特定の細部に限られないことが理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0291】
【図1】pNB179のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号49であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号50である。
【図2】pNB209のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号26であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号27である。
【図3】pNB210のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号28であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号29である。
【図4】pNB211のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号30であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号31である。
【図5】pNB212のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号32であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号33である。
【図6】pNB213のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号34であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号35である。
【図7】pNB214のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号36であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号37である。
【図8】pNB215のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号38であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号39である。
【図9】pNB216のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号40であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号27である。
【図10】pNB217のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号41であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号31である。
【図11】pNB218のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号42であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号35である。
【図12】pNB219のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号43であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号37である。
【図13】pNB220のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号44であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号39である。図13は、pNB220のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。
【図14】pNB240のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号55であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号56である。
【図15】pNB239のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号57であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号58である。
【図16】pNB244のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号59であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号60である。
【図17】pNB232のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号61であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号62である。
【図18】pNB245のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号63であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号64である。
【図19】pNB228のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号69であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号70である。
【図20】pNB297のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号71であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号72である。
【図21】pNB298のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号73であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号74である。
【図22】pNB299のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号76であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号77である。
【図23】pNB300のプラスミド地図及びそのコードされたORFを描く図である。コードされたORFのヌクレオチド配列は配列番号80であり、コードされたORFのアミノ酸配列は配列番号81である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペプチドN末端を欠失させたイヌプロGHRHをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターであって、ポリヌクレオチドが、配列番号3の91ヌクレオチド位〜321ヌクレオチド位のヌクレオチド塩基配列と融合したペプチドシグナル配列を含む発現ベクター。
【請求項2】
イヌ成熟GHRHをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターであって、ポリヌクレオチドが、配列番号4のヌクレオチド塩基配列と融合したペプチドシグナル配列を含む発現ベクター。
【請求項3】
ヌクレオチド塩基配列と融合したペプチドシグナル配列が、エンハンサー及び/若しくはプロモーターと作動的に連結し、又はペプチドシグナル配列がウマIGF−1シグナルペプチドであり、或いはヌクレオチド塩基配列と融合したペプチドシグナル配列が、エンハンサー及び/若しくはプロモーターと作動的に連結し、且つペプチドシグナル配列がウマIGF−1シグナルペプチドである、請求項1に記載の発現ベクター。
【請求項4】
ヌクレオチド塩基配列と融合したペプチドシグナル配列が、エンハンサー及び/若しくはプロモーターと作動的に連結し、又はペプチドシグナル配列がウマIGF−1シグナルペプチドであり、或いはヌクレオチド塩基配列と融合したペプチドシグナル配列が、エンハンサー及び/若しくはプロモーターと作動的に連結し、且つペプチドシグナル配列がウマIGF−1シグナルペプチドである、請求項2に記載の発現ベクター。
【請求項5】
プロペプチドN末端を欠失させたイヌプロGHRHの細胞中への送達及び細胞中での発現のための製剤であって、請求項1に記載のベクター、及び薬学上又は獣医学上許容される担体、媒体又は賦形剤を含む製剤。
【請求項6】
イヌ成熟GHRHの細胞中への送達及び細胞中での発現のための製剤であって、請求項2に記載のベクター、及び薬学上又は獣医学上許容される担体、媒体又は賦形剤を含む製剤。
【請求項7】
担体、媒体又は賦形剤がトランスフェクションを促進し、且つ/或いはベクター又はタンパク質の保存性を高める、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
担体、媒体又は賦形剤がトランスフェクションを促進し、且つ/或いはベクター又はタンパク質の保存性を高める、請求項6に記載の製剤。
【請求項9】
GHRHを脊椎動物へと送達する方法であって、請求項5に記載の製剤を脊椎動物に注射するステップを含む方法。
【請求項10】
GHRHを脊椎動物へと送達する方法であって、請求項6に記載の製剤を脊椎動物に注射するステップを含む方法。
【請求項11】
脊椎動物がイヌである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
脊椎動物がイヌである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
脊椎動物において貧血、骨折治癒、悪液質、肥満、骨粗鬆症又は創傷治癒を治療する方法であって、脊椎動物の細胞に請求項5に記載の製剤を有効量投与するステップと、細胞中でGHRHを発現させるステップとを含む方法。
【請求項14】
脊椎動物において貧血、骨折治癒、悪液質、肥満、骨粗鬆症又は創傷治癒を治療する方法であって、脊椎動物の細胞に請求項6に記載の製剤を有効量投与するステップと、細胞中でGHRHを発現させるステップとを含む方法。
【請求項15】
脊椎動物がイヌである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
脊椎動物がイヌである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
脊椎動物において免疫応答を刺激する方法であって、脊椎動物の細胞に請求項5に記載の製剤を有効量投与するステップと、細胞中でGHRHを発現させるステップとを含む方法。
【請求項18】
脊椎動物において免疫応答を刺激する方法であって、脊椎動物の細胞に請求項6に記載の製剤を有効量投与するステップと、細胞中でGHRHを発現させるステップとを含む方法。
【請求項19】
脊椎動物がイヌである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
脊椎動物がイヌである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
プロペプチドN末端を欠失させたプロGHRHをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターであって、ポリヌクレオチドが、エンハンサー及び/又はプロモーターと作動的に連結したウマIGF−1シグナルペプチドを含む発現ベクター。
【請求項22】
成熟GHRHをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターであって、ポリヌクレオチドが、エンハンサー及び/又はプロモーターと作動的に連結したウマIGF−1シグナルペプチドを含む発現ベクター。
【請求項23】
プロGHRHがC末端にグリシンを付加した、請求項21に記載の発現ベクター。
【請求項24】
GHRHが、連結した血清アルブミンを含み、或いはGHRHが、リンカーテトラペプチドを介して連結した血清アルブミンを含む、請求項22に記載の発現ベクター。
【請求項25】
プロペプチドN末端を欠失させたイヌプロGHRHの細胞中への送達及び細胞中での発現のための製剤であって、請求項21に記載のベクター、及び薬学上又は獣医学上許容される担体、媒体又は賦形剤を含む製剤。
【請求項26】
イヌ成熟GHRHの細胞中への送達及び細胞中での発現のための製剤であって、請求項22に記載のベクター、及び薬学上又は獣医学上許容される担体、媒体又は賦形剤を含む製剤。
【請求項27】
担体、媒体又は賦形剤がトランスフェクションを促進し、且つ/或いはベクター又はタンパク質の保存性を高める、請求項25に記載の製剤。
【請求項28】
担体、媒体又は賦形剤がトランスフェクションを促進し、且つ/或いはベクター又はタンパク質の保存性を高める、請求項26に記載の製剤。
【請求項29】
GHRHを脊椎動物へと送達する方法であって、請求項25に記載の製剤を脊椎動物に注射するステップを含む方法。
【請求項30】
GHRHを脊椎動物へと送達する方法であって、請求項26に記載の製剤を脊椎動物に注射するステップを含む方法。
【請求項31】
脊椎動物がウシ、イヌ又はブタである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
脊椎動物がウシ、イヌ又はブタである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
脊椎動物において貧血、骨折治癒、悪液質、肥満、骨粗鬆症又は創傷治癒を治療する方法であって、脊椎動物の細胞に請求項25に記載の製剤を有効量投与するステップと、細胞中でGHRHを発現させるステップとを含む方法。
【請求項34】
脊椎動物において貧血、骨折治癒、悪液質、肥満、骨粗鬆症又は創傷治癒を治療する方法であって、脊椎動物の細胞に請求項26に記載の製剤を有効量投与するステップと、細胞中でGHRHを発現させるステップとを含む方法。
【請求項35】
脊椎動物がウシ、イヌ又はブタである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
脊椎動物がウシ、イヌ又はブタである、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
脊椎動物において免疫応答を刺激する方法であって、脊椎動物の細胞に請求項25に記載の製剤を有効量投与するステップと、細胞中でGHRHを発現させるステップとを含む方法。
【請求項38】
脊椎動物において免疫応答を刺激する方法であって、脊椎動物の細胞に請求項26に記載の製剤を有効量投与するステップと、細胞中でGHRHを発現させるステップとを含む方法。
【請求項39】
脊椎動物がウシ、イヌ又はブタである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
脊椎動物がウシ、イヌ又はブタである、請求項38に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図1】
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【公表番号】特表2007−535936(P2007−535936A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511544(P2007−511544)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/015522
【国際公開番号】WO2005/085448
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(304040692)メリアル リミテッド (73)
【Fターム(参考)】