インクジェットプリントヘッドアセンブリ及びそのインク供給方法
【課題】本発明は、インクジェットプリントヘッドに連通するタンクヘッド内の共通チャンネルに貯蔵されるインクに気泡が発生しないインクジェットプリントヘッドアセンブリ及びそのインク供給方法に関する。
【解決手段】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリは、外部から提供されるインクを貯蔵するインクタンクと、前記インクタンク内を区画する隔壁と、前記インクタンク内のインクが少なくとも２つのインク移動ホールを介して流入され、前記インク流入ホールを連通する共通チャンネルが形成されるタンクヘッドと、前記タンクヘッドと結合され、前記共通チャンネル内のインクを吐出するインクジェットプリントヘッドと、を含むことができる。
【解決手段】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリは、外部から提供されるインクを貯蔵するインクタンクと、前記インクタンク内を区画する隔壁と、前記インクタンク内のインクが少なくとも２つのインク移動ホールを介して流入され、前記インク流入ホールを連通する共通チャンネルが形成されるタンクヘッドと、前記タンクヘッドと結合され、前記共通チャンネル内のインクを吐出するインクジェットプリントヘッドと、を含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェットプリントヘッドに連通するタンクヘッド内の共通チャンネルに貯蔵されるインクに気泡が発生しないインクジェットプリントヘッドアセンブリ及びそのインク供給方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的にインクジェットプリントヘッドは、電気信号を物理的な力に変換し、小さいノズルを介してインクが液滴の形態で吐出されるようにする構造体である。特に、インクジェットヘッドアセンブリは、ノズルプレートを備えるインクジェットプリントヘッドと、上記インクジェットプリントヘッドにインクを供給するインクタンクとからなる。
【０００３】
最近、圧電方式のインクジェットヘッドは産業用インクジェットプリンターにおいても使用されている。例えば、印刷回路基板（ＰＣＢ）上に金、銀等の金属を溶かして作ったインクを噴射して回路パターンを直接形成させるとか、または、産業グラフィックや液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）、有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）の製造、太陽電池等に使われる。
【０００４】
インクタンクはインクジェットプリントヘッドが装着されるタンクヘッドに連通する。上記タンクヘッドは上記インクジェットプリントヘッドの流入口に連通する共通チャンネルを有する。
【０００５】
上記タンクヘッド内の共通チャンネルの内部にはインクを貯蔵するが、共通チャンネルにインクが満たされる過程において共通チャンネル内に空気が閉じ込められるエアバブルトラップ（ａｉｒ ｂｕｂｂｌｅ ｔｒａｐ）という問題点が発生する。
【０００６】
上記エアバブルトラップは、インクの流動によりヘッド内の流路に混入し、インクの異常な吐出を引き起こす。
【０００７】
このようなエアバブルトラップを除去するためにタンクヘッド内にドレインポットを設けた。ドレインポットを設けるとバルブが必要となり、バルブを開閉するための制御／機構部等が必要な問題点がある。
【０００８】
また、バルブの開閉により多量のインクが消耗する問題点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
本発明の目的は、インクジェットプリントヘッドに連通するタンクヘッド内の共通チャンネルに貯蔵されるインクに気泡が発生しないインクジェットプリントヘッドアセンブリを提供することにある。
【００１０】
また、本発明のさらに他の目的は、インクジェットプリントヘッドに連通するタンクヘッド内の共通チャンネルに貯蔵されるインクに気泡が発生しないようにするインク供給方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリは、外部から提供されるインクを貯蔵するインクタンクと、上記インクタンク内を区画する隔壁と、上記インクタンク内のインクが少なくとも２つのインク移動ホールを介して流入され、上記インク流入ホールを連通する共通チャンネルが形成されるタンクヘッドと、上記タンクヘッドと結合され、上記共通チャンネル内のインクを吐出するインクジェットプリントヘッドと、を含むことができる。
【００１２】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記共通チャンネルは、上記インク移動ホールの間において傾斜して形成されることができる。
【００１３】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンクには外部のインク供給源に連通するインク供給ポットが形成され、上記インク供給ポットは上記隔壁の高さより低い位置に形成されることができる。
【００１４】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンクは、上記インク供給ポットから提供されるインクが上記隔壁内の第１空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第１インク水位センサを含むことができる。
【００１５】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンクは、上記共通チャンネルから上記インク移動ホールのうち少なくとも１つを介して上記インクタンクに流入されたインクが上記隔壁内の第２空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第２インク水位センサを含むことができる。
【００１６】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンクは、上記隔壁の上部に貯蔵されるインクの水位を測定する第３インク水位センサを含むことができる。
【００１７】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンク内には外部に連通する圧力排出ポットが形成され、上記圧力排出ポットは上記隔壁の高さより高い位置に形成されることができる。
【００１８】
他の側面において、本発明の一実施例によるインク供給方法は、隔壁で分割されたインクタンク内の第１空間に形成されるインク供給ポットによりインクを提供する第１ステップと、上記第１空間に充填されるインクが第１インク水位センサに感知されるとインクの供給を中止し、タンクヘッド内の傾斜した共通チャンネルに移動しながら上記第１空間インク水位の下降が感知されると再びインクを提供する第２ステップと、上記インクタンク内の第２空間に充填されるインクが第２インク水位センサに感知されるまで第２ステップを繰り返す第３ステップと、上記第１インク水位センサと第２インク水位センサにインクが感知されると、上記隔壁の上部に形成される第３インク水位センサにインクの水位が感知されるまで追加供給する第４ステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【００１９】
本発明によるインクジェットプリントヘッドアセンブリ及びそのインク供給方法によると、上記タンクヘッド内の共通チャンネルを傾斜するようにすることで、インクタンク内へのエアバブルの移動を円滑にし、上記共通チャンネル内のインクに空気が閉じ込められるエアバブルトラップを解消することができる。
【００２０】
また、エアバブルトラップの解消によって空気が共通チャンネルからインクジェットプリントヘッドに移動されず、インクの品質が向上するという効果がある。
【００２１】
また、エアバブルトラップを除去するためにタンクヘッド内にドレインポットを設ける必要がなく、バルブを開閉するための制御／機構部が不要であるため、容易かつ経済的に製造することができる。
【００２２】
さらに、インクタンクから複数のインク供給路を介してヘッドに提供されるため、インクタンクでの供給抵抗が低減して高周波数の吐出が容易になると共に、ノズルの位置によって流動抵抗が変わり、吐出量が変わるという問題点も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリを一部切開して示した概略斜視図である。
【図２】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの概略断面図である。
【図３】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリへのインク供給方法を説明するための断面図である。
【図４】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリへのインク供給方法を説明するための断面図である。
【図５】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリへのインク供給方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下では図面を参照し本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内において他の構成要素を追加、変更、削除等を通じ、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができるが、これも本願発明の思想の範囲内に含まれる。
【００２５】
また、各実施例の図面に示す同一の思想の範囲内で機能が同一の構成要素は同一の参照符号を用いて説明する。
【００２６】
図１は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリを一部切開して示した概略斜視図であり、図２は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの概略断面図である。
【００２７】
図１及び図２を参照すると、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリは、インクタンク２０、隔壁２２、タンクヘッド１０及びインクジェットプリントヘッド４０を含むことができる。
【００２８】
上記インクタンク２０は、外部のインク供給源から供給されるインクを貯蔵する空間が形成される。上記インクタンク２０の内部空間は、隔壁２２により２つの空間に区画されることができる。
【００２９】
上記インクタンク２０は、インクジェットプリントヘッド４０が取り付けられるタンクヘッド１０が結合されることができる。上記タンクヘッド１０は、上記インクタンク２０に連通する少なくとも２つのインク移動ホール１３、１６を有することができる。また、上記タンクヘッド１０は、上記インク移動ホール１３、１６を連通する共通チャンネル１２が形成されることができる。
【００３０】
ここで、本実施例において上記インク移動ホール１３、１６は、隔壁２２を基準にしてそれぞれ１つずつ形成されているが、隔壁２２を基準にして両空間２１、２５にそれぞれ複数ずつ連通してもよく、これらは全て共通チャンネル１２に連通してもよい。
【００３１】
上記インク移動ホール１３、１６は、上記インクタンク２０に形成される連通ホール２３、２６とそれぞれ連通する。
【００３２】
上記インクタンク２０の２つの空間のうち第１空間２１内には外部のインク供給源に連通してインクが流入されるインク供給ポット２４が形成される。ここで、上記インク供給ポット２４は上記インクタンク２０の隔壁２２の高さ（Ｈ）より低い高さ（ｈ）の位置に形成されることができる。
【００３３】
上記インクタンク２０は、上記インクタンク２０内に貯蔵されるインクの水位を測定するために複数のインク水位センサ６０を有することができる。
【００３４】
上記インクタンク２０は、上記インク供給ポット２４から提供されるインクが上記隔壁２２内の第１空間２１に貯蔵されるインクの水位を測定する第１インク水位センサ６６を含むことができる。
【００３５】
また、上記インクタンク２０は、上記共通チャンネル１２から上記インク移動ホール１３、１６のうち少なくとも一方（１３）を介して上記インクタンク２０に流入されたインクが上記隔壁２２内の第２空間２５に貯蔵されるインクの水位を測定する第２インク水位センサ６２を含むことができる。
【００３６】
さらに、上記インクタンク２０は、上記隔壁２２の上部の空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第３インク水位センサ６４を含むこともできる。
【００３７】
一方、上記インクタンク２０とタンクヘッド１０のインクの流れについて簡単に説明すると、先ず、外部の供給源から上記インクタンク２０のインク供給ポット２４を介してインクが上記インクタンク２０内に流入されて第１空間２１に貯蔵されながら、上記タンクヘッド１０の一側に形成されるインク移動ホール１６を介して上記タンクヘッド１０の共通チャンネル１２に移動する。上記共通チャンネル１２に移動されたインクは上記タンクヘッド１０の他側に形成されるインク移動ホール１３を介して上記インクタンク２０に移動しながら、第２空間２５に貯蔵される。
【００３８】
ここで、共通チャンネル１２内でインクに気泡が発生することを防止するために、上記共通チャンネル１２は上記インク移動ホール１３、１６の間において傾斜して形成されることができる。
【００３９】
上記共通チャンネル１２の傾斜は、第１空間２１から第２空間２５の方向に傾きを有するようにし、気泡が第２空間２５へ容易に排出されるようにする。
【００４０】
また、上記インクタンク２０内には外部に連通する圧力排出ポット２８が形成され、上記圧力排出ポット２８は上記隔壁２２の高さ（Ｈ）より高い位置に形成されるようにする。
【００４１】
図３から図５は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリへのインク供給方法を説明するための断面図である。
【００４２】
以下では、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリにおいてタンクヘッド１０の共通チャンネル１２内のインクに気泡が発生しないよう、インクタンク２０内にインクを供給する方法について詳細に説明する。
【００４３】
先ず、図３のように隔壁２２で分割されたインクタンク２０内の第１空間２１に形成されるインク供給ポット２４にインクを提供する。
【００４４】
上記第１空間２１に充填されるインクが第１インク水位センサ６６に感知されるとインクの供給を中止する。この際、上記インクはタンクヘッド１０の一側のインク移動ホール１６を介してタンクヘッド１０内の傾斜した共通チャンネル１２に移動した後、上記タンクヘッド１０の他側に形成されるインク移動ホール１６を介してインクタンク２０の第２空間２５に移動する。
【００４５】
インクの供給が中断された状態でインクタンク２０の第２空間に移動するため、上記第１インク水位センサ６６において上記第１空間インク水位の下降が感知される。
【００４６】
インク水位が下降すると、図４のようにインク供給ポット２４を介して再びインクを提供し、上記インクタンク２０内の第２空間２５に充填されるインクが第２インク水位センサ６２に感知されるまでインクの供給と中断を繰り返す。ここで、上記インクの供給は、上記隔壁２２を越えることなく第１空間２１と第２空間２５に充填されるようにする。
【００４７】
上記第１インク水位センサ６６と第２インク水位センサ６２にインクが感知されると、上記隔壁２２の上部に形成される第３インクタンクセンサ６４の水位が感知されるまでさらにインクを供給する。
【００４８】
その後、インクジェットプリントヘッド４０を用いてインクを使うようになると、タンクヘッド１０に形成されるインク移動ホール１３、１６を介して同時に供給されるので、インクジェットプリントヘッド４０全体にかかる圧力が均一になる。
【００４９】
本発明によるインクジェットプリントヘッドアセンブリ及びそのインク供給方法によると、上記タンクヘッド内の共通チャンネルを傾斜して形成することによって、インクタンク内へのエアバブルの移動を円滑にし、上記共通チャンネル内のインクに空気が閉じ込められるエアバブルトラップを解消することができる。
【００５０】
また、エアバブルトラップの解消によって空気が共通チャンネルからインクジェットプリントヘッドに移動されず、インクの品質が向上するという効果がある。
【００５１】
さらに、エアバブルトラップを除去するためにタンクヘッド内にドレインポットを設ける必要がなく、バルブを開閉するための制御／機構部が不要であるため、容易かつ経済的に製造することができる。
【００５２】
また、インクタンクから複数のインク供給路を介してヘッドに提供されるため、インクタンクでの供給抵抗が低減して高周波数の吐出が容易になると共に、ノズルの位置によって流動抵抗が変わり、吐出量が変わるという問題点も防止することができる。
【００５３】
これに係らず、全体的に流動抵抗を均一にすることで、ディスプレイ、電子回路等インクの吐出量を一定にしなければならない応用分野において効果的である。
【符号の説明】
【００５４】
１０ タンクヘッド
１２ 共通チャンネル
２０ インクタンク
２４ インク供給ポット
４０ インクジェットプリントヘッド
６０ インク水位センサ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェットプリントヘッドに連通するタンクヘッド内の共通チャンネルに貯蔵されるインクに気泡が発生しないインクジェットプリントヘッドアセンブリ及びそのインク供給方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的にインクジェットプリントヘッドは、電気信号を物理的な力に変換し、小さいノズルを介してインクが液滴の形態で吐出されるようにする構造体である。特に、インクジェットヘッドアセンブリは、ノズルプレートを備えるインクジェットプリントヘッドと、上記インクジェットプリントヘッドにインクを供給するインクタンクとからなる。
【０００３】
最近、圧電方式のインクジェットヘッドは産業用インクジェットプリンターにおいても使用されている。例えば、印刷回路基板（ＰＣＢ）上に金、銀等の金属を溶かして作ったインクを噴射して回路パターンを直接形成させるとか、または、産業グラフィックや液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）、有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）の製造、太陽電池等に使われる。
【０００４】
インクタンクはインクジェットプリントヘッドが装着されるタンクヘッドに連通する。上記タンクヘッドは上記インクジェットプリントヘッドの流入口に連通する共通チャンネルを有する。
【０００５】
上記タンクヘッド内の共通チャンネルの内部にはインクを貯蔵するが、共通チャンネルにインクが満たされる過程において共通チャンネル内に空気が閉じ込められるエアバブルトラップ（ａｉｒ ｂｕｂｂｌｅ ｔｒａｐ）という問題点が発生する。
【０００６】
上記エアバブルトラップは、インクの流動によりヘッド内の流路に混入し、インクの異常な吐出を引き起こす。
【０００７】
このようなエアバブルトラップを除去するためにタンクヘッド内にドレインポットを設けた。ドレインポットを設けるとバルブが必要となり、バルブを開閉するための制御／機構部等が必要な問題点がある。
【０００８】
また、バルブの開閉により多量のインクが消耗する問題点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
本発明の目的は、インクジェットプリントヘッドに連通するタンクヘッド内の共通チャンネルに貯蔵されるインクに気泡が発生しないインクジェットプリントヘッドアセンブリを提供することにある。
【００１０】
また、本発明のさらに他の目的は、インクジェットプリントヘッドに連通するタンクヘッド内の共通チャンネルに貯蔵されるインクに気泡が発生しないようにするインク供給方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリは、外部から提供されるインクを貯蔵するインクタンクと、上記インクタンク内を区画する隔壁と、上記インクタンク内のインクが少なくとも２つのインク移動ホールを介して流入され、上記インク流入ホールを連通する共通チャンネルが形成されるタンクヘッドと、上記タンクヘッドと結合され、上記共通チャンネル内のインクを吐出するインクジェットプリントヘッドと、を含むことができる。
【００１２】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記共通チャンネルは、上記インク移動ホールの間において傾斜して形成されることができる。
【００１３】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンクには外部のインク供給源に連通するインク供給ポットが形成され、上記インク供給ポットは上記隔壁の高さより低い位置に形成されることができる。
【００１４】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンクは、上記インク供給ポットから提供されるインクが上記隔壁内の第１空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第１インク水位センサを含むことができる。
【００１５】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンクは、上記共通チャンネルから上記インク移動ホールのうち少なくとも１つを介して上記インクタンクに流入されたインクが上記隔壁内の第２空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第２インク水位センサを含むことができる。
【００１６】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンクは、上記隔壁の上部に貯蔵されるインクの水位を測定する第３インク水位センサを含むことができる。
【００１７】
また、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの上記インクタンク内には外部に連通する圧力排出ポットが形成され、上記圧力排出ポットは上記隔壁の高さより高い位置に形成されることができる。
【００１８】
他の側面において、本発明の一実施例によるインク供給方法は、隔壁で分割されたインクタンク内の第１空間に形成されるインク供給ポットによりインクを提供する第１ステップと、上記第１空間に充填されるインクが第１インク水位センサに感知されるとインクの供給を中止し、タンクヘッド内の傾斜した共通チャンネルに移動しながら上記第１空間インク水位の下降が感知されると再びインクを提供する第２ステップと、上記インクタンク内の第２空間に充填されるインクが第２インク水位センサに感知されるまで第２ステップを繰り返す第３ステップと、上記第１インク水位センサと第２インク水位センサにインクが感知されると、上記隔壁の上部に形成される第３インク水位センサにインクの水位が感知されるまで追加供給する第４ステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【００１９】
本発明によるインクジェットプリントヘッドアセンブリ及びそのインク供給方法によると、上記タンクヘッド内の共通チャンネルを傾斜するようにすることで、インクタンク内へのエアバブルの移動を円滑にし、上記共通チャンネル内のインクに空気が閉じ込められるエアバブルトラップを解消することができる。
【００２０】
また、エアバブルトラップの解消によって空気が共通チャンネルからインクジェットプリントヘッドに移動されず、インクの品質が向上するという効果がある。
【００２１】
また、エアバブルトラップを除去するためにタンクヘッド内にドレインポットを設ける必要がなく、バルブを開閉するための制御／機構部が不要であるため、容易かつ経済的に製造することができる。
【００２２】
さらに、インクタンクから複数のインク供給路を介してヘッドに提供されるため、インクタンクでの供給抵抗が低減して高周波数の吐出が容易になると共に、ノズルの位置によって流動抵抗が変わり、吐出量が変わるという問題点も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリを一部切開して示した概略斜視図である。
【図２】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの概略断面図である。
【図３】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリへのインク供給方法を説明するための断面図である。
【図４】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリへのインク供給方法を説明するための断面図である。
【図５】本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリへのインク供給方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下では図面を参照し本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内において他の構成要素を追加、変更、削除等を通じ、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができるが、これも本願発明の思想の範囲内に含まれる。
【００２５】
また、各実施例の図面に示す同一の思想の範囲内で機能が同一の構成要素は同一の参照符号を用いて説明する。
【００２６】
図１は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリを一部切開して示した概略斜視図であり、図２は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリの概略断面図である。
【００２７】
図１及び図２を参照すると、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリは、インクタンク２０、隔壁２２、タンクヘッド１０及びインクジェットプリントヘッド４０を含むことができる。
【００２８】
上記インクタンク２０は、外部のインク供給源から供給されるインクを貯蔵する空間が形成される。上記インクタンク２０の内部空間は、隔壁２２により２つの空間に区画されることができる。
【００２９】
上記インクタンク２０は、インクジェットプリントヘッド４０が取り付けられるタンクヘッド１０が結合されることができる。上記タンクヘッド１０は、上記インクタンク２０に連通する少なくとも２つのインク移動ホール１３、１６を有することができる。また、上記タンクヘッド１０は、上記インク移動ホール１３、１６を連通する共通チャンネル１２が形成されることができる。
【００３０】
ここで、本実施例において上記インク移動ホール１３、１６は、隔壁２２を基準にしてそれぞれ１つずつ形成されているが、隔壁２２を基準にして両空間２１、２５にそれぞれ複数ずつ連通してもよく、これらは全て共通チャンネル１２に連通してもよい。
【００３１】
上記インク移動ホール１３、１６は、上記インクタンク２０に形成される連通ホール２３、２６とそれぞれ連通する。
【００３２】
上記インクタンク２０の２つの空間のうち第１空間２１内には外部のインク供給源に連通してインクが流入されるインク供給ポット２４が形成される。ここで、上記インク供給ポット２４は上記インクタンク２０の隔壁２２の高さ（Ｈ）より低い高さ（ｈ）の位置に形成されることができる。
【００３３】
上記インクタンク２０は、上記インクタンク２０内に貯蔵されるインクの水位を測定するために複数のインク水位センサ６０を有することができる。
【００３４】
上記インクタンク２０は、上記インク供給ポット２４から提供されるインクが上記隔壁２２内の第１空間２１に貯蔵されるインクの水位を測定する第１インク水位センサ６６を含むことができる。
【００３５】
また、上記インクタンク２０は、上記共通チャンネル１２から上記インク移動ホール１３、１６のうち少なくとも一方（１３）を介して上記インクタンク２０に流入されたインクが上記隔壁２２内の第２空間２５に貯蔵されるインクの水位を測定する第２インク水位センサ６２を含むことができる。
【００３６】
さらに、上記インクタンク２０は、上記隔壁２２の上部の空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第３インク水位センサ６４を含むこともできる。
【００３７】
一方、上記インクタンク２０とタンクヘッド１０のインクの流れについて簡単に説明すると、先ず、外部の供給源から上記インクタンク２０のインク供給ポット２４を介してインクが上記インクタンク２０内に流入されて第１空間２１に貯蔵されながら、上記タンクヘッド１０の一側に形成されるインク移動ホール１６を介して上記タンクヘッド１０の共通チャンネル１２に移動する。上記共通チャンネル１２に移動されたインクは上記タンクヘッド１０の他側に形成されるインク移動ホール１３を介して上記インクタンク２０に移動しながら、第２空間２５に貯蔵される。
【００３８】
ここで、共通チャンネル１２内でインクに気泡が発生することを防止するために、上記共通チャンネル１２は上記インク移動ホール１３、１６の間において傾斜して形成されることができる。
【００３９】
上記共通チャンネル１２の傾斜は、第１空間２１から第２空間２５の方向に傾きを有するようにし、気泡が第２空間２５へ容易に排出されるようにする。
【００４０】
また、上記インクタンク２０内には外部に連通する圧力排出ポット２８が形成され、上記圧力排出ポット２８は上記隔壁２２の高さ（Ｈ）より高い位置に形成されるようにする。
【００４１】
図３から図５は、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリへのインク供給方法を説明するための断面図である。
【００４２】
以下では、本発明の一実施例によるインクジェットプリントヘッドアセンブリにおいてタンクヘッド１０の共通チャンネル１２内のインクに気泡が発生しないよう、インクタンク２０内にインクを供給する方法について詳細に説明する。
【００４３】
先ず、図３のように隔壁２２で分割されたインクタンク２０内の第１空間２１に形成されるインク供給ポット２４にインクを提供する。
【００４４】
上記第１空間２１に充填されるインクが第１インク水位センサ６６に感知されるとインクの供給を中止する。この際、上記インクはタンクヘッド１０の一側のインク移動ホール１６を介してタンクヘッド１０内の傾斜した共通チャンネル１２に移動した後、上記タンクヘッド１０の他側に形成されるインク移動ホール１６を介してインクタンク２０の第２空間２５に移動する。
【００４５】
インクの供給が中断された状態でインクタンク２０の第２空間に移動するため、上記第１インク水位センサ６６において上記第１空間インク水位の下降が感知される。
【００４６】
インク水位が下降すると、図４のようにインク供給ポット２４を介して再びインクを提供し、上記インクタンク２０内の第２空間２５に充填されるインクが第２インク水位センサ６２に感知されるまでインクの供給と中断を繰り返す。ここで、上記インクの供給は、上記隔壁２２を越えることなく第１空間２１と第２空間２５に充填されるようにする。
【００４７】
上記第１インク水位センサ６６と第２インク水位センサ６２にインクが感知されると、上記隔壁２２の上部に形成される第３インクタンクセンサ６４の水位が感知されるまでさらにインクを供給する。
【００４８】
その後、インクジェットプリントヘッド４０を用いてインクを使うようになると、タンクヘッド１０に形成されるインク移動ホール１３、１６を介して同時に供給されるので、インクジェットプリントヘッド４０全体にかかる圧力が均一になる。
【００４９】
本発明によるインクジェットプリントヘッドアセンブリ及びそのインク供給方法によると、上記タンクヘッド内の共通チャンネルを傾斜して形成することによって、インクタンク内へのエアバブルの移動を円滑にし、上記共通チャンネル内のインクに空気が閉じ込められるエアバブルトラップを解消することができる。
【００５０】
また、エアバブルトラップの解消によって空気が共通チャンネルからインクジェットプリントヘッドに移動されず、インクの品質が向上するという効果がある。
【００５１】
さらに、エアバブルトラップを除去するためにタンクヘッド内にドレインポットを設ける必要がなく、バルブを開閉するための制御／機構部が不要であるため、容易かつ経済的に製造することができる。
【００５２】
また、インクタンクから複数のインク供給路を介してヘッドに提供されるため、インクタンクでの供給抵抗が低減して高周波数の吐出が容易になると共に、ノズルの位置によって流動抵抗が変わり、吐出量が変わるという問題点も防止することができる。
【００５３】
これに係らず、全体的に流動抵抗を均一にすることで、ディスプレイ、電子回路等インクの吐出量を一定にしなければならない応用分野において効果的である。
【符号の説明】
【００５４】
１０ タンクヘッド
１２ 共通チャンネル
２０ インクタンク
２４ インク供給ポット
４０ インクジェットプリントヘッド
６０ インク水位センサ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
外部から提供されるインクを貯蔵するインクタンクと、
前記インクタンク内を区画する隔壁と、
前記インクタンク内のインクが少なくとも２つのインク移動ホールを介して流入され、前記インク移動ホールを連通する共通チャンネルが形成されるタンクヘッドと、
前記タンクヘッドと結合され、前記共通チャンネル内のインクを吐出するインクジェットプリントヘッドと
を含むインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項２】
前記共通チャンネルは、前記インク移動ホールの間において傾斜して形成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項３】
前記インクタンクには外部のインク供給源に連通するインク供給ポットが形成され、
前記インク供給ポットは前記隔壁の高さより低い位置に形成されることを特徴とする請求項１または２に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項４】
前記インクタンクは、前記インク供給ポットから提供されるインクが前記隔壁に区画された第１空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第１インク水位センサを含むことを特徴とする請求項３に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項５】
前記インクタンクは、前記共通チャンネルから前記インク移動ホールのうち少なくとも１つを介して前記インクタンクに流入されたインクが前記隔壁に区画された第２空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第２インク水位センサを含むことを特徴とする請求項３または４に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項６】
前記インクタンクは、前記隔壁の上部に貯蔵されるインクの水位を測定する第３インク水位センサを含むことを特徴とする請求項３から５の何れか１項に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項７】
前記インクタンク内には外部に連通する圧力排出ポットが形成され、
前記圧力排出ポットは前記隔壁の高さより高い位置に形成されることを特徴とする請求項１から６の何れか１項に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項８】
隔壁で分割されたインクタンク内の第１空間に形成されるインク供給ポットによりインクを提供する第１ステップと、
前記第１空間に充填されるインクが第１インク水位センサに感知されるとインクの供給を中止し、タンクヘッド内の傾斜した共通チャンネルに移動しながら前記第１空間のインク水位の下降が感知されると再びインクを提供する第２ステップと、
前記インクタンク内の第２空間に充填されるインクが第２インク水位センサに感知されるまで第２ステップを繰り返す第３ステップと、
前記第１インク水位センサと第２インク水位センサにインクが感知されると、前記隔壁の上部に形成される第３インク水位センサにインクの水位が感知されるまで追加供給する第４ステップと
を含むインク供給方法。
【請求項１】
外部から提供されるインクを貯蔵するインクタンクと、
前記インクタンク内を区画する隔壁と、
前記インクタンク内のインクが少なくとも２つのインク移動ホールを介して流入され、前記インク移動ホールを連通する共通チャンネルが形成されるタンクヘッドと、
前記タンクヘッドと結合され、前記共通チャンネル内のインクを吐出するインクジェットプリントヘッドと
を含むインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項２】
前記共通チャンネルは、前記インク移動ホールの間において傾斜して形成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項３】
前記インクタンクには外部のインク供給源に連通するインク供給ポットが形成され、
前記インク供給ポットは前記隔壁の高さより低い位置に形成されることを特徴とする請求項１または２に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項４】
前記インクタンクは、前記インク供給ポットから提供されるインクが前記隔壁に区画された第１空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第１インク水位センサを含むことを特徴とする請求項３に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項５】
前記インクタンクは、前記共通チャンネルから前記インク移動ホールのうち少なくとも１つを介して前記インクタンクに流入されたインクが前記隔壁に区画された第２空間に貯蔵されるインクの水位を測定する第２インク水位センサを含むことを特徴とする請求項３または４に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項６】
前記インクタンクは、前記隔壁の上部に貯蔵されるインクの水位を測定する第３インク水位センサを含むことを特徴とする請求項３から５の何れか１項に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項７】
前記インクタンク内には外部に連通する圧力排出ポットが形成され、
前記圧力排出ポットは前記隔壁の高さより高い位置に形成されることを特徴とする請求項１から６の何れか１項に記載のインクジェットプリントヘッドアセンブリ。
【請求項８】
隔壁で分割されたインクタンク内の第１空間に形成されるインク供給ポットによりインクを提供する第１ステップと、
前記第１空間に充填されるインクが第１インク水位センサに感知されるとインクの供給を中止し、タンクヘッド内の傾斜した共通チャンネルに移動しながら前記第１空間のインク水位の下降が感知されると再びインクを提供する第２ステップと、
前記インクタンク内の第２空間に充填されるインクが第２インク水位センサに感知されるまで第２ステップを繰り返す第３ステップと、
前記第１インク水位センサと第２インク水位センサにインクが感知されると、前記隔壁の上部に形成される第３インク水位センサにインクの水位が感知されるまで追加供給する第４ステップと
を含むインク供給方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−１４８２９５（Ｐ２０１１−１４８２９５Ａ）
【公開日】平成２３年８月４日（２０１１．８．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２６１１３９（Ｐ２０１０−２６１１３９）
【出願日】平成２２年１１月２４日（２０１０．１１．２４）
【出願人】（５９４０２３７２２）サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド． (1,585)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年８月４日（２０１１．８．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月２４日（２０１０．１１．２４）
【出願人】（５９４０２３７２２）サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド． (1,585)
【Ｆターム（参考）】
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