説明

インクジェットプリントヘッド及びその製造プロセス

【解決手段】
インクジェットプリントヘッド(130)は、1つ以上の噴出モジュール(131)を備え、各モジュールはシリコンチップ(34)、モジュールのフロント部(133)に隣接した複数の噴出ノズル(139)、ノズル用の噴出セル(137)及びセル(137)のインク用の分配チャンネル(138)を備える。モジュールはフロント部(133)に隣接し分配チャンネル(138)に流体連通する分布チャンネル(149)と、関連チップ(134)に一体化されたノズル層(152)とを備え、噴出ノズル(139)がフロント部に平行に作られる。ヘッド(130)は、モジュールが取り付けられ且つ分配チャンネル(138)と流体連通するインク用供給ダクト(143)を形成する支持部(132)と、供給ダクト(143)と噴出セル(139)との間に流体密封を保証するため支持部とモジュールの間に設けられた密封手段(150)と、を更に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリントヘッド及びその製造プロセスに関する。
より詳しくは、本発明は、請求項1及び20の導入部分に係る、複数のノズルを通してプリント媒体にインク液滴を噴出するためのプリントヘッド及びその製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、頂部シューター式の熱技術に係る、即ち噴出モジュールに垂直な方向にインク液滴を噴出する等の、インクジェットプリントヘッドの構成及び作動の一般的モードは、この技術分野で幅広く知られており、従って、本明細書では詳しくは説明しない。
【0003】
インクジェットヘッドは、一般に、ノズルが印刷ラインに垂直に配列され、ヘッドが印刷されるべき表面に亘って横断方向に移動されるシリアルプリンターを製造する際に使用される。
【0004】
噴出ユニットは、集積回路及び/又はハイブリッド回路の製造のため用いられるものに類似した処理技術を用いて、半導体基板、典型的にはシリコンウェーハからのチップとして得られる。
【0005】
要約すると、様々な層が、噴出レジスター及び活性電子部品を構成するため基板の面、及び、フォトポリマーの層上に沈着される。フォトリソグラフィー技術を使用するとき、噴出セル及びインク分配チャンネルは、フォトポリマー内で作られ、セルと対応して組み込まれた噴出ノズルが備え付けられたオリフィスプレートが取り付けられる。
【0006】
今日の技術は、ヘッド毎により大きい数のノズルさえも、並びに、高い作動周波数でより高いプリントディフィニッションさえも生成し、より小さいインク液滴さえも生成しようとしている。このことは、減少した寸法、非常に短い液圧回路及び回路、構成部品を配置し組み立てる際の高い精度を持つアクチュエータを必要とし、その一方で、ヘッドを構成する材料の熱膨張の異なる係数といった問題も強調されるようになる。
【0007】
高い信頼性は、特に、インクタンクの交換可能性であるべきであるとき特に、プリントヘッドについて要求されている。これらのヘッドは、反固定化再充填ヘッドと称され、実際、プリンターの寿命に近い有効寿命を有する。
【0008】
かくして、インクチャンネル、選択マイクロエレクトロニクス、選択器及びノズルがウェーハに集積されている、完全に集積されたモノリシックヘッドを開発し、製造する必要が存在する。
【0009】
シリアル印刷のための直前のヘッドは、噴出モジュールのエッジに沿った特殊なノズル配置を有し、それらは、全てのセルに共通した、ユニット内の分布スロット又はチャンネルを通したインクのための簡単化した供給を使用し、幾つかの場合には、ユニット内に集積されたオリフィスプレートを有する。製造中に、引き続く工程で消去されるフォトポリマーの犠牲層は、セル及び分配チャンネル、並びにノズルの形成のための構造層を作る際に使用される。
【0010】
その上、シリアル型式のプリンターは、幾分嵩張り、従って、ポータブル及び/又はコンパクトな設備で使用するには不適切である。
パラレル又はシリアル−パラレル式プリンターで使用することができるインクジェットプリンターが知られている。ページのラインは、印刷される表面を横切って走査運動する必要性無しに単一ストローク内で印刷されるか、又は、ページの長さ方向の運動に関連して制限された走査で印刷される。
【0011】
パラレル又はシリアル−パラレル式プリンターのためのヘッドは、様々な噴出モジュールを並列に並べた状態で製造される。実際には、欠点が無く並列印刷領域内に全てのノズルを形成することができる大型サイズのチップ又は単一ユニットを受容可能な生産高で製造するのは困難である。加えて、単一ユニット内のヘッドは、ユニット内の大型サイズのスロットにより引き起こされる弱さに起因して、今日のシリアルヘッドのインク供給の簡単さからは利点を引き出すことができなかった。
【0012】
並列プリンターのための噴出モジュールは、制限された寸法(1.27cm(1/2インチ)、2.54cm(1インチ))を持ち、単一ユニット内にあるときのようなノズルの整列された配置を得るような仕方で共通に支持されて組み立てられる。しかし、この構造が選択されたとき、インク分配スロットの存在に起因して、並列に集積ユニットを設定することが困難になるという問題等の他の問題が発生する。
【0013】
近年では、インクジェットヘッドは、噴出モジュールの首尾一貫した部分に亘って延在する多数のノズルを用いたシリアル印刷のために、印刷領域に沿った及び/又は様々な印刷ライン上の大量のドットを同時に印刷するのに適するように発展された。これらの高価なヘッドは、機械的に弱く、製造するのが複雑であり、多数の構造的問題が未解決のままとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の主要な目的は、主要には、これに独占されないが、高い集積度を備え、短い製造時間及び比較的低いコストで済む上記した欠点が無い並列又はシリアル並列式のプリンターのためのインクジェットプリントヘッドを製造することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、噴出モジュール及び比較される機能の構成部品のロバストネスから低下しないような共通の分配チャンネルを通してインクが噴出セルを供給する、インクジェットプリントヘッドを製造するプロセスを画定させることである。
【0016】
本発明の別の目的は、寸法が小さく低コストであると共に良好な印刷解像度を提供することができる、プリントのラインに平行な方向に沿ってノズルが整列されて配列されたインクジェットプリントヘッドのためのユニットを製造することである。
【0017】
更に別の目的は、寸法が小さく低コストの、並列又はシリアル並列式プリンターのためのインクジェットヘッドを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的は、並列又はシリアル並列印刷装置によって、並びに、主要請求項の特徴部分に係る本発明の製造プロセスによって達成される。
本発明の特徴は、添付図面を参照して、これに限定しない例を用いて提供された、次の説明から明らかとなろう。
【実施例】
【0019】
参照番号21で図1の上側に表されているものは、シリアル並列式のインクジェット印刷装置である。この装置は、本願と同じ出願人に代わって2002年10月10日に出願されたイタリア特許出願TO2002A000876に記載されていた。
【0020】
要約すると、本装置21は、印刷ラインに平行に複数の噴出モジュール22を備えている。各モジュールは、噴出セル即ちチャンバー23(図2参照)と、シート26上へのインクの噴出を指令するためのレジスター24と、分配チャンネル25と、が備え付けられている。
【0021】
本装置21は、基板27と、オリフィスプレート28と、モジュール22とインク用の補助タンク31とを選択し駆動するためのチップドライバー29と、を更に備える。ボード27、プレート28及びタンク31は、全てのモジュール22に共通している。プレート28上に作られているものは、印刷ラインに平行なラインに整列されて配置された噴出ノズル32である。
【0022】
基板27は、剛性の絶縁性材料からなり、モジュール22のための支持機能を持ち、その厚さを横切り、タンク31に接続されたスロット33により形成された、インク用の供給チャンネルを備えている。基板上に取り付けられているものは、チップドライバー29である。代替例として、これは、単一モジュール22の集積回路を通して実行することができる。
【0023】
モジュール22は、プレート28を通した液圧密封接続部において、セル24が関連する分配チャンネル25を通してスロット33と接続した状態で基板27上に並列に取り付けられている。
【0024】
基板27は、印刷列の全長さに亘って、又は、少なくともその良好な部分に亘って延在しており、スロット33は、再び印刷ラインに平行に、基板に沿って全行路に延在する。
各モジュール22は、前部36及び側部37、38を備えた長方形形状の結晶シリコンのチップ34からなる。駆動及び選択回路を構成する構成部品は、既知のプロセスを使用して、チップ34上に作られる。レジスター24に対する層、図面には示されていない相互接続部、I/Oパッド39、及び、感光性の樹脂フィルム41が沈着される。このフィルム内に組み込まれているものは、対応するレジスター24及び分配チャンネル25と整列する、噴出セル23である。
【0025】
噴出モジュール22は、接着及び押圧によりベース基板27に取り付けられている。モジュール22のエッジに隣接して基板27に接着されているものは、モジュール22それ自身と同じ厚さのデータフレーム42である。
【0026】
プレート28は、噴出ノズル32が噴出セル23及び各々のレジスター24に正確に面する仕方でモジュール22並びにデータフレーム42に取り付けられている。該プレートは、分配チャンネル25、インク供給チャンネル及びセル23のための上側流体密封カバーとして作用する。
【0027】
チップ34では、セル23及びレジスター24は、エッジに隣接したフロント部36に平行に配列され、反対側のフロント部に沿ってI/Oパッド39が配置され、中央部には活動部品が配置されている。チャンネル25は、かなり短く形成され、高い作動周波数を保証している。
【0028】
セル23及びレジスター24は、ノズル32のピッチに等しいピッチ「P」を有し、その一方で、側部37及び38とターミナルセル23の軸との間の距離は、0.5Pより僅かに小さく、かくして、基板27の組み立ての間に、2つの隣接するモジュール22の側部37及び38の間に空間Gを残すことを可能にし、従って、2つのモジュールのセルの間にピッチ「P」の整列及び不変性を保証する。
【0029】
基板27は、平坦で平行な対向表面により境界付けられた、略長方形形状であり、結晶シリコンに近い熱膨張係数を有する、電気的に絶縁され、化学的に不活性の剛体シートで切断することができる。精密な構成部品が無いことに起因して、精度に制限を受けることなく、スロット状のアパーチャ33を得ることができる。それは、当該技術分野で知られている方法の任意の一つを使用して作ることができる。アルミナ又はセラミックの場合には、スロットを、焼成工程の前に成形することにより得ることができる。
【0030】
半田パッド43及び44、図面には示されていない、プリンターのハードワイヤ接続のための相互接続トラック及びI/Oパッドを生成するため基板27には金属層が沈着される。
【0031】
データフレーム42は、モジュール22と同じ厚さを持ち、基板27に取り付けられた噴出モジュール22の形状と相補的な形状を持ち、第1のモジュールの側部37と直前のモジュール22のエッジ38と、全体的若しくは部分的に、並列に並んでいる。
【0032】
データフレーム42は、スロット33と連通し、フィルム41のチャンネル25を通して噴出セル23と連通する逆のインクセル50を形成する仕方でフロント部36から所定距離にある。データフレーム42の厚さは、モジュール22の厚さに等しく、オリフィスプレート28(図1)を密封するための接着工程を容易にするため、各々の上側方面が平坦な表面を形成することを確実にする。
【0033】
オリフィスプレート28は、カプトンから、或いは、代替例として、金メッキされたニッケルから作ることができ、電気鋳造工程により作ることができる。
補助タンク31は、モジュール22が取り付けられるものと反対側に基板27の表面に沈着される。タンク31は、スポンジ51を通して充填され、ジョイントフィルター52を通して取り外し可能な型式のインクカートリッジ53と接続されている。
【0034】
ジョイントフィルター52及び平坦なケーブルは、全体がモジュール22とベース基板27とからなることを可能にし、カートリッジ53が動かない状態のままである間にシート26に関して横方向に移動する。カートリッジは、再充填可能なシリアル印刷ユニットと同様に、置換可能である。
【0035】
装置21は、既知の型式の並列又はシリアル並列印刷装置を超える多数の利点を有し、経済的及び機能的である。分配チャンネル25は、セル24へのインクの供給に最適な流体インピーダンスにとって十分に短く、これにより、モジュール22の高い作動周波数を確実にする。
【0036】
装置21は、ノズルと一体でない噴出モジュールにとっても有用である。しかし、個々のセル24及びモジュール22の個々のチャンネル25にとって整列及び堅固さの十分な精度を保証するためノズルの層の正確な位置決めを必要としている。
【0037】
図3に示されているものは、シリアル型式のインクジェットプリンター89であり、据え付け構造と、コントラストローラー91と、カートリッジ92と、各々単色及びカラーの2つのヘッド93n及び93cと、を備える。
【0038】
ヘッド93n(図4)は、インク液滴の噴出のためのレジスター97と、レジスター97のための駆動回路98と、図面には示されていない電子コントローラへの接続のためのパッド99とを実装した半導体材料(シリコン)の基板チップ96を有する噴出モジュール94を備える。チップ96に作られているものは、通過スロット101であり、該通過スロットを介して、インクが図面に示されていないタンクから流れる。
【0039】
チップ96の上側表面上にあるものは、フォトポリマー層102であり、該層には、フォトリソグラフィー技術を使用して、レジスター97に対応して、分配チャンネル104及び噴出セル104が作られている。セル104の上方にノズル107を担持している、金メッキされたニッケル又はカプトンの薄層から全体として作られたオリフィスプレート106は、フォトポリマー102に接着されている。
【0040】
ノズル107は、ヘッド走査方向に画像の解像度を二倍にするため、半分のピッチで互い違いにされた2つの平行ラインに配列されている。回路98は、低い散逸パワーで各ヘッドモデルに特有の解像度で、簡単化されたCMOS/LDMOS技術に従って生成されている。
【0041】
モノリシックのシリアルインクジェットプリントヘッドのための噴出モジュール111が図5に示されている。これは、2つのラインのノズル113を有する構造層112と、シリコン基板チップ114とを備えた、オリベッチ・レキシコンS.P.Aを代行して出願されたイタリア特許番号1.310.099から知られている型式である。チップ114は、マイクロエレクトロニクス116と、半田パッド117と、層112と部分的に共有する微細液圧手段118とを備えている。
【0042】
モジュール111の製造プロセスは、マイクロエレクトロニクス及び微細液圧手段が作られ、完成されるところの複数のチップ114からなる、図面に示されていないウェーハの製造工程を備えている。
【0043】
チャンネル又は分配タンク119は、ドライエッチングによりチップ114の下側部分に作られており、犠牲フォトポリマーの層を通して、噴出セル121が、チップの上側部分に形成され、インクのための分配チャンネル122が、チャンネル若しくはタンク119とセル121との間に形成されている。
【0044】
構造層112は、チップ114上に沈着され、ノズル113が後に作られる一体薄層を備えている。最終的には、セル121及びチャンネル122に対する犠牲層は消失される。
【0045】
モジュール111は、インクの供給のための最適な流体インピーダンス及び低い製造コストを与え、ヘッド微細液圧手段を構成する様々な区分のための流体的な堅固さを保証する。
【0046】
既に述べたように、モジュール112に対する構造及びプロセスは、モジュールをページ又はその良好な部分の幅に延在させるために使用することができない。余剰寸法を持つウェーハは、高い消費レベルを持つことが要求される。加えて、印刷ラインの全てのノズルの供給のためのスロット付きモジュールを備えたヘッドは、スロットそれ自身により弱くされたが故に壊れやすくなる。
(第1の実施例)
図6に示されているものは、参照番号130で指し示された、本発明の第1の実施例に係るインクジェットプリントヘッドである。該インクジェットプリントヘッドは、一連の噴出モジュール131と、図1の印刷装置21のヘッドに構造的に類似したモジュール131を取り付けるための支持部とを備えている。
【0047】
各モジュール131は、フロント部133を備えた略長方形形状を持ち、結晶シリコンの基板又はチップ134(図8)を備え、該チップは、駆動回路135と、レジスター136と、噴出セル137と、セル136のインク用の分配チャンネル138と、噴出ノズル139とを備えている。
【0048】
回路135及びレジスター136は、チップ134の面1431上に集積されている。同じ面141上に配置されているものは、回路135のための半田パッド142である。
レジスター136は、フロント部133に平行に該フロント部から短距離のところに配列され、セル137は、レジスター136の上方に形成され、チャンネル138と共に、面141に見出される。チャンネル138は、面141により境界付けられた領域に沿って延在し、フロント部133に垂直な軸を備え、レジスター136の端部上の一部分「C」に亘って延在する。
【0049】
支持部132(図6,7,8及び9)は、図1の装置21のスロット状アパーチャ33と同一であるスロット状アパーチャからなる、チャンネル138のインクのための供給ダクト143を形成する。支持部132に配置されているものは、モジュール141のパッド142にコンダクター146を介して接続された半田パッド144、並びに、プリンターへのヘッドの接続のための図示されていない半田パッドである。
【0050】
本発明によれば、ヘッド130は、各モジュール131において、チップ134及びオリフィスプレート152内に作られた分布チャンネル149と、密封手段150と、を備える。
【0051】
分布チャンネル149は、エッジ133に平行に該エッジに隣接してモジュール131の全長さに亘って延在し、分配チャンネル138と支持部132の供給ダクト143とに流体連通している。オリフィスプレート152は、チップ134の面141上に集積され、セル137及びチャンネル138の範囲を定め、ノズル139は噴出セル137の上方に作られている。密封手段150は、オリフィスプレート152と支持部132との間に挿入され、供給ダクト143とセル137との間のインクの密封を確実にする。
【0052】
本第1の実施例のヘッド130では、分布チャンネル149は、チップ134の同じ面141上に生成され、分配チャンネル138の間の長さ「D」に亘ってチャンネル149内で横方向に走るリブ151が提供される。密封手段150は、密封薄層153を備え、オリフィスプレート152と支持部132との間の密封を提供する。
【0053】
詳しくは、チップ134は、1.27cm(1/2インチ)又は2.54cm(1インチ)の長さで、1.5〜2mmの幅で、0.4〜0.7mmの厚さである。レジスター136は、フロント部133から0.5〜1.00mmの位置に配置され、分布チャンネル149は、面141の10〜100μmの深さのエッチングから生じ、距離「C」から出発して0.3〜1.0mmの幅「Ch」に亘って、フロント部133まで延在する。レジスター136は、チップ134の回路135により、ダクト143の反対側の両端部からパワー供給される。
【0054】
リブ151は、対をなして、図6、7、8、14及び15に示されるように、複数の分配チャンネル138の間に挿入されるか、又は、図12及び図13に示されるように、各チャンネル138と対応して配置されていてもよい。
【0055】
オリフィスプレート152は、液圧回路が生成される領域では、チップ134の面141から10〜35μmの距離にあり、セル137及びチャンネル138の高さを設定する。
【0056】
密封薄層153は、例えばカプトン等の樹脂の薄層、又は、例えばテーパーエッジ156により制限された金メッキニッケル等の金属薄層から作られる。熱圧力接着手段を用いて、例えば、エッジ156がノズル139に平行に隣接する仕方でエッジ156に隣接した接着領域及びオリフィスプレート152上の接着領域に接着フィルム155を沈着することにより、薄層は、オリフィスプレート152に固定される。
【0057】
薄層153及びオリフィスプレート152の接着領域は、セル137及びチャンネル138に信頼できる流体密封が提供されることを確実にするため十分である幅に亘って延在する。
【0058】
リブ151は、シリコン内のエッチングで作られ、セル137及びチャンネル149の間の液圧システムの流体インピーダンスを実質的に増大させること無く、薄層153と層152との間の接着作用に良好なコントラストを提供する。
【0059】
特に、リブ151は、分布チャンネル149内に0.2〜0.9mmの距離に亘って、各々15〜30μmの幅で延在し、層152の接着領域が、ノズル139に向かってこれらの値よりも僅かに大きい幅に亘って延在している。
【0060】
支持部132は、例えばアルミナ、ガラス、PCBからできた図1の基板27に類似した剛体材料の基板159を備えており、モジュール及びプリンターへの接続用のパッドが沈着され、その厚さを通して供給ダクト143を形成する。
【0061】
噴出モジュール131(図6)は、関連するノズル139、セル137及びフロント部133が整列される仕方で基板159上に並列に取り付けられる。ノズルの沈着及びピッチ「P」は、図2の装置21のセル23を参照して、既に言及された特許出願TO2002A000876内の説明に従って、既に説明されたものと同じである。
【0062】
例えばプラスチック材料ででき、図1のデータフレーム42に類似したフレーム161が、フロント133と整列したモジュール131と並んで基板159上に取り付けられており、このとき上側表面162がノズル層152の上側表面と実質的に面一となっている。代替例として、この機能は、ダクト143に隣接した、同じ基板159内の段部から得ることができる。
【0063】
例えばエッジ156の反対側にある薄層153のエッジに接着フィルム155の別の部分を通した熱及び圧力接着により、密封薄層153が、フレーム161の表面162又は基板159の段部の上側表面を密封するため取り付けられている。
【0064】
図10及び図11に参照されるように、プリントヘッド130の製造プロセスは、チップブロック171内の参照番号131A及び131Bで別々に指し示された、対に配列されたモジュール141を形成する工程を備えている。ブロック171は、鏡像のように並列に配置された2つのチップ134に対応し、上側面141に、回路135及びレジスター136を集積し、該面では、レジスターがチップの横断方向参照平面172に平行に配列され、回路135が、レジスター136に対して、平面172の端部と反対側の端部に配置されている。
【0065】
チップブロック171は、シリコンウェーハ173の多数の区分の一つを表している(図10)。回路135、レジスター136、相互接続部及びパッド回路142を、標準的なプロセスに続いて形成することができる。完全な噴出モジュールが得られるまで、ウェーハ173上で直接作業が実行される。
【0066】
単一のチップブロック171から、2つの噴出モジュール131が、プロセスの終了時に得られる。ブロック171は、単一のモジュール131と同じ長さであり、幅は2倍を超える。2つのモジュール131A及び131B(図11)は、ブロック171の側部から出発して参照平面172に関して互いの鏡像として形成され、空間「CW」が作られるべき切削部のために残されるように互いから所定距離のところに配置される。切削部は、平面172に平行にフロント部144の範囲を画定する。
【0067】
チップブロック171は、コンパクトであり、制限された寸法を持ち、最小の消費量で、ウェーハ173の最適な切削を確実にする。1.27cm(1/2インチ)のチップ134及び直径150mmのウェーハに関しては、500より多いモジュール131を作ることができる。当然に、チップが単に並んでセットされるレイアウトを用いて、単一の定義でウェーハ173からモジュール131を作ることができる。
【0068】
本発明の製造プロセスは、様々なモジュール131から形成された特に高価なプリントヘッド、並列又はシリアル並列式のプリンターを製造するために有利であるが、単一モジュール131から形成された経済的なシリアルヘッドを製造するためにも用いることができる。
【0069】
本発明によれば、プリントヘッド130の製造プロセスは、エッチング工程181を備えており、該工程では、ウェーハ173の各チップブロック171の面141上で、長さ方向エッチング部182が作られる。エッチング部182は、平面172に対して対称的であり、上記工程では、レジスター136から距離Cのところから出発し、区分131A及び131Bにおいて、分布チャンネル149と、該チャンネル149の長さDに亘って延在する一連のリブ151とが製造される。
【0070】
ステップ181におけるウェーハ173のエッチングは、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、又は、KOHを用いたウェットエッチング技術等既知のドライエッチングを用いてもたらすことができる。
【0071】
当該プロセスでは、犠牲体積領域の沈着工程(図16から図18)と、セル137及びチャンネル138の境界を画定する工程(図19から図21)と、構造層及びノズルの形成工程(図22及び図23)と、切削工程(図24及び図25)と、が続行される。
【0072】
詳しくは、犠牲体積領域の沈着工程は、フォトレジスト層184がエッチング部182を覆うように拡げられるサブ工程183(図16)を備えることができる。サブ工程186(図17)では、例えば、酸素プラズマで処理することによりフォトレジストのトレースが面141から除去され、エッチング部182を覆うフォトレジストが平坦化される。
【0073】
サブ工程187(図18)では、面141全体に亘って、エッチング部182を覆う層上で、乾燥後に厚さ10〜25μmのフォトレジスト層184が沈着される。
参照番号188で示される境界画定工程(図19)は、チャンネル138及び分布チャンネル149のセル136の境界を画定するマスクを用いてフォトレジスト層184を露光し、該フォトレジスト層を現像する工程を備えている。かくして、参照番号189及び191で指し示された犠牲体積領域は、レジスター136の上方で、リブ間の空間及びエッチング部182の残りの空間に、セル137を画定し並びにチャンネル138及び犠牲体積領域192を画定するため距離「C」の領域に、形成される。
【0074】
リブ151の上側表面は、図20に示されるように、各チャンネル138に対して一つの対が存在する沈着部で、又は、図21に示されるように、複数のチャンネル138に対して一つの対が存在する沈着部で、露呈されたままとなっている。
【0075】
参照番号196で指し示された構造層の形成工程(図22)では、構造層197は、面141、リブ151、及び、犠牲体積領域189、191及び192上に沈着される。
例を用いて説明すると、構造層197は、パッド142を露わにするため露光及び現像に適切であり、ウェーハから分離する前に続いてポリマー化される例えばSU8等の負のフォトレジストであってもよく、又は、ウェーハから分離する後に処理することができるポリマー型式であってもよい。
【0076】
工程196には、ノズル139が、セル137と対応してチップブロック171の2つの区分131A及び131B上に作られるところの、ノズル形成工程198(図23)が続いて実行される。
【0077】
工程198は、層197が負のフォトレジストである場合に、又は、ポリマー層の場合には例えばエキシマーレーザーを使用してモジュール131の分離後に、ウェーハ173上で実行することができる。
【0078】
切削工程は、一例として、例えばレーザー等を使用した切除サブ工程199(図24)を備えており、該サブ工程では、構造層197とエッチング部192の上方のフォトレジスト184が、「CW」より僅かに大きい幅に亘って、リブ151の端部から短距離の平面172のエッジ上で除去される。
【0079】
上記工程には、モジュール131A及び131Bがウェーハ173から分離されるトゥルー及びプロパー層121を切削する工程が続く。該工程では、例えば、鋸等を使用して、平面172に関して対称的であり且つブロック171から得ることができる2つのモジュールの側部133を形成する幅「CW」を切除するために、幅モジュール131A及び131Bがウェーハ173から分離される。
【0080】
切除工程199(図24)は、シリコンを切断するため使用される鋸が層197及び184の有機材料内に突き刺さることを防止する。犠牲体積領域を有するモジュール131が、ウェーハ173から分離される。
【0081】
本発明に係るヘッドの生成工程130は、支持部132が利用可能となり(図30)、且つ、1つ以上のモジュール131のためのダクト143とベアリング表面203とが強化される準備工程を含んでいる。
【0082】
工程204(図27a)では、モジュール131は、各々のフロント部133が供給ダクト143に隣接し互いに整列された状態で支持部132のベアリング表面132に取り付けられる。これは、接着剤を使用して、当該技術分野で知られた位置決め技術を用いて、なすことができる。この位置決め技術は、既に言及した特許出願TO2002A00876で説明された物と同じ仕方で、モジュール131の整列と、該モジュールのノズル間の一定ピッチとを保証する。
【0083】
支持部132が平坦な基板159である場合、フレーム161は、例えば接着剤を使用して、その内側部分がダクト143に隣接し、その上側表面が層152の上側表面と面一になるように、平坦基板上に取り付けられる。
【0084】
例えば低粘性率の接着剤207を使用して(図6)、連続的なモジュール141の間の隙間、並びに、ライン及びフレーム161と第1のモジュール及び最後のモジュールとの間の隙間も密封される。
【0085】
工程208(図27b)では、犠牲体積領域がモジュール131から除去され、かくして、層152をリブ151に取り付けたままにしておくが、インク分布チャンネル149とセル137との間を流体連通させた状態で、セル137及び分配チャンネル138をノズル層152内に形成する。
【0086】
テーパーエッジ156を備えた密封薄層153(図28)は、例えば、接着フィルム155が様々な部分に既に塗布されている厚さ20〜50μmの金メッキされたNiを電解鋳造することにより、得られる。
【0087】
次に、工程209(図29)では、エッジ156がノズル139に隣接し、インク密封性が供給ダクト143とノズル139との間でインクを供給する際に確保されるように、密封薄層153は、接着フィルム155を使用して、1つ又は複数のモジュール131のノズル層152上に、及び、フレーム161の上側表面162上に取り付けられる。
【0088】
ヘッド130(図6)は、既知の技術に従って、パッド142及び144にコンダクター146を半田付けすることにより最終的に完成される。
(第2の実施例)
図31に示されているものは、図6のヘッド130に類似した、本発明の第2の実施例に係る、参照番号221で指し示されたインクジェットプリントヘッドの一部であり、一連の噴出モジュール222と、支持部132と同一であるモジュール222のための支持部と、を備えている。
【0089】
ヘッド221は、図31から図40に表されており、機能的に同一の構成部品は図6から図30のものと同じ番号が付与されている。
モジュール222も、フロント部223を備えた略長方形形状を持ち、駆動回路135及びレジスター136を有するシリコンチップ224(図32)と、噴出セル226と、セル226のインクのための分配チャンネル227と、噴出ノズル228と、を各々備えている。回路135及びレジスター136は、レジスター136がフロント部223に平行に並列された状態でチップ224の面229上に集積されている。セル226及びチャンネル227は、面229上に形成され、該面には、回路135及びれじ136のためのパッド142も沈着形成される。
【0090】
支持部132(図31、33及び40b)は、供給ダクト143を形成し、スロット付き基板159と、参照番号230で示されたフレームとを備えていてもよい。更に提供されているものは、印刷装置との接続のため、コンダクター146と図示しない半田パッドとを通してモジュール222のパッド142に接続された半田パッド144である。
【0091】
本発明によれば、ヘッド221は、各モジュール222において、本実施例では面229の反対側のチップ224の面232上に作られる分布チャンネル231と、面229及びチャンネル231を通過する一連のスロット233と、を備えている。チャンネル231は、フロント部223に平行に該フロント部に隣接してチップの全長さに亘って延在しており、スロット233を通して分配チャンネル227と流体連通し、ヘッド221が組み立てられたときにはダクト143と流体連通している。
【0092】
分布チャンネル231は、フロント部223に面する端部ではバンクを持っていない。加えて、フロント部223と分配チャンネル226及びスロット233とは両方とも、チップ224の制限された厚さの投影区分236内に形成される。
【0093】
スロット233は、分配チャンネル226と単独に連係されるが、様々なチャンネルと2つの組み合わせに従って連係することもできる。
ノズル層237は、面229上に残っており、チップ224の面229に関して漏れ耐性を備えて一体形成されており、噴出セル226及びチャンネル227の境界を定めている。層237は、フロント部223から短距離のところで投影区分235に亘って延在している。
【0094】
セル227の上方に、層237に作られているものは、ノズル228(図33)である。238で指し示された密封手段は、ダクト143とセル226との間のインクの流体密封のため、フロント部223又はノズル層237と支持部132との間に配置されている。
【0095】
本実施例では、密封手段238は、モジュール222のフロント部223及び/又はノズル層237と、支持部132のフレーム230との間に挿入された密封材料239から作られている。
【0096】
チップ224は、1.27cm(1インチ)又は2.54cm(1インチ)の長さを持つことができる。該チップは、1.5〜3.0mmの幅、0.38mmの厚さであり、投影区分は、約0.1mmである。分配チャンネル227は、例えば0.2mm等の非常に短く形成されてもよく、かくして、インクを供給する際に流体インピーダンスを更に減少
させ、高い作動周波数を与える。
【0097】
ノズル密度が300dpiで、チャンネル227及びスロット233の間に単一の連係関係がある場合に、通過スロットの長さは、30〜50μmであってもよい。2つ以上のチャンネルを機能させるスロットの場合には、長さは、流体回路のインピーダンスを減少させる80〜150μmであってもよく、セル226及び分配チャンネル227は、10〜25μmの高さを持っている。
【0098】
図34を参照すると、プリントヘッド221を製造するためのプロセスは、上側面229上に、回路135及びレジスター136を各々有するチップブロック242を形成する工程を備えている。レジスターは、チップの横断参照平面243に平行に整列され、回路135は、レジスター136に関して、平面243の側部と反対側に配列されている。
【0099】
チップブロック242は、同様に回路135、レジスター136及びパッド142が一体形成され、様々な製造工程が、完成したモジュール222が得られるまでウェーハ173上で直接実行されるところの、図10と同一であるシリコンウェーハ173の多数の区分の一つを表している。
【0100】
本製造工程は、保護層及び構造層を沈着させ、フォトリソグラフィーエッチングを実行し、シリアルヘッドの製造で使用される犠牲層を使用するところの最も有効な技術を用いることができ、本願出願人のオリベッチ・レキシコンにより出願された、銅の犠牲層の使用に関する上述したイタリア特許番号1.310.099と、イタリア特許番号1.311.361との改善点を含んでいる。
【0101】
この場合において再び、チップブロック242の減少した寸法及びコンパクトさは、材料の最小消費量でウェーハ173の最適な区分化を確実なものにする。
当該プロセスの終了時には、チップブロックから参照番号222A及び222Bで指し示された2つの噴出モジュール222を得ることができる。ブロック142は、単一モジュール222と同じ長さを持ち、モジュールを分離するための切除が意図された空間「CW」を形成するため2倍を超える幅を持っている。
【0102】
2つのモジュール222A及び222Bは、チップブロック242の側部から出発して、参照平面243に関して2つの区分で互いの鏡像として形成される。
本発明によれば、プリントヘッド2221の製造プロセスは、長さ方向のエッチング246が面229と反対側の各チップブロック242の面232上に作られるエッチング工程244を備えている。エッチング部246は、平面243に関して対称的であり、区分222A及び222Bにおいて、幅「CW」の空間により分離された分布チャンネル231を生成する。
【0103】
エッチング部246は、例えば100μmの「膜」を参照平面243に関して対称的にしたままで投影区分236を形成する周知のウェットエッチング式技術を用いて、ウェーハに形成することができる。
【0104】
当該プロセスは、保護沈着工程247(図35)で続行される。該工程では、保護層248が面232及びエッチング部246上に沈着される。供給スロットを形成するためどの技術が使用されるかに依存して、この層248を、SiO2酸化物(PECVD)又はフォトレジスト(PHR)から作ることができる。層248は、SiO2を含む溶液中で、エッチングされるか、又は、マスクされ、露光され、スロット233の区分に対応して、SiO2により保護されていない領域249を底部上に残しながら現像される。
【0105】
次に、形成工程251が実行される。該工程では、犠牲体積領域252、253がレジスター136(図36)の上方に該レジスターから距離「C」以内に作られ、セル226及びチャンネル227の境界を画定する。
【0106】
次に、形成工程262(図37)が実行される。該工程では、例えばSu8又はポリイミド型式等でできた構造層263が、面229並びに犠牲体積領域252及び253上にノズル層237を形成するため沈着される。更に形成されているものは、層の種類に応じて、レーザー切除でフォトリソグラフィー技術を用いて作られたノズル228である。
【0107】
上記工程には、スロットを形成する工程(図38)が続いて実行される。該工程では、スロット233が保護区分236の厚さ内で分配チャンネル227に対応して形成される。工程264は、層248のSiO2のマスクを通した「ドライエッチング」プロセスに続いて、又は、サンドブラスト及びシリコンPHRマスクにより又は上述したイタリア特許1.311.361に従って接触電極として沈着された銅を利用して電気化学的エッチングによって実行することができる。
【0108】
次の工程は、切削工程266である。該工程では、鋸工程により、チップブロック242の区分222A及び222B(図39)がウェーハ173から及び互いから分離される。モジュール222を分離するとき、幅「CW」の切除部は、平面243に関して対称的であり、チップブロックから作られた2つのモジュールのフロント部223を形成する。
【0109】
本発明に係るヘッド221の製造時には、準備工程が実行される。該準備工程では、インク供給ダクト143を備えた支持部132が1つ以上のモジュール222のために準備される。
【0110】
工程268(図40a)では、モジュール222が、例えば接着剤を使って、支持部132のベアリング表面203上に取り付けられる。このとき、投影部236が供給ダクト143の上方にあり、各々のフロント部223がダクトに隣接しており、ノズルが整列されて一定のピッチを有することが保証されている。
【0111】
支持部132が基板159であるとき、フレーム230は、その内側部分がダクト143に隣接し、その上側表面271がモジュール222のノズル層237の上側表面の僅か下方にあるように接着される。
【0112】
次に、工程272(図40b)では、連続的なモジュール222の間の隙間、並びに、フロント部223とフレーム230の上側表面271との間の隙間が、密封材料239、例えば、低粘性率の接着剤を用いて密封される。
【0113】
犠牲体積領域252、253は、モジュール222から除去される。これにより、セル226及び分配チャンネル227が構造層263内に作られ、インク分布チャンネル231とセル226との間が流体連通する。
【0114】
ヘッド221は、既知の技術に従って、コンダクター146をパッド142及び144に半田付けすることにより最終的に完成される。
本発明の原理に背くことが無ければ、インクジェットヘッド並びに関連する製造プロセスの実施例及び製造上の詳細事項を、本発明の範囲から逸脱すること無く、これに限定されない例を用いて説明され図示されたものに対して、有意に比べられる変更をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】図1は、並列モードで作動するインクジェットプリントヘッドを備えたプリンターの案面図である。
【図2】図2は、特に図1のヘッドの構成部品の断面の拡大図である。
【図3】図3は、既知の技術に係る、シリアルモードで作動するインクジェットヘッドを備えたプリンターの概略図を示す。
【図4】図4は、図3のプリンターのためのインクジェットヘッドの一部分の拡大概略図である。
【図5】図5は、図3のプリンターのためのヘッドの別の型式の一部分の図を示す。
【図6】図6は、本発明の第1の実施例に係る、多数の噴出モジュールを備えたインクジェットプリントヘッドの概略断面図を表す。
【図7】図7は、図6のヘッドの拡大した詳細構造を示す。
【図8】図8は、図6のヘッドの噴出モジュールの拡大スケールにおける断面概略図である。
【図9】図9は、図6のヘッドの部分概略断面図である。
【図10】図10は、ヘッドモジュールの一部分が本発明の第1の製造段階にある半導体材料のウェーハを示している。
【図11】図11は、図10のモジュールの一部分の一つの断面である。
【図12】図12は、図11のユニットの一部分の部分平面図である。
【図13】図13は、図12の部分長さ方向断面である。
【図14】図14は、図11の一部分の変形態様の部分平面図を示している。
【図15】図15は、図14の部分長さ方向断面を表している。
【図16】図16は、本発明に係る製造の連続的段階で図8のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図17】図17は、本発明に係る製造の連続的段階で図8のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図18】図18は、本発明に係る製造の連続的段階で図8のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図19】図19は、本発明の特定の製造段階で図8のヘッドモジュールの概略断面を示している。
【図20】図20は、図19の段階にある図8のモジュールの一部分の平面図である。
【図21】図21は、図19の製造段階にある、図14のモジュール変形態様の平面図である。
【図22】図22は、本発明に係る製造の他の段階にある図8のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図23】図23は、本発明に係る製造の他の段階にある図8のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図24】図24は、本発明に係る製造の他の段階にある図8のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図25】図25は、本発明の製造の更なる段階にある図8のモジュールの概略断面を表している。
【図26】図26は、図25の製造段階にある図10のウェーハを示している。
【図27a】図27aは、製造の特定の段階にある本発明に係るプリントヘッドの概略断面を表している。
【図27b】図27bは、製造の特定の段階にある本発明に係るプリントヘッドの概略断面を表している。
【図28】図28は、本発明に係るプリントヘッドの製造の間の構成部品の図を示している。
【図29】図29は、製造の別の段階にある本発明に係るプリントヘッドの概略断面を表している。
【図30】図30は、図6のヘッドの一部分の拡大図を示している。
【図31】図31は、本発明の第2の実施例に係るインクジェットプリントヘッドの詳細な構成を示している。
【図32】図32は、図31のヘッドの噴出モジュールの拡大スケールにおける等角投影概略断面を表している。
【図33】図33は、図31のヘッドの部分概略断面図を示している。
【図34】図34は、図31の実施例のヘッドモジュールを備えた半導体材料のウェーハを表している。
【図35】図35は、本発明に係る製造の連続的段階で図32のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図36】図36は、本発明に係る製造の連続的段階で図32のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図37】図37は、本発明に係る製造の連続的段階で図32のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図38】図38は、本発明に係る製造の連続的段階で図32のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図39】図39は、本発明に係る製造の連続的段階で図32のヘッドモジュールの概略断面を表している。
【図40a】図40aは、製造の特定段階における本発明に係るプリントヘッドの概略断面を表している。
【図40b】図40bは、製造の特定段階における本発明に係るプリントヘッドの概略断面を表している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の噴出モジュール(131、222)を備えるインクジェットプリントヘッド(130、221)であって、各モジュールは、シリコンチップ(134、224)と、該モジュールのエッジ部(133,223)に隣接して配列された複数の噴出ノズル(139、228)と、該ノズルのための噴出セル(137、226)と、該セル(137、226)のインク用の分配チャンネル(138、227)と、を備え、
前記1つ以上の噴出モジュール(131、222)は、フロント部(133,223)に隣接し且つ前記分配チャンネル(138、227)と流体連通する分布チャンネル(149、231)と、関連するチップ(134、224)と一体形成されたノズル層(152、237)とを各々備え、該ノズル層では前記噴出ノズル(139、228)が前記フロント部に平行に作られており、
前記ヘッド(130、221)は、
前記1つ以上のモジュールを取り付けための支持部(132)であって、前記分配チャンネル(138、227)と流体連通するインク用の供給ダクト(143)を形成する前記支持部と、
前記1つ以上のモジュール(131、222)と前記支持部(132)との間に設けられた密封手段(150、238)であって、前記支持部(132)の前記供給ダクト(143)と前記1つ以上のモジュール(131、222)の前記噴出セル(137、226)との間に流体密封状態を形成する前記密封手段と、
を更に備えることを特徴とする、インクジェットプリントヘッド。
【請求項2】
前記モジュール又は各モジュール(131)において、前記噴射セル(137)は、前記フロント部(133)から0.5〜1.0mmのところに配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項3】
前記分布チャンネル(149、231)は、前記関連するシリコンチップ(134、224)の表面エッチングにより形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプリントヘッド。
【請求項4】
各々のチップ(134)は、上記したセルが配列されている参照表面(141)を形成し、
前記ヘッド(130)は、
前記1つ又は複数のモジュールの前記分布チャンネル(149)が、前記フロント部(133)を含む参照表面(141)の領域に形成され、該参照表面の領域では前記チップが前記分布チャンネル(149)を横断方向に延在し且つ前記ノズル層(152)を部分的に担持する一連のリブ(151)を更に備えており、前記密封手段は、前記ノズル(139)に隣接するエッジ部を有すると共に、前記ノズル層(152)及び前記支持部(132)の間に流体密封状態を提供し且つ前記供給ダクト(143)を覆うように取り付けられた密封薄層(153)を備えていることを特徴とする、上記請求項のうちいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【請求項5】
前記リブ(151)は、各々の分配チャンネル(138)に隣接して設けられていることを特徴とする、請求項4に記載のプリントヘッド。
【請求項6】
前記リブ(151)は、複数の分配チャンネル(138)に隣接して設けられていることを特徴とする、請求項4に記載のプリントヘッド。
【請求項7】
前記ノズル層(152)は、前記噴出セル(137)及び前記分配チャンネル(138)を形成し、上記したリブ(151)に固定されていることを特徴とする、請求項4、5又は6に記載のプリントヘッド。
【請求項8】
前記密封薄層(153)は、前記ノズル(139)に隣接しているテーパーエッジ(154)により境界を画定されることを特徴とする、請求項4乃至7のいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【請求項9】
前記分布チャンネル(149)は、0.3から1.0mmの幅を持ち、前記リブ(151)は前記分布チャンネル(149)内で0.2から1.0mmの距離に亘って延在することを特徴とする、請求項4乃至8のいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【請求項10】
前記リブ(151)は15から30μmの幅を持つことを特徴とする、請求項4乃至9のいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【請求項11】
前記セル及び前記分配チャンネルは、前記チップ(224)の与えられた表面(229)上に載っており、前記ヘッドは、
前記モジュール又は各モジュールにおいて、前記分布チャンネル(231)は、前記与えられた表面(229)の反対側の前記チップの表面(232)に、前記取り付支持部(132)の前記供給ダクト(143)に面して作られ、前記ダクト即ちスロット(233)は、前記チップを通過するように設けられ、該ダクト即ちスロットは、前記反対側の面(232)上の前記分布チャンネル(231)と、前記与えられた表面(229)上の前記分配チャンネル(227)との間で流体接続を提供することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【請求項12】
前記ノズル層(222)は、前記チップ(224)の前記与えられた表面に関して、前記セル(226)及び前記チャンネル(231)のための流体密封手段として機能することを特徴とする、請求項11に記載のプリントヘッド。
【請求項13】
前記分布チャンネル(231)は、前記フロント部に隣接し、バンクを持たず、より薄い厚さの投影区分(236)を前記チップに形成すると共に、前記ノズル層は前記投影区分に亘って延在することを特徴とする、請求項11又は12に記載のプリントヘッド。
【請求項14】
前記密封手段は、前記ノズル層及び/又は前記チップと前記支持部(132)との間に挿入された密封材料(239)を備えることを特徴とする、請求項11乃至13のいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【請求項15】
前記ノズル層(152)は、前記セル(137)及び前記分配チャンネル(138)内で10から25μmの高さに亘って前記基板(134)の上方に空間を形成することを特徴とする、上記請求項のうちいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【請求項16】
並列又はシリアル並列式の印刷装置で使用することができ、前記フロント部(133,223)に沿って整列された複数のモジュール(131、222)を備え、前記支持部(132)はその厚さを通して前記供給ダクト(143)を形成する剛性材料の基板(159)を備え、前記モジュール(131、222)が、前記基板(159)上で並んで取り付けられ、前記ノズル(139、228)が前記フロント部(133、223)に平行に整列されていることを特徴とする、上記請求項のうちいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【請求項17】
前記噴出モジュールと並んで前記基板(159)に取り付けられたフレーム(161)を備え、該フレームは、前記モジュールのノズル層(152)の上側表面に隣接した上側表面を有することを特徴とする、請求項16に記載のプリントヘッド。
【請求項18】
前記フレームの上側表面は、前記ノズル層(152)の上側表面と実質的に面一に形成され、前記密封薄層(153)は、上記したリブ(151)に対応して、前記フレーム(161)と前記モジュールの前記ノズル層(152)とに緊密に取り付けられていることを特徴とする、請求項4又は17に記載のプリントヘッド。
【請求項19】
前記密封材料は、前記フレーム(161)と、前記ノズル層(152)又は前記モジュールの関連するチップとの間に配置されていることを特徴とする、請求項11又は17に記載のプリントヘッド。
【請求項20】
噴出モジュール(111、222)を準備する工程であって、各モジュールは、複数のレジスター(136)と噴出セル(137、226)と該セルのインク用の分配チャンネル(138、223)とを有する、関連するフロント部(133,223)が形成されたチップ基板(134、224)を有する、前記工程を備える、インクジェットプリントヘッド(130、221)を製造するためのプロセスであって、
前記モジュールが、前記分配チャンネル(138、227)と流体接続する分布チャンネル(149、231)と、前記フロント部(133、223)と整列され且つ前記レジスターの上方に配列された噴出ノズル(139、228)を持つノズル層(152、237)と、を備え、前記ヘッド(130、221)は1つ以上のモジュール(111、222)のためのインク供給ダクト(143)を有する支持部(132)を備えており、
前記ヘッドを組み立てる工程は、
1つ以上の前記分布チャンネル(149、231)を前記供給ダクト(143)と流体連通した状態にするように、前記1つ以上のモジュール(111、222)を前記支持部(132)に取り付け(204、268)、
前記分配チャンネルを通して前記供給ダクトと前記ノズルとの間でインクを供給する際にインクを密封するため、前記1つ以上のモジュールの前記ノズル層(152、237)を前記支持部(132)から液圧密封する(209、272)、各工程を備えることを特徴とする、プロセス。
【請求項21】
前記モジュールの製造プロセスは、
前記フロント部(133、223)と、前記レジスターに隣接し且つ該フロント部(133,223)に平行な領域との間に、前記分布チャンネル(149、231)を生成するため、前記チップ(134、224)の与えられた面(141、229)上でエッチング(182、246)を施し(181、244)、
前記レジスターの上方の噴出セル(137、226)並びに前記領域の上方の前記分配チャンネル(138、227)の境界を画定するため犠牲体積領域(189、191;252、253)を生成し(188、251)、
前記ノズル層(152、237)を画定するため前記犠牲体積領域に亘って構造層(197、263)を適用し(196、262)、
前記セル(137、226)の前記犠牲体積領域に対応して、前記構造層(197、263)に前記噴出ノズル(139、228)を生成する(198、262)、各工程を備えることを特徴とする、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記エッチング工程では、前記面(141)上に、前記分布チャンネル(149)に加えて、前記チャンネル内を横断して延在する一連のリブ(151)が生成され、前記犠牲体積領域(192)の一部が前記リブ(151)の間の空間及び前記チャンネル上の空間へと延在し、前記構造層(156)の一部は、前記リブ(151)に適用され、前記犠牲体積領域を除去した後に前記リブ上に固定されたままとなっていることを特徴とする、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記犠牲体積領域を生成する前記工程は、
(a) 前記分布チャンネル(149)を、前記チップ(134)の前記データ面(141)と面一の犠牲フォトレジストで覆い、
(b) 前記チャンネルを覆うフォトレジストを平坦化し、前記分布チャンネル(149)に隣接した部分をクリーニングし、
(c) 犠牲フォトレジストの制御された厚さの層を、前記レジスター、前記リブ(151)及び前記チャンネルを覆う前記フォトレジストの上方で前記基板に適用し、
(d) 前記セル(137)、前記分配チャンネル(138)及び前記分布チャンネル(149)を画定するため制御された厚さの前記層をマスクを用いて露光し、前記リブ(151)の境界を画定し、
(e) 前記セル(137)、前記分配チャンネル(138)及び前記分布チャンネル(149)のための前記犠牲体積領域(189、191、192)を構成する制御された厚さの前記層を現像し、前記セル(137)及び前記分布チャンネルに並んだ前記チップ(134)の取り付けのための領域と、前記リブ(151)上の領域とを残す、各工程を備えることを特徴とする、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記長さ方向のエッチング(246)は、前記与えられた面(229)の反対側で前記チップ(242)の面(232)上でなされ、前記フロント部(223)により境界を画定された投影区分(236)を形成し
スロット形成工程(264)が提供され、スロット(233)は、前記分配チャンネル(227)に対応して前記投影区分(236)の厚さに生成され、前記ヘッド(221)の組み立てのために、前記モジュール(222)は、前記スロット(233)が前記支持部の前記供給ダクトと流体接続された状態で前記支持部(132)のベアリング表面(203)上に取り付けられることを特徴とする、請求項20又は21に記載のプロセス。
【請求項25】
前記支持部(132)は、前記チップ(134、224)のためのベアリング表面(203)と、前記供給ダクト(143)に隣接し且つ前記ベアリング表面から所定の距離にある上側表面(162、271)と、を有する基板(159)を備え、
前記上側表面は、フレーム(161、230)により画定され、又は、前記基板から直接得られ、
前記密封工程は、前記チップ(134、224)又は前記構造層(197、263)と前記上側表面との間に密封手段(150、238)を挿入する工程を備えることを特徴とする、請求項20乃至24のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記密封手段は、前記リブとは対照的に、前記上側表面(162、271)と前記構造層(197、263)との間に接着された密封薄層(153)を備えることを特徴とする、請求項22、23又は25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記密封手段は、前記チップのフロント部(223)と前記上側表面との間に挿入された密封材料(239)を備えることを特徴とする、請求項24又は26に記載のプロセス。
【請求項28】
実質的に説明され図面に参照される、インクジェットプリントヘッド及び関連する製造プロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27a】
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【図27b】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40a】
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【図40b】
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【公表番号】特表2007−509775(P2007−509775A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537563(P2006−537563)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000586
【国際公開番号】WO2005/039880
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(503148270)テレコム・イタリア・エッセ・ピー・アー (87)
【Fターム(参考)】