説明

インモールド用金型、タッチパネル用中間体製造方法、タッチパネル用中間体およびタッチパネル

【課題】視認性の向上を図り得るタッチパネル用中間体を製造可能なインモールド用金型を提供する。
【解決手段】インモールド用フィルムを挟み込んだ状態において形成されるキャビティに対する樹脂の射出によって基板を成形すると共に基板の一面にインモールド用フィルムの透明導電膜を貼合させてタッチパネル用中間体を製造可能に構成され、基板の一面を成形するキャビティ面102fには、基準面144よりも凹んでその底部142aが基準面144に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凹部142と基準面144から突出してその頂部143aが基準面144に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凸部143とが交互に並設されると共に底部142aおよび頂部143aを結ぶ面がそれぞれ斜面145で構成された凹凸部141が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の一面に透明導電膜が貼合されて構成されたタッチパネル用中間体、そのタッチパネル用中間体を備えたタッチパネル、そのタッチパネル用中間体を製造可能に構成されたインモールド用金型、およびそのタッチパネル用中間体を製造するタッチパネル用中間体製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のインモールド用金型として、特開2004−152221号公報に開示されたインモールド金型が知られている。このインモールド金型は、可動金型および固定金型を備えてインモールド成形によってタッチパネル基板を製造可能に構成されている。このインモールド金型では、転写フィルム(インモールド用フィルム)をキャビティ内に挿入した状態で両金型を接合し、その状態のキャビティにゲートから樹脂材料が射出される。これにより、タッチパネル基板が成形されると共に、タッチパネル基板にインモールド用フィルムの透明電極膜(透明導電膜)が転写(貼合)される。
【0003】
この場合、上記のインモールド金型によって製造されたタッチパネル基板は、例えば、抵抗膜式のタッチパネルに用いられる。具体的には、一対のタッチパネル基板を、ドットスペーサを挟んで透明導電膜を対向させた状態で並設させ、その状態の両タッチパネル基板の縁部を接合することにより、抵抗膜式のタッチパネルが作製される。この種の抵抗膜式のタッチパネルでは、両タッチパネル基板の一方の表面に対してスタイラスペン等でタッチ操作をしたときに、タッチ操作された部位が他方のタッチパネル基板に接触して、その際の抵抗値が変化する。このため、この抵抗値の変化を検出してタッチ位置を特定することで、このタッチパネルを操作部として機能させることが可能となっている。
【特許文献1】特開2004−152221号公報(第3−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のインモールド金型には、以下の問題点がある。すなわち、このインモールド金型によって成形したタッチパネル基板を用いた、上記の抵抗膜式のタッチパネルでは、タッチ操作された部分が他の部分よりもやや凹むため、この凹んだ部分にニュートンリングが発生して奥側に表示される画像の視認性が低下するという問題点が存在する。この場合、例えば、特開2005−18726号公報に開示されている透明複合材のように、断面が三角形で高さが0.1μm〜10μm程度の微細な畝部(筋状の凹凸部)を透明導電膜に形成して微細な干渉縞(ニュートンリング)を生じさせることにより、画像の認識に影響を与えないようにする構成も考えられる。しかしながら、インモールド成形に用いられるインモールド用フィルムは、一般的に、厚みが50μm程度の柔軟性を有する樹脂性のベースフィルムの表面に透明導電膜が形成されて構成されている。このため、上記のインモールド金型の成形面(キャビティ面)に断面が三角形の微細な筋状の凹凸部を設けて、微細な畝部を有する上記の透明複合材をこのインモールド金型を用いてインモールド成形しようとしたとしても、ベースフィルムが緩衝材となってインモールド金型に形成した凹凸部の形状が正確にトレースされずに所望の凹凸部をタッチパネル基板の透明導電膜に形成するのが困難となる。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、視認性の向上を図り得るタッチパネル用中間体を製造可能なインモールド用金型およびタッチパネル用中間体製造方法、並びに視認性を向上し得るタッチパネル用中間体およびタッチパネルを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく本発明に係るインモールド用金型は、透明導電膜が形成されたインモールド用フィルムを挟み込んだ状態においてタッチパネル用中間体の基板を成形するキャビティを形成可能に構成されて、前記キャビティに対する樹脂の射出によって前記基板を成形すると共に当該基板の一面に前記透明導電膜を貼合させて前記タッチパネル用中間体を製造可能に構成されたインモールド用金型であって、前記キャビティを構成する各キャビティ面のうちの前記一面を成形するキャビティ面には、当該キャビティ面の基準面よりも凹んでその底部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凹部と当該基準面から突出してその頂部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凸部とが交互に並設されると共に当該底部および当該頂部を結ぶ面がそれぞれ斜面で構成された凹凸部が形成されている。なお、「斜面」は、後述する発明の効果(キャビティ面における凹凸部の底部から頂部までの高さとして必要とされる高さの確保)を奏する限り、湾曲していても良いのは勿論である。
【0007】
この場合、前記各凹部の形成ピッチが互いに等しく、かつ前記各凸部の形成ピッチが互いに等しく前記凹凸部を形成することができる。
【0008】
また、前記底部、前記頂部および前記斜面の前記基準面に沿った各々の幅が互いに等しくなるように前記凹凸部を構成することができる。
【0009】
また、本発明に係るタッチパネル用中間体製造方法は、透明導電膜が形成されたインモールド用フィルムを挟み込んだ状態のインモールド用金型のキャビティに対して樹脂を射出してタッチパネル用中間体の基板を成形すると共に当該基板の一面に当該透明導電膜を貼合させて当該タッチパネル用中間体を製造するタッチパネル用中間体製造方法であって、基準面よりも凹んでその底部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凹部と当該基準面から突出してその頂部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凸部とが交互に並設されると共に当該底部および当該頂部を結ぶ面がそれぞれ斜面で構成された凹凸部が前記一面を成形するキャビティ面に形成されている前記キャビティに前記樹脂を射出して前記タッチパネル用中間体を製造する。
【0010】
また、本発明に係るタッチパネル用中間体は、板状の基板と、当該基板における一面にインモールド成形によって貼合された透明導電膜とを備えたタッチパネル用中間体であって、前記基板の前記透明導電膜には、当該透明導電膜の基準面よりも凹んでその底部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凹部と当該基準面から突出してその頂部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凸部とが交互に並設されると共に当該底部および当該頂部を結ぶ面がそれぞれ斜面で構成された凹凸部が形成されている。
【0011】
また、本発明に係るタッチパネルは、上記のタッチパネル用中間体と、透明シートの一面に透明導電膜が形成されたタッチ側電極とを備え、前記タッチパネル用中間体および前記タッチ側電極における各々の前記透明導電膜同士を互いに対向させかつスペーサを挟んで当該タッチパネル用中間体および当該タッチ側電極が並設されて構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るインモールド用金型およびタッチパネル用中間体製造方法では、底部および頂部が基準面に対して平行またはほぼ平行な平面にそれぞれ形成された複数の筋状の凹部と凸部とが交互に並設されると共に底部および頂部を結ぶ面がそれぞれ斜面で構成された凹凸部が形成されたキャビティ面によって構成されるキャビティに樹脂を射出してタッチパネル用中間体を製造する。したがって、このインモールド用金型およびタッチパネル用中間体製造方法によれば、平面を有せずに断面が三角形の凹凸部がキャビティ面に形成性された従来の金型とは異なり、弾性を有するインモールド用フィルムのベースフィルムが凹凸部の表面の全てに完全には密着しないとしても、少なくとも凹部の底部および凸部の頂部にはベースフィルムを確実に密着させることができる。このため、金型における凹凸部の底部から頂部までの高さと、透明導電膜における凹凸部の底部から頂部までの高さとを同じ高さに形成することができる。この結果、この金型およびタッチパネル用中間体製造方法によれば、画像の認識に影響を与える干渉縞の発生を回避するための微細な干渉縞を生じさせるのに、底部から頂部までの高さとして必要とされる高さを確実に確保することができる結果、画像等を十分鮮明に視認可能なタッチパネル用中間体を製造することができる。
【0013】
また、本発明に係るインモールド用金型によれば、各凹部の形成ピッチが互いに等しくかつ各凸部の形成ピッチが互いに等しい凹凸部をキャビティ面に形成したことにより、各凹部の形成ピッチが互いに等しくかつ各凸部の形成ピッチが互いに等しい凹凸部をタッチパネル用中間体の透明導電膜に形成することができる。このため、それらの形成ピッチが異なることに起因して透明導電膜に形成された凹凸部の凹部および凸部が例えばランダムな模様に見えるという違和感を使用者に生じさせる事態を確実に回避することができる。
【0014】
また、本発明に係るインモールド用金型によれば、底部、頂部および斜面の基準面に沿った各々の幅が互いに等しい凹凸部をキャビティ面に形成したことにより、底部、頂部および斜面の幅が互いに等しい凹凸部を透明導電膜に形成することができる。このため、奥側に表示される画像(表示内容)の歪みが各幅の相違に起因して場所によって変化するようにその画像が視認されるといった不都合を確実に防止することができる。また、上記の各幅を互いに等しく、かつ凹部および凸部の各形成ピッチを狭ピッチとすることで凹凸部を十分に目立たなくすることができる。さらに、上記の各幅を互いに等しく、かつ凹部および凸部の各形成ピッチを狭ピッチとすることで、タッチパネルにタッチ操作がされたときに透明導電膜の凹凸部によって生じる微細な干渉縞(明暗)の間隔を、タッチ操作によって生じるタッチパネルの凹みの輪郭線の中だけで生じる(輪郭線の中に閉じこめられる)程度に狭くすることができる。このため、その微細な干渉縞を目視ではほとんど視認することができない程度に目立たなくすることができる。
【0015】
また、本発明に係るタッチパネル用中間体およびタッチパネルによれば、底部および頂部が基準面に対して平行な平面にそれぞれ形成された複数の筋状の凹部および凸部を有しかつ底部および頂部を結ぶ面がそれぞれ斜面で構成された凹凸部を透明導電膜に形成したことにより、画像の認識に影響を与える干渉縞の発生を回避するための微細な干渉縞を生じさせるのに、底部から頂部までの高さとして必要とされる高さを確実に確保することができる。したがって、このタッチパネル用中間体およびタッチパネルによれば、取付対象体に取り付けられた状態においてタッチパネルの奥側に表示される画像等を十分鮮明に視認させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るインモールド用金型、タッチパネル用中間体製造方法、タッチパネル用中間体およびタッチパネルの最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0017】
最初に、タッチパネル1の構成について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すタッチパネル1は、例えば、液晶表示パネル等の表示装置(取付対象体)の表示面側に取り付けられて、タッチ式の操作部として機能する抵抗膜式のタッチパネルであって、下部電極2a、上部電極2b、複数のドットスペーサ3および接続用端子4を備えて構成されている。下部電極2aは、本発明に係るタッチパネル用中間体に相当し、基板11および透明導電膜12(図2参照)を備えて構成され、後述するインモールド用金型102(以下、単に「金型102」ともいう)を用いたインモールド成形によって製造される。
【0019】
基板11は、図1に示すように、一例として、矩形の板状に形成されて、金型102のキャビティ102a(図7参照)に全光線透過率が高い(透明度の高い)樹脂(一例として、アクリル樹脂、ポリカーボネート、および例えばアートン(登録商標)等の特殊オレフィン系樹脂など)を射出することによって成形される。また、図2に示すように、基板11における一方の端面11cには、金型102のキャビティ102aに対してゲート102c(図7参照)から樹脂を射出した際に生じるゲート痕11dが形成されている。具体的には、ゲート痕11dは、図2に示すように、端面11cにおける基板11の内面11aよりも外面11b側に位置する部位に形成されている。
【0020】
透明導電膜12は、透明性および導電性を有する薄膜であって、インモールド用フィルム131(図9参照)に形成されており、インモールド成形の際に基板11の内面11aに貼合される(図2参照)。また、同図に示すように、透明導電膜12の全面には、後述する金型102を用いたインモールド成形の際に金型102のキャビティ面102f(図8参照)における凹凸部141の形状が転写(トレース)されることにより、図2において紙面の手前側と奥側とに向かう筋状の微細な凹部22および凸部23が交互に並設されて構成された凹凸部21が形成されている。この場合、透明導電膜12の一部に凹凸部21を形成する構成を採用することもできる。また、凹部22は、同図に示すように、基板11の外面11bに対して平行な面であって凹凸部21の深さ方向(高さ方向)の中心を通る透明導電膜12の基準面24よりも凹んで、かつその底部22aが基準面24に対して平行(またはほぼ平行)となるように形成されている。
【0021】
また、凸部23は、図2に示すように、基準面24から突出して、かつ基準面24に対してその頂部23aが平行(またはほぼ平行)となるように形成されている。また、底部22aと頂部23aとを結ぶ(両部22a,23aに繋がる)面がそれぞれ斜面25で構成されている。また、凹凸部21は、底部22aから頂部23aまでの高さ(深さ)L1が0.5μm以上3μm以下の範囲内となるように構成されている。さらに、凹凸部21は、底部22a、頂部23aおよび斜面25の基準面24に沿った各々の幅W1,W2,W3が互いに等しい幅(一例として、0.05mm以上0.4mm以下の範囲内)となるように構成されている。つまり、凹凸部21は、各凹部22の形成ピッチが互いに等しく、かつ各凸部23の形成ピッチが互いに等しく形成されている。
【0022】
上部電極2bは、本発明におけるタッチ側電極に相当し、図2に示すように、透明シート31および透明導電膜32を備えて構成されている。透明シート31は、全光線透過率が高い樹脂(一例として、PET(ポリエチレンテレフタレート))で形成されている。また、透明シート31のタッチ面(同図における上側の面)には、傷付きを防止するためのハードコート加工、および反射を防止するための反射防止加工が施されている。透明導電膜32は、透明導電膜12の形成に用いられる透明性および導電性を有する材料(この材料については後述する)によって透明シート31の一面(同図における下側の面)に薄膜状に形成されている。
【0023】
ドットスペーサ3は、弾力性および透明性を有する樹脂によって形成されて、図1,2に示すように、上部電極2bと下部電極2aとの間において等間隔で配置されて、上部電極2bと下部電極2aとによって挟み込まれている。この場合、上部電極2bのタッチ面における所定の部分にタッチ操作がされて、そのタッチ部分が下部電極2aに向けて押圧されたときに、そのタッチ部分が下部電極2aに接触する。
【0024】
接続用端子4は、図1に示すように、例えば、対向配置された下部電極2aおよび上部電極2bの外周縁部に取り付けられると共に、両電極2a,2bの透明導電膜12,32に接続される。また、接続用端子4は、接続ケーブルのコネクタを挿入可能に構成されて、接続ケーブルを介して取付対象体における制御部等の外部回路と透明導電膜12,32とを接続する。
【0025】
次に、製造装置101の構成について、図面を参照して説明する。
【0026】
製造装置101は、図3に示すように、金型102、インモールド用フィルム移動装置103および射出成形機104を備えて構成されている。金型102は、本発明に係るタッチパネル用中間体製造方法に従ってタッチパネル1の下部電極2aをインモールド成形によって製造可能な金型であって、固定側金型(上金型)111および移動側金型(下金型)121を備えて構成されている。また、金型102は、インモールド用フィルム移動装置103によって移動させられるインモールド用フィルム131を挟み込んだ状態で(図7参照)、固定側金型111の本体部113と移動側金型121の本体部123とが接合可能に構成されている。
【0027】
固定側金型111は、図4に示すように、ベース部112および本体部113を備えて構成されている。ベース部112は、板状に形成されて、射出成形機104の固定側取付部(図示せず)に取り付け可能に構成されている。本体部113は、ベース部112に固定されて、図7に示すように、インモールド用フィルム131を挟み込んだ状態で移動側金型121の本体部123と接合させられた状態において、基板11を成形するキャビティ102aを本体部123と共に形成する。
【0028】
この場合、図6,7に示すように、キャビティ102aを形成する各キャビティ面のうちの、基板11の端面11c(図1,2参照)を成形するキャビティ面(図6,7におけるキャビティ面102d)には、スプルー102bを通って圧送される射出成形機104からの流動状態の樹脂をキャビティ102a内に射出するためのゲート102cが設けられている。具体的には、ゲート102cは、キャビティ面102dにおける、本体部113と本体部123とによって挟み込んだインモールド用フィルム131が位置する部位よりも基板11の外面11bを成形するキャビティ面(両図におけるキャビティ面102e)側であって、かつキャビティ面102dの長さ方向(図4における上下方向)に沿ったインモールド用フィルム131の幅内に位置する部位(一例として、キャビティ面102dの長さ方向における中央部)に形成されている。このため、図7に示すように、ゲート102cからキャビティ102a内に射出された樹脂の圧力により、インモールド用フィルム131がキャビティ面102eに対向するキャビティ面102f(基板11の内面11aを成形するキャビティ面)側に押し付けられる。
【0029】
移動側金型121は、図5に示すように、ベース部122、本体部123、スペーサブロック124およびイジェクトプレート125を備えて構成されている。ベース部122は、板状に形成されて、射出成形機104における移動側取付部(図示せず)に取り付け可能に構成されている。本体部123は、スペーサブロック124を介してベース部122に固定されて、固定側金型111の本体部113と共にキャビティ102aを形成する。
【0030】
また、図8に示すように、キャビティ102aを構成する各キャビティ面のうちの内面11aを成形するキャビティ面102fの全面には、同図において紙面の手前側と奥側とに向かう筋状の微細な凹部142および凸部143を有する凹凸部141が形成されている。この場合、キャビティ面102fの一部に凹凸部141を形成する構成を採用することもできる。また、凹部142は、同図に示すように、本体部113,123が接合した状態において本体部113のキャビティ面102eに対して平行な面であって凹凸部141の深さ方向(高さ方向)の中心を通るキャビティ面102fの基準面144(同図参照)よりも凹んで、かつその底部142aが基準面144に対して平行(またはほぼ平行)となるように形成されている。また、凸部143は、同図に示すように、基準面144から突出して、かつ基準面144に対してその頂部143aが平行(またはほぼ平行)となるように形成されている。また、底部142aと頂部143aとを結ぶ(両部142a,143aに繋がる)面がそれぞれ斜面145で構成されている。
【0031】
この場合、凹凸部141は、底部142aから頂部143aまでの高さ(深さ)L11が0.5μm以上3μm以下の範囲内となるように構成されている。また、凹凸部141は、底部142a、頂部143aおよび斜面145の基準面144に沿った各々の幅W11,W12,W13が互いに等しい幅(一例として、0.05mm以上0.4mm以下の範囲内)となるように構成されている。つまり、凹凸部141は、各凹部142の形成ピッチが互いに等しく、かつ凸部143の形成ピッチが互いに等しく形成されている。
【0032】
イジェクトプレート125は、ベース部122と本体部123との間に配設されて、射出成形機104によってベース部122と本体部123との間を移動させられることにより、図外のイジェクトピンを本体部123の前方に突き出させる。
【0033】
インモールド用フィルム移動装置103は、図3に示すように、固定側金型111と移動側金型121との間において、1回のインモールド成形(1ショット)毎に所定の長さだけインモールド用フィルム131を移動させる。ここで、インモールド用フィルム131は、図9に示すように、表面に剥離層(図示せず)を有する厚みが15μm〜100μm程度で適度な柔軟性および弾性を有する樹脂(一例として、PETやPP(ポリプロピレン))で形成されたベースフィルム132と、錫ドープ酸化インジウム(ITO)等の酸化インジウムによって構成されて剥離層を挟んでベースフィルム132の表面に厚みが0.5μm〜5μm程度の薄膜状に形成された透明導電膜12と、透明導電膜12の表面に形成された粘着層134とで構成されている。なお、透明導電膜12を構成する材料としては、上記した酸化インジウムに限定されず、アンチモンドープ酸化錫(ATO)およびフッ素ドープ酸化錫(FTO)等の酸化錫の微粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の酸化亜鉛の微粒子、並びに酸化カドミウムなどの透明性および導電性を有する各種の材料を用いることができる。
【0034】
射出成形機104は、一例として、固定側取付部、移動側取付部、型締め機構、射出機構およびイジェクト機構(いずれも図示せず)などを備えて構成されている。
【0035】
次に、製造装置101(金型102)を用いて本発明に係るタッチパネル用中間体製造方法に従って下部電極2aおよびタッチパネル1を製造する工程について、図面を参照して説明する。
【0036】
まず、図3に示すように、射出成形機104における図外の固定側取付部および移動側取付部に金型102の固定側金型111および移動側金型121をそれぞれ取り付ける。次いで、粘着層134を固定側金型111のキャビティ面102eに対向させるようにして、インモールド用フィルム131をインモールド用フィルム移動装置103にセットして、インモールド用フィルム移動装置103を作動させる。この際に、インモールド用フィルム移動装置103が、金型102の固定側金型111と移動側金型121との間においてインモールド用フィルム131を所定の長さだけ移動させる。続いて、射出成形機104を作動させる。この際に、射出成形機104の型締め機構が移動側取付部を固定側取付部に向けて移動させることにより、図7に示すように、固定側金型111の本体部113と移動側金型121の本体部123とがインモールド用フィルム131を挟み込んだ状態で互いに接合させられる。
【0037】
次いで、射出成形機104の射出機構が、流動状態の樹脂を圧送する。この際に、図7に示すように、射出成形機104から圧送された樹脂がスプルー102bを通ってゲート102cからキャビティ102a内に射出される。この場合、この金型102では、同図に示すように、キャビティ面102dにおける、インモールド用フィルム131が位置する部位よりもキャビティ面102e側であってかつキャビティ面102dの長さ方向に沿ったインモールド用フィルム131の幅内に位置する部位にゲート102cが設けられている。このため、ゲート102cからキャビティ102a内に射出された樹脂が、インモールド用フィルム131をキャビティ面102f側に押し付けつつキャビティ102aに充填されて、樹脂とキャビティ面102fとの間に挟まれたインモールド用フィルム131の粘着層134が樹脂の圧力によってキャビティ102aに充填された樹脂に密着する。
【0038】
この場合、この金型102では、図8に示すように、キャビティ面102fに凹凸部141が形成されているため、キャビティ面102fとの間に挟まれたインモールド用フィルム131に凹凸部141の形状(凹凸形状)が転写(トレース)される結果、インモールド用フィルム131の透明導電膜12に筋状の微細な凹部22および凸部23を有する凹凸部21が形成される。
【0039】
ここで、インモールド用フィルム131のベースフィルム132は、上記したように、適度な柔軟性および弾性を有する樹脂で形成されている。このため、図11に示すように、平面を有せずに断面が三角形形状の凹凸部341がキャビティ面302fに形成性された従来の金型302では、ベースフィルム132が有する弾性に起因して、凹凸部341を構成する凹部342および凸部343の表面の全てにベースフィルム132が完全には密着せずに、底部342aとベースフィルム132との間に隙間が生じることがある。つまり、ベースフィルム132が緩衝材となって凹凸部341の形状が透明導電膜12に正確には転写(トレース)されずに、透明導電膜12に形成される凹凸部21の底部22aから頂部23aまでの高さ(深さ)L12が、金型302の底部342aから頂部343aまでの高さL11よりも底部342aとベースフィルム132との間の隙間の分だけ低くなることがある。この結果、画像の認識に影響を与える干渉縞の発生を回避するための微細な干渉縞を生じさせるのに、底部22aから頂部23aまでの高さとして必要とされる高さ(上記した高さL11)を確保するのが困難となることがある。
【0040】
これに対して、本発明における金型102では、凹凸部141は、底部142aが基準面144に対して平行な平面に形成された凹部142と、頂部143aが基準面144に対して平行な平面に形成された凸部143と、底部142aと頂部143aとを結ぶ斜面145とで構成されている。このため、弾性を有するベースフィルム132が凹凸部141の表面の全てに完全には密着しないとしても、図10に示すように、少なくとも凹部142の底部142aおよび凸部143の頂部143aには、ベースフィルム132が確実に密着する。この結果、金型102における凹凸部141の底部142aから頂部143aまでの高さL11と、透明導電膜12における凹凸部21の底部22aから頂部23aまでの高さL1とが同じ高さに形成される。つまり、金型102を用いることで、底部22aから頂部23aまでの高さL1を従来の金型302を用いたときの底部22aから頂部23aまでの高さL12よりも長くなるように凹凸部21が形成される。したがって、画像の認識に影響を与える干渉縞の発生を回避するための微細な干渉縞を生じさせるのに、底部22aから頂部23aまでの高さとして必要とされる高さ(高さL11)を確実に確保することが可能となっている。
【0041】
続いて、所定の冷却時間が経過した後に、射出成形機104の型締め機構が固定側取付部から離反する向きに移動側取付部を移動させることにより、固定側金型111と移動側金型121との接合が解除されて、移動側金型121が固定側金型111から離反させられる。この際に、樹脂が固化することによって成形された成形品(つまり基板11)が移動側金型121と共に固定側金型111から引き離される。次いで、射出成形機104のイジェクト機構が移動側金型121のイジェクトプレート125を本体部123側に移動させることにより、図外のイジェクトピンが本体部123の前方に突き出されて、成形された基板11が移動側金型121から取り出される。この場合、粘着層134が基板11に密着している(貼り付いている)ため、インモールド用フィルム131が基板11と共に移動側金型121から取り出される。
【0042】
続いて、基板11からインモールド用フィルム131のベースフィルム132を引き剥がす。この場合、透明導電膜12が粘着層134によって基板11の内面11aに貼り付いた状態となっているため、ベースフィルム132が透明導電膜12から容易に引き剥がされて、透明導電膜12が内面11aに貼合される。これにより、基板11と、基板11の内面11aに貼合された透明導電膜12とで構成された下部電極2aの製造が完了する。
【0043】
次いで、上部電極2bを製造する。この場合、まず、透明導電膜形成用の材料としての錫ドープ酸化インジウム(ITO)を例えばPETで形成された透明シート31の一面に塗布することにより、透明シート31の一面に透明導電膜32を形成する。次いで、透明シート31の他面(タッチ面)にハードコート加工および反射防止加工を施す。続いて、透明導電膜32の形成および上記の加工が終了した透明シート31を所定の大きさ(下部電極2aとほぼ同じ大きさ)に切断する。これにより、上部電極2bの製造が完了する。
【0044】
次いで、下部電極2aの透明導電膜12と上部電極2bの透明導電膜32とを互いに対向させて両電極2a,2bでドットスペーサ3を挟み込んで、その状態の両電極2a,2bの外周縁部を接着剤等を用いて接着する。続いて、両電極2a,2bの外周縁部に接続用端子4を取り付けると共に、下部電極2aにおける基板11の内面11aに貼合されている透明導電膜12、および上部電極2bの透明導電膜32と、接続用端子4とを接続する。これにより、タッチパネル1が完成する。
【0045】
この場合、このタッチパネル1では、上記したように、金型102を用いて下部電極2aをインモールド成形したことで、底部22aから頂部23aまでの高さとして、微細な干渉縞を生じさせるのに必要な高さを有する凹凸部21が透明導電膜12に形成されている。このため、画像の認識に影響を与える干渉縞の発生を確実に回避することが可能となっている。したがって、このタッチパネル1では、取付対象体に取り付けられた状態においてタッチパネル1の奥側に表示される画像等を十分鮮明に視認させることが可能となっている。
【0046】
このように、この金型102およびタッチパネル用中間体製造方法では、底部142aおよび頂部143aが基準面144に対して平行(またはほぼ平行)な平面にそれぞれ形成された複数の筋状の凹部142と凸部143とが交互に並設されると共に底部142aおよび頂部143aを結ぶ面がそれぞれ斜面145で構成された凹凸部141が形成されたキャビティ面102fによって構成されるキャビティ102aに樹脂を射出して下部電極2aを製造する。したがって、この金型102およびタッチパネル用中間体製造方法によれば、平面を有せずに断面が三角形の凹凸部がキャビティ面302fに形成性された従来の金型302とは異なり、弾性を有するインモールド用フィルム131のベースフィルム132が凹凸部141の表面の全てに完全には密着しないとしても、少なくとも凹部142の底部142aおよび凸部143の頂部143aには、ベースフィルム132を確実に密着させることができる。このため、金型102における凹凸部141の底部142aから頂部143aまでの高さと、透明導電膜12における凹凸部21の底部22aから頂部23aまでの高さとを同じ高さに形成することができる。この結果、この金型102およびタッチパネル用中間体製造方法によれば、画像の認識に影響を与える干渉縞の発生を回避するための微細な干渉縞を生じさせるのに、底部22aから頂部23aまでの高さとして必要とされる高さL1を確実に確保することができる結果、画像等を十分鮮明に視認可能な下部電極2aを製造することができる。
【0047】
また、この金型102およびタッチパネル用中間体製造方法によれば、各凹部142の形成ピッチが互いに等しく、かつ各凸部143の形成ピッチが互いに等しくなるように凹凸部141を構成し、その金型102を用いて下部電極2aを成形したことにより、各凹部22の形成ピッチが互いに等しく、かつ各凸部23の形成ピッチが互いに等しい凹凸部21を下部電極2aに形成することができる。このため、それらの形成ピッチが異なることに起因して凹部22および凸部23が例えばランダムな模様に見えるという違和感を使用者に生じさせる事態を確実に回避することができる。
【0048】
また、この金型102およびタッチパネル用中間体製造方法によれば、底部142a、頂部143aおよび斜面145の基準面144に沿った各々の幅W11,W12,W13が互いに等しくなるように凹凸部141を構成し、その金型102を用いて下部電極2aを成形したことにより、底部22a、頂部23aおよび斜面25の幅W1,W2,W3が互いに等しい凹凸部21を透明導電膜12に形成することができる。このため、奥側に表示される画像(表示内容)の歪みが各幅W11,W12,W13の相違に起因して場所によって変化するようにその画像が視認されるといった不都合を確実に防止することができる。また、各幅W11,W12,W13を互いに等しく、かつ凹部142および凸部143の各形成ピッチを狭ピッチとすることで下部電極2aの透明導電膜12に形成する凹凸部21を十分に目立たなくすることができる。さらに、各幅W11,W12,W13を互いに等しく、かつ凹部142および凸部143の各形成ピッチを狭ピッチとすることで、タッチパネル1にタッチ操作がされたときに透明導電膜12の凹凸部21によって生じる微細な干渉縞(明暗)の間隔を、タッチ操作によって生じるタッチパネル1の凹みの輪郭線の中だけで生じる(輪郭線の中に閉じこめられる)程度に狭くすることができる。このため、その微細な干渉縞を目視ではほとんど視認することができない程度に目立たなくすることができる。
【0049】
また、このタッチパネル1およびタッチパネル1用の下部電極2aによれば、底部22aおよび頂部23aが基準面24に対して平行な平面にそれぞれ形成された複数の筋状の凹部22および凸部23を有しかつ底部22aおよび頂部23aを結ぶ面がそれぞれ斜面25で構成された凹凸部21を透明導電膜12に形成したことにより、画像の認識に影響を与える干渉縞の発生を回避するための微細な干渉縞を生じさせるのに、底部22aから頂部23aまでの高さとして必要とされる高さL1を確実に確保することができる。したがって、このタッチパネル1およびタッチパネル1用の下部電極2aによれば、取付対象体に取り付けられた状態においてタッチパネル1の奥側に表示される画像等を十分鮮明に視認させることができる。
【0050】
なお、本発明は上記の構成に限定されない。例えば、基板11を矩形の板状に形成した例について上記したが、これに限定されず任意の板状に基板11を形成することができる。また、透明導電膜12における底部22a、頂部23aおよび斜面25の幅W1〜W3の長さ、および金型102における底部142a、頂部143aおよび斜面145の幅W11〜W13の長さも任意に規定することができる。また、透明導電膜12に形成する凹凸部21の底部22aから頂部23aまでの高さL1、および金型102のキャビティ面102fに形成する凹凸部141の底部142aから頂部143aまでの高さをL11を0.5μm以上3μm以下の範囲内となるように構成した例について上記したが、これらの高さは任意に規定することができる。また、底部22a、頂部23aおよび斜面25の基準面24に沿った各々の幅W1,W2,W3、並びに底部142a、頂部143aおよび斜面145の基準面144に沿った各々の幅W11,W12,W13を0.05mm以上0.4mm以下の範囲内となるように構成した例について上記したが、これらの幅の長さも任意に規定することができる。さらに、幅W1,W2,W3が互いに等しくなるように凹凸部21を構成した例、および幅W11,W12,W13が互いに等しくなるように凹凸部141を構成した例について上記したが、各幅W1,W2,W3を互いに異ならせた構成、および幅W11,W12,W13を互いに異ならせた構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】タッチパネル1の構成を示す斜視図である。
【図2】図1における矢印Aの方向から見た下部電極2a、上部電極2bおよびドットスペーサ3の側面図である。
【図3】製造装置101の構成を示す構成図である。
【図4】固定側金型111の斜視図である。
【図5】移動側金型121の斜視図である。
【図6】金型102の断面図である。
【図7】固定側金型111と移動側金型121とを接合した状態の断面図である。
【図8】移動側金型121の本体部123におけるキャビティ面102fの構成を示す断面図である。
【図9】インモールド用フィルム131の構成を示す構成図である。
【図10】金型102を用いてインモールド成形を行っている状態における金型102、インモールド用フィルム131および基板11の断面図である。
【図11】従来の金型302を用いてインモールド成形を行っている状態における金型302、インモールド用フィルム131および基板11の断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 タッチパネル
2a 下部電極
2b 上部電極
3 ドットスペーサ
11 基板
12 透明導電膜
31 透明シート
32 透明導電膜
102 金型
102a,102d〜102f キャビティ面
131 インモールド用フィルム
141 凹凸部
142 凹部
142a 底部
143 凸部
143a 頂部
144 基準面
145 斜面
W1〜W3,W11〜W13 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明導電膜が形成されたインモールド用フィルムを挟み込んだ状態においてタッチパネル用中間体の基板を成形するキャビティを形成可能に構成されて、前記キャビティに対する樹脂の射出によって前記基板を成形すると共に当該基板の一面に前記透明導電膜を貼合させて前記タッチパネル用中間体を製造可能に構成されたインモールド用金型であって、
前記キャビティを構成する各キャビティ面のうちの前記一面を成形するキャビティ面には、当該キャビティ面の基準面よりも凹んでその底部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凹部と当該基準面から突出してその頂部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凸部とが交互に並設されると共に当該底部および当該頂部を結ぶ面がそれぞれ斜面で構成された凹凸部が形成されているインモールド用金型。
【請求項2】
前記凹凸部は、前記各凹部の形成ピッチが互いに等しく、かつ前記各凸部の形成ピッチが互いに等しく形成されている請求項1記載のインモールド用金型。
【請求項3】
前記凹凸部は、前記底部、前記頂部および前記斜面の前記基準面に沿った各々の幅が互いに等しくなるように構成されている請求項2記載のインモールド用金型。
【請求項4】
透明導電膜が形成されたインモールド用フィルムを挟み込んだ状態のインモールド用金型のキャビティに対して樹脂を射出してタッチパネル用中間体の基板を成形すると共に当該基板の一面に当該透明導電膜を貼合させて当該タッチパネル用中間体を製造するタッチパネル用中間体製造方法であって、
基準面よりも凹んでその底部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凹部と当該基準面から突出してその頂部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凸部とが交互に並設されると共に当該底部および当該頂部を結ぶ面がそれぞれ斜面で構成された凹凸部が前記一面を成形するキャビティ面に形成されている前記キャビティに前記樹脂を射出して前記タッチパネル用中間体を製造するタッチパネル用中間体製造方法。
【請求項5】
板状の基板と、当該基板における一面にインモールド成形によって貼合された透明導電膜とを備えたタッチパネル用中間体であって、
前記基板の前記透明導電膜には、当該透明導電膜の基準面よりも凹んでその底部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凹部と当該基準面から突出してその頂部が当該基準面に対して平行またはほぼ平行な平面に形成された複数の筋状の凸部とが交互に並設されると共に当該底部および当該頂部を結ぶ面がそれぞれ斜面で構成された凹凸部が形成されているタッチパネル用中間体。
【請求項6】
請求項5記載のタッチパネル用中間体と、透明シートの一面に透明導電膜が形成されたタッチ側電極とを備え、前記タッチパネル用中間体および前記タッチ側電極における各々の前記透明導電膜同士を互いに対向させかつスペーサを挟んで当該タッチパネル用中間体および当該タッチ側電極が並設されて構成されているタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−302601(P2008−302601A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152203(P2007−152203)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】