説明

エアバッグ装置

【課題】改良されたエアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】2つの隣接した座席(11,12)に座っている運転者又は同乗者(1,2)に対して保護を提供するための、車両におけるエアバッグ装置が開示される。座席のそれぞれは2つのエアバッグユニット(15,16,20,21)に関連付けられていて、それらのうちの一方は、座席に対して車室内方側にある空間を占めるように展開するエアバッグを備え、他方は、座席に対して車室外方側にある空間を占めるように展開するエアバッグを備えている。センサ及び制御装置(23)は、衝突を検出すると共に、車両におけるいずれの側面に衝突を受けたのかを判断する。センサ及び制御装置(23)は、第1の座席(11)に関しては衝突箇所Iに近い側にあるエアバッグユニット(15)を、第2の座席(12)に関しては衝突箇所Iに近い側にあるエアバッグユニット(21)を、動作させることが可能であるような動作信号を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置に関し、特に、側面衝突事故が発生した場合に、車両に乗車している乗車者(運転者又は同乗者)に対して保護を提供するためのエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
側面衝突事故にあっては、車両の片側の側面から、車両に対して、極めて急激な加速力が作用する。その結果、慣性力に起因して、車両に乗っている乗車者は、車両における衝突を生じた側面に向かって動かされる傾向がある。
【0003】
代表的に、車両の乗車者は、3点支持式のシートベルトによって拘束されている。代表的に、3点支持式のシートベルトは、腰部分と斜め部分とを有していて、斜め部分は代表的に、車両中心に近接した箇所から、乗車者の胸部又は胴部を斜め上方へ横断して、前列座席にあっては車両において近接する“B”支柱へと、また後列座席にあっては車両における“C”支柱へと延びる。
【0004】
側面衝突事故の場合には、車両に乗っている乗車者のうち、衝突を生じた側面の近くに座っていた乗車者にあっては、その乗車者の胴体は、車両における衝突を生じた側面に向かって動かされる傾向がある。その結果、乗車者の肩部は、斜めのストラップによって“捕らえられて”、乗車者は拘束される。しかしながら、衝突を生じた側から遠い側に座っていた乗車者にあっては、乗車者の胴体は、隣接する“B”支柱から遠ざかるように動いてしまい、斜めのストラップによっては、実質的に拘束されることがない。そのため、負傷者が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改良されたエアバッグ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、少なくともひとつの座席に座っている乗車者に対して保護を提供するための車両におけるエアバッグ装置であって、当該ひとつの又は各々の座席は2つのエアバッグユニットに関連付けられていて、一方のエアバッグユニットは、座席に対して車室内方側にある空間内に展開し該空間を占拠するようなエアバッグを備え、他方のエアバッグユニットは、座席に対して車室外方側にある空間内に展開し該空間を占拠するようなエアバッグを備え、側面衝突を検出すると共に、車両におけるいずれの側面に衝突を受けたのかを判断して、衝突箇所に近い側にあるエアバッグユニットだけを動作させることが可能である動作信号を発生させるようなセンサ及び制御装置を具備していることを特徴とするエアバッグ装置が提供される。
【0007】
望ましくは、エアバッグ装置は、互いに隣接して配置された2つの前記座席に座っている乗車者に対して保護を提供すべく構成され、センサ及び制御装置は、第1の座席に関しては衝突箇所に近い側にあるエアバッグユニットだけを、第2の座席に関しては衝突箇所に近い側にあるエアバッグユニットだけを、動作させることが可能である動作信号を発生させるように構成されている。
【0008】
少なくともひとつの座席には、該座席上に同乗者が座っているか否かを検出するセンサが設けられ、該センサは、センサ及び制御装置からの動作信号に応答して、該座席に関連付けられたエアバッグユニットを動作させることが可能になっていることが望ましい。
当該ひとつの又は各々の座席における少なくともひとつのエアバッグユニットが、座席の背もたれ部に取り付けられているならば有利である。
【0009】
当該ひとつの又は各々の座席において、前記一方のユニットは、座席における車室内方側に設けられているならば都合が良い。
当該ひとつの又は各々の座席に関連付けられた双方のエアバッグユニットが、座席の背もたれ部に取り付けられていることが望ましい。
【0010】
当該ひとつの又は各々の座席に関連付けられた少なくともひとつのエアバッグユニットが、車両における隣接する支柱に取り付けられているならば有利である。
当該ひとつの又は各々の前記座席には、3点支持式のシートベルトが設けられているならば都合が良い。
望ましくは、当該ひとつの又は各々のシートベルトは、プリテンショナを備えている。
【0011】
当該ひとつの又は各々の座席における車室内方側には、支持要素が関連付けられていて、支持要素は、膨張した車室内方側のエアバッグに対して、その車室内方側へ延在するように構成されており、膨張したエアバッグの少なくとも一部分を横方向から支えるようになっているならば有利である。
【0012】
支持要素は、車室内方側のエアバッグを支持してなる座席と同一の座席に取り付けられているならば都合が良い。
前記支持要素は、座席における車室内方側に設けられたエアバッグが動作するときに、初期位置から動作位置へと動けるようになっていて、エアバッグは動作位置へと延びるべく構成され、支持要素は前記動作位置にあるとき、膨張したエアバッグに対して、その車室内方側へと延びるべく構成されていることが望ましい。
【0013】
前記支持要素は、弾性的に変形可能になっていて、前記動作位置にあるときには、衝突時に座席上の人物の体重により作用する力の下で降伏すべく構成されていて、それによりエネルギーを吸収するならば都合が良い。
前記支持要素は、前記初期位置から前記動作位置へと、前記背もたれ部に対する略前方方向にて、動くように構成されていることが望ましい。
【0014】
本発明について容易に理解できるように、そして本発明の更なる特徴について認識できるように、本発明の実施形態について、添付図面を参照して、例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、車両における2人の隣接する乗車者を示した模式図である。
【図2】図2は、本発明による第1の実施形態であって、車両において、隣接する座席にエアバッグユニットが取り付けられている様子を示している。
【図3】図3は、本発明による改良された実施形態であって、車両の座席と、車両の車体とに取り付けられたエアバッグユニットを示していて、図示のエアバッグは膨張した状態になっている。
【図4】図4は、図2の車両座席のひとつを示した側面図であって、エアバッグは関連する要素と一緒に展開した状態になっている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、車両の前列座席には、2人の乗車者1及び2が座っている。第1の乗車者1は、3点支持式のシートベルト3によって拘束されていて、このシートベルトは、腰を支えるストラップ4と、胸部又は胴体を支える斜めのストラップ5とから構成されていて、斜めのストラップ5は、車両の隣接するB支柱6に取り付けられた代表的にはピラー・ループ・アジャスタの形態をもつ固定箇所へと延在している。同様に、第2の乗車者2は、3点支持式のシートベルト7によって拘束されていて、このシートベルトは、腰を支えるストラップ8と、乗車者の胸部又は胴体を斜めに横切って、車両の反対側に設けられた“B”支柱10に取り付けられた、これもまた代表的にはピラー・ループ・アジャスタの形態をもつ固定箇所へと延在している。
【0017】
ここで、車両が側面衝突事故に巻き込まれたとすると、この車両における第1の乗車者1に隣接した側面には、矢印Iにて示すように別の車両が衝突し、この車両には極めて大きな横方向の加速力が作用する。その結果、慣性力に起因して、乗車者1は、“B”支柱6へ向かって移動する傾向がある。乗車者1は、斜めのベルト部分5によって拘束される。しかしながら、第2の乗車者2もまた、第1の乗車者1に隣接している“B”支柱へ向かって移動するだろう。従って、第2の乗車者2は、彼/彼女のシートベルトによっては、有効に拘束されない。
【0018】
図2には、2つの車両用座席11及び12を模式的に示している。座席11は、座部13と、背もたれ部14と、ヘッドレスト15とを具備している。背もたれ部における車室外方側にはエアバッグユニット15が設けられている。エアバッグユニット15は、エアバッグが展開するときには、エアバッグ本体が背もたれ部から外方へ且つ前方へ延びて、エアバッグの主要部分は、乗車者の胸部又は胴体に隣接するように配置される。このタイプのエアバッグは、それ自体、公知である。座席における車室内方側には、第2のエアバッグユニット16が設けられている。このエアバッグユニットは、エアバッグユニット15と同等なものである。
【0019】
隣接する座席12も同様なデザインになっていて、座部17と、背もたれ部18と、ヘッドレスト19と、上述したタイプのエアバッグユニット20及び21とを具備している。
座席11には、車両の運転者が座り、座席12には、車両の助手席同乗者が座る。座席22は、座席上に人が座っているか否かを検出するためのセンサ22を備えている。衝突センサ及び制御装置23は、側面衝突事故を検出して、エアバッグを適切に展開させるものである。
【0020】
次に、図3には、本発明による改変された実施形態を示している。本発明によるこの実施形態においては、車室外方側のエアバッグユニット15及び20は、対応する座席の背もたれ部に取り付けられているのではなく、車両の隣接する“B”支柱に取り付けられている。その他のすべての観点については、図3の実施形態は、図2の実施形態と同一である。図3を参照すると、図示の車両は、座席11に隣接した、車両の運転者側から、側面衝突を受けている。矢印Iは、図1と同様に、衝突を示している。
【0021】
側面衝突が検出されると、センサ及び制御装置23は、運転席11の車室外方側にあるエアバッグだけを、すなわちエアバッグユニット15のエアバッグだけを展開させ、運転席11の車室内方側にあるエアバッグユニット16のエアバッグは展開させない。その結果、このエアバッグは、車両の運転者と衝突箇所との間に、保護クッションを提供する。
図3に示すように、座席12に人が座っていることをセンサ22が検出すると、車室外方側にあるエアバッグユニット20は動作せずに、車室内方側にあるエアバッグユニット21だけが動作して、助手席上の同乗者と、衝突を発生させた車両側部との間に、エアバッグが提供されることになる。従って、座席12上の同乗者にあっては、エアバッグユニット21から膨張したエアバッグによって、“B”支柱6へ向かって動かないように拘束され、また、図1に示した3点支持式のシートベルト7によって、“B”支柱10へ向けて移動することで、“リバウンド”が防止される。
【0022】
従って、側面衝突事故に際しては、すべてのエアバッグが展開するのではなく、各座席において、座席上の乗車者と衝突箇所との間に設けられたエアバッグだけが、つまり車両の運転者又は同乗者を衝突から保護するのに役立つエアバッグだけが展開されることを理解されたい。
また、座席12上には乗車者が座っていないことをセンサ22が検出した場合には、あるいは、座席上にチャイルドシートが載せられていることを検出した場合には、センサ及び制御装置23によってエアバッグユニット21が動作することはない。
もちろん、もしも衝突が逆の向きに、つまり、座席12に隣接した車両側面において発生した場合には、エアバッグユニット16と20とが展開する(両方の座席に乗車者が座っているものと仮定する)。
【0023】
本発明について、2つの特定の実施形態を参照して説明したけれども、多数の変形例が可能であることを認識されたい。それぞれの座席に関連付けられるエアバッグユニットには、多くの異なるデザインを採用することができる。背もたれ部に取り付けられるエアバッグユニットと、隣接する“B”支柱に取り付けられるエアバッグユニットとを参照して説明したけれども、エアバッグユニットの片方は、膨張可能なカーテン型の形態としても良い。そうした膨張可能なカーテン型のものは、膨張時には、座席上の乗車者と車両における隣接側面との間の空間を占拠するが、最も重要なことは、座席に直近する箇所を占めることで、乗車者に対して保護を提供することである。
【0024】
座席12に人が座っているか否かを検出するためには、センサ22を例示して説明したけれども、あらゆる形態のセンサを利用することが可能である。図2及び図3において、センサは座席の座部に取り付けられている。しかしながら、光学的センサや、レーダー式センサなど、その他のタイプの遠隔センサを利用することもできる。
本発明のある種の実施形態において、側面衝突箇所から離れた側に座っている乗車者のシートベルトに、プリテンションを用いることが効果的であることが見い出された。従って、本発明の好ましい実施形態においては、3点支持式のシートベルトが設けられている。図3には、図1を参照して前述した、3点支持式のシートベルト7の一部分を破線にて示しており、シートベルト7にレトラクタ・ユニット24を設けるやり方を示している。レトラクタ・ユニット24には、プリテンショナが組み込まれている。従って、衝突状況の間には、レトラクタ24におけるプリテンショナをセンサ及び制御装置23が動作させると共に、同じく、座席11に関連付けられたシートベルト3が備えている対応するレトラクタにおけるプリテンショナを動作させる。側面衝突状況にあっては、両方のシートベルトにプリテンションを用いることが望ましいけれども、最も好ましくて、最も重要であることは、衝突箇所から離れた側の座席のシートベルトに対してプリテンションを用いることである。
【0025】
座席上にチャイルドシートが載せられていることが検出されたならば、センサ及び制御装置23は、側面衝突に際し、適切なプリテンショナを動作させて、チャイルドシートを所定位置に保持しているシートベルトに対して張力を加え、その一方、関連するエアバッグユニットについては、これを動作させない。
【0026】
図4は、図2及び図3に示した車両用座席12について、車室内方側にあるエアバッグユニット21が動作して、エアバッグ21Aが膨張した状態を示している。
図4に示すように、車両の座席12における車室内方側のエアバッグユニット21には、支持要素25が備えられ、この支持要素は、図示の動作状態においては、膨張したエアバッグ21Aに対する車室内方側の位置にて、背もたれ部18から前方へ向けて延び、エアバッグ21Aは、支持要素25と、座席上の乗車者2の胸郭との間に延在することになる。支持要素25は、かかる展開状態においては、膨張したエアバッグ21Aに対して横方向の支持を提供すべく働いて、側面衝突時にあっては、エアバッグが乗車者2の胸郭に対して横方向の保護を与えるのに効果的である位置に、同エアバッグを保持する。この支持要素25を提供することは望ましい旨が見い出されたが、というのは、さもなければ、何らかの車両構造部分、又は隣接して膨張するエアバッグが無い条件では、展開した車室内方側のエアバッグ21は、乗車者2に対して適切な支えを提供できないからである。
【0027】
支持要素25は、上述したように、図4においては動作中の展開した位置にて示されている。しかしながら、エアバッグ21Aが動作する前には、支持要素25は、実質的に背もたれ部18の内部に割り当てられた、初期位置にある。支持要素25は、エアバッグ21Aの動作時には、背もたれ部18の内部である、その初期位置から、図4に示した展開位置へと、例えば、背もたれ部18に対する略前方方向にて、動くように構成されている。好ましい構成においては、支持要素25は、弾性的に変形可能になっていて、その展開した位置にあるときには、衝突時に座席12上の乗車者2の体重により作用する力の下で降伏すべく構成されており、それにより、エネルギーを吸収する。
もちろん、他方の車両座席11についても、上述したのと同様な支持要素を設けることで、当該座席における車室内方側のエアバッグに対して横方向の支えを提供することが好ましいことを認識されたい。
【0028】
また、支持要素は、例えば座席の背もたれ部から前方へ延びているフレームや、前方へ延びているアームレストの少なくとも一部分など、他の都合の良い形態を呈することも可能であることを認識されたい。支持要素においては、前方へ移動することは本質的なことではなく、実際に、支持要素は、その動作位置にて永久的に固定されていても良い。さらに、支持要素は、車室内方側のエアバッグを支持してなる座席と同一の座席に取り付けられていることも必要でなく、隣接する座席や車両構造の一部に取り付けることで、車室内方側のエアバッグと関連付けても良いことを認識されたい。
【0029】
本願において、“備える”とは“含む、又は、構成される”の意味であり、“備えている”とは“含んでいる、又は、構成されている”の意味である。
【0030】
上述の説明、特許請求の範囲、又は添付図面において、特定の形態や開示した機能を実現するものとして記載された特徴、及び開示した結果を得るための方法や手順は、別々に採用し又はこれらを任意に組み合わせることができ、本発明は多彩な形態にて実施することができる。
【0031】
尚、本発明は、下記の構成によっても実現することができる。
[1] 少なくともひとつの座席に座っている乗車者に対して保護を提供するための車両におけるエアバッグ装置であって、当該ひとつの又は各々の座席は2つのエアバッグユニットに関連付けられていて、一方のエアバッグユニットは、座席に対して車室内方側にある空間内に展開し該空間を占拠するようなエアバッグを備え、他方のエアバッグユニットは、座席に対して車室外方側にある空間内に展開し該空間を占拠するようなエアバッグを備え、側面衝突を検出すると共に、車両におけるいずれの側面に衝突を受けたのかを判断して、衝突箇所に近い側にあるエアバッグユニットだけを動作させることが可能である動作信号を発生させるようなセンサ及び制御装置を具備していることを特徴とするエアバッグ装置。
[2] エアバッグ装置は、互いに隣接して配置された2つの前記座席に座っている乗車者に対して保護を提供すべく構成され、センサ及び制御装置は、第1の座席に関しては衝突箇所に近い側にあるエアバッグユニットだけを、第2の座席に関しては衝突箇所に近い側にあるエアバッグユニットだけを、動作させることが可能である動作信号を発生させるように構成されていることを特徴とする上記[1]に記載のエアバッグ装置。
[3] 少なくともひとつの座席には、該座席上に同乗者が座っているか否かを検出するセンサが設けられ、該センサは、センサ及び制御装置からの動作信号に応答して、該座席に関連付けられたエアバッグユニットを動作させることが可能になっていることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のエアバッグ装置。
[4] 当該ひとつの又は各々の座席における少なくともひとつのエアバッグユニットが、座席の背もたれ部に取り付けられていることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
[5] 当該ひとつの又は各々の座席において、前記一方のユニットは、座席における車室内方側に設けられていることを特徴とする上記[4]に記載のエアバッグ装置。
[6] 当該ひとつの又は各々の座席に関連付けられた双方のエアバッグユニットが、座席の背もたれ部に取り付けられていることを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
[7] 当該ひとつの又は各々の座席に関連付けられた少なくともひとつのエアバッグユニットが、車両における隣接する支柱に取り付けられていることを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
[8] 当該ひとつの又は各々の前記座席には、3点支持式のシートベルトが設けられていることを特徴とする上記[1]乃至[7]のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
[9] 当該ひとつの又は各々のシートベルトは、プリテンショナを備えていることを特徴とする[8]に記載のエアバッグ装置。
[10] 当該ひとつの又は各々の座席における車室内方側には、支持要素が関連付けられていて、支持要素は、膨張した車室内方側のエアバッグに対して、その車室内方側へ延在するように構成されており、膨張したエアバッグの少なくとも一部分を横方向から支えるようになっていることを特徴とする上記[1]乃至[9]のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
[11] 支持要素は、車室内方側のエアバッグを支持してなる座席と同一の座席に取り付けられていることを特徴とする上記[10]に記載のエアバッグ装置。
[12] 前記支持要素は、座席における車室内方側に設けられたエアバッグが動作するときに、初期位置から動作位置へと動けるようになっていて、エアバッグは動作位置へと延びるべく構成され、支持要素は前記動作位置にあるとき、膨張したエアバッグに対して、その車室内方側へと延びるべく構成されていることを特徴とする上記[10]又は[11]に記載のエアバッグ装置。
[13] 前記支持要素は、弾性的に変形可能になっていて、前記動作位置にあるときには、衝突時に座席上の人物の体重により作用する力の下で降伏すべく構成されていて、それによりエネルギーを吸収することを特徴とする上記[12]に記載のエアバッグ装置。
[14] 前記支持要素は、前記初期位置から前記動作位置へと、前記背もたれ部に対する略前方方向にて、動くように構成されていることを特徴とする上記[12]又は[13]に記載のエアバッグ装置。
【符号の説明】
【0032】
3 シートベルト
11 車両用座席
12 車両用座席
14 背もたれ部
15 エアバッグユニット
20 エアバッグユニット
22 センサ
25 支持要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともひとつの座席に座っている乗車者に対して保護を提供するための車両におけるエアバッグ装置であって、当該ひとつの又は各々の座席は2つのエアバッグユニットに関連付けられていて、一方のエアバッグユニットは、座席に対して車室内方側にある空間内に展開し該空間を占拠するようなエアバッグを備え、他方のエアバッグユニットは、座席に対して車室外方側にある空間内に展開し該空間を占拠するようなエアバッグを備え、側面衝突を検出すると共に、車両におけるいずれの側面に衝突を受けたのかを判断して、衝突箇所に近い側にあるエアバッグユニットだけを動作させることが可能である動作信号を発生させるようなセンサ及び制御装置を具備していることを特徴とするエアバッグ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−105309(P2011−105309A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43776(P2011−43776)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【分割の表示】特願2006−506132(P2006−506132)の分割
【原出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(594037497)オートリブ ディヴェロプメント アクチボラゲット (33)
【Fターム(参考)】