説明

エアロゾル生成器、エアロゾル生成方法、成膜装置及び成膜体の製造方法

【課題】材料粒子を流動ガスに分散させることによりエアロゾルを生成するエアロゾル生成器において、生成容器へガスを導入することにより、材料粒子の凝集体の解砕及び材料粉体の撹拌を効率的に行う技術を提案する。
【解決手段】エアロゾル生成器に、材料粒子の粉体が収容される生成容器57と、生成容器57内に収容されて堆積している材料粒子の粉体の中に該生成容器57の内周の略中心を円心とする円周方向成分を有する方向に向けてガスを噴出する一又は複数の噴出口45aと、噴出口45aに間欠的にガスを供給する第一ガス供給機構40とを、備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾルデポジション法(以下、「AD法」という)で成膜体を製造する際に用いるエアロゾルを生成するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
AD法は、キャリアガスとの混合によりエアロゾル化された材料粒子を成膜チャンバ内の減圧空間に導き、成膜チャンバの内圧とノズルの内圧との間の差圧に基づいて、ノズル内から材料粒子を基板に向けて高速噴射して、基板上に材料粒子の被膜を形成させる技術である。このようなAD法を実施するための成膜装置には、材料粒子をキャリアガスに混合分散させたエアロゾルを生成するエアロゾル生成器が装備されている。エアロゾル生成器は、一般に、材料粒子を含む粉体(以下、「材料粉体」という)を内部に装填した生成容器と、前記材料粉体を噴き上げるようにキャリアガスを前記生成容器内に導入するガス導入機構とを備えている。
【0003】
ところで、上記のようなエアロゾル生成器では、長期間使用により生成容器内の材料粒子が凝集することが従来から問題となっている。材料粒子同士が凝集して固まった材料粒子の凝集塊(以下、「材料粒子の凝集体」という)は、生成容器内に堆積している材料粉体の下層部にたまりやすい。このため、生成容器内に堆積している材料粉体の下層部にある材料粒子はキャリアガス中に分散され難く、キャリアガスによる材料粉体の適切な撹拌や流動化が阻害されて材料粉体の流動性が低下する。
【0004】
上述の通り、エアロゾル生成器では、長期間使用するうちに、生成容器内に堆積している材料粉体の下層部の材料粒子がエアロゾル化できなくなるので、該エアロゾル生成器で生成されたエアロゾル中の材料粒子の濃度を長期間に亘って一定に保持することは困難である。エアロゾル中の材料粒子の濃度が低下すると、成膜速度の低下や、成膜された被膜の膜厚の不均一化等の弊害が生じる。従って、成膜の安定性を確保するためにエアロゾル中の材料粒子の濃度を長期間に亘って一定に保持することが、AD法を用いた成膜装置の実用化に向けて重大な課題となっていた。そこで、特許文献1や特許文献2に記載されているように、エアロゾル生成器で生成するエアロゾルの濃度を一定に保つための技術が提案されている。
【0005】
特許文献1に記載されたエアロゾル生成器は、材料粉体を内部に配置した生成容器と、材料粉体を噴き上げることによってエアロゾルを生成するガス導入手段と、材料粉体を撹拌する撹拌子と、生成容器に微小な振動を与える加振手段と、生成容器が回転運動又は振り子運動するように該生成容器を駆動する駆動手段とを備えている。そして、生成容器に微小な振動と共に所定の運動を与えることにより、材料粒子の凝集体が生成容器の一部にたまることを防止している。
【0006】
また、特許文献2に記載されたエアロゾル生成器は、材料粉体を収容した生成容器と、生成容器に収容された材料粉体中に下部が埋まった状態で移動する撹拌棒と、生成容器内の材料粉体の上方において撹拌棒に向かって開口しているキャリアガスの吹出口とを備えている。前記撹拌棒の下流側ではキャリアガスの流れによって強い渦流が生じ、前記撹拌棒の動きにより撹拌されて巻き上がった材料粒子が前記渦流に巻き込まれることで拡散してエアロゾルが生じる。このようなエアロゾル生成器では撹拌棒による材料粉体の撹拌により、材料粒子の凝集や固化の防止が図られている。
【特許文献1】特開2004−113931号公報
【特許文献2】特開2007−186737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に記載のエアロゾル生成器において、キャリアガス導入部の噴出口付近を円周に沿うように湾曲させ、キャリアガスを接線方向に噴出させるようにした構成が開示されている(特許文献1の図1及び段落番号0016)。このキャリアガスは材料粉体を噴き上げるためのものであって、エアロゾル生成器には材料粒子の凝集防止のために加振手段及び駆動手段を備えている。このことから、キャリアガスの導入だけでは、材料粒子の凝集を十分に防止することは困難であったと解釈される。
【0008】
しかしながら、エアロゾル生成器の構成はシンプルであることが、コストやメンテナンスの点において有利である。つまり、エアロゾル生成器は、材料粉体の撹拌子や生成容器の加振手段及び駆動手段などの複雑な機械的機構を備えない構成であることが望ましい。そこで、キャリアガスに相当するガスを高速で生成容器に連続的に導入して材料粒子の凝集体同士を衝突させることにより材料粒子の凝集防止を図ることが考え得る。しかし、この場合には、生成容器に導入されるガスの流量が大きくなるので、ガスを供給するためのコストが膨大となるという問題が生じる。さらに、材料粒子の凝集体が生じて流動性が低下した材料粉体中にガスの導入口を設けた場合には、該導入口近傍にガスの流れに沿ったトンネル状の空洞が生じるとともにその周囲に材料粒子の凝集体がたまってしまい、この結果、材料粉体の適切な流動が得られないこととなる。
【0009】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、材料粒子をキャリアガスに分散させることによりエアロゾルを生成するエアロゾル生成器において、生成容器へガスを導入することにより、材料粒子の凝集体の解砕及び材料粉体の撹拌を効率的に行う技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のエアロゾル生成器は、材料粒子をキャリアガスに分散させることによりエアロゾルを生成するエアロゾル生成器であって、材料粒子の粉体が収容される生成容器と、前記生成容器内に収容されて堆積している材料粒子の粉体の中に、前記生成容器の内周の略中心を円心とする円周方向成分を有する方向に向けてガスを噴出する一又は複数の噴出口と、前記噴出口に間欠的にガスを供給する第一ガス供給機構とを、備えているものである。
【0011】
上記エアロゾル生成器では、生成容器内に堆積している材料粒子の粉体中へ高速のガスが間欠噴射されることにより、材料粒子の凝集体の解砕、並びに、材料粒子の粉体の撹拌が効率的に行われる。この材料粒子の凝集体の解砕及び材料粒子の粉体の撹拌により、材料粒子の粉体の適切な流動性が維持されて材料粒子の凝集体の発生が防止される。そして、材料粒子の凝集体の発生が防止されることによりエアロゾル生成器では材料粒子濃度が略一定のエアロゾルを長期に亘って生成することができ、引いては、AD法を実行する成膜装置において安定した条件での成膜を行うことができる。
【0012】
上記エアロゾル生成器において、前記噴出口は複数であって、これら複数の噴出口を一の噴出口又は複数の噴出口で構成される複数の組に組分けし、前記第一ガス供給機構は、同一の組に属する噴出口から同一位相でガスを噴出し且つ相互に異なる組に属する噴出口同士から異なる位相でガスを噴出するように、各噴出口へガスを供給するように構成されていることよい。
【0013】
さらに、前記第一ガス供給機構は、前記複数の組のあいだで噴出期間の少なくとも一部が重複せず且つ何れの組の噴出期間でもない期間が生じないように、各噴出口へガスを供給するように構成されていることが望ましい。そして、前記第一ガス供給機構は、前記複数の組の何れも、その組に属する噴出口から噴出するガスの総流量が略同一となるように、各噴出口へガスを供給するように構成されていることが望ましい。
【0014】
また、上記エアロゾル生成器において、前記噴出口は噴射ノズルの先端に設けられた開口であって、前記第一ガス供給機構は、ガス供給源と、前記ガス供給源から前記噴射ノズルへガスを送るガス供給路と、前記ガス供給路上に設けられて各噴射口へのガス供給量を調整する流量制御器とを備えているものとすることができる。
【0015】
ここで、前記噴出口は複数であって、これら複数の噴出口は、前記生成容器の内周の周方向に離れて配置されていることがよい。さらに、前記複数の噴出口は、前記生成容器の内周の周方向に等角度間隔に離れて配置されていることが望ましい。そして、前記噴出口は、前記生成容器の内壁面に設けられていることが望ましい。
【0016】
上記エアロゾル生成器において、前記生成容器は、前記材料粒子の粉体を収容するエアロゾル生成室と該エアロゾル生成室の下方に位置する流動ガス導入室とに、前記生成容器内を上下に仕切る多孔板と、前記流動ガス導入室にガスを供給する第二ガス供給機構とを備えているものとすることができる。
【0017】
また、本発明のエアロゾル生成方法は、前記エアロゾル生成器を用いて行われる、前記生成容器に材料粒子の粉体を収容するステップと、前記噴出口からガスを間欠的に噴出するステップとを含んでいるものである。
【0018】
そして、本発明の成膜装置は、前記エアロゾル生成器と、被成膜体を保持するステージと、前記エアロゾル生成器で生成されたエアロゾルを前記ステージに保持された被成膜体に対して噴射するエアロゾル噴射ノズルとを内部に配設した減圧槽とを、備えているものである。
【0019】
また、本発明の成膜体の製造方法は、前記成膜装置を用いて行われる、前記エアロゾル生成器にてエアロゾルを生成するステップと、前記エアロゾルを減圧槽内に導入するステップと、前記減圧槽内に導入されたエアロゾルを該減圧槽内に設けられたエアロゾル噴射ノズルから該減圧槽内に配置された被成膜体に対して噴射するステップとを含んでいるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以下に示すような効果を奏する。
【0021】
本発明によれば、生成容器内に堆積している材料粒子の粉体中へ高速のガスが間欠噴射されることにより、材料粒子の凝集体の解砕及び材料粒子の粉体の撹拌が効率的に行われる。この材料粒子の凝集体の解砕及び材料粒子の粉体の撹拌により、材料粒子の粉体の適切な流動性が維持されて凝集体の発生が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複説明を省略する。本発明に係るエアロゾル生成器は、材料粒子をキャリアガスに分散させてエアロゾルを生成するためのものであり、エアロゾルデポジション法(以下、「AD法」と記載する)により成膜を行うための成膜装置に備えられている。
【0023】
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1について説明する。
【0024】
[エアロゾル生成器31の構成]
まず、エアロゾル生成器31の構成について、図1〜図5を用いて説明する。図1は実施の形態1に係る成膜装置の全体的な構成を示す図、図2は実施の形態1に係るエアロゾル生成器の側面図、図3はノズルブロックの図2におけるIII−III線の端面断面図、図4は実施の形態1に係る噴射ノズルと該噴射ノズルに接続されたガス配管の概略構成を示す図、図5は生成容器内への噴射ガス流量の時間変化を示す図である。
【0025】
図1及び図2に示すように、エアロゾル生成器31は、材料粒子を含む粉体(以下、「材料粉体」という)が収容される円筒状の生成容器57と、生成容器57内に堆積している材料粉体内に噴射する高速のガス(以下、「噴射ガス」という)を供給する噴射ガス供給機構40と、生成容器57内に堆積している材料粉体を流動させるガス(以下、「流動ガス」という)を供給する流動ガス供給機構37とを備えている。なお、噴射ガスと流動ガスは共に、材料粒子が分散してエアロゾルのキャリアガスとなる。
【0026】
材料粒子は、AD法による成膜プロセスに使用可能な材料であり且つAD法による成膜プロセスに使用可能な粒子径(例えば、数百nm〜数十μm)の粒子である。このような材料粒子として、例えば、圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やアルミナなどの無機粉末を用いることができる。また、噴射ガスと流動ガスは、AD法による成膜プロセスに用いられるエアロゾルのキャリアガスとして使用可能な気体であり、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの不活性ガスや、或いは、空気、酸素ガス、窒素ガスなど用いることができる。
【0027】
生成容器57には、その内部空間を上下に2つの室に仕切るように多孔板52が設けられている。この多孔板52は、例えば、微小孔が多数設けられたパンチングメタルや微細な網目を設けたメッシュ板などの、流動ガスは通過するが材料粒子は通過しない程度の大きさの微小孔が設けられた板状又はシート状の部材である。
【0028】
生成容器57の内部空間のうち、多孔板52で仕切られた上方の空間は、材料粒子をキャリアガスに分散させたエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成室55として機能する。エアロゾル生成室55の天面、即ち、生成容器57の天面には、後述する成膜装置30の成膜チャンバ62内へエアロゾルを供給するエアロゾル供給管32が接続されている。エアロゾル生成室55の底面は多孔板52で形成され、材料粉体は多孔板52上に堆積した状態でエアロゾル生成室55に収容されている。
【0029】
さらに、エアロゾル生成室55には、噴射ガスを噴出する噴出口45a,45a,,,が設けられており、この噴出口45a,45a,,,は、エアロゾル生成室55内に堆積している材料粉体の中に開口している。本実施の形態において、噴出口45aは、噴射ノズル45の先端に設けられた開口である。
【0030】
一方、多孔板52で仕切られた下方の空間は生成容器57へ流動ガスを導入するための流動ガス導入室56として機能する。流動ガス導入室56内に供給された流動ガスは、流動ガス導入室56から多孔板52の微小孔を通って、生成容器57の底部に堆積している材料粉体の中に噴き出す。このようにして流動ガス導入室56からエアロゾル生成室55に流入する流動ガスは、生成容器57の底部に堆積している材料粉体を恰も流体の如く流動できる状態にさせる。このように流体の如く流動できる材料粉体の堆積層は、「流動層54」と呼ばれている。
【0031】
また、流動ガス導入室56からエアロゾル生成室55に流入する流動ガスは、エアロゾル生成室55の底部に堆積している材料粉体中の材料粒子を噴き上げる。そして、流動ガスはエアロゾル生成室55において噴き上がった材料粒子を運ぶキャリアガスとなり、このようにしてキャリアガス中に材料粒子が浮遊したエアロゾルが生成される。
【0032】
流動ガス供給機構37は、流動ガス供給源35と、流動ガス供給源35から生成容器57へのガス供給路を形成する流動ガス供給管34と、流動ガス供給管34に設けられて生成容器57への流動ガスの供給量を調整する流量制御器36とを備えている。流動ガス供給管34の一端は、生成容器57の流動ガス導入室56と連通する壁面に接続されている。かかる構成により、流動ガス供給源35から流動ガス供給管34を介して流動ガス導入室56へ、流量調整された流動ガスが供給される。
【0033】
また、噴射ガス供給機構40は、噴射ガス供給源42と、噴射ガス供給源42から噴射ノズル45へ噴射ガスを送るガス供給路を形成する噴射ガス供給管43及び噴射ガス導入管46と、噴射ガス供給管43と噴射ガス導入管46との間に設けられて各噴出口45a,45a,,,への噴射ガス供給量を調整する流量制御器41とを備えている。なお、本実施の形態において、噴射ガス供給源42は流動ガス供給源35とは別に設けているが、これらは1つのガス供給源であってもよい。
【0034】
図2及び図3に示すように、複数の噴射ノズル45,45,,,は、1つのノズルブロック44に形成されている。ノズルブロック44は、生成容器57に一体的に設けられた円筒状体であって、ノズルブロック44の周壁の内面44aは生成容器57のエアロゾル生成室55の内壁の一部分を形成している。このノズルブロック44の周壁の厚み内に6個の噴射ノズル45,45,,,が形成されて、同じく周壁の内面44aに噴射ノズル45,45,,,の噴出口45a,45a,,,が現れている。ここで、ノズルブロック44の周壁の内面44aは生成容器57の内壁面でもあるから、複数の噴出口45a,45a,,,は生成容器57の内壁面に設けられていることとなる。このように、噴出口45aを生成容器57の内壁面に設ける構成とすれば、噴射ノズル45が材料粉体の流れの障害物とならないので、材料粉体の流動層の適切な流動が維持する上で好ましい。
【0035】
これら複数の噴出口45a,45a,,,は、平面視において、生成容器57(ここではノズルブロック44)の内周の周方向に離れて配置されている。このとき、複数の噴出口45a,45a,,,は、平面視において、生成容器57の内周の略中心を円心Oとして等角度間隔(つまり、周方向に等間隔)であることが望ましい。そして、各噴出口45aからの噴射ガスの噴出方向は、生成容器57の内周の動径方向に対して同じ角度で時計回りの方向に傾いて、生成容器57の内周の略中心を円心Oとする円周方向成分を有している。
【0036】
各噴出口45aには、間欠的に噴射ガスが供給されて、各噴出口45aからは高速で噴射ガスが間欠噴出する。そして、複数の噴出口45a,45a,,,は、噴射ガスが噴出する位相によって複数の組に分けられている。1つの組には、1つの噴出口又は同一位相で噴射ガスが噴出する複数の噴出口が含まれている。そして、相互に異なる組に属する噴出口同士では異なる位相で噴射ガスが噴出するように、噴射ガス供給機構40にて各噴出口へ噴射ガスが供給されている。この場合、複数の組のあいだで噴出期間が重複せず且つ何れの組の噴出期間でもない期間が生じないようにすることが望ましい。さらに、複数の組の何れも、その組に属する噴出口から噴射する噴射ガスの総流量が略同一となるようにすることが望ましい。
【0037】
本実施の形態では、6個の噴出口45a,45a,,,は、噴射ガスが噴出する位相によって第一組と第二組との2組に3個ずつ分けられている。図4に示すように、第一組に属する噴出口45a,45a,45aは、何れも第二組に属する噴出口45a,45a,45aに隣接しており、換言すれば、第一組に属する噴出口45aと第二組に属する噴出口45aとが生成容器57の周方向に交互に配置されている。
【0038】
そして、図5に示すように、第一組に属する噴出口45a,45a,45aからの噴射と、第二組に属する噴出口45a,45a,45aからの噴射とを、交互に連続して行うとともに、第一組と第二組とで各組に属する噴出口からの噴射ガスの総流量が略同一となるように、噴射ガス供給機構40により各噴出口45aへ噴射ガスが供給されている。このように各噴出口45aへの噴射ガスの供給量が調整されることで、第一組に属する噴出口45a,45a,45aからの噴射ガスの噴出と第二組に属する噴出口45a,45a,45aからの噴射ガスの噴出とが交互に行われても、生成容器57内に供給される噴射ガスの流量は略一定となり、生成容器57内の圧力変動を抑制できる。そして、生成容器57内の圧力変動を抑制することにより、成膜チャンバ62へ供給されるエアロゾルの濃度や圧力の脈動を抑制できるので、安定した成膜速度で成膜を行うことができる。なお、図5の場合は、第一組に属する噴出口45a,45a,45aからの噴射と第二組に属する噴出口45a,45a,45aからの噴射は、全く重複しないようになっているが、一部を重複させてもよい。例えば、図5のように流量の変化が略矩形状ではなくサインカーブのように変化する場合は、2つの組の流量が互いに最大流量でないときに重複し、一方の組が最大流量のときには他方の組からは噴射が行われないようにするとよい。
【0039】
上記のように各噴出口45aへの噴射ガスの供給量を調整できる噴射ガス供給機構40の構成は、例えば、以下の通りである。
【0040】
各噴射ノズル45の導入口はノズルブロック44の外周面に現れていて、この噴射ノズル45の導入口には噴射ガス導入管46が接続されている。第一組に属する噴出口45a,45a,45aに接続されている噴射ガス導入管46,46,46は、1本の第一組噴射ガス導入管48が3本に分岐したものであり、該第一組噴射ガス導入管48は流量制御器41に接続されている。一方、第二組に属する噴出口45a,45a,45aに接続されている噴射ガス導入管46,46,46は、1本の第二組噴射ガス導入管49が3本に分岐したものであり、該第二組噴射ガス導入管49は流量制御器41に接続されている。
【0041】
流量制御器41は、噴射ガス供給源42から噴射ガス供給管43を介して送られてくる噴射ガスの流路切替手段且つ流量調整手段として機能するものである。流量制御器41は後述する制御装置65により動作が制御されており、該制御装置65は、エアロゾル生成器31の停止時は、第一組噴射ガス導入管48及び第二組噴射ガス導入管49の何れにも噴射ガスが送られない状態となるように流量制御器41を動作させる。一方、制御装置65は、エアロゾル生成器31の運転時は、第一組噴射ガス導入管48のみに噴射ガスが送られる状態と第二組噴射ガス導入管49のみに噴射ガスが送られる状態とを交互に切り替えるように流量制御器41を動作させる。このような流量制御器41として、例えば、ロータリバルブを用いることができる。
【0042】
上記構成のエアロゾル生成器31において、流量制御器41により、第一組噴射ガス導入管48のみに噴射ガスが送られる状態と第二組噴射ガス導入管49のみに噴射ガスが送られる状態とが交互に切り替えられると、第一組に属する噴出口45a,45a,45aからの高速の噴射ガスの噴出と、第二組に属する噴出口45a,45a,45aからの高速の噴射ガスの噴出とが、例えば、図5に示すようなタイミングで交互に繰り返される。
【0043】
上述のように、噴出口45aから高速の噴射ガスが材料粉体の流動層54内に噴出することにより、材料粒子の凝集体同士の衝突、材料粒子同士の衝突、又は材料粒子の凝集体と材料粒子との衝突によって、材料粒子の凝集体の解砕や、材料粒子の破砕(つまり、材料粒子のその破片への粉砕)がなされる。噴射ガスの噴射圧を適切に弱めると、材料粒子の凝集体の解砕を行うことができる。また、噴射ガスの噴射圧を適切に強めると、材料粒子の凝集体の解砕及び材料粒子の破砕の両方を行うことができる。さらに、流動層54内に噴射された噴射ガスによって、流動層54が撹拌される。これにより、材料粒子の凝集を抑制することができる。
【0044】
そして、各噴出口45aから噴射ガスを間欠噴射することで、同一噴射ガス流量の噴射ガスを連続噴射するときと比較して、噴射ガスの最大流速を大きくすることができる。さらに、生成容器57内の同一箇所にある材料粉体に対して噴射ガスの噴射圧がパルス的に変化するので、噴出口45aからガスを噴射する間に噴出口45a近傍にガスの流れに沿ったトンネル状の空洞が生じたとしても、ガスを停止する間では材料粉体の自重によってその空洞は壊れやすくなる。したがって、従来のように空洞の周囲に材料粉体の凝集体がたまることは起こりにくくなり、より少ない噴射ガス流量でより効果的な解砕、粉砕及び撹拌を行うことができる。
【0045】
このような噴射ガスによる材料粒子の凝集体の解砕効果、材料粒子の破砕効果、及び流動層54の撹拌効果によって、エアロゾル生成器31によりエアロゾルを長期間に亘って安定的に生成することができる。換言すれば、エアロゾル中の材料粒子の濃度を長期間に亘って一定化することが可能となる。
【0046】
[成膜装置30の構成]
次に、上記エアロゾル生成器31を備えた成膜装置30の構成について説明する。
【0047】
図1に示すように、成膜装置30は、エアロゾル生成器31と、エアロゾル生成器31で生成したエアロゾルを被成膜体60に向けて噴射するエアロゾル噴射ノズル33と、エアロゾル噴射ノズル33と被成膜体60とを内部に配置した成膜チャンバ62と、成膜装置30の制御を行う制御装置65とを備えている。
【0048】
成膜チャンバ62には、被成膜体60を取り付けるためのステージ61と、このステージ61の下方に設けられたエアロゾル噴射ノズル33と、エアロゾル噴射ノズル33に対するステージ61の相対位置を変化させるステージ駆動機構67とが備えられている。また、この成膜チャンバ62には粉体回収装置63を介して真空ポンプ64が接続されており、この真空ポンプ64による強制排気によって成膜チャンバ62の内部を減圧することができる。つまり、成膜チャンバ62は減圧槽として構成されている。
【0049】
制御装置65は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートおよび通信ポートとを備えている。
【0050】
制御装置65には、エアロゾル生成器31及び成膜チャンバ62に設けられた圧力検出手段(何れも図示略)からの圧力検出信号などが入出力ポートを介して入力される。そして、制御装置65は、CPUでROMに格納された所定のプログラムを実行するとともに、これらの入力信号を受けて、流量制御器41への制御信号、流量制御器36への制御信号、ステージ駆動機構67への駆動信号、真空ポンプ64への駆動信号などを入出力ポートを介して出力することにより、成膜装置30の制御を行う。
【0051】
[成膜体の製造方法]
ここで、上記構成の成膜装置30を用いた成膜体の製造方法を説明する。図6は成膜装置を用いた成膜体の製造の流れ図である。
【0052】
予め、成膜チャンバ62のステージ61に被成膜体60を取り付け、該成膜チャンバ62を密閉しておく。この状態で、まず、エアロゾル生成器31でエアロゾルを発生させる。ここで制御装置65は、所定流量の流動ガスを生成容器57の流動ガス導入室56内に供給するように、流量制御器36を動作させる(ステップS01)。
【0053】
流動ガス導入室56内に供給された流動ガスは、流動ガス導入室56から多孔板52の微小孔を通って、生成容器57のエアロゾル生成室55の底部に堆積している材料粉体の中に噴き出す。これにより、エアロゾル生成室55内の材料粒子が噴き上がり、材料粒子が流動ガス中に分散されてエアロゾル化される。また、多孔板52を通じてエアロゾル生成室55に噴き出す流動ガスにより、生成容器57のエアロゾル生成室55の底部に堆積している材料粉体が流動層54を形成する。
【0054】
ステップS01と同時に又は僅かに遅れて、制御装置65は、所定流量の噴射ガスを第一組噴射ガス導入管48と第二組噴射ガス導入管49とに交互に供給するように流量制御器41を動作させる(ステップS02)。ここで、流量制御器41がロータリバルブである場合には、このロータリバルブを運転させることで所定時間毎に第一組噴射ガス導入管48と第二組噴射ガス導入管49とに噴射ガスの供給先が交互に切り替えられる。但し、流量制御器41はロータリバルブに限定されるものではなく、第一組噴射ガス導入管48と第二組噴射ガス導入管49とのそれぞれに弁体を設けて、制御装置65はこれらの弁体の開放と閉止を交互に繰り返すように制御する構成とすることもできる。
【0055】
このように、第一組噴射ガス導入管48と第二組噴射ガス導入管49とに交互に噴射ガスが供給されることにより、第一組に属する噴出口45a,45a,45aからの噴射ガスの噴出と、第二組に属する噴出口45a,45a,45aからの噴射ガスの噴出とが、交互に連続して行われる。このようにしてエアロゾル生成室55内の材料粉体の中に噴出した高速の噴射ガスにより、材料粒子の凝集体が解砕され、材料粒子が破砕され、また、堆積している材料粉体(流動層54)が撹拌されて流動する。
【0056】
続いて、制御装置65は、成膜チャンバ62内を所定圧力まで減圧させるように、真空ポンプ64を動作させる(ステップS03)。これにより、エアロゾル生成器31内と成膜チャンバ62内との間に差圧が生じ、この差圧によりエアロゾル生成器31のエアロゾルがエアロゾル供給管32を通じて高速気流により加速されつつエアロゾル噴射ノズル33から噴出する。このようにして、エアロゾルに含まれる材料粒子は、エアロゾル噴射ノズル33から被成膜体60に向けて噴射され、該被成膜体60に高速で衝突して堆積する。さらに、制御装置65は、エアロゾル噴射ノズル33から被成膜体60へのエアロゾルの噴射を継続しつつ、エアロゾル噴射ノズル33に対するステージ61の相対位置を適宜変化させるようにステージ駆動機構67を動作させる(ステップS04)。これにより、被成膜体60上の所望範囲に亘って材料粒子の成分から成る膜が形成される。
【0057】
上述のように、成膜中のエアロゾル生成器31では、流動ガス及び噴射ガスが共に供給されており、噴射ガスによる材料粒子の凝集体の解砕効果、材料粒子の破砕効果、及び流動層54の撹拌効果によって、エアロゾルが長期間に亘って安定的に生成されている。よって、エアロゾル噴射ノズル33から被成膜体60に向けて噴射されるエアロゾル中の材料粒子の濃度は長期間に亘って略一定となって安定した成膜条件で成膜を行うことができる。これにより、被成膜体60上に生成される膜の膜厚が均一となり、さらに、成膜時間の略一定となって、安定した成膜を行うことができる。
【0058】
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2について、図7及び図8を用いて説明する。図7は実施の形態2に係るエアロゾル生成器の側面図、図8は実施の形態2に係るエアロゾル生成器の平面断面図である。図7及び図8に示すように、実施の形態2に係る成膜装置30及びエアロゾル生成器31は、エアロゾル生成器31に設けられたノズル及びその噴出口を除いて、実施の形態1に記載したものと同一の構造である。よって、以下ではエアロゾル生成器31のノズル及びその噴出口について詳細に説明し、実施の形態1と重複することとなる他の説明を適宜省略する。
【0059】
エアロゾル生成器31は、その本体に相当する円筒状の生成容器57と、生成容器57内に堆積している材料粉体の中にエアや窒素ガスなどの気体を吹き込む噴出口45aに噴射ガスを供給する噴射ガス供給機構40と、生成容器57に流動ガスを供給する流動ガス供給機構37とを備えている。
【0060】
生成容器57には、その内部空間を上下に2つの室に仕切るように多孔板52が設けられている。生成容器57の内部空間のうち、多孔板52で仕切られた上方の空間は、材料粒子を流動ガスに分散させたエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成室55として機能する。エアロゾル生成室55の天面、即ち、生成容器57の天面には、後述する成膜装置30の成膜チャンバ62内へエアロゾルを供給するエアロゾル供給管32が接続されている。エアロゾル生成室55の底面は多孔板52で形成され、材料粉体は多孔板52上に堆積した状態でエアロゾル生成室55に収容されている。さらに、生成容器57の天面には2本の噴射ノズル51,51が挿設されており、これらの噴射ノズル51,51の下端部に開口している噴出口51a,51aは、多孔板52上に堆積している材料粉体の中に位置している。
【0061】
一方、多孔板52で仕切られた下方の空間は生成容器57へ流動ガスを導入するための流動ガス導入室56として機能する。流動ガス供給機構37により流動ガス導入室56内に供給された流動ガスは、流動ガス導入室56から多孔板52の微小孔を通って、生成容器57の底部に堆積している材料粒子の中に噴き出す。これにより、材料粒子が噴き上がって流動ガス中に浮遊し、エアロゾル化される。
【0062】
噴射ガス供給機構40は、噴射ガス供給源42と、噴射ガス供給源42から噴射ノズル51,51へ噴射ガスを送るガス供給路を形成している噴射ガス供給管43と、噴射ガス供給管43と噴射ノズル51,51との間に設けられた流量制御器41とを、備えている。
【0063】
流量制御器41は制御装置65の制御を受けて動作し、噴射ガス供給源42から噴射ガス供給管43を介して送られてくる噴射ガスの流路切替手段且つ流量調整手段として機能するものである。流量制御器41により、2つの噴射ノズル51,51の何れにも噴射ガスが送られない状態と、一方の噴射ノズル51のみに噴射ガスが送られる状態と、他方の噴射ノズル51のみに噴射ガスが送られる状態とを切り替えることができる。
【0064】
2つの噴射ノズル51,51の2つの噴出口51a,51aは、平面視において、生成容器57の内周の周方向に離れて、生成容器57の内周の円心Oを中心として等角度間隔に配置されている。そして、各噴出口51aからの噴射ガスの噴出方向は、生成容器57の内周の円心Oを中心とする円周方向成分を有している。
【0065】
各噴出口51aには、噴射ガス供給機構40により間欠的に噴射ガスが供給され、噴出口51aから高速の噴射ガスが生成容器57に堆積している材料粉体中に間欠噴射される。ここで、2つの噴出口51a,51aは、相互に異なる位相で噴射ガスが噴出し、噴出期間が重複せず且つ何れからの噴出期間でもない期間が生じないように、噴射ガス供給機構40から噴射ガスが供給される。つまり、制御装置65は、エアロゾル生成器31の停止時は、2つの噴射ノズル51,51の何れにも噴射ガスが送られないように流量制御器41を動作させ、エアロゾル生成器31の運転時は、一方の噴射ノズル51のみに噴射ガスが送られる状態と他方の噴射ノズル51のみに噴射ガスが送られる状態とを交互に切り替えるように流量制御器41を動作させる。このようにして、図5に示すように、一方(第一組)の噴出口からの噴射ガスの噴射と、他方(第二組)の噴出口からの噴射ガスの噴射とが、交互に連続して行われる。
【0066】
上記構成により、本実施の形態に係るエアロゾル生成器31においても、実施の形態1に記載したエアロゾル生成器31と同様に、生成容器57内に堆積している材料粉体中へ高速の噴射ガスが間欠噴射されることにより、材料粒子の凝集体の解砕及び材料粒子の粉体の撹拌が効率的に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、エアロゾルデポジション法で成膜体を製造する際に用いる流動層式のエアロゾル生成器に適用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態1に係る成膜装置の全体的な構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るエアロゾル生成器の側面図である。
【図3】ノズルブロックの図2におけるIII−III線の端面断面図である。
【図4】実施の形態1に係る噴射ノズルと該噴射ノズルに接続されたガス配管の概略構成を示す図である。
【図5】生成容器内への噴射ガス流量の時間変化を示す図である。
【図6】成膜装置を用いた成膜体の製造の流れ図である。
【図7】実施の形態2に係るエアロゾル生成器の側面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII矢視断面図である。
【符号の説明】
【0069】
30 成膜装置
31 エアロゾル生成器
32 エアロゾル供給管
33 エアロゾル噴射ノズル
34 流動ガス供給管
35 流動ガス供給源
37 流動ガス供給機構
40 噴射ガス供給機構
41 流量制御器
42 噴射ガス供給源
43 噴射ガス供給管
44 ノズルブロック
45 噴射ノズル
45a 噴出口
46 噴射ガス導入管
51 噴射ノズル
51a 噴出口
52 多孔板
54 流動層
55 エアロゾル生成室
56 流動ガス導入室
57 生成容器
60 被成膜体
61 ステージ
62 成膜チャンバ
63 粉体回収装置
64 真空ポンプ
65 制御装置
67 ステージ駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料粒子をキャリアガスに分散させることによりエアロゾルを生成するエアロゾル生成器であって、
材料粒子の粉体が収容される生成容器と、
前記生成容器内に収容されて堆積している材料粒子の粉体の中に、前記生成容器の内周の略中心を円心とする円周方向成分を有する方向に向けてガスを噴出する一又は複数の噴出口と、
前記噴出口に間欠的にガスを供給する第一ガス供給機構とを、
備えているエアロゾル生成器。
【請求項2】
前記噴出口は複数であって、これら複数の噴出口を一の噴出口又は複数の噴出口で構成される複数の組に組分けし、
前記第一ガス供給機構は、同一の組に属する噴出口から同一位相でガスを噴出し且つ相互に異なる組に属する噴出口同士から異なる位相でガスを噴出するように、各噴出口へガスを供給するように構成されている、
請求項1に記載のエアロゾル生成器。
【請求項3】
前記第一ガス供給機構は、前記複数の組のあいだで噴出期間の少なくとも一部が重複せず且つ何れの組の噴出期間でもない期間が生じないように、各噴出口へガスを供給するように構成されている、
請求項2に記載のエアロゾル生成器。
【請求項4】
前記第一ガス供給機構は、前記複数の組の何れも、その組に属する噴出口から噴出するガスの総流量が略同一となるように、各噴出口へガスを供給するように構成されている、
請求項2又は請求項3に記載のエアロゾル生成器。
【請求項5】
前記噴出口は噴射ノズルの先端に設けられた開口であって、
前記第一ガス供給機構は、ガス供給源と、前記ガス供給源から前記噴射ノズルへガスを送るガス供給路と、前記ガス供給路上に設けられて各噴射口へのガス供給量を調整する流量制御器とを備えている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成器。
【請求項6】
前記噴出口は複数であって、これら複数の噴出口は、前記生成容器の内周の周方向に離れて配置されている、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成器。
【請求項7】
前記複数の噴出口は、前記生成容器の内周の周方向に等角度間隔に離れて配置されている、
請求項6に記載のエアロゾル生成器。
【請求項8】
前記噴出口は、前記生成容器の内壁面に設けられている、
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成器。
【請求項9】
前記生成容器は、
前記材料粒子の粉体を収容するエアロゾル生成室と該エアロゾル生成室の下方に位置する流動ガス導入室とに、前記生成容器内を上下に仕切る多孔板と、
前記流動ガス導入室にガスを供給する第二ガス供給機構とを備えている、
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成器。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成器を用いて、材料粒子をキャリアガスに分散させることによりエアロゾルを生成するエアロゾル生成方法であって、
前記生成容器に材料粒子の粉体を収容するステップと、
前記噴出口からガスを間欠的に噴出するステップとを、
含むエアロゾル生成方法。
【請求項11】
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成器と、
被成膜体を保持するステージと、前記エアロゾル生成器で生成されたエアロゾルを前記ステージに保持された被成膜体に対して噴射するエアロゾル噴射ノズルとを内部に配設した減圧槽とを、
備えている成膜装置。
【請求項12】
請求項11に記載の成膜装置を用いて、
前記エアロゾル生成器にてエアロゾルを生成するステップと、
前記エアロゾルを減圧槽内に導入するステップと、
前記減圧槽内に導入されたエアロゾルを該減圧槽内に設けられたエアロゾル噴射ノズルから該減圧槽内に配置された被成膜体に対して噴射するステップとを、
含む成膜体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−179843(P2009−179843A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19097(P2008−19097)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】