説明

エレクトロルミネッセンス用有機金属化合物およびこれを使用した有機エレクトロルミネッセント装置

【課題】本発明の目的は、従来技術の問題を克服し、従来の有機母材と比較して、非常に優れたエレクトロルミネッセント特性および物理特性を示すリガンド金属錯体の骨格を有するエレクトロルミネッセント化合物を提供することである。本発明のもう一つ別の目的は、こうして調製されたエレクトロルミネッセント化合物を母材として含むエレクトロルミネッセント装置を提供することである。
【解決手段】本発明は、化学式(1)LM(Q)により表されるエレクトロルミネッセント化合物およびこれを母材として含むエレクトロルミネッセント装置に関する。本発明によるエレクトロルミネッセント化合物は、OLEDの母材として使用される場合、作動電圧を顕著に低下させ、電力効率を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた導電率および高い効率を有するルミネッセンス特性を示す金属錯体を含むエレクトロルミネッセント化合物、および母材としてこれを含むエレクトロルミネッセント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OLEDにおける発光効率を決定する最も重要な要素は、エレクトロルミネッセント物質の種類である。蛍光物質は今日までエレクトロルミネッセント物質として広く使用されてきたが、燐光性物質の開発は、エレクトロルミネッセントメカニズムを考えると、発光効率を理論的に最高4倍まで改善する最良の方法の一つである。
【0003】
現在まで、それぞれ赤、緑および青色のものとして(acac)IR(btp)、Ir(ppy)およびFirpicを包含するイリジウム(III)錯体が燐光性物質として広く知られている。特に、多くの燐光性物質が最近、日本、ヨーロッパおよびアメリカにおいて発明されている。
【0004】
【化1】

【0005】
燐光性発光物質の母材として、CBPが今日まで最も広く知られており、高性能のOLEDであって、ホールブロック層(例えば、BCPおよびBAlq)が適用されるものも知られている。Pioneer(日本)などは、BAlq誘導体を母材として使用する高性能のOLEDを報告している。
【0006】
【化2】

【0007】
従来技術における物質は発光特性を考慮すると有利であるが、これらはガラス転移温度が低く、熱安定性が非常に悪いので、真空中での高温蒸着中に変化する傾向がある。有機エレクトロルミネッセント装置(OLED)において、電力効率=(n/電圧)×電流効率と定義される。従って、電力効率は電圧に反比例し、OLEDの電力消費量を低くするために、電力効率は、より高くなければならない。実際、燐光性エレクトロルミネッセント(EL)物質を用いるOLEDは、蛍光EL物質を用いるOLEDよりも有意に高い電流効率(cd/A)を示す。しかしながら、通常の物質、例えば、BAlqおよびCBPを燐光性EL物質の母材として使用する場合、蛍光物質を用いるOLEDと比較して高い作動電圧のために、電力効率(lm/w)の点で顕著な利点を得ることができない。
【0008】
本発明者らは、通常の有機母材もしくはアルミニウム錯体よりもはるかに良好なEL特性および物理特性を有する、混合型リガンド金属錯体の骨格を含む下記に示す構造のEL化合物を発明し;韓国特許出願番号2006−7467として出願した。
【0009】
【化3】

【0010】
この種類の通常の錯体は、1990年代の中頃から、EL物質、例えば、青色EL物質としてすでに幅広く研究されてきた。しかしながら、これらの物質はEL物質として単に適用されるだけで、燐光性EL物質の母材として適用される例はほとんど知られていない。
【0011】
その一方で、日本国特許公開番号2002−305083は、チアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゼン環が水素以外の置換基で置換されていない、以下に示す化合物に関して、装置効率を測定している。異なる置換基を有する化合物についての開示はない。化合物Bは100cd/mで2.6lm/Wの電力効率、5.3cd/Aの発光効率および6.5Vの作動電圧を提供することが知られているが、リガンド上に他の置換基を有する場合は記載されていない。
【0012】
【化4】

【0013】
本発明に従って、従来の物質と比較して、優れた物質安定性、良好な導電率および高性能EL特性を示す金属錯体物質が開発された。芳香族環中もしくは側鎖置換基において含まれる不対電子対を有するヘテロ原子は、金属と配位する傾向が高い。非常に安定な電気化学特性を有するこのような配位結合は、錯体の広く知られている特性である。このような特性により、本発明は様々なリガンドを開発し、金属錯体を調製し、これを母材として適用した。
【特許文献1】韓国特許第100684109号明細書
【特許文献2】特開2002−305083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、前記の従来技術の問題を克服し、従来の有機母材と比較して、非常に優れたエレクトロルミネッセント特性および物理特性を示すリガンド金属錯体の骨格を有するエレクトロルミネッセント化合物を提供することである。本発明のもう一つ別の目的は、こうして調製されたエレクトロルミネッセント化合物を母材として含むエレクトロルミネッセント装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、本発明は、化学式(1)により表されるエレクトロルミネッセント化合物およびこれを母材として含むエレクトロルミネッセント装置に関する。
化学式1
M(Q)
式中、リガンドLは以下に示す構造を有する:
【0016】
【化5】

【0017】
Mは二価もしくは三価金属を表し;
Mが二価金属である場合、mは0であり、Mが三価金属である場合、mは1であり;
Qは(C6−C60)アリールオキシもしくはトリ(C6−C30)アリールシリルを表し、Qのアリールオキシもしくはトリアリールシリルは、直鎖もしくは分岐(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールによりさらに置換されていてもよく;
XがOを表す場合、環Aは下記の構造から選択され:
【0018】
【化6】

【0019】
XがSを表す場合、環Aは下記の構造から選択され:
【0020】
【化7】

【0021】
からRは独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、(C3−C60)シクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリルもしくはトリ(C6−C30)アリールシリルを表すか、または(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンにより隣接する置換基と結合して縮合環を形成してもよく;
11からR17は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、シアノもしくはハロゲンを表すか、またはR13からR16は(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンにより隣接する置換基と結合して縮合環を形成してもよく;
21からR39は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、シアノまたはハロゲンを表し;
からRのアルキル、アリールもしくはヘテロアリール、または隣接する置換基との(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンによる結合により、これから形成される縮合環は、(C1−C60)アルキル、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、シアノおよびハロゲンから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよく;
11からR16およびR21からR39のアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、ハロゲン、(C6−C60)アリール、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリルおよびシアノから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい)。
【0022】
リガンドLは下記の構造から選択することができる:
【0023】
【化8】

【0024】
【化9】

【0025】
式中、R、R、RおよびRは化学式1において定義されたとおりであり;
11からR16は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C6−C30)アリールアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;
17は(C1−C60)アルキル、フェニルもしくはナフチルを表し;
21およびR22は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C6−C30)アリールアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;
23は(C1−C60)アルキル、フェニルもしくはナフチルを表し;
24からR39は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C6−C30)アリールアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;
40からR43は、独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C6−C30)アリールアミノもしくはハロゲンを表し;並びに、
11からR17、R21からR39およびR40からR43のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニルもしくはフラニルは、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、フェニル、ナフチル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい。
【0026】
リガンドLは好ましくは下記の構造から選択される:
【0027】
【化10】

【0028】
式中、RからRは独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、クロロ、フルオロ、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニル、チオフェニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノもしくはジフェニルアミノを表すが、R、R、RおよびRが全て同時に水素を表す場合を除く;
11およびR12は独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、ナフチルもしくはフルオレニルを表し;
13からR16は独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、ナフチルもしくはフルオレニルを表し;
17は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フェニルもしくはナフチルを表し;
21およびR22は独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ、ジフェニルアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;
25およびR26は独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ、ジフェニルアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;並びに、
、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R21、R22、R25およびR26のフェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニルおよびチオフェニルは、フルオロ、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニル、ナフチル、フルオレニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびジフェニルアミノから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい。
【0029】
化学式(1)において、MはBe、Zn、Mg、CuおよびNiからなる群から選択される二価金属、もしくはAl、Ga、InおよびBからなる群から選択される三価金属であり、およびQは下記の構造から選択される:
【0030】
【化11】

【0031】
化学式(1)により表される化合物は、これに限定されないが、下記の化合物により具体的に例示される:
【0032】
【化12】

【0033】
【化13】

【0034】
【化14】

【0035】
式中、MはBe、Zn、Mg、CuおよびNiから選択される二価金属、もしくはAl、Ga、InおよびBから選択される三価金属であり;Qは化学式(1)において定義されるとおりであり;Mが二価金属である場合、mは0であり、Mが三価金属である場合、mは1であり;
からRは独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、トリフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アンスリル、フルオレニル、ピリジル、キノリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノもしくはジフェニルアミノを表し;
11からR17およびR21からR39は独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、トリフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノもしくはジフェニルアミノを表し;
40からR43は独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、トリフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノもしくはジフェニルアミノを表し;並びに、
からR、R11からR17、R21からR39およびR40からR43のフェニル、ビフェニル、ナフチル、アンスリル、フルオレニル、ピリジル、キノリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリルもしくはベンゾオキサゾリルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、フルオロ、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、トリフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびジフェニルアミノから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい。
【0036】
本発明によるエレクトロルミネッセント化合物は、表1から3において記載される化合物により具体的に例示することができるが、これに限定されるわけではない。表1および3において記載される化合物は、Mが二価金属である化合物であり、表2において記載されるものは、Mが三価金属である化合物である。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【0042】
【表6】

【0043】
【表7】

【0044】
【表8】

【0045】
【表9】

【0046】
【表10】

【0047】
【表11】

【0048】
【表12】

【0049】
【表13】

【0050】
【表14】

【0051】
【表15】

【0052】
【表16】

【0053】
【表17】

【0054】
【表18】

【0055】
【表19】

【0056】
【表20】

【0057】
【表21】

【0058】
【表22】

【0059】
【表23】

【0060】
【表24】

【0061】
【表25】

【0062】
【表26】

【0063】
【表27】

【0064】
【表28】

【0065】
【表29】

【0066】
【表30】

【0067】
【表31】

【0068】
【表32】

【0069】
【表33】

【0070】
【表34】

【0071】
【表35】

【0072】
【表36】

【0073】
【表37】

【0074】
【表38】

【0075】
【表39】

【0076】
【表40】

【0077】
【表41】

【0078】
【表42】

【0079】
【表43】

【0080】
【表44】

【0081】
【表45】

【0082】
【表46】

【0083】
【表47】

【0084】
【表48】

【0085】
【表49】

【0086】
【表50】

【0087】
【表51】

【0088】
【表52】

【0089】
【表53】

【0090】
【表54】

【0091】
さらに、本発明は、化学式(1)により表される1以上のエレクトロルミネッセント化合物を含むことにより特徴づけられる有機太陽電池を提供する。
【0092】
さらに、本発明は、エレクトロルミネッセント装置であって、第一電極;第二電極;および前記第一電極および前記第二電極間に挿入された少なくとも1つの有機層からなり;前記有機層が化学式(1)により表される1以上の化合物を含むエレクトロルミネッセント装置を提供する。
【0093】
本発明によるエレクトロルミネッセント装置は、有機層がエレクトロルミネッセント層を含み、前記エレクトロルミネッセント層がエレクトロルミネッセント母材として、2から30重量%の量で化学式(1)により表される1以上の化合物、および1以上のエレクトロルミネッセントドーパントを含むことを特徴とする。本発明によるエレクトロルミネッセント装置に適用されるエレクトロルミネッセントドーパントは特に限定されないが、化学式(2)により表される化合物により例示することができる:
化学式2

式中、Mは、周期律表の7、8、9、10、11、13、14、15および16族の金族からなる群から選択され、好ましくは、Ir、Pt、Pd、Rh、Re、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、AuおよびAgから選択され;および、
リガンドL、LおよびLは独立して、下記の構造から選択される:
【0094】
【化15】

【0095】
【化16】

【0096】
式中、R61およびR62は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、フェニルもしくはハロゲンを表し;
63からR79は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、フェニル、トリ(C1−C30)アルキルシリルもしくはハロゲンを表し;
80からR83は独立して、水素、(C1−C60)アルキルもしくはフェニルを表し;
84は(C1−C60)アルキル、フェニルもしくはハロゲンを表し;および、
61からR84のアルキルもしくはフェニルは(C1−C60)アルキルもしくはハロゲンによりさらに置換されていてもよい。

【0097】
化学式(2)により表される化合物は、下記の構造の1つを有する化合物により具体的に例示することができるが、これに限定されるわけではない。
【0098】
【化17】

【0099】
【化18】

【0100】
エレクトロルミネッセント層とは、発光が起こる層を意味する。前記層は、1つの層であってもよいし、もしくは2以上の層を積み重ねることにより形成される複数の層であってもよい。ホストドーパントの混合物が本発明の構成に従って用いられる場合、本発明のエレクトロルミネッセントホストにより発光効率において顕著な改善が確認できる。これは、ホールもしくは電子の優れた伝導性、および物質の非常に良好な安定性をもたらし、他の母材と比較して、装置の寿命、ならびに発光効率の改善をもたらす。
【0101】
本発明によるエレクトロルミネッセント装置は、化学式(1)により表される有機エレクトロルミネッセント化合物、ならびにアリールアミン化合物もしくはスチリルアミン化合物からなる群から選択される1以上の化合物も同様に含み得る。アリールアミン化合物もしくはスチリルアリールアミン化合物の例としては、化学式(3)により表される化合物が挙げられるが、これに限定されるわけではない:
【0102】
【化19】

【0103】
式中、ArおよびArは独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アリールアミノ、(C1−C60)アルキルアミノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、または(C3−C60)シクロアルキルを表すか、またはAr1およびArは、(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレン(縮合環の有無を問わない)により結合して、脂環式環、または単環もしくは多環式芳香族環を形成してもよく;ArおよびArのアリール、ヘテロアリール、アリールアミノもしくはヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよく;
Arは、(C6−C60)アリール、(C5−C60)ヘテロアリールもしくは(C6−C60)アリールアミノを表し;Arのアリール、ヘテロアリールもしくはアリールアミノは、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよく;
gは1から4の整数である。
【0104】
さらに詳細には、アリールアミン化合物もしくはスチリルアリールアミン化合物は、下記の化合物により例示され得るが、これに限定されるわけではない。
【0105】
【化20】

【0106】
【化21】

【0107】
さらに、本発明によるエレクトロルミネッセント装置において、エレクトロルミネッセント層は、1族、2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタニド金属およびd遷移元素の、有機金属からなる群から選択される1以上の金属を、化学式(1)により表される有機エレクトロルミネッセント化合物に加えて、さらに含んでもよい。有機層は、EL層に加えて、電荷発生層も含むことができる。
【0108】
独立した発光モードのピクセル構造を有するエレクトロルミネッセント装置であって、サブピクセルとして化学式(1)により表されるEL化合物を含む有機エレクトロルミネッセント装置と、アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含む1以上のサブピクセルとが、同時に並行してパターン化されているエレクトロルミネッセント装置を具体化することができ。
【0109】
さらに、エレクトロルミネッセント層は、同時に、560nm以下の波長でエレクトロルミネッセントピークを有する有機化合物もしくは有機金属化合物を含むことができる。この化合物は、化学式(4)から(9)の1つにより表されるものにより例示されるが、これに限定されるわけではない。
【0110】
【化22】

【0111】
化学式(4)において、Ar10およびAr20は独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)へテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはAr10およびAr20は、(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレン(縮合環の有無を問わない)により隣接する置換基と結合して、脂環式環、または単環もしくは多環式芳香族環を形成してもよく;
Ar10およびAr20のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレン(縮合環の有無を問わない)による隣接する置換基との結合によりこれから形成される縮合環は、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよく;
Ar30は、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレンもしくは下記の構造を有するアリーレンを表し:
【0112】
【化23】

【0113】
(式中、Ar40は(C6−C60)アリーレンもしくは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表す);
Ar30およびAr40のアリーレン、ヘテロアリーレンおよびアリールアミノは、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)へテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよく;
hは1から4の整数であり;
iは1から4の整数であり;並びに、
jは0もしくは1の整数である。
【0114】
【化24】

【0115】
化学式(5)において、R501からR504は独立して、水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR501からR504は、(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレン(縮合環の有無を問わない)により隣接する置換基に結合して、脂環式環、または単環式または多環式芳香族環を形成してもよく;
501からR504のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレン(縮合環の有無を問わない)による隣接する置換基との結合により、これから形成される縮合環は、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、OもしくはSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい。
【0116】
【化25】

【0117】
化学式(7)および(8)において、R101およびR102は、独立して、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキルを表し、R101およびR102のアリールもしくはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C1−C60)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよく;R103からR106は、水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルもしくは(C6−C60)アリールを表し、R103からR106のヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールは、(C1−C60)アルキル(ハロゲン置換基を有するかもしくは有さない)、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい。
【0118】
【化26】

【0119】
化学式(9)において、BおよびDは独立して、化学結合か、または(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C5−C60)へテロアリールおよびハロゲンから選択される1以上の置換基を有するか、もしくは有さない(C6−C60)アリーレンを表し;
Ar100およびAr300は独立して、下記の構造から選択されるアリール、もしくは(C4−C60)ヘテロアリールを表し、Ar100およびAr300のアリールもしくはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリールおよび(C4−C60)ヘテロアリールから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよく:
【0120】
【化27】

【0121】
(式中、R311、R312、R313およびR314は独立して、水素、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表すか、または(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレン(縮合環の有無を問わない)により隣接する置換基と結合して、脂環式環、または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができる);
Ar200は、(C6−C60)アリーレンもしくは(C4−C60)ヘテロアリーレン、好ましくはフェニレン、ナフチレン、アンスリレン、フルオレニレン、フェナンスリレン、テトラセニレン、ナフタセニレン、クリセニレン、ペンタセニレン、ピレニレン、ヘテロアリーレンまたは下記の構造により表される化学基を表し、Ar200のアリーレンもしくはヘテロアリーレンは、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)へテロアリールおよびハロゲンから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい;
【0122】
【化28】

【0123】
式中、R321、R322、R323およびR324は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールもしくはハロゲンを表すか、または(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレン(縮合環の有無を問わない)により隣接する置換基により結合して、脂環式環、または単環式もしくは多環式芳香族環を形成してもよい。
【0124】
560nm以下の波長を有するELピークを有する有機化合物もしくは有機金属化合物は、下記の化合物により具体的に例示することができるが、これに限定されるわけではない。
【0125】
【化29】

【0126】
【化30】

【0127】
【化31】

【0128】
【化32】

【0129】
【化33】

【0130】
【化34】

【0131】
【化35】

【0132】
【化36】

【0133】
【化37】

【0134】
【化38】

【0135】
【化39】

【0136】
本発明によるエレクトロルミネッセント装置において、電極対の少なくとも一面の内面上でカルコゲニド層、ハロゲン化金属層および金属酸化物層から選択される1以上の層(以下、「表面層」と称する)と置き換えることが好ましい。特に、EL媒体層のアノード表面上にケイ素および金属アルミニウム(酸化物を含む)のカルコゲニド層、またEL媒体層のカソード表面上にハロゲン化金属層もしくは金属酸化物層を配置することが好ましい。その結果、作動における安定性を得ることができる。
【0137】
カルコゲニドの例としては、好ましくは、SO(1≦X≦2)、AlO(11≦X≦1.5)、SiON、SiAlONなどが挙げられる。ハロゲン化金属の例としては、好ましくは、LiF、MgF、CaF、フッ素化ランタニドなどが挙げられる。金属酸化物の例としては、好ましくは、CsO、LiO、MgO、SrO、BaO、CaOなどが挙げられる。
【0138】
本発明による有機エレクトロルミネッセント装置において、このようにして製造された電極対の少なくとも1つの面上に電子伝達化合物および還元ドーパントの混合領域、または酸化ドーパントを有するホール輸送化合物の混合領域を配列することも好ましい。従って、電子伝達化合物を還元してアニオンにして、混合領域からEL媒体への電子の導入および輸送が促進される。加えて、ホール輸送化合物は酸化されてカチオンを形成するので、混合領域からEL媒体へのホールの導入および輸送が促進される。好ましい酸化ドーパントとしては様々なルイス酸およびアクセプター化合物が挙げられる。好ましい還元ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属、およびその混合物が挙げられる。
【0139】
発明の効果
本発明によるエレクトロルミネッセント化合物は、OLEDにおいて燐光性物質の母材として用いられる場合、作動電圧を著しく低下させ、電流効率を増大させて、電力効率においてかなりの向上をもたらすことができる。
【0140】
本発明を本発明の新規エレクトロルミネッセント化合物、その調製法、およびこれを用いる装置の発光特性に関して、本発明を説明するために提供され、本発明の範囲をなんら制限することを意図しない実施例および調製例を参照してさらに説明する。
【実施例】
【0141】
調製例1
化合物(1)の調製
【0142】
【化40】

【0143】
化合物(510)の調製
ジメチルエチレングリコール(200mL)およびエタノール(100mL)中に、5−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(20.0g、99.5ミリモル)、フェニルボロン酸(13.4g、109.5ミリモル)、テトラキスパラジウム(0)トリフェニルホスフィン(Pd(PPh)(5.8g、5.0ミリモル)を溶解させた。水性2M炭酸カリウム溶液(132mL)をこれに添加した後、得られた混合物を還流下、90℃で4時間撹拌した。反応が完了したときに、水(100mL)を反応混合物に添加して、反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(200mL)で抽出し、減圧下で乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:MC=1:5)により精製して、化合物(501)(12.0g、61.0ミリモル)を得た。
【0144】
化合物(502)の調製
1,4−ジオキサン(12mL)中に、2−アミノベンゼンチオール(3.8g、30.2ミリモル)および化合物(501)(5.0g、25.2ミリモル)を溶解させ、溶液を圧力下、100℃で12時間攪拌した。反応が完了したときに、反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(100mL)および水(100mL)で抽出し、減圧下で乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:MC=3:1)により精製して、化合物(502)(4.5g、4.8ミリモル)を得た。
【0145】
化合物(1)の調製
エタノール(100mL)中、化合物(502)(4.5g、14.8ミリモル)および水酸化ナトリウム(0.6g、14.8ミリモル)を溶解させた。溶液を30分間攪拌した後、Zn(CHCOO)・2HO(1.8g、8.2ミリモル)をこれにゆっくりと添加した。次に、混合物を12時間室温で攪拌した。反応が完了したときに、反応混合物を水(200mL)、エタノール(200mL)およびヘキサン(200mL)で連続して洗浄し、減圧下で乾燥させて、標記化合物(1)(4.5g、6.7ミリモル、45%)を得た。
【0146】
調製例2
化合物(160)の調製
【0147】
【化41】

【0148】
化合物(503)の調製
ジメチレングリコール(600mL)中に、5−ヨードインドール−2,3−ジオン(10.0g、36.6ミリモル)およびフェニルボロン酸(5.4g、43.9ミリモル)を溶解させ、テトラキスパラジウム(0)トリフェニルホスフィン(Pd(PPh)(2.1g、1.8ミリモル)および水性2M炭酸水素ナトリウム溶液(120m)をこれに添加した。得られた混合物を還流下、12時間攪拌した。反応が完了したときに、溶媒を除去した。残留物に、水性5%水酸化ナトリウム溶液(120mL)を添加し、混合物を室温で攪拌した。水性溶液をジクロロメタンで抽出した。水性部分を混合し、水性30%過酸化水素(120ml)をこれに添加した。得られた混合物を50℃に温め、30分間攪拌した。室温に冷却後、水性1N塩酸溶液を水性溶液にゆっくりと添加して、pH4に調節した。生成した固体を濾過し、減圧下で乾燥させて、化合物(503)(5.5g、26.0ミリモル)を得た。
【0149】
化合物(504)の調製
化合物(503)(7.1g、33.3ミリモル)を水(18mL)および濃塩酸(7mL)中に溶解させ、溶液を室温で攪拌した。10分後、温度を0℃に下げ、水(10mL)中に溶解させた硝酸ナトリウム(NaNO3)(2.3g、33.3ミリモル)をゆっくりと添加した。次に、温度を0℃に維持しつつ、混合物を攪拌した。別の反応容器中に、硫化ナトリウム9水和物(NaS・9HO)(9.6g、39.9ミリモル)および硫黄(1.3g、39.9ミリモル)を水(10mL)中に溶解させ、水性10M水酸化ナトリウム溶液(4mL)を溶液に添加した。得られた混合物を反応混合物に0℃で添加し、室温に温め、気体がそれ以上発生しなくなるまで攪拌した。反応が完了したときに、濃塩酸を添加すると、固体が生成し、これを次に減圧下での濾過により集めた。得られた固体を水性炭酸水素ナトリウム(NaHCO)溶液(85mL)に添加し、混合物を還流下、20分間攪拌した。室温に冷却した後、溶解しない固体(不純物)を除去し、濃塩酸を水性溶液に添加すると、再び固体が形成された。減圧下での濾過により得られた固体を次にエタノール(30mL)に添加し、混合物を還流下、20分間攪拌した。溶解しない固体(不純物)を除去し、濾液を濃縮した。亜鉛(2.2g、33.3ミリモル)および氷酢酸(30mL)を添加し、混合物を還流下、48時間攪拌した。反応が完了したときに、反応混合物を室温に冷却し、生成した固体を集め、水性5M水酸化ナトリウム溶液(63mL)に添加した。混合物を還流下で30分間攪拌した後、溶解しない固体(不純物)を除去し、濃塩酸を少量ずつ水性溶液に添加して、溶液を酸性化した。生成した固体を次に集め、エタノール(20mL)に添加し、混合物を還流下で30分間攪拌した。溶解しない固体(不純物)を除去し、濾液を濃縮して、化合物(504)(1.8g、7.6ミリモル)を得た。
【0150】
化合物(505)の調製
反応容器において、化合物(504)(5.0g、21.7ミリモル)、2−アミノベンゼンチオール(2.1mL、19.5ミリモル)およびポリリン酸(20g)を還流下、140℃で24時間攪拌した。反応が完了したときに、混合物を室温に冷却し、飽和水性水酸化ナトリウム溶液をゆっくりと添加することにより、pHを中性になるように調節した。生成した固体を減圧下で濾過して、固体を得た。こうして得られた固体をエタノールで洗浄し、濾過して、化合物(505)(5.4g、17.1ミリモル)を得た。
【0151】
化合物(160)の調製
エタノール(100mL)中に、化合物(505)(5.0g、15.6ミリモル)および水酸化ナトリウム(0.6g、15.6ミリモル)を溶解させ、溶液を30分間攪拌した。溶液にZn(CHCOO)・2HO(1.9g、8.7ミリモル)をゆっくりと添加し、混合物を12時間攪拌した。反応混合物を次に水(200mL)、エタノール(200mL)およびヘキサン(200mL)で連続して洗浄し、減圧下で乾燥させて、標記化合物(160)(7.1g、10.1ミリモル、65%)を得た。
【0152】
調製例3
化合物(319)の調製
化合物(502)(4.5g、14.8ミリモル)およびアルミニウムイソプロポキシド(3.0g、14.8ミリモル)をクロロホルム(50mL)/イソプロピルアルコール(150mL)中に溶解させ、溶液を60℃で3時間攪拌した。溶液が透明になったら、4−フェニルフェノール(3.0g、17.8ミリモル)をこれに添加し、混合物を還流下、80℃で3時間攪拌した。化合物(502)(4.5g、14.8ミリモル)をさらにこれに添加し、得られた混合物を還流下、12時間攪拌した。反応が完了したときに、反応混合物を室温に冷却し、生成した固体を減圧下で濾過し、固体を次にイソプロピルアルコール(500mL)、メタノール(300mL)およびエチルエーテル(250mL)で連続して洗浄して、標記化合物(319)(3.8g、7.6ミリモル、51%)を得た。
【0153】
調製例1から3と同じ手順に従って、化合物(1)から(408)を調製し、そのH NMRおよびMS/FABを表4に示す。
【0154】
【表55】

【0155】
【表56】

【0156】
【表57】

【0157】
【表58】

【0158】
【表59】

【0159】
【表60】

【0160】
実施例1〜23
本発明によるEL化合物を用いたOLEDの製造
母材として本発明によるEL化合物を用いることにより、OLED装置を製造した。OLEDの横断面図を図1に示す。
【0161】
まず、OLED(Samsung Corningにより製造)のガラスから得られる透明電極ITO薄膜(15Ω/□)(2)をトリクロロエチレン、アセトン、エタノールおよび蒸留水を連続して用いた超音波洗浄に付し、使用するまでイソプロパノール中に保存した。
【0162】
次に、ITO基体を真空蒸着装置の基体フォルダー中に取り付け、4,4',4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を真空蒸着装置のセル中に入れ、これを次にチャンバー中、最高10−6torrまで通気した。セルに電流を加えて、2−TNATAを蒸発させ、これにより、ITO基体上に60nmの厚さを有するホール導入層(3)の蒸着が得られた。
【0163】
【化42】

【0164】
次に、真空蒸着装置の別のセルに、N,N'−ビス(α−ナフチル)−N,N'−ジフェニル−4,4'−ジアミン(NPB)を添加し、電流をセルに加えてNPBを蒸発させ、これにより、ホール導入層(4)上に20nmの厚さのホール輸送層の蒸着を得た。
【0165】
【化43】

【0166】
真空蒸着装置の1つのセル中に、10−6torr下での真空昇華により精製された本発明による化合物(例えば、化合物1)を、母材として添加し、ELドーパント(例えば、(pip)Ir(acac))を別のセルに添加した。2つの物質を異なる速度で蒸発させて、4から10モル%の濃度でドーピングを行い、ホール輸送層上に30nmの厚さのエレクトロルミネッセント層(5)を蒸着させた。
【0167】
【化44】

【0168】
次に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)を電子伝達層(6)として20nmの厚さで蒸着し、リチウムキノレート(Liq)を電子導入層(7)として1から2nmの厚さで蒸着した。その後、Al陰極(8)を150nmの厚さで、別の真空蒸着装置を用いることにより蒸着して、OLEDを製造した。
【0169】
【化45】

【0170】
比較例1
通常のEL物質を用いたOLED装置の製造
OLED装置を実施例1と同じ手順に従って製造した。ただし、用いた真空蒸着装置の別のセルに、ビス(2−メチル−8−キノリネート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)(BAlq)を本発明のEL化合物のかわりにEL母材として添加した。
【0171】
【化46】

【0172】
実験例1
製造されたOLED装置の特性の評価。
本発明によるEL化合物を含む実施例1〜23のOLEDおよび通常のEL化合物を含む比較例1において製造されたOLEDの作動電圧および電力効率を1000cd/mで測定し、結果を表5に示す。
【0173】
本発明により開発されたEL化合物のエレクトロルミネッセント特性を示す下記表5から、本発明により開発されたEL化合物は通常のEL物質よりも性能の点でより優れた特性を示すことが確認される。
【0174】
【表61】

【0175】
【表62】

【0176】
表5から、本発明により開発された錯体のエレクトロルミネッセント特性は、従来の物質よりも良好であることが確認される。
【0177】
特に、1以上の置換基、例えば、メチル、フェニルおよびナフチルをリガンドLに組み入れると、優れた電流特性を有するOLEDが得られ、従来のEL物質を採用した比較例1のものと比較して、作動電圧が少なくとも1V低下した。その優れたEL特性のために、本発明による化合物は、比較例1の装置と比較して少なくとも1.6倍高い電力効率を有する装置も提供した。X=Oである場合だけでなく、X=Sである場合も、本発明による装置は、従来の物質を用いる装置と比較して少なくとも1V低い電圧で作動し、少なくとも1.3lm/W高い電力効率を示した。
【0178】
特に、実施例6において、装置は、比較例1による装置と比較して、2.6V低い電圧で作動し;実施例3において、装置は1000cd/mで5.1Vの作動電圧および4.8lm/Wの電力効率を示した。
【0179】
従って、本発明によるエレクトロルミネッセント化合物を母材として用いる装置は、優れたエレクトロルミネッセント特性、および低下した作動電圧を示し、電力効率を0.8〜2.2lm/W増加させ、これにより電力消費を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】OLEDの横断面図である。
【符号の説明】
【0181】
1:ガラス
2:透明電極
3:ホール導入層
4:ホール輸送層
5:エレクトロルミネッセント層
6:電子伝達層
7:電子導入層
8:Alカソード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(1)により表されるエレクトロルミネッセント化合物:
化学式1
M(Q)
(式中、リガンドLは以下に示す構造を有し;
【化1】

Mは二価もしくは三価金属を表し;
Mが二価金属である場合、mは0であり、Mが三価金属である場合、mは1であり;
Qは(C6−C60)アリールオキシもしくはトリ(C6−C30)アリールシリルを表し、Qのアリールオキシもしくはトリアリールシリルは直鎖もしくは分岐(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールによりさらに置換されていてもよく;
XがOを表す場合、環Aは下記の構造から選択され:
【化2】

XがSを表す場合、環Aは下記の構造から選択され:
【化3】

からRは独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、(C3−C60)シクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリルもしくはトリ(C6−C30)アリールシリルを表すか、または(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンにより隣接する置換基と結合して縮合環を形成してもよく;
11からR17は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、シアノもしくはハロゲンを表すか、またはR13からR16は(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンにより隣接する置換基と結合して縮合環を形成してもよく;
21からR39は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、シアノまたはハロゲンを表し;
からRのアルキル、アリールもしくはヘテロアリール、または隣接する置換基との(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンによる結合により、これから形成される縮合環は、(C1−C60)アルキル、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、シアノおよびハロゲンから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよく;
11からR17およびR21からR39のアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、ハロゲン、(C6−C60)アリール、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリルおよびシアノから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい。)。
【請求項2】
リガンドLが下記の構造から選択される請求項1記載のエレクトロルミネッセント化合物:
【化4】

【化5】

(式中、R、R、RおよびRは化学式1において定義されたとおりであり;
11からR16は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C6−C30)アリールアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;
17は(C1−C60)アルキル、フェニルもしくはナフチルを表し;
21およびR22は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C6−C30)アリールアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;
23は(C1−C60)アルキル、フェニルもしくはナフチルを表し;
24からR39は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C6−C30)アリールアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;
40からR43は、独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲンにより置換された(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C6−C30)アリールアミノもしくはハロゲンを表し;
11からR17、R21からR39およびR40からR43のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニルもしくはフラニルは、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、フェニル、ナフチル、フルオレニル、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキルアミノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい。)。
【請求項3】
リガンドLが、下記の構造から選択される請求項2記載のエレクトロルミネッセント化合物:
【化6】

(式中、
からRは独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、クロロ、フルオロ、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニル、チオフェニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノもしくはジフェニルアミノを表し(R、R、RおよびRが全て同時に水素を表す場合を除く);
11およびR12は独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、ナフチルもしくはフルオレニルを表し;
13からR16は独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、ナフチルもしくはフルオレニルを表し;
17は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フェニルもしくはナフチルを表し;
21およびR22は独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ、ジフェニルアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;
25およびR26は独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ、ジフェニルアミノ、チオフェニルもしくはフラニルを表し;並びに、
、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R21、R22、R25およびR26のフェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニルおよびチオフェニルは、フルオロ、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニル、ナフチル、フルオレニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびジフェニルアミノから選択される1以上の置換基によりさらに置換されていてもよい。)。
【請求項4】
MがBe、Zn、Mg、CuおよびNiからなる群から選択される二価金属、もしくはAl、Ga、InおよびBからなる群から選択される三価金属である請求項1記載のエレクトロルミネッセント化合物。
【請求項5】
Qが下記の構造から選択される請求項1記載のエレクトロルミネッセント化合物。
【化7】

【請求項6】
下記の化合物から選択される請求項1記載のエレクトロルミネッセント化合物。
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載のエレクトロルミネッセント化合物を含むエレクトロルミネッセント装置。
【請求項8】
前記エレクトロルミネッセント化合物がエレクトロルミネッセント層の母材として用いられる請求項7記載のエレクトロルミネッセント装置。
【請求項9】
第一電極;
第二電極;および
前記第一電極および前記第二電極の間に挿入された少なくとも1つの有機層からなり;
前記有機層が請求項1から6のいずれか1項記載の1以上のエレクトロルミネッセント化合物を含むエレクトロルミネッセント装置。
【請求項10】
有機層がエレクトロルミネッセント領域を含み、および前記エレクトロルミネッセント領域が請求項1から6記載の1以上のエレクトロルミネッセント化合物および1以上のエレクトロルミネッセントドーパントを含む、請求項9記載のエレクトロルミネッセント装置。
【請求項11】
前記エレクトロルミネッセントドーパントが化学式(2)により表される化合物である請求項10記載のエレクトロルミネッセント装置:
化学式2

式中、Mは、周期律表の7、8、9、10、11、13、14、15および16族の金属からなる群から選択され、およびリガンドL、LおよびLは独立して、下記の構造から選択される:
【化16】

(式中、R61およびR62は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、フェニルもしくはハロゲンを表し;
63からR79は独立して、水素、(C1−C60)アルキル、フェニル、トリ(C1−C30)アルキルシリルもしくはハロゲンを表し;
80からR83は独立して、水素、(C1−C60)アルキルもしくはフェニルを表し;
84は(C1−C60)アルキル、フェニルもしくはハロゲンを表し;並びに、
61からR84のアルキルもしくはフェニルは(C1−C60)アルキルもしくはハロゲンによりさらに置換されていてもよい。)。
【請求項12】
前記エレクトロルミネッセントドーパントが下記の化合物から選択される請求項11記載のエレクトロルミネッセント装置。
【化17】

【化18】

【請求項13】
有機層が、アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含む請求項9記載のエレクトロルミネッセント装置。
【請求項14】
有機層が、1族、2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタニド金属およびd遷移元素の有機金属からなる群から選択される1以上の金属を含む請求項9記載のエレクトロルミネッセント装置。
【請求項15】
独立した発光モードのピクセル構造を有する請求項9記載のエレクトロルミネッセント装置であって、サブピクセルとしてエレクトロルミネッセント層を含むエレクトロルミネッセント装置と、アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1以上の金属化合物を含む1以上のサブピクセルとが、同時に平行してパターン化されている、エレクトロルミネッセント装置。
【請求項16】
エレクトロルミネッセント層において、同時に、560nm以下の波長でエレクトロルミネッセントピークを有する有機化合物もしくは有機金属化合物を含む、請求項9記載のエレクトロルミネッセント装置。
【請求項17】
有機層がエレクトロルミネッセント層に加えて電荷発生層も含む請求項9記載のエレクトロルミネッセント装置。
【請求項18】
カルコゲニド層、ハロゲン化金属層および金属酸化物層から選択される1以上の層が、電極対の一方もしくは双方の電極の内面上に設置されている、請求項9記載のエレクトロルミネッセント装置。
【請求項19】
還元ドーパントおよび有機物質の混合領域、または酸化ドーパントおよび有機物質の混合領域が、電極対の一方もしくは双方の電極の内面上に設置されている、請求項9記載のエレクトロルミネッセント装置。
【請求項20】
請求項1から6のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセント化合物を含む有機太陽電池。

【図1】
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【公開番号】特開2009−102307(P2009−102307A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−228337(P2008−228337)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(508223435)グラセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (53)
【Fターム(参考)】