説明

オイル供給装置

【課題】比較的簡単かつ低コストで構成されながらも、所望のオイル品質を供給するオイル供給装置を提供する。
【解決手段】潤滑オイルが供給可能とされた潤滑箇所と油圧機器用オイルが供給可能とされた油圧ユニット11,12とを有し、潤滑オイルならびに油圧機器用オイルに共通のオイルタンク5が設けられ、該オイルタンクから出る供給導管6が分岐点13で潤滑オイル分岐管6aと油圧機器用オイル分岐管6bとに分岐されているとともに、供給導管6の途中に配置されていて、分岐点13の上流に設けられたフィルタ装置26だけを専ら有し、該フィルタ装置には、油圧機器用オイルに要求される品質に合わせられた異なるメッシュ幅を持つ複数のフィルタユニット28,29が設けられているオイル供給装置によって簡単でコンパクトな構成が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として大型ディーゼルエンジンとして形成された、特にピストンエンジンといったエンジンのためのオイル供給装置であって、該エンジンは、潤滑オイルが供給可能とされた潤滑箇所と油圧機器用オイルが供給可能とされた油圧ユニットとを有し、潤滑オイルならびに油圧機器用オイルに対して共通のオイル溜が設けられ、このオイル溜に対応させて共通のオイルタンクが設けられ、該オイルタンクから延びる供給導管が分岐点で潤滑オイルのために設けられた分岐管と油圧機器用オイルのために設けられた分岐管とに分岐されているとともに、全てのリークオイルおよび/またはリターンオイルが少なくとも1つの還送導管によってオイルタンクに還送可能とされ、供給導管の途中に配置されていて、分岐点の上流側に設けられたフィルタ装置を有しているフィルタ設備が設けられてなるオイル供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許第19619843号公報より、この種のオイル供給装置が知られている。この文献に記載された構成によると、フィルタ設備は、2つのフィルタ装置を有し、それらのうちの1つは、供給導管の油圧機器用オイル分岐管の途中で分岐点の上流に設けられ、もう一つは、分岐点の下流に設けられている。このような構成は、非常にコストが嵩むものになるのは明らかである。というのも、フィルタ装置は、それぞれ主フィルタおよび補助フィルタといった2つの完全なフィルタセットを備えていると同時に、その都度所望のフィルタセットを作動させて、その都度他のフィルタセットを停止状態に置くためのバイパス設備をも備えていなければならないからである。
【特許文献1】特開平10−274126号公報
【特許文献2】特開平09−032527号公報
【特許文献3】実開昭60−024319号公報
【特許文献4】特開平10−159526号公報
【特許文献5】特開平09−013929号公報
【特許文献6】実開昭51−007774号公報
【特許文献7】国際公開第00/18488号パンフレット
【特許文献8】特開平09−192419号公報
【特許文献9】特開平11−247641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の点に鑑み、本発明の課題は、上記のようなオイル供給装置であって、比較的簡単かつ低コストで構成されながらも、所望のオイル品質を供給するオイル供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題は、本発明により、フィルタ設備が、供給導管の途中に配置されて分岐点の上流に設けられたフィルタ装置のみを専ら有していて、油圧機器用オイルに要求される品質に適した異なるメッシュ幅を持つ複数のフィルタユニットを有していることによって解決される。
【0005】
本発明によるフィルタ設備には、フィルタ装置が1つしか設けられないので、従来2つ目のフィルタ設備を設けるために必要とされたコストの全てが好ましくも要らなくなる。フィルタ装置には、所望の油圧機器用オイル品質に適合した、異なるメッシュ幅を有する複数のフィルタユニットが配設されているので、このようなフィルタによって濾過されたオイルは、使用される油圧ユニットになんとか負担がかからないような純度を保っている。従って、油圧機器用オイル分岐管に独自に設けられるフィルタ装置が当然のことながら不要となるので、すでに述べた通り、このフィルタ装置に関連して必要となる全ての経費も好ましくも不要となる。本発明によるフィルタ装置を貫流するオイル体積流は、本発明によるフィルタ装置の下流において初めて潤滑オイル分岐管と油圧機器用オイル分岐管に分岐するので、潤滑オイルは、好適に油圧機器用オイルと同一の品質を有し、それによって潤滑作用に有利な効果が及ぼされる。本発明によるフィルタ装置は、異なるメッシュ幅を持つ複数のフィルタユニットを有しているので、本発明によるフィルタ装置を用いると、濾し落とされる汚物粒子の全体量が多くなるだけでなく、比較的小さな汚物粒子を必要な量濾し落とすことも可能となる。このときオイルの純度は、始動段階と比較して保持されるだけでなく向上させられる場合が多い。
【0006】
主請求項に記載の解決手段の好適な構成や目的に適ったさらなる構成は、従属請求項に記載されている。本発明によるフィルタステーションは、好適に複数のフィルタ室を有し、これらのフィルタ室は、それぞれ複数のフィルタユニットを有している。このとき、同一のフィルタ室の全てのフィルタユニットは、それぞれ同一のメッシュ幅を有し、異なるメッシュ幅のフィルタユニットは、異なるフィルタ室に配設されている。このような手段を講じることにより、特に簡単でコンパクトな構成が実現される。その上、このような構成によって周知の設備を、本発明のように再装備することも容易である。そのためには、各々複数のフィルタ室を内部に有する適した数のフィルタバスケットをその都度交換するだけでよい。
【0007】
船舶エンジンとしての2サイクル大型ディーゼルエンジンの場合、実験によって示されたように、良い結果がもたらされるのは、本発明によるフィルタ装置が、細かいフィルタユニットのメッシュ幅が10μ以下、好ましくは10μで、比較的粗いフィルタユニットのメッシュ幅が34μ以下、好ましくは34μとなる場合である。このとき、フィルタ装置を貫流するオイル体積流の3〜15%、好ましくはおよそ10%が小さい方のメッシュ幅に対応するフィルタユニットを貫流し、残りのオイル容積流が比較的粗いメッシュ幅に対応するフィルタユニットを貫流するようにフィルタの大きさを選択するのが好ましい。このようにすると、コンパクトな構成が実現され、良好なオイル品質が得られる。
【0008】
さらなる好適な手段は、本発明によるフィルタ装置の全てのフィルタユニットが、汚物逆流洗浄装置を有した自己浄化する自浄フィルタとして形成されている点である。これによって好適に保守整備の間隔が長くなり、そのためメンテナンスのコストが確実に抑えられる。
【0009】
主請求項に記載された手段をさらに発展させた構成においては、分岐点の下流に設けられた油圧機器用オイル分岐管の入り口領域に、本発明によるフィルタ装置のフィルタユニットの大きい方のメッシュ幅よりもはるかに大きなふるい目の安全用ふるいが設けられる。このような安全用ふるいには濾過作用はないが、システム全体が解体した場合、油圧系統に極端に大きな汚物粒子が入らないようにする働きがある。油圧系統に大きな汚物粒子が入ると再始動の際にトラブルが発生する恐れがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
さらなる有利な構成と主請求項に
記載された解決手段の好ましい発展形態は、残りの従属請求項に記載されており、図面に基づいた以下の実施の形態の説明からより詳しく理解することができる。
【0011】
以下の図は、オイル供給システムが配設された2サイクル大型ディーゼルエンジンを概略的に示すものである。
【0012】
図1に示すピストンエンジン1は、スクリュー2によって示されているように、船舶エンジンとして使用されている2サイクル大型ディーゼルエンジンである。このようなエンジンの基本的な構造と仕組みは自明であるので、本発明との関連ではこれ以上の詳しい説明はしない。
【0013】
本図に示すような大型エンジンは、注油および/または冷却のために潤滑オイルが供給される機構を多く有している。例えば、図には詳しく示されていない潤滑オイル導管によって、多くのベアリングに潤滑オイルが供給される。本実施形態におけるような大型エンジンには、油圧ユニットによって操作することのできる機構も設けられている。例としては、噴射ノズル11や、排気ガス排出弁に配設されたシリンダピストンユニット12が挙げられる。これらの油圧ユニットには、必要な圧力を有する油圧機器用オイルが供給される。
【0014】
潤滑箇所に潤滑オイルを供給し、油圧ユニットに油圧機器用オイルを供給するために、共通のオイル溜を有してなる共通のオイル供給機構が設けられており、このオイル溜から潤滑オイルおよび油圧機器用オイルが取り出される。このために、共通のオイルタンク5が設けられ、このオイルタンクからは、供給導管6が延びており、さらに、このオイルタンクに、還送導管7が通じている。供給導管6は、分岐点13で2つの分岐管に枝分かれする。すなわち幾つもの潤滑箇所に対して設けられた潤滑オイル分岐管6aと、幾つもの油圧ユニットに対して設けられた油圧機器用オイル分岐管6bである。分岐点13に対しては、調節可能な体積流分配機構14が設けられている。
【0015】
潤滑箇所から漏れ出てくるリークオイル、ならびに油圧ユニットから漏れ出てくるリターンオイルは、まだピストンエンジン1の領域にあるうちに一緒にされて、共にオイルタンク5に戻される。潤滑箇所から滴り落ちるリークオイルは、ピストンエンジン1のクランクケースの底部側の部分に形成されるオイルパン4に集められる。油圧ユニットから漏れ出すリターンオイルも、図に示す通りオイルパン4に流れ落ちる。このオイルパンからは、還送導管7が延びている。このようにして、一つの閉じたオイル循環が実現されている。
【0016】
供給導管6には、オイルタンク5から出て行く部分に、ポンプ装置8が設けられている。このポンプ装置は、個別に配設された駆動モータを有しつつ平行に接続された2つの低圧ポンプを有している。これら2つの低圧ポンプは、主ポンプおよび補助ポンプとして機能して交互に稼動される。ポンプによって生成される油圧は、潤滑箇所への潤滑オイルの供給が確実に行われるように設定される。ポンプ装置8の下流には、冷却装置9が設けられている。油圧機器用オイル分岐管6bには、複数の高圧ポンプを有するさらなるポンプ装置15が設けられ、これらの高圧ポンプも主ポンプおよび補助ポンプとして機能し、このポンプ装置の主ポンプは、ピストンエンジン1によって直に駆動可能とされ、補助ポンプには、独自の駆動モータが配設されている。上述したポンプ装置8の低圧ポンプは、ポンプ装置15の高圧ポンプに対して準備ポンプとして機能するので、高圧ポンプの充填が常に確実に行われる。
【0017】
工業用オイルには、異なる大きさの汚物粒子が一定数含まれている。含まれる汚物粒子の数と大きさに依って、例えばISO規格などによって定められた様々な品質の等級がある。図に示す実施の形態で用いられたオイルは、ISO規格4406に対応するものとする。この規格内にも異なる純度の等級があり、例えばISOxx 19/16のように異なるコードによって識別されている。このとき、例えば100mlの試料に少なくとも2μの汚物粒子が250000個から500000個存在し、少なくとも15μの汚物粒子が32000個から64000個存在し得ることになる。このようなオイルは、本実施形態の油圧ユニットに適合し、その上優れた潤滑特性を有している。
【0018】
運転中にこのような純度を保ち、あるいは、さらに良くするために、単位時間あたりに異なる大きさの一定数の粒子をオイルから除去するフィルタ設備が設けられている。フィルタ設備は、供給導管6内の分岐点13の上流にフィルタ装置26を設けるだけで構成
される。これに対して分岐点13の下流に形成された潤滑オイル分岐管6aまたは油圧機器用オイル分岐管6bには、フィルタが設けられていない。ふるい壁などから成る安全ふるい27が油圧機器用オイル分岐管6bの入り口領域だけに設けられ、これによってオイル供給システムが解体した場合に、著しく大きな粒子の油圧機器用オイル分岐管6bへの進入が回避される。
【0019】
フィルタ装置26には、油圧機器用オイルの所望の品質に合わせられた異なる網目を有する複数のフィルタユニット28,29が設けられている。図には、簡略に表示するために、異なる網目に対応するフィルタユニット28,29を2つだけ示すが、実際は、それぞれの網目に対してこのようなフィルタユニットが複数設けられているのが普通である。図に示す実施形態では、フィルタユニット28は、小さい方の網目に対応し、フィルタユニット29は、大きい方の網目に対応している。ここで小さい方の網目は、第1のコード番号によって識別される粒子の大きさに合わせ、大きい方の網目は、第2のコード番号によって識別される粒子の大きさに合わせて選択される。本実施の形態では、小さい方の網目に対応するフィルタユニット28をオイル体積流全体のわずかな部分が貫流し、大きい方の網目に対応するフィルタユニット29をオイル容積流全体の大部分が貫流すればよく、この点は、図面において大きさの比を異ならせることによって表されている。
【0020】
本図に示されるような大型ディーゼルエンジンでは、フィルタユニット28によって表されるフィルタユニットに設けられる小さい方の網目は、10μ以下、好ましくは正確に10μである。フィルタユニット29によって表されるフィルタユニットに設けられる大きい方の網目は、34μ以下、好ましくは正確に34μである。その都度設けられるフィルタユニット28,29は、オイル体積流全体の3〜15%、好ましくは10%が10μ以下の小さい方の網目を有するフィルタユニット28を貫流し、オイル容積流全体の残りが34μ以下の大きい方の網目を有するフィルタユニット29を貫流するように、全体の大きさが選択される。このようなフィルタ装置によって、連続運転中に前記の純度ISOxx 19/16が保たれ、またはさらに改善される。安全ふるい27のふるい穴の大きさは、本図では、34μである大きい方の網目よりはるかに大きく、少なくとも5倍の大きさを有することが好ましい。
【0021】
フィルタ装置26は、複数のフィルタ室を有することが好ましく、各フィルタ室には、本図では符号28,29で示されるフィルタユニットをそれぞれ形成する複数のキャンドルフィルタ(Filterkerzen)を設けることができる。非常にコンパクトな構成を実現するためには、各フィルタ室の全てのキャンドルフィルタが同一のメッシュ幅を有するのが好ましい。それぞれが等しいメッシュ幅を有して設けられたキャンドルフィルタの全体数と大きさは、上記のような所望の貫流比率に適合させなければならない。その場合、大きい方のメッシュ幅に対するよりも小さい方のメッシュ幅に対して、より大きなフィルタ表面を使用しなければならない。
【0022】
小さい方のメッシュ幅を有してなるフィルタユニット28の断面は、好適に星形に形成されているので、比較的少ないフィルタユニットで所望の大きさのフィルタ表面が実現される。それに対して大きい方のメッシュ幅に対応するフィルタユニットの断面は、円形に形成される。図に示す実施の形態では、小さい方のメッシュ幅に対応するフィルタ表面は、およそ33600cm2である。この面積は、断面が星形のフィルタユニット28をそれぞれ7つずつ有する2つのフィルタ室によって実現され、このようにしてコンパクトな構成が実現される。大きい方のメッシュ幅に対応するフィルタ表面は、およそ20577cm2 である。この面積に対しては、円形のフィルタユニット29をそれぞれ19個ずつ有する3つのフィルタ室で足りる。
【0023】
従って想定される実施の形態では、2つと3つ、すなわち合計5つのフィルタ室で間に合うが、フィルタ装置26は、好適に全部で5つ以上、好適に6つのフィルタ室を有している。このとき一つないし複数の余分のフィルタ室のフィルタユニットは、余分なフィルタ室の通常のフィルタ運転の間に洗浄することができる。このような浄化段階は、フィルタ室からフィルタ室へ、およそ1時間の周期で替わる。小さい方のメッシュ幅に対応するフィルタユニット28を洗浄する間、その都度対応するフィルタ室が停止状態に置かれ、これらのフィルタユニットを洗浄する間、大きい方のメッシュ幅に対応するフィルタユニット29を有するフィルタ室が代用される。このような状態は持続的なものではなく、本実施形態ではフィルタ運転時間全体の5分の2といったわずかな間においてのみ行われるだけなので、所望のオイル品質はそれでも保証されている。
【0024】
フィルタ装置26の全てのフィルタユニット28,29は、自己浄化する自浄フィルタとして形成されている。これらのフィルタユニットには、図には詳しく示されていないが、堆積した汚れを濯ぎ戻すことによって浄化するための逆流洗浄装置が配設されている。逆流による洗浄の際に副産物的に発生した油泥は、フィルタ装置26から排出される。フィルタ装置には、そのために汚泥用出口が設けられ、この汚泥用出口に排出導管18が接続される。排出導管の下流には、分離装置30が設けられ、分離装置によって油泥が純粋なオイルと汚物とに分離される。純粋なオイルは、導入用接続パイプによって示されているように、オイルタンク5に導かれる。汚物は、配送導管を介して受容槽23に導かれる。
【0025】
分離装置30は、好ましくは遠心分離器として構成された、上流にポンプが設けられた汚物分離器を有している。ポンプの吸引口は、切り替え装置24によって、一方では、オイルタンク内に突出している吸引接続パイプに接続可能とされ、他方では、排出導管18が合流する貯蔵容器31につながっている吸引接続パイプに接続可能とされている。油泥が十分にある間は、オイルタンク5内に突出している吸引接続パイプが停止状態にあるので、油泥だけが吸引される。排出導管18に対して設けられた貯蔵容器31が空になると、すぐさまオイルが吸引される。このようにして分離装置30のポンプを空運転することが避けられると同時に、分離装置30によってオイルタンク5の内容物が持続的に汚物とオイルとに分離されるために、フィルタ設備の負担が軽減するといったことが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態によるオイル供給システムが配設された2サイクル大型ディーゼルエンジンを概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1・・・ピストンエンジン(エンジン)
11・・・噴射ノズル(油圧ユニット)
12・・・シリンダピストンユニット(油圧ユニット)
5・・・オイルタンク
6・・・供給導管
6a・・・潤滑オイル分岐管(分岐管)
6b・・・油圧機器用オイル分岐管(分岐管)
7・・・還送導管
13・・・分岐点
14・・・体積流分配機構
18・・・排出導管
26・・・フィルタ装置
27・・・安全用ふるい
28,29・・・フィルタユニット
30・・・分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイル流れから所望しない粒子を除去するためのフィルタ装置(26)であって、該フィルタ装置は、
それぞれが少なくとも1つのフィルタユニットを含んだフィルタ室を具備し、それぞれの前記フィルタユニットは、与えられた公称メッシュサイズの、容易に交換可能なキャンドルフィルタを備え、
前記フィルタ室は、前記フィルタ装置への流入口と、ろ過されたオイルを前記フィルタ室から供給するための流出口とを備えた共通ハウジング内に配置され、
稼働中、流入する全てのオイル流れは構築された順序のパターンに従って複数の前記フィルタ室に分配され、ろ過後に、流入するときにほぼ同じ強さの完全にろ過された1つのオイル流れとして流出口を離れるフィルタ装置において、
搭載された前記キャンドルフィルタは少なくとも2つのメッシュサイズを有し、粗い方の公称メッシュサイズは細かい方の公称メッシュサイズよりも少なくとも2.5倍大きく、
1サイクルの稼動時間中、該稼働時間中の全オイル流れのうちの第1の部分は小さい公称サイズの前記キャンドルフィルタのみによってろ過され、且つ全オイル流れのうちの残りの他の部分は粗いメッシュサイズの前記キャンドルフィルタのみによってろ過され、
前記稼働時間と同一の稼働時間中、該稼働時間中の全オイル流れの全体の品質は、一定に処理され、すなわち現実に使用中の他のメッシュサイズの前記キャンドルフィルタによる時間に依存した品質変化に従ってオイル流れが分割されないことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフィルタ室には、1つの公称サイズのフィルタエレメントのみが搭載されていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記フィルタ装置(26)は、前記小さい方のメッシュ幅に対応するフィルタユニット(28)を通過するオイル量が前記大きい方のメッシュ幅に対応するフィルタユニット(29)を通過するオイル量よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
大型ディーゼルエンジンの場合に、前記小さい方のメッシュ幅に対応するフィルタユニット(28)を通過するオイル量が前記フィルタ装置(26)を通過する全オイル量の3〜15%になるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
大型ディーゼルエンジンの場合に、前記小さい方のメッシュ幅に対応するフィルタユニット(28)を通過するオイル量が前記フィルタ装置(26)を通過する全オイル量の10%になるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記フィルタ装置(26)には、浄化の際にたまった油泥を純粋なオイルと汚物に分離するための分離装置(30)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオイル供給装置。
【請求項7】
各フィルタ室の前記フィルタユニット(28または29)の浄化は、フィルタ室からフィルタ室へ、1時間の周期で交替で行われるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記分岐点(13)に、調整可能な体積流分配装置(14)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記油圧機器用オイル分岐管(6b)の入り口領域に前記フィルタ装置(26)のフィルタユニット(29)の大きい方のメッシュ幅に比べてはるかに大きなふるい穴を有する安全用ふるい(27)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記安全用ふるい(27)の前記ふるい穴の大きさは、前記フィルタ装置(26)のフィルタユニット(29)の大きい方のメッシュ幅の少なくとも5倍より大きい大きさであることを特徴とする請求項9に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
前記順序のパターンは前記フィルタ室の自動的な移動を引き起こし、次に別のフィルタ室が分離された逆洗浄回路に接続されル用に作動し、前記回路は洗浄された粒子を含んでいるオイルが逆流する独自の流出口を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
前記逆流したオイルの流出口は、前記フィルタ装置の供給タンクに導入された使用可能となったろ過したオイルのコンポーネント内と、収集および除去タンクに導入された残りの汚物用コンポーネント内と、に流入するオイルを分離する分離装置に導入されていることを特徴とする、請求項11に記載のフィルタ装置。
【請求項13】
既存の前記フィルタ室の共通のハウジング構造を使用し、
先立って使用されたフィルタエレメントを交換可能であって、該フィルタエレメントは、共通構造の前記フィルタ室内に搭載された、別のメッシュサイズの結果として少なくとも2つの異なったメッシュサイズの前記キャンドルフィルタを備えており、
搭載された前記キャンドルフィルタの公称メッシュサイズが少なくとも2.5倍の差となっていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項14】
前記フィルタ室の逆洗浄のサイクルは、約1時間の間隔で行われるように調整された順序のパターンをさらに備えていることを特徴とする、請求項13に記載のフィルタ装置。
【請求項15】
ろ過されるオイルは再循環されたオイルであることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ装置を使用する方法。
【請求項16】
前記ろ過されたオイルは、軸受けの潤滑油および油圧装置の作動油の両方に使用されることを特徴とする、請求項15に記載のフィルタ装置を使用する方法。
【請求項17】
ろ過されたオイルは、大型ディーゼルエンジンの軸受けと油圧装置とに同時に供給されることを特徴とする、請求項16に記載のフィルタ装置を使用する方法。
【請求項18】
前記フィルタ装置を大型ディーゼルエンジン用に改良し、前記フィルタ装置の流出口と再循環される前にろ過されたオイルが使用される位置との間に配置された別の任意のフィルタ設備に置き換えられることを特徴とする、請求項1、10または12に記載のフィルタ装置を使用する方法。
【請求項19】
一部のろ過されたオイル流れが通過する他の任意のふるい装置は、前記フィルタ装置内に搭載された最も粗い公称メッシュサイズよりも少なくとも5倍大きい公称メッシュサイズで形成されていることを特徴とする、請求項18に記載のフィルタ装置を使用する方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−62999(P2009−62999A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312579(P2008−312579)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【分割の表示】特願2002−143736(P2002−143736)の分割
【原出願日】平成14年5月17日(2002.5.17)
【出願人】(597061332)エムエーエヌ・ディーゼル・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・ディーゼル・エスイー・ティスクランド (98)
【Fターム(参考)】