説明

オンダイターミネーションの制御回路およびその制御方法

【課題】 DDR3半導体メモリ装置から導入されるダイナミックターミネーション動作の開始及び終了を制御することのできるオンダイターミネーションの制御回路およびその制御方法を提供すること。
【解決手段】ターミネーション制御回路は、外部クロックをカウントして第1コードを出力し、内部クロックをカウントして第2コードを出力するカウンタ部、および書込み命令に応答して前記第1コードと前記第2コードとを比較して、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルさせ、かつ前記ダイナミックターミネーション動作のイネーブル時点からバースト長によって定められる一定クロックの後にダイナミックターミネーション動作をディセーブルさせるダイナミック制御部120を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンダイターミネーション(ODT:On Die Termination)制御回路およびその制御方法に関し、特に、DDR3半導体メモリ装置に適用されるダイナミックターミネーション(Dynamic ODT)動作を支援するオンダイターミネーションの制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリ装置(DRAM)の容量/速度がますます増加し、DDR SDRAMの登場とともにメモリ装置におけるデータの伝送速度をより一層速く制御するために、様々な新しい概念が追加されている。そのうち、終端(ターミネーション)の抵抗は、素子間の信号伝送を円滑にするために必要である。
【0003】
信号伝送を行う素子間の抵抗が適切に整合(impedance matching)されない場合、伝送される信号が反射され、信号伝送のエラーが発生する可能性が高い。しかし、前記素子の終端に固定抵抗を印加する場合には、集積回路の老化や温度変化または製造の工程上における差によって適切に整合させ難い。このために最近では、外部の基準抵抗と比較して、抵抗値を同一にするために並列接続された複数のトランジスタのうち、ターンオンされるトランジスタの個数を調節することによって、終端抵抗を調整する技術が提示され、使用されている。
【0004】
前記技術により開発された装置のうち1つがオンダイターミネーションの制御回路である。基本的な従来におけるオンダイターミネーションの制御回路(終端装置のイネーブル/ディセーブルを制御する回路)に関しては、大韓民国登録特許10−0625298などを参考にすることができる。
【0005】
JEDECにおいて定められたスペック(spec)に応じて、DDR3 SDRAMからはダイナミックターミネーション動作がサポートされなければならない。ダイナミックターミネーション動作とは、モードレジスタセット(MRS)などを改めて設定しなくても、書込み(write)命令が入力されると、チップ内の終端抵抗の抵抗値がデータの入力時に必要な終端抵抗値を有するよう設定する動作のことを指す。
【0006】
半導体メモリ装置のインターフェースは、データの入力時と出力時とでターミネーション方式(終端方式)および抵抗値が異なる。データの出力時には、入力/出力パッド(DQパッド)をプルアップまたはプルダウンに終端処理して「ハイ」または「ロー」データを出力する。データの入力時には、一定の抵抗値(データの出力時の抵抗値とは異なる)で入力/出力パッドをプルアップまたはプルダウンに終端処理した状態でデータが受信される。ダイナミックターミネーション動作をサポートするDDR3メモリ装置の場合、書込み命令の入力のみでチップ内のオンダイターミネーション回路がデータ入力に適合した動作を行う。
【0007】
従来におけるオンダイターミネーションの制御回路は、単にオンダイターミネーション回路のイネーブル(enable)またはディセーブル(disable)を制御するだけであった。しかし、DDR3メモリ装置からは、さらにダイナミックターミネーション動作をサポートしなければならないことから、オンダイターミネーションの制御回路もデータの入力/出力に応じて、オンダイターミネーション装置(回路)のダイナミックターミネーション動作モードの開始および終了を制御することが求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、DDR3半導体メモリ装置から導入されるダイナミックターミネーション動作の開始及び終了を制御することのできるオンダイターミネーションの制御回路およびその制御方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るオンダイターミネーションの制御回路は、外部クロックをカウントして第1コードを出力し、内部クロックをカウントして第2コードを出力するカウンタ部と、書込み命令に応答して前記第1コードと前記第2コードとを比較し、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルさせ、前記ダイナミックターミネーション動作のイネーブル時点からバースト長によって定められる一定の時間後にダイナミックターミネーション動作をディセーブルさせるダイナミック制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
すなわち、書込み命令に応答して第1コードと第2コードとを比較し、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルさせ、バースト長によって一定の時間を確保してから、ダイナミックターミネーション動作がディセーブルされるように制御する。なお、外部クロックとは、外部から半導体メモリ装置に入力されるクロック(クロック信号)を意味する。一般に、外部クロックは、半導体メモリ装置内で内部クロックとなる。外部クロックは、半導体メモリ装置の動作の基準クロックともいえる。
【0011】
また、本発明に係るオンダイターミネーションの制御回路は、書込み命令に応答して外部コードを保存する保存部と、該保存部に保存された外部コードと内部コードとを比較し、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルするための信号を出力するダイナミックイネーブル部と、前記保存部に保存された外部コードにバースト長によって定められる一定の値を加えて出力する加算部と、該加算部の出力コード値と前記内部コードとを比較して、ダイナミックターミネーション動作をディセーブルするための信号を出力するダイナミックディセーブル部とを備えることを更なる特徴とする。
【0012】
すなわち、書込み命令に応答して外部コード値を保存しておいて、内部コードの値と保存された外部コードの値とが等しくなる時点でダイナミックターミネーション動作をイネーブルさせる。そして、保存された外部コードにバースト長によって一定の値を加え、内部コードの値が加えられた外部コードの値とが等しくなる時点でダイナミックターミネーション動作をディセーブルさせる。したがって、読込み動作によって行われるダイナミックターミネーション動作が適切な時間にイネーブル/ディセーブルされるように制御する。
【0013】
本発明に係るオンダイターミネーションの制御方法は、外部クロックをカウントし、第1コードを内部クロックをカウントして第2コードを生成するステップと、書込み命令に応答し、前記第1コードと前記第2コードとを比較してダイナミックターミネーション動作をイネーブルするステップと、前記ダイナミックターミネーション動作のイネーブル時点から一定の時間後にダイナミックターミネーション動作をディセーブルするステップとを含む。
【0014】
前記ダイナミックターミネーション動作をイネーブルするステップが、書込み命令に応答して前記第1コードを保存するステップと、保存された前記第1コードと前記第2コードとを比較するステップとを含んで行われ得る。また、前記ダイナミックターミネーション動作をディセーブルするステップが、保存された前記第1コードにバースト長によって定められる一定の値を加算するステップと、加算された前記第1コードと前記第2コードとを比較するステップとを含んで行われ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的な思想を容易に実施できる程度で詳細に説明するため、本発明の最も好ましい実施例を添付した図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るオンダイターミネーションの制御回路の一実施形態を示す構成図である。
【0017】
同図に示すように、本発明に係るオンダイターミネーションの制御回路は、外部クロックEXTCLKをカウントして第1コードEXTCNT<2:0>を出力し、内部クロックDLLCLK2をカウントして第2コードDLLCNT<2:0>を出力するカウンタ部110と、書込み命令WT_STARTPに応答し、第1コードEXTCNT<2:0>と第2コードDLLCNT<2:0>とを比較してダイナミックターミネーション動作をイネーブルさせ、ダイナミックターミネーション動作のイネーブル時点からバースト長(BL:Burst Length)により定まる一定クロック後にダイナミックターミネーション動作をディセーブルさせるダイナミック制御部120とを備え、オンダイターミネーション回路のダイナミック動作を制御する。
【0018】
また、オンダイターミネーション回路のダイナミック動作でない、ノーマル動作を制御するためのノーマル制御部130を備える。そして、その他の部分のクロック分配器101およびレプリカ遅延ライン102は、オンダイターミネーションの制御回路に内部クロックDLLCLK2および外部クロックEXTCLKを供給する。
【0019】
まず、オンダイターミネーションの制御回路に内部クロックDLLCLK2及び外部クロックEXTCLKを供給するクロック分配器101およびレプリカ遅延ライン102について説明する。
【0020】
クロック分配器101は、遅延固定ループ(DLL:Delay Locked Loop)を介して供給されるクロックDLLCLK1を受信し、リセット信号RSTが解除されるまで内部クロックDLLCLK2のトグル(toggling)を抑える。そして、リセット信号RSTが解除されると、トグルされる内部クロックDLLCLK2を出力する。すなわち、DLLCLK1およびDLLCLK2は同じクロックであるが、DLLCLK2は、リセット信号RSTが解除されるまではトグルせず、一定のレベルを維持するという点だけがDLLCLK1と異なる。なお、遅延固定ループ(DLL)とは、一般的に、クロックを使う半導体装置やコンピューターシステムなどでデジタル信号間の同期化を遂行するためのものである。また、一般に、リセット信号RSTは、半導体メモリ装置によって生成される。
【0021】
レプリカ遅延ライン102は、内部クロックDLLCLK2と外部クロックEXTCLKとの間に存在する時間差をモデリング(modeling)したブロックであり、入力される内部クロックDLLCLK2に外部クロックEXTCLKとの時間差を反映させて外部クロックEXTCLKを出力する。
【0022】
カウンタ部110は、外部クロックEXTCLKをカウントして第1コードEXTCNT<2:0>を出力し、内部クロックDLLCLK2をカウントして第2コードDLLCNT<2:0>を出力する。第1コードEXTCNT<2:0>は、初期値0からカウントされるが、第2コードDLLCNT<2:0>は、CAS書込みレイテンシー(CWL:Cas Write Latency)により決定される特定の初期値を有する。CAS書込みレイテンシーCWLは、その値自体が動作周波数により制限された値を有するようにスペックに規定されているため、CAS書込みレイテンシーCWLにより初期値が決定されるということは、動作周波数により初期値が決定されるということを意味する。レイテンシーは、待ち時間とも呼ばれる。
【0023】
ダイナミック制御部120は、書込み命令WT_STARTP(書込み命令によって生成される信号であって、詳しい事項は後述する)に応答して該当の時点の第1コードEXTCNT<2:0>を保存し、この保存された第1コードEXTCNT<2:0>の値(保存された値であるため不変)と第2コードDLLCNT<2:0>の値(カウントされ続けているため増加する)とを比較し、2つのコードの値が等しくなる時点でダイナミックターミネーション動作をイネーブルする。また、保存された第1コードEXTCNT<2:0>にバースト長BLにより定められる一定の値を加え、その加えられた値(保存された第1コードに一定の値を加えたものであるため不変)が第2コードDLLCNT<2:0>と等しくなる時点でダイナミックターミネーション動作をディセーブルする。ダイナミック制御部120は、本発明の核心的な部分に該当するため、それに対する詳説は他の図面と共に後述する。
【0024】
ノーマル制御部130は、外部メモリコントローラ(memory controller)からの命令ODT_STARTP、ODT_ENDP(外部命令によって生成される信号である)に応答してノーマルターミネーション動作を制御する。
【0025】
図2は、図1におけるダイナミック制御部120の動作を説明するための図面である。
【0026】
まず、リセット信号RSTが解除されるまでは、内部クロックDLLCLK2および外部クロックEXTCLKがトグルしないため、第1コードEXTCNT<2:0>および第2コードDLLCNT<2:0>は、カウントされずに初期値で固定されている。同図を参照すると、第1コードEXTCNT<2:0>は0、第2コードDLLCNT<2:0>は5の初期値(前述したように、第2コードの初期値はCWL情報により決定される)を有することが確認できる。リセット信号RSTが解除されると、第1コードEXTCNT<2:0>および第2コードDLLCNT<2:0>はカウントされ始め、外部クロックEXTCLKは内部クロックDLLCLKを遅延させて生成することから、第1コードEXTCNT<2:0>が第2コードDLLCNT<2:0>より少し遅れてカウントされ始める。
【0027】
その間に、外部から書込み命令が入力されると、これに応答してWT_STARTPパルス信号がイネーブルされる。そして、WT_STARTPパルス信号のイネーブル時点の第1コードEXTCNT<2:0>が保存される(図面の場合1が保存)。そして、第2コードDLLCNT<2:0>が保存された第1コードEXTCNT<2:0>(1の値)と等しくなるとき、WT_DLL_STARTBP信号が「ロー」にイネーブルされ、この信号はダイナミックターミネーション動作を制御する信号であるDYBNAMIC_ODTEN信号をイネーブルさせ、ダイナミックターミネーション動作を開始させる。
【0028】
ダイナミックターミネーションの終了について説明する。書込み命令に応答して、保存された第1コードEXTCNT<2:0>(1の値)にはバースト長BLによって一定の値が加えられる。バースト長BLが8の場合、8つのデータがクロック(基準クロック)の立ち上がり/立ち下りで入力されるため、データが入力されるために4クロック(4周期)を必要とし、前後でのタイミングマージンを考慮すると、合せて6クロックが必要となる(スペックにて規定)。また、バースト長BLが4の場合には、データを入力するための2クロックと、前後のマージンの2クロックとを合せて4クロックを必要とする(スペックにて規定)。なお、データは、例えばシステムクロックなど、基準となるクロックである基準クロックの立ち上がり/立ち下りに応じて入力される。
【0029】
したがって、バースト長BLが8の場合には、保存された第1コードEXTCNT<2:0>(1の値)に6(クロック数に該当する)が加えられ(図面はBL=8を例示しており、したがって1+6=7の値を有することになる)、バースト長が4の場合には、保存された第1コードEXTCNT<2:0>に4が加えられる(すなわち、(BL/2)+2だけの値が加えられる)。そして、一定の値が加えられた第1コードEXTCNT<2:0>の値7と第2コードDLLCNT<2:0>の値とが比較され、第2コードDLLCNT<2:0>の値が、一定の値が加えられた第1コードEXTCNT<2:0>の値7と等しくなるとき、WT_DLL_ENDBP信号が「ロー」にイネーブルされ、DYNAMIC_ODTEN信号をディセーブルすることになる。すなわち、ダイナミックターミネーション動作が終了する。
【0030】
かかる方式によって本発明のダイナミック制御部が、書込み命令が入力されるときに一定時間後にダイナミックターミネーション動作をイネーブルさせ、データの入力に必要な時間および一定のマージンを確保した後、ダイナミックターミネーション動作をディセーブルさせる。
【0031】
図3は、図2におけるWT_STARTPパルス信号を説明するための図である。
【0032】
WT_STARTPパルス信号は、基本的に書込み命令に応答してイネーブルされる信号である。図面に示すように、書込み命令に該当する外部CAS命令(CAS:Column Address Strobe)が入力され、アディティブレイテンシー(AL:Additive Latency)が反映され、少し遅延した時間にWT_STARTPパルス信号がイネーブルされる。
【0033】
詳細には、書込み命令に該当する外部CAS命令CASがメモリ装置に入力されると、命令入力バッファにてこれをクロックCLKに同期して受信され、その後、内部回路によって一定の遅延を経てからWT_STARTPパルス信号がイネーブルされる。すなわち、WT_STARTPパルス信号は、外部から書込み命令が入力され、この命令が少し遅延されて生成される信号とみなすことができる。参考に、WT_STARTPパルス信号のパルス幅は、マージンなどにより適切に設定すればよい。
【0034】
図4は、図1におけるノーマル制御部130の動作を説明するための図面である。
【0035】
まず、リセット信号RSTが解除されるまでは、内部クロックDLLCLK2および外部クロックEXTCLKがトグルしないため、第1コードEXTCNT<2:0>および第2コードDLLCNT<2:0>はカウントされずに初期値で固定されている。同図を参照すると、第1コードEXTCNT<2:0>は0、第2コードDLLCNT<2:0>は5の初期値(前述したように、第2コードの初期値はCWL情報により決定される)を有することが確認できる。リセット信号RSTが解除されると、第1コードEXTCNT<2:0>および第2コードDLLCNT<2:0>はカウントされ始め、外部クロックEXTCLKは、内部クロックDLLCLKを遅延させて生成することから、第1コードEXTCNT<2:0>が第2コードDLLCNT<2:0>より少し遅れてカウントされ始める。
【0036】
その間に、外部メモリコントローラの命令によって生成されるODT_STARTP信号がイネーブルされる。そして、ODT_STARTPパルス信号のイネーブル時点の第1コードEXTCNT<2:0>が保存される(図の場合1が保存)。そして、第2コードDLLCNT<2:0>が保存された第1コードEXTCNT<2:0>(1の値)と等しくなるとき、ODT_DLL_STARTBP信号が「ロー」にイネーブルされ、この信号はノーマルターミネーション動作(ダイナミックターミネーション動作ではない既存の動作を意味する)を制御する信号であるODTEN信号をイネーブルさせ、ノーマルターミネーション動作を開始させる。
【0037】
ノーマルターミネーション動作の終了もノーマルターミネーション動作の開始と同じ方式で行われる。外部コントローラの命令に応じて生成されるODT_ENDP信号によって、そのイネーブルされる時点の第1コードEXTCNT<2:0>を保存し(図面の場合6が保存)、第2コードDLLCNT<2:0>の値が保存された第1コードEXTCNT<2:0>(6の値)と等しくなると、ODT_DLLENDBP信号が「ロー」にイネーブルされ、この信号はノーマルターミネーション動作を制御する信号であるODTEN信号をディセーブルさせ、ノーマルターミネーション動作を終了させる。
【0038】
すなわち、ノーマルターミネーション動作の開始と終了とはいずれも根本的に外部メモリコントローラによって制御される。
【0039】
図5は、図4のODT_STARTP信号およびODT_ENDP信号を説明するための図である。
【0040】
ODT_STARTP信号およびODT_ENDP信号は、基本的に外部メモリコントローラ(外部チップセットとも称される)から入力された外部ODT命令によって生成される。外部ODT命令は、セットアップホールドの条件などを満足することができるように、外部メモリコントローラから受信する信号であり、これは内部クロックに同期した後アディティブレイテンシーが反映され、一定時間遅延したODT_COM信号を生成する。そして、ODT_COM信号がイネーブルされる時点およびディセーブルされる時点で、パルス形態の信号であるODT_STARTP信号およびODT_ENDP信号が各々イネーブルされる。
【0041】
図6は、図2で説明したように動作する、図1におけるダイナミック制御部120の一実施例の構成図である。
【0042】
同図に示すように、ダイナミック制御部120は、書込み命令WT_STARTP(前述したように、書込み命令によって生成される信号である)に応答し、第1コードEXTCNT<2:0>(外部コード)を保存する保存部610と、保存部610に保存された第1コードEXTCNTLATCH<2:0>と第2コードDLLCNT<2:0>(内部コード)とを比較し、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルするための信号WT_DLL_STARTBPを出力するダイナミックイネーブル部620と、保存部610に保存された第1コードEXTCNTLATCH<2:0>に、バースト長BL情報により定められる一定の値を加えて出力する加算部630と、加算部630の出力コード値EXTCNTLATCH_ADD<2:0>と第2コードDLLCNT<2:0>とを比較して、ダイナミックターミネーション動作をディセーブルするための信号WT_DLL_ENDBPを出力するダイナミックディセーブル部640とを備える。
【0043】
また、加算部630にバースト長BL情報を提供するためのオン・ザ・フライ制御回路650が加えられ得る。また、本実施形態では、ダイナミックイネーブル部620およびダイナミックディセーブル部640の出力信号WT_DLL_STARTBPおよびWT_DLL_ENDBP(パルス信号の形態)を組み合わせて、レベル信号DYNAMIC_ODTENを生成するSRラッチ660が更に備えられている。レベル信号DYNAMIC_ODTENは、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルまたはディセーブルさせるための信号であって、「ハイ」のときイネーブルさせ、「ロー」のときディセーブルさせる。
【0044】
保存部610は、書込み命令の入力後に一定の時間が経過してイネーブルされる信号WT_STARTPに同期し、第1コードEXTCNT<2:0>を保存するフリップフロップを備えて構成することができる。
【0045】
ダイナミックイネーブル部620は、保存部610に保存された第1コードEXTCNTLATCH<2:0>と第2コードDLLCNT<2:0>とを比較するための排他的なNOAゲートと、排他的なNOAゲートの出力値を論理演算するNANDゲートとを備えて構成することができる。
【0046】
加算部630は、保存部610に保存された第1コードEXTCNTLATCH<2:0>に(バースト長/2)+2の値を加える全加算器(full adder)で構成し得る。
【0047】
ダイナミックディセーブル部640は、加算部630からの出力コード値EXTCNTLATCH_ADD<2:0>と第2コードDLLCNT<2:0>とを比較するための排他的なNOAゲートと、排他的なNOAゲートの出力値を論理演算するNANDゲートとを備えて構成し得る。
【0048】
オン・ザ・フライ制御回路650は、オン・ザ・フライ(OTF:On The Fly)動作モードをサポートするための回路である。DDR3メモリ装置において、MRSにてバースト長BLを設定するときBL=4、BL=8、OTFの3種類が設定され得る。バースト長BLがOTFに設定される場合、バースト長BLは4または8にあらかじめ決定されず、読込みまたは書込み命令が入力されるときのアドレス12番目の値が0であるか、または1であるかによって、バースト長BLが4または8に決定される。このように、OTFは、バースト長BLを設定する方式(仕組み)の1つである。オン・ザ・フライ制御回路650にWT_STARTP信号が入力されるのは、ダイナミックターミネーションモードが使用されるときにオン・ザ・フライ制御回路が使用されるため、一種のトリガ信号としてWT_STARTP信号を使用できるからである。
【0049】
MRS設定によって直接的に定められる値であっても、またはオン・ザ・フライ動作モードによって定められる値であっても、本発明におけるオン・ザ・フライ制御回路650は、加算部630にバースト長BLに関する情報を提供する役割を担っている。
【0050】
SRラッチ660は、ダイナミックイネーブル部620の出力信号WT_DLL_STARTBPによってセットされ、ダイナミックディセーブル部640の出力信号WT_DLL_ENDBPによってリセットされる。これにより、SRラッチ660は、レベル信号DYNAMIC_ODTENを出力する。SRラッチ660は、レベル信号を出力するために、セットおよびリセットされる。
【0051】
ダイナミック制御部120は、図6で例示したように構成され、その動作は図2で詳説したものと同じであるため、ここではその動作に関する詳説は省略することにする。
【0052】
ノーマル制御部130は、外部コントローラから入力される信号であるODT_STARTP、ODT_ENP信号によってノーマルターミネーション動作をイネーブル/ディセーブルし、かつその方式はダイナミック制御部120がダイナミックターミネーションをイネーブルする方式と類似している。したがって、ノーマル制御部130は、保存部610およびダイナミックイネーブル部620と類似した構成を有する回路を各々2つずつ使用して具現することができる。
【0053】
本発明の核心的な内容は、ノーマル制御部120ではなく、ダイナミック制御部130であって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、上述した説明だけでも十分にノーマル制御部120を構成することができるため、これ以上の詳説は省略することにする。
【0054】
図1ないし図6を再度参照して本発明に係るオンダイターミネーションの制御方法に対して説明する。
【0055】
本発明に係るオンダイターミネーションの制御方法は、外部クロックEXTCLKをカウントして第1コードEXTCNT<2:0>を生成し、内部クロックDLLCLK2をカウントして第2コードDLLCNT<2:0>を生成するステップと、書込み命令に応答して(書込み命令によって生成されるWT_STARTP信号に応答)第1コードEXTCNT<2:0>と第2コードDLLCNT<2:0>とを比較して、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルするステップと、ダイナミックターミネーション動作のイネーブル時点からバースト長BLによって定められる一定クロックの後にダイナミックターミネーション動作をディセーブルするステップと、を含む。
【0056】
詳細には、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルするステップが、書込み命令に応答してWT_STARTP、第1コードEXTCNT<2:0>を保存するステップ(EXTCNTLATCH<2:0>として保存)と、保存された第1コードEXTCNTLATCH<2:0>と第2コードDLLCNT<2:0>とを比較するステップと、を含んで行われ得る。
【0057】
また、ダイナミックターミネーション動作をディセーブルするステップが、保存された第1コードEXTCNTLATCH<2:0>に、バースト長によって定められる一定の値(BL/2)+2を加算するステップ(EXTCNTLATCH_ADD<2:0>となる)と、加算された第1コードEXTCNTLATCH_ADD<2:0>と第2コードDLLCNT<2:0>とを比較するステップと、を含んで行われ得る。
【0058】
かかる方法によって本発明のオンダイターミネーションの制御回路は、DDR3メモリ装置に新しく加えられたダイナミックターミネーション動作の開始および終了を正確に制御することができる。
【0059】
したがって本発明は、今後ダイナミックターミネーション動作を行う多様な製品に適用され得る。
【0060】
また、本発明は、書込み命令によりデータが入力/出力される時点で、チップ内のターミネーション回路(終端装置)が、正確にダイナミックターミネーション動作モードに入出力するように制御する。
【0061】
また、バースト長によって、一定の値を加えてダイナミックターミネーション動作の時間を調節することから、そのマージンの調節が容易であるという長所がある。
【0062】
本発明の技術思想は前記好ましい実施例により具体的に記述したが、前述した実施例はその説明のためのものであり、その制限のためであることではないことを注意しなければならない。また、本発明の技術分野の通常の専門家であれば、本発明の技術思想の範囲内で多様な実施例が可能であることが理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係るオンダイターミネーションにおける制御回路の一実施例を示す構成図である。
【図2】図1におけるダイナミック制御部120の動作を説明するための図である。
【図3】図2におけるWT_STARTPパルス信号を説明するための図である。
【図4】図1におけるノーマル制御部130の動作を説明するための図である。
【図5】図4におけるODT_STARTP信号およびODT_ENDP信号を説明するための図である。
【図6】図2で説明したように動作する、図1におけるダイナミック制御部の一実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0064】
101 クロック分配器
102 レプリカ遅延ライン
110 カウンタ部
120 ダイナミック制御部
130 ノーマル制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部クロックをカウントして第1コードを出力し、内部クロックをカウントして第2コードを出力するカウンタ部と、
書込み命令に応答して前記第1コードと前記第2コードとを比較し、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルさせ、前記ダイナミックターミネーション動作のイネーブル時点から一定の時間後にダイナミックターミネーション動作をディセーブルさせるダイナミック制御部と
を備えることを特徴とするオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項2】
前記内部クロックが、遅延固定ループ(DLL)の出力クロックであることを特徴とする請求項1に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項3】
前記外部クロックが、前記内部クロックをレプリカ遅延ラインによって遅延させて生成されることを特徴とする請求項2に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項4】
前記第1コードおよび前記第2コードの値は、リセット信号の解除に応答してカウントされ始めることを特徴とする請求項1に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項5】
前記第2コードが、CAS書込みレイテンシーによってその初期値が決定されることを特徴とする請求項4に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項6】
前記一定の時間が、バースト長によって定められることを特徴とする請求項1に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項7】
前記ダイナミック制御部のダイナミックターミネーション動作のイネーブルは、前記書込み命令に応答して保存された前記第1コードと前記第2コードとが等しくなるときに行われ、
前記ダイナミック制御部のダイナミックターミネーション動作のディセーブルは、前記保存された第1コードにバースト長によって一定の値が加えられた値と前記第2コードとが等しくなるときに行われることを特徴とする請求項6に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項8】
前記第1コードの保存が、前記書込み命令の入力後にイネーブルされる信号に同期して行われることを特徴とする請求項7に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項9】
前記バースト長によって定められる一定の時間は、基準クロックのクロック数で表され、当該数値は、(バースト長/2)+2で算出される値であることを特徴とする請求項6に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項10】
書込み命令に応答して外部コードを保存する保存部と、
該保存部に保存された外部コードと内部コードとを比較し、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルするための信号を出力するダイナミックイネーブル部と、
前記保存部に保存された外部コードに一定の値を加えて出力する加算部と、
該加算部の出力コード値と前記内部コードとを比較して、ダイナミックターミネーション動作をディセーブルするための信号を出力するダイナミックディセーブル部と
を備えることを特徴とするオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項11】
前記内部コードが、遅延固定ループ(DLL)の出力クロックをカウントして生成されることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項12】
前記外部コードが、レプリカ遅延ラインによって遅延された前記遅延固定ループ(DLL)の出力クロックをカウントして生成されることを特徴とする請求項11に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項13】
前記外部コードおよび前記内部コードの値は、リセット信号の解除に応答してカウントされ始めることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項14】
前記内部コードが、CAS書込みレイテンシーによってその初期値が決定されることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項15】
前記保存部が、前記書込み命令の入力後にイネーブルされる信号に同期し、前記外部コードを保存するフリップフロップを備えて構成されることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項16】
前記ダイナミックイネーブル部が、
前記保存部に保存された外部コードと前記内部コードとを比較するための排他的なNOAゲートと、
該排他的なNOAゲートの出力値を論理演算するNANDゲートと
を備えることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項17】
前記加算部が、前記保存部に保存された外部コードに(バースト長/2)+2の値を加える全加算器を備えることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項18】
前記ダイナミックディセーブル部が、
前記加算部の出力コード値と前記内部コードとを比較するための排他的なNOAゲートと、
該排他的なNOAゲートの出力値を論理演算するNANDゲートと
を備えることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項19】
前記ダイナミックイネーブル部の出力信号によってセットされ、前記ダイナミックディセーブル部の出力信号によってリセットされて、ダイナミックターミネーション動作をイネーブルまたはディセーブルさせるレベル信号を出力するSRラッチを更に備えることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項20】
外部メモリコントローラからの命令に応答して行われるノーマルターミネーション動作を制御するためのノーマル制御部を更に備えることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項21】
前記一定の時間が、バースト長によって定められることを特徴とする請求項10に記載のオンダイターミネーションの制御回路。
【請求項22】
外部クロックをカウントして第1コードを生成し、内部クロックをカウントして第2コードを生成するステップと、
書込み命令に応答し、前記第1コードと前記第2コードとを比較してダイナミックターミネーション動作をイネーブルするステップと、
前記ダイナミックターミネーション動作のイネーブル時点から一定の時間後にダイナミックターミネーション動作をディセーブルするステップと
を含むことを特徴とするオンダイターミネーションの制御方法。
【請求項23】
前記ダイナミックターミネーション動作をイネーブルするステップが、
書込み命令に応答して前記第1コードを保存するステップと、
保存された前記第1コードと前記第2コードとを比較するステップと
を含むことを特徴とする請求項22に記載のオンダイターミネーションの制御方法。
【請求項24】
前記一定の時間が、バースト長によって定められることを特徴とする請求項22に記載のオンダイターミネーションの制御方法。
【請求項25】
前記ダイナミックターミネーション動作をディセーブルするステップが、
保存された前記第1コードにバースト長によって定められる一定の値を加算するステップと、
加算された前記第1コードと前記第2コードとを比較するステップと
を含むことを特徴とする請求項24に記載のオンダイターミネーションの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−118479(P2009−118479A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278510(P2008−278510)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】