説明

カメラモジュールの基板への実装方法

【課題】 カメラモジュールの基板への実装に於て、作業効率を高めると共に実装精度の向上を図る。
【解決手段】 本発明は、コネクタ14の上記第1の端子13及びはんだ上に対する実装は、該第1の端子13及びはんだ上に該第2の端子13aをリフローにて自動実装して行われ、且つ、前記第2の端子13aはコネクタ14の中空部Eの基板側底面部に設けられている逃げ孔Fに対応して突設されており、更に、該印刷回路基板12はリフローに耐える充分な耐熱性を有する印刷回路基板であって、携帯電話等の使用に供せられるカメラモジュール11の印刷基板12への実装方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラモジュールの基板への実装方法に関するものであり、特に、携帯電話等に備え付けられるカメラモジュールの基板への実装方法に於て、カメラモジュールの実装作業効率を高めると共に、実装精度の向上を図ったカメラモジュールの基板への実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の此種カメラモジュールの基板への実装方法を図4及び図5に従って説明する。図4はカメラモジュール1を印刷回路基板(PWB)2上に実装する方法を示し、図4(a)に示す如く、該印刷回路基板2上に印刷回路(図示せず)の端子3を露出させて設け、該端子3上に前記カメラモジュール1を載置し、図4(b)に示す如く、該端子3に前記カメラモジュール1の端子4をはんだ付け5にて接続するものである。
【0003】
そして、前記カメラモジュール1はリフローに於ける略230度乃至240度の高温の炉内温度に耐える耐熱性がなく、リフローによるはんだ付けが不可能であるため、前記実装作業は手はんだによる手実装にて行われる。
【0004】
図5はカメラモジュール1をフレキシブル印刷回路基板(FPC)6上に実装する方法を示し、図5(a)に示す如く、該フレキシブル印刷回路基板6上に印刷回路(図示せず)の端子7を露出させて設け、該端子7上に前記カメラモジュール1を載置し、図5(b)に示す如く、該端子7に前記カメラモジュール1の端子4をはんだ付け8にて接続するものである。
【0005】
そして、前記カメラモジュール1をフレキシブル印刷回路基板6上に実装する場合も、前述のカメラモジュール1を印刷回路基板2上に実装する場合と同様、リフローが不可能であり、前記実装作業は手はんだによる手実装にて行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、前記カメラモジュール1を印刷回路基板2上に実装する場合、及びフレキシブル印刷回路基板6上に実装する場合も実装作業が手はんだによる手実装にて行われるため、極めて作業効率が悪く、又、実装精度の低下を招く虞れがあった。
【0007】
そこで、カメラモジュールの基板への実装に於て、作業効率を高めると共に実装精度の向上を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、基板上に露出している第1の端子上にはんだを載せる工程と、該第1の端子及びはんだ上に、カメラモジュールを組み込むための一端開放の四内側面で被包されて形成された中空部を有し、該中空部を形成する前記四内側面に第2の端子を弾性を付与できるように突設したコネクタを実装する工程と、前記第2の端子と接続される第3の端子を有するカメラモジュールを該第2の端子と第3の端子とを弾性的に接続させることにより、該カメラモジュールをコネクタを用いて回路基板に実装する工程とから成るカメラモジュールの実装方法であって、上記基板は印刷回路基板であるカメラモジュールの基板への実装方法において、上記コネクタの上記第1の端子及びはんだ上に対する実装は、該第1の端子及びはんだ上に該第2の端子をリ
フローにて自動実装して行われ、且つ、前記第2の端子は前記中空部の基板側底面部に設けられている逃げ孔に対応して突設されており、更に、該印刷回路基板はリフローに耐える充分な耐熱性を有する印刷回路基板であって、携帯電話等の使用に供せられるカメラモジュールの印刷基板への実装方法であるカメラモジュールの基板への実装方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明は、基板上に、カメラモジュールを組み込むためのコネクタを実装し、該コネクタにカメラモジュールを組み込むようにしたので、該コネクタを該基板に実装する際、該基板上に露出している第1の端子上にはんだを載せているため、リフローによる自動実装が容易且つ効率的に行われ、従来の手実装に比較して作業効率を大幅に高めることができると共に、実装精度の向上を図ることが可能となる。更に、コネクタを用いてカメラモジュールを組み立てるため、該カメラモジュールが脱着自在となり、該カメラモジュールに不良が発見された場合等、該カメラモジュールの交換が容易に行える。
【0010】
更に又、本発明は上記コネクタの上記基板への実装はリフローに耐える充分な耐熱性を有する印刷基板であって、携帯電話等の使用に供せられるカメラモジュールの印刷回路基板への実装方法であるので、該印刷基板が携帯電話の使用に供せられる場合は薄型印刷回路基板の実装精度を一層向上できる効果が期待できる。又、コネクタに配設されている第2の端子は、基板側底面部に設けられている逃げ孔に対応して突設されているため、カメラモジュールの第3の端子との弾着動作が円滑に行われる。
【0011】
更に又、本発明によれば、上記基板はフレキシブル印刷回路基板にも適用できるので、基板にフレキシブル印刷回路基板を用いた場合に於て、前記記載の効果と同様の効果が期待できる等、正に著大なる効果を奏する発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、カメラモジュールの基板への実装において、作業効率を高めると共に実装精度の向上を図ると云う目的を、コネクタの上記第1の端子及びはんだ上に対する実装は、該第1の端子及びはんだ上に該第2の端子をリフローにて自動実装して行われ、且つ、前記第2の端子は前記中空部の基板側底面部に設けられている逃げ孔に対応して突設されており、更に、該印刷回路基板はリフローに耐える充分な耐熱性を有する印刷回路基板であって、携帯電話等の使用に供せられるカメラモジュールの印刷基板への実装方法であることを特徴とするカメラモジュールの基板への実装方法を採択したことにより実現した。
【実施例】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図3に従って詳述する。図1はカメラモジュール11を印刷回路基板12に実装する方法を示し、印刷回路基板12上に印刷回路(図示せず)の第1の端子13を露出させて設け、該第1の端子13上にコネクタ14をはんだ付けにて固着し、該コネクタ14に前記カメラモジュール11を組み込んで該カメラモジュール11を印刷回路基板12に実装するものである。
【0014】
而して、前記コネクタはカメラモジュール11を組み込むための一端開放の四内側面で被包されて形成される中空部Eを有し、該中空部Eを形成する前記四内側面に前記第2の端子13aが弾性を付与されて突設されており、且つ、該第2の端子13aは前記中空部Eの基板側底面部に開穿されている逃げ孔Fに対応して突設されている。
【0015】
図2は前述したカメラモジュール11を印刷回路基板12に実装する工程を工程順に詳細に示したものであり、工程1に於て、印刷回路基板12上に露出されて設けられた第1
の端子13上にはんだ15を載せ、該第1の端子13及びはんだ15上にコネクタ14を載置する。該コネクタ14は図1乃至図4に明示されているように、前記第1の端子13とはんだ結合される第2の端子13aが設けられており、該第2の端子13aと前記印刷回路基板12に露出している第1の端子13とをリフローによる自動実装を行って、工程2に示すように該コネクタ14が前記印刷回路基板12に実装される。そして、工程3で該コネクタ14にカメラモジュール11を組み込むと、工程4に示す如く該カメラモジュール11が前記印刷回路基板12に実装される。
【0016】
即ち、該カメラモジュール11は図1乃至図3に明示されているように、前記コネクタ14の第2の端子13aと接続するための第3の端子13bを有し、該第3の端子13bを前記第2の端子13aに接続することにより、該カメラモジュール11が前記印刷回路基板12に実装される。
【0017】
而して、前述した前記カメラモジュール11を印刷回路基板12に実装する方法は、コネクタ14を介してカメラモジュール11を実装するので、該コネクタ14を該印刷回路基板12に実装する際にリフローによる自動実装が可能となり、従来の手はんだによる手実装に比較して作業効率を大幅に高めることができると共に、実装精度の向上を図ることが可能となる。又、該コネクタ14は図に明示され、そして前述したように、前記カメラモジュール11を組み込むための一端開放の四内側面で被包されて形成された中空部Eを有し、該中空部Eを形成する内側面に前記第2の端子13aが弾性的に突設されている。
【0018】
又、コネクタ14を用いてカメラモジュール11を組み立てるため、該カメラモジュール11が該コネクタ14に対して脱着自在であり、検査工程等で該カメラモジュール11の不良を発見した場合等、該カメラモジュール11の交換が容易に行える。
【0019】
図3はカメラモジュール11をフレキシブル印刷回路基板16に実装する方法を示し、該実装方法は、先ず、フレキシブル印刷回路基板16上に露出されて設けられた印刷回路(図示せず)の端子17にはんだ18を載せ、該端子17及びはんだ18上にコネクタ14を載置し、リフローによる自動実装を行う。そして、該コネクタ14にカメラモジュール11を組み込むと、該カメラモジュール11が前記フレキシブル印刷回路基板16に実装される。尚、該フレキシブル印刷回路基板16はリフローに耐える充分な耐熱性を有するものが用いられる。
【0020】
而して、カメラモジュール11をフレキシブル印刷回路基板16に実装する方法に於ても、前記カメラモジュール11を印刷回路基板12に実装する方法と同様の効果が期待できる。
【0021】
尚、前述の説明に於て、カメラモジュール11を実装する場合について説明したが、該カメラモジュール11に代えて、例えばブルーツース(BIuetooth)モジュールを実装する場合も同様に本発明の方法による実装が可能である等、本発明の方法は各種モジュール及び種々の部品の実装についても適用可能である。
【0022】
又、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、印刷回路基板上にコネクタを介してカメラモジュールを実装する方法を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施の形態を示し、印刷回路基板上にコネクタを介してカメラモジュールを実装する工程を示す斜視図。
【図3】本発明の一実施の形態を示し、フレキシブル印刷回路基板上にコネクタを介してカメラモジュールを実装する方法を示す斜視図。
【図4】(a)従来例を示し、印刷回路基板上にカメラモジュールを実装する前の状態を示す斜視図。(b)従来例を示し、印刷回路基板上にカメラモジュールを実装した状態を示す斜視図。
【図5】(a)従来例を示し、フレキシブル印刷回路基板上にカメラモジュールを実装する前の状態を示す斜視図。(b)従来例を示し、フレキシブル印刷回路基板上にカメラモジュールを実装した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0024】
11 カメラモジュール
12 印刷回路基板
13 第1の端子
13a 第2の端子
13b 第3の端子
14 コネクタ
16 フレキシブル印刷回路基板
E 中空部
F 逃げ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に露出している第1の端子上にはんだを載せる工程と、該第1の端子及びはんだ上に、カメラモジュールを組み込むための一端開放の四内側面で被包されて形成された中空部を有し、該中空部を形成する前記四内側面に第2の端子を弾性を付与できるように突設したコネクタを実装する工程と、前記第2の端子と接続される第3の端子を有するカメラモジュールを該第2の端子と第3の端子とを弾性的に接続させることにより、該カメラモジュールをコネクタを用いて回路基板に実装する工程とから成るカメラモジュールの実装方法であって、上記基板は印刷回路基板であるカメラモジュールの基板への実装方法において、
上記コネクタの上記第1の端子及びはんだ上に対する実装は、該第1の端子及びはんだ上に該第2の端子をリフローにて自動実装して行われ、且つ、前記第2の端子は前記中空部の基板側底面部に設けられている逃げ孔に対応して突設されており、更に、該印刷回路基板はリフローに耐える充分な耐熱性を有する印刷回路基板であって、携帯電話等の使用に供せられるカメラモジュールの印刷基板への実装方法であることを特徴とするカメラモジュールの基板への実装方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に露出している第1の端子上にはんだを載せる工程と、該第1の端子及びはんだ上に、カメラモジュールを組み込むための一端開放の四内側面で被包されて形成された中空部を有し、該中空部を形成する前記四内側面に第2の端子を弾性を付与できるように突設したコネクタを実装する工程と、前記第2の端子と接続される第3の端子を有するカメラモジュールを該第2の端子と第3の端子とを弾性的に接続させることにより、該カメラモジュールをコネクタを用いて回路基板に実装する工程とから成るカメラモジュールの実装方法であって、上記基板は印刷回路基板であるカメラモジュールの基板への実装方法において、
上記コネクタの上記第1の端子及びはんだ上に対する実装は、該第1の端子及びはんだ上に該第2の端子をリフローにて自動実装して行われ、且つ、前記第2の端子は前記中空部の基板側底面部に設けられている逃げ孔に対応して突設されており、更に、該印刷回路基板はリフローに耐える充分な耐熱性を有する印刷回路基板であって、携帯電話の使用に供せられるカメラモジュールの印刷基板への実装方法であることを特徴とするカメラモジュールの基板への実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−121079(P2006−121079A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−301610(P2005−301610)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【分割の表示】特願2002−220085(P2002−220085)の分割
【原出願日】平成14年7月29日(2002.7.29)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】