説明

カメラ部を用いたユーザーインターフェース実現方法及びこのための移動通信端末機

【課題】カメラ部を用いたユーザーインターフェース実現方法及びこのための移動通信端末機を提供する。
【解決手段】移動通信端末機のカメラ部をアクティブにした状態において、ユーザーが所定のモーションを取ると、移動通信端末機は、ユーザーのモーションを認識し、そのモーションをパターン化してモーションパターンに応じる所定の動作を行う。このとき、モーションパターンに応じて行われる動作は、マウスモード時にはマウス制御に該当し、ゲームモード時にはゲーム制御に該当し、文字入力モード時には文字の入力に該当する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ部を用いたユーザーインターフェース実現方法及びこのための移動通信端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、移動通信端末機の普及が一般化されて移動通信端末機の画面を通じて運転中に道路状況を知らせる交通情報サービス、独自の呼び出し音を登録して使用可能にするマイベル(MYBELL)サービス及び音声メールボックスのメッセージ到着を文字で通告する移動電話呼び出しサービスなどの多様なサービスが提供されている。かかる移動通信端末機には、音声メールボックス機能や特殊情報受信機能のような各種付加サービスをサービス提供者側から提供される機能が設計されているため、移動通信端末機のユーザーは固有な電話通話機能のみならず、多様な使用上の便宜が提供される。
【0003】
このような多様なサービス及び付加機能が次第に拡大されるにつれて、移動通信システムは、音声及びデータだけでなく、ISDN(Integrated Service Digital Network)級の数Mb/sのマルチメディアサービスを提供し、このような移動通信システムに適合する端末機が開発されている。その一例として、被写体を撮影したイメージを記憶することのできるカメラ部を備える移動通信端末機が開発された。
【0004】
移動通信端末機の大衆化に伴い、ユーザーは、移動通信端末機を用いて時間及び空間を問わず、便利に撮影することができる。また、ユーザーが常に携帯する移動通信端末機にカメラを装着したので、緊迫した場面を撮影することができ、その他にも、必要時に常に撮影が可能であるという長所がある。
【0005】
したがって、このような長所に基づいてカメラ部を備えた移動通信端末機を、より効率的かつ多様な方法で活用することが好ましい。また、移動通信端末機の使用効率を高め、ユーザーの多様な要求を満たすために、カメラを備えた移動通信端末機に多様なサービス及び付加機能を加える必要がある。例えば、上述した移動通信端末機に備えられているカメラ部を用いて文書に印字された電話番号及びデータのような文字を認識可能にするOCR(Optical Character Recognition)機能がある。
【0006】
しかしながら、移動通信端末機に備えられているカメラ部を用いた多様な応用が可能であるが、移動通信端末機のカメラ部の使用はOCR機能のみに限定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、カメラ部を用いてユーザーインターフェースを実現する方法及びこのための移動通信端末機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明の1つの特徴によれば、移動通信端末機であって、ユーザーのモーションが入力されるカメラ部と、少なくとも一つのモーションパターンに応じる制御命令と所定の軌跡に応じる文字とを記憶するメモリと、ユーザーからモーションが入力されると、入力されたユーザーモーションをパターン化し、該モーションパターンに対応する制御命令をメモリから読み出して遂行する制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、移動通信端末機に備えられているカメラ部を用いてユーザーインターフェースを実現することにより、カメラ部の応用範囲を拡大しながら、ユーザーの使用便宜も増大させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記の説明において、本発明の要旨のみを明瞭にするために関連した公知の機能や構成に関する詳細な説明は、適宜省略する。
【0011】
本発明の実施形態によれば、移動通信端末機は、カメラ部を用いてユーザーインターフェースを実現することが可能である。移動通信端末機のカメラ部をアクティブにした状態において、ユーザーが所定のモーションを行うと、移動通信端末機は、ユーザーのモーションを認識し、そのモーションをパターン化してモーションパターンに応じる所定の動作を行う。
【0012】
モーションパターンに応じて行われる動作は、マウスモード時にはマウスの制御となり、ゲームモード時にはゲーム制御となる。かつ、その動作は、文字入力モード時には文字の入力となる。
【0013】
以下、移動通信端末機のブロック構成について図1を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に応じた移動通信端末機のブロック構成図である。図1を参照すると、移動通信端末機100は、RF(Radio Frequency)モジュール110、ベースバンド処理部120、ユーザーインターフェース130、音声処理部140、制御部150、メモリ160、ディスプレイ170、モーション認識部180、カメラ部190及び文字認識部200を含む。
【0015】
移動通信端末機100の制御部150は、移動通信端末機を全般的に制御し、本発明の好ましい実施形態に応じるカメラ部を用いてユーザーインターフェースを実現するために、図1に示した各部を制御する。
【0016】
制御部150の動作を詳しく説明すると、制御部150は、カメラ部190をアクティブにし、カメラ部190を通じてユーザーのモーションを認識し、ユーザーのモーションをパターン化する。
【0017】
本発明の第1の実施形態に応じて、制御部150は、マウスモード時に、ユーザーモーションパターンに対応するマウス制御命令をメモリ160から読み出す。ユーザーは、移動通信端末機100のカメラ部190の撮影可能な領域内で所定のモーションパターンに応じて手を動かす。この際、モーションパターンは、予めメモリ160に記憶されているモーションパターンであり、それに対応して制御命令が記憶されている。ユーザーが予め約束されているモーションパターンに基づいて所定のモーションパターンを行うと、移動通信端末機は該モーションパターンに対応する制御命令を行うことができる。例えば、ユーザーは実際にマウスをつかむことのように、クリック動作を取るか、マウスホイールを動かすモーションを取ることができる。制御部150は、該当モーションに対して実際にマウスをクリックするか、マウスホイールを動かす場合と同じマウス制御命令が行われるように制御動作を遂行する。
【0018】
また、本発明の第2の実施形態に応じて、制御部150は、ゲームモード時に、ユーザーモーションパターンに対応するゲーム制御命令をメモリ160から読み出す。例えば、ユーザーは実際にゲームをすることのように、手を用いて物をつかみ、投げるか移動させるなどのモーションを取ると、制御部150は、ユーザーのモーションをパターン化し、ユーザーモーションパターンに対応するゲーム制御命令をメモリ160から読み出す。このようなゲーム制御命令も、メモリ160に対応するモーションパターンのように記憶されている。
【0019】
また、本発明の第3の実施形態に応じて、制御部150は、文字入力モード時に、ユーザーモーションパターンに対応する軌跡に応じる文字を読み出してディスプレイ170に表示する。ユーザーは、移動通信端末機100のカメラ部190の撮影可能な領域内で手などを所定の文字に応じるユーザーモーションパターンを生成するように動かす。例えば、ユーザーは、手を実際に文字を書くことのように動かすことができる。すると、制御部150は、ユーザーのモーションパターンに対応する軌跡に応じる文字をメモリ160から読み出してディスプレイ170に表示する。このような文字入力機能は、例えば、SMS(Short Message Service)メッセージ伝送及びメモパッドなどに主に用いられる。
【0020】
カメラ部190は、撮影可能な領域でユーザーの動き、すなわち、モーションを撮影して制御部150、モーション認識部180及び文字認識部200に提供する。モーション認識部180は、ユーザーのモーションパターンを認識し、パターン化して制御部150に提供する。また、文字認識部200は、軌跡の動きに対応する軌跡を生成して制御部150に提供する。メモリ160は、移動通信端末機150の動作制御に必要な多数のプログラムと情報とを記憶するためのROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び音声メモリなどからなる。さらに、メモリ160は、本発明に応じて少なくとも一つのモーションパターンに対応する制御命令を記憶し、所定の軌跡に対応する文字を記憶する。
【0021】
また、RFモジュール110は、アンテナを通じて基地局とRF信号を送信/受信するが、受信されるRF信号をIF(Intermediate Frequency)信号に変換してベースバンド処理部120に出力し、ベースバンド処理部120から入力されるIF信号をRF信号に変換して送信する。ベースバンド処理部120は、制御部150とRFモジュール110との間のインターフェースを提供するBAA(Base band Analog ASIC(Application Specific Integrated Circuit))である。このベースバンド処理部120は、制御部150から印加されるベースバンドのデジタル信号をアナログIF信号に変換してRFモジュール110に印加し、RFモジュール110から印加されるアナログIF信号をベースバンドのデジタル信号に変換して制御部150に印加する。音声処理部140は、制御部150の制御下で受信された音声データをスピーカーを通じて可聴音に変換して出力し、マイクを通じてユーザーからの音声を電気信号に変換して制御部150に提供する。ユーザーインターフェース130は、多数の数字キー及び機能キーを備えており、ユーザーが押下するキーに対応するキー入力データを制御部150に出力する。一般に、ディスプレイ170はLCD(Liquid Crystal Display)であり、制御部170の制御下で多様なメッセージ及びアイコンなどを表示する。
【0022】
図2乃至図4は、本発明の実施形態に応じて、カメラ部を用いてユーザーインターフェースを実現するための制御過程を示したフローチャートであり、図2は、マウスモード時にカメラ部を用いてユーザーインターフェースを実現した場合を示す。
【0023】
図2を参照すれば、移動通信端末機の制御部150は、マウスモードに進入すると、ステップ310でディスプレイ170の画面にカーソルを表示し、カメラ部190をアクティブにする。このとき、カーソルが表示されるか、あるいは表示されないことがある。その後、制御部150は、ステップ320で、ユーザーモーションが入力されるかどうかを判断する。ユーザーモーションが入力されると、制御部150はステップ330に進んでモーション認識部180を通じてユーザーモーションをパターン化するように制御する。モーション認識部180がユーザーモーションをパターン化して制御部150に提供すると、制御部150は、ステップ340で、モーションパターンに対応するマウス制御命令をメモリ160から読み出す。その後、制御部150は、ステップ350で読み出されたマウス制御命令に応じてマウス制御命令を遂行する。例えば、ユーザーは、手を用いて実際にマウスをつかむことのようにクリックすると、制御部150は、ディスプレイ170の画面に表示されたカーソルに対応するメニュー項目やインターネットアイコンをクリックした場合の制御動作を行う。ユーザーが実際にマウスホイールを動かすモーションを取ると、制御部150は、ディスプレイ170の画面に表示されたカーソルを該当するモーションに応じて移動させる。
【0024】
図3は、ゲームモード時にカメラ部を用いてユーザーインターフェースを実現した場合を示す。
【0025】
図3を参照すると、移動通信端末機の制御部150は、ゲームモードに進入すると、ステップ410でカメラ部190をアクティブにする。その後、制御部150は、ステップ420でユーザーモーションが入力されるかどうかを判断する。ユーザーモーションが入力されると、制御部150は、ステップ430に進んでモーション認識部180を通じてユーザーモーションをパターン化するように制御する。モーション認識部180がユーザーモーションをパターン化して制御部150に提供すると、制御部150は、ステップ440でモーションパターンに対応するゲーム制御命令をメモリ160から読み出す。その後、制御部150は、ステップ450で読み出されたゲーム制御命令に応じてゲーム制御命令を行う。例えば、ユーザーが実際にゲームをすることのように、手を用いて物をつかみ、投げるか移動させるなどのモーションを取ると、制御部150は、該当モーションに対応するゲーム制御命令をメモリ160から読み出し、そのゲーム制御命令を遂行する。
【0026】
図4は、文字入力モード時にカメラ部を用いてユーザーインターフェースを実現した場合を示す。
【0027】
図4を参照すると、移動通信端末機の制御部150は、文字入力モードに進入すると、ステップ510でカメラ部190をアクティブにする。その後、制御部150は、ステップ520でユーザーモーションが入力されるかどうかを判断する。ここで、ユーザーモーションが入力されると、制御部150はステップ530に進んで文字認識部200がユーザーモーションに対応する軌跡を生成するように制御する。文字認識部200がユーザーモーションに対応する軌跡を生成して制御部150に提供すると、制御部150は、ステップ540で軌跡に対応する文字をメモリ160から読み出し、ステップ550で読み出された文字を表示する。このような文字入力機能は、SMSメッセージの作成やスケジューラの作成に有用に用いられる。
【0028】
以上、本発明の詳細について具体的な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の範囲を逸脱しない限り、各種の変形が可能なのは明らかである。従って、本発明の範囲は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及び該記載と同等なものにより定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に応じる移動通信端末機のブロック構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に応じるカメラ部を用いたユーザーインターフェース実現方法を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に応じるカメラ部を用いたユーザーインターフェース実現方法を示した図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に応じるカメラ部を用いたユーザーインターフェース実現方法を示した図である。
【符号の説明】
【0030】
110 RFモジュール
120 ベースバンド処理部
130 ユーザーインターフェース
140 音声処理部
150 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末機であって、
ユーザーのモーションが入力されるカメラ部と、
少なくとも一つのモーションパターンに応じる制御命令と所定の軌跡に応じる文字パターンとを記憶するメモリと、
ユーザーからモーションが入力されると、入力されたユーザーモーションをパターン化し、前記モーションパターンに対応する制御命令を前記メモリから読み出して遂行する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末機。
【請求項2】
前記制御部は、マウスモード時に、前記ユーザーモーションパターンに対応するマウス制御命令を前記メモリから読み出すことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機。
【請求項3】
前記制御部は、マウスモード時に、カーソルを表示することを特徴とする請求項2に記載の移動通信端末機。
【請求項4】
前記制御部は、ゲームモード時に、前記ユーザーモーションパターンに対応するゲーム制御命令を前記メモリから読み出すことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機。
【請求項5】
前記制御部は、文字入力モード時に、前記ユーザーモーションに対応する軌跡を生成し、その軌跡に対応する文字を前記メモリから読み出すことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機。
【請求項6】
少なくとも一つのモーションパターンに応じる制御命令又は所定の軌跡に応じる文字パターンを記憶するメモリを含む移動通信端末機であって、
ユーザーのモーションが入力されるステップと、
ユーザーからモーションが入力されると、入力されたユーザーモーションをパターン化するステップと、
前記モーションパターンに対応する制御命令を前記メモリから読み出して遂行するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記制御命令を遂行するステップは、マウスモード時に、前記ユーザーモーションパターンに対応するマウス制御命令を前記メモリから読み出して遂行することを特徴とする請求項6に記載の移動通信端末機。
【請求項8】
前記制御命令を遂行するステップは、ゲームモード時に、前記ユーザーモーションパターンに対応するゲーム制御命令を前記メモリから読み出して遂行することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記制御命令を遂行するステップは、文字入力モード時に、前記ユーザーモーションに対応する軌跡を生成し、その軌跡に対応する文字を前記メモリから読み出すことを特徴とする請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−12055(P2007−12055A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170313(P2006−170313)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】