説明

カラー電子写真画像形成装置

【課題】感光体ドラムを有するドラムカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、かつ、ドラム1に形成された静電潜像を現像するための現像ローラ41を有する複数個の現像カートリッジ4を装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体にカラー画像を形成するカラー電子写真画像形成装置において、ドラムカートリッジの着脱を容易にしつつ、現像カートリッジ及びドラムカートリッジの幅を小さくする。
【解決手段】ドラムカートリッジをガイドする本体側ドラムカートリッジガイド60と、ドラムカートリッジを装置本体に位置決めする本体側ドラムカートリッジ位置決め部61・62と、を装置本体に有し、ドラムカートリッジに、現像カートリッジのドラムカートリッジに対する進入方向Aの位置を位置決めする位置決め部22・23を設け、現像カートリッジの挿入する際に直下のドラムカートリッジ又は現像カートリッジに挿入ガイド手段を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
カラー電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体にカラー画像を形成するものである。そして、カラー電子写真画像形成装置の例としては、例えばカラー電子写真複写機、カラー電子写真プリンタ(例えばカラーレーザビームプリンタ、カラーLEDプリンタ等)、カラーフアクシミリ装置及びカラーワードプロセッサ等が含まれる。記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHPシート等が含まれる。
【0003】
カートリッジとは、例えば、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジであって、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されて、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着するものである。プロセス手段は、電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと記す)に作用するものである。従って、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての現像手段と、ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段又はクリーニング手段と、ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。ドラムと現像手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂一体型と称する。また、ドラムと現像手段以外のプロセス手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0004】
また、現像カートリッジとは、現像ローラを有し、現像ローラによって、ドラムに形成された静電潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収納しており、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。現像カートリッジの場合には、ドラムは装置本体に取り付けられている。或いは、ドラムは、前記所謂分離型プロセスカートリッジに設けられている(この場合には、プロセスカートリッジは、現像手段を有してはいない)。現像カートリッジも、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0005】
そこで、カートリッジとしては、所謂一体型又は所謂分離型のプロセスカートリッジが含まれる。また、カートリッジとしては、所謂分離型のプロセスカートリッジと現像カートリッジが対になって用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、ドラムが装置本体に取り付けられており、ドラムに作用可能に現像カートリッジが着脱可能に用いられる場合が含まれる。
【背景技術】
【0006】
カラー電子写真画像形成装置においては、プロセスカートリッジは、ドラムと現像ローラの耐久性の違いから、分離型とされることが多い。即ち、ドラムを含むドラムカートリッジと、現像ローラと現像剤を収容した現像剤枠体(トナー枠体)を含む現像カートリッジと、に別々にユニット化する。その場合、特許文献1にて開示されているように、ドラムカートリッジは装置本体の左右側板に取り付けられたガイドによって位置決めされ、現像カートリッジはドラムカートリッジと同様に装置本体の左右側板に構成されたガイドにより位置が決められる。そして、ドラムと現像ローラとのギャップを現像ローラ端部に同軸で取り付けられたギャップ規制コロをドラムに接触させることで保持させて位置が決められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−29822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述した従来例ではドラムカートリッジと現像カートリッジが個別に装置本体に位置決めされているため、ドラムカートリッジを交換する際にすべての現像カートリッジを着脱してから、ドラムカートリッジを着脱することになる。また、装置本体にガイド形状と現像カートリッジの側面にガイド用の形状を設けなくてはならなく、装置本体の幅が大きくなってしまっている。
【0009】
そこで、本発明は、ドラムカートリッジの着脱を容易にしつつ、現像カートリッジないしドラムカートリッジの幅を小さくすることで装置本体の小型化を可能にしたカラー電子写真画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明に係るカラー電子写真画像形成装置の代表的な構成は、電子写真感光体ドラムを有するドラムカートリッジを電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着して、かつ、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラを有する複数個の現像カートリッジを前記装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体にカラー画像を形成するカラー電子写真画像形成装置において前記装置本体に設けられた、前記ドラムカートリッジをガイドする本体側ドラムカートリッジガイドと、前記装置本体に設けられた、前記ドラムカートリッジを前記装置本体に位置決めする本体側ドラムカートリッジ位置決め部と、を有し、前記ドラムカートリッジに、前記現像カートリッジの前記ドラムカートリッジに対する進入方向の位置を位置決めする位置決め部を設け、現像カートリッジの挿入する際に直下のドラムカートリッジ又は現像カートリッジ(4)に挿入ガイド手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
現像カートリッジの挿入時のガイド手段を下部にあるドラムカートリッジ及び現像カートリッジに構成することで、ドラムカートリッジの着脱時の操作性を向上させつつ、装置本体にガイド手段を設けないため装置本体の幅を縮めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は実施例1におけるカラー電子写真画像形成装置の外観斜視図、(b)は前扉が開かれた装置の外観斜視図
【図2】(a)は装置の概略の縦断右側面図、(b)はドラムユニットの外観斜視図
【図3】装置本体に対するドラムユニット及び現像カートリッジの着脱要領の説明図
【図4】(a)はドラムユニット及び現像カートリッジが装着されている状態の装置の概略の縦断右側面図、(b)は現像カートリッジを上面側から見た外観斜視図、(c)は現像カートリッジを下面側から見た外観斜視図
【図5】ドラムカートリッジに対する現像カートリッジの装着要領説明図
【図6】(a)は実施例2の装置の説明図、(b)は実施例3の装置における現像カートリッジの外観斜視図
【図7】現像カートリッジ仮保持足の説明図
【図8】マゼンタカートリッジの着脱説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施例1]
(カラー電子写真画像形成装置の全体的な概略構成)
図1の(a)は本実施例におけるカラー電子写真画像形成装置(以下、装置と記す)100の外観斜視図、(b)は前扉102が開かれた装置100の外観斜視図、図2の(a)は装置100の概略の縦断右側面図である。装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタであり、パソコン等のホスト装置200から制御回路部101へ入力する電気的画像信号に基づいてシート状の記録媒体Sに対するカラー画像形成を実行する。装置本体(以下、本体と記す)100Aには、電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと記す)1を有するドラムカートリッジ50が着脱可能に装着されている。また、ドラム1に形成された静電潜像を現像するための現像ローラ41(41y・41m・41c・41k)を有する複数個の現像カートリッジ4(4y・4m・4c・4k)が本体100Aに対して着脱可能に装着されている。
【0014】
以下の説明において、装置100に関して、前側又は正面側とは装置開閉用の前扉102を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、装置100の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置100を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。上下とは重力方向において上又は下である。本体100Aは、カートリッジ50及び4を除いた画像形成装置部分である。
【0015】
本体100A内のほぼ中央部には、カートリッジ50のドラム1が位置している。ドラム1は矢印の反時計回りに回転駆動される。ドラム1の周囲には、ドラム回転方向に従って順に、ドラム1に作用するプロセス手段としての、帯電器2、現像装置4、ドラムクリーニング器6が配置されている。また、画像露光装置3、及び、中間転写装置5が配置されている。
【0016】
ドラム1は、例えばアルミシリンダの外周面に有機光導電体層(OPC感光体)を塗布したものである。ドラム1は、ドラム軸線を左右方向にして両端部がドラムカートリッジ枠体51の左右の側板52L・52R(図2の(b))間に左右の軸受53により回転自在に支持されている。そして、一端側(駆動側)のドラム端部に本体100A側の駆動モータ(不図示)からの駆動力を受ける為の駆動伝達部材(不図示)が配置されている。この駆動伝達部材に駆動力が伝達されことにより、ドラム1は矢印の反時計周りに所定の速度で回転する。
【0017】
帯電器2は本実施例では接触帯電方式であり、接触帯電部材はローラ状に形成された帯電ローラ(導電性ローラ)である。ローラ2は枠体51の左右の側板52L・52R間に回転自在に支持されて、ドラム1に対してほぼ並行にかつ当接して配設されており、ドラム1の回転に従動して回転する。そして、ローラ2に本体100A側の電源部(不図示)から所定の帯電バイアス電圧が印加されることで、ドラム1の表面が所定の極性・電位を一様に帯電される。
【0018】
画像露光装置3は本実施例ではレーザースキャナユニットであり、本体100Aの中底フレーム103の下面側に固定して配設されている。ユニット3は、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、Fθレンズ、反射ミラー等を有し、ホスト装置200から制御回路部101へ入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザービームLを出力する。そして、ビームLがフレーム103に形成されている露光穴103a及び枠体51の底板54に形成されている露光穴54aを通ってドラム1の下面に収束される。これにより、ドラム1の帯電処理面がビームLで走査露光されて、ドラム1面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
【0019】
現像装置4はドラム1に形成された静電潜像を現像剤(トナー)を用いて顕像化する装置である。本実施例においては、現像装置4は、収容している現像剤の色が互いに異なる第1乃至第4の4つの現像カートリッジ4(4y・4m・4c・4k)であり、ドラム1と前扉102との間において上下方向(垂直方向、鉛直方向)に隣接して配置されている。本実施例においては、第1のカートリッジ4yが最上位に位置している。第2のカートリッジ4mがその下に位置している。第3のカートリッジ4cが更にその下に位置している。第4のカートリッジ4kが最下位に位置している。各カートリッジ4は本体100Aに取り外し可能に装着されている。これにつては後述する。各カートリッジ4は、ドラム1に対して現像剤を供給する現像ローラ41(41y・41m・41c・41k)と、ローラ41によって、前記静電潜像の現像に用いられる現像剤が収納されている現像剤枠体42を有する。第1のカートリッジ4yはイエロー色(y色)の現像剤を収納したものである。以下このカートリッジ4yをイエローカートリッジと記す。第2のカートリッジ4mはマゼンタ色(m色)の現像剤を収納したものである。以下このカートリッジ4mをマゼンタカートリッジと記す。第3のカートリッジ4cはシアン色(c色)の現像剤を収納したものである。以下このカートリッジ4cをシアンカートリッジと記す。第4のカートリッジ4kはブラック色(k色)の現像剤を収納したものである。以下このカートリッジ4kをブラックカートリッジと記す。上記4つのカートリッジ4y・4m・4c・4kは選択的に現像動作制御されてドラム1に形成された静電潜像を現像する。即ち、選択されたカートリッジ4について、現像ローラ41等が駆動されると共に、ローラ41に本体100A側の電源部(不図示)から所定の現像バイアスが印加される。これにより、ドラム1に形成された静電潜像の現像がそのカートリッジ4により行われる。即ち、ローラ41によって現像剤を用いてドラム1の静電潜像の現像が行われる。ここで、本実施例においては、最下位のブラックカートリッジ4kは、他のカートリッジ4y・4m・4cに比べて、現像剤トナー容量が大きい。これはk色現像剤の使用頻度が多いため、ブラックカートリッジ4kのみ現像剤の収容量を増やしている為である。
【0020】
中間転写装置5は本実施例では中間転写ベルトユニットである。このユニット5は、中間転写体としての誘電体製で可撓性を有するエンドレスの中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)5aを有する。また、ベルト5aを懸回張設している第1ローラ5b及び第2ローラ5cと、ローラ5bとローラ5cとの間に配置されてベルト5aを挟んでドラム1に圧接している1次転写ローラ5dを有する。ドラム1とベルト5aの接触部が1次転写ニップ部T1である。ローラ5bのベルト懸回部には2次転写ローラ11が対向して配設されている。ローラ11は移動機構(不図示)によりベルト5aを挟んでローラ5bに圧接した作用位置と、ベルト5aから離間した非作用位置とに切り換え移動される。ローラ11は常時は非作用位置に保持されている。そして、所定の制御タイミングにて作用位置に移動される。ローラ11が作用位置に移動された状態において、ローラ11とベルト5aの接触部が2次転写ニップ部T2である。
【0021】
ローラ5cのベルト懸回部には、ベルト5aの表面をクリーニングするベルトクリーニング器5eが配設されている。クリーニング器5eは移動機構(不図示)によりクリーニング部材5fがベルト5aの表面に接触した作用位置と、部材5fがベルト5aの表面から離間した非作用位置とに切り換え移動される。クリーニング器5eは常時は非作用位置に保持されている。そして、所定の制御タイミングにて作用位置に移動される。
【0022】
クリーニング器6は、ベルト5aに対する現像剤像(トナー像)の1次転写後のドラム1面から転写残現像剤を除去する手段であり、本実施例ではクリーニング部材としてクリーニングブレード6aを用いている。ドラム1面から除去された現像剤は廃現像剤収容部6bに貯留される。本実施例においては、このクリーニング器6は枠体51に配設されている。
【0023】
制御回路部101は画像形成スタート信号が入力すると、メインモータ(不図示)を駆動させる。これにより、ドラム1が所定の速度で回転駆動される。また、ベルト5aもドラム1の回転方向に順方向にかつドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。ローラ11とクリーニング器5eは、それぞれ、ベルト5aから離間した非作用位置に移動されて保持されている。ローラ2に所定の帯電バイアスが印加される。これにより回転しているドラム1の表面が所定の極性・電位に均一に帯電される。ユニット3からフルカラー画像のy色成分画像信号に対応して変調されたレーザービームLが出力されてドラム面が走査露光される。これにより、ドラム面にy色成分画像に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像が現像動作制御されたイエローカートリッジ4yによりy色現像剤像として現像される。そのy色現像剤像が1次転写ニップ部T1においてベルト5aの面に1次転写される。ローラ5dには所定の制御タイミングで電源部(不図示)から現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の1次転写バイアスが印加される。1次転写後のドラム1面はクリーニング器6によりクリーニングされる。
【0024】
y色現像剤像のベルト5aに対する1次転写が終了すると、ドラム1に対してフルカラー画像のm色成分画像に対応したm色現像剤像を形成する帯電・露光・現像の工程が実行される。そのm色現像剤像が1次転写ニップ部T1において、ベルト5a上にすでに転写されているy色現像剤像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて1次転写される。
【0025】
m色現像剤像のベルト5aに対する1次転写が終了すると、ドラム1に対してフルカラー画像のc色成分画像に対応したc色現像剤像を形成する帯電・露光・現像の工程が実行される。そのc色現像剤像が1次転写ニップ部T1において、ベルト5a上にすでに転写されているy色+m色の現像剤像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて1次転写される。
【0026】
c色現像剤像のベルト5aに対する1次転写が終了すると、ドラム1に対してフルカラー画像のk色成分画像に対応したk色現像剤像を形成する帯電・露光・現像の工程が実行される。そのk色現像剤像が1次転写ニップ部T1において、ベルト5a上にすでに転写されているy色+m色+c色の現像剤像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて1次転写される。
【0027】
このようにして、ベルト51上にはy色+m色+c色+k色の4色フルカラーの未定着現像剤像が合成形成される。なお、ドラム1に対して順次に形成する色現像剤像の色順は本実施例のようなy色→m色→c色→k色の色順に限られるものではなく、適宜の色順で行うことができる。ベルト5a上に形成された4色フルカラーの未定着現像剤像の画像先端部がベルト5aの移動によりローラ10の位置に到達する前に、ローラ11がベルト5aに接触した作用位置に移動される。また、クリーニング器5eも所定の制御タイミングでベルト5aに対する作用位置に移動される。
【0028】
一方、所定の制御タイミングで給送部7の給送ローラ8が駆動されて、シート状の記録媒体Sが積載収容されているカセット9から記録媒体Sが1枚分離されて給送される。カセット9は本体100Aの前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。給送された記録媒体Sはレジストローラ対10によって所定の制御タイミングにてローラ11とベルト5aとの接触部である2次転写ニップ部T2に導入される。ローラ11には本体100A側の電源部(不図示)から現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の2次転写バイアスが印加される。これにより、記録媒体Sが2次転写ニップ部T2を挟持搬送されていく過程で、ベルト5a上の4色重畳の現像剤像が記録媒体Sの面に順次に一括2次転写される。
【0029】
記録媒体Sはベルト5aの面から分離されて定着器12へ導入される。定着器12は、記録媒体Sに転写された複数色の現像剤像を定着(溶融混色定着)させるものである。回転する加熱ローラ12aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ12bを有する。即ち、ベルト5a上の現像剤像を転写された記録媒体Sは、定着器12を通過する際に、定着ローラ対12a・12bで挟持搬送されて熱及び圧力が与えられる。これによって複数色のトナー画像が記録媒体Sの表面に定着される。そして、記録媒体Sは定着器12を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対13によって排出部14に排出される。モノクロ画像形成モードの場合は、ブラックカートリッジ4kを用いた画像形成だけが行われる。
【0030】
(カートリッジ交換方式)
各現像カートリッジ4(4y・4m・4c・4k)は、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、収容されている現像剤(トナー)が消費される。そこで、例えば、個々の現像カートリッジ4の現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御回路部101において、検知残量値を、予め設定した現像カートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、検知残量値が閾値よりも少ない残量値となった現像カートリッジについては、装置100の表示部104あるいはホスト装置200の表示部に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用の現像カートリッジの準備を促す、あるいは現像カートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。
【0031】
本実施例の装置100において、現像カートリッジ4及びドラムカートリッジ50の交換はユーザビリティ向上のためにフロントアクセスにより交換する方式である。即ち、本体100Aの前面側には、本体100A内のカートリッジ装着部105へカートリッジを挿入する、及び、本体100Aからカートリッジを取り出すために、カートリッジを通過させる開口部106が設けられている。そして、この開口部106を閉じる閉鎖位置と、開口部106を開放する開放位置と、の間を移動可能な開閉部材(開閉可能な扉)としての前扉102が設けられている。本実施例においては、扉102は、本体100Aの右フレーム107Rに設けたヒンジ部(蝶番)108を中心に本体100Aに対して開閉回動可能である。すなわち、扉102は、ヒンジ部108を中心に回動して、図1の(a)ように、本体100Aの開口部106に対して閉じ込んだ状態にすることができる。この扉102の閉じにより開口部106が閉鎖される。また、ヒンジ部108を中心に本体100Aの右側に回動して、図1の(b)ように、本体100Aから開いた状態にすることができる。これにより、開口部106が開放される。102aはドア10に設けた取手部である。扉102が開かれることで、カートリッジ装着部105が開放されて、装着部105に装着されている各現像カートリッジ4の前面側(外表面)が図1の(b)ように開口部106に露呈する。また、ドラムカートリッジ50の引き手55が開口部106に露呈する。引き手55は枠体51の底板54の前面側に配設されている。
【0032】
そして、扉102が開かれている状態において、後述する要領にて、第1乃至第4の現像カートリッジ4y・4m・4c・4kを最上位のものから順に個々に本体100Aから取り出すことが出来る。また、全ての現像カートリッジ4y・4m・4c・4kと一緒にドラムカートリッジ50を本体100Aから取り出すことが出来る。また、全ての現像カートリッジ4y・4m・4c・4kを本体100Aから取り出して、更にドラムカートリッジ50を本体100Aから取り出すことが出来る。また、逆の手順で、ドラムカートリッジ50及び現像カートリッジ4y・4m・4c・4kを本体100Aに挿入して装着することが出来る。
【0033】
(ドラムカートリッジ)
ドラムカートリッジ50の構成と本体100Aに対する着脱構成を説明する。図2の(b)はカートリッジ50の斜視図である。本実施例のカートリッジ50は、枠体51に、ドラム1と、ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2及びドラムクリーニング器6を所定の配置関係にて組み付けたものである。ドラム1は、ドラム軸線を左右方向にして両端部が枠体51の左右の側板52L・52R間に左右の軸受53(右側の軸受は不図示)により回転自在に支持されている。左右の軸受53は被位置決め部としてそれぞれ左右の側板52L・52Rの外側に突出している。枠体51の底板54は、ドラム1よりもカートリッジ装着方向(進入方向)Aとは逆方向(カートリッジ取り出し方向)Bにほぼ水平方向に延在している。また、底板54の前面側には左右の軸部56を中心に回動可能に引き手55が配設されている。引き手55は、軸部56を中心に実線示のように起立させた畳み込み姿勢と、2点鎖示のようにほぼ水平に倒した引き姿勢とに転換可能である。
【0034】
底板54の上面の左右側には、それぞれ、最下位のブラックカートリッジ4kを着脱する際にガイドするためのガイド溝部26が設けられている。ガイド溝部26はカートリッジ着脱方向A・Bに延在している。また、底板54の前面の左右方向中央部には位置決め穴27が設けられている。また、左右の側板52L・52Rの前端縁にはそれぞれ縁に沿って上から下に順に各現像カートリッジ4y・4m・4c・4kの位置決め部としての凹部22Ly・22Ry、22Lm・22Rm、22Lc・22Rc、22Lk・22Rkが設けられている。また、各凹部22には位置決め付勢バネ23Ly・23Ry、23Lm・23Rm、23Lc・23Rc、23Lk・23Rkが設けられている。
【0035】
一方、装着部105には、図3の(a)・(b)、図4の(a)のように、本体100Aの左フレーム107Lの内面と右フレーム107Lの内面に左右対称にドラムカートリッジガイド部材(本体側ドラムカートリッジガイド)60が設けられている。左右のガイド部材60には、それぞれ、カートリッジ50の左右側の被位置決め部としての軸受53が嵌入するドラム位置決め凹部(本体側ドラムカートリッジ位置決め部)61が設けられている。また、各凹部61には位置決め付勢バネ62が設けられている。
【0036】
カートリッジ50の本体100Aに対する装着は次のようになさる。カートリッジ50の左右側を把持し、ドラム11側を先にして開口部106から本体100A内の装着部105に挿入し、枠体51の底板54の下面を中底フレーム103の上面に乗せる。そして、そのカートリッジ50を中底フレーム103をガイドとして該フレーム103の上面に沿わせて本体100A内の後方にスライド移動させる。カートリッジ50を十分に押し込むと、カートリッジ50の左右の被位置決め部としての軸受53が、それぞれ、本体100A側の左右のガイド部材60の凹部61にバネ62の弾性に抗してバネ62を押し上げながら進入する。そして、軸受53が凹部61の直角2辺(受け止め部)に当接してカートリッジ50のそれ以上の押し込み方向への移動が阻止される。また、軸受53の凹部61に対する上記の当接状態がバネ62の弾性により保持される。これにより、カートリッジ50は、装着部150に対して、前後方向、左右方向、上下方向が規制されて位置決めされて装着される。逆に、装着されているカートリッジ50の取り出しは、底板54の前面側の引き手55をほぼ水平の引き姿勢にして握ってカートリッジ50をバネ62の付勢力に抗して手前側(カートリッジ取り出し方向B)に引き移動する。そうすると、左右の軸受53がそれぞれバネ62の弾性に抗してバネ62を押し上げながら凹部61から抜け出る。即ち、軸受53の凹部61に対する位置決めが解除される。引き続き引き手55を引くことにより、カートリッジ50を中底フレーム103をガイドとして該フレーム103の上面に沿わせて本体100A内を前方にスライド移動させる。これにより、カートリッジ50を開口部106を通して本体100Aの外に取り出すことが出来る。
【0037】
(現像カートリッジ)
現像カートリッジ4の構成と本体100Aに対する装着構成を説明する。本実施例における各現像カートリッジ4(4y・4m・4c・4k)は、ドラム1に対して現像剤を供給する現像ローラ41(41y・41m・41c・41k)を有する。また、現像ローラ41によって、静電潜像の現像に用いられる現像剤が収納されている現像剤枠体42を有する。現像剤枠体42は本実施例においては扁平な直方体形状の筐体である。枠体42の内部には、図には省略したけれども、ローラ41に対して現像剤を塗布する現像剤供給塗布部材、塗布された現像剤の層厚を規制すると共に現像剤に電荷を付与する現像ブレード、現像剤攪拌搬送部材なども配設されている。ローラ41は枠体42の後面側に軸線方向を左右方向にして左右の軸受部43を介して回転可能に保持されて配設されている。ローラ41はほぼ半周面が枠体42の外側に露呈しており、残りのほぼ半周面が枠体42の内側に位置している。ローラ41の左右側にはそれぞれローラ41と同軸上にギャップ規制コロ(スペーサコロ)44が配設されている。コロ44の径はローラ41の径よりも所定に大きい。枠体42の前面側の左右部には把持部45が配設されている。枠体42の前面の左右方向中央部の上下部にはそれぞれ、位置決め穴27と、位置決めボス28が設けられている。位置決めボス28は、枠体42の前面から下方に突出させた座板29の裏側にカートリッジ装着方向Aに突出させて設けられている。また、枠体42の上面の左右側には、それぞれ、直上のカートリッジ4を着脱する際にガイドするためのガイド溝部26が設けられている。ガイド溝部(ガイド部)26はカートリッジ着脱方向A・Bに延在している。また、枠体42の下面の左右側には、それぞれ、直下のカートリッジ4の上記ガイド溝部26に係合するガイド凸部(被ガイド部)25が設けられている。ガイド凸部25はカートリッジ着脱方向A・Bに延在している。ガイド溝部26及びガイド凸部25は、各カートリッジ4がドラムカートリッジ50に装着される際、及び、ドラムカートリッジ50から取り外される際に、カートリッジ4をガイドするものである。
【0038】
(ドラムカートリッジ50に対する現像カートリッジ4の装着)
ドラムカートリッジ50に対する各現像カートリッジ4の装着は第4、第3、第2、第1の順序でなされる。最下位のブラックカートリッジ4kの装着は、図5の(a)のように、カートリッジ4kを枠体51の底板54の上に、現像ローラ41k側を先にして、また、底板54の上面の左右のガイド溝部26に対して下面の左右のガイド凸部25を嵌合させて乗せる。このとき、引き手55はカートリッジ4kと干渉しないように水平に倒した引き姿勢に転換しておく。そして、溝部26と凸部25の係合状態でカートリッジ4kを装着方向Aに押して底板54上をスライド移動させて枠体51の内方に押し込む。カートリッジ4kが十分に押し込まれることで、カートリッジ4kの左右の軸受部43が、それぞれ、カートリッジ50の左右の側板52L・52Rの凹部22Lk・22Rkに嵌合する。そして、バネ23Lk・23Rkによりカートリッジ装着方向Aに付勢され、ドラム1に対しての現像ローラ41kの位置が決められる。本実施例では、ローラ41kの左右のギャップ規制コロ44がドラム1の左右側に当接して接触保持されることでドラム1とローラ41kの軸間距離が決められて、ローラ41kがドラム1に対して所定の僅少な隙間を存して非接触に対向した状態に保持される。なお、この非接触現像方式に限定されずに、現像を行う際にローラ41とドラム1とを接触させる接触現像方式を用いてもよい。また、カートリッジ4kのボス28が底板54の穴27に嵌合する。これにより、カートリッジ4kの姿勢が決められる。即ち、カートリッジ4kがドラムカートリッジ50に対して、装着方向、左右方向、上下方向において位置決めされて装着された状態になる。
【0039】
シアンカートリッジ4cの装着は、カートリッジ50に装着されているカートリッジ4kの上に、ローラ41c側を先にして、また、カートリッジ4kの上面の左右のガイド溝部26に対して下面の左右のガイド凸部25を嵌合させて乗せる。そして、溝部26と凸部25の係合状態でカートリッジ4kを装着方向Aに押してカートリッジ4k上をスライド移動させて枠体51の内方に押し込む。カートリッジ4cが十分に押し込まれることで、カートリッジ4cの左右の軸受部43が、それぞれ、カートリッジ50の左右の側板52L・52Rの凹部22Lc・22Rcに嵌合する。そして、バネ23Lc・23Rcによりカートリッジ装着方向Aに付勢され、ドラム1に対してのローラ41cの位置が決められる。また、カートリッジ4cのボス28がカートリッジ4kの穴27に嵌合する。これにより、カートリッジ4cの姿勢が決められる。即ち、カートリッジカ4cがカートリッジ50に対して、装着方向、左右方向、上下方向において位置決めされて装着された状態になる。
【0040】
マゼンタカートリッジ4mの装着は、カートリッジ50に装着されているカートリッジ4cの上に、ローラ41m側を先にして、また、カートリッジ4cの上面の左右のガイド溝部26に対して下面の左右のガイド凸部25を嵌合させて乗せる。そして、溝部26と凸部25の係合状態でカートリッジ4mを装着方向Aに押してカートリッジ4c上をスライド移動させて枠体51の内方に押し込む。カートリッジ4mが十分に押し込まれることで、カートリッジ4mの左右の軸受部43が、それぞれ、カートリッジ50の左右の側板52L・52Rの凹部22Lm・22Rmに嵌合する。そして、バネ23Lm・23Rmによりカートリッジ装着方向Aに付勢され、ドラム1に対しての現像ローラ41cの位置が決められる。また、カートリッジ4mのボス28がカートリッジ4cの穴27に嵌合する。これにより、カートリッジ4mの姿勢が決められる。即ち、カートリッジカ4mがカートリッジ50に対して、装着方向、左右方向、上下方向において位置決めされて装着された状態になる。図5の(b)は、カートリッジ50に対して、ブラックカートリッジ4k、シアンカートリッジ4c、マゼンタカートリッジ4mの3つが装着されている状態を示している。
【0041】
イエローカートリッジ4yの装着は、カートリッジ50に装着されているカートリッジ4mの上に、ローラ41y側を先にして、また、カートリッジ4mの上面の左右のガイド溝部26に対して下面の左右のガイド凸部25を嵌合させて乗せる。そして、溝部26と凸部25の係合状態でカートリッジ4yを装着方向Aに押してカートリッジ4m上をスライド移動させて枠体51の内方に押し込む。カートリッジ4yが十分に押し込まれることで、カートリッジ4yの左右の軸受部43が、それぞれ、カートリッジ50の左右の側板52L・52Rの凹部22Ly・22Ryに嵌合する。そして、バネ23Ly・23Ryによりカートリッジ装着方向Aに付勢され、ドラム1に対してのローラ41yの位置が決められる。また、カートリッジ4yのボス28がカートリッジ4mの穴27に嵌合する。これにより、カートリッジ4yの姿勢が決められる。即ち、カートリッジカ4yがカートリッジ50に対して、装着方向、左右方向、上下方向において位置決めされて装着された状態になる。
【0042】
ドラムカートリッジ50と現像カートリッジ4の本体100Aに対する装着は、扉102を開いて、ドラムカートリッジ50と4つの現像カートリッジ4が一体となった状態で行うことができる。また、ドラムカートリッジ50を単体で装着し、その後、各現像カートリッジ4を上記の要領で装着することもできる。現像カートリッジのみの交換の際にはこの方法を用いればよい。また、ドラムカートリッジ50と現像カートリッジ4の本体100Aからの取り出しは、扉102を開いて、ドラムカートリッジ50と4つの現像カートリッジ4が一体となった状態で行うことができる。ドラムカートリッジ50の引き抜きは引き手55を握って引くことでなされる。また、ドラムカートリッジ50は装着したままで、各現像カートリッジ4を上から順番に引き抜いて行なうことが出来る。カートリッジ4の引き抜きは把持部45を掴んで行うことが出来る。
【0043】
ドラム1を保持しているドラムカートリッジ50に対して各現像カートリッジ4の現像ローラ41の位置決めをしている。そのため、ドラム1とローラ41のアライメントを保障でき、また、ドラムカートリッジ50と現像カートリッジ4を一体で本体100Aから着脱及び挿入することが可能になる。即ち、本体100Aに装着されたドラムカートリッジ50から複数個の現像カートリッジ4が取り出し可能に構成されている。かつ、現像カートリッジ4を装着した状態で、本体100Aからドラムカートリッジ50が現像カートリッジ4と一体的に取り出し可能に構成されている。現像カートリッジ4を挿入する際には挿入を規制するように直下のドラムカートリッジ50又は現像カートリッジ4の上面にガイド溝部(挿入ガイド手段)26が設けられている。また、現像カートリッジ4を挿入する際に現像カートリッジ4の下面にあるガイド凸部(被ガイド)25が設けられており、ガイド溝部26に沿って挿入することになる。ドラムカートリッジ50に対して最下段の現像カートリッジ4kから順番に挿入する。このように、現像カートリッジの挿入ガイドを直下のドラムカートリッジ及び現像カートリッジに構成することでカートリッジの幅を縮めることが出来、装置本体への小型化へと繋がる。
【0044】
[実施例2]
図6の(a)は本実施例2の装置100の説明図である。本実施例の装置100は基本的には実施例1の装置100と同様であり、ドラムカートリッジ50は本体100Aに、各現像カートリッジ4はドラムカートリッジ50に位置決めされており、一体となって着脱可能である。扉102の内面には、各現像カートリッジ4の姿勢を決める位置決め突起28(28y、28m、28c、28k)が配設されている。それらの突起28は扉102を閉めることで、各現像カートリッジ4の前面の位置決め穴27(27y、27m、27c、27k)と嵌合する。現像カートリッジ4の回転方向の位置は直下のドラムカートリッジ又は現像カートリッジに保持されることでラフに位置が決められている。扉102を閉めることで、各現像カートリッジ4の穴2と扉102の突起29がそれぞれ嵌合され、各現像カートリッジ4の位置が決められる。
【0045】
本実施例でも実施例1と同様にドラムカートリッジ50にと現像カートリッジ4を一体で着脱及び挿入可能であり、現像カートリッジ4のガイド形状をドラムカートリッジ50及び現像カートリッジ4に設けることで本体100Aにガイド形状を設けなくてもよい。そのため、本体幅を縮めることが出来る。また、現像カートリッジ4を扉102で位置決めすることで、現像カートリッジどうし接触させなくてもよく、他の現像カートリッジの振動の影響を受けにくくすることが出来る。
【0046】
[実施例3]
図6の(b)、図7、図8は本実施例3の装置100の説明図である。本実施例において、各現像カートリッジ4(4y、4m、4c、4k)には、仮保持手段となる左右一対の現像カートリッジ仮保持足(スタンド)30(30L、30R)が設けられている。また、仮保持足30を規制する手段となるカム31を有する現像カートリッジ位置決め手段32が設けられている。位置決め手段32には仮保持足30の回転軸33をカム31により、仮保持足30の回転を規制している。位置決め手段32を図7の(a)から(c)のように動作させることで、仮保持足30の規制が解除され、付勢ばね34L・34Rにより仮保持足30が(c)のように回動する。(b)は(a)の部分的拡大図、(d)は(c)の部分的拡大図である。
【0047】
図7、図8を用いて現像カートリッジ4の着脱方法について説明する。例えば、マゼンタカートリッジ4mを引き出す際には、その上のイエローカートリッジ4yの位置決め手段32によるマゼンタカートリッジ4mの位置決めを、図7の(a)から(c)のように解除する操作をする。そうすると、イエローカートリッジ4yの仮保持足30が、図8の(b)のように、不図示のバネにより付勢されて回動する。その仮保持足30は引き出されるマゼンタカートリッジ4mの上部にガイドされ、図8の(c)のように、マゼンタカートリッジ4mの下部のシアンカートリッジ4cの上に起立して、イエローカートリッジ4yが仮保持される。したがって、イエローカートリッジ4yとシアンカートリッジ4cの間のマゼンタカートリッジ4mが支障なく引き出される。また、マゼンタカートリッジ4mを挿入する際には上記の引き出し時とは逆の操作で、図8の(c)のように、マゼンタカートリッジ4mを挿入していく。そうすると、イエローカートリッジ4yの起立している仮保持足30が、(b)のように、挿入されるマゼンタカートリッジ4mで押し上げ回動される。そして、最終的には、(a)のように、イエローカートリッジ4yの仮保持足30はイエローカートリッジ4yに格納される。その後、イエローカートリッジ4yの位置決め手段32によりマゼンタカートリッジ4mの位置決めを行う。これにより、マゼンタカートリッジ4mの前面の位置が決まる。これとともに、イエローカートリッジ4yの仮保持足30が隣接するマゼンタカートリッジ4mに対して無負荷に保持される。他の現像カートリッジの着脱においても同様である。
【0048】
以上のように、各現像カートリッジには回動可能に配置された仮保持足と仮保持足の規制手段を備えた現像カートリッジの位置決め手段が備えられている。これにより、任意の現像カートリッジが着脱されても、仮保持機構が働くため、ドラムカートリッジ50ないし本体100Aに挿入ガイドが構成されていなくても、任意の現像カートリッジを着脱することが可能である。また、本実施例3でも同様に現像カートリッジ4はドラムカートリッジ3に位置決めされており、一体となって着脱及び挿入可能である。
【符号の説明】
【0049】
1・・電子写真感光体ドラム、50・・ドラムカートリッジ、100・・電子写真画像形成装置、100A・・装置本体、41・・現像ローラ、4(4y・4m・4c・4k)・・現像カートリッジ、S・・記録媒体、60・・本体側ドラムカートリッジガイド、61,62・・本体側ドラムカートリッジ位置決め部、22,23・・位置決め部、26・・挿入ガイド手段、A・・進入方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体ドラムを有するドラムカートリッジを電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着して、かつ、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラを有する複数個の現像カートリッジを前記装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体にカラー画像を形成するカラー電子写真画像形成装置において、
前記装置本体に設けられた、前記ドラムカートリッジをガイドする本体側ドラムカートリッジガイドと、
前記装置本体に設けられた、前記ドラムカートリッジを前記装置本体に位置決めする本体側ドラムカートリッジ位置決め部と、
を有し、
前記ドラムカートリッジに、前記現像カートリッジの前記ドラムカートリッジに対する進入方向の位置を位置決めする位置決め部を設け、現像カートリッジの挿入する際に直下のドラムカートリッジ又は現像カートリッジに挿入ガイド手段を設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記装置本体に装着されたドラムカートリッジから前記複数個の現像カートリッジが取り出し可能に、かつ、前記現像カートリッジを装着した状態で、前記装置本体から前記ドラムカートリッジが前記現像カートリッジと一体的に取り出し可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体に開閉可能な扉を有し、前記扉で前記現像カートリッジの位置決めを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラー電子写真画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−3185(P2012−3185A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140473(P2010−140473)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】