説明

カリウムイオンチャネル調節剤としての多環式ピリジン

本発明は、カリウムイオンチャネルの調節剤として有用な多環式ピリジン類を提供する。本発明の調節剤は治療および診断法の両方において有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は2004年4月13日提出の米国特許仮出願第第60/562,035号の恩典を主張し、その内容はあらゆる目的のために全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の背景
イオンチャネルは、カルシウム、カリウム、ナトリウムおよび塩素を含むイオンの細胞への流入および流出を調節する細胞タンパク質である。これらのチャネルはすべてのヒト細胞に存在し、神経伝達、筋収縮、細胞分泌、心搏の調節、動脈の拡張、インスリンの放出、および腎電解質輸送の調節などの生理的プロセスに影響をおよぼす。イオンチャネルの中で、カリウムイオンチャネルが最も広範に存在し、かつ多様で、神経、筋、腺、免疫、生殖、および上皮組織などの様々な動物細胞で見いだされる。これらのチャネルは、特定の条件下でカリウムの細胞への流入および/または流出を可能にする。例えば、これらのチャネル開放時のカリウムイオンの外向きの流れにより、細胞内部がより負となり、細胞にかけられた脱分極性電圧を相殺する。これらのチャネルは、例えば、カルシウム感受性、電圧ゲーティング、二次メッセンジャー、細胞外リガンド、およびATP感受性によって調節される。
【0003】
カリウムイオンチャネルは典型的には4つのアルファサブユニットで形成され、ホモマー(同じアルファサブユニットで形成)であってもよく、ヘテロマー(複数の異なるタイプのアルファサブユニットで形成)であってもよい。加えて、特定のカリウムイオンチャネル(Kv、KQTおよびSloまたはBKサブユニットからなるもの)は、追加の構造的に異なる補助的、またはベータサブユニットを含むことがしばしば見いだされている。これらのサブユニットはカリウムイオンチャネル自体を形成することはないが、代わりにアルファサブユニットによって形成されるチャネルの機能的特性を改変するための補助的サブユニットとしてはたらく。例えば、Kvベータサブユニットは細胞質性で、Kvチャネルの表面発現を増大させ、かつ/またはチャネルの不活化速度を改変することが知られている(Heinemann et al., J. Physiol. 493: 625-633 (1996)(非特許文献1); Shi et al., Neuron 16 (4): 843-852 (1996)(非特許文献2))。もう一つの例において、KQTファミリーベータサブユニットであるminKは主に活性化速度を変化させる(Sanguinetti et al., Nature 384: 80-83 (1996)(非特許文献3))。
【0004】
カリウムイオンチャネルのアルファサブユニットは、推定される構造的および機能的類似性に基づいて、少なくとも8つのファミリーに分かれる(Wei et al., Neuropharmacology 35(7): 805- 829 (1997)(非特許文献4))。これらのファミリーの3つ(Kv、eag関連、およびKQT)は6つの膜貫通ドメインの共通モチーフを有し、主に電圧によってゲーティングされる。2つの他のファミリーであるCNGおよびSK/IKもこのモチーフを含むが、それぞれ環状ヌクレオチドおよびカルシウムによってゲーティングされる。小(SK)および中(IK)コンダクタンスカルシウム活性化カリウムイオンチャネルはそれぞれ2〜20および20〜85pSの単位コンダクタンスを有し、下記のBKチャネルよりもカルシウムに対する感受性が高い。カルシウム活性化カリウムチャネルの総説については、Latorre et al., Ann. Rev. Phys. 51: 385-399 (1989)(非特許文献5)を参照されたい。
【0005】
カリウムチャネルアルファサブユニットの3つの他のファミリーは異なるパターンの膜貫通ドメインを有する。SloまたはBKファミリーカリウムチャネルは7つの膜貫通ドメインを有し(Meera et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94(25): 14066-14071 (1997)(非特許文献6))、電圧とカルシウムまたはpHの両方によってゲーティングされる(Schreiber et al., J. Biol. Chem. 273: 3509-3516 (1998)(非特許文献7))。SloまたはBKカリウムイオンチャネルは、中枢神経系と末梢両方の様々な組織において見いだされる、大コンダクタンスカリウムイオンチャネルである。これらのチャネルは内部カルシウムイオンおよび膜電位の協奏作用によってゲーティングされ、100〜220pSの間の単位コンダクタンスを有する。これらはニューロン統合筋収縮およびホルモン分泌などのプロセスの調節において重要な役割を果たす。また、これらはリンパ球分化および細胞増殖、精母細胞分化および精子運動性などのプロセスにも関与している可能性がある。BK(Atkinson et al., Science 253: 551-555 (1991)(非特許文献8); Adelman et al., Neuron 9: 209-216 (1992)(非特許文献9); Butler, Science 261: 221-224 (1993)(非特許文献10))サブファミリーのメンバーが異種細胞型においてクローニングおよび発現されており、ここでその本来の対応物の基本的性質を反復する。最後に、内向き整流性カリウムチャネル(Kir)は2つの膜貫通ドメインを含む構造ファミリーに属し、8番目の機能的に多様なファミリー(TP、すなわち「二孔」)はこの内向き整流性モチーフの2つの直列型反復配列を含む。
【0006】
カリウムイオンチャネルのそれぞれのタイプは異なる薬理特性を示す。これらのクラスは広く発現され、それらの活性は膜電位を過分極させる。カリウムイオンチャネルは、心搏の調節、動脈の拡張、インスリンの放出、神経細胞の興奮性、および腎電解質輸送の調節を含むいくつかの生理プロセスに関連づけられている。さらに、研究により、カリウムイオンチャネルは、中枢および末梢神経系障害(例えば、偏頭痛、運動失調、パーキンソン病、双極性障害、三叉神経痛、痙縮、気分障害、脳腫瘍、精神病性障害、筋波動症、発作、てんかん、聴力および視力損失、精神病、不安、うつ病、痴呆、記憶および注意欠乏、アルツハイマー病、加齢性記憶喪失、学習障害、不安、外傷性脳傷害、月経困難、睡眠発作、および運動ニューロン疾患)を含むいくつかの疾患の処置における治療標的、および神経保護物質(例えば、卒中などを予防するため)の標的;ならびに胃食道逆流障害(gastroesophogeal reflux disorder)および胃腸低運動障害、過敏性腸症候群、分泌性下痢、喘息、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患および鼻漏、痙攣、血管痙攣、冠動脈痙攣、腎障害、腎嚢胞、膀胱痙攣、尿失禁、膀胱流出閉塞(bladder outflow obstruction)、虚血、脳虚血、虚血性心疾患、狭心症、冠動脈性心疾患、レイノー病、間欠性跛行、シェーグレン症候群、不整脈、高血圧、筋緊張性筋ジストロフィー、口内乾燥、II型糖尿病、高インスリン血症、早期分娩、脱毛症、癌、ならびに免疫抑制などの疾患状態の処置における治療標的であることが示されている。
【0007】
特に、SKチャネルは異なる薬理特性を有することが明らかにされている。例えば、パッチクランプ法を用いて、8つの臨床上関連する精神活性化合物のSK2サブタイプチャネルに対する効果が調べられた(Dreixler et al., Eur. J. Pharmacol. 401: 1-7 (2000)(非特許文献11))。評価された化合物は三環系抗うつ薬に構造的に関連しており、アミトリプチリン、カルバマゼピン、クロルプロマジン、シプロヘプタジン、イミプラミン、タクリンおよびトリフルペラジンを含む。試験された化合物はそれぞれ、SK2チャネル電流をマイクロモル濃度の親和性で阻止することが明らかにされた。SKチャネルに影響をおよぼすいくつかの神経筋阻害剤、例えば、アパミン、アトラクリウム、パンクロニウムおよびツボクラリンがある(Shah et al., Br J Pharmacol 129: 627-30 (2000)(非特許文献12))。
【0008】
さらに、パッチクランプ法を用いて、中枢作用性筋弛緩剤クロルゾキサゾンおよび3つの構造的に関連する化合物、1-エチル-2-ベンズイミダゾリノン(1-EBIO)、ゾキサゾラミン、および1,3-ジヒドロ-1-[2-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2H-ベンズイミダゾル-2-オン(NS 1619)の、HEK293哺乳動物細胞において発現された組換えラット脳SK2チャネル(rSK2チャネル)に対する効果も試験されている(Cao et al., J Pharnaacol. Exp. Ther. 296: 683-689 (2001)(非特許文献13))。外部適用した場合、クロルゾキサゾン、1-EBIO、およびゾキサゾラミンは、名目上カルシウムを含まない細胞内溶液で透析した細胞におけるrSK2チャネル電流を活性化した。
【0009】
組換えヒトSK4(hIK1またはhKCa4としても知られている)チャネルの活性化に対する金属カチオンの効果も調べられている(Cao and Houamed, FEBS Lett. 446: 137-41 (1999)(非特許文献14))。イオンチャネルをHEK293細胞において発現させ、パッチクランプ記録を用いて試験が行われた。試験された9つの金属のうち、コバルト、鉄、マグネシウム、および亜鉛はSK4チャネル発現膜パッチの内部に適用した場合にSK4チャネルを活性化しなかった。バリウム、カドミウム、カルシウム、鉛、およびストロンチウムは濃度依存的にSK4チャネルを活性化した。カルシウムが最も強力な金属で、続いて鉛、カドミウム、ストロンチウム、およびバリウムであった。
【0010】
SKチャネルは、孔形成αサブユニットおよびカルシウム結合タンパク質カルモジュリン(CaM)を含むヘテロマー複合体である。CaMは孔近辺のαサブユニットの細胞内領域に位置するCaM結合ドメイン(CaMBD)を通してSKチャネルに結合する。最近発表された結晶構造に基づき、4つのサブユニットそれぞれにおけるCaMタンパク質のN-ローブへのカルシウム結合によって、CaMタンパク質の疎水性部分が隣接サブユニットのCaMBDと相互作用することを可能にする構造変化が始まる。隣接サブユニットの各N-ローブが他のCaMBD C末端領域をつかむのに合わせて、それらの間に回転力が生じると考えられ、これがチャネルの開放を推進すると思われる。
【0011】
カリウムイオンチャネルの開放を調節するよう作用する新しいクラスの化合物は、当技術分野における著しい前進を意味し、これらのチャネルに関連する多くの疾患の処置法を開発する機会を提供することになる。本発明は、新しいクラスのカリウムイオンチャネル調節剤および調節剤の使用法を提供する。
【0012】
【非特許文献1】Heinemann et al., J. Physiol. 493: 625-633 (1996)
【非特許文献2】Shi et al., Neuron 16 (4): 843-852 (1996)
【非特許文献3】Sanguinetti et al., Nature 384: 80-83 (1996)
【非特許文献4】Wei et al., Neuropharmacology 35(7): 805- 829 (1997)
【非特許文献5】Latorre et al., Ann. Rev. Phys. 51: 385-399 (1989)
【非特許文献6】Meera et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94(25): 14066-14071 (1997)
【非特許文献7】Schreiber et al., J. Biol. Chem. 273: 3509-3516 (1998)
【非特許文献8】Atkinson et al., Science 253: 551-555 (1991)
【非特許文献9】Adelman et al., Neuron 9: 209-216 (1992)
【非特許文献10】Butler, Science 261: 221-224 (1993)
【非特許文献11】Dreixler et al., Eur. J. Pharmacol. 401: 1-7 (2000)
【非特許文献12】Shah et al., Br J Pharmacol 129: 627-30 (2000)
【非特許文献13】Cao et al., J Pharnaacol. Exp. Ther. 296: 683-689 (2001)
【非特許文献14】Cao and Houamed, FEBS Lett. 446: 137-41 (1999)
【発明の開示】
【0013】
発明の概要
本発明は、カリウムイオンチャネルを通過するカリウムイオン流の調節を通じて疾患を処置する際に有用である、多環式ピリジン、そのプロドラッグ、錯体および薬学的に許容される塩を提供する。
【0014】
一つの局面において、カリウムイオンチャネル調節剤は式(I)の構造を有する:

式(I)において、AおよびBは独立に置換または無置換5または6員環である。いくつかの態様において、AおよびBは独立に5もしくは6員ヘテロシクロアルキルまたは5もしくは6員ヘテロアリールである。
【0015】
記号W1

であり、W2は-CH=、-NH-、-N=、または-O-である。記号Z1

であり、Z2は-CH=、-NH-、-N=、または-O-である。いくつかの態様において、W1およびZ1は独立に

であり、W2およびZ2は独立に-NH-または-N=であってもよい。記号Xは結合、-CH2-、または-NR4-である。
【0016】
記号sおよびtは独立に1〜4の整数である。記号kは1〜3の整数である。
【0017】
R1、R2、およびR3は独立にH、-NO2、-CF3、-L1-OR6、-L2-NR7R8、-L3CONR7R8、-L4-COOR6、-L5-COR6、-L6-SO2R6、-L7-SO2NR7R8、シアノ、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。
【0018】
R4およびR5は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-L3-CONR7R8、-L4-COOR6、-L5COR6、-L6-SO2R6、または-L7-SO2NR7R8である。
【0019】
L1、L2、L3、L4、L5、L6、およびL7は独立に結合、または置換もしくは無置換(C1-C6)アルキレンである。
【0020】
R6はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。
【0021】
R7およびR8は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-COR81、または-SO2R81である。R7およびR8はそれらが結合している窒素と任意に結び付いて置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールを形成する。
【0022】
R81は置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。
【0023】
複数のR基またはL基がある場合、それぞれの基は任意に異なる。
【0024】
第二の局面において、本発明は、細胞内のカリウムイオンチャネルを通過するイオン流を低減する方法であって、細胞を本発明のカリウムチャネル調節剤のカリウムイオンチャネル調節量と接触させる段階を含む方法を提供する。
【0025】
第三の局面において、本発明は、これらのチャネルを通過するカリウムイオン流の調節を通じて疾患を処置する方法を提供する。調節剤は中枢または末梢神経系障害(例えば、偏頭痛、運動失調、パーキンソン病、双極性障害、三叉神経痛、痙縮、気分障害、脳腫瘍、精神病性障害、筋波動症、発作、てんかん、聴力および視力損失、精神病、不安、うつ病、痴呆、記憶および注意欠乏、アルツハイマー病、加齢性記憶喪失、学習障害、不安、外傷性脳傷害、月経困難、睡眠発作、ならびに運動ニューロン疾患)の処置において、および神経保護物質(例えば、卒中などを予防するため)として有用である。本発明の調節剤は、胃食道逆流障害および胃腸低運動障害、過敏性腸症候群、分泌性下痢、喘息、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患および鼻漏、痙攣、血管痙攣、冠動脈痙攣、腎障害、腎嚢胞、膀胱痙攣、尿失禁、膀胱流出閉塞、虚血、脳虚血、虚血性心疾患、狭心症、冠動脈性心疾患、レイノー病、間欠性跛行、シェーグレン症候群、不整脈、高血圧、筋緊張性筋ジストロフィー、口内乾燥、II型糖尿病、高インスリン血症、早期分娩、脱毛症、癌、ならびに免疫抑制などの疾患状態の処置においても有用である。この方法は、患者に本発明のカリウムチャネル調節剤の有効量を投与する段階を含む。
【0026】
第四の局面において、本発明は、薬学的に許容される担体と本発明のカリウムチャネル調節剤とを含む薬学的組成物を提供する。
【0027】
本発明のこれらおよび他の局面および態様は、以下の詳細な説明から明らかになると思われる。
【0028】
発明の詳細な説明
I. 略語および定義
本明細書において用いられる略語は化学および生物学の分野内の通常の意味を有する。
【0029】
部分が左から右に書かれたそれらの通常の化学式で明記される場合、それらは構造を右から左に書くことによって生じる化学的に同一の置換基を等しく含み、例えば-CH2O-は-OCH2-と等しい。
【0030】
「アルキル」なる用語は、それ自体またはもう一つの置換基の一部として、特に記載がないかぎり、直鎖もしくは分枝鎖、または環状炭化水素基、あるいはその組み合わせを意味し、これは完全飽和でも、一もしくは多不飽和でもよく、指定の炭素原子数を有する二価および多価基を含みうる(すなわち、C1-C10または1〜10員は1〜10個の炭素を意味する)。飽和炭化水素基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、例えばn-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの同族体および同位体などの基が含まれるが、それらに限定されるわけではない。不飽和アルキル基は、一つまたは複数の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例には、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル、ならびにより高級の同族体および同位体が含まれるが、それらに限定されるわけではない。「アルキル」なる用語は、特に記載がない限り、「ヘテロアルキル」などの以下により詳細に定義されるアルキルの誘導体も含むことになる。炭化水素基に限定されるアルキル基は「ホモアルキル」と呼ばれる。
【0031】
「アルキレン」なる用語は、それ自体またはもう一つの置換基の一部として、-CH2CH2CH2CH2-で例示されるとおりであるが、それらに限定されるわけではない、アルカンから誘導される二価の基を意味し、「ヘテロアルキレン」として以下に記載する基をさらに含む。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有し、本発明においては10個以下の炭素原子を有することが好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、一般に8個以下の炭素原子を有する短鎖アルキルまたはアルキレン基である。
【0032】
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)なる用語は、それらの通常の意味で用いられ、分子の残りにそれぞれ酸素原子、アミノ基、または硫黄原子を介して結合されたアルキル基を意味する。
【0033】
「ヘテロアルキル」なる用語は、それ自体またはもう一つの用語との組み合わせで、特に記載がないかぎり、指定の炭素原子数と、O、N、SiおよびSからなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子とを含み、ここで窒素および硫黄原子は任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよい、安定な直鎖もしくは分枝鎖、または環状炭化水素基、あるいはその組み合わせを意味する。ヘテロ原子O、NおよびSならびにSiはヘテロアルキル基内部のいかなる位置にあってもよく、またはアルキル基が分子の残りに結合されている位置にあってもよい。例には、

が含まれるが、それらに限定されるわけではない。例えば、-CH2-NH-OCH3および-CH2-O-Si(CH3)3のように、2つまでのヘテロ原子が連続していてもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」なる用語は、それ自体またはもう一つの置換基の一部として、-CH2-CH2-S-CH2-CH2-および-CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-で例示されるとおりであるが、それらに限定されるわけではない、ヘテロアルキルから誘導される二価の基を意味する。ヘテロアルキレン基について、ヘテロ原子は鎖末端のいずれかまたは両方を占めることもできる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレンおよびヘテロアルキレン連結基について、連結基の式が書かれている方向によって連結基の配向は示されない。例えば、式-C(O)2R'-は-C(O)2R'-および-R'C(O)2-の両方を意味する。
【0034】
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」なる用語は、それ自体または他の用語との組み合わせで、特に記載がないかぎり、それぞれ「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環状型を意味する。したがって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは飽和および不飽和環結合を含む。加えて、ヘテロシクロアルキルについて、ヘテロ原子は複素環が分子の残りに結合されている位置を占めることもできる。シクロアルキルの例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが含まれるが、それらに限定されるわけではない。ヘテロシクロアルキルの例には、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリノ、3-モルホリノ、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニルなどが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0035】
「ハロ」または「ハロゲン」なる用語は、それ自体またはもう一つの置換基の一部として、特に記載がないかぎり、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことになる。例えば、「ハロ(C1-C4)アルキル」なる用語は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことになるが、それらに限定されるわけではない。
【0036】
「アリール」なる用語は、特に記載がないかぎり、一緒に縮合された、または共有結合された単環または多環(好ましくは1〜3環)でありうる多不飽和芳香族炭化水素置換基を意味する。「ヘテロアリール」なる用語は、N、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、ここで窒素および硫黄原子は任意に酸化されており、窒素原子は任意に四級化されている、アリール基(または環)を意味する。ヘテロアリール基は分子の残りにヘテロ原子を通じて結合されていてもよい。アリールおよびヘテロアリール基の非限定例には、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フラニル、3-フラニル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジニル、3-ピリジニル、4-ピリジニル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンズイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリル、5-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリル、および6-キノリルが含まれる。前述のアリールおよびヘテロアリール環系それぞれの置換基は、下記の許容される置換基群から選択される。
【0037】
簡略のために、「アリール」なる用語は他の用語と組み合わせて用いる場合(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)には、前述の定義のアリールおよびヘテロアリール両方を含む。したがって、「アリールアルキル」なる用語は、炭素原子(例えば、メチレン基)が例えば酸素原子で置き換えられたアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2-ピリジルオキシメチル、3-(1-ナフチルオキシ)プロピルなど)を含む、アリール基がアルキル基に結合された基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)を含むことになる。
【0038】
本明細書において用いられる「オキソ」なる用語は、炭素原子に二重結合された酸素を意味する。
【0039】
前述の用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」および「ヘテロアリール」)はそれぞれ、示された基の置換および無置換型を含むことになる。それぞれのタイプの基の好ましい置換基を以下に示す。
【0040】
アルキルおよびヘテロアルキル基(しばしばアルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、およびヘテロシクロアルケニルと呼ばれる基を含む)の置換基は、下記から選択される様々な基の一つまたは複数でありうるが、それらに限定されるわけではない:ゼロ〜(2m'+1)(m'はそのような基の炭素原子の総数)の範囲の数の-OR'、=O、=NR'、=N-OR'、-NR'R''、-SR'、-ハロゲン、-SiR'R''R'''、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NR''C(O)2R'、-NR-C(NR'R''R''')=NR''''、-NR-C(NR'R'')=NR'''、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NRSO2R'、-CNおよび-NO2。R'、R''、R'''およびR''''はそれぞれ好ましくは独立に水素、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換アリール、例えば、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール、置換もしくは無置換アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を意味する。例えば、本発明の調節剤が複数のR基を含む場合、R基はそれぞれ独立に、R'、R''、R'''およびR''''基の複数がある場合のこれらの基それぞれと同様に選択される。R'およびR''が同じ窒素原子に結合されている場合、これらは窒素原子と組み合わせされて5、6、または7員環を形成することができる。例えば、-NR'R''は1-ピロリジニルおよび4-モルホリノを含むことになるが、それらに限定されるわけではない。前述の置換基の議論から、当業者であれば「アルキル」なる用語は、ハロアルキル(例えば、-CF3および-CH2CF3)およびアシル(例えば、-C(O)CH3、-C(O)CF3、-C(O)CH2OCH3など)などの水素基以外の基に結合された炭素原子を含む基を含むことになることを理解すると思われる。
【0041】
アルキル基について記載された置換基と同様、アリールおよびヘテロアリール基の置換基は様々で、例えば下記から選択される:ゼロから芳香環系の開原子価総数の範囲の数のハロゲン、-OR'、=O、=NR'、=N-OR'、-NR'R''、-SR'、-ハロゲン、-SiR'R''R'''、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NR''C(O)2R'、-NR-C(NR'R''R''')=NR''''、-NR-C(NR'R'')=NR'''、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NRSO2R'、-CNおよび-NO2、-R'、-N3、-CH(Ph)2、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、およびフルオロ(C1-C4)アルキル;ここでR'、R''、R'''およびR''''は好ましくは水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立に選択される。例えば、本発明の調節剤が複数のR基を含む場合、R基はそれぞれ独立に、R'、R''、R'''およびR''''基の複数がある場合のこれらの基それぞれと同様に選択される。
【0042】
アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基の2つは任意に式-T-C(O)-(CRR')q-U-の置換基で置き換えられていてもよく、ここでTおよびUは独立に-NR-、-O-、-CRR'-または一重結合であり、qは0〜3の整数である。または、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基の2つは任意に式-A-(CH2)r-B-の置換基で置き換えられていてもよく、ここでAおよびBは独立に-CRR'-、-O-、-NR-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR'-または一重結合であり、rは1〜4の整数である。このように形成された新しい環の一重結合の1つは任意に二重結合で置き換えられていてもよい。または、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基の2つは任意に式-(CRR')s-X-(CR''R''')d-の置換基で置き換えられていてもよく、ここでsおよびdは独立に0〜3の整数であり、Xは-O-、-NR'-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、または-S(O)2NR'-である。置換基R、R'、R''、およびR'''は好ましくは水素または置換もしくは無置換(C1-C6)アルキルから独立に選択される。
【0043】
本明細書において用いられる「ヘテロ原子」なる用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)およびケイ素(Si)を含むことになる。
【0044】
本明細書において用いられる「置換基」は、下記の部分から選択される基を意味する:
(A)-OH、-NH2、-SH、-CN、-CF3、オキシ、ハロゲン、無置換アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクロアルキル、無置換アリール、無置換ヘテロアリール、ならびに
(B)下記から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール:
(i)オキシ、-OH、-NH2、-SH、-CN、-CF3、ハロゲン、無置換アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクロアルキル、無置換アリール、無置換ヘテロアリール、ならびに
(ii)下記から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール:
(a)オキシ、-OH、-NH2、-SH、-CN、-CF3、ハロゲン、無置換アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクロアルキル、無置換アリール、無置換ヘテロアリール、ならびに
(b) オキシ、-OH、-NH2、-SH、-CN、-CF3、ハロゲン、無置換アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクロアルキル、無置換アリール、および無置換ヘテロアリールから選択される少なくとも一つの置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール。
【0045】
本明細書において用いられる「サイズ限定置換基(size-limited substituent)」または「サイズ限定置換基(size-limited substituent group)」は、「置換基」について前述したすべての置換基から選択される基を意味し、ここで置換または無置換アルキルはそれぞれ置換または無置換C1-C20アルキルであり、置換または無置換ヘテロアルキルはそれぞれ置換または無置換2〜20員ヘテロアルキルであり、置換または無置換シクロアルキルはそれぞれ置換または無置換C3-C8シクロアルキルであり、かつ置換または無置換ヘテロシクロアルキルはそれぞれ置換または無置換3〜8員ヘテロシクロアルキルである。
【0046】
本明細書において用いられる「低級置換基(lower substituent)」または「低級置換基(lower substituent group)」は、「置換基」について前述したすべての置換基から選択される基を意味し、ここで置換または無置換アルキルはそれぞれ置換または無置換C1-C8アルキルであり、置換または無置換ヘテロアルキルはそれぞれ置換または無置換2〜8員ヘテロアルキルであり、置換または無置換シクロアルキルはそれぞれ置換または無置換C5-C7シクロアルキルであり、かつ置換または無置換ヘテロシクロアルキルはそれぞれ置換または無置換5〜7員ヘテロシクロアルキルである。
【0047】
「薬学的に許容される塩」なる用語は、本明細書において記載される調節剤上で見られる特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸または塩基と調製される活性調節剤の塩を含むことになる。本発明の調節剤が比較的酸性の官能基を含む場合、そのような調節剤の中性型を所望の塩基の十分な量と、ニートまたは適当な不活性溶媒中のいずれかで接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩、または類似の塩が含まれる。本発明の調節剤が比較的塩基性の官能基を含む場合、そのような調節剤の中性型を所望の酸の十分な量と、ニートまたは適当な不活性溶媒中のいずれかで接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素酸、リン酸、リン酸水素酸、リン酸二水素酸、硫酸、硫酸水素酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などの無機酸由来のもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的非毒性の有機酸由来の塩が含まれる。同様に、アルギン酸などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al., ''Pharmaceutical Salts'', Journal of Pharmaceutical Science 66: 1-19 (1977)参照)。本発明の特定の調節剤は、調節剤が塩基または酸付加塩のいずれかに変換されることを可能にする、塩基性および酸性両方の官能基を含む。
【0048】
調節剤の中性型は、好ましくは塩を塩基または酸と接触させ、通常の様式で親調節剤を単離することにより再生する。調節剤の親型は様々な塩とは、極性溶媒への溶解性などの特定の物理的性質において異なる。
【0049】
塩型に加えて、本発明はプロドラッグ型の調節剤を提供する。本明細書に記載の調節剤のプロドラッグは、生理的条件下で容易に化学変化を受け、本発明の調節剤を提供する化合物または錯体である。加えて、プロドラッグはエクスビボ環境において化学的または生化学的方法により本発明の調節剤に変換することができる。例えば、プロドラッグは適当な酵素または化学試薬と共に経皮パッチレザバー内に置かれると、本発明の調節剤にゆっくり変換されうる。
【0050】
本明細書において用いられる「環」なる用語は、置換もしくは無置換シクロアルキル、置換もしくは無置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールを意味する。環は縮合環部分を含む。環内の原子の数は典型的には環の構成員の数で定義される。例えば、「5〜7員環」は環状配列内に5〜7個の原子があることを意味する。環は任意にヘテロ原子を含む。したがって、「5〜7員環」なる用語は、例えば、ピリジニル、ピペリジニルおよびチアゾリル環を含む。
【0051】
本明細書において用いられる「ポリ」なる用語は少なくとも2を意味する。例えば、多価(polyvalent)金属イオンは少なくとも2の原子価を有する金属イオンである。
【0052】
「部分」とは、もう一つの部分に結合された分子の基を意味する。
【0053】
記号

は、結合として用いられているか、または結合に対して垂直に表示されているかにかかわらず、表示の部分が分子の残りに結合されている点を示す。
【0054】
本発明の特定の調節剤は、非溶媒和型ならびに水和型を含む溶媒和型で存在しうる。一般に、溶媒和型は非溶媒和型と等価であり、本発明の範囲内に含まれる。本発明の特定の調節剤は、複数の結晶または非結晶型で存在してもよい。一般に、すべての物理的形態は本発明によって企図される使用のために等価であり、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0055】
本発明の特定の調節剤は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し;ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体および個々の異性体は本発明の範囲内に含まれる。
【0056】
本発明の調節剤は、そのような調節剤を構成する原子の一つまたは複数で非天然の比率の原子同位体を含むこともある。例えば、調節剤は例えばトリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)または炭素-14(14C)などの放射性同位体で放射能標識されていてもよい。本発明の調節剤のすべての同位体変種は、放射性であるかどうかにかかわらず、本発明の範囲内に含まれる。
【0057】
II. カリウムイオンチャネル調節剤
本発明は、ピリジニル部分と、第一および第二の環とを含み、それらの環はそれぞれピリジニル部分に直接またはリンカーを通じて結合されている、カリウムイオンチャネル調節剤を提供する。本発明のカリウムイオンチャネル調節剤(「本発明の調節剤」)は、下記の化合物(本明細書において「本発明の化合物」とも呼ばれる)または金属イオン錯体(本明細書において「本発明の錯体」とも呼ばれる)であってもよい。
【0058】
一つの態様において、カリウムイオンチャネル調節剤は式(I)の構造を有する:

式(I)において、AおよびBは独立に置換または無置換5または6員環である。いくつかの態様において、AおよびBは独立に5もしくは6員ヘテロシクロアルキルまたは5もしくは6員ヘテロアリールである。
【0059】
記号W1

であり、W2は-CH=、-NH-、-N=、または-O-である。記号Z1

であり、Z2は-CH=、-NH-、-N=、または-O-である。いくつかの態様において、W1およびZ1は独立に

であり、W2およびZ2は独立に-NH-または-N=であってもよい。他の態様において、Z1

であり、Z2は-N=であってもよい。
【0060】
記号Xは結合、-CH2-、または-NR4-である。いくつかの態様において、Xは結合または-NR4-である。Xは結合であってもよい。
【0061】
記号sおよびtは独立に1〜4の整数である。当業者であれば、Aが5員ヘテロシクロアルキルまたは5員ヘテロアリールであるとき、sは1〜3の整数であり;Aが6員ヘテロシクロアルキルまたは6員ヘテロアリールであるとき、sは1〜4の整数であることをただちに理解すると思われる。同様に、Bが5員ヘテロシクロアルキルまたは5員ヘテロアリールであるとき、tは1〜3の整数であり、Bが6員ヘテロシクロアルキルまたは6員ヘテロアリールであるとき、tは1〜4の整数である。
【0062】
記号kは1〜3の整数である。
【0063】
R1、R2、およびR3は独立にH、-NO2、-CF3、-L1-OR6、-L2-NR7R8、-L3CONR7R8、-L4-COOR6、-L5-COR6、-L6-SO2R6、-L7-SO2NR7R8、シアノ、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。
【0064】
R4およびR5は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-L3-CONR7R8、-L4-COOR6、-L5COR6、-L6-SO2R6、または-L7-SO2NR7R8である。
【0065】
L1、L2、L3、L4、L5、L6、およびL7は独立に結合、または置換もしくは無置換(C1-C6)アルキレンである。
【0066】
R6はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。
【0067】
R7およびR8は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-COR81、または-SO2R81である。R7およびR8はそれらが結合している窒素と任意に結び付いて置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは無置換ヘテロアリールを形成する。
【0068】
R81は置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。
【0069】
複数のR1、R2、R3、R6、R7、R8、R81、L1、L2、L3、L4、L5、L6、および/またはL7基がある場合、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R81、L1、L2、L3、L4、L5、L6、および/またはL7基はそれぞれ任意に異なる。例えば、sが1よりもきい場合、R1はそれぞれ任意に異なり;kが1より大きい場合、それぞれのR2は任意に異なり;tが1より大きい場合、それぞれのR3は任意に異なる。
【0070】
R1、R2、およびR3は任意にそれら自体で、または他の基と共に、縮合環系の一部を形成してもよい。例えば、2つのR1基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;2つのR2基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;2つのR3基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;R1およびR2はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;R2およびR4はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;R2およびR5はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;R2およびR3はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;R1およびX(例えば、R4)はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;R2およびX(例えば、R4)はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;R2およびR5はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;かつR3およびR5はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成する。
【0071】
いくつかの態様において、2つのR1基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;2つのR2基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;かつ2つのR3基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成する。
【0072】
いくつかの態様において、R1はH、-OR6、-NR7R8、-NO2、ハロゲン、置換もしくは無置換(C1-C5)アルキル、置換もしくは無置換2〜5員ヘテロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。R1はH、-OH、-NH2、-NO2、ハロゲン、置換もしくは無置換(C1-C5)アルキル、置換もしくは無置換2〜5員ヘテロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールから選択されてもよい。他の態様において、R1はH、-NH2、Br、F、Cl、-CF3、メチル、-OCH3、-NH-C(O)-CH3、-NH-C(O)-CH2CH3、または置換もしくは無置換モルホリノである。
【0073】
もう一つの態様において、R2は-CF3、Cl、F、-OH、-NH2、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルである。R2はH、Cl、F、-OH、-NH2、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルから選択されてもよい。他の態様において、R2はH、-OH、-NH2、置換または無置換(C1-C6)アルキル、および置換または無置換2〜6員ヘテロアルキルから選択される。R2は単に置換または無置換(C1-C6)アルキルであってもよい。
【0074】
または、R2

である。
【0075】
いくつかの態様において、R3はH、-OH、-NH2、-NO2、-SO2NH2、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。R3は置換もしくは無置換ピロリル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換ピロリジノニル、置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換チオフェニル、置換もしくは無置換フラニル、置換もしくは無置換イソキノリニル、または置換もしくは無置換ジヒドロキノリニルであってもよい。他の態様において、R3は置換もしくは無置換モルホリノ、置換もしくは無置換チオモルホリノ、置換もしくは無置換ピロリジニル、置換もしくは無置換ピロリジノニル、置換もしくは無置換ピペリジニル、置換もしくは無置換ピペラジニル、置換もしくは無置換テトラヒドロフラニル、置換もしくは無置換テトラヒドロピラニル、置換もしくは無置換テトラヒドロチオフェニル、または置換もしくは無置換テトラヒドロチオピラニルである。R3はH、-L1-OR6、-L2-NR7R8、-L3-CONR7R8、-L4-COOR6、または-L5-COR6であってもよい。いくつかの態様において、R3は-NH2、-NO2、-SO2NH2、Cl、F、I、またはBrである。
【0076】
R6はH、置換もしくは無置換(C1-C6)アルキル、置換もしくは無置換2〜6員ヘテロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または置換もしくは無置換アリールであってもよい。R7およびR8は独立にH、置換もしくは無置換(C1-C6)アルキル、置換もしくは無置換2〜6員ヘテロアルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであってもよい。
【0077】
いくつかの態様において、R6はH、無置換(C1-C4)アルキル、-CH2CH2N(CH3)2、または置換もしくは無置換ベンジルである。R7およびR8はH、メチル、エチル、-C(O)CH3または置換もしくは無置換ピリジニルであってもよい。R7およびR8はそれらが結合されている窒素と一緒になって無置換ピロリジニルを形成してもよい。L1は結合、メチレン、エチレン、またはプロピレンであってもよい。L2は結合、メチレン、またはエチレンであってもよい。L3は結合であってもよい。L4は結合またはエチレンであってもよい。L5は結合であってもよい。
【0078】
R3

であってもよい。
【0079】
いくつかの態様において、R4およびR5はH、置換または無置換アルキル、および置換または無置換ヘテロアルキルから独立に選択される。もう一つの態様において、R4およびR5はH、置換または無置換(C1-C6)アルキル、置換または無置換2〜6員ヘテロアルキル、および置換または無置換5〜7員ヘテロアリールから独立に選択される構成員である。さらにもう一つの態様において、R4およびR5はH、メチル、-C(O)OC(CH3)3、-C(O)CH3、およびピリジニルから独立に選択される構成員である。R5はHであってもよい。
【0080】
いくつかの態様において、Aは置換もしくは無置換チオフェニル、置換もしくは無置換ベンジル、置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換ピリミジニル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換イソチアゾリル、置換もしくは無置換ベンズイミダゾリル、置換もしくは無置換イミダゾリル、置換もしくは無置換ピラジニル、置換もしくは無置換ピリダジニル、置換もしくは無置換ピラゾリル、または置換もしくは無置換1,2,4-オキサジアゾリルである。Aは置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換ピラジニル、置換もしくは無置換チアゾリル、または置換もしくは無置換ピラゾリルであってもよい。または、Aは無置換ピラジニル、無置換チアゾリル、無置換ピラゾリル、またはN-メチルピラゾリルである。
【0081】
Bは置換もしくは無置換フラニル、置換もしくは無置換ベンジル、置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換1,2,4-チアジアゾリル、置換もしくは無置換ピリミジニル、置換もしくは無置換ピラジニル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換イソキサゾリル、または置換もしくは無置換ピラゾリルから選択される。Bは置換もしくは無置換ピリジニルであってもよい。
【0082】
いくつかの態様において、2つのR3基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換もしくは無置換フェニルまたは置換もしくは無置換シクロヘキサニルを形成する。R1およびR2はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換もしくは無置換フェニルまたは置換もしくは無置換シクロヘキサニルを形成する。R2およびR5はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換もしくは無置換イミダゾリルまたは置換もしくは無置換モルホリノを形成する。
【0083】
もう一つの態様において、カリウムイオンチャネル調節剤は下記の式を有する:

【0084】
式(II)において、Aは置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換ピラジニル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換ピリミジニル、置換もしくは無置換イミダゾリル、置換もしくは無置換ベンズイミダゾリル、または置換もしくは無置換ピラゾリルである。R5はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-COR6、-COOR6、-CONR7R8、-SO2R6、または-SO2NR7R8である。Xは結合である。R6、R7、R8、s、k、t、W1およびW2は上の式(I)の説明において記載したとおりである。いくつかの態様において、Aは置換または無置換チアゾリルである。
【0085】
もう一つの態様において、カリウムイオンチャネル調節剤は下記の式を有する:

式(III)において、Gは置換もしくは無置換シクロプロピル、置換もしくは無置換シクロブチル、置換もしくは無置換シクロペンチル、置換もしくは無置換シクロヘキシル、置換もしくは無置換シクロヘプチル、置換もしくは無置換アゼチジニル、置換もしくは無置換ピロリジニル、置換もしくは無置換ピペリジニル、置換もしくは無置換アゼパニル、置換もしくは無置換ピペラジニル、置換もしくは無置換モルホリノ、置換もしくは無置換チオモルホリノ、置換もしくは無置換テトラヒドロピリジニル、置換もしくは無置換ジアゼパニル、置換もしくは無置換フラニル、置換もしくは無置換チエニル、置換もしくは無置換ピロリル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換オキサゾリル、置換もしくは無置換ピラゾリル、置換もしくは無置換オキサジアゾリル、置換もしくは無置換チアジアゾリル、置換もしくは無置換トリアゾリル、置換もしくは無置換テトラゾリル、置換もしくは無置換フェニル、置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換ピリミジニル、または置換もしくは無置換ピラジニルである。
【0086】
R3はH、置換もしくは無置換アルキル、-OR6、またはハロゲンである。R5はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。R31およびR32は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、-OR311、-NR312R313、-COR311、-COOR311、-CONR312R313、SO2R311、-SO2NR312R313、オキソ、-NO2、シアノ、イミノ、またはハロゲンである。R33はH、または置換もしくは無置換アルキルである。R312およびR313は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、-COR314、または-SO2R314である。R314は水素、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルである。R311はH、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換アリールである。
【0087】
R1、R2、R6、s、およびkは、上の式(I)の説明において定義および記載したとおりである。複数のR311、R312、R313、および/またはR314基がある場合、R311、R312、R313、および/またはR314基はそれぞれ任意に異なる。
【0088】
もう一つの態様において、カリウムイオンチャネル調節剤は下記の式を有する:

【0089】
式(IV)において、W3は結合、-O-、-S-、-N(R32)-、または-C(R34R35)-である。記号vは0〜2の整数である。R3はH、置換もしくは無置換アルキル、-OR6、またはハロゲンである。R5はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。R31、R34、およびR35は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、-OR311、-NR312R313、-COR311、-COOR311、-CONR312R313、オキソ、-NO2、シアノ、イミノ、またはハロゲンである。R32はH、アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-OR311、-COR311、-COOR311、-CONR312R313、-SO2R311、-SO2NR312R313、オキソ、NO2、シアノ、イミノ、またはハロゲンである。
【0090】
R33はHまたは置換もしくは無置換アルキルである。R312およびR313は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、-COR314、または-SO2R314である。R314は水素、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルである。R311はH、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換アリールである。
【0091】
R1、R2、R6、s、およびkは、上の式(I)の説明において定義および記載したとおりである。複数のR311、R312、R313、および/またはR314基がある場合、R311、R312、R313、および/またはR314基はそれぞれ任意に異なる。
【0092】
もう一つの態様において、カリウムイオンチャネル調節剤は(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-(5-チオフェン-3-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-[5-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン、(5,6,7,8-テトラヒドロ-イソキノリン-3-イル)-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-(3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,3']ビピリジニル-6'-イル)-アミン、(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-(5-モルホリン-4-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(5-ピロリジン-1-イルメチル-ピリジン-2-イル)-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、1-{6-[6-(5-クロロ-チアゾル-2-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-ピリジン-3-イル}-ピロリジン-2-オン、4-メチル-1-[6-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-2-オン、[6-(5-クロロ-チアゾル-2-イル)-3-メトキシ-ピリジン-2-イル]-(5-ピロリジン-1-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、[5-(1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イルメチル)-ピリジン-2-イル]-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、1-メチル-4-[6-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-[1,4]ジアゼパン-5-オン、(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-(5-ピロリジン-1-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(5-フェニル-ピリジン-2-イル)-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-[6-(4-メチル-ピラゾル-1-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン、(5-クロロ-ピリジン-2-イル)-(6-ピラジン-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、[5-(3-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-[6-(4-メチル-ピラゾル-1-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン、1-[6-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-2-オン、1-[6-(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-ピロリジン-2-オン、および[6-(5-クロロ-チアゾル-2-イル)-ピリジン-2-イル]-(3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,3']ビピリジニル-6'-イル)-アミンから選択される。
【0093】
例示的態様において、下記の構造の化合物がある:

式中、kは1〜3の間の整数である。Dは置換または無置換2-ピリジニル、置換または無置換2-ピリミジニル、置換または無置換2-チアゾリル、置換または無置換イミダゾリル、置換または無置換1-ピラゾリル、置換または無置換2-ピラジニルから選択される。Eは置換または無置換2-ピリジニル、置換または無置換3-ピラゾリル、置換または無置換2-チアジアゾリル、置換または無置換3-イソキサゾリルから選択される。R2はH、OH、NH2、NO2、ハロゲン、置換または無置換アルキル、置換または無置換ヘテロアルキル、置換または無置換3〜7員シクロアルキル、置換または無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換または無置換アリール、および置換または無置換ヘテロアリールから選択される。
【0094】
いくつかの態様において、本発明の化合物(例えば、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物)のために前述した置換部分はそれぞれ、少なくとも一つの置換基で置換されている。本明細書において用いられる「置換基」なる用語は、上の「略語および定義」の項で詳細に定義している。より具体的には、いくつかの態様において、前述の置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、および/または置換ヘテロアルキレンはそれぞれ、少なくとも一つの置換基で置換されている。置換基はそれぞれ任意に異なる。他の態様において、これらの基の少なくとも一つまたはすべては少なくとも一つのサイズ限定置換基で置換されている。または、これらの基の少なくとも一つまたはすべては少なくとも一つの低級置換基で置換されている。サイズ限定置換基および低級置換基はいずれも、上の「略語および定義」の項で詳細に定義している。
【0095】
他の態様において、置換または無置換アルキルはそれぞれ置換または無置換C1-C20アルキルであり、置換または無置換ヘテロアルキルはそれぞれ置換または無置換2〜20員ヘテロアルキルである。
【0096】
または、置換または無置換アルキルはそれぞれ置換または無置換C1-C8アルキルであり、置換または無置換ヘテロアルキルはそれぞれ置換または無置換2〜8員ヘテロアルキルである。
【0097】
いくつかの態様において、本発明は多価金属イオン(例えば、鉄、亜鉛、銅、コバルト、マンガン、およびニッケル)および金属イオンキレート剤の多座成分を提供する。多座成分は前述のカリウムイオンチャネル調節剤(例えば、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物)の構造を有する。前述の態様は本発明の金属イオンキレート剤の多座成分にも等しく適用される。多価金属イオンは鉄、亜鉛、銅、コバルト、マンガン、またはニッケルであってもよい。
【0098】
同様に本発明の範囲内に含まれるものは、例えば、本発明の化合物の二量体、三量体、四量体およびより高級の同族体またはその反応性類縁体などの種を含む多価(poly- or multi-valent)種として機能する、本発明の化合物である。多価種は本発明の単一の種または複数の種から組み立てることができる。例えば、二量体構成物は「ホモ二量体」または「ヘテロ二量体」でありうる。さらに、本発明の化合物またはその反応性類縁体がオリゴマーまたはポリマーの枠組み(例えば、ポリリシン、デキストラン、ヒドロキシエチルデンプンなど)に結合されている多価構成物は、本発明の範囲内である。枠組みは好ましくは多官能性(すなわち、本発明の化合物を結合するための多くの反応性部位を有している)である。さらに、枠組みは本発明の単一の種または本発明の複数の種で誘導体化することもできる。
【0099】
第二の局面において、本発明は、細胞内のカリウムイオンチャネルを通過するイオン流を低減する方法であって、細胞を化合物または式(I)、(II)、(III)、もしくは(IV)を含む前述のカリウムイオンチャネル調節剤のカリウムイオンチャネル調節量と接触させる段階を含む方法を提供する。
【0100】
例示的な態様において、カリウムイオンチャネルは少なくとも1つのSKサブユニットを含む。
【0101】
第三の局面において、本発明は、これらのチャネルを通過するカリウムイオン流の調節を通じて疾患を処置する方法を提供する。調節剤は中枢または末梢神経系障害(例えば、偏頭痛、運動失調、パーキンソン病、双極性障害、三叉神経痛、痙縮、気分障害、脳腫瘍、精神病性障害、筋波動症、発作、てんかん、聴力および視力損失、精神病、不安、うつ病、痴呆、記憶および注意欠乏、アルツハイマー病、加齢性記憶喪失、学習障害、不安、外傷性脳傷害、月経困難、睡眠発作、ならびに運動ニューロン疾患)の処置において、および神経保護物質(例えば、卒中などを予防するため)として有用である。本発明の調節剤は、胃食道逆流障害および胃腸低運動障害、過敏性腸症候群、分泌性下痢、喘息、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患および鼻漏、痙攣、血管痙攣、冠動脈痙攣、腎障害、腎嚢胞、膀胱痙攣、尿失禁、膀胱流出閉塞、虚血、脳虚血、虚血性心疾患、狭心症、冠動脈性心疾患、レイノー病、間欠性跛行、シェーグレン症候群、不整脈、高血圧、筋緊張性筋ジストロフィー、口内乾燥、II型糖尿病、高インスリン血症、早期分娩、脱毛症、癌、ならびに免疫抑制などの疾患状態の処置においても有用である。この方法は、患者に化合物または式(I)、(II)、(III)、もしくは(IV)を含む前述のカリウムイオンチャネル調節剤の有効量(すなわち、治療上有効な量)を投与する段階を含む。
【0102】
第四の局面において、本発明は、薬学的に許容される担体と、化合物または式(I)、(II)、(III)、もしくは(IV)を含む前述のカリウムイオンチャネル調節剤とを含む薬学的組成物を提供する。
【0103】
カリウムイオンチャネル調節剤の調製
下記の例示的スキームは本発明の調節剤の調製法を示す。これらの方法は、示した化合物の生成に限定されるものではなく、前述の化合物および錯体などの様々な調節剤を調製するために用いることができる。本発明の調節剤はスキームに明確に示されていない方法によっても生成することができるが、これらは当業者の技術範囲内である。調節剤は容易に入手可能な出発原料または公知の中間体を用いて調製することができる。
【0104】
下記のスキームにおいて、記号YはCH2、N、S、およびOから独立に選択される。記号Dは-L1-OR6、-L2-NR7R8、-L3-CONR7R8、-L4-COOR6、-L5-COR6、-L6-SO2R6、-L7-SO2NR7R8、ハロゲン、CN、置換または無置換アルキル、置換または無置換ヘテロアルキル、置換または無置換3〜7員シクロアルキル、置換または無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換または無置換アリール、および置換または無置換ヘテロアリールから独立に選択される。記号pは1〜5から独立に選択される整数である。記号qは0〜5から独立に選択される整数である。R6、R7、R8、L1、L2、L3、L4、L5、L6、およびL7は上の本発明の調節剤の説明において定義されたとおりである。
【0105】
本発明のピリジニル化合物の置換基は、スキーム1〜8に概略を示す方法を通じて生成することができる。
【0106】
一つの態様において、スキーム1〜6に示すとおり、本発明の置換基はアミノ置換ヘテロアリール部分を含む。
【0107】

【0108】
スキーム1において、化合物1をベンジルアミンと反応させた後、濃硫酸中で脱ベンジル化を行うか、またはアンモニアと直接反応させ、2を生成する。
【0109】
化合物2を生成するための代替経路をスキーム2に示す。
【0110】

【0111】
スキーム2において、化合物3を還元して化合物2を生成する。
【0112】
スキーム3〜6に示すとおり、置換基をアミノ置換ヘテロアリール部分に付加することができる。
【0113】

【0114】
スキーム3において、化合物4をヨウ素化してハロ置換2-アミノ-アザ-複素環5を生成する。この化合物をボロン酸6とトルエン、エタノール、および水中、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pd2(dba)3)およびPPh3存在下で反応させて、2を生成する。
【0115】
もう一つの例において、下記の様式でアミノ置換基をヘテロアリール部分に付加することができる。
【0116】

【0117】
スキーム4において、ヨード置換2-アミノ-アザ-複素環5をアミン7またはアミドと銅触媒カップリング化学を用いて反応させ、2-アミノ-アザ-複素環8を生成する。
【0118】

【0119】
スキーム5において、ブロモ置換2-ニトロ-アザ-複素環9をアミン7またはアミドとパラジウム触媒カップリング化学を用いて反応させ、アミノ置換2-ニトロ-アザ-複素環10を生成する。ニトロ付加物をパラジウム触媒水素添加により還元してアミノ付加物8とする。
【0120】

【0121】
スキーム6において、ブロモ置換2-ニトロ-アザ-複素環9をアミン7またはアミドと銅触媒カップリング化学を用いて反応させ、アミノ置換2-ニトロ-アザ-複素環10を生成する。ニトロ付加物をパラジウム触媒水素添加により還元してアミノ付加物8とする。
【0122】
一つの態様において、スキーム7に示すとおり、本発明の置換基はハロ置換ヘテロアリール部分を含む。
【0123】

【0124】
スキーム7において、化合物11または2または8をハロゲンを含む酸存在下、0℃で、ジアゾ化と、続いて亜硝酸ナトリウムによりハロゲン化して、化合物12を生成する。
【0125】
もう一つの態様において、スキーム8に示すとおり、本発明の置換基はスタンニル置換ヘテロアリール部分を含む。
【0126】

【0127】
スキーム8において、化合物13をn-ブチルリチウムでスタンニル化して、化合物14を生成する。
【0128】
ピリジニル化合物の第一の置換基は、スキーム9またはスキーム10に概略を示す方法により結合することができる。
【0129】
一つの態様において、スキーム9に示すとおり、スタンニル置換ヘテロアリール部分をピリジニル中心に結合することができる。
【0130】

【0131】
スキーム9において、化合物14をトルエン中、パラジウム触媒存在下で、2,6-ジハロピリジン15に付加することにより、化合物16を生成する。
【0132】
もう一つの態様において、スキーム10に示すとおり、ハロ置換ヘテロアリール部分をピリジニル中心に結合することができる。
【0133】

【0134】
スキーム10において、化合物12をトルエン中、亜鉛末、ジブロモエタン、およびパラジウム触媒存在下で、2,6-ジハロピリジン15に付加することにより、化合物16を生成する。
【0135】
もう一つの態様において、スキーム11に示すとおり、アミノ置換ヘテロアリール部分をピリジニル中心に結合することができる。
【0136】

【0137】
スキーム11において、化合物2または8をトルエン中、パラジウム触媒存在下、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)により、2,6-ジハロピリジン15に付加して、化合物17を生成する。
【0138】
第一の置換基を結合する代替法をスキーム12に示す。
【0139】

【0140】
スキーム12において、化合物2または8をテトラヒドロフラン(THF)中、水素化ナトリウムにより、2,6-ジハロピリジン15に付加して、化合物17を生成する。
【0141】
ビス-置換ピリジンをスキーム13またはスキーム14またはスキーム15に概略を示す方法から生成する。
【0142】

【0143】
スキーム13において、化合物2または8を水素化ナトリウムと混合し、2または8の化合物16への求核付加を促進する。最終の酸洗浄段階によりビス置換ピリジン18を生成する。
【0144】
この変換を促進するための代替条件をスキーム14に示す。
【0145】

【0146】
スキーム14において、化合物2または8をパラジウム触媒存在下、化合物16に付加して、化合物18を生成する。最終の酸洗浄段階によりビス置換ピリジン18を生成する。
【0147】
または化合物18をスキーム15に示すとおりに生成する。
【0148】

【0149】
スキーム15において、化合物14をパラジウム触媒存在下、化合物17に付加して、化合物18を生成する。最終の酸洗浄段階によりビス置換ピリジン18を生成する。
【0150】
置換ピリジン化合物を生成するための代替法をスキーム16に示す。
【0151】

【0152】
スキーム16において、化合物17をまずスタンニル化して化合物19を生成する。次に、化合物12をパラジウム触媒存在下で付加して最終生成物18とする。最終の酸洗浄段階によりビス置換ピリジン18を生成する。
【0153】
本発明の化合物のもう一つの生成法をスキーム17に例示する。
【0154】

【0155】
スキーム17において、化合物15をTHF中で水素化カリウムと混合して、過剰のピラゾル20の化合物15への求核付加を促進し、ビス-ピラゾイルピリジン21を生成する。次いで、水素化ナトリウムを化合物11と混合し、化合物22の生成を促進する。
【0156】

【0157】
スキーム18において、1当量の化合物20をパラジウム触媒カップリング化学により化合物15に結合させて、モノ-ピラゾリルピリジン23を生成する。次いで、水素化ナトリウムを化合物11または2または8と混合し、化合物23への付加および化合物22の生成を促進する。
【0158】
本発明のピリジニル化合物の修飾法をスキーム19〜23に示す。
【0159】
アルコール置換基を有する本発明のピリジニル化合物の調製法の概略をスキーム19に示す。
【0160】

【0161】
スキーム19において、化合物18をTHF中LiAlH4を用いて還元し、化合物24とする。
【0162】
本発明のピリジニル化合物の塩素化法の概略をスキーム20に示す。
【0163】

【0164】
スキーム20において、化合物24をSOCl2を用いて化合物25に変換する。
【0165】
本発明のピリジニル化合物へのアミン付加法の概略をスキーム21に示す。
【0166】

【0167】
スキーム21において、化合物25を任意の市販の一級または二級アミンと反応させて、化合物26を生成する。
【0168】
本発明の二環式ピリジニル化合物の調製法の概略をスキーム22に示す。
【0169】

【0170】
スキーム22において、化合物18をギ酸と反応させて、化合物27を生成する。R'は水素、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルである。
【0171】
本発明の化合物は金属錯体も含む。これらの金属錯体は多価金属イオンおよび本発明のピリジニル化合物を含む。例示的態様において、多価金属イオンは遷移金属でありうる。もう一つの例示的態様において、多価金属イオンは鉄、亜鉛、銅、コバルト、マンガン、およびニッケルから選択される構成員である。
【0172】
本発明の金属-ピリジニウム錯体の調製法の概略をスキーム23に示す。
【0173】

【0174】
スキーム23において、化合物18をまずエーテル中でFeClO4と混合する。この混合物にトリエチルアミンを加え、これが次いで金属錯体28を生成する。
【0175】
III. カリウムイオンチャネル調節剤のアッセイ
SK単量体ならびにSKアレルおよび多形変異体はカリウムイオンチャネルのサブユニットである。SKサブユニットを含むカリウムイオンチャネルの活性を、様々なインビトロおよびインビボアッセイを用いて、例えば、電流を測定する、膜電位を測定する、イオン流、例えばカリウムまたはルビジウムを測定する、カリウム濃度を測定する、セカンドメッセンジャーおよび転写レベルを測定する、カリウム依存性酵母増殖アッセイを用いる、ならびに例えば電位感受性色素、放射性トレーサー、およびパッチクランプ電気生理学を用いることにより、評価することができる。
【0176】
さらにそのようなアッセイを用いて、SKを含むチャネルの阻害剤および活性化剤について調べることができる。チャネルのSKファミリーは治療または予防法の標的であるいくつかの障害に関係するとされており、これらの方法はSKチャネルファミリーの一つまたは複数の構成員の遮断または阻害によってはたらく。本発明の調節剤および方法は、中枢または末梢神経系障害(例えば、偏頭痛、運動失調、パーキンソン病、双極性障害、三叉神経痛、痙縮、気分障害、脳腫瘍、精神病性障害、筋波動症、発作、てんかん、聴力および視力損失、精神病、不安、うつ病、痴呆、記憶および注意欠乏、アルツハイマー病、加齢性記憶喪失、学習障害、不安、外傷性脳傷害、月経困難、睡眠発作および運動ニューロン疾患)を処置するため、および神経保護物質(例えば、卒中などを予防するため)として有用である。本発明の調節剤は、胃食道逆流障害および胃腸低運動障害、過敏性腸症候群、分泌性下痢、喘息、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患および鼻漏、痙攣、血管痙攣、冠動脈痙攣、腎障害、腎嚢胞、膀胱痙攣、尿失禁、膀胱流出閉塞、虚血、脳虚血、虚血性心疾患、狭心症、冠動脈性心疾患、レイノー病、間欠性跛行、シェーグレン症候群、不整脈、高血圧、筋緊張性筋ジストロフィー、口内乾燥、II型糖尿病、高インスリン血症、早期分娩、脱毛症、癌、ならびに免疫抑制などの疾患状態の処置においても有用である。
【0177】
カリウムイオンチャネルの調節剤を、組換えもしくは天然いずれかの生物活性SKを用いて、またはSKチャネルを発現している神経系由来細胞のような自然の細胞を用いて試験する。SKチャネルを単離する、細胞中で同時発現もしくは発現させる、または細胞由来の膜において発現させることができる。そのようなアッセイにおいて、SKを単独で発現させてホモマーのカリウムイオンチャネルを生成するか、または第二のサブユニット(例えば、もう一つのSKファミリー構成員)と同時発現させて、ヘテロマーのカリウムイオンチャネルを生成する。前述のインビトロまたはインビボアッセイの一つを用いて、調節を試験する。カリウムイオンチャネル阻害剤または活性化剤の可能性があるもので処理した試料またはアッセイを、試験調節剤なしの対照試料と比較して、調節の程度を調べる。対照試料(活性化剤または阻害剤で未処理)を相対カリウムイオンチャネル活性値100に割り付ける。SKを含むチャネルの阻害は、対照に対するカリウムイオンチャネル活性値が70%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満の場合に得られる。イオン流を低減する調節剤は、SKを含むチャネルが開く確率を低下させること、チャネルのコンダクタンスを低下させること、およびチャネルの数または発現を低減することにより、イオン電流密度の検出可能な低下を引き起こすことになる。
【0178】
イオン流の変化を、カリウムイオンチャネルを発現している細胞または膜の分極(すなわち、電位)の変化を調べることにより評価してもよい。細胞分極の変化を調べるための好ましい手段は、電圧固定およびパッチクランプ法により、「細胞結合」モード、「インサイドアウト」モード、「アウトサイドアウト」モード、「穿孔細胞」モード、「1または2電極」モード、または「ホールセル」モードを用いて、電流または電圧の変化を測定することによる(例えば、Ackerman et al., New Engl. J. Med. 336: 1575-1595 (1997)参照)。ホールセル電流は、標準の方法を用いて都合よく測定することができる(例えば、Hamil et al., Pflugers. Archiv. 391: 85 (1981)参照)。他の公知のアッセイには下記が含まれる:放射性同位体標識ルビジウムフラックスアッセイおよび電位感受性色素を用いた蛍光アッセイ(例えば、Vestergarrd-Bogind et al., J. Membrane Biol. 88: 67-75 (1988); Daniel et al., J. Pharmacol. Meth. 25: 185-193 (1991); Holevinsky et al., J. Membrane Biology 137: 59-70 (1994)参照)。チャネルタンパク質を通ってのカリウム流を阻害または増大することができる調節剤のアッセイは、本発明のチャネルを有する細胞に接触し、かつそのような細胞を含むバス溶液に調節剤を適用することにより実施することができる(例えば、Blatz et al., Nature 323: 718-720 (1986); Park, J. Physiol. 481: 555-570 (1994)参照)。一般に、試験する調節剤は約1pM〜約100mM、好ましくは約1pM〜約1μMの範囲で存在する。
【0179】
試験調節剤のチャネル機能に対する効果は、電流またはイオン流の変化により、または電流またはイオン流の変化の結果により測定することができる。電流またはイオン流の変化は、カリウムまたはルビジウムイオンなどのイオンの流れの増加または減少いずれかによって測定する。カチオンは様々な標準的方法で測定することができる。これらはイオンの濃度変化により直接、または膜電位もしくはイオンの放射性同位体標識により間接的に測定することができる。試験調節剤のイオン流に対する結果は大きくばらつくことがある。したがって、試験調節剤の本発明のチャネルに対する影響を評価するために、いかなる適当な生理的変化も用いることができる。試験調節剤の効果は毒素結合アッセイによって測定することができる。機能的結果を完全な細胞または動物を用いて調べる場合、伝達物質放出(例えば、ドーパミン)、ホルモン放出(例えば、インスリン)、公知および特徴づけされていない遺伝子マーカーへの転写変化(例えば、ノーザンブロット)、細胞容積変化(例えば、赤血球の)、免疫応答(例えば、T細胞活性化)、細胞成長またはpH変化などの細胞代謝における変化、ならびにカルシウムおよび環状ヌクレオチドなどの細胞内セカンドメッセンジャーなどの様々な効果を測定することもできる。
【0180】
IV. カリウムイオンチャネル調節剤として用いるための薬学的組成物
もう一つの局面において、本発明は、薬学的に許容される担体と、化合物または式(I)、(II)、(III)、もしくは(IV)を含む前述のカリウムイオンチャネル調節剤とを含む薬学的組成物を提供する。
【0181】
調節剤の製剤
本発明の調節剤は様々な経口、非経口および局所剤形で調製および投与することができる。したがって、本発明の調節剤は注射により、すなわち、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、または腹腔内に投与することができる。同様に、本明細書に記載の調節剤は吸入により、例えば、鼻腔内に投与することもできる。加えて、本発明の調節剤は経皮投与することもできる。したがって、本発明は薬学的に許容される担体と、調節剤、または調節剤の薬学的に許容される塩のいずれかとを含む薬学的組成物も提供する。
【0182】
本発明の調節剤から薬学的組成物を調製するために、薬学的に許容される担体は固体または液体のいずれでもよい。固体製剤には散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は一つまたは複数の物質であってもよく、これらは希釈剤、着香料、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としてもはたらきうる。
【0183】
散剤では、担体は細かく分割された固体であり、これは細かく分割された活性成分との混合物である。錠剤では、活性成分を必要な結合性を有する担体と、適当な比率で混合し、所望の形状およびサイズに圧縮する。
【0184】
散剤および錠剤は好ましくは5%または10%〜70%の活性調節剤を含む。適当な担体は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂などである。「製剤(preparation)」なる用語は、活性調節剤と、他の担体を伴う、または伴わない活性成分が担体で囲まれ、したがってそれと結合しているカプセルを提供する、担体としてのカプセル化材料との製剤(formulation)を含むことが意図される。同様に、カシェ剤およびロゼンジ剤も含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、およびロゼンジ剤を、経口投与に適した固体剤形として用いることができる。
【0185】
坐剤を調製するために、脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂などの低融点ワックスをまず融解させ、活性成分を撹拌しながらその中に均質に分散させる。次いで、融解した均質混合物を好都合なサイズの型に注ぎ、冷却し、それにより固化する。
【0186】
液体製剤には、液剤、懸濁剤、および乳剤、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液が含まれる。非経口注射のために、液体製剤を水性ポリエチレングリコール溶液中で製剤することができる。
【0187】
経口使用に適した水溶液は活性成分を水に溶解し、必要に応じて適当な着色料、着香料、安定化剤、および増粘剤を加えることにより調製することができる。経口使用に適した水性懸濁液は、細かく分割された活性成分を、天然または合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の周知の懸濁化剤などの粘稠媒質と共に、水に分散させることによって調製することができる。
【0188】
同様に含まれるものは固体製剤で、これらは使用直前に経口投与用の液体製剤に変換されることが意図される。そのような液体剤形には、液剤、懸濁剤、および乳剤が含まれる。これらの製剤は、活性成分に加えて、着色料、着香料、安定化剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでいてもよい。
【0189】
薬学的製剤は、好ましくは、単位用量剤形である。そのような剤形において、製剤は適当な量の活性成分を含む単位用量に細分される。単位用量剤形は包装された製剤であってもよく、この包装は小単位に分けられた錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤などの、個別に分けられた量の製剤を含む。また、単位用量剤形はカプセル剤、錠剤、カシェ剤、もしくはロゼンジ剤自体であってもよく、またはこれらのいずれかの適当な数が包装された形であってもよい。
【0190】
単位用量製剤中の活性成分の量はばらつきがあってもよく、または特定の適用および活性成分の効力に応じて、0.1mg〜10000mg、より典型的には1.0mg〜1000mg、最も典型的には10mg〜500mgに調節してもよい。組成物は、望まれる場合には、他の適合性治療薬を含むこともできる。
【0191】
V. カリウムイオンチャネルにおけるイオン流を低減する方法
さらにもう一つの局面において、本発明は、細胞内のカリウムイオンチャネルを通過するイオン流を低減する方法であって、細胞を化合物または式(I)、(II)、(III)、もしくは(IV)を含む前述のカリウムイオンチャネル調節剤のカリウムイオンチャネル調節量と接触させる段階を含む方法を提供する。
【0192】
例示的態様において、カリウムイオンチャネルは少なくとも一つのSKサブユニットを含む。
【0193】
本発明の本局面において提供される方法は、カリウムイオン流を通じて仲介される状態の治療において、ならびにカリウムイオンチャネルを通過するイオン流の低減によって処置することができる状態を診断するために有用である。加えて、この方法は、患者がカリウムイオンチャネルを調節することにより作用する治療薬に反応性であるかどうかを調べるためにも有用である。特に、患者の細胞試料を採取して前述のカリウムイオンチャネル調節剤(例えば、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物)と接触させ、イオン流を調節剤非存在下での細胞のイオン流と比べて測定することができる。イオン流の低減は典型的には、患者が調節剤の治療法に反応性であることを示している。
【0194】
VI. カリウムイオンチャネルにより仲介される状態の処置法
さらにもう一つの局面において、本発明は、カリウムイオンチャネルを通過するカリウムイオン流の調節を通じて疾患を処置する方法を提供する。調節はカリウムイオン流の活性化または阻害でありうる。したがって、本発明の調節剤は、カリウムイオンチャネルを通過するカリウムイオン流の阻害剤(すなわち、調節剤非存在下に比べてイオン流を低減する)の場合もあり、またはカリウムイオンチャネルを通過するカリウムイオン流の活性化剤(すなわち、調節剤非存在下に比べてイオン流を増大する)の場合もある。
【0195】
調節剤は中枢または末梢神経系障害(例えば、偏頭痛、運動失調、パーキンソン病、双極性障害、三叉神経痛、痙縮、気分障害、脳腫瘍、精神病性障害、筋波動症、発作、てんかん、聴力および視力損失、精神病、不安、うつ病、痴呆、記憶および注意欠乏、アルツハイマー病、加齢性記憶喪失、学習障害、不安、外傷性脳傷害、月経困難、睡眠発作、ならびに運動ニューロン疾患)の処置において、および神経保護物質(例えば、卒中などを予防するため)として有用である。本発明の調節剤は、胃食道逆流障害および胃腸低運動障害、過敏性腸症候群、分泌性下痢、喘息、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患および鼻漏、痙攣、血管痙攣、冠動脈痙攣、腎障害、腎嚢胞、膀胱痙攣、尿失禁、膀胱流出閉塞、虚血、脳虚血、虚血性心疾患、狭心症、冠動脈性心疾患、レイノー病、間欠性跛行、シェーグレン症候群、不整脈、高血圧、筋緊張性筋ジストロフィー、口内乾燥、II型糖尿病、高インスリン血症、早期分娩、脱毛症、癌、ならびに免疫抑制などの疾患状態の処置においても有用である。この方法は、患者に本発明の調節剤(本発明の化合物または錯体)の有効量(例えば、治療上有効な量)を投与する段階を含む。
【0196】
したがって、本発明は、細胞内のカリウムイオンチャネルを通過するイオン流を低減する方法を提供する。この方法は、細胞を本発明の調節剤のカリウムイオンチャネル調節量と接触させる段階を含む。いくつかの態様において、カリウムイオンチャネルは少なくとも一つのSKサブユニットを含む。細胞は単離されていてもよく、または臓器もしくは生物の一部を形成していてもよい。
【0197】
本明細書において提供される調節剤は、疾患または状態の処置において、カリウムイオンチャネルの調節を介して治療的に用いられている。典型的に調節されるカリウムイオンチャネルは本明細書に記載されている。前述のとおり、これらのチャネルはホモ多量体およびヘテロ多量体を含みうる。
【0198】
神経学的状態を処置するための治療的使用において、本発明の薬学的方法において用いる調節剤は、1日に約0.001mg/kgから約1000mg/kgの初期用量で用いる。約0.1mg/kg〜約100mg/kgの1日用量範囲がより典型的である。しかし、用量は患者の要求、処置中の状態の重症度、および用いる調節剤に応じて変動することがある。特定の状況に適した用量の決定は、医師の技術範囲内である。一般に、処置は調節剤の最適用量よりも少ない低用量で開始する。その後、その状況下で最適な効果が得られるまで用量を少しずつ増量する。便宜上、1日合計用量を分割し、1日に数回で投与してもよい。
【0199】
本発明の材料および方法を、以下の実施例によってさらに説明する。これらの実施例は特許請求の範囲を例示するために提供するもので、限定するものではない。
【0200】
実施例
一般
以下の実施例において、特に記載がないかぎり、温度は摂氏度(℃)で示す;操作は室温または周囲温度、「rt」または「RT」(典型的には約18〜25℃の範囲)で行った;溶媒の蒸発は減圧下(典型的には4.5〜30mmHg)、浴温60℃までで、ロータリーエバポレーターを用いて行った;反応経過は典型的には薄層クロマトグラフィ(TLC)によって追跡したが、反応時間は例示のために示すにすぎない;融点は未補正である;生成物は満足できる1H-NMRおよび/または微量分析データを示した;収率は例示のために示すにすぎない;以下の通常の略語も用いる:mp(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、mmol(ミリモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、min(分)、およびh(時間)。
【0201】
特に記載がないかぎり、すべての溶媒(HPLC等級)および試薬は供給会社から購入し、それ以上精製せずに用いた。反応は特に記載がないかぎりアルゴンブランケット下で行った。TLCはWhatman Inc. 60シリカゲルプレート(厚さ0.25mm)で実施した。化合物はUVランプ(254nM)下、またはKMnO4/KOH、ニンヒドリンもしくはHanessian's液で展開することにより可視化した。フラッシュクロマトグラフィはSelectro Scientific(粒径32〜63)からのシリカゲルを用いて行った。1H NMR、19F NMRおよび13C NMRスペクトルはVarian 300装置によりそれぞれ300MHz、282MHzおよび75.7MHzで記録した。分子量(M+1)測定は、Sciex、Micromass、またはJEOL質量分析計でES+またはFAB+イオン化を用いて実施した。融点はElectrothermal IA9100装置で記録し、未補正とした。
【0202】
実施例1
1からの2の調製
1.1 求核置換
1(14.7mmol)およびベンジルアミン(75mmol)の混合物を密封試験管中220℃で6h加熱した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、N-ベンジルピリジン-2-アミン(7.0mmol)を得た。
【0203】
N-ベンジルピリジン-2-アミン(6.9mmol)の濃H2SO4(15mL)溶液を80℃で1h撹拌した。反応混合物を砕氷に注ぎ、28%NH4OHで中和した。混合物をAcOEtで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、2(5.0mmol)を得た。
【0204】
1.2 結果
構造2の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0205】
1.2.a 5-ヘキシルピリジン-2-イルアミン

【0206】
1.2.b 5-tert-ブチルピリジン-2-イルアミン

【0207】
実施例1A
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]ピリジン-2-アミンの調製
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-2-クロロピリジン(20.2mmol)の飽和NH3/MeOH(100ml)溶液を密封試験管中260℃で8h撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]ピリジン-2-アミン(4.7mmol)を得た。
【0208】

【0209】
実施例2
3からの2の調製
2.1 接触還元
3(15mmol)およびPd/C(10%)(0.5g)のメタノール(150mL)溶液または懸濁液をH2(1atm)雰囲気下で終夜撹拌した。セライトを通してろ過した後、溶液を減圧濃縮し、2(15mmol)を得た。
【0210】
実施例3
2の調製
3.1 4のヨウ素化
水(60mL)、濃H2SO4(4mL)、および酢酸(200mL)中の4(240mmol)、HIO4(58mmol)、およびI2(240mmol)の混合物を80℃で4h撹拌した。過剰のI2を飽和Na2S2O3溶液(200mL)の添加により中和した。得られた水溶液をEtOAcで抽出した。有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、5(136mmol)を得た。
【0211】
3.2 鈴木クロスカップリング
トルエン(40mL)、エタノール(20mL)、および水(20mL)中の5(15mmol)、6(15mmol)、Pd2(dba)3(0.35mmol)、およびPPh3(2.4mmol)の混合物をN2雰囲気下で終夜還流した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、2(13.1mmol)を得た。
【0212】
3.3 結果
構造2の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0213】
3.3.a 5-(2-メトキシ-フェニル)-ピリジン-2-イルアミン

【0214】
3.3.b (5-メチル-フラン-2-イル)-ピリジン-2-イルアミン

【0215】
3.3.c [3,3']ビピリジニル-6-イルアミン

【0216】
3.3.d 5-(4-フルオロ-フェニル)-4-メチル-ピリジン-2-イルアミン

【0217】
3.3.e 5-(3-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-イルアミン

【0218】
3.3.f 5-チオフェン-2-イル-ピリジン-2-イルアミン

【0219】
3.3.f 2,3'-ビピリジン-6'-アミン

【0220】
実施例4
5からの8の調製
4.1 ウルマンクロスカップリング
5(50.0mmol)および7(60.0mmol)の1,4-ジオキサン(50.0mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(0.500mmol)と、続いてK3PO4(100mmol)およびtrans-シクロヘキサンジアミン(5mmol)を加え、次いで得られた混合物を100℃で16h撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、H2O(500mL)で希釈した。得られた水溶液をCHCl3で抽出した。有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製して、8(43.4mmol)を得た。
【0221】
4.2 結果
構造8の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0222】
4.2.a 4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3-オキソピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル

【0223】
4.2.b 5-(4-メチル-1.4-ジアゼピン-1-イル)ピリジン-2-イルアミン

【0224】
4.2.c 4-(6-アミノピリジン-3-イル)-1-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オン

【0225】
4.2.d 4-(6-アミノピリジン-3-イル)-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-カルボン酸tert-ブチル

【0226】
実施例5
8の調製
5.1 ブッフバルトクロスカップリング
9(30mmol)、7(30mmol)、Pd2(dba)3(0.04mmol)、rac-2,2'-ビス(フェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP)(0.08mmol)、およびCs2CO3(42mmol)の無水トルエン(100mL)の混合物をN2雰囲気下、80℃で2日間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(400mL)で希釈し、有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル中で結晶化して、10(15.8mmol)を得た。
【0227】
10(15mmol)およびPd/C(10%)(0.5g)のメタノール(150mL)溶液または懸濁液をH2(1atm)雰囲気下で終夜撹拌した。セライトを通してろ過した後、溶液を減圧濃縮して8(15mmol)を得た。
【0228】
5.2 結果
構造8の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0229】
5.2.a 5-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-2-イルアミン

【0230】
5.2.b 4-メチル-3,4,5.6-テトラヒドロ-2H-[1,3']ビピリジニル-6'-イルアミン

【0231】
5.2.c 1-(6-アミノピリジン-3-イル)-ピロリジン-2-オン

【0232】
5.2.d 1-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペリジン-2-オン

【0233】
5.2.e 1-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール

【0234】
5.2.f 5-ピペリジン-1-イルピリジン-2-イルアミン

【0235】
5.2.g 5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イルアミン

【0236】
5.2.h 4-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル

【0237】
5.2.i 1-(6-アミノピリジン-3-イル)-4-メチルピペラジン-2-オン

【0238】
5.2.j 5-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピリジン-2-イルアミン

【0239】
5.2.k N5-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルピリジン-2.5-イルジアミン

【0240】
5.2.l 5-(2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イルアミン

【0241】
5.2.m N5-メチル-N5-(1-メチルピロリジン-3-イル)ピリジン-2,5-イルジアミン

【0242】
5.2.n 5-(3-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イルアミン

【0243】
5.2.o 5-(3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イルアミン

【0244】
5.2.p N5-(2-メトキシエチル)-N5-メチルピリジン-2,5-イルジアミン

【0245】
5.2.q 5-(4-メトキシピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イルアミン

【0246】
5.2.r 5-(1-メチルピペリジン-3-イル)ピリジン-2-アミン

【0247】
5.2.s 3-(6-アミノピリジン-3-イル)プロパン酸エチル

【0248】
5.2.t 4-(6-アミノピリジン-3-イル)-1-メチルピペラジン-2-オン

【0249】
5.2.u 1-(6-アミノピリジン-3-イル)-4-ベンジルピペラジン-2-オン

【0250】
実施例6
8の調製
6.1 ウルマンクロスカップリング
9(24.6mmol)および7(27.3mmol)の1,4-ジオキサン(50mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(4.92mmol)と、続いてK3PO4(49.2mmol)およびtrans-シクロヘキサンジアミン(4.92mmol)を加え、次いで得られた混合物を100℃で12h撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧濃縮した。残渣をCHCl3で希釈し、水に注ぎ、不溶性材料をセライトろ過により除去した。ろ液をCHCl3で抽出し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製して、ニトロ誘導体(7.87mmol)を得た。
【0251】
ニトロ誘導体(7.66mmol)およびPd/C(10%)(0.5g)のメタノール(150mL)溶液をH2(1atm)雰囲気下で終夜撹拌した。セライトを通してろ過した後、溶液を減圧濃縮して8(4.75mmol)を得た。
【0252】
6.2 結果
構造8の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0253】
6.2.a 4-(6-アミノピリジン-3-イル)-1-ベンジル-1,4-ジアゼパン-5-オン

【0254】
実施例7
12の調製
7.1 ハロゲン化
2(30.7mmol)および臭素(5mL)の臭化水素酸(48%)(48mL)溶液を0℃に冷却し、これにNaNO2水溶液(25M)(24mL)を加えた。混合物をrtで1h撹拌した後、3M NaOH(145mL)で中和した。水溶液を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製して、12(24.6mmol)を得た。
【0255】
7.2 結果
構造12の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0256】
7.2.a 2-ブロモ-5-クロロ-ピリジン

【0257】
7.2.b 2-ブロモ-5-(4-フルオロ-フェニル)-ピリジン

【0258】
実施例8
14の調製
8.1 スタンニル化
13(17.4mmol)の無水THF(60mL)溶液をN2雰囲気下で-78℃に冷却し、これにn-BuLi(ヘキサン中2.5M)(19.2mmol)を加え、得られた褐色溶液を30min撹拌した後、Bu3SnCl(20.9mmol)を加えた。反応混合物を室温に戻して終夜反応させた。飽和NH4Clで反応停止し、混合物を酢酸エチルで抽出した後、合わせた有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、14(10.5mmol)を得た。
【0259】
8.2 結果
構造14の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0260】
8.2.a 4-メチル-2-トリブチルスタンナニル-ピリジン

【0261】
8.2.b 2-メトキシ-6-トリブチルスタンナニル-ピリジン

【0262】
8.2.c 5-メチル-2-トリブチルスタンナニル-ピリジン

【0263】
8.2.d 4-ピロリジン-1-イル-2-トリブチルスタンナニル-ピリジン

【0264】
実施例9
16の調製
9.1 スティルクロスカップリング
無水トルエン(250mL)中の15(30mmol)、14(30mmol)、およびPd(PPh3)4(1.5mmol)の混合物をN2雰囲気下、70℃で2日間撹拌した。飽和NH4Cl(100mL)で反応停止した。混合物をEtOAcで抽出した後、有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製して、16(17.6mmol)を得た。
【0265】
9.2 結果
構造16の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0266】
9.2.a 6-ブロモ-[2.2']ビピリジニル

【0267】
9.2.b 2-ブロモ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン

【0268】
9.2.c 2-(6-ブロモ-ピリジン-2-イル)-ピラジン

【0269】
9.2.d 6-クロロ-3,5-ビス(トリフルオロメチル)-2,2'-ビピリジン

【0270】
9.2.e. 6-ブロモ-5-メトキシ-2,2'-ビピリジン

【0271】
9.2.f. 2-(6-ブロモ-5-メトキシピリジン-2-イル)ピラジン

【0272】
実施例10
16の調製
10.1 根岸クロスカップリング
亜鉛末(528mmol)および1,2-ジブロモエタン(47.5mmol)の混合物をヒートガンでエチレンガス発生が2回起こるまで加熱した。懸濁液に、THF(70.0mL)中の塩化トリメチルシリル(21.1mmol)および12(176mmol)を加えた。30min後、THF(350mL)中の15(211mmol)およびPd(PPh3)4(2.28mmol)を加え、混合物を還流温度で17h撹拌した。飽和NaClで反応停止し、不溶性材料をセライトろ過して除去した。ろ液をトルエンで抽出し、飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製して、16(105mmol)を得た。
【0273】
10.2 結果
構造16の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0274】
10.2.a 2-ブロモ-3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン

【0275】
10.2.b 2-ブロモ-6-(5-メチル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン

【0276】
10.2.c 2-ブロモ-6-(5-エチル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン

【0277】
10.2.d 2-ブロモ-6-(5-イソプロピル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン

【0278】
10.2.e 2-ブロモ-6-(5-クロロ-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン

【0279】
10.2.f 2-ブロモ-6-(5-クロロ-1.3-チアゾル-2-イル)-3-メトキシピリジン

【0280】
実施例11
17の調製
11.1 ブッフバルトクロスカップリング
無水トルエン(360mL)中の15(40mmol)、2または8(40mmol)、Pd2(dba)3(0.8mmol)、dppp(1.6mmol)およびNaOtBu(60mmol)の混合物をN2雰囲気下、80℃で終夜撹拌した。水(100mL)で反応停止し、混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈した。二相を分離した後、有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、17(30.7mmol)を得た。
【0281】
11.2 結果
構造17の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0282】
11.2.a (6-ブロモ-ピリジン-2-イル)-(5-クロロ-ピリジン-2-イル)-アミン

【0283】
実施例12
17の調製
12.1 求核置換
15(25.9mmol)の無水THF(50mL)溶液に、NaH(鉱油中60%)(38.9mmol)と、続いて2または8(25.9mmol)を加え、得られた混合物を50℃で8h撹拌した。メタノールで反応停止した後、溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、17(16.3mmol)を得た。
【0284】
12.2 結果
構造17の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0285】
12.2.a 6-クロロ-3-ニトロ-N-ピリジン-2-イルピリジン-2-アミン

【0286】
12.2.b. 6-クロロ-2-(ピリジン-2-イルアミノ)ニコチン酸メチル

【0287】
12.2.c. 6-クロロ-N,N-ジメチル-2-(ピリジン-2-イルアミノ)ニコチンアミド

【0288】
実施例13
18の調製
13.1 求核置換
2または8(10mmol)の無水THF(100mL)溶液に、NaH(鉱油中60%)(30mmol)と、続いて16(12.5mmol)を加え、得られた混合物をN2雰囲気下、100℃で終夜撹拌した。メタノールで反応停止した後、溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、18(4.5mmol)を得た。
【0289】
過剰の4M HCl/1,4-ジオキサンを18のMeOH溶液に加えることにより、18のほとんどをHCl塩に変換した。溶媒を減圧下で除去するか、または酢酸エチル中で結晶化することにより、純粋な塩を得た。
【0290】
13.2 結果
構造18の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0291】
13.2.a [5-(3-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0292】
13.2.b [3.3']ビピリジニル-6-イル-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0293】
13.2.c (5-フェニル-2H-ピラゾル-3-イル)-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0294】
13.2.d 1-[6-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-ピロリジン-2-オン・2HCl

【0295】
13.2.e [5-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-2-イル]-(6-ピラジン-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0296】
13.2.f [2,2']ビピリジニル-6-イル-[5-(4-フルオロフェニル)-4-メチル-ピリジン-2-イル]-アミン

【0297】
13.2.g (5-イソプロピル-ピリジン-2-イル)-(6-ピラジン-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0298】
13.2.h [5-(5-メチル-フラン-2-イル)-ピリジン-2-イル]-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0299】
13.2.i (5-モルホリン-4-イル-ピリジン-2-イル)-(6-ピラジン-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0300】
13.2.j (3,5-ビス(トリフルオロメチル)-2,2'-ビピリジン-6-イル](ピリジン-2-イル)アミン

【0301】
実施例14
18の調製
14.1 ブッフバルトクロスカップリング
無水トルエン(10mL)中の16(1.1mmol)、2または8(1.2mmol)、Pd2(dba)3(0.045mmol)、dppp(0.09mmol)およびNaOtBu(1.58mmol)の混合物をN2雰囲気下、70℃で終夜撹拌した。水で反応停止し、混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈した。二相を分離した後、有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、18(0.97mmol)を得た。
【0302】
過剰の4M HCl/1,4-ジオキサンを18のMeOH溶液に加えることにより、18のほとんどをHCl塩に変換した。溶媒を減圧下で除去するか、または酢酸エチル中で結晶化することにより、純粋な塩を得た。
【0303】
14.2 結果
構造18の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0304】
14.2.a [2,2']ビピリジニル-6-イル-ピリジン-2-イルアミン・3HCl

【0305】
14.2.b [2,2]ビピリジニル-6-イル-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-アミン・3HCl

【0306】
14.2.c [2,2']ビピリジニル-6-イル-(5-クロロ-ピリジン-2-イル)-アミン・3HCl

【0307】
14.2.d [2,2']ビピリジニル-6-イル-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イル)-アミン

【0308】
14.2.e [2,2']ビピリジニル-6-イル-[5-(4-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-アミン

【0309】
14.2.f [2,2']ビピリジニル-6-イル-(4-メチル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0310】
14.2.g N,N-ジピリジン-2-イル-2,2'-ビピリジン-6-アミン2塩酸塩

【0311】
14.2.h 1-メチル-4-(6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン2塩酸塩

【0312】
14.2.i 4-ベンジル-1-(6-{[3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン2塩酸塩

【0313】
14.2.j N2-(3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]-N5-メチル-N5-(1-メチルピロリジン-3-イル)ピリジン-2,5-ジアミン3塩酸塩

【0314】
14.2.k 3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)-N-[5-(2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0315】
14.2.l N5-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-N2-[3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2,5-ジアミン3塩酸塩

【0316】
14.2.m N-{5-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピリジン-2-イル}-3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0317】
14.2.n 4-(6-{[3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)-1-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オン2塩酸塩

【0318】
14.2.o 1-(6-{[6-(5-クロロ-1,3-チアゾル-2-イル)-3-メトキシピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)-4-メチルピペラジン-2-オン塩酸塩

【0319】
14.2.p 5-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0320】
14.2.q N-[6-(5-エチル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0321】
14.2.r 1-(6-{[6-(5-エチル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピペリジン-2-オン1塩酸塩

【0322】
14.2.s N-[6-(5-エチル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]-5-ピロリジン-1-イルピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0323】
14.2.t N-[6-(5-エチル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]-5-ピペリジン-1-イルピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0324】
14.2.u N-[6-(5-メチル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]-5-モルホリン-4-イルピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0325】
14.2.v 1-(6-{[6-(5-クロロ-1,3-チアゾル-2-イル)-3-メトキシピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピロリジン-2-オン1塩酸塩

【0326】
14.2.w 5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0327】
14.2.x 1-(6-{[6-(5-メチル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピロリジン-2-オン2塩酸塩

【0328】
14.2.y N-[6-(5-イソプロピル-1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0329】
14.2.z 5-(1-メチルピペリジン-3-イル)-N-(6-ピラジン-2-イルピリジン-2-イル)ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0330】
本発明のいくつかの調節剤の特徴分析データを以下の表1に示す。
【表1】











【0331】
実施例15
17からの18の調製
15.1 スティルクロスカップリング
トルエン(10mL)中の17(1.41mmol)、14(1.41mmol)、およびPd(PPh3)4(0.07mmol)の混合物をAr雰囲気下、100℃で15h撹拌した。飽和NaHCO3(10mL)で反応停止した。混合物をクロロホルムで抽出した後、有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製して、18(1.16mmol)を得た。
【0332】
過剰の4M HCl/1,4-ジオキサンを18のMeOH溶液に加えることにより、18のほとんどをHCl塩に変換した。溶媒を減圧下で除去するか、または酢酸エチル中で結晶化することにより、純粋な塩を得た。
【0333】
15.2 結果
構造18の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0334】
15.2.a 4,6-ジピリジン-2-イル-3.4-ジヒドロ-2H-ピリド[3.2-b][1.4]オキサジン

【0335】
15.2.b (5-ニトロ-2,2'-ビピリジン-6-イル)(ピリジン-2-イル)アミン

【0336】
15.2.c N-[6-(ピリジン-2-イルアミノ)-2,2'-ビピリジン-5-イル]アセトアミド

【0337】
15.2.d (5-メトキシ-2,2'-ビピリジン-6-イル)(ピリジン-2-イル)アミン

【0338】
15.2.e 6-(ピリジン-2-イルアミノ)-2.2'-ビピリジン-5-カルボン酸メチル

【0339】
15.2.f N,N-ジメチル-6-(ピリジン-2-イルアミノ)-2,2'-ビピリジン-5-カルボキサミド

【0340】
15.2.g 5-イソプロポキシ-N-ピリジン-2-イル-2.2'-ビピリジン-6-アミン塩酸塩

【0341】
15.2.h 5-(ベンジルオキシ)-N-ピリジン-2-イル-2.2'-ビピリジン-6-アミン

【0342】
15.2.i 5-(2-メトキシエトキシ)-N-ピリジン-2-イル-2.2'-ビピリジン-6-アミン

【0343】
15.2.j {[6-(ピリジン-2-イルアミノ)-2.2'-ビピリジン-5-イル]オキシ}酢酸メチル

【0344】
実施例16
18の調製
16.1 スタンニル化
17(5mmol、無水THF(50mL)中)を、無水THF(50mL)中のKH(鉱油中30%)(6mmol)の懸濁液にカニューレからN2雰囲気下、0℃で加えた。得られた混合物を0℃で30min撹拌し、次いで-78℃まで冷却した。この冷溶液にn-BuLi(ヘキサン中2.5M)(10.5mmol)を加え、混合物を1h撹拌した後、Bu3SnCl(10.5mmol)を加えた。溶液を-78℃で2h撹拌し、4hかけてrtに戻した後、イソプロパノール(5mL)および水(50mL)で反応停止した。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した後、混合物の有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製して、19(4.4mmol)を得た。
【0345】
16.2 結果
構造19の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0346】
16.2.a (5-クロロ-ピリジン-2-イル)-(6-トリブチルスタンナニル-ピリジン-2-イル)-アミン

【0347】
16.2.b (5-フェニル-ピリジン-2-イル)-(6-トリブチルスタンナニル-ピリジン-2-イル)-アミン

【0348】
16.3 19からの18の合成
19(0.25mmol)、12(0.275mmol)、Pd(PPh3)4(0.025mmol)の無水DMF(4mL)溶液をN2雰囲気下で1日還流した。濃NH4OH(2mL)で反応停止した。DMFを減圧下で除去した後、残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、有機混合物を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製して、18(0.12mmol)を得た。
【0349】
過剰の4M HCl/1,4-ジオキサンを18のMeOH溶液に加えることにより、18のほとんどをHCl塩に変換した。溶媒を減圧下で除去するか、または酢酸エチル中で結晶化することにより、純粋な塩を得た。
【0350】
16.4 結果
構造18の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0351】
16.4.a (5-クロロ-ピリジン-2-イル)-[6-(1-メチル-1H-イミダゾル-4-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン・2HCl

【0352】
16.4.b (5-クロロ-ピリジン-2-イル)-(6-ピラジン-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0353】
16.4.c (5-フェニル-ピリジン-2-イル)-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0354】
実施例17
22の調製
17.1 21の合成
20(25mmol)の無水THF(80mL)溶液を0℃に冷却し、これにKH(鉱油中30%)(25mmol)をN2雰囲気下で加えた。懸濁液を20min撹拌した後、無水THF(20mL)中の15(10mmol)を10minかけて加えた。得られた混合物を60℃、N2雰囲気下で2日間撹拌した。イソプロパノール(10mL)および飽和NaCl(50mL)を0℃で滴加して反応停止し、混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した。二相を分離した後、有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して、21(10mmol)を得た。
【0355】
17.2 結果
構造21の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0356】
17.2.a 2.6-ジ-ピラゾル-1-イル-ピリジン

【0357】
17.2.b 2.6-ビス-(4-メチル-ピラゾル-1-イル)-ピリジン

【0358】
17.3 求核置換による22の合成
11(1.66mmol)の無水1,4-ジオキサン(10mL)溶液に、NaH(鉱油中60%)(6.6mmol)と、続いて21(1.66mmol)を加え、得られた混合物をN2雰囲気下、100℃で終夜撹拌した。メタノールで反応停止した後、溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(40mL)に溶解し、有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製して、22(0.8mmol)を得た。
【0359】
17.4 結果
構造22の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0360】
17.4.a (5-メトキシ-ピリジン-2-イル)-[6-(4-メチル-ピラゾル-1-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン・2HCl

【0361】
17.4.b [6-(4-メチル-ピラゾル-1-イル)-ピリジン-2-イル]-(5-モルホリン-4-イル-ピリジン-2-イル)-アミン・2HCl

【0362】
17.4.c [5-(3-フルオロ-フェニル)ピリジン-2-イル]-[6-(4-メチル-ピラゾル-1-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン・2HCl

【0363】
実施例18
22の調製
18.1 23の合成
トルエン(30mL)中の15(3.18mmol)、ピラゾル20(3.50mmol)、Pd2(dba)3(0.32mmol)、BINAP(0.32mmol)、およびCs2CO3(4.77mmol)の混合物をAr雰囲気下、80℃で1日撹拌した。反応混合物をクロロホルム(100mL)で希釈し、有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製して、23(1.36mmol)を得た。
【0364】
18.2 結果
構造23の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0365】
18.2.a 6-ヨード-3-メトキシ-2-(1H-ピラゾル-1-イル)ピリジン

【0366】
18.2.b 2-ブロモ-6-(4-ブロモ-1H-ピラゾル-1-イル)ピリジン

【0367】
18.3 求核置換による22の合成
11(1.66mmol)の無水1,4-ジオキサン(10mL)溶液に、NaH(鉱油中60%)(6.6mmol)と、続いて23(1.66mmol)を加え、得られた混合物をN2雰囲気下、100℃で終夜撹拌した。メタノールで反応停止した後、溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(40mL)に溶解し、有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製して、22(0.8mmol)を得た。
【0368】
18.4 結果
構造22の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0369】
18.4.a 5-メチル-N-[6-(1H-ピラゾル-1-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン

【0370】
18.4.b 6-{[6-(1H-ピラゾル-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ニコチン酸メチル1塩酸塩

【0371】
18.4.c 5-メトキシ-N-(5-モルホリン-4-イルピリジン-2-イル)-6-(1H-ピラゾル-1-イル)ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0372】
18.4.d 4-メチル-1-(6-{[6-(4-メチル-1H-ピラゾル-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピペリジン-2-オン2塩酸塩

【0373】
18.4.e 4-メチル-1-(6-{[6-(1H-ピラゾル-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン2塩酸塩

【0374】
18.4.f 1-(6-{[6-(4-ブロモ-1H-ピラゾル-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)-4-メチルピペラジン-2-オン2塩酸塩

【0375】
実施例19
24の調製
19.1 還元
LiAlH4(2.2mmol)のエーテル(4mL)溶液に、18(0.74mmol)を0℃で加え、1h撹拌した。飽和Na2SO4で反応停止し、セライトを通してろ過し、THFで洗浄した。ろ液をMgSO4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、24(0.25mmol)を得た。
【0376】
19.2 結果
構造24の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0377】
19.2.a (6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)メタノール

【0378】
19.2.b 3-(6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)プロパン-1-オール2塩酸塩

【0379】
実施例20
25の調製
20.1 ハロゲン化
SOCl2(15mL)中の24(10.1mmol)の懸濁液をrtで30min撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOH-AcOEtで希釈し、沈殿をろ取して、25(6.5mmol)を得た。
【0380】
20.2 結果
構造25の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0381】
20.2.a 5-(クロロメチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0382】
実施例21
26の調製
21.1 求核置換
25(0.61mmol)のDMF(5mL)溶液を一級または二級アミン(3.0mmol)にrtで加え、20min撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をAcOEtおよび水で希釈した。混合物を希HClで抽出し、水相をK2CO3でアルカリ性にした。混合物をAcOEtで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製し、HCl塩に変換して、26(0.47mmol)を得た。
【0383】
21.2 結果
構造26の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0384】
21.1.a 5-(ピロリジン-1-イルメチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0385】
21.2.b 5-(2-ピロリジン-1-イルエチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩
標題化合物をヒドロキシエチル誘導体から同じ方法(実施例20および実施例21)により調製した。

【0386】
21.2.c 5-[(ベンジルアミノ)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0387】
21.2.d 5-[(シクロヘキシルアミノ)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0388】
21.2.e 5-[(イソプロピルアミノ)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0389】
21.2.f 5-{[シクロヘキシル(メチル)アミノ]メチル}-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0390】
21.2.g 5-[(tert-ブチルアミノ)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0391】
21.2.h 5-[(シクロペンチルアミノ)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0392】
21.2.i 5-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イルメチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0393】
21.2.j 5-[(2,6-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン3塩酸塩

【0394】
21.2.k 5-[(ジエチルアミノ)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0395】
21.2.l 5-(ピペリジン-1-イルメチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0396】
21.2.m 5-(モルホリン-4-イルメチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0397】
21.2.n 5-(3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イルメチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0398】
21.2.o 5-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドル-2-イルメチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0399】
21.2.p N-[6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)メチル]ピラジン-2-アミン2塩酸塩

【0400】
21.2.q N-[6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)メチル]ピリミジン-2-アミン2塩酸塩

【0401】
21.2.r 5-[(エチルアミノ)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0402】
21.2.s 5-[(4-フェニル-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル]-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0403】
実施例21A

DMF(1mL)中の5-(クロロメチル)-N-[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]ピリジン-2-アミン.2HCl(0.025mmol)、アミン(0.05mmol)、およびポリスチレン結合ジイソプロピルエチルアミン(PS-DIEA)(0.05mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。
【0404】
この溶液に、PS-NCO(0.05mmol)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、減圧濃縮した。残渣を調製用LC-MSで精製して、生成物を得た。
【0405】
HPLC条件:Wakosil-II 5C18 AR 4.6*30 mm MeOH/5 mM TFA-H2O=10/90 (0 min) - 100/0 (4.0 min) - 100/0 (4.5 min)、MS: ESI(+).
【0406】
本発明のいくつかの調節剤の特徴分析データを以下の表2に示す。
【表2】







【0407】
実施例22
27の調製
22.1 合成
18(0.57mmol)のギ酸(5mL)溶液を100℃で10h撹拌した。溶媒を除去した後、残渣をクロロホルム(10mL)に溶解し、有機溶液を飽和NaHCO3、飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、27(0.29mmol)を得た。
【0408】
22.2 結果
構造27の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0409】
22.2.a 3,5-ジピリジン-2-イル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン

【0410】
実施例23
金属錯体28の調製
23.1 合成
18(0.2mmol)のEtOH溶液に60℃でエーテル中1.0M FeClO4(0.1mL)を加え、ただちに白色沈殿が生じた。この混合物にトリエチルアミン(0.06mL)を加え、得られた混合物を20min撹拌した。混合物をrtまで冷却した後、白色沈殿をろ過して、28(60%)を得た。
【0411】
23.2 結果
構造28の例示的化合物の分析データを以下に示す。
【0412】
23.2.a {[2,2']ビピリジニル-6-イル-ピリジン-2-イル-アミン}2Fe(II)錯体
MS m/z: 551(M+1)
【0413】
実施例23A-23F
実施例23A:6-ヨード-3-メトキシ-N-ピリジン-2-イルピリジン-2-アミン

2-ブロモ-6-ヨード-3-メトキシピリジン(1.68mmol)の無水THF(10mL)溶液に、NaH(鉱油中60%)(2.52mmol)と、続いて2-アミノピリジン(1.85mmol)を加え、得られた混合物を50℃で8h撹拌した。メタノールで反応停止した後、溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解し、有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、6-ヨード-3-メトキシ-N-ピリジン-2-イルピリジン-2-アミン(0.97mmol)を得た。

【0414】
6-ヨード-3-イソプロポキシ-N-ピリジン-2-イルピリジン-2-アミン

【0415】
3-(ベンジルオキシ)-6-ヨード-N-ピリジン-2-イルピリジン-2-アミン

【0416】
6-ヨード-3-(2-メトキシエトキシ)-N-ピリジン-2-イルピリジン-2-アミン

【0417】
{[6-ヨード-2-(ピリジン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]オキシ}酢酸メチル

【0418】
6-ヨード-4-ピリジン-2-イル-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン
トルエン(10mL)中の4,6-ジピリジン-2-イル-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン(1.41mmol)、2-(トリブチルスタンニル)ピリジン(1.41mmol)、およびPd(PPh3)4(0.07mmol)の混合物をAr雰囲気下、100℃で15h撹拌した。飽和NaHCO3(10mL)で反応停止した。混合物をクロロホルムで抽出した後、有機相を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製して、6-ヨード-4-ピリジン-2-イル-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン(1.16mmol)を得た。
MS m/z: 340 (M + 1).
【0419】
実施例23B:N6-ピリジン-2-イル-2,2'-ビピリジン-5,6-ジアミン2塩酸塩

【0420】
酢酸エチル(100mL)中の(5-ニトロ-2,2'-ビピリジン-6-イル)(ピリジン-2-イル)アミン(4.77mmol)およびPd/C(10%)(0.25g)ならびに酢酸エチル中の4N HCl(7mL)の懸濁液H2(1atm)雰囲気下で4h撹拌した。セライトを通してろ過した後、溶液を減圧濃縮して、N6-ピリジン-2-イル-2,2'-ビピリジン-5,6-ジアミン2塩酸塩(4.57mmol)を得た。
【0421】

【0422】
実施例23C:N-[6-(ピリジン-2-イルアミノ)-2,2'-ビピリジン-5-イル]アセトアミド

【0423】
クロロホルム(5mL)中のN6-ピリジン-2-イル-2,2'-ビピリジン-5,6-ジアミン(0.38mmol)、塩化アセチル(0.57mmol)、およびトリエチルアミン(1.14mmol)の混合物を0℃で4h撹拌した。飽和NaHCO3で反応停止した後、混合物をクロロホルムで希釈した。有機溶液を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、N-[6-(ピリジン-2-イルアミノ)-2,2'-ビピリジン-5-イル]アセトアミド(0.23mmol)を得た。
【0424】

【0425】
実施例23D:6-(ピリジン-2-イルアミノ)-2,2'-ビピリジン-5-オール

【0426】
エタノール(10mL)中の5-(ベンジルオキシ)-N-ピリジン-2-イル-2,2'-ビピリジン-6-アミン(0.45mmol)およびPd/C(10%)(48mg)の懸濁液をH2(1atm)雰囲気下で5h撹拌した。セライトを通してろ過した後、溶液を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、6-(ピリジン-2-イルアミノ)-2,2'-ビピリジン-5-オール(0.38mmol)を得た。
【0427】

【0428】
2-(6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)エタノール2塩酸塩

【0429】
実施例23E:5-(1-メチルピペリジン-3-イル)ピリジン-2-アミン

【0430】
3,3'-ビピリジン-6-アミン(1.2mmol)のAcOH(40mL)溶液を触媒量のPtO2を用い、3〜4atmの水素雰囲気下、室温で5日間水素添加した。反応混合物をセライトを通してろ過し、減圧濃縮した。残渣を飽和NaHCO3で希釈し、CHCl3で抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで粗く精製して、粗製5-ピペリジン-3-イルピリジン-2-アミン(8.2mmol)を得た。
【0431】
MeOH(20mL)中の生成物の溶液に、ヨードメタン(8.2mmol)を室温で加え、30min撹拌した。反応混合物をK2CO3水溶液で中和し、減圧濃縮した。残渣をCHCl3-MeOH(10:1)溶液で希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、5-(1-メチルピペリジン-3-イル)ピリジン-2-アミン(1.98mmol)を得た。
【0432】

【0433】
実施例23F:1-(6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]ピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン2塩酸塩

【0434】
4N HCl-ジオキサン中の3-オキソ-4-(6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルの溶液を60℃で1h撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を減圧濃縮し、水性エタノールから再結晶して、1-(6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン2塩酸塩(0.20mmol)を得た。
【0435】

【0436】
1-(6-{[3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン2塩酸塩

【0437】
3-メトキシ-N-(5-ピペラジン-1-イルピリジン-2-イル)-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0438】
3-メトキシ-N-[5-(3-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0439】
N-[5-(3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]-3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-アミン2塩酸塩

【0440】
4-(6-{[3-メトキシ-6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)-1,4-ジアゼパン-5-オン2塩酸塩

【0441】
4-(6-{[6-(1,3-チアゾル-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリジン-3-イル)-1,4-ジアゼパン-5-オン2塩酸塩

【0442】
実施例24
24.1 hSKチャネルに対する化合物活性のアッセイ
SK様チャネルなどの小コンダクタンス、カルシウム活性化カリウムチャネルを発現する細胞に、86RbClを含む培地中での培養により、86Rb+を取り込ませた。取り込み後、培地を除去し、細胞をEBSS中で洗浄して、残留する86Rb+の痕跡を除去した。細胞を薬物(EBSS中0.01〜30μM)と共にプレインキュベートし、細胞を持続的に薬物存在下、イオノマイシンなどのカルシウムイオノフォアを補足したEBSS溶液に曝露することにより、86Rb+外向きフラックスを刺激した。適当な外向きフラックス期間の後、EBSS/イオノフォア溶液を細胞から除去し、86Rb+含有量をチェレンコフ計数(Wallac Trilux)で定量した。次いで、細胞をSDS溶液で溶解し、溶解物中の86Rb+含有量を求めた。86Rb+外向きフラックスのパーセントを、下記の式によって計算した:
(EBSS中の86Rb+含有量/(EBSS中の86Rb+含有量+溶解物中の86Rb+含有量))×100
【0443】
24.2 結果
このアッセイで試験した化合物を、それらのhSK2阻害活性と共に表3に示す。
【0444】
【表3】




【0445】
実施例25
25.1 電気痙攣ショック-受動的/回避モデルにおける化合物活性のアッセイ
Inan, et al., Eur. J. Pharmacol., (2000), 407 (1-2): 159-64に記載のプロトコルの改変版を用いた電気痙攣ショック訓練後のマウスにおける受動的回避タスクに対する学習および記憶形成について、本発明の化合物の効果を試験した。
【0446】
25.2 結果
このアッセイで試験した化合物を、それらのインビボ阻害活性と共に表4に示す。
【0447】
【表4】


【0448】
実施例26
26.1 化合物リスト
以下の表5に本発明の代表的化合物を質量分析データと共に示す。
【0449】
【表5】





【0450】
本明細書に記載の実施例および態様は例示のために示すにすぎず、当業者にはそれらに照らして様々な改変または変更が示唆され、本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。本明細書において引用されるすべての出版物、特許、および特許出願はあらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:

式中、
AおよびBは独立に置換または無置換5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、または置換または無置換5もしくは6員ヘテロアリールであって、ここで、
W1およびZ1は独立に

であり;
W2およびZ2は独立に-NH-または-N=であり;
Xは結合または-NR4-であり;
sおよびtは独立に1〜4の整数であり;
kは1〜3の整数であり;
R1、R2、およびR3は独立にH、-NO2、-CF3、-L1-OR6、-L2-NR7R8、-L3-CONR7R8、-L4-COOR6、-L5-COR6、-L6-SO2R6、-L7-SO2NR7R8、シアノ、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり;
R4およびR5は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-L3-CONR7R8、-L4-COOR6、-L5COR6、-L6-SO2R6、または-L7-SO2NR7R8であって;ここで、
L1、L2、L3、L4、L5、L6、およびL7は独立に結合、または置換もしくは無置換(C1-C6)アルキレンであり;
R6はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり;かつ
R7およびR8は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-COR81、または-SO2R81であり、
R81は置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであって、ここで
R7およびR8はそれらが結合している窒素と任意に結び付いて、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは無置換ヘテロアリールを形成し;
ここでsが1より大きい場合、それぞれのR1は任意に異なり;
ここでkが1より大きい場合、それぞれのR2は任意に異なり;
ここでtが1より大きい場合、それぞれのR3は任意に異なり;
ここで2つのR1基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここで2つのR2基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここで2つのR3基はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここでR1およびR2はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここでR2およびR4はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここでR2およびR5はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここでR2およびR3はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここでR1およびXはそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここでR2およびXはそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;
ここでR2およびR5はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成し;かつ
ここでR3およびR5はそれらが結合している原子と任意に結び付いて置換または無置換5〜7員環を形成する。
【請求項2】
Bが置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換1,2,4-チアジアゾリル、置換もしくは無置換ピリミジニル、置換もしくは無置換ピラジニル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換イソキサゾリル、または置換もしくは無置換ピラゾリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Bが置換または無置換ピリジニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Z1

であり、かつZ2が-N=である、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R5がHである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
Xが結合である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Aが置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換ピリミジニル、置換もしくは無置換ピラジニル、置換もしくは無置換ピリダジニル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換イソチアゾリル、置換もしくは無置換ベンズイミダゾリル、置換もしくは無置換イミダゾリル、置換もしくは無置換ピラゾリル、または置換もしくは無置換1,2,4-オキサジアゾリルである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
Aが置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換ピラジニル、置換もしくは無置換チアゾリル、または置換もしくは無置換ピラゾリルである、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
Aが無置換ピリジニル、無置換ピラジニル、無置換チアゾリル、無置換ピラゾリル、または無置換N-メチルピラゾリルである、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R1がH、-OR6、-NR7R8、-NO2、ハロゲン、置換もしくは無置換(C1-C5)アルキル、置換もしくは無置換2〜5員ヘテロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
R1がH、-NH2、Br、F、Cl、-CF3、メチル、-OCH3、-NH-C(O)-CH3、-NH-C(O)-CH2CH3、または無置換モルホリノである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
kが0である、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
R2が-CF3、Cl、F、-OH、-NH2、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
R2が置換または無置換(C1-C6)アルキルである、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
R2が-CF3、-OCH3、-OCH(CH3)2、-OCH2CH2OCH3、-CH2C(O)OCH3、-OCH2C(O)OCH3、-C(O)N(CH3)2、-CN、-NHC(O)CH3、または

である、請求項13記載の化合物。
【請求項16】
R3がH、-OH、-NH2、-NO2、-SO2NH2、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
R3が置換もしくは無置換ピロリル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換ピロリジノニル、置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換チオフェニル、置換もしくは無置換フラニル、置換もしくは無置換イソキノリニル、または置換もしくは無置換ジヒドロキノリニルである、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
R3が置換もしくは無置換モルホリノ、置換もしくは無置換チオモルホリノ、置換もしくは無置換ピロリジニル、置換もしくは無置換ピロリジノニル、置換もしくは無置換ピペリジニル、置換もしくは無置換ピペラジニル、置換もしくは無置換テトラヒドロフラニル、置換もしくは無置換テトラヒドロピラニル、置換もしくは無置換テトラヒドロチオフェニル、または置換もしくは無置換テトラヒドロチオピラニルである、請求項16記載の化合物。
【請求項19】
R3が-L1-OR6、-L2-NR7R8、-L3-CONR7R8、-L4-COOR6、または-L5-COR6であって、ここで、
R6はH、置換もしくは無置換(C1-C6)アルキル、置換もしくは無置換2〜6員ヘテロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または置換もしくは無置換アリールであり;
R7およびR8は独立にH、置換もしくは無置換(C1-C6)アルキル、置換もしくは無置換2〜6員ヘテロアルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである、
請求項1記載の化合物。
【請求項20】
R6がH、無置換(C1-C4)アルキル、-CH2CH2N(CH3)2、または無置換ベンジルであり;
R7およびR8が独立にH、メチル、エチル、-C(O)CH3または置換もしくは無置換ピリジニルであって、ここで、R7およびR8はそれらが結合している窒素と任意に結び付いて無置換ピロリジニルを形成し;
L1は結合、メチレン、エチレン、またはプロピレンであり;
L2は結合、メチレン、またはエチレンであり;
L3は結合であり;
L4は結合またはエチレンであり;
L5は結合である、
請求項19記載の化合物。
【請求項21】
R3が-OCH3、-OCH2CH3

-C(=O)N(CH3)2、-C(=O)OCH3、-(CH2)2C(=O)OCH2CH3、-CH2OH、-(CH2)2OH、-(CH2)3OH、または-N(CH3)(CH2CH2OCH3)である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
R4およびR5が独立にH、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項23】
R4およびR5が独立にH、置換もしくは無置換(C1-C6)アルキル、置換もしくは無置換2〜6員ヘテロアルキル、または置換もしくは無置換5〜7員ヘテロアリールである、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
R4およびR5が独立にH、メチル、-C(O)OC(CH3)3、-C(O)CH3、または無置換ピリジニルである、請求項23記載の化合物。
【請求項25】
多価金属イオンおよび金属イオンキレート剤の多座成分を含む金属錯体であって、多座成分が請求項1記載の化合物である金属錯体。
【請求項26】
多価金属イオンが鉄、亜鉛、銅、コバルト、マンガン、またはニッケルからである、請求項25記載の錯体。
【請求項27】
細胞内のカリウムイオンチャネルを通過するイオン流を低減する方法であって、細胞を請求項1〜22もしくは33〜37のいずれか一項記載の化合物または請求項24もしくは25のいずれか一項記載の錯体のカリウムイオンチャネル調節量と接触させる段階を含む方法。
【請求項28】
カリウムイオンチャネルが少なくとも一つのSKサブユニットを含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
カリウムイオンチャネルの調節を通じて疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要としている対象に請求項1〜22、もしくは33〜37のいずれか一項記載の化合物、または請求項24もしくは25のいずれか一項記載の錯体の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項30】
障害または状態が、中枢または末梢神経系障害、神経保護物質、胃食道逆流障害(gastroesophogeal reflux disorder)、胃腸低運動障害、過敏性腸症候群、分泌性下痢、喘息、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、鼻漏、痙攣、血管痙攣、冠動脈痙攣、腎障害、腎嚢胞、膀胱痙攣、尿失禁、膀胱流出閉塞(bladder outflow obstruction)、虚血、脳虚血、虚血性心疾患、狭心症、冠動脈性心疾患、レイノー病、間欠性跛行、シェーグレン症候群、不整脈、高血圧、筋緊張性筋ジストロフィー、口内乾燥、II型糖尿病、高インスリン血症、早期分娩、脱毛症、癌、および免疫抑制から選択される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
中枢または末梢神経系障害が、偏頭痛、運動失調、パーキンソン病、双極性障害、三叉神経痛、痙縮、気分障害、脳腫瘍、精神病性障害、筋波動症、発作、てんかん、聴力および視力損失、精神病、不安、うつ病、痴呆、記憶および注意欠乏、アルツハイマー病、加齢性記憶喪失、学習障害、不安、外傷性脳傷害、月経困難、睡眠発作、ならびに運動ニューロン疾患を含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
薬学的に許容される担体および、請求項1〜22もしくは33〜37のいずれか一項記載の化合物、または請求項24もしくは25のいずれか一項記載の錯体を含む薬学的組成物。
【請求項33】
下記の式を有する請求項1記載の化合物:

式中、
Aは置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換ピラジニル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換ピリミジニル、置換もしくは無置換イミダゾリル、置換もしくは無置換ベンズイミダゾリル、または置換もしくは無置換ピラゾリルであり、
R5はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-COR6、-COOR6、-CONR7R8、-SO2R6、または-SO2NR7R8であり;かつ
Xは結合である。
【請求項34】
Aが置換または無置換チアゾリルである、請求項33記載の化合物。
【請求項35】
下記の式を有する請求項1記載の化合物:

式中、
Gは置換もしくは無置換シクロプロピル、置換もしくは無置換シクロブチル、置換もしくは無置換シクロペンチル、置換もしくは無置換シクロヘキシル、置換もしくは無置換シクロヘプチル、置換もしくは無置換アゼチジニル、置換もしくは無置換ピロリジニル、置換もしくは無置換ピペリジニル、置換もしくは無置換アゼパニル、置換もしくは無置換ピペラジニル、置換もしくは無置換モルホリノ、置換もしくは無置換チオモルホリノ、置換もしくは無置換テトラヒドロピリジニル、置換もしくは無置換ジアゼパニル、置換もしくは無置換フラニル、置換もしくは無置換チエニル、置換もしくは無置換ピロリル、置換もしくは無置換チアゾリル、置換もしくは無置換オキサゾリル、置換もしくは無置換ピラゾリル、置換もしくは無置換オキサジアゾリル、置換もしくは無置換チアジアゾリル、置換もしくは無置換トリアゾリル、置換もしくは無置換テトラゾリル、置換もしくは無置換フェニル、置換もしくは無置換ピリジニル、置換もしくは無置換ピリミジニル、または置換もしくは無置換ピラジニルであり;
R3はH、置換もしくは無置換アルキル、-OR6、またはハロゲンであり;
R5はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり;
R31およびR32は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、-OR311、-NR312R313、-COR311、-COOR311、-CONR312R313、SO2R311、-SO2NR312R313、オキソ、NO2、シアノ、イミノ、またはハロゲンであり;
R33はH、または置換もしくは無置換アルキルであり;
R312およびR313は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、-COR314、または-SO2R314であって、ここでR314は水素、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルであり;かつ
R311はH、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換アリールである。
【請求項36】
下記の式を有する請求項1記載の化合物:

式中、
W3は結合、-O-、-S-、-N(R32)-、または-C(R34R35)-であり;
vは0〜2の整数であり;
R3はH、置換もしくは無置換アルキル、-OR6、またはハロゲンであり;
R5はH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり;
R31、R34、およびR35は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、-OR311、-NR312R313、-COR311、-COOR311、-CONR312R313、オキソ、-NO2、シアノ、イミノ、またはハロゲンであり;
R32はH、アルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換3〜7員シクロアルキル、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、-OR311、-COR311、-COOR311、-CONR312R313、-SO2R311、-SO2NR312R313、オキソ、NO2、シアノ、イミノ、またはハロゲンであり;
R33はHまたは置換もしくは無置換アルキルであり;
R312およびR313は独立にH、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、-COR314、または-SO2R314であって、ここでR314は水素、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換ヘテロアルキルであり;かつ
R311はH、置換もしくは無置換アルキル、または置換もしくは無置換アリールである。
【請求項37】
(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-(5-チオフェン-3-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-[5-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン、(5,6,7,8-テトラヒドロ-イソキノリン-3-イル)-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-(3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,3']ビピリジニル-6'-イル)-アミン、(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-(5-モルホリン-4-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(5-ピロリジン-1-イルメチル-ピリジン-2-イル)-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、1-{6-[6-(5-クロロ-チアゾル-2-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-ピリジン-3-イル}-ピロリジン-2-オン、4-メチル-1-[6-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-2-オン、[6-(5-クロロ-チアゾル-2-イル)-3-メトキシ-ピリジン-2-イル]-(5-ピロリジン-1-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、[5-(1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イルメチル)-ピリジン-2-イル]-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、1-メチル-4-[6-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-[1,4]ジアゼパン-5-オン、(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-(5-ピロリジン-1-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(5-フェニル-ピリジン-2-イル)-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-[6-(4-メチル-ピラゾル-1-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン、(5-クロロ-ピリジン-2-イル)-(6-ピラジン-2-イル-ピリジン-2-イル)-アミン、[5-(3-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-[6-(4-メチル-ピラゾル-1-イル)-ピリジン-2-イル]-アミン、1-[6-(6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-2-オン、1-[6-(3-メトキシ-6-チアゾル-2-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-ピリジン-3-イル]-ピロリジン-2-オン、または[6-(5-クロロ-チアゾル-2-イル)-ピリジン-2-イル]-(3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,3']ビピリジニル-6'-イル)-アミンである、請求項1記載の化合物。

【公表番号】特表2007−532676(P2007−532676A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508563(P2007−508563)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/012837
【国際公開番号】WO2005/100349
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506344664)イカジェン インコーポレイテッド (3)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】