説明

カルパインインヒビターとしての複素環式的に置換されたアミド

【課題】複素環式的に置換されたアミドを提供する。
【解決手段】一般式Iで示される複素環式的に置換されたアミド及びそれらの互変異性体、異性体、可能な鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに可能な生理学的認容性塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複素環式的に置換された新規のアミドに関する。該アミドは酵素、特にシステインプロテアーゼ、例えばカルパイン(=カルシウム依存性システインプロテアーゼ)及びそのイソ酵素及びカテプシン、例えばB及びLのインヒビターである。
【背景技術】
【0002】
カルパインは所謂システインプロテアーゼの群からの細胞内タンパク質分解酵素であり、多数の細胞で発見されている。酵素カルパインはカルシウム濃度の増大によって活性化され、カルシウムイオンのμモルの濃度によって活性化されるカルパインI又はμ−カルパイン及びカルシウムイオンのmモルの濃度によって活性化されるカルパインII又はm−カルパインの区別がある(P.Johnson,Int.J.Biochem.1990,22(8),811〜22)。今日他のカルパイン酵素の存在が仮定されている(K.Suzuki et al.,Biol. Chem.Hoppe−Seyler,1995,376(9),523〜9)。
【0003】
カルパインは種々の生理学的過程で重要な役割を演じると考えられている。それには、調節性タンパク質、すなわちプロテインキナーゼCの分解、細胞骨格タンパク質、例えばMAP2及びスペクトリンンの分解、筋タンパク質の分解、リウマチ様関節炎におけるタンパク質分解、血小板の活性化の際のタンパク質分解、神経ペプチドの代謝、有糸分裂におけるタンパク質分解等が含まれるが、これらはM.J.Barrett et al.,Life Sci.1991,48,1659〜69及びK.K.Wang et al.,Trends in Pharmacol.Sci.,1994,15,412〜9に記載されている。
【0004】
種々の病態生理学的過程の場合、例えば心臓の虚血(例えば心筋梗塞)、腎臓の虚血又は中枢神経系の虚血(例えば卒中)、炎症、筋ジストロフィー、眼の白内障、中枢神経系の損傷(例えば外傷)、アルツハイマー病等の際カルパイン活性の増大が測定される(K.K.Wang,上記参照)。これらの疾患と細胞内のカルシウム水準の増大及び持続との関係が推測されている。これによってカルシウムに依存する過程が過度に活性化されて、もはや生理学的調節に従わなくなる。したがってカルパインの過度の活性化がまた病態生理学過程も起こす可能性がある。それゆえにカルパイン酵素のインヒビターがこれら疾患の治療のためには役立ちうると予想された。これは種々の検査によって裏付けられる。すなわちSeung−Chyul Hong et al.,(Stroke 1994,25(3),663〜9)及びR.T.Bartus et al.,(Neurological Res.1995,17,249〜58)は、脳卒中後に生じるような急性神経変性障害又は虚血におけるカルパインインヒビターの神経保護作用を示した。同様にカルパインインヒビターは、実験的脳外傷後に惹起する記憶力欠損及び神経運動障害の回復も改善する(K.E.Saatman et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1996,93,3428〜3433)。C.L.Edelstein et al.,(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1995,92,7662〜6)は、低酸素によって障害を受けた腎臓に対するカルパインインヒビターの保護作用を発見した。Yoshida、Ken Ischi et al.,(Jap.Circ.J.1995,59(1),40〜8)は虚血又は再灌流によって形成された心臓傷害後のカルパインインヒビターの有利な効果を証明することができた。カルパインインヒビターはβ−AP4−タンパク質の遊離を抑制するので、アルツハイマー病の治療薬としての使用の可能性が提案された(J.Higaki et al.,Neuron,1995,14,651〜59)。同様にインターロイキン−1αの遊離もカルパインインヒビターによって阻害された(N.Watanabe et al.,Cytokine 1994,6(6),597〜601)。さらにカルパインインヒビターが腫瘍細胞に対する細胞毒性作用を示すことも発見された(E.Shiba et al.20th Meeting Int.Ass.Breast Cancer Res.,Sendai Ja,1994,24〜28.Sept.,Int.J.Oncol.5(Suppl.),1994,381)。
【0005】
カルパインインヒビターの他の可能な使用は、K.K.Wang,Trends in Pharmacol.Sci.,1994,15,412〜8に記載されている。カルパインインヒビターは文献にもすでに記載されている。しかしこれらは主として不可逆性又はペプチドインヒビターである。不可逆性インヒビターは一般にアルキル化物質であり、これらは生体内で非選択的に反応するか又は不安定であるという欠点を有する。すなわちこれらのインヒビターはしばしば毒性のような不所望の副作用を示し、したがって使用の点で限定されているか又は使用できない。不可逆性インヒビターには、例えばエポキシドE 64(E.B.McGoWan et al.,Biochem.Biophs.Res.Commun.1989,158,432〜5)、α−ハロゲンケトン(H.Angliker et al.,J.Med.Chem.1992,35,216〜20)又は二硫化物(R.Matsueda et al.,Chem.Lett.1990,191〜194)が属している。
【0006】
カルパインのようなシステインプロテアーゼの多数の公知の可逆的インヒビターは、ペプチドアルデヒド、特にジペプチド及びトリペプチドアルデヒドであり、例えばZ−Val−Phe−H(MDL28170)(S.Mehdi,Tends in Biol.Sci.1991,16,150〜3)及びEP 520336からの化合物である。
【0007】
同様にペプチドケトン誘導体もシステインプロテアーゼ、特にカルパインのインヒビターとして認められている。しかし一つにはα−位脱離基が不可逆的阻害を引起こし、他面ではケト基がカルボン酸誘導体を活性化するケトンのみが有効なインヒビターとして考えられている(M.R.Angelastro et al.,上記参照;WO 92/11850;WO 92/12140;WO 94/00095及びWO 95/00535)。しかしこれらのケトアミド及びケトエステルのうち、従来はペプチド誘導体のみが有効であると記載されている(Zhaozet Li et.al.,J.Med.Chem.1993,36,3472〜80;S.L.Harbenson et al.,J.Med,Chem.1994,37,2918〜29及びM.R.Angelastro et al.参照)。
【0008】
従来はまだ、非ペプチドケトンが同様に効力のある可逆性カルパインインヒビターであることは明らかになっていない。したがってカルボニル化合物から誘導されかつペプチドの一般的課題(代謝的安定性、細胞膜の不良な連結(Ueberwindung)等)を改善する非ペプチドインヒビターを得ることが目標である。
【0009】
ケトベンズアルデヒドはすでに文献から公知である。すなわちケトエステルPhCO−Abu−COOCHCHはWO 91/09801、WO 94/00095及び92/11850に記載されている。類似のフェニル誘導体Ph−CONH−CH(CHPh)−CO−COCOOCHがM.R.Angelastro et al.,J.Med.Chem.1990,33,11〜13に記載されているが、単に弱いカルパインインヒビターとして認められる。この誘導体はまたJ.P.Burkhardt,Tetrahedron Lett.,1988,3433〜36にも記載されている。しかし複素環式的に置換されたアミドの重要性は従来検討されたことはなかった。
【0010】
他方可逆性非ペプチドカルパインインヒビターを見出だす努力も成されている。すなわちJP 8183759、JP 8183769、JP 8183771及びEP 5203336にはすでにジペプチドから誘導されたアルデヒドが記載されており、飽和炭素環状環、例えばシクロヘキサン、又は飽和複素環式環、例えばピペリジンがアミノ酸の代わりにこれらのペプチドインヒビター中に組込まれ、新規アルデヒドがカルパインインヒビターとして得られた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO 92/11850
【特許文献2】WO 92/12140
【特許文献3】WO 94/00095
【特許文献4】WO 95/00535
【特許文献5】WO 91/09801
【特許文献6】WO 94/00095
【特許文献7】WO 92/11850
【特許文献8】JP 8183759
【特許文献9】JP 8183769
【特許文献10】JP 8183771
【特許文献11】EP 5203336
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】P.Johnson,Int.J.Biochem.1990,22(8),811〜22
【非特許文献2】K.Suzuki et al.,Biol. Chem.Hoppe−Seyler,1995,376(9),523〜9
【非特許文献3】M.J.Barrett et al.,Life Sci.1991,48,1659〜69
【非特許文献4】K.K.Wang et al.,Trends in Pharmacol.Sci.,1994,15,412〜9
【非特許文献5】Seung−Chyul Hong et al., Stroke 1994,25(3),663〜9
【非特許文献6】R.T.Bartus et al., Neurological Res.1995,17,249〜58
【非特許文献7】K.E.Saatman et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1996,93,3428〜3433
【非特許文献8】C.L.Edelstein et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1995,92,7662〜6
【非特許文献9】Yoshida、Ken Ischi et al., Jap.Circ.J.1995,59(1),40〜8
【非特許文献10】J.Higaki et al.,Neuron,1995,14,651〜59
【非特許文献11】N.Watanabe et al.,Cytokine 1994,6(6),597〜601
【非特許文献12】E.Shiba et al.20th Meeting Int.Ass.Breast Cancer Res.,Sendai Ja,1994,24〜28.Sept.,Int.J.Oncol.5(Suppl.),1994,381
【非特許文献13】K.K.Wang,Trends in Pharmacol.Sci.,1994,15,412〜8
【非特許文献14】E.B.McGoWan et al.,Biochem.Biophs.Res.Commun.1989,158,432〜5
【非特許文献15】H.Angliker et al.,J.Med.Chem.1992,35,216〜20
【非特許文献16】R.Matsueda et al.,Chem.Lett.1990,191〜194
【非特許文献17】S.Mehdi,Tends in Biol.Sci.1991,16,150〜3
【非特許文献18】Zhaozet Li et.al.,J.Med.Chem.1993,36,3472〜80
【非特許文献19】S.L.Harbenson et al.,J.Med,Chem.1994,37,2918〜29
【非特許文献20】M.R.Angelastro et al.,J.Med.Chem.1990,33,11〜13
【非特許文献21】J.P.Burkhardt,Tetrahedron Lett.,1988,3433〜36
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明には、置換された非ペプチドの、複素環式的に置換されたアミド誘導体が記載されている。これらの化合物は新規であり、意外にも硬質構造の断片の組込みによって、システインプロテアーゼ、例えばカルパインの効力のある非ペプチドインヒビターを得ることができることを示す。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の対象は、一般式I:
【化1】

〔式中置換基は次ぎのものを表す:
Aはピペラジン、ホモペペラジン、ピペリジン及びピロリジンを表し、これらはなお基Rを有していてもよく、
Bはフェニル−、ピリジン−、ピリミジン−、ピラジン−又はピリダジン環を表し、
及びRは相互に独立的に水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキル、枝分れ又は枝なしのO−C〜C−アルキル、OH、Cl、F、Br、I、CF、NO、NH、CN、COOH、COO−C〜C−アルキル、NHCO−C〜C−アルキル、NHCO−フェニル、CONHR、NHSO−C〜C−アルキル、NHSO−フェニル、SO−C〜C−アルキル及びSO−フェニルを表し、R及びRは鎖CH=CH−CH=CH−であってもよく、この鎖はなお1個又は2個の置換基Rを有していてもよく、
は枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキルを表し、同アルキルはなお1個のS−CH基、シクロヘキシル−、シクロペンチル−、シクロヘプチル−、フェニル−、ピリジル−、ピリミジル−、ピリダジル−、ピラジル−、インドリル−、チエニル−又はナフチル環を有していてもよく、同環は最大2個のR基で置換されておりかつRは水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキル、O−C〜C−アルキル、OH、Cl、F、Br、I、CF、NO、NH、CN、COOH、COO−C〜C−アルキル、CONHR、NHCO−C〜C−アルキル、NHCO−フェニル、NHSO−C〜C−アルキル、NHSO−フェニル、SO−C〜C−アルキル及びSO−フェニルを表し、
は水素、−CORを表し、ここでRは−OR及び−NR10であってよく、Rは水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキルを表し、同アルキルはなお1個の置換基R11を有していてもよく、又はRはフェニル−、ピリジル−、ピリミジル−、ピリダジル−、ピラジニル−、ピラジル−、ナフチル−、チエニル−、ピペリジニル−、ピロリジニル、イミダジル環であってもよく、同環はなお1個または2個の置換基Rを有していてもよく、
は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキル、枝分れ又は枝なしのO−C〜C−アルキル、OH、Cl、F、Br、I、CF、NO、NH、CN、COOH、COO−C〜C−アルキル及びC〜C−アルキル−NR13を表し又は2個のR基は橋OC(ROを表してもよく、
は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキルを表し、
10は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキルを表し、同アルキルはなお他の基R12を有していてもよいフェニル環及び次ぎの環:
【化2】

で置換されていてもよく、
11はフェニル−、ピリジル−、ピリミジル−、ナフチル−、チエニル−、フリル−、ピリダジル−、ピラジニル−、ピラジル−、ピロリル−、イミダジル環であってよく、同環はさらに1個または2個の置換基Rを有していてもよく、
12は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキル、枝分れ又は枝なしのO−C〜C−アルキル、OH、Cl、F、Br、I、CF、NO、NH、CN、COOH、COO−C〜C−アルキルを表し、
13は水素、C〜C−アルキル−及びC〜C−アルキルフェニル鎖を表し、ここでフェニル環はなお1個又は2個のR12基を有していてもよく、
xは0、1及び2の数を表す〕で示される複素環式的に置換されたアミド及びそれらの互変異性体、異性体、可能な鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに可能な生理学的認容性塩である。
【0015】
式Iの化合物は、ラセミ体又は鏡像異性体的に純粋な化合物又はジアステレオマーとして使用することができる。鏡像異性体的に純粋な化合物を所望する場合には、このような化合物は例えば適当な光学的活性の塩基又は酸を用いて式Iの化合物又はそれらの中間生成物による古典的ラセミ体分割を行うことによって得ることができる。他面において鏡像異性体化合物は、同様に商業的に得られる化合物、例えば光学的活性アミノ酸、すなわちフェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンの使用によって製造することもできる。
【0016】
また本発明の対象は、式Iの化合物に対してメソメリーの又は互変異性の化合物、例えば式Iのケト基がそこではエノール−互変異性体として存在するような化合物である。
【0017】
本発明はまた生理学的認容性酸による式Iの化合物の酸付加塩も包含する。生理学的認容性有機及び無機酸は例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、アジピン酸又は安息香酸が適当である。使用できる他の酸はFortschritte der Arzneimittelforschung,10巻,224頁以降(Birkhaeuser Verlag,Basel und Stuttgart,1966)に記載されている。
【0018】
本発明のアミドIの製造は種々の方法で行うことができるが、これらは合成図式1、2、3及び4に略記してある。
【0019】
カルボン酸エステルIIIは、カルボン酸エステルII(Xは脱離基、すなわち塩化物、臭化物、ヨウ化物又はトシラートである)と相応のピペラジン又はピペリジン誘導体との反応によって得られる。この反応は第二アミンのナトリウ−又はカリウムアミドからの常用の条件下でTHF、DMF、トルオール又はベンゾールのような溶剤中で又はCu−触媒の存在で行う(参照:C.R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publisher,1989,397頁)。Bが窒素を含む芳香族化合物である例においては、反応は高められた温度で、好ましくはDMF又はTHFのような溶剤中で、場合によりトリエチルアミン、NaH又は炭酸カリウムのような塩基及びクラウンエーテルの存在で行う。Bがフェニル環であり、Aがピペリジン誘導体であり、A−B−結合がC−C−結合下で安定化されている例では、スズキカップリング(Suzuki et al.,THL 1986,27,6369)又は錫オルガニル(Zinnorganylen)とのカップリングを行う(参照:C.R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publisher,1989,64頁)。
【0020】
カルボン酸エステルIIIは、酸又は塩基、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて水性媒体中で又は水及び有機溶剤、例えばアルコール又はテトラヒドロフランから成る混合物中で室温又は高められた温度、例えば25〜100℃で酸IVに変えられる。酸IVはα−アミノ酸誘導体と結合されるが、この際通常の条件を用いる。このような条件は例えばHouben−Weyl,Methoden der orgnischen Chemie,4判,E5,Kap,V及びC.R.Larock,Comprehensive Organic Transformations;VCH Publisher,1989,Ch.9に記載されている。
【0021】
カルボン酸IVは、"活性化"酸誘導体R′−COOL(ここでLは脱離基、すなわちCl、イミダゾール及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾールである)に変えられ、次ぎにアミノ酸誘導体HN−CH(R)−COORとの反応によって誘導体Vに変えられる。この反応は無水の不活性溶剤、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミド中で−20〜+25℃の温度で行われる。
【0022】
誘導体Vは上記の加水分解と同様にしてケトカルボン酸VIに変えられる。ダキン−ウスト(Dakin−West)と同様の反応でケトエステルI′が製造され、この際ZhaoZhao Li et al.の方法(J.Med.Chem.1993,36,3472〜80)により作業される。この場合VIのようなカルボン酸が高められた温度(50〜100℃)で溶剤、例えばテトラヒドロフラン中でシュウ酸モノエステル塩化物と反応され、次いでこのようにして得られた生成物はエタノール中で25〜80℃の温度でナトリウムエトキシド(Natriumethanolate)のような塩基と反応されて本発明のケトエステルI´を生じることができる。ケトエステルI´は前記のように加水分解されて例えば本発明のケトカルボン酸を生じる。
【0023】
【化3】

【0024】
ケトアミドI′を生じる反応も同様にZhaoZhao Li et al.(上記参照)の方法と同様に行う。I′におけるケト基はリュイス酸触媒、例えば三フッ化ホウ素エーテラートの下で塩化メチレンのような不活性溶剤中で室温で保護されて、ジチアンが生じる。これらの誘導体はアルコールのような極性溶剤中で0〜80℃の温度でアミンR−Hと反応されて、ケトアミドI(R=NR10)が生じる。
【0025】
【化4】

【0026】
他の方法を図式2で図示してある。カルボン酸IVは常用のペプチドカップリング法(上記参照:Houben−Weyl)の下でアミノヒドロキシカルボン酸誘導体VII(IVの製造:S.L.Harbenson et al.,J.Med.Chem.1994,37,2918〜29)と反応されて、アミドVIIIが生じる。これらのアルコール誘導体VIIIは酸化されて本発明のケトカルボン酸誘導体Iを形成することができる。このためには種々の常用の酸化反応(参照:C.R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publisher,1989,604頁以降)、例えば室温又は−50〜25℃の温度で、場合によりジメチルスルホキシドの添加下でのスワーン及びスワーン類似酸化(Swern nund Swern−analoge Oxidationen)、好ましくは塩化メチレン又はテトラヒドロフランのような溶剤中でのジメチルスルホキシド/ピリジン−三酸化硫黄(T.T.Tidwell,Synthesis 1990,857〜70)又は次亜塩素酸ナトリウム/TEMPO(S.L.Harbenson et al.,上記参照)を使用することができる。
【0027】
VIIIがα−ヒドロキシエステルである(X=O−アルキル)場合には、これらは加水分解されてカルボン酸IXを生成することができるが、上記の方法のように作業し、好ましくは室温で水/テトラヒドロフラン混合物中の水酸化リチウムを用いる。他のエステル又はアミドXの製造はすでに記載したカップリング条件でのアルコール又はアミンとの反応によって行う。アルコール誘導体Xは酸化されて再び本発明のケトカルボン酸誘導体Iを生成しうる。
【0028】
式Iの本発明のアルデヒド(R=水素)は合成図式3により製造することができる。カルボン酸誘導体IVは適当なアミノアルコールXIと結合して相応のアミドXIIを生成する。この場合には常用のペプチドカップリング法(C.R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publisher,1989,972頁以降又はHouben−Weyl,Methoden der organischen Chemie,4判,E5,Kap.Vに記載されている)を使用する。好ましくはIIIの"活性化"酸誘導体を用いて反応を行うが、酸基COOHは基COLに変えられる。Lは例えばCl、イミダゾール及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾールのような脱離基である。この活性化酸は次ぎにアミンと反応してアミドXIIを生成する。この反応は無水の不活性溶剤、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミド中で−20〜+25℃の温度で行う。
【0029】
このアルコール誘導体XIIは酸化されて本発明のアルデヒド誘導体Iを生成することができる。このためには種々の酸化反応(参照:C.R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publisher,1989,604頁以降)、例えばスワーン及びスワーン類似酸化(Swern und Swern−analoge Oxidationen)(T.T.Tidwell,Synthesis 1990,857〜70)、次亜塩素酸ナトリウム/TEMPO(S.L.Harbenson et al.,上記参照)又はデス−マーチン(Dess−Martin)(j.Org.Chem.1983,48,4155)を使用することができる。この場合好ましくは不活性の非プロトン溶剤、すなわちジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又は塩化メチレン中で、酸化剤すなわちDMSO/ピリジン×SO又はDMSO/塩化オキサリルを用いて方法に応じて−50〜+25℃の温度で反応を行う。(上記文献参照)。
【0030】
【化5】

【0031】
またカルボン酸IVをエステル又はアミドXIIIと反応させることもできる。生じるアミドXIVは還元によって本発明のアルデヒドIに変えることができる。これらの方法はR.C.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publisher,1989,619〜26頁に記載されている。
【0032】
最後の方法と同様にして、安息香酸IVをアミノヒドロキサム酸誘導体と反応させてアミドXVIIを生成することができる。この場合XIIの製造の場合と同様の反応法を使用する。ヒドロキサム酸誘導体XVIはまたヒドロキシルアミンとの反応によって保護されたアミノ酸XVからも得られる。この場合もまたすでに記載したアミド製造法が使用される。保護基Y、例えばBocの脱離は標準方法により、例えば塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸を用いて行う。このようにして得られたベンズアミドヒドロキサム酸XVIIは還元によって本発明のアルデヒドIに変えることができる。この場合例えば還元剤としての水素化アルミニウムリチウムを−60〜0℃の温度でテトラヒドロフラン又はエ−テルのような不活性溶剤中で使用する。
【0033】
【化6】

【0034】
例(Aがピペラジン誘導体であり、Bがピリジン誘導体である)として適当な他の方法は図式4に記載してある。この極めて簡単な方法の個々の合成段階はすでに上記の説明で詳細に述べてある。
【0035】
本発明に包含されるケトベンズアミドIはシステインプロテアーゼ、特にカルパインI及びII及びカテプシンB又はLのようなシステインプロテアーゼのインヒビターである。ケトベンズアミドIの阻害効果は、文献中で通常の酵素試験で測定され、この際作用尺度として、酵素活性の50%が阻害される(=IC50)際のインヒビターの濃度が測定された。若干の場合にはまたKi値も測定された。ベンズアミドIはこのようにしてカルパインI,カルパインII及びカテプシンBの阻害作用に関して測定された。
【0036】
カテプシンB試験
カテプシンBの阻害はS.Hasnain et al.,(J.Biol.Chem.1993,268,235〜40)の方法により測定した。
【0037】
カテプシンB(ヒトの肝臓からのカテプシンB(カルビオヒエ(Calbiochem)、緩衝液500μM中の5単位に希釈)88μLに、インヒビター及びDMSO(最終濃度:100μM〜0.01μM)から製造されたインヒビター溶液2μLを加える。この混合物を室温(25℃)で60分間予めインキュベートし、次ぎに10mM Z−Arg−Arg−pNA(DMSO10%を含む緩衝液中)10μLを加えて反応を開始した。反応をマイクロタイタープレートリーダー(Mikrotiterplattenreader)で405nMで30分追跡する。次ぎに最大勾配からIC50を測定する。
【0038】
カルパインI及びII試験
カルパインインヒビターの阻害効果の試験は、トリス−HCl 50mM(pH7.5);NaCl0.1M;ジチオトレイトール1mM;CaCl 0.11mMを含有する緩衝液中で行い、蛍光原カルパイン基質Suc−Leu−Tyr−AMC(DMSO中に溶かした25mM、Bachem/Schweiz)を使用する。ヒトのμ−カルパインを赤血球から単離し、数回のクロマトグラフィー工程(DEAE−セファロース、フェニルセファロース、スペルデクス(Superdex)200及びブルーセファロース)後に純度>95%(SDS−PAGE、ウエスタンブロット分析及びN−末端配列により判定)を有する酵素を得る。分解生成物7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC)の蛍光を、スペクス−フルオローグ(Spex−Fluorog)蛍光計でλex=380nm及びλem=460nmで追跡する。60分の測定範囲では、実験を12℃の温度で行うと、基質の分解は線状であり、カルパインの自動触媒活性は小さい。インヒビター及びカルパイン基質をDMSO溶液としての実験バッチに加え、DMSOは最終濃度で2%を超えるべきではない。
【0039】
実験バッチにおいては、基質10μl(最終250μM)及び次ぎにμ−カルパイン10μl(最終2μg/ml、すなわち18nM)を、緩衝液を含有する1mlキュベットに加える。カルパインに媒介された基質の分解を15〜20分間測定する。次ぎにインヒビター(DMSO中の50〜100μM溶液)10μlを加え、分解の阻害をさらに40分間測定する。
【0040】
Ki値は可逆的阻害の古典的方程式により測定する:
Ki=I/(vo/vi)−1;ここでI=インヒビター濃度、vo=インヒビターを加える前の初期速度;vi=平衡における反応速度。
【0041】
この速度はv=AMCの遊離/時間、すなわち高さ/時間から計算される。
【0042】
カルパインは細胞内システインプロテアーゼである。カルパインインヒビターは細胞内タンパク質の分解を防止するために細胞膜を通過しなければならない。若干の公知のカルパインインヒビター、例えばE64及びロイペプチンは細胞膜をなかなか通過せず、したがってそれらが良好なカルパインインヒビターであるにも拘らず、細胞に対して不良な作用しか示さない。したがって良好な膜通過性を有する化合物を見出だすことが目標である。カルパインインヒビターの膜通過性の証明としてはヒトの血小板を使用した。
【0043】
血小板におけるチロシンキナーゼpp60srcのカルパイン媒介による分解
血小板を活性化した後チロシンキナーゼpp60srcをカルパインによって分解した。これはOda et al.によってJ.Biol.Chem.,1993,Vol268,12603〜12608で詳しく研究された。ここでカルペプチン(カルパインのインヒビターの1種)により、pp60srcの分解が抑制されうることが明らかになった。この刊行物により本発明の基質の細胞効力がテストされた。クエン酸塩で処理した新鮮なヒト血液を200gで15分遠心分離した。血小板多血漿をプールし、血小板緩衝液で1:1に希釈した(血小板緩衝液:NaCl68mM、KCl2.7mM、MgCl×6HO 0.5mM、NaHPO×HO 0.24mM、NaHCO 12mM、グルコース5.6mM、EDTA 1mM、pH7.4)。遠心分離工程及び血小板緩衝液による洗浄工程後に血小板を10細胞/mlに調節した。ヒト血小板の分離を室温で行った。
【0044】
試験バッチに関して分離した血小板(2×10)を種々の濃度のインヒビター(DMSO中に溶解)と一緒に37℃で5分間予備インキュベートした。次ぎに血小板の活性化をイオノフォアA23187μM及びCaCl5mMを用いて行った。5分のインキュベーション後に血小板を13000rpmで遠心分離し、ペレットをSDS試料緩衝液中にとった(SDS試料緩衝液:トリス−HCl20mM、EDTA5mM、EGTA 5mM、DTT 1mM、PMSF 0.5mM、ロイペプチン5μg/ml、ペプスタイン10μg/ml、10%グリセリン及び1%SDS)。タンパク質を12%ゲル中で分離し、pp60src及びその52−kDa及び47−kDa分解生成物をウエスタンブロット法によって同定した。使用したポリクロナールうさぎ抗体抗−Cys−src(pp60c−src)はBiomol Feinchemikalien社(ハンブルグ在)から購入した。この第一の抗体はやぎからのHRP−結合第二抗体(Boehringer Mannheim,FRG)で検出した。ウエスタンブロット法の実施は公知法により行った。
【0045】
pp60srcの分解の定量化はデンシトメトリーにより行い、この際、対照としては未活性化血小板(対照1:分解なし)及びイオノフォア及びカルシウムで処理した血小板(対照2:100%の分解に相当する)を使用した。ED50値は呈色反応の強度が50%まで抑制される際のインヒビター濃度に相応する。
【0046】
皮質ニューロンのおけるグルタメート誘導細胞死
試験は、Choi D.W.,Maulucci−Gedd M.A.及びKriegstein A.R.,"Glutamate neurotoxicity in cortical cell culture".J.Neurosci.1989,7,357〜368に記載されているように行った。
【0047】
15日齢のマウス胚から皮質の半分を剥離し、個々の細胞を酵素的に(トリプシン)得た。これらの細胞(神経膠及び皮質ニューロン)を24穴プレート中に接種した。3日(ラミニン被覆板)又は7日(オルニチン被覆板)後にFDU(5−フルオロ−2−デソキシウリジン)で有糸分裂処理を行う。細胞調製15日後にグルタメートの添加(15分)によって細胞死が誘導される。グルタメート除去後にカルパインインヒビターを加える。24時間後に細胞培養上清中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)を測定することによって細胞障害を測定する。
【0048】
カルパインがまたアポトーシス様の細胞死においても重要な役割を演じることが仮定されている(M.K.T.Squier et al.J.Cell.Physiol.1994,159,229〜237;T.Patel et al.Faseb Journal 1996,590,587〜597)。したがってヒトの細胞系における他のモデルにおいては、細胞死はカルシウムイオノフォアの存在でカルシウムで誘導される。カルパインインヒビターは細胞中に入り、そこでカルパインを阻害して誘導される細胞死を阻害する。
【0049】
NT2細胞におけるカルシウム媒介細胞死
ヒトの細胞系NT2(Stratagene GmbH)NIおいては、イオノフォアA23187の存在でカルシウムによって細胞死を誘発することができる。10細胞/ウェルを実験の20時間前にマイクロタイタープレートに分注する。この時間後に細胞をイオノフォア2.5μM及びカルシウム5mMの存在で種々の濃度のインヒビターと一緒にインキュベートした。5時間後に反応バッチにXTT(細胞増殖キットII、Boehringer Mannheim製)0.05mlを加えた。ほぼ17時間後に光学濃度をメイカーの指示に従いSLT社のイージーリーダー(Easy Reader)EAR400で測定する。細胞の半分が死滅する光学濃度を、イオノフォアの不在及び存在でインキュベートした、インヒビターなしの細胞を含む2つの対照から計算する。
【0050】
多数の神経系疾患又は心理学的障害の場合には、グルタメート活性の増大が起き、これが中枢神経系(CNS)における刺戟過度又は毒性作用の症状をもたらす。グルタメートは種々のレセプターを介してその作用を媒介する。これらのレセプターのうちの2種は、特異的作用物質によって、NMDAレセプター及びAMPAレセプターとして分類される。したがってグルタメートによって媒介されたこれらの作用を弱める物質を前記疾患の治療のために、特に神経変性病、例えばハンチントン病及びパーキンソン病、低酸素、無酸素、虚血後及び卒中及び外傷後に起こる病変後の神経毒性障害に対する治療的使用のためにまた抗てんかん薬としても使用することができる(参照:Arzneim.Forschung 1990,40,511〜514;TIPS,1990,11,334〜338;Drugs of the Future 1989,14,1059〜1071)。
【0051】
興奮性アミノ酸による大脳過剰刺戟に対する保護(マウスにおけるNMDA−又はAMPAK拮抗作用)
興奮性アミノ酸EAA(Excitatory Amino Acids)の脳内投与によって、短時間に痙攣を起こしかつ動物の死をもたらすほど大きい過剰刺戟が誘導される。この症候は中枢作用性作用物質(EAA拮抗物質)の全身的、例えば腹腔内投与によって抑制することができる。中枢神経系のEAAレセプターの過剰な活性化は種々の神経系疾患の発生病理において重要な役割を演じているので、検出された生体内のEAA拮抗作用からこのようなCNS(中枢神経系)疾患に対する物質の可能な治療的効用を推論することができる。物質の効能の尺度として、標準物質を予め腹腔内投与することにより、一定用量のNMDA又はAMPAによっても動物の50%が症状を示さない、ED50値を測定した。
【0052】
すでに、カルパインインヒビターも細胞培養物においてEAAによって誘発された細胞死に対する保護作用を示すことが明らかになった(H.Cauer et al.,Brain Research 1993,607,354〜356;YuCheg and A.Y.Sun,Neurochem.Res.1994,19,1557〜1564)。本出願に包含されたカルパインインヒビターは、意外にもEAA(例えばNMDA又はAMPA)によって誘発された生体(マウス)内の痙攣に対してすら有効であり、したがって上記のCNS疾患において治療的に使用できることを示す。
【0053】
複素環式的に置換されたアミドIはカルパインI又はII及びカテプシンB又はLのようなシステイン誘導体のインヒビターであり、したがってカルパイン酵素又はカテプシン酵素の酵素活性の増大と関連している疾病を抑制するために使用することができる。本発明のアミドIはしたがって、虚血、外傷、くも膜下出血及び卒中後に生じる神経変性過程及び多発梗塞性痴呆、アルツハイマー病、ハンチントン病のような神経変性病及びてんかんの治療のため、さらに心臓虚血後の心臓の障害、血管閉塞後の障害及び再灌流、腎臓虚血後の腎臓の障害、骨格筋障害、筋ジストロフィー、平滑筋細胞の増殖によって生じる障害、冠血管痙攣、脳血管痙攣、白内障、血管形成後の血流の再狭窄症の治療のために使用することができる。さらにアミドIは腫瘍及びそれらの転移の化学療法の場合に有用でありかつインターロイキン−1レベルの増大が起こる疾病、例えば炎症及びリュウマチ性疾患の場合の治療のために使用することもできる。
【0054】
本発明の製薬的製剤は、通常の製薬的助剤の他に治療的有効量の化合物Iを含有する。例えば粉末、軟膏又は噴霧剤での局所的外用の場合には、作用物質は通常の濃度で含有されていてよい。一般には作用物質は0.001〜1質量%、好ましくは0.001〜0.1質量%の量で含有されている。
【0055】
内服の場合には、製剤を単回用量で投与する。単回用量では体重kg当たり0.1〜100mgが投与される。該製剤は疾患の種類及び重症度におうじて一日に1回以上の用量で投与することができる。
【0056】
所望の適用形により、本発明の製薬的製剤は作用物質の他に通常の賦形剤及び希釈剤を含有する。局所的外用の場合には、製薬的助剤、例えばエタノール、イソプロパノール、エトキシル化ひまし油、エトキシル化水素化ひまし油、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコステアレート、エトキシル化脂肪アルコール、パラフィン油、石油ゼリー及び羊毛脂を使用することができる。内服の場合には、例えば乳糖、プロピレングリコール、エタノール、デンプン、タルク及びポリビニルピロリドンが適当である。
【0057】
さらに酸化防止剤、例えばトコフェロール及びブチル化ヒドロキシアニソールならびにブチル化ヒドロキシトルオール、香味改良性添加物、安定剤、乳化剤及び滑剤も含有していてよい。
【0058】
作用物質の他に製剤中に含有された物質ならびに製薬的製剤の製造の際に使用される物質は毒物学的に危険がなく、その都度の作用物質に適合している。製薬的製剤の製造は常法で、例えば作用物質と他の常用の賦形剤及び希釈剤とを混合することによって行う。
【0059】
製薬的製剤は種々の適用法で、例えば経口的、非経口的、例えば注入による静脈内的、皮下的、腹腔内的及び局所的に投与することができる。すなわち錠剤、エマルション、注入−及び注射液、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末及び噴霧剤のような製剤形が可能である。
【実施例】
【0060】
実施例
例1
2−(4−(ピリド−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(ピリド−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル クロロニコチン酸メチルエステル3.4g、炭酸カリウム5.5g、4−ピリジルピペラジン3.3g及びへらの先一杯分の量の18−クラウン−6をDMF75ml中で100℃で5時間加熱し、次ぎに室温で60時間撹拌した。過剰の炭酸カリウムを濾過し、濾液を濃縮し、残留物を水と酢酸エステルの間に分配した。硫酸マグネシウムによる有機相の乾燥及び溶剤の濃縮後に生成物3.9g(82%)が得られた。
【0061】
b)2−(4−(ピリド−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物1a5.6gをTHF100ml中に導入し、水50ml中のLiOH1.4gを室温で加える。この濁った溶液はMeOH10mlを加えると透明になった。この反応混合物を室温で12時間撹拌し、等モル量の1M HClで加水分解した。反応混合物を濃縮乾固し、残留物をメタノール/トルオール中に取った。溶剤の除去後になお塩を含有する生成物8.2gが得られ、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に投入した。
【0062】
c)2−(4−(ピリド−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物1b8.2g及びトリエチルアミン5.2gを塩化メチレン200ml及びDMF50ml中に導入した。硫酸ナトリウム5gを加え、30分撹拌した。フェニルアラニノール2.6g、HOBT2.3g及びEDC3.6gを0℃で順々に加え、この混合物を室温で一晩中撹拌した。反応混合物を蒸留水上に注ぎ、NaHCOでアルカリ性に調節し、NaClで飽和し、塩化メチレン100mlで3回抽出を行った。有機相を水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶剤の濃縮後に生成物0.61g(8%)が得られた。
【0063】
d)2−(4−(ピリド−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物1c0.6gをトリエチルアミン0.6gの存在でDMSO 20ml中に導入し、SO−ピリジン錯体を加えた。この混合物を室温で一晩中撹拌した。このバッチを蒸留水250ml上に注ぎ、NaHCOでアルカリ性に調節し、NaClで飽和し、塩化メチレン100mlで抽出を行い、硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶剤の濃縮後に残留物をTHF中に溶かし、ジオキサン中のHClで塩酸塩を沈殿させた。生成物を吸引濾過し、エーテルで数回洗浄した。
収量:0.08g(11%)
MS:m/e=488(M
【0064】
例2
2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル
クロロニコチン酸メチルエステル3.4g、炭酸カリウム5.5g及びN−メチルピペラジン2.0gを、例1aと同様にしてDMF50ml中で反応させ、生成物3.9g(82%)が得られた。
【0065】
b)2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ニコチン酸
THF100ml中の中間化合物2a 3.5gを例1bと同様に水50ml及びMeOH10ml中のLiOH1.1gと室温で反応させ、まだ塩を含有する生成物6.1gが得られるが、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に投入した。
【0066】
c)2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物2b6.1gを、例1cと同様にEDC2.7g、HOBT1.9g及びトリエチルアミン5.0gの存在でDMF100ml中のフェニルアラニノール2.1gと反応させ、生成物1.2g(23%)が得られた。
【0067】
d)2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物2c1.0gを、例1dと同様にしてトリエチルアミン1.2mlの存在でDMSO 25ml中のSO−ピリジン錯体1.9gで酸化して、生成物0.7g(60%)が塩酸塩の形で得られた。
【0068】
【化7】

【0069】
例3
2−(4−(ピリミド−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(ピリミド−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル
クロロニコチン酸メチルエステル3.4g、炭酸カリウム11.1g及びN−(2−ピリミジル)ピペラジン二塩酸塩4.7gを例1aと同様にDMF75ml中で反応させ、生成物4.6g(78%)が得られた。
【0070】
b)2−(4−(ピリミド−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
THF100ml中の中間化合物3a4.3gを、室温で水50ml及びMeOH10ml中のLiOH1.0gと反応させ、まだ塩を含有する生成物6.1gが得られ、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に投入した。
【0071】
c)2−(4−(ピリミド−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物3b3.8gを、例1cと同様にしてトリエチルアミン4.0g及び硫酸ナトリウム5gの存在で塩化メチレン200ml及びDMF50ml中に導入し、フェニルアラニノール2.0g、EDC 2.7g及びHOBT 1.8gを順々に加え、生成物1.5g(28%)が得られた。
【0072】
d)2−(4−(ピリミド−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物3c 1.3gを例1dと同様にトリエチルアミン1.2mlの存在でDMSO20ml中のSO−ピリジン錯体1.9gと反応させて、生成物0.7g(48%)が塩酸塩の形で得られた。
【0073】
【化8】

【0074】
例4
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル
2−クロロニコチン酸メチルエステル3.4g、炭酸カリウム5.5g及びN−ベンジルピペラジン3.5gを例1aと同様にしてDMF75ml中で反応させ、生成物6.2g(100%)が得られた。
【0075】
b)2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸
THF100ml中の中間化合物4a6.2gを、例1bと同様にしてLiOH1.4gで加水分解し、まだ塩を含む生成物8.70gが得られ、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に直接投入した。
【0076】
c)2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物4b5.6gを、例1cと同様にしてトリエチルアミン5.7g及び硫酸ナトリウム5gの存在で塩化メチレン200ml及びDMF50ml中に導入し、フェニルアラニノール2.9g、HOBT2.6g及びEDC 4.0gを順々に加え、生成物1..0g(12%)が得られた。
【0077】
d)2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物4c0.9gを、例1dと同様にしてDMSO20ml中でトリエチルアミン0.8gの存在でSO−ピリジン錯体1.2gと反応させて、生成物0.7g(72%)が塩酸塩の形で得られた。
【0078】
【化9】

【0079】
例5
2−(4−(ピコル−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(ピコル−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル2−クロロニコチン酸メチルエステル2.6gを、DMF50ml中で例1aと同様にして炭酸カリウム4.2gの存在で2−ピコリルピペラジン2.7gと反応させ、生成物1.7g(36%)が得られた。
【0080】
b)2−(4−(ピコル−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物5a1.7gを、2M NaOH20mlと一緒に80℃に1時間加熱した。全出発物質が溶解してしまうや否や、反応混合物を濃縮し、残留物にジオキサン中の4M HCl溶液15mlを加え、ジオキサンの除去後に残留物をメタノール中に取り、沈殿を濾取した。濾液に塩化メチレンを加え、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮するとまだ塩を含む生成物2.9gが得られ、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に投入した。
【0081】
c)2−(4−(ピコル−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物5b 3.0gを、トリエチルアミン4.5mlの存在で塩化メチレン50ml及びDMF4ml中に導入し、フェニルアラニノール0.8g、HOBT0.7g及びEDC 1.2gを順々に加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を薄いシリカゲル層により濾過し、濾液を2M NaOHでアルカリ性に調節し、有機相を分離した。有機相を1H HCl溶液で抽出を行い、水相をNaOHで中和し、塩化メチレンで抽出を行う。集めた有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥し、濾過しかつ濃縮すると、生成物1.3g(56%)が得られた。
【0082】
d)2−(4−(ピコル−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物5c1.3gを、例1dと同様にして塩化メチレン30ml及びDMSO 4ml中でトリエチルアミン3.7gの存在でSO−ピリジン錯体2.6gで酸化した。生成物は塩酸塩として沈殿され、生成物0.3g(23%)が塩酸塩の形で得られた。
【0083】
【化10】

【0084】
例6
2−(4−(ピコル−3−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(ピコル−3−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル
2−クロロニコチン酸メチルエステル2.6gを、DMF50ml中で例1aと同様にして炭酸カリウム4.2gの存在で2−ピコリルピペラジン2.7gと反応させ、生成物1.2g(25%)が得られた。
【0085】
b)2−(4−(ピコル−3−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物6a1.2gを、例5bと同様にして2M NaOH20mlで80℃で加水分解して、まだ塩を含む生成物2.2gが得られ、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に投入した。
【0086】
c)2−(4−(ピコル−3−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物6b 2.2gを、例5cと同様にしてトリエチルアミン4mlの存在で塩化メチレン50ml及びDMF4ml中に導入し、フェニルアラニノール0.6g、HOBT0.5g及びEDC 0.9gを順々に加え、生成物1.7g(42%)が得られた。
【0087】
d)2−(4−(ピコル−3−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物6c1.7gを、例1dと同様にしてDMSO6ml及び塩化メチレン30ml中でトリエチルアミン6.1mlの存在でSO−ピリジン錯体4.1gで酸化した。生成物は塩酸塩として沈殿され、生成物0.6g(32%)が得られた。
【0088】
【化11】

【0089】
例7
2−(4−(ピコル−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(ピコル−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル
2−クロロニコチン酸メチルエステル3.7gを、DMF50ml中で例1aと同様にして炭酸カリウム4.0gの存在で4−ピコル−4−イルピペラジン2.5gと反応させ、生成物2.9g(62%)が得られた。
【0090】
b)2−(4−(ピコル−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物7a2.9gを、例5bと同様にして2M NaOH20mlで60℃で加水分解して、まだ塩を含む生成物3.4gが得られ、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に投入した。
【0091】
c)2−(4−(ピコル−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物7b 3.4gを、例5cと同様にしてトリエチルアミン4ml及びモレキュラーシーブの存在で塩化メチレン30ml中に導入し、フェニルアラニノール1.4g、HOBT1.1g及びEDC 2.0gを順々に加え、生成物3.6g(95%)が得られた。
【0092】
d)2−(4−(ピコル−4−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物7c3.6gを、例1dと同様にしてDMSO11ml及び塩化メチレン80ml中でトリエチルアミン6mlの存在でSO−ピリジン錯体4.4gで酸化し、生成物0.9g(25%)が塩酸塩の形で得られた。
【0093】
【化12】

【0094】
例8
2−(4−ベンジルホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−クロロニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オ−ル−2−イル)アミド クロロニコチン酸10.0gを、EDC13.0g、HOBT2.9g及びトリエチルアミン9.6gの存在でCHCl250ml中のフェニルアラニノール9.7gと例1cと同様にして反応させて、生成物17.3g(94%)が得られた。
【0095】
b)2−(4−ベンジルホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物8a5.0gに、DMF70ml中でベンジルホモピペラジン3.3g、炭酸カリウム4.8g及びへらの先一杯分の量の18−クラウン−6を加え、2時間還流加熱した。反応混合物を水上に注ぎ、エーテルで抽出を行った。集めた有機抽出物をNaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮した。MPLC精製後に生成物1.0g(13%)が得られた。
【0096】
c)2−(4−ベンジルホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物8b1.0gを、例1dと同様にしてDMSO 20ml中でトリエチルアミン0.9gの存在でSO−ピリジン錯体0.7gで酸化し、生成物0.5g(50%)が遊離塩基の形で得られた。
【0097】
【化13】

【0098】
例9
2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル
2−クロロニコチン酸メチルエステル2.4gを、DMF50ml中で例1aと同様に炭酸カリウム3.8gの存在で2−ピコリルホモピペラジン2.7gと反応させると、生成物3.7g(81%)が得られた。
【0099】
b)2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物9a3.7gを例1bと同様にTHF10ml中で80℃で5MNaOH 30mlで加水分解して、生成物3.0g(86%)が得られた。
【0100】
c)2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オ−ル−2−イル)アミド
中間化合物9b3.0gを、例1cと同様にしてトリエチルアミン1.5gの存在で塩化メチレン60ml中に溶かし、フェニルアラニノール1.5g、HOBT0.4g及びEDC2.0gを順々に加えて、生成物2.7g(62%)が得られた。
【0101】
d)2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物9c2.7gを、例1dと同様にしてDMSO 10ml中でトリエチルアミン2.4gの存在でSO−ピリジン錯体2.9gで酸化して、生成物2.2g(83%)が遊離塩基の形で得られた。
【0102】
【化14】

【0103】
例10
2−(4−(ピコル−4−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(ピコル−4−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル
2−クロロニコチン酸メチルエステル2.4gを、DMF50ml中で例1aと同様に炭酸カリウム3.8gの存在で4−ピコリルホモピペラジン2.6gと反応させると、生成物3.9g(88%)が得られた。
【0104】
b)2−(4−(ピコル−4−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物10a3.9gを例1bと同様にTHF20ml中で80℃で5M NaOH 40mlで加水分解して、生成物2.7g(70%)が得られた。
【0105】
c)2−(4−(ピコル−4−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オ−ル−2−イル)アミド
中間化合物10b2.6gを、例1cと同様にしてトリエチルアミン1.7gの存在で塩化メチレン60ml中に溶かし、フェニルアラニノール1.3g、HOBT0.4g及びEDC1.7gを順々に加えて、生成物1.7g(46%)が得られた。
【0106】
d)2−(4−(ピコル−4−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物10c1.7gを、例1dと同様にしてDMSO 20ml中でトリエチルアミン1.6gの存在でSO−ピリジン錯体1.8gで酸化して、生成物1.5g(44%)が遊離塩基の形で得られた。
【0107】
【化15】

【0108】
例11
2−(4−(2−(ピリド−2−イル)−1−エチル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(2−(ピリド−2−イル)−1−エチル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル
2−クロロニコチン酸メチルエステル3.3gを、ブタノール20ml中で例1aと同様に炭酸カリウム4.3gの存在でN−(2−(ピリド−2−イル)エチル)ピペラジン3.0gと反応させると、生成物3.8g(72%)が得られた。
【0109】
b)2−(4−(2−(ピリド−2−イル)エチル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物11a3.8gを、60℃で2M NaOH20mlで1時間加水分解し、まだ塩を含有する生成物3.6gが得られ、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に投入した。
【0110】
c)2−(4−(2−(ピリド−2−イル)エチル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物11b3.6gを、例5cと同様にトリエチルアミン5.1ml及びモレキュラーシーブの存在で塩化メチレン50ml及びDMF 4ml中に導入し、フェニルアラニノール1.7g、HOBT 1.4g及びEDC 2.5gを順々に加えて、生成物4.6g(95%)が得られた。
【0111】
d)2−(4−(2−(ピリド−2−イル)エチル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物11c4.6を、例1dと同様に塩化メチレン30ml及びDMSO 15ml中でトリエチルアミン7.6gの存在でSO−ピリジン錯体3.5gで酸化した。生成物は塩酸塩として沈殿し、同生成物0.9g(20%)は塩酸塩の形で得られた。
【0112】
【化16】

【0113】
例12
2−(4−(2−メトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(2−メトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物8a3.0gを、DMF 70ml中で例8bと同様にして炭酸カリウム5.7g及びへらの先一杯分の量の18−クラウン−6の存在でN−(2−メトキシベンジル)ピペラジン2.9gと反応させて、生成物1.3g(27%)が得られた。
b)2−(4−(2−メトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物12a1.2gを、例1dと同様にしてトリエチルアミン1.1gの存在でDMSO20ml中のSO−ピリジン錯体1.2gで酸化して、生成物0.7g(58%)が遊離塩基の形で得られた。
MS:m/e=458(M
【0114】
例13
2−(4−(3,4−ジオキソメチレンベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(3,4−ジオキソメチレンベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物8a3.0gを、DMF70ml中で例8aと同様にして炭酸カリウム2.9g及びへらの先一杯分の量の18−クラウン−6の存在でN−(3,4−ジオキソメチレンベンジル)ピペラジン2.3gと反応させ、生成物1.3g(27%)が得られた。b)2−(4−(3,4−ジオキソメチレンベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物13a0.6gを、例1dと同様にしてトリエチルアミン0.5gの存在でDMSO20ml中のSO−ピリジン錯体0.6gで酸化して、生成物0.3g(55%)が遊離塩基の形で得られた。
【0115】
【化17】

【0116】
例14
2−(4−(1−ピペリジニル)ピペリジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(1−ピペリジニル)ピペリジン−1−イル)ニコチン酸メチルエステル 2−クロロニコチン酸メチルエステル3.4gを、炭酸カリウム5.5g及びへらの先一杯分の量の18−クラウン−6の存在でDMF75ml中の4−ピペリジノピペリジン3.4gと反応させ、生成物5.9g(97%)が得られた。
【0117】
b)2−(4−(1−ピペリジニル)ピペリジン−1−イル)ニコチン酸
THF100ml中の中間化合物14a5.5gを、例1bと同様にして水50ml及びMeOH10ml中のLiOH1.3gと反応させ、まだ塩を含有する生成物8.1gが得られ、こものをさらに精製することなく次ぎの段階に直接投入した。
【0118】
c)2−(4−(1−ピペリジニル)ピペリジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物14b7.1gを、例1cと同様にしてトリエチルアミン5.2g及び硫酸ナトリウム5gの存在で塩化メチレン200ml及びDMF50ml中に導入し、フェニルアラニノール2.6g、HOBT2.3g及びEDC3〜6gを順々に加え、生成物0.7g(10%)が得られた。
【0119】
d)2−(4−(1−ピペリジニル)ピペリジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物14c0.6gを、DMSO20ml中でトリエチルアミン0.6gの存在でSO−ピリジン錯体1.0gで酸化し、生成物0.1g(19%)が遊離塩基の形で得られた。
MS:m/e=420(M
【0120】
例15
2−(4−(4−N,N−ジメチルアミノ)ベンジルホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸エチルエステル
2−クロロニコチン酸エチルエステル10.0gをホモピペラジン21.6gと一緒にエタノール150ml中で2時間還流加熱した。溶剤の除去後に残留物をNaCl溶液及び酢酸エステルの間に分配し、水相から酢酸エステルで数回抽出を行った。集めた有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮して、生成物11.1g(83%)が得られた。
【0121】
b)2−(4−(4−N,N−ジメチルアミノベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸エチルエステル
中間化合物18a 2.0g及び4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドをエタノール40ml中に導入し、室温でホウ素−ピリジン錯体1.1mlを加えた。室温で18時間撹拌を行った。溶剤の除去後に残留物を水及び酢酸エステルの間に分配した。有機相から2N HClで抽出し、水相を酢酸エステルで2回洗浄し、2N NaOHで塩基性に調節した。生成物から酢酸エステルで抽出し、集めた酢酸エステル抽出物を硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮して、生成物2.9g(93%)が得られた。
【0122】
c)2−(4−(4−N,N−ジメチルアミノベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物18b 2.8gをMeOH 30ml中で5N NaOH 30mlと一緒に2時間60℃に加熱した。溶剤の濃縮後に濃HClで中和し、EtOH及びトリエチルアミンを用いて塩折し、塩を濾取し、濾液を濃縮して、生成物2.5g(100%)が得られた。
【0123】
d)2−(4−(4−N,N−ジメチルアミノベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物18c2.3gを塩化メチレン50ml中に溶かし、トリエチルアミン0.8g、フェニルアラニノール0.6g、HOBT0.2g及びEDC0.8gを順々に加えた。この混合物を室温でモレキュラーシーブを介して5時間撹拌した。反応混合物を水及び2N NaOHで洗浄し、生成物から1N HClで抽出した。水相を酢酸エステルで洗浄し、2N NaOHでpH9に調節した。生成物から酢酸エステルで抽出を行った。集めた有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮して生成物1.2g(69%)が得られた。
【0124】
e)2−(4−(4−N,N−ジメチルアミノベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間生成物18d 1.2gを、塩化メチレン40ml中でトリエチルアミン1.0g及びDMSO2mlの存在でSO−ピリジン錯体1.2gと一緒にモレキュラーシーブを介して撹拌した。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、NaClで3回洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮し生成物1.1g(97%)が得られた。
【0125】
【化18】

【0126】
例16
2−(4−(2−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(ピペラジン−1−イル)ニコチン酸エチルエステル
2−クロロニコチン酸エチルエステル10.0gを例18aと同様にしてエタノール400ml中でピペラジン27.8gと反応させて、生成物6.9g(54%)が得られた。
【0127】
b)2−(4−(2−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸エチルエステル
中間化合物19a1.0gを、例18bと同様にしてエタノール40ml中で2−フルオロベンズアルデヒド及びホウ素−ピリジン錯体0.5gと反応させて、生成物1.2g(39%)が得られた。
【0128】
c)2−(4−(2−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物19a1.2gを、例18cと同様にしてメタノール15ml中に溶かし、5N NaOH30mlで加水分解して、生成物0.7g(63%)が得られた。
【0129】
d)2−(4−(2−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物19c0.7gを、トリエチルアミン0.5gの存在で塩化メチレン50ml中に導入し、フェニルアラニノール0.3g、EDC0.5g及びHOBT0.1gを順々に加え、生成物0.5g(48%)が得られた。
【0130】
e)2−(4−(2−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物19d0.5gを、塩化メチレン40ml及びDMSO1ml中でトリエチルアミン0.4gの存在でSO−ピリジン錯体05gで酸化して、生成物0.5g(100%)が得られた。
MS:m/e=446(M
【0131】
例17
2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)ニコチン酸エチルエステル
2−クロロニコチン酸エチルエステル2.0gを、例1aと同様にして炭酸カリウム2.5g及びへらの先一杯分の量の18−クラウン−6の存在でブタノール40ml中で80℃でフェニルピペラジン1.8gと2.5時間反応させて、生成物1.2g(35%)が得られた。
【0132】
b)2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物20a1.2gが例18cと同様にしてメタノール30ml中で5M NaOH30mlで加水分解して、粗生成物1.8gが得られ、このものをさらに精製することなく次ぎの段階に投入した。
【0133】
c)2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物20b1.8gを、例18dと同様にしてトリエチルアミン0.8gの存在で塩化メチレン50ml中に導入し、フェニルアラニノール0.6g、EDC0.8g及びHOBT0.2gを順々に加えて、生成物1.1g(72%)が得られた。
【0134】
d)2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物20c1.1gを、例18eと同様にして塩化メチレン40ml及びDMSO2ml中でトリエチルアミン1.1gの存在でSO−ピリジン錯体1.2gで酸化させて、生成物0.8g(72%)が得られた。
MS:m/e=414(M
【0135】
例18
2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
a)2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オール−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
中間化合物9b1.8gを、例18dと同様にしてトリエチルアミン1.9gの存在で塩化メチレン50ml中に導入し、3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸アミド塩酸塩1.1g、EDC1.2g及びHOBT 0.3gを順々に加えて、生成物0.5g(18%)が得られた。
【0136】
b)2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
中間化合物21a0.5gを、例18eと同様にして塩化メチレン40ml及びDMSO 2.5ml中でトリエチルアミン0.4gの存在でSO−ピリジン錯体0.4gで酸化させて、生成物0.2g(54%)が得られた。
MS:m/e=(M
【0137】
例19
2−(4−(4−メトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(4−メトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸エチルエステル
中間化合物19a2.0gを、例18bと同様にしてエタノール40ml中でアニスアルデヒド(Anisaldehyd)6.0ml及びホウ素−ピリジン錯体1.1mlと反応させて、生成物3.0g(94%)が得られた。
【0138】
b)2−(4−(4−メトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物22a1.5gを、例18cと同様にしてメタノール10ml中で5M NaOH25mlで加水分解して、生成物1.6g(61%)が得られた。
【0139】
c)2−(4−(4−メトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物22b1.0gを、例18dと同様にしてトリエチルアミン1.4mlの存在で塩化メチレン50ml中に導入し、フェニルアラニノール0.5g、EDC0.8g及びHOBT0.5gを順々に加え、生成物1.2g(88%)が得られた。
【0140】
d)2−(4−(4−メトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物22c 1.2gを、例18eと同様にして塩化メチレン50ml及びDMSO3.5ml中でトリエチルアミン2.1mlの存在でS0−ピリジン錯体3.0gで酸化させて、生成物0.5g(46%)が得られた。
MS:m/e=458(M
【0141】
例20
2−(4−(4−メトキシベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(4−メトキシベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸エチルエステル
中間化合物18a2.5gを、エタノール30ml中でアニスアルデヒド1.4ml及びホウ素−ピリジン錯体1.3mlと反応させて、生成物3.6g(98%)が得られた。
【0142】
b)2−(4−(4−メトキシベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物23a3.6gを、メタノール10ml中で5M NaOH20mlで加水分解して、生成物2.9g(87%)が得られた。
【0143】
c)2−(4−(4−メトキシベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物23b 1.3gを、例18dと同様にしてトエチルアミン1.75gの存在で塩化メチレン50ml中に導入し、フェニルアラニノール0.6g、EDC0.9g及びHOBT0.6gを順々に加えて、生成物1.3g(69%)が得られた。
【0144】
d)2−(4−(4−メトキシベンジル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物23c1.2gを、例18eと同様にして塩化メチレン50ml及びDMSO3.5ml中でトリエチルアミン2.1mlの存在でSO−ピリジン錯体3.0gで酸化させて、生成物0.6g(46%)が得られた。
MS:m/e=472(M
【0145】
例21
2−(4−(4−n−ブトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(4−n−ブトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸エチルエステル
中間化合物19a2.4gを、エタノール30ml中で4−ブトキシベンズアルデヒド2.1ml及びホウ素−ピリジン錯体1.3mlと反応させて、生成物3.5g(89%)が得られた。
【0146】
b)2−(4−(4−n−ブトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸
中間化合物24a3.5gを例18cと同様にしてメタノール30ml中で5M NaOH15mlで加水分解し、生成物3.2g(97%)が得られた。
【0147】
c)2−(4−(4−n−ブトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物24b1.5gを、例18dと同様にしてトリエチルアミン1.9mlの存在で塩化メチレン50ml中に導入し、フェニルアラニノール0.7g、EDC1.0g及びHOBT0.7gを順々に加えて、生成物1.3g(62%)が得られた。
【0148】
d)2−(4−(4−n−ブトキシベンジル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物24c1.3gを、塩化メチレン40ml及びDMSO3.5ml中でトリエチルアミン2.1mlの存在でSO−ピリジン錯体2.0gで酸化させて、生成物0.8g(52%)が得られた。
MS:m/e=500(M
【0149】
例22
3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)安息香酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
a)3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)安息香酸
3−ベンジルピペラジン−1−イルベンゾニトリル1.5gを、濃HCl 14ml中で2時間還流加熱した。室温に冷却すると生成物1.7g(100%)が沈殿し、このものを吸引濾取して、水で十分に洗浄した。
【0150】
b)3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)安息香酸−N−(1−カルバモイル−1−オール−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
中間化合物26a1.5gを、例1cと同様にしてトリエチルアミン2.9mlの存在でDMF50ml中に導入し、HOBT0.7g、3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸アミド塩酸塩1.2g及びEDC1.1gを順々に加えて、生成物1.7g (71%)が得られた。
【0151】
c)3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)安息香酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
中間化合物26b 1.5gを、例1dと同様にしてDMSO30ml中で溶かし、トリエチルアミン2mlの存在でSO−ピリジン錯体1.5gで酸化させて、生成物0.5g(33%)が得られた。
MS:m/e=470(M
【0152】
例23
2−(4−(2−ナフチルメチル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
2−(4−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)ニコチン酸13gを、例1cと同様にして塩化メチレン150ml及びトリエチルアミン14.7ml中に溶かし、フェニルアラニノール6.4g、HOBT1.9g及びEDC8.11gを順々に加えて、生成物16.7g(90%)が得られた。
【0153】
b)2−(ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物27a16.7gを、塩化メチレン300ml中に溶かし、濃トリフルオロ酢酸30mlを加えた。室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を氷水上に注ぎ、塩基性に調節し、生成物から塩化メチレンで抽出を行った。集めた有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮して生成物12.8g(98%)が得られた。
【0154】
c)2−(4−(2−ナフチルメチルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物27b1.9gをエタノール75ml中に導入し、2−α−ブロモメチルナフタリン1.3g及び炭酸カリウム0.8gを加えた。混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチル及び水の間に分配し、有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮して生成物2.3g(86%)が得られた。
【0155】
d)2−(4−(2−ナフチルメチル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物27c1.5gを、例1dと同様にしてDMSO 25ml中でトリエチルアミン1.7mlの存在でSO−ピリジン錯体1.5gで酸化して生成物0.9g(59%)が得られた。
MS:m/e=478(M
【0156】
例24
2−(4−(2−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(2−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物27 2.0gを、例27cと同様にしてエタノール100ml中に導入し、2−(ブロモメチル)トルオール1.1g及び炭酸カリウム0.8gを加えて、生成物1.6g(62%)が得られた。
【0157】
b)2−(4−(2−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物28a 1.4gを、例1dと同様にしてDMSO 25ml中でトリエチルアミン1.7mlの存在でSO−ピリジン錯体1.0gで酸化して生成物0.7g(48%)が得られた。
MS:m/e=460(M+HO)
【0158】
例25
2−(4−(3−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(3−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物29b 2.0gを、例27cと同様にしてエタノール80ml中に導入し、3(ブロモメチル)トルオール1.1g及び炭酸カリウム0.8gを加えて、生成物1.8g(70%)が得られた。
【0159】
b)2−(4−(3−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物29a 1.6gを、例1dと同様にしてDMSO 25ml中でトリエチルアミン2.0mlの存在でSO−ピリジン錯体1.2gで酸化して生成物0.4g(26%)が得られた。
MS:m/e=442(M
【0160】
例26
2−(4−(4−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(4−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物27b 1.6gを、例27cと同様にしてエタノール80ml中に導入し、4(ブロモメチル)トルオール1.1g及び炭酸カリウム0.8gを加えて、生成物1.8g(69%)が得られた。
【0161】
b)2−(4−(4−トリル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物30a 1.6gを、例1dと同様にしてDMSO 25ml中でトリエチルアミン2.0mlの存在でSO−ピリジン錯体1.2gで酸化して生成物0.7g(46%)が得られた。
MS:m/e=460(M+HO)
【0162】
例27
2−(4−(4−メトキシカルボニルベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
a)2−(4−(4−メトキシカルボニルベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−オール−2−イル)アミド
中間化合物27b 2.5gを、例27cと同様にエタノール100ml中に導入し、ブロモメチル安息香酸メチルエステル1.7g及び炭酸カリウム1.0gを加えて、生成物1.9g(54%)が得られた。
【0163】
b)2−(4−(4−メトキシカルボニルベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
中間化合物31a 0.9gを、例1dと同様にしてDMSO 5ml中でトリエチルアミン1.0mlの存在でSO−ピリジン錯体0.6gで酸化して、生成物0.1g(15%)が得られた。
MS:m/e=485(M−1)
【0164】
次ぎの例は例1〜27と同様にして合成した:
例28
2−(4−(ピコル−3−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
MS:m/e=443(M
【0165】
例29
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド−二塩酸塩
MS:m/e=471(M
【0166】
例30
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)安息香酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=470(M
【0167】
例31
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソヘキサン−2−イル)アミド
MS:m/e=437(M
【0168】
例32
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ピリジン−4−カルボン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
MS:m/e=428(M
【0169】
例33
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(N(2−ピペリジン−1−イル−1−エチル)−1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=582(M
【0170】
例34
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(N(2−ピペリジン−1−イル−1−エチル)−1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=584(M
【0171】
例35
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(N(2−ピリド−2イル−1−エチル)−1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=576(M
【0172】
例36
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(N(3(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1−プロピル)−1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=611(M
【0173】
例37
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(N(3(N,N−ジエチルアミノ)−1−プロピル)−1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=584(M
【0174】
例38
2−((3−N,N−ジメチルアミノメチルピリド−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド×トリフマル酸 MS:m/e=500(M+1)
【0175】
例39
2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)安息香酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=456(M
【0176】
例40
5−ニトロ−2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)安息香酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=501(M
【0177】
例41
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−5−ニトロ安息香酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=515(M
【0178】
例42
2−(3−フェニルピロリジン−1−イル)ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
【化19】

【0179】
例43
2(4(4(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル−ピペラジン−1−イル)−ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
MS:m/e=471(M
【0180】
例44
2−(4(3(2−(N,N−ジエチルアミノ)−1−エチル−ピリド−2−イル)ピペラジン−1−イル)−ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニル−プロパン−2−イル)アミド
【化20】

【0181】
例45
4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=471
【0182】
例46
4−(4−ピリド−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
MS:m/e=415
【0183】
例47
4−(4−ピリド−2−イル)ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
【化21】

【0184】
例48
2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(ペンタン−1−アル−2−イル)アミド
【化22】

【0185】
例49
2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−(インドール−3−イル)プロパン−1−アル−2−イル)アミド
【化23】

【0186】
例50
2−(4−(ピコル−2−イル)ホモピペラジン−1−イル)ニコチン酸−N−(3−(インドール−3−イル)プロパン−1−アル−2−イル)アミド
【化24】

【0187】
例51
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ピリジン−4−カルボン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
MS:m/e=471
【0188】
例52
2−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−4−カルボン酸−N−(1−カルバモイル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミド
【化25】

【0189】
例53
2−(4−ベンジルホモピペラジン−1−イル)−ピリジン−4−カルボン酸−N−(3−フェニルプロパン−1−アル−2−イル)アミド
MS:m/e=442
【表1】

【0190】
【表2】

【0191】
【表3】

【0192】
【表4】

【0193】
【表5】

【0194】
【表6】

【0195】
【表7】

【0196】
【表8】

【0197】
【表9】

【0198】
【表10】

【0199】
【表11】

【0200】
【表12】

【0201】
【表13】

【0202】
【表14】

【0203】
【表15】

【0204】
【表16】

【0205】
【表17】

【0206】
【表18】

【0207】
【表19】

【0208】
【表20】

【0209】
【表21】

【0210】
【表22】

【0211】
【表23】

【0212】
【表24】

【0213】
【表25】

【0214】
【表26】

【0215】
【表27】

【0216】
【表28】

【0217】
【表29】

【0218】
【表30】

【0219】
【表31】

【0220】
【表32】

【0221】
【表33】

【0222】
【表34】

【0223】
【表35】

【0224】
【表36】

【0225】
【表37】

【0226】
【表38】

【0227】
【表39】

【0228】
【表40】

【0229】
【表41】

【0230】
【表42】

【0231】
【表43】

【0232】
【表44】

【0233】
【表45】

【0234】
【表46】

【0235】
【表47】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

〔式中置換基は次ぎのものを表す:
Aはピペラジン、ホモピペラジン、ヘキサヒドロアゼピン、ピペリジン及びピロリジンを表し、これらはなお基Rを有していてもよく、
Bはフェニル−、ピリジン−、ピリミジン−、ピラジン−又はピリダジン環を表し、
及びRは相互に独立的に水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキル、枝分れ又は枝なしのO−C〜C−アルキル、OH、Cl、F、Br、I、CF、NO、NH、CN、COOH、COO−C〜C−アルキル、NHCO−C〜C−アルキル、NHCO−フェニル、CONHR、NHSO−C〜C−アルキル、NHSO−フェニル、SO−C〜C−アルキル及びSO−フェニルを表し、R及びRは鎖CH=CH−CH=CH−であってもよく、この鎖はなお1個又は2個の置換基Rを有していてもよく、
は枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキルを表し、同アルキルはなお1個のS−CH基、シクロヘキシル−、シクロペンチル−、シクロヘプチル−、フェニル−、ピリジル−、ピリミジル−、ピリダジル−、ピラジル−、インドリル−、チエニル−又はナフチル環を有していてもよく、同環は最大2個のR基で置換されておりかつRは水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキル、O−C〜C−アルキル、OH、Cl、F、Br、I、CF、NO、NH、CN、COOH、COO−C〜C−アルキル、CONHR、NHCO−C〜C−アルキル、NHCO−フェニル、NHSO−C〜C−アルキル、NHSO−フェニル、SO−C〜C−アルキル及びSO−フェニルを表し、
は水素、−CORを表し、ここでRは−OR及び−NR10であってよく、
は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキルを表し、同アルキルはなお1個の置換基R11を有していてもよく、又はRはフェニル−、ピリジル−、ピリミジル−、ピリダジル−、ピラジニル−、ピラジル−、ナフチル−、チエニル−、ピペリジニル−、ピロリジニル、イミダジル環であってもよく、同環はなお1個または2個の置換基Rを有していてもよく、
は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキル、枝分れ又は枝なしのO−C〜C−アルキル、OH、Cl、F、Br、I、CF、NO、NH、CN、COOH、COO−C〜C−アルキル及びC〜C−アルキル−NR13を表し又は2個のR基は橋OC(ROを表してもよく、
は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキルを表し、
10は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキルを表し、同アルキルはなお他の基R12を有していてもよいフェニル環及び次ぎの環:
【化2】

で置換されていてもよく、
11はフェニル−、ピリジル−、ピリミジル−、ナフチル−、チエニル−、フリル−、ピリダジル−、ピラジニル−、ピラジル−、ピロリル−、イミダジル環であってよく、同環はさらに1個または2個の置換基Rを有していてもよく、
12は水素、枝分れ又は枝なしのC〜C−アルキル、枝分れ又は枝なしのO−C〜C−アルキル、OH、Cl、F、Br、I、CF、NO、NH、CN、COOH、COO−C〜C−アルキルを表し、
13は水素、C〜C−アルキル−及びC〜C−アルキルフェニル鎖を表し、ここでフェニル環はなお1個又は2個のR12基を有していてもよく、
xは0、1及び2の数を表す〕で示される複素環式的に置換されたアミドの、疾病予防のための使用。
【請求項2】
式Iの複素環式的に置換されたアミドの、システインプロテアーゼのインヒビターとしての使用。
【請求項3】
式Iの複素環式的に置換されたアミドの、カルパイン、カテプシンB及びLのようなシステインプロテアーゼのインヒビターとしての使用。
【請求項4】
式Iの複素環式的に置換されたアミドの、カルパイン活性の増大が起こる疾病の治療用薬剤の製造のための使用。
【請求項5】
式Iの複素環式的に置換されたアミドの、神経変性疾患及び神経障害の治療用薬剤の製造のための使用。
【請求項6】
虚血、外傷又は大量出血によって惹起されるような神経変性疾患及び神経障害を治療するための請求項3記載の使用。
【請求項7】
脳卒中及び頭部外傷を治療するための請求項3記載の使用。
【請求項8】
アルツハイマー病及びハンチントン病を治療するための請求項3記載の使用。
【請求項9】
心臓虚血後の心臓の損傷、血管閉塞後の損傷及び再灌流、腎虚血後の腎臓の損傷、骨格筋損傷、筋ジストロフィー、平滑筋細胞の増殖によって生じる損傷、冠血管痙攣、脳血管痙攣、眼の白内障及び血管形成後の血流の再狭窄症の薬剤の製造のための及び治療のための、式Iの複素環式的に置換されたアミドの使用。
【請求項10】
腫瘍及びその転移の治療用薬剤の製造のための、式Iの複素環式的に置換されたアミドの使用。
【請求項11】
インターロイキン−1レベルの増大が起こる疾患の治療用薬剤の製造のための、式Iの複素環式的に置換されたアミドの使用。
【請求項12】
炎症及びリウマチ性疾患の治療のための、式Iの複素環式的に置換されたアミドの使用。
【請求項13】
単回量当り、常用の薬剤学的助剤の他に、式Iの複素環式的に置換されたアミドの少なくとも1種を含有する、経口、非経口及び腹腔内使用のための薬剤配合物。

【公開番号】特開2010−6834(P2010−6834A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230147(P2009−230147)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【分割の表示】特願2000−544646(P2000−544646)の分割
【原出願日】平成11年4月20日(1999.4.20)
【出願人】(502159343)アボット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (24)
【氏名又は名称原語表記】Abbott GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Max−Planck−Ring 2, D−65205 Wiesbaden, Germany
【Fターム(参考)】