説明

カードコネクタ

【目的】 本発明の目的は、小型カードが大型カード用の開口に誤挿入されたとしても、当該小型カードの幅方向への移動を防止することが可能なカードコネクタを提供する。
【構成】 カード10、20が挿入可能なスロット105aを有するハウジング100と、ハウジング100のスロット105a内をカード10、20と共にスライド自在にされたスライダ200と、スロット105a内に配置されたコンタクト300、400とを備える。スライダ200は、スライダ本体210の両端部の上側、下側に設けられ、カード10、20の両端面をガイド可能なガイド部213、211と、ガイド部213、211の間に設けられ且つカード20の両端部の上面に当接可能な段部212と、スライダ本体210に設けられ且つガイド部213の間に挿入されたカード10、20を上方に付勢するカード付勢バネ214とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外形が異なる2種類のカードが挿入可能なカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカードコネクタとしては、幅寸法が異なる小型、大型カードが挿入され、接続可能になっているもの(特許文献1参照)や長さ寸法が異なる小型、大型カードが挿入され、接続可能になっているもの(特許文献2及び3参照)等がある。
【0003】
前者のカードコネクタは、幅狭な第1の開口を通じて小型カードがスロット内に挿入され、当該小型カードの電極が前記スロットの上側空間に配置された第1のコンタクトに接触可能になっている一方、前記第1の開口の下側に当該第1の開口に連続して設けられた幅広な第2の開口を通じて大型カードが前記スロット内に挿入され、当該大型カードの電極が前記スロットの下側空間に配置された第2のコンタクトに接触可能になっている。
【0004】
このように幅寸法の異なる第1、第2の開口を通じて小型、大型カードが前記スロットに各々挿入されることにより、大型カードの第1の開口への挿入を防止している。
【0005】
【特許文献1】特開2005−5175号公報
【特許文献2】特開2006−164749号公報
【特許文献3】特開2007−227258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前記カードコネクタは、小型カードが第2の開口を通じてスロット内に挿入可能であることから、小型カードの第2の開口への誤挿入を防止することができない。小型カードが第2の開口に誤挿入されると、小型カードが幅方向に移動する場合がある。このように小型カードが幅方向に移動した状態で、小型カードがスライダと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動すると、当該小型カードの電極が第1のコンタクトに接触しなかったり接触が不十分になったりする。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、小型カードが大型カード用の開口に誤挿入されたとしても、当該小型カードの幅方向への移動を防止することが可能なカードコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1のカードコネクタは、小型カード及びこの小型カードよりも少なくとも幅広である大型カードが挿入可能であるカードコネクタであって、第1の開口と、前記第1の開口の下側に当該第1の開口に連続して設けられた第2の開口と、前記第1、第2の開口に各々連通する上側、下側空間を有し且つ前記第1、第2の開口を通じて小型、大型カードが挿入されるスロットとを有するハウジングと、前記ハウジングの前記スロット内に設けられており且つ当該スロット内に挿入された小型、大型カードに押圧されることにより、当該小型、大型カードと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド自在にされたスライダと、前記ハウジングのスロット内に配置され且つ前記カード挿入位置に位置した小型、大型カードの電極に各々接触可能にされた第1、第2のコンタクトとを備えており、前記スライダは、スライダ本体と、前記スライダ本体の幅方向の両端部の上側部分に各々設けられており且つ小型カードの幅方向の両端面を各々ガイド可能な一対の第1のガイド部と、前記スライダ本体の前記両端部の下側部分に各々設けられており且つ大型カードの幅方向の両端面を各々ガイド可能な一対の第2のガイド部と、前記第1、第2のガイド部の間に各々設けられており且つ大型カードの幅方向の両端部の上面に各々当接可能な一対の段部と、前記スライダ本体に設けられており且つ前記第2の開口を通じて前記第2のガイド部の間に挿入された小型、大型カードを上方に向けて付勢する付勢手段とを有する構成となっている。
【0009】
このような第1のカードコネクタによる場合、小型カードが前記第2の開口を通じて前記第2のガイド部の間の空間に挿入されると、小型カードが前記スライダの付勢手段により上方に付勢され、第1のガイド部の間の空間に押し上げられる。このため、前記第1のガイド部により小型カードの幅方向の両端面が規制され、当該小型カードの幅方向のへの移動が防止される。よって、小型カードがスライダと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動することにより、当該小型カードの電極を第1のコンタクトに確実に接触させることが可能になる。一方、大型カードが前記第2の開口を通じて前記第2のガイド部の間の空間に挿入されると、大型カードが前記スライダの付勢手段により上方に付勢されるものの、当該大型カードの両端部の上面が前記段部に各々当接する。このため、大型カードは、その幅方向の両端面が前記第2のガイド部に規制される。よって、大型カードがスライダと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動することにより、当該大型カードの電極を前記第2のコンタクトの先端部に確実に接触させることが可能になる。
【0010】
本発明の第2のカードコネクタは、小型カード及びこの小型カードよりも少なくとも幅広である大型カードが挿入可能であるカードコネクタであって、第1の開口と、前記第1の開口の下側に当該第1の開口に連続して設けられた第2の開口と、前記第1、第2の開口に各々連通する上側、下側空間を有し且つ前記第1、第2の開口を通じて小型、大型カードが挿入されるスロットとを有するハウジングと、前記ハウジングのスロット内に設けられており且つ当該スロット内に挿入された小型、大型カードに押圧されることにより、当該小型、大型カードと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド自在にされたスライダと、前記ハウジングのスロット内に各々配置され且つ前記カード挿入位置に位置した小型、大型カードの電極に接触可能にされた第1、第2のコンタクトとを備えており、前記ハウジングは、前記第1の開口の両側に各々設けられており且つその間の距離が小型カードの幅寸法よりも若干大きく、大型カードの幅寸法よりも小さい一対の第1の縁部と、前記第2の開口の両側に各々設けられており且つその間の距離が大型カードの幅寸法よりも若干大きい一対の第2の縁部と、前記第1、第2の縁部の間に各々設けられており且つ大型カードの幅方向の両端部の上面に各々当接可能な一対の段部とを更に有しており、前記スライダは、前記第2の開口を通じて前記スロットの下側空間に挿入された小型、大型カードを上方に向けて付勢する付勢手段を有する構成となっている。
【0011】
このような第2のカードコネクタによる場合、小型カードが前記第2の開口を通じて前記スロットの下側空間に挿入されると、小型カードが前記スライダの付勢手段により上方に付勢され、前記第1の縁部の間の空間に押し上げられる。このため、前記第1の縁部により小型カードの幅方向の両端面が規制され、当該小型カードの幅方向のへの移動が防止される。よって、小型カードがスライダと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動することにより、当該小型カードの電極を第1のコンタクトに確実に接触させることが可能になる。一方、大型カードが前記第2の開口を通じて前記スロット内に挿入されると、大型カードが前記スライダの付勢手段により上方に付勢されるものの、当該大型カードの両端部の上面が前記段部に各々当接する。このため、大型カードはその幅方向の両端面が前記第2の開口の両側の前記第2の縁部に規制される。よって、大型カードがスライダと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動することにより、当該大型カードの電極を前記第2のコンタクトの先端部に確実に接触させることが可能になる。
【0012】
前記ハウジングの前記スロットの幅方向の両壁部の下側部分には、大型カードの幅方向の両端面に当接し、当該大型カードの幅方向への移動を規制可能な一対の第1の位置規制手段が設けられていることが好ましい。
【0013】
この場合、大型カードが前記第2の開口を通じて前記第2のガイド部の間の空間又はスロットの下側空間に挿入されると、大型カードの幅方向の両端面が前記第1の位置規制手段に当接する。即ち、大型カードの幅方向への移動が前記第2のガイド部又は第2の縁部に加えて、前記第1の位置規制手段によっても規制される。この状態で、大型カードがカード挿入位置へ移動することにより、大型カードの電極と前記第2のコンタクトの先端部との接触の確実性を更に上昇させることが可能になる。
【0014】
前記第1の位置規制手段は、幅方向に弾性変形可能な部材であって、大型カードの幅方向の両端面に当接可能な一対の当接部を各々有しており、前記当接部の間の距離が、前記第1のガイド部又は第1の縁部の間の距離と略同じになっていることが好ましい。
【0015】
この場合、小型カードが前記第2の開口を通じて前記第2のガイド部の間の空間又はスロットの下側空間に挿入されると、当該小型カードの幅方向への移動が前記第1の位置規制手段の当接部によって規制される。よって、前記付勢手段に付勢される前に、小型カードが幅方向に移動することが防止される。一方、大型カードが前記第2の開口を通じて前記第2のガイド部の間の空間又はスロットの下側空間に挿入されると、大型カードの幅方向の両端面が前記第1の位置規制手段に弾性的に挟持される。このため、大型カードが、その幅の寸法交差が吸収され、スロット内の所定位置に位置決めされる。よって、大型カードの電極と前記第2のコンタクトの先端部との接触の確実性が増す。
【0016】
前記スライダの両端部の下側部分に一対の窓部が設けられている場合、前記当接部は、前記窓部に係合されることにより、前記スライダをカード排出位置に保持すると共に、前記窓部を通じて大型カードの幅方向の両端面に当接可能になっている。小型、大型カードが前記スロットに挿入され、前記スライダが小型、大型カードに押圧されると、前記当接部が当該スライダの窓部の縁部に押圧され、前記第1の位置規制手段が弾性変形することにより、前記当接部と前記窓部との係合が解除されるようになっている。
【0017】
このように前記第1の位置規制手段は、小型、大型カードの位置規制に加えて、前記スライダをカード排出位置に保持する保持手段としても機能するようになっている。よって、部品点数の低減を図ることができ、低コスト化を図る上でメリットがある。
【0018】
前記第1の位置規制手段は、前記ハウジングのスロットの両壁部の下側部分に代えて、前記スライダの幅方向の両端部の下側部分に設けることも可能である。このように前記スライダに前記第1の位置規制手段を設けた場合であっても、前述と同様に、大型カードの電極と前記第2のコンタクトの先端部との安定した接触を図ることができる。
【0019】
この第1の位置規制手段についても幅方向に弾性変形可能になっていることが好ましい。この場合、大型カードの幅方向の両端面が前記第1の位置規制手段に弾性的に挟持されるので、前述と同様に、大型カードの電極と前記第2のコンタクトの先端部と接触の確実性を向上させる上でメリットがある。
【0020】
前記ハウジングのスライダに対向するスロットの天板部には、前記付勢手段に付勢された小型、大型カードに当接し、当該小型、大型カードの上方への所定以上の移動を規制する第2の位置規制手段を設けることができる。
【0021】
この場合、前記第2の位置規制手段により小型、大型カードの所定以上の上方への移動が規制されるので、当該小型、大型カードが第1のコンタクトを押圧することにより、当該第1のコンタクトに所定以上の負荷が掛かるのを防止することができる。
【0022】
前記第2の位置規制手段は前記付勢手段よりカード挿入方向の奥側に配置されていることが好ましい。この場合、挿入時に、小型、大型カードがカード挿入方向に位置ずれした前記付勢手段と前記第2の位置規制手段とにより挟持されるので、当該小型、大型カードの挿入姿勢を略水平に保つことが可能になる。よって、小型、大型カードが斜めになることにより、当該小型、大型カードがうまく挿入できない等の不具合が生じるのを低減することができる。
【0023】
前記ハウジングの天板部の前記第2の位置規制手段の両側部分に、前記付勢手段に付勢された小型、大型カードに当接し、当該小型、大型カードの上方への所定以上の移動を規制する一対の第3の位置規制手段を更に設けることができる。前記第3の位置規制手段は、前記第2の位置規制手段よりもカード挿入方向の手前側に配置されていることが好ましい。
【0024】
この場合、小型、大型カードは、挿入時に、前記付勢手段により上方に付勢される一方、一対の第3の位置規制手段に当接される。これにより、小型、大型カードの前記付勢手段を支点とする幅方向への揺動が抑止される。しかも、前記第3の位置規制手段及び第2の位置規制手段が小型、大型カードに当接することにより、当該小型、大型カードの周方向の回転も抑止される。
【0025】
前記第1、第2のカードコネクタは、前記スライダの両端部のカード挿入方向の奥側部に設けられた一対のガイド手段を更に備えた構成とすることができる。この場合、前記ガイド手段は、一対の本体部と、前記本体部の上側部分に設けられており且つ内側に向けて漸次増大するテーパ面であって、小型カードの先端の両角部が当接可能な一対の第1のガイド面と、前記本体部の下側部分に設けられており且つ内側に向けて漸次増大するテーパ面であって、大型カードの先端の両角部が当接可能な一対の第2のガイド面とを有している。
【0026】
この場合、小型カードが前記スロットに挿入されると、小型カードの幅方向の両端面が前記第1のガイド部又は第1の縁部にガイドされると共に、当該小型カードの先端の両角部が前記第1のガイド面にガイドされる。これにより、小型カードの向きがカード挿入位置に沿って真っ直ぐ向けられるので、当該小型カードの電極と第1のコンタクトとの接触の確実性を更に向上させることができる。一方、大型カードが前記スロットに挿入されると、大型カードの幅方向の両端面が前記第2の縁部又は第2のガイド部にガイドされると共に、当該大型カードの先端の両角部が前記第2のガイド面にガイドされる。これにより、大型カードの向きがカード挿入方向に沿って真っ直ぐに向けられるので、当該大型カードの電極と第2のコンタクトとの接触の確実性を更に向上させることができる。
【0027】
前記スライダが金属板で構成されている場合、前記付勢手段は前記スライダの一部がカットされ且つ前記上方に向けて折り曲げられた片部材とすることができる。このように前記スライダの一部がカットされ折り曲げられることにより、前記付勢手段が当該スライダと一体的に簡単に作成されるので、部品点数の低減及び低コスト化を図ることができる。
【0028】
前記第2のガイド部は、前記スライダの両端部の基端部が上方に向けて略直角に折り曲げられて構成され、前記段部は、前記スライダの両端部の前記基端部に連続する中間部が内側に向けて略直角に折り曲げられて構成され、前記第1のガイド部は、前記スライダの両端部の前記中間部に連続する先端部が上方に向けて略直角に折り曲げられて構成されていることが好ましい。このように前記スライダの両端部が折り曲げられることにより、前記第1、第2のガイド部及び段部が簡単に作成されるので、低コスト化を図る上でメリットがある。
【0029】
小型、大型カードの幅方向の両端部の少なくとも一方に係合凹部が設けられている場合、前記スライダは、前記両端部の少なくとも一方がカットされ、折り曲げられており且つ前記小型、大型カードの係合凹部に係合可能な第1、第2のロック端子を更に有する。このように前記スライダの両端部がカットされ折り曲げられることにより、前記第1、第2のロック端子が当該スライダと一体的に簡単に作成されるので、部品点数の低減及び低コスト化を図ることができる。
【0030】
前記ハウジングは、少なくとも前記天板部が金属板で構成されたものとすることができる。この場合、前記第2の位置規制手段は前記天板部の一部がカットされ且つ下方に向けて折り曲げられた片部材とすることができる。このように前記天板部の一部がカットされ、折り曲げられることにより、前記第2の位置規制手段が当該天板部と一体的に簡単に作成されるので、部品点数の低減及び低コスト化を図ることができる。
【0031】
前記第3の位置規制手段も前記天板部の別の部分がカットされ且つ下方に向けて折り曲げられた片部材とすることができる。この場合も、前記天板部がカットされ、折り曲げられることにより、前記第3の位置規制手段が当該天板部と一体的に簡単に作成されるので、部品点数の低減及び低コスト化を図ることができる。
【0032】
前記第1、第2のカードコネクタは、小型カードが、その電極を上方に向けた状態で前記スロットに挿入可能になっていると共に、大型カードが、その電極を下方に向けた状態で前記スロットに挿入可能になっている場合、前記第1、第2のコンタクトは、前記スロットの上側空間、下側空間に小型、大型カードの電極に各々接触可能に配置されおり且つ当該第1、第2のコンタクトの間で小型、大型カードを挟持するようになっていることが好ましい。このように前記第1、第2のコンタクトの間で小型、大型カードを挟持することにより、前記第1、第2のコンタクトと小型、大型カードとの接点圧を向上させることができる。よって、両者の電気的接続が安定し、外部から振動や衝撃が加わることによりチャタリングの発生を低減することができる。
【0033】
前記第1のカードコネクタは、前記ハウジングのスロットの両壁面の上側部分には、前記第1の開口の両端部から露出する一対の突起部が設けられており、前記突起部の間の距離が小型カードの幅寸法よりも大きく、大型カードの幅寸法よりも小さくなっていることが好ましい。この場合、大型カードを第1の開口を通じて挿入しようとしたとしても、前記突起部に当接する。このため、大型カードの誤挿入が防止される。
【0034】
この場合、前記ハウジングは、前記スロット、第1、第2の開口及び突起部を有するボディと、このボディに取り付けられるカバーとを有しており、前記カバーは金属板で構成されており、前記突起部の上面には挿入孔が各々設けられており、前記カバーは、その天板部の一部がカットされ且つ下方に向けて折り曲げられた補強片を有しており、前記補強片は、前記カバーが前記ボディに取り付けられた状態で、前記挿入孔に各々挿入されるようになっていることが好ましい。
【0035】
このように前記突起部が前記補強片により補強されているので、大型カードが前記突起部に当接しても、当該突起部が破損等するのを抑止することができる。また、前記カバーを前記ボディに取り付けるだけで、前記補強片が前記挿入孔に挿入されるようになっているので、前記補強片の取り付けが非常に簡単になる。
【0036】
前記付勢手段は、前記スライダではなく、前記ハウジングに設けることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態に係るカードコネクタについて図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係るカードコネクタの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図、図2は同カードコネクタの概略的正面図、図3は同カードコネクタのハウジングのカバーを取り外した状態を示す概略図であって、(a)が平面図、(b)が斜視図、図4は同カードコネクタの概略的正面図であって、(a)が小型カード挿入状態を示す図、(b)が大型カード挿入状態を示す図、図5は同カードコネクタのハウジングのカバーを取り外した状態を示す概略的平面図であって、(a)が小型カード挿入状態を示す図、(b)が大型カード挿入状態を示す図、図6は同コネクタの模式的A−A部分断面図であって、(a)がカード挿入前の状態を示す図、(b)が小型カード挿入後の状態を示す図、(c)が大型カード挿入後の状態を示す図、図7は同コネクタの概略的B−B部分断面斜視図、図8は同カードコネクタの概略的分解斜視図、図9は同カードコネクタのハウジングのボディの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図、図10は同カードコネクタのハウジングのカバーの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図、図11は同カードコネクタの左側の位置規制バネの概略的斜視図、図12は同カードコネクタのスライダの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図、図13は(a)が同カードコネクタの右側のガイドブロックの概略的斜視図、(b)が同カードコネクタの左側のガイドブロックの概略的斜視図である。
【0038】
ここに掲げるカードコネクタCは、小型カード10及び大型カード20が互いに上下逆に向けた状態で挿入可能なカードコネクタである。
【0039】
まず、カードコネクタCについて説明する前に、小型カード10及び大型カード20について説明する。図14は同カードコネクタに挿入可能な小型カードの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図、図15は同カードコネクタに挿入可能な大型カードの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図、図16は同小型、大型カードを重ね合わせた状態の概略的平面図であって、大型カードを破線で示した図である。
【0040】
小型カード10はマイクロエスディーカードである。この小型カード10は、図14に示すように、略矩形状のカード本体11と、このカード本体11の幅方向の一端部の後端部に設けられた張出部12と、カード本体11の先端部の面上に幅方向に並べて配設された複数の電極13とを備えている。張出部12の先端部は斜めにカットされている。また、張出部12の外側部には係止凹部12aが設けられている。
【0041】
小型カード10は、電極13が形成された面(以下、電極面と称する。)を上に向けた状態で、カードコネクタCに挿入される。
【0042】
大型カード20はメモリースティックマイクロカードである。この大型カード20は、図15に示すように、カード本体21と、このカード本体21の幅方向の両端部の下側部分に設けられており且つ厚み寸法が当該カード本体21の厚み寸法の略半分である一対のフランジ部22と、カード本体21の先端部の面上に幅方向に並べて配設された複数の電極23とを備えている。
【0043】
大型カード20は、電極23が形成された面(以下、小型カード10と同様に電極面と称する。)を下に向けた状態で、カードコネクタCに挿入される。
【0044】
カード本体21は、図16に示すように、その幅寸法が小型カード10の幅寸法と略同じである。即ち、大型カード20の幅寸法が、一対のフランジ部22の分だけ小型カード10の幅寸法よりも大きくなっている。また、カード本体21は、その長さ寸法が小型カード10の長さ寸法と略同じであるものの、図4に示すように、厚み寸法が小型カード10の厚み寸法よりも大きくなっている
【0045】
一方のフランジ部22は、その後端側部分に設けられた矩形状の凹部を有している。他方のフランジ部22は、その後端側部分の一方のフランジ部22の凹部の対象位置に設けられた凹部と、先端側部分に設けられた係止凹部22aとを有している。
【0046】
以下、カードコネクタCについて詳しく説明する。
【0047】
カードコネクタCは、図1乃至図8に示すように、小型、大型カード10、20が互いに上下逆に向けた状態で挿入可能なスロット105aを有するハウジング100と、ハウジング100のスロット105a内に設けられ且つ小型、大型カード10、20と共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド自在にされたスライダ200と、ハウジング100のスロット105aの上側空間に幅方向に配列された8個の第1のコンタクト300と、ハウジング100のスロット105aの下側空間に幅方向に配列された11個の第2のコンタクト400と、スライダ200を小型、大型カード10、20と共にカード挿入位置からカード排出位置にかけて排出するためのイジェクト機構500と、スライダ200がカード挿入位置に位置したことを検出する位置検出スイッチ600と、ハウジング100のスロット105aの幅方向の両側に配設される左右の位置規制バネ700a、700b(これが第1の位置規制手段に相当する。)と、スライダ200に取り付けられる左右のガイドブロック800a、800b(これがガイド手段に相当する。)とを備えている。以下、各部について詳しく説明する。
【0048】
ハウジング100は、図1乃至図8に示すように、ボディ100aと、このボディ100aに被せられるカバー100bとを有している。
【0049】
ボディ100aは、図1乃至図9に示すように、樹脂射出成型品であって、底板部101aと、この底板部101aの幅方向の両端部に各々設けられた側壁部102a、103aと、底板部101aのカード挿入方向の奥側の端部に設けられた後壁部104aと、底板部101a上の側壁部102a、103a及び後壁部104aにより区画される空間であるスロット105aと、スロット105aの上側空間の前面を開放する孔である第1の開口106aと、スロット105aの下側空間の前面を開放する孔であって、第1の開口106aの下側に当該第1の開口106aに連続して設けられた第2の開口107aと、スロット105aの上側空間に連通し且つ当該スロット105aの上面を開放する第3の開口108aとを有している。
【0050】
第1の開口106aは、図2及び図4に示すように、小型カード10の上端部及び大型カード20の上端部(即ち、カード本体21の上端部)が各々挿入されるスロット105aの入り口である。一方、第2の開口107aは、小型カード10の下端部及び大型カード20の下端部(即ち、カード本体21の下端部及び一対のフランジ部22)が挿入されるスロット105aの入り口である。即ち、第1の開口106aは小型、大型カード10、20共通の入り口となっている。一方、第2の開口107aは、中央部の上側部分だけが小型、大型カード10、20共通の入り口となっている。
【0051】
底板部101aの中央部には、図2、図3、図4、図8及び図9に示すように、11個の第2のコンタクト400の中間部が各々圧入される11個のコンタクト取付溝110aが幅方向に配列されている。
【0052】
各コンタクト取付溝110aは、カード挿入方向に向けて延びる断面略凹字状の長溝部111aと、この長溝部111aの上側に連続して設けられた断面略矩形状の長孔部112aと、長溝部111a及び長孔部112aに連続して設けられた貫通孔部113aとを有する。
【0053】
長溝部111aの幅寸法は第2のコンタクト400の中間部の幅寸法よりも若干小さくなっている。この長溝部111aに第2のコンタクト400の中間部が圧入される。
【0054】
長孔部112aの幅寸法は長溝部111aの幅寸法よりも小さくなっている。この長孔部112aの両縁部により、第2のコンタクト400の中間部の上方への抜けが防止されている。
【0055】
貫通孔部113aは、カード挿入時に下方に弾性変形した第2のコンタクト400の接触部430との緩衝を避けるための孔である。
【0056】
なお、図3及び図9(a)に示すように、11個のコンタクト取付溝110aのうち図示右から3及び4列目のコンタクト取付溝110aは、他のコンタクト取付溝110aよりも若干幅広であり且つ長さ寸法が短くなっている。また、図示右から7列目のコンタクト取付溝110aは、他のコンタクト取付溝110aよりも長さ寸法が若干長くなっている。このようにコンタクト取付溝110aは、幅寸法及び長さ寸法の違いにより3種類に大別されるが、上述の通り基本形状は略同じである。
【0057】
また、底板部101aの幅方向の両端部には、ガイドブロック800a、800bのガイド凸部850a、860bを各々ガイドする一対のガイドレール190aがカード挿入方向に向けて設けられている。
【0058】
後壁部104aには、8個の第1のコンタクト300の圧入部320が各々圧入される8個のコンタクト取付孔120aが幅方向に配設されている。後壁部104aの側壁部103a側の端部がカード挿入方向に向けて切り欠かれている。この切欠き部は、図5に示すように、位置検出スイッチ600の第1、第2のスイッチ片610、620の先端部を、そのスイッチ動作時に収容するようになっている。
【0059】
各コンタクト取付孔120aは、図9に示すように、断面略矩形状の幅広孔部121aと、この幅広孔部121aの下側に当該幅広孔部121aに連続して設けられた幅狭孔部122aとを有する。
【0060】
幅広孔部121aは後壁部104aをカード挿入方向に貫通する孔である。幅広孔部121aの幅寸法は、第1のコンタクト300の圧入部320の幅寸法よりも若干小さくなっている。この幅広孔部121aに第1のコンタクト300の圧入部320が圧入される。
【0061】
幅狭孔部122aも後壁部104aをカード挿入方向に貫通する孔である。幅狭孔部122aの幅寸法は、第1のコンタクト300の接触部330の幅寸法よりも大きくなっている。この幅狭孔部122aは、第1のコンタクト300の圧入部320が幅広孔部121aに圧入される際に、第1のコンタクト300の接触部330が通る孔である。
【0062】
なお、図9(a)に示すように、8個のコンタクト取付孔120aのうち図示左から1、2、3、5、7及び8列目のコンタクト取付孔120aはスロット105a側の上壁部が切り欠かれている。図示左から2列目のコンタクト取付孔120aはスロット105a側の上壁部が1、3、5、7及び8列目のコンタクト取付孔120aよりも深く切り欠かれている。図示左から4及び6列目のコンタクト取付孔120aはスロット105a側の上壁部が切り欠かれていない。このようにコンタクト取付孔120aは切欠きの有無又は切欠きの大きさの違いにより3種類に大別されるが、上述の通り基本形状は略同じである。
【0063】
側壁部103aのカード挿入方向の奥側部分には、図3、図8及び図9に示すように、スライダ200の突出部220及びイジェクト機構500のコイルスプリング510を収容する収容凹部130aが設けられている。
【0064】
この収容凹部130aの内側の壁部のカード挿入方向の手前側部分が切り欠かれている(以下、これを切欠き部131aとする。)。この切欠き部131aを通じてスライダ200の突出部220が収容凹部130a内に挿入される。また、収容凹部130aの奥側の壁部には、コイルスプリング510の後端部に挿入されることにより、当該コイルスプリング510の脱落するのを防止する円柱状の突起部132aが設けられている。
【0065】
側壁部103aのカード挿入方向の手前側部分の内側部分には、図3、図5、図7及び図9に示すように、位置規制バネ700aが取り付けられる取付穴140aが設けられている。この取付穴140aは、そのカード挿入方向の奥側部分に設けられており且つ位置規制バネ700aの圧入板720aが圧入される断面略矩形状の圧入穴141aと、当該取付穴140aの内側の壁のカード挿入方向の手前側部分に設けられた内側開放部142aと、当該取付穴140aの手前側の壁に内側開放部142aと連続して設けられた手前側開放部143aとを有する。
【0066】
内側開放部142aは、スロット105aに通じる横穴であって、圧入穴141aに位置規制バネ700aの圧入板720aが圧入された状態で、当該位置規制バネ700aの当接部740aが挿入される。
【0067】
手前側開放部143aは、位置規制バネ700aの固定板710a及び圧入板720aを取付穴140aに挿入するための穴である。
【0068】
側壁部102aのカード挿入方向の手前側部分には、位置規制バネ700bが取り付けられる取付穴150aが設けられている。この取付穴150aは、そのカード挿入方向の奥側部分に設けられており且つ位置規制バネ700bの圧入板720bが圧入される断面略矩形状の圧入穴151aと、当該取付穴150aの内側の壁のカード挿入方向の手前側部分に設けられた内側開放部152aと、当該取付穴150aの手前側の壁に内側開放部152aと連続して設けられた手前側開放部153aとを有する。
【0069】
内側開放部152aは、スロット105aに通じる横穴であって、圧入穴151aに位置規制バネ700bの圧入板720bが圧入された状態で、当該位置規制バネ700bの当接部740bが挿入される。
【0070】
手前側開放部153aは、位置規制バネ700bの固定板710b及び圧入板720bを取付穴150aに挿入するための穴である。
【0071】
また、側壁部102a、103aのカード挿入方向の手前側部分の上側部分には、図2、図4及び図7に示すように、第1の開口106aの両端部から露出する一対の突起部160aが設けられている。
【0072】
一対の突起部160aの内面の間の距離は小型カード10の幅寸法よりも若干大きく、大型カード20の幅寸法よりも小さくなっている。即ち、大型カード20がその電極面を上側に向けた状態で第1、第2の開口106a、107aに挿入されるときに、一対の突起部160aが大型カード20の一対のフランジ部22に当接し、大型カード20の上下逆状態の誤挿入を防止するようになっている。
【0073】
更に、側壁部102a、103aのカード挿入方向の手前側部分の内側部分の上面には、図3、図5及び図7に示すように、一対の突起部160aを補強するカバー100bの補強片140bが挿入される一対の挿入孔170aが設けられている。
【0074】
側壁部102aのカード挿入方向の奥側部分には、図3及び図9に示すように、位置検出スイッチ600の第1のスイッチ片610の基端部が係止される第1の係止溝181aが設けられている。また、後壁部104aの側壁部102a側の端部には位置検出スイッチ600の第2のスイッチ片620の基端部が係止される第2の係止溝182aが設けられている。
【0075】
第1の係止溝181aは、平面視略L字状の係止溝本体と、側壁部102aの外壁に設けられ且つ前記係止溝本体に連通するスリットとを有する。前記係止溝本体は、第1のスイッチ片610の基端部を係止する。前記スリットは、第1のスイッチ片610の基端部の接続片611を外部に突出させるための開口である。
【0076】
第2の係止溝182aは、平面視略V字状の係止溝本体と、後壁部104aの外壁に設けられ且つ前記係止溝本体に連通するスリットとを有する。前記係止溝本体は、第2のスイッチ片620の基端部を係止する。前記スリットは、第2のスイッチ片620の基端部の接続片621を外部に突出させるための開口である。
【0077】
カバー100bは、図1、図2、図6乃至図8及び図10に示すように、プレス成型された導電性を有する金属板であって、ボディ100aの第3の開口108aを覆う天板101b(これが、特許請求の範囲の天板部に相当する。)と、この天板101bの幅方向の両端部に各々略直角に設けられた一対の側板102bと、天板101bのカード挿入方向の手前側の端部の両端部に各々略直角に設けられた一対の前板103bと、天板101bの前記手前側の端部の中央部に設けられた略L字状の折曲板104bと、天板101bのカード挿入方向の奥側の端部の幅方向の一方側の端部に設けられた係止板105bとを有している。
【0078】
天板101bの中心部には中央位置規制片110b(これが第1の位置規制手段に相当する。)が設けられている。この中央位置規制片110bは、天板101bの中心部がカットされた板体であって、基端部が下方に向けて折り曲げられ且つ先端部が天板101bと略平行になるように折り曲げられている。前記先端部が、小型、大型カード10、20に当接する部分となる。
【0079】
また、天板101bの中央位置規制片110bのカード挿入方向の奥側部分には8個の長孔が設けられている。この長孔は、カード挿入時に弾性変形する接触部330との緩衝を避けるための孔であって、第1のコンタクト300の接触部330の位置に対応して配置されている。
【0080】
更に、天板101bの中央位置規制片110bの両側であり且つ中央位置規制片110bよりもカード挿入方向の手前側部分には一対の両側位置規制片120bが各々設けられている。この両側位置規制片120bは、天板101bの前記部分がカットされた板体であって、基端部が下方に向けて折り曲げられ且つ先端部が天板101bと略平行になるように折り曲げられている。前記先端部が、小型、大型カード10、20に当接する部分となる。
【0081】
両側位置規制片120bの幅寸法は中央位置規制片110bの幅寸法よりも小さくなっている。また、両側位置規制片120bの折り曲げ角度が、図6に示すように、中央位置規制片110bの折り曲げ角度よりも若干小さくなっている。これにより、両側位置規制片120bの先端部の高さ位置が中央位置規制片110bの先端部の高さ位置よりも若干下方に位置している。このため、両側位置規制片120bは、その先端部が小型、大型カード10、20に弾性的に当接するようになっている。
【0082】
即ち、両側位置規制片120bが小型、大型カード10、20に上方から弾性的に接触すると共に、スライダ200のカード付勢バネ214及びコンタクト400の接触部430が当該小型、大型カード10、20に下方から各々弾性的に接触することにより、小型、大型カード10、20がカード挿入位置で安定保持される。
【0083】
また、中央位置規制片110b及び両側位置規制片120bの先端部の高さ位置は、第1のコンタクト300の接触部330の先端部の高さ位置よりも上方に位置している。この中央位置規制片110b及び両側位置規制片120bの先端部に小型、大型カード10、20が当接することにより、第1のコンタクト300の接触部330の先端部が小型、大型カード10、20に所定以上、上方に押圧されるのが防止される。
【0084】
天板101bの幅方向の一方側の端部のカード挿入方向の奥側部分には規制板131bが設けられている。この規制板131bは、前記奥側部分の一部がカットされ、下方に向けて折り曲げられた略矩形状の板体であって、ボディ100aの側壁部103aの内側面に当接するようになっている。
【0085】
天板101bの幅方向の他方側の端部の両側位置規制片120bの外側部分には、図1及び図10に示すように、規制板132bが設けられている。この規制板132bは、前記外側部分の一部がカットされ、下方に向けて折り曲げられた略台形状の板体であって、ボディ100aの側壁部102aの内側面に当接するようになっている。
【0086】
このように規制板131b、132bがボディ100aの側壁部103a、102aに各々当接することにより、カバー100bがボディ100aに取り付けられた状態で、幅方向に移動するのが防止される。
【0087】
更に、天板101bの前記一方側及び他方側の端部のカード挿入方向の手前側部分には、図1、図7及び図10に示すように、一対の補強片140b(これが特許請求の範囲の補強部材に相当する。)が各々設けられている。この補強片140bは前記一方側及び他方側の端部の一部が各々カットされ、下方に向けて折り曲げられた略矩形状の板体である。補強片140bは、ボディ100aの挿入孔170aに挿入され、当該ボディ100aの突起部160aを補強するようになっている。
【0088】
天板101bの前記一方側の端部の補強片140bの外側部分には押さえ板150bが設けられている。この押さえ板150bは前記外側部分が略矩形状にカットされ且つ下方に向けて若干傾斜させられた略矩形状の板体であって、イジェクト機構500のフックピン520に上方から弾性的に当接するようになっている。これにより、フックピン520がハートカム溝530を移動する際のガタつきが防止される。
【0089】
一対の側板102bには、図1及び図10に示すように、ボディ100aの側壁部102a、103aの4つの係止凸部を係止する4つの係止孔161bと、図示しない基板に接続される2つの端子片162bとが各々設けられている。また、一対の側板102bのうち他方側の側板102bには、ボディ100aの第1の係止溝181aの前記スリットから突出した第1のスイッチ片610の接続片611を外部に突出させる切欠き163bが設けられている。
【0090】
一対の前板103bの内側部分には、ボディ100aの第2の開口107aに応じた一対の略矩形状の切欠き部が各々設けられている。前板103bの一対の切欠き部の縁部170bの間の距離は、大型カード20の幅寸法よりも若干大きくなっている。即ち、一対の縁部170bは、大型カード挿入時に、大型カード20の一対のフランジ部22の端面を各々規制するようになっている。これにより、大型カード挿入時の大型カード20の幅方向への移動が防止される。
【0091】
係止板105bには、ボディ100aの後壁部104aの係止凸部を係止する係止孔180bが設けられている。
【0092】
各第1のコンタクト300は、図1乃至図3及び図8に示すように、プレス成型された導電性を有する金属板であって、側面視略L字状の接続部310と、この接続部310の端部に連続する圧入部320と、この圧入部320の端部に連続しており且つ下方に向けて略V字状に折り曲げられた接触部330とを有する。
【0093】
圧入部320は接触部330よりも幅広な板体であって、その両端面に2つの凸部が各々設けられている。この凸部がボディ100aのコンタクト取付孔120aの幅広孔部121aに圧入されることにより、圧入部320がボディ100aの後壁部104aに取り付けられる。
【0094】
接触部330は圧入部320よりも幅狭な板体であって、斜め下方に向けて傾斜している。この接触部330の先端部は下方に向けて略V字状に折り曲げられている。接触部330は、図6に示すように、圧入部320が幅広孔部121aに圧入された状態で、スロット105aの上側空間に配置される。これにより、前記先端部の頂部が小型カード10の電極13に接触可能となる。
【0095】
接続部310は、圧入部320が幅広孔部121aに圧入された状態で、ボディ100aの後壁部104aから外側に突出する。この接続部310の下端部が図示しない基板に電気的に接続される。
【0096】
なお、8個の第1のコンタクト300は、圧入部320及び接触部330の長さ寸法の違いにより3種類に大別されるが、上述の通り基本形状は略同じである。
【0097】
各第2のコンタクト400は、プレス成型された導電性を有する金属板であって、階段状の接続部410と、この接続部410の端部に連続する圧入部420と、この圧入部420の端部に連続する接触部430とを有する。
【0098】
圧入部420の接続部410側の端部の両端面には2つの凸部が各々設けられている。この凸部がボディ100aのコンタクト取付溝110aの長溝部111aに圧入されることにより、圧入部420がボディ100aの底板部101aに取り付けられる。
【0099】
接触部430は圧入部420よりも幅狭な板体であって、山状に湾曲している。この接触部430は、図6に示すように、圧入部420が長溝部111aに圧入された状態で、貫通孔部113aを通じてスロット105aの下側空間であり且つ第1のコンタクト300の接触部330よりも手前側の空間に配置される。これにより、接触部430の頂部が大型カード20の電極23に接触可能となる。
【0100】
接続部410は、圧入部420が長溝部111aに圧入された状態で、ボディ100aの底板部101aから外側に突出する。この接続部410の下端部が図示しない基板に電気的に接続される。
【0101】
なお、11個の第2のコンタクト400は、圧入部420の長さ寸法及び幅寸法に違いにより3種類に大別されるが、上述の通り基本形状は略同じである。
【0102】
位置規制バネ700aは、図3(a)、図8及び図11に示すように、プレス成型された金属板であって、固定板710aと、この固定板710aに連続して設けられた断面略L字状の圧入板720aと、この圧入板720aの上端部に固定板710aと同方向に向けて延出され且つ内側に傾斜させられた傾斜板730aと、この傾斜板730aの先端部に設けられ且つ内側にフック状に折り曲げられた当接部740aとを有している。
【0103】
圧入板720aは、取付穴140aの圧入穴141aに圧入される。固定板710aは、取付穴140aに挿入され、当該取付穴140aの一端側の壁面と内側開放部142aの下側縁部との間で挟持される。このようにして位置規制バネ700aが取付穴140aに取り付けられる。
【0104】
当接部740aは、内側開放部142aから内側に突出し、カード挿入位置に位置するスライダ200の一方側の窓部211aに係合される。この係合状態で、当接部740aは、一方側の窓部211aを通じてスロット105a内に臨み、大型カード20の一方側のフランジ部22に弾性的に当接可能になっている。
【0105】
傾斜板730aは外側に向けて弾性変形可能な略矩形状の板体である。傾斜板730aは、当接部740aが大型カード20の一方側のフランジ部22に押圧され、スライダ200の一方側の窓部211aの縁部に押圧されることにより、弾性変形するようになっている。
【0106】
位置規制バネ700bは位置規制バネ700aと対称である以外、同様の構成となっている。
【0107】
圧入板720bは、取付穴150aの圧入穴151aに圧入される。固定板710bは、取付穴150aに挿入され、当該取付穴150aの一端側の壁面と内側開放部152aの下側縁部との間で挟持される。このようにして位置規制バネ700bが取付穴150aに取り付けられる。
【0108】
当接部740bは、内側開放部152aから突出し、カード挿入位置に位置するスライダ200の他方側の窓部211aに係合される。この係合状態で、当接部740bは、他方側の窓部211aを通じてスロット105aに臨み、大型カード20の他方側のフランジ部22に弾性的に当接可能になっている。
【0109】
当接部740a、740bの間の距離はスライダ200の両上側ガイド部213の間の距離と略同じになっている。即ち、当接部740a、740bは小型カード10の幅方向の両端面の第2の開口107aを通じてスロット105aに挿入された部分をガイドするようになっている。
【0110】
また、当接部740a、740bは、第2の開口107aを通じてスロット105aに挿入された大型カード20の一対のフランジ部22の端面に弾性的に当接し、当該大型カード20の両端面を挟持するようになっている。これにより、大型カード20の幅の寸法交差に関係なく、大型カード20をスロット105a内の中央位置(即ち、大型カード20の電極23が第2のコンタクト400の接触部430に接触可能な位置)へ位置合わせすることができる。
【0111】
傾斜板730bは外側に向けて弾性変形可能な略矩形状の板体である。傾斜板730bは、当接部740bが大型カード20の他方側のフランジ部22に押圧され、スライダ200の他方側の窓部211aの縁部に押圧されることにより、弾性変形するようになっている。
【0112】
スライダ200は、図3、図5、図8及び図12に示すように、プレス成型された金属板であって、スライダ本体210と、このスライダ本体210の幅方向の一端部のカード挿入方向の奥側部分に外側に向けて設けられた突出部220と、スライダ本体210の前記一端部及び他端部に各々設けられた一対のブロック取付部230a、230bとを有する。
【0113】
スライダ本体210の前記一端部及び他端部は一段の階段状に折り曲げられている。前記一端部及び他端部の上方に折り曲げられた基端部が一対の下側ガイド部211となる。また、前記一端部及び他端部の内側に向けて略直角に折り曲げられた中間部が一対の段部212となる。前記一端部及び他端部の上方に向けて略直角に折り曲げられた先端部が一対の上側ガイド部213となる。
【0114】
一対の下側ガイド部211は、ボディ100aの内側開放部142a、152aの下側縁部の間にカード挿入位置からカード排出方向にかけて移動自在にガイドされる。
【0115】
この下側ガイド部211の内面の間の距離は大型カード20の幅寸法よりも若干大きくなっている。これにより、一対の下側ガイド部211が小型カード10の幅方向の両端面を各々ガイド可能になっている。
【0116】
一対の上側ガイド部213は、下側ガイド部211がボディ100aの内側開放部142a、152aの下側縁部の間に嵌まり込んだ状態で、ボディ100aの突起部160aの内側に配置される。この上側ガイド部213の内面の間の距離は小型カード10の幅方向よりも若干大きくなっている。これにより、一対の上側ガイド部213が小型カード10の幅方向の両端面を各々ガイド可能になっている。
【0117】
また、一方側の上側ガイド部213のの中間部には、小型カード10の係止凹部12aに係止可能な上側係止アーム213a設けられている。この上側係止アーム213aが特許請求の範囲の第1のロック端子に相当する。上側係止アーム213aは、前記中間部がカットされ且つその先端部が内側にフック状に折り曲げられて作成されたものである。即ち、上側係止アーム213aの先端部が小型カード10の係止凹部12aに係止可能になっている。
【0118】
また、一対の下側ガイド部211のカード挿入方向の手前側部分には、スライダ200がカード挿入位置に位置した状態で、位置規制バネ700a、700bの当接部740a、740bを各々係合する一対の窓部211aが開設されている。窓部211aと当接部740a、740bとの係合は、スライダ200がカード排出位置へ移動することにより解除される。
【0119】
他方側の下側ガイド部211の奥側部分には、大型カード20の係止凹部22aに係止可能な下側係止アーム211bが設けられている。この下側係止アーム211bが特許請求の範囲の第1のロック端子に相当する。下側係止アーム211bは前記奥側部分がカットされ且つその先端部が内側にフック状に折り曲げられて作成されたものである。即ち、下側係止アーム211bの先端部が大型カード20の係止凹部22aに係止可能になっている。
【0120】
スライダ本体210の中央部にはカード付勢バネ214(これが特許請求の範囲の付勢手段に相当する。)が設けられている。このカード付勢バネ214は、前記中央部がカットされ、上方に向けて折り曲げられた略矩形状の板体であって、ハウジング100の第2の開口107aを通じて挿入された小型、大型カード10、20を上方に付勢するようになっている。即ち、カード付勢バネ214が小型、大型カード10、20を上方に付勢すると共に、カバー100bの両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bが当該小型、大型カード10、20に当接することにより、小型、大型カード10、20の厚みの寸法交差に関係なく、小型、大型カード10、20を第1、第2のコンタクト300、400の接触部330、430の間の接続空間へ位置合わせするようになっている。
【0121】
突出部220は、切欠き部131aを通じてボディ100aの収容凹部130aにカード挿入方向に移動自在に収容される。この突出部220は、断面略L字状のベース板221と、このベース板221の先端部のカード挿入方向の奥側の端部に連続して設けられており且つ当該端部に対して略直角に折り曲げられた押圧板222とを有する。
【0122】
押圧板222はイジェクト機構500のコイルスプリング510にカード排出方向に向けて付勢される部分である。この押圧板222は、図5に示すように、スライダ200がカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動すると、コイルスプリング510を収容凹部130aの奥側面との間で圧縮する。押圧板222の中央部には、当該中央部がカットされ且つカード挿入方向に向けて折り曲げられた板体である保持板222aが設けられている。この保持板222aがイジェクト機構500のコイルスプリング510の先端部に挿入されることにより、当該コイルスプリング510の先端部を保持するようになっている。
【0123】
ベース板221の先端部は、ボディ100aの収容凹部130aの手前側の壁部に当接可能になっている。即ち、前記先端部がボディ100aの収容凹部130aの手前側の壁部に当接することにより、スライダ200がカード排出位置で位置決めされる。即ち、前記先端部が収容凹部130aの手前側の壁部に当接する位置がカード排出位置となる。また、前記先端部には、イジェクト機構500のフックピン520の一端部が回動自在に嵌まり込む貫通孔221bが設けられている。
【0124】
ベース板221の基端部には、当該基端部がカットされ形成された板体であって、スライダ本体210の中央部に対して水平に延びた保護板221aが設けられている。この保護板221aは貫通孔221bの下方に位置し、当該貫通孔221bに嵌合したフックピン520の一端部が収容凹部130aに当接しないように保護している。
【0125】
ブロック取付部230aは、図12に示すように、ベース板221の基端部のカード挿入方向の奥側の端部に連続する平面視略L字状の支持板231aと、スライダ本体210の支持板231aの下側部分に設けられた略矩形状の切欠き232aと、支持板231aの上端部に設けられた係止片233aとを有している。
【0126】
支持板231a上にはガイドブロック800aのフランジ860aが載置可能になっている。切欠き232aにはガイドブロック800aのガイド凸部850aが嵌まり込む。係止片233aは、ガイドブロック800aの横穴870aに係止される。
【0127】
ブロック取付部230bは、スライダ本体210の前記他端部のカード挿入方向の奥側の端部に連続する平面視略L字状の支持板231bと、スライダ本体210の支持板231bの下側部分に設けられた略矩形状の切欠き232bと、支持板231bの上端部に設けられた係止片233bとを有している。
【0128】
切欠き232bにはガイドブロック800bのガイド凸部860bが嵌まり込む。係止片233bは、ガイドブロック800bの横穴870bに係止される。
【0129】
ガイドブロック800aは、図3、図5、図8及び図13に示すように、樹脂射出成型品であって、ブロック本体部810aと、ブロック本体部810aの上側部分に設けられた上側ガイド面820a(これが特許請求の範囲の第1のガイド面に相当する。)と、ブロック本体部810aの下側部分に設けられた下側ガイド面830a(これが特許請求の範囲の第2のガイド面に相当する。)と、ブロック本体部810aの下側ガイド面830aの内側部分に設けられた凹部840aと、ブロック本体部810aの下面に設けられたガイド凸部850aと、ブロック本体部810aの外側面に設けられたフランジ860aと、ブロック本体部810aの外側面のフランジ860aの上側に設けられた横穴870aとを有する。
【0130】
一方、ガイドブロック800bは、樹脂射出成型品であって、ブロック本体部810bと、ブロック本体部810bの上側部分に設けられた上側ガイド面820b(これが特許請求の範囲の第1のガイド面に相当する。)と、ブロック本体部810bの下側部分に設けられた下側ガイド面830b(これが特許請求の範囲の第2のガイド面に相当する。)と、ブロック本体部810bの上側ガイド面820bの内側部分に設けられた上側凹部840bと、ブロック本体部810bの下側ガイド面830bの内側部分に設けられた凹部850bと、ブロック本体部810bの下面に設けられたガイド凸部860bと、ブロック本体部810bの外側面に設けられた横穴870bとを有する。
【0131】
横穴870aにはスライダ200の係止片233aが挿入される。ガイド凸部850aはスライダ200の切欠き232aに嵌合する。フランジ860aはスライダ200の支持板231a上に載置される。このように横穴870aに係止片233aが挿入され、ガイド凸部850aが切欠き232aに嵌合し、フランジ860aが支持板231a上に載置されることにより、ガイドブロック800aがスライダ200のブロック取付部230aに取り付けられる。
【0132】
一方、横穴870bにはスライダ200の係止片233bが挿入される。ガイド凸部860bはスライダ200の切欠き232bに嵌合する。このようにガイド凸部860bが切欠き232bに嵌合し、横穴870bに係止片233bが挿入されることにより、ガイドブロック800bがスライダ200のブロック取付部230bに取り付けられる。
【0133】
ガイド凸部850a、860bは、スライダ200の切欠き232a、232bに嵌合した状態で、ボディ100aの一対のガイドレール190aに各々カード挿入方向に移動自在に嵌まり込む。これにより、スライダ200がカード挿入位置からカード排出方向にかけて移動自在となる。
【0134】
上側ガイド面820aは、ブロック本体部810aの角部の中央部が内側に向けて円弧状に切り欠かれた部分の円弧面である。この上側ガイド面820aは、ガイドブロック800aがスライダ200のブロック取付部230aに取り付けられた状態で、スロット105aの内側に向けて漸次増大するテーパ面となる。
【0135】
上側ガイド面820bも、ブロック本体部810bの角部の中央部が内側に向けて円弧状に切り欠かれた部分の円弧面である。この上側ガイド面820bは、ガイドブロック800bがスライダ200のブロック取付部230aに取り付けられた状態で、スロット105aの内側に向けて漸次増大するテーパ面となる。
【0136】
この上側ガイド面820a、820bに小型カード10の先端の両角部が各々当接することにより、当該小型カード10の向きがスロット105a内の中央位置(即ち、電極13が第1のコンタクト300の接触部330に接触可能な位置)にカード挿入方向に沿って真っ直ぐ向けられる。また、上側ガイド面820a、820bが小型カード10の前記両角部に押圧されることにより、スライダ200がカード排出位置からカード挿入位置にかけて小型カード10と共に移動する。
【0137】
下側ガイド面830aは、ブロック本体部810aの角部の下端部が前記中央部よりも内側に向けて深く円弧状に切り欠かれた部分の円弧面である。この下側ガイド面830aは、ガイドブロック800aがスライダ200のブロック取付部230aに取り付けられた状態で、スロット105aの内側に向けて漸次増大するテーパ面となる。
【0138】
下側ガイド面830bも、ブロック本体部810bの角部の下端部が前記中央部よりも内側に向けて深く円弧状に切り欠かれた部分の円弧面である。この下側ガイド面830bは、ガイドブロック800aがスライダ200のブロック取付部230aに取り付けられた状態で、スロット105aの内側に向けて漸次増大するテーパ面となる。
【0139】
この下側ガイド面830a、830bに大型カード20のフランジ部22の両先端部が各々当接することにより、当該大型カード20の向きがスロット105a内の上記中央位置にカード挿入方向に沿って真っ直ぐ向けられる。また、下側ガイド面830a、830bが大型カード20の前記両先端部に押圧されることにより、スライダ200がカード排出位置からカード挿入位置にかけて大型カード20と共に移動する。
【0140】
凹部840aは最も一端側に位置する第2のコンタクト400との緩衝を避けるための切欠き部である。上側凹部840bは最も他端側に位置する第1のコンタクト300との緩衝を避けるための切欠き部である。下側凹部850bは最も他端側に位置する第2のコンタクト400との緩衝を避けるための切欠き部である。
【0141】
イジェクト機構500は、周知のプッシュ−プッシュ型のイジェクト機構であって、スライダ200の押圧板222をカード排出方向へ付勢するコイルスプリング510と、一端部がスライダ200の貫通孔221bに回動自在に嵌まり込むフックピン520と、ボディ100aの側壁部103aの上面の取付穴140aの外側部に設けられており且つフックピン520の他端部を案内するハートカム溝530とを有している。
【0142】
コイルスプリング510は、先端部にスライダ200の押圧板222の保持板222aが挿入され、後端部にボディ100aの収容凹部130aの突起部132aが挿入された状態で、押圧板222と収容凹部130aの奥側面との間で圧縮保持される。
【0143】
フックピン520の他端部は、スライダ200がカード挿入位置に位置したとき、当該ハートカム溝530の所定箇所に係止され、スライダ200がカード挿入位置から更にカード挿入方向に移動したとき、ハートカム溝530内を移動し、前記所定箇所との係止が解除されるようになっている。即ち、フックピン520の他端部が前記所定箇所に係止される位置がカード挿入位置となる。
【0144】
位置検出スイッチ600は、プレス成型された導電性を有する金属板である第1、第2のスイッチ片610、620を有している。
【0145】
第1のスイッチ片610は、平面視略L字状に折り曲げられた基端部と、この基端部に連続しており且つ平面視略V字状に折り曲げられた中間部と、この中間部に連続する先端部とを有している。前記基端部はボディ100aの第1の係止溝181aに挿入され係止される。前記基端部の下端部には、ボディ100aの第1の係止溝181aのスリット及びカバー100bの切欠き163bを通じて外部に突出する接続片611が設けられている。接続片611は図示しない電気的に基板に接続される。前記中間部及び先端部は、前記基端部が第1の係止溝181aに係止された状態で、第1のコンタクト300の下側空間に配置される。
【0146】
第2のスイッチ片620は、平面視略V字状に折り曲げられた基端部と、この基端部に連続しており且つ平面視略V字状に折り曲げられた中間部と、この中間部に連続する先端部とを有している。前記基端部はボディ100aの第2の係止溝182aに挿入され係止される。前記基端部の下端部には、ボディ100aの第2の係止溝182aのスリットを通じて外部に突出する接続片621が設けられている。接続片621は図示しない電気的に基板に接続される。前記中間部及び先端部は、前記基端部が第2の係止溝182aに係止された状態で、第1のコンタクト300の下側空間に配置される。
【0147】
第1のスイッチ片610の先端部は、スライダ200と共にカード挿入方向に移動するガイドブロック800aに押圧され、第2のスイッチ片620の先端部に接触する。これにより、図示しない基板を通じてカードコネクタCが搭載される電子機器に小型、大型カード10、20が挿入されたことを示す信号が出力される。スライダ200がカード挿入位置に位置すると、第1、第2のスイッチ片610、620の先端部がガイドブロック800aに更に押圧され、ボディ100aの後壁部104aの上記切欠き部に収容される。
【0148】
このような構成のカードコネクタCは、以下の手順で組み立てられる。まず、図8に示すように、第2のコンタクト400の接触部430をボディ100aのコンタクト取付溝110aに各々位置合わせしつつ底板部101aの前方から挿入する。そして、第2のコンタクト400の圧入部420をコンタクト取付溝110aの長溝部111aに各々圧入する。これにより第2のコンタクト400がボディ100aの底板部101aに各々取り付けられる。この状態で、図3に示すように、接触部430がコンタクト取付溝110aの貫通孔部113aを通じてスロット105aの下側空間のカード挿入方向の中間エリアに各々配置される。これと共に、第2のコンタクト400の接続部410がコンタクト取付溝110aの前方から突出する。
【0149】
その後、位置規制バネ700a、700bの圧入板720a、720bをボディ100aの取付穴140a、150aの手前側開放部143a、153aから当該取付穴140a、150aに各々挿入する。そして、圧入板720a、720bを取付穴140a、150aの圧入穴141a、151aに各々圧入する。すると、位置規制バネ700a、700bの固定板710a、710bが取付穴140a、150aの一端側の壁面と内側開放部142a、152aの下側縁部の外側面との間で挟持される。これと共に、位置規制バネ700a、700bの当接部740a、740bが取付穴140a、150aの内側開放部142a、152aから内側に突出し、スロット105a内に臨む。
【0150】
その後、ガイドブロック800aの横穴870aにスライダ200のブロック取付部230aの係止片233aを挿入する。これと共に、ガイドブロック800aのガイド凸部850aをブロック取付部230aの切欠き232aに嵌合させる。すると、ガイドブロック800aのフランジ860aがブロック取付部230aの支持板231a上に載置される。これにより、ガイドブロック800aがブロック取付部230aに取り付けられる。
【0151】
その一方で、ガイドブロック800bの横穴870bにスライダ200のブロック取付部230bの係止片233bを挿入する。これと共に、ガイドブロック800bのガイド凸部860bをブロック取付部230bの切欠き232bに嵌合させる。これにより、ガイドブロック800bがブロック取付部230bに取り付けられる。
【0152】
その後、スライダ200のスライダ本体210をスロット105aに上方から挿入し、当該スライダ本体210を取付穴140a、150aの内側開放部142a、152aの下側縁部の内側面の間に嵌め込む。すると、ガイドブロック800a、800bのガイド凸部850a、860bがボディ100aの一対のガイドレール190aに各々嵌まり込む。これと共に、スライダ200の突出部220をボディ100aの収容凹部130aに上方から挿入する。
【0153】
その後、フックピン520の一端部をスライダ200の突出部220の貫通孔221bに嵌め込み、当該フックピン520の他端部をハートカム溝530に挿入する。そして、コイルスプリング510の先端部、後端部に突出部220の保持板222a、収容凹部130aの突起部132aを各々挿入する。これにより、コイルスプリング510が突出部220の押圧板222と収容凹部130aの奥側面との間で圧縮状態で保持される。
【0154】
スライダ200が作業者の手から解放されると、押圧板222がコイルスプリング510に押圧され、スライダ200がスロット105a内をカード排出方向へ移動する。そして、スライダ200のベース板221の先端部が収容凹部130aの手前側の壁面に当接する。これにより、スライダ200がカード排出位置に位置決めされる。
【0155】
このとき、スライダ200の一対の窓部211aの手前側の縁部が位置規制バネ700a、700bの当接部740a、740bを乗り越える。これにより、当接部740aが窓部211aに各々係合され、カード付勢バネ214がスロット105aの下側空間のカード挿入方向の手前側エリアに配置される。これと共に、ガイドブロック800aの凹部840aに最も一端側に位置する第2のコンタクト400の接触部430が挿入され、ガイドブロック800bの下側凹部850bに最も他端側に位置する第2のコンタクト400の接触部430が挿入される。
【0156】
その後、位置検出スイッチ600の第1、第2のスイッチ片610、620の基端部をボディ100aの第1、第2の第1、第2の係止溝181a、182aに各々挿入する。これにより、前記基端部が第1、第2の係止溝181a、182aに各々係止される。このとき、第1、第2のスイッチ片610、620の接続片611、621が第1、第2の係止溝181a、182aのスリットに各々挿入される。すると、接続片611、621がボディ100aの側壁部102a、後壁部104aから各々外側に突出する。これと共に、第1、第2のスイッチ片610、620の先端部がスロット105aの下側空間のカード挿入方向の奥側エリアに各々配置される。
【0157】
その後、第1のコンタクト300の接触部330をボディ100aのコンタクト取付孔120aの幅狭孔部122aに各々位置合わせしつつ後壁部104aの後方から挿入する。そして、第1のコンタクト300の圧入部320をコンタクト取付孔120aの幅広孔部121aに各々圧入する。これにより、第1のコンタクト300がボディ100aの後壁部104aに各々取り付けられる。この状態で、図3に示すように、接触部330がスロット105aの上側空間の第1、第2のスイッチ片610、620の上方に配置される。これと共に、第1のコンタクト300の接続部310がコンタクト取付孔120aの後方から突出する。
【0158】
その後、カバー100bの一対の補強片140bをボディ100aの一対の挿入孔170aに各々位置合わせしつつ挿入する。これと共に、一対の側板102bの4つの係止孔161bにボディ100aの側壁部102a、103aの4つの係止凸部を各々嵌合させ、係止板105bの係止孔180bにボディ100aの後壁部104aの係止凸部を嵌合させる。
【0159】
このとき、カバー100bの規制板131b、132bがボディ100aの側壁部103a、102aに各々当接する。これと共に、カバー100bの一対の前板103bがボディ100aの取付穴140a、150aの手前側開放部143a、153aを覆う。これにより、前板103bの一対の切欠き部の縁部170bがボディ100aの第2の開口107aの両側に配置される。このようにしてカバー100bがボディ100aに取り付けられる。
【0160】
このように組み立てられたカードコネクタCは、図示しない基板上に実装された状態で、以下のように使用される。
【0161】
まず、図4(b)に示すように、大型カード20が電極面を下方に向けた状態でボディ100aの第1、第2の開口106a、107aを通じてスロット105aに挿入されると、大型カード20の一対のフランジ部22の端面がカバー100bの一対の縁部170b及びスライダ200の一対の下側ガイド部211に各々ガイドされると共に、当該大型カード20のカード本体21の上端部の両端面がスライダ200の一対の上側ガイド部213に各々ガイドされる。
【0162】
このとき、大型カード20の電極面がスライダ200のカード付勢バネ214により上方に付勢される。すると、大型カード20の一対のフランジ部の上面がスライダ200の一対の段部212に各々当接する。これにより、カード付勢バネ214の付勢力による大型カード20の上方への移動が防止される。
【0163】
これと共に、大型カード20の一対のフランジ部22の端面が位置規制バネ700a、700bの当接部740a、740bに当接する。これにより、位置規制バネ700a、700bの傾斜板730a、730bが外側に弾性変形し、当接部740a、740bが外側に変位する。これにより、当接部740a、740bとスライダ200の一対の窓部211aとの係合が解除される。この状態で、大型カード20が当接部740a、740bにより弾性的に挟持され、スロット105aの上記中央位置に位置規制される。
【0164】
その後、大型カード20がスロット105aの奥側に更に挿入されると、大型カード20の上面(即ち、電極面の反対側の面)がカバー100bの一対の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bに順次当接する。即ち、大型カード20は、電極面がカード付勢バネ214に付勢されると共に、上面が一対の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bに当接されることにより、その挿入姿勢が略水平に保たれ、上記接続空間に対応した高さ位置に配置される。また、一対の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bが大型カード20の上面に当接することにより、カード挿入時に、大型カード20の後端面の幅方向の一方側の部分が押されることを起因とする大型カード20の周方向への回転が防止されると共に、大型カード20がカード付勢バネ214の先端部を支点する幅方向への揺動も防止される。これにより、大型カード20の挿入時のガタつきが防止される。
【0165】
その後、大型カード20がスロット105aの奥側に更に挿入されると、大型カード20の一対のフランジ部22の先端部がガイドブロック800a、800bの下側ガイド面830a、830bに各々当接する。これにより、大型カード20の向きがスロット105a内の中央位置でカード挿入方向に沿って真っ直ぐ向けられる。このとき、スライダ200の下側係止アーム211bが大型カード20の係止凹部22aに嵌まり込み、当該大型カード20を係止する。
【0166】
その後、大型カード20がスロット105aの奥側に更に挿入されると、大型カード20の一対のフランジ部22によりガイドブロック800a、800bの下側ガイド面830a、830bが各々押圧される。これにより、スライダ200が大型カード20と共にカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動する。これと共に、ガイドブロック800a、800bのガイド凸部850a、860bがボディ100aの一対のガイドレール130aを移動する。
【0167】
このとき、フックピン520の一端部がスライダ200の貫通孔221b内で回転しつつ、当該フックピン520の他端部がハートカム溝530内を移動する。これと共に、コイルスプリング510は、スライダ200の押圧板222と収容凹部130aの奥側面との間で圧縮される。また、スライダ200の一対の窓部211aの手前側の縁部が当接部740a、740b上を通過すると、当接部740a、740bが前記縁部に外側に向けて押圧される。これにより、位置規制バネ700a700bの傾斜板730a、730bが更に弾性変形し、当接部740a、740bが外側に変位する。その後、傾斜板730a、730bの復帰力により、当接部740a、740bが内側に変位し、再び大型カード20の一対のフランジ部22の端面を弾性的に挟持する。
【0168】
大型カード20がカード挿入位置に位置すると、図5(b)に示すように、第1、第2のコンタクト300、400の接触部330、430の間の上記接続空間に挿入される。これにより、大型カード20が第1、第2のコンタクト300、400の接触部330、430の間で弾性的に挟持される。これと共に、大型カード20の電極23が第2のコンタクト400の接触部430に各々弾性的に接触する。このため、接触部430と電極23との安定した接触を図ることができ、カードコネクタCが外部から衝撃や振動を受けた場合であっても、チャタリングの発生を防止することができる。
【0169】
このとき、フックピン520の他端部がハートカム溝530の所定箇所に嵌まり込み、係止される。これにより、スライダ200がカード挿入位置で係止される。また、スライダ200と共に移動するガイドブロック800aにより、第1のスイッチ片610の先端部が押圧され、第2のスイッチ片620の先端部に接触する。そして、両先端部がボディ100aの後壁部104aの切欠き部に収容される。これにより、スライダ200がカード挿入位置に位置したことを示す信号が上記基板を通じて上記電子機器に出力される。このようにして大型カード20がカードコネクタCに接続される。
【0170】
大型カード20がカード挿入位置に位置しているとき、当該大型カード20の上面に一対の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bが当接した状態が維持される。これにより、大型カード20の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bの先端部より上方への移動が規制され、大型カード20との弾性的な接触による所定以上の負荷が第1のコンタクト300に掛からないようになっている。
【0171】
その後、大型カード20がカード挿入位置から更にカード挿入方向に押し込まれると、スライダ200がカード挿入位置から更にカード挿入方向に移動する。これにより、フックピン520の他端部がハートカム溝530内を移動し、当該他端部とハートカム溝530の所定箇所との係止が解除される。
【0172】
すると、コイルスプリング510の付勢力によりスライダ200の押圧板222がカード排出方向に押圧される。これにより、スライダ200がカード排出方向に移動する。そして、スライダ200のベース板221の先端部が収容凹部130aの手前側の壁面に当接する。これにより、スライダ200がカード排出位置で位置決めされる。
【0173】
このとき、スライダ200の一対の窓部211aの手前側の縁部が当接部740a、740b上を通過する。これにより、当接部740a、740bが前記縁部に外側に向けて押圧される。すると、傾斜板730a、730bが更に弾性変形し、当接部740a、740bが外側に変位する。その後、傾斜板730a、730bの復帰力により、当接部740a、740bが内側に変位し、一対の窓部211aを通じて大型カード20の一対のフランジ部22の端面に弾性的に当接する。この状態で、大型カード20が第1、第2の開口106a、107aから引き出される。
【0174】
次に、小型カード10が電極面を上方に向けた状態でボディ100aの第1、第2の開口106a、107aを通じてスロット105aに挿入されると、小型カード10の幅方向の両端面がスライダ200の一対の上側ガイド部213及び位置規制バネ700a、700bの当接部740a、740bに各々ガイドされる。
【0175】
このとき、小型カード10の下面(即ち、電極面の反対側の面)がスライダ200のカード付勢バネ214により上方に付勢される。これにより、小型カード10が上方に移動する。
【0176】
その後、小型カード10がスロット105aの奥側に更に挿入されると、小型カード10の電極面がカバー100bの一対の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bに順次当接する。即ち、小型カード10の下面がカード付勢バネ214に付勢されると共に、当該小型カード10の電極面が一対の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bに当接されることにより、小型カード10の挿入姿勢が略水平に保たれ、上記接続空間に対応した高さ位置に配置される。また、一対の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bが小型カード10の電極面に当接することにより、カード挿入時に、小型カード10の後端面の幅方向の一方側の部分が押されることを起因とする小型カード10の周方向への回転が防止されると共に、小型カード10がカード付勢バネ214の先端部を支点する幅方向への揺動も防止される。これにより、小型カード10の挿入時のガタつきが防止される。
【0177】
その後、小型カード10がスロット105aの奥側に更に挿入されると、小型カード10の先端部の両角部がガイドブロック800a、800bの上側ガイド面820a、820bに各々当接する。これにより、小型カード10の向きがスロット105a内の中央位置でカード挿入方向に沿って真っ直ぐ向けられる。このとき、スライダ200の上側係止アーム213aが小型カード10の係止凹部12aに嵌まり込み、当該小型カード10を係止する。
【0178】
その後、小型カード10がスロット105aの奥側に更に挿入されると、小型カード10の両角部によりガイドブロック800a、800bの上側ガイド面820a、820bが各々押圧される。これにより、スライダ200が小型カード10と共にカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動する。これと共に、ガイドブロック800a、800bのガイド凸部850a、860bがボディ100aの一対のガイドレール130aを移動する。
【0179】
このとき、フックピン520の一端部がスライダ200の貫通孔221b内で回転しつつ、当該フックピン520の他端部がハートカム溝530内を移動する。これと共に、コイルスプリング510は、スライダ200の押圧板222と収容凹部130aの奥側面との間で圧縮される。また、スライダ200の一対の窓部211aの手前側の縁部が当接部740a、740bを押圧する。これにより、位置規制バネ700a700bの傾斜板730a、730bが弾性変形し、当接部740a、740bが外側に変位する。なお、一対の窓部211aの手前側の縁部が当接部740a、740b上を通過すると、位置規制バネ700a700bの傾斜板730a、730bの復帰力により、当接部740a、740bが内側に復帰する。
【0180】
小型カード10がカード挿入位置に位置すると、図5(a)に示すように、第1、第2のコンタクト300、400の接触部330、430の間の上記接続空間に挿入される。これにより、小型カード10が第1、第2のコンタクト300、400の接触部330、430の間で弾性的に挟持される。これと共に、小型カード10の電極13が第1のコンタクト300の接触部330に各々弾性的に接触する。このため、接触部330と電極13との安定した接触を図ることができ、カードコネクタCが外部から衝撃や振動を受けた場合であっても、チャタリングの発生を防止することができる。
【0181】
このとき、フックピン520の他端部がハートカム溝530の所定箇所に嵌まり込み、係止される。これにより、スライダ200がカード挿入位置で係止される。また、スライダ200と共に移動するガイドブロック800aにより、第1のスイッチ片610の先端部が押圧され、第2のスイッチ片620の先端部に接触する。そして、両先端部がボディ100aの後壁部104aの切欠き部に収容される。これにより、スライダ200がカード挿入位置に位置したことを示す信号が上記基板を通じて上記電子機器に出力される。このようにして小型カード10がカードコネクタCに接続される。
【0182】
小型カード10がカード挿入位置に位置しているとき、当該小型カード10の電極面に一対の両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bが当接した状態が維持される。これにより、小型カード10が両側位置規制片120b及び中央位置規制片110bの先端部より上方へ移動することが規制され、小型カード10との弾性的な接触による所定以上の負荷が第1のコンタクト300に掛からないようになっている。
【0183】
その後、小型カード10がカード挿入位置から更にカード挿入方向に押し込まれると、スライダ200がカード挿入位置から更にカード挿入方向に移動する。これにより、フックピン520の他端部がハートカム溝530内を移動し、当該他端部とハートカム溝530の所定箇所との係止が解除される。
【0184】
すると、コイルスプリング510の付勢力によりスライダ200の押圧板222がカード排出方向に押圧される。これにより、スライダ200がカード排出方向に移動する。そして、スライダ200のベース板221の先端部が収容凹部130aの手前側の壁面に当接する。これにより、スライダ200がカード排出位置で位置決めされる。このとき、スライダ200の一対の窓部211aの手前側の縁部が当接部740a、740b上を通過し、当接部740a、740bが一対の窓部211aに係合される。この状態で、小型カード10が第1、第2の開口106a、107aから引き出される。
【0185】
このようなカードコネクタCによる場合、大型カード20を電極面を上方に向けた状態(即ち、上下逆の状態)でボディ100aの第1、第2の開口106a、107aを通じてスロット105aに挿入しようとしたとしても、大型カード20の一対のフランジ部22の先端部がボディ100aの一対の突起部160aに当接する。このため、大型カード20の上下逆の誤挿入が防止される。
【0186】
同様に、大型カード20を第1の開口106aを通じてスロット105aに挿入しようとしたとしても、大型カード20の一対のフランジ部22の先端部がボディ100aの一対の突起部160aに当接する。このため、大型カード20の所定外の位置からの誤挿入も防止される。
【0187】
また、小型カード10がボディ100aの第2の開口107aを通じてスロット105aに挿入されたとしても、小型カード10の両端面が位置規制バネ700a、700bの当接部740a、740bに各々ガイドされつつ、小型カード10の下面がスライダ200のカード付勢バネ214により上方に付勢され、小型カード10が上方に押し上げられる。これにより、小型カード10の両端面が上側ガイド部213に各々規制される。即ち、従来例のように小型カード10がスロット105aの下側空間に挿入されたとしても、当該小型カード10の幅方向への移動が防止される。よって、上述の通り、小型カード10がスライダ200と共にカード排出位置からカード挿入位置にかけて移動することにより、当該小型カード10の電極13が第1のコンタクト300の接触部330に確実に接触し、両者の安定した電気的接続を得ることができる。
【0188】
なお、カードコネクタCは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨に適う限り任意に設計変更することができる。以下、各部の設計変更例について説明する。
【0189】
ハウジング100については、ボディ100aと、カバー100bとを有するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記ハウジングとして単一の樹脂射出成型品を用いることができる。また、前記ハウジングのスライダに対向するスロットの天板部を少なくとも金属板とすれば、当該金属板の一部をカットし下方に向けて折り曲げることにより、中央位置規制片110b又は両側位置規制片120bを前記金属板と一体的に設けることができる。なお、前記ハウジングを樹脂射出成型品とし、当該ハウジングに中央位置規制片110b又は両側位置規制片120bを一体的に設けることもできる。
【0190】
第1、第2の開口106a、107aについては、互いに通じており且つ前記ハウジング内のスロットの前面を開放するものであれば良い。従って、前記第1、第2の開口の形状は任意に変更することができる。即ち、前記第1、第2の開口の幅寸法を同じにすることもできる。この場合であっても、上述の如く、スライダの両端部に下側ガイド部、段部及び上側ガイド部を設けておけば、大型カードを第1の開口から挿入してしまう等の不具合を防止できる。また、前記第1の開口を小型カード専用の入り口とし、前記第2の開口を大型カード専用の入り口とすることも可能である。
【0191】
スロット105aの形状についても、スライダを収容することができ且つ第1、第2のコンタクトが配列可能なものである限り任意に変更することができる。
【0192】
中央位置規制片110b及び両側位置規制片120bについては設けるか否かは任意である。この中央位置規制片及び両側位置規制片は前記ハウジングのスライダに対向するスロットの天板部に設けられており、カードの上面に当接可能な位置規制手段である限り任意に設計変更することができる。従って、片部材である必要はなく、突起部等で代用可能である。また、前記位置規制手段の個数については任意に設定することが可能である。
【0193】
スライダ200は、金属板で構成されているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、樹脂射出成型品とすることも可能である。スライダ本体210の両端部は、折り曲げられ、下側ガイド部211、段部212及び上側ガイド部213となっているとしたが、下側ガイド部211、段部212及び上側ガイド部213が設けられなくとも良い。
【0194】
この場合、前記ハウジングが、前記第1の開口の両側に各々設けられており且つその間の距離が小型カードの幅寸法よりも若干大きく、大型カードの幅寸法よりも小さい一対の第1の縁部と、前記第2の開口の両側に各々設けられており且つその間の距離が大型カードの幅寸法よりも若干大きい一対の第2の縁部と、前記第1、第2の縁部の間に各々設けられており且つ大型カードの幅方向の両端部の上面に各々当接可能な一対の段部とを備えた構成とすれば良い。即ち、前記第1の縁部が上側ガイド部213の代わりとなり、前記第2の縁部が下側ガイド部211の代わりとなり、前記段部が段部212の代わりとなる。このとき、位置規制バネ700a、700bは、幅方向に弾性変形可能であって、当接部740a、740bの間の距離が前記第1の縁部の間の距離を略同じになっていることが好ましい。
【0195】
勿論、前記ハウジングに前記第1の縁部、第2の縁部及び段部を設けると共に、スライダの両端部の前記第1の縁部、第2の縁部及び段部のカード挿入方向の前後に下側ガイド部、段部及び上側ガイド部を設けることも可能である。
【0196】
補強片140a、140bについては設けるか否かは任意である。この補強片は、カバー100bの一部がカットされ、下方に折り曲げられて作成されているとしたが、これに限定されるものではなく、一対の突起部を補強し得る限りどのようなものを用いても構わない。また、前記補強片はカバー100bと別体であっても良い。この場合、前記補強片を前記ボディ成型時に、前記突起部にインサート成型しても良い。
【0197】
カード付勢バネ214については、前記第2の開口を通じて前記スロットの下側空間に挿入された小型、大型カードを上方に向けて付勢し得る付勢手段である限り任意に変更することができる。例えば、前記付勢手段としてはスライダ本体210に取り付けた弾性ゴムやスプリング等の弾性体を用いることが可能である。前記付勢手段をスライダ本体210に複数設けることが可能である。なお、前記付勢手段は前記スライダではなく、前記ハウジングに設けることが可能である。この場合、前記付勢手段は前記ハウジングのカード排出位置に位置するスライダの手前側に設けることが好ましい。
【0198】
下側係止アーム211b及び上側係止アーム213aについては設けるか否かは任意である。
【0199】
第1、第2のコンタクト300、400については、スロット105aの上側空間、下側空間に各々配置されるとしたが、これに限定されるものではない。即ち、小型、大型カードの電極の位置が互いに重ならない場合には、前記第1、第2のコンタクトをスロットの上側空間又は下側空間に配置することも可能である。従って、本発明に係るカードコネクタは、上記実施例の如く、小型、大型カードが互いに電極面を上下逆に挿入されるものに限定されるわけではない。
【0200】
イジェクト機構500については設けるか否かは任意である。また、前記イジェクト機構として別のものを用いることができる。具体的には、カードを排出するゴムやコイルスプリング以外のバネ部材等の付勢手段と、カードを挿入位置で係止する係止手段とを備えているものであれば、どのようなものを用いても構わない。また、前記イジェクト機構として、前記ハウジングに設けられた操作片でカードを排出する手動操作式のものを用いることも可能である。
【0201】
位置検出スイッチ600については設けるか否かは任意である。また、前記位置検出スイッチとして磁気スイッチやタクトスイッチ等により代替可能である。
【0202】
位置規制バネ700a、700bについては設けるか否かは任意である。また、前記位置規制バネは、前記ハウジングの前記スロットの幅方向の両壁部の下側部分に設ける代わりに、前記スライダの両端部にも設けることが可能である。更に前記位置規制バネは、大型カードの幅方向の両端面に当接し、当該大型カードの幅方向への移動を規制可能な位置規制手段である限りどのようなものを用いても構わない。従って、前記位置規制手段は外側に弾性変形可能なものである必要はない。
【0203】
ガイドブロック800a、800bについても設けるか否かは任意である。前記ガイドブロックの上側、下側ガイド面は円弧状のテーパ面であるとしたが、内側に向けて漸次増大するテーパ面である限り任意に変更することができる。よって、上側、下側ガイド面として直線状のテーパ面とすることも可能である。このガイドブロックは前記スライダと一体的に設けることが可能である。
【0204】
なお、カードコネクタは、マイクロエスディーカードである小型カード10及びメモリースティックマイクロカードである大型カード20が挿入されるものであるとして説明したが、これに限定されるものではない。前記小型、大型カードとしては、少なくとも幅寸法が異なっていれば良い。
【0205】
各部材の形状、構成素材及び配置箇所については、上記実施例と同様の機能を実現可能である限り任意に設計変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】本発明の実施の形態に係るカードコネクタの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。
【図2】同カードコネクタの概略的正面図である。
【図3】同カードコネクタのハウジングのカバーを取り外した状態を示す概略図であって、(a)が平面図、(b)が斜視図である。
【図4】同カードコネクタの概略的正面図であって、(a)が小型カード挿入状態を示す図、(b)が大型カード挿入状態を示す図である。
【図5】同カードコネクタのハウジングのカバーを取り外した状態を示す概略的平面図であって、(a)が小型カード挿入状態を示す図、(b)が大型カード挿入状態を示す図である。
【図6】同コネクタの模式的A−A部分断面図であって、(a)がカード挿入前の状態を示す図、(b)が小型カード挿入後の状態を示す図、(c)が大型カード挿入後の状態を示す図である。
【図7】同コネクタの概略的B−B部分断面斜視図である。
【図8】同カードコネクタの概略的分解斜視図である。
【図9】同カードコネクタのハウジングのボディの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。
【図10】同カードコネクタのハウジングのカバーの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。
【図11】同カードコネクタの左側の位置規制バネの概略的斜視図である。
【図12】同カードコネクタのスライダの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。
【図13】(a)が同カードコネクタの右側のガイドブロックの概略的斜視図、(b)が同カードコネクタの左側のガイドブロックの概略的斜視図である。
【図14】同カードコネクタに挿入可能な小型カードの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。
【図15】同カードコネクタに挿入可能な大型カードの概略図であって、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。
【図16】同小型、大型カードを重ね合わせた状態の概略的平面図であって、大型カードを破線で示した図である。
【符号の説明】
【0207】
10 小型カード
12a 係止凹部
13 電極
20 大型カード
22a 係止凹部
23 電極
C カードコネクタ
100 ハウジング
100a ボディ
105a スロット
106a 第1の開口
107a 第2の開口
160a 突起部
100b カバー
110b 中央位置規制片(第2の位置規制手段)
120b 両側位置規制片(第3の位置規制手段)
140b 補強片
200 スライダ
210 スライダ本体
211 下側ガイド部
211b 下側係止アーム(第2のロック端子)
212 段部
213 上側ガイド部
213a 上側係止アーム(第1のロック端子)
214 カード付勢バネ
300 第1のコンタクト
400 第2のコンタクト
500 イジェクト機構
600 位置検出スイッチ
700a、700b 位置規制バネ(第1の位置規制手段)
740a、740b 当接部
800a、800b ガイドブロック(ガイド手段)
820a、820b 上側ガイド面(第1のガイド面)
830a、830b 下側ガイド面(第2のガイド面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型カード及びこの小型カードよりも少なくとも幅広である大型カードが挿入可能であるカードコネクタにおいて、
第1の開口と、前記第1の開口の下側に当該第1の開口に連続して設けられた第2の開口と、前記第1、第2の開口に各々連通する上側、下側空間を有し且つ前記第1、第2の開口を通じて小型、大型カードが挿入されるスロットとを有するハウジングと、
前記ハウジングの前記スロット内に設けられており且つ当該スロット内に挿入された小型、大型カードに押圧されることにより、当該小型、大型カードと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド自在にされたスライダと、
前記ハウジングのスロット内に配置され且つ前記カード挿入位置に位置した小型、大型カードの電極に各々接触可能にされた第1、第2のコンタクトとを備えており、
前記スライダは、
スライダ本体と、
前記スライダ本体の幅方向の両端部の上側部分に各々設けられており且つ小型カードの幅方向の両端面を各々ガイド可能な一対の第1のガイド部と、
前記スライダ本体の前記両端部の下側部分に各々設けられており且つ大型カードの幅方向の両端面を各々ガイド可能な一対の第2のガイド部と、
前記第1、第2のガイド部の間に各々設けられており且つ大型カードの幅方向の両端部の上面に各々当接可能な一対の段部と、
前記スライダ本体に設けられており且つ前記第2の開口を通じて前記第2のガイド部の間に挿入された小型、大型カードを上方に向けて付勢する付勢手段とを有することを特徴とするカードコネクタ。
【請求項2】
小型カード及びこの小型カードよりも少なくとも幅広である大型カードが挿入可能であるカードコネクタにおいて、
第1の開口と、前記第1の開口の下側に当該第1の開口に連続して設けられた第2の開口と、前記第1、第2の開口に各々連通する上側、下側空間を有し且つ前記第1、第2の開口を通じて小型、大型カードが挿入されるスロットとを有するハウジングと、
前記ハウジングのスロット内に設けられており且つ当該スロット内に挿入された小型、大型カードに押圧されることにより、当該小型、大型カードと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド自在にされたスライダと、
前記ハウジングのスロット内に配置され且つ前記カード挿入位置に位置した小型、大型カードの電極に各々接触可能にされた第1、第2のコンタクトとを備えており、
前記ハウジングは、
前記第1の開口の両側に各々設けられており且つその間の距離が小型カードの幅寸法よりも若干大きく、大型カードの幅寸法よりも小さい一対の第1の縁部と、
前記第2の開口の両側に各々設けられており且つその間の距離が大型カードの幅寸法よりも若干大きい一対の第2の縁部と、
前記第1、第2の縁部の間に各々設けられており且つ大型カードの幅方向の両端部の上面に各々当接可能な一対の段部とを更に有しており、
前記スライダは、前記第2の開口を通じて前記スロットの下側空間に挿入された小型、大型カードを上方に向けて付勢する付勢手段を有することを特徴とするカードコネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のカードコネクタにおいて、
前記ハウジングの前記スロットの幅方向の両壁部の下側部分には、大型カードの幅方向の両端面に当接し、当該大型カードの幅方向への移動を規制可能な一対の第1の位置規制手段が設けられていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のカードコネクタにおいて、
前記第1の位置規制手段は、幅方向に弾性変形可能な部材であって、大型カードの幅方向の両端面に当接可能な一対の当接部を各々有しており、
前記当接部の間の距離が、前記第1のガイド部又は第1の縁部の間の距離の間の距離と略同じになっていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項5】
請求項4記載のカードコネクタにおいて、
前記スライダの両端部の下側部分には、一対の窓部が設けられており、
前記当接部は、前記窓部に係合されることにより、前記スライダをカード排出位置に保持すると共に、前記窓部を通じて大型カードの幅方向の両端面に当接可能になっており、
小型、大型カードが前記スロットに挿入され、前記スライダが小型、大型カードに押圧されると、前記当接部が当該スライダの窓部の縁部に押圧され、前記第1の位置規制手段が弾性変形することにより、前記当接部と前記窓部との係合が解除されるようになっていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項6】
請求項3記載のカードコネクタにおいて、
前記第1の位置規制手段は、前記ハウジングの前記スロットの幅方向の両壁部の下側部分ではなく、前記スライダの幅方向の両端部の下側部分に設けられていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のカードコネクタにおいて、
前記第1の位置規制手段は幅方向に弾性変形可能になっていることを特徴とすることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項8】
請求項1又は2記載のカードコネクタにおいて、
前記ハウジングのスライダに対向するスロットの天板部には、前記付勢手段に付勢された小型、大型カードに当接し、当該小型、大型カードの上方への所定以上の移動を規制する第2の位置規制手段が設けられていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項9】
請求項8記載のカードコネクタにおいて、
前記第2の位置規制手段が前記付勢手段よりカード挿入方向の奥側に配置されていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項10】
請求項9記載のカードコネクタにおいて、
前記ハウジングの天板部の前記第2の位置規制手段の両側部分には、前記付勢手段に付勢された小型、大型カードに当接し、当該小型、大型カードの上方への所定以上の移動を規制する一対の第3の位置規制手段が設けられており、
前記第3の位置規制手段は、前記第2の位置規制手段よりもカード挿入方向の手前側に配置されていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、6、7、8、9又は10記載のカードコネクタにおいて、
前記スライダの両端部のカード挿入方向の奥側部に各々設けられる一対のガイド手段を更に備えており、
前記ガイド手段は、
一対の本体部と、
前記本体部の上側部分に設けられており且つ内側に向けて漸次増大するテーパ面であって、小型カードの先端の両角部が当接可能な一対の第1のガイド面と、
前記本体部の下側部分に設けられており且つ内側に向けて漸次増大するテーパ面であって、大型カードの先端の両角部が当接可能な一対の第2のガイド面とを有することを特徴とするカードコネクタ。
【請求項12】
請求項1記載のカードコネクタにおいて、
前記スライダが金属板で構成されており、
前記付勢手段は、前記スライダの一部がカットされ且つ前記上方に向けて折り曲げられた片部材であり、
前記第2のガイド部は、前記スライダの両端部の基端部が上方に向けて略直角に折り曲げられて構成されており、
前記段部は、前記スライダの両端部の前記基端部に連続する中間部が内側に向けて略直角に折り曲げられて構成されており、
前記第1のガイド部は、前記スライダの両端部の前記中間部に連続する先端部が上方に向けて略直角に折り曲げられて構成されていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項13】
請求項2記載のカードコネクタにおいて、
前記スライダが金属板で構成されており、
前記付勢手段は、前記スライダの一部がカットされ且つ前記上方に向けて折り曲げられた片部材であることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項14】
小型、大型カードの幅方向の両端部の少なくとも一方に係合凹部が設けられている請求項12又は13記載のカードコネクタにおいて、
前記スライダは、前記両端部の少なくとも一方がカットされ、折り曲げられており且つ前記小型、大型カードの係合凹部に係合可能な第1、第2のロック端子を更に有することを特徴とするカードコネクタ。
【請求項15】
請求項8記載のカードコネクタにおいて、
前記ハウジングは、少なくとも前記天板部が金属板で構成されており、
前記第2の位置規制手段は前記天板部の一部がカットされ且つ下方に向けて折り曲げられた片部材であることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項16】
請求項10記載のカードコネクタにおいて、
前記ハウジングは、少なくとも前記天板部が金属板で構成されており、
前記第2、第3の位置規制手段は前記天板部の一部が各々カットされ且つ下方に向けて折り曲げられた片部材であることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項17】
小型カードが、その電極を上方に向けた状態で前記スロットに挿入可能になっていると共に、大型カードが、その電極を下方に向けた状態で前記スロットに挿入可能になっている請求項1又は2記載のカードコネクタにおいて、
前記第1、第2のコンタクトは、前記スロットの上側空間、下側空間に小型、大型カードの電極に各々接触可能に配置されおり且つ当該第1、第2のコンタクトの間で小型、大型カードを挟持するようになっていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項18】
請求項1記載のカードコネクタにおいて、
前記ハウジングのスロットの両壁面の上側部分には、前記第1の開口の両端部から露出する一対の突起部が設けられており、
前記突起部の間の距離が小型カードの幅寸法よりも大きく、大型カードの幅寸法よりも小さくなっていることを特徴とすることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項19】
請求項18記載のカードコネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記スロット、第1、第2の開口及び突起部を有するボディと、このボディに取り付けられるカバーとを有しており、
前記カバーは金属板で構成されており、
前記突起部の上面には挿入孔が各々設けられており、
前記カバーは、その天板部の一部がカットされ且つ下方に向けて折り曲げられた補強片を有しており、
前記補強片は、前記カバーが前記ボディに取り付けられた状態で、前記挿入孔に各々挿入されるようになっていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項20】
請求項1又は2記載のカードコネクタにおいて、前記付勢手段は、前記スライダではなく、前記ハウジングに設けられていることを特徴とするカードコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−205926(P2009−205926A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46740(P2008−46740)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】