説明

ガス噴射装置および燃料供給システム

【課題】寿命をより向上できるガス噴射装置を提供する。
【解決手段】ガス噴射装置は、有底円筒状のシリンダ10と、シリンダの内側底面であって、燃料ガスの排出口27が形成された弁座面26と、シリンダ10の内部空間に設けられた弁体24と、を備える。シリンダ10および弁体24は、弁体24の外周面とシリンダ10の内周面との間の間隙を燃料ガスが通れるような形状となっている。また、シリンダ10は、内部空間のうち弁体24周辺におけるにおける凹角が90度超過となる形状となっている。これにより、燃料ガスの淀みが生じにくく、ガス噴射装置の寿命が向上される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などに搭載された駆動源に燃料ガスを供給するガス噴射装置、および、当該ガス噴射装置を有する燃料供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、炭化水素系燃料やアルコール系燃料などの液体燃料を水蒸気改質することにより、水素を含有する改質ガス(以下「燃料ガス」と呼ぶ)を得る技術が知られている。燃料ガスは、水素や一酸化炭素、メタン、二酸化炭素などの主成分のほかに、有機酸や水などの凝縮成分が含まれている。そのため、この燃料ガスに長時間、接していると、耐腐食性の低い材料、例えば、電磁ステンレスなどの磁性材料が腐食する場合があった。
【0003】
かかる燃料ガスを燃料とする車両には、当該燃料ガスを駆動源であるエンジンなどに供給するガス噴射装置が搭載されている。特許文献1には、このガス噴射装置として利用可能な電磁弁が開示されている。この電磁弁では、励磁コイルへの通電によって弁体とともに可動する可動鉄心が設けられている。ここで、通常、可動鉄心は、電磁ステンレスなどからなり、耐腐食性が乏しい場合が多い。そのため、当該可動鉄心への燃料ガスの付着を防止するために、特許文献1では、当該可動鉄心を燃料ガスなどの流体が通る流体通路から隔離された状態で設置している。また、万一、可動鉄心側に流体が流入するような場合であっても、当該可動鉄心より流体通路寄りの位置に、当該流入した流体を滞留させる固定鉄心側空間を設けている。かかる構成とすることで、可動鉄心への燃料ガスの付着を防止でき、ひいては、可動鉄心の腐食を防止することができる。
【0004】
また、別の技術として、図11に図示するようなガス噴射装置も知られている。このガス噴射装置では、中空のシリンダ100と、当該シリンダ100内において進退(昇降)する弁体101と、当該弁体101により開閉される排出口110を備えた弁座112などを備えている。弁体101は、有底の筒状となっており、底面付近には、当該弁体101の内部空間に連通する横孔103が形成されている。シリンダ100の上端から供給された燃料ガスは、当該シリンダ100の内部から、弁体101の内部空間、横孔103を経由して、排出口110まで至り、外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−346229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、こうした従来のガス噴射装置は、燃料ガスの淀みが生じやすく、ひいては、部品の腐食を招きやすいという問題があった。例えば、特許文献1記載の電磁弁において、固定鉄心側空間は、可動鉄心への燃料ガス付着防止には有効であるものの、当該空間に一度流入した燃料ガスは、排出されることなく、当該空間に滞留したままとなる。その結果、当該空間周辺に配された部品は、当該燃料ガスとの接触時間が長くなり、最終的には、これら部品の腐食を招く恐れがあった。また、特許文献1記載の電磁弁では、燃料ガスが通る流体通路には、いくつかの窪みが設けられている。かかる窪みは、燃料ガスの淀み、ひいては、部品の腐食を招きやすかった。
【0007】
また、図11に例示したガス噴射装置では、弁体101の外周囲には、当該弁体101の姿勢保持のための板バネ106を初めとして幾つかの部品が設けられており、この板バネ106等の周辺には、微小な隙間104が形成されることになる。かかる隙間104に流入した燃料ガスは、当該隙間104内で滞留し、周辺の部材の腐食を招く恐れがあった。また、図11のガス噴射装置では、耐腐食性が低い磁性材料からなる弁体101が、ガス流路内に完全に露出しており、燃料ガスに接触しやすくなっている。その結果、弁体101が腐食する恐れもあった。つまり、従来のガス噴射装置は、燃料ガスによる部品腐食が生じる恐れがあり、結果として、寿命が短くなりがちであった。
【0008】
そこで、本発明では、ガス噴射装置の寿命をより向上できるガス噴射装置、および、燃料供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のガス噴射装置は、車両に搭載され、燃料ガスを噴射するガス噴射装置であって、燃料ガスが通る空洞が形成された有底円筒状のシリンダと、前記シリンダの内側底面であって、前記燃料ガスの排出口が形成された弁座と、前記シリンダの内部空間に設けられ、前記弁座に対して進退することで前記排出口を開閉する弁体と、を備え、前記ガス流路は、前記弁体の外周面と前記シリンダの内周面との間の間隙を含む、ことを特徴とする。
【0010】
好適な態様では、前記シリンダは、内部空間のうち前記弁体が進退する範囲である弁体収容空間における凹角が90度超過となる形状である。
【0011】
他の好適な態様では、前記弁体は、その上面と前記シリンダの長軸との成す角度が90度超過となるように、上面が略円錐状である。
【0012】
他の好適な態様では、さらに、磁力により前記弁体を進退させる駆動機構を備え、前記弁体は、前記磁力を受ける磁性材料と、前記燃料ガスに対する耐腐食性が前記磁性材料より高い非磁性金属材料と、から構成される。この場合、前記弁体は、非磁性金属材料からなる本体と、前記本体の上側に固着されるとともに磁性材料からなるバルブキャップと、を有することが望ましい。また、前記弁体は、磁性材料からなるコア体と、非磁性金属材料からなり、前記コア体を完全に内部に収容する本体と、を有することも望ましい。さらに、前記駆動機構は、磁性材料からなり、前記シリンダの内周面に貼着された固定鉄心と、非磁性金属材料からなり、前記固定鉄心の外表面を覆うカバー体と、を備えることも望ましい。
【0013】
他の本発明である燃料供給システムは、駆動源への燃料供給を制御する燃料供給システムであって、上述したようなガス噴射装置と、前記ガス噴射装置に燃料ガスまたは液体燃料を択一的に供給する供給機構と、前記駆動源または当該駆動源が搭載された車両の運転状況を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記駆動源の駆動停止を予測するとともに、駆動停止が予測された場合には、前記供給機構に対して液体燃料の供給を指示する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前記ガス流路は、前記弁体の外周面と前記シリンダの内周面との間の間隙を含んでおり、弁体周辺に微小な間隙が生じにくい。その結果、燃料ガスの滞留が生じにくくなり、結果として、ガス噴射装置の寿命を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態であるガス噴射装置の閉状態における断面図である。
【図2】本発明の実施形態であるガス噴射装置の開状態における断面図である。
【図3】図1におけるA−A断面図である。
【図4】弁体周辺の拡大図である。
【図5】弁体の他の形態を示す図である。
【図6】他のガス噴射装置の縦断面図およびB−B断面図である。
【図7】他のガス噴射装置の縦断面図およびC−C断面図である。
【図8】他のガス噴射装置の縦断面図およびD−D断面図である。
【図9】他の本発明の実施形態である燃料供給システムの構成図である。
【図10】車両の運転イメージを示す図である。
【図11】従来のガス噴射装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1,2は、本発明の実施形態であるガス噴射装置の断面図であり、図1および図2は、それぞれ、バルブ閉鎖状態、および、バルブ解放状態を示している。
【0017】
このガス噴射装置は、主に、車両に搭載され、当該車両の駆動源であるエンジンなどに燃料ガスを供給するために用いられる。ここで、取り扱い対象である燃料ガスについて簡単に説明する。燃料ガスは、炭化水素系燃料やアルコール系燃料などの液体燃料を、水蒸気改質して得られるガスで、水素や一酸化炭素、メタン、二酸化炭素などの主成分のほかに、有機酸や水などの凝縮成分を有している。この有機酸や水などの凝縮成分は、耐腐食性に乏しい材料、例えば、電磁ステンレスなどの腐食を招く腐食成分として作用することが知られている。つまり、燃料ガスは、腐食成分を含んだガスであるといえる。
【0018】
かかる腐食成分含有の燃料ガスが、ガス噴射装置の構成部品のうち耐腐食性が乏しい部品に接触したり、あるいは、耐腐食性に優れた部品であっても長期に渡って接触したりした場合には、当該部品の腐食、ひいては、ガス噴射装置の寿命低下を招く恐れがある。
【0019】
そこで、本実施形態では、構成部品の腐食を極力低減でき得るようにガス噴射装置を特殊な構成としている。以下、このガス噴射装置について詳説する。
【0020】
ガス噴射装置は、シリンダ10、弁体24、および、駆動機構などから構成される。シリンダ10は、内部に弁体24やコイルユニット20等が配置された略筒状部材である。このシリンダ10は、磁性材料(例えば電磁ステンレスなど)よりも耐食性が高い金属材料(以下「非磁性金属材料」という)、例えば、300系ステンレスなどからなる。このシリンダ10は、単一部材で構成されてもよいし、複数部材で構成されてもよい。本実施形態では、このシリンダ10を四つの部材、すなわち、第一アウターボディ12、第二アウターボディ13、接続ボディ11、および、ノズルボディ14で構成している。
【0021】
接続ボディ11および第一アウターボディ12は、いずれも、その中央に貫通孔が形成された略筒状体である。この接続ボディ11および第一アウターボディ12は、同軸線上に並ぶように連結され、一つの大きな筒状体を構成する。接続ボディ11のうち第一アウターボディ12とは反対側の端部は、配管等を介して燃料ガスの供給源に接続されている。また、第一アウターボディ12のうち接続ボディ11とは反対側の端部には、ノズルボディ14が連結される。ノズルボディ14は、有底筒状のシリンダ10の底部として機能するもので、その中央には、小径の貫通孔28が形成されている。この小径の貫通孔28は、燃料ガスが排出される排出孔28として機能する孔である。
【0022】
第二アウターボディ13は、接続ボディ11の外径とほぼ同じ大きさの内径を有しており、当該接続ボディ11の外側に嵌め込まれている。この第二アウターボディ13の外周面には、上位制御装置(図示せず)からの制御信号線が接続される信号コネクタ17が突出形成されている。この信号コネクタ17は、第一アウターボディ12の内部に収容された励磁コイル18に電気的に接続されている。
【0023】
このように四つの部材から構成されるシリンダ10は、上端面が完全開口され、かつ、下端に排出孔28が形成された底面を有する有底の筒状体となる。ここで、このシリンダ10のうち、接続ボディ11側端部における開口端が、燃料ガスがシリンダ10内に導入される導入口15である。さらに、その導入口15から下方に延びる孔は、燃料ガスが通る燃料通路16として機能する。さらに、ノズルボディ14の上端面、すなわち、ノズルボディ14のうちシリンダ10の内部に露出した面は、燃料ガスが排出される排出口27が形成されるとともに、弁体24が当接/離間する弁座面26として機能する。
【0024】
ここで、このシリンダ10の内部には、コイルユニット20、コイルスプリング21、および、弁体24が配置される。コイルユニット20は、駆動機構を構成する一部材で、略筒状の固定鉄心19の外周に励磁コイル18を巻回したユニットである。固定鉄心19は、電磁ステンレスなどの磁性材料から構成されており、その内径は、当該コイルユニット20の配置位置前後におけるシリンダ10内径とより少し小さい。この固定鉄心19の外周に巻回された励磁コイル18を通電することで、当該固定鉄心19が磁化される。このコイルユニット20は、シリンダ10の内部のうち、弁体24の可動範囲より上側の位置に配置されている。このコイルユニット20の配置を許容するために、当該配置位置におけるシリンダ10の内径は、大幅に拡大されている。
【0025】
コイルスプリング21は、弁体24の上側に配置されており、弁体24を弁座面26に近づく方向(固定鉄心19から離れる方向、図1,2における下方向)に付勢する。ただし、このコイルスプリング21の付勢力は、励磁コイル18を通電した際に固定鉄心19と弁体24との間に生じる磁気吸引力よりも小さい。したがって、励磁コイル18が通電された場合、弁体24は、当該コイルスプリング21の付勢力に抗して、固定鉄心19に近づく方向に移動する。一方、励磁コイル18への通電が停止された場合、弁体24は、当該コイルスプリング21から付勢力を受けて、固定鉄心19から離れる方向、すなわち、弁座面26に近づく方向に移動する。
【0026】
コイルユニット20およびコイルスプリング21の下側には、弁体24が配置されている。弁体24は、進退(昇降)することで、弁座面26に設けられた排出口27を開閉する部材である。この弁体24は、上述したとおり、磁化した固定鉄心19との間に磁気吸引力を生じさせ得る構成となっており、励磁コイル18への通電状況、ひいては、固定鉄心19の磁化状況に応じて、進退(昇降)する。すなわち、励磁コイル18が通電(固定鉄心19が磁化)された場合、弁体24は、固定鉄心19との間に生じる磁気吸引力により上昇し、弁座面26から離間する。この離間により排出口27が開放され、当該排出口27からの燃料ガスの排出が許容される。一方、励磁コイル18の通電が解除(固定鉄心19の磁化が解除)された場合、弁体24は、コイルスプリング21からの付勢力を受けて下降し、弁座面26に当接、密着する。この密着により排出口27が閉鎖され、当該排出口27からの燃料ガスの排出が禁止される。
【0027】
ここで、この弁体24周辺の構成について図3、図4を参照して詳説する。図3は、図1におけるA−A断面図である。また、図4は、弁体24周辺の拡大図である。既述したとおり、弁体24は、シリンダ10の内部空間のうち底部近傍に配置され、規定の進退量だけ進退可能となっている。以下では、シリンダ10の内部空間のうち、弁体24の可動範囲部分を、弁体収容空間と呼ぶ。この弁体収容空間の幅(すなわちシリンダ10の内径)は、図4に図示するとおり、大きく二段階に変化している。すなわち、弁体収容空間は、小径の上半分と、大径の下半分とに大別される。上半分の径d1は、弁体24の外径(突起部29除く)よりも大きく、かつ、弁体24の側面から突出する突起部29の外径よりも小さい。また、下半分の径d2は、弁体24の側面から突出する突起部29の外径とほぼ同じか、若干大きくなっている。
【0028】
この弁体収容空間の上半分と下半分との境界にはテーパ面30が形成されており、径が徐々に拡大するようになっている。別の見方をすれば、弁体収容空間の上半分と下半分との境界に90度超過の凹角が形成されている。このテーパ面30は、磁気吸引力により上昇しようとする弁体24の突起部29の上面に当接することで、弁体24のさらなる上昇を規制するリフト量規定面30として機能する。なお、このリフト量規定面30とシリンダ中心軸との成す角度αは、90度超過であれば特に限定されないが、望ましくは135度、より望ましくは165度超過である。また、この角度αは、177度未満であることが望ましい。
【0029】
本実施形態では、さらに、この弁体収容空間と弁座面26との境界部分にも、当該境界部分における凹角部の角度βが90度超過となるようなテーパ面(以下「案内面38」と呼ぶ)を形成している。この案内面38は、弁体収容空間の下端近傍まで流れてきた燃料ガスを、弁座面26の中央に形成された排出口27へと導く。なお、この案内面38とシリンダ内周面との成す角度βは、90度超過であれば特に限定されないが、125度から145度、特に135度であることが望ましい。
【0030】
次に弁体24について詳説する。本実施形態の弁体24は、材料が異なる二つの部材から構成されている。すなわち、弁体24は、非磁性金属材料(例えば300系ステンレス)からなる本体23と、磁性材料(例えば電磁ステンレス)からなるキャップ体22と、から構成されている。
【0031】
本体23は、中実の略円柱形部材である。この本体23の高さ方向中間位置からは径方向外側に突出する突起部29が二つ、180度対称位置に設けられている。この突起部29は、弁体24の進退方向をガイドするガイド部材として機能するとともに、リフト量規定面30に当接して弁体24の上昇量を規制するリフト量規制部材としても機能する。
【0032】
この突起部29は、弁体収容空間の下半分における半径とほぼ同じか、若干小さい半径(弁体24の中心から突起部29の先端31までの距離)を有している。そのため、この突起部29は、弁体24が水平方向に移動したり、傾斜したりしようとした際には、弁体収容空間の内周面に即座に当接し、干渉する。そして、この当接・干渉により弁体24の傾斜や水平移動が禁止されることになる。その結果、弁体24は、常に、シリンダ10と同軸線上において昇降することができる。つまり、突起部29は、弁体24の進退方向を案内するガイド部材として機能する。
【0033】
また、この突起部29は、収容空間の上半分における径よりも大径であるため、弁体24が上昇するとリフト量規定面30に当接し、干渉する。そして、この当接・干渉により、弁体24の更なる上昇が禁止される。その結果、弁体24の過剰な上昇が防止される。つまり、突起部29は、弁体24の上昇量を規制するリフト量規制部材としても機能する。
【0034】
なお、この説明で明らかなとおり、この突起部29の先端31は、弁体24の昇降に応じて、弁体収容空間の内周面に摺接する。また、突起部29の上端面は、弁体24が上昇するたびに、リフト量規定面30に衝突する。
【0035】
ところで、本実施形態では、この突起部29の上端面および下端面に、テーパを施している。そして、このテーパにより、突起部29の上端面と弁体24の外周面とが成す角度、および、突起部29上端面と弁体24の外周面とが成す角度が90度超過になるようにしている。別の見方をすれば、本実施形態では、この突起部29周辺における凹角部が、いずれも、90度超過となるように適宜、テーパを施している。かかる構成としているのは、燃料ガスの淀みを低減するためであるが、これについては後に詳説する。なお、突起部29の上端面と弁体24の外周面とが成す角度は、90度超過であれば特に限定されないが、原則的には、リフト量規定面30とシリンダ中心軸とが成す角度αと同じであることが望ましい。弁体24の底面には、弾性材料、例えば、ゴムなどからなる弾性シート25が配されている。この弾性シート25は、弁体24が弁座面26方向に下降した際に、当該弁座面26に密着し、排出口27周辺を気密にシールする。
【0036】
弁体24のキャップ体22は、弁体24の本体23の上面、すなわち、固定鉄心19に対向する面に固着された部材である。このキャップ体22と固定鉄心19との間に生じる磁気吸引力により弁体24が上昇するようになっている。このキャップ体22の上面は、中心から周縁に向かうにつれて低くなるように傾斜した略円錐状となっている。この傾斜面と弁体中心軸(シリンダ中心軸とほぼ同じ)との成す角度γは、90度超過であれば、特に限定されないが、125度から145度、特に135度であることが望ましい。かかる構成としているのは、燃料ガスの淀みを低減するためであるが、これについても後に詳説する。いずれにしても、これまでの説明で明らかなとおり、本実施形態では、弁体収容空間における凹角を全て90度超過としている。
【0037】
次に、駆動機構について説明する。駆動機構は、弁体24をシリンダ10内で進退(昇降)させるための機構で、既述したコイルユニット20や、コイルスプリング21などから構成される。コイルユニット20は、既述したとおり、磁性材料からなる固定鉄心19と当該固定鉄心19に巻回された励磁コイル18からなるユニットである。コイルスプリング21は、シリンダ10の内部に挿入され、弁体24を、固定鉄心19から離れる方向(弁座に当接する方向)に付勢する。
【0038】
以上のような構成のガス噴射装置における作用について説明する。導入口15から供給された燃料ガスは、シリンダ10の内部空間を流れる。弁体収容空間まで到達した燃料ガスは、弁体24の外周面とシリンダ10の内周面との間に形成される間隙を流れる。
【0039】
このとき、励磁コイル18の通電が解除されている場合、弁体24のキャップ体22と固定鉄心19との間に磁気吸引力は生じない。一方で、弁体24は、コイルスプリング21により固定鉄心19から離れる方向に付勢されているため、弁体24は、弁座に当接し、排出口27を閉鎖した閉状態となる。この場合、燃料ガスは、外部に排出されず、シリンダ10内部に滞留する。
【0040】
一方、励磁コイル18が通電状態の場合、弁体24のキャップ体22と固定鉄心19との間に磁気吸引力が生じる。この磁気吸引力を受けて、弁体24は、コイルスプリング21の付勢力に抗して、固定鉄心19に近づく方向(弁座から離れる方向)に移動する。この移動は、突起部29の上面がリフト量規定面30に当接するまで行われる。また、この移動の過程において、弁体24が、傾斜したり、水平方向に移動したりしようとしても、当該弁体24の外周面から突出した突起部29がシリンダ10の内周面に当接する。そのため、弁体24の傾斜等が防止され、弁体24は、常に、シリンダ10の中心軸に沿って移動することになる。そして、この移動により、弁体24が弁座から離間し、排出口27が開放された開状態となる。この場合、燃料ガスは、排出口27から排出孔28へと至り、外部へと噴射される。
【0041】
つまり、本実施形態において、シリンダ10の内部空間が燃料ガスの流れるガス流路となる。ここで、本来であれば、燃料ガスは、このガス流路に沿って、潤滑に流れることが望ましい。しかしながら、ガス流路の形状によっては、渦流が発生し、燃料ガスの淀みが生じる場合があった。
【0042】
例えば、図11に図示するような従来技術では、弁体101を有底の筒状にするとともに当該筒の内外に連通する横孔103を形成していた。そして、この弁体101の内部空間102が、燃料ガスの通るガス流路となっていた。しかしながら、かかる構成とした場合、燃料ガスは、弁体24の底面近傍において、略90度屈曲しなければ弁体24の外部に流出できない。しかし、かかる流れの急変を潤滑に行うことは難しく、当該流れの急変部分で渦流、ひいては、燃料ガスの淀みが生じる場合があった。
【0043】
また、この従来技術では、弁体24の外周囲に板バネ106など、空間を分断する部材が多く配されており、弁体24の周囲に微小な間隙104(図11において墨ハッチングを施した範囲)が多数形成される構成となっていた。かかる微小な間隙104に、一度、燃料ガスが流入すると、その場において留まり、淀みの原因となることが多かった。こうした燃料ガスの淀みは、各種部材の腐食を促進し、ひいては、ガス噴射装置の寿命を低下させていた。
【0044】
そこで、本実施形態では、燃料ガスに起因する部品の腐食をより低減し得るようにシリンダ10や弁体24などを特殊な構成としている。すなわち、既述したとおり、本実施形態では、弁体収容空間における凹角を、すべて、90度超過となるようにしている。具体的には、リフト量規定面30の成す角度α、突起部29の上面および下面の成す角度、および、案内面38の成す角度βの全てを、90度超過としている。さらに、弁体24の上面と中心軸とのなす角度γも、90度超過としている。
【0045】
かかる構成とすることで、燃料ガスを急激に屈曲させることなく、シリンダ10の底まで導くことができる。その結果、渦流の発生、ひいては、燃料ガスの淀みを低減できる。そして、燃料ガスの淀みを低減することにより、長時間、一つの部材が燃料ガスに接触することが低減される。特に、当該ガス噴射装置が搭載された車両が駐停車された場合には、当該ガス噴射装置も駆動停止される。この停止時点において、凹角で滞留した燃料ガスは、次回の車両起動時まで、その場に留まることになる。かかる長期に渡る燃料ガスの滞留は、ガス滞留位置周辺の部品の腐食、ひいては、ガス噴射装置の寿命低下を招く。一方、本実施形態では、かかる燃料ガスの滞留が大幅に低減されるため、燃料ガスに起因する部品の腐食、ひいては、ガス噴射装置の寿命低下を防止することができる。
【0046】
また、図11に図示するような従来のガス噴射装置では、弁体24全体を磁性材料で構成していた。しかし、磁性材料は、一般に、燃料ガスに含まれる凝縮成分に対する耐食性が乏しく、かかる磁性材料で弁体24全体を構成した場合、当該弁体24の寿命が低下するという問題があった。特に、突起部29が腐食すると、弁体24の上昇量に影響を及ぼし、ひいては、燃料ガスの射出量が低下する恐れがあった。
【0047】
本実施形態では、既述したとおり、弁体24のうち、固定鉄心19との間で磁気吸引力を生じさせるために必要な部分、すなわち、弁体24の上面部分のみを磁性材料で構成している。そして、突起部29を含む他の部分については、耐食性に優れた金属材料で構成している。かかる構成とすることで、上昇力(磁気吸引力)を確保しつつも、弁体24の腐食の可能性を大幅に低減することができる。そして、その結果、ガス噴射装置の寿命を向上させることができる。
【0048】
以上、説明したように、本実施形態によれば、燃料ガスの淀みを低減できる。また、耐食性に乏しい磁性材料の露出量を低減できる。その結果、部品の腐食を低減でき、ひいては、ガス噴射装置の寿命を向上させることができる。
【0049】
なお、これまで説明した構成は一例であり、燃料ガスの滞留を低減でき得る構成であれば、各部の構成は適宜、変更されてもよい。例えば、図5に図示するように、突起部29の高さ、特に、シリンダ10の内周面と接触する先端31の高さを大きくしてもよい。かかる構成とした場合、弁体24の周方向へのブレが低減される。
【0050】
また、上述の説明では、中実の弁体24を用いていたが、図6に図示するような、中空の弁体24を用いてもよい。かかる構成とすることで、弁体24を軽量化でき、弁体24の駆動速度を向上することができる。
【0051】
また、上述の説明では、弁体24の上面に磁性材料を露出させていたが、磁性材料を弁体24の内部に埋め込むようにしてもよい。例えば、図7に図示するように、弁体24を、本体23、コア体32、キャップ体22の三部材から構成してもよい。この場合、本体23は、非磁性金属材料からなり、有底円筒形となっている。また、コア体32は、磁性材料からなる部材で、円筒形の本体23の内部に配置される。そして、キャップ体22は、このコア体32の上面を覆うべく弁体24の上面に配置される部材で、非磁性金属材料からなる。かかる三部材で弁体24を構成した場合、磁性材料からなるコア体32は、非磁性金属材料からなる本体23およびキャップ体22により、完全に覆われる。その結果、当該コア体32が燃料ガスに接触することはなくなり、燃料ガスに含まれる腐食成分によりコア体32が腐食することが防止される。
【0052】
また、磁性材料からなる固定鉄心19も、非磁性金属材料で覆うようにしてもよい。例えば、図7に図示するように、略円筒状の固定鉄心19の内側に嵌め込まれる円筒状のカバー体11aを接続ボディ11の下端から突出形成し、当該カバー体11aで、固定鉄心19の内周面を覆うようにしてもよい。かかる構成とすることで固定鉄心19の燃料ガスへの接触が防止され、当該燃料ガスによる固定鉄心19の腐食も防止される。
【0053】
また、弁体24の外周面とシリンダ10の内周面との間隙だけでなく、弁体24の内部もガス流路として機能させてもよい。すなわち、図8に図示するように、弁体24を、有底で、上面が完全開口された略円筒形状とし、当該円筒の下端近傍に、弁体24の外側に抜ける横孔33を形成してもよい。かかる構成とすることで、ガス流路の断面積を広げることができ、より多量の燃料ガスを取り扱うことができる。また、弁体24の重量も軽量化されるため、弁体24の駆動速度の向上も図ることができる。なお、図8では、弁体24の内側底面を水平面としているが、当該内側底面を中心軸線上が最も高くなるように傾斜した略錐状としてもよい。かかる形状とすることで、燃料ガスの急激な屈曲を防止でき、燃料ガスの滞留を低減できる。また、かかる構成とする場合には、弁体24の外周面とシリンダ10の内周面との間隙幅や、横孔33の径などを最適化し、どちらかの経路に流れが偏らないようにすることが望ましい。
【0054】
次に、このガス噴射装置が組み込まれる燃料供給システムについて図9を参照して説明する。図9は、他の本発明の実施形態である燃料供給システムの概略構成図である。この燃料供給システムは、ガス噴射装置内での燃料ガスの滞留をより低減するために、特殊な制御を実行するようになっている。
【0055】
この燃料供給システムは、上述したようなガス噴射装置51の他に、液体燃料を貯留する液体燃料タンク41や、水を貯留する水タンク43、水と液体燃料とを混合気化させて燃料ガス(改質ガス)を生成する改質器48、これらタンク41,43や改質器48に配管を介して接続されたポンプ45,46,54やバルブ55などを備えている。液体燃料タンク41には、燃料ガスの原料となる液体炭化水素系燃料やアルコール系燃料などの液体燃料が貯留されている。この液体燃料タンク41に貯留されている液体燃料は、適宜、第一ポンプ45により汲み上げられ、改質器48に供給される。また、液体燃料タンク41には、パージ用ライン53も接続されている。このパージ用ライン53は、切替バルブ55を介して液体燃料タンク41とガス噴射装置51とを接続する配管である。液体燃料タンク41に貯留された液体燃料は、第三ポンプ54により汲み上げられ、パージ用ライン53、切替バルブ55を経て、ガス噴射装置51に直接供給される場合もあるが、これについては、後に詳説する。
【0056】
水タンク43は、配管を介して改質器48に接続されており、適宜、当該水タンク43に貯留された水が改質器48に供給されるようになっている。改質器48には、改質触媒47が設けられている。この改質触媒に液体燃料および水を供給し加熱することで、水素、一酸化炭素、メタン、二酸化炭素などを主成分とする燃料ガス(改質ガス)が生成される。この改質器48にはガス供給ライン50が接続されており、当該改質器48で生成された燃料ガスは、ガス供給ライン50、切替バルブ55を経て、ガス噴射装置51に供給される。
【0057】
切替バルブ55は、ガス噴射装置51の接続先を、ガス供給ライン50(ひいては改質器48)またはパージ用ライン53(ひいては液体燃料タンク41)のいずれか一方に切り替えるバルブである。この切替バルブ55の切替により、ガス噴射装置51が改質器48に接続された場合、当該ガス噴射装置51には燃料ガスが供給されることになる。逆に、ガス噴射装置51が液体燃料タンク41に接続された場合、当該ガス噴射装置51には液体燃料が供給されることになる。この切替バルブの駆動は、図示しない制御装置により制御される。ガス噴射装置51は、供給された燃料ガスや液体燃料をエンジン52などの駆動源に供給するもので、図1〜図8を用いて説明したような構成であればよい。
【0058】
制御装置は、上述した切替バルブ55やポンプ45,46,54、ガス噴射装置51などの駆動を制御するものである。また、この制御装置は、車両やエンジンの運転状況を検出する各種センサにも接続されており、車両等の運転状況、例えば、車速などを取得できるようになっている。本実施形態では、この制御装置による制御を特殊なものとすることで、ガス噴射装置51における燃料ガスの滞留を低減している。
【0059】
具体的には、制御装置は、通常時には燃料ガスが、エンジンの停止直前には液体燃料が、ガス噴射装置51に供給されるように切替バルブ55の駆動を制御する。かかる制御とすることで、エンジン停止前にガス噴射装置51に残留した燃料ガスが、液体燃料により洗い流される。そして、エンジン停止前に燃料ガスが洗い流されることで、車両駐車時のように、長時間、ガス噴射装置51が駆動されない場合に、燃料ガスがガス噴射装置51内に滞留することが防止される。
【0060】
ところで、上記制御を実行するためには、制御装置において、エンジン停止直前か否かを判断する必要がある。かかる判断の方法としては、種々考えられるが、例えば、車両の速度が一定基準値以下になった場合には、エンジン停止直前と判断するようにしてもよい。すなわち、制御装置は、車速センサでの検出値と、予め記憶手段(例えばメモリなど)に記憶された基準値と、を定期的に比較する。そして、比較の結果、検出された車速が、基準値以下の場合には、切替バルブ55を駆動してガス噴射装置51に液体燃料タンク41を接続し、要求されるエンジン駆動に必要な量の液体燃料がガス噴射装置51に供給されるようにすればよい。
【0061】
図10は、かかる制御を行った場合の運転イメージを示す図である。図10において、縦軸は、車速を横軸は時間を示している。車速が基準速度X以上となる時刻aから時刻bまでの間、制御装置は、ガス噴射装置51に燃料ガスが供給されるように切替バルブ55を駆動する。そして、時刻b以降において、車速が基準速度X未満となれば、制御装置は、車両、ひいては、エンジン52が近く停止する可能性が高いと判断する。この場合、制御装置は、ガス噴射装置51に液体燃料が供給されるように切替バルブ55を駆動する。このバルブ55の駆動により、ガス噴射装置51には液体燃料が供給され、内部に残留している燃料ガスが洗い流される。したがって、その後、車両が駐車され、ガス噴射装置51が長時間駆動されない状況になったとしても、当該ガス噴射装置51の各種部品が燃料ガスにより腐食する可能性を低減できる。
【0062】
その後、再び車両が駆動し始めたとしても、車速が基準速度X未満である時刻cまでは、ガス噴射装置51には液体燃料が供給される。そして、車速が基準速度X以上となる時刻cから時刻dまでの間、制御装置は、ガス噴射装置51に燃料ガスを供給する。そして、再び、車速が基準速度X未満となれば、ガス噴射装置51に液体燃料が供給されるように切替バルブ55を駆動する。これにより、残留した燃料ガスが洗い流される。そして、結果として、ガス噴射装置51の寿命を向上することができる。
【0063】
なお、上述した例では、エンジン52が停止直前か否かを、車速と基準速度Xとの比較結果のみで判断しているが、当然、他のパラメータに基づいて判断してもよい。例えば、車速だけでなく、加速度も検出または算出し、車速が基準速度X未満かつ加速度が0以下(減速または一定速度状態)の場合に、エンジン52が停止直前であると判断するようにしてもよい。かかる構成とすることで、エンジン停止直前か否かの判断をより正確に行うことができる。なお、この場合、図10における時刻bから時刻c´までの間、および、時刻d以降は、液体燃料が供給されるが、時刻c´から時刻cまでの間は、燃料ガスが供給されることになる。また、別の態様として、エンジンの回転数などに基づいてエンジン停止直前か否かを判断するようにしてもよい。
【0064】
いずれにしても、エンジン停止直前に液体燃料をガス噴射装置51に流すことにより、当該ガス噴射装置51の内部に残留する燃料ガスを洗い流すことができ、燃料ガスによる部品腐食の可能性を低減できる。そして、結果として、ガス噴射装置51の寿命を向上することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 シリンダ、15 導入口、16 燃料通路、18 励磁コイル、19 固定鉄心、21 コイルスプリング、22 キャップ体、23 本体、24 弁体、26 弁座面、27 排出口、29 突起部、30 リフト量規定面、41 液体燃料タンク、43 水タンク、48 改質器、51 ガス噴射装置、52 エンジン、55 切替バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、燃料ガスを噴射するガス噴射装置であって、
燃料ガスが通る空洞が形成された有底円筒状のシリンダと、
前記シリンダの内側底面であって、前記燃料ガスの排出口が形成された弁座と、
前記シリンダの内部空間に設けられ、前記弁座に対して進退することで前記排出口を開閉する弁体と、
を備え、
前記ガス流路は、前記弁体の外周面と前記シリンダの内周面との間の間隙を含む、ことを特徴とするガス噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載のガス噴射装置であって、
前記シリンダは、内部空間のうち前記弁体が進退する範囲である弁体収容空間における凹角が90度超過となる形状である、ことを特徴とするガス噴射装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のガス噴射装置であって、
前記弁体は、その上面と前記シリンダの長軸との成す角度が90度超過となるように、上面が略円錐状である、ことを特徴とするガス噴射装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のガス噴射装置であって、さらに、
磁力により前記弁体を進退させる駆動機構を備え、
前記弁体は、前記磁力を受ける磁性材料と、前記燃料ガスに対する耐腐食性が前記磁性材料より高い非磁性金属材料と、から構成される、
ことを特徴とするガス噴射装置。
【請求項5】
請求項4に記載のガス噴射装置であって、
前記弁体は、
非磁性金属材料からなる本体と、
前記本体の上側に固着されるとともに磁性材料からなるバルブキャップと、
を有することを特徴とするガス噴射装置。
【請求項6】
請求項4に記載のガス噴射装置であって、
前記弁体は、
磁性材料からなるコア体と、
非磁性金属材料からなり、前記コア体を完全に内部に収容する本体と、
を有することを特徴とするガス噴射装置。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項に記載のガス噴射装置であって、
前記駆動機構は、
磁性材料からなり、前記シリンダの内周面に貼着された固定鉄心と、
非磁性金属材料からなり、前記固定鉄心の外表面を覆うカバー体と、
を備えることを特徴とするガス噴射装置。
【請求項8】
駆動源への燃料供給を制御する燃料供給システムであって、
請求項1から7のいずれか1項に記載のガス噴射装置と、
前記ガス噴射装置に燃料ガスまたは液体燃料を択一的に供給する供給機構と、
前記駆動源または当該駆動源が搭載された車両の運転状況を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、前記駆動源の駆動停止を予測するとともに、駆動停止が予測された場合には、前記供給機構に対して液体燃料の供給を指示する制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−276004(P2010−276004A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132551(P2009−132551)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】