ガラス基板搬送用ボックス
【課題】 ガラス基板搬送用ボックスの転倒時においても、収容されるガラス基板への衝撃を低減させ、また、複数個のガラス基板搬送用ボックスを搬送用の箱に収容する場合に、隣り合うボックスの間に均一に空間を設け、搬送作業の効率を向上させることが可能な構造を有するガラス基板搬送用ボックスを提供する。
【解決手段】 本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125が、ガラス基板101の平面が対向する側壁112,114の外壁面において、外方に向かって突出し、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けられている。
【解決手段】 本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125が、ガラス基板101の平面が対向する側壁112,114の外壁面において、外方に向かって突出し、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、素板ガラス、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示体用ガラス基板、蛍光表示管、サーマルヘッド用ガラス基板、カラーフィルターなどの各種のガラス基板、または、これらのガラス基板を用いて製造した完成パネルなどのガラス基板を搬送するためのガラス基板搬送用ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラスメーカ、カラーフィルターメーカー、デバイスメーカーの相互間におけるガラス基板(完成パネルを含む)の搬送のために、下記特許文献1に開示されるような、樹脂発泡材料から成型されるガラス基板搬送用ボックスが用いられている。
【0003】
このようなガラス基板搬送用ボックスには、内部に収容されるガラス基板を外部からの衝撃から守るために、軽量でありながらも衝撃吸収効果の高い樹脂発泡材料が用いられている。しかし、ボックスの外形は六面体からなり、側面は平面であるために、ガラス基板搬送用ボックスが転倒した場合には、側面の全面から衝撃が加わるおそれがある。特に、近年ガラス基板の大型化によりガラス基板搬送用ボックスが大型化する傾向にあり、ガラス基板搬送用ボックスが転倒した際に、ガラス基板に生じる衝撃も大きくなってきている。
【0004】
また、ガラス基板搬送用ボックスの搬送時には、複数のボックスを搬送用の箱(ダンボール箱等)に収容するが、この場合も、衝撃を吸収する目的から、隣り合うボックスの間に空間を設け、この空間に衝撃吸収部材を詰め込む作業が行なわれる。しかし、ボックス間の空間の大きさは不均一になりやすく、空間が十分に設けられない場合もあり、搬送作業の効率を低下させるおそれもある。
【特許文献1】特開平7−132986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、ガラス基板搬送用ボックスの転倒時におけるガラス基板への衝撃が大きいこと、また、複数個のガラス基板搬送用ボックスを搬送用の箱に収容する場合に、隣り合うボックスの間に効率よく均一な空間を設けることができないことである。
【0006】
したがって、この発明の目的は、ガラス基板搬送用ボックスの転倒時においても、収容されるガラス基板への衝撃を低減させることが可能な構造を有するガラス基板搬送用ボックスを提供することにある。また、複数個のガラス基板搬送用ボックスを搬送用の箱に収容する場合に、隣り合うボックスの間に均一に空間を設け、搬送作業の効率を向上させることが可能な構造を有するガラス基板搬送用ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に基づいたガラス基板搬送用ボックスにおいては、ガラス基板を搬送するために用いられるガラス基板搬送用ボックスであって、上記ガラス基板を収容するための開口領域を有し、その内部において上記ガラス基板の収容が可能な本体容器と、上記開口領域を開閉するための蓋部材とを備え、上記本体容器の外壁面には、外方に向かって突出し、線状に延びる本体容器側凸状部が設けられている。
【0008】
また、上記発明の他の形態においては、上記本体容器側凸状部は、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けられている。また、上記発明の他の形態においては、上記本体容器側凸状部は、上記ガラス基板の平面が対向する側壁の外壁面に設けられる。また、上記発明の他の形態においては、上記蓋部材の外壁面には、外方に向かって突出し、線状に延びる蓋部材側凸状部が設けられる。また、上記発明の他の形態においては、上記本体容器側凸状部と上記蓋部材側凸状部とは、連続するように設けられる。
【発明の効果】
【0009】
この発明に基づいたガラス基板搬送用ボックスによれば、本体容器の外壁面に線状に延びる本体容器側凸状部を設けることで、ガラス基板搬送用ボックスが転倒した場合には、まず、外方に向かって突出する本体容器側凸状部により転倒時の衝撃を受け、この本体容器側凸状部において衝撃を吸収することが可能となる。その結果、側面全面で衝撃を吸収する場合よりも、ガラス基板に与える衝撃を緩和させることが可能となる。また、不必要に、ガラス基板搬送用ボックスの厚みを増加させる必要ないため、ガラス基板搬送用ボックスの質量増加を招くこともない。
【0010】
また、複数のガラス基板搬送用ボックスを、搬送用の箱に収容した場合、隣り合うボックスの側面、または、隣り合うボックスの本体容器側凸状部に、本体容器側凸状部が当接することから、確実に、隣り合うガラス基板搬送用ボックスの間に所定の空間を形成することが可能となる。その結果、この空間に容易に衝撃吸収部材を詰め込むことができ、搬送作業の効率を向上させることが可能となる。
【0011】
また、蓋部材の外壁面にも、外方に向かって突出し、線状に延びる蓋部材側凸状部を設けることで、本体容器側凸状部を設ける場合と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0012】
また、本体容器側凸状部を、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けることで、ガラス基板搬送用ボックスの転倒時に順次本体容器側凸状部が設置面に当接することから、効果的に衝撃を緩和させることが可能となる。また、ガラス基板搬送用ボックスの成型時においても、材料の充填方向、成型品の抜き方向に一致することから、本体容器側凸状部をガラス基板搬送用ボックスと同一の材料により一体成型することが可能となる。
【0013】
また、搬送用の箱に収容した場合には、隣接するガラス基板搬送用ボックスのの間に生じる空間は、衝撃吸収部材を詰め込む方向に延びる空間となることから、容易に衝撃吸収部材を詰め込むことが可能となる。
【0014】
また、本体容器側凸状部を、ガラス基板の平面が対向する側壁の外壁面に設けることで、ガラス基板の衝撃に対して弱い面に加わる衝撃を緩和させることが可能となり、効果的にガラス基板への衝撃の印加を回避することが可能となる。
【0015】
また、上記本体容器側凸状部と上記蓋部材側凸状部とを連続するように設けることで、上述した本体容器側凸状部を設けることによって得られる作用効果と同様の作用効果をえることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明に基づいた各実施の形態における、ガラス基板搬送用ボックスについて、図を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
まず、図1および図2を参照して、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100の構造について説明する。なお、図1は、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を閉じた状態)である、図2は、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を開けた状態)である。
【0018】
(ガラス基板搬送用ボックス100の構造)
このガラス基板搬送用ボックス100は、ガラス基板101を収容するための開口領域111Aを有し、その内部において複数枚のガラス基板101の収容が可能な、有底の本体容器110と、開口領域111Aを開閉可能に閉塞する蓋部材120と有している。本体容器110は、底面部と、4辺を取囲む側壁111,112,113,114とを有する方形の容器形状を有している。また、蓋部材120は、天面部と、4辺を取囲む側壁121,122,123,124とを有する方形の容器形状を有している。
【0019】
本体容器110および蓋部材120はいずれも、発泡倍率3倍〜30倍の樹脂発泡部材で構成されている。本体容器110および蓋部材120の各部の厚さは、強度を考慮して、15mm〜100mm程度である。また、本体容器110の内面(または内面と外面)の表面は、壁内部よりも緻密なスキン構造に形成されていることが望ましい。この場合、スキン構造の表面から1mm深さまでの部分の密度は、内部の密度(発泡倍率が10倍であればほぼ0.1となる)よりも1.5倍以上、好ましくは2倍以上大きくすることが好ましい。樹脂発泡部材で作製したときの蓋部材120の表面も、同様のスキン構造とすることが好ましい。表面のみを緻密なスキン構造にすることは、発塵性の防止、強度の向上の点で有利となる。
【0020】
樹脂発泡部材としては種々の樹脂の発泡部材が用いられるが、ポリオレフィン系発泡部材が好ましい。ポリオレフィン系発泡部材としては、ポリエチレン系(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等、あるいはこれらのブレンド物を含む)発泡部材、ポリプロピレン系発泡部材などがあげられる。また、他の好ましい発泡部材としては、ポリスチレン・ポリエチレン共重合体があげられる。
【0021】
樹脂発泡部材の発泡倍率は3倍〜30倍、好ましくは4倍〜25倍の範囲に設定される。発泡倍率が3倍未満では軽量化、ガラス基板保護性(クッション性)の付与、断熱性付与などの目的を充分には達成しえず、一方発泡倍率が30倍を越えるときは強度が不足し、弾力性も過多となる。
【0022】
樹脂発泡部材は、好適には、発泡剤を含むポリオレフィン系ビーズまたはその一次発泡部材を金型内充填し、所定の温度に加熱することにより製造される。発泡剤としては揮発性発泡剤、化学分解型発泡剤などが用いられ、2種以上の発泡剤を組み合わせて用いることもできる。ビーズ発泡法は低圧発泡であるので、金型としてはアルミニウム型のような低コストの金型を用いることができる。このようなビーズ発泡法に代え、他の方式の発泡法を採用することも可能である。
【0023】
本体容器110の内面の相対向する一対の面には、発泡成形と同時にガラス基板101を支持するための支持溝M1が形成されている。なお、図1においては、本体容器110の内面の相対向する他の一対の面には支持溝M1を形成していないが、他の寸法のガラス基板101を収容可能にするために、他の一対の面にも支持溝M1を設けることも可能である。なお、支持溝M1は、本体容器110の内面に一体成型するだけでなく、別部材により成型し、本体容器110の内面に固定する構成を採用することも可能である。
【0024】
支持溝M1は、ガラス基板101のエッジ部を挿入できる深さおよび幅を有し、ガラス基板101を挿入した状態である程度の余裕があるように設定する。溝数は任意に設定できるが、ガラス基板101の収容数やガラス基板101を収容した状態で人が運ぶことのできる重量も考慮して、ボックス1個当り片側内面で15条〜50条程度の溝数とすることが好ましい。
【0025】
TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガラス基板や液晶セルの完成パネルを収容するときは、ボックスの少なくとも本体容器110は、導電性ポリマーや帯電防止性物質を数%〜数10%含有させた樹脂を発泡させるなどの方法により、体積固有抵抗値が1×103Ω・cm〜1×1012Ω・cmの樹脂発泡部材とすることが望ましい。これにより必要な帯電防止性が得られる。
【0026】
(リブの取り付け構造)
次に、上記構造からなるガラス基板搬送用ボックス100の本体容器110の外壁面に設けられる、本体容器側凸状部としての本体容器側リブ115および蓋部材側凸状部としての蓋部材側リブ125について説明する。図1および図2に示すように、本体容器側リブ115は、ガラス基板101の平面が対向する側壁112,114の外壁面において、外方に向かって突出し、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けられている。本実施の形態においては、平行に配置された2本の本体容器側リブ115が、側壁112,114の外壁面のそれぞれに設けられている。
【0027】
図3に示すように、本体容器側リブ115は、横断面形状が、略台形形状を有し、上辺の長さ(L1)5mm〜100mm程度、下辺の長さ(L2)20mm〜300mm程度、高さ(h1)5mm〜100mm程度である。また、本体容器側リブ115の上下端面部分には、所定の丸みが形成されている。また、本体容器側リブ115の側壁112,114に対する取り付け位置としては、効果的に衝撃吸収を実現させるためには、支持溝M1よりも内側に設けるか、または、支持溝M1と同じ列となるように設けることが好ましい。
【0028】
また、この本体容器側リブ115は、底側から開口領域側にかけて線状に設けられていることから、本体容器110の成型時においても、材料の充填方向、成型品の抜き方向に一致し、本体容器側リブ115を本体容器110と同一の材料により一体成型することを可能としている。
【0029】
また、蓋部材側リブ125においても、上記本体容器側リブ115と同様に、ガラス基板101の平面が対向する側壁122,124の外壁面において、外方に向かって突出し、開口領域側から天面にかけて線状に延びるように設けられている。本実施の形態においては、平行に配置された2本の蓋部材側リブ115が、側壁122,124の外壁面のそれぞれに設けられている。また、上記本体容器側リブ115と連続するように設けられている。
【0030】
なお、本実施の形態においては、本体容器110に対して蓋部材120を閉じた場合には、本体容器側リブ115と蓋部材側リブ125とが当接する形態を採用しているが、本体容器110に対して蓋部材120を閉じた場合に、本体容器側リブ115と蓋部材側リブ125との間に、ある程度の隙間を生じさせることも可能である。また、蓋部材側リブ125の横断面形状は、図3に示すように、本体容器側リブ115と同様の断面形状としている。
【0031】
この蓋部材側リブ125においても、本体容器側リブ115と同様に、開口領域側から天面側にかけて線状に設けられていることから、蓋部材120の成型時においても、材料の充填方向、成型品の抜き方向に一致し、蓋部材側リブ125を本体容器側リブ115と同一の材料により一体成型することを可能としている。
【0032】
(作用・効果)
以上、この発明に基づいたガラス基板搬送用ボックス100によれば、本体容器110の外壁面に線状に延びる本体容器側リブ115を設けることで、ガラス基板搬送用ボックス100が転倒した場合には、まず、外方に向かって突出する本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125により転倒時の衝撃を受け、この本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125において衝撃を吸収することが可能となる。
【0033】
また、本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125を、底側から天面側にかけて線状に延びるように設けることで、ガラス基板搬送用ボックス100の転倒時に順次本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125が設置面に当接することから、効果的に衝撃を緩和させることができる。さらに、本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125を、ガラス基板101の平面が対向する側壁112,114,122,124の外壁面に設けることで、ガラス基板101の衝撃に対して弱い面に加わる衝撃を緩和させることが可能となり、効果的にガラス基板101への衝撃の印加を回避することができる。
【0034】
その結果、側面112,114の全面で衝撃を吸収する場合よりも、ガラス基板101に与える衝撃を緩和させることが可能となる。また、不必要に、ガラス基板搬送用ボックス100の厚みを増加させる必要ないため、ガラス基板搬送用ボックス100の質量増加を招くこともない。
【0035】
また、複数のガラス基板搬送用ボックス100を搬送用の箱に収容した場合、図4の平面図に示すように、隣り合うボックス100の側面、または、隣り合うボックスの本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125に、本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125が当接することから、確実に、隣り合うガラス基板搬送用ボックス100の間に所定の空間を形成することが可能となる。その結果、この空間に容易に発泡材料等からなる衝撃吸収部材200を容易に詰め込むことができ、搬送作業の効率を向上させることができる。
【0036】
(実施の形態2)
次に、図5を参照して、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100Aの構造について説明する。本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100Aの基本的な構成は、上述のガラス基板搬送用ボックス100と同じであり、相違点は内壁面に支持溝M1が形成されいない側壁である本体容器110の側壁111,113、および、蓋部材120の側壁121,123の外壁面にも、それぞれ本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125が設けられている点にある。この構成からなるガラス基板搬送用ボックス100Aにおいても、上述のガラス基板搬送用ボックス100と同じ作用効果が得られるとともに、側壁111または側壁113にガラス基板搬送用ボックス100が倒れた場合であっても、ガラス基板110への衝撃を緩和させることできる。
【0037】
また、複数のガラス基板搬送用ボックス100Aを搬送用の箱に収容した場合でも、側壁111または側壁113において、確実に隣り合うガラス基板搬送用ボックス100Aの間に所定の空間を形成することができ、容易に発泡材料等からなる衝撃吸収部材200を詰め込むことができる。
【0038】
(実施の形態3)
次に、図6を参照して、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100Bの構造について説明する。本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100Bの基本的な構成は、上述のガラス基板搬送用ボックス100Aと同じであり、相違点は、本体容器110の底面において、本体容器側リブ116を延長するように設けるとともに、蓋部材120の天面124においても、蓋部材側リブ126を延長するように設けたものである。
【0039】
この構成からなるガラス基板搬送用ボックス100Bにおいても、上述のガラス基板搬送用ボックス100Aと同じ作用効果が得られるとともに、積重ねた状態で、ガラス基板搬送用ボックス100Bを搬送用の箱に収容した場合でも、上下のガラス基板搬送用ボックス100Bの間に所定の空間が形成され、ガラス基板101に加わる衝撃を緩和させることが可能となる。
【0040】
なお、ガラス基板搬送用ボックスへの本体容器側リブおよび蓋部材側リブを設ける位置は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、様々な形態が採用される。たとえば、図7に示すように、側面に3列となるように本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125を設ける構成、図8に示すように、2列に配置された本体容器側リブ115の間において、本体容器側リブ115に対して交差する方向に予備リブ117を設ける構成の採用も可能である。
【0041】
さらに他の形態としては、図9に示すように、本体容器110および蓋部材120の側面に相互に交差する「×」形状の本体容器側リブ118および蓋部材側リブ128を設ける構成、図10に示すように、本体容器110および蓋部材120の側面を横方向に取囲む形態からなる、本体容器側リブ119および蓋部材側リブ129を設ける構成の採用も可能である。なお、予備リブ117、本体容器側リブ118,119および蓋部材側リブ128,129に関しては、本体容器110および蓋部材120とは異なる部材を、貼着等の方法を用いることに容易に形成することも可能である。
【0042】
さらに、上述した各リブの横断面形状としては、図3および図11(a)に示す台形形状の断面形状を採用した場合について説明しているが、図11(b)に示す四角形断面形状、図11(c)に示す半円形断面形状、図11(d)に示す三角形断面形状、図11(e)に示す半円形と四角形との組み合わせからなる断面形状、図11(f)に示す矢印型断面形状等の採用も可能である。
【0043】
したがって、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明に基づいた実施の形態1におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を閉じた状態)である。
【図2】この発明に基づいた実施の形態1におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を開けた状態)である。
【図3】この発明に基づいた実施の形態1における本体容器側リブおよび蓋部材側リブの横断面形状を示す断面図である。
【図4】この発明に基づいた実施の形態1におけるガラス基板搬送用ボックスを複数配置した状態を示す平面模式図である。
【図5】この発明に基づいた実施の形態2におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を閉じた状態)である。
【図6】この発明に基づいた実施の形態3におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を閉じた状態)である。
【図7】この発明に基づいた他の実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスに設けられる本体容器側リブおよび蓋部材側リブの配置パターンを示す側面図である。
【図8】この発明に基づいた他の実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスに設けられる本体容器側リブおよび蓋部材側リブの他の配置パターンを示す側面図である。
【図9】この発明に基づいた他の実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスに設けられる本体容器側リブおよび蓋部材側リブのさらに他の配置パターンを示す側面図である。
【図10】この発明に基づいた他の実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスに設けられる本体容器側リブおよび蓋部材側リブのさらに他の配置パターンを示す側面図である。
【図11】この発明に基づいた他の実施の形態における本体容器側リブおよび蓋部材側リブの横断面形状を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
100,100A ガラス基板搬送用ボックス、100B ガラス基板搬送用ボックス、101 ガラス基板、110 本体容器、111A 開口領域、111,112,113,114,121,122,123,124 側壁、115,116,118,119 本体容器側リブ、117 予備リブ、120 蓋部材、124 天面、125,126,128,129 蓋部材側リブ、200 衝撃吸収部材、M1 支持溝。
【技術分野】
【0001】
この発明は、素板ガラス、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示体用ガラス基板、蛍光表示管、サーマルヘッド用ガラス基板、カラーフィルターなどの各種のガラス基板、または、これらのガラス基板を用いて製造した完成パネルなどのガラス基板を搬送するためのガラス基板搬送用ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラスメーカ、カラーフィルターメーカー、デバイスメーカーの相互間におけるガラス基板(完成パネルを含む)の搬送のために、下記特許文献1に開示されるような、樹脂発泡材料から成型されるガラス基板搬送用ボックスが用いられている。
【0003】
このようなガラス基板搬送用ボックスには、内部に収容されるガラス基板を外部からの衝撃から守るために、軽量でありながらも衝撃吸収効果の高い樹脂発泡材料が用いられている。しかし、ボックスの外形は六面体からなり、側面は平面であるために、ガラス基板搬送用ボックスが転倒した場合には、側面の全面から衝撃が加わるおそれがある。特に、近年ガラス基板の大型化によりガラス基板搬送用ボックスが大型化する傾向にあり、ガラス基板搬送用ボックスが転倒した際に、ガラス基板に生じる衝撃も大きくなってきている。
【0004】
また、ガラス基板搬送用ボックスの搬送時には、複数のボックスを搬送用の箱(ダンボール箱等)に収容するが、この場合も、衝撃を吸収する目的から、隣り合うボックスの間に空間を設け、この空間に衝撃吸収部材を詰め込む作業が行なわれる。しかし、ボックス間の空間の大きさは不均一になりやすく、空間が十分に設けられない場合もあり、搬送作業の効率を低下させるおそれもある。
【特許文献1】特開平7−132986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、ガラス基板搬送用ボックスの転倒時におけるガラス基板への衝撃が大きいこと、また、複数個のガラス基板搬送用ボックスを搬送用の箱に収容する場合に、隣り合うボックスの間に効率よく均一な空間を設けることができないことである。
【0006】
したがって、この発明の目的は、ガラス基板搬送用ボックスの転倒時においても、収容されるガラス基板への衝撃を低減させることが可能な構造を有するガラス基板搬送用ボックスを提供することにある。また、複数個のガラス基板搬送用ボックスを搬送用の箱に収容する場合に、隣り合うボックスの間に均一に空間を設け、搬送作業の効率を向上させることが可能な構造を有するガラス基板搬送用ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に基づいたガラス基板搬送用ボックスにおいては、ガラス基板を搬送するために用いられるガラス基板搬送用ボックスであって、上記ガラス基板を収容するための開口領域を有し、その内部において上記ガラス基板の収容が可能な本体容器と、上記開口領域を開閉するための蓋部材とを備え、上記本体容器の外壁面には、外方に向かって突出し、線状に延びる本体容器側凸状部が設けられている。
【0008】
また、上記発明の他の形態においては、上記本体容器側凸状部は、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けられている。また、上記発明の他の形態においては、上記本体容器側凸状部は、上記ガラス基板の平面が対向する側壁の外壁面に設けられる。また、上記発明の他の形態においては、上記蓋部材の外壁面には、外方に向かって突出し、線状に延びる蓋部材側凸状部が設けられる。また、上記発明の他の形態においては、上記本体容器側凸状部と上記蓋部材側凸状部とは、連続するように設けられる。
【発明の効果】
【0009】
この発明に基づいたガラス基板搬送用ボックスによれば、本体容器の外壁面に線状に延びる本体容器側凸状部を設けることで、ガラス基板搬送用ボックスが転倒した場合には、まず、外方に向かって突出する本体容器側凸状部により転倒時の衝撃を受け、この本体容器側凸状部において衝撃を吸収することが可能となる。その結果、側面全面で衝撃を吸収する場合よりも、ガラス基板に与える衝撃を緩和させることが可能となる。また、不必要に、ガラス基板搬送用ボックスの厚みを増加させる必要ないため、ガラス基板搬送用ボックスの質量増加を招くこともない。
【0010】
また、複数のガラス基板搬送用ボックスを、搬送用の箱に収容した場合、隣り合うボックスの側面、または、隣り合うボックスの本体容器側凸状部に、本体容器側凸状部が当接することから、確実に、隣り合うガラス基板搬送用ボックスの間に所定の空間を形成することが可能となる。その結果、この空間に容易に衝撃吸収部材を詰め込むことができ、搬送作業の効率を向上させることが可能となる。
【0011】
また、蓋部材の外壁面にも、外方に向かって突出し、線状に延びる蓋部材側凸状部を設けることで、本体容器側凸状部を設ける場合と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0012】
また、本体容器側凸状部を、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けることで、ガラス基板搬送用ボックスの転倒時に順次本体容器側凸状部が設置面に当接することから、効果的に衝撃を緩和させることが可能となる。また、ガラス基板搬送用ボックスの成型時においても、材料の充填方向、成型品の抜き方向に一致することから、本体容器側凸状部をガラス基板搬送用ボックスと同一の材料により一体成型することが可能となる。
【0013】
また、搬送用の箱に収容した場合には、隣接するガラス基板搬送用ボックスのの間に生じる空間は、衝撃吸収部材を詰め込む方向に延びる空間となることから、容易に衝撃吸収部材を詰め込むことが可能となる。
【0014】
また、本体容器側凸状部を、ガラス基板の平面が対向する側壁の外壁面に設けることで、ガラス基板の衝撃に対して弱い面に加わる衝撃を緩和させることが可能となり、効果的にガラス基板への衝撃の印加を回避することが可能となる。
【0015】
また、上記本体容器側凸状部と上記蓋部材側凸状部とを連続するように設けることで、上述した本体容器側凸状部を設けることによって得られる作用効果と同様の作用効果をえることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明に基づいた各実施の形態における、ガラス基板搬送用ボックスについて、図を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
まず、図1および図2を参照して、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100の構造について説明する。なお、図1は、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を閉じた状態)である、図2は、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を開けた状態)である。
【0018】
(ガラス基板搬送用ボックス100の構造)
このガラス基板搬送用ボックス100は、ガラス基板101を収容するための開口領域111Aを有し、その内部において複数枚のガラス基板101の収容が可能な、有底の本体容器110と、開口領域111Aを開閉可能に閉塞する蓋部材120と有している。本体容器110は、底面部と、4辺を取囲む側壁111,112,113,114とを有する方形の容器形状を有している。また、蓋部材120は、天面部と、4辺を取囲む側壁121,122,123,124とを有する方形の容器形状を有している。
【0019】
本体容器110および蓋部材120はいずれも、発泡倍率3倍〜30倍の樹脂発泡部材で構成されている。本体容器110および蓋部材120の各部の厚さは、強度を考慮して、15mm〜100mm程度である。また、本体容器110の内面(または内面と外面)の表面は、壁内部よりも緻密なスキン構造に形成されていることが望ましい。この場合、スキン構造の表面から1mm深さまでの部分の密度は、内部の密度(発泡倍率が10倍であればほぼ0.1となる)よりも1.5倍以上、好ましくは2倍以上大きくすることが好ましい。樹脂発泡部材で作製したときの蓋部材120の表面も、同様のスキン構造とすることが好ましい。表面のみを緻密なスキン構造にすることは、発塵性の防止、強度の向上の点で有利となる。
【0020】
樹脂発泡部材としては種々の樹脂の発泡部材が用いられるが、ポリオレフィン系発泡部材が好ましい。ポリオレフィン系発泡部材としては、ポリエチレン系(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等、あるいはこれらのブレンド物を含む)発泡部材、ポリプロピレン系発泡部材などがあげられる。また、他の好ましい発泡部材としては、ポリスチレン・ポリエチレン共重合体があげられる。
【0021】
樹脂発泡部材の発泡倍率は3倍〜30倍、好ましくは4倍〜25倍の範囲に設定される。発泡倍率が3倍未満では軽量化、ガラス基板保護性(クッション性)の付与、断熱性付与などの目的を充分には達成しえず、一方発泡倍率が30倍を越えるときは強度が不足し、弾力性も過多となる。
【0022】
樹脂発泡部材は、好適には、発泡剤を含むポリオレフィン系ビーズまたはその一次発泡部材を金型内充填し、所定の温度に加熱することにより製造される。発泡剤としては揮発性発泡剤、化学分解型発泡剤などが用いられ、2種以上の発泡剤を組み合わせて用いることもできる。ビーズ発泡法は低圧発泡であるので、金型としてはアルミニウム型のような低コストの金型を用いることができる。このようなビーズ発泡法に代え、他の方式の発泡法を採用することも可能である。
【0023】
本体容器110の内面の相対向する一対の面には、発泡成形と同時にガラス基板101を支持するための支持溝M1が形成されている。なお、図1においては、本体容器110の内面の相対向する他の一対の面には支持溝M1を形成していないが、他の寸法のガラス基板101を収容可能にするために、他の一対の面にも支持溝M1を設けることも可能である。なお、支持溝M1は、本体容器110の内面に一体成型するだけでなく、別部材により成型し、本体容器110の内面に固定する構成を採用することも可能である。
【0024】
支持溝M1は、ガラス基板101のエッジ部を挿入できる深さおよび幅を有し、ガラス基板101を挿入した状態である程度の余裕があるように設定する。溝数は任意に設定できるが、ガラス基板101の収容数やガラス基板101を収容した状態で人が運ぶことのできる重量も考慮して、ボックス1個当り片側内面で15条〜50条程度の溝数とすることが好ましい。
【0025】
TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガラス基板や液晶セルの完成パネルを収容するときは、ボックスの少なくとも本体容器110は、導電性ポリマーや帯電防止性物質を数%〜数10%含有させた樹脂を発泡させるなどの方法により、体積固有抵抗値が1×103Ω・cm〜1×1012Ω・cmの樹脂発泡部材とすることが望ましい。これにより必要な帯電防止性が得られる。
【0026】
(リブの取り付け構造)
次に、上記構造からなるガラス基板搬送用ボックス100の本体容器110の外壁面に設けられる、本体容器側凸状部としての本体容器側リブ115および蓋部材側凸状部としての蓋部材側リブ125について説明する。図1および図2に示すように、本体容器側リブ115は、ガラス基板101の平面が対向する側壁112,114の外壁面において、外方に向かって突出し、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けられている。本実施の形態においては、平行に配置された2本の本体容器側リブ115が、側壁112,114の外壁面のそれぞれに設けられている。
【0027】
図3に示すように、本体容器側リブ115は、横断面形状が、略台形形状を有し、上辺の長さ(L1)5mm〜100mm程度、下辺の長さ(L2)20mm〜300mm程度、高さ(h1)5mm〜100mm程度である。また、本体容器側リブ115の上下端面部分には、所定の丸みが形成されている。また、本体容器側リブ115の側壁112,114に対する取り付け位置としては、効果的に衝撃吸収を実現させるためには、支持溝M1よりも内側に設けるか、または、支持溝M1と同じ列となるように設けることが好ましい。
【0028】
また、この本体容器側リブ115は、底側から開口領域側にかけて線状に設けられていることから、本体容器110の成型時においても、材料の充填方向、成型品の抜き方向に一致し、本体容器側リブ115を本体容器110と同一の材料により一体成型することを可能としている。
【0029】
また、蓋部材側リブ125においても、上記本体容器側リブ115と同様に、ガラス基板101の平面が対向する側壁122,124の外壁面において、外方に向かって突出し、開口領域側から天面にかけて線状に延びるように設けられている。本実施の形態においては、平行に配置された2本の蓋部材側リブ115が、側壁122,124の外壁面のそれぞれに設けられている。また、上記本体容器側リブ115と連続するように設けられている。
【0030】
なお、本実施の形態においては、本体容器110に対して蓋部材120を閉じた場合には、本体容器側リブ115と蓋部材側リブ125とが当接する形態を採用しているが、本体容器110に対して蓋部材120を閉じた場合に、本体容器側リブ115と蓋部材側リブ125との間に、ある程度の隙間を生じさせることも可能である。また、蓋部材側リブ125の横断面形状は、図3に示すように、本体容器側リブ115と同様の断面形状としている。
【0031】
この蓋部材側リブ125においても、本体容器側リブ115と同様に、開口領域側から天面側にかけて線状に設けられていることから、蓋部材120の成型時においても、材料の充填方向、成型品の抜き方向に一致し、蓋部材側リブ125を本体容器側リブ115と同一の材料により一体成型することを可能としている。
【0032】
(作用・効果)
以上、この発明に基づいたガラス基板搬送用ボックス100によれば、本体容器110の外壁面に線状に延びる本体容器側リブ115を設けることで、ガラス基板搬送用ボックス100が転倒した場合には、まず、外方に向かって突出する本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125により転倒時の衝撃を受け、この本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125において衝撃を吸収することが可能となる。
【0033】
また、本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125を、底側から天面側にかけて線状に延びるように設けることで、ガラス基板搬送用ボックス100の転倒時に順次本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125が設置面に当接することから、効果的に衝撃を緩和させることができる。さらに、本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125を、ガラス基板101の平面が対向する側壁112,114,122,124の外壁面に設けることで、ガラス基板101の衝撃に対して弱い面に加わる衝撃を緩和させることが可能となり、効果的にガラス基板101への衝撃の印加を回避することができる。
【0034】
その結果、側面112,114の全面で衝撃を吸収する場合よりも、ガラス基板101に与える衝撃を緩和させることが可能となる。また、不必要に、ガラス基板搬送用ボックス100の厚みを増加させる必要ないため、ガラス基板搬送用ボックス100の質量増加を招くこともない。
【0035】
また、複数のガラス基板搬送用ボックス100を搬送用の箱に収容した場合、図4の平面図に示すように、隣り合うボックス100の側面、または、隣り合うボックスの本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125に、本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125が当接することから、確実に、隣り合うガラス基板搬送用ボックス100の間に所定の空間を形成することが可能となる。その結果、この空間に容易に発泡材料等からなる衝撃吸収部材200を容易に詰め込むことができ、搬送作業の効率を向上させることができる。
【0036】
(実施の形態2)
次に、図5を参照して、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100Aの構造について説明する。本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100Aの基本的な構成は、上述のガラス基板搬送用ボックス100と同じであり、相違点は内壁面に支持溝M1が形成されいない側壁である本体容器110の側壁111,113、および、蓋部材120の側壁121,123の外壁面にも、それぞれ本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125が設けられている点にある。この構成からなるガラス基板搬送用ボックス100Aにおいても、上述のガラス基板搬送用ボックス100と同じ作用効果が得られるとともに、側壁111または側壁113にガラス基板搬送用ボックス100が倒れた場合であっても、ガラス基板110への衝撃を緩和させることできる。
【0037】
また、複数のガラス基板搬送用ボックス100Aを搬送用の箱に収容した場合でも、側壁111または側壁113において、確実に隣り合うガラス基板搬送用ボックス100Aの間に所定の空間を形成することができ、容易に発泡材料等からなる衝撃吸収部材200を詰め込むことができる。
【0038】
(実施の形態3)
次に、図6を参照して、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100Bの構造について説明する。本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス100Bの基本的な構成は、上述のガラス基板搬送用ボックス100Aと同じであり、相違点は、本体容器110の底面において、本体容器側リブ116を延長するように設けるとともに、蓋部材120の天面124においても、蓋部材側リブ126を延長するように設けたものである。
【0039】
この構成からなるガラス基板搬送用ボックス100Bにおいても、上述のガラス基板搬送用ボックス100Aと同じ作用効果が得られるとともに、積重ねた状態で、ガラス基板搬送用ボックス100Bを搬送用の箱に収容した場合でも、上下のガラス基板搬送用ボックス100Bの間に所定の空間が形成され、ガラス基板101に加わる衝撃を緩和させることが可能となる。
【0040】
なお、ガラス基板搬送用ボックスへの本体容器側リブおよび蓋部材側リブを設ける位置は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、様々な形態が採用される。たとえば、図7に示すように、側面に3列となるように本体容器側リブ115および蓋部材側リブ125を設ける構成、図8に示すように、2列に配置された本体容器側リブ115の間において、本体容器側リブ115に対して交差する方向に予備リブ117を設ける構成の採用も可能である。
【0041】
さらに他の形態としては、図9に示すように、本体容器110および蓋部材120の側面に相互に交差する「×」形状の本体容器側リブ118および蓋部材側リブ128を設ける構成、図10に示すように、本体容器110および蓋部材120の側面を横方向に取囲む形態からなる、本体容器側リブ119および蓋部材側リブ129を設ける構成の採用も可能である。なお、予備リブ117、本体容器側リブ118,119および蓋部材側リブ128,129に関しては、本体容器110および蓋部材120とは異なる部材を、貼着等の方法を用いることに容易に形成することも可能である。
【0042】
さらに、上述した各リブの横断面形状としては、図3および図11(a)に示す台形形状の断面形状を採用した場合について説明しているが、図11(b)に示す四角形断面形状、図11(c)に示す半円形断面形状、図11(d)に示す三角形断面形状、図11(e)に示す半円形と四角形との組み合わせからなる断面形状、図11(f)に示す矢印型断面形状等の採用も可能である。
【0043】
したがって、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明に基づいた実施の形態1におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を閉じた状態)である。
【図2】この発明に基づいた実施の形態1におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を開けた状態)である。
【図3】この発明に基づいた実施の形態1における本体容器側リブおよび蓋部材側リブの横断面形状を示す断面図である。
【図4】この発明に基づいた実施の形態1におけるガラス基板搬送用ボックスを複数配置した状態を示す平面模式図である。
【図5】この発明に基づいた実施の形態2におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を閉じた状態)である。
【図6】この発明に基づいた実施の形態3におけるガラス基板搬送用ボックスの構造を示す全体斜視図(蓋部材を閉じた状態)である。
【図7】この発明に基づいた他の実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスに設けられる本体容器側リブおよび蓋部材側リブの配置パターンを示す側面図である。
【図8】この発明に基づいた他の実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスに設けられる本体容器側リブおよび蓋部材側リブの他の配置パターンを示す側面図である。
【図9】この発明に基づいた他の実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスに設けられる本体容器側リブおよび蓋部材側リブのさらに他の配置パターンを示す側面図である。
【図10】この発明に基づいた他の実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックスに設けられる本体容器側リブおよび蓋部材側リブのさらに他の配置パターンを示す側面図である。
【図11】この発明に基づいた他の実施の形態における本体容器側リブおよび蓋部材側リブの横断面形状を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
100,100A ガラス基板搬送用ボックス、100B ガラス基板搬送用ボックス、101 ガラス基板、110 本体容器、111A 開口領域、111,112,113,114,121,122,123,124 側壁、115,116,118,119 本体容器側リブ、117 予備リブ、120 蓋部材、124 天面、125,126,128,129 蓋部材側リブ、200 衝撃吸収部材、M1 支持溝。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板を搬送するために用いられるガラス基板搬送用ボックスであって、
前記ガラス基板を収容するための開口領域を有し、その内部において前記ガラス基板の収容が可能な本体容器(110)と、
前記開口領域(111A)を開閉するための蓋部材(120)と、を備え、
前記本体容器(111)の外壁面には、外方に向かって突出し、線状に延びる本体容器側凸状部(115)が設けられる、ガラス基板搬送用ボックス。
【請求項2】
前記本体容器側凸状部(115)は、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けられる、請求項1に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項3】
前記本体容器側凸状部(115)は、前記ガラス基板の平面が対向する側壁の外壁面に設けられる、請求項1または2に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項4】
前記蓋部材(120)の外壁面には、外方に向かって突出し、線状に延びる蓋部材側凸状部(125)が設けられる、請求項1から3のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項5】
前記本体容器側凸状部(115)と前記蓋部材側凸状部(125)とは、連続するように設けられる、請求項4に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項1】
ガラス基板を搬送するために用いられるガラス基板搬送用ボックスであって、
前記ガラス基板を収容するための開口領域を有し、その内部において前記ガラス基板の収容が可能な本体容器(110)と、
前記開口領域(111A)を開閉するための蓋部材(120)と、を備え、
前記本体容器(111)の外壁面には、外方に向かって突出し、線状に延びる本体容器側凸状部(115)が設けられる、ガラス基板搬送用ボックス。
【請求項2】
前記本体容器側凸状部(115)は、底側から開口領域側にかけて線状に延びるように設けられる、請求項1に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項3】
前記本体容器側凸状部(115)は、前記ガラス基板の平面が対向する側壁の外壁面に設けられる、請求項1または2に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項4】
前記蓋部材(120)の外壁面には、外方に向かって突出し、線状に延びる蓋部材側凸状部(125)が設けられる、請求項1から3のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項5】
前記本体容器側凸状部(115)と前記蓋部材側凸状部(125)とは、連続するように設けられる、請求項4に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−44713(P2006−44713A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226393(P2004−226393)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(591056097)淀川ヒューテック株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(591056097)淀川ヒューテック株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
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