説明

クラッチ支持部

【課題】簡単且つ比較的コストをかけずに製造できるクラッチ支持部を提供する。
【解決手段】本発明は、クラッチのクラッチハブが回転可能に支持されるクラッチハブ用のキャリアとしてのクラッチ支持部であって、クラッチ筐体などに固定するためのフランジと、クラッチハブを回転可能に受け入れるための実質的に円筒形の部品と、クラッチのオイル供給の目的でオイルを通すことができる少なくとも1つの流路を形成するための少なくとも1つの溝が設けられたスリーブとを備えるクラッチ支持部に関する。本発明によれば、スリーブは、実質的に切削によらずに製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチのクラッチハブが回転可能に搭載されるクラッチハブ用のキャリアとしてのクラッチ支持部であって、クラッチ筐体などに固定するためのフランジと、クラッチハブを回転可能に支持するための実質的に円筒形の部品と、クラッチへのオイル供給を目的としてオイルを通すことができる少なくとも1つの流路を形成するための少なくとも1つの溝が設けられたスリーブとを備えるクラッチ支持部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、互いに独立して操作可能な2つの摩擦クラッチを備えるクラッチのクラッチハブが回転可能に支持されたクラッチ支持部が開示されている。この摩擦クラッチは、いわゆる湿式クラッチであるので、双方の摩擦クラッチにオイルを供給する必要がある。双方の摩擦クラッチは、液圧式で操作される。したがって、摩擦クラッチの冷却の他に、摩擦クラッチを操作するための圧油を用意する必要がある。
【0003】
特許文献1のクラッチ支持部は、クラッチハブを支持するだけではなく、クラッチハブを介して摩擦クラッチへのオイルの供給もする。そのため、クラッチ支持部は、複数の環状溝が設けられた円筒形の部品を有している。この場合、環状溝は、クラッチ支持部のスリーブに設けられた溝によって形成される、いくつかの流路と機能的に接続している。この場合、スリーブの構成は、比較的コストがかかっている。なぜなら、2つの摩擦クラッチに、互いに独立して且つ冷却オイル流とは無関係に圧油を供給できるように、スリーブに設けられた溝を介して分割された流路を用意する必要があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/051627号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クラッチ支持部は、その複雑な構成により、製造にコストがかかってしまう。例えば、スリーブの製造のために、鋳造によって形成された中空体は、旋盤、フライス、精密旋盤、及び、研磨などの切削加工法により加工される。これら多数の製造工程により、クラッチ支持部の製造は非常にコストがかかる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、簡単且つ比較的コストをかけずに製造できるクラッチ支持部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、請求項1の特徴の組み合せにより達成される。本発明の好ましい形態は、従属請求項から得られる。
【0008】
本発明のクラッチ支持部は、スリーブが実質的に切削によらずに製造されることを特徴とする。圧入によって円筒形の部品の内壁に接することが好ましいスリーブは、円筒形に巻かれた又はロール成形された少なくとも1つの帯材料によって作製されていてもよい。圧入の他に、スリーブと円筒形の部品との間の接続の他の可能性もあり得る(例えば、接着)。
【0009】
帯材料は、帯材料が円筒形に巻かれた状態においてスリーブの規定直径に匹敵する直径を有するような長さを有していてもよく、その場合、巻かれた帯材料の2つの端部は、互いに対して隙間無く、又は、小さな間隔を開けて対向し、スリーブの軸方向に延びる合わせ目を形成する。この場合、ロール成形によって軸方向の合わせ目は1つしか生じない。しかしながら、ロール成形された2つの半割部材によってスリーブを形成することも可能である。この場合、スリーブは軸方向の2つの合わせ目を有し、これらの合わせ目は、2つの半割部材が同じ大きさの場合はスリーブの円周方向において180°ずれて配置されている。
【0010】
スリーブが圧入によってクラッチ支持部の円筒形の部品の内壁に接している場合、巻かれた帯材料の対向する端部の合わせ目に沿った接続は、必ずしも必要ではない。この場合、合わせ目は簡単な突合せ継目として形成されており、円筒形の部品にスリーブがしっかり内嵌することにより、巻かれた帯材料の端部は、互いに離れるように動くことはできない。
【0011】
好ましい一形態では、巻かれた帯材料の2つの端部は合わせ目に沿って互いに接続されている。好ましくは、巻かれた帯材料の一端に、切り欠きによって形成された少なくとも1つの凸部が形成され、他端に、その凸部に対応する凹部が形成されており、凸部とその凸部を受け入れる凹部との相互作用によって、円周方向におけるポジティブな接続が行われてもよい。凸部は、例えばツバメの尾の形状、つまりいわゆる蟻継の形を有していて、それにより巻かれた帯材料の端部間に蟻継接続が生じるようにしてもよい。巻かれた帯材料の対向する端部間がスリーブの全長に亘ってしっかりと接続されるように、複数の凸部が、合わせ目に沿って配置されていてもよい。
【0012】
あるいは、巻かれた帯材料の対向する端部を、互いに接着、又は、溶接してもよい。後者の場合、円筒形の部品の内壁にスリーブが密着して接する必要があるならば、溶接継目の後処理が必要かもしれない。この後処理は、(例えば研磨などの)切削加工工程を含んでいてもよい。しかしながら、スリーブの合わせ目にこのように後処理された溶接継目を有するクラッチ支持部は、請求項1の保護範囲に含まれるものとする。なぜなら、溝が設けられたスリーブの実質的な形状は、後処理によってではなく、切削によらない製造方法で形成されるからである。
【0013】
合わせ目は、ロール成形された材料の端部を接続するための溶接継目が溝内に存在するように、溝の底に沿って伸びていてもよい。溝がスリーブの軸方向の全長に亘って延びているならば、スリーブがその側面によって密着して且つ平らに円筒形の部品の内壁に接するということを確実にするために、溶接継目を後処理する必要はないであろう。なぜなら、溶接継目は、内壁に対して、径方向の内方にずれて溝に位置しているからである。
【0014】
スリーブは、外部スリーブと内部スリーブとを備え、外部スリーブ及び/又は内部スリーブは、少なくとも1つの溝の形成のための打ち抜きを有している。例えば、外部スリーブが細長い打ち抜きを有し、一方で、内部スリーブが連続した側面を有しているならば、スリーブの組込状態において、円筒形の部品の内壁とスリーブの内部スリーブとの間に流路が生じる。
【0015】
外部スリーブと内部スリーブとは、圧入を介して互いに接続されていてもよい。他の好ましい形態では、内部スリーブと外部スリーブとが互いに接着されている。他の接続の可能性もあり得る(例えば、溶接)。外部スリーブを簡単に製造するために、まず、平面に置かれた帯材料に打ち抜きが行われる。その後、外部スリーブは、円筒形状となるように、円筒形にロール成形される。
【0016】
スリーブは、一体に形成されていてもよい。ここで、凹みすなわち溝がスリーブに設けられるように、帯材料の所定領域が深絞りされていてもよい。深絞りプロセスの後、その深絞りされた帯材料がスリーブに成形される。好ましい代替方法は、スリーブの輪郭が帯材料(薄板)上で作製され、その後、ロール成形される、ハイドロフォーム法の使用である。
【0017】
ハイドロフォーム法は、薄壁の薄肉管でも使用され得るので、合わせ目無く形成されたスリーブが直接作製され得る。
【0018】
あるいは、スリーブは、射出成形又は鋳込成形によって形成してもよい。好ましい形態は、プラスチック又はアルミニウム(アルミニウム圧力鋳造、ダイカスト)である。
【0019】
クラッチ支持部のフランジ及び円筒形の部品は、別々に作製されていてもよく、接合箇所において互いに結合されていてもよい。接合箇所における結合は、例えば接着又は溶接によって行われ得る。フランジと円筒形の部品とは、圧入によって互いに結合されていてもよい。
【0020】
フランジ及び/又は円筒形の部品は、同様に、切削によらずに製造されていてもよい。例えば、円筒形の部品は、帯材料からロール成形される薄壁の管であってもよい。
【0021】
スリーブ、フランジ、及び/又は、円筒形の部品は、切削加工工程によって後処理されていてもよい。バリなどが除去されるこの後処理を経てもなお、切削によらない部品の製造であるとする。なぜなら、そうした後処理によっては、個々の部品の形及び形状は、実質的にはもう変更されないからである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のクラッチ支持部の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態のクラッチ支持部のスリーブを示す斜視図である。
【図3】第2実施形態のクラッチ支持部のスリーブを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図に示す実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0024】
図1は、クラッチ支持部を示し、その全体が符号1で表されている。一方では、クラッチ支持部1は、クラッチのクラッチハブを回転可能に支持する機能を果す。クラッチハブ及びクラッチは、図1には示されていない。他方では、クラッチ支持部1は、クラッチにオイルを供給する機能を果す。
【0025】
クラッチは、2つの摩擦クラッチを有するダブルクラッチである。摩擦クラッチは、液圧式で互いに独立して操作される。また、摩擦クラッチは、オイルによって冷却される湿式クラッチである。
【0026】
クラッチ支持部1は、フランジ20と、円筒形の部品40と、円筒形の部品40の円筒形の内壁41に接するスリーブ60とを備えている。フランジ20と円筒形の部品40とは、一体に形成されている。図示されていないクラッチハブは、ラジアルニードル軸受42を介して円筒形の部品40に対して支持され、クラッチハブは、回転軸2を中心として回転され得る。円筒形の部品40は、外周面43に、穿孔45を介してスリーブ60における種々の溝すなわち凹部61と接続されている環状溝44a〜44dを備えている。また、溝61は、オイル供給配管と機能的に接続している。これらオイル供給配管のうちの1つが図1に示され、符号21で表されている。フランジ20は、オイル流入の他に、クラッチ支持部1をクラッチ筐体などに固定する機能も果す。
【0027】
各環状溝44a〜44dは、クラッチが組み立てられた状態において、図示していないクラッチハブの流路と接続する。環状溝44a〜44d間のシール46は、環状溝と環状溝との間をシールしている。4つの環状溝のうちの2つを介して、クラッチのクラッチ操作シリンダに圧油が供給される一方で、他の2つの環状溝は、クラッチの摩擦クラッチを冷却するためのオイルを提供する機能を果す。
【0028】
上で既に述べているように、スリーブ60は、円筒形の部品40の内壁41に接している。したがって、スリーブ60における各溝61は、スリーブ60と円筒形の部品40との間に、オイル供給配管21を通して環状溝44a〜44dへオイルを導く各流路を、内壁41と共に形成する。
【0029】
図1は、フランジ20の円筒形の内壁22に、クラッチをギヤに接続するためのシャフト(図示省略)を支持するための、さらに別のラジアルニードル軸受23を示す。
【0030】
図2及び図3は、円筒形の部品40の内壁41に接するスリーブ60についての様々な実施形態を斜視図で示す。
【0031】
図2に示され、同様に符号60で表されるスリーブは、外部スリーブ62と内部スリーブ63とを備えている。外部スリーブ62も内部スリーブ63も、スリーブ62,63の円筒形の形成のためにロール成形された、平らな帯材料で作製されている。外部スリーブ62は、ロール成形前の平らな帯材料に設けられた複数の打ち抜き64a,64b,64cを備えている。図2に示すように、例えば、打ち抜き64aは、内部スリーブ63が内挿された状態において、その内側にある内部スリーブ63と共に溝61aを形成し、溝底65は、内部スリーブ63の外周面69によって形成される。この場合、側方の溝壁66,67は、外部スリーブ62における打ち抜き64aを打ち抜く際に生じた打ち抜き端部に相当する。
【0032】
打ち抜き64a,64b,64cは、外部スリーブ62の周囲に分散配置され、軸方向に異なる長さを有している。したがって、オイル供給配管21のうちの1つと円筒形の部品40の外面における穿孔45のうちの1つとに対応して、1つの流路を形成することができる。
【0033】
図3は、一体に形成されたスリーブ60を示す。図3のスリーブ60は、同様に、円筒形の原形を形成するようにロール成形された帯材料からなる。帯材料は、ロール成形前に深絞りプロセスを受けている。これにより、スリーブ60の材料に深絞り領域68a,68b,68cが生じる。これらの深絞り領域68は、溝61になり、溝61は、円筒形の部品40の内壁41と接続してクラッチへの供給用の経路を形成する。
【0034】
したがって、本発明のクラッチ支持部1は、スリーブ60が実質的に切削によらずに製造されている。圧入によって円筒形の部品40の内壁41に接することが好ましいスリーブ60は、前述の通り、円筒形に巻かれた又はロール成形された少なくとも1つの帯材料によって作製されていてもよい。圧入の他に、スリーブ60と円筒形の部品40との間の接続の他の可能性もあり得る(例えば、接着)。
【0035】
前記の帯材料は、帯材料が円筒形に巻かれた状態においてスリーブ60の規定直径に匹敵する直径を有するような長さを有していてもよく、その場合、巻かれた帯材料の2つの端部は、互いに対して隙間無く、又は、小さな間隔を開けて対向し、スリーブ60の軸方向に延びる合わせ目を形成する。この場合、ロール成形によって軸方向の合わせ目は1つしか生じない。しかしながら、ロール成形された2つの半割部材によってスリーブ60を形成することも可能である。この場合、スリーブ60は軸方向の2つの合わせ目を有し、これらの合わせ目は、2つの半割部材が同じ大きさの場合はスリーブ60の円周方向において180°ずれて配置される。
【0036】
スリーブ60が圧入によってクラッチ支持部1の円筒形の部品40の内壁41に接している場合、巻かれた帯材料の対向する端部の合わせ目に沿った接続は、必ずしも必要ではない。合わせ目は簡単な突合せ継目として形成してもよく、円筒形の部品40にスリーブ60がしっかり内嵌することにより、巻かれた帯材料の端部は、互いに離れるように動くことはできない。
【0037】
好ましい一形態は、巻かれた帯材料の2つの端部は合わせ目に沿って互いに接続されることである。好ましくは、巻かれた帯材料の一端に、切り欠きによって形成された少なくとも1つの凸部が形成され、他端に、その凸部に対応する凹部が形成されており、凸部とその凸部を受け入れる凹部との相互作用によって、円周方向におけるポジティブな接続が行われてもよい。凸部は、例えばツバメの尾の形状、つまりいわゆる蟻継の形を有していて、それにより巻かれた帯材料の端部間に蟻継接続が生じるようにしてもよい。巻かれた帯材料の対向する端部間がスリーブ60の全長に亘ってしっかりと接続されるように、複数の凸部が、合わせ目に沿って配置されていてもよい。
【0038】
あるいは、巻かれた帯材料の対向する端部を、互いに接着、又は、溶接してもよい。後者の場合、円筒形の部品40の内壁41にスリーブ60が密着して接する必要があるならば、溶接継目の後処理をしてもよい。この後処理は、(例えば研磨などの)切削加工工程を含んでいてもよい。
【0039】
合わせ目は、ロール成形された材料の端部を接続するための溶接継目が溝61内に存在するように、溝61の溝底65に沿って伸びていてもよい。溝61がスリーブ60の軸方向の全長に亘って延びているならば、スリーブ60がその側面によって密着して且つ平らに円筒形の部品40の内壁41に接するということを確実にするために、溶接継目を後処理する必要はないであろう。なぜなら、溶接継目は、内壁41に対して、径方向の内方にずれて溝61に位置しているからである。
【0040】
スリーブ60は、前記のように、外部スリーブ62と内部スリーブ63とを備え、外部スリーブ62及び/又は内部スリーブ63は、少なくとも1つの溝61の形成のための打ち抜きを有している。例えば、外部スリーブ62が細長い打ち抜きを有し、一方で、内部スリーブ63が連続した周面を有していることで、スリーブ60の組込状態において、円筒形の部品40の内壁41とスリーブ60の内部スリーブ63との間に流路が生じる。
【0041】
前記の外部スリーブ62と内部スリーブ63とは、圧入を介して互いに接続されていてもよい。他の好ましい形態は、内部スリーブ63と外部スリーブ62とを互いに接着することである。他の接続の可能性もあり得る(例えば、溶接)。
【0042】
スリーブ60は、前記のように、一体に形成されていてもよい。ここで、凹みすなわち溝61がスリーブ60に設けられるように、前記のように、帯材料の所定領域が深絞り68されていてもよい。深絞りプロセスの後、深絞りされた帯材料がスリーブ60に成形される。好ましい代替方法は、スリーブ60の輪郭が帯材料(薄板)上で作製され、その後、ロール成形される、ハイドロフォーム法の使用である。
【0043】
ハイドロフォーム法は、薄壁の薄肉管でも使用され得る。この場合、凹みが設けられ且つ、合わせ目無く形成されたスリーブ60が、直接作製され得る。
【0044】
あるいは、スリーブ60は、射出成形又は鋳込成形によって形成してもよい。好ましい形態は、プラスチックの射出成形又はアルミニウム圧力鋳造(ダイカスト)である。
【0045】
尚、クラッチ支持部1のフランジ20及び円筒形の部品40は、別々に作製されていてもよく、接合箇所において互いに結合されていてもよい。接合箇所における結合は、例えば接着又は溶接によって行われ得る。フランジ20と円筒形の部品40とは、圧入によって互いに結合されていてもよい。
【0046】
フランジ20及び/又は円筒形の部品40は、スリーブ60と同様に、切削によらずに製造されていてもよい。例えば、円筒形の部品40は、帯材料からロール成形される薄肉の管であってもよい。
【0047】
スリーブ60、フランジ20、及び/又は、円筒形の部品40は、切削加工工程によって後処理されていてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 クラッチ支持部
2 回転軸
20 フランジ
21 オイル供給配管
22 内壁
23 ラジアルニードル軸受
40 円筒形の部品
41 内壁
42 ラジアルニードル軸受
43 外周面
44,44a〜44d 環状溝
45 穿孔
46 シール
60 スリーブ
61 溝
62 外部スリーブ
63 内部スリーブ
64 打ち抜き
65 溝底
66 端部(溝壁)
67 端部(溝壁)
68,68a〜68c 深絞り領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッチのクラッチハブが回転可能に支持されるクラッチハブ用のキャリアとしてのクラッチ支持部(1)であって、
クラッチ筐体などに固定するためのフランジ(20)と、
前記クラッチハブを回転可能に支持するための実質的に円筒形の部品(40)と、
前記クラッチへのオイル供給の目的でオイルを通すことができる少なくとも1つの流路を形成するための少なくとも1つの溝(61)が設けられたスリーブ(60)とを備え、
前記スリーブ(60)は、実質的に切削によらずに製造されていることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項2】
請求項1に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記スリーブ(60)は、前記円筒形の部品(40)の内壁(41)に接していることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項3】
請求項2に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記スリーブ(60)は、圧入によって、前記円筒形の部品(40)の前記内壁(41)に接していることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記スリーブは、円筒形に巻かれた又はロール成形された少なくとも1つの帯材料からなることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項5】
請求項4に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記巻かれた帯材料の2つの端部は、対向し、軸方向に延びる合わせ目を形成していることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項6】
請求項5に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記巻かれた帯材料の一方の端部には、少なくとも1つの凸部が形成され、他方の端部には、前記凸部に対応する凹部が形成されていることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記スリーブ(60)は、外部スリーブ(62)と内部スリーブ(63)とを備え、
前記外部スリーブ(62)及び前記内部スリーブ(63)の少なくとも1つは、前記少なくとも1つの溝(61)を形成するための少なくとも1つの打ち抜き(64)を有していることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記スリーブは、少なくとも1つの深絞り領域(68)を備えていることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項9】
前記1から3のいずれか1項に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記スリーブ(60)は、凹みが設けられた合わせ目の無い管であることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項10】
請求項9に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記スリーブは、射出成形によって形成されていることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記フランジ(20)及び前記円筒形の部品(40)は、別々に製造され、接合箇所において互いに結合されていることを特徴とするクラッチ支持部。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のクラッチ支持部(1)において、
前記フランジ(20)及び前記円筒形の部品(40)の少なくとも1つは、切削によらずに製造されていることを特徴とするクラッチ支持部。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−156462(P2010−156462A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299138(P2009−299138)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(506132120)ゲトラーク フォード トランスミシオーンス ゲーエムベーハー (18)
【Fターム(参考)】