説明

グリセリド類を用いる角質性乾燥の処置

本発明は、中鎖グリセリド(類)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び乾燥した及び/又は弱められた(繊細な)角質性物質を防ぎ及び/又は処置することに役立つ(を意図する)組成物を調製するための活性成分としての使用に関する(を提供する)。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、主として、中鎖グリセリドの、経口及び/又は非経口的な吸収のための組成物の調製用の、角質性物質の乾燥、とりわけ、皮膚の乾燥を、防ぎ及び/又は処置するのを意図し、及び特に乾燥及び/又は低脂漏性に関連する障害の処置のための使用に関する。
【0002】
皮膚が3種の重ね合わさる層によって構成されることが思い出されるべきで、即ち、表面上の表皮、次に真皮、及び次いでより一層深い皮下組織であり、及び更にとりわけ皮脂腺のような補助構造を含む。
【0003】
皮膚は本質的に、外部媒体に対する障壁として、複雑な組織化及び多くの因子の結果として振る舞う。その機能は、とりわけ表皮の質に基づき、それは、とりわけ、角質層の表面の疎水性の程度及び表皮のケラチン生成細胞の増殖及び分化の間の平衡に左右される。
【0004】
皮膚の平衡における破壊は種々のやり方においてそれ自身を明示することができる。それはとりわけ、引き金性の炎症過程をもたらし、皮脂腺性機能、高い角質化(d'hyperkeratinisation、hyperkeratinization)、及び無感覚の水分損失における増加、及びより一層一般的にはそれが皮膚の乾燥を導くことがあるものの調節解除を行う。これらの事象は皮膚の快適性及び/又は皮膚の審美性(l'esthetique cutanee、cutaneous esthetic)への負の効果を持つ。それらはまた、表皮の健康に影響を及ぼし易い。
【0005】
したがって、障壁機能における変化は、病原因子(d'agents pathogenes、pathogenic agents)の角膜層への異常な浸透を促し、及び炎症促進性(pro-inflammatoires、pro-inflammatory)物質の放出を皮膚の炎症性の障害の起源で増加させ、それは、そう痒及び緊張(des demangeaisons et tiraillements、itching and tightness)、乾燥肌の2種の特長的徴候を引き起こす。
【0006】
障壁及び/又は水性脂質(hydrolipidique、hydrolipids)の構成物脂質における欠乏によって特徴付けられる乾燥肌のための第1の選択肢の処置は、皮膚の障壁を回復させることを意図する物質の局所的管理(投与)を目的とする。かかる物質は一般に、水を結合し得る湿潤性薬剤(des agents humidifiants、moisturizing agents)、水を保持するのを意図する膜形成性薬剤(des agents filmogenes、film-forming agents)、外因性の脂質のような、皮膚の障壁を再構築し得る薬剤で、細胞間接合剤(セメント)及び皮脂の構成物、スクアレン、セラミド、脂肪酸、又は内因性の表皮脂質の合成を刺激し得るビタミンC類似の活性原料のようなものである。
【0007】
しかし、管理のその様態(モード)は局所的な適用の頻繁な更新を暗示し、及び局所的な適用から恩恵を受ける帯域に限られる有効性を持ち、及びまた、望まない二次的は皮膚の効果を生じさせることがある。
【0008】
別の代わりは、脂肪酸、とりわけω3及びω6の系統の種類のPUFAと呼ばれる多価不飽和脂肪酸の概して経口的な補足物が与えられる対象体を提供することにある。肌において、かかる脂肪酸は、エロンガーゼ(elongase)及びデサチュラーゼの種類の酵素の作用下に生体内変換を被り、エイコサペンタエン(eicosapentaoique、eicosapentoic)酸EPA及びドコサヘキサエン(docosahexaeoique、docosahexenoic)酸DHA、プロスタグランジン類、ロイコトリエン類(leucotrienes)のような、炎症促進性又は抗炎症性のより一層高いポリエン類を生成する。したがって、アトピ性の子供において、ブドウ種子油の補足物が、ステアリドン(stearidonique、stearidonic)酸及びガンマリノレン酸、2種のプロスタグランジン前駆体に富み、炎症性の皮膚の障害を正すことができることが示されている(F. Balli et al. (バリ等) Riv. Ital. Pediatr. (Rivista Italiana di Pediatria-Italian Journal of Pediatrics(イタリアン・ジャーナル・オブ・ペディアトリクス))(IJP) 1992年; 18:639-64)。同様に、クロフサスグリの種子油の2400mg/日の消費は、それはまた、ガンマリノレン酸及びステアリドン酸に富むが、乾燥症又は乾燥肌、とりわけ高齢の対象体における処置において活性であることが証明されている(Wade(ウェイド)、The Nutrition & Dietary Consultant (ザ・ニュートリション・アンド・ダイエタリ・コンサルタント)、1986年9月、第4-17頁)。
【0009】
上記に指示するように、乾燥肌はまた、皮脂腺による皮脂の生産における内因性の機能不全の結果及び/又はその関連であり得る。
【0010】
汗と共に、皮脂は表皮のための自然な湿潤剤(hydratant、moisturizer)を構成し、及びその柔軟性(souolesse、suppleness)及び強さを高めることができる。それは本質的に、脂質の混合物の変動性の複雑さを構成する。慣習的に、皮脂腺は、スクアレン、トリグリセリド類、脂肪性(脂肪族)の蝋(ワックス)、コレステロールの蝋、及び多分、遊離コレステロールを生産する。細菌のリパーゼの作用は、形成されるトリグリセリド類の可変的な部分を遊離脂肪酸に変換する。
【0011】
慣習的に、100μg/cm2未満の皮脂の量は、仏国特許出願公開第FR-A-2 368 708号明細書において記述される方法を用いて顔のT圏域(ゾーン)で測定され、低脂漏性乾燥皮膚の特長であると考えられ得る。
【0012】
低脂漏性乾燥皮膚、又はそれに似たようになる例は、皮膚の加齢として観察される。したがって、非常に多く、高齢の対象体、とりわけ、50年の齢を超えるものにおいて、乾燥症が皮脂欠乏に関連して観察される。さらに、不十分な皮脂生産が、コルチコイド類を包含するもののような一定の薬学的処置によって誘導され得る。
【0013】
アミド又は糖のエステル及び脂肪酸、及びとりわけリノレン酸の使用、特に局所的又は経口的な使用はまた、国際公開第WO-A-04/034958号において皮膚の乾き、及びとりわけ低脂漏性乾燥皮膚の処置のために提案される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、概して、角質性物質の乾燥に関連する障害の防止及び/又は処置において有効であることが予想に反して示される他の化合物の使用を提案することを目的とする。
【0015】
本発明の状況では、用語“角質性物質”は人間又は動物起源の皮膚、頭皮、粘膜、爪、及び角質性線維を意味する。
【0016】
より一層正確には、本発明者は中鎖グリセリド、即ち、6から12までの炭素原子を含む炭化水素鎖を有する脂肪酸から構成されるものが、とりわけ中鎖トリグリセリドが、乾燥及び/又は繊細な角質性物質(des matieres keratiniques seches ei/ou fragilisees、delicate keratinous substances)の処置において有効であることが証明されたことを示した。意外にも、それらの経口的管理(投与)は皮脂の生産を再開する(re-launch)ことができる。
【0017】
中鎖グリセリドは、グリセロールを、中鎖脂肪酸の1、2、又は3つの分子によってエステル化することから導き出される化合物である。
【0018】
中鎖トリグリセリドは、また一般に、MCTと名付けられ、グリセロールの1つの分子によってエステル化される中鎖脂肪酸の3つの分子で構成される。それらは、無臭、無味で、低い粘性を持つ清澄な物質である。
【0019】
中鎖トリグリセリドは、既に、エネルギー性の供給物の迅速及び直接的な供給源であり、それはとりわけそれらの独特な代謝プロファイルによることが知られている。実際、長鎖脂肪酸のトリグリセリドと比較して、摂取後、中鎖トリグリセリドは、長鎖脂肪酸よりも疎水性がずっと少なく、及び肝臓に門脈を介して直接達し、リポタンパク質と呼ばれる輸送体(トランスポータ)に予め組み込まれない短い脂肪酸を遊離する。
【0020】
このように、欧州特許出願公開第EP-A-1 023 843号は、活発な運動を引受ける人々のために特に意図される栄養上の補足物のための調剤物を提案する。
【0021】
MCTsはまた、医学上の栄養生成物における脂肪質の物質の供給源として提案されている(米国特許出願公開第US 2004/0151757号又は米国特許US-A-5 223 285号)。とりわけ、それらの良好な消化性は、部分的に舌の及び胃のリパーゼによるそれらの加水分解のためであり、及びそれらの迅速な代謝は、それらの使用を吸収不良の状態におけるエネルギー供給のための有効な手段とする(第US-A-6 194 379号)。それらはまた、減らしたカロリ及び/又は脂肪質含量、より一層詳しくは過体重の人々について意図するものを有する栄養上の調剤物について提案されている(米国特許出願公開第US 2005/0143459号)。
【0022】
さらに、それらの化合物はまた、局所的な皮膚科学的な使用について提案されている(独国特許第DE 198 57 491号、加国特許第CA 1 253 807号、欧州特許出願公開第EP-A-1 214 930号又は日本国(JP)特開2005-104928号公報)。
【0023】
意外にも、本発明者は、かかる化合物が、非局所的なやり方において、とりわけ経口的及び/又は非経口的に投与されるときに、乾燥した又は繊細な角質性物質、とりわけ乾燥肌、及びより一層詳しくは特に低い皮脂レベルに関連する障害を処置するのに特に有効であることが証明されることを示した。
【0024】
結果として、本発明は、経口及び/又は非経口の吸収のための、及び乾燥した及び/又は繊細な角質性物質を防ぎ及び/又は処置するのを意図する組成物の調製用の活性原料としての、中鎖グリセリド(類群)の使用を提供する。
【0025】
さらなる局面において、本発明は、中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び乾燥した及び/又は繊細な皮膚を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用を提供する。
【0026】
本発明はまた、中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び皮脂の排出及び/又は分泌不全(defaut、defective)に関連する皮膚障害を処置及び/又は防ぐことを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用を提供する。
【0027】
なお更なる局面において、本発明はまた、中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び乾燥した低脂漏性皮膚(les peaux seches hypo-seborrheiques、dry hypo-seborrheic skin)を処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用を提供する。
【0028】
なお更なる局面において、本発明は、中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及びセボゲネシス(sebogenese、sebogenesis)を刺激することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用を提供する。
【0029】
本発明はまた、中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及びそう痒及び/又は緊張を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用を提供する。
【0030】
まだなお更なる局面において、本発明は、中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び乾燥した又は繊細な角質性線維を、及び/又は毛嚢脂腺単位(l'unite pilo-sebacee、pilo-sebaceous unit)の機能的障害を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用を提供する。
【0031】
まだなお更なる局面において、中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び皮膚の乾きに関連するしわを防ぎ及び/又は減らすことを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用を提供する。
【0032】
用語“角質性(ケラチナウス)線維”は人間又は動物の毛、剛毛、及び睫毛(les cils、lashes)を意味する。
【0033】
本発明に従う組成物は、食物補足物(complement alimentaire、food supplement)、栄養上の組成物の形態をし、又は角質性物質及びとりわけ皮膚の処置を目的とし、及び人間又は動物を意図する、機能的食物の形態をしてよい。
【0034】
それらはまた、治療上の性質の組成物の形態でよい。
【0035】
さらなる局面において、本発明はまた、治療上又はそれ以外の、中鎖グリセリド(類群)の、活性原料としての使用であり、乾燥した及び/又は繊細な角質性物質、とりわけ乾燥した及び/又は繊細な皮膚を防ぎ及び/又は処置し、及び/又はそう痒及び/又は緊張を防ぎ及び/又は処置し、及び/又は皮膚障害及び/又は皮脂の排出及び/又は分泌における欠損に関連する毛嚢脂腺単位の障害を処置し及び/又は防ぎ、及び/又は低脂漏性の乾燥皮膚を処置し、及び/又はセボゲネシスを刺激し、及び/又は乾燥した又は繊細な角質性線維を防ぎ及び/又は処置し、及び/又は皮膚の乾きに関連するしわを防ぎ及び/又は減らす、使用が予想される。
【0036】
より一層詳しくは、本発明は経口及び/又は非経口的な吸収によって実施される。
【0037】
さらなる局面において、本発明は、乾燥及び/又は繊細な角質性物質、とりわけ乾燥した及び/又は繊細な皮膚の予防及び/又は処置を意図する経口吸収のための組成物であって、活性原料として、少なくとも1種の中鎖グリセリド及び皮膚において活性な少なくとも1種の他の薬剤を備えることを特徴とするものを提供する。
【0038】
本発明はまた、角質性の線維及び/又は物質の障害、とりわけ上記に特定するようなものを防ぎ及び/又は処置するため、及び/又はセボゲネシスを刺激するための方法又は処理であって、効果的な量の中鎖グリセリド(類群)を管理する工程を備えるものを提供する。
【0039】
したがって、本発明はまた、治療上又は非治療上の処置方法であって、乾燥した及び/又は繊細な角質性物質、とりわけ乾燥した及び/又は繊細な皮膚を防ぎ及び/又は処置し、及び/又は乾燥した低脂漏性皮膚を処置し、及び/又はそう痒及び/又は緊張を防ぎ及び/又は処置し、及び/又はセボゲネシスを刺激し、及び/又は皮膚障害及び/又は皮脂の排出及び/又は分泌における欠損に関連する毛嚢脂腺単位の障害を処置し及び/又は防ぎ、及び/又は乾燥した又は繊細な角質性線維を処置し及び/又は防ぎ、及び/又は皮膚の乾きに関連するしわを防ぎ及び/減らすのに、少なくとも効果的な量の中鎖グリセリド(類群)を管理する工程を備えるものを提供する。
【0040】
管理はとりわけ経口的又は非経口的に実行し得、及びより一層詳しくは経口により実行される。
【0041】
(中鎖グリセリド類)
用語“グリセリド類”は概して、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド類、及びその混合物を包含する。
【0042】
本発明の好適な実施では、それらは、より一層詳しくは、中鎖トリグリセリド、もし適する場合には、モノグリセリド及び/又はジグリセリドとの混合物としてのものである。
【0043】
本発明の状況において用いられる中鎖グリセリドは、概して混合物の形態にある。
【0044】
それらのエステル化の程度によって、それらは、中鎖脂肪酸、即ち6から12まで、とりわけ8から10までの個数の炭素原子を含む脂肪酸で、14よりも多い数の炭素原子を持つ長鎖の脂肪酸及び4から6個の炭素原子を持つ短鎖の脂肪酸とは対照的に、その1つ又はそれよりも多くの分子から構成される。
【0045】
中鎖脂肪酸は、線状又は分枝の、飽和又は1以上の不飽和結合を含む不飽和の鎖によって構成される得る。
【0046】
より一層詳しくは、本発明に従う脂肪酸は、線状及び飽和の鎖を持つ。
【0047】
したがって、中鎖グリセリドは概して、カプロン酸(C6)からラウリン酸(C12)にまで拡がる中鎖脂肪酸で構成される。
【0048】
本発明の情況において考慮されるグリセリド類は、独特な種類の脂肪酸、特にC6、C8、C10又はC12又は、ジグリセリド及びトリグリセリド類を有し得、異なる鎖長を有する脂肪酸分子によってグリセロールエステル化から導き出せる。
【0049】
より一層正確には、中鎖グリセリドは、40%から90%まで、とりわけ45%から75%まで、好ましくは50%から70%までのC8脂肪酸の重量によるものから構成される。それらはまた、15%から60%まで、とりわけ30%から50%までのC10脂肪酸を持つ。
【0050】
概して、それらは最大で(au maximum、a maximum of)2重量%のC6脂肪酸を備える混合物の形態をしている。
【0051】
同様に、本発明に従う中鎖グリセリドの混合物は、概して3%未満、そしてとりわけせいぜい(au plus、at most)1重量%のC12脂肪酸を持つ。
【0052】
以下の例1は、本発明に従う中鎖トリグリセリドの混合物の組成物を提案する。
【0053】
概して、本発明において用いる中鎖トリグリセリドは、それぞれの割合が混合物に従って変動し得る複数の中鎖トリグリセリドの混合物の形態で用いられる。
【0054】
かかる混合物は概してそれらの製造処理(プロセス)の終わりに得られる。
【0055】
一般に、中鎖トリグリセリドは、高いラウリン酸含量を有する油から導き出される中鎖脂肪酸でのグリセロールのエステル化によって調製される。ココナツ及びパームナッツの油は、それぞれが約13%及び約8%のC8/C10脂肪酸を含み、又はクフェア油は、それらの多様性により、C8の87%まで及び(cuphea painteri(クフェア・ペインテリ)について)及びC10の81%まで(cuphea carthagenensis(クフェア・カルタゲンシス)について)を含み、最も豊富で、及び中鎖脂肪酸において最も富む自然な供給源の中のものである。慣習的に、これらの油は加水分解され、それらの脂肪酸をグリセロールから遊離し、次いでこれらの脂肪酸を分留によって分離する。脂肪酸の先頭画分は中鎖脂肪酸を含む。C6及びC12の酸の小分量だけを含むC8及びC10の酸の画分は、このようにして単離し得る。グリセロール及び、このようにして分離される中鎖脂肪酸の間のエステル化反応は、中鎖トリグリセリドの混合物を生産することができる。これらの酸の各々の異なる割合が得られ、異なる生産物を生成し得る。主にいずれかのC8形態又はC10形態を、この2種の形態の混合物と同様に含む物質を商業的に入手し得る。
【0056】
これらの中鎖トリグリセリドはまた日常的に、“カプトリン(captrin)”、グリセリルトリ(glyceryl tri)(カプリレート(caprylate)/カプラ(capra))又はカプリック(capric)/カプリリック(caprylic)のトリグリセリドとして知られている。
【0057】
本発明にとって適切で、及び特に述べられるトリグリセリドに基づく物質の例証としての例は、MAYWOOD(メイウッド)のSTEPAN COMPANY(ステパン社)からの商品名NEOBEE(R)(ネオビー(商標))M-5の下で、ABITEC COMPANY(アビテック社)からの商品名CAPTEX(R)(カプテックス(商標))の下で、又はCOGNIS(コグニス)からのDelios(R)(デリオス(商標))Vで販売されるものである。
【0058】
グリセリドはまた、非-分離形態において用いられ得る。それらは次に、本発明の組成物において、少なくとも1種の植物油又はそれらを含む植物油の混合物の形態において存在し得、及び特に中鎖のC8からC10までの脂肪酸において富む。
【0059】
例として、それらはココア、クフェア、パームナッツ、及びババス(babassu)の油であり得る。
【0060】
この実施において、油の分量は、グリセリド、及び特に期待される効果を得るのに十分なMCTsの分量を生産するために調節される。
【0061】
さらに、グリセリドは、純粋又は他の化合物に関連する形態において、本発明に従って考慮される利用のための組成物で使用され得る。
【0062】
本発明の情況の中では、表現“有効な分量”は、観察されるべき期待される効果にとって必要な最小の分量を意味する。
【0063】
そのような分量は、熟練の者(当業者)によって容易に定められ得る。
【0064】
組成物において、グリセリド、及び特にMCTsは、重量によって0.1%から100%まで、とりわけ15%から80%まで及び特に重量によって30%から70%までを、合計組成物重量に関して表わされ得る。
【0065】
考察下の変動にかかわらず、グリセリド及びより一層特にMCTsは、概して0.5mg/日から100g/日まで、とりわけ1mg/日から10g/日まで、特に5mg/日から2.5g/日までの毎日の用量で管理される。
【0066】
より一層慣習的な管理の経路、即ち局所的経路と対照的に、経口経路は、使用するのに容易であり、及び迅速で、及びまた概してすべての角質性物質上に有効である利点を持つ。
【0067】
1具体例では、本発明に従う組成物は、合計組成物の重量に関してペトロセリン(petroselinic)酸の重量によって2%未満しか含まないか、又は更にペトロセリン酸を含まない。
【0068】
1具体例では、本発明に従う組成物は、合計組成物の重量に関してワセリン(Vaseline)油の重量によって2%未満しか含まず、又はワセリン油を含まない。
【0069】
1具体例では、本発明に従う組成物は活性なUV(紫外線)フィルタの種類の薬剤を含まないでよい。
【0070】
1具体例では、本発明に従う組成物は補酵素Qを含まないでよい。
【0071】
1具体例では、本発明に従う組成物はパラベン(paraben)のクラス(例えば、メチルパラベン又はプロピルパラベン)からの保存剤を含まなくてよい。
【0072】
1具体例では、本発明に従う組成物はクロム又はクロム塩(塩化クロム(III)、6H2O)を含まないでよい。
【0073】
1具体例では、本発明に従う組成物はカゼイン酸ナトリウムの加水分解物を含まないでよい。
【0074】
本発明の情況において考慮される角質性物質が、人間又は動物の角質性線維で、毛、剛毛及び/又は睫毛のようなとき、中鎖グリセリドは、概して線維の壊れ易い面によって立証される乾きのような、繊細さ(delicateness)のサインを防ぎ、及び/又は処置するのに特に有利である。
【0075】
中鎖グリセリドは角質性線維、とりわけ人間の毛又は動物の毛皮に、光沢のある外観を授けることができる。
【0076】
とりわけ乾燥肌と共に、中鎖グリセリドは、乾燥肌又は繊細な皮膚を防ぎ及び/又は処置するのに特に有効であり、とりわけ生理学的に適切な程度の水和を角質層(stratum corneum)に対して元通りにする。
【0077】
本発明の情況において、繊細な皮膚は障壁機能における不足(deficit)によって影響される皮膚であり、とりわけ、障壁及び/又はヒドロ脂質の薄膜(フィルム)の構成脂質の欠乏によって特徴付けられるか、又は特徴付けが可能である。しかし、繊細な皮膚が見られず、又は少なくとも同じ範囲で、乾燥肌の特徴的特長、即ちそう痒及び緊張が見られない。
【0078】
さらに、繊細な皮膚はアレルギーの皮膚とまた、“敏感な”皮膚と異なる。実際に、その反応性はアレルギ性の皮膚と同じように免疫学プロセスからも、“敏感な”皮膚と同じように神経性プロセスからも起こらない。
【0079】
したがって、本発明は、アレルギ性又は敏感な、乾燥したか又は乾燥してないかの皮膚と区別される乾燥し及び/又は繊細な角質性物質に向けられる。
【0080】
本発明を用いて処置することができる乾きは、後天的及び一時的な乾き、即ち、皮膚の脱水と関連付けられる乾き、例えば、風邪、熱、洗浄剤、硬水又は溶媒のような化学物質によってのものであり得る。
【0081】
それはまた、後天的及び永久的な乾きで、例えば、皮膚の年代順の加齢でのような生理学的な要因によっての、概して皮脂腺の機能性の損失及びそのようにしてより一層多いか又は少ない皮脂と関連付けられるようなものに適用し得る。
【0082】
前記乾きはまた、皮膚コルチコイド(dermocorticoids)、レチノイド、又はPUVA療法上(puvatherapeutic)、又は放射線療法上の種類の処置のような化合物を用いる治療上の処置の結果として得られるかもしれない。
【0083】
最後に、前記乾きは、体質性、即ち、対象体によって慢性的に明らかにされ得、又は魚鱗癬、アトピ、乾癬、及び過角化にあるような遺伝的起源であるかもしれない。
【0084】
本発明者がまた、セボゲネシス(sebogenesis)に関する中鎖グリセリドの刺激作用を実証する限りでは、これらの化合物はまた、低脂漏症に関連付けられる障害のすべての処置において有利であることを証明した。
【0085】
結果として、中鎖グリセリド及び本発明に従う組成物は、皮脂の不十分な分泌及び/又は排泄、及び概してこの種類の規制解除(deregulation)、例えば、落屑の欠陥及び/又は微小炎症性皮膚炎(micro-inflammatory dermatitis)の種類の明示と関連付けられる障害を処置するのに効果的に用いられ得る。
【0086】
本発明に従う組成物は、関係する管理の様態(モード)について普通に用いられる本草薬(galenical、生薬)の形態の何れかであってよい。
【0087】
経口摂取のための、膨大な数の形態の経口組成物が可能であり、特に、薬物治療(medicating)であっても、又はそうでなくてもよい組成物で、とりわけ食物又は栄養上の補足物である。それらは、糖衣錠(dragees)、ゲルル(gelules)、ゲル、乳剤(エマルジョン)で、乾燥した、又は液体、錠剤(タブレット)、カプセル、又は溶液であってよいものを生産するための通常の方法を用いて調剤される。
【0088】
中鎖グリセリドはまた、食物媒体(マトリクス)中に組み込まれ、食物棒(バー)、油、バター、マーガリンのような強化食物(enriched foods)、圧縮された粉体、繊維、ゴム、チューインガム、乾燥した果物及び野菜、穀類、破片(チップス)、ペストリー、クッキー、クラッカーのようなもの、又は飲料の乳剤としてのような機能性食物を生産し得る。
【0089】
組成物が動物への管理のためにより一層特に意図されるとき、これらの組成物は栄養支持の種類の食物組成物の形態又は薬物としてあってよい。組成物の種類にかかわらず、それは関係する動物の類への管理に適切な本草薬の形態において調剤されるべきである。
【0090】
本発明に従う組成物は、通常の賦形剤及びそのような経口組成物のための成分、即ち、とりわけ脂肪及び/又は水性成分、湿潤性薬剤、増粘剤、保存剤、組織化(texturizing)薬剤、風味付け薬剤及び/又は被覆性薬剤(coating agents)、酸化防止剤、防腐剤、及び食物産業に通常用いられる着色剤と共に調剤され得る。
【0091】
経口組成物、とりわけ食物補足物のための調剤の薬剤及び賦形剤は、この技術において知られ、及び本明細書に詳しくは記載していない。
【0092】
本発明に従う組成物では、単一の化合物又は混合物の形態における中鎖グリセリドの成分はまた、角質性物質上で活性な少なくとも1種の他の薬剤の有効量と関連し得る。
【0093】
例として、この他の活性な薬剤は、乾燥肌の出現のような不必要な効果を、特に限られた皮脂生産のために誘導し得る。記載され得るそのような化合物の例は、コルチコイド、とりわけコルチゾン、ヒドロコルチゾン及びベータメタゾン; インドメタシン; 及びレチノイン酸の誘導体である。
【0094】
本発明にかかる中鎖トリグリセリドと関連付けられ得る活性な原料はまた、経口管理のために意図される本草薬の形態において日常的に用いられ及び/又は許可される原料を含む。
【0095】
これらの原料は、ビタミン、鉱物、必須脂質及びそれらの誘導体、とりわけ、共役リノール酸(又はCLA)、カプレニン(caprenin)(カプリン、カプリル及びベヘン酸のトリグリセリド)、少数元素(oligoelements)、ポリフェノール、フラボノイド、植物エストロゲン(phyto-oestrogenes、phyto-estrogens)、リポ酸及び補酵素Q10のような酸化防止剤、カロテノイド、プロバイオティクス、とりわけ、酵母、プレバイオティクス、タンパク質及びアミノ酸、単糖及び多糖、アミノ糖、植物ステロール及び植物起源のトリテルペン(triterpen)アルコールから選ばれ得る。
【0096】
とりわけ、それらは、ビタミンA、C、D、E、PP及びB群のビタミンである。好ましいカロテノイドは、ベータ-カロチン、リコピン、ルテイン、ゼアザンチン(zeazanthin、zeaxanthin(ゼアキサンチン))、及びアスタキサンチンである。特に、使用される鉱物及び少数元素は、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、ヨウ素、マンガン、セレニウム、及びクロム(III)である。特に、使用され得るポリフェノールは、ブドウ、茶、オリーブ、ココア、コーヒ、りんご、こけもも(ハックルベリー)、エルダー(elder、ニワトコ)、いちご、クランベリー、及びタマネギのポリフェノールである。好ましい植物エストロゲンは、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン(glyciteine)、又はリグナン、とりわけ、亜麻から、及びschizandra chinensis(シザンドラ・チネンシス)からのもののような遊離の又はグリコシル化形態のイソフラボンである。プロバイオティクスは好ましくは、乳酸菌科(lactobacillae、Lactobacillaceae (乳酸桿菌科))及びビフィズス菌(bifidobacteria)によって構成される群から選ばれる。本発明のために適するプロバイオティックはまた酵母から選ばれ得る。アミノ酸又はペプチド及びタンパク質は、タウリン、スレオニン、システイン、トリプトファン、メチオニンのようなそれらを含む。好ましい脂質は、オレイン、リノール、アルファ-リノレン、ガンマ-リノレン、ステアリドンの酸、EPA及びDHAのような魚からのオメガ-3の長鎖脂肪酸、CLA (共役リノール酸)のような、植物又は動物からの共役脂肪酸のようなモノ-及びポリ不飽和脂肪酸を含む油の群に属する。
【0097】
本発明の特定の実施では、これらの原料は、共役リノール酸(CLA)、酵母、カプレニン、ポリフェノール、フラボノイド、ベータ-カロテン以外のカロテノイド、植物エストロゲン、リポ酸及び補酵素Q10、プロバイオティクス、及びとりわけ酵母、アミノ糖、植物ステロール及び野菜起源のトリテルペニック(triterpenic)アルコールから選ばれ得る。本発明はまた、本発明に従う中鎖グリセリド(類)の使用を備える処置方法又はプロセスを提供する。
【0098】
本発明の治療上又は非-治療上の処置方法は単一の管理を備え得る。
【0099】
さらなる実施では、管理を、例えば、1日に2から3までの回数又は1日又はそれよりも多くにわたって、及び概して少なくとも4週、又は更に4から15の週の延長された期間、必要ならば1又はそれよりも多くの中断を伴って繰り返される。
【0100】
方法が考察の下での角質性物質上に有利な効果を持つように意図される別の生成物の共同管理を含むように予想することもまた可能であり、及びとりわけ、角質性物質の乾きの防止及び/又は処置において有効なことが既知の少なくとも1種の薬剤を備える。とりわけ、それは、上記されるような活性な原料であり得る。この他の生成物は、経口によって又は区別される経路によって、例えば、局所的に管理され得る。
【0101】
同様に、本発明は、本発明に従う中鎖グリセリドの共同の経口管理及び同一又は異なる中鎖グリセリドの局所的又は非経口的な管理を含む方法に伸びる。この局所的管理は、処置する人間又は動物の皮膚への任意の慣習的な本草薬の形態における適用、例えば、有効な分量の中鎖グリセリド(類)を含む、クリーム、ミルク、噴霧(スプレイ)、ボディゲルのようなものによって遂行され得る。
【実施例】
【0102】
次の例は本発明の分野の非制限的な例証を通して与えられる。
(例1: 異なる経口管理調剤様態)
【0103】
この例において、MCTsは、COGNISによって商品名Delios(R) Vの下で販売された。それらの主な物理化学的な特徴は次の通りであった。すなわち
【0104】
【表1】

(・軟カプセル形態)
【0105】
【表2】

【0106】
【表3】

(・ブリスターゲルル(Blister gelule))
【0107】
【表4】

(・単一用量ゲル)
【0108】
【表5】

(例2:)
【0109】
臨床調査を12月及び3月の月の間の冬の乾燥症(xerosis)の80名の女性において遂行し、本発明に従う組成物の有利な効果を実証した。
【0110】
試験組成物は、例1において提案するものに類似する軟カプセル中に詰めた中鎖トリグリセリド(MCT)に対応した。
【0111】
MCTの毎日の線量は2160mg/日と等価であり、及び日に4つのカプセルの形態において投与し、朝に2つ及び夕方に2つが採用された。
【0112】
調査において対象体を含めるための主要な規準は次の通りであった。すなわち、
・年齢: 50から80までの年(ホルモン補充(hormone replacement)療法を取るか、又は取らない);
・臨床皮膚乾燥スコア: 1.5から3まで; 及び
・CMU125(R)のcorneometer(コルネオメータ)を用いる水和の測定(Courage and Khazaka(カーリッジ・アンド・カザカ社)からの機器及び方法): 25及び45の任意単位。
【0113】
臨床乾燥スコアは、次の慣習を用いての足の外側の乾燥の強度を評価する尺度に従って、0から4.5までの尺度を採用し、生成させた。
・スコア= 0/正常皮膚: 規則的な皮膚のレリーフ。滑らかな外見;
・スコア= 0.5/0及び1の間の中間段階: わずかに不規則な皮膚のレリーフ。わずかに粗い外見;
・スコア=1/脱水した皮膚: 線状の皮膚のレリーフ。わずかな粗い外見;
・スコア=1.5/1及び2の間の中間段階: より一層多くの著しい線状の外見及びより一層粗い;
・スコア=2/乾燥皮膚: 線状の皮膚のレリーフ及び少数のスケール。粗い外見;
・スコア=2.5/2及び3の間の中間段階: 剥離伴わないスケールの存在、非常に粗い;
・スコア=3/非常に乾燥肌: 多数のスケール及び少数の薄片。粗い外見;
・スコア=3.5/3及び4の間の中間段階: 薄片及び多数のスケールの存在。粗い外見;
・スコア=4/極度の乾燥肌: 非常に多くの薄片。非常に粗い外見;
・スコア=4.5/4を超える段階: 病的。
【0114】
調査を通して、患者に彼らの食べる習慣を変えないよう、他の食物補足物を取らないよう、及び調査する帯域に対し化粧上の組成物を適用しないように頼んだ。
【0115】
処置の期間を12週とした。この調査の間に、次の研究を遂行した。すなわち
・対象体(40)のすべてにおいての臨床研究;
・群の半分についての生化学的及び機器的研究(instrumental investigations)(同じ衛生標準(hygiene standards)を有する地域に住む20名の志願者(ボランティア)で、すべての対象体についての均一な試験対象患者基準(inclusion criteria)を保証する); 及び
・自己評価の質問表に入力するすべての40名の対象体。
【0116】
この調査の統計分析を、各々の研究規準についてD0及びD84の間の変数における変化を比較することによって遂行した。
【0117】
研究を次の規準を用いてそれぞれ遂行した。すなわち
a) (臨床的研究)
・皮膚科医による臨床試験。この試験は、とりわけ顔、前腕、手及び足(4点スコア)においての皮膚の乾燥及び粗さを評価した。
b) (機器的な研究)
・足上でのコルネオメトリ(corneometry)(inclusion criterion、試験対象患者基準);
・セブメータ(sebumeter): 前頭部上の皮脂の測定及び
・前腕上の湿潤性の調査。
【0118】
使用される湿潤性の技術は、P Humbert(ハンバート)等によって記述されている。(“A New Method To Measure In Vivo Human Skin Hydrophoby(インビボのヒト皮膚疎水性を測定するための新しい方法)”。Int. J. Cosmet. Sci.(International Journal of Cosmetic Science), 2001年; 23:347-352及び“Skin Critical Surface Tension: A Way to Assess The Skin Wettability Qualitatively(皮膚の限界表面張力: 皮膚の湿潤性を質的に評価するための方向)”。Skin Res. Technol.(Skin Research and Technology), 1996年; 2: 91-96)。
c) (生化学的な研究)
・足からの綿の試料の取得により、角質層において存在する脂質、角質細胞間(intercorneocytary)のセメントの脂質及び皮脂(スクアレン、トリグリセリド、グリセロール、脂肪酸、コレステロール)を測定する。
【0119】
これらの研究の終わりに得られる結果を以下に論議する。
【0120】
(臨床研究の結果)
3か月間の本発明に従う組成物の取得後、得られる結果は、皮膚の乾燥において、最も曝された帯域及び従ってこの問題に最も敏感であるものでの(足、顔、腕、及び前腕)少なくとも平均20%によって非常に重大な減少を示す。
【0121】
(機器的な研究の結果)
結果はまた、3か月間の本発明に従う組成物の取得後、35%よりも多くによって皮脂の量の非常に重大な増加の証拠となる。
【0122】
この増加は水和及び皮膚の湿潤性における正の結果に一致している。実際、皮脂における増加は、水性脂質の薄膜の回復に参画し、及び水和についての正の発生を持つ。最終的に、皮脂の生産は角質層の表面疎水性において好ましい変化を反映する。
【0123】
(生化学的な研究の結果)
獲得したデータはまた、3か月間の本発明に従う組成物の取得後、スクアレンの量における非常に重大な増加が、とりわけ、少なくとも75%によって観察されることを示した。この結果は上記の機器的な研究によって示される皮脂の量における増加と完全に一致する。
【0124】
また、本発明に従う組成物の経口投与が、トリグリセリド、脂肪酸、グリセロール、及びコレステロールのような、水性脂質薄膜の脂質の合成を促すことは注目されるべきである。
【0125】
結果として、本発明に従う組成物の経口投与は皮膚の乾燥に対する非常に好都合な効果を有する皮膚の水性脂質薄膜の回復における正の効果を持つ。
【0126】
さらに、生成物の効果に関して質問された40名の志願者はD0及びD84(柔らかさ、緊張及び皮膚の柔軟性における改善)の間の皮膚の快適性(cutaneous comfort)における重大な改善を報告した。
【0127】
最終的に、組成物の責任にされ得る望ましくない事象は観察されず、栄養上の補充物の許容値が優秀だったことを意味した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び乾燥した及び/又は繊細な角質性物質を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項2】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び乾燥した及び/又は繊細な皮膚を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項3】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及びそう痒及び/又は緊張を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項4】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び皮脂の排出及び/又は分泌不全に関連する皮膚障害を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項5】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び乾燥した低脂漏性皮膚を処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項6】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及びセボゲネシスを刺激することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項7】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び乾燥した及び/又は繊細な角質性線維を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項8】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び毛嚢脂腺単位の機能的障害を防ぎ及び/又は処置することを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項9】
中鎖グリセリド(群)の、経口的及び/又は非経口的な吸収のための、及び皮膚の乾きに関連するしわを防ぎ及び/又は減らすことを意図する組成物を調製するための活性原料としての使用。
【請求項10】
中鎖グリセリドがグリセリド群の混合物の形態をしており、その脂肪酸が6から12まで、とりわけ8から10までの個数の炭素原子を含むことを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に従う使用。
【請求項11】
脂肪酸が線状で及び飽和の鎖を含むグリセリドを構成することを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項12】
中鎖グリセリドが、重量で、40%から90%まで、とりわけ45%から75%まで、好ましくは50%から70%までのC8脂肪酸を備える混合物の形態をしていることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項13】
中鎖グリセリドが、重量で15%から60%まで、とりわけ重量で30%から50%までのC10脂肪酸を備える混合物の形態をしていることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項14】
グリセリドが最大で2重量%のC6脂肪酸を備える混合物の形態をしていることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項15】
前記グリセリドが3%未満、そしてとりわけせいぜい1%のC12脂肪酸を備える混合物の形態をしていることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項16】
中鎖グリセリドが、中鎖のモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド及びその混合物からなる群より選ばれることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項17】
中鎖グリセリドが、少なくとも中鎖トリグリセリドによって構成されるか、又はそれを備えることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項18】
グリセリドが、それらを含む、油、又は植物(野菜)油の混合物の形態において用いられることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項19】
前記組成物が、重量で0.1%から100%まで、とりわけ重量で15%から80%まで及び特に重量で30%から70%までの中鎖グルセリドを合計組成物重量に対して備えることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項20】
前記組成物が経口管理(投与)を対象とすることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項21】
組成物が、食物補足物、栄養上の組成物の形態をし、又はヒト又は動物を対象とする角質性物質の処置のための機能的食物の形態をしていることを特徴とする、先行する請求項の何れか1項に従う使用。
【請求項22】
乾燥及び/又は感作した角質性物質の予防及び/又は処置用の経口吸収のための組成物であって、活性原料として、少なくとも1種の中鎖グリセリド及び角質性物質上活性な少なくとも1種の他の薬剤を備えることを特徴とする、組成物。
【請求項23】
前記活性な薬剤が、ビタミン、鉱物、必須脂質及びそれらの誘導体、とりわけ共役リノール酸、カプレニン、少数元素、ポリフェノール、フラボノイド、植物エストロゲン、リポ酸及び補酵素Q10のような酸化防止剤、カロテノイド、プロバイオティクス、プレバイオティクス、タンパク質及びアミノ酸、単糖及び多糖、アミノ糖、植物ステロール及び植物起源のトリテルペンアルコールからなる群より選ばれることを特徴とする、先行する請求項に従う組成物。
【請求項24】
トリグリセリド成分が請求項10から19までに規定されるものであることを特徴とする、請求項22又は請求項23に従う組成物。
【請求項25】
中鎖グリセリドの非治療上の使用であって、活性原料として、乾燥した及び/又は繊細な角質性物質、とりわけ皮膚を防ぎ及び/又は処置し、及び/又は皮膚障害及び/又は皮脂の排出及び/又は分泌における欠損に関連する毛嚢脂腺単位の障害を処置し及び/又は防ぎ、及び/又は低脂漏性の乾燥皮膚を処置し、及び/又はそう痒及び/又は緊張を防ぎ及び/又は処置し、及び/又はセボゲネシスを刺激し、及び/又は乾燥した又は繊細な角質性線維を防ぎ及び/又は処置し、及び/又は皮膚の乾きに関連するしわを防ぎ及び/又は減らす、使用。
【請求項26】
中鎖トリグリセリドを用いることを特徴とする、請求項25に従う使用。
【請求項27】
非治療上の処置方法であって、乾燥した及び/又は繊細な角質性物質、とりわけ乾燥した及び/又は繊細な皮膚を防ぎ及び/又は処置し、及び/又は乾燥した低脂漏性皮膚を処置し、及び/又はそう痒及び/又は緊張を防ぎ及び/又は処置し、及び/又はセボゲネシスを刺激し、及び/又は皮膚障害及び/又は皮脂の排出及び/又は分泌における欠損に関連する毛嚢脂腺単位の障害を処置し及び/又は防ぎ、及び/又は乾燥した又は繊細な角質性線維を防ぎ及び/又は処置し、及び/又は皮膚の乾きに関連するしわを防ぎ及び/減らすのに、少なくとも効果的な量の中鎖グリセリド(群)を管理する工程を備える、方法。
【請求項28】
中鎖トリグリセリド(群)を用いることを特徴とする、請求項27に従う方法。
【請求項29】
中鎖グリセリドを、0.5mg/日から100g/日まで、とりわけ1mg/日から10g/日まで、及び特に5から2.5までのg/日の1日用量において管理することを特徴とする、請求項27又は28に従う方法。
【請求項30】
中鎖トリグリセリドを経口的及び/又は非経口的に管理することを特徴とする、請求項27、28又は29に従う方法。
【請求項31】
中鎖グリセリドの共同の局所的管理を含むことを特徴とする、請求項27から30までの何れか1項に従う方法。

【公表番号】特表2008−540621(P2008−540621A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511763(P2008−511763)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050445
【国際公開番号】WO2007/000529
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507379142)
【Fターム(参考)】