説明

ゲートバルブ装置および真空処理装置およびゲートバルブ装置における弁体の開放方法。

【課題】パーティクルの発生や機構部寿命低下を生じさせることなく、動作時間を目標時間に納めることが可能なゲートバルブ装置を提供すること。
【解決手段】真空処理室10の側壁に設けられた、ガラス基板Gの搬入出用の搬入出口10aを開閉するためのゲートバルブ装置30は、搬入出口10aを開閉する弁体33と、弁体33を駆動させるエアシリンダ36と、弁体33の位置に応じて弁体33の移動速度を異ならせるように弁体33の駆動を制御するエア駆動回路60とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャンバの側壁に設けられた、被処理基板の搬入出用の基板搬入出口を開閉するためのゲートバルブ装置、およびそのようなゲートバルブ装置を含む真空処理装置、ならびにゲートバルブ装置における弁体の開放方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造過程においては、真空下でガラス基板にエッチング、アッシング、成膜等の真空処理が多用されている。
【0003】
このような真空処理を行う真空処理装置においては、真空に保持されて上記処理を行う真空処理室と、この真空処理室に隣接して搬送機構を備えた真空予備室とが設けられている。真空予備室としては、大気側に配置されたカセットと真空処理室との間に大気側と真空側とのインターフェイスとして機能するロードロック室や、常時真空に保持される真空搬送室が用いられる。
【0004】
そして、このような真空処理室と真空予備室との間にはゲートバルブが設けられ、真空処理を行う際にはゲートバルブの弁体により真空処理室に設けられた搬入出口が閉じられ、ガラス基板を搬送する際にはゲートバルブの弁体を下降させることにより搬入出口が開けられる(例えば、特許文献1)。
【0005】
そして、ゲートバルブの弁体により搬入出口を閉じる際には、弁体に連結されたエアシリンダのロッドを上昇させて弁体を搬入出口まで上昇させ、さらにエアシリンダのロッドを上昇させてリンク機構により弁体を搬入出口の周囲部分に押しつけてシールする。また、搬入出口を開ける際には、エアシリンダのロッドを下降させ、最初にリンク機構による弁体の押しつけ力を解除し、さらにロッドを下降させることにより弁体を下降させて搬入出口を開放する。
【0006】
このようなゲートバルブによる搬入出口の開閉動作において、駆動源であるエアシリンダは、スピードコントロールバルブを用い、動作開始時および停止時の衝撃緩和、ならびに目標時間内の動作完了を実現している。
【0007】
ところで、近時、FPD用のガラス基板に対する大型化の要求が強く、一辺が2mを超えるような巨大なものが出現するに至っている。そして、このような巨大な基板を処理する装置も大型化せざるを得ず、ゲートバルブにより開閉すべき搬入出口のサイズも極めて大きいものとなっており、弁体重量、エアシリンダの駆動ストロークも増大する。また、真空処理室から弁体に圧力がかかるいわゆる逆圧時の負荷も増大する。したがって、従来のスピードコントロールバルブだけの調整では、動作時間を目標時間に納めようとすると、動作開始時および停止時の衝撃が増大し、パーティクルの発生や機構部寿命低下が問題となる。
【特許文献1】特開平5−87258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、パーティクルの発生や機構部寿命低下を生じさせることなく、動作時間を目標時間に納めることが可能なゲートバルブ装置、およびそのようなゲートバルブ装置を備えた真空処理装置を提供することを目的とする。また、そのようなゲートバルブ装置における弁体の開放方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、チャンバの側壁に設けられ被処理基板の搬入出用の基板搬入出口を開閉するためのゲートバルブ装置であって、前記基板搬入出口を閉塞する弁体と、前記弁体を、前記基板搬入出口を閉塞する閉塞位置と、前記基板搬入出口から離隔した退避位置との間で移動させる駆動機構と、前記弁体の位置に応じて弁体の移動速度を異ならせるように前記弁体の駆動を制御する駆動制御部とを具備することを特徴とするゲートバルブ装置を提供する。
【0010】
上記第1の観点において、前記駆動制御部は、前記弁体をその位置に応じて相対的に遅い第1の速度と相対的に速い第2の速度で移動させるようにすることができる。この場合に、前記駆動制御部は、前記弁体が他の部材と接触する第1の領域にて前記弁体を前記第1の速度により移動させ、前記弁体が他の部材と接触しない第2の領域にて前記弁体を前記第2の速度により移動させるように制御することが好ましい。
【0011】
また、前記駆動機構はエアシリンダであり、前記駆動制御部は前記エアシリンダへのエアの供給および排出を行ってエアシリンダの駆動を制御するエア駆動回路を有し、前記エア駆動回路は、前記第1の速度に対応した第1のスピードコントロールバルブと、第2の速度に対応した第2のスピードコントロールバルブを有する構成とすることができる。この場合に、前記エア駆動回路は、前記第1のスピードコントロールバルブに接続されたパイロットチェック弁と、該パイロットチェック弁に接続され、該パイロットチェック弁へのエアの供給速度を調整して前記第1の速度と前記第2の速度の切り換えタイミングを調整するタイミング調整スピードコントロールバルブとを有する構成を採用することができる。
【0012】
前記エア駆動回路は、前記エアシリンダに接続された第1および第2のエア供給・排出配管と、前記第1のエア供給・排出配管および前記第2のエア供給・排出配管のエアの供給および排出を切り替えるソレノイドバルブとを有し、前記第1のスピードコントロールバルブは前記第2のエア供給・排出配管に設けられ、前記第2のスピードコントロールバルブは前記第1のスピードコントロールバルブと並列して設けられている構成とすることができる。この場合に、前記エア駆動回路は、前記第1のエア供給・排出配管および/または前記第2のエア供給・排出配管を介して前記エアシリンダからのエアの排出を行う際に、前記ソレノイドバルブを介さずに高速排気する機構を有するように構成することができる。
【0013】
上記第1の観点において、前記駆動機構を複数備えていることが好ましい。この場合に、前記複数の駆動機構は、前記弁体を前記基板搬入出口の閉塞位置と退避位置との間で移動させる主駆動機構と、前記弁体を閉じる際の押しつけ動作を補助する補助駆動機構とを有し、該補助駆動機構は、前記弁体が前記退避位置にあるときには前記弁体とは離間していることが好ましい。前記補助駆動機構は、前記弁体を退避位置から閉塞位置に移動させる際には、前記主駆動機構より遅れて動作することが好ましい。
【0014】
前記チャンバが真空に保持される真空室であり、前記搬入出口を介して他の真空室に隣接している構成の場合に有効である。
【0015】
本発明の第2の観点では、側壁に被処理基板の搬入出用の基板搬入出口を有し、被処理基板に真空処理を施す真空処理室と、前記真空処理室と隣接して設けられた、前記真空処理室に対する基板の搬入出を行う真空予備室と、前記真空処理室と前記真空予備室との間に、前記基板搬入出口を開閉可能に設けられたゲートバルブ装置とを具備する真空処理装置であって、前記ゲートバルブ装置は、前記基板搬入出口を閉塞する弁体と、前記弁体を、前記基板搬入出口を閉塞する閉塞位置と、前記基板搬入出口から離隔した退避位置との間で移動させる駆動機構と、 前記弁体の位置に応じて弁体の移動速度を異ならせるように前記弁体の駆動を制御する駆動制御部とを具備することを特徴とする真空処理装置を提供する。
【0016】
本発明の第3の観点では、チャンバの側壁に設けられ被処理基板の搬入出用の基板搬入出口を開閉するためのゲートバルブ装置における弁体の開放方法であって、前記弁体を、前記基板搬入出口を閉塞する閉塞位置から、前記基板搬入出口から離隔した退避位置へ移動させる際に、前記弁体に他の部材への接触部が存在する第1の領域では前記弁体を相対的に遅い第1の速度で動作させ、前記弁体に接触部が存在しない第2の領域では前記弁体を相対的に速い第2の速度で動作させることを特徴とするゲートバルブ装置における弁体の開放方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、弁体の位置に応じて弁体の移動速度を異ならせるように前記弁体の駆動を制御するので、弁体が他の部材へ接触する領域では弁体の移動速度を遅くし、他の部材と接触しない領域では弁体の移動速度を速くすることができる。このため、パーティクルの発生や機構部寿命低下を生じさせることなく、弁体の動作時間を目標時間に納めることが可能となる。
【0018】
また、駆動機構として昇降機構としてのエアシリンダを用い、駆動制御部としてエア駆動回路を用い、弁体の速度制御にスピードコントロールバルブを用いて上記動作を実現することにより、制御や機構の複雑化をもたらすことなく上記効果を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るゲートバルブ装置を備えた真空処理装置の外観を示す斜視図、図2は図1の真空処理装置のロードロック室(真空予備室)および真空処理室を示す水平断面図、図3は真空処理室とロードロック室との間のゲートバルブ装置の駆動部分を示す縦断面図である。
【0020】
図1に示すように、真空処理装置100は、真空雰囲気でFPD用ガラス基板Gに対してプラズマエッチング処理や薄膜形成処理等の所望の真空処理を行う真空処理室(チャンバ)10と、この真空処理室10に連設され、真空予備室として機能するロードロック室20と、真空処理室10とロードロック室20との間に設けられたゲートバルブ装置30と、ロードロック室20と外部の大気側搬送機構50とを隔てるゲートバルブ装置40とを備えている。ここで、FPDとしては、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセンス(Electro Luminescence;EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)等が例示される。
【0021】
大気側搬送機構50は、旋回および伸縮が可能な搬送アーム51を備えており、複数の基板Gが収納された基板ラック55から未処理の1枚の基板Gを取り出し、ゲートバルブ装置40を介してロードロック室20内の基板搬送装置27に渡す動作、および処理済の基板Gを、ロードロック室20内の基板搬送装置27から受け取ってゲートバルブ40を介して大気側に取り出し、基板ラック55に収納する動作を行う。
【0022】
図2に示すように、真空処理室10には、ガラス基板Gを搬入搬出する搬入出口10aが設けられている。また、真空処理室10には、ガス供給配管11を介して処理ガス供給部12が接続されており、ガス供給配管11にはバルブ13および流量制御器(図示せず)が設けられている。そして、このガス供給部12から真空処理室10の内部に所定の処理ガスを供給することが可能になっている。また、真空処理室10には、排気配管14を介して真空ポンプ15が接続されており、排気配管14には圧力制御バルブ16が設けられている。これにより、真空処理室10内を処理に必要な所定の圧力の処理ガス雰囲気を形成可能となっている。真空処理室10の内部には処理対象であるガラス基板Gが載置される処理ステージ17が設けられている。
【0023】
図2に示すように、ロードロック室20には、真空処理室10との間でガラス基板Gを搬入出する第1搬入出口20aと、大気側との間でガラス基板Gを搬入出する第2搬入出口20bとを有している。また、ロードロック室20には、排気配管21を介して真空ポンプ22が接続されており、排気配管21にはバルブ23が設けられている。また、ロードロック室20には、パージガス供給配管24を介してパージガス供給部25が設けられており、パージガス供給配管24にはバルブ26および流量制御器(図示せず)が設けられている。そして、真空処理室10との間でガラス基板Gを搬送する場合には、真空ポンプ22により真空処理室10と同等の真空度まで真空排気され、大気雰囲気の基板ラック55との間でガラス基板Gを搬送する場合には、パージガス供給部25からロードロック室20内にNガス等のパージガスが供給されてロードロック室20内は大気圧に戻される。また、ロードロック室20の内部には、基板搬送装置27が設けられており、この基板搬送装置27により真空処理室10に対するガラス基板Gの搬入出が行われるようになっている。
【0024】
ゲートバルブ装置30は、図2、3に示すように、真空処理室10とロードロック室20との間に設けられており、真空処理室10およびロードロック室20の外壁に密着され、真空処理室10の搬入出口10aおよびロードロック室20の第1の搬入出口20aに連通する一対の開口31が形成された枠体32と、この枠体32内を移動し、開口31の開閉動作を行う弁体33を備えている。
【0025】
弁体33は、枠体32の真空処理室10側の開口31を塞ぐための(すなわち搬入出口10aを塞ぐための)押さえ部33aと、押さえ部33aを開口31の周囲部分に押しつけるためのリンク機構34と、押さえ部33aをリンク機構34を介して支持する支持体35とを有している。支持体35の下端にはエアシリンダ36のロッド37が接続されている。そして、エアシリンダ36に接続された第1のエア供給・排出配管38aおよび第2のエア供給・排出管38bを介してエアシリンダ36に対するエアの供給および排出を行うことにより、ロッド37が昇降動作を行い、その昇降動作にともなって弁体33が昇降するようになっている。エアシリンダ36による弁体33の駆動は、エア駆動回路60によって制御されるようになっている。
【0026】
弁体33の押さえ部33aの上端には係止ローラ61が設けられ、枠体32の上壁内側の係止ローラ61に対応する位置には緩衝機能を有するストッパ62が設けられている。また、支持体35の裏面側(ロードロック室20側)には、押さえ部33aが開口31に対応する位置に存在する際に、真空処理室10内の圧力が高くなる「逆圧」状態が生じても押さえ部33aによる開口31の密閉状態が維持されるようにするために一対の背当てローラ63a、63bが取り付けられている。これら背当てローラ63a,63bは、弁体33が開口31に対応する位置に存在する際に、ロードロック室20側の開口31を上下に跨ぐように設けられており、枠体32の内壁には、これらを受ける受け部材64a,64bが設けられている。これら受け部材64a,64bは緩衝機能を有している。
【0027】
上記リンク機構34は、図4に示すように、押さえ部33aおよび支持体35にそれぞれ軸65a,65bにより連結された上リンク65と、その下方に位置する軸66a,66bにより押さえ部33aおよび支持体35に連結され、上リンク65と平行に設けられた下リンク66とを有し、これら上リンク65、下リンク66、押さえ部33a、および支持体35により平行四辺形リンクを構成している。そして、弁体33が閉じていないときには、図4の(a)に示すように、付勢手段としてのバネ67により弁体33の押さえ部33aが支持体35より上の位置になるように押さえ部33aが付勢されている。そして、この状態からエアシリンダ36により弁体33が上昇していき、押さえ部33aの係止ローラ61がストッパ62に当接すると、図4の(b)に示すように、押さえ部33aの上昇が妨げられ、支持体35のみがバネ67の付勢力に抗して上昇する。そうすると、バネ67の付勢力により斜めになっていた上リンク65および下リンク66が水平に近づき、平行四辺形リンクがより長方形に近い形状になり、これにともなって、押さえ部33aが真空処理室10側に押しつけられ、開口31の周囲が押さえ部33aにより密閉され、真空処理室10の搬入出口10aは弁体33により閉じられる。
【0028】
弁体33を開放して搬入出口10aを開ける場合には、エアシリンダ36により支持体35を下降させ、まず、図4の(b)の状態から押さえ部33aをロードロック室20側へ移動させて図4の(a)の状態とし、その状態からエアシリンダ36により弁体33の全体を下降させる。
【0029】
この場合に、ゲートバルブ装置30においては、弁体33によって開口31を閉塞している状態から開ける際には、シール部や、係止ローラ、背当てローラ等の接触部が必ず存在し、その後接触範囲外となる。接触部が存在している際に弁体33を速く動作させるとパーティクルが発生しやすく、また機構部の寿命も低下しやすく、逆に発塵を抑制するために動作を遅くすると、目標時間内に動作が終了しない。
【0030】
そこで、本実施形態では、エア駆動回路60により、弁体33を開く際に、接触部が存在している初期段階では弁体33を低速で動作させ(a動作)、接触部が存在しなくなった段階で弁体33を高速で動作させる(b動作)ように、エアシリンダ36による駆動を制御して、パーティクルの抑制および目標時間内での弁体33の開閉動作を実現する。
【0031】
エア駆動回路60の具体的な構成を図5に示す。
第1のエア供給・排出配管38aは、エアシリンダ36の上部に接続されており、エアシリンダ36のロッド37を下降させる際(弁体33の開放動作)にエアシリンダ36内にエアを供給し、上昇させる際(弁体33の閉塞動作)にエアを排出するようになっている。一方、第2のエア供給・排出配管38bは、エアシリンダ36の下部に接続されており、エアシリンダ36のロッド37を上昇させる際(弁体33の閉塞動作)にエアシリンダ36内にエアを供給し、下降させる際(弁体33の開放動作)にエアを排出するようになっている。第1のエア供給・排出配管38aおよび第2のエア供給・排出配管38bへのエアの供給およびこれらからのエアの排出はソレノイドバルブ80により制御される。ソレノイドバルブ80は、クローズ部81とオープン部82とで切り替え可能となっており、クローズ部81に切り替えた際には、弁体33の閉塞動作が行われ、オープン部82に切り替えた際には、弁体33の開放動作が行われる。
【0032】
第1のエア供給・排出配管38aには、第1スピードコントロールバルブ71が介装されている。この第1スピードコントロールバルブ71は、エアを排出する際には絞り弁71aにより所定流量に制御し、エアを供給する際には逆止弁71bに妨げられずに大流量で供給可能とする。
【0033】
第2のエア供給・排出配管38bには、低速の上記a動作用の第2スピードコントロールバルブ72が介装されている。この第2スピードコントロールバルブ72は、エアを排出する際には絞り弁72aにより弁体33の開放動作がパーティクルを抑制可能な低速のa動作になるように低流量に制御し、エアを供給する際には逆止弁72bに妨げられずに大流量で供給可能とする。また、第2のエア供給・排出配管38bには、第2スピードコントロールバルブ72をバイパスするように、配管73が接続されており、この配管73には高速の上記b動作用の第3スピードコントロールバルブ74が介装されている。第3スピードコントロールバルブ74は、通常のスピードコントロールバルブ構造を有するコントロール部76にパイロットチェック弁75を組み合わせたものであり、パイロットチェック弁75には第1のエア供給・排出配管38aから分岐した配管77が接続されている。この配管77には第4スピードコントロールバルブ78が介装されている。そして、弁体33の開放動作を行う際には、最初は第3スピードコントロールバルブ74のパイロットチェック弁75により配管73へエアは流れず、第2スピードコントロールバルブ72により小流量でエアが排出される。これにより、弁体33を開放する初期段階では弁体33が低速で動作する(a動作)。このとき、第4スピードコントロールバルブ78の絞り弁78aにより所定流量で、第1のエア供給・排出配管38aに供給されたエアの一部が配管77を通って第3スピードコントロールバルブ74のパイロットチェック弁75に供給されていき、パイロットチェック弁75のエアシリンダ36側の圧力に対して、配管77側の圧力が所定の圧力(ここでは50%)となった時点で、パイロットチェック弁75が開いて配管73にエアが流れる。このとき第3スピードコントロールバルブ74のコントロール部76の絞り弁76aの絞りを緩くして第2スピードコントロールバルブ72により制御される流量よりも大流量とすることができ、これにより弁体33の動作を高速動作(b動作)に切り替えることができる。すなわち、第4スピードコントロールバルブ78はa動作とb動作の切り替え用として機能する。このような弁体33の初期動作とその後の高速動作の切り替えタイミングは、第4スピードコントロールバルブ78の絞り弁78aにより配管77を流れるエアの流量を調整することにより制御することができる。
【0034】
なお、ゲートバルブ装置30が大型の場合には、弁体33の駆動に大きな力が必要となり、その場合には、図6のようにエアシリンダ36を2つ設けることが好ましい。この場合に、2つのエアシリンダ36はエア駆動回路60′により、同期して同じ動作を行わせる。
【0035】
このエア駆動回路60′は、図7に示すように、2つのエアシリンダ36に対して、ソレノイドバルブ80、第4スピードコントロールバルブ78等を共通化しているが、基本構成は、エアシリンダ36が一つの場合と同様である。
【0036】
ゲートバルブ装置40は、図2に示すように、ロードロック室20の大気側に設けられており、ロードロック室20の外壁に密着され第2搬入出口20bおよび大気側に連通する一対の開口41が形成された枠体42と、この枠体42内を移動し、開口41の開閉動作を行う弁体43を備えている。
【0037】
図2に示すように、真空処理装置100の各構成部は、制御部90により制御される構成となっている。例えば、ガスの供給、排気、開閉バルブ、ゲートバルブ装置等が制御部90により制御される。特に、上記ゲートバルブ装置30においては、エア駆動回路60のソレノイドバルブ80の動作が制御部90により制御される。
【0038】
この制御部90はマイクロプロセッサを備えたプロセスコントローラ91を有し、このプロセスコントローラ91には、オペレータが真空処理装置100を管理するためのコマンドの入力操作等を行うキーボードや、真空処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース92が接続されている。また、プロセスコントローラ91には、真空処理装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ91の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて真空処理装置100に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわちレシピ、さらには各種データベース等が格納された記憶部93が接続されている。記憶部93は記憶媒体を有しており、レシピ等はその記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクのような固定的なものであってもよいし、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース92からの指示等にて任意のレシピを記憶部93から呼び出してプロセスコントローラ91に実行させることで、プロセスコントローラ91の制御下で、真空処理装置100での所望の処理が行われる。
【0039】
次に、このように構成される真空処理装置の動作について説明する。
まず、基板搬送装置27は、ロードロック室20内に存在し、ゲートバルブ装置30の弁体33が閉じられ、真空処理室10の内部は真空ポンプ15にて必要な真空度に排気される。
【0040】
次いで、大気側搬送機構50の搬送アーム51により、未処理のガラス基板Gを基板ラック55から取り出し、ゲートバルブ装置40の弁体42を開放し、開口部41および搬入出口20bを通過させて大気雰囲気のロードロック室20内にガラス基板Gをロードロック室20内に搬入し、位置決め部(図示せず)に配置される。その後、搬送アーム51を大気側に引き抜いてロードロック室20の外部に退避させ基板搬送装置27のピック上にガラス基板Gを載せる。
【0041】
この状態で、ゲートバルブ装置40の弁体42を閉じてロードロック室20を密閉状態にし、排気制御弁23を開いて真空ポンプ22により、真空処理室10への搬送が可能な圧力になるまで排気した後、ゲートバルブ装置30の弁体33を開く。この場合に、弁体33は、開口31を閉塞し開口31の周囲に対して押しつけられている状態から開放され次いで下降されるが、弁体33の開放動作の初期段階において、ロードロック室20内の圧力のほうが真空処理室10内の圧力よりも高い正圧状態か両者が等しい等圧状態では、弁体33のシール部が枠体32の開口31周囲部分に接触し、ロードロック室20内の圧力のほうが真空処理室10内の圧力も低い逆圧状態では背当てローラ63a,63bが受け部材64a,64bに接触し、いずれの場合にも係止ローラ61がストッパ62に接触しているから、弁体33の動作初期には必ず接触部が存在する。従来は、弁体33の動作時間を所定時間内に納めるために、動作初期の接触部が存在する段階においても弁体33の動作速度を速くせざるを得ず、図8に示すように、接触部が高速で摺動されること等により発塵し、機構部の寿命低下も懸念される。このような問題は、背当てローラ63a,63bを設ける等の衝撃を少なくする対策を講じても、接触部が存在する初期段階で弁体33の動作を高速にしている限り生じてしまうことが判明した。
【0042】
そこで、本実施形態では、弁体33の開放動作において、図9の(a)に示すように、弁体33に接触部が存在している間は、極力発塵が生じないように低速で動作させ(a動作)、図9の(b)に示すように、接触部が存在しなくなり、発塵や機構の寿命低下の懸念がなくなった時点で高速で動作させる(b動作)。これにより、発塵および機構の寿命を引き起こすことなく、弁体33の全体の動作時間を短くすることができる。
【0043】
そして、このようなa動作およびb動作の2段階の動作制御をエア駆動回路60により行うので、弁体33の動作の際に、制御部90において制御するのはソレノイドバルブ80の動作の切り替え制御のみであり、しかもこのエア駆動回路60は複数のスピードコントロールバルブと配管の組み合わせによる簡易な構造であるため、複雑な機構や制御を用いることなく、このような2段階動作を実現することができる。
【0044】
このようにして弁体33を開けた状態で、基板搬送装置27によりロードロック室20の搬入出口20a、ゲートバルブ装置30の一対の開口31、および搬入出口10aを介してガラス基板Gを真空処理室10に搬入する。この場合に、トータルのスループット向上の観点からは、上記弁体33の開放動作の途中で基板搬送装置27の動作を開始することが好ましい。これにより、弁体33の開放が終了した時点で基板搬送装置27の動作を開始するよりもトータルの基板搬送時間を短縮することができる。この際の基板搬送装置27の動作タイミングとしては、例えばゲートバルブ装置30に弁体33の下降動作の際に弁体33が所定位置を通過したことを検知するセンサを設けておき、そのセンサからの信号をトリガーとして基板搬送装置27を動作させることが考えられる。また、基板搬送装置の動作に合わせて弁体を閉じるときには、基板搬送装置の駆動機構に取り付けたエンコーダ等により基板搬送装置の位置情報を検出して、それに基づいて弁体33を上昇させるためのトリガー信号を出力することもできる。
【0045】
このようにガラス基板Gを搬入後、ソレノイドバルブ80を切り替えて、第1のエア供給・排出配管38aを介してエアシリンダ36内のエアを排出し、第2のエア供給・排出配管38bを介してエアシリンダ36内にエアを供給することにより、ロッド37を上昇させ、弁体33を上昇させ、さらに枠体32の開口31の周囲部分に弁体33を押し込む。これにより弁体33が閉じた状態となり、真空処理室10内でガラス基板Gに対して所定の真空処理が行われる。
【0046】
真空処理後、上述と同様にしてゲートバルブ装置30の弁体33が開けられ、基板搬送装置27により真空処理室10内のガラス基板Gを受け取ってロードロック室20内に戻し、その後、ゲートバルブ装置30の弁体33は閉じられる。ロードロック室20にガラス基板Gが存在する状態でロードロック室20内にパージガス供給部25からロードロック室20内にパージガスを供給し、その中を大気圧にし、その後、ゲートバルブ装置40の弁体42を開放して大気側搬送機構によりガラス基板Gを大気雰囲気に存在するラック55に収納される。
【0047】
次に、上記の2段階動作を実現する他のエア駆動回路について説明する。
図10はそのような他のエア駆動回路160を示す図である。ここでは、基本構造は図5に示したエア駆動回路60と同じであるから、同じものには同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0048】
このエア駆動回路160は、第1のエア供給・排出配管38aに第1スピードコントロールバルブ71の代わりに、急速排気弁171を設け、ソレノイドバルブ80にエアを戻す代わりにエアを高速排気する。すなわち、急速排気弁171は、三方弁構造を有しており、分岐部171aに急速排気ライン172が繋がっている。また、分岐部171aの第1のエア供給・排出配管38aに繋がる流路38a′には逆止弁171bが設けられており、エアを排出する際には逆止弁171bによりエアは流路38a′には流れず、高速排気ライン172を介して高速に排気される。したがって、エアシリンダ36による弁体33の上昇動作をより高速で行うことができる。エアシリンダにエアを供給する際には逆止弁171bに妨げられずに第1のエア供給・排出配管38aを通って供給される。
【0049】
一方、第3スピードコントロールバルブ74は、第2のエア供給・排出配管38bから分岐し、ソレノイドバルブ80に戻らずに、そのままエア排出可能な配管173に接続されている。したがって、より高速排気が可能となり、弁体33を高速で下降させる上記b動作を、より高速で行うことが可能となる。
【0050】
装置が一層大型化した場合には、図10を用いた高速動作回路は好ましいが、一つのエアシリンダでは、弁体33を閉じる際の押し込み力が不足する傾向にあり、また、このような高速排気を用いるとエアがソレノイドバルブ80に戻らないので、弁体33の落下防止を十分に行えない。
【0051】
そこで、図11に示すように、図10のエア駆動回路160を用いたメインのエアシリンダ36の他に、補助のための2つのエアシリンダ136を用いる。この補助用のエアシリンダ136は、ロッド137は弁体33に未接続であり、弁体33を閉じる際に弁体33の押し込み力の補助のために用いるものである。また、これら2つのエアシリンダ136は、弁体33の落下防止機能を果たすこともできる。これら2つのエアシリンダ136はエア駆動回路260により駆動されるようになっており、第1のエア供給・排出配管138aおよび第2のエア供給・排出配管138bを有している。
【0052】
図12にエア駆動回路160とエア駆動回路260とを組み合わせた状態を示す。エア駆動回路260には、上述したように、第1のエア供給・排出配管138aおよび第2のエア供給・排出配管138bを有している。第1のエア供給・排出配管138aは、エアシリンダ136の上部に接続されており、エアシリンダ136のロッド137を下降させる際にエアシリンダ136内にエアを供給し、上昇させる際にエアを排出するようになっている。一方、第2のエア供給・排出配管138bは、エアシリンダ136の下部に接続されており、エアシリンダ136のロッド137を上昇させる際にエアシリンダ136内にエアを供給し、下降させる際にエアを排出するようになっている。第1のエア供給・排出配管138aは流路138a′を経てソレノイドバルブ80に至り、第2のエア供給・排出配管138bは流路138b′を経てソレノイドバルブ80に至る。第1のエア供給・排出配管138aおよび第2のエア供給・排出配管138bへのエアの供給およびこれらからのエアの排出はソレノイドバルブ180により制御される。ソレノイドバルブ180は、クローズ部181とオープン部182とで切り替え可能となっており、クローズ部181に切り替えた際には、ロッド137の上昇動作が行われ、オープン部182に切り替えた際には、ロッド137の下降動作が行われる。
【0053】
第1のエア供給・排出配管138aには、第1スピードコントロールバルブ181が介装されている。この第1スピードコントロールバルブ181は、図5に示すエア駆動回路60の第3スピードコントロールバルブ74と同様、通常のスピードコントロールバルブ構造を有するコントロール部183にパイロットチェック弁182を組み合わせたものであり、パイロットチェック弁182には第2のエア供給・排出配管138bから分岐した配管185が接続されている。このため、第2のエア供給・排出配管138bへのエアの供給が何らかのトラブルにより止まった際には、配管185へのエアの供給が止まるため、パイロットチェック弁182は閉じる。するとエアシリンダ137に接続された第1のエア供給・排出配管138aは閉じた空間となりエアの流れが発生しない。つまり、エアシリンダ137の動作を止め、トラブルの際に現状を保持するようにする。
【0054】
一方、第2のエア供給・排出配管138bには、第2スピードコントロールバルブ184が介装されている。この第2スピードコントロールバルブ184は、エアを排出するときに流量を制御する通常の構造を有している。
【0055】
そして、2つのエアシリンダ136の第1のエア供給・排出配管138a、第2のエア供給・排出配管138bはそれぞれ一本化されて共通のソレノイドバルブ180に接続されている。これにより、2つのエアシリンダ136は同期して同じ動作を行うことができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく本発明の思想の範囲内で種々変形可能である。たとえば、上記実施形態では、駆動機構として昇降機構であるエアシリンダを用いた例を示したが、駆動態様は昇降に限らず、例えば回動等、他の態様であってもよく、駆動機構もエアシリンダに限らず電動モータ等の他の駆動機構であってもよい。エアシリンダを用いない場合には、制御機構としてエア駆動回路を用いる代わりに、電気的な制御等、他の制御手法を用いることもできる。
【0057】
さらに、上記実施形態では、真空予備室としてロードロック室を用いた例について示したが、常時真空に保持される真空搬送室であってもよい。
【0058】
さらにまた、基板として、FPD基板を用いた場合について示したが、これに限らずその他の基板にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、大型の基板を真空室間で搬送する際にこれら真空室の間を開閉するゲートバルブ装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲートバルブ装置を備えた真空処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】図1の真空処理装置のロードロック室(真空予備室)および真空処理室を示す水平断面図。
【図3】真空処理室とロードロック室との間のゲートバルブ装置の駆動部分を示す縦断面図。
【図4】図3に示すゲートバルブ装置の弁体のリンク機構およびその動作を示す図。
【図5】弁体を駆動するエアシリンダの駆動を制御するエア駆動回路を示す図。
【図6】弁体を駆動するエアシリンダを2つ設けた例を示す模式図。
【図7】エアシリンダを2つ設けた場合のエア駆動回路を示す図。
【図8】弁体の開放動作の初期段階の状態を説明する模式図。
【図9】本発明の2段階動作を説明するための模式図。
【図10】弁体を駆動するエアシリンダの駆動を制御するエア駆動回路の他の例を示す図。
【図11】弁体の駆動のためにメインのエアシリンダとその両側に補助のエアシリンダを設けた例を示す模式図。
【図12】図11の場合のエア駆動回路を示す図。
【符号の説明】
【0061】
10……真空処理室
20……ロードロック室(真空予備室)
30……ゲートバルブ装置
31……開口
32……枠体
33……弁体
34……リンク機構
35……支持体
36……エアシリンダ
37……ロッド
38a……第1のエア供給・排出配管
38b……第2のエア供給・排出配管
60,60′,160,260……エア駆動回路
71……第1のスピードコントロールバルブ
72……第2のスピードコントロールバルブ
73,77……配管
74……第3のスピードコントロールバルブ
78……第4のスピードコントロールバルブ
80……ソレノイドバルブ
100……真空処理装置
G……ガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバの側壁に設けられた、被処理基板の搬入出用の基板搬入出口を開閉するためのゲートバルブ装置であって、
前記基板搬入出口を閉塞する弁体と、
前記弁体を、前記基板搬入出口を閉塞する閉塞位置と、前記基板搬入出口から離隔した退避位置との間で移動させる駆動機構と、
前記弁体の位置に応じて弁体の移動速度を異ならせるように前記弁体の駆動を制御する駆動制御部と
を具備することを特徴とするゲートバルブ装置。
【請求項2】
前記駆動制御部は、前記弁体をその位置に応じて相対的に遅い第1の速度と相対的に速い第2の速度で移動させることを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ装置。
【請求項3】
前記駆動制御部は、前記弁体が他の部材と接触する第1の領域にて前記弁体を前記第1の速度により移動させ、前記弁体が他の部材と接触しない第2の領域にて前記弁体を前記第2の速度により移動させるように制御することを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ装置。
【請求項4】
前記駆動機構はエアシリンダであり、前記駆動制御部は前記エアシリンダへのエアの供給および排出を行ってエアシリンダの駆動を制御するエア駆動回路を有し、前記エア駆動回路は、前記第1の速度に対応した第1のスピードコントロールバルブと、第2の速度に対応した第2のスピードコントロールバルブを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のゲートバルブ装置。
【請求項5】
前記エア駆動回路は、前記第1のスピードコントロールバルブに接続されたパイロットチェック弁と、該パイロットチェック弁に接続され、該パイロットチェック弁へのエアの供給速度を調整して前記第1の速度と前記第2の速度の切り換えタイミングを調整するタイミング調整スピードコントロールバルブとを有することを特徴とする請求項4に記載のゲートバルブ装置。
【請求項6】
前記エア駆動回路は、前記エアシリンダに接続された第1および第2のエア供給・排出配管と、前記第1のエア供給・排出配管および前記第2のエア供給・排出配管のエアの供給および排出を切り替えるソレノイドバルブとを有し、
前記第1のスピードコントロールバルブは前記第2のエア供給・排出配管に設けられ、前記第2のスピードコントロールバルブは前記第1のスピードコントロールバルブと並列して設けられていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のゲートバルブ装置。
【請求項7】
前記エア駆動回路は、前記第1のエア供給・排出配管および/または前記第2のエア供給・排出配管を介して前記エアシリンダからのエアの排出を行う際に、前記ソレノイドバルブを介さずに高速排気する機構を有することを特徴とする請求項6に記載のゲートバルブ装置。
【請求項8】
前記駆動機構を複数備えていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のゲートバルブ装置。
【請求項9】
前記複数の駆動機構は、前記弁体を前記基板搬入出口の閉塞位置と退避位置との間で移動させる主駆動機構と、前記弁体を閉じる際の押しつけ動作を補助する補助駆動機構とを有し、該補助駆動機構は、前記弁体が前記退避位置にあるときには前記弁体とは離間していることを特徴とする請求項8に記載のゲートバルブ装置。
【請求項10】
前記補助駆動機構は、前記弁体を退避位置から閉塞位置に移動させる際には、前記主駆動機構より遅れて動作することを特徴とする請求項9に記載のゲートバルブ装置。
【請求項11】
前記チャンバは真空に保持される真空室であり、前記搬入出口を介して他の真空室に隣接していることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のゲートバルブ装置。
【請求項12】
側壁に被処理基板の搬入出用の基板搬入出口を有し、被処理基板に真空処理を施す真空処理室と、
前記真空処理室と隣接して設けられた、前記真空処理室に対する基板の搬入出を行う真空予備室と、
前記真空処理室と前記真空予備室との間に、前記基板搬入出口を開閉可能に設けられたゲートバルブ装置と
を具備する真空処理装置であって、
前記ゲートバルブ装置は、
前記基板搬入出口を閉塞する弁体と、
前記弁体を、前記基板搬入出口を閉塞する閉塞位置と、前記基板搬入出口から離隔した退避位置との間で移動させる駆動機構と、
前記弁体の位置に応じて弁体の移動速度を異ならせるように前記弁体の駆動を制御する駆動制御部と
を具備することを特徴とする真空処理装置。
【請求項13】
チャンバの側壁に設けられ被処理基板の搬入出用の基板搬入出口を開閉するためのゲートバルブ装置における弁体の開放方法であって、
前記弁体を、前記基板搬入出口を閉塞する閉塞位置から、前記基板搬入出口から離隔した退避位置へ移動させる際に、前記弁体に他の部材への接触部が存在する第1の領域では前記弁体を相対的に遅い第1の速度で動作させ、前記弁体に接触部が存在しない第2の領域では前記弁体を相対的に速い第2の速度で動作させることを特徴とするゲートバルブ装置における弁体の開放方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−115242(P2009−115242A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289980(P2007−289980)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】