ゲート装置
【課題】ゲート装置内の利用者の通行方向を制御して、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導できるようにし、さらには、二人以上の同時侵入による共連れを阻止できるようにする。
【解決手段】ゲート装置1内に、複数並設のスライドシャッタ10a〜10hを設け、スライドシャッタ10a〜10hの開閉制御により、ゲート装置1内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して、入口から出口の一部領域に通じる通路を形成し、その通路を、形状を調節して出口の所定の領域に通じさせることにより、ゲート装置1内の利用者の通行方向を制御する
【解決手段】ゲート装置1内に、複数並設のスライドシャッタ10a〜10hを設け、スライドシャッタ10a〜10hの開閉制御により、ゲート装置1内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して、入口から出口の一部領域に通じる通路を形成し、その通路を、形状を調節して出口の所定の領域に通じさせることにより、ゲート装置1内の利用者の通行方向を制御する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルや工場の玄関、あるいは建物内の特定の部屋への出入り口、あるいは駅や空港のチェックゲートなどに設置されるゲート装置に関し、特に、利用者の通行方向を制御可能なゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の通行方向を制御可能なゲート装置として、例えば、スキー場でのリフト乗り場に利用されるゲート管理システムのゲート装置であって、Y字状の通路の分岐点に設置される左右揺動式の振り分けゲートが、リフト乗り場方向かゲレンデ方向のいずれかの通路を遮断するよう駆動され、利用者が携帯する携帯用自動支払機により改札を行って、許可された場合は、ゲートがゲレンデ方向の通路を遮断し、リフト乗り場方向の通路を開いて、利用者はリフト乗り場に進むことができ、不許可の場合は、ゲートがリフト乗り場方向の通路を遮断し、ゲレンデ方向の通路を開いて、利用者はゲレンデに戻されるようにしたものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平4−43479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のゲート装置は、例えば上記ゲート管理システムの場合、ゲートの出口地点に振り分けゲートを設けているため、利用者は、ゲート直前で進行方向を変える必要があり、それが円滑な通行が妨げる要因となる。また、このシステムでは、振り分けゲートが利用者の通行方向の前面に位置する上に、ゲート自体が駅の自動改札に見られるような比較的簡易な構造となるのが普通で、そのため、不許可となって所望の進行方向へ進めなくなった通行者が、進みたい方向の通路を遮蔽したゲートを手動で開放したり、乗り越えたりする不法行為を助長する虞がある。また、このような振り分けゲートを用いたシステムでは、利用者を2方向にしか振り分けることができず、3方向以上に振り分けるためには、振り分けゲートを幾重にも設けるなどの対応が必要で、ゲート構造が複雑になる。また、このシステムでは、認証エリア内に人感センサーが配備されているが、2人以上の通行者が接近して通行した場合は、センサでは検知しきれない可能性があり、共連れを確実に防止することはできない。
【0004】
本発明は、ゲート装置内の利用者の通行方向を制御して、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導できるようにし、さらには、二人以上の同時侵入による共連れを阻止できるようにすることを目的とする。
尚、認証した本人以外の別人を通行させる不法行為を「すりかわり」という場合もあるが、本明細書では「なりすまし」という用語を使用することにする。
また、認証した本人に、認証されていない者が追従して通行する不法行為を「連れ入り」または「共連れ」という場合があるが、本明細書では「共連れ」という用語を使用する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るゲート装置は、入口と出口を有し、入口から進入した利用者の通行方向を制御可能とするゲート装置であって、ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して入口から出口の一部領域に通じる通路を形成する規制手段と、該通路を出口の所定の領域に通じさせるように規制手段を駆動制御して通路の形状を調節する調節手段を備えることを特徴とする。
【0006】
このゲート装置は、ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して入口から出口の一部領域に通じる通路を形成し、その通路を、形状を調節して出口の所定の領域に通じさせることで、ゲート装置内の利用者の通行方向を制御することができ、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導することができる。
【0007】
また、本発明の請求項2に係るゲート装置は、入口と出口を有し、入口から進入した利用者の通行方向を制御可能とするゲート装置であって、ゲート装置内を通行する利用者の周囲を規制して区画スペースを形成するとともに、この区画スペースを入口近傍から出口近傍まで移動可能とする規制手段と、区画スペースを出口近傍の所定の位置まで移動させるように規制手段を駆動制御して区画スペースの移動経路を調節する調節手段を備えることを特徴とする。
【0008】
このゲート装置は、ゲート装置内を通行する利用者の周囲を規制して区画スペースを形成し、その区画スペースを、入口近傍から出口近傍の所定の位置まで移動させるように移動経路を調節することで、その移動する区画スペースを通路としてゲート装置内の利用者の通行方向を制御することができ、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導することができる。また、利用者の周囲を規制する区画スペースを入口近傍から出口近傍まで移動させることで、二人以上の同時侵入によるいわゆる「共連れ」を防止することができる。
【0009】
上記本発明のゲート装置において、規制手段は、ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向にスライドして通路を開閉する開閉部材が、通路方向に複数個並設されて成り、それら開閉部材の開度を調節することにより出口の所定の領域に通じる通路を形成するものであってよい。このような規制手段とすることで、開閉部材の開度を調節して通路の形状を調節し、出口の所定の領域に通じさせて、利用者をスムーズに出口側まで導くことができる。
【0010】
また、前記規制手段は、ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向にスライドして前記通路を開閉する開閉部材が、通路方向に複数個並設されて成り、前記開閉部材の開度を調節することにより区画スペースを前記出口近傍の所定の位置まで移動させるものであってよい。このような規制手段とすることで、開閉部材の開度を調節して区画スペースの形状を左右方向および前後方向に変更しつつ、各開閉部材を順次開閉して区画スペースを通行方向に移動させ、利用者をスムーズに出口側まで導くことができる。
【0011】
また、上記本発明のゲート装置は、通行が許可された利用者であることを認証する認証手段を備え、調節手段は、認証手段からの情報に基づいて規制手段を駆動制御するものであってよい。このようにすることで、認証した利用者だけを出口の許可された領域に通行させるようにできる。
【発明の効果】
【0012】
このように、本発明のゲート装置によれば、ゲート装置内の利用者の通行方向を制御して、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導するようにでき、さらには、二人以上の同時侵入による共連れを防止するようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図17は本発明の実施形態の一例を示している。図1はゲート装置の斜視図、図2はゲート装置の平面図、図3はゲート装置のスライドシャッタの基体部の構造を示す側面視概略図(a)および正面視概略図(b)、図4はゲート装置のスライドシャッタの付属部の構造を示す側面視概略図(a)および正面視概略図(b)、図5はゲート装置のスライドシャッタの内部構造の説明図、図6はゲート装置のサイドパネル取付機構および照光機構を示す概略側面図、図7はゲート装置のサイドパネル取付機構および照光機構を示す概略縦断面図、図8はゲート装置の通過センサの配置図、図9はゲート装置の制御ブロック図、図10はゲート装置の第1の設置例の説明図、図11はゲート装置の第1の設置例における第1の動作例の制御手順を示すフロー図、図12はゲート装置の第1の設置例における第1の動作例の動作説明図(a)〜(c)、図13はゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の制御手順を示すフロー図、図14はゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の通行可能時の動作説明図(a)〜(h)、図15はゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の通行不可時の動作説明図(a)、(b)、図16はゲート装置の第2の設置例の説明図、図17はゲート装置の第3の設置例の説明図である。
【0014】
(ゲート装置の全体構造)
図1および図2において、1はこの実施形態のゲート装置である。このゲート装置1は、前後方向に延びる真っ直ぐな通路(ゲート通路)を形成するよう間隔を空けて平行に配置された仕切りテーブル状の左本体部2および右本体部3を有し、それら左本体部2および右本体部3がゲート通路の左右側壁を構成している。これら左本体部2および右本体部3が構成する左右側壁の高さは、例えば大人の胸下高さ程度である。また、左本体部2および右本体部3の間に形成される通路は、前後方向の長さが例えば大人の数歩程度で、左右方向の幅が例えば大人の肩幅の2倍程度である。
【0015】
そして、ゲート通路の入口側および出口側には、入口アーチ4および出口アーチ5が設けられている。また、左本体部2および右本体部3の上面に沿って、入口アーチ4の左側支柱部と出口アーチ5の左側支柱部の間、および入口アーチ4の右側支柱部と出口アート5の右側支柱部との間に、それぞれサイドパネル6が設けられている。サイドパネル6は透明樹脂製で、横方向からの乗り越え防止用である。
【0016】
また、ゲート通路の出口側には、出口分離壁7が設けられている。出口分離壁7は、後述のように利用者の認証結果に基づいてスライドシャッタ10の開閉を駆動制御し、利用者(通行者)を出口分離壁7の左右のいずれかの方向に誘導するためのもので、ゲート装置1の出口を左右の2方向に分離する。
【0017】
そして、入口アーチ4の右手前に、第1の認証手段を構成する入口認証部8が設置され、出口アーチ5の右手前には、第2の認証手段のカメラ9が設置されている。
【0018】
また、このゲート装置1には、ゲート装置1内の左本体部2および右本体部3の間に形成される通路を、入口側から出口側へ向けて通行する途中の利用者の少なくとも通行方向前方側および後方側を規制して通路内に区画スペースを形成するとともに、予め登録された個々の利用者の外形情報に基づいて区画スペースの形状を調節可能とする規制手段として、通路を横切る方向にスライドして通路を開閉するスライドシャッタが通路方向に複数並設されている。各スライドシャッタは両開きに伸縮する一対の開閉部材10により構成されるもので、図の例では入口側から順に計8対の開閉部材10が配置され、それら8対の開閉部材10により前後に並ぶ8個のスライドシャッタが構成されている。
【0019】
そして、左本体部2および右本体部3の通路(ゲート通路)側の壁面上部には、各スライドシャッタの開閉部材10に対応する上方位置に、利用者の通過を検知する通過センサ11が設けられている。
【0020】
入口認証部8は、第1の認証手段を構成するもので、利用者が予め通行を許可された登録者であることを認証するために、掌紋認証用のカメラ12(掌紋センサ)と顔認証用のカメラ13の両方を備えている。このように掌紋認証用のカメラ12(掌紋センサ)と顔認証用のカメラ13の両方を備えることで、認証の正確さが向上する。但し、利用者が予め通行を許可された登録者であることを認証できる手段であれば他の認証手段を用いてもよい。例えば、掌紋認証用のカメラ12と顔認証用のカメラ13のいずれか一方、指紋認証などの他の生体認証手段、カード読み取りによる認証などでもよい。
【0021】
入口認証部8には、予め通行を許可された個々の利用者の顔に関する情報と、掌紋に関する情報を予め登録しておく。そして、入口認証部8の前に立った利用者の顔をカメラ13で撮影し、また、掌紋をカメラ12で撮影し、登録された情報と照合して、通行可否の判定を行う(情報が一致すれば、通行が許可される利用者であると認証し、通行可能とする)。
【0022】
入口認証部8には、利用者が入口認証部8の前に立ったことを検知する人感センサ14や、顔認証用のカメラ13で撮影するときの照明用のライト15が設けられている。
【0023】
入口認証部8は、また、外形情報登録手段を構成するもので、予め通行を許可された個々の利用者の外形情報を予め登録しておく。そして、認証し通行可とした場合に、外形情報の特定をおこなう。そして、特定した外形情報に基づいて、利用者がゲート内を通行するときの区画スペースの大きさを調整する。
【0024】
また、出口側のカメラ9は、ゲート装置1内に進入した利用者が、入口認証部8で認証した人物と同一人物であることを確認するためのものである。同一人物でないと判断した場合は、なりすまし行為として通行を禁止する。第2の認証手段は、カメラに限るものではないが、顔認証などの生体認証とする必要がある。カードや暗証番号による認証では、カードを貸したり、暗証番号を教えたりすることにより、別人を通過させることも可能となるからである。
【0025】
(スライドシャッタおよびその駆動機構)
スライドシャッタの開閉部材10は、図3〜図5に示すとおり、基体部20と、第1付属部32a、第2付属部32bおよび第3付属部32cとからなり、それらが基体部20、第1付属部32a、第2付属部32b、第3付属部32cの順に順次一回り小さい形状とされて、入れ子状に連結され、全体が伸縮自在となっている。基体部20は、下方に脚部21を有している。そして、スライドシャッタ10は、基体部20がゲート装置1の左本体部2内および右本体部3内にそれぞれ設置されている。そして、第1付属部32a、第2付属部32bおよび第3付属部32cには、前後両側の上下にキャスター33が固定され、基体部20には前後両側の上下にスライドレール30が固定され、第1付属部32aおよび第2付属部31bには、前後両側の上下にスライドレール34が固定されて、伸縮時に第1付属部32aの両側上下のキャスター33が基体部20の両側上下のスライドレール30上を滑動し、第2付属部32bの両側上下のキャスター33が第1付属部32aの両側上下のスライドレール34上を滑動し、第3付属部32cの両側上下のキャスター33が第2付属部32bの両側上下のスライドレール34上を滑動する。また、第3付属部32cには、利用者が接触しても安全なようにクッション36が装着されている。
【0026】
スライドシャッタの開閉部材10の駆動機構は、上側一対の直棒状のリンク部材26a,26bと下側一対の直棒状のリンク部材26c,26dとからなるパンタグラフ式のリンク機構を基体部20内に配置されたベルト25に連結し、モータ22で駆動して伸縮させるよう構成されている。
【0027】
モータ22は、基体部20内の最上部に配置されている。そして、モータ22の出力軸先端に固定された駆動側のプーリ23と、基体部20内の最下部に配置された被動側のプーリ24とにベルト25が巻き掛けられている。
【0028】
上側のリンク部材26a,26bは、相互に中央部で交差して回転自在に連結されている。また、下側のリンク部材26c,26dもまた、相互に中央部で交差して回転自在に連結されている。
【0029】
そして、上側の一対のリンク部材26a,26bの内の、前後方向の一側から見て相対的に時計回り方向に位相がずれた配置となる第1のリンク部材26aと、下側の一対のリンク部材26c,26dの内の、前後方向の同じ一側から見て相対的に反時計回り方向に位相がずれた配置となる第4のリンク26dは、それぞれ、一端が基体部20の上部および下部に回動自在に軸支されている。また、これら第1のリンク部材26aの他端と、第4のリンク26dの他端は、第3付属部32cに固定されたリンクスライドレール35に沿って上下にスライド可能とされている。
【0030】
また、上側の上記反時計回り方向に位相がずれた配置となる第2のリンク部材26bは、一端が、駆動側のプーリ23と被動側のプーリ24との間で平行となったベルト25の一側ベルト部分に、結合部材27を介して回動自在に連結され、下側の上記時計回り方向に位相がずれた配置となる第3のリンク部材26cは、一端が、駆動側のプーリ23と被動側のプーリ24との間で平行となったベルト25の一側ベルト部分に、結合部材28を介して回動自在に連結されて、これら上側の他方のリンク26bの一端と下側の他方のリンク26cの一端とが、ベルト25の動きにつれて上下反対方向にスライド可能とされている。そして、これら上側の第2のリンク26bの他端と、下側の第3のリンク26cの他端は、第3付属部32cの上部および下部にそれぞれ回動自在に軸支されている。
【0031】
このスライドシャッタ(開閉部材10)は、モータ22を図3の(a)における時計回りに駆動することで伸張させることができ、反時計回りに駆動することで収縮させることができる。そして、そのモータ22の回転角度を調整することで、スライドシャッタ(開閉部材10)の伸縮度を自由に調整できる。
【0032】
そして、基体部20には、スライドシャッタ(開閉部材10)が伸張しきった状態を、第2のリンク部材26bをベルト25に連結する結合部材27の位置で検知するように、マイクロスイッチ29が配設されている。マイクロスイッチ29の検知信号は、スライドシャッタ10の駆動状態のチェックや初期化に利用する。
【0033】
(サイドパネル、出口分離壁およびその照光機構)
このゲート装置1は、壁面上部(サイドパネル6)を透光性のある板材で形成している。そして、図6、7に示すように、その板材の端面から発光部材(発光部材42)で光を照射し、板材を導光板として機能させて、端面から入射した光を内部で拡散させ、板材の表面から光を出射させて、ゲート装置1の壁面上部を光らせ、それを利用者への情報表示手段とし、また、意匠性を高める手段としている。
【0034】
サイドパネル6はアクリル等の透明樹脂の成形部材であって、図6および図7に示すように、左本体部2(右本体部3についても同様)の天面に形成した取付溝40に嵌め込まれ、サイドパネル6の底辺側端面と取付溝40の底面との間に隙間ができるようにビス41で固定される。その際、そのサイドパネル6の底部端面と取付溝40の底面との隙間には、予め発光部材42が設置される。
【0035】
発光部材42は、3色のLEDを一つにまとめた発光部を複数個並べた棒形状とされ、サイドパネル6の底辺側端面の全長に渡って対向する配置で設置される。
【0036】
サイドパネル6は導光板として機能し、発光部材42から発光された光は、サイドパネル6の底辺部から進入し、サイドパネル6の表面から外部に発散される。
【0037】
このようにサイドパネル6の全体を発光させることは、利用者への情報表示手段として利用することができる。例えば、通行が許可される利用者であると認証できないときは利用者の通行を許可しないことを赤色の発光で表示し、通行を許可するときは青色で発光させるなど、通行の許可と不許可を発光の色の違いで明確に表示するようにできる。
【0038】
また、このようにサイドパネル6の全体を発光させることは、意匠性を高める手段として利用することもできる。例えば、待機状態で、利用者が通行しない時には、所定の色で常時発光させたり、点滅発光させたりすることができ、また、複数の色を所定時間毎に切り換えて発光させることもでき、さらには、発光部材42が複数のLEDを並べて配置したものであることを利用して、個々のLEDの色を変えることでグラデーションをかけることもできる。
【0039】
発光部材42は、例示したような3色のLEDを用いたものに限らず、発光したい色に合わせて適宜変更できる。例えば、赤色LEDのみを用いて、通行が不許可のときにのみ、赤色表示をするようにしてもよい。また、蛍光灯等、LED以外の発光部材を利用してもよい。
【0040】
また、発光部材42は、サイドパネル6の底辺側端面の全長に渡って対向配置したが、発光部材42の出力(輝度)、サイドパネル6の導光率などによっては、それぞれ端面の一部にのみ対向配置するようにしてもよい。
【0041】
また、この実施形態では、サイドパネル6を発光させる態様を示したが、それら以外にも、利用者の視界に入るゲート装置1の一部を発光させるようにしてもよい。例えば、出口分離壁7、入口アーチ4や出口アーチ5、左本体部2や右本体部3の天井部分、スライドシャッタの開閉部材10などの一部または全部を発光させるようにしてもよい。
【0042】
(通過センサの配置)
上述のように、左本体部2および右本体部3の通路(ゲート通路)側の壁面上部には、最前方のスライドシャッタを除く7個のスライドシャッタの開閉部材10に対応する上方位置に、利用者の通過を検知する通過センサ11が設けられている。これらの通過センサ11は、左本体部2および右本体部3の一方から発光し他方で受光する投光型センサである。図8は、これら通過センサ11の配置を示している。
【0043】
この実施形態では、スライドシャッタの開閉部材10は、計8対であり、最前方のスライドシャッタを除く各スライドシャッタの開閉部材10に対応する上方位置の通過センサ11は、計7個である。図8には、各一対の開閉部材10からなるゲート通路の入口側から順に第1〜第8の8個のスライドシャッタを、ゲート通路の入口側から順に符号10a〜10hを付して示し、ゲート通路の入口側から順に第1〜第7の7個の通過センサ11を、符号11a〜11gを付して示している。通過センサ11a〜11gは、対応するそれぞれのスライドシャッタの位置10a〜10g付近を利用者が通過したことを検知する。
【0044】
また、このゲート装置1には、図8に示すように、左本体部2および右本体部3の通路(ゲート通路)側の壁面の、通路途中の上下方向の中央よりやや下の位置に、車椅子の通過を検知する通過センサ(以下、車椅子センサともいう)50が設けられ、同じ左本体部2および右本体部3の壁面の、通路出口付近の車椅子センサ50と略同じ高さ位置に、出口分離壁7の手前まで移動した利用者を検知する通過センサ(以下、出口センサともいう)51が設けられている。これらの車椅子センサ50および出口センサ51もまた、左本体部2および右本体部3の一方から発光し他方で受光する投光型センサである。車椅子センサ50は、車椅子を使用する利用者が、ゲート装置1のほぼ中央まで進入したことを検知する。また、出口センサ51は、最も出口側に位置するスライドシャッタの位置10hを通過し終わった利用者を検知する。
【0045】
(制御系の構成)
この実施形態のゲート装置の制御系の構成は、図9に示すとおりで、制御部60を有し、該制御部60には、通過センサ11,50,51と、マイクロスイッチ29と、駆動センサ類62と、非常用停止スイッチ63が入力接続され、顔認証ユニット64と、掌紋認証ユニット65が入出力接続され、発光部材42と、各スライドシャッタの伸縮駆動用の16個のモータ22が出力接続されている。また、制御部60は電源ボックス66に接続されている。
【0046】
駆動センサ類62は、モータ22の駆動状態を検知するセンサである。また、非常用停止スイッチ63は、左本体部2あるいは右本体部3のいずれかの下部位置などに設けられるスイッチで、主に係員が操作して、ゲート装置1の動作を緊急停止するためのスイッチである。
【0047】
顔認証ユニット64は、入口認証部8の顔認証用のカメラ13と照明用のライト15に接続されて、登録された情報(記憶された顔データ)とカメラ13で取得した画像データを照合して事前登録された利用者本人であることを認証する第1の認証手段を構成し、また、出口側のカメラ9と接続されて、出口側のカメラ9で取得した画像データを照合して事前登録された利用者本人であり、且つ、第1の認証手段により認証された利用者と同一人物であることを認証する第2の認証手段を構成する。
【0048】
掌紋認証ユニット65は、掌紋認証用のカメラ12(掌紋センサ)と接続されて、登録された情報(記憶された掌紋データ)と、カメラ12により取得した画像データを照合するユニットである。
【0049】
(ゲート装置の第1の設置例)
図10は、ゲート装置1の出口の左側領域(一部領域)である出口分離壁7より左の出口部分を出口通路Aに接続し、ゲート装置1の出口の右側領域(一部領域)である右の出口部分を出口通路Bに接続した設置例(第1の設置例)を示している。ゲート装置1をこのように設置することは、利用者を誘導する方向を利用者毎に区別したい場合に有効である。
【0050】
例えば、2つのオフィスが同居するビルの入り口にこのようにしてゲート装置1を設置することで、利用者の所属会社や訪問の約束などを予め登録しておき、許可された方のオフィスへ利用者を誘導するようにすることができる。
【0051】
この場合、ゲート装置1には、利用者を特定する情報(顔情報、掌紋情報、指紋情報など)と、利用者を誘導する出口位置情報とを関連付けて記憶しておく。そして、第1の認証手段としての顔認証ユニット64(入口認証部8のカメラ13を用いた顔認証)とカメラ12を用いた掌紋認証で利用者の認証を行って、利用者を特定し、誘導する出口領域(左右の出口部分)を判定する。そして、スライドシャッタ(開閉部材10)の開閉を制御し、利用者を所定の出口領域に誘導する。また、ゲート装置1内を通行中に、第2の認証手段(カメラ9を用いた顔認証)による認証をおこない、第1の認証手段(入口認証部8)で認証した人物と同一の人物が通行中であることを確認することで、なりすましを防止する。
【0052】
以下、この設置例(第1の設置例)におけるゲート装置1の動作例(第1の動作例)の制御手順および動作を、図10および図12を参照しつつ、図11のフロー図に従って説明する。
【0053】
この動作例(第1の動作例)は、スライドシャッタ(開閉部材10)により、ゲート装置1内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して、入口から出口の一部領域に通じる通路を形成し、その通路を、形状を調節して出口の所定の領域に通じさせるようにするもので、これにより、ゲート装置1内の利用者の通行方向を制御することができ、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導することができる。
【0054】
この例では、ゲート装置1は、図12に示す制御手順のステップS1で、入口認証部8の前に立った利用者を人感センサ14が検知したと判断するまでは、図12の(a)に示す待機状態とする。
【0055】
そして、ステップS1で、入口認証部8の人感センサ14が利用者の接近を検知したと判断したときは、ステップS2で、入口認証部8により利用者の掌紋と顔のデータを取得し、予め登録されたデータと照合して、認証OK(利用者が登録された者である)かどうかを判定し、認証OKの場合は、利用者を特定し、利用者を認証する情報と対応させて予め記憶させておいた出口情報(誘導すべき出口部分が、出口分離壁7の左右いずれの領域であるか、即ち、その利用者を、出口通路Aへ誘導するか、出口通路Bへ誘導するか)に基づいて、出口領域(左右の出口部分の)を判定し、その判定情報を、認証OKの情報と併せて制御部60に送信する。予め登録されたデータと照合できない場合、第1認証はNGとなり、通行は許可されない。
【0056】
そして、制御部60は、認証OKの情報を受信すると、ステップS3で、通行可能状態となったことを利用者に示すため、発光部材42を青色に発光させ、サイドパネル6を青色表示する。
【0057】
そして、ステップS4で、第1〜第8のスライドシャッタ10a〜10hのモータ22を駆動して、第1〜第8のスライドシャッタ10a〜10hを開放し、例えば図12の(b)に示す状態として、その利用者を、誘導すべき領域へ通じる通路を形成する。
【0058】
図12の(b)は、各スライドシャッタ10a〜10hの開口位置が、入口から出口に向けて徐々に左側にずれ、利用者を出口通路Aに誘導する通路を形成した状態を示している。これにより、利用者を、入口から出口分離壁7の左側に向けて自然に誘導する通路が形成される。なお、利用者を特定する情報に、利用者の外形情報を関連付けて登録しておき、スライドシャッタ10a〜10hの開度を、利用者の外形情報に合わせて調整するようにしてもよい。
【0059】
次に、ステップS5で、第3の通過センサ11cがONからOFFに切り替ったかどうかで、利用者が第3スライドシャッタ10cを通過したかどうかを判断し、利用者が第3スライドシャッタ10cを通過したと判断すると、ステップS6で、顔認証ユニット64の第2の認証手段(出口側のカメラ9を用いた顔認証)による照合を行い、その結果を、以降のゲート制御に反映させる。
【0060】
第2の認証手段による認証(出口側のカメラ9を用いた顔認証)は、利用者がゲート装置1の内部に進入してからの認証であり、カメラ9で撮影した顔情報と、第1の認証手段による認証(入口認証部8のカメラ13を用いた顔認証)と同じ事前登録情報とを照合し、照合結果を制御部60に通知する。
【0061】
そして、制御部60は、第2の認証手段による顔情報の照合結果と、第1の認証手段による照合結果とを突き合わせ、両者が、事前に登録された同一人物のものである(第2認証OK)と判断した場合は、そのまま通行可能と判断して、ステップS7および8の処理を行う。一方、第2の認証手段による顔情報の照合結果と、第1の認証手段による照合結果とが、事前に登録された同一人物のものでない(第2認証NG)と判断した場合は、通行不可と判断して、ステップS11〜14の処理を行う。これにより、予め正規の登録をおこなった利用者が第1の認証手段で認証を受けた直後に、別の人物がゲート装置1内に侵入しそのまま通り抜けてしまう、いわゆる「なりすまし」による不法侵入を防止することができる。
【0062】
第2の認証手段を、IDカードや暗証番号により照合するものとした場合は、カードの貸し借りや暗証番号の漏洩による意図的な「なりすまし」が可能となってしまうので、第2の認証手段は、そのような危険性のない生体認証とするのが最良である。この実施形態では、第2の認証手段をカメラ9を用いた顔認証としているので、ゲート装置1内に存在する人数を把握することもできる。そのため、2人以上と判断した場合も通行不可(第2認証NG)と判断するようにしてもよい。それにより、共連れをより確実に防止できる。
【0063】
この場合、ゲート装置1では、制御部60が認証OKの情報を受信すると、第1〜第8のスライドシャッタ10a〜10hを全て開放し、誘導すべき領域へ通じる通路を形成するから、利用者は停止することなく通過可能である。そして、顔認証ユニット64の第2の認証手段による認証は、出口側のカメラ9を用いた顔認証であって、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過してから第3のスライドシャッタ10cを通過するまでの間に認証を行うので、利用者の通行を停止させることがない。また、第2の認証手段としての顔認証ユニット64は、利用者から離れて設置されたカメラ9を用いて通行中の利用者の撮影画像を取得することにより行うので、利用者を立ち止まらせて認証する必要がない。よって、利用者の通行を妨げることなく、ゲート装置1内での認証をおこなうことができる。
【0064】
ステップS6において、第2認証OKと判断したときは、ステップS7で、制御手段60は、出口センサ51がONからOFFになるのを待つ。そして、出口センサ51がONからOFFになったら、利用者がゲート装置1を通過したと判断し、ステップS8で、全てのスライドシャッタ10a〜10hを閉じ、さらに、ステップS9で、発光部材42の出力を停止するか、または、待機時の発光色に切り換えて、元の待機状態に戻す。
【0065】
一方、ステップS6において、第2認証NGと判断したとき、即ち、第3のスライドシャッタ10bを通過する位置まで進入した利用者のそれ以降の通行が不可であると判断した場合は、ステップS11で、第7および第8のスライドシャッタ10g,10hを閉鎖し、利用者の通行を阻止する。図12の(c)に、このときの状態を示す。
【0066】
そして、さらに、ステップS12で、発光部材42の発光色を青色から赤色に切り換えることで、通路を引き返して入口側に戻るよう、利用者に報知する。
【0067】
そして、ステップS13で、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになるのを待って、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになったら、ステップS14で、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになってから所定時間後に、利用者は完全にゲート装置から出たと判断して、開いていた第1〜第6のスライドシャッタ10a〜10fを閉鎖し、図12の(a)に示す待機状態に戻す。
【0068】
こうしてステップS7および8を経て正常な通行が完了した後、あるいは、ステップS11〜14を経て、通行不可と判断した利用者を入口側に戻し、待機状態とした後は、ステップS9で、発光部材42の出力を停止するか、または、待機時の発光色に切り換える。
【0069】
次に、この第1の設置例におけるゲート装置1の第2の動作例の制御手順および動作を、図14および図15を参照しつつ、図13のフロー図に従って説明する。
【0070】
この動作例(第2の動作例)は、スライドシャッタ(開閉部材10)の開閉により、ゲート装置1内を通行する利用者の周囲を規制して区画スペースを形成し、その区画スペースを、入口近傍から出口近傍の所定の位置まで移動させるように移動経路を調節することで、その移動する区画スペースを通路としてゲート装置1内の利用者の通行方向を制御するもので、これにより、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導することができる。また、利用者の周囲を規制する区画スペースを入口近傍から出口近傍まで移動させることで、二人以上の同時侵入による「共連れ」を防止することができる。
【0071】
この例では、ゲート装置1は、図13に示す制御手順のステップS21で、入口認証部8の前に立った利用者を人感センサ14が検知したと判断するまでは、図14の(a)に示す待機状態とする。
【0072】
そして、ステップS21で、入口認証部8の人感センサ14が利用者の接近を検知したと判断したときは、ステップS22で、入口認証部8により利用者の掌紋と顔のデータを取得し、予め登録されたデータと照合して、認証OK(利用者が登録された者である)かどうかを判定し、認証OKの場合は、利用者を特定し、利用者を認証する情報と対応させて予め記憶させておいた出口情報(誘導すべき出口部分が、出口分離壁7の左右いずれの領域であるか、即ち、その利用者を、出口通路Aへ誘導するか、出口通路Bへ誘導するか)に基づいて、出口領域(左右の出口部分の)を判定し、その判定情報を、認証OKの情報と併せて制御部60に送信する。予め登録されたデータと照合できない場合、第1認証はNGとなり、通行は許可されない。
【0073】
そして、制御部60は、認証OKの情報を受信すると、ステップS23で、通行可能状態となったことを利用者に示すため、発光部材42を青色に発光させ、サイドパネル6を青色表示する。
【0074】
そして、ステップS24で、第1のスライドシャッタ10aと第2のスライドシャッタ10bのモータ22を駆動して、第1のスライドシャッタ10aと第2のスライドシャッタ10bを開放し、図14の(b)に示す状態とする。このときの第1のスライドシャッタ10aと第2のスライドシャッタ10bの開度(シャッタ開度)は、利用者の外形情報を元に調節する。例えば、利用者の肩幅や腰幅を基準に、利用者の横幅サイズを3段階に分類した情報を外形情報として予め登録しておき、取得した外形情報が3段階のいずれであるか判定して、シャッタ開度を横幅サイズに合わせた必要かつ十分な開度とする。
【0075】
そして、ステップS25で、第1の通過センサ11aがONからOFFに切り替ったかどうかで、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過したかどうかを判断する。利用者がゲート装置1内に入ると、第1のスライドシャッタ10aに対応して第1のスライドシャッタ10aと第2のスライドシャッタ10bの間にある第1通過センサ11aがONとなり、利用者がさらに進行すると第1通過センサ11aがOFFとなる。制御部60は、このONからOFFへの切り替わりにより、利用者が第1スライドシャッタ10aを通過したと判断する。
【0076】
そして、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過したと判断すると、ステップS26で、第3のスライドシャッタ10cを開放し第1のスライドシャッタ10aを閉鎖する動作を開始する。このとき、図14の(c)に示すように、第1〜第3のスライドシャッタ10a〜10cにより、利用者を一人だけ区画する空間(区画スペース)を形成する状態となり、入口で認証OKとなった利用者に同伴して通行しようとする共連れを防止できる。この区画スペースに、2人の人間が無理矢理入り込もうとすると、第1のスライドシャッタ10aが正常に閉鎖できない状態となるので、不法侵入を検知することができる。
【0077】
次に、ステップS27で、第2の通過センサ11bがONからOFFに切り替ったかどうかで、利用者が第2スライドシャッタ10bを通過したかどうかを同様に判断し、利用者が第2のスライドシャッタ10bを通過したと判断すると、ステップS28で、第4のスライドシャッタ10dを開放し第2のスライドシャッタ10bを閉鎖する動作を開始する。このとき、図14の(d)に示すように、第2〜第4のスライドシャッタ10b〜10dにより、利用者を一人だけ区画する空間(区画スペース)が維持された状態となる。そして、第4のスライドシャッタ10dの開口位置は、利用者を誘導する左側方向にややずれた位置とする。
【0078】
次に、ステップS29で、第3の通過センサ11cがONからOFFに切り替ったかどうかで、利用者が第3スライドシャッタ10cを通過したかどうかを同様に判断し、利用者が第3のスライドシャッタ10cを通過したと判断すると、ステップS30で、第3のスライドシャッタ10cの閉鎖動作を開始する。この時点では第5スライドシャッタ10eは開放せず、図14(e)の状態となる。
【0079】
そして、その後、ステップS31で、顔認証ユニット64の第2の認証手段(出口側のカメラ9を用いた認証)による照合を行い、その結果を、以降のゲート制御に反映させる。
【0080】
第2の認証手段による認証(出口側のカメラ9を用いた顔認証)は、利用者がゲート装置1の内部に進入してからの認証であり、カメラ9で撮影した顔情報と、第1の認証手段による認証(入口認証部8のカメラ13を用いた顔認証)と同じ事前登録情報とを照合し、照合結果を制御部60に通知する。
【0081】
そして、制御部60は、第2の認証手段による顔情報の照合結果と、第1の認証手段による照合結果とを突き合わせ、両者が、事前に登録された同一人物のものである(第2認証OK)と判断した場合は、そのまま通行可能と判断して、ステップS32の処理を行う。一方、第2の認証手段による顔情報の照合結果と、第1の認証手段による照合結果とが、事前に登録された同一人物のものでない(第2認証NG)と判断した場合は、通行不可と判断して、ステップS33〜36の処理を行う。これにより、予め正規の登録をおこなった利用者が第1の認証手段で認証を受けた直後に、別の人物がゲート装置1内に侵入しそのまま通り抜けてしまう、いわゆる「なりすまし」による不法侵入を防止することができる。
【0082】
このゲート装置1では、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過してから第3のスライドシャッタ10cを通過するまでの間、第1〜第4のスライドシャッタ10a〜10dは図13の(a)〜(e)に示すように利用者の通行に合わせて順次開放し、区画スペースを通行方向に順次移動させるから、利用者は停止することなく通過可能である。そして、顔認証ユニット64の第2の認証手段による認証は、出口側のカメラ9を用いた顔認証であって、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過した直後から認証動作を開始し、利用者から離れた位置からカメラ9を用いて通行中の利用者の撮影画像を取得する。よって、通行する利用者を認証のために立ち止まらせる必要はなく、利用者の通行を妨げることなくゲート装置1内での第2の認証を行うことができる。
【0083】
ステップS31において、第2認証OKと判断したときは、ステップS32で、制御手段60は、図14の(f)〜(h)に示すように、第5〜第8のスライドシャッタ10e〜10hを順次開閉して、区画スペースを出口側へ移動させ、利用者が第5〜第8のスライドシャッタ10e〜10hを通過して、所定の出口部分まで通行して行けるようにする。
【0084】
こうして、図14の(b)〜(h)に示すように、利用者を一人だけ区画する区画スペースは、利用者の通行に合わせて、入口側から出口分離壁7の左側に向けて移動する。即ち、スライドシャッタ10a〜10hの開閉を制御することにより、区画スペースの移動経路を調整し、利用者を所定の出口部分に誘導する。
【0085】
一方、ステップS31において、第2認証NGと判断したとき、即ち、図15の(a)に示すように第3のスライドシャッタ10bを通過する位置まで進入した利用者のそれ以降の通行が不可であると判断した場合は、ステップS33で、発光部材42の発光色を青色から赤色に切り換えることで通行不可を利用者に報知する。
【0086】
そして、ステップS34で、後側に位置する第1〜第3のスライドシャッタ10a〜10cを全て開放して図15の(b)の状態とし、利用者を入口側に戻らせる。
【0087】
そして、ステップS35で、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになるのを待って、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになったら、ステップS36で、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになってから所定時間後に、利用者は完全にゲート装置から出たと判断して、第1〜第8のスライドシャッタ10a〜10hを全て閉鎖し、図14の(a)に示す待機状態に戻す。
【0088】
こうしてステップS32を経て正常な通行が完了した後、あるいは、ステップS33〜36を経て、通行不可と判断した利用者を入口側に戻し、待機状態とした後は、ステップS37で、発光部材42の出力を停止するか、または、待機時の発光色に切り換える。
【0089】
(ゲート装置の第2の設置例)
図16は、ゲート装置1の第2の設置例を示している。
上記図10に示す設置例(第1の設置例)では、利用者を予め登録された情報に基づいて2方向に誘導するよう、ゲート装置1の出口の左側の領域を出口通路Aに連通させ、右側の領域を出口通路Bに連通させる例を示したが、図16に示すように、許可された利用者は一方向(出口通路A)にのみ誘導し、不許可の場合は戻り通路70に誘導するような設置例(第2の設置例)も可能である。この場合、利用者を特定する情報(顔情報、掌紋情報、指紋情報など)と外形情報のみを利用し、利用者を誘導する出口位置情報は使用しない。
【0090】
この例では、ゲート装置1は、第1認証、第2認証とも許可となった利用者は出口通路Aに連通する出口領域(出口分離壁の左側の領域)に誘導し、第1認証では許可となったが、第2認証ではNGとなった利用者は、戻り通路70に連通する出口領域(出口分離壁7の右側の領域)に誘導するよう、各スライドシャッタ10a〜10hを制御する。
【0091】
この場合、戻り通路70は、ゲート装置1の入口方向へ向かうよう形成することで、出口分離壁7の右側に誘導された利用者を、戻り通路70を経て、ゲート装置1の入口側に戻すようにすることができる。
【0092】
また、戻り通路70からの不法侵入を防ぐため、ゲート装置1が利用者を戻り通路70に誘導する制御に連動して開閉する戻りゲート71を設けてもよい。戻りゲート71を、利用者が戻り通路70に誘導された後、入口方向に1度だけ開閉するゲートとすることで、不法侵入を防止できる。また、戻りゲート71は、利用者が戻り通路70の内部から入口付近に接近したことを検知して開放されるゲートとしてもよい。
【0093】
こうすることで、ゲート装置1内部で通行不可と判定された利用者がゲート装置1内で後戻りすることがなくなり、次の利用者の進入を邪魔することがなくなる。また、ゲート装置1内での後戻りがないので、スライドシャッタを数多く設置して、複数人の利用者を連続してゲート装置に受け入れるようにすることもできる。
【0094】
(ゲート装置の第3の設置例)
図17はゲート装置1の第3の設置例を示している。
ゲート装置1は、図17に示すように、出口分離壁7を取り払い、ゲート装置1の幅を広げて、利用者を予め登録された情報に基づいて2方向に誘導するよう、ゲート装置1の出口の一部領域を出口通路Aに連通させ、他の一部領域を出口通路Bに連通させ、さらに、通行不許可の場合に戻り通路70に誘導するような設置例(第3の設置例)も可能である。
【0095】
この場合の制御は、3ヶ所に分かれる出口領域から1ヶ所を選択する点のみが上記第2の設置例と異なり、形成する通路あるいは区画スペースの移動経路を、選択した出口領域に向かうようにスライドシャッタ10a〜10hの開口位置を制御する点は同じである。
【0096】
図17の設置例に示すように、出口分離壁7は必須の構成ではなく、ゲート装置1以外の隔壁等が、ゲート装置1の出口近傍のスライドシャッタ10に接近できる構成であれば、形成した通路または区画スペースから、誘導したい領域に確実に利用者を誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態のゲート装置の斜視図である。
【図2】図1に示すゲート装置の平面図である。
【図3】図1に示すゲート装置のスライドシャッタの基体部の構造を示す側面視概略図(a)および正面視概略図(b)である。
【図4】図1に示すゲート装置のスライドシャッタの付属部の構造を示す側面視概略図(a)および正面視概略図(b)である。
【図5】図1に示すゲート装置のスライドシャッタの内部構造の説明図である。
【図6】図1に示すゲート装置のサイドパネル取付機構および照光機構を示す概略側面図である。
【図7】図1に示すゲート装置のサイドパネル取付機構および照光機構を示す概略縦断面図である。
【図8】図1に示すゲート装置の通過センサの配置図である。
【図9】図1に示すゲート装置の制御ブロック図である。
【図10】図1に示すゲート装置の第1の設置例の説明図である。
【図11】図1の示すゲート装置の第1の設置例における第1の動作例の制御手順を示すフロー図である。
【図12】図1に示すゲート装置の第1の設置例における第1の動作例の動作説明図(a)〜(c)である。
【図13】図1の示すゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の制御手順を示すフロー図である。
【図14】図1に示すゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の通行可能時の動作説明図(a)〜(h)である。
【図15】図1に示すゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の通行不可時の動作説明図(a)、(b)である。
【図16】図1に示すゲート装置の第2の設置例の説明図である。
【図17】図1に示すゲート装置の第3の設置例の説明図である。
【符号の説明】
【0098】
1 ゲート装置
2 左本体部
3 右本体部
6 サイドパネル
7 出口分離壁
8 入口認証部(第1の認証手段、外形情報取得手段)
9 カメラ(第2の認証手段)
10 開閉部材
10a〜10h 第1〜第8のスライドシャッタ
11 通過センサ
11a〜11g 第1〜第7の通過センサ
12 カメラ(掌紋センサ)
13 カメラ
26a、26b、26c、26d リンク部材
42 発光部材
51 出口センサ
60 制御部
70 戻り通路
71 戻りゲート
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルや工場の玄関、あるいは建物内の特定の部屋への出入り口、あるいは駅や空港のチェックゲートなどに設置されるゲート装置に関し、特に、利用者の通行方向を制御可能なゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の通行方向を制御可能なゲート装置として、例えば、スキー場でのリフト乗り場に利用されるゲート管理システムのゲート装置であって、Y字状の通路の分岐点に設置される左右揺動式の振り分けゲートが、リフト乗り場方向かゲレンデ方向のいずれかの通路を遮断するよう駆動され、利用者が携帯する携帯用自動支払機により改札を行って、許可された場合は、ゲートがゲレンデ方向の通路を遮断し、リフト乗り場方向の通路を開いて、利用者はリフト乗り場に進むことができ、不許可の場合は、ゲートがリフト乗り場方向の通路を遮断し、ゲレンデ方向の通路を開いて、利用者はゲレンデに戻されるようにしたものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平4−43479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のゲート装置は、例えば上記ゲート管理システムの場合、ゲートの出口地点に振り分けゲートを設けているため、利用者は、ゲート直前で進行方向を変える必要があり、それが円滑な通行が妨げる要因となる。また、このシステムでは、振り分けゲートが利用者の通行方向の前面に位置する上に、ゲート自体が駅の自動改札に見られるような比較的簡易な構造となるのが普通で、そのため、不許可となって所望の進行方向へ進めなくなった通行者が、進みたい方向の通路を遮蔽したゲートを手動で開放したり、乗り越えたりする不法行為を助長する虞がある。また、このような振り分けゲートを用いたシステムでは、利用者を2方向にしか振り分けることができず、3方向以上に振り分けるためには、振り分けゲートを幾重にも設けるなどの対応が必要で、ゲート構造が複雑になる。また、このシステムでは、認証エリア内に人感センサーが配備されているが、2人以上の通行者が接近して通行した場合は、センサでは検知しきれない可能性があり、共連れを確実に防止することはできない。
【0004】
本発明は、ゲート装置内の利用者の通行方向を制御して、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導できるようにし、さらには、二人以上の同時侵入による共連れを阻止できるようにすることを目的とする。
尚、認証した本人以外の別人を通行させる不法行為を「すりかわり」という場合もあるが、本明細書では「なりすまし」という用語を使用することにする。
また、認証した本人に、認証されていない者が追従して通行する不法行為を「連れ入り」または「共連れ」という場合があるが、本明細書では「共連れ」という用語を使用する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るゲート装置は、入口と出口を有し、入口から進入した利用者の通行方向を制御可能とするゲート装置であって、ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して入口から出口の一部領域に通じる通路を形成する規制手段と、該通路を出口の所定の領域に通じさせるように規制手段を駆動制御して通路の形状を調節する調節手段を備えることを特徴とする。
【0006】
このゲート装置は、ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して入口から出口の一部領域に通じる通路を形成し、その通路を、形状を調節して出口の所定の領域に通じさせることで、ゲート装置内の利用者の通行方向を制御することができ、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導することができる。
【0007】
また、本発明の請求項2に係るゲート装置は、入口と出口を有し、入口から進入した利用者の通行方向を制御可能とするゲート装置であって、ゲート装置内を通行する利用者の周囲を規制して区画スペースを形成するとともに、この区画スペースを入口近傍から出口近傍まで移動可能とする規制手段と、区画スペースを出口近傍の所定の位置まで移動させるように規制手段を駆動制御して区画スペースの移動経路を調節する調節手段を備えることを特徴とする。
【0008】
このゲート装置は、ゲート装置内を通行する利用者の周囲を規制して区画スペースを形成し、その区画スペースを、入口近傍から出口近傍の所定の位置まで移動させるように移動経路を調節することで、その移動する区画スペースを通路としてゲート装置内の利用者の通行方向を制御することができ、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導することができる。また、利用者の周囲を規制する区画スペースを入口近傍から出口近傍まで移動させることで、二人以上の同時侵入によるいわゆる「共連れ」を防止することができる。
【0009】
上記本発明のゲート装置において、規制手段は、ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向にスライドして通路を開閉する開閉部材が、通路方向に複数個並設されて成り、それら開閉部材の開度を調節することにより出口の所定の領域に通じる通路を形成するものであってよい。このような規制手段とすることで、開閉部材の開度を調節して通路の形状を調節し、出口の所定の領域に通じさせて、利用者をスムーズに出口側まで導くことができる。
【0010】
また、前記規制手段は、ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向にスライドして前記通路を開閉する開閉部材が、通路方向に複数個並設されて成り、前記開閉部材の開度を調節することにより区画スペースを前記出口近傍の所定の位置まで移動させるものであってよい。このような規制手段とすることで、開閉部材の開度を調節して区画スペースの形状を左右方向および前後方向に変更しつつ、各開閉部材を順次開閉して区画スペースを通行方向に移動させ、利用者をスムーズに出口側まで導くことができる。
【0011】
また、上記本発明のゲート装置は、通行が許可された利用者であることを認証する認証手段を備え、調節手段は、認証手段からの情報に基づいて規制手段を駆動制御するものであってよい。このようにすることで、認証した利用者だけを出口の許可された領域に通行させるようにできる。
【発明の効果】
【0012】
このように、本発明のゲート装置によれば、ゲート装置内の利用者の通行方向を制御して、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導するようにでき、さらには、二人以上の同時侵入による共連れを防止するようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図17は本発明の実施形態の一例を示している。図1はゲート装置の斜視図、図2はゲート装置の平面図、図3はゲート装置のスライドシャッタの基体部の構造を示す側面視概略図(a)および正面視概略図(b)、図4はゲート装置のスライドシャッタの付属部の構造を示す側面視概略図(a)および正面視概略図(b)、図5はゲート装置のスライドシャッタの内部構造の説明図、図6はゲート装置のサイドパネル取付機構および照光機構を示す概略側面図、図7はゲート装置のサイドパネル取付機構および照光機構を示す概略縦断面図、図8はゲート装置の通過センサの配置図、図9はゲート装置の制御ブロック図、図10はゲート装置の第1の設置例の説明図、図11はゲート装置の第1の設置例における第1の動作例の制御手順を示すフロー図、図12はゲート装置の第1の設置例における第1の動作例の動作説明図(a)〜(c)、図13はゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の制御手順を示すフロー図、図14はゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の通行可能時の動作説明図(a)〜(h)、図15はゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の通行不可時の動作説明図(a)、(b)、図16はゲート装置の第2の設置例の説明図、図17はゲート装置の第3の設置例の説明図である。
【0014】
(ゲート装置の全体構造)
図1および図2において、1はこの実施形態のゲート装置である。このゲート装置1は、前後方向に延びる真っ直ぐな通路(ゲート通路)を形成するよう間隔を空けて平行に配置された仕切りテーブル状の左本体部2および右本体部3を有し、それら左本体部2および右本体部3がゲート通路の左右側壁を構成している。これら左本体部2および右本体部3が構成する左右側壁の高さは、例えば大人の胸下高さ程度である。また、左本体部2および右本体部3の間に形成される通路は、前後方向の長さが例えば大人の数歩程度で、左右方向の幅が例えば大人の肩幅の2倍程度である。
【0015】
そして、ゲート通路の入口側および出口側には、入口アーチ4および出口アーチ5が設けられている。また、左本体部2および右本体部3の上面に沿って、入口アーチ4の左側支柱部と出口アーチ5の左側支柱部の間、および入口アーチ4の右側支柱部と出口アート5の右側支柱部との間に、それぞれサイドパネル6が設けられている。サイドパネル6は透明樹脂製で、横方向からの乗り越え防止用である。
【0016】
また、ゲート通路の出口側には、出口分離壁7が設けられている。出口分離壁7は、後述のように利用者の認証結果に基づいてスライドシャッタ10の開閉を駆動制御し、利用者(通行者)を出口分離壁7の左右のいずれかの方向に誘導するためのもので、ゲート装置1の出口を左右の2方向に分離する。
【0017】
そして、入口アーチ4の右手前に、第1の認証手段を構成する入口認証部8が設置され、出口アーチ5の右手前には、第2の認証手段のカメラ9が設置されている。
【0018】
また、このゲート装置1には、ゲート装置1内の左本体部2および右本体部3の間に形成される通路を、入口側から出口側へ向けて通行する途中の利用者の少なくとも通行方向前方側および後方側を規制して通路内に区画スペースを形成するとともに、予め登録された個々の利用者の外形情報に基づいて区画スペースの形状を調節可能とする規制手段として、通路を横切る方向にスライドして通路を開閉するスライドシャッタが通路方向に複数並設されている。各スライドシャッタは両開きに伸縮する一対の開閉部材10により構成されるもので、図の例では入口側から順に計8対の開閉部材10が配置され、それら8対の開閉部材10により前後に並ぶ8個のスライドシャッタが構成されている。
【0019】
そして、左本体部2および右本体部3の通路(ゲート通路)側の壁面上部には、各スライドシャッタの開閉部材10に対応する上方位置に、利用者の通過を検知する通過センサ11が設けられている。
【0020】
入口認証部8は、第1の認証手段を構成するもので、利用者が予め通行を許可された登録者であることを認証するために、掌紋認証用のカメラ12(掌紋センサ)と顔認証用のカメラ13の両方を備えている。このように掌紋認証用のカメラ12(掌紋センサ)と顔認証用のカメラ13の両方を備えることで、認証の正確さが向上する。但し、利用者が予め通行を許可された登録者であることを認証できる手段であれば他の認証手段を用いてもよい。例えば、掌紋認証用のカメラ12と顔認証用のカメラ13のいずれか一方、指紋認証などの他の生体認証手段、カード読み取りによる認証などでもよい。
【0021】
入口認証部8には、予め通行を許可された個々の利用者の顔に関する情報と、掌紋に関する情報を予め登録しておく。そして、入口認証部8の前に立った利用者の顔をカメラ13で撮影し、また、掌紋をカメラ12で撮影し、登録された情報と照合して、通行可否の判定を行う(情報が一致すれば、通行が許可される利用者であると認証し、通行可能とする)。
【0022】
入口認証部8には、利用者が入口認証部8の前に立ったことを検知する人感センサ14や、顔認証用のカメラ13で撮影するときの照明用のライト15が設けられている。
【0023】
入口認証部8は、また、外形情報登録手段を構成するもので、予め通行を許可された個々の利用者の外形情報を予め登録しておく。そして、認証し通行可とした場合に、外形情報の特定をおこなう。そして、特定した外形情報に基づいて、利用者がゲート内を通行するときの区画スペースの大きさを調整する。
【0024】
また、出口側のカメラ9は、ゲート装置1内に進入した利用者が、入口認証部8で認証した人物と同一人物であることを確認するためのものである。同一人物でないと判断した場合は、なりすまし行為として通行を禁止する。第2の認証手段は、カメラに限るものではないが、顔認証などの生体認証とする必要がある。カードや暗証番号による認証では、カードを貸したり、暗証番号を教えたりすることにより、別人を通過させることも可能となるからである。
【0025】
(スライドシャッタおよびその駆動機構)
スライドシャッタの開閉部材10は、図3〜図5に示すとおり、基体部20と、第1付属部32a、第2付属部32bおよび第3付属部32cとからなり、それらが基体部20、第1付属部32a、第2付属部32b、第3付属部32cの順に順次一回り小さい形状とされて、入れ子状に連結され、全体が伸縮自在となっている。基体部20は、下方に脚部21を有している。そして、スライドシャッタ10は、基体部20がゲート装置1の左本体部2内および右本体部3内にそれぞれ設置されている。そして、第1付属部32a、第2付属部32bおよび第3付属部32cには、前後両側の上下にキャスター33が固定され、基体部20には前後両側の上下にスライドレール30が固定され、第1付属部32aおよび第2付属部31bには、前後両側の上下にスライドレール34が固定されて、伸縮時に第1付属部32aの両側上下のキャスター33が基体部20の両側上下のスライドレール30上を滑動し、第2付属部32bの両側上下のキャスター33が第1付属部32aの両側上下のスライドレール34上を滑動し、第3付属部32cの両側上下のキャスター33が第2付属部32bの両側上下のスライドレール34上を滑動する。また、第3付属部32cには、利用者が接触しても安全なようにクッション36が装着されている。
【0026】
スライドシャッタの開閉部材10の駆動機構は、上側一対の直棒状のリンク部材26a,26bと下側一対の直棒状のリンク部材26c,26dとからなるパンタグラフ式のリンク機構を基体部20内に配置されたベルト25に連結し、モータ22で駆動して伸縮させるよう構成されている。
【0027】
モータ22は、基体部20内の最上部に配置されている。そして、モータ22の出力軸先端に固定された駆動側のプーリ23と、基体部20内の最下部に配置された被動側のプーリ24とにベルト25が巻き掛けられている。
【0028】
上側のリンク部材26a,26bは、相互に中央部で交差して回転自在に連結されている。また、下側のリンク部材26c,26dもまた、相互に中央部で交差して回転自在に連結されている。
【0029】
そして、上側の一対のリンク部材26a,26bの内の、前後方向の一側から見て相対的に時計回り方向に位相がずれた配置となる第1のリンク部材26aと、下側の一対のリンク部材26c,26dの内の、前後方向の同じ一側から見て相対的に反時計回り方向に位相がずれた配置となる第4のリンク26dは、それぞれ、一端が基体部20の上部および下部に回動自在に軸支されている。また、これら第1のリンク部材26aの他端と、第4のリンク26dの他端は、第3付属部32cに固定されたリンクスライドレール35に沿って上下にスライド可能とされている。
【0030】
また、上側の上記反時計回り方向に位相がずれた配置となる第2のリンク部材26bは、一端が、駆動側のプーリ23と被動側のプーリ24との間で平行となったベルト25の一側ベルト部分に、結合部材27を介して回動自在に連結され、下側の上記時計回り方向に位相がずれた配置となる第3のリンク部材26cは、一端が、駆動側のプーリ23と被動側のプーリ24との間で平行となったベルト25の一側ベルト部分に、結合部材28を介して回動自在に連結されて、これら上側の他方のリンク26bの一端と下側の他方のリンク26cの一端とが、ベルト25の動きにつれて上下反対方向にスライド可能とされている。そして、これら上側の第2のリンク26bの他端と、下側の第3のリンク26cの他端は、第3付属部32cの上部および下部にそれぞれ回動自在に軸支されている。
【0031】
このスライドシャッタ(開閉部材10)は、モータ22を図3の(a)における時計回りに駆動することで伸張させることができ、反時計回りに駆動することで収縮させることができる。そして、そのモータ22の回転角度を調整することで、スライドシャッタ(開閉部材10)の伸縮度を自由に調整できる。
【0032】
そして、基体部20には、スライドシャッタ(開閉部材10)が伸張しきった状態を、第2のリンク部材26bをベルト25に連結する結合部材27の位置で検知するように、マイクロスイッチ29が配設されている。マイクロスイッチ29の検知信号は、スライドシャッタ10の駆動状態のチェックや初期化に利用する。
【0033】
(サイドパネル、出口分離壁およびその照光機構)
このゲート装置1は、壁面上部(サイドパネル6)を透光性のある板材で形成している。そして、図6、7に示すように、その板材の端面から発光部材(発光部材42)で光を照射し、板材を導光板として機能させて、端面から入射した光を内部で拡散させ、板材の表面から光を出射させて、ゲート装置1の壁面上部を光らせ、それを利用者への情報表示手段とし、また、意匠性を高める手段としている。
【0034】
サイドパネル6はアクリル等の透明樹脂の成形部材であって、図6および図7に示すように、左本体部2(右本体部3についても同様)の天面に形成した取付溝40に嵌め込まれ、サイドパネル6の底辺側端面と取付溝40の底面との間に隙間ができるようにビス41で固定される。その際、そのサイドパネル6の底部端面と取付溝40の底面との隙間には、予め発光部材42が設置される。
【0035】
発光部材42は、3色のLEDを一つにまとめた発光部を複数個並べた棒形状とされ、サイドパネル6の底辺側端面の全長に渡って対向する配置で設置される。
【0036】
サイドパネル6は導光板として機能し、発光部材42から発光された光は、サイドパネル6の底辺部から進入し、サイドパネル6の表面から外部に発散される。
【0037】
このようにサイドパネル6の全体を発光させることは、利用者への情報表示手段として利用することができる。例えば、通行が許可される利用者であると認証できないときは利用者の通行を許可しないことを赤色の発光で表示し、通行を許可するときは青色で発光させるなど、通行の許可と不許可を発光の色の違いで明確に表示するようにできる。
【0038】
また、このようにサイドパネル6の全体を発光させることは、意匠性を高める手段として利用することもできる。例えば、待機状態で、利用者が通行しない時には、所定の色で常時発光させたり、点滅発光させたりすることができ、また、複数の色を所定時間毎に切り換えて発光させることもでき、さらには、発光部材42が複数のLEDを並べて配置したものであることを利用して、個々のLEDの色を変えることでグラデーションをかけることもできる。
【0039】
発光部材42は、例示したような3色のLEDを用いたものに限らず、発光したい色に合わせて適宜変更できる。例えば、赤色LEDのみを用いて、通行が不許可のときにのみ、赤色表示をするようにしてもよい。また、蛍光灯等、LED以外の発光部材を利用してもよい。
【0040】
また、発光部材42は、サイドパネル6の底辺側端面の全長に渡って対向配置したが、発光部材42の出力(輝度)、サイドパネル6の導光率などによっては、それぞれ端面の一部にのみ対向配置するようにしてもよい。
【0041】
また、この実施形態では、サイドパネル6を発光させる態様を示したが、それら以外にも、利用者の視界に入るゲート装置1の一部を発光させるようにしてもよい。例えば、出口分離壁7、入口アーチ4や出口アーチ5、左本体部2や右本体部3の天井部分、スライドシャッタの開閉部材10などの一部または全部を発光させるようにしてもよい。
【0042】
(通過センサの配置)
上述のように、左本体部2および右本体部3の通路(ゲート通路)側の壁面上部には、最前方のスライドシャッタを除く7個のスライドシャッタの開閉部材10に対応する上方位置に、利用者の通過を検知する通過センサ11が設けられている。これらの通過センサ11は、左本体部2および右本体部3の一方から発光し他方で受光する投光型センサである。図8は、これら通過センサ11の配置を示している。
【0043】
この実施形態では、スライドシャッタの開閉部材10は、計8対であり、最前方のスライドシャッタを除く各スライドシャッタの開閉部材10に対応する上方位置の通過センサ11は、計7個である。図8には、各一対の開閉部材10からなるゲート通路の入口側から順に第1〜第8の8個のスライドシャッタを、ゲート通路の入口側から順に符号10a〜10hを付して示し、ゲート通路の入口側から順に第1〜第7の7個の通過センサ11を、符号11a〜11gを付して示している。通過センサ11a〜11gは、対応するそれぞれのスライドシャッタの位置10a〜10g付近を利用者が通過したことを検知する。
【0044】
また、このゲート装置1には、図8に示すように、左本体部2および右本体部3の通路(ゲート通路)側の壁面の、通路途中の上下方向の中央よりやや下の位置に、車椅子の通過を検知する通過センサ(以下、車椅子センサともいう)50が設けられ、同じ左本体部2および右本体部3の壁面の、通路出口付近の車椅子センサ50と略同じ高さ位置に、出口分離壁7の手前まで移動した利用者を検知する通過センサ(以下、出口センサともいう)51が設けられている。これらの車椅子センサ50および出口センサ51もまた、左本体部2および右本体部3の一方から発光し他方で受光する投光型センサである。車椅子センサ50は、車椅子を使用する利用者が、ゲート装置1のほぼ中央まで進入したことを検知する。また、出口センサ51は、最も出口側に位置するスライドシャッタの位置10hを通過し終わった利用者を検知する。
【0045】
(制御系の構成)
この実施形態のゲート装置の制御系の構成は、図9に示すとおりで、制御部60を有し、該制御部60には、通過センサ11,50,51と、マイクロスイッチ29と、駆動センサ類62と、非常用停止スイッチ63が入力接続され、顔認証ユニット64と、掌紋認証ユニット65が入出力接続され、発光部材42と、各スライドシャッタの伸縮駆動用の16個のモータ22が出力接続されている。また、制御部60は電源ボックス66に接続されている。
【0046】
駆動センサ類62は、モータ22の駆動状態を検知するセンサである。また、非常用停止スイッチ63は、左本体部2あるいは右本体部3のいずれかの下部位置などに設けられるスイッチで、主に係員が操作して、ゲート装置1の動作を緊急停止するためのスイッチである。
【0047】
顔認証ユニット64は、入口認証部8の顔認証用のカメラ13と照明用のライト15に接続されて、登録された情報(記憶された顔データ)とカメラ13で取得した画像データを照合して事前登録された利用者本人であることを認証する第1の認証手段を構成し、また、出口側のカメラ9と接続されて、出口側のカメラ9で取得した画像データを照合して事前登録された利用者本人であり、且つ、第1の認証手段により認証された利用者と同一人物であることを認証する第2の認証手段を構成する。
【0048】
掌紋認証ユニット65は、掌紋認証用のカメラ12(掌紋センサ)と接続されて、登録された情報(記憶された掌紋データ)と、カメラ12により取得した画像データを照合するユニットである。
【0049】
(ゲート装置の第1の設置例)
図10は、ゲート装置1の出口の左側領域(一部領域)である出口分離壁7より左の出口部分を出口通路Aに接続し、ゲート装置1の出口の右側領域(一部領域)である右の出口部分を出口通路Bに接続した設置例(第1の設置例)を示している。ゲート装置1をこのように設置することは、利用者を誘導する方向を利用者毎に区別したい場合に有効である。
【0050】
例えば、2つのオフィスが同居するビルの入り口にこのようにしてゲート装置1を設置することで、利用者の所属会社や訪問の約束などを予め登録しておき、許可された方のオフィスへ利用者を誘導するようにすることができる。
【0051】
この場合、ゲート装置1には、利用者を特定する情報(顔情報、掌紋情報、指紋情報など)と、利用者を誘導する出口位置情報とを関連付けて記憶しておく。そして、第1の認証手段としての顔認証ユニット64(入口認証部8のカメラ13を用いた顔認証)とカメラ12を用いた掌紋認証で利用者の認証を行って、利用者を特定し、誘導する出口領域(左右の出口部分)を判定する。そして、スライドシャッタ(開閉部材10)の開閉を制御し、利用者を所定の出口領域に誘導する。また、ゲート装置1内を通行中に、第2の認証手段(カメラ9を用いた顔認証)による認証をおこない、第1の認証手段(入口認証部8)で認証した人物と同一の人物が通行中であることを確認することで、なりすましを防止する。
【0052】
以下、この設置例(第1の設置例)におけるゲート装置1の動作例(第1の動作例)の制御手順および動作を、図10および図12を参照しつつ、図11のフロー図に従って説明する。
【0053】
この動作例(第1の動作例)は、スライドシャッタ(開閉部材10)により、ゲート装置1内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して、入口から出口の一部領域に通じる通路を形成し、その通路を、形状を調節して出口の所定の領域に通じさせるようにするもので、これにより、ゲート装置1内の利用者の通行方向を制御することができ、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導することができる。
【0054】
この例では、ゲート装置1は、図12に示す制御手順のステップS1で、入口認証部8の前に立った利用者を人感センサ14が検知したと判断するまでは、図12の(a)に示す待機状態とする。
【0055】
そして、ステップS1で、入口認証部8の人感センサ14が利用者の接近を検知したと判断したときは、ステップS2で、入口認証部8により利用者の掌紋と顔のデータを取得し、予め登録されたデータと照合して、認証OK(利用者が登録された者である)かどうかを判定し、認証OKの場合は、利用者を特定し、利用者を認証する情報と対応させて予め記憶させておいた出口情報(誘導すべき出口部分が、出口分離壁7の左右いずれの領域であるか、即ち、その利用者を、出口通路Aへ誘導するか、出口通路Bへ誘導するか)に基づいて、出口領域(左右の出口部分の)を判定し、その判定情報を、認証OKの情報と併せて制御部60に送信する。予め登録されたデータと照合できない場合、第1認証はNGとなり、通行は許可されない。
【0056】
そして、制御部60は、認証OKの情報を受信すると、ステップS3で、通行可能状態となったことを利用者に示すため、発光部材42を青色に発光させ、サイドパネル6を青色表示する。
【0057】
そして、ステップS4で、第1〜第8のスライドシャッタ10a〜10hのモータ22を駆動して、第1〜第8のスライドシャッタ10a〜10hを開放し、例えば図12の(b)に示す状態として、その利用者を、誘導すべき領域へ通じる通路を形成する。
【0058】
図12の(b)は、各スライドシャッタ10a〜10hの開口位置が、入口から出口に向けて徐々に左側にずれ、利用者を出口通路Aに誘導する通路を形成した状態を示している。これにより、利用者を、入口から出口分離壁7の左側に向けて自然に誘導する通路が形成される。なお、利用者を特定する情報に、利用者の外形情報を関連付けて登録しておき、スライドシャッタ10a〜10hの開度を、利用者の外形情報に合わせて調整するようにしてもよい。
【0059】
次に、ステップS5で、第3の通過センサ11cがONからOFFに切り替ったかどうかで、利用者が第3スライドシャッタ10cを通過したかどうかを判断し、利用者が第3スライドシャッタ10cを通過したと判断すると、ステップS6で、顔認証ユニット64の第2の認証手段(出口側のカメラ9を用いた顔認証)による照合を行い、その結果を、以降のゲート制御に反映させる。
【0060】
第2の認証手段による認証(出口側のカメラ9を用いた顔認証)は、利用者がゲート装置1の内部に進入してからの認証であり、カメラ9で撮影した顔情報と、第1の認証手段による認証(入口認証部8のカメラ13を用いた顔認証)と同じ事前登録情報とを照合し、照合結果を制御部60に通知する。
【0061】
そして、制御部60は、第2の認証手段による顔情報の照合結果と、第1の認証手段による照合結果とを突き合わせ、両者が、事前に登録された同一人物のものである(第2認証OK)と判断した場合は、そのまま通行可能と判断して、ステップS7および8の処理を行う。一方、第2の認証手段による顔情報の照合結果と、第1の認証手段による照合結果とが、事前に登録された同一人物のものでない(第2認証NG)と判断した場合は、通行不可と判断して、ステップS11〜14の処理を行う。これにより、予め正規の登録をおこなった利用者が第1の認証手段で認証を受けた直後に、別の人物がゲート装置1内に侵入しそのまま通り抜けてしまう、いわゆる「なりすまし」による不法侵入を防止することができる。
【0062】
第2の認証手段を、IDカードや暗証番号により照合するものとした場合は、カードの貸し借りや暗証番号の漏洩による意図的な「なりすまし」が可能となってしまうので、第2の認証手段は、そのような危険性のない生体認証とするのが最良である。この実施形態では、第2の認証手段をカメラ9を用いた顔認証としているので、ゲート装置1内に存在する人数を把握することもできる。そのため、2人以上と判断した場合も通行不可(第2認証NG)と判断するようにしてもよい。それにより、共連れをより確実に防止できる。
【0063】
この場合、ゲート装置1では、制御部60が認証OKの情報を受信すると、第1〜第8のスライドシャッタ10a〜10hを全て開放し、誘導すべき領域へ通じる通路を形成するから、利用者は停止することなく通過可能である。そして、顔認証ユニット64の第2の認証手段による認証は、出口側のカメラ9を用いた顔認証であって、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過してから第3のスライドシャッタ10cを通過するまでの間に認証を行うので、利用者の通行を停止させることがない。また、第2の認証手段としての顔認証ユニット64は、利用者から離れて設置されたカメラ9を用いて通行中の利用者の撮影画像を取得することにより行うので、利用者を立ち止まらせて認証する必要がない。よって、利用者の通行を妨げることなく、ゲート装置1内での認証をおこなうことができる。
【0064】
ステップS6において、第2認証OKと判断したときは、ステップS7で、制御手段60は、出口センサ51がONからOFFになるのを待つ。そして、出口センサ51がONからOFFになったら、利用者がゲート装置1を通過したと判断し、ステップS8で、全てのスライドシャッタ10a〜10hを閉じ、さらに、ステップS9で、発光部材42の出力を停止するか、または、待機時の発光色に切り換えて、元の待機状態に戻す。
【0065】
一方、ステップS6において、第2認証NGと判断したとき、即ち、第3のスライドシャッタ10bを通過する位置まで進入した利用者のそれ以降の通行が不可であると判断した場合は、ステップS11で、第7および第8のスライドシャッタ10g,10hを閉鎖し、利用者の通行を阻止する。図12の(c)に、このときの状態を示す。
【0066】
そして、さらに、ステップS12で、発光部材42の発光色を青色から赤色に切り換えることで、通路を引き返して入口側に戻るよう、利用者に報知する。
【0067】
そして、ステップS13で、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになるのを待って、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになったら、ステップS14で、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになってから所定時間後に、利用者は完全にゲート装置から出たと判断して、開いていた第1〜第6のスライドシャッタ10a〜10fを閉鎖し、図12の(a)に示す待機状態に戻す。
【0068】
こうしてステップS7および8を経て正常な通行が完了した後、あるいは、ステップS11〜14を経て、通行不可と判断した利用者を入口側に戻し、待機状態とした後は、ステップS9で、発光部材42の出力を停止するか、または、待機時の発光色に切り換える。
【0069】
次に、この第1の設置例におけるゲート装置1の第2の動作例の制御手順および動作を、図14および図15を参照しつつ、図13のフロー図に従って説明する。
【0070】
この動作例(第2の動作例)は、スライドシャッタ(開閉部材10)の開閉により、ゲート装置1内を通行する利用者の周囲を規制して区画スペースを形成し、その区画スペースを、入口近傍から出口近傍の所定の位置まで移動させるように移動経路を調節することで、その移動する区画スペースを通路としてゲート装置1内の利用者の通行方向を制御するもので、これにより、利用者の円滑な通行を妨げずに、利用者を所定の出口位置に自然に誘導することができる。また、利用者の周囲を規制する区画スペースを入口近傍から出口近傍まで移動させることで、二人以上の同時侵入による「共連れ」を防止することができる。
【0071】
この例では、ゲート装置1は、図13に示す制御手順のステップS21で、入口認証部8の前に立った利用者を人感センサ14が検知したと判断するまでは、図14の(a)に示す待機状態とする。
【0072】
そして、ステップS21で、入口認証部8の人感センサ14が利用者の接近を検知したと判断したときは、ステップS22で、入口認証部8により利用者の掌紋と顔のデータを取得し、予め登録されたデータと照合して、認証OK(利用者が登録された者である)かどうかを判定し、認証OKの場合は、利用者を特定し、利用者を認証する情報と対応させて予め記憶させておいた出口情報(誘導すべき出口部分が、出口分離壁7の左右いずれの領域であるか、即ち、その利用者を、出口通路Aへ誘導するか、出口通路Bへ誘導するか)に基づいて、出口領域(左右の出口部分の)を判定し、その判定情報を、認証OKの情報と併せて制御部60に送信する。予め登録されたデータと照合できない場合、第1認証はNGとなり、通行は許可されない。
【0073】
そして、制御部60は、認証OKの情報を受信すると、ステップS23で、通行可能状態となったことを利用者に示すため、発光部材42を青色に発光させ、サイドパネル6を青色表示する。
【0074】
そして、ステップS24で、第1のスライドシャッタ10aと第2のスライドシャッタ10bのモータ22を駆動して、第1のスライドシャッタ10aと第2のスライドシャッタ10bを開放し、図14の(b)に示す状態とする。このときの第1のスライドシャッタ10aと第2のスライドシャッタ10bの開度(シャッタ開度)は、利用者の外形情報を元に調節する。例えば、利用者の肩幅や腰幅を基準に、利用者の横幅サイズを3段階に分類した情報を外形情報として予め登録しておき、取得した外形情報が3段階のいずれであるか判定して、シャッタ開度を横幅サイズに合わせた必要かつ十分な開度とする。
【0075】
そして、ステップS25で、第1の通過センサ11aがONからOFFに切り替ったかどうかで、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過したかどうかを判断する。利用者がゲート装置1内に入ると、第1のスライドシャッタ10aに対応して第1のスライドシャッタ10aと第2のスライドシャッタ10bの間にある第1通過センサ11aがONとなり、利用者がさらに進行すると第1通過センサ11aがOFFとなる。制御部60は、このONからOFFへの切り替わりにより、利用者が第1スライドシャッタ10aを通過したと判断する。
【0076】
そして、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過したと判断すると、ステップS26で、第3のスライドシャッタ10cを開放し第1のスライドシャッタ10aを閉鎖する動作を開始する。このとき、図14の(c)に示すように、第1〜第3のスライドシャッタ10a〜10cにより、利用者を一人だけ区画する空間(区画スペース)を形成する状態となり、入口で認証OKとなった利用者に同伴して通行しようとする共連れを防止できる。この区画スペースに、2人の人間が無理矢理入り込もうとすると、第1のスライドシャッタ10aが正常に閉鎖できない状態となるので、不法侵入を検知することができる。
【0077】
次に、ステップS27で、第2の通過センサ11bがONからOFFに切り替ったかどうかで、利用者が第2スライドシャッタ10bを通過したかどうかを同様に判断し、利用者が第2のスライドシャッタ10bを通過したと判断すると、ステップS28で、第4のスライドシャッタ10dを開放し第2のスライドシャッタ10bを閉鎖する動作を開始する。このとき、図14の(d)に示すように、第2〜第4のスライドシャッタ10b〜10dにより、利用者を一人だけ区画する空間(区画スペース)が維持された状態となる。そして、第4のスライドシャッタ10dの開口位置は、利用者を誘導する左側方向にややずれた位置とする。
【0078】
次に、ステップS29で、第3の通過センサ11cがONからOFFに切り替ったかどうかで、利用者が第3スライドシャッタ10cを通過したかどうかを同様に判断し、利用者が第3のスライドシャッタ10cを通過したと判断すると、ステップS30で、第3のスライドシャッタ10cの閉鎖動作を開始する。この時点では第5スライドシャッタ10eは開放せず、図14(e)の状態となる。
【0079】
そして、その後、ステップS31で、顔認証ユニット64の第2の認証手段(出口側のカメラ9を用いた認証)による照合を行い、その結果を、以降のゲート制御に反映させる。
【0080】
第2の認証手段による認証(出口側のカメラ9を用いた顔認証)は、利用者がゲート装置1の内部に進入してからの認証であり、カメラ9で撮影した顔情報と、第1の認証手段による認証(入口認証部8のカメラ13を用いた顔認証)と同じ事前登録情報とを照合し、照合結果を制御部60に通知する。
【0081】
そして、制御部60は、第2の認証手段による顔情報の照合結果と、第1の認証手段による照合結果とを突き合わせ、両者が、事前に登録された同一人物のものである(第2認証OK)と判断した場合は、そのまま通行可能と判断して、ステップS32の処理を行う。一方、第2の認証手段による顔情報の照合結果と、第1の認証手段による照合結果とが、事前に登録された同一人物のものでない(第2認証NG)と判断した場合は、通行不可と判断して、ステップS33〜36の処理を行う。これにより、予め正規の登録をおこなった利用者が第1の認証手段で認証を受けた直後に、別の人物がゲート装置1内に侵入しそのまま通り抜けてしまう、いわゆる「なりすまし」による不法侵入を防止することができる。
【0082】
このゲート装置1では、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過してから第3のスライドシャッタ10cを通過するまでの間、第1〜第4のスライドシャッタ10a〜10dは図13の(a)〜(e)に示すように利用者の通行に合わせて順次開放し、区画スペースを通行方向に順次移動させるから、利用者は停止することなく通過可能である。そして、顔認証ユニット64の第2の認証手段による認証は、出口側のカメラ9を用いた顔認証であって、利用者が第1のスライドシャッタ10aを通過した直後から認証動作を開始し、利用者から離れた位置からカメラ9を用いて通行中の利用者の撮影画像を取得する。よって、通行する利用者を認証のために立ち止まらせる必要はなく、利用者の通行を妨げることなくゲート装置1内での第2の認証を行うことができる。
【0083】
ステップS31において、第2認証OKと判断したときは、ステップS32で、制御手段60は、図14の(f)〜(h)に示すように、第5〜第8のスライドシャッタ10e〜10hを順次開閉して、区画スペースを出口側へ移動させ、利用者が第5〜第8のスライドシャッタ10e〜10hを通過して、所定の出口部分まで通行して行けるようにする。
【0084】
こうして、図14の(b)〜(h)に示すように、利用者を一人だけ区画する区画スペースは、利用者の通行に合わせて、入口側から出口分離壁7の左側に向けて移動する。即ち、スライドシャッタ10a〜10hの開閉を制御することにより、区画スペースの移動経路を調整し、利用者を所定の出口部分に誘導する。
【0085】
一方、ステップS31において、第2認証NGと判断したとき、即ち、図15の(a)に示すように第3のスライドシャッタ10bを通過する位置まで進入した利用者のそれ以降の通行が不可であると判断した場合は、ステップS33で、発光部材42の発光色を青色から赤色に切り換えることで通行不可を利用者に報知する。
【0086】
そして、ステップS34で、後側に位置する第1〜第3のスライドシャッタ10a〜10cを全て開放して図15の(b)の状態とし、利用者を入口側に戻らせる。
【0087】
そして、ステップS35で、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになるのを待って、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになったら、ステップS36で、第1の通過検知センサ11aがONからOFFになってから所定時間後に、利用者は完全にゲート装置から出たと判断して、第1〜第8のスライドシャッタ10a〜10hを全て閉鎖し、図14の(a)に示す待機状態に戻す。
【0088】
こうしてステップS32を経て正常な通行が完了した後、あるいは、ステップS33〜36を経て、通行不可と判断した利用者を入口側に戻し、待機状態とした後は、ステップS37で、発光部材42の出力を停止するか、または、待機時の発光色に切り換える。
【0089】
(ゲート装置の第2の設置例)
図16は、ゲート装置1の第2の設置例を示している。
上記図10に示す設置例(第1の設置例)では、利用者を予め登録された情報に基づいて2方向に誘導するよう、ゲート装置1の出口の左側の領域を出口通路Aに連通させ、右側の領域を出口通路Bに連通させる例を示したが、図16に示すように、許可された利用者は一方向(出口通路A)にのみ誘導し、不許可の場合は戻り通路70に誘導するような設置例(第2の設置例)も可能である。この場合、利用者を特定する情報(顔情報、掌紋情報、指紋情報など)と外形情報のみを利用し、利用者を誘導する出口位置情報は使用しない。
【0090】
この例では、ゲート装置1は、第1認証、第2認証とも許可となった利用者は出口通路Aに連通する出口領域(出口分離壁の左側の領域)に誘導し、第1認証では許可となったが、第2認証ではNGとなった利用者は、戻り通路70に連通する出口領域(出口分離壁7の右側の領域)に誘導するよう、各スライドシャッタ10a〜10hを制御する。
【0091】
この場合、戻り通路70は、ゲート装置1の入口方向へ向かうよう形成することで、出口分離壁7の右側に誘導された利用者を、戻り通路70を経て、ゲート装置1の入口側に戻すようにすることができる。
【0092】
また、戻り通路70からの不法侵入を防ぐため、ゲート装置1が利用者を戻り通路70に誘導する制御に連動して開閉する戻りゲート71を設けてもよい。戻りゲート71を、利用者が戻り通路70に誘導された後、入口方向に1度だけ開閉するゲートとすることで、不法侵入を防止できる。また、戻りゲート71は、利用者が戻り通路70の内部から入口付近に接近したことを検知して開放されるゲートとしてもよい。
【0093】
こうすることで、ゲート装置1内部で通行不可と判定された利用者がゲート装置1内で後戻りすることがなくなり、次の利用者の進入を邪魔することがなくなる。また、ゲート装置1内での後戻りがないので、スライドシャッタを数多く設置して、複数人の利用者を連続してゲート装置に受け入れるようにすることもできる。
【0094】
(ゲート装置の第3の設置例)
図17はゲート装置1の第3の設置例を示している。
ゲート装置1は、図17に示すように、出口分離壁7を取り払い、ゲート装置1の幅を広げて、利用者を予め登録された情報に基づいて2方向に誘導するよう、ゲート装置1の出口の一部領域を出口通路Aに連通させ、他の一部領域を出口通路Bに連通させ、さらに、通行不許可の場合に戻り通路70に誘導するような設置例(第3の設置例)も可能である。
【0095】
この場合の制御は、3ヶ所に分かれる出口領域から1ヶ所を選択する点のみが上記第2の設置例と異なり、形成する通路あるいは区画スペースの移動経路を、選択した出口領域に向かうようにスライドシャッタ10a〜10hの開口位置を制御する点は同じである。
【0096】
図17の設置例に示すように、出口分離壁7は必須の構成ではなく、ゲート装置1以外の隔壁等が、ゲート装置1の出口近傍のスライドシャッタ10に接近できる構成であれば、形成した通路または区画スペースから、誘導したい領域に確実に利用者を誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態のゲート装置の斜視図である。
【図2】図1に示すゲート装置の平面図である。
【図3】図1に示すゲート装置のスライドシャッタの基体部の構造を示す側面視概略図(a)および正面視概略図(b)である。
【図4】図1に示すゲート装置のスライドシャッタの付属部の構造を示す側面視概略図(a)および正面視概略図(b)である。
【図5】図1に示すゲート装置のスライドシャッタの内部構造の説明図である。
【図6】図1に示すゲート装置のサイドパネル取付機構および照光機構を示す概略側面図である。
【図7】図1に示すゲート装置のサイドパネル取付機構および照光機構を示す概略縦断面図である。
【図8】図1に示すゲート装置の通過センサの配置図である。
【図9】図1に示すゲート装置の制御ブロック図である。
【図10】図1に示すゲート装置の第1の設置例の説明図である。
【図11】図1の示すゲート装置の第1の設置例における第1の動作例の制御手順を示すフロー図である。
【図12】図1に示すゲート装置の第1の設置例における第1の動作例の動作説明図(a)〜(c)である。
【図13】図1の示すゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の制御手順を示すフロー図である。
【図14】図1に示すゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の通行可能時の動作説明図(a)〜(h)である。
【図15】図1に示すゲート装置の第1の設置例における第2の動作例の通行不可時の動作説明図(a)、(b)である。
【図16】図1に示すゲート装置の第2の設置例の説明図である。
【図17】図1に示すゲート装置の第3の設置例の説明図である。
【符号の説明】
【0098】
1 ゲート装置
2 左本体部
3 右本体部
6 サイドパネル
7 出口分離壁
8 入口認証部(第1の認証手段、外形情報取得手段)
9 カメラ(第2の認証手段)
10 開閉部材
10a〜10h 第1〜第8のスライドシャッタ
11 通過センサ
11a〜11g 第1〜第7の通過センサ
12 カメラ(掌紋センサ)
13 カメラ
26a、26b、26c、26d リンク部材
42 発光部材
51 出口センサ
60 制御部
70 戻り通路
71 戻りゲート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口を有し、前記入口から進入した利用者の通行方向を制御可能とするゲート装置であって、
前記ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して前記入口から前記出口の一部領域に通じる通路を形成する規制手段と、
前記通路を前記出口の所定の領域に通じさせるように前記規制手段を駆動制御して前記通路の形状を調節する調節手段を備えることを特徴とするゲート装置。
【請求項2】
入口と出口を有し、前記入口から進入した利用者の通行方向を制御可能とするゲート装置であって、
前記ゲート装置内を通行する利用者の周囲を規制して区画スペースを形成するとともに、この区画スペースを前記入口近傍から前記出口近傍まで移動可能とする規制手段と、
前記区画スペースを前記出口近傍の所定の位置まで移動させるように前記規制手段を駆動制御して前記区画スペースの移動経路を調節する調節手段を備えることを特徴とするゲート装置。
【請求項3】
前記規制手段は、前記ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向にスライドして前記通路を開閉する開閉部材が、通路方向に複数個並設されて成り、前記開閉部材の開度を調節することにより前記出口の所定の領域に通じる通路を形成する請求項1に記載のゲート装置。
【請求項4】
前記規制手段は、前記ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向にスライドして前記通路を開閉する開閉部材が、通路方向に複数個並設されて成り、前記開閉部材の開度を調節することにより前記区画スペースを前記出口近傍の所定の位置まで移動させる請求項2に記載のゲート装置。
【請求項5】
通行が許可された利用者であることを認証する認証手段を備え、
前記調節手段は、前記認証手段からの情報に基づいて前記規制手段を駆動制御する請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲート装置。
【請求項1】
入口と出口を有し、前記入口から進入した利用者の通行方向を制御可能とするゲート装置であって、
前記ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向への移動を規制して前記入口から前記出口の一部領域に通じる通路を形成する規制手段と、
前記通路を前記出口の所定の領域に通じさせるように前記規制手段を駆動制御して前記通路の形状を調節する調節手段を備えることを特徴とするゲート装置。
【請求項2】
入口と出口を有し、前記入口から進入した利用者の通行方向を制御可能とするゲート装置であって、
前記ゲート装置内を通行する利用者の周囲を規制して区画スペースを形成するとともに、この区画スペースを前記入口近傍から前記出口近傍まで移動可能とする規制手段と、
前記区画スペースを前記出口近傍の所定の位置まで移動させるように前記規制手段を駆動制御して前記区画スペースの移動経路を調節する調節手段を備えることを特徴とするゲート装置。
【請求項3】
前記規制手段は、前記ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向にスライドして前記通路を開閉する開閉部材が、通路方向に複数個並設されて成り、前記開閉部材の開度を調節することにより前記出口の所定の領域に通じる通路を形成する請求項1に記載のゲート装置。
【請求項4】
前記規制手段は、前記ゲート装置内を通行する利用者の通行方向に対する左右方向にスライドして前記通路を開閉する開閉部材が、通路方向に複数個並設されて成り、前記開閉部材の開度を調節することにより前記区画スペースを前記出口近傍の所定の位置まで移動させる請求項2に記載のゲート装置。
【請求項5】
通行が許可された利用者であることを認証する認証手段を備え、
前記調節手段は、前記認証手段からの情報に基づいて前記規制手段を駆動制御する請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲート装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−199472(P2009−199472A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42256(P2008−42256)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【出願人】(000105143)グローリー機器株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【出願人】(000105143)グローリー機器株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
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