説明

コネクタ、当該コネクタを備えた光源モジュール及び面光源装置

【課題】 フレキシブルプリント基板等の配線基板をコネクタに挿入した状態で仮保持させることができ、また、コネクタをロックした状態では抜け止め機構によって配線基板を確実に抜け止めすることができるコネクタを提供する。
【解決手段】 接続端子39はクリップ片73と固定片71とが上下に対向しており、それぞれの先端に設けられた爪74Aと爪74Bとの間隔はフレキシブルプリント基板48の厚みよりも若干狭くなっている。よって、基板挿入口68にフレキシブルプリント基板48を挿入すると、フレキシブルプリント基板48が爪74A、74B間に挟まれて保持される。また、操作レバー46の先端部には突起77が突設され、フレキシブルプリント基板48には突起77の嵌り込む切欠き79が設けられているので、操作レバー46を水平に倒して突起77を突起77に嵌合させるとフレキシブルプリント基板48は基板挿入口68から抜けなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板を接続するためのコネクタと、当該コネクタを備えた光源モジュールと、当該光源モジュールと導光板からなる面光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板を接続するためのコネクタで、ロック機構を備えたものとしては、特許文献1に記載されたものがある。図1(a)〜(d)は、このコネクタの構造と配線基板接続時の操作方法を示した断面図である。コネクタ11は、複数の接続端子12と操作レバー13とを備えており、操作レバー13を回動させることによって配線基板19をコネクタ11にロックでき、またはロック解除できるようになっている。
【0003】
各接続端子12は、固定片14の上に支持部16を介してクリップ片15の基部を連結した形状となっており、固定片14の先端に突設された爪17Bとクリップ片15の先端に突設された爪17Aとが対向している。また、クリップ片15の基部からは、クリップ片15と反対側に向けて梃子18が延出されている。梃子18に負荷が掛かっていない場合には、爪17A、17B間の隙間はフレキシブルプリント基板19の厚みよりも大きくなっており、梃子18を上に押し上げるとクリップ片15の先端が下に下がって爪17A、17B間が狭くなる。
【0004】
操作レバー13の下面には円柱状の軸部20が設けられており、当該軸部20は固定片14の上面に設けられた半円状の溝部21によって回動自在に支持されている。操作レバー13の先端には作用部22が設けられており、作用部22は梃子18の下面と対向している。
【0005】
しかして、図1(a)に示すように、操作レバー13を起こした状態では、作用部22は梃子18から離れているので、爪17A、17B間はフレキシブルプリント基板19の厚みよりも若干広くなっている。よって、図1(b)に示すように、爪17A、17B間にフレキシブルプリント基板19が挿入されると、当該フレキシブルプリント基板19は爪17A、17Bから接触圧を受けることがなく、無負荷状態でスムーズに挿入される。
【0006】
ついで、操作レバー13を倒すと、図1(c)に示すように、操作レバー13は軸部20を中心として回動し、作用部22が梃子18の下面に当たる。操作レバー13をさらに押し下げると、作用部22によって梃子18が押し上げられ、その反動としてクリップ片15の先端は支持部16を支点として下がる。その結果、図1(d)に示すように、クリップ片15の先端と固定片14の間が閉じて爪17A、17B間にフレキシブルプリント基板19が挟持される。同時に、フレキシブルプリント基板19の各配線と各接続端子12とが接触圧をもって電気的に接続される。
【0007】
このような構造のコネクタにあっては、コネクタ11にフレキシブルプリント基板19を挿入するときには、無負荷状態で挿入することができるので、フレキシブルプリント基板19をスムーズに挿入することができる。また、1つの接続端子12にかかる接触圧をPとし、接続端子12の数(極数)をN個とすると、コネクタ11全体としての接触圧はP×Nとなり、極数Nが大きくなるほどロック後のフレキシブルプリント基板19が抜けにくくなる。
【0008】
しかしながら、このようなコネクタにあっては、フレキシブルプリント基板をコネクタに挿入した後、フレキシブルプリント基板がコネクタから抜けないようフレキシブルプリント基板とコネクタを一方の手で押さえながら、もう一方の手で操作レバーを操作してロックしなければならず、作業性が悪かった。また、バックライト用などに用いる場合には、コネクタの極数が少ないために全体としての接触圧も小さく、フレキシブルプリント基板をコネクタに接続した後でも、フレキシブルプリント基板を引っ張ると抜けてしまう恐れがあった。特に携帯電話機のように、小型でかつ高機能が要求される機器では、部品が高密度に実装されることとなるため、このような機器にバックライトを組み込む際には、上記のようなフレキシブルプリント基板を押さえながらのロック操作が困難である場合が多く、フレキシブルプリント基板をコネクタに接続後、ロック操作をする前に抜けてしまうことが製造上の大きな問題となっていた。
【0009】
【特許文献1】特開平11−31561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フレキシブルプリント基板等の配線基板をコネクタに挿入した状態で仮保持させることができ、また、コネクタをロックした状態では抜け止め機構によって配線基板を確実に抜け止めすることができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のコネクタは、配線基板を挿入するための挿入口と、前記挿入口に挿入された配線基板の配線に電気的に接続される接続端子と、前記挿入口に挿入された配線基板に接触圧を加えて配線基板を保持する配線基板保持手段と、前記配線基板が前記挿入口から抜けないように配線基板を係止する抜け止め手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
本発明のコネクタは、挿入口に挿入された配線基板に接触圧を加えて配線基板を保持する配線基板保持手段を備えているので、抜け止め手段を操作する際に、配線基板が挿入口から抜けないように配線基板を押えておく必要が無く、配線基板の接続作業を容易に行なうことができる。また、本発明のコネクタは、配線基板が挿入口から抜けないように配線基板を係止する抜け止め手段を備えているので、配線基板をコネクタに接続し終えた後は、配線基板を引っ張っても抜けにくくなる。
【0013】
本発明にかかるコネクタのある実施態様においては、前記接続端子は前記配線基板保持手段を兼ねていて、前記抜け止め手段により配線基板が固定されていない状態においても、前記挿入口に挿入された配線基板の配線に接触圧を加えて配線基板を保持すると共に前記配線に電気的に接続されることを特徴としている。この実施態様においては、接続端子が前記配線基板保持手段を兼ねていて挿入口に挿入された配線基板を保持する機能を備えているので、コネクタの構造を簡略化することができる。
【0014】
本発明にかかるコネクタの別な実施態様は、前記配線基板保持手段が前記接続端子とは別個に設けられていることを特徴としている。この実施態様においては、接続端子が基板保持手段と別個となっているので、抜け止め手段により配線基板が固定されていない状態においては、前記配線基板の配線に接触圧を及ぼさないように構成でき、配線基板の挿入作業を容易に行なえる。しかも、抜け止め手段により配線基板が固定されている状態においては、前記配線基板の配線に接触圧を加えて電気的に接続させれば配線基板とコネクタを接続できる。また、当該実施態様においては、例えば、配線基板保持手段を挿入口に設けるとよい。挿入口に配線基板保持手段を設けておけば、配線基板保持手段に保持された配線基板が少し抜けただけではコネクタから脱落せず、配線基板の保持を確実にすることができる。
【0015】
本発明にかかるコネクタのさらに別な実施態様においては、前記抜け止め手段は、前記配線基板に設けられた切欠き又は通孔と、前記切欠き又は通孔に嵌り込んで配線基板が抜けないようにする突起を備えた操作部とからなることを特徴としている。この実施態様にあっては、コネクタの突起が配線基板の切欠き又は通孔に嵌り込むことによって確実に配線基板の抜け止めが行なわれる。
【0016】
本発明にかかるコネクタのさらに別な実施態様においては、前記抜け止め手段は、前記配線基板に設けられた切欠き又は通孔と、前記切欠き又は通孔に嵌り込んで前記配線基板が抜けないようにする弾性部材とからなり、前記配線基板を前記挿入口に挿入して所定位置まで達したときに前記弾性部材が配線基板の切欠き又は通孔に嵌り込むようにしたことを特徴としている。この実施態様にあっては、配線基板を挿入口から所定位置まで挿入することにより、弾性部材がその弾性力によって配線基板の切欠き又は通孔に嵌り込んで配線基板を抜け止めするので、配線基板の抜け止めを簡単に行なえ、作業性が向上する。
【0017】
本発明にかかるコネクタのさらに別な実施態様においては、前記接続端子は前記配線基板保持手段と前記抜け止め手段とを兼ねており、前記接続端子は、前記配線基板を前記挿入口から挿入される際には、配線基板の配線に接触圧を加えて配線基板を保持すると共に前記配線に電気的に接続され、前記配線基板を挿入し終えた後には、配線基板の配線に、より大きな接触圧を加えて配線基板を抜けないように係止することを特徴としている。この実施態様においては、接続端子が配線基板保持手段と抜け止め手段とを兼ねているので、接続端子とは別に配線基板保持手段や抜け止め手段を設ける必要が無く、コネクタの構造を簡単にすることができる。なお、この実施態様では、接続端子の数が多い場合(例えば、10極以上の場合)に接続端子による抜け止め力を大きくすることができるので、接続端子の数が多い場合に有効である。
【0018】
本発明にかかるコネクタのさらに別な実施態様においては、前記配線基板保持手段と前記抜け止め手段とを兼ねた複数の前記接続端子を備えており、前記接続端子の一部は、前記配線基板を前記挿入口から挿入される際には、配線基板の配線に接触圧を加えて配線基板を保持すると共に前記配線に電気的に接続され、前記接続端子の残部は、前記配線基板を前記挿入口から挿入される際には、配線基板の配線に接触圧を加えず、前記配線基板を挿入し終えた後には、配線基板の配線に接触圧を加えて配線基板を抜けないように係止することを特徴としている。この実施態様においては、接続端子が配線基板保持手段と抜け止め手段とを兼ねているので、接続端子とは別に配線基板保持手段や抜け止め手段を設ける必要が無く、コネクタの構造を簡単にすることができる。しかも、接続端子の一部だけで配線基板の保持を行なっているので、接続端子の数が多い場合でも配線基板の挿入が硬くならず、配線基板の挿入を容易にすることができる。
【0019】
本発明にかかる光源モジュールは、光を放出して導光板に光を供給するための発光素子を備えた光源モジュールであって、本発明にかかるコネクタと、前記コネクタと前記発光素子とを導通させるための導電性ベースとを備えている。
【0020】
また、本発明にかかる面光源装置は、本発明にかかる光源モジュールと、前記光源モジュールから放出された光を光入射面から導入し、その光を面状に広げて光出射面から出射させる導光板とを備えている。
【0021】
本発明にかかる光源モジュール及び面光源装置によれば、目的に応じた配線基板を選択してコネクタに接続することができるので、光源モジュールや面光源装置の共用化を図ることができる。しかも、配線基板を光源モジュールに接続する作業において、コネクタの挿入口に挿入された配線基板は配線基板保持手段によって常に接触圧が加えられて保持されるので、抜け止め手段を操作するまでの間、配線基板が挿入口から抜けないように配線基板を押さえておく必要が無く、特に携帯電話機のような高密度実装機器の製造工程を大幅に簡易化することができる。また、抜け止め手段によって配線基板を挿入後に確実にロックすることができるので、接続作業後は配線基板がコネクタから抜けることはなく、製品の信頼性を確保することができる。
【0022】
なお、本発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでないのは勿論である。
【実施例1】
【0024】
図2は本発明の実施例1による面光源装置31を示す斜視図、図3はその分解斜視図である。この面光源装置31は、光源モジュール32、導光板33、リムシート34等から構成されている。導光板33は、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネイト樹脂等の屈折率の高い透明樹脂材料によって形成されており、導光板33の下面には導光板33内を導光する光を反射させて上面(光出射面)から出射させるためのパターン43が形成されている。パターン43は、三角プリズム状をした微細な凹部又は凸部を導光板33の下面に多数設けたものであり、各パターン43は光源モジュール32の発光点をほぼ中心とする同心円の上に配置されており、光源モジュール32に近い領域ではパターン密度が小さく、光源モジュール32から遠くなるに従ってパターン密度が次第に大きくなっており、それによって導光板33の光出射面における輝度の均一化を図っている。
【0025】
よって、光源モジュール32から出射された光は、導光板33の側面(光入射面)から導光板33内に入射し、導光板33の上面と下面との間で全反射を繰り返しながら導光する。そして、パターン43で反射されることによって少しずつ光出射面から出射され、導光板33の光出射面からはほぼ均一に光が出射される。リムシート34は、枠状に形成されており、導光板33の上面の周辺部、特に導光板33下面にパターン43が形成されていない領域を覆っている。なお、導光板33の下面には、必要に応じて反射シート35が設けられ、導光板33とリムシート34との間には、必要に応じて拡散シート36やプリズムシート等が設けられる。
【0026】
導光板33の端面には、基部が細く先端部で幅広となった一対の被連結部37が設けられ、被連結部37間には台形状をした光入射部38が設けられている。光入射部38はその中央部が光入射面となっており、その両側に斜面が形成されている。平面視においては、光入射部38の両側斜面の延長線N(図2及び図3において1点鎖線で示す。)は、リムシート34の内周縁のコーナーよりも外側で、かつ、導光板33下面のパターン43を形成されている領域R(これをパターン形成領域といい、図3において2点鎖線で囲んで示す。)のコーナーよりも内側を通過している。これにより、パターン形成領域Rよりも外側に向けて光入射面から入射した光を、光入射部38の斜面で反射させてパターン形成領域Rに集め、光のロスを少なくしている。
【0027】
一方、光源モジュール32の前面中央部は台形状に引っ込んでおり、その中央には発光部品40が実装されている。発光部品40の両側では、それぞれ略台形の押当部41が前方へ向けて突出しており、押当部41の端部には、入口が狭く奥で幅広となった連結部42が凹設されている。
【0028】
しかして、光源モジュール32の連結部42内に上方から導光板33の被連結部37を嵌め込んで嵌合させることにより、図2のように導光板33と光源モジュール32とが連結されて一体化される。このとき連結部42に被連結部37を嵌め込み易いよう、連結部42の上面側の縁は角を落としてある。導光板33の光入射部38は光源モジュール32の押当部41間に嵌まり込んでおり、押当部41の斜面は光入射部38の斜面に圧接している。また、連結部42と被連結部37とを結合させて光源モジュール32を導光板33の側面に固定した状態では、発光部品40の前面は導光板33の光入射部38に対向している。
【0029】
図4は光源モジュール32の正面側からの斜視図、図5は光源モジュール32の背面側からの斜視図である。光源モジュール32は、導電性材料からなるコンタクト(導電性ベース)44と、コンタクト44に取り付けられた合成樹脂製のハウジング45と、コネクタ49と、コンタクト44に実装された発光部品40及びツェナーダイオード47とによって構成されている。
【0030】
まず、コンタクト44の構造を説明する。図6はコンタクト44の斜視図、図7(a)(b)はコンタクト44の平面図及び正面図である。コンタクト44は、隙間をあけてほぼ平行に配置された第1のコンタクトパーツ44Aと第2のコンタクトパーツ44Bによって構成されており、いずれも金属板をプレス加工して成形されている。両コンタクトパーツ44A、44Bの両端部にはそれぞれコネクタ49の接続端子39が設けられている。接続端子39は、フレキシブルプリント基板48を掴んで各コンタクトパーツ44A、44Bをフレキシブルプリント基板48の配線69と電気的に接続させるためにある。コンタクト44の左右両端のうち一方にだけ接続端子39を設け、右側にフレキシブルプリント基板48を接続するタイプのものと、左側にフレキシブルプリント基板48を接続するタイプのものとに分けてもよいが、図6に示すように両側に接続端子39を設けておくことにより、品種を少なくできる。
【0031】
また、両コンタクトパーツ44A、44Bにはそれぞれ、発光部品40を実装するための発光部品実装部50A、50Bが左右に対向するように設けられ、ツェナーダイオード47を実装するためのツェナーダイオード実装部51A、51Bが前後に対向するように設けられている。発光部品実装部50A、50Bは、上面を窪ませて板厚を薄くしている。これは、板厚の薄い部分に発光部品40を実装することにより、光源モジュール32の高さ(厚み)が小さくなるようにしたものである。符号52A、52Bで示すものは、両コンタクトパーツ44A、44Bにハウジング45を取り付けるための2組の係合片である。係合片52A、52Bは、ワンタッチでハウジング45を組み付けられる構造となっているが、ネジなどを用いてハウジング45を取り付けられるようにしても差し支えない。なお、図4又は図5に示す符号70は、ハウジング45の成形を上下型だけで構成できるようにするための、アンダーカット部形成用捨て孔である。
【0032】
図4及び図5に示すように、コンタクト44の上に取り付けられたハウジング45の中央部には、前方及び上下に開口した凹所、すなわち発光部品収納部53が設けられており、発光部品収納部53内に発光部品40を納めて発光部品40をコンタクト44に実装している。図8は発光部品40の構造を示す斜視図である。発光部品40は、LED等の発光素子54(ベアチップ)を透明樹脂部55内に封止し、透明樹脂部55の上下左右の面及び背面を白色樹脂からなる被覆部56で覆って透明樹脂部55の前面(光放出面)を被覆部56から露出させたものである。また、被覆部56の左右両側には、側面から下面にかけて略L形をした外部端子57が設けられており、両外部端子57は発光素子54の両電極に導通している。
【0033】
図9はハウジング45に実装された発光部品40を示す平面図、図10(a)は図9のX−X線断面図、図10(b)は図9のY−Y線断面図である。発光部品収納部53の両側面には凹部58が形成されており、凹部58の前面が位置決め面59となっている。また、凹部58内の一方側面には凸部60が突設され、凹部58内の背面には一対の凸曲部61が形成されている。
【0034】
この発光部品収納部53内に上方から発光部品40を押し込むと、発光部品40の外部端子57が発光部品実装部50A、50Bの板厚の薄い部分の上に乗るので、図10に示すように、発光部品実装部50A、50Bと外部端子57の下面との間をハンダ62で接合することにより、発光部品40がコンタクト44に接続される。また、凸部60が発光部品40の一方側面に押し当てられることにより、発光部品40の他方側面が発光部品収納部53の側面に押し付けられ、発光部品40の左右方向のがたつきを防止されると共に、発光部品収納部53内において発光部品40が左右方向の位置決めをされる。さらに、凸曲部61が発光部品40の背面に押し当てられることにより、外部端子57の前面が位置決め面59に押し付けられ、発光部品40の前後方向のがたつきを防止されると共に、発光部品収納部53内において発光部品40が前後方向で位置決めされる。このとき、発光部品40の背面に設けられた凸部63は、凸曲部61間に嵌まり込んでいる。
【0035】
また、ハウジング45には、ツェナーダイオード47を納めるためのツェナーダイオード収納部64が開口しており、ツェナーダイオード収納部64からはツェナーダイオード実装部51A、51Bが露出している。従って、このツェナーダイオード収納部64内にツェナーダイオード47を納めてツェナーダイオード実装部51A、51Bにツェナーダイオード47をハンダ付けすることによってコンタクト44にツェナーダイオード47が実装される。
【0036】
図11は導光板33に取り付けられた光源モジュール32を表している。発光部品収納部53の両側に設けられた押当部41の斜面は、導光板33の光入射部38の斜面と同じ傾きを有しているので、押当部41に設けられている連結部42に導光板33の被連結部37を押し込んで連結部42と被連結部37を係合させると、図9に示すように、光源モジュール32が導光板33に引き付けられて押当部41の斜面が光入射部38の斜面に圧接される。こうして押当部41の斜面と光入射部38の斜面とが圧接することにより光源モジュール32が左右方向で位置決めされ、発光部品収納部53内で位置決めされている発光部品40の中心と光入射部38の前面(光入射面)の中心とが一致するように発光部品40が位置決めされる。また、導光板33に対して光源モジュール32の回転方向における位置決めも精度良く行うことができる。
【0037】
こうして光源モジュール32を取り付けることによって光源モジュール32は導光板33に対して前後方向でも位置決めされる。発光部品40は、外部端子57の前面が位置決め面59に押し付けられて前後方向で位置決めされているので、図9に示す光入射部38の前面と発光部品40の前面との距離dも所定距離に保たれる。面光源装置31の輝度ムラ(輝度のばらつき)と干渉縞を小さくするためには、光入射部38の前面と発光部品40の前面とを接触させることなく、かつ、光入射部38前面と発光部品40前面との距離d(離間距離という。)を0.05mm以下に保つことが望ましい。
【0038】
さらに、図4及び図5に示すように、押当部41の側端面には、係合凸部65が突出している。一方、図11に示すように、導光板33においては、被連結部37の外側にそれぞれ突出部66が設けられており、突出部66の内側面に凹部67が凹設されている。そして、図11の楕円枠内に拡大して示しているように、係合凸部65が凹部67の前面に当接することによって、押当部41の端部が導光板33側に引き付けられている。
【0039】
図4及び図5に示すように、ハウジング45の両端部には、フレキシブルプリント基板48を挿入してコネクタ49に接続するための基板挿入口68が開口されている。図7(a)(b)に示すように、基板挿入口68の内部には、複数の接続端子39が平行に配置されている。各接続端子39は、固定片71の上に支持部72を介してクリップ片73の基部を連結した形状となっている。固定片71の基端部はコンタクトパーツ44A、44Bに固定されている。また、固定片71の先端には爪74Bが突設され、クリップ片73の先端にも爪74Aが突設されており、これらの爪74A、74Bは互いに対向している。
【0040】
固定片71に設けられた爪74Bとクリップ片73に設けられた爪74Aの間の間隔は、フレキシブルプリント基板48の厚みよりも若干狭くなっている。すなわち、対応する爪74A、74B間にフレキシブルプリント基板48を挿入する際、フレキシブルプリント基板48が大きな抵抗を受けることなくスムーズに挿入することができ、しかも、フレキシブルプリント基板48を挿入した後には、クリップ片73の爪74Aとフレキシブルプリント基板48の配線69とが電気的に安定して導通する程度の接触圧をもって接触するような間隔で爪74A、74Bが設けられている。
【0041】
ハウジング45の上面には、基板挿入口68に挿入されたフレキシブルプリント基板48の一部が露出するように露出窓75が設けられており、当該露出窓75の開口部分にはコネクタ49の操作レバー(操作部)46が軸76(図13(b)参照)によって回動自在に取り付けられている。図12は操作レバー46を起こして立てた状態を示している。操作レバー46の内面には、一対の突起77が突設されている。一方、露出窓75から露出しているハウジング45の底面には、前記突起77と対向させて突起77の嵌り込む孔78が設けられている。また、図13(a)に示すように、フレキシブルプリント基板48の配線69が通過していない箇所には、前記突起77が嵌合可能な切欠き79(通孔であってもよい。)が設けられている。
【0042】
しかして、このコネクタ49にフレキシブルプリント基板48を接続する場合には、図13(a)(b)、図14(a)(b)、図15(a)(b)のような順序で行なわれる。フレキシブルプリント基板48をコネクタ49に接続する場合には、図13(a)(b)に示すように、接続しようとする側の操作レバー46を立てて露出窓75を開いておく。ついで、基板挿入口68にフレキシブルプリント基板48を挿入し、露出窓75から観察しながらフレキシブルプリント基板48を各接続端子39の固定片71とクリップ片73の間に挿入する。フレキシブルプリント基板48を固定片71とクリップ片73の間に挿入すると、図14(a)(b)に示すように、フレキシブルプリント基板48の配線69にクリップ片73の爪74Aが接触圧をもって弾接し、各配線69がコンタクトパーツ44A、44Bに電気的に接続される。また、フレキシブルプリント基板48は、上下の爪74A、74Bで挟んで掴まれることにより、基板挿入口68から容易に抜けないよう保持される。このとき、フレキシブルプリント基板48は、その切欠き79が露出窓75内の孔78と一致するように位置決めしておく。
【0043】
この後、図15(a)(b)に示すように、操作レバー46を倒して突起77をフレキシブルプリント基板48の切欠き79と孔78にはめ込み、露出窓75を操作レバー46で塞ぐ。このときフレキシブルプリント基板48は接続端子39によって保持されているので、フレキシブルプリント基板48が抜けないよう押さえておく必要がなく、容易に操作レバー46を閉じることができる。こうして操作レバー46を閉じた状態では、突起77がフレキシブルプリント基板48の切欠き79と孔78に嵌り込んでいるので、フレキシブルプリント基板48は突起77によって抜け止めされ、フレキシブルプリント基板48が引っ張られてもコネクタ49から抜ける恐れがなく、フレキシブルプリント基板48とコネクタ49が確実に接続される。
【0044】
図16は光源モジュール32の回路構成を示す図である。発光部品40及びツェナーダイオード47は、コンタクトパーツ44A、44B間に並列に接続されており、コンタクトパーツ44A、44Bからはそれぞれ2つの接続端子39が引き出されていて右側のコネクタ49と左側の49が構成されている。従って、フレキシブルプリント基板48は、右側に位置するコネクタ49に接続することもでき、左側に位置するコネクタ49に接続することもできる。また、発光部品40には、並列にツェナーダイオード47が接続されているので、コネクタ49から過電流やサージ電流などが流れ込んだ場合には、ツェナーダイオード47に過電流等が流れ、発光部品40が保護される。
【0045】
本実施例の面光源装置31にあっては、発光部品40とフレキシブルプリント基板48とを分離し、光源モジュール32に設けたコネクタ49によって発光部品40とフレキシブルプリント基板48とを接続できるようにしているので、面光源装置に要求される仕様に応じたフレキシブルプリント基板48を光源モジュール32に接続することができる。よって、フレキシブルプリント基板48だけを多種類製造するか、受注生産とするだけでよく、光源モジュール32、もしくはフレキシブルプリント基板48を除く面光源装置31の共通化を図ることができ、光源モジュール32や面光源装置31の品種や在庫点数を減らし、光源モジュール32等の在庫リスクを小さくすることができる。
【0046】
また、面光源装置31のユーザーにおいては、この光源モジュール32を用いることにより、液晶表示パネル等を用いた新製品の開発から製品出荷までのリードタイムを短くすることが可能になる。例えば、ユーザーで携帯電話等の新製品の設計を行なう場合には、面光源装置メーカーから公表されている光源モジュール32のデータ(特にコネクタ49の接続のための仕様)を考慮してフレキシブルプリント基板48の形状を設計する。そして、フレキシブルプリント基板48を内製するか、直接フレキシブルプリント基板48のメーカーに発注し、また、面光源装置メーカーには、導光板33のサイズ等を指定してフレキシブルプリント基板48を除いた面光源装置31を発注する。これにより、面光源装置メーカーにおいてはフレキシブルプリント基板48を詳細設計して製作する必要がなくなるので、納期を極めて短くすることができる。また、ユーザーにおいても、フレキシブルプリント基板48の詳細を決定するために面光源装置メーカーと打ち合わせを行なう必要がなくなり、速やかにフレキシブルプリント基板48を発注することができるので、ユーザー側において光源モジュール32とフレキシブルプリント基板48とを接続する作業が必要になったとしても、新製品の出荷までのリードタイムは短縮可能となる。
【0047】
また、発光部品40とフレキシブルプリント基板48を分離し、後からフレキシブルプリント基板48だけを接続することができるようにすることで、液晶表示パネル用のフレキシブルプリント基板と面光源装置用のフレキシブルプリント基板とを一体化することができる。
【0048】
なお、上記実施例では、光源モジュール32には1個の発光部品40が実装されていたが、光源モジュール32に複数個の発光部品40を実装してもよい。
【0049】
図17は実施例1の変形例であって、操作レバー46の先端に係合爪80を設け、露出窓75の縁に被係合部81を設けている。突起77をフレキシブルプリント基板48の切欠き79に嵌合させた後、操作レバー46の係合爪80を被係合部81に引っ掛けておけば、操作レバー46が不用意に開いて突起77が切欠き79から抜けるのを防止することができる。
【実施例2】
【0050】
図18(a)(b)は本発明の実施例2による光源モジュールにおけるコネクタ部分の構造を示す水平断面図及び縦断面図である。この実施例にあっては、フレキシブルプリント基板48の両側面に角溝状の切欠き79を設けている。また、基板挿入口68内の両側面には、弾性を有するバネ片82を設けている。バネ片82は、基板挿入口68の開口側を固定端とし、接続端子39側を自由端としており、バネ片82の長さは切欠き79の長さよりも若干短くなっている。
【0051】
しかして、フレキシブルプリント基板48を基板挿入口68に挿入し、図19(a)に示すように、フレキシブルプリント基板48の先端がバネ片82に達すると、バネ片82はフレキシブルプリント基板48に押されて引っ込む。さらに、フレキシブルプリント基板48を押し込むと、フレキシブルプリント基板48がクリップ片73の爪74Aと固定片71の爪74Bの間に挟まれて弾性的に保持され、同時に爪74Aがフレキシブルプリント基板48の配線69に接触圧をもって接触し配線69がコンタクトパーツ44A、44Bに電気的に接続される。そして、図19(b)に示すように、フレキシブルプリント基板48の切欠き79がバネ片82の位置に達すると、バネ片82が切欠き79内に飛び出して切欠き79に引っ掛かり、フレキシブルプリント基板48を引き抜こうとしても抜くことができなくなる。なお、切欠き79とバネ片82とが一致してバネ片82が切欠き79内に飛び出る位置でフレキシブルプリント基板48を当て止めすることができるよう、ハウジング45に当て止め部83を設けてもよい。
【実施例3】
【0052】
図20(a)及び図21(a)は本発明の実施例3による光源モジュールにおけるコネクタ部分の構造を示す平面図(操作レバー46を除いて示す。)、図20(b)及び図21(b)はその縦断面図である。実施例3にあっては、接続端子39と基板保持手段とが別構造となっている。すなわち、クリップ片73の爪74Aと固定片71の爪74Bとの間隔は、負荷が掛かっていない状態では、フレキシブルプリント基板48の厚みよりも大きくなっている。そして、基板挿入口68内の上面および下面には基板挿入口68に挿入されたフレキシブルプリント基板48の上面及び下面に接触圧をもって接触し、上下からフレキシブルプリント基板48を挟み込むことでフレキシブルプリント基板48を保持する一対の保持用突起84が突設されている。よって、上下の保持用突起84間の間隔は、フレキシブルプリント基板48の厚みよりも狭くなっている。
【0053】
各接続端子39においては、クリップ片73の基端部からクリップ片73と反対側に向けて梃子部85が延出されている。また、操作レバー46の基端部からは、操作レバー46と反対側に向けてくの字状に屈曲した作用部86が延出されており、作用部86の先端は梃子部85の下面と対向している。
【0054】
しかして、操作レバー46を起こした状態で基板挿入口68にフレキシブルプリント基板48を挿入すると、図20(a)(b)に示すように、フレキシブルプリント基板48は基板挿入口68で保持用突起84によって上下から挟まれ、基板挿入口68から抜けないように保持される。このときフレキシブルプリント基板48はクリップ片73の爪74Aと固定片71の爪74Bとの間には挟まれていない。この後、フレキシブルプリント基板48の切欠き79を孔78の位置に合わせ、図21(a)(b)に示すように、操作レバー46を水平に倒すと、操作レバー46に設けられている突起77がフレキシブルプリント基板48の切欠き79に嵌り込んでフレキシブルプリント基板48を抜け止めする。同時に、操作レバー46に設けられた作用部86が梃子部85の下面に当たって梃子部85を押し上げる。梃子部85が上に押されると、その反作用としてクリップ片73の先端が下がり、爪74Aがフレキシブルプリント基板48の配線69に適度の接触圧をもって接触し、配線69と電気的に接触する。
【0055】
よって、このような構造のコネクタ49にあっても、フレキシブルプリント基板48を基板挿入口68に挿入するとフレキシブルプリント基板48が保持されるので、フレキシブルプリント基板48の接続作業を容易に行なえる。また、突起77を孔78に嵌合した後では、フレキシブルプリント基板48が抜ける恐れがなくなる。また、梃子部85を押し上げる作用部86を操作レバー46と一体的に形成したので、部品点数が少なくなってコネクタ49の小型化と低コスト化が図れるとともに、フレキシブルプリント基板48の抜け止めのためのロック操作と電気的接続のための圧接操作とを同時に行なうことができ、製造工程の工数削減を実現することができる。
【0056】
なお、実施例3においても抜け止め手段としては、突起77に代えて実施例2で説明したようなバネ片を用いてもよい。
【実施例4】
【0057】
上記実施例では、発光部品は1つしか光源モジュールに実装していない。しかし、用途によっては複数個の発光部品を光源モジュールに実装しておき、適宜発光部品を切り換えて発光させたい場合がある。例えば、白色発光する複数個の発光部品を実装しておき、必要とする明るさに応じて点灯させる発光部品の数を切り換えたい場合、あるいは、発光色の異なる複数個の発光部品を実装しておき、発光部品を適宜切り換えて発光色を切り換えるようにしたい場合などがある。このような場合には、発光部品の数に応じてフレキシブルプリント基板の配線の本数や接続端子の数も増加する。
【0058】
このような場合、実施例1のように接続端子39に基板保持手段の機能を持たせていると、接続端子による総接触圧は図22に示すように接続端子の数にほぼ比例して増加する。従って、接続端子の数が大きくなると、コネクタにフレキシブルプリント基板を挿入することが困難になる。実施例4はこのような課題を解決するものである。
【0059】
図23は本発明の実施例4によるコネクタ49の内部構造を示す水平断面図、図24は当該コネクタ49にフレキシブルプリント基板48を接続した状態を示す断面図である。この実施例では、フレキシブルプリント基板48には4本の配線69が設けられており、配線69を避けて両側部に切欠き79が設けられている。また、コネクタ49内においては、2組4個の接続端子39A、39Bが設けられている。一方の接続端子39Aにおいて、負荷が加わっていない状態においては、爪74A、74B間の間隔がフレキシブルプリント基板48の厚みよりも狭くなっており、当該接続端子39Aは基板保持手段としての機能を備えている。また、他方の接続端子39Bにおいては、負荷が加わっていない状態においては、爪74A、74B間の間隔がフレキシブルプリント基板48の厚みよりも広くなっており、この接続端子39Bは基板保持手段の働きは有していない。また、露出窓75内には突起77の嵌まる凹部87が設けられている。操作レバー46の基端部に設けられている作用部86は、一方の接続端子39Bに設けられた梃子部85の下面に対向している。
【0060】
しかして、実施例4においては、操作レバー46を起こした状態で基板挿入口68にフレキシブルプリント基板48を挿入すると、一部の接続端子39Aによってフレキシブルプリント基板48が掴まれて保持される。このとき一部の接続端子39Aでフレキシブルプリント基板48を掴むようにしているので、フレキシブルプリント基板48の挿入力を小さくすることができ、接続端子39A、39Bの総数が多い場合でもフレキシブルプリント基板48を挿入し易くできる。フレキシブルプリント基板48の先端を当て止め部83に当てた後、操作レバー46を倒して元に戻すと、突起77がフレキシブルプリント基板48の切欠き79と凹部87に嵌合し、フレキシブルプリント基板48が基板挿入口68から抜けなくなる。また、操作レバー46を倒すと、作用部86で接続端子39Bの梃子部85が押し上げられ、接続端子39Bの爪74A、74B間にフレキシブルプリント基板48が挟み込まれる。この結果、各接続端子39A、39Bがそれぞれ配線69に電気的に接続することになる。
【0061】
以上より明らかなように、接続端子39Aの爪74A、74B間の保持力は、配線69との電気的な接触を確保できる程度の強さとしておき、接続端子39Aの数は、接続端子39A全体での保持力がフレキシブルプリント基板48が不用意に抜けない程度の強さとなるように決めればよい。
【0062】
図25は実施例4の変形例である。実施例4では、突起77をフレキシブルプリント基板48の切欠き79に嵌め込むことによってフレキシブルプリント基板48の抜け止めを行なったが、図25に示すように、突起77を用いることなく、接続端子39A、39Bに抜け止め手段の機能を持たせてもよい。即ち、上記のように無負荷状態で爪74A、74B間の間隔がフレキシブルプリント基板48の厚みよりも薄くなっている接続端子39Aに基板保持手段の機能を持たせる。一方、接続端子39Bは、無負荷状態では爪74A、74B間の間隔がフレキシブルプリント基板48の厚みよりも大きくなっており、操作レバー46の作用部86で接続端子39Bの梃子部85を押し上げたときには、爪74A、74B間の間隔がフレキシブルプリント基板48の厚みよりも狭くなってフレキシブルプリント基板48を爪74A、74Bで保持する。接続端子39Bの当該基板保持力を十分大きくしておけば、接続端子39A、39Bの全体で抜け止め機能を構成することができる。この変形例は、特に接続端子39A、39Bの数が多い場合(特に、10個以上の場合)に有効である。
【実施例5】
【0063】
図26は本発明の実施例5によるコネクタの構造を示す概略水平断面図(操作レバー46を除いた状態で示す。)である。図27(a)及び図28(a)はコネクタにフレキシブルプリント基板を挿入する際の操作を説明する概略水平断面図、図27(b)及び図28(b)はそれぞれの垂直方向における断面図である。この実施例では、フレキシブルプリント基板48に複数(例えば、10本以上)の配線69が設けられている。コネクタ49には、これに対応して複数(例えば、10個以上)の接続端子39を備えている。クリップ片73の爪74Aと固定片71の爪74Bとの間隔はいずれも、負荷が掛かっていない状態では、フレキシブルプリント基板48の厚みよりも若干狭くなっている。また、クリップ片73の基端部からはクリップ片73と反対側に向けて梃子部85が延出されている。操作レバー46の基端部からは、操作レバー46と反対側に向けてくの字状に屈曲した作用部86が延出されており、作用部86の先端はそれぞれの梃子部85の下面と対向している。
【0064】
しかして、この実施例では、接続端子39が基板保持手段と抜け止め手段を兼ねており、以下のようにしてフレキシブルプリント基板48を接続される。操作レバー46を起こした状態で基板挿入口68にフレキシブルプリント基板48を挿入すると、図27(a)(b)に示すように、フレキシブルプリント基板48は固定片71の爪74Aとクリップ片73の爪74Bによって上下から挟まれ、基板挿入口68から抜けないように保持される。また、爪74Aが適度の接触圧をもって配線69に接触し、各配線69がコネクタ49に電気的に接続される。
【0065】
この後、図28(a)(b)に示すように、操作レバー46を水平に倒すと、操作レバー46に設けられた作用部86が梃子部85の下面に当たって各梃子部85を押し上げる。梃子部85が上に押されると、クリップ片73の先端が下がり、爪74Aがフレキシブルプリント基板48に強く押圧され、フレキシブルプリント基板48は複数組の爪48Aと爪48Bの間に強く掴まれる。この実施例では、接続端子39の数が多いので、全体としてフレキシブルプリント基板48は強い力で掴まれることになり、引っ張っても基板挿入口68から抜けなくなる。また、操作レバー46は、係合爪80を被係合部81に引っ掛けることによって水平状態に保持される。
【0066】
よって、このような構造のコネクタ49にあっても、フレキシブルプリント基板48を基板挿入口68に挿入するとフレキシブルプリント基板48が保持されるので、フレキシブルプリント基板48の接続作業を容易に行なえる。また、操作レバー46を水平に倒して爪74A、74Bどうしを強く締め付けた後では、フレキシブルプリント基板48が抜ける恐れがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】(a)〜(d)は、従来例のコネクタの構造と配線基板接続時の操作方法を示した断面図である。
【図2】本発明の一実施例による面光源装置を示す斜視図である。
【図3】同上の面光源装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施例による光源モジュールの正面側からの斜視図である。
【図5】同上の光源モジュールの背面側からの斜視図である。
【図6】図4に示す光源モジュールに用いられているコンタクトの斜視図である。
【図7】(a)(b)は同上のコンタクトの平面図及び正面図である。
【図8】発光部品の構造を示す斜視図である。
【図9】図4の光源モジュールにおいて、ハウジングに実装された発光部品を示す平面図である。
【図10】(a)は図9のX−X線断面図、(b)は図9のY−Y線断面図である。
【図11】導光板に取り付けられた光源モジュールを示す一部破断した平面図である。
【図12】操作レバーを起こした状態を示す斜視図である。
【図13】(a)は操作レバーを起こした状態を、操作レバーを省略して示す平面図、(b)は(a)のZ−Z線断面図である。
【図14】(a)はフレキシブルプリント基板を挿入した状態を、操作レバーを省略して示す平面図、(b)は(a)の縦断面図である。
【図15】(a)は操作レバーを倒した状態を、操作レバーを省略して示す平面図、(b)は(a)の縦断面図である。
【図16】光源モジュールの回路構成を示す回路図である。
【図17】実施例1の変形例を示す断面図である。
【図18】(a)(b)は本発明の実施例2による光源モジュールにおけるコネクタ部分の構造を示す水平断面図及び縦断面図である。
【図19】実施例2において、フレキシブルプリント基板を基板挿入口に挿入する際の動作を説明する水平断面図である。
【図20】(a)は本発明の実施例3による光源モジュールにおけるコネクタ部分の構造を示す平面図、(b)はその縦断面図である。
【図21】(a)は実施例3において、フレキシブルプリント基板をコネクタに接続した状態を示す平面図、(b)はその縦断面図である。
【図22】接続端子の個数(極数)とコネクタによるフレキシブルプリント基板の総接触圧との関係を示す図である。
【図23】本発明の実施例4によるコネクタの内部構造を示す水平断面図である。
【図24】実施例4のコネクタにフレキシブルプリント基板を接続した状態を示す断面図である。
【図25】実施例4の変形例を示す断面図である。
【図26】本発明の実施例5によるコネクタの構造を示す概略水平断面図である。
【図27】(a)は実施例5において、コネクタにフレキシブルプリント基板を挿入する際の操作を説明する概略水平断面図、(b)はその垂直方向における断面図である。
【図28】(a)は実施例5において、コネクタにフレキシブルプリント基板を接続した状態を示す概略水平断面図、(b)はその垂直方向における断面図である。
【符号の説明】
【0068】
31 面光源装置
32 光源モジュール
33 導光板
39 接続端子
39A、39B 接続端子
40 発光部品
44 コンタクト
44A コンタクトパーツ
44B コンタクトパーツ
45 ハウジング
46 操作レバー
48 フレキシブルプリント基板
49 コネクタ
68 基板挿入口
69 配線
70 孔
71 固定片
72 支持部
73 クリップ片
74A、74B 爪
79 切欠き
82 バネ片
83 当て止め部
85 梃子部
86 作用部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板を挿入するための挿入口と、前記挿入口に挿入された配線基板の配線に電気的に接続される接続端子と、前記挿入口に挿入された配線基板に接触圧を加えて配線基板を保持する配線基板保持手段と、前記配線基板が前記挿入口から抜けないように配線基板を係止する抜け止め手段とを備えたコネクタ。
【請求項2】
前記接続端子は前記配線基板保持手段を兼ねていて、前記抜け止め手段により配線基板が固定されていない状態においても、前記挿入口に挿入された配線基板の配線に接触圧を加えて配線基板を保持すると共に前記配線に電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記配線基板保持手段は、前記接続端子とは別個に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記配線基板保持手段は、前記挿入口に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記接続端子は、前記抜け止め手段により配線基板が固定されていない状態においては、前記配線基板の配線に接触圧を及ぼさず、前記抜け止め手段により配線基板が固定されている状態においては、前記配線基板の配線に接触圧を加えて電気的に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記抜け止め手段は、前記配線基板に設けられた切欠き又は通孔と、前記切欠き又は通孔に嵌り込んで配線基板が抜けないようにする突起を備えた操作部とからなることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記抜け止め手段は、前記配線基板に設けられた切欠き又は通孔と、前記切欠き又は通孔に嵌り込んで前記配線基板が抜けないようにする弾性部材とからなり、
前記配線基板を前記挿入口に挿入して所定位置まで達したときに前記弾性部材が配線基板の切欠き又は通孔に嵌り込むようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記接続端子は前記配線基板保持手段と前記抜け止め手段とを兼ねており、
前記接続端子は、前記配線基板を前記挿入口から挿入される際には、配線基板の配線に接触圧を加えて配線基板を保持すると共に前記配線に電気的に接続され、前記配線基板を挿入し終えた後には、配線基板の配線に、より大きな接触圧を加えて配線基板を抜けないように係止することを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記配線基板保持手段と前記抜け止め手段とを兼ねた複数の前記接続端子を備えており、
前記接続端子の一部は、前記配線基板を前記挿入口から挿入される際には、配線基板の配線に接触圧を加えて配線基板を保持すると共に前記配線に電気的に接続され、
前記接続端子の残部は、前記配線基板を前記挿入口から挿入される際には、配線基板の配線に接触圧を加えず、前記配線基板を挿入し終えた後には、配線基板の配線に接触圧を加えて配線基板を抜けないように係止することを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項10】
光を放出して導光板に光を供給するための発光素子を備えた光源モジュールであって、
請求項1ないし9に記載したいずれかのコネクタと、
前記コネクタと前記発光素子とを導通させるための導電性ベースと、
を備えたことを特徴とする光源モジュール。
【請求項11】
請求項10に記載した光源モジュールと、
前記光源モジュールから放出された光を光入射面から導入し、その光を面状に広げて光出射面から出射させる導光板と、
を備えた面光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−4723(P2006−4723A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178949(P2004−178949)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】