説明

コネクタ装置

【課題】絶縁ハウジングに設けられた嵌合部の相手側コネクタ装置に設けられた嵌合部との嵌合が適正かつ円滑に行われるようになす状態を、容易かつ円滑に得ることができることになるコネクタ装置を提供する。
【解決手段】嵌合凸部17が設けられた絶縁ハウジング15と、絶縁ハウジング15に配列配置されて相手側コネクタ装置の導電コンタクトに接触接続される導電コンタクトと、絶縁ハウジング15を部分的に覆う導電性シェル16に装着され、嵌合凸部17の相手側コネクタ装置の嵌合凹部との嵌合にあたり、絶縁ハウジング15に配列配置された導電コンタクトの配列方向における両端部分を、相手側コネクタ装置の、絶縁ハウジング15に配列配置された導電コンタクトの配列方向における両端部に夫々係合させて、絶縁ハウジング15の位置,向き及び移動方向を規制するアライメントカバー13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、ケーブルやフレキシブル印刷配線基板(FPC)等が連結されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板等の主基板に取り付けられた相手側コネクタ装置との嵌合状態におかれ、ケーブルやFPC等と相手側コネクタ装置との電気的接続を果すコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の比較的細いケーブルや比較的小型なFPCを、各種の電気部品が取り付けられるソリッド印刷配線基板等の主基板に電気的に接続するにあたっては、複数のケーブルあるいはFPCが連結されるケーブル等側コネクタ装置とされる第1のコネクタ装置と、主基板に取り付けられて主基板との電気的接続がなされ、第1のコネクタ装置との嵌合状態におかれる基板側コネクタ装置とされる第2のコネクタ装置と、が用いられることが多い。第1のコネクタ装置からみると、第2のコネクタ装置は第1のコネクタ装置にとっての相手側コネクタ装置となり、第2のコネクタ装置からみると、第1のコネクタ装置は第2のコネクタ装置にとっての相手側コネクタ装置となる。
【0003】
斯かる場合、第1のコネクタ装置は、例えば、第2のコネクタ装置との嵌合部を形成する嵌合凸部が設けられる絶縁ハウジングを備え、その嵌合凸部に、複数のケーブル等との電気的接続がなされる複数の導電コンタクトの部分が配列配置される、プラグコネクタを成すものとされる。そして、第1のコネクタ装置は、通常、外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジングを部分的に覆う金属板材製の導電性シェルや導電性カバーを備えている。また、第1のコネクタ装置の相手側コネクタ装置となる第2のコネクタ装置は、例えば、第1のコネクタ装置との嵌合部を形成して第1のコネクタ装置の絶縁ハウジングに設けられた嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部が設けられる絶縁ハウジングを備え、その嵌合凹部に、各々の一端部が端子部とされて主基板に電気的に接続される複数の導電コンタクトの部分が配列配置される、リセプタクルコネクタを成すものとされる。そして、第2のコネクタ装置も、通常、外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジングを部分的に覆う金属板材製の導電性シェルや導電性カバーを備えている。このようなもとで、第1のコネクタ装置の絶縁ハウジングに設けられた嵌合凸部が第2のコネクタ装置の絶縁ハウジングに設けられた嵌合凹部との嵌合状態におかれるとき、第1のコネクタ装置における複数の導電コンタクトが、第2のコネクタ装置における複数の導電コンタクトに夫々接触接続される。
【0004】
上述のようなケーブル等側コネクタ装置とされる第1のコネクタ装置及び基板側コネクタ装置とされる第2のコネクタ装置にあっては、例えば、第2のコネクタ装置が主基板に取り付けられたもとで、複数のケーブルあるいはFPCが連結された第1のコネクタ装置の絶縁ハウジングに設けられた嵌合凸部が、第2のコネクタ装置の絶縁ハウジングに設けられた嵌合凹部との嵌合状態におかれるにあたり、第2のコネクタ装置が取り付けられる主基板上において、高さ方向(主基板の基板面に直交する方向)における全体の寸法ができるだけ小とされることが、主基板の周囲スペースの低減化を図る観点から要望される。このような要望に応えるには、リセプタクルコネクタを成す第2のコネクタ装置が、その絶縁ハウジングに設けられた嵌合凹部が主基板の基板面に平行となる方向に開口するものとして、主基板に取り付けられるものとされ、プラグコネクタを成す第1のコネクタ装置が、主基板の基板面に沿って移動せしめられて、その絶縁ハウジングに設けられた嵌合凸部を第2のコネクタ装置の絶縁ハウジングに設けられた嵌合凹部に嵌合させるものとされる。
【0005】
斯かる際、プラグコネクタを成す第1のコネクタ装置が備える嵌合凸部を、主基板に取り付けられたリセプタクルコネクタを成す第2のコネクタ装置が備える嵌合凹部に嵌合させるにあたっては、嵌合凸部を、嵌合凹部に対して適正な位置と向きとをもって対向させた後、適正な方向に移動させて、嵌合凹部との嵌合状態におくことが必要とされる。そのため、プラグコネクタを成す第1のコネクタ装置に、その嵌合凸部を越えて外方に突出する案内嵌合部を設けるとともに、リセプタクルコネクタを成す第2のコネクタ装置に、第1のコネクタ装置に設けられた案内嵌合部を受け入れる嵌合孔部を設けて、第1のコネクタ装置が備える嵌合凸部を第2のコネクタ装置が備える嵌合凹部に嵌合させる際には、嵌合凸部の嵌合凹部との嵌合に先立って、案内嵌合部を嵌合孔部に嵌合させ、それにより、嵌合凸部の嵌合凹部に対向する位置と向きとを決めるとともに、嵌合凹部に対する移動方向を決めて、嵌合凸部を、嵌合凹部に対する適正な位置と向きと移動方向とをもって、嵌合凹部に嵌合するものとなす方策が従来提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
上述の特許文献1に記載されている従来提案されている方策がとられる場合には、プラグコネクタを成す第1のコネクタ装置(プラグ20)に、絶縁ハウジング(ケーブル側ハウジング21)に設けられた複数の保護片(34)を形成するとともに複数の接触部(24)が配列配置された嵌合凸部に加えて、その嵌合凸部を挟む位置において嵌合凸部を越えて外方に突出する一対の案内嵌合部(嵌合腕30)が設けられ、一方、リセプタクルコネクタを成す第2のコネクタ装置(リセプタクル70)の絶縁ハウジング(基板側ハウジング71)に、第1のコネクタ装置の嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部(嵌入溝80)が設けられるとともに、その嵌合凹部を挟む位置に第1のコネクタ装置の一対の案内嵌合部が夫々嵌合する一対の嵌合孔部(嵌合孔79)が設けられる。そして、第1のコネクタ装置が備える嵌合凸部を第2のコネクタ装置が備える嵌合凹部に係合させるにあたっては、先ず、第1のコネクタ装置に設けられた一対の案内嵌合部を第2のコネクタ装置に設けられた一対の嵌合孔部に夫々嵌合させ、第1のコネクタ装置が第2のコネクタ装置に対して案内嵌合部と嵌合孔部とによる案内を受けるようにしたもとで、第1のコネクタ装置が備える嵌合凸部を第2のコネクタ装置が備える嵌合凹部との嵌合状態をとるものとなす。
【0007】
なお、各々の接触子が相互当接するものとされる一対のコネクタ装置(第1及び第2のコネクタ装置)であって、第1のコネクタ装置の接触子を第2のコネクタ装置の接触子に当接させるにあたり、第1のコネクタ装置に設けられた突出案内部(案内嵌合部)を第2のコネクタ装置に設けられた没入案内部(嵌合孔部)に没入させる(嵌合させる)ようにしたものも従来提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
斯かる特許文献2に記載されたような一対のコネクタ装置にあっても、第1のコネクタ装置の接触子の第2のコネクタ装置の接触子との当接に先立って、第1のコネクタ装置に設けられた案内嵌合部を成す突出案内部が第2のコネクタ装置に設けられた嵌合孔部を成す没入案内部に没入せしめられる(嵌合せしめられる)ことにより、第1のコネクタ装置の第2のコネクタ装置に対する位置と向きと移動方向とが決められる。
【0009】
【特許文献1】特開2002−93528号公報(第3〜5頁、図1)
【特許文献2】特開2001−223057号公報(第3〜4頁、図1,2及び4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の従来のコネクタ装置にあっては、第1のコネクタ装置が備える嵌合凸部の第2のコネクタ装置が備える嵌合凹部との嵌合、あるいは、第1のコネクタ装置の接触子の第2のコネクタ装置の接触子との当接は、第1のコネクタ装置に設けられた案内嵌合部が第2のコネクタ装置に設けられた嵌合孔部に嵌合せしめられて、第1のコネクタ装置が第2のコネクタ装置に対して案内嵌合部と嵌合孔部とによる案内を受け、それにより、第2のコネクタ装置に対する位置と向きと移動方向とが定められたもとで行われる。このように、第1のコネクタ装置に設けられた案内嵌合部が第2のコネクタ装置に設けられた嵌合孔部に嵌合せしめられた後においては、第1のコネクタ装置が備える嵌合凸部の第2のコネクタ装置が備える嵌合凹部との嵌合、あるいは、第1のコネクタ装置の接触子の第2のコネクタ装置の接触子との当接が、適正かつ円滑に行われることが期待されるが、第1のコネクタ装置に設けられた案内嵌合部の第2のコネクタ装置に設けられた嵌合孔部との嵌合については、第1のコネクタ装置が第2のコネクタ装置に対する何らの案内も受けないもとで行われることになるので、その円滑な達成は保証されない。
【0011】
即ち、前述の従来のコネクタ装置にあっては、第1のコネクタ装置に設けられた案内嵌合部を第2のコネクタ装置に設けられた嵌合孔部に嵌合させることにより、第1のコネクタ装置が備える嵌合凸部の第2のコネクタ装置が備える嵌合凹部との嵌合、あるいは、第1のコネクタ装置の接触子の第2のコネクタ装置の接触子との当接が、適正かつ円滑に行われるようになす状態を得ることが意図されているのであるが、斯かる状態を容易かつ円滑に得ることが困難とされているのである。
【0012】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、絶縁ハウジングに設けられて複数の導電コンタクトにおける接触部分が配列配置される嵌合部を、相手側コネクタ装置に設けられた嵌合部に嵌合させて、複数の導電コンタクトにおける接触部分を相手側コネクタ装置に配された導電コンタクトに接触接続させるにあたり、絶縁ハウジングに設けられた嵌合部の相手側コネクタ装置に設けられた嵌合部との嵌合が適正かつ円滑に行われるようになす状態を、容易かつ円滑に得ることができることになるコネクタ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明(以下、本発明という。)に係るコネクタ装置は、相手側コネクタ装置に設けられた第1の嵌合部との嵌合状態におかれる第2の嵌合部が設けられた絶縁ハウジングと、第2の嵌合部に配列配置される接触部分を有して絶縁ハウジングに配され、第2の嵌合部が第1の嵌合部との嵌合状態におかれるとき、相手側コネクタ装置に配された複数の第1の導電コンタクトに接触接続される複数の第2の導電コンタクトと、絶縁ハウジングを部分的に覆う導電性シェルと、導電性シェルにその外面を部分的に覆って装着され、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合にあたり、複数の第2の導電コンタクトの接触部分の配列方向における両端部分を、相手側コネクタ装置の上述の配列方向における両端部に夫々係合させて、絶縁ハウジングの位置,向き及び移動方向を規制するアライメントカバーと、を備えて構成される。
【0014】
特に、本発明に係るコネクタ装置のうちの請求項2に記載されたものにあっては、アライメントカバーが、複数の第2の導電コンタクトの接触部分の配列方向における両端部分の夫々に、絶縁ハウジングの上述の配列方向における端面部に所定の間隔をおいて対向する第1の案内部とそれから第2の嵌合部側に離隔した第2の案内部とが、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合にあたって相手側コネクタ装置の上述の配列方向における両端部に夫々係合するものとして設けられる。
【0015】
さらに、本発明に係るコネクタ装置のうちの請求項3に記載されたものにあっては、アライメントカバーの複数の第2の導電コンタクトの接触部分の配列方向における両端部分に夫々設けられた第1及び第2の案内部が、アライメントカバーにおける導電性シェルの外面に沿って広がる部分から絶縁ハウジングにおける端面部に近付く方向に屈曲して伸びるものとされる。
【0016】
上述のように構成される本発明に係るコネクタ装置においては、絶縁ハウジングを部分的に覆う導電性シェルにその外面を部分的に覆うものとして装着されるアライメントカバーが、相手側コネクタ装置に設けられた第1の嵌合部に絶縁ハウジングに設けられた第2の嵌合部が嵌合する際に、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合に先立って、第2の嵌合部に配された複数の第2の導電コンタクトの接触部分の配列方向における両端部分を、相手側コネクタ装置の上述の配列方向における両端部に夫々係合させ、それにより、絶縁ハウジングの位置、向き及び移動方向を規制する。このようにして、アライメントカバーによって絶縁ハウジングの位置,向き及び移動方向が規制されることにより、相手側コネクタ装置に設けられた第1の嵌合部に対する絶縁ハウジングに設けられた第2の嵌合部の位置,向き及び移動方向が定められたもとで、第2の嵌合部が第1の嵌合部に嵌合する状態がとられる。
【0017】
斯かる機能を果たすアライメントカバーは、例えば、本発明に係るコネクタ装置のうちの請求項2に記載されたものにおけるように、複数の第2の導電コンタクトの接触部分の配列方向における両端部分の夫々に第1及び第2の案内部が設けられたものとされる。これらの第1及び第2の案内部は、夫々が、例えば、本発明に係るコネクタ装置のうちの請求項3に記載されたものにおけるように、アライメントカバーにおける導電性シェルの外面に沿って広がる部分から絶縁ハウジングにおける端面部に近付く方向に屈曲して伸びるものとされたもとで、第1の案内部が、絶縁ハウジングの上述の配列方向における端面部に所定の間隔をおいて対向するものとされるとともに、第2の案内部が、第1の案内部から第2の嵌合部側に離隔したものとされて、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合にあたって相手側コネクタ装置の上述の配列方向における両端部に夫々係合する。
【0018】
それにより、第1及び第2の案内部は、例えば、第1の嵌合部に第2の嵌合部が嵌合する際には、先ず、第2の案内部が、相手側コネクタ装置における上述の配列方向における端部に設けられた第1の係合部に係合して、絶縁ハウジングについての案内を行い、続いて、第1の案内部が、相手側コネクタ装置における上述の配列方向における端部に設けられた第2の係合部に係合して、その第2の係合部を絶縁ハウジングにおける端面部とにより上述の配列方向において挟んで、絶縁ハウジングについての更なる案内を行うものとされ、その結果、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合が完了する状態が得られる。
【0019】
そして、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合が完了したときには、例えば、アライメントカバーにおける上述の配列方向における両端部分の夫々が、相手側コネクタ装置における上述の配列方向の端部の一部分を、導電性シェルの外面とで上述の配列方向に直交する方向において挟む状態をとる。
【発明の効果】
【0020】
上述の本発明に係るコネクタ装置によれば、相手側コネクタ装置に設けられた第1の嵌合部に絶縁ハウジングに設けられた第2の嵌合部が嵌合する際に、絶縁ハウジングを部分的に覆う導電性シェルにその外面を部分的に覆うものとして装着されるアライメントカバーによって、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合に先立って、絶縁ハウジングの位置、向き及び移動方向が規制され、それにより、相手側コネクタ装置に設けられた第1の嵌合部に対する絶縁ハウジングに設けられた第2の嵌合部の位置,向き及び移動方向が定められたもとで、第2の嵌合部が第1の嵌合部に嵌合する状態がとられるので、複数の導電コンタクトにおける接触部分が配列配置される第1の嵌合部を、相手側コネクタ装置に設けられた第2の嵌合部に嵌合させて、複数の導電コンタクトにおける接触部分を相手側コネクタ装置に配された導電コンタクトに接触接続させるにあたり、絶縁ハウジングに設けられた第2の嵌合部の相手側コネクタ装置に設けられた第1の嵌合部との嵌合が適正かつ円滑に行われるようになす状態を、容易かつ円滑に得ることができることになる。
【0021】
特に、本発明に係るコネクタ装置のうちの請求項2、さらには、本発明に係るコネクタ装置のうちの請求項3に記載されたものによれば、アライメントカバーの上述の配列方向における両端部分の夫々に、絶縁ハウジングの上述の配列方向における端面部に所定の間隔をおいて対向する第1の案内部とそれから第2の嵌合部側に離隔した第2の案内部とが設けられ、それらが、例えば、第1の嵌合部に第2の嵌合部が嵌合する際に、先ず、第2の案内部が、相手側コネクタ装置における上述の配列方向における端部に設けられた第1の係合部に係合して、絶縁ハウジングについての案内を行い、続いて、第1の案内部が、相手側コネクタ装置における上述の配列方向における端部に設けられた第2の係合部に係合して、その第2の係合部を絶縁ハウジングにおける端面部とにより上述の配列方向において挟んで、絶縁ハウジングについての更なる案内を行うものとされ、その結果、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合が完了する状態が得られるようになすものとされることにより、絶縁ハウジングに設けられた第2の嵌合部の相手側コネクタ装置に設けられた第1の嵌合部との嵌合が適正かつ円滑に行われるようになす状態を、確実に、しかも、より一層容易かつ円滑に得ることができる。
【0022】
さらに、第2の嵌合部の第1の嵌合部との嵌合が完了したとき、アライメントカバーにおける上述の配列方向における両端部分の夫々が、相手側コネクタ装置における上述の配列方向の端部の一部分を、導電性シェルの外面とで上述の配列方向に直交する方向において挟む状態をとる場合には、第2の嵌合部が第1の嵌合部から抜去されるにあたり、第2の嵌合部が第1の嵌合部に対して上述の配列方向に直交する方向における“こじり”を生じる不所望な事態が回避される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態は、以下に述べられる本発明についての実施例をもって説明される。
【実施例】
【0024】
図1及び図2は、本発明に係るコネクタ装置の一例を、それに連結された複数のケーブルと共に示す。
【0025】
図1及び図2において、本発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置11は、コネクタ本体部12とそれに取り付けられたアライメントカバー13とを含んで構成されている。このコネクタ装置11は、コネクタ本体部12に複数の同軸ケーブル14が電気的に連結されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた、基板側コネクタ装置とされる相手側コネクタ装置に嵌合する、ケーブル等側コネクタ装置として用いられる。
【0026】
コネクタ本体部12は、図3及び図4に示されるように、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング15, 外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジング15の外面部を部分的に覆うものとされた、例えば、各々が弾性を有した金属板材料が屈曲されて成る導電性シェル16を備えている。
【0027】
絶縁ハウジング15には、相手側コネクタ装置(基板側コネクタ装置)に設けられた嵌合凹部との嵌合状態におかれる、絶縁ハウジング15の長手方向(矢印Lにより示される方向であって、以下、L方向という。)に伸びる嵌合凸部17が設けられている。また、絶縁ハウジング15には、各々が、例えば、弾性を有した金属材料が屈曲されて形成された複数の導電コンタクト18が、夫々の接触部分が嵌合凸部17にL方向に沿って配列配置されるものとされて配されている。従って、L方向は、嵌合凸部17に配列配置された複数の導電コンタクト18の接触部分の配列方向でもある。
【0028】
複数の導電コンタクト18の夫々における嵌合凸部17に配列配置された接触部分は、嵌合凸部17が相手側コネクタ装置に設けられた嵌合凹部との嵌合状態におかれるとき、その相手側コネクタ装置に配されて基板との電気的接続がなされた複数の導電コンタクトのうちの対応するものに接触接続され、それにより、複数の導電コンタクト18が相手側コネクタ装置における複数の導電コンタクトに夫々接続されることになる。また、複数の導電コンタクト18の夫々には、複数の同軸ケーブル14のうちの対応するものの信号導体が接続される。複数の同軸ケーブル14の夫々は、その信号導体が導電コンタクト18に接続されるとともに、その接地導体が導電性シェル16に接触接続されて、コネクタ本体部12に電気的に連結される。
【0029】
導電性シェル16は、絶縁ハウジング15の図1において上側となる外面(以下、上面という)を部分的に覆うものとされた上面側半体と絶縁ハウジング15の図1において下側となる外面(以下、底面という)を部分的に覆うものとされた底面側半体とが、各々のL方向の両端部において相互連結されて構成されている。即ち、導電性シェル16のL方向における両端部16a及び16bは,上面側半体と底面側半体とが相互係合する部分とされているのである。
【0030】
そして、導電性シェル16の上面側半体には、導電性シェル16の端部16aを形成する一端部の近傍に、絶縁ハウジング15の嵌合凸部17が相手側コネクタ装置に設けられた嵌合凹部との嵌合状態におかれるとき、相手側コネクタ装置の導電性シェルに設けられた係合孔に係合する係合突起16cが設けられ、また、導電性シェル16の端部16bを形成する他端部の近傍に、絶縁ハウジング15の嵌合凸部17が相手側コネクタ装置に設けられた嵌合凹部との嵌合状態におかれるとき、相手側コネクタ装置の導電性シェルに設けられた係合孔に係合する係合突起16dが設けられている。係合突起16c及び16dの夫々は、導電性シェル16の上面側半体の一部が形成する弾性片に形成されていて、相手側コネクタ装置の導電性シェルに設けられた係合孔との係合及びその係合孔からの離脱を、弾性片の弾性変形を伴って行う。
【0031】
アライメントカバー13は、例えば、弾性を有した金属板材料が屈曲されて形成されて、コネクタ本体部12における導電性シェル16に、その上面側半体の外面を部分的に覆って装着されるものとされる。そして、アライメントカバー13は、図5及び図6に示されるように、導電性シェル16に装着されたときその上面側半体を一部分を残して全面的に覆う平板状部20を有しており、導電性シェル16に装着されたとき平板状部20のL方向における両端部となる一対の端部の一方に、平板状部20から屈曲して伸びる係合部21aと二つの案内部22a及び23aとが設けられるとともに、上述の一対の端部の他方に、平板状部20から屈曲して伸びる係合部21bと二つの案内部22b及び23bとが設けられている。
【0032】
案内部22aの案内部23a側とは反対側の端部は、外方に屈曲されて傾斜面を成す係合案内部24aを形成しており、同様に、案内部22bの案内部23b側とは反対側の端部は、外方に屈曲されて傾斜面を成す係合案内部24bを形成している。また、案内部22aは、導電性シェル16に装着されたときL方向となる方向において案内部23aより外方に突出するものとされており、同様に、案内部22bは、導電性シェル16に装着されたときL方向となる方向において案内部23bより外方に突出するものとされている。
【0033】
そして、図5及び図6に示されるアライメントカバー13は、図3及び図4に示されるコネクタ本体部12における導電性シェル16に、その平面状部20が導電性シェル16の上面側半体の外面を僅かな部分を残して略全面的に覆い、その係合部21a及び21bが導電性シェル16の両端部16a及び16bに夫々係合する状態をもって、装着される。このような、アライメントカバー13の導電性シェル16への装着にあたっては、アライメントカバー13が導電性シェル16に半田付けされて固定されるようにされてもよい。
【0034】
上述のようにしてアライメントカバー13が導電性シェル16に装着されることにより、図1及び図2に示されるコネクタ装置11が得られる。コネクタ装置11にあっては、アライメントカバー13の平面状部20が、導電性シェル16の上面側半体からL方向に直交するS方向(矢印Sにより示される方向。)において絶縁ハウジング15の嵌合凸部17側に張り出しており、嵌合凸部17の上面を、それとの間に所定の間隔をおいて覆っている。また、アライメントカバー13の平面状部20は、導電性シェル16の上面側半体からL方向において導電性シェル16の端部16a側及び端部16b側にも張り出している。それにより、図2に示されるように、アライメントカバー13に設けられた案内部23bが、絶縁ハウジング15のL方向における端面部25bに、それとの間に所定の間隔をおいて対向するものとされるとともに、アライメントカバー13に設けられた案内部22bが、案内部23bから絶縁ハウジング15の嵌合凸部17側に離隔したものとされ、同様に、アライメントカバー13に設けられた案内部23aが、絶縁ハウジング15のL方向における端面部25aに、それとの間に所定の間隔をおいて対向するものとされるとともに、アライメントカバー13に設けられた案内部22aが、案内部23aから絶縁ハウジング15の嵌合凸部17側に離隔したものとされる。
【0035】
なお、図1及び図2に示される例にあっては、絶縁ハウジング15の端面部25a及び25bの夫々は、その外面が導電性シェル16によって覆われていないが、その外面が導電性シェル16の一部によって覆われるようにされてもよい。
【0036】
図7及び図8は、コネクタ装置11に対する相手側コネクタ装置の一例を成す基板側コネクタ装置30を示す。
【0037】
図7及び図8において、基板側コネクタ装置30は、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた状態のもとで、コネクタ装置11が嵌合するものとされている。そして、基板側コネクタ装置30は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング31、及び、外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジング31の外面部の殆どを覆うものとされた、例えば、弾性を有した金属板材料が屈曲されて成る導電性シェル32を備えている。
【0038】
絶縁ハウジング31及び導電性シェル32には、コネクタ装置11に設けられた嵌合凸部17との嵌合状態におかれる、絶縁ハウジング31の長手方向(矢印L’により示される方向であって、以下、L’方向という。)に伸びる嵌合凹部33が設けられている。また、絶縁ハウジング31には、各々が、例えば、弾性を有した金属材料が屈曲されて形成された複数の導電コンタクト34が、L’方向に沿って配列配置されるものとされて配されている。そして、複数の導電コンタクト34の夫々における絶縁ハウジング31からその外方に突出する一端は、基板側コネクタ装置30が取り付けられる基板に設けられた配線パターン部に接続される接続端子を形成している。また、複数の導電コンタクト34の夫々における他端側の部分は、嵌合凹部33内に配され、コネクタ装置11の嵌合凸部17が嵌合凹部33との嵌合状態におかれるとき、コネクタ装置11に配された複数の導電コンタクト18の接触部分のうちの対応するものが接触接続されるものとされる。
【0039】
導電性シェル32にあっては、L’方向における端部35a及び35bに、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15に設けられた嵌合凸部17が絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33との嵌合状態におかれるとき、コネクタ装置11の導電性シェル16に設けられた係合突起16c及び16dが夫々係合することになる、係合孔36a及び36bが夫々設けられている。
【0040】
また、導電性シェル32における端部35aには、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15に設けられた嵌合凸部17が絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33との嵌合状態におかれるにあたり、コネクタ装置11のアライメントカバー13に設けられた案内部22aが係合することになる係合部37a及びコネクタ装置11のアライメントカバー13に設けられた案内部23aが係合することになる係合部38aが設けられており、同様に、導電性シェル32における端部35bには、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15に設けられた嵌合凸部17が絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33との嵌合状態におかれるにあたり、コネクタ装置11のアライメントカバー13に設けられた案内部22bが係合することになる係合部37b及びコネクタ装置11のアライメントカバー13に設けられた案内部23bが係合することになる係合部38bが設けられている。係合部37aは、L’方向において係合部38aより外方に突出するものとされており、同様に、係合部37bは、L’方向において係合部38bより外方に突出するものとされている。
【0041】
このような導電性シェル32における端部35a及び35bは、基板側コネクタ装置30における両端部を夫々形成している。
【0042】
さらに、導電性シェル32には、配列配置された複数の導電コンタクト34を挟む位置において絶縁ハウジング31からその外部に突出し、基板側コネクタ装置30が取り付けられる基板に設けられた接地接続部に接続される接地接続端子39a及び39bが設けられている。
【0043】
そして、絶縁ハウジング31及び導電性シェル32を備える基板側コネクタ装置30は、複数の導電コンタクト34の夫々の一端が、基板側コネクタ装置30が取り付けられる基板に設けられた配線パターン部に接続され、また、接地接続端子39a及び39bが、基板側コネクタ装置30が取り付けられる基板に設けられた接地接続部に接続されて、基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた状態におかれる。
【0044】
上述のコネクタ装置11及び基板側コネクタ装置30は、基板側コネクタ装置30が、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた状態のもとで、コネクタ装置11が基板側コネクタ装置30に係合するものとされ、その際、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15に設けられた嵌合凸部17が、基板側コネクタ装置30の絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33に嵌合する。斯かるコネクタ装置11の基板側コネクタ装置30との係合が行われるときには、先ず、図9及び図10に示されるように、複数の同軸ケーブル14が電気的に連結されたコネクタ装置11が、その絶縁ハウジング15に設けられた嵌合凸部17を、ソリッド印刷配線基板とされる基板に取り付けられた基板側コネクタ装置30に設けられた嵌合凹部33に、S方向において対向させる位置に配される。なお、コネクタ装置11におけるアライメントカバー13によって覆われた部分を示すため、図9にあっては、便宜上、コネクタ装置11が、アライメントカバー13の一部が破断除去されて示されており、また、図10にあっては、便宜上、アライメントカバー13の全体が仮想線をもって示されている。
【0045】
図9に示されるように、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35aには、それから屈曲して基板側コネクタ装置30の内部側に伸びる弾性片部40aが設けられており、また、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35bには、それから屈曲して基板側コネクタ装置30の内部側に伸びる弾性片部40bが設けられている。
【0046】
そして、このとき、図9に示される矩形枠F1内を拡大して示す図11に示されるように、コネクタ装置11のアライメントカバー13に設けられた案内部22b及び23b、及び、絶縁ハウジング15の端面部25bと、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35bとの位置関係は、案内部22bが、S方向において、端部35bに設けられた係合部37bに対応する位置をとり、案内部23b及び端面部25bが、S方向において、端部35bに設けられた係合部38b及び弾性片部40bに夫々対応する位置をとるものとされる。同様に、コネクタ装置11のアライメントカバー13に設けられた案内部22a及び23a、及び、絶縁ハウジング15の端面部25aと、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35aとの位置関係は、案内部22aが、S方向において、端部35aに設けられた係合部37aに対応する位置をとり、案内部23a及び端面部25aが、S方向において、端部35aに設けられた係合部38a及び弾性片部40aに夫々対応する位置をとるものとされる。
【0047】
次に、コネクタ装置11がS方向において基板側コネクタ装置30に向かう向きに移動せしめられ、図12,図13及び図14、さらには、図12に示される矩形枠F2内を拡大して示す図15に示されるように、コネクタ装置11のアライメントカバー13に設けられた案内部22a及び22bが、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35aに設けられた係合部37a及び端部35bに設けられた係合部37bに、夫々係合する状態がとられる。なお、コネクタ装置11におけるアライメントカバー13によって覆われた部分を示すため、図12にあっては、便宜上、コネクタ装置11が、アライメントカバー13の一部が破断除去されて示されている。斯かる際、案内部22aの端部が外方に屈曲されて傾斜面を成す係合案内部24aを形成しており、また、案内部22bの端部が外方に屈曲されて傾斜面を成す係合案内部24bを形成していることにより、係合案内部24a及び24bによって案内部22a及び22bが係合部37a及び37bへと夫々案内されることになって、案内部22a及び22bが係合部37a及び37bに夫々係合する状態が容易かつ円滑に得られる。
【0048】
このようにして、係合部37a及び37bに夫々係合する状態をとる案内部22a及び22bは、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15について、その位置及び向きを規制し、さらに、その移動方向をS方向に定めるべく規制したもとでの案内を行う。そして、上述の図12〜図15に示される状態のもとにあっては、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における嵌合凸部17は、未だ基板側コネクタ装置30の絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33の位置には達していない。
【0049】
続いて、コネクタ装置11が、そのアライメントカバー13に設けられた案内部22a及び22bを基板側コネクタ装置30の導電性シェル32に設けられた係合部37a及び37bに夫々係合させたもとで、S方向において基板側コネクタ装置30に向かう向きに更に移動せしめられる。それにより、図16及び図17、さらには、図16に示される矩形枠F3内を拡大して示す図18に示されるように、案内部22a及び22bが係合部37a及び37bに夫々係合するとともに、コネクタ装置11のアライメントカバー13に設けられた案内部23a及び23bが、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35aに設けられた係合部38a及び端部35bに設けられた係合部38bに、夫々係合する状態がとられる。なお、コネクタ装置11におけるアライメントカバー13によって覆われた部分を示すため、図16にあっては、便宜上、コネクタ装置11が、アライメントカバー13の一部が破断除去されて示されており、また、図17にあっては、便宜上、アライメントカバー13の全体が仮想線をもって示されている。斯かる案内部23aの係合部38aとの係合及び案内部23bの係合部38bとの係合は、案内部22a及び22bが係合部37a及び37bに夫々係合することにより、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15が、その位置及び向きが規制されるとともにその移動方向がS方向に規制されて案内されるもとで行われ、従って、案内部23a及び23bが係合部38a及び38bに夫々係合する状態が容易かつ円滑に得られる。
【0050】
このとき、図17における XIX−XIX 線に沿う断面を示す図19に示されるように、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35bの係合孔36bが設けられた部分が、L方向及びS方向の両者に直交する方向において、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16dが設けられた部分とアライメントカバー13の平板状部20における端部との間となる位置に配される。同様に、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35aの係合孔36aが設けられた部分が、L方向及びS方向の両者に直交する方向において、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16cが設けられた部分とアライメントカバー13の平板状部20における端部との間となる位置に配される。
【0051】
このような図16〜図19に示される状態のもとにあっても、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における嵌合凸部17は、未だ基板側コネクタ装置30の絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33の位置には達していない。
【0052】
その後、コネクタ装置11が、アライメントカバー13に設けられた案内部22a及び22bを基板側コネクタ装置30の導電性シェル32に設けられた係合部37a及び37bに夫々係合させるとともに、アライメントカバー13に設けられた案内部23a及び23bを基板側コネクタ装置30の導電性シェル32に設けられた係合部38a及び38bに夫々係合させたもとで、S方向において基板側コネクタ装置30に向かう向きに更に移動せしめられる。
【0053】
それにより、図20,図21及び図22、さらには、図20に示される矩形枠F4内を拡大して示す図23に示されるように、案内部22a及び22bが係合部37a及び37bに夫々係合するとともに、案内部23a及び23bが係合部38a及び係合部38bに夫々係合し、それに加えて、図20及び図23に示されるように、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32の端部35bにおける係合部38bと弾性片部40bとが設けられた部分が、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における端面部25bとそれに対向する案内部23bとによって挟まれるものとされ、同様に、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32の端部35aにおける係合部38aと弾性片部40aとが設けられた部分が、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における端面部25aとそれに対向する案内部23aとによって挟まれるものとされる。斯かるもとで行われるコネクタ装置11のS方向における移動は、例えば、コネクタ装置11の導電性シェル16における両端部16a及び16bが、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32の端部35aにおける弾性片部40aが設けられた部分及び端部35bにおける弾性片部40bが設けられた部分に夫々当接する状態となるまで行われる。
【0054】
そして、図20,図22及び図23に示されるように、コネクタ装置11の導電性シェル16における両端部16a及び16bが、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32の端部35aにおける弾性片部40aが設けられた部分及び端部35bにおける弾性片部40bが設けられた部分に夫々当接し、コネクタ装置11のS方向における移動が終了した状態がとられるときには、コネクタ装置11の導電性シェル16に設けられた係合突起16c及び16dが、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35a及び35bに設けられた係合孔36a及び36bに夫々係合する。
【0055】
このようにして、コネクタ装置11の導電性シェル16に設けられた係合突起16c及び16dが、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35a及び35bに設けられた係合孔36a及び36bに夫々係合するときには、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における嵌合凸部17は、基板側コネクタ装置30の絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33の位置に達していて、嵌合凸部17が嵌合凹部33に嵌合した状態におかれる。
【0056】
斯かる嵌合凸部17の嵌合凹部33との嵌合は、案内部22a及び22bが係合部37a及び37bに夫々係合するとともに、案内部23a及び23bが係合部38a及び係合部38bに夫々係合し、それに加えて、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32の端部35bにおける係合部38bと弾性片部40bとが設けられた部分が、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における端面部25bとそれに対向する案内部23bとによって挟まれるとともに、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32の端部35aにおける係合部38aと弾性片部40aとが設けられた部分が、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における端面部25aとそれに対向する案内部23aとによって挟まれるものとされたもとで、コネクタ装置11がS方向において基板側コネクタ装置30に向かう向きに移動せしめられることによって行われる。即ち、コネクタ装置11が、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32に設けられた係合部37a及び38aに夫々係合する案内部22a及び23aと、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32に設けられた係合部37b及び38bに夫々係合する案内部22b及び23bと、が設けられたアライメントカバー13によって、絶縁ハウジング15についての、基板側コネクタ装置30に対する、位置,向き及び移動方向が規制されての案内が行われるもとで、基板側コネクタ装置30に向かう向きに移動せしめられることにより、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における嵌合凸部17が基板側コネクタ装置30の絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33に嵌合する状態が得られるのである。従って、嵌合凸部17が嵌合凹部33に嵌合する状態は、容易かつ円滑に得られることになる。
【0057】
さらに、コネクタ装置11の導電性シェル16に設けられた係合突起16c及び16dが、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35a及び35bに設けられた係合孔36a及び36bに夫々係合したときには、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16dが設けられた部分と基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35bの係合孔36bが設けられた部分との関係は、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16dが設けられた部分が、図19に示される状態から、さらに、S方向において基板側コネクタ装置30側に移動した位置をとるものとされ、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35bの係合孔36bが設けられた部分が、L方向及びS方向の両者に直交する方向において、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16dが設けられた部分とアライメントカバー13の平板状部20における端部とによって挟まれたものとされる。同様に、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35aの係合孔36aが設けられた部分が、L方向及びS方向の両者に直交する方向において、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16cが設けられた部分とアライメントカバー13の平板状部20における端部とによって挟まれたものとされる。
【0058】
このように、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35bの係合孔36bが設けられた部分が、L方向及びS方向の両者に直交する方向において、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16dが設けられた部分とアライメントカバー13の平板状部20における端部とによって挟まれたものとされるとともに、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35aの係合孔36aが設けられた部分が、L方向及びS方向の両者に直交する方向において、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16cが設けられた部分とアライメントカバー13の平板状部20における端部とによって挟まれたものとされることにより、L方向及びS方向の両者に直交する方向における、基板側コネクタ装置30に対するコネクタ装置11の姿勢変動が阻止され、コネクタ装置11と基板側コネクタ装置30との相互係合状態が安定に維持される。
【0059】
その後、コネクタ装置11及び基板側コネクタ装置30が、相互係合状態を解除すべく、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における嵌合凸部17が、基板側コネクタ装置30の絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33から抜脱されるにあたっては、嵌合凸部17が嵌合凹部33との嵌合状態におかれたコネクタ装置11が、S方向において基板側コネクタ装置30から離隔する向きに移動せしめられる。その際、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35bの係合孔36bが設けられた部分が、L方向及びS方向の両者に直交する方向において、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16dが設けられた部分とアライメントカバー13の平板状部20における端部とによって挟まれたものとされるとともに、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32における端部35aの係合孔36aが設けられた部分が、L方向及びS方向の両者に直交する方向において、コネクタ装置11の導電性シェル16における係合突起16cが設けられた部分とアライメントカバー13の平板状部20における端部とによって挟まれたものとされているので、基板側コネクタ装置30に対してコネクタ装置11がL方向及びS方向の両者に直交する方向に変位する事態が防止され、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における嵌合凸部17が、基板側コネクタ装置30の絶縁ハウジング31及び導電性シェル32に設けられた嵌合凹部33から、“こじり”を生じることなく、S方向に適正に抜脱される。また、コネクタ装置11の嵌合凸部17が基板側コネクタ装置30の嵌合凹部33から抜脱される際、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32の端部35bにおける係合部38bと弾性片部40bとが設けられた部分が、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における端面部25bとそれに対向する案内部23bとによって挟まれるものとされ、同様に、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32の端部35aにおける係合部38aと弾性片部40aとが設けられた部分が、コネクタ装置11の絶縁ハウジング15における端面部25aとそれに対向する案内部23aとによって挟まれるものとされているので、基板側コネクタ装置30に対してコネクタ装置11がL方向に変位する事態が防止され、それにより、コネクタ装置11の嵌合凸部17が、基板側コネクタ装置30の嵌合凹部33から、“こじり”を生じることなく、S方向に適正に抜脱される。
【0060】
続いて、コネクタ装置11が、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32に設けられた係合部37a及び38aに夫々係合する案内部22a及び23aと、基板側コネクタ装置30の導電性シェル32に設けられた係合部37b及び38bに夫々係合する案内部22b及び23bと、が設けられたアライメントカバー13によって、絶縁ハウジング15についての、基板側コネクタ装置30に対する、位置,向き及び移動方向が規制されての案内が行われるもとで、基板側コネクタ装置30から離れる向きに移動せしめられ、それにより、コネクタ装置11の基板側コネクタ装置30からの離脱が容易かつ円滑に行われる。
【0061】
上述のコネクタ装置11にあっては、そのコネクタ本体部12に取り付けられるアライメントカバー13が、コネクタ本体部12に、例えば、それが備える導電性シェル16に半田付けされて、固定されるものとされているが、アライメントカバー13は、コネクタ本体部12に対して着脱可能なものとされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のような本発明に係るコネクタ装置は、絶縁ハウジングに設けられて複数の導電コンタクトにおける接触部分が配列配置される嵌合部を、相手側コネクタ装置に設けられた嵌合部に嵌合させて、複数の導電コンタクトにおける接触部分を相手側コネクタ装置に配された導電コンタクトに接触接続させるにあたり、絶縁ハウジングに設けられた嵌合部の相手側コネクタ装置に設けられた嵌合部との嵌合が適正かつ円滑に行われるようになす状態を、容易かつ円滑に得ることができるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係るコネクタ装置の一例をそれに連結された複数のケーブルと共に示す斜視図である。
【図2】本発明に係るコネクタ装置の一例をそれに連結された複数のケーブルと共に示す斜視図である。
【図3】図1及び図2に示されるコネクタ装置が備えるコネクタ本体部をそれに連結された複数のケーブルと共に示す斜視図である。
【図4】図1及び図2に示されるコネクタ装置が備えるコネクタ本体部をそれに連結された複数のケーブルと共に示す斜視図である。
【図5】図1及び図2に示されるコネクタ装置が備えるアライメントカバーを単体で示す斜視図である。
【図6】図1及び図2に示されるコネクタ装置が備えるアライメントカバーを単体で示す斜視図である。
【図7】本発明に係るコネクタ装置の一例に対する相手側コネクタ装置の一例を成す基板側コネクタ装置を示す斜視図である。
【図8】本発明に係るコネクタ装置の一例に対する相手側コネクタ装置の一例を成す基板側コネクタ装置を示す斜視図である。
【図9】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置に対向配置された状態を示す平面図である。
【図10】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置に対向配置された状態を示す斜視図である。
【図11】図9における矩形枠F1内の部分を拡大して示す部分拡大平面図である。
【図12】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置との係合を開始した状態を示す平面図である。
【図13】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置との係合を開始した状態を示す斜視図である。
【図14】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置との係合を開始した状態を示す斜視図である。
【図15】図12における矩形枠F2内の部分を拡大して示す部分拡大平面図である。
【図16】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置との係合過程にある状態を示す平面図である。
【図17】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置との係合過程にある状態を示す斜視図である。
【図18】図16における矩形枠F3内の部分を拡大して示す部分拡大平面図である。
【図19】図17における XIX−XIX 線に沿う断面を示す断面図である。
【図20】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置との係合を完了した状態を示す平面図である。
【図21】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置との係合を完了した状態を示す斜視図である。
【図22】図1及び図2に示されるコネクタ装置が図7及び図8に示される基板側コネクタ装置との係合を完了した状態を示す斜視図である。
【図23】図20における矩形枠F4内の部分を拡大して示す部分拡大平面図である。
【符号の説明】
【0064】
11・・・コネクタ装置, 12・・・コネクタ本体部, 13・・・アライメントカバー, 14・・・同軸ケーブル, 15,31・・・絶縁ハウジング, 16,32・・・導電性シェル, 16a,16b・・・端部(導電性シェル16の),16c,16d・・・係合突起, 17・・・嵌合凸部, 18,34・・・導電コンタクト, 20・・・平板状部(アライメントカバー13の), 21a.21b,37a,37b,38a,38b・・・係合部, 22a,22b,23a,23b・・・案内部, 24a,24b・・・係合案内部, 25a,25b・・・端面部(絶縁ハウジング15の), 30・・・基板側コネクタ装置(相手側コネクタ装置), 33・・・嵌合凹分, 35a,35b・・・端部(導電性シェル32の), 36a,36b・・・係合孔, 39a,38b・・・接地接続端子, 40a,40b・・・弾性片部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタ装置に設けられた第1の嵌合部との嵌合状態におかれる第2の嵌合部が設けられた絶縁ハウジングと、
上記第2の嵌合部に配列配置される接触部分を有して上記絶縁ハウジングに配され、上記第2の嵌合部が上記第1の嵌合部との嵌合状態におかれるとき、上記相手側コネクタ装置に配された複数の第1の導電コンタクトに接触接続される複数の第2の導電コンタクトと、
上記絶縁ハウジングを部分的に覆う導電性シェルと、
該導電性シェルにその外面を部分的に覆って装着され、上記第2の嵌合部の上記第1の嵌合部との嵌合にあたり、上記接触部分の配列方向における両端部分を上記相手側コネクタ装置の上記接触部分の配列方向における両端部に夫々係合させて、上記絶縁ハウジングの位置,向き及び移動方向を規制するアライメントカバーと、
を備えて構成されるコネクタ装置。
【請求項2】
上記アライメントカバーが、上記両端部分の夫々に、上記絶縁ハウジングの上記接触部分の配列方向における端面部に所定の間隔をおいて対向する第1の案内部と該第1の案内部から上記第2の嵌合部側に離隔した第2の案内部とが、上記第2の嵌合部の上記第1の嵌合部との嵌合にあたって上記相手側コネクタ装置における上記両端部に夫々係合するものとして設けられることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項3】
上記第1及び第2の案内部が、上記アライメントカバーにおける上記導電性シェルの外面に沿って広がる部分から上記絶縁ハウジングの上記端面部に近付く方向に屈曲して伸びるものとされることを特徴とする請求項2記載のコネクタ装置。
【請求項4】
上記第1及び第2の案内部が、上記第2の嵌合部の上記第1の嵌合部との嵌合にあたり、先ず、上記第2の案内部が、上記相手側コネクタ装置の上記接触部分の配列方向における端部に設けられた第1の係合部に係合して、上記絶縁ハウジングについての案内を行い、続いて、上記第1の案内部が、上記相手側コネクタ装置の上記端部に設けられた第2の係合部に係合して、該第2の係合部を上記絶縁ハウジングにおける上記端面部とにより上記接触部分の配列方向において挟んで、上記絶縁ハウジングについての更なる案内を行うものとされ、それにより、上記第2の嵌合部の上記第1の嵌合部との嵌合が完了する状態が得られることを特徴とする請求項2記載のコネクタ装置。
【請求項5】
上記アライメントカバーにおける上記両端部分の夫々が、上記第2の嵌合部の上記第1の嵌合部との嵌合が完了したとき、上記相手側コネクタ装置の上記接触部分の配列方向における端部の一部分を、上記導電性シェルの外面とで上記接触部分の配列方向に直交する方向において挟む状態をとることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項6】
上記アライメントカバーにおける上記両端部分の夫々と上記導電性シェルの外面とが、上記第2の嵌合部の上記第1の嵌合部との嵌合が完了したとき、上記相手側コネクタ装置の上記端部を形成する導電性シェルの一部分を挟む状態をとることを特徴とする請求項5記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−73535(P2010−73535A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240640(P2008−240640)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(394009278)株式会社アイペックス (148)
【Fターム(参考)】