コンテンツデータ管理装置及びそのプログラム
【課題】コンテンツデータへのアクセス制御を容易にする。
【解決手段】サーバ3は、利用者端末3からコンテンツデータへのアクセス要求を受けて、アクセス可否の判定結果に応じた処理を行う。コンテンツデータ管理システム5のコンテンツデータ管理プログラム51は、コンテンツ情報D1を管理する。コンテンツデータ表示プログラム52は、アクセスが許可された場合にコンテンツ表示ファイルデータを出力し、アクセスが許可されない場合にグループ登録画面データを出力する。ログイン管理プログラム53は、利用者固有情報により利用者を確認する。アクセス可否判定プログラム54は、アクセス要求を受信し、コンテンツ情報D2から特定したコンテンツデータへのアクセスが許可された利用者グループを読み出し、利用者の属する利用者グループを検索し、アクセスの可否を判定する。利用者グループ管理プログラム55は、利用者グループ情報D3の管理を行う。
【解決手段】サーバ3は、利用者端末3からコンテンツデータへのアクセス要求を受けて、アクセス可否の判定結果に応じた処理を行う。コンテンツデータ管理システム5のコンテンツデータ管理プログラム51は、コンテンツ情報D1を管理する。コンテンツデータ表示プログラム52は、アクセスが許可された場合にコンテンツ表示ファイルデータを出力し、アクセスが許可されない場合にグループ登録画面データを出力する。ログイン管理プログラム53は、利用者固有情報により利用者を確認する。アクセス可否判定プログラム54は、アクセス要求を受信し、コンテンツ情報D2から特定したコンテンツデータへのアクセスが許可された利用者グループを読み出し、利用者の属する利用者グループを検索し、アクセスの可否を判定する。利用者グループ管理プログラム55は、利用者グループ情報D3の管理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
利用者端末がアクセスするコンテンツデータ及びそのアクセス権を管理して、コンテンツデータへのアクセスを制御するコンテンツデータ管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
WWW(World Wide Web)システムにおいて、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコル及びHTML(Hyper Text Markup Language)言語を使用したインターネット通信を実現するには、HTML言語で記述されたファイルデータ等をウェブサーバのファイル構造に配置するのが最も単純な方法であるが、ファイルデータの作成やサーバへのデータ転送等を行うには、相応の知識と手間が必要であった。
【0003】
昨今、CGI(Common Gateway Interface)等のサーバ側のアプリケーションの開発が進み、掲示板システムが開発され、サーバ管理者ではない一般の利用者でも、サーバのファイル構造を意識せず、ウェブブラウザのみで、比較的短い文書によるオープンコミュニケーションが可能となっている。
【0004】
そして、ブログシステム等のコンテンツマネジメントシステムにより、カスケーディングスタイルシートといった表示設定、JAVA(登録商標)スクリプトといった表示補助関数についての専門知識がなくても、コンテンツデータを見栄えよく提供できるようになり、インターネットにおけるコミュニケーションがますます容易になり、非常に多くの利用者がさまざまな情報を発信している。このコンテンツマネジメントシステムは、多くの場合ウェブサーバと連動するシステムであり、OS(Operating System)のファイルシステムを利用するか、又はデータベースを利用してHTMLファイルを生成する。
【0005】
また、あるコンテンツデータを提供する際に、特定の利用者にのみ提供を許可するアクセス制御の方法としては、サーバやコンテンツマネジメントシステムに依存する方法が一般的である。サーバに依存する方法としてはBASIC認証等があるが、サーバ管理者が設定を行うか、設定ファイルを直接操作するアクセス管理システムが必要となる。コンテンツマネジメントシステムに依存する方法としては、当該システムが利用者のアクセス管理機能を備えることで、利用者の要求に合わせたコンテンツ開示を可能とする。
【0006】
特許文献1には、データ閲覧先に特別なシステムを必要とせずに、簡単にデータの閲覧者を制限することができるデータ提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−78517号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記データ提供システムにおいて、データ提供者は、データの提供を受けようとする者に対して、データをサーバに記録した旨をメールにより知らせるようになっているので、その時点で許可されていない閲覧希望者には、どのようなデータが提供されるのかが分からない。
【0009】
また、コンテンツマネジメントシステムを利用したウェブページにおいて、コンテンツデータの提供者である利用者は、閲覧者である利用者に対してアクセス制御を自由に設定できない。そして、コンテンツデータの提供者である他の利用者がアクセス権を設定したデータを、自分のデータと組み合わせて一体としたコンテンツデータを提供することができない。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、コンテンツデータへのアクセス制御を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、コンテンツデータの利用者が用いる利用者端末と通信可能であり、前記利用者端末がアクセスするコンテンツデータを管理するコンテンツデータ管理装置であって、記憶部及び処理部を備え、前記記憶部が、利用者を識別するための利用者IDを含む利用者情報と、各利用者が属するグループを識別するためのグループIDを含むグループ情報と、コンテンツデータと、当該コンテンツデータへのアクセスが可能なグループのグループIDであるアクセス可能グループIDとを含むコンテンツ情報と、前記利用者が属するグループのグループIDである所属グループIDと、当該グループに属するように登録された利用者の利用者IDとを含むグループ登録者情報と、を記憶し、前記処理部が、前記グループ登録者情報を参照し、前記コンテンツデータへのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者の所属グループIDを特定する所属グループ特定手段と、前記コンテンツ情報を参照し、前記アクセス要求のあった前記コンテンツデータのアクセス可能グループIDを特定するアクセス可能グループ特定手段と、前記所属グループ特定手段に特定された前記所属グループIDと、前記アクセス可能グループ特定手段に特定された前記アクセス可能グループIDとに基づいて、当該利用者が当該コンテンツデータへアクセス可能か否かを判定するアクセス可否判定手段と、前記アクセス可否判定手段がアクセス可と判定した場合、当該コンテンツデータを前記利用者端末に送信するコンテンツデータ送信手段と、前記アクセス可否判定手段がアクセス不可と判定した場合、前記アクセス可能グループIDのグループへの登録画面を前記利用者端末に送信し、当該利用者端末からグループ登録要求を受信し、当該利用者IDを当該グループIDに対応付けて前記グループ登録者情報に記憶するグループ登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、利用者を予め個々のグループに登録し、コンテンツデータごとにアクセス可能なグループを決めることでコンテンツデータへのアクセスを制限し、また、予めグループ登録されている利用者のうち、コンテンツデータにアクセスできない利用者を必要に応じてアクセス可能とする。これによれば、コンテンツデータへのアクセスを自在に制限することができ、一方、コンテンツデータの閲覧者を容易に募集することができる。
【0013】
また、コンテンツデータの管理者がグループの管理者となり、任意にグループを設定し、提供するコンテンツデータと、アクセス可能なグループとを任意に関連付けるだけでアクセス制御の設定を行うことが可能なので、コンテンツデータごとにアクセス可能な利用者を設定する必要がなく、アクセス制御対象のコンテンツデータの存在、数量、種類に縛られることがない。そして、種類や嗜好を同じくする複数のコンテンツデータに同じアクセス可能グループを関連付けることにより、利用者は、当該アクセス可能グループに登録すれば、同じ種類や嗜好、例えば、音楽に関する複数のコンテンツデータをまとめて閲覧できるようになる。
【0014】
また、利用者が、コンテンツデータの提供が許可されたグループに未登録の場合、自動的にグループへの登録画面が表示され、利用者自身が各自で登録を行うことができるので、コンテンツデータの管理者が煩わしい登録作業を行う必要がない。
【0015】
また、本発明において、前記コンテンツ情報には、1のコンテンツデータに対して複数の前記アクセス可能グループIDを設定可能であり、前記アクセス可否判定手段が、前記グループ登録者情報を参照して、前記コンテンツデータのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者IDが前記複数のアクセス可能グループIDのいずれかと対応している場合に、当該利用者が当該コンテンツデータにアクセス可能と判定することとしてもよい。
この構成によれば、コンテンツデータの管理者は、1つのコンテンツデータを複数のグループに公開することが可能となり、各グループに所属する利用者に、特定のコンテンツデータを公開することができる。
【0016】
また、本発明において、前記コンテンツ情報が、1のコンテンツデータに対して複数のアクセス可能グループIDを設定する場合に、前記複数のアクセス可能グループIDと、各グループ間の論理的な関係を示す論理演算子との組合せからなる論理演算式を含み、前記アクセス可否判定手段が、前記利用者の当該コンテンツデータへのアクセスの可否判定を、前記コンテンツ情報のうち、当該コンテンツデータに対応する前記論理演算式に従って行うこととしてもよい。
この構成によれば、より柔軟なアクセス権の設定及びアクセスの制御が可能となる。
【0017】
また、本発明において、アクセスが許可されたコンテンツデータから、所定のコンテンツデータ表示形式に基づいて、前記利用者端末において表示可能なコンテンツ表示ファイルを生成するコンテンツ表示ファイル生成手段をさらに備え、前記グループ情報が、当該グループに属する利用者のコンテンツデータを、他の利用者が管理するコンテンツデータと組み合わせて利用することを許可する場合に設定される、当該他の利用者が属するグループのグループIDをさらに含むこととしてもよい。
【0018】
この構成によれば、第1の利用者(A)が管理するコンテンツデータを、他の第2の利用者(B)が自らのコンテンツデータと組み合わせて、一連のコンテンツ表示ファイルを生成し、そのコンテンツ表示ファイルをさらに他の第3の利用者(C)へ公開することができる。また、第1の利用者(A)のグループに第2の利用者(B)が登録されていれば、第2の利用者(B)は、第1の利用者(A)が管理するコンテンツデータを利用することを許可され、一連のコンテンツ表示ファイルを生成することができる。
【0019】
これによれば、コンテンツデータの提供者の間での取り決めに従い、他の提供者によるコンテンツデータを利用することで、多様なコンテンツデータが1画面に表示可能となる。従って、利用者は、他の利用者が管理するコンテンツデータの利用を許可されることにより、専門的な知識がなくてもウェブサイトの構築が可能となる。
【0020】
また、本発明において、前記コンテンツデータが、テキストデータ、画像データ、動画データ、アプリケーションデータ、スタイルシート及びスクリプトを含むこととしてもよい。
この構成によれば、自らの専門知識や技能の限界に縛られず、簡易な方法により高度な情報発信が可能となる。
【0021】
また、本発明において、前記グループ情報が、当該グループに属する利用者のコンテンツデータを、他の利用者が管理するコンテンツデータと組み合わせて利用することを許可する場合に、前記他の利用者が属するグループが当該グループの親グループになることが可能なことを示す親グループ可フラグをさらに含み、前記グループ情報のうち、前記親グループ可フラグが設定されている第1のレコードに対する子グループの第2のレコードに、親グループIDとして前記第1のレコードのグループIDを設定する子グループ設定手段をさらに備えることとしてもよい。
【0022】
この構成によれば、コンテンツ表示ファイルの生成を許可された利用者が、当該コンテンツ表示ファイルに独自のアクセスを許可するグループを設定することが可能となり、さらに、独自に設定されたグループの子(孫)グループを設定することが可能である。
【0023】
これによれば、閲覧者たる第三の利用者は、アクセスが許可されたグループに登録するだけで、親グループに開示が許可されたコンテンツデータへのアクセスが可能となる。また、グループを多段の親子関係にすることが可能になり、コンテンツファイルの要素ごとに複雑な権利状態があっても明確に定義できる。
【0024】
また、本発明において、前記グループ情報が、当該グループに所定の利用者が登録する際に必要な代価の点数と、有効期限又は支払期日とをさらに含み、前記利用者情報が、当該利用者が所持する代価の点数をさらに含み、当該利用者が前記グループに登録される際に、前記利用者情報において、当該利用者の所持する点数から前記グループの管理者の所持する点数に、前記必要な代価に相当する点数を移動させる代価移動手段をさらに備えることとしてもよい。
【0025】
この構成によれば、利用者は、グループ登録することにより、当該グループに属する他の利用者のコンテンツデータを利用できるので、グループ登録に際して代価を支払う。これによれば、同じグループに属する利用者間において、例えば、有償に提供された画像データを使用したスタイルシートを有償で提供し、さらにそのスタイルシートを利用した文字コンテンツを有償で提供することが可能となり、それぞれのデータの提供者が簡易に代価を得ることができる。従って、各要素分野での活発な創作活動を期待することできる。また、グループ情報が必要な代価の点数とともに有効期限又は支払期日をさらに含み、所定期間ごとにグループ登録者からグループ管理者へ点数を移動させるようにしてもよい。
【0026】
また、本発明において、前記グループ情報が、利用者の当該グループへの登録の際に必要な代価を、任意に指定された利用者又は任意に指定されたグループに属する利用者に分配する場合の、当該代価の数値、分配率又は上限値と下限値を含む代価情報をさらに含み、利用者のグループ登録が行われた際に、当該グループの前記代価情報に基づいて、当該代価を分配する代価分配手段をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、例えば、他の利用者が提供するコンテンツデータを利用した有料コンテンツを容易に作成し、利用されたコンテンツデータの権利者である他の提供者も簡易に代価の分配を得ることができる。
【0027】
また、本発明において、前記任意に指定されたグループに属する利用者は、当該グループの親グループの管理者であることとしてもよい。
この構成によれば、当該グループに属する他の利用者から代価の分配を受けることができる。
【0028】
また、本発明において、前記グループ情報が、当該グループに属する利用者が、他の利用者に対して代価を伴うグループ登録の譲渡及びせり売りを含む取引が可能なことを示す取引可フラグをさらに備え、前記利用者端末からの取引要求を受信した場合に、前記取引可フラグが設定されているときに、前記取引を行うグループ登録取引手段をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、グループへの登録を権利として、譲渡又は売買することができる。
【0029】
また、本発明において、前記グループ登録要求のデータは、新たな登録者が支払う代価の口数を含み、前記グループ情報が、登録者数の上限値及び前記代価の口数の上限値をさらに含み、代価の分配の際には、グループの各登録者に対して、その時点における登録者数、登録者数の上限値又は口数によって按分されたものが分配されることとしてもよい。
【0030】
この構成によれば、グループ登録に付加価値がつく可能性がある。例えば、当該グループがアクセス可能なコンテンツデータに人気があれば、新規のグループ登録が増えて、その際の代価の分配を受けられるし、当該グループの登録者に対する定期的な課金の際にも、分配金が増加することが考えられる。
【0031】
また、当該グループへの登録者へ代価の分配(配当)が設定された場合には、分配元のグループの管理者は支払代価の上限を制限することが可能である。これによれば、グループの登録者は、グループ登録時に口数を調整することにより、代価の分配(配当)の額を加減することが可能となる。例えば、口数を多く指定すれば、登録時の支払いは多くなるが、その代わりに代価の分配も多くなる。
【0032】
なお、本発明は、コンテンツデータ管理プログラムを含む。その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、コンテンツデータへのアクセス制御を容易にすることができる。
これによれば、利用者がサーバに利用者登録を行えば、利用者やウェブページのアクセス権を容易に設定できるので、クラブ活動や自治会で会員のみのページ設定、ページ編集が可能な役員のアクセス権制御等が簡単に行え、アクセス権を販売することで製作者は容易に代価を得られ、アクセス権の包含設定を行うことで、アクセス権取得時に多数のアクセス権取得手続きを行う必要がなくなる。
【0034】
また、文章と挿絵、マンガのセリフと絵のようにそれぞれに別の製作者がデータを提供したい場合でも、双方の取り決めの上、アクセス権を適切に設定することにより、アクセス権の代価を自動的に分配することができる。
【0035】
さらに、アクセス権の販売を子グループの管理者が代理で容易に行えるので、販売のために自分の個人情報を公表したくないコンテンツ製作者は、販売代理人との取り決めに従って、自分のコンテンツに対するアクセス権を販売してもらって代価を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ウェブシステムWSの構成を示す図である。
【図2】利用者情報D1の構成例を示す図である。
【図3】コンテンツ情報D2の構成例を示す図である。
【図4】利用者グループ情報D3の構成例を示す図である。
【図5】(a)はグループ登録者情報D4の構成例を示す図であり、(b)は、セッション情報D5の構成例を示す図である。
【図6】コンテンツ表示ファイル生成処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】利用者グループ登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】利用者確認処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図9】代価配分処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図10】ウェブシステムWSの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。
【0038】
≪システムの構成と概要≫
図1は、ウェブシステムWSの構成を示す図である。利用者が使用する利用者端末1及びコンテンツデータが格納されたサーバ3は、インターネット等のネットワーク2に接続され、ネットワーク3を介して相互に通信可能である。サーバ3は、ウェブサーバ4、コンテンツデータ管理システム5及び記憶装置6を備え、ウェブサーバ4と、コンテンツデータ管理システム5の各プログラムとの間のインタフェースがCGIにより提供される。なお、コンテンツデータは、テキストデータ、画像データ、動画データ、アプリケーションデータ、スタイルシート及びスクリプトを含むものとする。アプリケーションデータには、例えば、Flashデータ.swf等がある。
【0039】
ウェブサーバ4は、利用者端末1からの継続するアクセス要求について、利用者端末1のウェブブラウザ及びウェブサーバ4によるセッション確立手段によって、利用者の特定が可能であることを利用して、少なくとも得られた当該利用者の識別情報を記憶するか、利用者端末1のIPアドレス及び当該利用者の識別情報を記憶する。
【0040】
コンテンツデータ管理システム5は、コンテンツデータ管理プログラム51、コンテンツデータ表示プログラム52、ログイン管理プログラム53、アクセス可否判定プログラム54、利用者グループ管理プログラム55及び代価決済処理プログラム56を含み、各プログラムはCPU(Central Processing Unit)によって実行される。
【0041】
コンテンツデータ管理プログラム51は、コンテンツデータを提供する各コンテンツデータの管理者が各々の利用者端末1のウェブブラウザを利用して行う、サーバ3への指示を受けて、コンテンツ情報D1の管理、編集及び記録を行う。
【0042】
コンテンツデータ表示プログラム52は、コンテンツデータへのアクセスが許可された場合に、コンテンツ表示ファイル生成手段として、表示形式に従って記憶データを整えてコンテンツ表示ファイルのデータを出力し、当該アクセスが許可されない場合に、利用者グループ登録手段として、表示形式に従って当該コンテンツデータにアクセス可能な利用者グループへの登録画面である利用者グループ登録画面のデータを出力する。出力されたデータは、サーバ3から利用者端末1に送信され、利用者端末1のディスプレイに表示される。
【0043】
ログイン管理プログラム53は、利用者端末1を通して利用者が入力した当該利用者固有の情報により利用者を確認する。
【0044】
アクセス可否判定プログラム54は、利用者端末1からコンテンツ閲覧希望者のアクセス要求を受信した場合、コンテンツ情報D2を参照し、パス情報から目的のコンテンツデータを特定し、 当該コンテンツデータのアクセスが許可された利用者グループを読み出し、利用者のログイン情報により当該利用者が登録された利用者グループを検索し、アクセスの可否を判定する。
【0045】
利用者グループ管理プログラム55は、各利用者グループの管理者が各々の利用者端末1のウェブブラウザを利用して行う、サーバ3への指示を受けて、利用者グループ情報D3の管理、編集及び記録を行う。実際の処理としては、利用者が新たに利用者グループに登録された場合に、グループ登録者情報D4を更新する。その場合、利用者グループ情報D3における個別の設定として代価が設定されているとき、代価決済処理プログラム56を起動して、利用者間の代価の分配及び移動の手続きを行う。
【0046】
記憶装置6は、利用者情報記憶手段、コンテンツ情報記憶手段及び利用者グループ情報記憶手段として機能する、フラッシュメモリやハードディスク装置等の不揮発性記憶装置であり、利用者情報D1、コンテンツ情報D2、利用者グループ情報D3、グループ登録者情報D4及びセッション情報D5を記憶する。
【0047】
≪データの構成例≫
続いて、記憶装置6の各情報について説明する。
図2は、利用者情報D1の構成例を示す図である。 利用者情報D1は利用者登録処理で登録され、利用者を確認するための情報であり、利用者名D11、利用者IDD12、ログインIDD13、ログインパスワードD14、利用者メールアドレスD15、点数残高D16及び所属グループIDD17を含むレコードからなる。利用者名D11は、利用者の氏名である。利用者IDD12は、利用者を識別するための固有情報(識別番号等)である。ログインIDD13は、利用者がサーバ3にログインするときの本人確認に使用するID(本人確認情報)である。ログインパスワードD14は、利用者がサーバ3にログインするときの本人確認に使用するパスワード(本人確認情報)である。
【0048】
利用者メールアドレスD15は、利用者に連絡をとるための電子メールアドレスである。点数残高D16は、利用者が持っている点数の残高である。点数は、金銭又は他の価値に変換可能なものとして記録された数値であり、利用者がグループ登録する際に代価として支払われ、一方、利用者がグループの管理者である場合、他の利用者が当該グループに登録する際に管理者に対する代価として分配されることがある。所属グループID17は、利用者が所属するグループを識別するための固有情報(識別番号等)である。1名の利用者が所属するグループは、複数あってもよく、登録したグループそのものだけでなく、そのグループの上位グループ(親グループ、親グループの親グループ等)を列挙してもよい。それは、あるグループに所属する利用者は、そのグループの上位グループにも所属することになるからである。
【0049】
図2に示すように、A男はグループG1に所属し、B男はグループG2に所属し、C男はグループG1及びG3に所属し、D男はグループG3に所属する。換言すれば、グループG1はA男及びC男を含み、グループG2はB男を含み、グループG3はC男及びD男を含む。
【0050】
図3は、コンテンツ情報D2の構成例を示す図である。コンテンツ情報D2は、コンテンツ登録処理で登録されるコンテンツデータに関する情報であり、コンテンツIDD21、パス情報D22及びアクセス可能利用者グループIDD23を含むレコードからなる。コンテンツIDD21は、コンテンツデータを識別するための固有情報(識別番号等)である。パス情報D22は、ネットワークを通じてコンテンツデータを呼び出すためのパス情報のうち、サーバ3内でのファイル構造を示すものである。アクセス可能利用者グループIDD23は、コンテンツデータの管理者がアクセスを許可する利用者グループの固有情報であり、単独の利用者グループID又は論理演算式が設定される。その論理演算式は、複数の利用者グループIDと、当該利用者グループID間の論理的な関係を示す論理演算子(AND、OR、NOT及びXORを含む)との組合せからなる。アクセスレベルD24は、コンテンツへのアクセス権限の程度を示すものであり、管理レベル、書込み可、読出し可、借用可等がある。借用可とは、コンテンツデータを自サイトへ呼び出して表示ファイルとして生成することができることをいう。なお、コンテンツ情報D2のレコード項目として、上記以外にコンテンツデータそのものであるデジタルデータを含めるようにしてもよい。
【0051】
図3に示すように、コンテンツC1は、グループG2に所属する利用者(例えば、B男)が管理レベルでアクセス可能になる。コンテンツC2は、グループG1及びG3のいずれか1つに所属する利用者(例えば、A男、B男)が読出し可能である。コンテンツC3は、グループG1及びG3の両方に所属する利用者(例えば、C男)が読出し可能であり、かつ、書込み可能である。コンテンツC4は、グループG3に所属する利用者(例えば、D男)が読出し可能である。なお、図3では、各コンテンツのレコードにおいてアクセス可能利用者グループIDD23と、アクセスレベルD24とが一対だけ設定されているが、1のコンテンツのレコードに複数の対が設定されてもよい。
【0052】
図4は、利用者グループ情報D3の構成例を示す図である。利用者グループ情報D3は、利用者グループ登録処理で登録される利用者グループに関する情報であり、利用者グループIDD31、利用者グループ名称D32、管理者IDD33、利用可グループIDD34、親グループ可フラグD35、代価点数D36、代価分配率D37、親グループIDD38、登録上限人数D39及び譲渡可フラグD3Aを含むレコードからなる。
【0053】
利用者グループIDD31は、利用者グループを識別するための固有情報(識別番号等)である。利用者グループ名称D32は、グループ管理者が設定する利用者グループの名称である。管理者IDD33は、当該利用者グループの管理者を識別するための固有情報である。
【0054】
利用可グループIDD34は、当該利用者グループに登録された利用者が管理するコンテンツデータの利用を許可された利用者グループのIDである。例えば、当該利用者グループに登録された利用者が管理するコンテンツデータと、他の利用者グループ登録者が管理するコンテンツデータとを組み合わせて生成される一連のコンテンツ表示ファイルを第三の利用者へ公開することを許可する場合、当該他の利用者グループのIDを示す。また、グループに属する利用者のコンテンツが他のブログからリンクされるのを許可する場合、当該他のブログの管理者が属する利用者グループのIDを示す。なお、コンテンツデータの利用を許可すべき利用者グループがない場合には、利用可グループIDD34にはNULLが設定される。
【0055】
親グループ可フラグD35は、当該利用者グループが他の利用者グループの親グループになれるか否かを示し、換言すれば、当該利用者グループの子グループの設定が可能か否かを示す。親グループは、ある利用者が当該利用者グループに登録されていれば、そのまま登録されることになるグループであり、当該利用者グループを包含するグループである。集合に例えると、親グループは、当該利用者グループ(子グループ)の包含集合に相当し、当該利用者グループの要素(利用者)は、必ず親グループの要素(利用者)になる。
【0056】
代価点数D36は、利用者グループへ登録する利用者に請求される代価の点数であり、通常当該利用者グループの管理者に支払われるが、その一部が親グループに支払われることもある。代価分配率D37は、グループ登録した利用者から支払われる代価に対する親グループに分配される代価の割合を示す。例えば、利用者グループIDG3の代価分配率D37は30%なので、代価のうち、30%が親グループに分配され、残りの70%が管理者に分配される。
【0057】
親グループIDD38は、当該利用者グループの親グループを識別するための固有情報である。登録上限人数D39は、当該利用者グループに登録可能な利用者数の上限値を示す。譲渡可フラグD3Aは、当該利用者グループに登録した利用者が他の未登録の利用者へ、代価の移動を伴って利用者グループ登録を入れ替える譲渡の手続きを許可するか否かを示す。代価の移動が新登録者から旧登録者に対して行われることによって、新登録者は管理者に代価を支払ったことになり、旧登録者は管理者から代価を返金されたことになる。なお、利用者グループ登録の譲渡だけでなく、せり売りを含めてできるようにしてもよい。
【0058】
利用者グループ情報D3は、さらに有効期限又は支払期日を備えるようにしてもよい。有効期限は、登録者から代価を徴収することによりグループ登録を有効とする期限である。支払期日は、登録している利用者から一斉に代価を徴収するタイミングを示す情報である。
【0059】
図5(a)は、グループ登録者情報D4の構成例を示す図である。グループ登録者情報D4は、利用者グループ登録処理で登録されるグループ登録者に関する情報であり、登録番号D41、利用者グループIDD42、利用者IDD43及び管理者権限フラグD44を含むレコードからなる。
【0060】
登録番号D41は、グループ登録ごとに付与される番号であり、例えば、時間的な順序番号である。利用者グループIDD42は、登録先の利用者グループの固有情報である。利用者IDD43は、グループ登録した利用者の固有情報である。管理者権限フラグD44は、利用者がグループの管理者の権限を有するか否かを示す。なお、グループ登録者情報D4は、必ずしも1つのファイルとして格納されるものに限られることなく、利用者グループごとに作成、格納されてもよいし、利用者情報D1のレコード項目の1つとして含まれるようにしてもよい。
【0061】
図5(b)は、セッション情報D5の構成例を示す図である。セッション情報D5は、利用者端末1がウェブサーバ4にログインしている状態であるセッションに係る情報であり、セッションIDD51、利用者IDD52及び有効期限D53を含むレコードからなる。セッションIDD51は、当該セッションに固有の識別情報であり、例えば、ログインごとに乱数が設定される。利用者IDD52は、ウェブサーバ4にログインした利用者端末1に固有の利用者IDである。有効期限D53は、当該セッションが有効な期限であり、例えば、ログインした時刻から所定時間後の時刻が設定される。なお、各レコードは、利用者端末1がウェブサーバ4にログインしたときに設定され、ウェブサーバ4からログアウトしたときに削除される。
【0062】
≪システムの処理≫
図6は、コンテンツ表示ファイル生成処理の流れを示すフローチャートである。当該処理の前提として、利用者端末1を使用する利用者は、サーバ3の記憶部6における利用者情報D1にログインID、ログインパスワード及び利用者メールアドレスを予め記憶させておき、一方、コンテンツの管理者である他の利用者は、サーバ3の記憶部6におけるコンテンツ情報D2にコンテンツデータ、パス情報及びアクセス可能な利用者グループIDを予め記憶させておくものとする。
【0063】
まず、利用者端末1がサーバ3にコンテンツ要求を送信する(ステップS601)。コンテンツ要求のデータは、利用者ID及び要求コンテンツのURI(Uniform Resource Identifier)を含む。サーバ3は、利用者端末1からコンテンツ要求を受信し、まず、利用者確認処理のサブルーチンをコールする(ステップS602)。
【0064】
次に、サーバ3は、コンテンツ要求に含まれるURIから表示すべきコンテンツを特定する。すなわち、URIの一形態であるURL(Uniform Resource Locator)のうちホストコンピュータ名よりあとの文字列をリソース名(パス情報)として取得するか、リソース名(パス情報)をGET入力又はPOST入力によって取得する(ステップS603)。
【0065】
コンテンツ情報D2からパス情報が一致するレコードを検索して、コンテンツの確認を行う(ステップS604)。パス情報が記憶されていない場合(ステップS604:No)、サーバ3は、エラーを出力するか、コンテンツが記憶されていない旨を記載した表示ファイルを生成し(ステップS612)、利用者端末1に送信し(ステップS615)、終了する。
【0066】
パス情報が一致するレコードが記憶されており、コンテンツの確認ができた場合(ステップS604:Yes)、サーバ3は、コンテンツ情報D2から該当するコンテンツのレコードを検索し、当該コンテンツにアクセス可能な利用者グループIDを取得する(ステップS605)。アクセス可能な利用者グループIDは、単独の利用者グループID又は論理演算式として取得する。
【0067】
ここで、コンテンツへのアクセスが許可されているグループと、利用者が登録されているグループとを照合するためには、それらに該当する各グループと、利用者が登録されている各グループの上位グループ(親グループ、その親グループ等)のID一覧を取得する必要がある。
【0068】
そこで、利用者IDが取得され、利用者が特定されている場合には、グループ登録者情報D4を検索し(ステップS606)、当該利用者が登録されている1以上の利用者グループIDを取得する。当該利用者の登録されているグループの利用者は、それらのグループの上位グループについても登録しているとみなされる。このことから、利用者が登録されているすべてのグループを対象にして(ステップS607)、利用者グループ情報D3を参照し、その親グループがあるか否かをチェックし(ステップS608)、親グループがあれば(ステップS608:Yes)、当該利用者の登録グループとして、利用者情報D1のうち、当該利用者のレコードの所属グループIDD17に当該親グループIDを追加する(ステップS609)。そして、さらにその親グループ(親グループの親グループ)があるか否かをチェックし(ステップS608)、所属グループIDD17に設定された利用者グループIDが重複しないようにすべての上位グループを検証したところでループを終了する(ステップS610)。
【0069】
そして、サーバ3は、コンテンツへのアクセスが可能な利用者グループIDと、アクセスを要求する利用者の所属する利用者グループのID(その上位グループのIDを含む)とを照合することにより、当該アクセスを要求する利用者がアクセス要件を満たすか否かを判定する(ステップS611)。
【0070】
アクセスを要求する利用者がアクセス要件を満たしていれば(ステップS611:Yes)、コンテンツデータを読み出し、HTMLや画像データ形式等のコンテンツデータ表示形式に基づいて、利用者端末1で表示可能なコンテンツ表示ファイルを生成し(ステップS613)、生成したファイルを利用者端末1に送信する(ステップS615)。
【0071】
アクセスを要求する利用者がアクセス要件を満たしていなければ(ステップS611:No)、利用者グループへの登録を申請するためのフォームファイルを生成し(ステップS614)、生成したファイルを利用者端末1に送信する(ステップS615)。
【0072】
利用者端末1は、サーバ3からファイルを受信し、ウェブブラウザが、その受信したファイルを表示する(ステップS616)。表示されるファイルには、エラー情報、コンテンツ表示ファイル、グループ登録申請フォーム等がある。
【0073】
図7は、利用者グループ登録処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、サーバ3が利用者端末1からグループ登録要求を受信した場合に行う処理である。グループ登録要求のデータは、利用者IDを含み、利用者が支払う代価の口数がさらに指定される場合がある。
【0074】
サーバ3は、まず、利用者確認処理のサブルーチンをコールする(S701)。これは、図6のS602と同様に、グループ登録要求を送信した利用者を確認するために行う。次に、代価分配処理のサブルーチンをコールする(ステップS702)。そして、代価配分処理のサブルーチンがエラーだったか否かを確認する(ステップS703)。エラーでなかった場合(ステップS703:No)、利用者をグループに追加する(ステップS704)。具体的には、グループ登録者情報D4において、新たな登録番号D41、当該利用者グループIDD42及び当該利用者IDD43を含むレコードを追加する。必要に応じて、管理者権限フラグD44を設定する。エラーだった場合(ステップS703:Yes)、エラーを出力する(ステップS705)。
【0075】
なお、利用者を登録する利用者グループは、任意に決めてもよいし、利用者端末1からグループ登録要求を出すときに、利用者グループの選択画面を表示し、利用者が選択可能としてもよい。
【0076】
図8は、利用者確認処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。まず、ウェブサーバ4が、利用者端末1側のウェブブラウザが送信するCookie等の情報を元にしてセッションの確認を行う(ステップS801)。具体的には、コンテンツ要求に含まれる利用者IDと、ログイン時にログイン管理プログラム53によりセッション情報D5に設定された利用者IDとを照合して確認する。
【0077】
セッションの確認ができた場合(ステップS801:Yes)、当該利用者IDを取得する(ステップS806)。
セッション情報D5にコンテンツ要求の利用者IDが記憶されておらず、セッションの確認ができない場合(ステップS801:No)、利用者端末1から直前のアクセス時に出力されたログインフォームから利用者ID及びパスワードが送信されているか否かを調べる(ステップS802)。
利用者ID及びパスワードが送信されていない場合(ステップS802:No)、ログインフォームを利用者端末1に送信する(ステップS807)。利用者端末1は、ログインフォームを受信し、表示する。
【0078】
ここで、利用者確認処理は、ログインフォームの送信後、終了してもよいが、すべてのコンテンツにアクセス制限がかけられているとは限らないので、ログインフォームを最終的に生成されるコンテンツ表示ファイルの一部に含めるか、別ウィンドウで表示するようにしてもよい。
【0079】
利用者ID及びパスワードを受信している場合(ステップS802:Yes)、利用者情報D1を検索する(ステップS803)。両者が一致するレコードがあれば(ステップS803:Yes)、それを当該利用者とみなし利用者IDを取得し、セッション情報D5に利用者IDを記憶させる(ステップS804)。
両者が一致するレコードがない場合(ステップS803:No)、コール元にエラーを出力する(ステップS805)。なお、再度ログインフォームを出力してもよい。
【0080】
図9は、代価配分処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。これは、グループ登録した利用者から支払われた代価を当該グループの管理者と、その親グループとに配分する処理である。
【0081】
サーバ3は、まず、利用者グループ情報D3から該当するグループの代価情報を取得する(ステップS901)。代価情報には、代価点数D36及び代価分配率D37がある。
【0082】
次に、利用者が支払うべき代価の点数を計算する(ステップS902)。通常は、代価点数D36自体の値でよいが、利用者端末1からのグループ登録要求のデータに口数が指定されている場合は、最小取引単位としての代価点数と、指定された口数との積算値を求める。
【0083】
続いて、グループ登録したい利用者が代価を支払うことが可能か否かを判定する(ステップS903)。具体的には、利用者情報D1から当該利用者の点数残高D16を取得し、その点数残高D16が計算した代価点数以上か否かを判定する。利用者の点数残高が代価点数より小さい場合(ステップS903:No)、エラーを出力し(ステップS908)、終了する。
【0084】
利用者の点数残高が代価点数以上の場合(ステップS903:Yes)、当該利用者グループに親グループが設定されているか否かを判定する(ステップS904)。具体的には、利用者グループ情報D3を参照し、当該利用者グループの親グループIDD38が設定されているか否かを判定する。
【0085】
親グループが設定されている場合(ステップS904:Yes)、すべての親グループに対して代価を分配する(ステップS905)。具体的には、利用者グループ情報D3を参照し、当該利用者グループの代価点数D36に代価分配率D37を積算し、その積算値を親グループIDD38の設定数で除算する。その除算値が、1つの親グループに分配される代価点数である。ステップS905の処理における支払主は、通常はグループに登録する利用者であるが、登録グループの管理者が新たな登録者の支払いを無料にし、自らが親グループに支払う場合には、当該管理者となる。なお、親グループが設定されていない場合(ステップS904:No)、当該利用者グループの管理者に代価点数がそのまま支払われる。
【0086】
ステップS905の処理において管理者の点数残高が十分でない等のエラーが発生した場合(ステップS906:Yes)、当該処理を中断、回復し、コール元にエラーを出力し(ステップS908)、終了する。
ステップS905の処理においてエラーが発生しなかった場合(ステップS906:No)、支払主から支払先へ代価点数を移動させ(ステップS907)、終了する。具体的には、利用者情報D1のうち、支払主の点数残高D16から支払うべき代価点数を減算し、支払先の点数残高D16にそれぞれ配分した代価点数を加算する。
【0087】
≪実施例≫
図10は、ウェブシステムWSの実施例を示す図であり、特に利用者として作家、出版人及び読者が存在し、それらの間のビジネスに適用した例を示す。出版人が情報提供者、パーミッション(アクセス権)の販売主となり、作家が書いた小説や漫画のデータを、各々がそれぞれの利用者端末1からサーバ3へ記憶させ、出版人がそれぞれのデータの編集及び配置、パーミッションの設定を行う。読者は、出版人からパーミッションを取得し(すなわち、読者は当該パーミッションに相当する利用者グループに登録され)、代価として出版人にポイントを渡す。出版人は、読者から取得したポイントを各作家に分配する。
【0088】
例えば、利用者D(出版人)が、単行本用のパーミッションとしてパ5(パーミッション5の略。以下同様)及びパ1を設定し、パ5をパ1の子として設定する。一方、利用者A(作家)のコンテンツとして、小説Aの第1章〜第3章がサーバ3に記憶されている。そして、第1章の参照にはパ1又はパ2が必要であり、第2章の参照にはパ1又はパ3が必要であり、第3章の参照にはパ1又はパ4が必要である。ここで、利用者E(読者)はパ5を購入する。そうすると、パ5はパ1の子なので、パ1で参照可能なコンテンツを閲覧できる。また、小説Aの第1章〜第3章の参照は、パ1により可能である。以上によれば、利用者E(読者)は小説Aの第1章〜第3章を閲覧可能である。
【0089】
次に、利用者D(出版人)が、連載雑誌用のパーミッションとして、パ6、パ2、パ10及びパ20を設定し、パ6をパ2、パ10及びパ20の子として設定する。一方、利用者B(作家)のコンテンツである漫画B及び利用者C(作家)のコンテンツである漫画Cがサーバ3に記憶されている。そして、漫画Bの参照にはパ10が必要であり、漫画Cの参照にはパ20が必要である。ここで、利用者F(読者)はパ6を購入する。そうすると、パ6はパ2、パ10及びパ20の子なので、パ2、パ10又はパ20で参照可能なコンテンツを閲覧できる。また、小説Aの第1章の参照はパ2により可能であり、漫画Bの参照はパ10により可能であり、漫画Cの参照はパ20により可能である。以上によれば、利用者F(読者)は小説Aの第1章、漫画B及び漫画Cを閲覧可能である。
【0090】
変形例として、出版人が情報提供者、パーミッションの販売主となり、デザイナが製作した表示設定と、文筆家が製作した文書データと、イラストレータが作成した画像データを、各々がそれぞれの環境からサーバへ記憶させ、出版人がそれぞれのデータ編集および配置、アクセス権設定、代価の配分比率の設定を行うことで、データ保存と編集と利益の分配を一体として、電子出版を行うことができる。なお、この場合、経理帳簿への仕訳記載を容易にするための取引履歴が出力されることが望ましい。
【0091】
以上説明した実施例によれば、出版人が出版物ごとにパーミッション(その子のパーミッションを含む)を設定し、パーミッションを読者が購入(ポイントを渡す代わりに取得)することにより、当該パーミッション(その親のパーミッションを含む)で参照可能な出版物を閲覧することができる。そして、出版物の作家は、出版物の購入状況に応じたポイントの分配を出版人から受けることができる。これによれば、出版人は、出版物のパーミッション及びその代価であるポイントを自在に設定することにより、様々な読者層に応じたサービスを提供することができる。
一例として、出版人や作家が同じ種類や嗜好の出版物に同一のパーミッションを設定することにより、読者は当該パーミッションを購入すれば、当該出版物、例えば、スポーツに関する雑誌をまとめて閲覧できるようになる。
【0092】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 利用者が使用する利用者端末
2 インターネット
3 サーバ又はサーバ群
4 ウェブサーバ
5 コンテンツデータ管理システム
6 記憶装置
51 コンテンツデータ管理プログラム
52 コンテンツデータ表示プログラム
53 ログイン管理プログラム
54 アクセス可否判定プログラム
55 利用者グループ管理プログラム
56 代価決済処理プログラム
D1 利用者情報
D2 コンテンツ情報
D3 利用者グループ情報
D4 グループ登録者情報
D5 セッション情報
WS ウェブシステム
【技術分野】
【0001】
利用者端末がアクセスするコンテンツデータ及びそのアクセス権を管理して、コンテンツデータへのアクセスを制御するコンテンツデータ管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
WWW(World Wide Web)システムにおいて、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコル及びHTML(Hyper Text Markup Language)言語を使用したインターネット通信を実現するには、HTML言語で記述されたファイルデータ等をウェブサーバのファイル構造に配置するのが最も単純な方法であるが、ファイルデータの作成やサーバへのデータ転送等を行うには、相応の知識と手間が必要であった。
【0003】
昨今、CGI(Common Gateway Interface)等のサーバ側のアプリケーションの開発が進み、掲示板システムが開発され、サーバ管理者ではない一般の利用者でも、サーバのファイル構造を意識せず、ウェブブラウザのみで、比較的短い文書によるオープンコミュニケーションが可能となっている。
【0004】
そして、ブログシステム等のコンテンツマネジメントシステムにより、カスケーディングスタイルシートといった表示設定、JAVA(登録商標)スクリプトといった表示補助関数についての専門知識がなくても、コンテンツデータを見栄えよく提供できるようになり、インターネットにおけるコミュニケーションがますます容易になり、非常に多くの利用者がさまざまな情報を発信している。このコンテンツマネジメントシステムは、多くの場合ウェブサーバと連動するシステムであり、OS(Operating System)のファイルシステムを利用するか、又はデータベースを利用してHTMLファイルを生成する。
【0005】
また、あるコンテンツデータを提供する際に、特定の利用者にのみ提供を許可するアクセス制御の方法としては、サーバやコンテンツマネジメントシステムに依存する方法が一般的である。サーバに依存する方法としてはBASIC認証等があるが、サーバ管理者が設定を行うか、設定ファイルを直接操作するアクセス管理システムが必要となる。コンテンツマネジメントシステムに依存する方法としては、当該システムが利用者のアクセス管理機能を備えることで、利用者の要求に合わせたコンテンツ開示を可能とする。
【0006】
特許文献1には、データ閲覧先に特別なシステムを必要とせずに、簡単にデータの閲覧者を制限することができるデータ提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−78517号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記データ提供システムにおいて、データ提供者は、データの提供を受けようとする者に対して、データをサーバに記録した旨をメールにより知らせるようになっているので、その時点で許可されていない閲覧希望者には、どのようなデータが提供されるのかが分からない。
【0009】
また、コンテンツマネジメントシステムを利用したウェブページにおいて、コンテンツデータの提供者である利用者は、閲覧者である利用者に対してアクセス制御を自由に設定できない。そして、コンテンツデータの提供者である他の利用者がアクセス権を設定したデータを、自分のデータと組み合わせて一体としたコンテンツデータを提供することができない。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、コンテンツデータへのアクセス制御を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、コンテンツデータの利用者が用いる利用者端末と通信可能であり、前記利用者端末がアクセスするコンテンツデータを管理するコンテンツデータ管理装置であって、記憶部及び処理部を備え、前記記憶部が、利用者を識別するための利用者IDを含む利用者情報と、各利用者が属するグループを識別するためのグループIDを含むグループ情報と、コンテンツデータと、当該コンテンツデータへのアクセスが可能なグループのグループIDであるアクセス可能グループIDとを含むコンテンツ情報と、前記利用者が属するグループのグループIDである所属グループIDと、当該グループに属するように登録された利用者の利用者IDとを含むグループ登録者情報と、を記憶し、前記処理部が、前記グループ登録者情報を参照し、前記コンテンツデータへのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者の所属グループIDを特定する所属グループ特定手段と、前記コンテンツ情報を参照し、前記アクセス要求のあった前記コンテンツデータのアクセス可能グループIDを特定するアクセス可能グループ特定手段と、前記所属グループ特定手段に特定された前記所属グループIDと、前記アクセス可能グループ特定手段に特定された前記アクセス可能グループIDとに基づいて、当該利用者が当該コンテンツデータへアクセス可能か否かを判定するアクセス可否判定手段と、前記アクセス可否判定手段がアクセス可と判定した場合、当該コンテンツデータを前記利用者端末に送信するコンテンツデータ送信手段と、前記アクセス可否判定手段がアクセス不可と判定した場合、前記アクセス可能グループIDのグループへの登録画面を前記利用者端末に送信し、当該利用者端末からグループ登録要求を受信し、当該利用者IDを当該グループIDに対応付けて前記グループ登録者情報に記憶するグループ登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、利用者を予め個々のグループに登録し、コンテンツデータごとにアクセス可能なグループを決めることでコンテンツデータへのアクセスを制限し、また、予めグループ登録されている利用者のうち、コンテンツデータにアクセスできない利用者を必要に応じてアクセス可能とする。これによれば、コンテンツデータへのアクセスを自在に制限することができ、一方、コンテンツデータの閲覧者を容易に募集することができる。
【0013】
また、コンテンツデータの管理者がグループの管理者となり、任意にグループを設定し、提供するコンテンツデータと、アクセス可能なグループとを任意に関連付けるだけでアクセス制御の設定を行うことが可能なので、コンテンツデータごとにアクセス可能な利用者を設定する必要がなく、アクセス制御対象のコンテンツデータの存在、数量、種類に縛られることがない。そして、種類や嗜好を同じくする複数のコンテンツデータに同じアクセス可能グループを関連付けることにより、利用者は、当該アクセス可能グループに登録すれば、同じ種類や嗜好、例えば、音楽に関する複数のコンテンツデータをまとめて閲覧できるようになる。
【0014】
また、利用者が、コンテンツデータの提供が許可されたグループに未登録の場合、自動的にグループへの登録画面が表示され、利用者自身が各自で登録を行うことができるので、コンテンツデータの管理者が煩わしい登録作業を行う必要がない。
【0015】
また、本発明において、前記コンテンツ情報には、1のコンテンツデータに対して複数の前記アクセス可能グループIDを設定可能であり、前記アクセス可否判定手段が、前記グループ登録者情報を参照して、前記コンテンツデータのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者IDが前記複数のアクセス可能グループIDのいずれかと対応している場合に、当該利用者が当該コンテンツデータにアクセス可能と判定することとしてもよい。
この構成によれば、コンテンツデータの管理者は、1つのコンテンツデータを複数のグループに公開することが可能となり、各グループに所属する利用者に、特定のコンテンツデータを公開することができる。
【0016】
また、本発明において、前記コンテンツ情報が、1のコンテンツデータに対して複数のアクセス可能グループIDを設定する場合に、前記複数のアクセス可能グループIDと、各グループ間の論理的な関係を示す論理演算子との組合せからなる論理演算式を含み、前記アクセス可否判定手段が、前記利用者の当該コンテンツデータへのアクセスの可否判定を、前記コンテンツ情報のうち、当該コンテンツデータに対応する前記論理演算式に従って行うこととしてもよい。
この構成によれば、より柔軟なアクセス権の設定及びアクセスの制御が可能となる。
【0017】
また、本発明において、アクセスが許可されたコンテンツデータから、所定のコンテンツデータ表示形式に基づいて、前記利用者端末において表示可能なコンテンツ表示ファイルを生成するコンテンツ表示ファイル生成手段をさらに備え、前記グループ情報が、当該グループに属する利用者のコンテンツデータを、他の利用者が管理するコンテンツデータと組み合わせて利用することを許可する場合に設定される、当該他の利用者が属するグループのグループIDをさらに含むこととしてもよい。
【0018】
この構成によれば、第1の利用者(A)が管理するコンテンツデータを、他の第2の利用者(B)が自らのコンテンツデータと組み合わせて、一連のコンテンツ表示ファイルを生成し、そのコンテンツ表示ファイルをさらに他の第3の利用者(C)へ公開することができる。また、第1の利用者(A)のグループに第2の利用者(B)が登録されていれば、第2の利用者(B)は、第1の利用者(A)が管理するコンテンツデータを利用することを許可され、一連のコンテンツ表示ファイルを生成することができる。
【0019】
これによれば、コンテンツデータの提供者の間での取り決めに従い、他の提供者によるコンテンツデータを利用することで、多様なコンテンツデータが1画面に表示可能となる。従って、利用者は、他の利用者が管理するコンテンツデータの利用を許可されることにより、専門的な知識がなくてもウェブサイトの構築が可能となる。
【0020】
また、本発明において、前記コンテンツデータが、テキストデータ、画像データ、動画データ、アプリケーションデータ、スタイルシート及びスクリプトを含むこととしてもよい。
この構成によれば、自らの専門知識や技能の限界に縛られず、簡易な方法により高度な情報発信が可能となる。
【0021】
また、本発明において、前記グループ情報が、当該グループに属する利用者のコンテンツデータを、他の利用者が管理するコンテンツデータと組み合わせて利用することを許可する場合に、前記他の利用者が属するグループが当該グループの親グループになることが可能なことを示す親グループ可フラグをさらに含み、前記グループ情報のうち、前記親グループ可フラグが設定されている第1のレコードに対する子グループの第2のレコードに、親グループIDとして前記第1のレコードのグループIDを設定する子グループ設定手段をさらに備えることとしてもよい。
【0022】
この構成によれば、コンテンツ表示ファイルの生成を許可された利用者が、当該コンテンツ表示ファイルに独自のアクセスを許可するグループを設定することが可能となり、さらに、独自に設定されたグループの子(孫)グループを設定することが可能である。
【0023】
これによれば、閲覧者たる第三の利用者は、アクセスが許可されたグループに登録するだけで、親グループに開示が許可されたコンテンツデータへのアクセスが可能となる。また、グループを多段の親子関係にすることが可能になり、コンテンツファイルの要素ごとに複雑な権利状態があっても明確に定義できる。
【0024】
また、本発明において、前記グループ情報が、当該グループに所定の利用者が登録する際に必要な代価の点数と、有効期限又は支払期日とをさらに含み、前記利用者情報が、当該利用者が所持する代価の点数をさらに含み、当該利用者が前記グループに登録される際に、前記利用者情報において、当該利用者の所持する点数から前記グループの管理者の所持する点数に、前記必要な代価に相当する点数を移動させる代価移動手段をさらに備えることとしてもよい。
【0025】
この構成によれば、利用者は、グループ登録することにより、当該グループに属する他の利用者のコンテンツデータを利用できるので、グループ登録に際して代価を支払う。これによれば、同じグループに属する利用者間において、例えば、有償に提供された画像データを使用したスタイルシートを有償で提供し、さらにそのスタイルシートを利用した文字コンテンツを有償で提供することが可能となり、それぞれのデータの提供者が簡易に代価を得ることができる。従って、各要素分野での活発な創作活動を期待することできる。また、グループ情報が必要な代価の点数とともに有効期限又は支払期日をさらに含み、所定期間ごとにグループ登録者からグループ管理者へ点数を移動させるようにしてもよい。
【0026】
また、本発明において、前記グループ情報が、利用者の当該グループへの登録の際に必要な代価を、任意に指定された利用者又は任意に指定されたグループに属する利用者に分配する場合の、当該代価の数値、分配率又は上限値と下限値を含む代価情報をさらに含み、利用者のグループ登録が行われた際に、当該グループの前記代価情報に基づいて、当該代価を分配する代価分配手段をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、例えば、他の利用者が提供するコンテンツデータを利用した有料コンテンツを容易に作成し、利用されたコンテンツデータの権利者である他の提供者も簡易に代価の分配を得ることができる。
【0027】
また、本発明において、前記任意に指定されたグループに属する利用者は、当該グループの親グループの管理者であることとしてもよい。
この構成によれば、当該グループに属する他の利用者から代価の分配を受けることができる。
【0028】
また、本発明において、前記グループ情報が、当該グループに属する利用者が、他の利用者に対して代価を伴うグループ登録の譲渡及びせり売りを含む取引が可能なことを示す取引可フラグをさらに備え、前記利用者端末からの取引要求を受信した場合に、前記取引可フラグが設定されているときに、前記取引を行うグループ登録取引手段をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、グループへの登録を権利として、譲渡又は売買することができる。
【0029】
また、本発明において、前記グループ登録要求のデータは、新たな登録者が支払う代価の口数を含み、前記グループ情報が、登録者数の上限値及び前記代価の口数の上限値をさらに含み、代価の分配の際には、グループの各登録者に対して、その時点における登録者数、登録者数の上限値又は口数によって按分されたものが分配されることとしてもよい。
【0030】
この構成によれば、グループ登録に付加価値がつく可能性がある。例えば、当該グループがアクセス可能なコンテンツデータに人気があれば、新規のグループ登録が増えて、その際の代価の分配を受けられるし、当該グループの登録者に対する定期的な課金の際にも、分配金が増加することが考えられる。
【0031】
また、当該グループへの登録者へ代価の分配(配当)が設定された場合には、分配元のグループの管理者は支払代価の上限を制限することが可能である。これによれば、グループの登録者は、グループ登録時に口数を調整することにより、代価の分配(配当)の額を加減することが可能となる。例えば、口数を多く指定すれば、登録時の支払いは多くなるが、その代わりに代価の分配も多くなる。
【0032】
なお、本発明は、コンテンツデータ管理プログラムを含む。その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、コンテンツデータへのアクセス制御を容易にすることができる。
これによれば、利用者がサーバに利用者登録を行えば、利用者やウェブページのアクセス権を容易に設定できるので、クラブ活動や自治会で会員のみのページ設定、ページ編集が可能な役員のアクセス権制御等が簡単に行え、アクセス権を販売することで製作者は容易に代価を得られ、アクセス権の包含設定を行うことで、アクセス権取得時に多数のアクセス権取得手続きを行う必要がなくなる。
【0034】
また、文章と挿絵、マンガのセリフと絵のようにそれぞれに別の製作者がデータを提供したい場合でも、双方の取り決めの上、アクセス権を適切に設定することにより、アクセス権の代価を自動的に分配することができる。
【0035】
さらに、アクセス権の販売を子グループの管理者が代理で容易に行えるので、販売のために自分の個人情報を公表したくないコンテンツ製作者は、販売代理人との取り決めに従って、自分のコンテンツに対するアクセス権を販売してもらって代価を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ウェブシステムWSの構成を示す図である。
【図2】利用者情報D1の構成例を示す図である。
【図3】コンテンツ情報D2の構成例を示す図である。
【図4】利用者グループ情報D3の構成例を示す図である。
【図5】(a)はグループ登録者情報D4の構成例を示す図であり、(b)は、セッション情報D5の構成例を示す図である。
【図6】コンテンツ表示ファイル生成処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】利用者グループ登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】利用者確認処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図9】代価配分処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図10】ウェブシステムWSの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。
【0038】
≪システムの構成と概要≫
図1は、ウェブシステムWSの構成を示す図である。利用者が使用する利用者端末1及びコンテンツデータが格納されたサーバ3は、インターネット等のネットワーク2に接続され、ネットワーク3を介して相互に通信可能である。サーバ3は、ウェブサーバ4、コンテンツデータ管理システム5及び記憶装置6を備え、ウェブサーバ4と、コンテンツデータ管理システム5の各プログラムとの間のインタフェースがCGIにより提供される。なお、コンテンツデータは、テキストデータ、画像データ、動画データ、アプリケーションデータ、スタイルシート及びスクリプトを含むものとする。アプリケーションデータには、例えば、Flashデータ.swf等がある。
【0039】
ウェブサーバ4は、利用者端末1からの継続するアクセス要求について、利用者端末1のウェブブラウザ及びウェブサーバ4によるセッション確立手段によって、利用者の特定が可能であることを利用して、少なくとも得られた当該利用者の識別情報を記憶するか、利用者端末1のIPアドレス及び当該利用者の識別情報を記憶する。
【0040】
コンテンツデータ管理システム5は、コンテンツデータ管理プログラム51、コンテンツデータ表示プログラム52、ログイン管理プログラム53、アクセス可否判定プログラム54、利用者グループ管理プログラム55及び代価決済処理プログラム56を含み、各プログラムはCPU(Central Processing Unit)によって実行される。
【0041】
コンテンツデータ管理プログラム51は、コンテンツデータを提供する各コンテンツデータの管理者が各々の利用者端末1のウェブブラウザを利用して行う、サーバ3への指示を受けて、コンテンツ情報D1の管理、編集及び記録を行う。
【0042】
コンテンツデータ表示プログラム52は、コンテンツデータへのアクセスが許可された場合に、コンテンツ表示ファイル生成手段として、表示形式に従って記憶データを整えてコンテンツ表示ファイルのデータを出力し、当該アクセスが許可されない場合に、利用者グループ登録手段として、表示形式に従って当該コンテンツデータにアクセス可能な利用者グループへの登録画面である利用者グループ登録画面のデータを出力する。出力されたデータは、サーバ3から利用者端末1に送信され、利用者端末1のディスプレイに表示される。
【0043】
ログイン管理プログラム53は、利用者端末1を通して利用者が入力した当該利用者固有の情報により利用者を確認する。
【0044】
アクセス可否判定プログラム54は、利用者端末1からコンテンツ閲覧希望者のアクセス要求を受信した場合、コンテンツ情報D2を参照し、パス情報から目的のコンテンツデータを特定し、 当該コンテンツデータのアクセスが許可された利用者グループを読み出し、利用者のログイン情報により当該利用者が登録された利用者グループを検索し、アクセスの可否を判定する。
【0045】
利用者グループ管理プログラム55は、各利用者グループの管理者が各々の利用者端末1のウェブブラウザを利用して行う、サーバ3への指示を受けて、利用者グループ情報D3の管理、編集及び記録を行う。実際の処理としては、利用者が新たに利用者グループに登録された場合に、グループ登録者情報D4を更新する。その場合、利用者グループ情報D3における個別の設定として代価が設定されているとき、代価決済処理プログラム56を起動して、利用者間の代価の分配及び移動の手続きを行う。
【0046】
記憶装置6は、利用者情報記憶手段、コンテンツ情報記憶手段及び利用者グループ情報記憶手段として機能する、フラッシュメモリやハードディスク装置等の不揮発性記憶装置であり、利用者情報D1、コンテンツ情報D2、利用者グループ情報D3、グループ登録者情報D4及びセッション情報D5を記憶する。
【0047】
≪データの構成例≫
続いて、記憶装置6の各情報について説明する。
図2は、利用者情報D1の構成例を示す図である。 利用者情報D1は利用者登録処理で登録され、利用者を確認するための情報であり、利用者名D11、利用者IDD12、ログインIDD13、ログインパスワードD14、利用者メールアドレスD15、点数残高D16及び所属グループIDD17を含むレコードからなる。利用者名D11は、利用者の氏名である。利用者IDD12は、利用者を識別するための固有情報(識別番号等)である。ログインIDD13は、利用者がサーバ3にログインするときの本人確認に使用するID(本人確認情報)である。ログインパスワードD14は、利用者がサーバ3にログインするときの本人確認に使用するパスワード(本人確認情報)である。
【0048】
利用者メールアドレスD15は、利用者に連絡をとるための電子メールアドレスである。点数残高D16は、利用者が持っている点数の残高である。点数は、金銭又は他の価値に変換可能なものとして記録された数値であり、利用者がグループ登録する際に代価として支払われ、一方、利用者がグループの管理者である場合、他の利用者が当該グループに登録する際に管理者に対する代価として分配されることがある。所属グループID17は、利用者が所属するグループを識別するための固有情報(識別番号等)である。1名の利用者が所属するグループは、複数あってもよく、登録したグループそのものだけでなく、そのグループの上位グループ(親グループ、親グループの親グループ等)を列挙してもよい。それは、あるグループに所属する利用者は、そのグループの上位グループにも所属することになるからである。
【0049】
図2に示すように、A男はグループG1に所属し、B男はグループG2に所属し、C男はグループG1及びG3に所属し、D男はグループG3に所属する。換言すれば、グループG1はA男及びC男を含み、グループG2はB男を含み、グループG3はC男及びD男を含む。
【0050】
図3は、コンテンツ情報D2の構成例を示す図である。コンテンツ情報D2は、コンテンツ登録処理で登録されるコンテンツデータに関する情報であり、コンテンツIDD21、パス情報D22及びアクセス可能利用者グループIDD23を含むレコードからなる。コンテンツIDD21は、コンテンツデータを識別するための固有情報(識別番号等)である。パス情報D22は、ネットワークを通じてコンテンツデータを呼び出すためのパス情報のうち、サーバ3内でのファイル構造を示すものである。アクセス可能利用者グループIDD23は、コンテンツデータの管理者がアクセスを許可する利用者グループの固有情報であり、単独の利用者グループID又は論理演算式が設定される。その論理演算式は、複数の利用者グループIDと、当該利用者グループID間の論理的な関係を示す論理演算子(AND、OR、NOT及びXORを含む)との組合せからなる。アクセスレベルD24は、コンテンツへのアクセス権限の程度を示すものであり、管理レベル、書込み可、読出し可、借用可等がある。借用可とは、コンテンツデータを自サイトへ呼び出して表示ファイルとして生成することができることをいう。なお、コンテンツ情報D2のレコード項目として、上記以外にコンテンツデータそのものであるデジタルデータを含めるようにしてもよい。
【0051】
図3に示すように、コンテンツC1は、グループG2に所属する利用者(例えば、B男)が管理レベルでアクセス可能になる。コンテンツC2は、グループG1及びG3のいずれか1つに所属する利用者(例えば、A男、B男)が読出し可能である。コンテンツC3は、グループG1及びG3の両方に所属する利用者(例えば、C男)が読出し可能であり、かつ、書込み可能である。コンテンツC4は、グループG3に所属する利用者(例えば、D男)が読出し可能である。なお、図3では、各コンテンツのレコードにおいてアクセス可能利用者グループIDD23と、アクセスレベルD24とが一対だけ設定されているが、1のコンテンツのレコードに複数の対が設定されてもよい。
【0052】
図4は、利用者グループ情報D3の構成例を示す図である。利用者グループ情報D3は、利用者グループ登録処理で登録される利用者グループに関する情報であり、利用者グループIDD31、利用者グループ名称D32、管理者IDD33、利用可グループIDD34、親グループ可フラグD35、代価点数D36、代価分配率D37、親グループIDD38、登録上限人数D39及び譲渡可フラグD3Aを含むレコードからなる。
【0053】
利用者グループIDD31は、利用者グループを識別するための固有情報(識別番号等)である。利用者グループ名称D32は、グループ管理者が設定する利用者グループの名称である。管理者IDD33は、当該利用者グループの管理者を識別するための固有情報である。
【0054】
利用可グループIDD34は、当該利用者グループに登録された利用者が管理するコンテンツデータの利用を許可された利用者グループのIDである。例えば、当該利用者グループに登録された利用者が管理するコンテンツデータと、他の利用者グループ登録者が管理するコンテンツデータとを組み合わせて生成される一連のコンテンツ表示ファイルを第三の利用者へ公開することを許可する場合、当該他の利用者グループのIDを示す。また、グループに属する利用者のコンテンツが他のブログからリンクされるのを許可する場合、当該他のブログの管理者が属する利用者グループのIDを示す。なお、コンテンツデータの利用を許可すべき利用者グループがない場合には、利用可グループIDD34にはNULLが設定される。
【0055】
親グループ可フラグD35は、当該利用者グループが他の利用者グループの親グループになれるか否かを示し、換言すれば、当該利用者グループの子グループの設定が可能か否かを示す。親グループは、ある利用者が当該利用者グループに登録されていれば、そのまま登録されることになるグループであり、当該利用者グループを包含するグループである。集合に例えると、親グループは、当該利用者グループ(子グループ)の包含集合に相当し、当該利用者グループの要素(利用者)は、必ず親グループの要素(利用者)になる。
【0056】
代価点数D36は、利用者グループへ登録する利用者に請求される代価の点数であり、通常当該利用者グループの管理者に支払われるが、その一部が親グループに支払われることもある。代価分配率D37は、グループ登録した利用者から支払われる代価に対する親グループに分配される代価の割合を示す。例えば、利用者グループIDG3の代価分配率D37は30%なので、代価のうち、30%が親グループに分配され、残りの70%が管理者に分配される。
【0057】
親グループIDD38は、当該利用者グループの親グループを識別するための固有情報である。登録上限人数D39は、当該利用者グループに登録可能な利用者数の上限値を示す。譲渡可フラグD3Aは、当該利用者グループに登録した利用者が他の未登録の利用者へ、代価の移動を伴って利用者グループ登録を入れ替える譲渡の手続きを許可するか否かを示す。代価の移動が新登録者から旧登録者に対して行われることによって、新登録者は管理者に代価を支払ったことになり、旧登録者は管理者から代価を返金されたことになる。なお、利用者グループ登録の譲渡だけでなく、せり売りを含めてできるようにしてもよい。
【0058】
利用者グループ情報D3は、さらに有効期限又は支払期日を備えるようにしてもよい。有効期限は、登録者から代価を徴収することによりグループ登録を有効とする期限である。支払期日は、登録している利用者から一斉に代価を徴収するタイミングを示す情報である。
【0059】
図5(a)は、グループ登録者情報D4の構成例を示す図である。グループ登録者情報D4は、利用者グループ登録処理で登録されるグループ登録者に関する情報であり、登録番号D41、利用者グループIDD42、利用者IDD43及び管理者権限フラグD44を含むレコードからなる。
【0060】
登録番号D41は、グループ登録ごとに付与される番号であり、例えば、時間的な順序番号である。利用者グループIDD42は、登録先の利用者グループの固有情報である。利用者IDD43は、グループ登録した利用者の固有情報である。管理者権限フラグD44は、利用者がグループの管理者の権限を有するか否かを示す。なお、グループ登録者情報D4は、必ずしも1つのファイルとして格納されるものに限られることなく、利用者グループごとに作成、格納されてもよいし、利用者情報D1のレコード項目の1つとして含まれるようにしてもよい。
【0061】
図5(b)は、セッション情報D5の構成例を示す図である。セッション情報D5は、利用者端末1がウェブサーバ4にログインしている状態であるセッションに係る情報であり、セッションIDD51、利用者IDD52及び有効期限D53を含むレコードからなる。セッションIDD51は、当該セッションに固有の識別情報であり、例えば、ログインごとに乱数が設定される。利用者IDD52は、ウェブサーバ4にログインした利用者端末1に固有の利用者IDである。有効期限D53は、当該セッションが有効な期限であり、例えば、ログインした時刻から所定時間後の時刻が設定される。なお、各レコードは、利用者端末1がウェブサーバ4にログインしたときに設定され、ウェブサーバ4からログアウトしたときに削除される。
【0062】
≪システムの処理≫
図6は、コンテンツ表示ファイル生成処理の流れを示すフローチャートである。当該処理の前提として、利用者端末1を使用する利用者は、サーバ3の記憶部6における利用者情報D1にログインID、ログインパスワード及び利用者メールアドレスを予め記憶させておき、一方、コンテンツの管理者である他の利用者は、サーバ3の記憶部6におけるコンテンツ情報D2にコンテンツデータ、パス情報及びアクセス可能な利用者グループIDを予め記憶させておくものとする。
【0063】
まず、利用者端末1がサーバ3にコンテンツ要求を送信する(ステップS601)。コンテンツ要求のデータは、利用者ID及び要求コンテンツのURI(Uniform Resource Identifier)を含む。サーバ3は、利用者端末1からコンテンツ要求を受信し、まず、利用者確認処理のサブルーチンをコールする(ステップS602)。
【0064】
次に、サーバ3は、コンテンツ要求に含まれるURIから表示すべきコンテンツを特定する。すなわち、URIの一形態であるURL(Uniform Resource Locator)のうちホストコンピュータ名よりあとの文字列をリソース名(パス情報)として取得するか、リソース名(パス情報)をGET入力又はPOST入力によって取得する(ステップS603)。
【0065】
コンテンツ情報D2からパス情報が一致するレコードを検索して、コンテンツの確認を行う(ステップS604)。パス情報が記憶されていない場合(ステップS604:No)、サーバ3は、エラーを出力するか、コンテンツが記憶されていない旨を記載した表示ファイルを生成し(ステップS612)、利用者端末1に送信し(ステップS615)、終了する。
【0066】
パス情報が一致するレコードが記憶されており、コンテンツの確認ができた場合(ステップS604:Yes)、サーバ3は、コンテンツ情報D2から該当するコンテンツのレコードを検索し、当該コンテンツにアクセス可能な利用者グループIDを取得する(ステップS605)。アクセス可能な利用者グループIDは、単独の利用者グループID又は論理演算式として取得する。
【0067】
ここで、コンテンツへのアクセスが許可されているグループと、利用者が登録されているグループとを照合するためには、それらに該当する各グループと、利用者が登録されている各グループの上位グループ(親グループ、その親グループ等)のID一覧を取得する必要がある。
【0068】
そこで、利用者IDが取得され、利用者が特定されている場合には、グループ登録者情報D4を検索し(ステップS606)、当該利用者が登録されている1以上の利用者グループIDを取得する。当該利用者の登録されているグループの利用者は、それらのグループの上位グループについても登録しているとみなされる。このことから、利用者が登録されているすべてのグループを対象にして(ステップS607)、利用者グループ情報D3を参照し、その親グループがあるか否かをチェックし(ステップS608)、親グループがあれば(ステップS608:Yes)、当該利用者の登録グループとして、利用者情報D1のうち、当該利用者のレコードの所属グループIDD17に当該親グループIDを追加する(ステップS609)。そして、さらにその親グループ(親グループの親グループ)があるか否かをチェックし(ステップS608)、所属グループIDD17に設定された利用者グループIDが重複しないようにすべての上位グループを検証したところでループを終了する(ステップS610)。
【0069】
そして、サーバ3は、コンテンツへのアクセスが可能な利用者グループIDと、アクセスを要求する利用者の所属する利用者グループのID(その上位グループのIDを含む)とを照合することにより、当該アクセスを要求する利用者がアクセス要件を満たすか否かを判定する(ステップS611)。
【0070】
アクセスを要求する利用者がアクセス要件を満たしていれば(ステップS611:Yes)、コンテンツデータを読み出し、HTMLや画像データ形式等のコンテンツデータ表示形式に基づいて、利用者端末1で表示可能なコンテンツ表示ファイルを生成し(ステップS613)、生成したファイルを利用者端末1に送信する(ステップS615)。
【0071】
アクセスを要求する利用者がアクセス要件を満たしていなければ(ステップS611:No)、利用者グループへの登録を申請するためのフォームファイルを生成し(ステップS614)、生成したファイルを利用者端末1に送信する(ステップS615)。
【0072】
利用者端末1は、サーバ3からファイルを受信し、ウェブブラウザが、その受信したファイルを表示する(ステップS616)。表示されるファイルには、エラー情報、コンテンツ表示ファイル、グループ登録申請フォーム等がある。
【0073】
図7は、利用者グループ登録処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、サーバ3が利用者端末1からグループ登録要求を受信した場合に行う処理である。グループ登録要求のデータは、利用者IDを含み、利用者が支払う代価の口数がさらに指定される場合がある。
【0074】
サーバ3は、まず、利用者確認処理のサブルーチンをコールする(S701)。これは、図6のS602と同様に、グループ登録要求を送信した利用者を確認するために行う。次に、代価分配処理のサブルーチンをコールする(ステップS702)。そして、代価配分処理のサブルーチンがエラーだったか否かを確認する(ステップS703)。エラーでなかった場合(ステップS703:No)、利用者をグループに追加する(ステップS704)。具体的には、グループ登録者情報D4において、新たな登録番号D41、当該利用者グループIDD42及び当該利用者IDD43を含むレコードを追加する。必要に応じて、管理者権限フラグD44を設定する。エラーだった場合(ステップS703:Yes)、エラーを出力する(ステップS705)。
【0075】
なお、利用者を登録する利用者グループは、任意に決めてもよいし、利用者端末1からグループ登録要求を出すときに、利用者グループの選択画面を表示し、利用者が選択可能としてもよい。
【0076】
図8は、利用者確認処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。まず、ウェブサーバ4が、利用者端末1側のウェブブラウザが送信するCookie等の情報を元にしてセッションの確認を行う(ステップS801)。具体的には、コンテンツ要求に含まれる利用者IDと、ログイン時にログイン管理プログラム53によりセッション情報D5に設定された利用者IDとを照合して確認する。
【0077】
セッションの確認ができた場合(ステップS801:Yes)、当該利用者IDを取得する(ステップS806)。
セッション情報D5にコンテンツ要求の利用者IDが記憶されておらず、セッションの確認ができない場合(ステップS801:No)、利用者端末1から直前のアクセス時に出力されたログインフォームから利用者ID及びパスワードが送信されているか否かを調べる(ステップS802)。
利用者ID及びパスワードが送信されていない場合(ステップS802:No)、ログインフォームを利用者端末1に送信する(ステップS807)。利用者端末1は、ログインフォームを受信し、表示する。
【0078】
ここで、利用者確認処理は、ログインフォームの送信後、終了してもよいが、すべてのコンテンツにアクセス制限がかけられているとは限らないので、ログインフォームを最終的に生成されるコンテンツ表示ファイルの一部に含めるか、別ウィンドウで表示するようにしてもよい。
【0079】
利用者ID及びパスワードを受信している場合(ステップS802:Yes)、利用者情報D1を検索する(ステップS803)。両者が一致するレコードがあれば(ステップS803:Yes)、それを当該利用者とみなし利用者IDを取得し、セッション情報D5に利用者IDを記憶させる(ステップS804)。
両者が一致するレコードがない場合(ステップS803:No)、コール元にエラーを出力する(ステップS805)。なお、再度ログインフォームを出力してもよい。
【0080】
図9は、代価配分処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。これは、グループ登録した利用者から支払われた代価を当該グループの管理者と、その親グループとに配分する処理である。
【0081】
サーバ3は、まず、利用者グループ情報D3から該当するグループの代価情報を取得する(ステップS901)。代価情報には、代価点数D36及び代価分配率D37がある。
【0082】
次に、利用者が支払うべき代価の点数を計算する(ステップS902)。通常は、代価点数D36自体の値でよいが、利用者端末1からのグループ登録要求のデータに口数が指定されている場合は、最小取引単位としての代価点数と、指定された口数との積算値を求める。
【0083】
続いて、グループ登録したい利用者が代価を支払うことが可能か否かを判定する(ステップS903)。具体的には、利用者情報D1から当該利用者の点数残高D16を取得し、その点数残高D16が計算した代価点数以上か否かを判定する。利用者の点数残高が代価点数より小さい場合(ステップS903:No)、エラーを出力し(ステップS908)、終了する。
【0084】
利用者の点数残高が代価点数以上の場合(ステップS903:Yes)、当該利用者グループに親グループが設定されているか否かを判定する(ステップS904)。具体的には、利用者グループ情報D3を参照し、当該利用者グループの親グループIDD38が設定されているか否かを判定する。
【0085】
親グループが設定されている場合(ステップS904:Yes)、すべての親グループに対して代価を分配する(ステップS905)。具体的には、利用者グループ情報D3を参照し、当該利用者グループの代価点数D36に代価分配率D37を積算し、その積算値を親グループIDD38の設定数で除算する。その除算値が、1つの親グループに分配される代価点数である。ステップS905の処理における支払主は、通常はグループに登録する利用者であるが、登録グループの管理者が新たな登録者の支払いを無料にし、自らが親グループに支払う場合には、当該管理者となる。なお、親グループが設定されていない場合(ステップS904:No)、当該利用者グループの管理者に代価点数がそのまま支払われる。
【0086】
ステップS905の処理において管理者の点数残高が十分でない等のエラーが発生した場合(ステップS906:Yes)、当該処理を中断、回復し、コール元にエラーを出力し(ステップS908)、終了する。
ステップS905の処理においてエラーが発生しなかった場合(ステップS906:No)、支払主から支払先へ代価点数を移動させ(ステップS907)、終了する。具体的には、利用者情報D1のうち、支払主の点数残高D16から支払うべき代価点数を減算し、支払先の点数残高D16にそれぞれ配分した代価点数を加算する。
【0087】
≪実施例≫
図10は、ウェブシステムWSの実施例を示す図であり、特に利用者として作家、出版人及び読者が存在し、それらの間のビジネスに適用した例を示す。出版人が情報提供者、パーミッション(アクセス権)の販売主となり、作家が書いた小説や漫画のデータを、各々がそれぞれの利用者端末1からサーバ3へ記憶させ、出版人がそれぞれのデータの編集及び配置、パーミッションの設定を行う。読者は、出版人からパーミッションを取得し(すなわち、読者は当該パーミッションに相当する利用者グループに登録され)、代価として出版人にポイントを渡す。出版人は、読者から取得したポイントを各作家に分配する。
【0088】
例えば、利用者D(出版人)が、単行本用のパーミッションとしてパ5(パーミッション5の略。以下同様)及びパ1を設定し、パ5をパ1の子として設定する。一方、利用者A(作家)のコンテンツとして、小説Aの第1章〜第3章がサーバ3に記憶されている。そして、第1章の参照にはパ1又はパ2が必要であり、第2章の参照にはパ1又はパ3が必要であり、第3章の参照にはパ1又はパ4が必要である。ここで、利用者E(読者)はパ5を購入する。そうすると、パ5はパ1の子なので、パ1で参照可能なコンテンツを閲覧できる。また、小説Aの第1章〜第3章の参照は、パ1により可能である。以上によれば、利用者E(読者)は小説Aの第1章〜第3章を閲覧可能である。
【0089】
次に、利用者D(出版人)が、連載雑誌用のパーミッションとして、パ6、パ2、パ10及びパ20を設定し、パ6をパ2、パ10及びパ20の子として設定する。一方、利用者B(作家)のコンテンツである漫画B及び利用者C(作家)のコンテンツである漫画Cがサーバ3に記憶されている。そして、漫画Bの参照にはパ10が必要であり、漫画Cの参照にはパ20が必要である。ここで、利用者F(読者)はパ6を購入する。そうすると、パ6はパ2、パ10及びパ20の子なので、パ2、パ10又はパ20で参照可能なコンテンツを閲覧できる。また、小説Aの第1章の参照はパ2により可能であり、漫画Bの参照はパ10により可能であり、漫画Cの参照はパ20により可能である。以上によれば、利用者F(読者)は小説Aの第1章、漫画B及び漫画Cを閲覧可能である。
【0090】
変形例として、出版人が情報提供者、パーミッションの販売主となり、デザイナが製作した表示設定と、文筆家が製作した文書データと、イラストレータが作成した画像データを、各々がそれぞれの環境からサーバへ記憶させ、出版人がそれぞれのデータ編集および配置、アクセス権設定、代価の配分比率の設定を行うことで、データ保存と編集と利益の分配を一体として、電子出版を行うことができる。なお、この場合、経理帳簿への仕訳記載を容易にするための取引履歴が出力されることが望ましい。
【0091】
以上説明した実施例によれば、出版人が出版物ごとにパーミッション(その子のパーミッションを含む)を設定し、パーミッションを読者が購入(ポイントを渡す代わりに取得)することにより、当該パーミッション(その親のパーミッションを含む)で参照可能な出版物を閲覧することができる。そして、出版物の作家は、出版物の購入状況に応じたポイントの分配を出版人から受けることができる。これによれば、出版人は、出版物のパーミッション及びその代価であるポイントを自在に設定することにより、様々な読者層に応じたサービスを提供することができる。
一例として、出版人や作家が同じ種類や嗜好の出版物に同一のパーミッションを設定することにより、読者は当該パーミッションを購入すれば、当該出版物、例えば、スポーツに関する雑誌をまとめて閲覧できるようになる。
【0092】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 利用者が使用する利用者端末
2 インターネット
3 サーバ又はサーバ群
4 ウェブサーバ
5 コンテンツデータ管理システム
6 記憶装置
51 コンテンツデータ管理プログラム
52 コンテンツデータ表示プログラム
53 ログイン管理プログラム
54 アクセス可否判定プログラム
55 利用者グループ管理プログラム
56 代価決済処理プログラム
D1 利用者情報
D2 コンテンツ情報
D3 利用者グループ情報
D4 グループ登録者情報
D5 セッション情報
WS ウェブシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータの利用者が用いる利用者端末と通信可能であり、前記利用者端末がアクセスするコンテンツデータを管理するコンテンツデータ管理装置であって、
記憶部及び処理部を備え、
前記記憶部は、
利用者を識別するための利用者IDを含む利用者情報と、
各利用者が属するグループを識別するためのグループIDを含むグループ情報と、
コンテンツデータと、当該コンテンツデータへのアクセスが可能なグループのグループIDであるアクセス可能グループIDとを含むコンテンツ情報と、
前記利用者が属するグループのグループIDである所属グループIDと、当該グループに属するように登録された利用者の利用者IDとを含むグループ登録者情報と、
を記憶し、
前記処理部は、
前記グループ登録者情報を参照し、前記コンテンツデータへのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者の所属グループIDを特定する所属グループ特定手段と、
前記コンテンツ情報を参照し、前記アクセス要求のあった前記コンテンツデータのアクセス可能グループIDを特定するアクセス可能グループ特定手段と、
前記所属グループ特定手段に特定された前記所属グループIDと、前記アクセス可能グループ特定手段に特定された前記アクセス可能グループIDとに基づいて、当該利用者が当該コンテンツデータへアクセス可能か否かを判定するアクセス可否判定手段と、
前記アクセス可否判定手段がアクセス可と判定した場合、当該コンテンツデータを前記利用者端末に送信するコンテンツデータ送信手段と、
前記アクセス可否判定手段がアクセス不可と判定した場合、前記アクセス可能グループIDのグループへの登録画面を前記利用者端末に送信し、当該利用者端末からグループ登録要求を受信し、当該利用者IDを当該グループIDに対応付けて前記グループ登録者情報に記憶するグループ登録手段と、
を備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記コンテンツ情報には、1のコンテンツデータに対して複数の前記アクセス可能グループIDを設定可能であり、
前記アクセス可否判定手段は、前記グループ登録者情報を参照して、前記コンテンツデータのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者IDが前記複数のアクセス可能グループIDのいずれかと対応している場合に、当該利用者が当該コンテンツデータにアクセス可能と判定する
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記コンテンツ情報は、1のコンテンツデータに対して複数のアクセス可能グループIDを設定する場合に、前記複数のアクセス可能グループIDと、各グループ間の論理的な関係を示す論理演算子との組合せからなる論理演算式を含み、
前記アクセス可否判定手段は、前記利用者の当該コンテンツデータへのアクセスの可否判定を、前記コンテンツ情報のうち、当該コンテンツデータに対応する前記論理演算式に従って行う
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
アクセスが許可されたコンテンツデータから、所定のコンテンツデータ表示形式に基づいて、前記利用者端末において表示可能なコンテンツ表示ファイルを生成するコンテンツ表示ファイル生成手段をさらに備え、
前記グループ情報は、当該グループに属する利用者のコンテンツデータを、他の利用者が管理するコンテンツデータと組み合わせて利用することを許可する場合に設定される、当該他の利用者が属するグループのグループIDをさらに含む
ことを特徴するコンテンツデータ管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記コンテンツデータは、テキストデータ、画像データ、動画データ、アプリケーションデータ、スタイルシート及びスクリプトを含む
ことを特徴するコンテンツデータ管理装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ情報は、当該グループに属する利用者のコンテンツデータを、他の利用者が管理するコンテンツデータと組み合わせて利用することを許可する場合に、前記他の利用者が属するグループが当該グループの親グループになることが可能なことを示す親グループ可フラグをさらに含み、
前記グループ情報のうち、前記親グループ可フラグが設定されている第1のレコードに対する子グループの第2のレコードに、親グループIDとして前記第1のレコードのグループIDを設定する子グループ設定手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ情報は、当該グループに所定の利用者が登録する際に必要な代価の点数と、有効期限又は支払期日とをさらに含み、
前記利用者情報は、当該利用者が所持する代価の点数をさらに含み、
当該利用者が前記グループに登録される際に、前記利用者情報において、当該利用者の所持する点数から前記グループの管理者の所持する点数に、前記必要な代価に相当する点数を移動させる代価移動手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ情報は、利用者の当該グループへの登録の際に必要な代価を、任意に指定された利用者又は任意に指定されたグループに属する利用者に分配する場合の、当該代価の数値、分配率又は上限値と下限値を含む代価情報をさらに含み、
利用者のグループ登録が行われた際に、当該グループの前記代価情報に基づいて、当該代価を分配する代価分配手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項9】
請求項8に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記任意に指定されたグループに属する利用者は、当該グループの親グループの管理者である
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項10】
請求項7又は請求項8に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ情報は、当該グループに属する利用者が、他の利用者に対して代価を伴うグループ登録の譲渡及びせり売りを含む取引が可能なことを示す取引可フラグをさらに備え、
前記利用者端末からの取引要求を受信した場合に、前記取引可フラグが設定されているときに、前記取引を行うグループ登録取引手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項11】
請求項8に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ登録要求のデータは、新たな登録者が支払う代価の口数を含み、
前記グループ情報は、登録者数の上限値及び前記代価の口数の上限値をさらに含み、
代価の分配の際には、グループの各登録者に対して、その時点における登録者数、登録者数の上限値又は口数によって按分されたものが分配される
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項12】
コンテンツデータの利用者が用いる利用者端末と通信可能であり、前記利用者端末がアクセスするコンテンツデータを管理するコンピュータで実行されるコンテンツデータ管理プログラムであって、
前記コンピュータは、
利用者を識別するための利用者IDを含む利用者情報と、
各利用者が属するグループを識別するためのグループIDを含むグループ情報と、
コンテンツデータと、当該コンテンツデータへのアクセスが可能なグループのグループIDであるアクセス可能グループIDとを含むコンテンツ情報と、
前記利用者が属するグループのグループIDである所属グループIDと、当該グループに属するように登録された利用者の利用者IDとを含むグループ登録者情報と、
を記憶し、
前記グループ登録者情報を参照し、前記コンテンツデータへのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者の所属グループIDを特定する所属グループ特定ステップと、
前記コンテンツ情報を参照し、前記アクセス要求のあった前記コンテンツデータのアクセス可能グループIDを特定するアクセス可能グループ特定ステップと、
前記所属グループ特定ステップで特定された前記所属グループIDと、前記アクセス可能グループ特定ステップで特定された前記アクセス可能グループIDとに基づいて、当該利用者が当該コンテンツデータへアクセス可能か否かを判定するアクセス可否判定ステップと、
前記アクセス可否判定ステップでアクセス可と判定した場合、当該コンテンツデータを前記利用者端末に送信するコンテンツデータ送信ステップと、
前記アクセス可否判定ステップでアクセス不可と判定した場合、前記アクセス可能グループIDのグループへの登録画面を前記利用者端末に送信し、当該利用者端末からグループ登録要求を受信し、当該利用者IDを当該グループIDに対応付けて前記グループ登録者情報に記憶するグループ登録ステップと、
を含む
ことを特徴とするコンテンツデータ管理プログラム。
【請求項1】
コンテンツデータの利用者が用いる利用者端末と通信可能であり、前記利用者端末がアクセスするコンテンツデータを管理するコンテンツデータ管理装置であって、
記憶部及び処理部を備え、
前記記憶部は、
利用者を識別するための利用者IDを含む利用者情報と、
各利用者が属するグループを識別するためのグループIDを含むグループ情報と、
コンテンツデータと、当該コンテンツデータへのアクセスが可能なグループのグループIDであるアクセス可能グループIDとを含むコンテンツ情報と、
前記利用者が属するグループのグループIDである所属グループIDと、当該グループに属するように登録された利用者の利用者IDとを含むグループ登録者情報と、
を記憶し、
前記処理部は、
前記グループ登録者情報を参照し、前記コンテンツデータへのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者の所属グループIDを特定する所属グループ特定手段と、
前記コンテンツ情報を参照し、前記アクセス要求のあった前記コンテンツデータのアクセス可能グループIDを特定するアクセス可能グループ特定手段と、
前記所属グループ特定手段に特定された前記所属グループIDと、前記アクセス可能グループ特定手段に特定された前記アクセス可能グループIDとに基づいて、当該利用者が当該コンテンツデータへアクセス可能か否かを判定するアクセス可否判定手段と、
前記アクセス可否判定手段がアクセス可と判定した場合、当該コンテンツデータを前記利用者端末に送信するコンテンツデータ送信手段と、
前記アクセス可否判定手段がアクセス不可と判定した場合、前記アクセス可能グループIDのグループへの登録画面を前記利用者端末に送信し、当該利用者端末からグループ登録要求を受信し、当該利用者IDを当該グループIDに対応付けて前記グループ登録者情報に記憶するグループ登録手段と、
を備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記コンテンツ情報には、1のコンテンツデータに対して複数の前記アクセス可能グループIDを設定可能であり、
前記アクセス可否判定手段は、前記グループ登録者情報を参照して、前記コンテンツデータのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者IDが前記複数のアクセス可能グループIDのいずれかと対応している場合に、当該利用者が当該コンテンツデータにアクセス可能と判定する
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記コンテンツ情報は、1のコンテンツデータに対して複数のアクセス可能グループIDを設定する場合に、前記複数のアクセス可能グループIDと、各グループ間の論理的な関係を示す論理演算子との組合せからなる論理演算式を含み、
前記アクセス可否判定手段は、前記利用者の当該コンテンツデータへのアクセスの可否判定を、前記コンテンツ情報のうち、当該コンテンツデータに対応する前記論理演算式に従って行う
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
アクセスが許可されたコンテンツデータから、所定のコンテンツデータ表示形式に基づいて、前記利用者端末において表示可能なコンテンツ表示ファイルを生成するコンテンツ表示ファイル生成手段をさらに備え、
前記グループ情報は、当該グループに属する利用者のコンテンツデータを、他の利用者が管理するコンテンツデータと組み合わせて利用することを許可する場合に設定される、当該他の利用者が属するグループのグループIDをさらに含む
ことを特徴するコンテンツデータ管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記コンテンツデータは、テキストデータ、画像データ、動画データ、アプリケーションデータ、スタイルシート及びスクリプトを含む
ことを特徴するコンテンツデータ管理装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ情報は、当該グループに属する利用者のコンテンツデータを、他の利用者が管理するコンテンツデータと組み合わせて利用することを許可する場合に、前記他の利用者が属するグループが当該グループの親グループになることが可能なことを示す親グループ可フラグをさらに含み、
前記グループ情報のうち、前記親グループ可フラグが設定されている第1のレコードに対する子グループの第2のレコードに、親グループIDとして前記第1のレコードのグループIDを設定する子グループ設定手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ情報は、当該グループに所定の利用者が登録する際に必要な代価の点数と、有効期限又は支払期日とをさらに含み、
前記利用者情報は、当該利用者が所持する代価の点数をさらに含み、
当該利用者が前記グループに登録される際に、前記利用者情報において、当該利用者の所持する点数から前記グループの管理者の所持する点数に、前記必要な代価に相当する点数を移動させる代価移動手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ情報は、利用者の当該グループへの登録の際に必要な代価を、任意に指定された利用者又は任意に指定されたグループに属する利用者に分配する場合の、当該代価の数値、分配率又は上限値と下限値を含む代価情報をさらに含み、
利用者のグループ登録が行われた際に、当該グループの前記代価情報に基づいて、当該代価を分配する代価分配手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項9】
請求項8に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記任意に指定されたグループに属する利用者は、当該グループの親グループの管理者である
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項10】
請求項7又は請求項8に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ情報は、当該グループに属する利用者が、他の利用者に対して代価を伴うグループ登録の譲渡及びせり売りを含む取引が可能なことを示す取引可フラグをさらに備え、
前記利用者端末からの取引要求を受信した場合に、前記取引可フラグが設定されているときに、前記取引を行うグループ登録取引手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項11】
請求項8に記載のコンテンツデータ管理装置であって、
前記グループ登録要求のデータは、新たな登録者が支払う代価の口数を含み、
前記グループ情報は、登録者数の上限値及び前記代価の口数の上限値をさらに含み、
代価の分配の際には、グループの各登録者に対して、その時点における登録者数、登録者数の上限値又は口数によって按分されたものが分配される
ことを特徴とするコンテンツデータ管理装置。
【請求項12】
コンテンツデータの利用者が用いる利用者端末と通信可能であり、前記利用者端末がアクセスするコンテンツデータを管理するコンピュータで実行されるコンテンツデータ管理プログラムであって、
前記コンピュータは、
利用者を識別するための利用者IDを含む利用者情報と、
各利用者が属するグループを識別するためのグループIDを含むグループ情報と、
コンテンツデータと、当該コンテンツデータへのアクセスが可能なグループのグループIDであるアクセス可能グループIDとを含むコンテンツ情報と、
前記利用者が属するグループのグループIDである所属グループIDと、当該グループに属するように登録された利用者の利用者IDとを含むグループ登録者情報と、
を記憶し、
前記グループ登録者情報を参照し、前記コンテンツデータへのアクセス要求を送信した前記利用者端末の利用者の所属グループIDを特定する所属グループ特定ステップと、
前記コンテンツ情報を参照し、前記アクセス要求のあった前記コンテンツデータのアクセス可能グループIDを特定するアクセス可能グループ特定ステップと、
前記所属グループ特定ステップで特定された前記所属グループIDと、前記アクセス可能グループ特定ステップで特定された前記アクセス可能グループIDとに基づいて、当該利用者が当該コンテンツデータへアクセス可能か否かを判定するアクセス可否判定ステップと、
前記アクセス可否判定ステップでアクセス可と判定した場合、当該コンテンツデータを前記利用者端末に送信するコンテンツデータ送信ステップと、
前記アクセス可否判定ステップでアクセス不可と判定した場合、前記アクセス可能グループIDのグループへの登録画面を前記利用者端末に送信し、当該利用者端末からグループ登録要求を受信し、当該利用者IDを当該グループIDに対応付けて前記グループ登録者情報に記憶するグループ登録ステップと、
を含む
ことを特徴とするコンテンツデータ管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−73187(P2010−73187A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11220(P2009−11220)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(395007299)有限会社アール・シー・エス (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(395007299)有限会社アール・シー・エス (51)
【Fターム(参考)】
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