説明

コンテンツ再生装置、著作権管理装置、コンテンツ再生管理システム、プログラム、及び記録媒体

【課題】余計な対価を支払わずにユーザが望む再生品質でコンテンツを再生すること、並びに元のデータを変更することなく再生品質を変更してコンテンツを再生することが可能なコンテンツ再生装置を提供する。
【解決手段】コンテンツ再生装置1は、コンテンツを取得するコンテンツ取得手段40と、コンテンツを再生するコンテンツ再生手段13と、コンテンツのデジタル著作権管理情報(DRM情報)を取得するDRM取得手段30とを備える。コンテンツ再生手段13は、コンテンツ取得手段40で取得したコンテンツに対し、DRM取得手段30で取得したDRM情報を参照して、そのDRM情報が示す再生品質でコンテンツを再生する品質変更再生手段20を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置、著作権管理装置、コンテンツ再生管理システム、プログラム、及び記録媒体に関し、より詳細には、デジタル著作権管理(DRM:Digital Right Management)技術に基づきコンテンツを再生するコンテンツ再生装置、提供するコンテンツの著作権管理を行う著作権管理装置、それらコンテンツ再生装置及び著作権管理装置からなるコンテンツ再生管理システム、それら装置に組み込むためのプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク通信技術の進歩により、コンテンツを配信するに際し、デジタルデータとして配信されるようになっている。また、コンテンツの配信は、ダウンロードやストリーミングといったネットワーク経由のもの以外に、放送波による配信や各種記録媒体の配布によっても行われる。
【0003】
一方で、デジタルデータは複製(コピー)する際に劣化を伴わないことから、容易にそのまま複製可能である。従って、デジタルコンテンツの著作権を保護するための対策として、様々な複製(複写)制限技術が開発されている。複写制限技術をはじめとするコンテンツの流通や再生に制限を加える技術は、デジタルコンテンツの著作権を保護することを目的としたものであり、これらは総してDRM技術と呼ばれている。
【0004】
DRM技術は、特に、映像、音楽、電子書籍、ゲームなどといった高価値コンテンツを保護するために利用される。DRMによってコンテンツの再生を制限する方法としては、例えば、1回又は数回しか再生できなくする方法、所定の期日まで或いは所定の期間しか再生できないようにする方法などが挙げられる。
【0005】
また、特許文献1には、デジタルデータを使用する毎に僅少な自動劣化を意識的に作用させてディジタルデータコンテンツの利用を有限化する技術が開示されている。また、特許文献2には、使用する毎にデータの劣化が累積し、使用を繰り返すことでデジタルデータの使用が困難になる情報処理装置が開示されている。特許文献1及び2に記載の技術は、いずれもコンテンツを再生する度に元データにエラーを付加して書き換えていき、再生回数に応じてデジタルデータを劣化させるものである。
【特許文献1】特開2001−42863号公報
【特許文献2】特開2002−288932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のごとく従来技術においては、コンテンツの再生を制限する際、元データにノイズを載せてしまうため、ユーザが同じコンテンツを最高品質で再度視聴したい場合など、再生品質をより高い品質に戻すことができず、元データを再度取得し直す必要がある。
【0007】
また、従来のコンテンツ配信方法では、コンテンツを購入する際、購入したコンテンツをどのようなシステム環境や再生環境で再生する予定であっても、ユーザは同じ金額を支払わなければならない。
【0008】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、余計な対価を支払わずにユーザが望む再生品質でコンテンツを再生すること、並びに元のデータを変更することなく再生品質を変更してコンテンツを再生することが可能なコンテンツ再生装置、そのコンテンツ再生装置に提供するコンテンツの著作権管理を行う著作権管理装置、それらコンテンツ再生装置及び著作権管理装置からなるコンテンツ再生管理システム、それら装置に組み込むためのプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、コンテンツを再生する再生手段を備えたコンテンツ再生装置において、コンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、前記コンテンツに対する再生品質に係わる情報を含むDRM情報を取得する管理情報取得手段とを備え、前記再生手段は、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツに対し、前記管理情報取得手段で取得したDRM情報を参照して、該DRM情報が示す再生品質で前記コンテンツを再生する品質変更再生手段を有することを特徴としたものである。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記管理情報取得手段は、前記DRM情報として、コンテンツ個々に対するDRM情報である個別DRM情報を取得する個別取得手段を有し、該個別取得手段は、前記個別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す再生時消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、前記個別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有することを特徴としたものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記管理情報取得手段は、前記DRM情報として、複数個のコンテンツからなるコンテンツセットに対するDRM情報であるセット別DRM情報を取得するセット別取得手段を有し、該セット別取得手段は、前記セット別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツセット内の各コンテンツに対し、再生時に消費されるコンテンツ毎のポイントを示す再生時消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、前記セット別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツセット内の全コンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有することを特徴としたものである。
【0012】
第4の技術手段は、第1の技術手段において、前記管理情報取得手段は、前記DRM情報として、他のコンテンツと関連付け可能なコンテンツ個々に対するDRM情報であるグループ別DRM情報を取得するグループ別取得手段を有し、該グループ別取得手段は、前記グループ別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す再生時消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、前記グループ別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツと関連づけられた同じグループ内の全コンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有することを特徴としたものである。
【0013】
第5の技術手段は、第1の技術手段において、前記管理情報取得手段は、前記DRM情報の一つとして、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す再生時消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、前記DRM情報の一つとして、全てのコンテンツに共通に使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有することを特徴としたものである。
【0014】
第6の技術手段は、第2乃至第5のいずれかの技術手段において、前記再生時消費ポイントは、再生品質に応じて段階的に設定されていることを特徴としたものである。
【0015】
第7の技術手段は、第2乃至第6のいずれかの技術手段において、前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントと前記再生時消費ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段を有することを特徴としたものである。
【0016】
第8の技術手段は、第2乃至第6のいずれかの技術手段において、前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントのうち、使用するユーザポイントをユーザに入力させる使用ポイント入力手段と、該使用ポイント入力手段で入力された使用ユーザポイントと前記再生時消費ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有することを特徴としたものである。
【0017】
第9の技術手段は、第2乃至第6のいずれかの技術手段において、前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対して、再生品質をユーザに選択入力させる品質選択手段と、該品質選択手段で選択された再生品質と現在保持しているユーザポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有することを特徴としたものである。
【0018】
第10の技術手段は、第2の技術手段において、前記個別取得手段は、前記個別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示す最高品質ポイントの情報を取得する最高品質ポイント取得手段をさらに有することを特徴としたものである。
【0019】
第11の技術手段は、第3の技術手段において、前記セット別取得手段は、前記セット別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツセット内の各コンテンツに対し最高品質で再生するためのコンテンツ毎のポイントを示す最高品質ポイントの情報を取得する最高品質ポイント取得手段をさらに有することを特徴としたものである。
【0020】
第12の技術手段は、第4の技術手段において、前記グループ別取得手段は、前記グループ別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示す最高品質ポイントの情報を取得する最高品質ポイント取得手段をさらに有することを特徴としたものである。
【0021】
第13の技術手段は、第5の技術手段において、前記管理情報取得手段は、前記DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示す最高品質ポイントの情報を取得する最高品質ポイント取得手段をさらに有することを特徴としたものである。
【0022】
第14の技術手段は、第10乃至第13のいずれかの技術手段において、前記再生時消費ポイントは、固定されたポイントとして、若しくは前記最高品質ポイントによって可変するポイントとして設定されることを特徴としたものである。
【0023】
第15の技術手段は、第10乃至第14のいずれかの技術手段において、前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントと前記再生時消費ポイントと前記最高品質ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段を有することを特徴としたものである。
【0024】
第16の技術手段は、第10乃至第14のいずれかの技術手段において、前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントのうち、使用するユーザポイントをユーザに入力させる使用ポイント入力手段と、該使用ポイント入力手段で入力された使用ユーザポイントと前記再生時消費ポイントと前記最高品質ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有することを特徴としたものである。
【0025】
第17の技術手段は、第10乃至第14のいずれかの技術手段において、前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対して、再生品質をユーザに選択入力させる品質選択手段と、該品質選択手段で選択された再生品質と現在保持しているユーザポイントと前記最高品質ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有することを特徴としたものである。
【0026】
第18の技術手段は、第7乃至第9、第15乃至第17のいずれかの技術手段において、前記品質決定手段は、該当する再生品質が無かった場合、再生を許可しない決定を行うことを特徴としたものである。
【0027】
第19の技術手段は、第2乃至第18のいずれかの技術手段において、前記再生時消費ポイントとして、再生時にも前記ユーザポイントが消費されない0ポイントの設定を可能とすることを特徴としたものである。
【0028】
第20の技術手段は、第2乃至第19のいずれかの技術手段において、前記再生時消費ポイントとして、再生時に前記ユーザポイントが加算されるマイナスポイントの設定を可能とすることを特徴としたものである。
【0029】
第21の技術手段は、第2乃至第20のいずれかの技術手段において、前記ユーザポイント取得手段は、当該コンテンツ再生装置にネットワークを介して接続された、前記DRM情報を提供する著作権管理装置から、ネットワークを介して前記ユーザポイントを購入する手段であることを特徴としたものである。
【0030】
第22の技術手段は、第1乃至第20のいずれかの技術手段において、前記管理情報取得手段は、当該コンテンツ再生装置にネットワークを介して接続された、前記DRM情報を提供する著作権管理装置から、ネットワークを介して前記DRM情報を取得する手段であることを特徴としたものである。
【0031】
第23の技術手段は、第1乃至第22のいずれかの技術手段において、前記コンテンツ取得手段でコンテンツを取得する際には、前記DRM情報の少なくとも一部が前記管理情報取得手段で強制的に同時に取得され、前記DRM情報の前記一部には、前記コンテンツに対する再生制限情報及び/又は複製制限情報が含まれることを特徴としたものである。
【0032】
第24の技術手段は、第1乃至第22のいずれかの技術手段において、前記コンテンツ取得手段で取得するコンテンツは、前記DRM情報によって解除可能な再生制限及び/又は複製制限が施されていることを特徴としたものである。
【0033】
第25の技術手段は、第1乃至第24のいずれかの技術手段において、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを複製するコンテンツ複製手段を備え、該コンテンツ複製手段は、前記品質変更再生手段での再生品質でコンテンツの複製を行う品質制限手段を有することを特徴としたものである。
【0034】
第26の技術手段は、第25の技術手段において、前記コンテンツ複製手段は、複製対象のコンテンツに対し、再生制限情報及び/又は複製制限情報を付加する制限情報付加手段を有することを特徴としたものである。
【0035】
第27の技術手段は、第1乃至第26のいずれかの技術手段において、前記品質変更再生手段は、前記コンテンツを再生するに際し、再生レートを変更した再生、所定の周波数帯域をカットしながらの再生、エラーを付加した再生、のいずれかによって再生時の品質変更を実行することを特徴としたものである。
【0036】
第28の技術手段は、第1乃至第27のいずれかの技術手段におけるコンテンツ再生装置に対して提供するための前記DRM情報を格納する管理情報格納手段と、前記コンテンツ再生装置に対し、ネットワークを介して前記管理情報格納手段で格納された前記DRM情報を提供する管理情報提供手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0037】
第29の技術手段は、第28の技術手段において、前記DRM情報に関連するコンテンツを、ネットワークを介して前記コンテンツ再生装置に提供するコンテンツ提供手段を備えたことを特徴としたものである。
【0038】
第30の技術手段は、第1乃至第27のいずれかの技術手段におけるコンテンツ再生装置と、第28又は第29の技術手段における著作権管理装置とを備えたコンテンツ再生管理システムである。
【0039】
第31の技術手段は、第1乃至第27のいずれかの技術手段におけるコンテンツ再生装置に組み込み、該コンテンツ再生装置の演算処理装置を、各手段として機能させるためのプログラムである。
【0040】
第32の技術手段は、第28又は第29の技術手段における著作権管理装置に組み込み、該著作権管理装置の演算処理装置を、各手段として機能させるためのプログラムである。
【0041】
第33の技術手段は、第31又は第32の技術手段におけるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、余計な対価を支払わずにユーザが望む再生品質でコンテンツを再生すること、並びに元のデータを変更することなく再生品質を変更してコンテンツを再生することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生管理システムの一構成例を示す図で、図中、1は上記コンテンツ再生装置、2はコンテンツ配信装置、3はライセンス発行装置、4はネットワーク、11は通信手段、12は制御手段、13は上記再生手段(以下、コンテンツ再生手段)、14は表示手段、15はDRM管理手段、16はコンテンツ蓄積手段、20は上記品質変更再生手段、30は上記管理情報取得手段(以下、DRM取得手段)、40は上記コンテンツ取得手段である。
【0044】
本発明に係るコンテンツ再生装置1は、コンテンツを取得するコンテンツ取得手段40を備える。コンテンツ取得手段40は、通信手段11によりインターネット等のネットワーク4経由でコンテンツ配信装置2にアクセスし、コンテンツをダウンロード(所謂ストリーミングも含む)によって取得する。
【0045】
コンテンツ配信装置2は、コンテンツサーバで例示でき、コンテンツ再生装置1からの要求によりコンテンツ配信装置2にMPEG形式やJPEG形式などで格納されているコンテンツの一覧情報をサムネイルやタイトルの形式で送信し、その一覧に含まれるコンテンツの中から、クライアントとなるコンテンツ再生装置1において選択されたコンテンツをそのコンテンツ再生装置1に送信する手段とを備えるとよい。
【0046】
一方、コンテンツ再生装置1は、コンテンツ取得手段40として、コンテンツ配信装置2にコンテンツの一覧情報の送信要求を行う手段と、コンテンツ配信装置2上のコンテンツの一覧を受け取り一覧表示を行い、その一覧表示されたコンテンツの中から1又は複数のコンテンツを選択する手段と、選択したコンテンツ又はコンテンツ群を取得する手段と、取得したコンテンツをストリーミングであれば一時的に、また純粋たるダウンロードであればユーザの指示により削除するまで蓄積する手段とを備えるとよい。
【0047】
この蓄積する手段として、図1では、コンテンツ取得手段40はコンテンツ蓄積手段16に含まれるように例示している。コンテンツ蓄積手段16は、コンテンツ取得手段40で取得したコンテンツを、コンテンツ再生手段13で読み出し可能に蓄積する。なお、後述の制御手段12の一部として、コンテンツ取得手段40を備え、ネットワーク4を介して配信されたコンテンツを取得するようにしてもよい。
【0048】
また、コンテンツ取得手段40は、配布されたコンテンツ入りの各種記録媒体や購入したコンテンツ入りの各種記録媒体を、コンテンツ再生装置1に挿着して読み出すか、或いは読み出してコンテンツ再生装置1内に取り込むこともできる。このように、本発明においてコンテンツは、コンテンツ配信装置2からの配信に留まらず、店舗などからCDやDVD等の記録媒体で配布や購入したものにも対応しておくとよい。上述のごとく、本発明においてはコンテンツ自体の配信方法は基本的に問わず、いずれかの格納場所に記憶されているコンテンツをコンテンツ取得手段40により取得できればよい。
【0049】
また、本発明に係るコンテンツ再生装置1は、コンテンツ取得手段40で取得したコンテンツを、スピーカ及び/又は表示手段14で再生するコンテンツ再生手段13を備えた装置であり、ハードディスクレコーダ,DVDレコーダ,ハードディスク内蔵DVDレコーダ,ビデオレコーダ,DVDプレーヤ,CDプレーヤ,携帯型の音楽プレーヤ,携帯型の動画プレーヤ,電子ブック再生装置,携帯電話など様々なコンテンツ再生機器に好適に適用できる。さらに、コンテンツ再生装置1は、液晶テレビ等のテレビジョン受像機や、コンテンツ再生プログラム,ビデオカード(ビデオアダプタともいう),サウンドボード等のモジュールを内蔵し、表示モニタ及びスピーカを備えたパーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)などにも適用可能である。さらに、コンテンツ再生手段13は、本発明の主たる特徴として、後述する品質変更再生手段20を有する。
【0050】
本発明に係るコンテンツ再生装置1は、さらに、コンテンツのデジタル著作権管理情報(DRM情報)を取得するDRM取得手段30を備える。ここで、DRM情報には再生品質に係わる情報が含まれるものとする。DRM取得手段30は、コンテンツ再生装置1にネットワーク4を介して接続された、DRM情報を提供する著作権管理装置から、ネットワーク4を介してDRM情報を取得する手段であることが好ましい。図1では、このような著作権管理装置をライセンス発行装置3として例示している。
【0051】
ライセンス発行装置3は、ライセンスサーバで例示でき、クライアントとなるコンテンツ再生装置1に対して提供するためのDRM情報を格納する管理情報格納手段と、コンテンツ再生装置1により購入選択されたDRM情報(無料のコンテンツに対するDRM情報も含む)を必要に応じて電子決済するなどした後、そのコンテンツ再生装置1に送信することで、DRM情報を提供する手段を備えるものとする。ここでライセンス発行装置3はコンテンツ再生装置での選択用に、コンテンツ情報一覧情報を送信する手段を有することもある。
【0052】
なお、後述するユーザポイントなどのDRM情報の一部はコンテンツ再生装置1側で管理するようにしてもよいし、ユーザポイントのユーザ別管理も管理情報格納手段で行うようにしてもよい。さらに、ライセンス発行装置3(又はコンテンツ配信装置2)に対し、どのコンテンツをどれだけ視聴したかといった情報をコンテンツ再生装置1側からフィードバックさせることで、その視聴履歴の管理、並びにそれに基づくCMの企業への対価請求処理も可能となる。勿論、このようなフィードバックを行わなくても、例えばCM料を一括或いは個々に規定しておき、コンテンツ配信及びライセンス発行側が全コンテンツの差し引きにより精算すれば済む。
【0053】
一方、コンテンツ再生装置1は、DRM取得手段30として、ライセンス発行装置3にDRM情報の送信要求を行う手段と、選択したDRM情報を取得して蓄積・管理する手段とを備えるとよい。ここでコンテンツ再生装置1はライセンス発行装置にDRM一覧の送信を要求する手段と、一覧の中から選択したDRMの送信要求を行う手段を有することもある。
【0054】
この管理する手段として、図1では、DRM取得手段30はDRM管理手段15に含まれるように例示している。DRM管理手段15は、コンテンツのDRM情報をDRM取得手段30で取得し、取得したDRM情報を蓄積して後述のごときポイントの加減を行うなどの管理を行う。なお、制御手段12の一部として、DRM取得手段30を備え、取得したコンテンツに対し、ネットワーク4を介して発行されたライセンスを取得するようにしてもよい。
【0055】
また、DRM情報の一部をコンテンツと共に記録媒体で取得し、残りのDRM情報を、著作権管理装置から取得するようにするなど、様々な形態が採用できる。また、コンテンツを、ネットワーク4経由で取得するだけでなく、販売店で記録媒体として購入し、PCにその記録媒体を装着して再生するか、或いは装着後PCに取り込んで取り込んだコンテンツを再生するか、といった場合にも、再生対象のコンテンツに対するライセンスだけをネットワーク4経由で購入することが可能であり、本発明に係るDRM技術は適用可能である。このように、本発明に係るコンテンツ再生装置1としては、有料コンテンツを再生でき且つネットワーク経由などでコンテンツ又はコンテンツ及びそのライセンスを購入などにより取得できるような様々な装置が適用できる。また、コンテンツ及びそのライセンスの取得は一組として同時になされるようにしてもよい。
【0056】
また、コンテンツ配信装置2で例示したように、上述の著作権管理装置に、DRM情報に関連するコンテンツを、ネットワークを介してコンテンツ再生装置1に提供するコンテンツ提供手段を備えるように構成しておくことが好ましい。従って、コンテンツ配信装置2とライセンス発行装置3とは、物理的に同じ装置であってもよい。そして、図1で全体像として図示したコンテンツ再生管理システムは、コンテンツ再生装置1と著作権管理装置とを備えたシステムであり、本発明はこのシステムとしての形態も採り得る。
【0057】
本発明の主たる特徴として、コンテンツ再生手段13は、品質変更再生手段20を有する。品質変更再生手段20は、コンテンツ取得手段40で取得したコンテンツに対し、DRM取得手段30で取得したDRM情報を参照して、そのDRM情報が示す再生品質でコンテンツを再生する。品質変更再生手段20は、本発明のシステムで取り扱われるコンテンツを判別し、そのコンテンツを再生する際にはDRM情報に基づく再生品質で再生するような専用のプログラムとして、コンテンツ再生装置1に実行可能に組み込んでもよい。なお、品質変更再生手段20は、既存のコンテンツ再生手段13に対し、内部に付加する形態や、後述の表示手段14及び図示しない音声出力手段との間に付加する形態などで組み込んでもよい。
【0058】
本発明では、ユーザはあくまで最高品質のコンテンツをダウンロードやストリーミングや記録媒体などによって取得するものとする。換言すると、本発明の品質変更再生処理の元データになるコンテンツを最高品質と定義し、この再生処理によっても当然それより高い品質での再生処理は不可能であってそれ以下の品質の間で品質変更がなされる。
【0059】
品質変更再生手段20は、コンテンツを再生するに際し、再生レートを変更した再生、所定の周波数帯域をカットしながらの再生、エラーを付加した再生、のいずれかによって再生時の品質変更を実行することが好ましい。このように、再生品質の変更は、ノイズを元データに載せて再生するようにしてもよく、その場合、元データをそのままにして再生時にノイズを被せて再生するとよい。或る周波数領域以外の周波数帯はカットするといったローパス及び/又はハイパスのフィルタを利用して、再生品質を変更してもよい。
【0060】
なお、図1で例示するコンテンツ再生装置1は、品質変更再生手段20を有するコンテンツ再生手段13、DRM取得手段30を有するDRM管理手段15、及びコンテンツ取得手段40を有するコンテンツ蓄積手段16に加えて、表示手段14、通信手段11、及びそれらを制御する制御手段12を備えている。
【0061】
表示手段14は、コンテンツ再生手段13で再生したコンテンツを表示する液晶パネルやプラズマディスプレイなどの各種表示装置が適用できる。通信手段11としては、上述のごとくコンテンツ配信装置2に接続するための、またネットワーク4経由でライセンス発行装置3に接続するための、ネットワークボードなどの各種ネットワーク通信機器が適用できる。
【0062】
以上、本発明によれば、取得したDRM情報に基づく再生品質の変更が可能となっており、余計な対価を支払うことなくコンテンツをユーザが望む再生品質で再生すること、並びにコンテンツを元のデータを変更することなく再生品質を変更して再生することが可能となる。
【0063】
実際、コンテンツは基本的に2種類に分類できる。一方は、コンテンツ提供者がユーザに販売したいコンテンツであり、他方は、コンテンツ提供者が逆に対価を支払ってでも視聴してもらいたいコマーシャルメッセージ(CM)等の広告コンテンツで代表されるコンテンツである。そして、従来の技術では、広告コンテンツと有料コンテンツ(その広告を視聴することにより無料となるコンテンツも含む)とは一連のコンテンツとして提供することしかできなかったし、また、広告コンテンツの視聴により通常コンテンツの再生品質を動的に変更することもできなかった。
【0064】
本発明では、DRM情報に基づく再生品質の変更が可能となるため、再生品質に応じた権利を購入することができる。この権利は、DRM情報に含まれ、品質が低い方が安いものとなり、また、好ましくはポイント制とするとよい。そして、この権利(DRM情報)を取得したコンテンツ再生装置1側は、ユーザが購入したDRM情報に記載された再生品質でのみ再生するように制御できる。従来は、コンテンツを購入する際、購入したコンテンツをどのようなシステム環境や再生環境で再生する予定であっても、ユーザは同じ金額を支払わないといけなかったが、ユーザが、視聴したい品質がある場合や環境上その品質でしか上手く視聴できない場合など、必要な再生品質に応じた金額を支払うことが可能となる。
【0065】
対価は、消費によって減るだけでなく増やすこともできる上に、コンテンツ同士の対価の違いにも対応できる。しかし、ポイント制にすることで、ポイントを購入するだけでなく、CM等の視聴によりポイントを与えることもできる。CM視聴によって金銭をユーザへ渡すといったことは、有料コンテンツを視聴してもらえなくなる可能性があり、採算が合わなくなるので、ポイント制は有効となる。
【0066】
また、再生回数により品質を低下させるのではなく、ポイント制として、且つ元データは変更せずDRMによって再生品質を制御することにより、再生品質を劣化させるのみならず、ダウンロードしたコンテンツの品質までは高くすることも可能となる。さらに、ユーザがコンテンツを視聴するとポイントが減り、そのポイントに応じて再生品質を制御するといったことや、ポイントのみCMを見ることで増やして有料コンテンツをより高い品質で視聴するといったことも可能となる。さらに、グループ化されたCMコンテンツを視聴することによりポイントが増加し、それに応じて再生品質を制御する(広告を見れば高品質で見られるようになる)。
【0067】
また、コンテンツ取得手段40でコンテンツを取得する際には、DRM情報の少なくとも一部がDRM取得手段30で強制的に同時に取得されるようにしてもよい。ここでDRM情報の一部とは、そのコンテンツに対する再生制限情報及び/又は複製制限情報が含まれるものとする。また、代替の実施形態として、コンテンツ取得手段40で取得するコンテンツは、DRM情報によって解除可能な再生制限及び/又は複製制限が施されているようにしてもよい。これらの形態によって、コンテンツの再生制限や複製制限が可能となる。以下、図2乃至図12の例では、このような制限及びその解除について基本的に説明しないが、適時実行されているものとする。
【0068】
以下、図2乃至図12を参照し、上述のごとき様々なポイント制を導入したDRM情報をネットワーク4経由でライセンス発行装置3から取得すると共に、コンテンツ自身もネットワーク4経由でコンテンツ配信装置2から取得するものとして、本発明のDRM情報に基づく品質変更再生処理の各例を詳細に説明する。
【0069】
図2は、図1のシステムにおけるDRM管理手段の一構成例を説明するための図、図3は、図2のDRM管理手段における個別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図、図4は、図2のDRM管理手段におけるセット別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図、図5は、図2のDRM管理手段におけるグループ別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【0070】
まず、図2及び図3を参照して、コンテンツ単体での再生ライセンス及びそれに基づく再生処理について説明する。以下、この再生ライセンスを単体型ライセンスAと呼ぶ。
【0071】
この例でのDRM取得手段30は、DRM情報として、コンテンツ個々に対するDRM情報である個別DRM情報を取得する個別取得手段31を有するものとする。個別DRM情報としては、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す再生時消費ポイントの情報と、その所定のコンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報とが挙げられる。これらの情報を取得するために、個別取得手段31は、再生時消費ポイント(以下、単に消費ポイントという)の情報を取得する消費ポイント取得手段と、ユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有する。そして、コンテンツをユーザが視聴すると[コンテンツ視聴後のユーザポイント]=[視聴前のユーザポイント]−[消費ポイント]となる。従って、ユーザポイントさえ多く持っていれば、ユーザは有料コンテンツを高い品質で視聴することが可能となる。なお、消費ポイントは、その正負を逆に定義してもよい。
【0072】
ここでの応用形態として、消費ポイント取得手段での取得と、ユーザポイント取得手段での取得は、別個に実行されてもよいし、同時になされてもよい。なお、ここで実行されるユーザポイントの取得は、実際にはライセンス発行装置3からの購入処理に該当する。また、消費ポイントは、再生品質に応じて段階的に設定されていることが好ましく、再生時にもユーザポイントが消費されない0ポイント(永久的なコンテンツ再生権のポイントとなる)の設定や、再生時にユーザポイントが加算されるマイナスポイント(広告コンテンツに主として付される)の設定を可能とすることが好ましい。また、初期ポイントとしてDRM情報にユーザポイントを含ませる形態を採用しても、ユーザポイントはDRM情報の一部又は全部として単独にやり取りされるような形態を採用してもよい。また、これらの応用形態は、図2乃至図12で説明する全てのポイント制に適用できる。
【0073】
単体型ライセンスAでは、ユーザが必要とする再生品質に応じてユーザポイントを購入することができる。図2の例では、コンテンツIに対する個別DRM情報31aとして、消費ポイントが、高品質+100pt、中品質+70pt、低品質+50ptと段階的に設定され、且つ、ユーザポイントが初期ポイントとして100pt提供されている。ここで提供される初期ポイント100pt及び追加で提供される追加ポイントの提供は、例えば10pt当たり100円などでユーザに購入させることで実行すればよい。
【0074】
一方で、単体型ライセンスAでは、コンテンツが宣伝コンテンツであるならば、それを視聴することにより、ユーザポイントを貯めることができる。図2の例では、コンテンツIIに対する個別DRM情報31bとして、消費ポイントが−100ptと設定され、且つ、ユーザポイントが初期ポイントとして0pt提供されている。この消費ポイント−100ptは、基本的にこのコンテンツIIでしか使用できないものである。従って、単体型ライセンスAではマイナスポイントは使用されることは少ないが、少なくともこのコンテンツ再生管理システム以外の他のポイントとして使用できる他、このコンテンツ再生管理システムにおけるサービスポイントなどの他の用途のポイントとしても使用できる。
【0075】
単体型ライセンスA及びそのライセンスの対象となるコンテンツの取得処理を、コンテンツIの取得を例に挙げて説明する。まず、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツIのダウンロード(DL)要求を発する(ステップS1)。なお、ステップS1に先立ち、コンテンツ再生装置1においてコンテンツ配信装置よりコンテンツの一覧を受信し、その一覧の表示がなされるなどの処理が実行されているものとする。ステップS1の後、コンテンツIに対する消費ポイント(ここでは高品質+100pt、中品質+70pt、低品質+50pt)の通知を、コンテンツ配信装置2がコンテンツ再生装置1に対して行う(ステップS2)。ここで、コンテンツ配信装置2は、実際、この通知をライセンス発行装置3で管理された個別DRM情報を参照することで行う。
【0076】
この通知を受け取ったコンテンツ再生装置1は、例えば、高品質再生1回分(低品質再生2回分)のユーザポイント100ptを購入するのかといった、ユーザの入力(各品質の消費ポイントを1又は複数回選ぶことによる選択入力でもよい)を受け付け、受け付けたユーザポイントの購入要求を、ライセンス発行装置3に対して発する(ステップS3)。ここで、購入可能なユーザポイントの初期値の最小値を50ptとしておくことで、最低の品質での再生、及びその品質分の対価の支払いが可能となる。ステップS3に続き、ライセンス発行装置3は、要求の有ったコンテンツIに対するユーザポイント(ここでは初期値100pt)をコンテンツ再生装置1へ送信する(ステップS4)。
【0077】
ライセンス発行装置3は、ステップS4の時点で、最高品質のコンテンツI自身を、コンテンツ配信装置2からコンテンツ再生装置1側へ送信することを許可すればよいが、初期値として例えば50ptなど、最高品質の再生には足りないユーザポイントの購入に対しても、今後のユーザポイント購入を鑑みて、同じ最高品質のコンテンツIの送信を許可する(ステップS5)。送信許可を得たコンテンツ配信装置2は、そのコンテンツ再生装置1へコンテンツIを配信する(ステップS6)。ステップS6では、例えば、ステップS1のDL要求をこの時点で許可するようにして、DLを開始して完了すればよい。なお、ここでの送信許可は、基本的に、ネットワーク4及びコンテンツ配信装置2への負荷を少なくするため、すなわち余計なDLを実行させないために実行される。
【0078】
コンテンツI及びそれに対するユーザポイント100ptを受け取ったコンテンツ再生装置1では、例えば、ユーザが中品質での再生を希望した場合、そのユーザ選択によって、保持しているユーザポイントのうち70ptを消費して、中品質での再生を実行する(ステップS7)。その後、もしユーザが低品質でのコンテンツIの再生を希望した場合、ユーザポイントの残りは30ptであるので、20ptの追加購入要求をライセンス発行装置3へ送信し(ステップS8)、20ptのユーザポイントを取得して(ステップS9)、保持しているユーザポイントを合計50ptとする。そして、ユーザがコンテンツIの再生操作を行うと、低品質の再生分しかユーザポイントが存在しないため、自動的に低品質での再生が実行され、残りのユーザポイントは0ptとなる(ステップS10)。
【0079】
なお、ストリーミングの場合には、ステップS6とステップS7とが同時に処理されることとなるが、次回の再生も鑑みて、バッファリングだけでなくユーザの消去指示が無い限りハードディスク内に最高品質のコンテンツIをDLして保存しておくとよい。一度DLしたコンテンツIに対するステップS10での再生を行う際には、当然DLは必要ない。このようなストリーミングに対する処理は、図2乃至図12で説明するいずれの実施形態にも対応可能である。
【0080】
ステップS7,S10で例示したように、品質変更再生手段20は、再生対象のコンテンツに対し、ユーザポイント取得手段で取得したユーザポイントも含め現在保持しているユーザポイントと消費ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段を有することが好ましい。
【0081】
また、実際の消費ポイントは、例えばコンテンツIを高品質で2/5だけ視聴すると、2/5×100pt=40ptだけ消費されるなど、コンテンツの全体の再生時間と実際の再生時間との関係から算出するようにしてもよい。その代替案として、コンテンツIを高品質で2/5だけ視聴した場合であっても、高品質での再生操作をユーザが実行した時点で、全100ptが消費され、その後、もう一度コンテンツIを視聴使用とした場合、残りの3/5(或いは残りの3/5+その前の5′分)のみ再生できるといった制限を加えてもよい。
【0082】
また、ステップS7で例示したように、品質変更再生手段20は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントのうち、使用するユーザポイントをユーザに入力させる使用ポイント入力手段と、使用ポイント入力手段で入力された使用ユーザポイントと消費ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有するようにしてもよい。
【0083】
ステップS10で例示したように、品質変更再生手段20は、再生対象のコンテンツに対して、再生品質をユーザに選択入力させる品質選択手段と、品質選択手段で選択された再生品質と現在保持しているユーザポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有するようにしてもよい。
【0084】
また、上述したいずれの品質決定手段であっても、該当する再生品質が無かった場合、再生を許可しない決定を行うようにしておくとよい。さらに、これらの各形態における品質変更再生手段20は、図2乃至図12の各実施形態に対して、全てに適用できる。
【0085】
図2及び図4を参照して、複数個のコンテンツからなるコンテンツセットの再生ライセンス及びそれに基づく再生処理について説明する。以下、この再生ライセンスをパッケージング型ライセンスAと呼ぶ。パッケージング型ライセンスAでは、ファイルとして1つに固まっているライセンス(及びコンテンツ)をダウンロードすることになる。
【0086】
この例でのDRM取得手段30は、DRM情報として、複数個のコンテンツからなるコンテンツセットに対するDRM情報であるセット別DRM情報を取得するセット別取得手段32を有する。このコンテンツセットは、パッケージングにより提供されることから、上述のごとくパッケージング型と呼んでいる。セット別DRM情報としては、所定のコンテンツセット内の各コンテンツに対し、再生時に消費されるコンテンツ毎のポイントを示す消費ポイントの情報と、その所定のコンテンツセット内の全コンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報とが挙げられる。これらの情報を取得するために、セット別取得手段32は、消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、ユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有する。そして、コンテンツをユーザが視聴すると[コンテンツ視聴後のユーザポイント]=[視聴前のユーザポイント]−[消費ポイント]となる。従って、そのコンテンツセットに対するユーザポイントさえ保持していれば、ユーザは品質の高い有料コンテンツも視聴できる。
【0087】
パッケージング型ライセンスAでは、ユーザが必要とする再生品質に応じてそのパッケージ(セット)用のユーザポイントを購入することができ、コンテンツが宣伝コンテンツであるならば、それを視聴することにより、ユーザポイントを貯めることができる。図2の例では、コンテンツセットaに対するセット別DRM情報32aとして、コンテンツIIIに対し、高品質+100pt、中品質+70pt、低品質+50ptと段階的に設定された消費ポイントと、コンテンツIVに対し、−100ptと設定された消費ポイントと、コンテンツセットa(32a)用、すなわちコンテンツIII,IV・・・用のユーザポイントが初期ポイントとして0pt提供されている。この消費ポイント−100ptは、基本的にこのコンテンツセットa内のコンテンツでしか使用できないものである。しかしながら、少なくともこのコンテンツ再生管理システム以外の他のポイントとして使用できる他、このコンテンツ再生管理システムにおけるサービスポイントなどの他の用途のポイントとしても使用できる。また、ここで提供される初期ポイント(ここでは0pt)及び追加で提供される追加ポイントは、例えば10pt当たり100円などでユーザに購入させることで実行すればよい。
【0088】
パッケージングの例としては、例えば、人気の低いアーティストのコンテンツIVを1又は複数回視聴すると、人気の高いアーティストのコンテンツIIIを高品質で1回視聴できるようなパッケージングを行っておき、コンテンツ再生装置1でそのDRM情報に基づく再生品質の管理を実行してもよい。このように、元データを変化させずDRMによってその再生品質をコントロールするだけでなく、広告コンテンツと通常の有料コンテンツをパッケージングして配信することにより、広告コンテンツの視聴による通常コンテンツの再生品質の制御が可能となる。
【0089】
パッケージング型ライセンスA及びそのライセンスの対象となるコンテンツ(ここではコンテンツIII,IVとする)の取得処理を、コンテンツセットaの取得(実際にユーザはコンテンツIIIの取得を目指す)を例に挙げて説明する。
【0090】
まず、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツセットaのDL要求を発する(ステップS21)。なお、ステップS21に先立ち、コンテンツ再生装置1においてコンテンツ配信装置2よりコンテンツの一覧を受信し、その一覧の表示がなされるなどの処理が実行されているものとする。ステップS21の後、コンテンツセットaに対する消費ポイント(ここではコンテンツIIIに対する高品質+100pt、中品質+70pt、低品質+50pt、コンテンツIVに対する−100pt)の通知を、コンテンツ配信装置2がコンテンツ再生装置1に対して行う(ステップS22)。ここで、コンテンツ配信装置2は、実際、この通知をライセンス発行装置3で管理されたセット別DRM情報を参照することで行う。
【0091】
この通知を受け取ったコンテンツ再生装置1は、例えば、コンテンツIVを再生することを前提としてユーザポイントを0ptだけ購入(すなわち何も購入しない)か、コンテンツIIIの高品質再生1回分(低品質再生2回分)のユーザポイント100ptを購入するのかといった、ユーザの入力(有料のコンテンツIIIに対する品質の消費ポイントを1又は複数回選ぶことによる選択入力でもよい)を受け付け、受け付けたユーザポイントの購入要求を、ライセンス発行装置3に対して発する(ステップS23)。ここで、購入可能なユーザポイントの初期値の最小値は、コンテンツIVの−100ptを鑑みて、0ptとしておくことで、ユーザが望む品質での再生、及びその品質分の対価の支払いが可能となる。ステップS23に続き、ライセンス発行装置3は、要求の有ったコンテンツセットaに対するユーザポイント(ここでは初期値0pt)をコンテンツ再生装置1へ送信する(ステップS24)。
【0092】
ライセンス発行装置3は、ステップS24の時点で、最高品質のコンテンツIII,IV自身を、コンテンツ配信装置2からコンテンツ再生装置1側へ送信することを許可すればよい。なお、現時点でコンテンツIIIの最高品質の再生には足りないユーザポイントの購入に対しても、今後のユーザポイント購入やコンテンツIVの再生による消費ポイントの増加を鑑みて、同じ最高品質のコンテンツIIIの送信を許可する(ステップS25)。送信許可を得たコンテンツ配信装置2は、そのコンテンツ再生装置1へコンテンツセットaを配信する(ステップS26)。ステップS26では、例えば、ステップS21のDL要求をこの時点で許可するようにして、DLを開始して完了すればよい。
【0093】
コンテンツセットa及びそれに対するユーザポイント0ptを受け取ったコンテンツ再生装置1では、例えば、ユーザがコンテンツIIIの高品質での視聴を希望した場合、ユーザポイントは0ptであるため再生できない。しかしながら、コンテンツ再生装置1では、最初にマイナスポイントを持つコンテンツIVを選択することで、高品質でコンテンツIVの再生を実行し、保持しているユーザポイントのうち−100ptを消費、すなわち100ptを加算する(ステップS27)。但し、コンテンツ再生装置1のスペック上、高品質での再生が不可能な場合には、中品質での再生を実行するなどすればよい。
【0094】
ここで、コンテンツIIIの或る品質での視聴をユーザが選択した場合、或いはコンテンツIII,IVの双方のコンテンツをユーザが選択した場合、まずその品質での再生に必要なユーザポイントを貯めるために、消費ポイントがマイナスポイントのコンテンツ(ここではコンテンツIV)を自動的に再生(一度でも足りない場合には複数回連続)するように制御してもよい。なお、マイナスポイントのコンテンツの再生が一回終了する度に、その一回再生分に対応した有料コンテンツの再生時間だけ再生されるようにしてもよい。
【0095】
ステップS27の後、ユーザが低品質でのコンテンツIIIの再生を2回(又は高品質1回)希望した場合、ユーザポイントの残りは100ptであるので、コンテンツIIIの低品質での再生が2回(又は高品質再生1回)なされ、残りのユーザポイントが0ptとなる(ステップS28)。その後、ユーザが低品質でのコンテンツIIIの再生を希望した場合、ユーザポイントの残りは0ptであるので、50ptの追加購入要求をライセンス発行装置3へ送信し(ステップS29)、50ptのユーザポイントを取得して(ステップS30)、保持しているユーザポイントを合計50ptとする。そして、ユーザがコンテンツIIIの再生操作を行うと、低品質の再生分しかユーザポイントが存在しないため、自動的に低品質での再生が実行され、残りのユーザポイントは0ptとなる(ステップS31)。
【0096】
図2及び図5を参照して、関連づけられたコンテンツ同士に対する個々の再生ライセンス及びそれに基づく再生処理について説明する。以下、この再生ライセンスをID管理型(又はグループ型)ライセンスAと呼ぶ。ID管理型ライセンスAは、パッケージング型ライセンスAのパッケージングを解除して同一グループ内のコンテンツを個々に提供するライセンスである。
【0097】
この例でのDRM取得手段30は、DRM情報として、他のコンテンツと関連付け可能なコンテンツ個々に対するDRM情報であるグループ別DRM情報を取得するグループ別取得手段33を有する。グループ別DRM情報としては、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す消費ポイントの情報と、その所定のコンテンツと関連づけられた同じグループ内の全コンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報とが挙げられる。これらの情報を取得するために、グループ別取得手段33は、消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、ユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有する。そして、コンテンツをユーザが視聴すると[コンテンツ視聴後のユーザポイント]=[視聴前のユーザポイント]−[消費ポイント]となる。従って、そのグループに対するユーザポイントさえ保持していれば、ユーザはグループ内の有料コンテンツを高い品質で視聴できる。以下の例では、上述の関連づけを同一IDの付与によって施す例を示しているため、上述のごとくID管理型と呼んでいる。ここで用いられるIDは、パッケージング型ライセンスの分割販売を可能とするためのIDであるとも言える。
【0098】
ID管理型ライセンスAでは、ユーザが必要とする再生品質に応じてそのコンテンツと同じID用のユーザポイントを購入することができ、コンテンツが宣伝コンテンツであるならば、それを視聴することにより、その宣伝コンテンツのIDと同じIDをもつコンテンツ群に対するユーザポイントを貯めることができる。図2の例では、コンテンツVに対するグループ別DRM情報33aとして、高品質+100pt、中品質+70pt、低品質+50ptと段階的に設定された消費ポイントと、グループIDのNo.1という情報が提供される。同じくコンテンツVIに対するグループ別DRM情報33bとして、−100ptと設定された消費ポイントと、グループIDのNo.1という情報が提供される。同じくグループIDのNo.1用、全てに対するグループ別DRM情報33cとして、ユーザポイントが初期ポイントとして100pt提供されている。
【0099】
この消費ポイント−100ptは、基本的にこのグループIDをもつコンテンツでしか使用できないものである。しかしながら、少なくともこのコンテンツ再生管理システム以外の他のポイントとして使用できる他、このコンテンツ再生管理システムにおけるサービスポイントなどの他の用途のポイントとしても使用できる。また、ここで提供される初期ポイント(ここでは100pt)及び追加で提供される追加ポイントは、例えば10pt当たり100円などでユーザに購入させることで実行すればよい。
【0100】
ID管理の例としては、例えば、パッケージング型と同様のグループ分けが適用でき、広告コンテンツと通常の有料コンテンツを同一グループとして配信することにより、広告コンテンツの視聴による通常コンテンツの再生品質の制御が可能となる。例えば、コンテンツ提供者はCMなどのコンテンツは逐次入れ替えていきたいと考えるので、そのようなときに好適である。
【0101】
ID管理型ライセンスA及びそのライセンスの対象となるコンテンツ(ここではコンテンツV,VIとする)の取得処理を、実際にユーザがコンテンツVの視聴を目指すことを例に挙げて説明する。
【0102】
まず、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツVのDL要求を発する(ステップS41)。なお、ステップS41に先立ち、コンテンツ再生装置1においてコンテンツ配信装置よりグループ別のコンテンツ群の一覧を受信し、その一覧の表示がなされるなどの処理が実行されているものとする。ステップS41の後、コンテンツVに対する消費ポイント(ここでは高品質+100pt、中品質+70pt、低品質+50pt)及び同一IDの他のコンテンツVI及びその消費ポイント(ここでは−100pt)の通知を、コンテンツ配信装置2がコンテンツ再生装置1に対して行う(ステップS42)。ここで、コンテンツ配信装置2は、実際、この通知をライセンス発行装置3で管理されたグループ別DRM情報を参照することで行う。
【0103】
この通知を受け取ったコンテンツ再生装置1は、例えば、コンテンツVIを再生することを前提としてユーザポイントを0ptだけ購入(すなわち何も購入しない)か、コンテンツVの高品質再生1回分(低品質再生2回分)のユーザポイント100ptを購入するのかといった、ユーザの入力(有料のコンテンツVに対する品質の消費ポイントを1又は複数回選ぶことによる選択入力でもよい)を受け付ける。
【0104】
コンテンツ再生装置1は、受け付けたユーザポイントの購入要求を、ライセンス発行装置3に対して発する(ステップS43,S44)。ここで例示したステップ43,S44では、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツVIのDL要求を行い、コンテンツ配信装置2がライセンス発行装置3に対してコンテンツVIと同一IDに利用可能なユーザポイント(0pt)の購入要求を送信している。すなわち、このDL要求は、上述のコンテンツVIを再生することを前提とした0ptだけのユーザポイント購入要求に該当する。このように、ここで購入可能なユーザポイントの初期値の最小値は、コンテンツVIの−100ptを鑑みて、0ptとしておくことで、ユーザが望む品質での再生、及びその品質分の対価の支払いが可能となる。
【0105】
ステップS43,S44に続き、ライセンス発行装置3は、要求の有ったコンテンツIDがNo.1であるコンテンツ用のユーザポイント(ここでは初期値0pt)をコンテンツ再生装置1へ送信することとなる。しかし、この例では、要求のユーザポイントは0ptであるため、その処理を省略している。すなわち、ステップS44に続き、ライセンス発行装置3は直接コンテンツ配信装置2に対して最高品質のコンテンツV,VI自身の送信許可を与える(ステップS45)。なお、現時点でコンテンツVの最高品質の再生には足りないユーザポイントの購入に対しても、今後のユーザポイント購入やコンテンツVIの再生による消費ポイントの増加を鑑みて、同じ最高品質のコンテンツVの送信を許可している。
【0106】
送信許可を得たコンテンツ配信装置2は、そのコンテンツ再生装置1へコンテンツV,VIを配信する(ステップS46)。ステップS46では、例えば、ステップS41のDL要求をこの時点で許可するようにして、DLを開始して完了すればよい。
【0107】
コンテンツV,VI及びそれに対するユーザポイント0ptを受け取ったコンテンツ再生装置1では、例えば、ユーザがコンテンツVの高品質での視聴を希望した場合、ユーザポイントは0ptであるため再生できない。しかしながら、コンテンツ再生装置1では、最初にマイナスポイントを持つコンテンツVIを選択することで、高品質でコンテンツVの再生を実行し、保持しているユーザポイントのうち−100ptを消費、すなわち100ptを加算する(ステップS47)。但し、コンテンツ再生装置1のスペック上、高品質での再生が不可能な場合には、中品質での再生を実行するなどすればよい。
【0108】
ここで、コンテンツVの或る品質での視聴をユーザが選択した場合、或いはコンテンツV,VIの双方のコンテンツをユーザが選択した場合、まずその品質での再生に必要なユーザポイントを貯めるために、消費ポイントがマイナスポイントのコンテンツ(ここではコンテンツVI)を自動的に再生(一度でも足りない場合には複数回連続)するように制御してもよい。なお、マイナスポイントのコンテンツの再生が一回終了する度に、その一回再生分に対応した有料コンテンツの再生時間だけ再生されるようにしてもよい。
【0109】
ステップS47の後、ユーザが中品質でのコンテンツVの再生を希望した場合、ユーザポイントの残りは100ptであるので、コンテンツVの中品質での再生が1回なされ、残りのユーザポイントが30ptとなる(ステップS48)。その後、ユーザが低品質でのコンテンツVの再生を希望した場合、ユーザポイントの残りは30ptであるので、IDのNo.1に対するユーザポイント20ptの追加購入要求をライセンス発行装置3へ送信し(ステップS49)、20ptのユーザポイントを取得して(ステップS50)、IDのNo.1に対して保持しているユーザポイントを合計50ptとする。そして、ユーザがコンテンツVの再生操作を行うと、低品質の再生分しかユーザポイントが存在しないため、自動的に低品質での再生が実行され、残りのユーザポイントは0ptとなる(ステップS51)。
【0110】
図6は、図1のシステムにおけるDRM管理手段の他の構成例を説明するための図、図7は、図6のDRM管理手段で管理されたDRM情報を用いてコンテンツを品質変更再生処理するための再生レート変換テーブルの一例を示す図、図8は、図6のDRM管理手段における個別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図、図9は、図6のDRM管理手段におけるセット別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図、図10は、図6のDRM管理手段におけるグループ別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【0111】
図6乃至図8を参照して、コンテンツ単体での再生ライセンス及びそれに基づく再生処理について説明する。以下、この再生ライセンスを単体型ライセンスBと呼ぶ。単体型ライセンスBは、単体型ライセンスAに対し、個別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示す最高品質ポイント(以下、MAXポイントという)を付加したものである。本例でのようにMAXポイントを設けることで、消費ポイントが0ptである場合にも、有償のライセンス契約が可能なルールが構築できる。
【0112】
そのため、この例での個別取得手段31は、単体型ライセンスAで説明した消費ポイント及びユーザポイントの情報の取得に加え、個別DRM情報の一つとして、MAXポイントの情報を取得するMAXポイント取得手段をさらに有するものとする。また、[コンテンツ視聴後のユーザポイント]=[視聴前のユーザポイント]−[消費ポイント]となる点は単体型共通であり、従って、基本的にユーザポイントさえ多く持っていれば、ユーザは有料コンテンツを高い品質で視聴することができることも同様である。
【0113】
単体型ライセンスBにおいても、単体型ライセンスAと同様に、ユーザポイントとはコンテンツの視聴に必要なポイントを指し、初期ポイントとは個別DRM情報31cのDL時(コンテンツDL時と同時である場合もある)におけるユーザポイントの初期値を指し、消費ポイントとはコンテンツ視聴一回あたりに消費するユーザポイントを指す。一方、単体型ライセンスBで導入されたMAXポイントとは、コンテンツを最高品質で視聴するのに必要なポイントを指す。なお、MAXポイントが0のときは常に最高品質で視聴可能とする。また、セット別DRM情報の説明において図示しているが、この個別DRM情報においても、消費ポイントが「X」ptに設定されているときは、視聴時に使用したポイント分だけユーザポイントが増減するものとする。このように、本発明では、消費ポイントは、固定されたポイントとしてだけではなく、MAXポイントによって可変するポイントとして設定されるようにしてもよい。
【0114】
図7の管理表21を参照し、再生品質管理例を、元データのサンプリングレート(最高の再生レート)が192Kbpsである場合で例示する。MAXポイントをコンテンツ毎に設定しておき、ユーザが持っているユーザポイントPに対し、再生レートを決定するようにしてもよい。管理表21では、P≧MAXポイントの場合、再生レートを192×1=192Kbpsとし、MAXポイント>P>0の場合、再生レートを192×P/MAXポイントとし、P≦0の場合、再生不可とした例を示している。ここで、MAXポイントが0のときは、常に最高品質で視聴可能としておくとよい。
【0115】
また、192Kbpsの元データを64Kbpsでサンプリングして再生するなど、元データをより低いサンプリングレートでサンプリングして再生するようにしてもよい。その場合、再コーディングが必要であれば再コーディングを施せばよいが、今後、同一コンテンツを再生することも考えられるため、そのコンテンツ再生時に高品質でも再生できるように元データを残しておくことが好ましい。また、再コーディングが必要であって元データを残しておく際、コピー制限情報が機能してコピー制限がかかるような場合には元データを改変して再生してもよいが、その場合、今後の元データは改変後のデータとなり、その改変後のデータより低品質でのコンテンツ再生のみ可能となる。
【0116】
単体型ライセンスBでは、設定したMAXポイントによってユーザが必要とする再生品質が変わる点を除き、単体型ライセンスAと同様に、ユーザが必要とする再生品質に応じてユーザポイントを購入することができる。図6の例では、コンテンツIに対する個別DRM情報31cとして、消費ポイントが0pt、MAXポイントが100ptにそれぞれ設定され、且つ、ユーザポイントが初期ポイントとして0pt提供されている。消費ポイント+0ptとは、何度再生しても問題ないコンテンツであること、すなわち再生回数に限定のないライセンスであることを示している。
【0117】
一方で、単体型ライセンスBでは、コンテンツが宣伝コンテンツであるならば、MAXポイントを0ptに設定することを除き、単体型ライセンスAと同様に、それを視聴することによってユーザポイントを貯めることができる。図6の例では、コンテンツIIに対する個別DRM情報31dとして、消費ポイントが−100pt、MAXポイントが0ptにそれぞれ設定され、且つ、ユーザポイントが初期ポイントとして0pt提供されている。
【0118】
そして、MAXポイント分の点数(ユーザポイント)があれば、今取得した最高の元データそのものの品質で視聴することができる。一方、そこまでポイントを使用したくない場合、すなわちあまり対価を支払いたくない場合、例えば半分の50pt分だけを使用し、図7での再生品質管理例などを適用し、低品質でコンテンツを視聴するとよい。
【0119】
単体型ライセンスB及びそのライセンスの対象となるコンテンツの取得処理を、コンテンツIの取得を例に挙げて説明する。まず、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツIのDL要求を発する(ステップS61)。なお、ステップS1に先立ち、コンテンツ再生装置1においてコンテンツ配信装置2より提供できるコンテンツの一覧を受信し、その一覧の表示がなされるなどの処理が実行されているものとする。ステップS1の後、コンテンツIに対するMAXポイント(ここでは100pt)・消費ポイント(ここでは0pt)・ユーザポイントの初期値(ここでは0pt)の通知を、コンテンツ配信装置2がコンテンツ再生装置1に対して行う(ステップS62)。ここで、コンテンツ配信装置2は、実際、この通知をライセンス発行装置3で管理された個別DRM情報を参照することで行う。
【0120】
この通知を受け取ったコンテンツ再生装置1は、例えば、半分の品質で再生するためのユーザポイント50ptを購入するのかといった、ユーザの入力(MAXポイントに対する各品質を1又は複数回選ぶことによる選択入力でもよい)を受け付け、受け付けたユーザポイントの購入要求(ここでは50pt)を、ライセンス発行装置3に対して発する(ステップS63)。ここで、あまりにも酷い品質で再生するユーザは居ないものと考え、購入可能なユーザポイントの初期値の最小値を例えば30ptとしておくことで、最低の品質での再生、及びその品質分の対価の支払いが可能となる。ステップS63に続き、ライセンス発行装置3は、要求の有ったコンテンツIに対するユーザポイント(初期値50pt)をコンテンツ再生装置1へ送信する(ステップS64)。
【0121】
ライセンス発行装置3は、ステップS64の時点で、最高品質のコンテンツI自身を、コンテンツ配信装置2からコンテンツ再生装置1側へ送信することを許可すればよいが、最高品質の再生には足りないユーザポイントの購入に対しても、今後のユーザポイント購入を鑑みて、同じ最高品質のコンテンツIの送信を許可する(ステップS65)。送信許可を得たコンテンツ配信装置2は、そのコンテンツ再生装置1へコンテンツIを配信する(ステップS66)。ステップS66では、例えば、ステップS1のDL要求をこの時点で許可するようにして、DLを開始して完了すればよい。
【0122】
コンテンツI及びそれに対するユーザポイント50ptを受け取ったコンテンツ再生装置1では、例えば、ユーザが低品質(50%の再生レート)での再生を希望した場合、50pt使用することをユーザが選択することによって、保持しているユーザポイントは消費せずに、低品質での再生を実行する(ステップS67)。ステップS67では、例えばポータブルプレイヤでも視聴することができ、また消費ポイントが0ptであるため何度でも同品質での再生が可能である。その後、もしユーザが高品質(例えば100%の再生レート)でのコンテンツIの再生を希望した場合、ユーザポイントは50ptであるので、残りの50ptの追加購入要求をライセンス発行装置3へ送信し(ステップS68)、50ptのユーザポイントを取得して(ステップS69)、保持しているユーザポイントを合計100pt(=MAXポイント分)とする。そして、100pt使用することをユーザが選択することや100%の品質をユーザが選択することにより、例えば高級ビジュアルオーディオプレーヤによる高品質(100%の品質)での視聴できるようになる(ステップS70)。また、ここでも消費ポイントが0ptであるため何度でも同品質での再生が可能である。
【0123】
ステップS67,S70で例示したように、品質変更再生手段20は、再生対象のコンテンツに対し、ユーザポイント取得手段で取得したユーザポイントも含め現在保持しているユーザポイントと消費ポイントとMAXポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段を有することが好ましい。また、実際の消費ポイントは、図3の説明と共に説明した通り、コンテンツの全体の再生時間と実際の再生時間との関係から算出するなどしてもよい。
【0124】
また、ステップS67,S70で例示したように、品質変更再生手段20は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントのうち、使用するユーザポイントをユーザに入力させる使用ポイント入力手段と、使用ポイント入力手段で入力された使用ユーザポイントと消費ポイントとMAXポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有するようにしてもよい。
【0125】
ステップS67,S70で例示したように、品質変更再生手段20は、再生対象のコンテンツに対して、再生品質をユーザに選択入力させる品質選択手段と、品質選択手段で選択された再生品質と現在保持しているユーザポイントとMAXポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有するようにしてもよい。
【0126】
また、上述したいずれの品質決定手段であっても、該当する再生品質が無かった場合、再生を許可しない決定を行うようにしておくとよい。さらに、これらの各形態における品質変更再生手段20は、図6乃至図12の各実施形態に対して、全てに適用できる。
【0127】
図6、図7及び図9を参照して、複数個のコンテンツからなるコンテンツセットの再生ライセンス及びそれに基づく再生処理について説明する。以下、この再生ライセンスをパッケージング型ライセンスBと呼ぶ。パッケージング型ライセンスBは、パッケージング型ライセンスAに対し、セット別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツセット内の各コンテンツに対し最高品質で再生するためのコンテンツ毎のポイントを示すMAXポイントを付加したものである。なお、MAXポイントが0のときは常に最高品質で視聴可能とする。また、消費ポイントが「X」ptに設定されているときは、視聴時に使用したポイント分だけユーザポイントが増減するものとする。本例でのようにMAXポイントを設けることで、消費ポイントが0ptである場合にも、有償のライセンス契約が可能なルールが構築できる。
【0128】
そのため、この例でのセット別取得手段32は、パッケージング型ライセンスAで説明した消費ポイント及びユーザポイントの情報の取得に加え、セット別DRM情報の一つとして、MAXポイントの情報を取得するMAXポイント取得手段をさらに有するものとする。また、[コンテンツ視聴後のユーザポイント]=[視聴前のユーザポイント]−[消費ポイント]となる点はパッケージング型共通であり、従って、基本的にユーザポイントさえ多く持っていれば、ユーザは有料コンテンツを高い品質で視聴することができることも同様である。
【0129】
パッケージング型ライセンスBでは、設定したMAXポイントによってユーザが必要とする再生品質が変わる点、及びコンテンツが宣伝コンテンツであるならばMAXポイントを0ptに設定する点を除き、パッケージング型ライセンスAと同様に、ユーザが必要とする再生品質に応じてユーザポイントを購入すること、及び、広告コンテンツを視聴することによってユーザポイントを貯めることができる。図6の例では、コンテンツセットbに対するセット別DRM情報32bとして、コンテンツIIIに対し、消費ポイントが−100pt、MAXポイントが0ptにそれぞれ設定され、コンテンツIVに対し、消費ポイントがXpt、MAXポイントが200ptにそれぞれ設定され、且つ、ユーザポイントが初期ポイントとして200pt提供されている。また、ここで提供される初期ポイント(ここでは200pt)及び追加で提供される追加ポイントは、例えば10pt当たり100円などでユーザに購入させることで実行すればよい。
【0130】
そして、MAXポイント分の点数(セット用のユーザポイント)があれば、今取得した最高の元データそのものの品質で視聴することができる。一方、そこまでポイントを使用したくない場合、すなわちあまり対価を支払いたくない場合、例えば半分のユーザポイントだけを使用し、図7での再生品質管理例などを適用し、低品質でコンテンツを視聴するとよい。
【0131】
パッケージング型ライセンスB及びそのライセンスの対象となるコンテンツ(ここではコンテンツIII,IVとする)の取得処理を、コンテンツセットbの取得(実際にユーザはコンテンツIVの取得を目指す)を例に挙げて説明する。
【0132】
まず、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツセットbのDL要求を発する(ステップS81)。なお、ステップS81に先立ち、コンテンツ再生装置1においてコンテンツ配信装置2より提供できるコンテンツの一覧を受信し、その一覧の表示がなされるなどの処理が実行されているものとする。ステップS81の後、コンテンツセットbに対する各ポイント(ここではコンテンツIIIに対するMAXポイント0pt、消費ポイント−100pt、コンテンツIVに対するMAXポイント200pt、消費ポイントXpt、並びにユーザポイントの初期値200pt)の通知を、コンテンツ配信装置2がコンテンツ再生装置1に対して行う(ステップS82)。ここで、コンテンツ配信装置2は、実際、この通知をライセンス発行装置3で管理されたセット別DRM情報を参照することで行う。
【0133】
この通知を受け取ったコンテンツ再生装置1は、例えば、コンテンツIIIを再生することを前提としてユーザポイントを0ptだけ購入(すなわち何も購入しない)か、コンテンツIVの高品質再生1回分(低品質再生2回分)のユーザポイント200ptを購入するのかといった、ユーザの入力(MAXポイントに対する各品質を1又は複数回選ぶことによる選択入力でもよい)を受け付け、受け付けたユーザポイントの購入要求(ここでは初期値200pt)を、ライセンス発行装置3に対して発する(ステップS83)。ここで、購入可能なユーザポイントの初期値の最小値は、コンテンツIVの−100ptを鑑みて、0ptとしておくことで、ユーザが望む品質での再生、及びその品質分の対価の支払いが可能となる。但し、図示したように、ユーザポイントの初期値を200ptとしておくことで、コンテンツ提供側の利益が保証される。ステップS83に続き、ライセンス発行装置3は、要求の有ったコンテンツセットbに対するユーザポイント(初期値200pt)をコンテンツ再生装置1へ送信する(ステップS84)。
【0134】
ライセンス発行装置3は、ステップS84の時点で、最高品質のコンテンツIII,IV自身を、コンテンツ配信装置2からコンテンツ再生装置1側へ送信することを許可すればよい。なお、現時点でコンテンツIVの最高品質の再生には足りないユーザポイントの購入に対しても、今後のユーザポイント購入やコンテンツIIIの再生による消費ポイントの増加を鑑みて、同じ最高品質のコンテンツIVの送信を許可する(ステップS85)。送信許可を得たコンテンツ配信装置2は、そのコンテンツ再生装置1へコンテンツセットbを配信する(ステップS86)。ステップS86では、例えば、ステップS81のDL要求をこの時点で許可するようにして、DLを開始して完了すればよい。
【0135】
コンテンツセットb及びそれに対するユーザポイント200ptを受け取ったコンテンツ再生装置1では、ユーザがコンテンツIVの高品質での視聴を希望した場合でも、ユーザポイントは200ptであるため再生できる。しかし、この例ではユーザが最初にマイナスポイントを持つコンテンツIIIの再生を選択したとして説明する。まず、コンテンツ再生装置1で最初にコンテンツIIIを選択することで、高品質でコンテンツIIIの再生を実行し、保持しているユーザポイントのうち−100ptを消費、すなわち100ptを加算して300ptとする(ステップS87)。但し、コンテンツ再生装置1のスペック上、高品質での再生が不可能な場合には、中品質での再生を実行するなどすればよい。
【0136】
ここで、コンテンツIVの或る品質での視聴をユーザが選択した場合、或いはコンテンツIII,IVの双方のコンテンツをユーザが選択した場合、まずその品質での再生に必要なユーザポイントを貯めるために、消費ポイントがマイナスポイントのコンテンツ(ここではコンテンツIII)を自動的に再生(一度でも足りない場合には複数回連続)するように制御してもよい。なお、マイナスポイントのコンテンツの再生が一回終了する度に、その一回再生分に対応した有料コンテンツの再生時間だけ再生されるようにしてもよい。なお、この例では、コンテンツIIIをX回再生すると、コンテンツIVが50%(=100pt/200pt)の品質で100回再生できる。
【0137】
ステップS87の後、ユーザポイントの残りは300ptであるので、ユーザが50%の品質でのコンテンツIVの再生を3回希望した場合でも、それに対応できる(ステップS88)。その後、ユーザがコンテンツIVの再生を希望した場合には、ユーザポイントの残りは0ptであるので、適宜追加購入要求をライセンス発行装置3へ送信するか、コンテンツIIIの再生を行うかによって、ユーザポイントを増やす必要がある。
【0138】
図6、図7及び図10を参照して、関連づけられたコンテンツ同士に対する個々の再生ライセンス及びそれに基づく再生処理について説明する。以下、この再生ライセンスをID管理型(又はグループ型)ライセンスBと呼ぶ。ID管理型ライセンスBは、ID管理型ライセンスAに対し、グループ別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示すMAXポイントを付加したものである。ID管理型ライセンスBは、パッケージング型ライセンスBのパッケージングを解除して同一グループ内のコンテンツを個々に提供するライセンスであるとも言える。なお、MAXポイントが0のときは常に最高品質で視聴可能とする。また、消費ポイントが「X」ptに設定されているときは、視聴時に使用したポイント分だけユーザポイントが増減するものとする。本例でのようにMAXポイントを設けることで、消費ポイントが0ptである場合にも、有償のライセンス契約が可能なルールが構築できる。
【0139】
そのため、この例でのグループ別取得手段33は、ID管理型ライセンスAで説明した消費ポイント及びユーザポイントの情報の取得に加え、グループ別DRM情報の一つとして、MAXポイントの情報を取得するMAXポイント取得手段をさらに有するものとする。また、[コンテンツ視聴後のユーザポイント]=[視聴前のユーザポイント]−[消費ポイント]となる点はID管理型共通であり、従って、基本的にユーザポイントさえ多く持っていれば、ユーザはグループ内の有料コンテンツを高い品質で視聴することができることも同様である。
【0140】
ID管理型ライセンスBでは、設定したMAXポイントによってユーザが必要とする再生品質が変わる点、及びコンテンツが宣伝コンテンツであるならばMAXポイントを0ptに設定する点を除き、ID管理型ライセンスAと同様に、ユーザが必要とする再生品質に応じてそのコンテンツと同じID用のユーザポイントを購入することができ、コンテンツが宣伝コンテンツであるならば、それを視聴することにより、その宣伝コンテンツのIDと同じIDをもつコンテンツ群に対するユーザポイントを貯めることができる。
【0141】
図6の例では、コンテンツVに対するグループ別DRM情報33dとして、MAXポイント0pt、消費ポイント−100ptがそれぞれ設定され、グループIDのNo.1という情報が提供される。同じくコンテンツVIに対するグループ別DRM情報33eとして、MAXポイント200pt、消費ポイント100ptがそれぞれ設定され、グループIDのNo.1という情報が提供される。同じくグループID No.1用の全てに対するグループ別DRM情報33fとして、ユーザポイントが初期ポイントとして200pt提供されている。さらに、コンテンツVIIに対するグループ別DRM情報33gとして、MAXポイント100pt、消費ポイントXptがそれぞれ設定され、グループIDのNo.2という情報が提供される。同じくコンテンツVIIIに対するグループ別DRM情報33hとして、MAXポイント0pt、消費ポイント−100ptがそれぞれ設定され、グループIDのNo.2という情報が提供される。同じくコンテンツIXに対するグループ別DRM情報33iとして、MAXポイント0pt、消費ポイント−50ptがそれぞれ設定され、グループIDのNo.2という情報が提供される。同じくグループID No.2用の全てに対するグループ別DRM情報33jとして、ユーザポイントが初期ポイントとして0pt提供されている。また、ここで提供される初期ポイント(ここではID No.1に対し200pt、ID No.2に対し0pt)及び追加で提供される追加ポイントは、例えば10pt当たり100円などでユーザに購入させることで実行すればよい。
【0142】
そして、MAXポイント分の点数(グループ用のユーザポイント)があれば、今取得した最高の元データそのものの品質で視聴することができる。一方、そこまでポイントを使用したくない場合、すなわちあまり対価を支払いたくない場合、例えば半分のユーザポイントだけを使用し、図7での再生品質管理例などを適用し、低品質でコンテンツを視聴するとよい。
【0143】
ID管理型ライセンスB及びそのライセンスの対象となるコンテンツ(ここではID No.2のコンテンツVII,VIII,IXとする)の取得処理を、実際にユーザはコンテンツVIIの取得を目指すことを例に挙げて説明する。
【0144】
まず、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツVIIのDL要求を発する(ステップS91)。なお、ステップS91に先立ち、コンテンツ再生装置1においてコンテンツ配信装置より提供できるグループ別のコンテンツ群の一覧を受信し、その一覧の表示がなされるなどの処理が実行されているものとする。ステップS91の後、コンテンツVIIに対する各ポイント(ここではMAXポイント100pt、消費ポイントXpt、並びにユーザポイントの初期値0pt)及び同一IDの他のコンテンツVI及びそれらの各ポイント(ここではコンテンツVIIIに対するMAXポイント0pt、消費ポイント−100pt、コンテンツIXに対するMAXポイント0pt、消費ポイント−50pt)の通知を、コンテンツ配信装置2がコンテンツ再生装置1に対して行う(ステップS92)。ここで、コンテンツ配信装置2は、実際、この通知をライセンス発行装置3で管理されたグループ別DRM情報を参照することで行う。
【0145】
この通知を受け取ったコンテンツ再生装置1は、例えば、コンテンツVIII又はIXを再生することを前提としてユーザポイントを0ptだけ購入(すなわち何も購入しない)か、コンテンツVIIの高品質再生1回分(低品質再生2回分)のユーザポイント100ptを購入するのかといった、ユーザの入力(MAXポイントに対する各品質を1又は複数回選ぶことによる選択入力でもよい)を受け付ける。
【0146】
コンテンツ再生装置1は、受け付けたユーザポイントの購入要求を、ライセンス発行装置3に対して発する(ステップS93,S94)。ここで例示したステップ93,S94では、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツIXのDL要求を行い、コンテンツ配信装置2がライセンス発行装置3に対してコンテンツIXと同一IDに利用可能なユーザポイント(0pt)の購入要求を送信している。すなわち、このDL要求は、上述のコンテンツIXを再生することを前提とした0ptだけのユーザポイント購入要求に該当する。このように、ここで購入可能なユーザポイントの初期値の最小値は、コンテンツVIII又はIXの−100pt又は−50ptを鑑みて、0ptとしておくことで、ユーザが望む品質での再生、及びその品質分の対価の支払いが可能となる。
【0147】
ステップS93,S94に続き、ライセンス発行装置3は、要求の有ったコンテンツIDがNo.2であるコンテンツ用のユーザポイント(ここでは初期値0pt)をコンテンツ再生装置1へ送信することとなる。しかし、この例では、要求のユーザポイントは0ptであるため、その処理を省略している。すなわち、ステップS94に続き、ライセンス発行装置3は直接コンテンツ配信装置2に対して最高品質のコンテンツVII,IX自身の送信許可を与える(ステップS95)。なお、現時点でコンテンツVIIの最高品質の再生には足りないユーザポイントの購入に対しても、今後のユーザポイント購入やコンテンツIXの再生による消費ポイントの増加を鑑みて、同じ最高品質のコンテンツVIIの送信を許可している。送信許可を得たコンテンツ配信装置2は、そのコンテンツ再生装置1へコンテンツVII,IXを配信する(ステップS96)。ステップS96では、例えば、ステップS91のDL要求をこの時点で許可するようにして、DLを開始して完了すればよい。
【0148】
コンテンツVII,IX及びそのグループに対するユーザポイント0ptを受け取ったコンテンツ再生装置1では、例えば、ユーザがコンテンツVIIの高品質での視聴を希望した場合、ユーザポイントは0ptであるため再生できない。しかしながら、コンテンツ再生装置1では、最初にマイナスポイントを持つコンテンツIXを選択することで、高品質でコンテンツIXの再生を1回実行し、保持しているユーザポイントのうち−50ptを消費、すなわち50ptを加算する(ステップS97)。但し、コンテンツ再生装置1のスペック上、高品質での再生が不可能な場合には、中品質での再生を実行するなどすればよい。
【0149】
ここで、コンテンツVIIの或る品質での視聴をユーザが選択した場合、或いはコンテンツVII,IXの双方のコンテンツをユーザが選択した場合、まずその品質での再生に必要なユーザポイントを貯めるために、消費ポイントがマイナスポイントのコンテンツ(ここではコンテンツIX)を自動的に再生(一度でも足りない場合には複数回連続)するように制御してもよい。なお、マイナスポイントのコンテンツの再生が一回終了する度に、その一回再生分に対応した有料コンテンツの再生時間だけ再生されるようにしてもよい。なお、この例では、コンテンツIXをX回再生すると、コンテンツVIIが50%(=50pt/100pt)の品質で50回再生できる。
【0150】
ステップS97の後、ユーザポイントの残りは50ptであるので、ユーザが50%の品質でのコンテンツVIIの再生を1回希望した場合でも、それに対応できる(ステップS98)。その後、ユーザが高品質でのコンテンツVIIの再生を希望した場合、ユーザポイントの残りは0ptであるので、ステップS93,S94と同様に、コンテンツ再生装置1は、受け付けたユーザポイントの購入要求を、ライセンス発行装置3に対して発する(ステップS99,S100)。ここで例示したステップ99,S100では、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツVIIIのDL要求を行い、コンテンツ配信装置2がライセンス発行装置3に対してコンテンツVIIIと同一IDに利用可能なユーザポイント(0pt)の購入要求を送信している。
【0151】
ステップS99,S100に続き、ライセンス発行装置3は、要求の有ったコンテンツIDがNo.2であるコンテンツ用のユーザポイント(ここでは初期値0pt)をコンテンツ再生装置1へ送信することとなる。しかし、この例では、要求のユーザポイントは0ptであるため、その処理を省略している。すなわち、ステップS100に続き、ライセンス発行装置3は直接コンテンツ配信装置2に対して最高品質のコンテンツVIII自身の送信許可を与える(ステップS101)。送信許可を得たコンテンツ配信装置2は、そのコンテンツ再生装置1へコンテンツVIIIを配信する(ステップS102)。ステップS102では、例えば、ステップS99のDL要求をこの時点で許可するようにして、DLを開始して完了すればよい。
【0152】
コンテンツ再生装置1では、ステップS97と同様に、コンテンツVIIIを選択することで、高品質でコンテンツVIIIの再生を1回実行し、保持しているユーザポイントのうち−100ptを消費、すなわち100ptを加算する(ステップS103)。ステップS103の後、ユーザポイントの残りは100ptであるので、ユーザが、ステップS98と異なる再生品質である100%の品質でのコンテンツVIIの再生を1回希望した場合でも、それに対応できる(ステップS104)。なお、この例では、コンテンツVIIIをX回再生すると、コンテンツVIIが100%(=100pt/100pt)の品質で100回再生できる。
【0153】
ステップS104の後、ユーザが再度コンテンツVIIの再生を希望した場合、ユーザポイントの残りは0ptであるので、IDのNo.2に対するユーザポイント300ptの追加購入要求をライセンス発行装置3へ送信し(ステップS105)、300ptのユーザポイントを取得して(ステップS106)、IDのNo.2に対して保持しているユーザポイントを合計300ptとする。このように、同じIDのグループのユーザポイントを取得することでも、有料コンテンツの再生が可能となる。この例では、取得した300ptによって、コンテンツVIIが例えば100%の品質で2回と50%の品質で2回の再生が実行した時点で、残りのユーザポイントは0ptとなる(ステップS107)。
【0154】
図11は、図1のシステムにおけるDRM管理手段の他の構成例を説明するための図、図12は、図11のDRM管理手段におけるDRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【0155】
図11及び図12を参照して、コンテンツ全体に有効な再生ライセンス及びそれに基づく再生処理について説明する。以下、この再生ライセンスを全体型ライセンスと呼び、図2乃至図5で説明した形態に対応するものを全体型ライセンスA、図6乃至図10で説明した形態に対応するものを全体型ライセンスBと呼び、簡略化のため、全体型ライセンスBについてのみ説明する。全体型ライセンスAは全体型ライセンスBにおいて、上述のごときMAXポイントを用いないものである。本例でのようにMAXポイントを設けることで、消費ポイントが0ptである場合にも、有償のライセンス契約が可能なルールが構築できる。
【0156】
この例でのDRM情報は、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す消費ポイントと、全てのコンテンツに共通に使用可能なポイントを示すユーザポイントと、その所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示すMAXポイントとが挙げられる。これらの情報を取得するために、DRM取得手段30は、消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、全てのコンテンツ用のユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段と、MAXポイントの情報を取得するMAXポイント取得手段とを有する。そして、コンテンツをユーザが視聴すると[コンテンツ視聴後のユーザポイント]=[視聴前のユーザポイント]−[消費ポイント]となる。従って、ユーザポイントさえ多く持っていれば、ユーザはあらゆる有料コンテンツを高い品質で視聴することが可能となる。
【0157】
全体型ライセンスBでは、設定したMAXポイントによってユーザが必要とする再生品質が変わること、及びコンテンツが宣伝コンテンツであるならばMAXポイントを0ptに設定することが可能とした上で、ユーザが必要とする再生品質に応じてユーザポイントを購入することができ、また宣伝コンテンツを視聴することによってユーザポイントを貯めることができる。図11の例では、コンテンツIに対するDRM情報30aとして、消費ポイントが高品質で100pt、中品質で70pt、低品質で50ptとそれぞれ設定されている。同じくコンテンツIIに対するDRM情報30bとして、消費ポイントが−100ptに設定されている。同じくコンテンツIIIに対するDRM情報30cとして、消費ポイントが−100pt、MAXポイントが0ptにそれぞれ設定されており、コンテンツIVに対するDRM情報30dとして、消費ポイントがXpt、MAXポイントが200ptにそれぞれ設定されている。さらに、全コンテンツI〜IV等のユーザポイントが初期ポイントとして100pt提供されている。
【0158】
全体型ライセンスB及びそのライセンスの対象となるコンテンツの取得処理を、コンテンツI,IVの取得を例に挙げて説明する。まず、コンテンツ再生装置1がコンテンツ配信装置2に対し、コンテンツIのDL要求を発する(ステップS111)。なお、ステップS111に先立ち、コンテンツ配信装置2において提供できるコンテンツの表示がなされるなどの処理が実行されているものとする。ステップS111の後、コンテンツIに対する各ポイント(ここでは高品質で100pt、中品質で70pt、低品質で50pt)及び全コンテンツに対するユーザポイントの初期値(ここでは100pt)の通知を、コンテンツ配信装置2がコンテンツ再生装置1に対して行う(ステップS112)。ここで、コンテンツ配信装置2は、実際、この通知をライセンス発行装置3で管理された個別DRM情報を参照することで行う。なお、ここでの初期値は、コンテンツ提供側が提示している最低購入ポイントとして、以下の購入要求を制限することもできる。
【0159】
この通知を受け取ったコンテンツ再生装置1は、例えば、半分の品質で再生するためのユーザポイント50ptを購入するのかといった、ユーザの入力を受け付け、受け付けたユーザポイントの購入要求(ここでは100pt)を、ライセンス発行装置3に対して発する(ステップS113)。ここで、購入可能なユーザポイントの初期値の最小値を50ptとしておくことで、最低の品質での再生、及びその品質分の対価の支払いが可能となる。ステップS113に続き、ライセンス発行装置3は、要求の有ったユーザポイント(初期値100pt)をコンテンツ再生装置1へ送信する(ステップS114)。
【0160】
ライセンス発行装置3は、ステップS114の時点で、最高品質のコンテンツI自身を、コンテンツ配信装置2からコンテンツ再生装置1側へ送信することを許可すればよいが、最高品質の再生には足りないユーザポイントの購入に対しても、今後のユーザポイント購入を鑑みて、同じ最高品質のコンテンツIの送信を許可する(ステップS115)。送信許可を得たコンテンツ配信装置2は、そのコンテンツ再生装置1へコンテンツIを配信する(ステップS116)。ステップS116では、例えば、ステップS111のDL要求をこの時点で許可するようにして、DLを開始して完了すればよい。
【0161】
コンテンツI及びそれに使用できるユーザポイント100ptを受け取ったコンテンツ再生装置1では、例えば、ユーザが低品質(50%の再生レート)での再生を希望した場合、50pt使用することをユーザが選択することによって、保持しているユーザポイントは消費せずに、低品質での再生を実行する(ステップS117)。ステップS117では、例えばポータブルプレイヤでも視聴することができる。
【0162】
その後、もしユーザがコンテンツIやその他のコンテンツの再生を希望した場合、コンテンツIVの高品質再生を希望したと仮定すると、ユーザポイントは50ptであるので、残りの150ptの追加購入要求をライセンス発行装置3へ送信し(ステップS118)、150ptのユーザポイントを取得して(ステップS119)、保持しているユーザポイントを合計200pt(=MAXポイント分)とする。
【0163】
次に、現時点でコンテンツIVのDLは実行していないので、コンテンツ再生装置1はコンテンツIVのDLをコンテンツ配信装置2に対して実行する(ステップS120)。ステップS120ではコンテンツ再生装置1が保持している現在のユーザポイント(200pt)の情報を付加しておくことで、コンテンツ配信装置2がライセンス発行装置3に対し、直接保持中のユーザポイント(200pt)を通知して(ステップS121)、それに基づき、ライセンス発行装置3がコンテンツ配信装置2にコンテンツIVに対する配信許可を与える(ステップS122)。続いて、コンテンツ配信装置2がコンテンツ再生装置1へコンテンツIVを送信する(ステップS123)。そして、コンテンツ再生装置1において、200pt使用することをユーザが選択することや100%の品質をユーザが選択することにより、例えば高級ビジュアルオーディオプレーヤによる高品質(100%の品質)での視聴ができるようになる(ステップS124)。
【0164】
図13は、本発明に係るコンテンツ再生管理システムの他の構成例を示す図で、図中、5は携帯型コンテンツ再生装置、17はコンテンツ複製手段、50は品質制限手段、51はコンテンツ蓄積手段、52はコンテンツ再生手段であり、その他の構成要素は図1の構成要素と同様であってその説明を省略する。
【0165】
以上の各実施形態に係るシステムでは、コンテンツ再生装置1で直接コンテンツの再生が実行されることを前提として説明したが、本発明の他の実施形態として、コンテンツ再生装置1に有線/無線により接続された他のコンテンツ再生装置(携帯型コンテンツ再生装置5で例示)にコンテンツを複製して再生するようなことも可能である。
【0166】
そのため、コンテンツ取得手段40で取得したコンテンツを複製するコンテンツ複製手段17を備えるものとする。ここでの複製とは、携帯型コンテンツ再生装置5等の他器への移動や転送、さらには自器(コンテンツ再生装置1)への複製も含む。さらに、コンテンツ複製手段17は、品質変更再生手段20での再生品質でコンテンツの複製を行う品質制限手段50を有するものとする。ここで、コンテンツ複製手段17は、複製対象のコンテンツに対し、再生制限情報及び/又は複製制限情報を付加する制限情報付加手段を有することが好ましい。また、複製対象のコンテンツ自体に対しても、上述したように、予め再生制限情報及び/又は複製制限情報がDRM情報の一部として含まれるか、或いはDRM情報によって解除可能な再生制限及び/又は複製制限が施されているようにしておく。
【0167】
この実施形態は、例えば、PC等のコンテンツ再生装置1でコンテンツを取得してPC上で再生するのが通常であるが、PCから携帯プレーヤ等の携帯型コンテンツ再生装置5にコンテンツをダウンロードして再生する場合に有効となる。
【0168】
以上、本発明に係る装置及びシステムについて説明してきたが、本発明は、コンテンツ再生装置に組み込み、コンテンツ再生装置の演算処理装置を、メモリ等を利用しながら各手段として機能させるためのプログラムや、著作権管理装置に組み込み、著作権管理装置の演算処理装置を、メモリ等を利用しながら各手段として機能させるためのプログラムとしての形態も採り得る。
【0169】
さらに、本発明は、それらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も採り得る。このような記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、及びその他各種ROMやRAM等が想定できる。そして、上述のごときプログラムを記録媒体に記録して流通させることにより、本発明に係る機能の実現を容易にする。プログラムは、例えば、コンピュータ等の情報処理装置に、上述のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出してコンテンツ再生装置や著作権管理装置の制御部に転送するなどして、プログラムをコンテンツ再生装置や著作権管理装置において実行可能に格納することができる。また、コンテンツ再生装置をPCで代用する場合(又は著作権管理装置をサーバコンピュータで代用する場合)には、そのPC(又はサーバ)に、上述のごとくの記録媒体を装着してそのPC(又はサーバ)によりプログラムを読み出すか、若しくはPC(又はサーバ)が備えているハードディスク等の記録媒体に当プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に係わる機能を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生管理システムの一構成例を示す図である。
【図2】図1のシステムにおけるDRM管理手段の一構成例を説明するための図である。
【図3】図2のDRM管理手段における個別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図4】図2のDRM管理手段におけるセット別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図5】図2のDRM管理手段におけるグループ別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】図1のシステムにおけるDRM管理手段の他の構成例を説明するための図である。
【図7】図6のDRM管理手段で管理されたDRM情報を用いてコンテンツを品質変更再生処理するための再生レート変換テーブルの一例を示す図である。
【図8】図6のDRM管理手段における個別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図9】図6のDRM管理手段におけるセット別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図10】図6のDRM管理手段におけるグループ別DRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図11】図1のシステムにおけるDRM管理手段の他の構成例を説明するための図である。
【図12】図11のDRM管理手段におけるDRM情報の取得及びそれに基づくコンテンツ再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図13】本発明に係るコンテンツ再生管理システムの他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0171】
1…コンテンツ再生装置、2…コンテンツ配信装置、3…ライセンス発行装置、4…ネットワーク、5…携帯型コンテンツ再生装置、11…通信手段、12…制御手段、13,52…コンテンツ再生手段、14…表示手段、15…DRM管理手段、16,51…コンテンツ蓄積手段、17…コンテンツ複製手段、20…品質変更再生手段、30…DRM取得手段、40…コンテンツ取得手段、50…品質制限手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを再生する再生手段を備えたコンテンツ再生装置において、コンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、前記コンテンツに対する再生品質に係わる情報を含むDRM情報を取得する管理情報取得手段とを備え、前記再生手段は、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツに対し、前記管理情報取得手段で取得したDRM情報を参照して、該DRM情報が示す再生品質で前記コンテンツを再生する品質変更再生手段を有することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記管理情報取得手段は、前記DRM情報として、コンテンツ個々に対するDRM情報である個別DRM情報を取得する個別取得手段を有し、該個別取得手段は、前記個別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す再生時消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、前記個別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記管理情報取得手段は、前記DRM情報として、複数個のコンテンツからなるコンテンツセットに対するDRM情報であるセット別DRM情報を取得するセット別取得手段を有し、該セット別取得手段は、前記セット別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツセット内の各コンテンツに対し、再生時に消費されるコンテンツ毎のポイントを示す再生時消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、前記セット別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツセット内の全コンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記管理情報取得手段は、前記DRM情報として、他のコンテンツと関連付け可能なコンテンツ個々に対するDRM情報であるグループ別DRM情報を取得するグループ別取得手段を有し、該グループ別取得手段は、前記グループ別DRM情報の一つとして、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す再生時消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、前記グループ別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツと関連づけられた同じグループ内の全コンテンツに対してのみ使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記管理情報取得手段は、前記DRM情報の一つとして、所定のコンテンツの再生時に消費されるポイントを示す再生時消費ポイントの情報を取得する消費ポイント取得手段と、前記DRM情報の一つとして、全てのコンテンツに共通に使用可能なポイントを示すユーザポイントの情報を取得するユーザポイント取得手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
前記再生時消費ポイントは、再生品質に応じて段階的に設定されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントと前記再生時消費ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段を有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントのうち、使用するユーザポイントをユーザに入力させる使用ポイント入力手段と、該使用ポイント入力手段で入力された使用ユーザポイントと前記再生時消費ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項9】
前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対して、再生品質をユーザに選択入力させる品質選択手段と、該品質選択手段で選択された再生品質と現在保持しているユーザポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項10】
前記個別取得手段は、前記個別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示す最高品質ポイントの情報を取得する最高品質ポイント取得手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項11】
前記セット別取得手段は、前記セット別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツセット内の各コンテンツに対し最高品質で再生するためのコンテンツ毎のポイントを示す最高品質ポイントの情報を取得する最高品質ポイント取得手段をさらに有することを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項12】
前記グループ別取得手段は、前記グループ別DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示す最高品質ポイントの情報を取得する最高品質ポイント取得手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項13】
前記管理情報取得手段は、前記DRM情報の一つとして、前記所定のコンテンツを最高品質で再生するためのポイントを示す最高品質ポイントの情報を取得する最高品質ポイント取得手段をさらに有することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項14】
前記再生時消費ポイントは、固定されたポイントとして、若しくは前記最高品質ポイントによって可変するポイントとして設定されることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項15】
前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントと前記再生時消費ポイントと前記最高品質ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段を有することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項16】
前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対し現在保持しているユーザポイントのうち、使用するユーザポイントをユーザに入力させる使用ポイント入力手段と、該使用ポイント入力手段で入力された使用ユーザポイントと前記再生時消費ポイントと前記最高品質ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項17】
前記品質変更再生手段は、再生対象のコンテンツに対して、再生品質をユーザに選択入力させる品質選択手段と、該品質選択手段で選択された再生品質と現在保持しているユーザポイントと前記最高品質ポイントとを参照して、実際に再生する再生品質を決定する品質決定手段とを有することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項18】
前記品質決定手段は、該当する再生品質が無かった場合、再生を許可しない決定を行うことを特徴とする請求項7乃至9、15乃至17のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項19】
前記再生時消費ポイントとして、再生時にも前記ユーザポイントが消費されない0ポイントの設定を可能とすることを特徴とする請求項2乃至18のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項20】
前記再生時消費ポイントとして、再生時に前記ユーザポイントが加算されるマイナスポイントの設定を可能とすることを特徴とする請求項2乃至19のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項21】
前記ユーザポイント取得手段は、当該コンテンツ再生装置にネットワークを介して接続された、前記DRM情報を提供する著作権管理装置から、ネットワークを介して前記ユーザポイントを購入する手段であることを特徴とする請求項2乃至20のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項22】
前記管理情報取得手段は、当該コンテンツ再生装置にネットワークを介して接続された、前記DRM情報を提供する著作権管理装置から、ネットワークを介して前記DRM情報を取得する手段であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項23】
前記コンテンツ取得手段でコンテンツを取得する際には、前記DRM情報の少なくとも一部が前記管理情報取得手段で強制的に同時に取得され、前記DRM情報の前記一部には、前記コンテンツに対する再生制限情報及び/又は複製制限情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項24】
前記コンテンツ取得手段で取得するコンテンツは、前記DRM情報によって解除可能な再生制限及び/又は複製制限が施されていることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項25】
前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを複製するコンテンツ複製手段を備え、該コンテンツ複製手段は、前記品質変更再生手段での再生品質でコンテンツの複製を行う品質制限手段を有することを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項26】
前記コンテンツ複製手段は、複製対象のコンテンツに対し、再生制限情報及び/又は複製制限情報を付加する制限情報付加手段を有することを特徴とする請求項25に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項27】
前記品質変更再生手段は、前記コンテンツを再生するに際し、再生レートを変更した再生、所定の周波数帯域をカットしながらの再生、エラーを付加した再生、のいずれかによって再生時の品質変更を実行することを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項28】
請求項1乃至27のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置に対して提供するための前記DRM情報を格納する管理情報格納手段と、前記コンテンツ再生装置に対し、ネットワークを介して前記管理情報格納手段で格納された前記DRM情報を提供する管理情報提供手段とを備えたことを特徴とする著作権管理装置。
【請求項29】
前記DRM情報に関連するコンテンツを、ネットワークを介して前記コンテンツ再生装置に提供するコンテンツ提供手段を備えたことを特徴とする請求項28に記載の著作権管理装置。
【請求項30】
請求項1乃至27のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置と、請求項28又は29に記載の著作権管理装置とを備えたコンテンツ再生管理システム。
【請求項31】
請求項1乃至27のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置に組み込み、該コンテンツ再生装置の演算処理装置を、各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項32】
請求項28又は29に記載の著作権管理装置に組み込み、該著作権管理装置の演算処理装置を、各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項33】
請求項31又は32のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−148483(P2007−148483A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338162(P2005−338162)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】