コンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信方法
【課題】時刻情報や位置情報等の携帯端末から得られる情報を用いてユーザ毎のコンテンツの使用制限を行う。
【解決手段】コンテンツ配信サーバ100は、データベース120に記録されているコンテンツデータ毎に、予め使用可能なユーザ情報、地域情報、時間情報、禁止キーワード、禁止画像等の配信制限設定を行っておく(ステップS11)。ユーザの携帯電話10から送信されたコンテンツデータの送信要求、現在時刻情報、現在位置情報、及び携帯端末情報を取得すると(ステップS12)、これらの情報と配信制限設定に基づいて、配信可能なコンテンツデータをデータベース120から読み出し、禁止キーワード、禁止画像についてデータの改変を行う(ステップS13)。さらに改変したコンテンツデータを送信要求のあった携帯電話10に送信する(ステップS15)。
【解決手段】コンテンツ配信サーバ100は、データベース120に記録されているコンテンツデータ毎に、予め使用可能なユーザ情報、地域情報、時間情報、禁止キーワード、禁止画像等の配信制限設定を行っておく(ステップS11)。ユーザの携帯電話10から送信されたコンテンツデータの送信要求、現在時刻情報、現在位置情報、及び携帯端末情報を取得すると(ステップS12)、これらの情報と配信制限設定に基づいて、配信可能なコンテンツデータをデータベース120から読み出し、禁止キーワード、禁止画像についてデータの改変を行う(ステップS13)。さらに改変したコンテンツデータを送信要求のあった携帯電話10に送信する(ステップS15)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信方法に係り、特に、時刻情報や位置情報に基づいてユーザ毎のコンテンツの使用制限を行うコンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置でのコンテンツ閲覧について制限を行う場合は、ユーザIDとパスワードによって本人を確認し、予め設定されたユーザ権限と照らし合わせて閲覧の可否を判断することが一般的である。これに対し、コンテンツの一部だけについて利用制限を行いたい場合もある。
【0003】
特許文献1には、隠蔽領域指定で指定された領域を隠蔽する隠蔽手段を備えた画像処理装置が記載されている。この装置によれば、利用制限を課しながらも利用制限の課される情報が含まれている領域のみを隠蔽して複写等ができるのみならず、関連情報に基づいて隠蔽される領域を変更することができる。
【特許文献1】特開2007−166341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は画像データに対する制限しか行えず、文書データ等に対して制限することができないという問題点があった。また、特定のユーザに対する細かい設定ができないという問題点もあった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、時刻情報や位置情報等の携帯端末から得られる情報を用いてユーザ毎のコンテンツの使用制限を行うことで、セキュリティや利便性の向上を図るコンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために請求項1に記載のコンテンツ配信サーバは、データベースに記録されたコンテンツデータを携帯端末に配信するコンテンツ配信サーバにおいて、ユーザがコンテンツデータ毎に設定した配信制限であって、少なくとも配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限を前記コンテンツデータと関連付けてデータベースに記録する記録手段と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報を取得する取得手段と、前記関連付けて記録されている配信制限と前記取得した情報に基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断する判断手段と、前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信する配信手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
これによれば、ユーザが設定した配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報とに基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断し、前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信するようにしたので、ユーザ毎に、ユーザの現在位置に対応したコンテンツデータを配信することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【0008】
請求項2に示すように請求項1に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記配信制限は配信可能な時刻情報を含み、前記判断手段は、前記配信制限と前記配信手段がコンテンツを配信する時刻に基づいて、コンテンツデータ毎の前記携帯端末への配信の可否を判断することを特徴とする。
【0009】
これにより、ユーザ毎に、時刻に対応したコンテンツデータを配信することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【0010】
請求項3に示すように請求項1又は2に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記配信手段は、前記携帯端末で指定されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信することを特徴とする。
【0011】
これにより、ユーザの所望のコンテンツデータをのみを配信することができ、不要なコンテンツデータ配信による無駄な通信を無くすことができる。
【0012】
請求項4に示すように請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記配信制限はコンテンツ内での使用を禁止する禁止キーワード又は/及び禁止画像を含み、前記禁止キーワード又は/及び禁止画像に基づいてコンテンツデータを改変する改変手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
これにより、ユーザ毎に、コンテンツ内での使用を禁止する禁止キーワード又は禁止画像に基づいてコンテンツデータを改変することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項5に示すように請求項4に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記改変手段は、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、前記文書データ又は画像データ内に存在する前記禁止キーワード又は禁止画像を、異なるキーワード又は画像に置換することを特徴とする。
【0015】
これにより、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、ユーザに禁止キーワード又は禁止画像を認識させずにコンテンツデータを配信することができる。
【0016】
請求項6に示すように請求項4に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記改変手段は、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、前記文書データ又は画像データ内に存在する前記禁止キーワード又は禁止画像を閲覧不可能に隠蔽することを特徴とする。
【0017】
これにより、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、ユーザに禁止キーワード又は禁止画像を認識させずにコンテンツデータを配信することができる。
【0018】
請求項7に示すように請求項4に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記改変手段は、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、前記動画データ又は音声データ内に存在する前記禁止キーワードを別のキーワードに置換することを特徴とする。
【0019】
これにより、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、ユーザに禁止キーワードを認識させずにコンテンツデータを配信することができる。
【0020】
請求項8に示すように請求項4に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記改変手段は、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、前記動画データ又は音声データ内に存在する前記禁止キーワードを聴取不可能に隠蔽することを特徴とする。
【0021】
これにより、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、ユーザに禁止キーワードを認識させずにコンテンツデータを配信することができる。
【0022】
前記目的を達成するために請求項9に記載のコンテンツ配信方法は、データベースに記録されたコンテンツデータを携帯端末に配信するコンテンツ配信方法において、ユーザがコンテンツデータ毎に設定した配信制限であって、少なくとも配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限を前記コンテンツデータと関連付けてデータベースに記録する記録工程と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報を取得する取得工程と、前記関連付けて記録されている配信制限と前記取得した情報に基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断する判断工程と、前記判断工程により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信する配信工程とを備えたことを特徴とする。
【0023】
これによれば、ユーザが設定した配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報とに基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断し、前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信するようにしたので、ユーザ毎に、ユーザの現在位置に対応したコンテンツデータを配信することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザが設定した配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報とに基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断し、前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信するようにしたので、ユーザ毎に、ユーザの現在位置に対応したコンテンツデータを配信することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るコンテンツ配信システム1の構成の一例を示す図である。同図に示すように、コンテンツ配信システム1は、携帯電話10、コンテンツ配信サーバ100、データベース120、インターネット200、交換網201等を備えて構成される。
【0027】
インターネット200は、所定のプロトコルに従ってデータ等が伝送される通信ネットワークである。
【0028】
携帯電話10は、それぞれ固有の端末IDが付与されており、通常の通話機能の他、インターネット200への接続機能を備えている。また、図示しないGPSアンテナによって複数のGPS衛星からGPS信号を受信し、携帯電話10の現在位置を特定することが可能である。
【0029】
コンテンツ配信サーバ100は、交換網201を介してインターネット200に接続される。交換網201は、例えば社内システムのようなネットワークシステムであり、携帯電話10とコンテンツ配信サーバ100は、所定のプロトコルを用いてインターネット200を介したデータの送受信を行うことが可能である。
【0030】
図2は、コンテンツ配信サーバ100の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、コンテンツ配信サーバ100は、中央演算装置101、メモリ102、操作制御部103、キーボード104、表示制御部105、ディスプレイ106、バス107、ネットワークインターフェース108、ストレージ制御部109、及びストレージ110等から構成されている。また、中央演算装置101、メモリ102、操作制御部103、表示制御部105、ネットワークインターフェース108、及びストレージ制御部109は、バス107を介して互いに情報を送受信できるように構成されている。
【0031】
中央演算装置101は、ストレージ110に記録された制御プログラムをストレージ制御部109を介して読み出し、メモリ102にロードする。このメモリ102にロードした制御プログラムを実行し、コンテンツ配信サーバ100の各部を統括制御する。
【0032】
キーボード104から入力された情報は、操作制御部103を介して中央演算装置101に入力され、中央演算装置101は、入力された情報に基づいた動作を実行する。表示を伴う動作の場合は、表示制御部105を介してディスプレイ106に表示が行われる。
【0033】
ネットワークインターフェース108は、所定のプロトコルを用いてインターネット200やデータベース120との通信を行う。
【0034】
なお、コンテンツ配信サーバ100とデータベース120は、ネットワークを介した接続でなく、IDEやUSB等を用いて接続してもよい。
【0035】
データベース120は、ハードディスク装置などの大容量記憶装置で構成されており、携帯電話10で使用される文書データ、音声データ、画像データ、動画データ等の各種コンテンツや、ユーザ情報、後述する各種配信制限条件等が記録されている。ユーザ情報は、コンテンツ配信サーバ100にアクセス権限のあるユーザの情報である。また、配信制限条件は、各コンテンツがユーザに配信される上で、配信されるユーザ毎に設定されたコンテンツの使用制限するための条件であり、地域情報、時間情報、禁止キーワード情報、禁止画像情報等がある。これらの配信制限条件は、予め場合分けされており、それぞれIDが付与されている。
【0036】
図3は、データベース120に記録されているユーザ情報の一例である。各ユーザの情報として、ユーザID、ユーザ名、及び携帯電話10の端末IDが記録されている。
【0037】
図4は、データベース120に記録されている地域情報の一例である。地域情報として、地域ID、地域名、緯度経度を用いた地域範囲が記録されている。ユーザが所属する企業の事業所毎に、事業所ID、事業所名、事業所の敷地範囲を記録しておいてもよい。地域情報のうちいずれかの地域IDが選択されて設定されたコンテンツは、その地域IDに該当する地域範囲でしか使用することができなくなる。
【0038】
図5は、データベース120に記録されている時間情報の一例である。時間帯ごとに、時間ID、時間帯、及び期限が記録されている。時間情報のうちいずれかの時間IDが選択されて設定されたコンテンツは、その時間IDに該当する時間帯及び期限でしか使用することができなくなる。
【0039】
図6は、データベース120に記録されているコンテンツ情報の一例である。各コンテンツのIDと、コンテンツデータのファイルが存在するパス情報が記録されている。
【0040】
図7は、データベース120に記録されている禁止キーワード情報の一例である。各禁止キーワードのIDと、キーワードが記録されている。禁止キーワード情報のうちいずれかの禁止キーワードが選択されて設定されたコンテンツは、設定された禁止キーワードが認識されないように改変されてユーザに配信される。
【0041】
図8は、データベース120に記録されている禁止画像情報の一例である。各禁止画像のIDと、禁止画像のファイルが存在するパス情報が記録されている。禁止画像情報のうちいずれかの禁止画像が選択されて設定されたコンテンツは、設定された禁止画像が認識されないように改変されてユーザに配信される。
【0042】
次に、図9を用いてコンテンツ配信システム1の動作について説明する。
【0043】
ユーザは、データベース120に記録されているコンテンツデータに対して、予め配信制限の設定を行っておく(ステップS11)。例えば、閲覧可能なユーザID、地域ID、時間ID、禁止キーワード、禁止画像を設定する。図10は、コンテンツデータに設定された配信制限についての一例を示す図である。
【0044】
図10に示す例では、コンテンツID=1のコンテンツデータに対して、ユーザID=1のユーザは、地域ID=ALLであるため、全ての地域で使用可能である。また、時間ID=ALLであるため、全ての時間帯において使用可能である。さらに、禁止キーワードと禁止画像の設定もされていない。
【0045】
これに対し、ユーザID=2のユーザは、コンテンツID=1のコンテンツデータについて、地域ID=1、時間ID=1、2、禁止キーワードID=5、10、禁止画像ID=6が設定されているため、ユーザID=2のユーザにコンテンツID=1のコンテンツデータが配信されるのは、地域ID=1の地域、時間ID=1、2の時間帯及び期限だけに制限される。また禁止キーワードID=5、10の禁止キーワード及び禁止画像ID=6の禁止画像は認識不可能に改変されて提供される。同様に、ユーザID=3のユーザについては、地域ID=1の地域において、時間ID=1の時間帯及び期限だけコンテンツID=1のコンテンツデータを配信可能となっている。また、禁止キーワードID=5の禁止キーワードが認識不可能に改変されて配信される。
【0046】
また、コンテンツID=2のコンテンツデータについては、ユーザID=1、3、5のユーザだけに配信可能となっており、ユーザID=1、5のユーザについては、地域と時間帯の制限、及び禁止キーワード、禁止画像が設定されている。
【0047】
このように、各コンテンツデータに対して、予め配信制限の設定を行っておく。図11は、このように設定された配信制限の設定について、地域別に分類したものである。例えば、地域ID=1の地域において、ユーザID=32、51、57のユーザが時間ID=2の時間帯に、コンテンツID=52、62、77、154のコンテンツデータを使用可能となっている。このとき、禁止キーワードID=2、6の禁止キーワードと禁止画像ID=3の禁止画像が設定されている。
【0048】
コンテンツの配信を希望するユーザは、携帯電話10を用いて、コンテンツ配信サーバ100に対してコンテンツ送信要求を行う(ステップS1)。このとき、携帯電話10は、コンテンツ送信要求信号とともに、現在時刻情報、GPSから得られた現在位置情報、及び予め付与されている携帯端末IDをコンテンツ配信サーバ100に送信する。コンテンツ配信サーバ100は、携帯電話10から送信されたコンテンツ送信要求、現在時刻情報、現在位置情報、及び携帯端末IDを受信する(ステップS12)。図12は、携帯電話10からコンテンツ配信サーバ100に対して送信される情報の一例を示す図である。
【0049】
本実施の形態では、ユーザを識別するために携帯電話10に付与されている携帯端末IDを用いているが、携帯端末IDの代わりに、音声データ、画像データ、ユーザIDとパスワードからなるユーザ登録情報等を用いてユーザを識別してもよい。また、コンテンツ送信要求の時刻情報は、携帯電話10から送信するのではなく、コンテンツ配信サーバ100に内蔵される時計から取得してもよい。
【0050】
次に、コンテンツ配信サーバ100は、予め設定されているコンテンツの配信制限設定に基づいて、データベース120からコンテンツデータを読み出し、改変を行う(ステップS13)。例えば、ユーザID=32のユーザが、地域ID=1の地域において時間ID=2の時間帯にコンテンツ送信要求をした場合は、図11に示すように、コンテンツID=52、62、77、154のコンテンツデータをデータベース120から読み出す。さらに、読み出したコンテンツデータから禁止キーワードID=2、6の禁止キーワードと、禁止画像ID=3の禁止画像を抽出し、それぞれ異なるキーワードや画像と置換、または閲覧、聴取不可能に隠蔽する。禁止キーワード、禁止画像の検出は、既存のテキスト検索、音声認識、類似画像検索アルゴリズムを用いる。
【0051】
図13(a1)に、コンテンツID=52の文書データを示す。ここで、禁止キーワードID=2の禁止キーワードが「○○社」であるとすると、コンテンツ配信サーバ100の中央演算装置101は、コンテンツID=52の文書データから「○○社」の文字を抽出し、他の文字に置換、または閲覧不可能に黒く塗りつぶす。また、禁止キーワードの領域の表示を行わないように構成してもよい。
【0052】
図13(a2)は、禁止キーワード「○○社」を禁止キーワードとは異なる「××社」に置換して改変した文書データを示しており、図13(a3)は、禁止キーワード「○○社」を閲覧不可能に黒く塗りつぶして改変した文書データを示している。なお、画像データのコンテンツに含まれている禁止キーワードについても、同様の処理を行えばよい。
【0053】
また、図13(b1)に、コンテンツID=62の音声データを示す。この音声データには、禁止キーワードID=2の「○○社」が含まれており、中央演算装置101は、コンテンツID=62の音声データから「○○社」の部分を抽出し、他の言葉に置換、または聴取不可能に上から他の音を被せる、または消去して無音化する。図13(b2)は、禁止キーワード「○○社」を禁止キーワードとは異なる「××社」に置換して改変した音声データを示しており、図13(b3)は、禁止キーワード「○○社」を聴取不可能に消去して改変した音声データを示している。なお、動画データのコンテンツの音声部に含まれている禁止キーワードについても、同様の処理を行って改変すればよい。
【0054】
さらに、図13(c1)に、コンテンツID=77の文書データを示す。この文書データには、禁止画像ID=3の禁止画像が含まれており、中央演算装置101は、コンテンツID=77の文書データからこの禁止画像を抽出し、別の画像に置換、または閲覧不可能に黒く塗りつぶす。また、禁止画像の領域の表示を行わないように構成してもよい。
【0055】
図13(c2)は、禁止画像ID=3の禁止画像を別の画像に置換して改変した文書データを示しており、図13(c3)は、禁止画像ID=3の禁止画像を閲覧不可能に黒く塗りつぶして改変した文書データを示している。なお、文書データ中の画像は、データベース120に記録されている禁止画像と大きさが異なっている場合であっても、縮小・拡大することにより禁止画像と同じ画像となる画像であれば、禁止画像と判断される。また、画像データのコンテンツにおいて、禁止画像と実質的に同じであると認識される部分が存在する場合についても、同様の処理を行って改変すればよい。
【0056】
コンテンツデータの読み出しと改変が終了したら、配信可能か否かを判定する(ステップS14)。配信可能なコンテンツデータが存在しない場合は、携帯電話10に対してエラーメッセージを送信する(ステップS16)。配信可能なコンテンツデータが存在する場合は、携帯電話10に対して、改変したコンテンツを送信する。ユーザID=32のユーザが地域ID=1の地域において、時間ID=2の時間帯にコンテンツ送信要求をした場合は、コンテンツID=52、62、77、154のコンテンツデータの改変データを送信する。なお、全ての送信可能な改変データを送信するのではなく、携帯電話10から所望のコンテンツデータを選択し、選択されたコンテンツデータの改変データだけを送信してもよい。
【0057】
携帯電話10は、コンテンツ配信サーバ100から送信された改変コンテンツ、またはエラーメッセージを受信し(ステップS2)、これらを表示部に閲覧可能に表示、または音声出力部に聴取可能に出力する(ステップS3)。
【0058】
例えば、ユーザから送信要求のあったコンテンツの一部に、そのユーザに対して使用させることができない部分が含まれている場合に、そのコンテンツをそのまま配信してしまってはセキュリティ上問題があり、コンテンツの配信を行わないのでは利便性に欠けてしまう。そこで、本発明のように、コンテンツの送信要求を行ったユーザに対し、そのユーザの取得可能コンテンツデータを読み出し、そのユーザに設定された禁止キーワードや禁止画像についてコンテンツデータの改変を行ってからユーザに配信することにより、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。また、同じコンテンツデータであっても、ユーザ毎に禁止キーワードや禁止画像の設定が行えるため、各ユーザは最小限に改変されたコンテンツを使用することができる。
【0059】
なお、改変したコンテンツデータは、データベース120に保持される。再度同様の制限が必要な場合に、その改変したコンテンツデータをデータベース120から読み出して再使用することで、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明に係るコンテンツ配信システム1の構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、コンテンツ配信システム1の動作を示すフローチャートである。
【図3】図3は、データベース120に記録されているユーザ情報の一例である。
【図4】図4は、データベース120に記録されている地域情報の一例である。
【図5】図5は、データベース120に記録されている時間指定情報の一例である。
【図6】図6は、データベース120に記録されているコンテンツ情報の一例である。
【図7】図7は、データベース120に記録されている禁止キーワード情報の一例である。
【図8】図8は、データベース120に記録されている禁止画像情報の一例である。
【図9】図9は、コンテンツ配信サーバ100の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、コンテンツデータに設定された配信制限についての一例を示す図である。
【図11】図11は、コンテンツに設定された配信制限について、地域別に分類したものである。
【図12】図12は、携帯電話10からコンテンツ配信サーバ100に対して送信される情報の一例を示す図である。
【図13】図13は、各文書データの元データと改変後のデータを示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1…コンテンツ配信システム、10…携帯電話、100…コンテンツ配信サーバ、101…中央演算装置、102…メモリ、103…操作制御部、104…キーボード、107…バス、108…ネットワークインターフェース、120…データベース、200…インターネット
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信方法に係り、特に、時刻情報や位置情報に基づいてユーザ毎のコンテンツの使用制限を行うコンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置でのコンテンツ閲覧について制限を行う場合は、ユーザIDとパスワードによって本人を確認し、予め設定されたユーザ権限と照らし合わせて閲覧の可否を判断することが一般的である。これに対し、コンテンツの一部だけについて利用制限を行いたい場合もある。
【0003】
特許文献1には、隠蔽領域指定で指定された領域を隠蔽する隠蔽手段を備えた画像処理装置が記載されている。この装置によれば、利用制限を課しながらも利用制限の課される情報が含まれている領域のみを隠蔽して複写等ができるのみならず、関連情報に基づいて隠蔽される領域を変更することができる。
【特許文献1】特開2007−166341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は画像データに対する制限しか行えず、文書データ等に対して制限することができないという問題点があった。また、特定のユーザに対する細かい設定ができないという問題点もあった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、時刻情報や位置情報等の携帯端末から得られる情報を用いてユーザ毎のコンテンツの使用制限を行うことで、セキュリティや利便性の向上を図るコンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために請求項1に記載のコンテンツ配信サーバは、データベースに記録されたコンテンツデータを携帯端末に配信するコンテンツ配信サーバにおいて、ユーザがコンテンツデータ毎に設定した配信制限であって、少なくとも配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限を前記コンテンツデータと関連付けてデータベースに記録する記録手段と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報を取得する取得手段と、前記関連付けて記録されている配信制限と前記取得した情報に基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断する判断手段と、前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信する配信手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
これによれば、ユーザが設定した配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報とに基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断し、前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信するようにしたので、ユーザ毎に、ユーザの現在位置に対応したコンテンツデータを配信することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【0008】
請求項2に示すように請求項1に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記配信制限は配信可能な時刻情報を含み、前記判断手段は、前記配信制限と前記配信手段がコンテンツを配信する時刻に基づいて、コンテンツデータ毎の前記携帯端末への配信の可否を判断することを特徴とする。
【0009】
これにより、ユーザ毎に、時刻に対応したコンテンツデータを配信することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【0010】
請求項3に示すように請求項1又は2に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記配信手段は、前記携帯端末で指定されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信することを特徴とする。
【0011】
これにより、ユーザの所望のコンテンツデータをのみを配信することができ、不要なコンテンツデータ配信による無駄な通信を無くすことができる。
【0012】
請求項4に示すように請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記配信制限はコンテンツ内での使用を禁止する禁止キーワード又は/及び禁止画像を含み、前記禁止キーワード又は/及び禁止画像に基づいてコンテンツデータを改変する改変手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
これにより、ユーザ毎に、コンテンツ内での使用を禁止する禁止キーワード又は禁止画像に基づいてコンテンツデータを改変することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項5に示すように請求項4に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記改変手段は、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、前記文書データ又は画像データ内に存在する前記禁止キーワード又は禁止画像を、異なるキーワード又は画像に置換することを特徴とする。
【0015】
これにより、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、ユーザに禁止キーワード又は禁止画像を認識させずにコンテンツデータを配信することができる。
【0016】
請求項6に示すように請求項4に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記改変手段は、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、前記文書データ又は画像データ内に存在する前記禁止キーワード又は禁止画像を閲覧不可能に隠蔽することを特徴とする。
【0017】
これにより、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、ユーザに禁止キーワード又は禁止画像を認識させずにコンテンツデータを配信することができる。
【0018】
請求項7に示すように請求項4に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記改変手段は、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、前記動画データ又は音声データ内に存在する前記禁止キーワードを別のキーワードに置換することを特徴とする。
【0019】
これにより、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、ユーザに禁止キーワードを認識させずにコンテンツデータを配信することができる。
【0020】
請求項8に示すように請求項4に記載のコンテンツ配信サーバにおいて、前記改変手段は、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、前記動画データ又は音声データ内に存在する前記禁止キーワードを聴取不可能に隠蔽することを特徴とする。
【0021】
これにより、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、ユーザに禁止キーワードを認識させずにコンテンツデータを配信することができる。
【0022】
前記目的を達成するために請求項9に記載のコンテンツ配信方法は、データベースに記録されたコンテンツデータを携帯端末に配信するコンテンツ配信方法において、ユーザがコンテンツデータ毎に設定した配信制限であって、少なくとも配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限を前記コンテンツデータと関連付けてデータベースに記録する記録工程と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報を取得する取得工程と、前記関連付けて記録されている配信制限と前記取得した情報に基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断する判断工程と、前記判断工程により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信する配信工程とを備えたことを特徴とする。
【0023】
これによれば、ユーザが設定した配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報とに基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断し、前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信するようにしたので、ユーザ毎に、ユーザの現在位置に対応したコンテンツデータを配信することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザが設定した配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限と、コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報とに基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断し、前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信するようにしたので、ユーザ毎に、ユーザの現在位置に対応したコンテンツデータを配信することができ、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るコンテンツ配信システム1の構成の一例を示す図である。同図に示すように、コンテンツ配信システム1は、携帯電話10、コンテンツ配信サーバ100、データベース120、インターネット200、交換網201等を備えて構成される。
【0027】
インターネット200は、所定のプロトコルに従ってデータ等が伝送される通信ネットワークである。
【0028】
携帯電話10は、それぞれ固有の端末IDが付与されており、通常の通話機能の他、インターネット200への接続機能を備えている。また、図示しないGPSアンテナによって複数のGPS衛星からGPS信号を受信し、携帯電話10の現在位置を特定することが可能である。
【0029】
コンテンツ配信サーバ100は、交換網201を介してインターネット200に接続される。交換網201は、例えば社内システムのようなネットワークシステムであり、携帯電話10とコンテンツ配信サーバ100は、所定のプロトコルを用いてインターネット200を介したデータの送受信を行うことが可能である。
【0030】
図2は、コンテンツ配信サーバ100の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、コンテンツ配信サーバ100は、中央演算装置101、メモリ102、操作制御部103、キーボード104、表示制御部105、ディスプレイ106、バス107、ネットワークインターフェース108、ストレージ制御部109、及びストレージ110等から構成されている。また、中央演算装置101、メモリ102、操作制御部103、表示制御部105、ネットワークインターフェース108、及びストレージ制御部109は、バス107を介して互いに情報を送受信できるように構成されている。
【0031】
中央演算装置101は、ストレージ110に記録された制御プログラムをストレージ制御部109を介して読み出し、メモリ102にロードする。このメモリ102にロードした制御プログラムを実行し、コンテンツ配信サーバ100の各部を統括制御する。
【0032】
キーボード104から入力された情報は、操作制御部103を介して中央演算装置101に入力され、中央演算装置101は、入力された情報に基づいた動作を実行する。表示を伴う動作の場合は、表示制御部105を介してディスプレイ106に表示が行われる。
【0033】
ネットワークインターフェース108は、所定のプロトコルを用いてインターネット200やデータベース120との通信を行う。
【0034】
なお、コンテンツ配信サーバ100とデータベース120は、ネットワークを介した接続でなく、IDEやUSB等を用いて接続してもよい。
【0035】
データベース120は、ハードディスク装置などの大容量記憶装置で構成されており、携帯電話10で使用される文書データ、音声データ、画像データ、動画データ等の各種コンテンツや、ユーザ情報、後述する各種配信制限条件等が記録されている。ユーザ情報は、コンテンツ配信サーバ100にアクセス権限のあるユーザの情報である。また、配信制限条件は、各コンテンツがユーザに配信される上で、配信されるユーザ毎に設定されたコンテンツの使用制限するための条件であり、地域情報、時間情報、禁止キーワード情報、禁止画像情報等がある。これらの配信制限条件は、予め場合分けされており、それぞれIDが付与されている。
【0036】
図3は、データベース120に記録されているユーザ情報の一例である。各ユーザの情報として、ユーザID、ユーザ名、及び携帯電話10の端末IDが記録されている。
【0037】
図4は、データベース120に記録されている地域情報の一例である。地域情報として、地域ID、地域名、緯度経度を用いた地域範囲が記録されている。ユーザが所属する企業の事業所毎に、事業所ID、事業所名、事業所の敷地範囲を記録しておいてもよい。地域情報のうちいずれかの地域IDが選択されて設定されたコンテンツは、その地域IDに該当する地域範囲でしか使用することができなくなる。
【0038】
図5は、データベース120に記録されている時間情報の一例である。時間帯ごとに、時間ID、時間帯、及び期限が記録されている。時間情報のうちいずれかの時間IDが選択されて設定されたコンテンツは、その時間IDに該当する時間帯及び期限でしか使用することができなくなる。
【0039】
図6は、データベース120に記録されているコンテンツ情報の一例である。各コンテンツのIDと、コンテンツデータのファイルが存在するパス情報が記録されている。
【0040】
図7は、データベース120に記録されている禁止キーワード情報の一例である。各禁止キーワードのIDと、キーワードが記録されている。禁止キーワード情報のうちいずれかの禁止キーワードが選択されて設定されたコンテンツは、設定された禁止キーワードが認識されないように改変されてユーザに配信される。
【0041】
図8は、データベース120に記録されている禁止画像情報の一例である。各禁止画像のIDと、禁止画像のファイルが存在するパス情報が記録されている。禁止画像情報のうちいずれかの禁止画像が選択されて設定されたコンテンツは、設定された禁止画像が認識されないように改変されてユーザに配信される。
【0042】
次に、図9を用いてコンテンツ配信システム1の動作について説明する。
【0043】
ユーザは、データベース120に記録されているコンテンツデータに対して、予め配信制限の設定を行っておく(ステップS11)。例えば、閲覧可能なユーザID、地域ID、時間ID、禁止キーワード、禁止画像を設定する。図10は、コンテンツデータに設定された配信制限についての一例を示す図である。
【0044】
図10に示す例では、コンテンツID=1のコンテンツデータに対して、ユーザID=1のユーザは、地域ID=ALLであるため、全ての地域で使用可能である。また、時間ID=ALLであるため、全ての時間帯において使用可能である。さらに、禁止キーワードと禁止画像の設定もされていない。
【0045】
これに対し、ユーザID=2のユーザは、コンテンツID=1のコンテンツデータについて、地域ID=1、時間ID=1、2、禁止キーワードID=5、10、禁止画像ID=6が設定されているため、ユーザID=2のユーザにコンテンツID=1のコンテンツデータが配信されるのは、地域ID=1の地域、時間ID=1、2の時間帯及び期限だけに制限される。また禁止キーワードID=5、10の禁止キーワード及び禁止画像ID=6の禁止画像は認識不可能に改変されて提供される。同様に、ユーザID=3のユーザについては、地域ID=1の地域において、時間ID=1の時間帯及び期限だけコンテンツID=1のコンテンツデータを配信可能となっている。また、禁止キーワードID=5の禁止キーワードが認識不可能に改変されて配信される。
【0046】
また、コンテンツID=2のコンテンツデータについては、ユーザID=1、3、5のユーザだけに配信可能となっており、ユーザID=1、5のユーザについては、地域と時間帯の制限、及び禁止キーワード、禁止画像が設定されている。
【0047】
このように、各コンテンツデータに対して、予め配信制限の設定を行っておく。図11は、このように設定された配信制限の設定について、地域別に分類したものである。例えば、地域ID=1の地域において、ユーザID=32、51、57のユーザが時間ID=2の時間帯に、コンテンツID=52、62、77、154のコンテンツデータを使用可能となっている。このとき、禁止キーワードID=2、6の禁止キーワードと禁止画像ID=3の禁止画像が設定されている。
【0048】
コンテンツの配信を希望するユーザは、携帯電話10を用いて、コンテンツ配信サーバ100に対してコンテンツ送信要求を行う(ステップS1)。このとき、携帯電話10は、コンテンツ送信要求信号とともに、現在時刻情報、GPSから得られた現在位置情報、及び予め付与されている携帯端末IDをコンテンツ配信サーバ100に送信する。コンテンツ配信サーバ100は、携帯電話10から送信されたコンテンツ送信要求、現在時刻情報、現在位置情報、及び携帯端末IDを受信する(ステップS12)。図12は、携帯電話10からコンテンツ配信サーバ100に対して送信される情報の一例を示す図である。
【0049】
本実施の形態では、ユーザを識別するために携帯電話10に付与されている携帯端末IDを用いているが、携帯端末IDの代わりに、音声データ、画像データ、ユーザIDとパスワードからなるユーザ登録情報等を用いてユーザを識別してもよい。また、コンテンツ送信要求の時刻情報は、携帯電話10から送信するのではなく、コンテンツ配信サーバ100に内蔵される時計から取得してもよい。
【0050】
次に、コンテンツ配信サーバ100は、予め設定されているコンテンツの配信制限設定に基づいて、データベース120からコンテンツデータを読み出し、改変を行う(ステップS13)。例えば、ユーザID=32のユーザが、地域ID=1の地域において時間ID=2の時間帯にコンテンツ送信要求をした場合は、図11に示すように、コンテンツID=52、62、77、154のコンテンツデータをデータベース120から読み出す。さらに、読み出したコンテンツデータから禁止キーワードID=2、6の禁止キーワードと、禁止画像ID=3の禁止画像を抽出し、それぞれ異なるキーワードや画像と置換、または閲覧、聴取不可能に隠蔽する。禁止キーワード、禁止画像の検出は、既存のテキスト検索、音声認識、類似画像検索アルゴリズムを用いる。
【0051】
図13(a1)に、コンテンツID=52の文書データを示す。ここで、禁止キーワードID=2の禁止キーワードが「○○社」であるとすると、コンテンツ配信サーバ100の中央演算装置101は、コンテンツID=52の文書データから「○○社」の文字を抽出し、他の文字に置換、または閲覧不可能に黒く塗りつぶす。また、禁止キーワードの領域の表示を行わないように構成してもよい。
【0052】
図13(a2)は、禁止キーワード「○○社」を禁止キーワードとは異なる「××社」に置換して改変した文書データを示しており、図13(a3)は、禁止キーワード「○○社」を閲覧不可能に黒く塗りつぶして改変した文書データを示している。なお、画像データのコンテンツに含まれている禁止キーワードについても、同様の処理を行えばよい。
【0053】
また、図13(b1)に、コンテンツID=62の音声データを示す。この音声データには、禁止キーワードID=2の「○○社」が含まれており、中央演算装置101は、コンテンツID=62の音声データから「○○社」の部分を抽出し、他の言葉に置換、または聴取不可能に上から他の音を被せる、または消去して無音化する。図13(b2)は、禁止キーワード「○○社」を禁止キーワードとは異なる「××社」に置換して改変した音声データを示しており、図13(b3)は、禁止キーワード「○○社」を聴取不可能に消去して改変した音声データを示している。なお、動画データのコンテンツの音声部に含まれている禁止キーワードについても、同様の処理を行って改変すればよい。
【0054】
さらに、図13(c1)に、コンテンツID=77の文書データを示す。この文書データには、禁止画像ID=3の禁止画像が含まれており、中央演算装置101は、コンテンツID=77の文書データからこの禁止画像を抽出し、別の画像に置換、または閲覧不可能に黒く塗りつぶす。また、禁止画像の領域の表示を行わないように構成してもよい。
【0055】
図13(c2)は、禁止画像ID=3の禁止画像を別の画像に置換して改変した文書データを示しており、図13(c3)は、禁止画像ID=3の禁止画像を閲覧不可能に黒く塗りつぶして改変した文書データを示している。なお、文書データ中の画像は、データベース120に記録されている禁止画像と大きさが異なっている場合であっても、縮小・拡大することにより禁止画像と同じ画像となる画像であれば、禁止画像と判断される。また、画像データのコンテンツにおいて、禁止画像と実質的に同じであると認識される部分が存在する場合についても、同様の処理を行って改変すればよい。
【0056】
コンテンツデータの読み出しと改変が終了したら、配信可能か否かを判定する(ステップS14)。配信可能なコンテンツデータが存在しない場合は、携帯電話10に対してエラーメッセージを送信する(ステップS16)。配信可能なコンテンツデータが存在する場合は、携帯電話10に対して、改変したコンテンツを送信する。ユーザID=32のユーザが地域ID=1の地域において、時間ID=2の時間帯にコンテンツ送信要求をした場合は、コンテンツID=52、62、77、154のコンテンツデータの改変データを送信する。なお、全ての送信可能な改変データを送信するのではなく、携帯電話10から所望のコンテンツデータを選択し、選択されたコンテンツデータの改変データだけを送信してもよい。
【0057】
携帯電話10は、コンテンツ配信サーバ100から送信された改変コンテンツ、またはエラーメッセージを受信し(ステップS2)、これらを表示部に閲覧可能に表示、または音声出力部に聴取可能に出力する(ステップS3)。
【0058】
例えば、ユーザから送信要求のあったコンテンツの一部に、そのユーザに対して使用させることができない部分が含まれている場合に、そのコンテンツをそのまま配信してしまってはセキュリティ上問題があり、コンテンツの配信を行わないのでは利便性に欠けてしまう。そこで、本発明のように、コンテンツの送信要求を行ったユーザに対し、そのユーザの取得可能コンテンツデータを読み出し、そのユーザに設定された禁止キーワードや禁止画像についてコンテンツデータの改変を行ってからユーザに配信することにより、セキュリティや利便性の向上を図ることができる。また、同じコンテンツデータであっても、ユーザ毎に禁止キーワードや禁止画像の設定が行えるため、各ユーザは最小限に改変されたコンテンツを使用することができる。
【0059】
なお、改変したコンテンツデータは、データベース120に保持される。再度同様の制限が必要な場合に、その改変したコンテンツデータをデータベース120から読み出して再使用することで、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明に係るコンテンツ配信システム1の構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、コンテンツ配信システム1の動作を示すフローチャートである。
【図3】図3は、データベース120に記録されているユーザ情報の一例である。
【図4】図4は、データベース120に記録されている地域情報の一例である。
【図5】図5は、データベース120に記録されている時間指定情報の一例である。
【図6】図6は、データベース120に記録されているコンテンツ情報の一例である。
【図7】図7は、データベース120に記録されている禁止キーワード情報の一例である。
【図8】図8は、データベース120に記録されている禁止画像情報の一例である。
【図9】図9は、コンテンツ配信サーバ100の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、コンテンツデータに設定された配信制限についての一例を示す図である。
【図11】図11は、コンテンツに設定された配信制限について、地域別に分類したものである。
【図12】図12は、携帯電話10からコンテンツ配信サーバ100に対して送信される情報の一例を示す図である。
【図13】図13は、各文書データの元データと改変後のデータを示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1…コンテンツ配信システム、10…携帯電話、100…コンテンツ配信サーバ、101…中央演算装置、102…メモリ、103…操作制御部、104…キーボード、107…バス、108…ネットワークインターフェース、120…データベース、200…インターネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースに記録されたコンテンツデータを携帯端末に配信するコンテンツ配信サーバにおいて、
ユーザがコンテンツデータ毎に設定した配信制限であって、少なくとも配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限を前記コンテンツデータと関連付けてデータベースに記録する記録手段と、
コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報を取得する取得手段と、
前記関連付けて記録されている配信制限と前記取得した情報に基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断する判断手段と、
前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信する配信手段と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項2】
前記配信制限は配信可能な時刻情報を含み、
前記判断手段は、前記配信制限と前記配信手段がコンテンツを配信する時刻に基づいて、コンテンツデータ毎の前記携帯端末への配信の可否を判断することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項3】
前記配信手段は、前記携帯端末で指定されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
前記配信制限はコンテンツ内での使用を禁止する禁止キーワード又は/及び禁止画像を含み、
前記禁止キーワード又は/及び禁止画像に基づいてコンテンツデータを改変する改変手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項5】
前記改変手段は、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、前記文書データ又は画像データ内に存在する前記禁止キーワード又は禁止画像を、異なるキーワード又は画像に置換することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項6】
前記改変手段は、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、前記文書データ又は画像データ内に存在する前記禁止キーワード又は禁止画像を閲覧不可能に隠蔽することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項7】
前記改変手段は、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、前記動画データ又は音声データ内に存在する前記禁止キーワードを別のキーワードに置換することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項8】
前記改変手段は、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、前記動画データ又は音声データ内に存在する前記禁止キーワードを聴取不可能に隠蔽することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項9】
データベースに記録されたコンテンツデータを携帯端末に配信するコンテンツ配信方法において、
ユーザがコンテンツデータ毎に設定した配信制限であって、少なくとも配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限を前記コンテンツデータと関連付けてデータベースに記録する記録工程と、
コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報を取得する取得工程と、
前記関連付けて記録されている配信制限と前記取得した情報に基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断する判断工程と、
前記判断工程により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信する配信工程と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項1】
データベースに記録されたコンテンツデータを携帯端末に配信するコンテンツ配信サーバにおいて、
ユーザがコンテンツデータ毎に設定した配信制限であって、少なくとも配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限を前記コンテンツデータと関連付けてデータベースに記録する記録手段と、
コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報を取得する取得手段と、
前記関連付けて記録されている配信制限と前記取得した情報に基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断する判断手段と、
前記判断手段により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信する配信手段と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項2】
前記配信制限は配信可能な時刻情報を含み、
前記判断手段は、前記配信制限と前記配信手段がコンテンツを配信する時刻に基づいて、コンテンツデータ毎の前記携帯端末への配信の可否を判断することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項3】
前記配信手段は、前記携帯端末で指定されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
前記配信制限はコンテンツ内での使用を禁止する禁止キーワード又は/及び禁止画像を含み、
前記禁止キーワード又は/及び禁止画像に基づいてコンテンツデータを改変する改変手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項5】
前記改変手段は、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、前記文書データ又は画像データ内に存在する前記禁止キーワード又は禁止画像を、異なるキーワード又は画像に置換することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項6】
前記改変手段は、コンテンツデータが文書データ又は画像データの場合に、前記文書データ又は画像データ内に存在する前記禁止キーワード又は禁止画像を閲覧不可能に隠蔽することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項7】
前記改変手段は、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、前記動画データ又は音声データ内に存在する前記禁止キーワードを別のキーワードに置換することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項8】
前記改変手段は、コンテンツデータが動画データ又は音声データの場合に、前記動画データ又は音声データ内に存在する前記禁止キーワードを聴取不可能に隠蔽することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項9】
データベースに記録されたコンテンツデータを携帯端末に配信するコンテンツ配信方法において、
ユーザがコンテンツデータ毎に設定した配信制限であって、少なくとも配信可能なユーザ情報と位置情報とからなる配信制限を前記コンテンツデータと関連付けてデータベースに記録する記録工程と、
コンテンツを配信する携帯端末のユーザ情報と現在位置情報を取得する取得工程と、
前記関連付けて記録されている配信制限と前記取得した情報に基づいて、コンテンツデータ毎に前記携帯端末への配信の可否を判断する判断工程と、
前記判断工程により配信可と判断されたコンテンツデータを前記携帯端末に配信する配信工程と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ配信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−44642(P2010−44642A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208982(P2008−208982)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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