説明

コンテンツ配信システムで使用されるアクセス権管理装置、コンテンツ管理装置及びアクセス装置

【課題】ユーザがネットワーク利用に関する事前の登録を行うことなくコンテンツを取得できるようにする。
【解決手段】ユーザが使用するアクセス装置に、例えば公衆無線LAN用のインタフェースと、携帯電話通信用のインタフェースからなる第1及び第2のネットワークインタフェースを設ける。そして、コンテンツを購入する際には携帯電話通信用の第2のネットワークインタフェースを使用し、一方コンテンツの取得に際しては公衆無線LAN用の第1のネットワークインタフェースと携帯電話通信用の第2のネットワークインタフェースとを選択的に使用することで、コンテンツの購入手続と購入後のコンテンツの取得処理とを実行するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークを介してコンテンツを取得するコンテンツ配信システムで使用されるアクセス権管理装置、コンテンツ管理装置及びアクセス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有線回線か無線回線かを問わず、データをネットワーク経由で配信するシステムは多い。このようなシステムは、ユーザが例えば携帯電話機のパケット通信契約や、公衆無線LAN(Local Area Network)事業者との契約によりネットワークの使用権を獲得し、その上でコンテンツを取得するためのデータ通信を行うことが一般的である。契約の種類としては、例えば定常的もしくは一時的に時間やパケットの使用状況に応じた課金や、無料を含む一定金額の定額課金がある(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−261761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような事前の契約・登録は使用者にとって煩雑なだけではなく、課金のための情報がネットワーク事業者に知られてしまうことにより不正な課金や情報漏洩などによる不利益をこうむる可能性がある。このような不安からユーザは事前に契約・登録することを躊躇することが多く、いざ必要なときには未登録であるために利用することができない。これは、利用者にとっては必要なときに所望の情報を取得できなくなるという不便が生じ、またネットワーク事業者等にとっては販売機会の損失という不利益を生じる。
【0005】
一方、課金情報を登録する必要のない無料のネットワークサービスも存在する。このようなサービスは、当然ながらネットワークの利用に対して課金を行うことができない。またこのような場合でも、課金のためではなく不正アクセス(クラッキングなど)を抑止するために身元確認情報を登録する必要があり、この登録により結果的に上記と同様な問題が発生する。
【0006】
また、ネットワーク事業者が無料で身元確認情報を登録せずにネットワークを開放する場合もある。しかし、ネットワークを不正に利用された場合には、ネットワーク事業者はその責任を負わなければならない等のリスクを負う。このため、身元確認情報を登録せずにネットワークを開放するには、例えば他の事業で収入を得る、店員の目が行き届くといった限られた条件を満たす必要があり、多くの地点への展開は困難である。
【0007】
さらに、現在のコンテンツ提供業態の問題点として、コンテンツの受け渡しにかかるコストを利用者が負担しなければならないという点がある。特に、最近ではコンテンツのサイズが大きくなってきており、帯域幅の狭い従来の携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などによるコンテンツの送受では、コンテンツの受け渡しに非常に長い時間がかかってしまうため、利便性が良くない。
【0008】
これを解決するために、近年ADSLや光ファイバ、公衆無線LANサービス、ネットカフェなど広帯域ネットワークサービスが提供されている。しかし、これらのサービスの課金形態は、先に述べたように「時間やパケットの使用状況に応じた課金」もしくは「一定金額の定額課金」であるため、コンテンツの授受の成否に係わらず課金されてしまう。例えば、1ケ月いくらという定額課金であった場合には、契約期間の1ヶ月間に通信をまったく行わなくても、つまりコンテンツをまったく受信しなくても、ネットワーク使用料を課金されてしまう。また、接続時間やパケットに対する従量課金であれば、何らかの理由でデータ受信中に接続が切断されてそのデータが使用できなくなった場合でも、課金は行われてしまう。さらに、情報量による従量課金を行う通信システムは、現在のところ伝送速度が遅く、それに伴いビット単価も高いシステムがほとんどである。したがって、これらの通信システムは大容量のコンテンツを送受するには通信にかかるコストが高いという問題点がある。
【0009】
広帯域で安価な通信システムにおいては定額課金が一般的である。これは、広帯域な回線においては情報量(≒パケット)課金を行うための情報量の計測が困難であるからである。このように、従来のシステムにおいて定額課金、従量課金のどちらの方式を用いても、ネットワークを安価なコストで使用するのは困難である。
【0010】
この問題の根本原因は、コンテンツの販売においては、コンテンツを受け取るための準備(契約による通信回線の確保など)を利用者に強いているという点にある。コンテンツ販売業者は、利用者がコンテンツを受け取るための準備を最低限のものだけにさせる必要がある。
【0011】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ユーザがネットワーク利用に関する事前の登録を行うことなくコンテンツを取得できるようにし、これにより安価でかつ情報漏洩の心配のないコンテンツ配信システムで使用されるアクセス権管理装置、コンテンツ管理装置及びアクセス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためにこの発明に係わるアクセス装置は、関門装置を含まない第1のネットワークに対しアクセスする第1のネットワークインタフェースと、関門装置を含む第2のネットワークに対しアクセスする第2のネットワークインタフェースとを有し、これら第1及び第2のネットワークインタフェースを選択的に使用することで、コンテンツの購入手続と購入後のコンテンツの取得処理とを実行するようにしたものである。
上記第1及び第2のネットワークインタフェースの選択形態としては、第1のネットワークインタフェースを使用することにより、関門装置を含まない第1のネットワークを経由して第1のコンテンツ管理装置からアクセス権を表す情報を受信し、一方第2のネットワークインタフェースを使用することにより、関門装置を含む第2のネットワークを経由して第2のコンテンツ管理装置からコンテンツを受信するものが考えられる。
【0013】
このようにすると、ユーザは例えばコンテンツを購入する際には、予め利用契約している第1のネットワーク、例えば携帯通信ネットワークを介して第1のコンテンツ管理装置にアクセスしてコンテンツの購入手続を行うことができ、この購入コンテンツを取得する際には、第1のコンテンツ管理装置から提示されたアクセス権を使用することで利用契約を行っていない第2のネットワーク、例えば公衆無線LANを介して第2のンテンツ管理装置から購入コンテンツを取得することができる。
【0014】
またその際、アクセス権を表す情報の受信を契機として、第2のコンテンツ管理装置から配信情報を受信するためのアクセス動作を開始するとよい。このようにすると、アクセス権の取得に応じてコンテンツ取得処理が自動的に実行されるので、ユーザはコンテンツ取得操作を行う必要がなくなる。
【0015】
なお、このときコンテンツ提供事業者が使用するユーザ識別情報をネットワーク事業者が使用しているものと同一体系のものとすると、購入コンテンツの取得に関する通信についてのみ、ネットワーク事業者と利用契約を行っている他のユーザと同等の振る舞いをさせることが可能である。また、IDやパスワード等のユーザ識別情報を使い捨てにすることにより、コンテンツを購入していない他のユーザがコンテンツを取得可能なユーザ識別情報を推測してコンテンツを不正に取得することを防止することが可能である。
【0016】
また、上記第1及び第2のネットワークインタフェースの他の選択形態としては、第1のネットワークインタフェースを使用することにより、関門装置を含まない第1のネットワークを経由して第1のコンテンツ管理装置からアクセス権を表す情報を受信し、一方第1及び第2のネットワークインタフェースを選択的に使用することにより第2のコンテンツ管理装置からコンテンツを受信する構成も考えられる。
【0017】
一方、上記コンテンツを取得する際のネットワークインタフェースの選択形態には、例えば次のような形態がある。
第1の形態は、先ず第2のネットワークインタフェースを選択して第2のコンテンツ管理装置へのアクセスを試み、この第2のネットワークインタフェースによるアクセスに失敗した場合に、続いて第1のネットワークインタフェースを選択して第2のコンテンツ管理装置に対するアクセスを実行するものである。
このようにすると、例えばユーザのアクセス装置が第2のネットワークに対しアクセス不可能な場所に存在する場合でも、第1のネットワークにアクセス可能な場合には当該第1のネットワークを経由してコンテンツを取得できる。
【0018】
第2の形態は、第1のネットワークインタフェースが第1のデータ伝送速度による通信機能を有し、一方第2のネットワークインタフェースが上記第1のデータ伝送速度より高速の第2のデータ伝送速度による通信機能を有する場合に、配信対象コンテンツの特徴を判定し、その判定結果に応じて上記第1及び第2のネットワークインタフェースを選択するものである。
【0019】
なお、判定対象となるコンテンツの特徴には、コンテンツの種類(音声ファイルであるか、画像(動画及び静止画を含む)ファイルであるか、バイナリファイルであるか、文書ファイルであるか等)、コンテンツの伝送情報量、コンテンツを伝送するために使用される通信プロトコル、コンテンツの伝送元情報、受け取り先情報(単一宛先か複数宛先か、CC(Carbon Copy)及びBCC(Bind Carbon Copy)の有無やその数)、ヘッダ情報等が含まれ、さらにコンテンツの管理情報(作成日時、更新日時、作成者、文字数、ビット数、ファイルの名称、サイズ、ページ数、コメント、画像ファイルや音楽ファイルであればトラック数、撮影日時、作成者名(アーティスト名等)、画面サイズ、ビットレート、符号化方式、アルバムのタイトル等を含む)も含まれる。
このようにすると、例えばコンテンツがテキストデータ等の比較的情報量の少ない場合には第1のネットワークインタフェースが選択され、一方コンテンツが音楽データや画像データなどのように比較的情報量の多い場合には第2のネットワークインタフェースが選択される。この結果、コンテンツの種類や情報量に応じて最適なネットワークを使用してコンテンツを配信できる。
【0020】
第3の形態は、ユーザによるネットワーク選択要求の入力を受け付け、ユーザにより入力されたネットワーク選択要求に応じて第1及び第2のネットワークインタフェースを選択するものである。
このようにすると、第1のネットワーク及び第2のネットワークのいずれを使用するかを、ユーザが必要度や予算等に応じて任意に選択指定することができる。
【0021】
次に、この発明に係わるコンテンツ管理装置は、アクセス装置によりコンテンツの購入操作が行われた場合に、購入対象となるコンテンツの取得に必要なアクセス権を表す情報として、アクセス先情報又はユーザ識別情報を発行し、この発行されたアクセス権を表す情報を上記コンテンツの購入操作を行ったアクセス装置に通知すると共に、上記発行されたアクセス権を表す情報をアクセス権管理装置に追加記憶させるようにしたものである。
このように構成することで、ユーザによりコンテンツの購入手続が行われるごとに、当該コンテンツの取得に必要なアクセス権が第1のコンテンツ管理装置から発行されて購入元のユーザに提示されると共にアクセス権管理装置に追加記憶される。このため、ユーザは購入したコンテンツを取得する際に、上記提示されたアクセス権を用いてネットワークにアクセスすることで、たとえこのネットワークが利用契約を行っていないネットワークであっても、当該未契約のネットワークを経由してコンテンツ配信元の第2のコンテンツ管理装置からコンテンツを取得することが可能となる。すなわち、ネットワークに対し事前に利用契約手続を行うことなく、またネットワーク事業者から課金されることなく、簡単かつ安価に購入コンテンツを取得できる。
なお、アクセス権としてアクセス先アドレスを使用した場合、このアドレスを複雑に設定しておくとよい。このようにすると、コンテンツを購入していない他のユーザが、コンテンツ配信元となるコンテンツ管理装置のアドレスを推測して、コンテンツを不正に取得することを防ぐことが可能となる。
【0022】
またこの発明に係わるコンテンツ管理装置は、第2のコンテンツ管理装置において、アクセス装置からコンテンツの取得要求が到来した場合に、該当するコンテンツを含む配信情報の伝送に使用するネットワークが予め設定された伝送条件を満足するか否かを判定し、伝送条件を満足すると判定された場合に該当するコンテンツを含む配信情報を要求元のアクセス装置へ送信することも特徴とする。
このようにすると、コンテンツ配信元のコンテンツ管理装置において、ユーザが選択したネットワークが伝送条件を満足しているか否かが判定され、伝送条件を満足する場合に当該ネットワークを介してコンテンツが配信される。したがって、コンテンツ管理装置手動により、例えばネットワークがコンテンツの種類や情報量に見合う帯域幅を有している場合や、ネットワークのトラフィックが所定量以下の場合にのみコンテンツを配信するといった配信制御を実行できる。
【0023】
またその際、伝送条件を満足しないと判定された場合には、その旨の通知情報を要求元のアクセス装置へ送信するようにするとよい。このようにすると、ユーザはコンテンツの配信が行われなかった理由を明確に知ることができ、これによりネットワークの選択をより適切に行うことが可能となる。
【0024】
また、この発明に係わるアクセス権管理装置は、アクセス権を表す情報としてアクセス先情報又はユーザ識別情報を記憶するアクセス権管理テーブルを有し、前記コンテンツ管理装置に対するアクセス装置のアクセスについての問い合わせが関門装置から到来した場合に、上記アクセス権管理テーブルの記憶情報をもとに上記アクセスの許否を決定して上記関門装置に応答する。また、アクセス装置へのコンテンツの配信が終了したことを示す情報が関門装置から通知された場合に、上記アクセス権管理テーブルから上記コンテンツの配信に係わる上記アクセス権を表す情報を削除するようにしたものである。
このようにすると、コンテンツの伝送が終了すると当該コンテンツに対応するアクセス権が自動的に削除される。このため、ユーザが第1のコンテンツ管理装置から取得したアクセス権を繰り返し使用して同一のコンテンツを複数回取得することを防止することができる。
【0025】
さらに、この発明に係わるアクセス権管理装置は、アクセス権を表す情報として、アクセス先情報又はユーザ識別情報を記憶するアクセス権管理テーブルを有し、コンテンツ管理装置に対するアクセス装置からのアクセスについての問い合わせが関門装置から到来した場合に、上記アクセス権管理テーブルの記憶情報をもとに上記アクセスの許否を決定して上記関門装置に応答する。また、アクセス装置へのコンテンツの送信を終了したことを示す情報がコンテンツ配信元のコンテンツ管理装置から通知された場合に、上記アクセス権管理テーブルから上記コンテンツの配信に係わる上記アクセス権を表す情報を削除するようにしたものである。
このようにすると、上記したように同一のコンテンツの複数回取得を防止でき、しかもコンテンツの送信終了をコンテンツ管理装置で検出しているため、複数のコンテンツ取得経路がある場合でもコンテンツの配信終了を確実に検出してアクセス権をもれなく削除することができる。
【発明の効果】
【0026】
すなわちこの発明によれば、ユーザがネットワーク利用に関する事前の登録を行うことなくコンテンツを取得できるようにし、これにより安価でかつ情報漏洩の心配のないコンテンツ配信システムで使用されるアクセス権管理装置、コンテンツ管理装置及びアクセス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第1の実施形態を示すブロック図。
【図2】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第2の実施形態を示すブロック図。
【図3】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第3の実施形態を示すブロック図。
【図4】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第4の実施形態を示すブロック図。
【図5】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第5の実施形態を示すブロック図。
【図6】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第6の実施形態を示すブロック図。
【図7】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第7の実施形態を示すブロック図。
【図8】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第8の実施形態を説明するための、ユーザと当該ユーザが許可されているアクセス先アドレスとの関係の一例を示す図。
【図9】この発明に係わるコンテンツ配信システムの第8の実施形態を説明するための、転送装置に設けられるアドレス変換テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わるコンテンツ配信システムの第1の実施形態を示すブロック図であり、図中11は関門装置、12はアクセス策管理装置、13はユーザが使用するアクセス装置、14はコンテンツ管理装置をそれぞれ示している。
【0029】
関門装置11は、ネットワーク事業者が運用する無線通信ネットワークの基地局装置からなる。例えば、無線通信ネットワークが公衆無線LAN(Local Area Network)システムであればその基地局からなる。アクセス装置13は、例えば公衆無線LAN用の無線通信インタフェースを備えるパーソナル・コンピュータ、或いはPDA(Personal Digital Assistants)からなり、上記無線LANのサービスエリアにおいて上記関門装置12に接続される。そして、この関門装置11から、さらに図示しないインターネット等のコンピュータ・ネットワークを介してコンテンツ管理装置14に接続される。
【0030】
コンテンツ管理装置14はコンテンツ事業者が運用するもので、例えばWWW(World Wide Web)サーバからなる。また、上記関門装置11にはアクセス先管理装置12が接続される。このアクセス先管理装置12も、上記関門装置11と同様にネットワーク事業者が運用する。なお、同図ではアクセス先管理装置12を関門装置11とは別の装置として設けた場合を示しているが、関門装置11内に設けることも勿論可能である。また、アクセス先管理装置12をネットワーク事業者以外の業者が運用管理することも可能である。
【0031】
ところで、上記関門装置11及びアクセス先管理装置12は次のように構成される。
すなわち、先ず関門装置は、アクセス先検出機能1101と、アクセス先問い合わせ機能1102と、アクセス実施切断機能1103とを備えている。アクセス先検出機能1101は、ユーザのアクセス装置13からアクセス要求が到来した場合に、当該アクセス要求からアクセス先がどのコンテンツ管理装置14であるかを検出する。
【0032】
アクセス先問い合わせ機能1102は、アクセス元のアクセス装置13が自己のネットワーク事業者との間で利用契約を結んでいるか否かを判定する。そして、利用契約を結んでいる場合には、コンテンツ管理装置14へのアクセスをそのまま実施させる。これに対し、利用契約を結んでいない場合には、アクセス先管理装置12に対しアクセス許否の問い合わせを送信する。そして、この問い合わせに対するアクセス先管理装置12からの応答の内容に応じて、アクセス実施切断機能1103に対し指示を与える。
【0033】
アクセス実施切断機能1103は、上記アクセス問い合わせ機能1102からの指示に従い、アクセス許可の場合にはコンテンツ提供装置14へのアクセスを継続して実施し、それ以降のアクセス装置13からのコンテンツ管理装置14へのアクセスも継続して許可する。これに対し、アクセス不許可の場合には当該アクセスを中断する。
【0034】
一方アクセス先管理装置12は、アクセス先情報テーブル機能1201と、アクセス許否決定機能1202とを備える。アクセス先情報テーブル機能1201には、ネットワーク事業者とコンテンツ事業者との間の契約により事前に設定された、特定のコンテンツ管理装置14のアクセス先情報が格納される。このアクセス先情報は、ネットワーク事業者に対し利用契約を行っていないユーザが、当該ネットワークを経由して上記特定のコンテンツ管理装置14に対しアクセスすることを可能にする。
【0035】
アクセス許否決定機能1202は、上記関門装置11のアクセス問い合わせ機能1102からアクセス許否の問い合わせが到来した場合に、上記アクセス先情報テーブル機能1201に記憶されたアクセス先情報に基づいて上記アクセスの許否を判定する。そして、このアクセス許否の判定結果を、上記関門装置11のアクセス問い合わせ機能1102に返送する。
【0036】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
いま仮に、ユーザのアクセス装置13がコンテンツ管理装置14をアクセス先とするアクセス要求を無線LANシステムの関門装置11に対し送信したとする。そうすると、関門装置11は、アクセス先検出機能1101によりアクセス先がコンテンツ提供装置14であることを知る。また、アクセス元のアクセス装置13が公衆無線LANシステムとの間で利用契約を結んでいるか否かを判定し、利用契約を結んでいる場合には上記アクセス装置13からコンテンツ提供装置14へのアクセスをそのまま実施させる。これに対し、利用契約を結んでいない場合には、アクセス先問い合わせ機能1102からアクセス先管理装置12に対しアクセス許否の問い合わせを送る。
【0037】
上記問い合わせが到来するとアクセス先管理装置12のアクセス許否決定機能1202は、アクセス先情報テーブル機能1201を検索することにより、上記アクセス先であるコンテンツ提供装置14のアクセス先情報が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、アドレスが記憶されていれば上記アクセスを許可し、一方アクセス先情報が記憶されていなければ上記アクセスを不許可とする。そして、この許可/不許可の判定結果を関門装置11のアクセス先問い合わせ機能1102へ応答する。
【0038】
関門装置11のアクセス先問い合わせ機能1102は、上記許可/不許可の判定結果を受け取ると、その内容をもとにアクセス実施切断機能1103に対しアクセスの実施/切断の指示を与える。アクセス実施切断機能1103は、上記与えられた指示に従いアクセスの実施/切断処理を実行する。例えば、アクセスが許可されていた場合には、アクセス装置13からコンテンツ提供装置14へのアクセスを継続して実施し、それ以降のコンテンツ提供装置14へのアクセスも継続して許可する。これに対し、アクセスが許可されていなかった場合にはこのアクセスを中断する。
【0039】
以上のように第1の実施形態では、公衆無線LANシステムの事業者とコンテンツ事業者との間の契約により、アクセス先として許可された特定のコンテンツ管理装置14のアクセス先情報を、アクセス先管理装置12のアクセス先情報テーブル機能1201に記憶している。そして、アクセス装置13からアクセスが発生した場合に、関門装置11からアクセス先記管理装置12に対し問い合わせを行い、アクセス許否決定機能1201においてアクセス先がアクセスを許可された特定のコンテンツ管理装置14であるか否かを上記アクセス先情報テーブル機能1201をもとに判定する。そして、この判定結果に基づいて、アクセス実施切断機能1103により上記アクセスを実施又は切断するようにしている。
【0040】
したがって、本来はネットワーク事業者に対し利用契約を行ったユーザのみがその関門装置11を通過して通信を行うことが可能であるはずが、コンテンツ事業者が指定したアクセス先についてはネットワーク事業者と利用契約を行っていないユーザでもアクセスすることが可能となる。
【0041】
これは、例えばネットワーク事業者が公衆無線LANシステムの事業者であり、コンテンツ事業者がある宣伝広告のホームページをユーザに閲覧させたい企業であった場合に、ユーザは公衆無線LANシステムに対し利用契約を結ぶことなく、当該公衆無線LANシステムを利用してコンテンツ事業者のホームページに対しアクセスすることが可能となることを意味している。
【0042】
したがって、ユーザはネットワーク事業者に対する利用契約を何ら結ぶことなく特定のホームページを閲覧することが可能となり、これによりホームページで新商品の宣伝の詳細を知ったり、また懸賞への応募やゲームなどを行うことが可能となる。一方コンテンツ事業者にとっては、他事業者に対し差別化が図れ、これにより自社のホームページに対するユーザのアクセス増大が期待できる。また、ネットワーク事業者にとっては、登録ユーザの管理や課金処理を行わなくても済むようになるためその労力を軽減でき、しかもコンテンツ事業者からネットワーク利用料を徴収することで安定した利益をあげることが可能となる。また、コンテンツ事業者が提供する有料コンテンツの一部を宣伝として提供し、有料コンテンツの売上を伸ばすことでそのネットワーク使用料を受け取り、利益をあげることも可能である。
【0043】
(第2の実施形態)
図2は、この発明に係わるコンテンツ配信システムの第2の実施形態を示すブロック図である。なお、同図において前記図1と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
コンテンツ管理装置14には、コンテンツの配信機能を備えるコンテンツ提供装置14aと、コンテンツの販売管理機能を備えるコンテンツ販売管理装置14bとがある。
【0044】
コンテンツ提供装置14aは、コンテンツ提供終了通知機能1401と、コンテンツ提供終了検出機能1402と、コンテンツ準備提供機能1403とを備えている。コンテンツ準備提供機能1403は、配信対象のコンテンツを準備してコンテンツ記憶部に記憶する。そして、ユーザのアクセス装置13から正当なコンテンツ取得要求が到来した場合に、この取得要求に応じて該当するコンテンツを上記コンテンツ記憶部から読み出し、要求元のアクセス装置13へ送信する。コンテンツ提供終了検出機能1402は、上記コンテンツ準備提供機能1403によるコンテンツの配信中に終了を監視し、コンテンツの配信終了を検出する。コンテンツ提供終了通知機能1401は、上記コンテンツ提供終了検出機能1402によりコンテンツの送信終了が検出された場合に、その旨の情報をアクセス先管理装置12に通知する。
【0045】
コンテンツ販売管理装置14bは、コンテンツ提供指示機能1404と、コンテンツアクセス先提示機能1405とを備える。コンテンツアクセス先提示機能1405は、アクセス装置13との間でコンテンツ購入のための処理が行われた場合に、当該コンテンツの取得に必要なアクセス権を発行する。アクセス権としては、例えば購入されたコンテンツの配信元となるコンテンツ提供装置14aのアクセス先情報(URL:Uniform Resource Locator)が用いられる。そして、上記発行されたアクセス先情報を購入元のユーザアクセス装置13に通知する。
【0046】
コンテンツ提供指示機能1404は、上記発行されたアクセス先情報をアクセス先管理装置12に通知する。また、それと共にコンテンツ提供指示機能1404は、コンテンツの準備指示をコンテンツ準備装置17に与える。コンテンツ準備装置17は、上記コンテンツ提供指示機能1404から与えられたコンテンツ準備指示に応じて、配信すべきコンテンツを含む配信情報を作成する。そして、この作成されたコンテンツを含む配信情報を配信元となるコンテンツ提供装置14aに送信し、コンテンツ記憶部に記憶させる。
【0047】
関門装置11は、アクセス先検出機能1101、アクセス先問い合わせ機能1102及びアクセス実施切断機能1103に加え、配信終了検出機能1104と、配信終了通知機能1105とを備えている。配信終了検出機能1104は、関門装置11を介してコンテンツ提供装置14aからアクセス装置13へコンテンツが伝送されている間に、コンテンツの伝送終了を検出する。配信終了通知機能1105は、上記配信終了検出機能1104によりコンテンツの伝送終了が検出された場合に、その旨の情報をアクセス策管理装置12に通知する。
【0048】
アクセス先管理装置12は、アクセス先情報テーブル機能1201及びアクセス許否決定機能1202に加え、アクセス先情報追加機能1203と、アクセス先情報削除機能1204とを備えている。アクセス先情報追加機能1203は、前記コンテンツ売買管理装置14bからコンテンツ取得のためのアクセス権を示す情報として通知されたアクセス先情報をアクセス先情報テーブル機能1201に追加記憶させる。
【0049】
アクセス先情報削除機能1204は、上記関門装置11の配信終了通知機能1105からコンテンツの伝送終了が通知された場合、及び前記コンテンツ提供装置14aからコンテンツの送信終了が通知された場合に、上記アクセス先情報テーブル機能1201から該当するアクセス先情報を削除する。またアクセス先情報削除機能1204は、アクセス先情報テーブル機能1201に追加記憶されたアクセス先情報ごとにその有効期間の経過を監視する。そして、有効期間が経過すると、上記コンテンツの伝送終了通知又は送信終了通知が到来しなくても、アクセス先情報テーブル機能1201から該当するアクセス先情報を削除する。
【0050】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
所望のコンテンツを購入しようとする際、ユーザは自身のアクセス装置13から関門装置11を経由してコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスする。このとき、先に第1の実施形態で述べたように、コンテンツ事業者とネットワーク事業者との間の契約により、コンテンツ売買管理装置14bのアクセス先情報(URL)をアクセス先管理装置12のアクセス先情報テーブル機能1201に事前に記憶しておけば、ユーザはたとえ上記ネットワーク事業者に対し利用登録を行っていなくても、関門装置11を経由してコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスすることが可能である。
【0051】
ユーザのアクセス装置13とコンテンツ売買管理装置14bとの間でコンテンツの購入処理が行われると、コンテンツ売買管理装置14bではコンテンツアクセス先提示機能1405により、上記購入されたコンテンツをユーザが取得するために必要なアクセス先情報が発行される。そして、このアクセス先情報は関門装置11を経由して購入元のユーザのアクセス装置13に通知される。また、上記発行されたアクセス先情報は、コンテンツ提供指示機能1404によりアクセス先管理装置12に通知される。アクセス先管理装置12ではアクセス先情報追加機能1203により、上記通知されたアクセス先情報がアクセス先情報テーブル機能1201に追加記憶される。
【0052】
さらに、コンテンツ売買管理装置14bにおいてコンテンツの購入処理が行われると、コンテンツ提供指示機能1404によりコンテンツ準備装置17に対し、上記購入されたコンテンツの準備指示が与えられる。この準備指示を受け取るとコンテンツ準備装置17では、配信対象のコンテンツを含む配信情報が作成される。そして、この作成された配信情報はコンテンツ配信元となるコンテンツ提供装置14aに送られ、コンテンツ記憶部に格納される。
かくして購入されたコンテンツの配信準備が整えられる。
【0053】
さて、この状態でユーザがコンテンツ売買管理装置14bから通知されたアクセス先情報に従い、関門装置11を経由してコンテンツ提供装置14aに対しアクセスしたとする。そうすると関門装置11では、先ず上記アクセス装置13が自己の無線通信ネットワークシステムに対し利用登録を行っているユーザであるか否かが判定され、利用登録がなされているユーザであればそのままアクセスが実施される。これに対し、利用登録がなされていないユーザだった場合には、アクセス先問い合わせ機能1102からアクセス先管理装置12に対しアクセス許否の問い合わせが行われる。
【0054】
アクセス先管理装置12では、上記問い合わせがあったアクセス先情報がアクセス先情報テーブル機能1201に記憶されているか否かがアクセス許否決定機能1202で判定される。そして、コンテンツがコンテンツ売買管理装置14bにおいて正当に購入手続きされたものであれば、当該コンテンツのアクセス先情報がアクセス先情報テーブル機能1201に記憶されているので上記アクセスは許可され、その旨の応答が関門装置11に通知される。これに対し、コンテンツがコンテンツ売買管理装置14bにより正当な手続きを経て購入されたものでない場合には、アクセス先情報はアクセス先情報テーブル機能1201に記憶されていないため、アクセスは不許可と判定され、その旨の応答が関門装置11に通知される。
【0055】
関門装置11では、アクセス先管理装置12から通知される応答の内容がアクセスの許可であれば、上記アクセス装置13からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施される。かくして、アクセス装置13とコンテンツ提供装置14aとの間では以後通信が可能となる。なお、応答の内容がアクセスの不許可であれば、上記アクセス装置13からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスは中断される。
【0056】
上記通信が可能となった状態でアクセス装置13からコンテンツの取得要求が到来すると、コンテンツ提供装置14aはコンテンツ準備提供機能1403によりコンテンツ記憶部から該当するコンテンツを選択的に読み出し、読み出されたコンテンツを含む配信情報を要求元のアクセス装置13へ向け送信する。コンテンツ提供装置14aから送信されたコンテンツの配信情報は、関門装置11を経由してアクセス装置13に伝送され、アクセス装置13のメモリに保存される。
【0057】
また、上記コンテンツの配信動作中に関門装置11では、配信終了検出機能1104によりコンテンツの伝送の終了監視が行われる。そして、伝送終了が検出されると、配信終了通知機能1105からアクセス先管理装置12に対し伝送終了が通知され、この通知を受けてアクセス先管理装置12ではアクセス先情報削除機能1204によりアクセス先情報テーブル機能1201から該当するアクセス先情報が削除される。このため、ユーザが購入したコンテンツの取得は1回のみ可能となる。
【0058】
なお、上記コンテンツの配信動作中に、コンテンツ提供装置14aにおいてもコンテンツ提供終了検出機能1402によりコンテンツの送信終了が検出され、その検出通知に従いアクセス先管理装置12では該当するアクセス先情報が削除される。したがって、仮にユーザが、上記関門装置11を含む無線通信ネットワークを経由せず、例えば利用登録している他の通信ネットワークを経由して上記コンテンツ提供装置14aに対しアクセスした場合でも、アクセス先情報はアクセス先情報テーブル機能1201から削除される。このため、1個のコンテンツが複数回にわたり繰り返し配信される不具合は防止される。
【0059】
さらに、アクセス権管理装置12では、アクセス先情報削除機能1204において、アクセス先情報テーブル機能1201に記憶されたアクセス先情報ごとにその有効期間が監視される。そして、有効期間が経過すると、当該アクセス先情報がアクセス先情報テーブル機能1201から削除される。したがって、何らかの理由で関門装置11においてコンテンツの伝送終了が検出されなくても、またコンテンツ提供装置14aでコンテンツの送信終了が検出されなくても、アクセス先情報テーブル機能1201に記憶されたアクセス先情報は有効期間が過ぎると自動的に削除され、この結果コンテンツが無制限に配信される不具合は防止される。
【0060】
以上のように第2の実施形態によれば、以下のようなコンテンツ配信動作が可能となる。
すなわち、いま仮にコンテンツ売買管理装置14bがインターネット上に設けられたコンテンツ販売業者のWebサーバであり、かつコンテンツ提供装置14aが当該コンテンツ業者により設置されたダウンロードサーバだったとし、さらにネットワーク事業者が公衆無線LANシステムの事業者だったとする。
【0061】
この状態でユーザがコンテンツ売買管理装置14bにアクセスしてコンテンツを購入したのち、この購入したコンテンツを取得するために、購入時に提示されたコンテンツ提供装置14aのアクセス先アドレス(URL)をクリックしたとする。そうすると、関門装置11及びアクセス先管理装置12により、アクセス先であるコンテンツ提供装置14aがコンテンツの正当な購入手続により許可されたアクセス先であるか否かが判定され、許可された場合にのみ関門装置11経由によるコンテンツ提供装置14aへのアクセスとコンテンツのダウンロードが可能となる。
【0062】
したがって、公衆無線LANシステムに対し利用登録を行っていないユーザであっても、コンテンツの購入によりコンテンツ売買管理装置14bから付与されるアクセス先情報を使用してアクセスすることで、上記公衆無線LANシステムを経由してコンテンツ提供装置14aからコンテンツを取得することができる。
【0063】
また第2の実施形態では、コンテンツ売買管理装置14bにおいてコンテンツが購入された場合に、コンテンツ売買管理装置14bからコンテンツ準備装置17に対しコンテンツの準備を指示し、この指示に従いコンテンツ準備装置17がコンテンツを含む配信情報を準備してコンテンツ提供装置14aへ転送するようにしている。このようにすると、例えば著作権違反の追跡のためにコンテンツ内にユーザのIDを埋め込む場合のようにコンテンツのデータ内容がユーザによって変わる場合でも、ユーザはコンテンツの取得が可能となる。また、ユーザのアクセス装置13が例えばSMTP等の特定のプロトコルを使用してコンテンツを受け取る場合にも、プロトコル変換した上で配信することが可能となる。
【0064】
さらにアクセス先管理装置12は、関門装置11の配信終了検出機能1104においてコンテンツの伝送終了が検出された場合に、アクセス先情報テーブル機能1201から該当するアクセス先情報を削除するようにしている。このため、ユーザが購入したコンテンツの取得は1回のみ可能となる。
【0065】
また、アクセス先管理装置12は、コンテンツ提供装置14aのコンテンツ提供終了検出機能1402によりコンテンツの送信終了が検出された場合にも、該当するアクセス先情報を削除するようにしている。このため、ユーザが、上記関門装置11を含む無線LANシステムを経由せず、例えば利用登録している携帯電話通信ネットワークなどの他の通信ネットワークを経由して上記コンテンツ提供装置14aに対しアクセスした場合でも、アクセス先情報を削除することができる。このため、1個のコンテンツが複数回にわたり繰り返し配信される不具合は防止される。
【0066】
さらにアクセス権管理装置12では、アクセス先情報ごとにその有効期間を監視して、有効期間が経過した時点で当該アクセス先情報を削除するようにしている。したがって、何らかの理由で関門装置11においてコンテンツの伝送終了が検出されなくても、またコンテンツ提供装置14aでコンテンツの送信終了が検出されなくても、アクセス先情報を有効期間の経過と同時に自動的に削除することができ、これによりコンテンツが無制限に配信される不具合を防止できる。
【0067】
なお、上記有効期間の監視手法としては、例えばアクセス先情報テーブル機能1201にアクセス先情報に対するアクセス許否の問い合わせが生じたときにその通知を受けてアクセス先情報に対応するタイマを起動し、このタイマが一定時間を経過した場合に有効期間経過と判定するものや、アクセス先情報追加機能1203がアクセス先の追加要求を受け取ってから一定期間が経過した時点で有効期間経過と判定するもの、さらには予め定められた日時(日末、週末、月末等)を過ぎた時点を有効期間の経過と判定するもの等がある。また、有効期間の代わりに、コンテンツの配信回数をカウントし、このカウント値が予め定めた回数を超えた時点で、アクセス先情報テーブル機能1201から該当するアクセス先情報を削除するようにしてもよい。
【0068】
(第3の実施形態)
この発明に係わるコンテンツ配信システムの第3の実施形態は、コンテンツ購入時に当該コンテンツを取得するために必要なアクセス権としてユーザ識別情報を発行し、ネットワーク事業者は上記ユーザ識別情報に基づいてアクセスの許否判定及び実施/切断を実行すると共に、コンテンツ配信終了後における上記ユーザ識別情報の削除を行うようにしたものである。
【0069】
図3は、この発明に係わるコンテンツ配信システムの第3の実施形態を示すブロック図である。なお、同図において前記図1及び図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
関門装置11には、図1及び図2に示したアクセス先検出機能1101及びアクセス先問い合わせ機能1102に代えて、ユーザ検出機能1106及びユーザ問い合わせ機能1107が設けてある。ユーザ検出機能1106は、ユーザのアクセス装置13からアクセス要求が到来した場合に、当該アクセス元のユーザの識別情報を検出する。検出するユーザ識別情報としては、例えばユーザIDやパスワード、アクセス装置の製造番号や製品番号などの固有番号が使用される。
【0070】
ユーザ問い合わせ機能1107は、アクセス元のユーザが自己のネットワーク事業者との間で利用契約を結んでいるか否かを判定する。そして、利用契約を結んでいる場合には、コンテンツ提供装置14aへのアクセスをそのまま実施させる。これに対し、利用契約を結んでいない場合には、ユーザ認証装置16に対しユーザ許否の問い合わせを送信する。そして、この問い合わせに対するユーザ認証装置16からの応答の内容に応じて、アクセス実施切断機能1103に対し指示を与える。
【0071】
ユーザ認証装置16は、ユーザ情報管理テーブル機能1601と、ユーザ許否決定機能1602と、ユーザ情報登録機能1603と、ユーザ情報削除機能1604とを備えている。
ユーザ情報管理テーブル機能1601には、ネットワーク事業者とコンテンツ事業者との間の契約により事前に設定された特定のコンテンツ売買管理装置14bのアクセス先情報と、当該コンテンツ売買管理装置14bによりアクセス権として発行されたユーザ識別情報が格納される。上記アクセス先情報は、ネットワーク事業者に対し利用契約を行っていないユーザが、当該ネットワーク事業者が運用するシステムを経由して上記特定のコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスすることを可能にする。またユーザ識別情報は、コンテンツを購入したユーザのみが当該コンテンツの取得を可能にする。
【0072】
ユーザ許否決定機能1602は、上記関門装置11のユーザ問い合わせ機能1107からユーザ許否の問い合わせが到来した場合に、上記ユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されたユーザ識別情報に基づいて上記アクセス元のユーザについての認証を行う。そして、このユーザ認証の結果を、上記関門装置11のユーザ問い合わせ機能1107に返送する。
【0073】
ユーザ情報登録機能1603は、コンテンツ売買管理装置14bからコンテンツ取得のためのアクセス権を示す情報として通知されたユーザ識別情報をユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶させる。
ユーザ情報削除機能1604は、上記関門装置11の配信終了通知機能1105からコンテンツの伝送終了が通知された場合、及びコンテンツ提供装置14aからコンテンツの送信終了が通知された場合に、上記ユーザ情報管理テーブル機能1601から該当するユーザ識別情報を削除する。またユーザ情報削除機能1604は、ユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されたユーザ識別情報ごとにその有効期間の経過を監視する。そして、有効期間が経過すると、上記コンテンツの伝送終了通知又は送信終了通知が到来しなくても、ユーザ情報管理テーブル機能1601から該当するユーザ識別情報を削除する。
【0074】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
所望のコンテンツを購入しようとする際、ユーザは自身のアクセス装置13から関門装置11を経由してコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスする。このとき、先に第1の実施形態で述べたように、コンテンツ事業者とネットワーク事業者との間の契約により、コンテンツ売買管理装置14bのアクセス先情報(URL)をユーザ認証装置16のユーザ情報管理テーブル機能1601に事前に記憶しておけば、ユーザはたとえ上記ネットワーク事業者に対し利用登録を行っていなくても、関門装置11を経由してコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスすることが可能である。
【0075】
ユーザのアクセス装置13とコンテンツ売買管理装置14bとの間でコンテンツの購入処理が行われると、コンテンツ売買管理装置14bではコンテンツユーザ提示機能1405により、上記購入されたコンテンツをユーザが取得するために必要なアクセス権情報としてユーザIDとパスワードからなるユーザ識別情報が発行される。そして、このユーザ識別情報は関門装置11を経由して購入元のユーザのアクセス装置13に通知される。また、上記発行されたユーザ識別情報は、コンテンツ提供指示機能1404によりユーザ認証装置16に通知される。ユーザ認証装置16ではユーザ情報登録機能1203により、上記通知されたユーザ識別情報がユーザ情報管理テーブル機能1201に記憶される。
【0076】
さらに、コンテンツ売買管理装置14bにおいてコンテンツの購入処理が行われると、コンテンツ提供指示機能1404によりコンテンツ準備装置17に対し、上記購入されたコンテンツの準備指示が与えられる。この準備指示を受け取るとコンテンツ準備装置17では、配信対象のコンテンツを含む配信情報が作成される。そして、この作成された配信情報はコンテンツ配信元となるコンテンツ提供装置14aに送られ、コンテンツ記憶部に格納される。
かくして購入されたコンテンツの配信準備が整えられる。
【0077】
さて、この状態でユーザが、上記コンテンツ購入時にコンテンツ売買管理装置14bから通知されたユーザ識別情報に従い、関門装置11を経由してコンテンツ提供装置14aに対しアクセスしたとする。そうすると関門装置11では、先ず上記アクセス装置13が自己の無線通信ネットワークシステムに対し利用登録を行っているユーザであるか否かが判定され、利用登録がなされているユーザであればそのままアクセスが実施される。これに対し、利用登録がなされていないユーザだった場合には、ユーザ問い合わせ機能1107からユーザ認証装置16に対しユーザ許否の問い合わせが行われる。
【0078】
ユーザ認証装置16は、上記問い合わせがあったユーザ識別情報がユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されているか否かをユーザ許否決定機能1602で判定する。そして、コンテンツがコンテンツ売買管理装置14bにおいて正当に購入手続きされたものであれば、当該コンテンツのユーザ識別情報がユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されているので上記ユーザは許可され、その旨の応答が関門装置11に通知される。これに対し、コンテンツがコンテンツ売買管理装置14bにより正当な手続きを経て購入されたものでない場合には、ユーザ識別情報はユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されていないため上記ユーザは不許可と判定され、その旨の応答が関門装置11に通知される。
【0079】
関門装置11では、ユーザ認証装置16から通知される応答の内容がユーザ許可であれば、上記アクセス装置13からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施される。かくして、アクセス装置13とコンテンツ提供装置14aとの間では以後通信が可能となる。なお、応答の内容がユーザ不許可であれば、上記アクセス装置13からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスは中断される。
【0080】
上記通信が可能となった状態でアクセス装置13からコンテンツの取得要求が到来すると、コンテンツ提供装置14aはコンテンツ準備提供機能1403によりコンテンツ記憶部から該当するコンテンツを選択的に読み出し、読み出されたコンテンツを含む配信情報を要求元のアクセス装置13へ向け送信する。コンテンツ提供装置14aから送信されたコンテンツの配信情報は、関門装置11を経由してアクセス装置13に伝送され、アクセス装置13のメモリに保存される。
【0081】
また、上記コンテンツの配信動作中に関門装置11では、配信終了検出機能1104によりコンテンツの伝送の終了監視が行われる。そして、伝送終了が検出されると、配信終了通知機能1105からユーザ認証装置16に対し伝送終了が通知され、この通知を受けてユーザ認証装置16ではユーザ情報削除機能1604によりユーザ情報管理テーブル機能1601から該当するユーザ情報が削除される。このため、ユーザが購入したコンテンツの取得は1回のみ可能となる。
【0082】
なお、上記コンテンツの配信動作中に、コンテンツ提供装置14aにおいてもコンテンツ提供終了検出機能1402によりコンテンツの送信終了が検出され、その検出通知に従いユーザ認証装置16では該当するユーザ識別情報が削除される。したがって、仮にユーザが、上記関門装置11を含む無線通信ネットワークを経由せず、例えば利用登録している他の通信ネットワークを経由して上記コンテンツ提供装置14aに対しアクセスした場合でも、ユーザ識別情報はユーザ情報管理テーブル機能1601から削除される。このため、1個のコンテンツが複数回にわたり繰り返し配信される不具合は防止される。
【0083】
さらに、ユーザ認証装置16では、ユーザ情報削除機能1604において、ユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されたユーザ情報ごとにその有効期間が監視される。そして、有効期間が経過すると、当該ユーザ識別情報がユーザ情報管理テーブル機能1601から削除される。したがって、何らかの理由で関門装置11においてコンテンツの伝送終了が検出されなくても、またコンテンツ提供装置14aでコンテンツの送信終了が検出されなくても、ユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されたユーザ識別情報は有効期間が過ぎると自動的に削除され、この結果コンテンツが無制限に配信される不具合は防止される。
【0084】
以上述べたように第3の実施形態によれば、関門装置11及びユーザ認証装置16により、アクセス元のユーザが正当な手続きによりコンテンツを購入したユーザであるか否かがユーザ認証により判定され、この判定によりアクセス元のユーザが許可された場合にのみ関門装置11経由によるコンテンツ提供装置14aへのアクセスとコンテンツのダウンロードが可能となる。
したがって、無線LANシステムに対し利用登録を行っていないユーザであっても、コンテンツの購入によりコンテンツ売買管理装置14bから付与されるユーザ識別情報を使用してアクセスすることで、上記無線LANシステムを経由してコンテンツ提供装置14aからコンテンツを取得することができる。
その他、コンテンツ準備装置17を設けたことによる作用効果や、コンテンツの配信が完了した後にユーザ識別情報を削除することによる作用効果については、先に述べた第2の実施形態と同様である。
【0085】
(第4の実施形態)
この発明の第4の実施形態は、ユーザが使用するアクセス装置に、例えば公衆無線LAN用のインタフェースと、携帯電話通信用のインタフェースからなる第1及び第2のネットワークインタフェースを設ける。そして、コンテンツを購入する際には携帯電話通信用の第2のネットワークインタフェースを使用し、一方コンテンツの取得に際しては公衆無線LAN用の第1のネットワークインタフェースと携帯電話通信用の第2のネットワークインタフェースとを選択的に使用するようにしたものである。
【0086】
図4は、この発明の第4の実施形態に係わるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。なお、同図において前記図1及び図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
ユーザのアクセス装置18は、例えば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、或いは無線通信インタフェースを備えるパーソナル・コンピュータからなり、第1及び第2のネットワークインタフェース1801,1802を備えている。第1のネットワークインタフェース1801は、例えば公衆無線LANシステムのように伝送速度は速いがサービスエリアが比較的限定される通信ネットワークに対応する。第2のネットワークインタフェース1802は、例えば携帯電話通信システムのように伝送速度が遅いが場所を選ばずに通信が可能な通信ネットワークに対応する。
【0087】
このようなシステムにおいて、先ずコンテンツを購入する際には、アクセス装置18は自装置の通信制御機能(図示せず)により第2のネットワークインタフェース1802を選択する。そして、この選択された第2のネットワークインタフェース1802により、携帯電話通信ネットワーク経由でコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスする。このとき、ユーザが携帯電話通信ネットワークの加入者であれば、上記アクセスは何ら支障なく実施される。
【0088】
そして、アクセス装置18とコンテンツ売買管理装置14bとの間が接続された状態でユーザがコンテンツの購入操作を行ったとする。そうするとコンテンツ売買管理装置14bは、当該購入されたコンテンツを取得する際に必要なアクセス権を発行する。例えば、コンテンツ提供元となるコンテンツ提供装置14aのアクセス先情報(URL)を発行する。このアクセス先情報は、コンテンツ売買管理装置14bから上記携帯電話通信ネットワークを介してアクセス装置18に通知される。またそれと共に上記アクセス先情報は、コンテンツ売買管理装置14bからアクセス先管理装置12に通知され、アクセス先管理装置12においてアクセス先追加機能1203によりアクセス先情報テーブル機能1201に記憶される。
【0089】
次にユーザが、例えば駅構内や店舗等に敷設されている公衆無線LANシステムのサービスエリアに移動したとする。そうすると、アクセス装置18はその通信制御機能により第1のネットワークインタフェース1801を選択する。そして、この選択された第1のネットワークインタフェース1801を使用し、公衆無線LAN経由でコンテンツ提供装置14aに対しアクセスする。このときのアクセスには、先にコンテンツ売買管理装置14bから通知されたアクセス先情報が使用される。
【0090】
関門装置11では、前記第2の実施形態と同様に、先ず上記アクセス装置18が自己の公衆無線LANシステムに利用登録を行っているユーザであるか否かが判定され、利用登録がなされているユーザであればそのままアクセスが実施される。これに対し、利用登録がなされていないユーザだった場合には、アクセス先問い合わせ機能1102からアクセス先管理装置12に対しアクセス許否の問い合わせが行われる。
【0091】
アクセス先管理装置12では、上記問い合わせがあったアクセス先情報がアクセス先情報テーブル機能1201に記憶されているか否かがアクセス許否決定機能1202で判定される。そして、コンテンツがコンテンツ売買管理装置14bにおいて正当に購入手続きされたものであれば、当該コンテンツのアクセス先情報がアクセス先情報テーブル機能1201に記憶されているので上記アクセスは許可され、その旨の応答が関門装置11に通知される。これに対し、コンテンツがコンテンツ売買管理装置14bにより正当な手続きを経て購入されたものでない場合には、アクセス先情報はアクセス先情報テーブル機能1201に記憶されていないため、アクセスは不許可と判定され、その旨の応答が関門装置11に通知される。
【0092】
関門装置11では、アクセス先管理装置12から通知される応答の内容がアクセスの許可であれば、上記アクセス装置18からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施される。かくして、アクセス装置18とコンテンツ提供装置14aとの間では以後通信が可能となる。なお、応答の内容がアクセスの不許可であれば、上記アクセス装置18からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスは中断される。
【0093】
上記通信が可能となった状態でアクセス装置18からコンテンツの取得要求が到来すると、コンテンツ提供装置14aはコンテンツ記憶部から該当するコンテンツを選択的に読み出し、読み出されたコンテンツを含む配信情報を要求元のアクセス装置18へ向け送信する。コンテンツ提供装置14aから送信されたコンテンツの配信情報は、関門装置11を経由してアクセス装置18に伝送され、アクセス装置18のメモリに保存される。
【0094】
かくして、コンテンツの取得が完了する。なお、上記コンテンツの配信終了後におけるアクセス先情報の削除処理については、アクセス先管理装置12において先に述べた第2の実施形態とまったく同様に行われる。
すなわち、公衆無線LANシステムに対し利用登録を行っていないユーザであっても、コンテンツの購入によりコンテンツ売買管理装置14bから付与されるアクセス先情報を使用して第1のネットワークインタフェース1801からコンテンツ提供装置14aに対しアクセスすることで、上記公衆無線LANシステム経由でコンテンツを取得することができる。
【0095】
しかも、アクセス装置18は公衆無線LANシステムのサービスエリアへの移動を監視し、サービスエリアに入ったことを検出すると第1のネットワークインタフェース1801を起動してコンテンツの取得のためのアクセスを実行する。したがって、アクセス装置18が公衆無線LANシステムのサービスエリアへ移動するのを待って、自動的にコンテンツ取得のためのアクセスが行われる。このためユーザは、コンテンツ取得のための特別な操作を何ら行うことなく簡単に、かつ公衆無線LANシステムに対するネットワーク利用料金を負担することなく、コンテンツを取得することができる。
【0096】
一方、ユーザが公衆無線LANシステムのサービスエリアへ移動する前に、コンテンツの取得操作を行ったとする。そうすると、アクセス装置18では通信制御機能により第2のネットワークインタフェース1802が選択され、この第2のネットワークインタフェース1802により携帯電話通信ネットワーク経由でコンテンツ提供装置14aに対しアクセスされる。このためコンテンツは、コンテンツ提供装置14aから携帯電話通信ネットワーク経由でアクセス装置18にダウンロードされる。
すなわち、ユーザがコンテンツ取得操作を行うことにより、第2のネットワークインタフェース1802が選択されて、携帯電話通信ネットワーク経由でコンテンツが取得される。したがって、ユーザは購入したコンテンツを即時取得することができる。
【0097】
(第5の実施形態)
この発明の第5の実施形態は、ユーザが使用するアクセス装置に、例えば無線LAN用のインタフェースと携帯電話通信用のインタフェースからなる第1及び第2のネットワークインタフェースを設け、コンテンツを購入する際には携帯電話通信用の第2のネットワークインタフェースを使用し、一方コンテンツを取得する際には公衆無線LAN用の第1のネットワークインタフェースを固定的に使用するようにしたものである。
【0098】
図5は、この発明の第5の実施形態に係わるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。なお、同図において前記図1、図2および図4と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
ユーザのアクセス装置18には、前記図4にて述べたように第1及び第2のネットワークインタフェース1801,1802を備えている。第1のネットワークインタフェース1801は、公衆無線LANシステムのように伝送速度は速いがサービスエリアが比較的限定される通信ネットワークに対応する。第2のネットワークインタフェース1802は、例えば携帯電話通信システムのように伝送速度が遅いが場所を選ばずに通信が可能な通信ネットワークに対応する。
【0099】
アクセス装置18の通信制御機能は、コンテンツを購入する際には携帯電話通信用の第2のネットワークインタフェース1802を、一方コンテンツを取得する際には公衆無線LAN用の第1のネットワークインタフェース1801をそれぞれ固定的に選択して使用する。
【0100】
このような構成であるから、例えばユーザは移動しながら任意の場所でコンテンツの購入操作を行う。そうするとアクセス装置18は、第2のネットワークインタフェース1802により携帯電話通信ネットワーク経由でコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスして、コンテンツの取得に必要なアクセス先情報を受け取る。その後、ユーザが駅構内や店舗内等に敷設されている公衆無線LANシステムのサービスエリアに移動すると、アクセス装置18は第1のネットワークインタフェース1801により公衆無線LANシステム経由でコンテンツ提供装置14aに対しアクセスしてコンテンツを取得する。
したがって、ユーザは思い立ったときに場所を選ばずにコンテンツを購入し、この購入したコンテンツを例えば駅のホーム等において電車が到着するまでの待ち時間を利用してアクセス装置18に取り込むことが可能となる。
【0101】
なお、第1のネットワークインタフェース1801を用いてコンテンツ売買管理装置14bとの間で通信を行い、これによりアクセス権を示すアクセス先情報を受信するようにしてもよい。この動作は、ユーザが手動操作により起動させるようにしてもよく、またあらかじめ定められたルールに従い自動的に選択されるように構成してもよい。
【0102】
(第6の実施形態)
この発明の第6の実施形態は、例えばユーザが店頭にてコンテンツを購入する際に、アクセス先情報が記述されたスクラッチカードを受け取り、ユーザはこのスクラッチカードに記述されたアクセス先情報をもとに自身のアクセス装置からコンテンツ提供装置に対しアクセスしてコンテンツを取得するようにしたものである。
【0103】
図6は、この発明に係わるコンテンツ配信システムの第6の実施形態を示す概略構成図である。なお、同図において前記図4と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
アクセス先管理装置12のアクセス先情報テーブル機能1201には、店頭等で販売するコンテンツを取得するために必要なアクセス権、つまりコンテンツ提供装置14aのアクセス先情報が予め一括して記憶してある。
【0104】
このようなシステムにおいて、ユーザは店頭でコンテンツを購入した際に例えばアクセス先情報が記述されたスクラッチカードまたは無線タグ等の記憶媒体を受け取る。ユーザは、上記購入したコンテンツを取得する際に、自身のアクセス装置18において上記スクラッチカードに記述されたアクセス先情報を手動入力するか、または記憶媒体に記憶されたアクセス先情報をアクセス装置に読み取らせる。そして、このアクセス先情報をもとに自身のアクセス装置18からコンテンツ提供装置14aに対しアクセスする。
【0105】
このとき、第1及び第2のネットワークインタフェース1801,1802のうちどちらを使用するかはユーザが手動で選択指定してもよいし、アクセス可能なネットワークを検出してこのネットワークに対応するネットワークインタフェースを自動選択するようにしてもよい。また、予め選択優先順位を設定しておいて、この優先順位に従いネットワークインタフェースを選択してもよいし、さらにはコンテンツの種類や情報量に応じて当該コンテンツをダウンロードする上で最適なネットワークインタフェースを自動選択するように構成してもよい。
【0106】
これらの選択手段により第1のネットワークインタフェース1801が選択された場合には、アクセス先管理装置12において、アクセス先許否決定機能1202がアクセス先情報テーブル機能1201に記憶されたアクセス先情報をもとにアクセスの許否を判定する。そして、この判定結果に従い、関門装置11が関門接続実施切断機能1108により上記アクセス装置からのアクセスの実施又は切断を制御する。
【0107】
そして、通信が可能となった状態でアクセス装置18からコンテンツの取得要求が送信され、この要求に応じてコンテンツ提供装置14aはコンテンツ記憶部から該当するコンテンツを選択的に読み出し、読み出されたコンテンツを含む配信情報を要求元のアクセス装置18へ向け送信する。コンテンツ提供装置14aから送信されたコンテンツの配信情報は、関門装置11を経由してアクセス装置18に伝送され、アクセス装置18のメモリに保存される。かくして、コンテンツの取得がなされる。
【0108】
したがって、関門装置11を含む無線通信ネットワーク、例えば公衆無線LANシステムに対し利用登録を行っていないユーザであっても、コンテンツの購入時にスクラッチカード等により受け取ったアクセス先情報を使用して、第1のネットワークインタフェース1801からコンテンツ提供装置14aに対しアクセスすることで、上記関門装置11を含む無線通信ネットワーク経由でコンテンツを取得することができる。
【0109】
これに対し、選択手段により第2のネットワークインタフェース1802が選択された場合には、アクセス装置18から利用登録された無線通信ネットワーク、例えば携帯電話通信ネットワークを介してコンテンツ提供装置14bに対しアクセスされる。この場合には、ユーザが公衆無線LANシステムのサービスエリア外にいる状態でも、コンテンツを取得できる。
以上のように第6の実施形態によれば、ネットワークを利用した購入ルートだけではなく、例えば店頭においてもコンテンツを購入することができる。
【0110】
(第7の実施形態)
この発明の第7の実施形態は、アクセス装置のユーザがアクセス権と共に度数を購入し、この度数の範囲内でコンテンツを提供するようにしたものである。
図7は、この発明の第7の実施形態に係わるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。なお、同図において前記図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0111】
この実施形態のシステムは、度数管理装置19を新たに備えている。この度数管理装置19は上記コンテンツ提供装置14a及びコンテンツ売買管理装置14bに対し通信ネットワークを介して接続可能となっている。通信ネットワークは、公衆有線通信ネットワーク、移動通信ネットワーク、専用線網、インターネット等のIP網のいずれでも使用可能である。
【0112】
度数管理装置19は、送受信機能1901と、残値判定機能1902と、度数記憶部1903とを備える。度数記憶部1903には、例えばアクセス装置13のアドレス又はユーザ識別情報に対応付けて、当該ユーザが購入した度数が記憶される。送受信機能1901は、上記コンテンツ提供装置14a及びコンテンツ売買管理装置14bとの間で、度数の問い合わせの受信、度数の残値の送信、減算指示及び加算指示の受信等を行う。残値判定機能1902は、減算処理後の度数が零になったか否かを判定し、零になった場合にその旨の通知メッセージを上記送受信機能1901によりコンテンツ提供装置14aへ送信する。
【0113】
一方、コンテンツ提供装置14aは、コンテンツ提供終了通知機能1401、コンテンツ提供終了検出機能1402及びコンテンツ準備提供機能1403に加え、度数判定通知機能1501と、度数減算要求機能1502とをさらに備えている。
度数判定通知機能1501は、アクセス装置からコンテンツ取得要求が到来した場合に、要求元のアクセス装置のアドレス又はユーザ識別情報をキーとして、度数管理装置19に対し度数の問い合わせを行う。そして、この問い合わせに対し度数管理装置19から回答される度数の残値をもとに、上記要求されたコンテンツの配信が可能であるか否かを判定し、その結果をもとにコンテンツ準備提供機能1403によるコンテンツ配信処理を制御する。度数減算要求機能1502は、上記コンテンツの配信終了後に当該コンテンツの配信に見合う度数の減算指示を上記度数管理装置19へ送信する。
【0114】
コンテンツ売買管理装置14bは、コンテンツ提供指示機能1404及びコンテンツアクセス先提示機能1405に加え、度数加算要求機能1503を備えている。度数加算要求機能1503は、アクセス装置13からアクセス権の購入要求と共に度数の購入要求が送られた場合に、購入された度数の加算指示を上記度数管理装置19へ送信する。
【0115】
このような構成であるから、アクセス装置13からアクセス権の購入要求と共に度数の購入要求が送信されると、コンテンツ売買管理装置14bはアクセス先管理装置12に対しアクセス権の設定登録を指示すると共に、上記購入された度数の加算指示を上記度数管理装置19へ送信する。度数管理装置19は、コンテンツ売買管理装置14bから加算指示が到来すると、該当するアクセス装置又はユーザの識別情報が登録済みであるか否かを判定する。そして、登録済みの場合には、当該識別情報に対応付けて記憶されている度数に、上記加算指示された度数を加算する。これに対し未登録の場合には、アクセス装置又はユーザの識別情報を度数記憶部1902に新規登録した上で、これに対応付けて上記加算指示された度数を記憶する。
【0116】
さて、この状態でアクセス装置13から送信されたコンテンツ取得要求が、関門装置11及びアクセス権管理装置12によりアクセス権が確認されたのちコンテンツ提供装置14aに転送されたとする。そうするとコンテンツ提供装置14aは、先ず度数管理装置19に対し度数の残値の問い合わせを送信する。度数管理装置19は、上記問い合わせが到来すると度数記憶部1903をアクセスし、該当するアクセス装置13の度数の残値を読み出して上記コンテンツ提供装置14aに回答する。
【0117】
コンテンツ提供装置14aは、上記回答された度数の残値が、要求されたコンテンツの配信に見合う値以上であるか否かを判定する。そして、度数の残値が十分あり、配信が可能な場合には、コンテンツ準備提供装置1403が該当するコンテンツを読み出してアクセス装置13に向け送信する。これに対し、度数の残値が足りなかった場合には、コンテンツを配信せず、代わりに度数不足である旨のメッセージを要求元のアクセス装置13に送信する。
【0118】
またコンテンツ提供装置14aは、上記コンテンツの配信に先立ち、当該配信対象のコンテンツに見合う度数を減算させるための指示を度数管理装置19に対し与える。度数管理装置19は、上記減算指示を受け取ると、度数記憶部1903に記憶されている該当するアクセス装置又はユーザに対応する度数を、上記減算指示に従い減算する。
【0119】
またこの減算処理後に度数管理装置19は、減算後の度数の残値をコンテンツ提供装置14aに通知する。コンテンツ提供装置14aはこの通知された減算後の度数残値を、上記コンテンツ配信先のアクセス装置13に送信する。これによりアクセス装置13のユーザは、コンテンツ取得後の度数の残値を確認できる。
【0120】
またそれと共に度数管理装置19は、減算後の度数の残値が零になったか否かを判定し、零になった場合にはその旨をコンテンツ提供装置14aに通知する。コンテンツ提供装置14aは、上記通知内容を保存すると共にアクセス先管理装置12に対しアクセス権の削除要求を送信する。アクセス先管理装置12は、上記削除要求を受信すると、アクセス先情報削除機能1204がアクセス先情報テーブル機能1201から該当するアクセス装置又はユーザのアクセス権を削除する。
【0121】
以上述べたように第7の実施形態によれば、アクセス装置13のユーザに対し、度数管理装置19で管理されている度数の範囲内でコンテンツを配信することができる。また、コンテンツ配信の都度、減算後の度数がユーザに通知されるため、ユーザは度数の残値を確認することができ、必要に応じてコンテンツ売買管理装置14bに対し度数の追加購入手続を行うことができる。
【0122】
さらに、度数管理装置19において度数残値が零になった場合に度数不足情報がコンテンツ提供装置14aに通知され、この通知を受けてコンテンツ提供装置14aからアクセス権管理装置12に対し削除要求が送られる。そして、この削除要求に従い該当するアクセス装置又はユーザのアクセス権が削除される。このため、コンテンツ提供装置14aは度数の残値が零になったアクセス装置を把握することができ、さらにアクセス権の自動削除が行われるので、アクセス権管理装置はアクセス権の削除処理を別途実行する必要がなくなる。
【0123】
(第8の実施形態)
前記各実施形態では、コンテンツ提供装置14aが1台の場合を例にとって説明したが、複数台の場合にもこの発明は適用可能である。この場合、関門装置11と複数台のコンテンツ提供装置との間に転送装置を設ける。この転送装置には、アドレス変換テーブルと、このテーブルに従い宛先アドレスを変換する手段とが設けられる。アドレス変換テーブルには、上記複数のコンテンツ提供装置に対し個別に割り当てられた第1のアドレスに対応付けて、上記各コンテンツ提供装置に対する共通部分と固有部分とから構成される仮の第2のアドレスが記憶される。
【0124】
このような構成において、上記複数のコンテンツ提供装置に対しコンテンツ取得要求を送信する際にアクセス装置13は、上記仮の第2のアドレスを使用してアクセスする。関門装置11又はアクセス権管理装置12は、アクセス装置13からコンテンツ取得要求が到来した場合に、当該コンテンツ取得要求に含まれる第2のアドレスの共通部分及び固有部分を選択的に使用してアクセス権を確認する。
【0125】
例えば、アクセス権に制限のない一般のネットワーク利用契約者からコンテンツ取得要求が到来した場合には、当該コンテンツ取得要求に含まれる第2のアドレスの共通部分によりアクセス先を確認し、共通部分が正しければコンテンツ取得要求をそのまま転送装置へ転送する。転送装置では、上記転送されたコンテンツ取得要求を、その宛先アドレスを第2のアドレスから第1のアドレスに変換したのちコンテンツ提供装置へ送信する。
【0126】
一方、アクセス権に制限のある特定のユーザからコンテンツ取得要求が到来した場合には、第2のアドレスの共有部分及び固有部分によりアクセス権の有無を確認し、アクセス権がある場合に上記コンテンツ取得要求を転送装置へ転送する。転送装置は、上記したように宛先アドレスを変換したのち宛先となるコンテンツ提供装置へ送信する。
【0127】
このようにすると、アクセス権に制限のない一般ユーザからのコンテンツ取得要求については個々のアクセス先を確認する必要がなくなり、アクセス権が制限された特定のユーザからの要求についてのみアクセス先に対するアクセス権を確認すればよいことになる。このため、関門装置及びアクセス権管理装置の負荷が軽減される。
【0128】
例えば、いま100人のユーザのうち、3人の特定ユーザについては図8に示すサイトに対するアクセスのみが許可されており、他の97人の一般ユーザについてはすべてのサイトへのアクセスが許可されているものとする。
この場合、上記100人のユーザが上記各サイトに固有に割り当てられた本当のアドレスを使用してコンテンツ取得要求を送信したとすると、関門装置11はユーザからコンテンツ取得要求が到来するごとに、そのアクセス先が上記3つのサイトであるか否かを確認する必要があるため、確認回数は3×100=300回となる。
【0129】
これに対し、上記転送装置に図9に示すアドレス変換テーブルを持たせ、このテーブルをもとに宛先アドレスを変換するようにしたとする。この場合関門装置11は、コンテンツ取得要求が到来すると、先ずその宛先アドレスに共通部分であるwww.jkjkjkl.orgが含まれているか否かを判定する。この判定の結果、共通部分が含まれていれば、続いて固有部分及び送信元ユーザを確認する。したがって、関門装置11の確認回数は、100(1回目の確認)+3×3(宛先が3つのサイトのいずれに該当するかの確認)=109回となる。このため、個々の確認処理の付加がほぼ同一だと仮定すると、関門装置11の確認に要する処理負荷は大幅に軽減される。
【0130】
いま仮に、一般ユーザのアクセス数をJ、特定ユーザのアクセス数及びアカウント数をKとすると、この実施形態を用いない場合の関門装置における確認回数は
(J+K)×K
と表され、この実施形態における関門装置11の確認回数は
(J+K)+K2
と表される。
【0131】
上記実施形態を用いない場合の関門装置における確認回数からこの実施形態における関門装置11の確認回数を引くと、
(J+K)×K−(J+K)+K2
=K2+J×K−J−K−K2
=J×K−J−K
=J(K−1)−K
となる。
【0132】
このため、この実施形態による確認回数が、この実施形態を使用しない場合の確認回数より大きくなるのは、
J(K−1)−K≧0 …(1)
を満たすときである。すなわち、J及びKが共に2以上のとき上記関係を満たす。なお、J(K−1)−K=0となるのはJ=K=2のときである。ただし、J,Kは0以上の整数。
【0133】
なお、上記仮の第2のアドレスの階層をさらに深くすると、関門装置の処理負荷をさらに軽減することが可能である。例えば、一般ユーザのアクセス数をJ、特定ユーザのアクセスのグループ数及びアカウント数をKとし、さらに各グループにある特定サイトへのアクセス数及びアカウント数をLとすると、
グループがない場合だと
(J+KZ)K+(KL)2
となり、一方グループがある場合だと
(J+KZ)K+(KL)K+L2
となる。そして、その差は
(J+KZ)K+(KL)2−((J+KZ)K+(KL)K+L2)
=(KL)2 −(KL)K−K2
=L(K2 L−K2 −L)
=L(K2 (L−1)−L)
となる。
【0134】
この式が0以上となる条件は
L(K2 (L−1)−L)≧0
である。ここで、K,Lは1以上の整数であるため、
K2 (L−1)−L≧0 …(2)
となる。
上記不等式(2) のK2 をJ、LをKとおくと、前記(1) 式となる。このため、K2 、Lがともに2以上の場合には、グループ化した方が確認回数が少なくなることが分かる。また、グループ化をさらに再帰的に実施することにより、さらに効果が得られる場合もある。
【0135】
以上述べたように第8の実施形態によれば、アクセス権に制限のない一般ユーザからコンテンツ取得要求が到来した場合には、当該コンテンツ取得要求に含まれる宛先アドレスの共通部分のみによりアクセス先を確認でき、一方アクセス先が限定される特定ユーザからコンテンツ取得要求が到来した場合には、宛先アドレスの固有部分も考慮してアクセス権を確認できる。したがって、アクセス権に制限のない一般ユーザからのコンテンツ取得要求が到来した場合には、宛先サイトごとのアクセス権の確認が不要となり、これにより関門装置11及びアクセス権管理装置12の処理負荷は大幅に軽減される。
【0136】
(その他の実施形態)
前記第2及び第3の実施形態では、コンテンツの伝送または送信が終了した時点で、さらにはコンテンツに対応するアクセス先情報またはユーザ識別情報の有効期間が経過した時点で、アクセス先情報テーブル機能1201またはユーザ情報管理テーブル機能1601からそれぞれアクセス先情報またはユーザ識別情報を削除するようにしたが、それと共にコンテンツ提供装置14aのコンテンツ記憶部から該当するコンテンツを削除するようにしてもよい。このようにすると、仮にアクセス権が悪用されてもコンテンツの複数回取得を防止することができる。
【0137】
さらに、前記第2及び第3の実施形態では、コンテンツの伝送終了が関門装置11で検出された時点、コンテンツの送信終了がコンテンツ提供装置14aで検出された時点、及びアクセス権の有効期間の経過が検出された時点のそれぞれに応じて、アクセス先情報テーブル機能1201またはユーザ情報管理テーブル機能1601からそれぞれアクセス先情報またはユーザ識別情報を削除するようにした。しかし、削除条件として上記各条件の一つのみまたは2つのみを備え、この一つまたは2つの条件を満たした時点でアクセス先情報またはユーザ識別情報を削除するようにしてもよい。
【0138】
また、前記第3の実施形態の変形例として、ある特定のアクセス先へのみアクセス可能な専用機器を用いる形態も考えられる。つまり、ユーザに対しある特定のアクセス先へのアクセスのみを許可するかわりに、通常に比較して低額な使用料とするなどを実施することが可能である。例えば、電子ブックのコンテンツダウンロードのみが可能な専用端末のような形態も考えられるし、勤務先へのVPN(Virtual Private Network)を設定するアクセスのみを許可する契約も考えられる。これらの場合は、コンテンツ売買管理装置15にて提示されたユーザIDとパスワードをあらかじめユーザに提示しておき、このユーザIDとパスワードを用いてアクセスの許されたアクセス先に対しアクセスを行うことにより実現できる。
【0139】
さらに、以上の実施形態の拡張として、例えばスクラッチカードにアクセス先情報が記載されていて、この記載されたアクセス先情報を入力するとその度数分だけ公衆無線LANシステムを利用した通信サービス、例えば音声通信サービスを実施可能とする形態も考えられる。このようにすると、コンテンツ等を一回購入すると、それにより付与されたアクセス権を有効回数又は有効度数分だけ使用して通信を行うことが可能となる。
【0140】
さらに、前記第4の実施形態では、コンテンツを取得する際に、通常の場合には第1のネットワークインタフェース、つまり公衆無線LANシステムを優先的に選択し、コンテンツの取得を急ぐ場合にのみユーザのコンテンツ取得操作に応じて第2のネットワークインタフェース1802、つまり携帯電話通信ネットワークを選択するようにした。しかし、それに限るものではなく、上記第1及び第2のネットワークインタフェース1801,1802は、次のような条件に応じて選択することもできる。
【0141】
すなわち、アクセス装置18は通信制御機能により、ダウンロードするコンテンツの種類または情報量を判定する。そして、この判定結果に応じ、コンテンツの種類が例えば音楽データまたは画像データを含む場合や情報量が所定量以上の場合には、伝送速度が高速の第1のネットワークインタフェースを選択し、これにより公衆無線LANシステムを介してコンテンツをダウンロードする。一方、コンテンツの種類が例えばテキストデータのみからなる場合や情報量が所定量未満の場合には、伝送速度が低速の第2のネットワークインタフェースを選択し、これにより携帯電話通信ネットワークを介してコンテンツをダウンロードする。
このようにすると、コンテンツの性質に応じ最適なネットワークを使用することができる。また、公衆無線LANシステム及び携帯電話通信システムそれぞれのトラフィックを検出し、トラフィックが低い側を選択してコンテンツをダウンロードするようにしてもよい。
【0142】
また、第1及び第2のネットワークインタフェース1801,1802の両方を使用して通信が可能である場合、アクセスに使用するネットワークに関する情報をコンテンツ提供装置14aに通知し、コンテンツ提供装置14aが上記通知された情報を予め定められた条件と照合して、条件を満たす場合のみコンテンツの送信を開始する。
【0143】
例えば、コンテンツ提供装置14aが携帯電話端末のメールサーバであり、大容量のデータが携帯電話端末のメールサーバにあったとし、かつ予め定められた条件が「帯域幅が携帯電話より広帯域」だったとする。この場合メールサーバは、携帯電話通信ネットワークを用いてメールの送信を行わず、ユーザがより広帯域な回線が利用可能になった場合に初めてメールの送信を行う。また、広帯域の回線を用いないとデータを転送できないコンテンツの場合には、サービスエリアは広いが送信可能な情報量が少ないネットワーク、例えば携帯電話通信ネットワークを用いてデータの存在を通知することも考えられる。
【0144】
さらに、有料コンテンツの購入後、このコンテンツを取得する際に、ある条件に適したネットワークからのみコンテンツを取得することを可能にするようにしてもよい。例えば、コンテンツの受信に携帯電話(帯域9.6kbps)用の第2のネットワークインタフェース1802と、公衆無線LANシステム(帯域54Mbps)用の第1のネットワークインタフェース1801とのうち、携帯電話用の第2のネットワークインタフェース1802のみが使用可能である場合に、その回線を使用する条件が「帯域の広さが1Mbps以上」であった場合には、たとえ第2のネットワークインタフェース1802が使用可能であったとしても、コンテンツの取得を行わない。
【0145】
このようにすると、ユーザが望まない事態、例えば1時間経過してもコンテンツの取得が終了せず、そのうちにユーザが公衆無線LANシステムのサービスエリアに移動し、それまでダウンロードされた情報が数秒で取得可能となり、取得にかかった時間は変わらないが携帯電話通信の通信料が膨大にかかってしまうといった不具合を回避することができる。
【0146】
また、使用可能なすべてのネットワークインタフェースにおいてあらかじめ定められた条件を満たさなかった場合は、使用可能なネットワークインタフェースを介してそのコンテンツに関する情報を送付することで、コンテンツの存在や、その内容を知ることが可能であり、その内容によりユーザが適切な対処を取ることが可能である。
【0147】
また、前記第4または第5の実施形態において、第2のネットワークインタフェース1802が携帯電話用のネットワークインタフェースである場合、コンテンツ購入時にコンテンツ売買管理装置14bがアクセス装置18の機器IDを受け取って、この受け取った機器IDからアクセス装置18のメールアドレスを知り、このメールアドレスをもとにID及びパスワードからなるユーザ識別情報を判定してアクセス装置18に通知するようにしてもよい。
このようにすると、ユーザにコンテンツの取得方法を指示することなく、また即時に、アクセス装置18が他のネットワークインタフェースに通知するなどの二次利用が行いやすい形式で渡すことが可能である。
【0148】
また、コンテンツ提供装置14aがメールサーバである場合、アクセス装置18の機器IDをコンテンツ売買管理装置14bもしくはコンテンツ提供装置14aにて受け取り、この機器IDの情報から携帯電話のメールアドレスを知る。そして、コンテンツ準備装置17からコンテンツ提供装置14aに対してコンテンツをメールで送信する。このようにすると、ユーザはコンテンツ提供装置14aからコンテンツを取得する際に第2のネットワークインタフェース1802を用いることも可能である。
【0149】
さらに、この発明は以下のような各種変形も可能である。例えば、コンテンツ売買管理装置14bへのアクセスを誰にでも許可している場合には、コンテンツ売買管理装置14bの所在に限定されない。すなわち、コンテンツ売買管理装置14bの所在は、ネットワーク事業者が管理するネットワーク内かコンテンツ事業者が管理するネットワーク内に存在することも含み、また第1の実施形態で述べたアクセス手段を用いてネットワーク事業者が管理するもしくは管理を委託しているコンテンツ売買管理装置14bへのアクセス(コンテンツ売買に関するアクセスを含む)を実質的に不特定多数もしくは限定されたユーザに許可している場合も含む。
【0150】
また、アクセス先管理装置12もしくはユーザ認証装置16が複数設置される場合に、アクセス権を示す情報の追加及び更新が共有されるように構成してもよい。この場合、アクセス先管理装置12もしくはユーザ認証装置16を他事業者が所有もしくは管理している場合も含む。この場合、コンテンツの配信終了を検出した装置からコンテンツ売買管理装置14bや専用装置を仲介して他のアクセス先管理装置12もしくはユーザ認証装置16に通知し、該当情報を削除することも含む。またコンテンツ提供装置14aにて該当コンテンツを削除することも含む。これにより、複数のネットワーク事業者に対してコンテンツの配信を依頼した場合でも、コンテンツの複数回取得を防ぐことが可能である。
【0151】
また、ネットワーク事業者とコンテンツ事業者との間の決裁処理を、決裁サーバを利用して自動的に実行することも可能である。例えば、コンテンツ提供装置14a又はコンテンツ売買管理装置14bを、クレジット会社又は金融機関が運用する決裁サーバに対し通信ネットワークを介して接続可能とする。そして、コンテンツ売買管理装置14bにおいてコンテンツ購入処理が行われた場合、或いはコンテンツ提供装置14aにおいてコンテンツの配信が行われた場合に、コンテンツ売買管理装置14b或いはコンテンツ提供装置14aから決裁サーバに対し決裁指示情報を送信して決裁処理を実行させる。
【0152】
例えば、コンテンツ売買管理装置14b及びコンテンツ提供装置14aをネットワーク事業者が運用し、かつコンテンツ事業者がコンテンツの権利を保有している場合において、権利料がX円のコンテンツがY円で販売されたとする。この場合、コンテンツ売買管理装置14b及びコンテンツ提供装置14aは、上記権利料に相当するX円をコンテンツ事業者の口座に振り込むべく決裁指示情報を決裁サーバに送る。
【0153】
また、コンテンツ売買管理装置14b及びコンテンツ提供装置14aをコンテンツ事業者自身が運用し、かつコンテンツ事業者がコンテンツの権利を保有している場合には、コンテンツの販売代金Y円から自身が保有する権利料X円を差し引いた額がネットワーク利用料金であるため、このY−X円をネットワーク事業者の口座に振り込むべく決裁指示情報を決裁サーバに送る。
以上のようにすることにより、コンテンツ取得要求の受付処理からその購入代金の決裁処理までをシステムが一貫して行うことが可能となる。
【0154】
なお、決裁の方法としては、
(1)コンテンツごとに一定金額または個々のコンテンツごとに定められた金額を決裁する方法。
(2)コンテンツの伝送数または情報量に関係なく一定金額を決裁する方法。
(3)、ネットワーク事業者の宣伝広告をコンテンツに掲載し、その広告料によりネットワーク利用料を相殺する方法。
などが考えられる。
【0155】
さらに、コンテンツの配信数を取得することは、ネットワーク事業者は関門装置11のアクセス実施切断機能1103における統計から可能であり、コンテンツ提供装置14aはネットワーク事業者が割り当てるIPアドレスなどから取得することが可能である。この場合、コンテンツ事業者は契約していないユーザに割り当てるアドレスのエリアをあらかじめ規定しておくことも考えられる。
【0156】
また、ユーザとコンテンツ事業者間の決裁方法としては、ユーザがネットワーク事業者のネットワークを使用する/しないにかかわらずユーザから同額を受け取り、ネットワーク事業者への支払いは販売促進費とすることも可能であるし、ネットワーク利用料をユーザに上乗せすることも可能である。
【0157】
また、コンテンツ提供装置14a及びコンテンツ売買管理装置14bはいずれもネットワーク事業者のネットワーク内もしくはネットワーク外に設置されるかを問わない。また、コンテンツ売買管理装置14bを関門装置11よりもユーザのアクセス装置13寄りに設置して、ユーザがコンテンツ売買管理装置14bに対し直接アクセスできるようにしてもよい。
【0158】
また、コンテンツの通信終了は、必ずしもTCP(Transmission Control Protocol)などのレイヤ4で監視する必要はなく、それよりレイヤの高い層におけるセッションにおいて監視するようにしてもよい。また、出力される(通信)ログを監視するようにしてもよい。さらに、使用するネットワークインタフェースは無線に限らず、有線にも適用可能である。さらに、アクセス権を示す情報、つまりユーザIDとパスワードからなるユーザ識別情報、またはアクセス先情報の発行を、アクセス先管理装置12やコンテンツ準備装置17において行ってもよい。その場合、アクセス権の発行元はコンテンツ売買管理装置15に対して発行したアクセス権の情報を通知する必要がある。
【0159】
また、アクセス先としては、URL以外にIP(Internet Protocol)アドレス、メールアドレス、FQDN(Fully-Qualified domain Name)、MAC(Media Access Control)アドレス、その他非IPのアドレス、電話番号を含む。さらにアクセス先としてユーザIDとパスワードを用いる場合は、ユーザからIDとパスワードを指定することも可能である。
【0160】
また、コンテンツをプッシュ配信できないときには、ユーザのアクセス装置13が通信可能な状態に変化したとき(例えば有線の接続、無線でのエリア内移動)、それを検出して自動的にデータヘのアクセスを行うようにしてもよい。アクセス装置13のサービスエリアへの進入の検出手段としては、光、電波、音波およびそれらを変調して伝送される信号や、文字認識、GPS(Global Positioning System)等の位置特定手段等も含む。
【0161】
また、ネットワークインタフェースが複数存在し、通信可能なネットワークインタフェースではコンテンツを取得できない場合にコンテンツの存在を通知する契機は、コンテンツの個数に変化が生じた場合、定期的、指定した時間、ある特定の位置であることを検出した場合等を含む。また、その際に通知する情報としては、コンテンツの名称、取得元、取得時間、製作者名、期限、価格、ISBN番号を含むコンテンツ識別番号、出版社名、その他のメモを含む。
【0162】
また、ネットワークインタフェースを使用してコンテンツ配信を行うか否かの判定条件には、通信料、取得にかかる時間長、電力量、時間帯等を含む。これらの条件はユーザが任意に変更することも可能であるとしてもよい。さらに、コンテンツ準備装置17はコンテンツ提供装置14aと一体化してもよい。
【0163】
また、前記第4乃至第6の実施形態では、1台のアクセス装置に複数のネットワークインタフェース1801,1802を設けるようにしたが、アクセス装置は2以上のユニットに分割されていてもよい。この場合には、各ユニットに複数のネットワークインタフェースを別々に備えていればよい。つまり、アクセス装置が第1のユニットと第2のユニットからなるとき、第1のユニットには第1のネットワークインタフェース1801を、また第2のユニットには第2のネットワークインタフェース1802を備える構成も可能である。
【0164】
さらに、元々ネットワークインタフェース1801もしくは1802の機能を持っている機器を、アクセス装置、各ユニットの一部もしくはそれ自体とすることも可能である。例えば、携帯電話端末自体を第1のネットワークインタフェース1801と見なしてもよいし、ネットワークにアクセス可能な携帯電話端末自体を第1のネットワークインタフェース1801を含む第1のユニットとみなしてもよい。また、無線LANカードを第1のネットワークインタフェース1801とみなしてもよいし、無線LANが接続されたパーソナル・コンピュータを第2のネットワークインタフェース1802を備えた第2のユニットと見なしてもよい。
【0165】
すなわち、以上の例では無線LANが接続されたパーソナル・コンピュータを第2のネットワークインタフェース1802を備えた第2のユニットと見なし、ネットワークにアクセス可能な携帯電話端末自体を第1のネットワークインタフェース1801を含む第1のユニットと見なすことにより、これらを合わせたものを論理的なアクセス装置とすることが可能である。また、ネットワークにアクセス可能な携帯電話端末に無線LANを接続すると、これは第1のネットワークインタフェース1801および第2のネットワークインタフェース1802を含んでいるアクセス装置とみなすことも可能である。
【0166】
また、上記第1のユニットおよび第2のユニットは物理的に近いところにある必要はなく、また可搬である必要もない。例えば第1のユニットが携帯電話通信ネットワークにアクセス可能な携帯電話端末であり、第2のユニットが有線用のネットワークインタフェースを持つデスクトップ型パソコンである場合も考えられる。
【0167】
またデータの転送手段としては、TCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、NETBIOS(Network Basic Input/Output System)、電子メールなどを含み、またこれに限定されない。またコンテンツの支払方法については、銀行振込、クレジットカード、携帯電話の情報量課金、プリペイド課金、デポジット制、他の登録サービスによる課金などを含む。
【0168】
また、アクセス先情報テーブル機能へのアクセス権の追加及び削除は、必ずしもデータ自体の追加及び削除である必要はなく、その他の手法も考えられる。例えば、アクセス権を表すデータを参照するか否かを示すフラグを記憶しておき、購入の確認またはコンテンツの送信終了検出を契機に上記フラグをオン/オフする。そして、このフラグの状態からアクセス権の有無を判定する。このようにすると、アクセス先情報テーブル機能へのアクセス権の追加及び削除処理を簡単化できる。
【0169】
さらに以上の各実施形態では、ユーザが自身のアクセス装置を使用して、コンテンツ管理装置が提供するコンテンツ配信サービス、例えば映像又は音声コンテンツやアプリケーションプログラムのダウンロードをダウンロードするサービスを例にとって説明した。しかし、それに限らず、コンテンツ管理装置がIP電話サービス等の電話サービスを提供する場合には、この電話サービスに利用に対しこの発明を適用するようにしてもよい。
【0170】
その他、各ネットワークの種類やアクセス装置の種類とその機能、関門装置、アクセス権管理装置及びコンテンツ管理装置の機能構成、コンテンツ提供サービスの種類、コンテンツの購入処理手順とその内容、コンテンツの取得処理手順とその内容などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0171】
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0172】
11…関門装置、12…アクセス先管理装置、13,18…ユーザのアクセス装置、14…コンテンツ管理装置、14a…コンテンツ売買管理装置、14b…コンテンツ提供装置、16…ユーザ認証装置、17…コンテンツ準備装置、19…度数管理装置、1101…アセス先検出機能、1102…アクセス先問い合わせ機能、1103…アクセス実施切断機能、1104…配信終了検出機能、1105…配信終了通知機能、1106…ユーザ検出機能、1107…ユーザ問い合わせ機能、1108…関門接続実施切断機能、1201…アクセス先情報テーブル機能、1202…アクセス許否決定機能、1203…アクセス先情報追加機能、1204…アクセス先情報削除機能、1401…コンテンツ提供終了通知機能、1402…コンテンツ提供終了検出機能、1403…コンテンツ準備提供機能、1404…コンテンツ提供指示機能、1405…コンテンツアクセス先提示機能、1501…度数判定通知機能、1502…度数減算要求機能、1503…度数加算要求記能、1601…ユーザ情報管理テーブル機能、1602…ユーザ許否決定機能、1603…ユーザ情報登録機能、1604…ユーザ情報削除機能、1801…第1のネットワークインタフェース、1802…第2のネットワークインタフェース、1901…度数管理装置の送受信機能、1902…残値判定機能、1903…度数記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの購入要求に応じて当該コンテンツの取得に必要なアクセス権を表す情報として、アクセス先情報又はユーザ識別情報を発行する第1のコンテンツ管理装置と、コンテンツの取得要求に応じて該当するコンテンツを送信する第2のコンテンツ管理装置と、前記アクセス権を表す情報をもとに前記第2のコンテンツ管理装置に対するアクセスを制御する関門装置とを備えるコンテンツ配信システムで使用されるアクセス装置であって、
前記関門装置を含まない第1のネットワークに対しアクセスする第1のネットワークインタフェースと、
前記関門装置を含む第2のネットワークに対しアクセスする第2のネットワークインタフェースと、
前記第1及び第2のネットワークインタフェースを選択的に使用して通信を行う通信制御手段とを具備し、
前記通信制御手段は、
前記第1のネットワークインタフェースを使用して前記第1のネットワーク経由で前記第1のコンテンツ管理装置に対しアクセスし、当該第1のコンテンツ管理装置から前記アクセス権を表す情報を受信するアクセス権受信手段と、
前記第2のネットワークインタフェースを使用して、受信された前記アクセス権を表す情報をもとに前記第2のネットワーク経由で前記第2のコンテンツ管理装置に対しアクセスし、当該第2のコンテンツ管理装置から前記コンテンツを受信する第1のコンテンツ受信手段とを具備する
ことを特徴とするアクセス装置。
【請求項2】
前記通信制御手段は、
前記第1のネットワークインタフェースを使用して、前記第2のネットワーク経由で前記第2のコンテンツ管理装置に対しアクセスし、当該第2のコンテンツ管理装置から前記コンテンツを受信する第2のコンテンツ受信手段と、
前記第1のコンテンツ受信手段と第2のコンテンツ受信手段とを択一的に選択して実行させる選択手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1記載のアクセス装置。
【請求項3】
前記第1のネットワークインタフェースが第1のデータ伝送速度による通信が可能で、一方前記第2のネットワークインタフェースが前記第1のデータ伝送速度より高速の第2のデータ伝送速度による通信が可能な場合に、
前記選択手段は、コンテンツの特徴に応じて前記第1及び第2のコンテンツ受信手段を選択することを特徴とする請求項2記載のアクセス装置。
【請求項4】
前記選択手段は、
ユーザによるネットワーク選択要求の入力を受け付ける手段と、
前記ユーザにより入力されたネットワーク選択要求に基づいて、前記第1及び第2のコンテンツ受信手段を選択する手段とを有する
ことを特徴とする請求項2記載のアクセス装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のコンテンツ受信手段は、前記アクセス権受信手段による前記アクセス権を表す情報の受信を契機として、前記第2のコンテンツ管理装置からコンテンツを受信するためのアクセス動作を開始することを特徴とする請求項3又は4記載のアクセス装置。
【請求項6】
ユーザが使用するアクセス装置と、コンテンツを管理するコンテンツ管理装置と、アクセス権を表す情報を記憶するアクセス権管理装置と、このアクセス権管理装置と協働して前記アクセス装置から前記コンテンツ管理装置に対するアクセスを制御する関門装置とを備えるコンテンツ配信システムで使用される前記コンテンツ管理装置であって、
前記アクセス装置によりコンテンツの購入操作が行われた場合に、購入対象となるコンテンツの取得に必要なアクセス権を表す情報として、アクセス先情報又はユーザ識別情報を発行する手段と、
発行された前記アクセス権を表す情報を、前記コンテンツの購入操作を行ったアクセス装置に通知する手段と、
発行された前記アクセス権を表す情報を前記アクセス権管理装置に追加記憶させる手段とを具備する
ことを特徴とするコンテンツ管理装置。
【請求項7】
ユーザが使用するアクセス装置と、コンテンツ配信機能を有するコンテンツ管理装置との間を、複数のネットワークを選択的に使用して接続可能としたコンテンツ配信システムで使用される前記コンテンツ管理装置であって、
前記アクセス装置からコンテンツの取得要求が到来した場合に、当該コンテンツの配信に使用するネットワークが予め設定された伝送条件を満足するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により伝送条件を満足すると判定された場合に、コンテンツを要求元のアクセス装置へ送信する手段とを具備する
ことを特徴とするコンテンツ管理装置。
【請求項8】
前記判定手段により伝送条件を満足しないと判定された場合に、その旨の通知情報を前記要求元のアクセス装置へ送信する手段を、さらに具備する
ことを特徴とする請求項7記載のコンテンツ管理装置。
【請求項9】
ユーザが使用するアクセス装置と、コンテンツを管理するコンテンツ管理装置と、これらのアクセス装置及びコンテンツ管理装置が通信回線を介して接続可能な関門装置と、アクセス権管理装置とを備えるコンテンツ配信システムで使用される前記アクセス権管理装置であって、
アクセス権を表す情報として、アクセス先情報又はユーザ識別情報を記憶するアクセス権管理テーブルと、
前記コンテンツ管理装置に対する前記アクセス装置からのアクセスについての問い合わせが前記関門装置から到来した場合に、前記アクセス権管理テーブルの記憶情報をもとに前記アクセスの許否を決定して前記関門装置に応答する手段と、
前記アクセス装置へのコンテンツの配信が終了したことを示す情報が前記関門装置から通知された場合に、前記アクセス権管理テーブルから前記コンテンツの配信に係わる前記アクセス権を表す情報を削除する第1の削除手段とを具備する
ことを特徴とするアクセス権管理装置。
【請求項10】
ユーザが使用するアクセス装置と、コンテンツを管理するコンテンツ管理装置と、これらのアクセス装置及びコンテンツ管理装置が通信回線を介して接続可能な関門装置と、アクセス権管理装置とを備えるコンテンツ配信システムで使用される前記アクセス権管理装置であって、
アクセス権を表す情報として、アクセス先情報又はユーザ識別情報を記憶するアクセス権管理テーブルと、
前記コンテンツ管理装置に対する前記アクセス装置からのアクセスについての問い合わせが前記関門装置から到来した場合に、前記アクセス権管理テーブルの記憶情報をもとに前記アクセスの許否を決定して前記関門装置に応答する手段と、
前記アクセス装置へのコンテンツの送信を終了したことを示す情報がコンテンツ配信元のコンテンツ管理装置から通知された場合に、前記アクセス権管理テーブルから前記コンテンツの配信に係わる前記アクセス権を表す情報を削除する第2の削除手段とを具備することを特徴とするアクセス権管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−92500(P2010−92500A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289432(P2009−289432)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【分割の表示】特願2004−46618(P2004−46618)の分割
【原出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】