説明

コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含む生成物、及びその使用

本発明は、コーヒー、特にコーヒー抽出物のクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含む生成物ばかりでなく、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用、及びかかる生成物を生成する方法に関する。コーヒーは、クロロゲン酸を含む。本発明によると、これらのクロロゲン酸は、脱炭酸したフェノール酸に変換することができる。結果として生じた脱炭酸したフェノール酸は、抗酸化及び/又は抗炎症性特性を有し、食物及び飲料製品の成分として及び一定の健康状態を治療するために、使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー、特にコーヒー抽出物のクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含む生成物ばかりでなく、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用、及びかかる生成物を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー並びにカフェイン及びジテルペン(例えば、カフェストール、カーウェオール)などのコーヒー活性化合物は、解毒酵素(例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、GST)を誘導することが示された(Cavin C.ら、1998年、「コーヒーに特有のジテルペンであるカフェストール及びカーウェオールは、二重機構によってアフラトキシンB1に誘導される遺伝毒性を防ぐ(The coffee−specific diterpenes cafestol and kahweol protect against aflatoxin B1−induced genotoxicity trough a dual mechanism.)。」、Carcinogenesis、19巻、1369〜1375頁、Cavin,C.ら、2003年、「コーヒーのジテルペンは、ラット及びヒトの培養系において、ベンゾ[a]ピレンの遺伝毒性を妨げる(Coffee diterpenes prevent benzo[a]pyrene genotoxicity in rat and human culture systems.)。」、Biochemical Biophysical Research Communication、306巻、488〜495頁、Huber,W.ら、2002年a、「コーヒー成分であるカーウェオール及びカフェストールによる、ラットの特定の器官における化学的予防酵素であるグルクロノシルトランスフェラーゼ及びグルタチオントランスフェラーゼの強化(Enhancement of the chemoprotective enzymes glucuronosyl transferase and glutathione transferase in specific organs of the rat by the coffee components kahweol and cafestol.)。」、Archive of Toxicology、76巻、209〜217頁)。コーヒーにより増進したGST活性は、5日間でコーヒー800mlを消費した後のヒトにおいて、さらに実証された(Steinkellner,H.ら、2005年、「コーヒー消費は、血漿においてGSTPを誘導し、(+/−)−抗−ベンゾ[a]ピレン−7,8−ジヒドロジオール−9,10−エポキシドによって誘導されるDNA損傷からリンパ球を保護する:対照ヒト介入試験の結果(Coffee consumption induces GSTP in plasma and protects lymphocytes against (+/−)−anti−benzo[a]pyrene−7,8−dihydrodiol−9,10−epoxide induced DNA−damage:results of controlled human intervention trials.)。」、Mut.Res.591巻、264〜275頁)。
【0003】
この種の抗酸化活性は、例えば癌、心臓病、退行性脳障害、及び老化に関与することがある損傷を与える遊離基を減少させることによって、「酸化ストレス」を防ぐことが知られている。
【0004】
アルツハイマー病(AD)は、進行性神経変性疾患及び認知症の最も一般的な形態であり、症状は、例えば記憶喪失、錯乱、気分変動、及び認知機能低下である。アルツハイマー病は、主な構成物が、アミロイドベータタンパク質(Aβ)と呼ばれる39〜42残基のペプチドの原線維凝集体である、脳内における細胞外のアミロイド斑及び神経細胞内の神経原線維変化の存在によって特徴付けられる。Aβ原線維形成は、ADの病因において中心的な役割を果たすと考えられる。いくつかの病原性AD変異は、Aβレベル、特に変異Aβ42のレベルを上昇させる結果となることが示された。したがって、アミロイド原線維形成は、ADにおける疾患進行及び神経変性の原因であると考えられる。Aβ原線維形成は、原線維形成と同時に消失する、ADDLS又は原線維前駆体(PF)と名付けられた分離した可溶性オリゴマー中間体を含む、複雑な複数ステップの機構を通じて起こることは、生体外研究によって実証された。これは、PFがADの病原性種であり得ることを示唆する。ヒト及び動物におけるいくつかのその他の疾患は、タンパク質凝集、例えば黄斑変性、牛海綿状脳症(BSE)、クロイツフェルトヤコブ病、及び糖尿病を含む。
【0005】
食物及び飲料製品の健康上の利益を増進させるために、増進した抗酸化活性やその他の有益な生物活性を有する製品を製造すること、並びに、例えば化粧及び医薬品ばかりでなく、食物及び飲料製品の特性を強化するために使用できる、抗酸化剤及び有益な生物活性を有するその他の化合物の天然源を発見することが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは今、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸が、アミロイドベータペプチドの凝集を抑制し及び/又は遅延させるのに有効であることばかりでなく、抗酸化及び抗炎症性特性を有すること、並びにコーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸をコーヒー抽出物から生成して、強化された抗酸化及び抗炎症性特性を有するコーヒー抽出物を得ることができることを見出した。したがって、本発明は、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含むコーヒー抽出物を生成する方法であって、a)水及び/又は蒸気でコーヒー豆を抽出し、コーヒー抽出物を生成するステップ、及びb)抽出物中に存在するクロロゲン酸をフェノール酸に加水分解し、結果として生じたフェノール酸を脱炭酸するために、コーヒー抽出物を処理するステップを含む方法に関する。さらなる態様において、本発明は、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含むコーヒー抽出物、食物又は飲料製品を製造する方法、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含む食物又は飲料製品及びコーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】単量体アミロイドベータペプチドからのアミロイド原線維の形成を減少させる及び/又は阻止する4−ビニルカテコールの能力のアッセイを示す図である。白い棒は、対照であり、薄い灰色の棒は、Aβ42と4−ビニルカテコールの割合が1:0.5(モル比)であり、濃い灰色の棒は、Aβ42と4−ビニルカテコールの割合が1:2(モル比)である。
【図2】アミロイドベータペプチドの原線維前駆体からのアミロイド原線維の形成を減少させる及び/又は阻止する4−ビニルカテコールの能力のアッセイを示す図である。白い棒は、対照であり、薄灰色の棒は、Aβ42と4−ビニルカテコールの割合が1:0.5(モル比)であり、濃灰色の棒は、Aβ42と4−ビニルカテコールの割合が1:2(モル比)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
クロロゲン酸は、トランス桂皮酸とキナ酸の間に形成されるエステルのファミリーである。クロロゲン酸は、主にキナ酸と種々の位置に結合したフェノール基(例えばコーヒー基、フェルラ基、クマル基、メトキシ桂皮基)のモノ−及びジエステルとして、コーヒー中に天然に存在する。クロロゲン酸は加水分解して、コーヒー酸及びフェルラ酸などのフェノール化合物を生成することができる。これらのフェノール化合物は、脱炭酸によって、さらに変換することができる。本発明は、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸に関する。用語コーヒーのクロロゲン酸は、コーヒー中に天然に認められる1種又は複種のクロロゲン酸及びコーヒー又は別の供給源のどちらに実際に由来していようとも、フェノール基を含む1種又は複種のクロロゲン酸を意味する。好ましい実施形態において、コーヒーのクロロゲン酸は、コーヒーに実際に由来する。コーヒー中に天然に存在するクロロゲン酸は、例えばカフェオイルキナ酸(CQA)(例えば3−、4−、又は5−カフェオイルキナ酸など)及びジエステル、フェルロイルキナ酸(FQA)(例えば3−、4−、又は5−フェルロイルキナ酸など)及びジエステル、並びにジメトキシシナモイルキナ酸(DMCQA)(例えば3−、4−、又は5−ジメトキシシナモイルキナ酸など)及びジエステルである。
【0009】
コーヒーのクロロゲン酸は、加水分解して、フェノール酸を生成でき、例えば、CQAは加水分解して、コーヒー酸(CA)を生成でき、FQAは加水分解して、フェルラ酸(FA)を生成でき、DMCQAは加水分解して、ジメトキシ桂皮酸(DMCA)を生成できる。コーヒーのクロロゲン酸の加水分解によって生成されるフェノール酸は、さらに脱炭酸して、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を生成することができる。例えば、CAは脱炭酸して、4−ビニルカテコールを生成でき、FAは脱炭酸して、4−ビニルグアイアコールを生成でき、DMCAは脱炭酸して、4−ビニルベラトロールを生成できる。
【0010】
本発明の一実施形態において、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸は、4−ビニルカテコール又はそのメトキシ誘導体である。4−ビニルカテコールのメトキシ誘導体は、例えば4−ビニルグアイアコール及び4−ビニルベラトロールである。本発明の好ましい実施形態において、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸は、4−ビニルカテコール、4−ビニルグアイアコール、4−ビニルベラトロール、及びそれらの混合物の中から選択される。
【0011】
本発明は、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含むコーヒー抽出物に関する。コーヒー抽出物は、コーヒーのクロロゲン酸に由来する、1種又は複種の脱炭酸したフェノール酸を含んでもよい。本発明のコーヒー抽出物は、焙煎したコーヒー豆、生コーヒー豆、又はその両方の抽出物であってもよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、コーヒー抽出物は、4−ビニルカテコール、4−ビニルグアイアコール、及び4−ビニルベラトロールを合わせて、乾燥物質1グラム当たり、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、又は少なくとも20ミリグラムなど、乾燥物質1グラム当たり、少なくとも0.1ミリグラム含む。別の実施形態において、コーヒー抽出物は、4−ビニルカテコールを、乾燥物質1グラム当たり、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、又は少なくとも20ミリグラムなど、乾燥物質1グラム当たり、少なくとも0.1ミリグラム含む。
【0013】
本発明の方法によると、クロロゲン酸は、上記の通り、クロロゲン酸をフェノール酸に加水分解し、結果として生じたフェノール酸を脱炭酸することによって、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸に変換することができる。
【0014】
加水分解及び脱炭酸反応は、別々に実施されてもよく、又は、加水分解及び脱炭酸反応は、時間的に重複してもよい。
【0015】
クロロゲン酸の変換は、任意の適切な方法によって実施できる。本発明の一実施形態において、変換は、コーヒー中のクロロゲン酸を変換することができる1種又は複種の微生物によって実施される。クロロゲン酸を変換することができる微生物は、例えば、本明細書の実施例において開示されている通り確認できる。適切な微生物は、酵母、例えばパン酵母、真菌、例えばアスペルギルス(Aspergillus)、又は細菌、例えば乳酸菌、例えばL.ジョンソニイ(L.johnsonii)(CNCM I−1225)などの例えばラクトバチルス(Lactobacillus)であってもよい。本発明の一実施形態において、クロロゲン酸を変換することができる微生物は、乳酸菌である。本発明の別の実施形態において、2種以上の微生物、例えばクロロゲン酸をフェノール酸に加水分解することができる1種又は複種の微生物、及びフェノール酸を脱炭酸することができる1種又は複種の微生物を使用して、クロロゲン酸を変換する。
【0016】
クロロゲン酸の変換は、クロロゲン酸の必要とされる変換を達成するために必要な時間、特定の微生物の成長のために適切な条件下で、クロロゲン酸を変換することができる微生物と共にコーヒー抽出物をインキュベートすることによって実施することができる。特定の条件は、例えば本明細書中に含まれる実施例を参照して、当業者によって容易に決定できる。
【0017】
本発明の別の実施形態において、クロロゲン酸の変換は、非複製微生物(例えば溶解微生物細胞)の使用により、1種又は複種の適切な微生物によって実施される。適切な条件下で、溶解細胞と共にコーヒー抽出物をインキュベートすることによって、細胞可溶化物中に存在する酵素は、クロロゲン酸に変換することができる。適切な細胞は、例えば、上述の微生物の細胞であってもよい。細胞可溶化物を生成する適切な方法は、当技術分野において知られている。
【0018】
微生物の量及び変換の条件は、クロロゲン酸の所望の変換を達成するのに適切であるべきであり、通例の方法により、例えば本明細書の実施例に開示された方法を使用して、当業者によって決定できる。
【0019】
別の実施形態において、クロロゲン酸の変換は、クロロゲン酸を変換することができる1種又は複種の酵素の使用によって実施される。一実施形態において、少なくとも2種の酵素、すなわち、クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成できる少なくとも1種の酵素、及び結果として生じたフェノール酸を脱炭酸することができる少なくとも1種の酵素が使用される。クロロゲン酸を加水分解するための適切な酵素は、例えばエステラーゼ、例えばアスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)(日本のキッコーマン株式会社)に由来するクロロゲン酸エステラーゼである。フェノール酸を脱炭酸するための適切な酵素は、例えばデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.X)、例えばピルビン酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.1)である。酵素変換は、酵素反応のための従来の方法によって、例えば、必要とされる酵素活性のために適切な条件下で、コーヒー抽出物中に酵素(複数可)を溶解又は懸濁することによって、実施してもよい。酵素(複数可)は、変換が起きた後で、例えば加熱によって不活化してもよい。使用される酵素(複数可)は、例えば膜又は不活性担体上に固定化してもまたよく、処理されるコーヒー抽出物は、変換の所望の程度が達成されるまで、膜上で又は担体を通して循環させてもよい。2種以上の酵素を使用する場合、同時に使用するか、又は、例えば最適な条件が酵素の間で様々である場合、処理が連続的に実施してもよい。
【0020】
使用される酵素の量及び条件は、所望の、クロロゲン酸の加水分解及びフェノール酸の脱炭酸を、達成するのに適切であるべきであり、通例の方法により、当業者によって決定することができる。
【0021】
コーヒー抽出物を生成するために抽出されるコーヒー豆は、挽かれていなくても、又は挽かれていてもよい。本発明の一実施形態において、コーヒー豆は、生コーヒー豆である。さらなる実施形態において、生コーヒー豆は、焙煎したコーヒー豆と一緒に共抽出される、すなわち生及び焙煎したコーヒー豆は、同一の抽出系において、同時に抽出されて、混合した抽出物を得る。最も揮発性の高い芳香成分は、例えば、抽出物が純粋な可溶性コーヒーの生成のために使用される予定の場合、抽出前に豆から剥離されてもよい。揮発性の芳香成分の剥離方法は、当技術分野において、例えばEP1078576から、よく知られている。
【0022】
抽出されるコーヒー豆は、クロロゲン酸を含む抽出物を得る任意の適切な方法によって抽出できる。水及び/又は蒸気でのコーヒー豆の抽出は、当技術分野において、例えばEP0916267から、よく知られている。抽出物は、濃縮ステップを経てもよく、クロロゲン酸を変換するための処理の前に、例えば、噴霧乾燥又は凍結乾燥によって、乾燥させてもよい。抽出物は、乾燥させた場合、クロロゲン酸を変換するための処理を達成するために必要ならば、再懸濁してもよい。コーヒー抽出物は、例えば、最終処理抽出物における脱炭酸したフェノール酸の濃縮を増進するために、クロロゲン酸の変換の前、間、又は後に、抽出物の望まれない成分を除去するための、任意の適切な処理を経てもよい。
【0023】
クロロゲン酸を変換するための抽出物の処理は、抽出の後又は間に実施してもよい。抽出物は、クロロゲン酸を変換するための処理の前、間、又は後に、抽出されたコーヒー豆から分離してもよい。一実施形態において、抽出物は、クロロゲン酸を変換するための処理の後で、抽出されたコーヒー豆から分離されたままである、すなわち、抽出物は、クロロゲン酸を変換するための処理の後に再び、抽出されたコーヒー豆と接触させない。抽出されたコーヒー豆からの抽出物の分離は、任意の適切な方法で、例えば濾過又は遠心分離によって、実施してもよい。分離は、現実的に及び経済的に実行可能な、並びに抽出物の所望の使用の観点から必要とされる程度まで実施してもよい。したがって、分離は100%完了していなくてもよく、例えば、豆からの溶解していない物質の微量部分が、分離の後に、抽出物と一緒に依然として存在していてもよい。
【0024】
本発明は、本発明のコーヒー抽出物が食物又は飲料製品の成分として使用される、上記食物又は飲料製品を製造する方法にもまた関する。本発明の一実施形態において、抽出物は、抽出されたコーヒー豆から分離して使用される、すなわち豆からの溶解されない物質は、本明細書中に記載されている通り、分離によって実質的に除去され、食物又は飲料製品の製造において使用されない。食物又は飲料製品は、当技術分野において既知の任意の食物又は飲料製品であってもよい。好ましい実施形態において、食物又は飲料製品は、コーヒー飲料、純粋な可溶性コーヒー、ソフトドリンク、栄養補助食品、乳製品、穀物製品、果物若しくは野菜ジュース製品、又はチョコレート製品、例えばチョコレートドリンクなどの菓子製品である。可溶性コーヒー製品は、本発明の抽出物を濃縮し、乾燥することによって、製造してもよい。乾燥の前に、抽出物は、クロロゲン酸を変換するための処理を行われなかったコーヒー抽出物、例えば焙煎したコーヒー豆、生コーヒー豆、又はその両方の抽出物と混合してもよい。コーヒー抽出物から可溶性コーヒー製品を製造する方法は、当技術分野においてよく知られている。抽出物をコーヒー製品の製造のために使用する場合、抽出される豆は、例えば欧州特許出願公開第1078576号に記載の通り、抽出の前に、揮発性の芳香成分を除去するためのストリッピングにかけた可能性がある。次に、揮発性の芳香成分は、クロロゲン酸を加水分解するための処理の後、例えば乾燥の後で、抽出物に添加して戻して、芳香付けをした可溶性コーヒー製品を製造してもよい。本発明のコーヒー抽出物から製造された可溶性コーヒー製品は、そのまま販売されてもよく、又は、例えば、クリーマー及び/又は甘味料と混合され、クリーマー及び/又は甘味料を含むコーヒー飲料、例えばカプチーノ若しくはカフェラテを調製するために販売されてもよい。
【0025】
一実施形態において、本発明は、4−ビニルカテコール及び/又はそのメトキシ誘導体を、乾燥物質1グラム当たり、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、又は少なくとも20ミリグラムなど、乾燥物質1グラム当たり、少なくとも0.1mg含む、食物又は飲料製品に関する。
【0026】
本発明によるコーヒー抽出物は、食物又は飲料製品の成分として使用される場合、所望の効果を達成するために、上記食物又は飲料製品の製造工程における任意の適切なステップで添加してもよい。抽出物は、所望の効果、例えば抗酸化効果又は抗炎症性効果をもたらすのに適切ないずれの量でも添加されてもよい。
【0027】
さらなる実施形態において、本発明は、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含む食物又は飲料製品に関する。食物又は飲料製品は、当技術分野において既知の任意の食物又は飲料製品であってもよい。好ましい実施形態において、食物又は飲料製品は、コーヒー飲料、純粋な可溶性コーヒー、ソフトドリンク、栄養補助食品、乳製品、穀物製品、果物若しくは野菜ジュース製品、又はチョコレート製品、例えばチョコレートドリンクなどの菓子製品である。食物又は飲料製品は、例えば、本明細書中に開示された方法によって調製されてもよい。
【0028】
コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用
本発明は、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用にもまた関する。本発明によって使用される脱炭酸したフェノール酸は、任意の適切な方法、例えばコーヒー酸の脱炭酸によっても、生成されてもよいし、任意の適切な形態、例えば、精製された化合物(複数可)としてであってもよい。本発明の一実施形態において、本発明によって使用される脱炭酸したフェノール酸は、本明細書中に開示された通り、脱炭酸したフェノール酸を含むコーヒー抽出物の形態である。本発明の別の実施形態において、脱炭酸したフェノール酸は、本発明のコーヒー抽出物から部分的に又は完全に単離される。本発明によって使用される脱炭酸したフェノール酸は、ヒト又は動物へ、任意の適切な方法によって、例えば、経口、静脈内、又は皮膚に局所的に投与してもよい。経口投与される場合、脱炭酸したフェノール酸は、例えば、本発明の食物又は飲料製品の形態であってもよい。本発明の一実施形態において、本発明の食物又は飲料製品は、本発明による使用を表示するラベルを付けて販売される。
【0029】
本発明は、一実施形態において、食物又は飲料製品を調製するための、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用に関する。食物又は飲料製品は、当技術分野において既知の任意の食物又は飲料製品であってもよい。好ましい実施形態において、食物又は飲料製品は、コーヒー飲料、純粋な可溶性コーヒー、ソフトドリンク、栄養補助食品、乳製品、穀物製品、果物若しくは野菜ジュース製品、又はチョコレート製品、例えばチョコレートドリンクなどの菓子製品である。脱炭酸したフェノール酸は、食物又は飲料製品を調製するために使用される場合、上記食物又は飲料製品の製造工程において、任意の適切なステップで添加してもよい。
【0030】
一実施形態において、本発明は、抗酸化剤としての、例えば製品中の成分としてのコーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用に関するものであり、上記製品は、抗酸化特性が、例えば、貯蔵の間、製品の成分の酸化を防ぐために望まれる、例えば食物又は飲料製品である。抗酸化剤は、いくつかの製品において一般に使用されており、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸は、従来の抗酸化剤と同様に使用されてもよい。当業者は、通例の実験方法により、所望の抗酸化効果を達成するのに必要とされる量を容易に決定することができる。
【0031】
別の実施形態において、本発明は、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)などの解毒酵素を誘導することによって、及びNrf2−仲介遺伝子発現経路を増加させることによって、ヒト又は動物において、生体内で抗酸化及び/又は抗炎症性能力を強化するためのコーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用に関する。増加したNrf2活性関連遺伝子は、解毒作用を強化し、酸化ストレスに対する内因性防御を刺激することが報告された。これらの効果は、例えば、脱炭酸したフェノール酸の経口投与によって、又はヒト若しくは動物の肌への局所的適用によって達成してもよい。
【0032】
さらなる実施形態において、本発明は、例えばプロスタグランジンE2レベルを低下させることによって、例えばヒト又は動物へ、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を経口投与することによって、ヒト又は動物における炎症を抑制するための、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用に関する。
【0033】
多くの健康問題及び障害は、酸化ストレス及び炎症に関連している。コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸は、かかる問題若しくは障害などを治療又は予防するために使用してもよい。関連する問題及び障害は、例えば、例えば紫外線放射によって引き起こされる光損傷、アトピー性皮膚炎、湿疹、落屑性、掻痒性、アレルギー性症状などの皮膚障害、脳障害、炎症、肥満、並びに、例えば皮膚癌及び肺癌などの癌である。
【0034】
本発明の一実施形態において、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸は、例えば血糖値を低下させる、及び/又は、レプチン、インシュリン、及び/又はc−ペプチドの血中濃度を上昇させることによる抗糖尿病薬として;例えば骨ミネラル濃度を上昇させることによる、及び/又はエストロゲン及び/又はプロゲステロンの血清濃度、及び/又はアルカリホスファターゼ活性を上昇させることによる骨再構築剤として;例えば抗血管新生効果を有する抗転移薬として;及び/又は脳の保護のために、使用される。これらの効果は、例えば、ヒト又は動物への経口投与によって達成してもよい。
【0035】
本発明のさらなる実施形態において、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸は、皮膚障害、糖尿病、脳障害、炎症、肥満、癌、神経変性障害、認知機能低下、軽度認知機能障害、認知症、気分障害、鬱病、睡眠障害、タンパク質凝集に関る疾患、アルツハイマー病(ADの一般的症状、認知症、軽度認識機能障害、及び、睡眠障害、気分変動、鬱病、ストレスのような認知機能低下を含む)、黄斑変性症、若しくは糖尿病を、治療又は予防するための配合物の調製のために使用される。配合物は、例えば経口投与又は皮膚への局所投与のための任意の適切な形態で、例えば食物若しくは飲料製品、栄養補助食品、錠剤、外用水薬、又は化粧品の形態であってもよい。好ましい実施形態において、配合物は医薬である。
【0036】
本発明は、ヒト若しくは動物における、例えば紫外線放射によって引き起こされる光損傷、アトピー性皮膚炎、湿疹、落屑性、掻痒性、アレルギー性症状などの皮膚障害;炎症;肥満;例えば皮膚癌及び肺癌などの癌;認知機能低下、気分障害、及び/又は睡眠問題;脳の保護のための治療及び/又は予防のための、及び/又は、認知能力、免疫反応、及び/又は腸バリア機能を向上させるための、本発明の食物製品、飲料製品、サプリメント、若しくはペットフード製品の非治療的な使用にさらに関する。認知能力は、例えば、学習の能力及びスピード、知的問題の解決の能力及びスピード、記憶を形成及び想起する能力、反応時間等として表現することができる。認知機能低下は、例えば、減退した記憶、物忘れ、言葉若しくは名前を見つける問題、記憶の低下、集中力、計画若しくは組織する能力、複雑な課題をこなす能力、及び/又は認知能力として現れ、例えば年齢、ストレス、疾患、又はその他の原因から生じ得る。認知は、理解、推測、意思決定、計画、学習、記憶、連合、概念形成、言語、注意、知覚、行動、問題解決、及び心象などの精神的処理として理解される。
【0037】
さらなる実施形態において、本発明は、認知能力を向上させる方法;例えば紫外線放射によって引き起こされる光損傷、アトピー性皮膚炎、湿疹、落屑性、掻痒性、アレルギー性症状などの皮膚障害、炎症、肥満、例えば皮膚癌及び肺癌などの癌、神経変性障害、認知機能低下、軽度認知機能障害、認知症、タンパク質凝集に関る疾患、アルツハイマー病、黄斑変性症、若しくは糖尿病を、治療又は予防する方法であって、ヒト又は動物へのコーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の有効量を含む食物製品、飲料製品、又はペットフード製品を投与するステップを含む方法に関する。食物製品、飲料製品、又はペットフード製品は、有効性を増進する及び/又は医薬の用量を削減するために、医薬と一緒に同時に投与されてもよい。
【0038】
またさらなる実施形態において、本発明は、必要とするヒト又は動物へのコーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含む医薬の有効量を投与するステップを含む、紫外線放射によって引き起こされる光損傷、アトピー性皮膚炎、湿疹、落屑性、掻痒性、アレルギー性症状などの皮膚障害、炎症、肥満、例えば皮膚癌及び肺癌などの癌、神経変性障害、認知機能低下、軽度認知機能障害、認知症、タンパク質凝集に関る疾患、アルツハイマー病、黄斑変性症、若しくは糖尿病を、治療又は予防する方法に関する。食物製品、飲料製品、又はペットフード製品は、有効性を増進する及び/又は医薬の用量を削減するために、医薬と一緒に同時に投与されてもよい。
【実施例】
【0039】
実施例1
ラクトバチルス・ジョンソニイ(CNCM I−1225)の噴霧乾燥調製物での生コーヒー抽出物の処理
乾燥生コーヒー抽出物30mgを、リン酸緩衝液(50mM、pH7.0)又は水1mlに溶解した。この溶液に、ラクトバチルス・ジョンソニイ(CNCM I−1225)(3.3E9cfu/g)の噴霧乾燥調製物10mgを添加した。次に、混合物を37℃でインキュベートし、異なる反応時間で、試料を抜き出した。遠心分離(3000g、5分)及び濾過(0.45μm孔径シリンジフィルター、Millipore SLHA025BS)の後で、HPLCによって、試料を分析した。
【0040】
HPLC分析
コーヒー抽出物試料を1%w/wに希釈し、CC250/4Nucleosil 100−5−C18カラム(Macherey−Nagel)上で、RP−HPLCによって分析した。溶離系は、流量1mL/分で、Millipore水、0.1%TFA、及びCHCNであった。方法により、外部標準検量線を使用して、CQA、FQA、di−CQA、コーヒー酸(CA)、フェルラ酸(FA)、及び4−ビニルカテコール(325nmでの吸光度)を同時に決定できた。時間0(t0)での基準に関連して、結果を示した。
【0041】
抗酸化剤応答配列(ARE)ルシフェラーゼ分析
ネオマイシン選択可能マーカーを含むpcDNA3.1プラスミドと一緒に、ラットのグルタチオン−S−トランスフェラーゼA2(GSTA2)中に存在するARE8コピーを含むpGL−8xAREを、ヒトMCF7細胞に安定的に形質移入した(Wangら、Cancer Res.、66巻、10983〜10994頁、2006年)。ARE(抗酸化剤応答配列)は、解毒作用及び酸化ストレスに対する内因性防御に関与する遺伝子を制御する、転写因子Nrf2の結合部位である。プラスミドpGL−8xAREは、Nrf2活性を監視を可能にする、8個のNrf2結合部位の下流にルシフェラーゼ遺伝子を含む。DMEM成長培地の96ウェルマイクロタイタープレートに、AREc32細胞を播種した。4−ビニルカテコールでの24時間の処理後、ホタルルシフェラーゼ活性を測定した。
【0042】
プロスタグランジンE2の生成のアッセイ
ヒト結腸HT−29細胞を、4−ビニルカテコールで15時間処理し、続いて炎症誘発剤TNF−α(10ng/ml)と一緒に6時間共培養した。競合酵素免疫測定法(EIA)を使用して、HT−29細胞中のPGE2生成の分析を測定した(Cavinら、BBRC、327巻、742〜49頁、2005年)。
【0043】
結果
生ロブスタ豆の2種の異なる抽出物の発酵又はインキュベーションによって生成された発酵コーヒー抽出物のHPLC分析において、未知のピークを観察した。LC−MS−ToF及びNMRの組合せによって、4−ビニルカテコールとして、化合物を確認した。上記の通り、生コーヒー抽出物を処理し、HPLCによって分析した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
4−ビニルカテコールによるNrf2活性の誘導を表2に示す。
【0046】
【表2】

【0047】
HT−29細胞におけるPGE2の生成を表3に示す。
【0048】
【表3】

【0049】
実施例2
生コーヒー抽出物を1%w/wに希釈し、CC250/4Nucleosil 100−5−C18カラム(Macherey−Nagel)上でRP−HPLCによって分析した。溶離系は、流量1mL/分で、Millipore水、0.1%TFA、及びCHCNであった。265nmでの吸光度によって、4−ビニルカテコールを検出した。4−ビニルカテコールは、単離された形態において不安定であるという理由で、4−ビニルグアイコールでの外部検量によって、4−ビニルカテコールに関して、標準検量線を取得した。結果を表4に示す。
【0050】
【表4】

【0051】
実施例3
単量体Aβ
分子ふるいクロマトグラフィーによって、単量体Aβ42ペプチドを精製し、Aβ42と試験された化合物の割合が1:0.5及び1:2(モル比)で、4−ビニルカテコールによって、10μMの濃度で、37℃でインキュベートした。チオフラビンT(ThT)蛍光によって、24時間及び48時間で、凝集の程度を評価した。試験される化合物を含まないこと以外は同一の方法で、対照に実施した。ThTは、アミロイド原線維に結合するとすぐに、強化された蛍光を示す疎水性染料である。ThTは、特異的にアミロイド原線維と結合するが、Aβの単量体型ではない。このアッセイにおいて、ThT蛍光の減少又は不在は、試験された分子が、アミロイド原線維の形成を減少させた及び/又は阻止したことを示した。このアッセイの結果を図1に示す。
【0052】
原線維前駆体Aβ
Aβ42の分子ふるい精製された原線維前駆体混合物を、Aβ42と試験された化合物の割合が1:0.5及び1:2(モル比)で、4−ビニルカテコールによって、10μMの濃度で、37℃でインキュベートした。チオフラビンT(ThT)蛍光によって、24時間及び48時間で、凝集の程度を評価した。試験される化合物を含まないこと以外は同一の方法で、対照に実施した。原線維のThT蛍光シグナルにおける減少又は増加の不在は、試験された分子が、アミロイド原線維の形成を減少させた及び/又は阻止したことを示した。このアッセイの結果を図2に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸を含むコーヒー抽出物を生成する方法であって、
a)水及び/又は蒸気でコーヒー豆を抽出し、コーヒー抽出物を生成するステップ、及び
b)抽出物中に存在するクロロゲン酸をフェノール酸に加水分解し、結果として生じたフェノール酸を脱炭酸するために、コーヒー抽出物を処理するステップ
を含む方法。
【請求項2】
ステップb)におけるクロロゲン酸の加水分解及びフェノール酸の脱炭酸が、微生物によって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
微生物が乳酸菌である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
抽出されるコーヒー豆が、生コーヒー豆である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
乾燥物質1グラム当たり、4−ビニルカテコール及び/又はそのメトキシ誘導体を少なくとも0.1ミリグラム含む、コーヒー抽出物。
【請求項6】
メトキシ誘導体が、4−ビニルグアイアコール、4−ビニルベラトロール、又はそれらの混合物である、請求項5に記載のコーヒー抽出物。
【請求項7】
生コーヒー豆の抽出物である、請求項5又は6に記載のコーヒー抽出物。
【請求項8】
請求項5又は6に記載のコーヒー抽出物を食物又は飲料製品の成分として使用する、
食物又は飲料製品を製造する方法。
【請求項9】
食物又は飲料製品が、コーヒー飲料、純粋な可溶性コーヒー、ソフトドリンク、栄養補助食品、乳製品、穀物製品、果物若しくは野菜ジュース製品、又は菓子製品である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
乾燥物質1グラム当たり、4−ビニルカテコール及び/又はそのメトキシ誘導体を少なくとも0.1mg含む、食物又は飲料製品。
【請求項11】
抗酸化剤としての、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用。
【請求項12】
医薬の調製のための、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用。
【請求項13】
皮膚障害、糖尿病、脳障害、炎症、肥満、癌、神経変性障害、認知機能低下、軽度認知機能障害、認知症、気分障害、鬱病、睡眠障害、タンパク質凝集に関る疾患、アルツハイマー病、黄斑変性症、若しくは糖尿病を治療又は予防するための配合物の調製のための、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用。
【請求項14】
上記配合物が、食物又は飲料製品である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
骨再構築を促進するための、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用。
【請求項16】
ヒト若しくは動物において生体内で抗酸化能力を増進するため、及び/又は脳の保護のための、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用。
【請求項17】
食物又は飲料製品を調製するための、コーヒーのクロロゲン酸に由来する脱炭酸したフェノール酸の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−518570(P2011−518570A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506627(P2011−506627)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052939
【国際公開番号】WO2009/132889
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】