説明

サイドエアバッグ装置

【課題】エアバッグを、乗員と車両側壁の間の側方空間に向かって正確かつ速く展開させる。
【解決手段】サイドエアバッグ装置1は、側方空間92で乗員90を保護する。エアバッグ10は、シート80の側部85に固定される固定部11を有し、側部85から側方空間92に向かって展開可能に折り畳まれる。インフレータ2は、ガスを発生し、エアバッグ10を展開方向Fの先端部12まで展開させる。エアバッグ10は、先端部12と固定部11の間の部分を蛇腹折りした蛇腹折り部を有する。蛇腹折り部は、固定部11の展開方向Fの前方に配置されるとともに、固定部11に続く部分が内側に位置するように展開方向Fの後方に向かって二つ折りされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のシートに搭載され、エアバッグにより乗員を保護するサイドエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の緊急時や衝突時に乗員を保護するため、エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置が使用されている。サイドエアバッグ装置は、シートの側部に搭載される。エアバッグは、乗員の側方で膨張展開して、乗員を受け止める。その際、エアバッグは、乗員と車両の側壁(例えば、ドアトリム)の間の狭い空間で展開する。そのため、エアバッグの展開速度が遅いと、ドアトリムが乗員に当たる虞がある。また、展開中のエアバッグが乗員と接触することで、エアバッグの正確な展開が妨げられる虞がある。
【0003】
エアバッグを側壁側に展開させることで、エアバッグと乗員の接触を抑制できる。しかしながら、この場合には、エアバッグと側壁が擦れることで、エアバッグの展開が遅くなる虞がある。また、エアバッグが正確に展開しない虞もある。従って、サイドエアバッグ装置では、乗員を安全に保護する観点から、エアバッグを正確かつ速く展開させることが求められている。これに対し、従来、エアバッグの一部を斜めに折り返して、エアバッグの展開速度を速くしたサイドエアバッグ装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
ところが、従来のサイドエアバッグ装置では、エアバッグを、同じ方向に半分に折り続けるか、又は、交互に折り畳んで蛇腹折りする。このように折り畳んだエアバッグでは、折り畳みが素早く解けるため、エアバッグが速く展開する。しかしながら、エアバッグの展開方向を規制するのが難しいため、エアバッグの展開方向にバラツキが生じる虞がある。また、従来のサイドエアバッグ装置では、エアバッグを、同じ方向にロール状に巻き付ける。ロール状に巻き付けたエアバッグでは、エアバッグの展開方向を規制できる。ただし、ロールが解けるのに時間がかかるため、エアバッグの展開速度が遅くなる虞がある。従って、従来のサイドエアバッグ装置では、エアバッグの正確かつ速い展開を実現するのは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−70178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、サイドエアバッグ装置が備えるエアバッグを、乗員と車両側壁の間の側方空間に向かって正確かつ速く展開させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両用のシートの側部に搭載され、シートに着座した乗員と車両の側壁の間の側方空間において乗員を保護するサイドエアバッグ装置であって、シートの側部に固定される固定部を有し、シートの側部から側方空間に向かって展開可能に折り畳まれたエアバッグと、エアバッグを膨張展開させるガスを発生し、エアバッグを固定部から展開方向の先端部まで展開させるインフレータと、を備え、エアバッグが、先端部と固定部の間の部分を蛇腹折りした蛇腹折り部を有し、蛇腹折り部が、固定部の展開方向の前方に配置されるとともに、固定部に続く部分が内側に位置するように展開方向の後方に向かって二つ折りされたサイドエアバッグ装置である。
また、本発明は、車両用のシートの側部に搭載され、シートに着座した乗員と車両の側壁の間の側方空間において乗員を保護するサイドエアバッグ装置であって、シートの側部に固定される固定部を有し、シートの側部から側方空間に向かって展開可能に折り畳まれたエアバッグと、エアバッグを膨張展開させるガスを発生し、エアバッグを固定部から展開方向の先端部まで展開させるインフレータと、を備え、エアバッグが、先端部と固定部の間の部分をロール折りしたロール折り部を有し、ロール折り部が、固定部の展開方向の前方に配置されるとともに、固定部に続く部分が内側に位置するように展開方向の後方に向かって二つ折りされたサイドエアバッグ装置である。
更に、本発明は、車両用のシートの側部に搭載され、シートに着座した乗員と車両の側壁の間の側方空間において乗員を保護するサイドエアバッグ装置であって、シートの側部に固定される固定部を有し、シートの側部から側方空間に向かって展開可能に折り畳まれたエアバッグと、エアバッグを膨張展開させるガスを発生し、エアバッグを固定部から展開方向の先端部まで展開させるインフレータと、を備え、エアバッグが、先端部側の部分をロール折りしたロール折り部と、固定部側の部分を蛇腹折りしたロール折り部に重なる蛇腹折り部とを有し、ロール折り部と蛇腹折り部が、固定部の展開方向の前方に配置されるとともに、固定部に続く部分が内側に位置するように展開方向の後方に向かって二つ折りされたサイドエアバッグ装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サイドエアバッグ装置が備えるエアバッグを、乗員と車両側壁の間の側方空間に向かって正確かつ速く展開させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態のサイドエアバッグ装置を搭載したシートの側面図である。
【図2】膨張展開したエアバッグの側面図である。
【図3】エアバッグの折り畳み手順を示す図である。
【図4】エアバッグの折り畳み手順を示す図である。
【図5】エアバッグの折り畳み手順を示す図である。
【図6】エアバッグの展開過程を示す図である。
【図7】他の実施形態のエアバッグの折り畳み手順を示す図である。
【図8】他の実施形態のエアバッグの折り畳み手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のサイドエアバッグ装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のサイドエアバッグ装置は、車両内に搭載され、乗員の側方でエアバッグを展開させる。サイドエアバッグ装置は、膨張展開するエアバッグにより乗員を受け止めて保護する。
【0011】
図1は、本実施形態のサイドエアバッグ装置を搭載したシートの側面図である。図1では、車両内側から見たシート80と乗員90を示している。サイドエアバッグ装置1は、シート80を透視して示している。
なお、図1では、車両の側壁91は、シート80と乗員90の奥側(紙面奥側)に位置する。側壁91は、例えば、ドアトリムや窓からなる。図1では、左方が車両における前方であり、右方が車両における後方である。ここでは、車両における前方、後方、上方、下方を、それぞれ車両前方、車両後方、車両上方、車両下方という。また、車両における前後方向と上下方向を、それぞれ車両前後方向と車両上下方向という。車両における幅方向は、車両幅方向という。
【0012】
シート80は、車両用の座席である。シート80は、図示のように、乗員90が座るシートクッション81と、乗員90の背面に位置するシートバック82と、ヘッドレスト83を有する。また、シート80は、シートバッグ82内に、サイドエアバッグ装置1を収容する収容部84を有する。収容部84は、シートバッグ82内の車両幅方向外側(図1では、紙面奥側)に位置する。収容部84は、シート80(シートバック82)の側部85に設けられる。サイドエアバッグ装置1は、収容部84内でシート80(例えば、シートフレーム)に固定される。
【0013】
サイドエアバッグ装置1は、シート80の側部85に搭載される。サイドエアバッグ装置1は、袋状のエアバッグ(サイドエアバッグ)10と、筒状のインフレータ2と、固定部材3を備えている。エアバッグ10は、膨張展開可能に折り畳まれて収容部84に収容される。エアバッグ10は、インフレータ2に設けられた固定部材3により、シート80の側部85に固定される。固定部材3は、インフレータ2に取り付けられたボルトからなる。
【0014】
サイドエアバッグ装置1は、乗員90の側方空間92において、エアバッグ10により乗員90を保護する。側方空間92は、シート80に着座した乗員90と車両の側壁91の間の空間である。エアバッグ10は、シート80の側部85から側方空間92に向かって展開可能に折り畳まれる。エアバッグ10は、折り畳まれた状態で、シート80の側部85に配置される。
【0015】
インフレータ2は、シリンダタイプのガス発生装置であり、エアバッグ10内に配置される。インフレータ2は、エアバッグ10とともに収容部84に収容され、固定部材3によりシート80の側部85に固定される。インフレータ2は、ハーネス4により、車両の制御装置(図示せず)に接続される。車両緊急時や衝撃検知時に、インフレータ2は、ハーネス4を介して作動信号を受信する。これに伴い、インフレータ2は、複数の噴出口から、エアバッグ10を膨張展開させるガスを発生する。インフレータ2は、エアバッグ10内でガスを発生して、折り畳まれたエアバッグ10にガスを供給する。このガスにより、シート80の側部85に固定されたエアバッグ10を、側壁91に沿って膨張展開させる。
【0016】
図2は、膨張展開したエアバッグ10の側面図である。図2では、サイドエアバッグ装置1、シート80、及び、乗員90を、図1に対応させて示している。
エアバッグ10は、図示のように、シート80の側部85に固定される固定部11を有する。固定部11は、インフレータ2が配置されるエアバッグ10の基端部(車両後方の端部)である。固定部11は、固定部材3によりシート80の側部85に固定される。
【0017】
インフレータ2は、エアバッグ10の固定部11内に収納されて、シート80に固定される。インフレータ2は、ガスにより、エアバッグ10を固定部11から展開方向Fの先端部12まで展開させる。展開方向Fは、エアバッグ10がシート80の側部85から側方空間92に向かって展開するときのエアバッグ10の展開の方向である。エアバッグ10は、側部85から車両前方に展開するため、エアバッグ10の先端部12は、エアバッグ10の車両前方の端部である。エアバッグ10は、ガスにより膨張しつつ固定部11の車両前方に展開する。エアバッグ10は、シート80の側部85からシートバッグ82の外部(車室内)に飛び出す。エアバッグ10は、側方空間92で膨張展開する。
【0018】
エアバッグ10の膨張展開時に、エアバッグ10の固定部11は、固定部材3により側部85に保持される。エアバッグ10は、シートバッグ82の車両前方、かつ、シートクッション81の車両上方に展開する。エアバッグ10は、乗員90の保護すべき部分に応じた寸法と形状に形成される。このエアバッグ10では、車両上下方向の寸法が、車両前後方向の寸法よりも大きくなっている。エアバッグ10は、下部よりも上部が大きく膨張するように形成されている。エアバッグ10は、展開方向Fに展開しつつ車両上下方向に展開する。これにより、エアバッグ10の全体が、乗員90と側壁91の間で膨張展開する。乗員90は、エアバッグ10により受け止められて保護される。
【0019】
エアバッグ10は、先端部12に設けられたベントホール13を有する。エアバッグ10内のガスは、ベントホール13からエアバッグ10外へ排出(図2の矢印G)される。ガスは、乗員90の側方から車両前方に排出される。エアバッグ10が乗員90を受け止めたときに、ガスがベントホール13から排出される。これにより、乗員90の衝撃が吸収及び緩和される。
【0020】
次に、サイドエアバッグ装置1を製造する手順と、エアバッグ10の折り畳み手順を説明する。
図3〜図5は、エアバッグ10の折り畳み手順を示す図である。図3〜図5では、サイドエアバッグ装置1を図2に対応する側面図で示している。また、図3、図4(図3A、図4Aを除く)には、エアバッグ10を上下方向の線で切断した断面図を示す。図5(図5Fを除く)には、サイドエアバッグ装置1を前後方向の線で切断した断面図を示す。
【0021】
エアバッグ10(図3A参照)は、乗員90側の表基布(表パネル)14と、側壁91側の裏基布(裏パネル)15を有する。基布14、15は、布(例えば、樹脂を被覆した布)により同じ形状に形成される。基布14、15は、エアバッグ10の固定部11で繋がる。基布14、15を互いの境界で折り返す。次に、重ねた基布14、15を、外縁接合部16で気密状に接合する。基布14、15は、外縁接合部16で、縫製により(又は、縫製と接着により)接合される。外縁接合部16は、基布14、15の外縁部を塞いで、基布14、15の間に気室17を形成する。気室17は、インフレータ2が発生するガスにより膨張する。
【0022】
ベントホール13は、エアバッグ10の外縁部に形成された非接合部からなる。エアバッグ10の一部を外縁接合部16で接合せずに、エアバッグ10にベントホール13を形成する。インフレータ2は、スリット20からエアバッグ10内に挿入される。スリット20は、エアバッグ10の固定部11に形成されている。ハーネス4は、スリット20を通して、エアバッグ10外に配置される。インフレータ2をシート80の側部85に固定したときに、スリット20は、インフレータ2と側部85の部材に挟まれて塞がれる。
【0023】
エアバッグ10の折り畳み時には、インフレータ2をエアバッグ10の固定部11内に配置する。エアバッグ10は、作業台に平らに拡げる。次に、エアバッグ10の上端部18を、エアバッグ10内に押し込むようにして、第1の折り線21に沿って折る(図3B参照)。その際、エアバッグ10の上端部18を、裏返すようにしてエアバッグ10の中に入れる。これにより、エアバッグ10の上端部18を、エアバッグ10内に折り込む。続いて、エアバッグ10の上端部18を、第2の折り線22でエアバッグ10内に折り込む(図3Bの矢印R1)(図3C参照)。その後、エアバッグ10の上端部18を、第3の折り線23でエアバッグ10内に折り込む(図3Cの矢印R2)(図4A参照)。
【0024】
エアバッグ10の上端部18を3つの折り線21〜23で順に折り込むことで、エアバッグ10の上端部18を小さく折り畳む。エアバッグ10の下端部19は、第4の折り線24でエアバッグ10内に折り込む(図4B参照)。次に、エアバッグ10の下端部19を、第5の折り線25でエアバッグ10内に折り込む(図4Bの矢印R3)(図4C参照)。エアバッグ10の両端部18、19の折り込みにより、エアバッグ10を固定部11の寸法に合わせて折り畳む。
【0025】
続いて、エアバッグ10の先端部12と固定部11の間の部分30(図5参照)を、展開方向Fに展開可能に折り畳む。ここでは、エアバッグ10を、蛇腹折りにより蛇腹状に折り畳む。エアバッグ10は、展開方向Fに交差する複数の折り線26〜28で順に逆方向に折り返す。これにより、エアバッグ10を、蛇腹状をなすように折り畳んで蛇腹折りする。その際、エアバッグ10の一方の面側で、エアバッグ10を蛇腹状に折り畳む。以下、エアバッグ10の蛇腹折りについて、詳しく説明する。
【0026】
エアバッグ10は、車両幅方向の内側で蛇腹折りする。その際、まず、エアバッグ10(図5A参照)を、第6の折り線26に沿って折る(図5Aの矢印R4)。第6の折り線26は、エアバッグ10の固定部11に隣接する位置で、車両上下方向に対して斜めに設定されている。エアバッグ10の先端部12を展開方向Fの後方に向かって移動させる。これにより、エアバッグ10を第6の折り線26で斜め上方に折り返す(図5B参照)。次に、エアバッグ10の先端部12を展開方向Fの前方に向かって移動させる(図5Bの矢印R5)。エアバッグ10を第7の折り線27で折り返す(図5C参照)。また、エアバッグ10の先端部12を展開方向Fの後方に向かって移動させる(図5Cの矢印R6)。エアバッグ10を第8の折り線28で折り返す(図5D参照)。
【0027】
エアバッグ10は、3つの折り線26〜28で車両幅方向の内側に向かって折り返される。これにより、エアバッグ10に蛇腹折り部31を形成する。即ち、エアバッグ10は、先端部12と固定部11の間の部分30を蛇腹折りした蛇腹折り部31を有する。エアバッグ10は、所定の幅で蛇腹折りされる。蛇腹折り部31は、固定部11に隣接して配置される。折り返されたエアバッグ10は、蛇腹折り部31で重なり合う。蛇腹折り部31は、固定部11の展開方向Fの前方に配置される。
【0028】
続いて、蛇腹折り部31を、第9の折り線29で車両幅方向の外側に向かって折る(図5Dの矢印R7)。第9の折り線29は、蛇腹折り部31の幅方向の中央線である。蛇腹折り部31を、第9の折り線29で、蛇腹折り部31の逆側に向かって半分に折り畳む。蛇腹折り部31の逆側とは、エアバッグ10の蛇腹折り部31を形成した側の逆側である。蛇腹折り部31は、固定部11に続く部分32が内側に位置するように展開方向Fの後方に向かって二つ折りされる(図5E参照)。エアバッグ10の固定部11に続く部分32は、固定部11のインフレータ2から最初にガスが供給される部分である。この部分32は、固定部11に続く蛇腹折り部31の端部であり、二つ折りされた蛇腹折り部31の間に挟まれる。
【0029】
蛇腹折り部31は、展開方向Fに交差する複数の折り線26〜29で蛇腹状に折り返されて半分に折り畳まれる。折り畳まれた蛇腹折り部31は、固定部11の展開方向Fの前方に配置される。その後、テープ5を、エアバッグ10の複数箇所に巻き付ける(図5F参照)。テープ5は、破断可能な粘着テープである。エアバッグ10は、テープ5により折り畳まれた状態に保持される。エアバッグ10の展開時に、テープ5は破断する。エアバッグ10の上端部18をエアバッグ10内に折り込んだため、折り畳まれたエアバッグ10の上部33が小さくなる。また、エアバッグ10の下端部19をエアバッグ10内に折り込むとともに、エアバッグ10を第6の折り線26で斜め上方に折り返す。これにより、折り畳まれたエアバッグ10の下部34が小さくなる。
【0030】
以上の工程を経て、サイドエアバッグ装置1が製造される。サイドエアバッグ装置1は、シート80の収容部84(図1参照)に収容され、シート80の側部85内に取り付けられる。インフレータ2が作動すると、インフレータ2から供給されるガスにより、エアバッグ10が、上記したように膨張展開する(図2参照)。エアバッグ10は、シート80の側部85から側方空間92に向かって展開する。
【0031】
図6は、エアバッグ10の展開過程を示す図である。図6では、サイドエアバッグ装置1を、図5A〜図5Eに対応する断面図で示す。サイドエアバッグ装置1は、前後方向の線で切断して示している。
エアバッグ10の展開時に、ガスは、二つ折りされた蛇腹折り部31の内側の部分32に最初に供給される(図6A、図6B参照)。蛇腹折り部31は、内側から膨張を開始する。
【0032】
二つ折りされた蛇腹折り部31は、ガスにより展開方向Fに押し出されるように展開する。蛇腹折り部31は、シート80の側部85から展開方向F(車両前方)に向かって飛び出す。その際、二つ折りにより、蛇腹折り部31の展開する方向が規制されるため、展開方向Fのバラツキが抑制される。蛇腹折り部31は、所定の展開方向Fに速い速度で安定して展開する。エアバッグ10の展開初期に、二つ折りされた蛇腹折り部31は、開きながら側方空間92に向かって正確に展開する。蛇腹折り部31は、展開方向Fに早期に飛び出す。
【0033】
続いて、蛇腹折り部31は、ガスにより、固定部11から先端部12に向かって展開する(図6C参照)。二つ折りが解けたとき、蛇腹折り部31は、展開方向Fに向かって重なる状態になる。その状態で、蛇腹折り部31が展開方向Fに向かって順に膨張する(図6D参照)。蛇腹折り部31は、膨張に伴い、展開方向Fにバネのように押し出される。その結果、蛇腹折り部31の展開速度が速くなる。蛇腹折り部31が展開する方向も安定する。蛇腹折り部31は、側方空間92に正確かつ迅速に展開する。また、本実施形態では、エアバッグ10の上端部18と下端部19をエアバッグ10内に折り込む。そのため、エアバッグ10に供給されたガスは、エアバッグ10内で展開方向Fに向かって優先的に流れる。蛇腹折り部31は、展開方向Fのガスの流れにより、より速く展開する。
【0034】
蛇腹折り部31が展開するのに伴い、エアバッグ10の上端部18が車両上方に展開する。上端部18をエアバッグ10内に折り込んだため、上端部18の展開中に、上端部18に作用する抵抗が小さくなる。上端部18は、速い速度で確実に展開する。エアバッグ10の下端部19は、上端部18と同様に、車両下方に展開する。エアバッグ10は、蛇腹折りが解けながら車両上下方向に展開する。これにより、エアバッグ10が、乗員90と側壁91の間で膨張展開する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のサイドエアバッグ装置1によれば、エアバッグ10を側方空間92に向かって正確かつ速く展開させることができる。エアバッグ10が乗員90や側壁91に接触するのも抑制できる。また、エアバッグ10を、側方空間92に確実に膨張展開させることができる。蛇腹折り部31を展開方向Fに交差する折り線26〜29で折り畳むことで、蛇腹折り部31を、より正確に展開方向Fに展開させることができる。
【0036】
なお、蛇腹折り部31を形成するときには、エアバッグ10を上記以外の折り畳み方で蛇腹折りしてもよい。即ち、エアバッグ10は、展開方向Fに展開可能に蛇腹折りすればよい。エアバッグ10を2回、又は、4回以上折り返して、蛇腹折り部31を形成してもよい。エアバッグ10は、車両幅方向の外側で蛇腹折りしてもよい。この場合には、蛇腹折り部31を、車両幅方向の内側に向かって二つ折りする。
【0037】
エアバッグ10の上端部18と下端部19は、各条件に対応して、エアバッグ10内に折り込まなくてもよい。上端部18と下端部19の一方のみを、エアバッグ10内に折り込むようにしてもよい。エアバッグ10の折り込みに関する条件は、例えば、エアバッグ10の大きさ、エアバッグ10の形状、エアバッグ10の折り畳み形状、エアバッグ10の展開条件である。エアバッグ10の上端部18と下端部19は、各条件に応じた他の折り畳み方で折り畳むようにしてもよい。例えば、上端部18と下端部19の一方又は両方を、車両幅方向の内側又は外側に折り返してもよい。上端部18と下端部19の一方又は両方を、車両上下方向に折り畳んでもよい。
【0038】
次に、他の実施形態のサイドエアバッグ装置1について説明する。
以下説明するサイドエアバッグ装置1では、エアバッグ10の折り畳み方のみが上記した折り畳み方と異なる。従って、エアバッグ10の折り畳み手順のみ説明する。エアバッグ10の上端部18と下端部19は、図3、図4に示す手順で、エアバッグ10内に折り込む。続いて、エアバッグ10を、ロール折りにより、又は、ロール折りと蛇腹折りにより、展開方向Fに展開可能に折り畳む。まず、ロール折りにより折り畳むエアバッグ10について説明する。
【0039】
図7は、ロール折りによるエアバッグ10の折り畳み手順を示す図である。図7では、サイドエアバッグ装置1を、図5A〜図5Eに対応する断面図で示す。サイドエアバッグ装置1は、前後方向の線で切断して示している。図7Aに示す断面図は、図5Aと同じ状態のサイドエアバッグ装置1の断面図である。
【0040】
エアバッグ10の先端部12と固定部11の間の部分30は、ロール折りによりロール状に折り畳む。エアバッグ10は、展開方向Fの後方に所定幅で巻き付ける(図7A〜図7C参照)。これにより、エアバッグ10を、ロール状をなすように折り畳んでロール折りする。エアバッグ10は、先端部12から固定部11に向かって、エアバッグ10の一方の面でロール折りする。ここでは、エアバッグ10を、車両幅方向の内側でロール折りする。エアバッグ10は、展開方向Fの後方に向かって、所定幅で複数回、折り返す(図7Aの矢印S1、図7Bの矢印S2)。エアバッグ10を同じ方向に2回折り返すことで、エアバッグ10にロール折り部35を形成する。
【0041】
エアバッグ10は、先端部12と固定部11の間の部分30をロール折りしたロール折り部35を有する。ロール折り部35は、固定部11に隣接して配置される。エアバッグ10は、複数の折り線での折り返しによりロール折りされる。折り返されたエアバッグ10は、ロール折り部35で重なり合う。ロール折り部35は、固定部11の展開方向Fの前方に配置される。
【0042】
続いて、ロール折り部35を、蛇腹折り部31と同様に、車両幅方向の外側に向かって半分に折る(図7Cの矢印S3)。ロール折り部35を、ロール折りの方向の反対方向に折り畳む。即ち、ロール折り部35は、エアバッグ10の一方の面でロール折りされた後、エアバッグ10の他方の面に向かって半分に折り畳まれる。ロール折り部35は、固定部11に続く部分32が内側に位置するように展開方向Fの後方に向かって二つ折りされる(図7D参照)。固定部11に続く部分32は、固定部11に続くロール折り部35の端部である。この部分32は、二つ折りされたロール折り部35の間に挟まれる。折り畳まれたロール折り部35は、固定部11の展開方向Fの前方に配置される。その後、テープ5(図5F参照)を、エアバッグ10の複数箇所に巻き付ける。
【0043】
エアバッグ10の展開時に、ガスは、二つ折りされたロール折り部35の内側の部分32に最初に供給される。ロール折り部35は、ガスにより展開方向Fに押し出されるように展開して、展開方向Fに向かって飛び出す。ここでは、ロール折り部35を二つ折りする。その結果、二つ折りされた蛇腹折り部31と同様に、ロール折り部35の展開する方向が規制されるため、展開方向Fのバラツキが抑制される。ロール折り部35は、ガスにより、所定の展開方向Fに速い速度で安定して展開する。エアバッグ10の展開初期に、二つ折りされたロール折り部35は、開きながら側方空間92に向かって正確に展開する。ロール折り部35は、展開方向Fに早期に飛び出す。
【0044】
二つ折りが解けた後、ロール折り部35が、固定部11から先端部12に向かって展開する。エアバッグ10を車両幅方向の内側にロール折りしたため、ロール折り部35は、車両の内側に向かって展開する。ロール折り部35は、展開方向Fに向かいつつ車両の内側に展開する。その結果、ロール折り部35は、側壁91に突き当たることなく、側壁91に沿って展開する。ロール折り部35の展開する方向が安定するため、ロール折り部35は、側方空間92に正確に展開する。エアバッグ10は、ロール折りが解けながら車両上下方向に展開する。
【0045】
エアバッグ10をロール折りしたときには、エアバッグ10を側方空間92に向かって正確かつ速く展開させることができる。エアバッグ10が乗員90や側壁91に接触するのも抑制できる。また、エアバッグ10を、側方空間92に確実に膨張展開させることができる。ロール折りの方向により、ロール折り部35が展開する方向をコントロールできる。ロール折り部35を最後に二つ折りするため、二つ折り前のロール折り部35の幅が広くなる。その結果、エアバッグ10を折り返す回数が少なくなる。ロール折りが少ない回数で解けるため、ロール折り部35の展開速度が速くなる。
【0046】
なお、ロール折り部35を形成するときには、エアバッグ10を上記以外の折り畳み方でロール折りしてもよい。即ち、エアバッグ10は、展開方向Fに展開可能にロール折りすればよい。エアバッグ10を3回以上折り返して、ロール折り部35を形成してもよい。エアバッグ10は、車両幅方向の外側でロール折りしてもよい。この場合には、ロール折り部35を、車両幅方向の内側に向かって二つ折りする。
【0047】
次に、ロール折りと蛇腹折りにより折り畳むエアバッグ10について説明する。
図8は、ロール折りと蛇腹折りによるエアバッグ10の折り畳み手順を示す図である。図8では、サイドエアバッグ装置1を、図7と同様に断面図で示す。
【0048】
エアバッグ10の先端部12と固定部11の間の部分30は、ロール折りと蛇腹折りにより折り畳む。まず、エアバッグ10を、展開方向Fの後方に向けて所定幅でロール折りする(図8A〜図8C参照)。エアバッグ10は、先端部12から固定部11に向かって、エアバッグ10の一方の面でロール折りする。ここでは、エアバッグ10を、車両幅方向の内側でロール折りする。エアバッグ10は、展開方向Fの後方に向かって、所定幅で複数回、折り返す(図8Aの矢印T1、図8Bの矢印T2)。エアバッグ10の先端部12側の部分36を同じ方向に2回折り返すことで、先端部12側のエアバッグ10にロール折り部37を形成する。
【0049】
続いて、エアバッグ10の固定部11側の部分38を、1回以上折り返して蛇腹折りする。その際、ロール折り部37を、車両幅方向の外側に向かって折り返す(図8Cの矢印T3)。これにより、固定部11側のエアバッグ10に蛇腹折り部39を形成する(図8D参照)。蛇腹折り部39は、ロール折り部37と同じ幅に形成される。蛇腹折り部39は、ロール折り部37の車両幅方向の内側で、ロール折り部37に重なる。
【0050】
エアバッグ10は、先端部12側の部分36をロール折りしたロール折り部37と、固定部11側の部分38を蛇腹折りした蛇腹折り部39を有する。ロール折り部37と蛇腹折り部39は、固定部11に隣接して配置される。ロール折り部37と蛇腹折り部39は、固定部11の展開方向Fの前方に配置される。次に、ロール折り部37と蛇腹折り部39を、車両幅方向の内側に向かって半分に折る(図8Dの矢印T4)。ロール折り部37と蛇腹折り部39は、蛇腹折りの方向の反対方向に折り畳む。
【0051】
ロール折り部37と蛇腹折り部39は、固定部11に続く部分32が内側に位置するように展開方向Fの後方に向かって二つ折りされる(図8E参照)。固定部11に続く部分32は、固定部11に続く蛇腹折り部39の端部である。二つ折りされた蛇腹折り部39は、二つ折りされたロール折り部37の間に挟まれる。折り畳まれたロール折り部37と蛇腹折り部39は、固定部11の展開方向Fの前方に配置される。蛇腹折り部39は、ロール折り部37の間に配置される。その後、テープ5(図5F参照)を、エアバッグ10の複数箇所に巻き付ける。
【0052】
エアバッグ10の展開時に、ガスは、二つ折りされた蛇腹折り部39の内側の部分32に最初に供給される。ガスにより、蛇腹折り部39が膨張を開始する。ロール折り部37と蛇腹折り部39は、ガスにより展開方向Fに押し出されるように展開して、展開方向Fに向かって飛び出す。ここでは、ロール折り部37と蛇腹折り部39を二つ折りする。その結果、ロール折り部37と蛇腹折り部39の展開する方向が規制されるため、展開方向Fのバラツキが抑制される。ロール折り部37と蛇腹折り部39は、ガスにより、所定の展開方向Fに速い速度で安定して展開する。
【0053】
エアバッグ10の展開初期に、二つ折りされたロール折り部37と蛇腹折り部39は、開きながら側方空間92に向かって正確に展開する。蛇腹折り部39は、速い速度で展開する。ロール折り部37は、蛇腹折り部39に押されて、展開方向Fに早期に飛び出す。二つ折りが解けたとき、蛇腹折り部39は、側方空間92に向かって迅速に展開する。続いて、ロール折り部37が、先端部12に向かって展開する。エアバッグ10を車両幅方向の内側にロール折りしたため、ロール折り部37は、上記したロール折り部35と同様に、車両の内側に向かって展開する。ロール折り部37は、展開方向Fに向かいつつ車両の内側に展開する。ロール折り部37は、側方空間92に正確に展開する。以上のように展開することで、蛇腹折り部39とロール折り部37が、側方空間92に正確かつ速く展開する。エアバッグ10は、蛇腹折りとロール折りが解けながら車両上下方向に展開する。
【0054】
エアバッグ10を蛇腹折りとロール折りにより折り畳んだときには、エアバッグ10を側方空間92に向かって正確かつ速く展開させることができる。エアバッグ10が乗員90や側壁91に接触するのも抑制できる。また、エアバッグ10を、側方空間92に確実に膨張展開させることができる。蛇腹折りにより、エアバッグ10の展開速度を速くできる。ロール折りの方向により、ロール折り部37が展開する方向をコントロールすることもできる。蛇腹折り部39をロール折り部37の間に挟むことで、蛇腹折り部39の展開方向を確実に規制できる。
【0055】
なお、ロール折り部37と蛇腹折り部39を形成するときには、エアバッグ10を上記以外の折り畳み方で折り畳んでもよい。即ち、エアバッグ10は、ロール折りと蛇腹折りにより、展開方向Fに展開可能に折り畳めばよい。エアバッグ10を3回以上折り返して、ロール折り部37を形成してもよい。エアバッグ10を2回以上折り返して、蛇腹折り部39を形成してもよい。エアバッグ10は、車両幅方向の外側でロール折りしてもよい。この場合には、蛇腹折り部39を、ロール折り部37の車両幅方向外側に形成する。また、ロール折り部37と蛇腹折り部39を、車両幅方向の外側に向かって二つ折りする。
【符号の説明】
【0056】
1・・・サイドエアバッグ装置、2・・・インフレータ、3・・・固定部材、4・・・ハーネス、5・・・テープ、10・・・エアバッグ、11・・・固定部、12・・・先端部、13・・・ベントホール、14・・・表基布、15・・・裏基布、16・・・外縁接合部、17・・・気室、18・・・上端部、19・・・下端部、20・・・スリット、21〜29・・・折り線、31・・・蛇腹折り部、35・・・ロール折り部、37・・・ロール折り部、39・・・蛇腹折り部、80・・・シート、81・・・シートクッション、82・・・シートバック、83・・・ヘッドレスト、84・・・収容部、85・・・側部、90・・・乗員、91・・・側壁、92・・・側方空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のシートの側部に搭載され、シートに着座した乗員と車両の側壁の間の側方空間において乗員を保護するサイドエアバッグ装置であって、
シートの側部に固定される固定部を有し、シートの側部から側方空間に向かって展開可能に折り畳まれたエアバッグと、
エアバッグを膨張展開させるガスを発生し、エアバッグを固定部から展開方向の先端部まで展開させるインフレータと、を備え、
エアバッグが、先端部と固定部の間の部分を蛇腹折りした蛇腹折り部を有し、
蛇腹折り部が、固定部の展開方向の前方に配置されるとともに、固定部に続く部分が内側に位置するように展開方向の後方に向かって二つ折りされたサイドエアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたサイドエアバッグ装置において、
蛇腹折り部が、展開方向に交差する折り線で蛇腹状に折り返されて半分に折り畳まれたサイドエアバッグ装置。
【請求項3】
車両用のシートの側部に搭載され、シートに着座した乗員と車両の側壁の間の側方空間において乗員を保護するサイドエアバッグ装置であって、
シートの側部に固定される固定部を有し、シートの側部から側方空間に向かって展開可能に折り畳まれたエアバッグと、
エアバッグを膨張展開させるガスを発生し、エアバッグを固定部から展開方向の先端部まで展開させるインフレータと、を備え、
エアバッグが、先端部と固定部の間の部分をロール折りしたロール折り部を有し、
ロール折り部が、固定部の展開方向の前方に配置されるとともに、固定部に続く部分が内側に位置するように展開方向の後方に向かって二つ折りされたサイドエアバッグ装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたサイドエアバッグ装置において、
エアバッグが、先端部から固定部に向かってエアバッグの一方の面でロール折りされ、
ロール折り部が、エアバッグの他方の面に向かって半分に折り畳まれたサイドエアバッグ装置。
【請求項5】
車両用のシートの側部に搭載され、シートに着座した乗員と車両の側壁の間の側方空間において乗員を保護するサイドエアバッグ装置であって、
シートの側部に固定される固定部を有し、シートの側部から側方空間に向かって展開可能に折り畳まれたエアバッグと、
エアバッグを膨張展開させるガスを発生し、エアバッグを固定部から展開方向の先端部まで展開させるインフレータと、を備え、
エアバッグが、先端部側の部分をロール折りしたロール折り部と、固定部側の部分を蛇腹折りしたロール折り部に重なる蛇腹折り部とを有し、
ロール折り部と蛇腹折り部が、固定部の展開方向の前方に配置されるとともに、固定部に続く部分が内側に位置するように展開方向の後方に向かって二つ折りされたサイドエアバッグ装置。
【請求項6】
請求項5に記載されたサイドエアバッグ装置において、
二つ折りされた蛇腹折り部が、二つ折りされたロール折り部の間に挟まれたサイドエアバッグ装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載されたサイドエアバッグ装置において、
エアバッグの上端部又は下端部が、エアバッグ内に折り込まれたサイドエアバッグ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−91421(P2013−91421A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234770(P2011−234770)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】