説明

シグナル伝達阻害剤の組合せ

本発明は、シグナル伝達阻害剤の組合せを利用することを含んでなる、癌を治療するための方法に関する。より具体的には、本発明は、マイトジェン刺激キナーゼシグナル伝達経路阻害剤といわゆる細胞周期阻害剤の組合せ、より具体的には、マイトジェン刺激キナーゼシグナル伝達阻害剤、より好ましくはMEK阻害剤とCDK阻害剤の組合せに関する。本発明の他の態様は、細胞傷害剤、緩和剤および抗血管新生剤のような標準の抗癌剤と上記組合せの追加の組合せに関する。最も具体的には、本発明は、MEK阻害剤、最も好ましくは、N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドと組み合わせた、選択的サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)阻害剤である6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの組合せに関する。本発明には、上記活性剤のそれぞれのすべての塩、代謝産物、プロドラッグ、異性体および多形が含まれる。上記の組合せは、炎症と、癌および再狭窄のような細胞増殖性疾患を治療するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、シグナル伝達阻害剤の組合せを利用することを含んでなる、癌を治療するための方法に関する。より具体的には、本発明は、マイトジェン刺激キナーゼシグナル伝達経路阻害剤といわゆる細胞周期阻害剤の組合せ、より具体的には、マイトジェン刺激キナーゼシグナル伝達阻害剤、より好ましくはMEK阻害剤とCDK阻害剤の組合せに関する。本発明の他の態様は、細胞傷害剤、緩和剤および抗血管新生剤のような標準の抗癌剤と上記組合せの追加の組合せに関する。最も具体的には、本発明は、MEK阻害剤、最も好ましくはN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドと組み合わせた、選択的サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)阻害剤である6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの組合せに関する。本発明には、上記活性剤のそれぞれのすべての塩、代謝産物、プロドラッグ、異性体および多形が含まれる。上記の組合せは、炎症と、癌および再狭窄のような細胞増殖性疾患を治療するのに有用である。
【0002】
細胞周期阻害剤は、細胞周期の進行を制御するシグナル伝達キナーゼの重要なゲートキーパーである。細胞周期阻害剤には、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDK)、Auroraキナーゼ阻害剤、PLK阻害剤およびCHK1阻害剤が含まれる。本発明の好ましい細胞周期阻害剤は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤である。
【0003】
サイクリン依存性キナーゼと関連のセリン/トレオニンプロテインキナーゼは、細胞の分裂および増殖を調節するのに必須の機能を担う重要な細胞酵素である。サイクリン依存性キナーゼの触媒単位は、サイクリンとして知られる調節サブユニットにより活性化される。少なくとも16の哺乳動物サイクリンが同定されてきた(D.G.JohnsonおよびC.L.Walker,Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.(1999)39:295−312)。サイクリンB/CDK1、サイクリンA/CDK2、サイクリンE/CDK2、サイクリンD/CDK4、サイクリンD/CDK6と、おそらくはCDK3およびCDK7が含まれる他のヘテロ二量体は、細胞周期進行の重要な調節因子である。サイクリン/CDKヘテロ二量体の追加の機能には、転写、DNA修復、分化およびアポトーシスの調節が含まれる(D.O.Morgan,Annu.Rev.Cell.Dev.Biol.(1997)13261−13291)。
【0004】
サイクリン依存性キナーゼ阻害剤は、癌を治療するのに有用であることが実証されてきた。サイクリン依存性キナーゼの増加した活性または一過的に異常な活性化は、ヒト腫瘍の発症をもたらすことが示されている(C.J.Sherr,Science(1996)274:1672−1677;M.Malumbres,Nature Rev.Cancer,2001,1,222−231、およびC.J.Sherr,Cancer Cell,2002,2,103−112)。実際、ヒト腫瘍の発症は、通常、CDKタンパク質そのものまたはそれらの調節因子のいずれかの改変と関連している(C.Cordon−Cardo,Am.J.Pathol.(1995)147:545−560;J.E.KarpおよびS.Broder,Nat.Med.(1995)1:309−320;M.Hallら,Adv.Cancer Res.(1996)68:67−108)。p16およびp27のような、CDKの天然に存在するタンパク質阻害剤は、肺癌細胞系においてin vitro増殖阻害を引き起こす(A.Kamb,Curr.Top.Microbiol.Immunol.(1998)227:139−148)。ある種のCDK阻害剤は、正常な非形質転換細胞の細胞周期進行を阻害するその能力により、化学保護剤として有用であることも示された(Chenら,J.Natl.Cancer Institute(2000)92:1999−2008)。現在、いくつかのCDK阻害剤が製薬企業により評価中であるが、商業使用を承認されたものはまだ1つもない(P.M.Fischer,Curr.Opin.Drug Discovery(2001)4:623−634;D.W.FryおよびM.D.Garrett,Curr.Opin.Oncologic,Endocrine & Metabolic Invest.(2000)2:40−59;K.R.WebsterおよびD.Kimball,Emerging Drugs(2000)5:45−59;T.M.Sieleckiら,J.Med.Chem.(2000)43:1−18;P.Fisher,Curr.Opin.Drug Disc.& Development 2001,4,623−634;K.Webster,Emerging Drugs 2000,5,45−59;および、D.Fry,Curr.Opin.Oncologic,Endocrine & Metabolic Invest.Drugs.2000,2,40−59。
【0005】
選択的CDK4/6阻害剤が、すべての目的のためにそのまま参照により本明細書に組み込まれる、共通譲渡された国際特許出願PCT/IB03/00059(2003年1月10日出願)(’059出願)に開示されている。この’059出願は、特に強力で選択的なCDK4/6阻害剤、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン:
【0006】
【化1】

【0007】
を開示する。
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンは、好ましくは、イセチオン酸塩として投与される。1つの好ましいイセチオン酸塩は、A型のモノイセチオン酸塩を含む。別の好ましいイセチオン酸塩は、多形B型の塩である。別の好ましいイセチオン酸塩は、D型の多形塩である。
【0008】
標準の酵素アッセイにおいて、式1の化合物は、CDK4およびCDK2阻害について(25℃で)それぞれ0.011μMおよび>5μMのIC50濃度を明示する。標準のCDK4およびCDK2アッセイのIC50定量についての考察に関しては、D.W.Fryら,J.Biol.Chem.(2001)16617−16623を参照のこと。
【0009】
本発明は、細胞周期阻害剤と他のシグナル伝達阻害剤(STI)との組合せへ主に向けられる。本明細書に使用するSTIは、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤には、低分子、抗体、およびアンチセンス分子が含まれる。そのようなシグナル伝達阻害剤の例には、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤が含まれる。そのような阻害剤には、MEK阻害剤、bcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤、PDGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、erbB阻害剤、VEGF−R阻害剤、Hsp90阻害剤、FLT−3阻害剤、K−Ras阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、Akt阻害剤、mTOR阻害剤、および多標的指向キナーゼ阻害剤が含まれる。「Signal Transduction(シグナル伝達)」Gomperts,KramerおよびTatham,アカデミック・プレス、エルセヴィエ・サイエンス(2002)を参照のこと。
【0010】
腫瘍において、Ras−Raf−MEK−ERK経路は、マイトジェンシグナルを形質膜から核へシグナル伝達するのに単独で最も重要な経路であると考えられている。活性化Rafは、リン酸化により、シグナル伝達キナーゼのMEK1およびMEK2(MEK1/2)を活性化する。これらは、トレオニンとチロシンの両方のリン酸化によりERKファミリーキナーゼ、ERK1およびERK2を活性化する二元特異性キナーゼである。ERK活性化は、リボソームS9キナーゼとc−Fos、c−Junおよびc−Mycのような転写因子のリン酸化および活性化をもたらし、増殖に関与するいくつかの遺伝子のスイッチング・オンをもたらす。erbBファミリー、PDGF、FGFおよびVEGFのような多様な増殖因子は、Ras−Raf−MEK−ERK経路を介してシグナルを伝播する。さらに、ras癌原遺伝子における突然変異は、この経路の構成的な活性化をもたらす場合がある。Ras遺伝子は、ヒト癌のほぼ30%で突然変異していて、ras突然変異の頻度は、結腸癌と膵臓癌で特に高い(それぞれ、50%と90%)。様々なマイトジェン因子から下流の位置にあるために、MEK1および2は、形質膜から核への増殖シグナルの伝達において中心的な役割を有する。このことにより、これらのタンパク質は、その阻害がいくつかの異なるシグナル伝達経路を妨害する可能性があるので、癌療法の重要な標的になる。故に、MEK阻害剤は、限定されないが、乳癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、および膵臓癌のような広範囲の癌に対して有効であるかもしれない。
【0011】
CI−1040としても知られる2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−シクロプロピルメトキシ−3,4−ジフルオロ−ベンズアミドは、両方のMEKアイソフォーム、MEK1およびMEK2の強力できわめて選択的な阻害剤である。CI−1040によるMEK活性の阻害は、リン酸化ERK1およびERK2のレベルの有意な減少をもたらす。この減少により、培養とマウスの両方において、G1ブロックがもたらされて、腫瘍細胞の増殖が抑えられる。CI−1040は、結腸および膵臓の起源のものが含まれる、広範囲の腫瘍種に対する抗癌活性を示した(Sebolt−Leopold J.ら,「MAPキナーゼ経路の妨害は、結腸腫瘍の増殖をin vivoで抑制する(Blockade of the MAP kinase pathway suppresses growth of colon tumors in vivo)」Nature Med.1999;5:810−16;および、Sebolt−Leopold JS,「CI−1040の前臨床薬理の要約(Summary of the preclinical pharmacology of CI−1040)」RR700−00156.2000年6月27日)。
【0012】
CI−1040は、CI−1040の作製法、それを剤形へ製剤化する方法、並びに乳癌、結腸癌、前立腺癌、皮膚癌および膵臓癌のような固形腫瘍の慢性経口治療にそれを使用する方法のその教示のために参照により本明細書に組み込まれる、PCT公開公報番号WO99/01426に記載されている。CI−1040はまた、敗血症ショックの治療または予防における使用について、米国特許第6,251,943号に記載されている。
【0013】
N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドは、強力できわめて選択的なMEK1/2の阻害剤であり、これは、ERK1およびERK2のリン酸化を有意に阻害する。N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドは、それを作製する方法、それを剤形へ製剤化する方法、並びに乳癌、結腸癌、前立腺癌、皮膚癌および膵臓癌のような固形腫瘍の慢性経口治療にそれを使用する方法のその教示のために参照により本明細書に組み込まれる、PCT公開公報番号WO02/06213に開示されている。それは、その先行品、CI−1040より強力で、代謝的により安定である。
【0014】
発明の概要
本発明は、異常な細胞増殖、好ましくは癌をそのような治療の必要な患者、好ましくはヒトにおいて治療するための方法に関し、該方法は、細胞周期阻害剤のある量と1以上(好ましくは1〜3、より好ましくは1または2、最も好ましくは1)のシグナル伝達阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここで細胞周期阻害剤とシグナル伝達阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。細胞周期阻害剤には、CDK阻害剤、Auroraキナーゼ阻害剤、PLK阻害剤またはCHK1阻害剤が含まれる。好ましくは、細胞周期阻害剤は、選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK−4/6阻害剤である。最も好ましくは、前記選択的CDK−4/6阻害剤は、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンである。
【0015】
本明細書に使用するサイクリン依存性キナーゼ阻害剤は、既知のサイクリン依存性キナーゼのいずれか、最も好ましくはCDK4/6の活性を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。好ましいCDK4/6阻害剤は、国際特許公開公報WO03/062236(2003年7月31日公開)と米国特許出願60/486,351(2003年7月11日出願)および60/440,805(2003年1月17日出願)に記載されている。そのような阻害剤の例には:8−シクロペンチル−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、6−ブロモ−8−シクロペンチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、8−シクロペンチル−6−エチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、8−シクロペンチル−7−オキソ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル塩酸塩、6−アミノ−8−シクロペンチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、6−ブロモ−8−シクロペンチル−2−[5−((R)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、6−ブロモ−8−シクロヘキセル−2−(ピリジン−2−イル−アミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、6−ブロモ−8−シクロペンチル−2−メチル−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、6−ブロモ−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペリジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、8−シクロペンチル−6−フルオロ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、8−シクロペンチル−6−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、8−シクロペンチル−6−イソブトキシ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、6−ベンジル−8−シクロペンチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、8−シクロペンチル−6−ヒドロキシメチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩、2−[5−(4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−8−シクロペンチル−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、6−アセチル−8−シクロペンチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、6−ブロモ−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、6−ブロモ−8−シクロペンチル−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボニトリル、N4−シクロペンチル−5−ニトロ−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルバルデヒド、4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル、4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル、[4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−メタノール、1−[4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−エタノン、3−[4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−ブト−2−エン酸エチルエステル、4−アミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボニトリル、5−ニトロ−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、4−アミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルバルデヒド、4−アミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル、4−アミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル、[4−アミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−メタノール、1−[4−アミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−エタノン、3−[4−アミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−ブト−2−エン酸エチルエステル、4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボニトリル、N2−[5−(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−2−イル]−N4−シクロペンチル−5−ニトロ−ピリミジン−2,4−ジアミン、4−シクロペンチルアミノ−2−(5−モルホリン−4−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルバルデヒド、4−シクロペンチルアミノ−2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−6’−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル、4−シクロペンチルアミノ−6−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル、{2−[5−(ビス−メトキシメチル−アミノ)−ピリジン−2−イルアミノ]−4−シクロペンチルアミノ−ピリミジン−5−イル}−メタノール、1−[4−ベンジルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−エタノン、4−[4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−ペント−3−エン−2−オン、4−アミノ−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボニトリル、5−ニトロ−N2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン、4−アミノ−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルバルデヒド、4−アミノ−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル、5−ブロモ−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、[4−アミノ−2−(5−モルホリン−4−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−メタノール、1−[4−アミノ−2−(5−モルホリン−4−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−エタノン、[6−(5−アセチル−4−アミノ−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イルオキシ]−酢酸、4−シクロペンチルアミノ−2−(4−ヒドロキシメチル−5−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボニトリル、N2−[5−(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−6−クロロ−ピリジン−2−イル]−N4−シクロペンチル−5−ニトロ−ピリミジン−2,4−ジアミン、2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミノ)−4−シクロペンチルアミノ−ピリミジン−5−カルバルデヒド、4−シクロペンチルアミノ−2−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル、4−シクロペンチルアミノ−2−(4,6−ジクロロ−5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−6−メチル−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル、2−(2−{5−[ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−ピリジン−2−イルアミノ}−4−シクロペンチルアミノ−ピリミジン−5−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール、1−[4−フェニルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−エタノン、4−[4−(3−ヒドロキシ−シクロペンチルアミノ)−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−ペント−3−エン−2−オン、4−[5−シアノ−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]−シクロヘキサンカルボン酸、2−(4−アミノ−5−ニトロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−イソニコチン酸、4−アミノ−6−メチル−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−カルバルデヒド、5−ヨード−N2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン、N−[5−ブロモ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−アクリルアミド、N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−5−プロプ−1−イニル−ピリミジン−2,4−ジアミン、5−[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、[6−(4−アミノ−5−プロペニル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イルオキシ]−酢酸、5−ブロモ−N4−シクロペンチル−N2−(5−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、N2−[5−(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−6−クロロ−ピリジン−2−イル]−5−ブロモ−N4−シクロペンチル−ピリミジン−2,4−ジアミン、5−ブロモ−N4−シクロペンチル−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、5−ブロモ−N4−シクロペンチル−N2−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、5−ブロモ−N4−シクロペンチル−N2−(4,6−ジクロロ−5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−6−メチル−ピリミジン−2,4−ジアミン、N2−{5−[ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−5−ブロモ−N4−シクロペンチル−ピリミジン−2,4−ジアミン、5−ブロモ−N4−フェニル−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、3−[5−ブロモ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]−シクロペンタノール、N4−シクロペンチル−5−ヨード−N2−(5−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、N2−[5−(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−6−クロロ−ピリジン−2−イル]−N4−シクロペンチル−5−ヨード−ピリミジン−2,4−ジアミン、N4−シクロペンチル−5−ヨード−N


2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、N4−シクロペンチル−5−ヨード−N2−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン、4−[6−(5−ブロモ−4−シクロペンチルアミノ−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、4−[6−(4−シクロペンチルアミノ−5−ホルミル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、4−[6−(5−アセチル−4−シクロペンチルアミノ−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、2−[5−(4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−4−シクロペンチルアミノ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル、N−シクロペンチル−N’−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−4,6−ジアミン、N−イソプロピル−N’−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−4,6−ジアミン、4−[6−(6−シクロペンチルアミノ−ピリミジン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、N−[5−(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−2−イル]−N’−シクロペンチル−ピリミジン−4,6−ジアミン、4−{6−[4−シクロペンチルアミノ−5−(1−メチル−3−オキソ−ブト−1−エニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピリジン−3−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、N−シクロペンチル−N’−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−[1,3,5]トリアジン−2,4−ジアミン、1−[4−シクロペンチルアミノ−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−エタノン、5−ブロモ−N4−シクロペンチル−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2,4−ジアミン、4−シクロペンチルアミノ−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ニコチノニトリル、N4−シクロペンチル−5−ニトロ−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2,4−ジアミン、4−シクロペンチルアミノ−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−カルバルデヒド、4−シクロペンチルアミノ−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ニコチン酸エチルエステル、4−シクロペンチルアミノ−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ニコチン酸メチルエステル、[4−シクロペンチルアミノ−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−メタノール、1−[4−シクロペンチルアミノ−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−エタノン、3−[4−シクロペンチルアミノ−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ブト−2−エン酸エチルエステル、(5−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−ピリド[2,3−e][1,2,4]トリアジン−3−イル)−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−アミン、(8−シクロペンチル−7−メトキシ−キナゾリン−2−イル)−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−アミン、(8−シクロペンチル−7−メトキシ−ピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−アミン、6−アセチル−8−シクロペンチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−プテリジン−7−オン、3−アセチル−1−シクロペンチル−7−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピリド[3,4−b]ピラジン−2−オン、1−シクロペンチル−3−エチル−4−メチル−7−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−ピリミド[4,5−d]ピリミジン−2−オン、1−シクロペンチル−3−エチル−4−メチル−7−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−オン、3−アセチル−1−シクロペンチル−4−メチル−7−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−[1,6]ナフチリジン−2−オン、(9−イソプロピル−6−メチル−9H−プリン−2−イル)−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−アミン、2−[9−イソプロピル−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−9H−プリン−2−イルアミノ]−エタノール、N2−(4−アミノ−シクロヘキセル)−9−シクロペンチル−N6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン、2−[9−イソプロピル−6−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−9H−プリン−2−イルアミノ]−3−メチル−ブタン−1−オール、(1−イソプロピル−4−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−アミン、2−[1−イソプロピル−4−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ]−エタノール、N6−(4−アミノ−シクロヘキセル)−1−シクロペンチル−N4−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン、2−[1−イソプロピル−4−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ]−3−メチル−ブタン−1−オール、5−シクロペンチル−7−(1−ヒドロキシ−エチル)−8−メチル−3−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−5H−ピリド[3,2−c]ピリダジン−6−オン、5−シクロペンチル−8−メチル−3−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−5H−ピリド[3,2−c]ピリダジン−6−オン、7−ベンジル−5−シクロペンチル−3−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−5H−ピリド[3,2−c]ピリダジン−6−オン、[5−(1,1−ジオキソ−1I6−チオモルホリン−4−イル)−ピリジン−2−イル]−(4−イソプロピル−3−メトキシ−2−メチル−[1,7]ナフチリジン−6−イル)−アミン、(2−エチル−4−イソプロピル−3−メトキシ−[1,7]ナフチリジン−6−イル)−ピリジン−2−イル−アミン、(2,4−ジイソプロピル−3−メトキシ−[1,7]ナフチリジン−6−イル)−(5−イソプロペニル−ピリジン−2−イル)−アミン、[4−(2−エチルアミノ−ピリジン−4−イル)−ピリミジン−2−イル]−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−アミン、[4−(5−エチル−2−メチルアミノ−ピリジン−4−イル)−ピリミジン−2−イル]−(5−モルホリン−4−イル−ピリジン−2−イル)−アミン、[5−メトキシ−4−(2−メチルアミノ−ピリジン−4−イル)−ピリミジン−2−イル]−(5−モルホリン−4−イル−ピリジン−2−イル)−アミン、および5−フルオロ−N4−イソプロピル−N2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミンが含まれる。注目の他のCDK阻害剤には、AG−24322、R−ロスコビチン、CYC202(CDK2選択阻害剤)、フラボピリドール(NSC649890,HMR1275)(非選択的CDK阻害剤)、NU6102(CDK1/2選択阻害剤)、アルステルパウロン(alsterpaullone)(CDK1/B阻害剤)、インジルビン−3’−モノオキシム(CDK1/B/5阻害剤)、BMS387032(CDK(1/B)(2/E)(4/D)阻害剤)および7−ヒドロキシスタウロスポリン(UCN−01,NSC638850)が含まれる。他の特定のCDK阻害剤は、EP1250353、WO02/96888、WO03/076437、WO03/76436、WO03/76434、WO01/64368;米国仮特許出願番号60/491,474および仮特許出願番号60/491,474に記載されている。
【0016】
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、CDKタンパク質をアップレギュレートする癌の治療を含む。アップレギュレーションには:p16またはCDK4/6の突然変異を発現することの下で、CDK4/6またはサイクリンDを過剰発現することが含まれる。D.Fry,Curr.Opin.Oncologic,Endocrine & Metabolic Invest.Drugs.2000,2,40−59を参照のこと。
【0017】
本明細書に使用されるシグナル伝達阻害剤(STI)は、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。当業者は、このように定義されるSTIには、増殖因子およびマイトジェン刺激キナーゼシグナル伝達経路阻害剤が含まれることを理解されよう。そのような阻害剤には、低分子、抗体、およびアンチセンス分子も含まれる。本明細書に記載されるシグナル伝達阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、二元特異性キナーゼ阻害剤、脂質キナーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、Bc12阻害剤、p53阻害剤、MDMZ阻害剤、Ras阻害剤およびHsp90阻害剤を含む。
【0018】
本発明の1つの態様は、MEK阻害剤のような二元特異性キナーゼ阻害剤のある量と細胞周期阻害剤の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤および二元特異性キナーゼ阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。
【0019】
二元特異性キナーゼ阻害剤は、MEK1またはMEK2のような多数のチロシンキナーゼおよびセリン/トレオニンキナーゼの活性を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような最も好ましいMEK阻害剤の例には、2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−シクロプロピルメトキシ−3,4−ジフルオロ−ベンズアミドとN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドが含まれる。2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−シクロプロピルメトキシ−3,4−ジフルオロ−ベンズアミドとN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドは、選択的MEK1およびMEK2阻害剤である。選択的MEK1またはMEK2阻害剤は、MKK3、ERK、PKC、Cdk2A、ホスホリラーゼキナーゼ、EGFおよびPDGF受容体キナーゼ、およびC−srcのような他の酵素を実質的に阻害することなく、MEK1またはMEK2酵素を阻害する化合物である。
【0020】
本発明の最も好ましい態様は、CDK阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンとMEK阻害剤の組合せへ向けられ、ここでこの細胞周期阻害剤とMEK阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。
【0021】
本発明によるMEK阻害剤の例には、限定されないが、以下のPCT公開公報:WO99/01426、WO99/01421、WO00/42002、WO00/42022、WO00/41994、WO00/42029、WO00/41505、WO00/42003、WO01/68619、およびWO02/06213に開示されるMEK阻害剤が含まれる。
【0022】
本発明の別のMEK阻害剤の態様には、化合物:1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノ−1,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエン(U−0126)が含まれる。
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、MEKタンパク質をアップレギュレートする癌の治療を含む。
【0023】
本発明の別の好ましい態様において、CDK阻害剤およびMEK阻害剤のある種の低分子組合せを、Herceptin(トラスツズマブ)、Erbitux(C225)のような抗体STIと、そしてIressa(ゲフィチニブ)およびTarceva(エルロチニブ)のような低分子STIと追加的に組み合わせてよい。
【0024】
本発明の別の態様は、セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤(複数)(好ましくは、1つの阻害剤)のある量と、細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。より好ましくは、そのようなセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤には、Rafキナーゼ阻害剤、Akt阻害剤およびmTOR阻害剤が含まれる。
【0025】
本発明の別の態様は、細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、(最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とRafキナーゼ阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とRafキナーゼ阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するRafキナーゼ阻害剤は、Rafタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の好ましい例は、BAY43−9006である。他のRafキナーゼ阻害剤には、WO03/68223(2003年8月21日公開)、WO03/82272(2003年10月9日公開)、WO03/22840(2003年3月20日公開)、WO03/22838(2003年3月20日公開)、WO03/22837(2003年3月20日公開)、WO03/22836(2003年3月20日公開)、およびWO03/22833(2003年3月20日公開)に記載されるものが含まれる。
【0026】
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、Rafタンパク質をアップレギュレートする癌の治療を含む。特別な態様において、Rafの発現のレベルは、0(正常)〜+1〜+2〜+3に及ぶ4値尺度で、+2または+3である。+3の数値は、きわめて攻撃的な腫瘍に関連する。
【0027】
本発明の別の態様は、細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)とAkt阻害剤の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とAkt阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するAkt阻害剤は、Aktタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのようなAkt阻害剤の例には、ヨーロッパ特許公開公報EP1379251と、国際特許公開公報WO03/86403、WO03/86394およびWO03/86279(いずれも2003年10月23日公開)に記載される化合物が含まれる。
【0028】
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、Aktタンパク質をアップレギュレートする癌の治療を含む。特別な態様において、Aktの発現のレベルは、0(正常)〜+1〜+2〜+3に及ぶ4値尺度で、+2または+3である。+3の数値は、きわめて攻撃的な腫瘍に関連する。
【0029】
本発明の別の態様は、細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)とmTOR阻害剤の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とmTOR阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するmTOR阻害剤は、mTORタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、ラパマイシン類、好ましくはラパマイシン、CCI779、Rad001およびArry142886が含まれる。
【0030】
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、m−TORタンパク質をアップレギュレートする癌の治療を含む。特別な態様において、m−TORの発現のレベルは、0(正常)〜+1〜+2〜+3に及ぶ4値尺度で、+2または+3である。+3の数値は、きわめて攻撃的な腫瘍に関連する。
【0031】
本発明の別の態様は、チロシンキナーゼ阻害剤(複数)(好ましくは、1つの阻害剤)のある量と細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。より好ましくは、そのようなチロシンキナーゼ阻害剤には、bcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤、PDGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、erbB阻害剤,VEGF−R阻害剤、FGFR阻害剤、TGFβR、SrcおよびIGF1−R阻害剤が含まれる。
【0032】
本発明の態様は、細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とbcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とbcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するbcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤は、bcr−ablタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、Gleevecが含まれる。
【0033】
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、bcr−ablタンパク質をアップレギュレートする癌の治療を含む。特別な態様において、bcr−ablの発現のレベルは、0(正常)〜+1〜+2〜+3に及ぶ4値尺度で、+2または+3である。+3の数値は、きわめて攻撃的な腫瘍に関連する。
【0034】
本発明の別の態様は、細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とPDGFR阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とPDGFR阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するPDGFR阻害剤は、PDGFRタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、CP−868,596、ST−1571、PTK−787およびPKC−412が含まれる。PDGFR阻害剤には、米国特許出願:09/221946(1998年12月28日出願);09/454058(1999年12月2日出願);09/501163(2000年2月9日出願);09/539930(2000年3月31日出願);09/202796(1997年5月22日出願);09/384339(1999年8月26日出願);および09/383755(1999年8月26日出願)に開示されて特許請求される化合物;並びに、以下の米国仮特許出願:60/168207(1999年11月30日出願);60/170119(1999年12月10日出願);60/177718(2000年1月21日出願);60/168217(1999年11月30日出願);60/200834(2000年5月1日出願);60/406524(2002年8月28日出願)および60/417074(2002年10月8日出願)に開示されて特許請求される化合物が含まれる。PDGFR阻害剤は、国際特許公開公報WO2001/40217(2001年6月7日公開)にも開示されて特許請求される。
【0035】
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、PDGFR受容体をアップレギュレートする癌の治療を含む。特別な態様において、PDGFRの発現のレベルは、0(正常)〜+1〜+2〜+3に及ぶ4値尺度で、+2または+3である。+3の数値は、きわめて攻撃的な腫瘍に関連する。
【0036】
本発明の別の態様は、CDK阻害剤(好ましくは、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とc−Kit阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここでCDK阻害剤とc−Kit阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するc−Kit阻害剤は、c−Kitタンパク質を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、国際特許公開公報WO03/028711(2003年4月10日公開)およびWO03/002114(2003年1月9日公開)に記載される化合物が含まれる。
【0037】
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、c−Kitタンパク質をアップレギュレートする癌の治療を含む。特別な態様において、c−Kitの発現のレベルは、0(正常)〜+1〜+2〜+3に及ぶ4値尺度で、+2または+3である。+3の数値は、きわめて攻撃的な腫瘍に関連する。
【0038】
本発明の別の態様は、細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とerbB阻害剤(erbB−1阻害剤、erbB−2阻害剤またはerbB1/erbB2阻害剤が含まれる)のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とerbB阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するerbB阻害剤は、erbBタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのようなerbB、erbB2またはerbB1/erbB2阻害剤の例には、Herceptin(トラスツズマブ)、Erbitux、Iressa(ゲフィチニブ)、Tarceva(エルロチニブ)、EKB−569、PKI−166、GW−572016、E−2−メトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドおよびCI−1033、好ましくはE−2−メトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドおよびCI−1033、より好ましくはE−2−メトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドが含まれる。erbB2受容体阻害剤には、E−2−メトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド、GW−282974(グラクソウェルカム社)、およびモノクローナル抗体AR−209(Aronex Pharmaceuticals社、テキサス州ウッドランズ、アメリカ)および2B−1(カイロン)のような化合物が含まれる。そのようなerbB2阻害剤には、WO03/50108(2003年6月19日公開)、WO01/98277(2001年12月27日公開)、WO00/44728(2000年8月3日公開)、WO98/02434(1998年1月22日公開)、WO99/35146(1999年7月15日公開)、WO99/35132(1999年7月15日公開)、WO98/02437(1998年1月22日公開)、WO97/13760(1997年4月17日公開)、WO95/19970(1995年7月27日公開)、米国特許第5,587,458号(1996年12月24日発行)、米国特許第5,877,305号(1999年3月2日発行)および米国特許第6.284,764号(2001年9月日発行)に記載されるものが含まれ、そのいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる。本発明に有用なerbB2受容体阻害剤は、米国仮特許出願番号60/117,341(1999年1月27日出願)と米国仮特許出願番号60/117,346(1999年1月27日出願)にも記載されていて、そのいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる。他のerbb2受容体阻害剤には、TAK−165(武田薬品)およびGW−572016(グラクソウェルカム)が含まれる。汎erBB阻害剤(pan−erBB inhibitor)(erbB1とerbB2に有効である)は、米国特許第5,464,861号(1995年11月17日発行)、5,654,307号(1997年8月5日発行)、6,344,459号(2002年2月5日発行)、6,127,374号(2000年10月3日発行)、6,153,617号(2000年11月28日発行)、6,344,455号(2002年2月5日発行)、6,664,390号(2003年12月16日発行)、および国際特許公開公報WO02/00630(2002年1月3日公開)に記載されている。
【0039】
当業者は、歴史的に、抗癌剤が特定の腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌のような肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、結直腸癌、頚部癌、急性白血病、および胃癌に使用されてきたことを理解されよう。本発明の組合せは、ある症例では特定のキナーゼの過剰発現が含まれる、癌の分子的な基礎の新たな理解へ向けられる。癌性状態では、単一のキナーゼがアップレギュレートされているかまたは過剰発現されていることがあり得るが、本発明者は、1つの経路の抑制を他のキナーゼ経路の抑制により補填することが驚くほど有効であることを発見した。従って、本発明のなお別の側面において、本発明の方法は、erbB2タンパク質をアップレギュレートする癌の治療を含む。特別な態様において、erbB2の発現のレベルは、0(正常)〜+1〜+2〜+3に及ぶ4値尺度で、+2または+3である。+3の数値は、きわめて攻撃的な腫瘍に関連する。
【0040】
本発明の組合せに特に好ましいerbB2化合物には、以下の化合物:
(±)−[3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル]−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
2−メトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アセトアミド;
(±)−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル]−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル]−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
2−メトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アセトアミド;
2−フルオロ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アセトアミド;
E−2−メトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
[3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル]−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
2−メトキシ−N−(1−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イルエチニル}−シクロプロピル)−アセトアミド;
E−N−(3−{4−[3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−2−メトキシ−アセトアミド;
N−(3−{4−[3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アセトアミド;
N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アセトアミド;
E−N−(3−{4−[3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
E−2−エトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
1−エチル−3−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−尿素; ピペラジン−1−カルボン酸(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アミド;
(±)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アミド;
2−ジメチルアミノ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アセトアミド;
E−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−メタンスルホンアミド;
イソオキサゾール−5−カルボン酸(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−アミド;
1−(1,1−ジメチル−3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−プロプ−2−イニル)−3−エチル−尿素と、上記化合物の医薬的に許容される塩、プロドラッグおよび溶媒和物の1以上が含まれるものが含まれる。
【0041】
本発明の別の好ましい態様において、CDK阻害剤およびerbB阻害剤のある種の低分子組合せを、Herceptin(トラスツズマブ)、Erbituxのような抗体STIと、Iressa(ゲフィチニブ)およびTarceva(エルロチニブ)のような低分子STIと追加的に組み合わせてよい。
【0042】
本発明の別の態様は、細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とVEGF−R阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とVEGF−R阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するVEGF−R阻害剤は、VEGFRタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、CP−547,632(3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピロリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミド塩酸塩)、PTK787、ZD6474、AG−13736、AG−28262およびPKC412が含まれる。好ましいVEGF阻害剤には、例えば、SU−5416およびSU−6668(以前は、スジェン社、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ、アメリカ。現在は、ファイザー社)とCP−547,632が含まれる。VEGF阻害剤は、例えば、WO99/24440(1999年5月20日公開)、PCT国際出願PCT/IB99/00797(1999年5月3日出願)、WO95/21613(1995年8月17日公開)、WO99/61422(1999年12月2日公開)、米国特許第5,834,504号(1998年11月10日発行)、WO98/50356(1998年11月12日公開)、米国特許第5,883,113号(1999年3月16日発行)、米国特許第5,886,020号(1999年3月23日発行)、米国特許第5,792,783号(1998年8月11日発行)、WO99/10349(1999年3月4日公開)、WO97/32856(1997年9月12日公開)、WO97/22596(1997年6月26日公開)、WO98/54093(1998年12月3日公開)、WO98/02438(1998年1月22日公開)、WO99/16755(1999年4月8日公開)、およびWO98/02437(1998年1月22日公開)に記載され、このいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる。WO01/02369(2001年1月11日公開);米国仮特許出願番号60/491,771(2003年7月31日出願);米国仮特許出願番号60/460,695(2003年4月3日出願);およびWO03/106462A1(2003年12月24日公開)。VEGF阻害剤の他の例は、国際特許公開公報WO99/62890(1999年12月9日公開)、WO01/95353(2001年12月13日公開)、およびWO02/44158(2002年6月6日公開)に開示される。いくつかの具体的なVEGF阻害剤の例は、IM862(Cytran社、ワシントン州カークランド、アメリカ);Avastin(抗VEGFモノクローナル抗体、ジェネンテク社、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ);および、アンジオザイム(Ribozyme(コロラド州ボルダー)およびカイロン(カリフォルニア州エメリヴィル)からの合成リボザイム)である。
【0043】
本発明の別の態様は、増殖因子シグナル伝達の阻害剤のある量と細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤と増殖因子の阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。増殖因子シグナル伝達の阻害剤の例には、低分子とモノクローナル抗体が含まれる。そのような抗体は、受容体へ結合しても、増殖因子へ結合してもよい。Avastinは、増殖因子へ結合して、受容体へのその結合を妨げるモノクローナル抗体の例である。
【0044】
本発明の別の態様は、脂質キナーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、Bc12阻害剤、p53阻害剤、MDMZ阻害剤、Ras阻害剤およびHsp90阻害剤からなる群より選択される阻害剤と細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤と脂質キナーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、Bc12阻害剤、p53阻害剤、MDMZ阻害剤、Ras阻害剤またはHsp90阻害剤の阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。より好ましくは、そのような他のキナーゼ阻害剤には、Hsp90阻害剤、K−Ras阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、HDAC阻害剤、Bcl2阻害剤、TGFβ−R阻害剤、Chk1阻害剤、Wee1阻害剤、PLK阻害剤、Src阻害剤、PDK阻害剤、PKC阻害剤およびp70S6K阻害剤が含まれる。
【0045】
本発明の別の態様は、CDK阻害剤(好ましくは、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とHsp90阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここでCDK阻害剤とHsp90阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するHsp90阻害剤は、Hsp90タンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、国際特許公開公報WO03/089006;WO03/041643;およびWO02/036171に記載される化合物が含まれる。
【0046】
本発明の別の態様は、CDK阻害剤(好ましくは、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とK−Ras阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここでCDK阻害剤とK−Ras阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するK−Ras阻害剤は、K−Rasタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、米国特許第6,436,700号;および米国特許公開公報20030153521に記載されるものが含まれる。
【0047】
本発明の別の態様は、CDK阻害剤(好ましくは、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とPI3キナーゼ阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とPI3キナーゼ阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するPI3キナーゼ阻害剤は、PI3タンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、WO01/81346;WO01/53266;およびWO01/83456が含まれる。米国特許出願番号10/730,680(2003年12月8日出願);米国特許出願番号10/743,852(2003年12月22日出願);米国仮特許出願番号60/475,970(2003年6月5日出願);米国仮特許出願番号60/475,992(2003年6月5日出願);米国仮特許出願番号60/476,073(2003年6月5日出願);米国仮特許出願番号60/476,251(2003年6月5日出願);米国仮特許出願番号60/475,971(2003年6月5日出願);および米国仮特許出願番号60/476,057(2003年6月5日出願)。
【0048】
本発明の別の態様は、多標的指向キナーゼ阻害剤のある量と細胞周期阻害剤(好ましくは選択的CDK阻害剤、より好ましくは選択的CDK4/6阻害剤、最も好ましくは6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤と多標的指向キナーゼ阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖、好ましくは癌を治療するのに療法的に有効である。より好ましくは、そのような多標的指向キナーゼ阻害剤には、上記のキナーゼ経路のいずれに対しても多重活性のある阻害剤が含まれる。そのような多標的指向キナーゼ阻害剤の1つの態様は、PDGFR、VEGFRおよびFGFRに対して活性のある(SU11248のような)薬剤である。そのような多標的指向キナーゼ阻害剤の別の態様は、PDGFR、c−Kitおよびbrc−ablに対して活性のある(Gleevecのような)薬剤である。
【0049】
本発明の別の態様は、CDK阻害剤(好ましくは、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン)のある量とAurora阻害剤のある量の組合せへ向けられ、ここで細胞周期阻害剤とAurora阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記癌を治療するのに療法的に有効である。本明細書に使用するAuroraキナーゼ阻害剤は、Auroraタンパク質の機能を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような阻害剤の例には、国際特許公開公報WO03/106417;WO03/105855;WO03/99211;WO03/79973;およびWO03/31606に記載されるものが含まれる。
【0050】
先述の特許、特許出願,特許公開公報および仮特許出願のそれぞれは、そこに記載されるすべての選択物、態様、種(species)および亜属(subgenera)を含めて、そのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
本発明はまた、他のSTI、具体的には、Auroraキナーゼ阻害剤、PLK阻害剤、CHK1阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、Akt阻害剤、mTOR阻害剤、bcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤、PDGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、erbB阻害剤、VEGF−R阻害剤、FGFR阻害剤およびIGF1−R阻害剤とMEK阻害剤のある種の新規組合せへ向けられる。
【0052】
本発明の組合せ(即ち、他のSTIと細胞周期阻害剤、およびSTIとMEK阻害剤の組合せ)は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗生物質、ホルモン剤、植物由来抗腫瘍剤、トポイソメラーゼI/II阻害剤(カンプトテシン誘導体のような)、抗体、免疫作用剤(インターフェロンのような)、および/または生物学的応答調節剤からなる群より選択される1以上の追加の抗癌療法剤を投与することをさらに含む。
【0053】
アルキル化剤には、限定されないが:AMD−473、アルトレタミン、AP−5280、アパジコン(apaziquone)、ブロスタリシン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルボコン、カルムスチン、シクロホスファミド、エストラムスチン、ホテムスチン、グルホスファミド、イホスファミド、KW−2170、マホスファミド、メルファラン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ニムスチン、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、テモゾロミド、チオテパおよびラニムスチンが含まれる。白金配位性アルキル化化合物には、限定されないが、シスプラチン、カルボプラチン、エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンまたはサトルプラチンが含まれる。
【0054】
代謝拮抗薬には、限定されないが:5−アザシチジン、カペシタビン、カルモフール、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、ドキシフルリジン、エフロールニチン、エノシタビン、エチニルシチジン、5−フルオロウラシル(5−FU)単独またはロイコボリンとの組合せ、ロイコボリン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、フルダラビン、TS−1、ゲンシタビン、メトトレキセート、メルファラン、6−メルカプトプリン、メルカプトプリン、ネララビン、ノラトレキセド、オクホスフェート、ジナトリウムプレメトレキセド(premetrexed)、ペントスタチン、ペリトレキソール、ラルチトレキセド、リボシド、テガフール、トリアピン、トリメトレキセート、UFT、ビダラビン、ビンクリスチン、ビノレルビン;または、例えば、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸のような、ヨーロッパ特許出願番号239362に開示される好ましい代謝拮抗薬の1つが含まれる。
【0055】
抗生物質には、限定されないが:アクラルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、アンナマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、ガラルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ネモルビシン、ネオカルチノスタチン、ペプレオマイシン、ピラルビシン、レベッカマイシン、スチマラマー、ストレプトゾシン、バルルビシンまたはジノスタチンが含まれる。
【0056】
本発明には、ホルモン療法剤、例えば、エキセメスタン(Aromasin)、Lupron、アナストロゾール(Arimidex)、ドキセカルシフェロール、ファドロゾール、ホルメスタン、クエン酸タモキシフェン(Nolvadex)およびフルベストラントのような抗エストロゲン、Trelstar、トレミフェン、ラロキシフェン、ラソホキシフェン、レトロゾール(Femara)、またはビカルタミド、フルタミド、ミフェプリストン、ニルタミド、Casodex(登録商標)(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)およびこれらの組合せのような抗アンドロゲンと一緒の本発明の組合せの使用も考慮される。
【0057】
植物由来抗腫瘍物質には、例えば、有糸分裂阻害剤、例えばビンブラスチン、ドセタキセル(タキソテール)およびパクリタキセルより選択されるものが含まれる。
細胞傷害性トポイソメラーゼ阻害剤には、アクラルビシン、アモナフィド、ベロテカン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ジフロモテカン、イリノテカンHCl(Camptosar)、エドテカリン、エピルビシン(Ellence)、エトポシド、エクサテカン、ジマテカン、ルルトテカン、ミトザントロン、ピラルビシン、ピザントロン、ルビテカン、ソブゾキサン、SN−38、タフルポシド、およびトポテカン、並びにこれらの組合せからなる群より選択される1以上の薬剤が含まれる。
【0058】
免疫作用剤には、インターフェロンと多数の他の免疫増強剤が含まれる。インターフェロンには、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1aまたはインターフェロンγ−n1が含まれる。他の薬剤には、フィルグラスチム、レンチナン、シゾフィラン、TheraCys、ウベニメクス、WF−10、アルデスロイキン、アレムツズマブ、BAM−002、ダカルバジン、ダクリツマブ、デニロイキン、ゲンツズマブ、オゾガマイシン、イブリツモマブ、イミキモド、レノグラスチム、レンチナン、メラノーマワクチン(Corixa)、モルグラモスチム、OncoVAX−CL、サルグラモスチム、タソネルミン、テクロイキン、サイマラシン、トシツモマブ、Virulizin、Z−100、エプラツズマブ、ミツモマブ、オレゴボマブ、ペンツモマブ(pemtumomab)、Provengeが含まれる。
【0059】
生物学的応答調節剤は、生きている生物の防御機構、または組織細胞の生存、成長、または分化のような生物学的応答を修飾して、抗腫瘍活性を有するようにそれらを指向させる薬剤である。そのような薬剤には、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、またはウベニメクスが含まれる。
【0060】
他の抗癌剤には、アリトレチノイン、アンプリゲン、アトラセンタン、ベキサロテン、ボルテゾミブ、Bosentan、カルシトリオール、エキシスリンド(exisulind)、フィナステリド、ホテムスチン、イバンドロン酸、ミルテホシン、ミトザントロン、l−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、タザロテン(tazarotne)、TLK−286またはトレチノインが含まれる。
【0061】
非キナーゼ抗血管新生剤は、本発明の非キナーゼ組合せと組み合わせることができる別の重要な活性剤である。抗血管新生剤には、MMP−2(マトリックスメタロプロテアーゼ2)阻害剤、MMP−9(マトリックスメタロプロテアーゼ9)阻害剤のようなマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤とCOX−II(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤が含まれ、本明細書に記載の方法および医薬組成物においてSDIの上記組合せとともに使用可能である。有用なCOX−II阻害剤の例には、CELEBREXTM(セレコキシブ)、Bextra(バルデコキシブ)、パラコキシブ、Vioxx(ロフェコキシブ)、およびArcoxia(エトリコキシブ)が含まれる。有用なマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤の例は、WO96/33172(1996年10月24日公開)、WO96/27583(1996年3月7日公開)、ヨーロッパ特許出願番号97304971.1(1997年7月8日出願)、ヨーロッパ特許出願番号99308617.2(1999年10月29日出願)、WO98/07697(1998年2月26日公開)、WO98/03516(1998年1月29日公開)、WO98/34918(1998年8月13日公開)、WO98/34915(1998年8月13日公開)、WO98/33768(1998年8月6日公開)、WO98/30566(1998年7月16日公開)、ヨーロッパ特許公開公報606,046(1994年7月13日公開)、ヨーロッパ特許公開公報931,788(1999年7月28日公開)、WO90/05719(1990年5月31日公開)、WO99/52910(1999年10月21日公開)、WO99/52889(1999年10月21日公開)、WO99/29667(1999年6月17日公開)、PCT国際出願番号PCT/IB98/01113(1998年7月21日出願)、ヨーロッパ特許出願番号99302232.1(1999年3月25日出願)、英国特許出願番号9912961.1(1999年6月3日出願)、米国仮特許出願番号60/148,464(1999年8月12日出願)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日発行)、米国特許第5,861,510号(1999年1月19日発行)、およびヨーロッパ特許公開公報780,386(1997年6月25日公開)に記載されていて、このいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる.好ましいMMP−2およびMMP−9阻害剤は、MMP−1を阻害する活性をほとんどまたは全く有さないものである。より好ましいのは、他のマトリックスメタロプロテアーゼ(即ち、MMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12、およびMMP−13)に比較して、MMP−2および/またはMMP−9を選択的に阻害するものである。
【0062】
本発明の化合物との組合せにおいて有用なMMP阻害剤のいくつかの具体的な例は、AG−3340、RO32−3555、RS13−0830と、以下のリストに引用する化合物:
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−エクソ−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸;
4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−エクソ−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−エンド−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;および
3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミドと、前記化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物およびプロドラッグである。
【0063】
他の抗血管新生化合物には、アシトレチン、フェンレチニド、サリドマイド、ゾレドロン酸、アンジオスタチン、アプリジン、シレングチド(cilengtide)、コンブレタスタチンA−4、エンドスタチン、ハロフジノン、レビマスタット、レモバブ、Revlimid、スルアラミン、ウクラインおよびVitaxinが含まれる。
【0064】
本発明の組合せはまた、限定されないが、CTLA4(細胞傷害性リンパ球抗原4)抗体のような、抗腫瘍免疫応答を高めることが可能な薬剤、およびCTLA4を遮断することが可能な他の薬剤;および、他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤のような抗増殖剤、例えば上記の「背景技術」セクションに引用される参考文献に記載のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が含まれる、異常な細胞増殖または癌を治療するのに有用な他の薬剤とともに使用可能である。本発明に使用可能である特異的なCTLA4抗体には、そのまま参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,682,736号(2004年1月27日発行)に記載されるものが含まれる。
【0065】
さらに、本発明は、1以上の補助ケア製品、例えば、Aloxi、アミホスチン、アンセスチム、アネトール、アプレピタント、BAM−002、CyPat、ダルベポエチン、ダクリツマブ、デニロイキン、デクスラゾキサン、Emend、エタネルセプト、エリスロポエチン、Filgrastim(Neupogen)、Fragmin、レノグラスチム、GM−CSF、モルグラモスチム、オプレルベキン、オンダンセトロン(Zofran)、Procrit、サルグラモスチム、ベスナリノン、またはこれらの組合せからなる群より選択される製品と本発明の組合せを提供する。そのような併用治療は、治療の個別成分の同時、連続、または分離の投薬により達成可能である。
【0066】
1つの態様において、追加の療法剤は、カンプトテシン、イリノテカンHCl、エドテカリン、エピルビシン、ドセタキセル、パクリタキセル、エクセメスタン、Lupron、アナストロゾール、タモキシフェン、Trelstar、Filgrastim、オンダンセトロン、Fragmin、Procrit、Aloxi、Emend、およびこれらの組合せからなる群より選択される。特別な態様において、追加の療法剤は、パクリタキセル、エクセメスタン、タモキシフェン、およびこれらの組合せからなる群より選択される。
【0067】
特定の態様において、本発明は、モノクローナル抗体(好ましくは、Herceptin)とパクリタキセル、エクセメスタン、タモキシフェン、およびこれらの組合せより選択される1以上の薬剤とCDK阻害剤およびMEK阻害剤の組合せを含んでなる、乳癌を治療するための組合せを提供する。
【0068】
特定の態様において、本発明は、CDK阻害剤およびMEK阻害剤(随意に、モノクローナル抗体(好ましくは、Herceptin)とともに)と、パクリタキセル、エクセメスタン、タモキシフェン、およびこれらの組合せより選択される1以上のホルモン剤、並びに5−FU、オキサリプラチンおよびロイコボリン(または、FOLFOXに処方されるようなこれらの組合せ)より選択される1以上の細胞傷害剤の組合せを含んでなる組合せを提供する。
【0069】
本発明の方法はまた、ヒトが含まれる哺乳動物における異常な細胞増殖の治療の方法に関し、該方法は、上記に定義されるような2以上のSTI、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグの組合せの、異常な細胞増殖を治療するのに有効である量を前記哺乳動物へ投与することを含んでなる。本方法の1つの態様において、異常な細胞増殖は癌であり、限定されないが、肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部位の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、輸卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頚部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織の肉腫、尿道の癌、陰茎癌、前立腺癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊椎軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、または上記癌の1以上の組合せが含まれる。前記方法の別の態様において、前記異常な細胞増殖は良性の増殖性疾患であり、限定されないが、乾癬、良性前立腺肥大症または再狭窄が含まれる。
【0070】
別の側面において、本発明の方法は、上記組合せの投与の方法へ向けられる。より特別には、組合せ療法の活性剤は、どの順序でも連続的に、または同時に投与される。活性剤が同時に投与される場合、当業者は、第二の薬剤が第一の薬剤からいくらかの時間の後に投与可能であることを理解されよう。この特別な遅れの時間は、活性剤の特別な薬物動態および製剤パラメータに依存する。
【0071】
本発明の別の側面には、組合せ用量の最少化がある。活性剤の個別の投与方式が望まれない副作用をもたらす場合があり、それが潜在的に投薬の中止をもたらし得ることは、頻繁にあることである。本発明の1つの特別な好ましい態様は、癌を治療するのに必要な最少用量へ投与量を低下させることである。従って、1つの好ましい態様は、両方の活性剤の量が各剤単独の有効量より少ない組合せの投与である。本発明の別の態様は、各剤単独の活性より高い活性を有する組合せの投与である。好ましい組合せは、その組合せが各剤単独に比較して相乗的であるものである。好ましくは、組合せは、超相加的である。
【0072】
本発明はまた、上記に定義されるような組合せと、すべての成分の投与のための添付文書を含んでなる、異常な細胞増殖の治療用キットに関する。特別な側面では、特定のCDK阻害剤とその投与の方法が添付文書に記載される。本発明のキットの別の特別な側面において、添付文書は、MEK阻害剤を特定して、その投与の方法を記載する。前記キットの1つの態様において、前記異常な細胞増殖は癌であり、限定されないが、肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部位の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、輸卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頚部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織の肉腫、尿道の癌、陰茎癌、前立腺癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊椎軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、または上記癌の1以上の組合せが含まれる。前記キットの別の態様において、前記異常な細胞増殖は良性の増殖性疾患であり、限定されないが、乾癬、良性前立腺肥大症または再狭窄が含まれる。
【0073】
本明細書に使用される句「医薬的に許容される塩」には、他に特定しなければ、本発明の化合物中に存在し得る酸性または塩基性の基の塩が含まれる。本来塩基性である本発明の化合物は、様々な無機酸および有機酸と多種多様な塩を生成することが可能である。そのような塩基性化合物の医薬的に許容される酸付加塩を製造するために使用可能である酸は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[即ち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]のような、無毒の酸付加塩、即ち、薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩を生成するものである。アミノ基のような塩基性部分が含まれる本発明の化合物は、上記に述べた酸に加えて、様々なアミノ酸と医薬的に許容される塩を生成可能である。
【0074】
本来酸性である、本発明の組合せの活性化合物は、様々な薬理学的に許容されるカチオンと塩基性塩を生成することが可能である。そのような塩の例には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、特に、本発明の化合物のカルシウム、マグネシウム、ナトリウムおよびカリウム塩が含まれる。
【0075】
本発明の組合せの活性化合物内に含まれるある種の官能基は、バイオイソステリック基、即ち、元の基に類似した空間または電子の要求性を有するが、異なるかまたは改善された物理化学的特性または他の特性を明示する基に置換可能である。好適な例は、当業者によく知られていて、限定されないが、Patiniら,Chem.Rev,1996,96,3147−3176とそこに引用される参考文献に記載される部分が含まれる。
【0076】
本発明の化合物は不斉中心を有するので、異なるエナンチオマーおよびジアステレオマー形態で存在する。本発明は、本発明の化合物のすべての光学異性体および立体異性体とそれらの混合物の使用に、そしてそれらを利用または含有可能であるすべての医薬組成物と治療の方法に関する。本発明の組合せの化合物は、互変異性体として存在してもよい。本発明は、すべてのそのような互変異性体とその混合物の使用に関する。
【0077】
本発明の主題物質には、1以上の原子が天然に通常見出される原子量または質量数と異なる原子量または質量数を有する原子に置き換えられていること以外は、本明細書に記載の活性化合物について引用されるものと同一である同位体標識化合物とその医薬的に許容される塩、溶媒和物およびプロドラッグも含まれる。本発明の化合物へ取り込み可能である同位体の例には、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、および36Clのような、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が含まれる。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの医薬的に許容される塩は、本発明の範囲内にある。本発明のある種の同位体標識化合物、例えば、Hおよび14Cのような放射活性同位体が取り込まれたものは、薬物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化、即ちHと炭素−14、即ち14Cの同位体は、その製造の容易さと検出可能性のために特に好ましい。さらに、重水素、即ちHのようなより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性より生じるある種の療法上の利点、例えば、in vivo半減期の増加または投与要求量の減少を提供可能であるので、ある状況で好ましい場合がある。一般に、本発明の組合せの同位体標識活性化合物とそのプロドラッグは、当業者によく知られた手順によって製造可能である。
【0078】
本発明には、本発明の組合せの活性化合物のプロドラッグを含有する医薬組成物と、それを投与することにより癌を治療する方法も含まれる。フリーのアミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボン基を有する活性化合物は、プロドラッグへ変換可能である。プロドラッグには、アミノ酸残基、または2以上(例、2、3または4)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が活性化合物のフリーのアミノ、ヒドロキシまたはカルボン酸基へアミドまたはエステル結合により共有結合している化合物が含まれる。アミノ酸残基には、限定されないが、通常3文字記号により明記される20の天然に存在するアミノ酸が含まれ、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、およびメチオニンスルホンも含まれる。追加の種類のプロドラッグも含まれる。例えば、フリーのカルボキシル基は、アミドまたはアルキルエステルとして誘導化可能である。フリーのヒドロキシ基は、Advanced Drug Delivery Reviews,1996,19,115に概説されるように、限定されないが、ヘミスクシネート、リン酸エステル、ジメチルアミノアセテート、およびホスホリルオキシメチルオキシカルボニルが含まれる基を使用して、誘導化してよい。ヒドロキシおよびアミノ基のカルバメートプロドラッグも、ヒドロキシ基の炭酸プロドラッグ、スルホン酸エステルおよび硫酸エステルと同じように、含まれる。ヒドロキシ基の(アシルオキシ)メチルおよび(アシルオキシ)エチルエーテルとしての誘導化{ここでアシル基は、限定されないが、エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基が含まれる基で随意に置換されるアルキルエステルでよく、またはここでアシル基は、上記に記載されるようなアミノ酸エステルである}も含まれる。この種のプロドラッグは、J.Med.Chem.1996,39,10に記載されている。フリーのアミンは、アミド、スルホンアミドまたはホスホンアミドとしても誘導化可能である。これらプロドラッグ部分のいずれも、限定されないが、エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基が含まれる基を取り込み可能である。
【0079】
用語「シナジー」および「相乗的」は、2以上のエフェクターまたは活性剤の組合せが、その効果において各剤単独の活性より少なくとも大きくて、好ましくは少なくとも相加的であることを意味する。より好ましくは、シナジーは、相加的より大きい。より好ましくは、シナジーは、超相加的である。用語「相加的」は、2以上のエフェクターまたは薬剤の組合せの結果が、それぞれのエフェクターまたは薬剤の一緒の合計より大きく、好ましくは、この組合せの相加効果より少なくとも10パーセント大きいことを意味するために使用する。用語「超相加的」は、2以上のエフェクターの組合せの結果が、この組合せの相加効果より少なくとも25パーセント大きいことを意味するために使用する。
【0080】
発明の詳細な説明
定義と略語
他に特定しなければ、本開示は、以下に提供する定義を使用する。
【0081】
用語「癌」には、限定されないが、以下の癌が含まれる:乳房、卵巣、頚部、前立腺、精巣、食道、胃、皮膚、肺、骨、結腸、膵臓、甲状腺、胆管、頬腔および喉頭(口腔)、唇、舌、口、喉頭、小腸、結腸−直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系の癌、膠芽腫、神経芽細胞腫、角化棘細胞腫、表皮癌、大細胞癌、腺癌、腺癌、腺腫、腺癌、濾胞状癌、未分化癌、乳頭癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌、腎癌、骨髄障害、リンパ様障害、ホジキン病、ヘアリー細胞、および白血病。
【0082】
句「医薬的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内にあり、不当な毒性、刺激、アレルギー応答、等を伴わずに患者の組織と接触する使用に適して、妥当な利益/リスク比と釣り合って、その企図される使用に有効な物質に関連する。
【0083】
「リガンド」は、受容体へ結合する低分子を記載するために特に使用する。本発明において重要なリガンドの群は、上皮増殖因子ファミリーの受容体へ結合する、本明細書の上記に記載した抗体である。リガンドは、受容体機能の阻害剤であり得て、アクチベーターの作用のアンタゴニストであり得る。
【0084】
当該技術分野で一般的なある種の略語を自由に使用して、それは文脈で理解されるものである。その中には、薬物動態(PK)、薬力学(PD)、胎仔ウシ血清(FBS)、ペニシリン/ストレプトマイシン(pen/strep)、ロズウェル・パーク・メモリアル研究所(RPMI)、経口(PO)、1日1回(QD)、腹腔内(IP)、皮下(SC)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、PK分析における分析物の最高濃度(Cmax)、そしてPK分析における分析物の平均濃度(Cave)がある。
【0085】
用語「治療すること」は、そのような用語が適用される障害または状態を逆転させる、軽減する、その進行を阻害する、または予防すること、またはそのような障害または状態の1以上の症状を予防することを意味する。
【0086】
用語「治療」は、直前に定義された「治療すること」の行為を意味する。
本明細書に使用する「異常な細胞増殖」は、他に示さなければ、正常な調節機序から独立している細胞増殖(例えば、接触阻害の喪失)に関連する。これには:(1)突然変異したチロシンキナーゼを発現すること、または受容体チロシンキナーゼの過剰発現によって増殖する腫瘍細胞(腫瘍);(2)異常なチロシンキナーゼ活性化が起こる他の増殖性疾患の良性および悪性細胞;(4)受容体チロシンキナーゼによって増殖するあらゆる腫瘍;(5)異常なセリン/トレオニンキナーゼ活性化によって増殖するあらゆる腫瘍;および(6)異常なセリン/トレオニンキナーゼ活性化が起こる他の増殖性疾患の良性および悪性細胞の異常な増殖が含まれる。
【0087】
用語「全体として療法的に有効である」は、治療効果をもたらす組合せ剤の全体用量に関連する。当業者は、本発明には、個別薬剤の量を同時、連続または分離の投薬スケジュールにより適用することを時間調節することが想定されると理解されよう。従って、医師は、成分の集合量に基づいて、投与間の順序やタイムラグと無関係に、治療効果(例えば、腫瘍サイズの低下)を目標とするだろう。
【0088】
表1は、本明細書を通して使用する略語を収載する。
表1.略語
【0089】
【表1】

【0090】
本明細書に使用するサイクリン依存性キナーゼ阻害剤は、既知のサイクリン依存性キナーゼのいずれか、最も好ましくはCDK4/6の活性を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。CDK阻害剤は、当業者に知られた方法によって製造可能である。好ましいCDK4/6阻害剤は、国際特許公開公報WO03/062236(2003年7月31日公開)および米国特許出願60/486,351(2003年7月11日出願)および60/440,805(2003年1月17日出願)に記載される方法によって製造可能である。CDKの製造の他の具体的な方法は、EP1250353、WO02/96888、WO03/076437、WO03/76436、WO03/76434、WO01/64368、米国仮特許出願番号60/491,474および米国仮特許出願番号60/491,474に記載されている。
【0091】
本明細書に使用するシグナル伝達阻害剤(STI)は、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。当業者は、このように定義されるSTIには、増殖因子およびマイトジェン刺激キナーゼシグナル伝達経路阻害剤が含まれることを理解されよう。そのような阻害剤には、低分子、抗体、およびアンチセンス分子も含まれる。そのようなシグナル伝達阻害剤の例には、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、二元特異性キナーゼ阻害剤、脂質キナーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、Bc12阻害剤、p53阻害剤、MDMZ阻害剤、Ras阻害剤およびHsp90阻害剤が含まれる。
【0092】
そのような薬剤を製造するための方法は、文献において、そして当業者によく知られている。
二元特異性キナーゼ阻害剤には、MEK阻害剤が含まれる。
【0093】
本明細書に使用するMEK阻害剤は、MEK1またはMEK2の活性を阻害することによって、細胞の成長、増殖および生存を促進するシグナル伝達経路に対する直接効果をもたらす阻害剤を意味する。そのような最も好ましいMEK阻害剤の例には、2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−シクロプロピルメトキシ−3,4−ジフルオロ−ベンズアミドとN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドが含まれる。2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−シクロプロピルメトキシ−3,4−ジフルオロ−ベンズアミドとN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドは、選択的MEK1およびMEK2阻害剤である。選択的MEK1またはMEK2阻害剤は、MKK3、ERK、PKC、Cdk2A、ホスホリラーゼキナーゼ、EGFおよびPDGF受容体キナーゼ、およびC−srcのような他の酵素を実質的に阻害することなく、MEK1またはMEK2酵素を阻害する化合物である。一般に、選択的MEK1またはMEK2阻害剤は、上記に列挙した他の酵素の1つについてのそのIC50の少なくとも50分の1(1/50)である、MEK1またはMEK2についてのIC50を有する。選択阻害剤は、上記に列挙した他の酵素の1以上についてのそのIC50の少なくとも1/100、1/500、または1/1000、1/5000以下でさえあるIC50を有する場合がある。
【0094】
MEK阻害剤である化合物は、MEK阻害を測定する、当業者に知られたアッセイを使用することによって決定可能である。例えば、MEK阻害は、米国特許第5,525,625号、6列、35行より始まる「酵素アッセイ(Enzyme Assays)」と題されたアッセイを使用して決定可能である。米国特許第5,525,625号の完全な開示が参照により本明細書に組み込まれる。具体的には、化合物が米国特許第5,525,625号の6列36行〜7列4行の「MAPキナーゼ経路の阻害剤のカスケードアッセイ(Cascade Assay for Inhibitors of the MAP Kinase Pathway)」と題されたアッセイにおいて活性を示せば、および/または上記参照特許の7列4〜27行の「インビトロMEKアッセイ(In Vitro MEK Assay)」と題されたアッセイにおいて活性を示せば、その化合物はMEK阻害剤である。あるいは、MEK阻害は、その完全な開示が参照により本明細書に組み込まれる、WO02/06213 A1に記載されるアッセイにおいて測定可能である。
【0095】
MEK阻害剤を本発明に従って製造する方法の例には、限定されないが、以下のPCT公開公報:WO99/01426、WO99/01421、WO00/42002、WO00/42022、WO00/41994、WO00/42029、WO00/41505、WO00/42003、WO01/68619、およびWO02/06213に開示される方法が含まれる。
【0096】
本発明の別のMEK阻害剤の態様には、当業者によく知られた方法によって製造可能である化合物:1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノ−1,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエン(U−0126)が含まれる。
【0097】
セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤には、Rafキナーゼ阻害剤、Akt阻害剤およびmTOR阻害剤が含まれる。
Rafキナーゼ阻害剤は、WO03/68223(2003年8月21日公開)、WO03/82272(2003年10月9日公開)、WO03/22840(2003年3月20日公開)、WO03/22838(2003年3月20日公開)、WO03/22837(2003年3月20日公開)、WO03/22836(2003年3月20日公開)、およびWO03/22833(2003年3月20日公開)に記載の方法によって製造可能である。
【0098】
Akt阻害剤は、ヨーロッパ特許公開公報EP1379251、並びに国際特許公開公報WO03/86403、WO03/86394およびWO03/86279(いずれも2003年10月23日公開)に記載の方法に従って製造可能である。
【0099】
mTOR阻害剤は、ヨーロッパ特許648,494、国際特許公開公報WO03/64383、WO96/41865、WO99/36533、WO01/14387;並びに米国特許第5,525,610、5,310,903、5,362,718および5,527,907号に記載の方法に従って製造可能である。そのような阻害剤の例には、ラパマイシン類、好ましくはラパマイシン、CCI779、Rad001およびArry142886が含まれる。
【0100】
チロシンキナーゼSTI阻害剤には、限定されないが、bcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤、PDGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、erbB阻害剤、VEGF−R阻害剤、FGFR阻害剤およびIGF1−R阻害剤が含まれる。
【0101】
Bcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤は、当業者によく知られた方法によって製造可能である。具体的な方法は、ヨーロッパ特許公開公報564,409(2000年1月19日発行)に記載されている。そのような阻害剤の例には、Gleevecが含まれる。
【0102】
PDGFR阻害剤は、当業者によく知られた方法によって製造可能である。具体的な方法は、米国特許出願:09/221946(1998年12月28日出願);09/454058(1999年12月2日出願);09/501163(2000年2月9日出願);09/539930(2000年3月31日出願、);09/202796(1997年5月22日出願);09/384339(1999年8月26日出願);および09/383755(1999年8月26日出願)に記載されている。他の方法は、米国仮特許出願:60/168207(1999年11月30日出願);60/170119(1999年12月10日出願);60/177718(2000年1月21日出願);60/168217(1999年11月30日出願)、および60/200834(2000年5月1日出願)に記載されている。
【0103】
c−Kit阻害剤は、当業者によく知られた方法によって製造可能である。具体的な方法は、国際特許公開公報WO03/028711(2003年4月10日公開)とWO03/002114(2003年1月9日公開)に記載されている。
【0104】
erbB阻害剤には、erbB1および/またはerbB2阻害剤が含まれる。数多くのそのような化合物が現在臨床試験下にあり、その製造の方法は、当業者によく知られている。
【0105】
EGFR(Erbb1)阻害剤とその製造の方法は、例えば、WO95/19970(1995年7月27日公開)、WO98/14451(1998年4月9日公開)、WO98/02434(1998年1月22日公開)、および米国特許第5,747,498号(1998年5月5日発行)に記載されている。EGFR阻害剤には、限定されないが、モノクローナル抗体:C225および抗EGFR22Mab(ImClone Systems社、ニューヨーク州ニューヨーク、アメリカ)、化合物:ZD−1839(アストラゼネカ)、BIBX−1382(ベーリンガーインゲルハイム)、MDX−447(Medarex社、ニュージャージー州アナンデール、アメリカ)、およびOLX−103(メルク社、ニュージャージー州ホワイトハウスステーション、アメリカ)、VRCTC−310(Ventech Research)およびEGF融合毒素(セラージェン社、マサチューセッツ州ホプキントン)が含まれる。
【0106】
erbB2阻害剤は、そのいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる、WO98/02434(1998年1月22日公開)、WO99/35146(1999年7月15日公開)、WO99/35132(1999年7月15日公開)、WO98/02437(1998年1月22日公開)、WO97/13760(1997年4月17日公開)、WO95/19970(1995年7月27日公開)、米国特許第5,587,458号(1996年12月24日発行)、および米国特許第5,877,305号(1999年3月2日発行)に記載される方法によって製造可能である。erbB2受容体阻害剤とその製造の方法は、そのいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願番号60/117,341(1999年1月27日出願)と米国仮特許出願番号60/117,346(1999年1月27日出願)にも記載されている。他のerbb2受容体阻害剤には、TAK−165(武田薬品)とGW−572016(グラクソウェルカム)が含まれる。汎erBB阻害剤(pan−erBB inhibitor)(erbB1とerbB2に有効である)とその製造の方法は、米国特許第5,464,861号(1995年11月17日発行)、5,654,307号(1997年8月5日発行)、6,344,459号(2002年2月5日発行)、6,127,374号(2000年10月3日発行)、6,153,617号(2000年11月28日発行)、6,344,455号(2002年2月5日発行)、6,664,390号(2003年12月16日発行)、および国際特許公開公報WO02/00630(2002年1月3日公開)に記載されている。
【0107】
erbB2受容体阻害剤には、GW−282974(グラクソウェルカム社)、モノクローナル抗体:AR−209(Aronex Pharmaceuticals社、テキサス州ウッドランズ、アメリカ)および2B−1(カイロン)、Herceptin,2C4、およびペルツズマブが含まれる。
【0108】
癌の治療に有用なある種の他のerbB2阻害剤が、その開示がそのまま本明細書に組み込まれるWO01/98277に開示されている。スチレン誘導体のような様々な他の化合物も、チロシンキナーゼ阻害特性を保有することが示された。より最近、5つのヨーロッパ特許公開公報、即ちEP0566226 A1(1993年10月20日公開)、EP0602851 A1(1994年6月22日公開)、EP0635507 A1(1995年1月25日公開)、EP0635498 A1(1995年1月25日公開)、およびEP0520722 A1(1992年12月30日公開)は、ある種の二環系誘導体、特にキナゾリン誘導体を製造する方法に関連する。また、国際特許出願WO92/20642(1992年11月26日公開)は、ある種のビス−モノおよび二環系アリールおよびヘテロアリールチロシンキナーゼ阻害化合物を製造する方法に関連して、それらが異常な細胞増殖を阻害するのに有用であると述べている。国際特許出願WO96/16960(1996年6月6日公開)、WO96/09294(1996年3月6日公開)、WO97/30034(1997年8月21日公開)、WO98/02434(1998年1月22日公開)、WO98/02437(1998年1月22日公開)、およびWO98/02438(1998年1月22日公開)も、置換された二環系複素芳香族誘導体を同じ目的に有用であるチロシンキナーゼ阻害剤として言及する。抗癌化合物に関連する他の特許出願は、米国特許出願番号09/488,350(2000年1月20日出願)と09/488,378(2000年1月20日出願)であり、そのいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
本発明のerbB2化合物を製造するのに参照可能である一般的な合成法は、米国特許第5,747,498号(1998年5月5日発行)、米国特許出願番号08/953078(1997年10月17日出願)、WO98/02434(1998年1月22日公開)、WO98/02438(1998年1月22日公開)、WO96/40142(1996年12月19日公開)、WO96/09294(1996年3月6日公開)、WO97/03069(1997年1月30日公開)、WO95/19774(1995年7月27日公開)およびWO97/13771(1997年4月17日公開)に提供される。追加の手順は、米国特許出願番号09/488,350(2000年1月20日出願)および09/488,378(2000年1月20日出願)が参照になる。上述の特許および特許出願は、そのまま参照により本明細書に組み込まれる。ある種の出発材料は、当業者に馴染みの方法に従って製造可能であり、ある種の合成の修飾は、当業者に馴染みの方法に従って実行可能である。6−ヨードキナゾリノンを製造するための標準手順は、Stevenson,T.M.,Kazmierczak,F.,Leonard,N.J.,J.Org.Chem.1986,51,5,p.616に提供される。パラジウム触媒によるボロン酸カップリングは、Miyaura,N.,Yanagi,T.,Suzuki,A.Syn.Comm.1981,11,7,p.513に記載されている。パラジウム触媒によるHeckカップリングは、Heckら,Organic Reactions,1982,27,345またはCabriら,Acc.Chem.Res.1995,28,2に記載されている。末端アルキンのハロゲン化アリールへのパラジウム触媒カップリングの例については:Castroら,J.Org.Chem.1963,28,3136.またはSonogashiraら,Synthesis,1977,777を参照のこと。末端アルキン合成は、Colvin,E.W.J.ら,Chem.Soc.Perkin Trans.I,1977,869;Gilbert,J.C.ら,J.Org.Chem.,47,10,1982;Hauske,J.R.ら,Tet.Lett.,33,26,1992,3715;Ohira,S.ら,J.Chem.Soc.Chem.Commun.,9,1992,721;Trost,B.M.J.Amer.Chem.Soc.,119,4,1997,698;またはMarshall,J.A.ら,J.Org.Chem.,62,13,1997,4313に記載されるように、適切に置換/保護されたアルデヒドを使用して実施可能である。
【0110】
あるいは、末端アルキンは、2工程手順により製造可能である。はじめに、Nakatani,K.ら,Tetrahedron,49,9,1993,1901のように、適切に置換/保護されたアルデヒドへTMS(トリメチルシリル)アセチレンのリチウムアニオンを付加する。次いで、Malacria,M.;Tetrahedron,33,1977,2813;またはWhite,J.D.ら,Tet.Lett.,31,1,1990,59にあるように、後続の塩基による脱保護化を使用して、中間体の末端アルキンを単離することができる。
【0111】
出発材料は、その合成について上記に具体的には記載しないが、市販品が利用可能であるか、または当業者によく知られた方法を使用して製造可能である。
erbB2への抗体は知られていて、治療有用性がある。米国特許第5,725,856号は、erbB2(HER2)受容体の細胞外ドメインへ結合する抗体を投与することによる治療へ一部向けられる。米国特許第5,677,171号は、HER2受容体へ結合するモノクローナル抗体へ向けられる。米国特許第5,720,954号は、細胞傷害因子とHER2受容体への抗体の使用による治療へ向けられる。米国特許第5,770,195号は、腫瘍細胞の増殖を阻害することへ向けられる。米国特許第6,165,464号は、HER2受容体へ結合する単離ヒト抗体へ向けられる。米国特許第6,387,371号は、抗体と癌細胞増殖を抑制する因子を投与することによって癌を治療する方法へ向けられる。
【0112】
erbB遺伝子は、erbB1、erbB2、erbB3、erbB4、またはこれらの組合せであり得る。1つの側面において、遺伝子は、erbB1である。別の側面において、遺伝子は、erbB2である。なお別の側面において、遺伝子は、erbB3である。さらに別の側面において、遺伝子は、erbB4である。
【0113】
本発明の1つの側面において、上記抗体は、上記タンパク質の細胞外ドメインを認識可能である。
VEGF阻害剤は、例えば、WO99/24440(1999年5月20日公開)、PCT国際出願PCT/IB99/00797(1999年5月3日出願)、WO95/21613(1995年8月17日公開)、WO99/61422(1999年12月2日公開)、米国特許第5,834,504号(1998年11月10日発行)、WO98/50356(1998年11月12日公開)、米国特許第5,883,113号(1999年3月16日発行)、米国特許第5,886,020号(1999年3月23日発行)、米国特許5,792,783(1998年8月11日発行)、WO99/10349(1999年3月4日公開)、WO97/32856(1997年9月12日公開)、WO97/22596(1997年6月26日公開)、WO98/54093(1998年12月3日公開)、WO98/02438(1998年1月22日公開)、WO99/16755(1999年4月8日公開)、およびWO98/02437(1998年1月22日公開)に記載される方法によって製造可能であり、このいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる。WO01/02369(2001年1月11日公開);米国仮特許出願番号60/491,771(2003年7月31日出願);米国仮特許出願番号60/460,695(2003年4月3日出願);およびWO03/106462A1(2003年12月24日公開)。VEGF阻害剤を製造する方法の他の例は、国際特許公開公報WO99/62890(1999年12月9日公開)、WO01/95353(2001年12月13日公開)、およびWO02/44158(2002年6月6日公開)に記載されている。ある特定のVEGF阻害剤の他の例(IM862(Cytran社、ワシントン州カークランド、アメリカ);Avastin(抗VEGFモノクローナル抗体、ジェネンテク社、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ);およびアンジオザイム(Ribozyme(コロラド州ボルダー)およびカイロン(カリフォルニア州エメリヴィル)からの合成リボザイム)が含まれる)を製造する方法は、当業者によく知られている。
【0114】
シグナル伝達阻害剤は、広い集合の阻害剤を含む。これらの阻害剤のほとんどは、チロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤のいずれかである。しかしながら、チロシンキナーゼ阻害剤でもセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤でもない、少数のSTIがある。そのような阻害剤の例には、二元特異性キナーゼ阻害剤、脂質キナーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、Bc12阻害剤、p53阻害剤、MDMZ阻害剤、Ras阻害剤、Hsp90阻害剤、K−Ras阻害剤およびTGFβ−R阻害剤が含まれる。そのような阻害剤は、当業者によく知られた方法によって製造可能である。
【0115】
PI3キナーゼ阻害剤は、当業者によく知られた方法によって製造可能である。具体的な方法は、WO01/81346;WO01/53266;およびWO01/83456、米国特許出願番号10/730,680(2003年12月8日出願);米国特許出願番号10/743,852(2003年12月22日出願);米国仮特許出願番号60/475,970(2003年6月5日出願);米国仮特許出願番号60/475,992(2003年6月5日出願);米国仮特許出願番号60/476,073(2003年6月5日出願);米国仮特許出願番号60/476,251(2003年6月5日出願);米国仮特許出願番号60/475,971(2003年6月5日出願);および米国仮特許出願番号60/476,057(2003年6月5日出願)に記載されている。本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、該方法は、(i)上記に定義される第一のSTI化合物の治療有効量、および(ii)上記に定義される第二のSTI化合物の治療有効量の両方を、どの順序でも連続的に、または同時に、そのような治療の必要な前記哺乳動物へ投与することを含んでなる。好ましい態様において、本発明の方法は、癌を有するヒトを治療することを含み、該方法は、(i)上記に定義される第一のSTI化合物の治療有効量、および(ii)上記に定義される第二のSTI化合物の治療有効量の両方を、どの順序でも連続的に、または同時に、そのような治療の必要な前記ヒトへ投与することを含んでなる。
【0116】
癌は、固形癌であってよい。特別な側面において、癌は、固形腫瘍ではなく、例えば、白血病またはリンパ腫が含まれる。固形癌の体積は、本発明の方法の投与時に減少する可能性がある。
【0117】
STIが抗体である場合、それは、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。特別な側面において、抗体は、モノクローナル抗体である。従って、抗体は、Herceptin、2C4、およびペルツズマブからなる群より選択可能である。1つの態様において、抗体は、ペルツズマブである。別の態様において、抗体は、2C4である。なお別の態様において、抗体は、Herceptinである。
【0118】
投与するHerceptinの量は、約2mg未満/kg/週であり得る。1つの側面において、投与するHerceptinの量は、約0.6mg/kg/週である。該抗体は、週に少なくとも約1回投与可能である。別の側面において、該抗体は、2週に約1回投与可能である。
【0119】
本発明の方法は、特異的なSTI遺伝子の増幅、STIタンパク質の過剰発現、またはその両方を特徴とする癌に有用であり得る。1つの側面において、STI遺伝子、STIタンパク質、またはその両方は、CDK4/6である。過剰発現は、+2または+3レベルを特徴とする場合がある。当該技術分野のどの標準法も、増幅または過剰発現のレベルを測定するために使用可能である。例えば、過剰発現は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)により測定可能である。有利な方法がCoussensら,Science 230,1132(1032)に記載されている。過剰発現は、免疫組織化学(IHC)により測定可能である。有利な方法が、やはりCoussensら,同上に記載されている。あるいは、STIの過剰発現のレベルは、IHCによる明確な測定の使用なしに、むしろ患者の既往歴、身体診断、または診断の他の要素に基づいて、臨床観察より推量される。
【0120】
抗体は、有利には、抗体依存性細胞の細胞傷害性メディエーターであり得る。
本発明の方法の1つの側面において、本組合せは、少なくともほぼ毎日投与される。別の側面において、本発明の組合せは、毎日少なくとも約2回投与される。第一の化合物の治療有効量は、約25mg/kg/日であり得る。別の側面において、第一の化合物の治療有効量は、約50mg/kg/日である。
【0121】
本発明の組合せは、経口的、頬内、舌下、膣内、十二指腸内、非経口的、局所的、または直腸に投与可能である。本製剤は、好ましくは、特別な投与形式へ適用される。本発明の抗体組合せは、本組合せの他の化合物と実質的に同時に投与可能である。本組合せの個別成分の製剤は、各剤の特性と、投与者により望まれる所望の薬理学的効果に依存する。
【0122】
本発明の方法は、ヒトへ適用可能である。非ヒトも治療可能である。例えば、哺乳動物は、ウマであり得る。
本発明の方法は、雌性の哺乳動物への投与に有用である。本方法は、雄(オス)にも有用であり得る。哺乳動物は、成体であり得る。別の側面において、幼児、小児、青年、または高齢者が本発明の方法で治療可能である。
【0123】
本発明の方法は、多種多様な異常な細胞増殖状態へ適用可能である。1つの側面において、本方法およびキットは、有利にも、癌へ適用可能である。癌は:肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部位の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、輸卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頚部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織の肉腫、尿道の癌、陰茎癌、前立腺癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊椎軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、または上記癌の1以上の組合せからなる群より選択可能である。他の癌も、本発明の方法での治療に感受性があるかもしれない。1つの側面において、癌は、卵巣癌および乳癌からなる群より選択される。別の側面において、癌は、乳癌である。
【0124】
本発明の方法は、例えば、哺乳動物が化学療法剤のクールを受けたかまたは受けている場合のアジュバント療法へも適用可能である。そのような側面において、残存する癌は、最小の残余疾患であってよい。別の側面において、本発明の方法は、予防手段として適用可能である。従って、例えば、本方法は、測定可能な疾患が検出され得ない、癌寛解中の哺乳動物へ適用可能である。
【0125】
本発明の方法の1つの側面において、活性剤の量は、治療シナジーをもたらすのに少なくとも十分である。結果において、本発明の方法の工程の組合せは、各剤単独に比較して、癌の改善された治療法である。
【0126】
本発明はまた、癌の治療用に同時または連続投与される、(a)上記に記載される第一の薬剤と、(b)(a)とともに包装される添付文書を含んでなるキットを含む。従って、添付文書は、投与の形式を詳しく説明して、保証することができる。
【0127】
キットの1つの側面において、添付文書は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤とSTIの投与を特定する。有利にも、添付文書は、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの投与を特定する。キットの別の特別な側面において、キットは、2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−シクロプロピルメトキシ−3,4−ジフルオロ−ベンズアミドまたはN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドの投与をさらに含む。さらに、キットは、上記の活性剤を(乾燥状態で提供されれば)復元させるための液体を含んでよい。
【0128】
本組合せ発明の化合物は、癌遺伝子および癌原遺伝子のタンパク質チロシンキナーゼの強力なST阻害剤であるので、いずれも、哺乳動物、特にヒトにおける抗増殖剤(例えば、抗癌剤)としての療法使用に適用される。特に、本発明の化合物は、腎臓、膀胱、乳房、胃、卵巣、結直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰、甲状腺、肝臓の癌腫、肉腫、膠芽腫、頭頚部、並びに、皮膚の良性過形成(例、乾癬)と前立腺の良性過形成(例、BPH)のような他の過形成状態という悪性および良性の腫瘍といった、多様なヒトの過剰増殖障害の予防および治療に有用である。さらに、本発明の方法およびキットは、ある範囲の白血病およびリンパ様悪性腫瘍に対して有効であり得ると予測される。
【0129】
本組合せ発明の化合物は、様々なタンパク質チロシンキナーゼに関連した異常な発現リガンド/受容体相互作用または活性化またはシグナル伝達のイベントが関与している、追加の障害の治療にも有用であり得る。そのような障害には、特定のSTIの異常な機能、発現、活性化またはシグナル伝達が関与している、神経細胞、神経膠、星状細胞、下垂体、および他の腺、マクロファージ、上皮、支質、および胞胚腔の本質の障害が含まれる場合がある。さらに、本発明の活性化合物は、本発明の化合物により阻害される、同定されたチロシンキナーゼとまだ未同定のチロシンキナーゼの両方が関与する炎症、血管新生および免疫系の障害に治療有用性を有する可能性がある。
【0130】
開示される活性化合物には、すべての医薬的に許容される同位体バリエーションが含まれる。同位体バリエーションは、少なくとも1つの原子が、同じ原子数でありながら、天然に通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子に置き換えられている化合物である。有用な同位体には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素、および塩素の同位体が含まれる。このように、例示の同位体には、限定なしに、H、H、13C、14C、15N、17O、18O、32P、35S、18F、および36Clが含まれる。
【0131】
重水素、即ちHのような同位体での開示化合物の置換は、より大きな代謝安定性より生じるある種の療法上の利点、例えば、in vivo半減期の増加または投与要求量の減少を提供可能であるので、ある状況でより有用な場合がある。さらに、ある種の同位体バリエーション、例えば、放射活性同位体を取り込むものは、薬物および/または基質の組織分布試験に有用である。放射活性同位体のトリチウム(即ち、H)と炭素−14(即ち、14C)は、その取込みの容易さと容易な検出の手段に照らして、この目的に特に有用である。
【0132】
一般に、開示化合物の同位体バリエーションは、好適な試薬の適切な同位体バリエーションを使用して、当業者に知られた慣用技術によるかまたは付帯の実施例の記載に類似した方法によって製造可能である。開示化合物の医薬的に許容される溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体(例えば、DO、d−アセトン、d−DMSO)で置換可能であるものが含まれる。
【0133】
開示される活性化合物は、結晶品として投与しても、非結晶品として投与してもよい。それらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、スプレー乾燥、または蒸発乾燥のような方法によって、例えば、固体プラグ剤、散剤、またはフィルム剤として入手可能である。マイクロ波または高周波乾燥もこの目的に使用可能である。
【0134】
開示される組合せは、単独で投与しても他の薬物と組み合わせて投与してもよく、一般には、1以上の医薬的に許容される賦形剤と一緒の製剤として投与されるものである。用語「賦形剤」は、本明細書に記載する活性剤とその塩以外のあらゆる成分を記載する。賦形剤の選択は、特別な投与の形式に大いに依存する。
【0135】
開示化合物は、経口で投与可能である。経口投与は、化合物が胃腸管に入るような嚥下を伴う場合があり、化合物が口から直接血流に入る頬内または舌下の投与も利用可能である。
【0136】
経口投与に適した製剤には、錠剤、粒子を含有するカプセル剤、液剤、または散剤、甘味入り錠剤(液体充填されたものが含まれる)、噛み剤、多粒子およびナノ粒子剤、ゲル剤、固溶体剤、リポソーム剤、フィルム剤(粘液吸着剤が含まれる)、膣坐剤、スプレー剤のような固体製剤と液体製剤が含まれる。液体製剤には、懸濁液剤、溶液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。そのような製剤は、軟または硬カプセル剤中の充填剤として利用可能であり、典型的には、担体、例えば、水、EtOH、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または好適なオイルと、1以上の乳化剤および/または懸濁剤を含む。液体製剤は、例えば、サシェ剤からの固形物の復元によっても調製可能である。
【0137】
開示化合物は、LiangおよびChen,Expert Opinion in Therapeutic Patents(2001)11(6):981−986に記載されるような、速溶解性、速崩壊性の剤形においても使用可能である。
【0138】
錠剤剤形では、用量に依存して、薬物は、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的には、剤形の5重量%〜60重量%を構成可能である。薬物に加えて、錠剤は、一般に、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、ナトリウムデンプングリコグリコラート、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ゼラチン化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を含むものである。
【0139】
一般に、結合剤は、錠剤製剤へ凝集特性を付与するために使用する。好適な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤は、乳糖(一水和物、スプレー乾燥一水和物、無水物、等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、および二塩基性リン酸カルシウム二水和物のような希釈剤も含有してよい。
【0140】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80のような界面活性剤と、二酸化シリコンおよびタルクのような流動化剤も随意に含んでよい。存在するとき、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%〜5重量%を含んでよく、そして流動化剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%を含んでよい。
【0141】
一般に、錠剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムとステアリン酸マグネシウムの混合物のような滑沢剤も含有する。一般に、滑沢剤は、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を含む。他の成分には、保存剤、抗酸化剤、芳香剤、および着色剤を含めてよい。
【0142】
錠剤混和物を直接圧縮して錠剤を生成可能である。あるいは、錠剤混和物または混和物の部分を錠剤化の前に湿式、乾式、または溶解造粒、溶解凝固、または押出し成形してよい。最終製剤は、1以上の層を含んでよく、コートされてもコートされなくてもよい。例示の錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、約0.25重量%〜約10重量%の滑沢剤を含有する。錠剤の製剤化に関する追加の詳細については、H.LiebermanおよびL.Lachman,「医薬剤形:錠剤(Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets)」第1巻(1980)を参照のこと。
【0143】
経口投与用の固体製剤は、即時および/または修飾放出であるように製剤化可能である。修飾放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的指向、およびプログラムされた放出が含まれる。好適な修飾放出製剤の一般的な記載については、米国特許第6,106,864号を参照のこと。高エネルギー分散液剤と浸透およびコート化粒子のような他の有用な放出技術の詳細については、Vermaら,Pharmaceutical Technology On−line(2001)25(2):1−14を参照のこと。制御放出を達成するチューインガム剤の使用の考察については、WO00/35298を参照のこと。
【0144】
開示化合物はまた、血流、筋肉、または内臓へ直接投与可能である。非経口投与に適した手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下が含まれる。非経口投与に適したデバイスには、針(ミクロ針が含まれる)注射器、無針注射器、および注入技術が含まれる。
【0145】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物、および緩衝剤(好ましくは、3〜9のpHへ)のような賦形剤を含有可能である水溶液剤であるが、ある応用では、それらは、より好適にも、無菌の非水系溶液剤として、または発熱物質を含まない滅菌水のような好適な担体とともに使用すべき乾燥型として製剤化可能である。例えば、凍結乾燥による、無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られた標準の調剤技術を使用して、容易に達成可能である。
【0146】
非経口溶液剤の調製に使用する開示化合物の溶解性は、溶解増強剤の取込みのような、適切な製剤化技術の使用により高めてよい。非経口投与用の製剤は、上記に記載のように、即時および/または修飾放出であるように製剤化可能である。このように、開示化合物は、活性化合物の長期放出をもたらす埋込みデポー剤としての投与のために、より固体の形態で製剤化可能である。
【0147】
本発明の化合物はまた、皮膚または粘膜へ皮内または経皮的に局所投与可能である。この目的に典型的な製剤には、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤、微細散剤、包帯剤、泡沫剤、フィルム剤、皮膚パッチ剤、ウェファー剤、インプラント、スポンジ、ファイバー、バンデージ、およびミクロエマルジョンが含まれる。リポソーム剤も使用可能である。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが含まれる。局所製剤には、浸透エンハンサーも含めてよい。例えば、FinninおよびMorgan,J Pharm Sci(1999)88(10):955−958を参照のこと。
【0148】
局所投与の他の手段には、イオントフォレーシス、エレクトロポレーション、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、および無針(例、POWDERJECT)またはマイクロ針注射による送達が含まれる。局所投与用の製剤は、上記に記載のように、即時および/または修飾放出であるように製剤化可能である。
【0149】
開示化合物はまた、典型的には、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末の形態で(例えば、乳糖との乾燥混和物中の混合物として単独で、または、例えばリン脂質と混合した混合成分粒子として)、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微霧を産生するアトマイザー)またはネブライザーからのエアゾールスプレー剤として、ジクロロフルオロメタンのような好適な推進剤の使用を伴うかまたは伴わずに、鼻腔内または吸入により投与可能である。加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、活性化合物、活性化合物を分散、可溶化するか、またはその放出を延長させるための薬剤(例、EtOHまたは水性EtOH)、1以上の溶媒(推進剤として役立つ)、および、ソルビタントリオレエートまたはオリゴ乳酸のような随意の界面活性剤を含む溶液剤または懸濁液剤を含有する。
【0150】
乾燥粉末または懸濁液の製剤での使用に先立って、医薬品は、吸入による送達に適したサイズ(典型的には、5ミクロン未満)へ微小化する。これは、螺旋ジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を生成する超臨界流体加工、高圧ホモジェナイゼーション、またはスプレー乾燥のような、どの適切な粉砕法によっても達成可能である。
【0151】
吸入器または通気器での使用のためのカプセル剤、ブリスター剤、およびカートリッジ剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースより作製される)は、活性化合物、乳糖またはデンプンのような好適な粉末基剤、およびL−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムのような機能改善剤の粉末ミックスを含有するように製剤化可能である。乳糖は、無水物であっても、好ましくは、一水和物であってもよい。他の好適な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖およびトレハロースが含まれる。
【0152】
電気水力学を使用して微霧を産生するアトマイザーにおける使用に適した溶液製剤は、1回の作動につき本発明の化合物の1μg〜20mgを含有可能であり、作動量は、1μl〜100μlで変動可能である。典型的な製剤は、式1または式2の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、EtOH、およびNaClを含む場合がある。プロピレングリコールの代わりに使用可能である代替溶媒には、グリセロールとポリエチレングリコールが含まれる。
【0153】
吸入/鼻腔内投与用の製剤は、例えば、ポリ(DL−乳酸−コグリコール酸)(PGLA)を使用して、即時および/または修飾放出であるように製剤化可能である。メントールおよびレボメントールのような好適な芳香剤、またはサッカリンまたはサッカリンナトリウムのような甘味剤も、吸入/鼻腔内投与に企図される製剤へ加えてよい。
【0154】
乾燥粉末吸入器およびエアゾール剤の場合、投与量単位は、目盛量を送達する栓の手段により定量される。本発明による単位は、典型的には、100〜1000μgの有効医薬成分を含有する目盛量または「パフ」を投与するように設定される。全体の1日量は、典型的には、100μg〜10mgの範囲にあり、これは、単回用量で投与しても、より通常は、1日を通した分割用量として投与してもよい。
【0155】
活性化合物は、例えば、坐剤、ペッサリー剤、または浣腸剤の形態で、直腸または膣より投与可能である。ココア脂が従来の坐剤基剤であるが、様々な代替品も適宜使用可能である。直腸/膣投与用の製剤は、上記に記載のように、即時および/または修飾放出であるように製剤化可能である。
【0156】
開示化合物はまた、典型的には、等張のpH調整された無菌生理食塩水中の微小化懸濁液または溶液の滴剤の形態で、目または耳へ直接投与可能である。目または耳への投与に適した他の製剤には、軟膏剤、生物分解性(例えば、吸収可能ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生物分解性(例、シリコーン)インプラント、ウェファー剤、レンズ、およびニオソームまたはリポソームのような粒子または小胞系が含まれる。架橋連結ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸のようなポリマー、セルロースポリマー(例、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはメチルセルロース)、またはヘテロ多糖ポリマー(例、ゲランゴム)も、塩化ベンスアルコニウムのような保存剤と一緒に取り込んでよい。そのような製剤は、イオントフォレーシスによっても送達可能である。目/耳への投与用の製剤は、上記に記載のように、即時および/または修飾放出であるように製剤化可能である。
【0157】
開示化合物は、その溶解性、溶解速度、味マスキング、バイオアベイラビリティおよび/または安定性を改善するために、シクロデキストリンまたはポリエチレングリコール含有ポリマーのような可溶性の高分子実体と組み合わせてよい。薬物−シクロデキストリン複合体は、例えば、ほとんどの剤形および投与経路に概ね有用であることがわかっている。封入複合体と非封入複合体のいずれも使用可能である。薬物との直接の複合化に代わるものとして、シクロデキストリンは、補助添加剤として、即ち、担体、希釈剤、または可溶化剤として使用可能である。これらの目的には、α、β、およびγ−シクロデキストリンが通常使用される。例えば、国際特許出願WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148を参照のこと。
【0158】
本組合せ発明の個々の化合物の用量は、1日につきほぼ0.01mg/kg〜ほぼ100mg/kg(体重)で変動する。典型的な成人用量は、1日につきほぼ0.1mg〜ほぼ3000mgである。単位用量調製物中の有効成分の量は、有効成分の特別な適用および力価に従って、ほぼ0.1mg〜ほぼ500mg、好ましくは約0.6mg〜100mgで変動または調整可能である。組成物は、所望されるならば、他の適合可能な治療薬剤も含有してよい。治療の必要な被検者には、1日につき約0.6〜約500mgの投与量を、単回用量で、または24時間の期間にわたる頻回用量で投与する。このような治療は、必要である間は、継続的な間隔で反復可能である。
【0159】
以下のプロトコールは、本発明の組合せの効力を実証する。
進行期ヒト乳癌:MDA−MB−435に対する、標準剤タキソテール(Taxotere)との組合せにおけるCDK−4阻害剤の化学療法評価
目的:固形ヒト異種移植片MDA−MB−435に対して、2つの組合せスケジュールにおいて、CDK−4阻害剤および標準剤タキソテールを単剤と合剤の両方で投与したときのin vivo効力を定量する。
【0160】
方法:400匹の雌性SCIDマウスをCharles River Breeding Laboratoriesより2003年2月11日に入手した。マウスは、到着時に、21〜28日齢であった。すべての動物を試験の開始に先立って検査して、それらが健康であることを確かめて、実験環境へ馴化させた。マウスを防護施設に収容して、12時間の明/暗周期で食餌と水を自由に提供した。動物を各ケージ5匹で収容したが、腫瘍プールでは、試験群へ無作為化するときに、各ケージ4匹で収容した。動物のケアは、AAALACガイドラインに準拠して提供した。動物に関わるすべてのプロトコールは、動物のケアおよび使用に関する施設内委員会により検討されて、承認された。
【0161】
0日目(2003年2月20日)、すべてのマウス(18〜22g)に、1000mg重量の腫瘍よりほぼ30mgのMDA−MB−435腫瘍断片の皮下(SC)インプラントを与えた。この固形ヒト腫瘍モデル、MBA−MB−435(乳癌)は、細胞系より発達させて、SCIDマウスで維持した。この腫瘍モデルを、腫瘍断片のSCインプラントとして連続的に継代した。この試験の腫瘍源は、MDA−MB−435/14(T,1−29−03)であった。
【0162】
腫瘍断片が200〜250mgのサイズに達したときに、処置を開始した。動物を無作為化してから、8匹のマウスの24群へソートした。処置を開始した日と処置の間3〜4日ごとに、動物をそれぞれ秤量して、腫瘍を測定した。平均の群重量に従って、投薬溶液を計算した。薬物調製シートに従って、そして化学療法の薬物調製データシートに記載されるように、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンとタキソテールを調製した。これらの化合物を、単剤として、そして2つの異なるスケジュールで投与した。1組の動物には、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンをはじめに5日間投薬して、その後24時間のうちに標準剤(タキソテール)の1回IV用量を続けた。第2組には、標準剤(タキソテール)の1回用量を投薬して、24時間のうちに5回の1日用量の6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンを続けた。これらのスケジュールを3回繰り返した。6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの溶液剤は、処置スケジュールに従って、経口ガバージュ(PO)により1日1回、14〜18、21〜25、および28〜32日目、または15〜19、22〜26、および29〜33日目に投与した。タキソテールは、処置スケジュールに従って、19、26、および33日目、または14、21、および28日目にIV投与した。16匹のマウスの追加群を陰性対照として含めて、両方の投薬担体(6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンには50mM乳酸ナトリウム(pH4.0)、タキソテールにはTween80/EtOH/水)を14〜18、21〜25、および28〜32日目にPOで、19、26、および33日目にIVで投与した。PO投薬量は0.5mlであり、IV投薬量は0.2mlであった。
【0163】
試験のクールの間、動物を秤量して処置量を計算して、その後毎週秤量した。試験を通して、3〜4日ごとに腫瘍を測定した。すべての動物について臨床症状を毎日、そして化合物投与後に観察した。すべてのデータ収集をCRAASで行って、すべての印字報告は、試験ファイル(データブック 83410x13)に適切に文書化した。本試験は、確立された部門内SOPに準拠して行った。
【0164】
【表2】

【0165】
【表3】

【0166】
【表4】

【0167】
進行期ヒト結腸癌:Colo−205に対する、標準剤5−フルオロウラシル(5−FU)との組合せにおけるCDK−4阻害剤の化学療法評価
目的:固形ヒト異種移植片Colo−205に対して、2つの組合せスケジュールにおいて、CDK−4阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンおよび標準剤5−フルオロウラシル(5−FU)を単剤と合剤の両方で投与したときのin vivo効力を定量する。
【0168】
方法:400匹の雌性SCIDマウスをCharles River Breeding Laboratoriesより2003年2月25日に入手した。マウスは、到着時に、21〜28日齢であった。すべての動物を試験の開始に先立って検査して、それらが健康であることを確かめて、実験環境へ馴化させた。マウスを防護施設に収容して、12時間の明/暗周期で食餌と水を自由に提供した。動物を各ケージ5匹で収容したが、腫瘍プールでは、試験群へ無作為化するときに、各ケージ4匹で収容した。動物のケアは、AAALACガイドラインに準拠して提供した。動物に関わるすべてのプロトコールは、動物のケアおよび使用に関する施設内委員会により検討されて、承認された。
【0169】
0日目(2003年3月13日)、すべてのマウス(18〜22g)に、1000mg重量の腫瘍よりほぼ30mgのColo−205腫瘍断片の皮下(SC)インプラントを与えた。この固形ヒト腫瘍モデル、Colo−205(結腸癌)は、細胞系より発達させて、SCIDマウスで維持した。この腫瘍モデルを、腫瘍断片のSCインプラントとして連続的に継代した。この試験の腫瘍源は、Colo−205/09B(T,2−11−03)であった。
【0170】
腫瘍断片が200〜250mgのサイズに達したときに、処置を開始した。動物を無作為化してから、8匹のマウスの24群へソートした。処置を開始した日と処置の間3〜4日ごとに、動物をそれぞれ秤量して、腫瘍を測定した。平均の群重量に従って、投薬溶液を計算した。薬物調製シートに従って、そして化学療法の薬物調製データシートに記載されるように、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンと(5−FU)を調製した。これらの化合物を、単剤として、そして2つの異なるスケジュールで投与した。1組の動物には、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンをはじめに5日間投薬して、その後24時間のうちに標準剤(5−FU)の1回IV用量を続けた。第2組には、標準剤(5−FU)の1回用量を投薬して、24時間のうちに5回の1日用量の6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンを続けた。これらのスケジュールは、3回繰り返すように設計したが、観察された毒性のために、2回の投薬スケジュールしか完了しなかった。6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの溶液剤は、処置スケジュールに従って、経口ガバージュ(PO)により1日1回、20〜24および27〜31日目、または21〜25、および28〜32日目に投与した。5−FUは、処置スケジュールに従って、25および32日目、または20および27日目にIV投与した。16匹のマウスの追加群を陰性対照として含めて、両方の投薬担体(6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンには50mM乳酸ナトリウム(pH4.0)、5−FUには生理食塩水)を20〜24、および27〜31日目にPOで、25および32日目にIVで投与した。PO投薬量は0.5mlであり、IV投薬量は0.2mlであった。
【0171】
試験のクールの間、動物を秤量して処置量を計算して、その後毎週秤量した。試験を通して、3〜4日ごとに腫瘍を測定した。すべての動物について臨床症状を毎日、そして化合物投与後に観察した。すべてのデータ収集をCRAASで行って、すべての印字報告は、試験ファイル(データブック 90663x12)に適切に文書化した。本試験は、確立された部門内SOPに準拠して行った。
【0172】
【表5】

【0173】
【表6】

【0174】
【表7】

【0175】
進行期ヒト乳癌:MDA−MB−435に対する、標準剤カルボプラチンとの組合せにおけるCDK−4阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの化学療法評価
目的:固形ヒト異種移植片MDA−MB−435に対して、2つの組合せスケジュールにおいて、CDK−4阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンおよび標準剤カルボプラチンを単剤と合剤の両方で投与したときのin vivo効力を定量する。
【0176】
方法:400匹の雌性SCIDマウスをCharles River Breeding Laboratoriesより2003年4月8日に入手した。マウスは、到着時に、21〜28日齢であった。すべての動物を試験の開始に先立って検査して、それらが健康であることを確かめて、実験環境へ馴化させた。マウスを防護施設に収容して、12時間の明/暗周期で食餌と水を自由に提供した。動物を各ケージ5匹で収容したが、腫瘍プールでは、試験群へ無作為化するときに、各ケージ4匹で収容した。動物のケアは、AAALACガイドラインに準拠して提供した。動物に関わるすべてのプロトコールは、動物のケアおよび使用に関する施設内委員会により検討されて、承認された。
【0177】
0日目(2003年4月24日)、すべてのマウス(18〜22g)に、1000mg重量の腫瘍よりほぼ30mgのMDA−MB−435腫瘍断片の皮下(SC)インプラントを与えた。この固形ヒト腫瘍モデル、MBA−MB−435(乳癌)は、細胞系より発達させて、SCIDマウスで維持した。この腫瘍モデルを、腫瘍断片のSCインプラントとして連続的に継代した。この試験の腫瘍源は、MDA−MB−435/17(T,4−2−03)であった。
【0178】
腫瘍断片が200〜250mgのサイズに達したときに、処置を開始した。動物を無作為化してから、8匹のマウスの24群へソートした。処置を開始した日と処置の間3〜4日ごとに、動物をそれぞれ秤量して、腫瘍を測定した。平均の群重量に従って、投薬溶液を計算した。薬物調製シートに従って、そして化学療法の薬物調製データシートに記載されるように、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンとカルボプラチンを調製した。これらの化合物を、単剤として、そして2つの異なるスケジュールで投与した。1組の動物には、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンをはじめに5日間投薬して、その後24時間のうちに標準剤(カルボプラチン)の1回IV用量を続けた。第2組には、標準剤(カルボプラチン)の1回用量を投薬して、24時間のうちに5回の1日用量の6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンを続けた。これらのスケジュールを3回繰り返した。6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの溶液剤は、処置スケジュールに従って、経口ガバージュ(PO)により1日1回、14〜18、21〜25、および28〜32日目、または15〜19、22〜26、および29〜33日目に投与した。カルボプラチンは、処置スケジュールに従って、19、26、および33日目、または14、21、および28日目にIV投与した。16匹のマウスの追加群を陰性対照として含めて、両方の投薬担体(6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンには50mM乳酸ナトリウム(pH4.0)、カルボプラチンには生理食塩水)を14〜18、21〜25、および28〜32日目にPOで、19、26、および33日目にIVで投与した。PO投薬量は0.5mlであり、IV投薬量は0.2mlであった。
【0179】
試験のクールの間、動物を秤量して処置量を計算して、その後毎週秤量した。試験を通して、3〜4日ごとに腫瘍を測定した。すべての動物について臨床症状を毎日、そして化合物投与後に観察した。すべてのデータ収集をCRAASで行って、すべての印字報告は、試験ファイル(データブック 90663x15)に適切に文書化した。本試験は、確立された部門内SOPに準拠して行った。
【0180】
進行期ヒト結腸癌:Colo−205に対する、CDK−4阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンおよびMEK阻害剤:N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドの化学療法評価
目的:固形ヒト異種移植片Colo−205に対して、組合せにおいて、CDK−4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンとMEK阻害剤:N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドを単剤と合剤の両方で15日間毎日投与したときのin vivo効力を定量する。
【0181】
方法:400匹の雌性SCIDマウスをCharles River Breeding Laboratoriesより2003年6月17日に入手した。マウスは、到着時に、21〜28日齢であった。すべての動物を試験の開始に先立って検査して、それらが健康であることを確かめて、実験環境へ馴化させた。マウスを防護施設に収容して、12時間の明/暗周期で食餌と水を自由に提供した。動物を各ケージ5匹で収容したが、腫瘍プールでは、試験群へ無作為化するときに、各ケージ4匹で収容した。動物のケアは、AAALACガイドラインに準拠して提供した。動物に関わるすべてのプロトコールは、動物のケアおよび使用に関する施設内委員会により検討されて、承認された。
【0182】
0日目(2003年7月2日)、すべてのマウス(18〜22g)に、1000mg重量の腫瘍よりほぼ30mgのColo−205腫瘍断片の皮下(SC)インプラントを与えた。この固形ヒト腫瘍モデル、Colo−205(結腸癌)は、細胞系より発達させて、SCIDマウスで維持した。この腫瘍モデルを、腫瘍断片のSCインプラントとして連続的に継代した。この試験の腫瘍源は、Colo−205/13B(T,6−3−03)であった。
【0183】
腫瘍断片が200〜250mgのサイズに達したときに、処置を開始した。動物を無作為化してから、8匹のマウスの24群へソートした。処置を開始した日と処置の間3〜4日ごとに、動物をそれぞれ秤量して、腫瘍を測定した。平均の群重量に従って、投薬溶液を計算した。薬物調製シートに従って、そして化学療法の薬物調製データシートに記載されるように、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンとN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドを調製した。経口ガバージュ(PO)により1日1回、連続15日間、溶液剤を投与した。いつでも6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンをはじめに与えて、1時間以内に、N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドを続けた。16匹のマウスの追加群を陰性対照として含めて、両方の投薬担体(6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンには50mM乳酸ナトリウム(pH4.0)、N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドにはHPMT)を同一の連日処置スケジュールでPO投与した。投薬量はすべて0.5mlであった。
【0184】
試験のクールの間、動物を秤量して処置量を計算して、その後毎週秤量した。試験を通して、3〜4日ごとに腫瘍を測定した。すべての動物について臨床症状を毎日、そして化合物投与後に観察した。すべてのデータ収集をCRAASで行って、すべての印字報告は、試験ファイル(データブック 90665x15)に適切に文書化した。本試験は、確立された部門内SOPに準拠して行った。
【0185】
【表8】

【0186】
【表9】

【0187】
進行期ヒト結腸癌:Colo−205に対する、標準剤カンプトサー(CPT−11)との組合せにおけるCDK−4阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの化学療法評価
目的:固形ヒト異種移植片Colo−205に対して、2つの組合せスケジュールにおいて、CDK−4阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンおよび標準剤カンプトサー、イリノテカン(CPT−11)を単剤と合剤の両方で投与したときのin vivo効力を定量する。
【0188】
方法:300匹の雌性SCIDマウスをCharles River Breeding Laboratoriesより2003年7月8日に入手した。マウスは、到着時に、21〜28日齢であった。すべての動物を試験の開始に先立って検査して、それらが健康であることを確かめて、実験環境へ馴化させた。マウスを防護施設に収容して、12時間の明/暗周期で食餌と水を自由に提供した。動物を各ケージ5匹で収容したが、腫瘍プールでは、試験群へ無作為化するときに、各ケージ4匹で収容した。動物のケアは、AAALACガイドラインに準拠して提供した。動物に関わるすべてのプロトコールは、動物のケアおよび使用に関する施設内委員会により検討されて、承認された。
【0189】
0日目(2003年7月25日)、すべてのマウス(18〜22g)に、1000mg重量の腫瘍よりほぼ30mgのColo−205腫瘍断片の皮下(SC)インプラントを与えた。この固形ヒト腫瘍モデル、Colo−205(結腸癌)は、細胞系より発達させて、SCIDマウスで維持した。この腫瘍モデルを、腫瘍断片のSCインプラントとして連続的に継代した。この試験の腫瘍源は、Colo−205/14B(T,7−2−03)であった。
【0190】
腫瘍断片が200〜250mgのサイズに達したときに、処置を開始した。動物を無作為化してから、8匹のマウスの17群へソートした。処置を開始した日と処置の間3〜4日ごとに、動物をそれぞれ秤量して、腫瘍を測定した。平均の群重量に従って、投薬溶液を計算した。薬物調製シートに従って、そして化学療法の薬物調製データシートに記載されるように、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンとCPT−11を調製した。これらの化合物を、単剤として、そして2つの異なるスケジュールで投与した。1組の動物には、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンをはじめに5日間投薬して、処置なしの2日間を与えてから、さらに5日間投薬し、その後2日のうちに標準剤(CPT−11)の5回の1日IV用量を続けた。第2組には、標準剤(CPT−11)の5回の1日用量を投薬して、2日のうちに6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの1日用量を5日間続け、処置なしの2日間を与えてから、さらに5日間投薬した。6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの溶液剤は、処置スケジュールに従って、経口ガバージュ(PO)により1日1回、17〜21および24〜28、または24〜28および31〜35日目に投与した。CPT−11は、処置スケジュールに従って、17〜21または31〜35日目にIV投与した。16匹のマウスの追加群を陰性対照として含めて、両方の投薬担体(6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンには50mM乳酸ナトリウム(pH4.0)、CPT−11には生理食塩水)を17〜21および24〜28日目にPOで、31〜35日目にIVで投与した。PO投薬量は0.5mlであり、IV投薬量は0.2mlであった。
【0191】
試験のクールの間、動物を秤量して処置量を計算して、その後毎週秤量した。試験を通して、3〜4日ごとに腫瘍を測定した。すべての動物について臨床症状を毎日、そして化合物投与後に観察した。すべてのデータ収集をCRAASで行って、すべての印字報告は、試験ファイル(データブック 90666x07)に適切に文書化した。本試験は、確立された部門内SOPに準拠して行った。
【0192】
【表10】

【0193】
【表11】

【0194】
製造
以下の製造は、例示的で非限定的であることを企図して、本発明の具体的な態様を表す。
【0195】
製造1
4−[6−(6−ブロモ−8−シクロペンチル−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
6−ブロモ−8−シクロペンチル−2−メタンスルフィニル−5−メチル−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン(10.00g,0.027モル、参照により本明細書に組み込まれるWO01/707041の実施例6のように製造)および10.37g(0.0373モル)の4−(6−アミノ−ピリジン−3−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルのトルエン(100mL)懸濁液を油浴中に窒素下で7時間加熱した。薄層クロマトグラフィー(SiO,10% MeOH/DCM)は、両方の出発材料の存在を示した。この懸濁液を還流でさらに18時間加熱した。生じる懸濁液を室温へ冷やし、濾過して、4−[6−(6−ブロモ−8−シクロペンチル−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.93g,38%)を得た。融点>250℃。MS(APCI)M+1:計算値:584.2,実測値:584.2。
【0196】
製造2
4−{6−[8−シクロペンチル−6−(1−エトキシ−ビニル)−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ]−ピリジン−3−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
4−[6−(6−ブロモ−8−シクロペンチル−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.93g,0.010モル、実施例1のように製造した)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.40g,0.00121モル)、およびトリブチル(1−エトキシビニル)スズ(5.32mL,0.0157モル)のトルエン(30mL)懸濁液を還流で3.5時間加熱した。この混合物を冷やし、濾過して、固形物を得た。5%〜66%酢酸エチル/ヘキサンの15分にわたる勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによるこの固形物の精製によって、4−{6−[8−シクロペンチル−6−(1−エトキシ−ビニル)−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ]−ピリジン−3−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.50g,78%)を黄色い泡沫として得た。MS(APCI)M+1:計算値:576.2,実測値:576.3。
【0197】
製造3
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン塩酸塩の製造
4−{6−[8−シクロペンチル−6−(1−エトキシ−ビニル)−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ]−ピリジン−3−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.50g,0.00783モル、実施例2のように製造した)のDCM(100mL)氷浴冷却溶液へ塩化水素ガスを泡立てて入れた。生じる懸濁液に栓をして、室温で一晩撹拌してから、ジエチルエーテル(200mL)で希釈した。この固形物を濾過により採取し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンの塩酸塩(4.01g,92%)を黄色い固形物として得た。融点200℃。HPLC,C18逆相、0.1% TFA/HO中0.1% TFA/CHCNの22分間で10%〜95%の勾配:11.04分に99.0%。MS(APCI)M+1:計算値:448.2,実測値:448.3。元素分析:C2429・2.4HO・1.85HClの計算値:C,51.64;H,6.44;N,17.56,Cl(全体),11.75。実測値:C,51.31;H,6.41;N,17.20;Cl(全体),12.11。
【0198】
製造4
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのモノイセチオン酸塩(B型)の製造
250mLの水に分散した6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン(7.0g,15.64ミリモル、実施例3のように製造した後で、NaOHと接触)のスラリーへ、イセチオン酸の0.52M MeOH溶液の30mL(15.64ミリモル)を滴下して、5.2のpHとした。この溶液をガラスフィルター(微細)に通して濾過して、澄明な溶液を凍結乾燥させて、9.4gの非結晶塩を得た。この非結晶塩(3.16g)を25mLのMeOHと混合して、ほとんど完全な溶解の後で、新たな沈殿が生成した。さらに25mLのMeOHを加えて、この混合物を46〜49℃で4時間撹拌した。この混合物を32℃へゆっくり冷やして、コールドルーム(+4℃)に一晩置いた。試料をPXRDのために取ると、これはB型の生成を示した。この混合物を濾過して、沈殿を真空オーブンにおいて50℃で一晩乾燥させた。これにより、2.92gの式1の化合物のモノイセチオン酸塩を収率92%で得た。HPLC−99.25%,PXRD−B型、CHNS,H−NMRは、この構造と一致した。
【0199】
製造5
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのモノイセチオン酸塩(B型)の製造
機械撹拌子、熱電対/コントローラ、冷却器、および加熱マントルを付けて、予め35℃へ加熱した250mLフラスコにMeOH(100mL)を入れた。非結晶のイセチオン酸塩(2g,実施例4のように製造した)を、添加の間に25分〜30分の間隔を入れて、3回の均等分量でゆっくり加えた。この反応混合物を35℃で一晩撹拌して、その後で冷やした。試料を濾過して、PXRDにより検査した。これは、純粋なB型であった。次いで、この反応混合物全体をより大きなスケール実験においてB型の種として使用した。
【0200】
製造6
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのモノイセチオン酸塩(B型)の製造
機械撹拌子、冷却器、熱電対/コントローラ、および加熱マントルを付けて、予め40℃へ加熱した250mLフラスコにMeOH(50mL)を入れた。非結晶のイセチオン酸塩(1g,実施例4のように製造した)を、分量の間に30分の間隔を入れて、3回の均等分量でゆっくり加えてから、40℃で一晩撹拌した。反応は、in−situラマン分光法によりモニタリングした。試料を取り、濾過して、PXRDにより解析した。これは、PXRDとラマン分光法によれば、純粋なB型であった。この混合物を3℃/時間の割合で25℃へ冷やし、−10℃へ冷やし、濾過し、真空乾燥させて、0.85gのB型結晶生成物を得た。
【0201】
製造7
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのモノイセチオン酸塩(B型)の製造
遊離塩基(式1,0.895mg,2ミリモル)を10mLのMeOHと混合して、33mgの式1の化合物のモノイセチオン酸塩(B型)を種入れした。次いで、イセチオン酸の0.375M MeOH溶液の5.6mL(2.1ミリモル)を10の均等分量で75分の時間にわたり加えた。この混合物をさらに1時間撹拌して、試料をPXRD解析のために取った。これにより結晶性B型の生成を確認した。この混合物を室温で一晩撹拌して、別のPXRDを撮った。結晶形に変化はなかった。この混合物を−8℃の冷蔵庫に一晩冷やし、濾過し、真空オーブンにおいて50℃で乾燥させて、1.053g(理論量の91.8%)の上記化合物(B型)を得た。HPLC−99.8%,CHNS,H−NMR,IRは、その構造(PXRD−B型)と一致する。
【0202】
製造8
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのモノイセチオン酸塩(A型)の製造
非結晶性イセチオン酸塩(47mg,実施例4のように製造した)を、磁気撹拌子、熱電対、および冷却器の付いた15mLフラスコにおいて、4mLのEtOHと混合した。この混合物を加熱して還流させると、ほとんど澄明な溶液の生成を生じた。10〜15分間還流後、この混合物は濁った。これを50℃へゆっくり冷やして、69℃でA型を種入れした。この混合物を50℃に5時間保って、そのまま室温へ一晩冷やした。引き続き、この混合物を氷浴で1℃へ冷やし、1.5時間保ち、濾過し、0.5mLの冷EtOHで洗浄し、空気乾燥させてから、真空オーブンにおいて70℃で一晩乾燥させて、38.2mgの微結晶性材料を得た。この結晶性材料は、PXRDにより、モノイセチオン酸塩A型であることがわかった。H−NMRは、モノイセチオン酸塩に一致して、約5.9モル%または0.6重量%の残留EtOHの存在を示した。
【0203】
製造9
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのモノイセチオン酸塩(D型)の製造
非結晶性イセチオン酸塩(9.0g,実施例4のように製造した)を300mLのEtOHと混合し、撹拌して、63.8℃まで(還流で)加熱した。このやや濁った混合物へ2つの50mL分量のMeOHを加えた。この熱い混合物を、機械撹拌子付きの2Lフラスコ中へ濾過した。この混合物を少しの間加熱して還流させてから、60℃へ冷やした。この混合物へIPA(100mL)を加えた。この混合物を再び60℃へ加熱して、さらに110mLのIPAを加えた。沈殿が59.7℃で生成しはじめた。この混合物を67.5℃へ再加熱し、50℃へ冷やして、一晩保った。翌朝、PXRD解析のために試料を取った。この混合物を3℃/時間の割合で25℃へ冷やして、混合物が28℃へ達したときに、別のPXRD試料を取った。混合物はそのまま室温へ一晩冷やした。沈殿を採取し、真空オーブンにおいて65℃および30トルで乾燥させた。この手順により、7.45g(収率82.8%)の結晶性化合物(PXRD解析によれば、D型)を得た。先に解析した試料もD型であった。HPLCは、98.82%の純度を示し、CHNS微量分析は、+/−0.4%内にあった。イセチオン酸塩A、B、およびD型のMeOHスラリーは、3日未満のうちに、実質的に純粋なB型を生じた。
【0204】
製造10
イセチオン酸(2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸)の製造
機械撹拌子、熱電対、ガススパージャー、および水分トラップ付き空気孔の付いた5Lの4つ首丸底フラスコへ748g(5.05モル)のイセチオン酸ナトリウム(アルドリッチ)と4LのIPAを入れた。このスラリーを室温で撹拌した。氷浴を使用して内部温度を50℃未満に保ちながら、この系へ925g(25.4モル)の塩化水素ガス(アルドリッチ)を、加えるのと同じくらい速やかにそれが溶けるような速度で散布した(水分トラップにより泡立ちのないことに注目する)。十分なHClガスを加えて、この系を飽和させた(水分トラップによる泡立ちの開始に注目する)。HClの添加の間、温度は45℃へ上昇した。このスラリーを室温へ冷やして、粗粒フリットフィルターで濾過した。ケークを100mLのIPAで洗浄して、濁った濾液を10〜20μフィルターに通して濾過した。生じる無色澄明な濾液を、浴温を50℃未満に保ちながら、ロータリーエバポレーターにおいて減圧で濃縮した。生じる1.07kgの澄明な淡黄色のオイルを50mLの生水と400mLのトルエンで希釈して、浴温を50℃未満に保ちながら、ロータリーエバポレーターにおいて減圧で3日間濃縮した。生じる800gの澄明な淡黄色のオイルを500mLのトルエンと250mLのIPAで希釈して、浴温を50℃未満に保ちながら、ロータリーエバポレーターにおいて減圧で11日間濃縮した。生じる713gの澄明な淡黄色のオイルは、7.9重量%の水と7.5重量%のIPAを含有して、81重量%(580g,収率91.1%)と滴定された。
【0205】
製造11
4−{6−[6−(1−ブトキシ−ビニル)−8−シクロペンチル−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ]−ピリジン−3−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
機械撹拌子、熱電対、およびシリコーン油バブラーより換気する窒素インレット/アウトレットの付いた5Lの3つ首丸底フラスコを窒素気体下に置いて、4−[6−(6−ブロモ−8−シクロペンチル−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(300g,0.51モル、実施例2のように製造した)、ブチルビニルエーテル(154g,1.54モル、アルドリッチ)、n−ブタノール(1.5L,アルドリッチ)、およびジイソプロピルエチルアミン(107mL,0.62モル、アルドリッチ)を入れた。このスラリーをほぼ50トルの真空下に置いてから、窒素を3回再充填した。これへ8.3g(0.01モル)のビス−(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム二塩化ジクロロメタン(Johnson Matthey,Lot 077598001)を加えて、生じるスラリーを上記のようにさらに3回パージした。次いで、この混合物を95℃へ加熱して、20時間撹拌した。生じる薄赤いスラリーを2Lのヘプタンで希釈して、ほぼ5℃へ冷やした。この温度で400mLの飽和炭酸カリウム水溶液を加え、この混合物を濾過して、250mLのヘプタンで濯いだ。オーブンにおいて45℃で16時間乾燥後、231.7g(収率75%)の表題化合物を黄色い固形物として得た。
【0206】
製造12
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのモノイセチオン酸塩(B型)の製造
機械撹拌子、熱電対、およびシリコーン油バブラーより換気する窒素インレット/アウトレットの付いた22Lの3つ首丸底フラスコを窒素気体下に置いて、4−{6−[6−(1−ブトキシ−ビニル)−8−シクロペンチル−5−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イルアミノ]−ピリジン−3−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(725g,1.20モル、実施例11のように製造した)とMeOH(14L)を入れた。このスラリーを室温で撹拌して、これにイセチオン酸(530g,4.20モル、実施例10のように製造した)の溶液、MeOH(1.5L)、および水(70mL,3.89モル)を入れた。生じるスラリーを30分にわたり55℃まで加熱してから、55℃で30分間撹拌した。200mLのMeOH中175g(1.73モル)のEtN(アルドリッチ)の溶液をこのスラリーへ入れて、これを30℃へ冷やした。このスラリーを30℃に保ちながら、2LのMeOH中128g(1.26モル)のEtNの溶液を6時間にわたり滴下した。生じるスラリーをサンプリングして、結晶形(B型)を決定した。このスラリーを冷やして5℃に15分間保って、その後、粗粒フリットフィルターに通して濾過した。生じる濾過ケークを200mLの冷MeOHの洗液で数回洗浄した。この固体生成物を真空下に55℃で乾燥させて、710g(収率91%)の表題化合物を黄色い結晶として得た。
【0207】
上記の記載は例示的であって、限定的ではないことを企図していると理解されたい。上記の記載を読めば、当業者には多くの態様が明らかであろう。故に、本発明の範囲は、上記の記載を参照にして決定してはならず、むしろ、付帯の特許請求項と、そのような特許請求項により権利が付与される同等物の全範囲を参照にして決定されるべきである。特許、特許出願、および特許公開公報が含まれるすべての論文および参考文献の開示は、そのまま、そしてすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0208】
製造13
N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミド(IV型)
3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−安息香酸(2.6Kg,6.6モル)およびN,N’−カルボニルジイミダゾール(1.1Kg,6.8モル)を含有するフラスコへ窒素気体下に12Lの乾燥アセトニトリルを加えた。22°±5℃で約90分間撹拌後、(R)−O−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ヒドロキシルアミンのトルエン溶液(全量8.5L,約8モルのアミン)を加えた。この溶液を22°±5℃で少なくとも6時間撹拌した。塩酸水溶液(9L,1.5モル濃度)を加えて、約5分間撹拌後、層を分離させた。残っている上層へ塩酸水溶液(9L,1.5モル濃度)を加えて、約20時間撹拌後、層を分離させた。残っている上層を真空蒸留により濃縮してから、15Lトルエンと2Lエタノールで希釈した。この混合物を35〜45℃へ温めて、20L温水で希釈してから、0〜5℃へ冷やした。生成物を濾過により採取して、2Lトルエンで洗浄した。12Lトルエンおよび2Lエタノール(50°±5℃)に溶かし、10L水を加えて、0〜5℃へ冷やすことによって、生成物を再結晶させた。この生成物を濾過により採取して、トルエンで洗浄した後で、生成物を真空オーブンにおいて乾燥させて、2.6KgのN−[(R)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドを得た。
【0209】
異なる結晶形の混合物としての上記化合物の2.4Kgを、10L水および1Lエタノールの混合物において、35±5℃で20〜30時間撹拌してから、25±5℃へ冷やした。生成物を濾過により採取して、1Lの水で洗浄してから、真空オーブンにおいて65℃で乾燥させた。これにより、2.3Kgの材料を得たが、これは90%より多くIV型であった。註:DSC分析は、融解の開始を110℃に示し、ごく少量のピークが117℃での融解の開始を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常な細胞増殖をそのような治療の必要な患者において治療するための方法であって、選択的CDK阻害剤のある量と1以上のシグナル伝達阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここで選択的CDK阻害剤とシグナル伝達阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、前記方法。
【請求項2】
選択的CDK−4阻害剤、CDK−6阻害剤またはCDK−4/6阻害剤のある量と1以上のシグナル伝達阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここで選択的CDK−4阻害剤、CDK−6阻害剤またはCDK−4/6阻害剤とシグナル伝達阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量と1以上のシグナル伝達阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここで選択的CDK−4/6阻害剤とシグナル伝達阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量とMEK阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK4/6阻害剤とMEK阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量とMEK阻害剤:2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−シクロプロピルメトキシ−3,4−ジフルオロ−ベンズアミドのある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK4/6阻害剤とMEK阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量とMEK阻害剤:N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドのある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK−4/6阻害剤とMEK阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量とRafキナーゼ阻害剤、Akt阻害剤およびmTOR阻害剤からなる群より選択されるシグナル伝達阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK4/6阻害剤とシグナル伝達阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量と、BAY43−9006、ラパマイシン、CCI779、Rad001またはArry 142886からなる群より選択されるRafキナーゼまたはmTOR阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK4/6阻害剤とRafキナーゼまたはmTOR阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量と、bcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤、PDGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、erbB阻害剤、VEGF−R阻害剤、FGFR阻害剤およびIGF1−R阻害剤からなる群より選択される1以上のシグナル伝達阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK4/6阻害剤とシグナル伝達阻害剤(複数)の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量と、CP−868,596、ST−1571、PTK−787、PKC−412、Herceptin(トラスツズマブ)、Erbitux、Iressa(ゲフィチニブ)、Tarceva(エルロチニブ)、EKB−569、PKI−166、GW−572016、E−2−メトキシ−N−(3−{4−[3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド、CI−1033、CP−547,632、PTK787、ZD6474、PKC412およびAvastin(ベバシツマブ)からなる群より選択されるPDGFR、erbB、またはVEGF−R阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK4/6阻害剤とPDGFR、erbBまたはVEGF−R阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
異常な細胞増殖をそのような治療の必要な患者において治療するための方法であって、CDK4/6阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量と多標的指向キナーゼ阻害剤のある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK4/6阻害剤と多標的指向阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、前記方法。
【請求項12】
CDK阻害剤:6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンのある量と多標的指向キナーゼ阻害剤:SU11248またはGleevecのある量の組合せを該患者へ投与することを含んでなり、ここでCDK4/6阻害剤と多標的指向阻害剤の量は、全体として服用されるとき、前記異常な細胞増殖を治療するのに療法的に有効である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗生物質、血小板由来抗腫瘍剤、カンプトテシン誘導体、インターフェロン、および生物学的応答調節剤からなる群より選択される1以上の追加の療法剤を該患者へ投与することをさらに含んでなる、請求項1、5または11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、5−フルオロウラシル、カペシタビン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシル尿素、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸、アドリアマイシン、ブレオマイシン、インターフェロン、Nolvadex(タモキシフェン)、およびCasodex(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)からなる群より選択される1以上の追加の療法剤を該患者へ投与することをさらに含んでなる、請求項1、5または11のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オンまたはそのイセチオン酸塩のある量と、チロシンキナーゼ阻害剤、MEK阻害剤、bcr−ablチロシンキナーゼ阻害剤、PDGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、erbB阻害剤、VEGF−R阻害剤、Hsp90阻害剤、Auroraキナーゼ阻害剤、FLT−3阻害剤、n−Ras阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、Akt阻害剤、mTOR阻害剤および多標的指向キナーゼ阻害剤からなる群より選択される1以上のシグナル伝達阻害剤のある量を含んでなる医薬組合せ。

【公表番号】特表2007−530654(P2007−530654A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505648(P2007−505648)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000720
【国際公開番号】WO2005/094830
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】