説明

シャンプー組成物

【課題】洗髪時に泡立ちが良く,髪が絡まない滑り性に優れ、すすぎ時に髪のきしみがなく,指通り性に優れ、使用後に髪がぱさつかず、まとまりが良好であり、良好な安定性を有するシャンプー組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)〜(D)成分を含有するシャンプー組成物。
(A)(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマー
(B)エーテル硫酸塩型アニオン性界面活性剤及び/又はベタイン型両性界面活性剤
(C)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩の1種又は2種以上
(D)カチオン化タラガム及び/又はカチオン化グアガム
但し、成分(A)と成分(C)の質量比は(A)/(C)=1/5〜5/1の範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー組成物に関し、詳しくは、洗髪時に泡立ちが良く、髪が絡まない滑り性に優れ、すすぎ時に髪のきしみがなく、指通り性に優れ、使用後に髪がぱさつかず、まとまりが良好であり、良好な安定性を有するシャンプー組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ファッションとしてヘアスタイルや髪の色を楽しむようになり、ヘアカラーやパ ーマを行うことは日常的になっている。ヘアカラーやパーマなどによって毛髪はダメージを受け、シャンプー時に髪が絡まったり、すすぎ時に指通りが悪くギシギシとした感触となったり、洗髪後のタオルドライの時にも髪が絡まるなどの問題点が発生している。そのため、シャンプーに対して、本来の目的である洗浄性に加えて、スムーズに泡立て、またすすぎ時に指通りが良く、洗浄後に髪がぱさつかず、まとまりがよいなどの良好な仕上がり感が求められている。洗髪時やすすぎ時の髪の良好な指通りを改善する方法として、従来、アニオン性界面活性剤や両性界面活性剤等の洗浄基剤にカチオン化セルロースや、カチオン化グアガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガムなどのカチオン化ガラクトマンナン系ポリマー、あるいはジアルキルジアリル4級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合体などのカチオン性のポリマーを組合せることが広く用いられている(例えば、特許文献1〜6参照。)。
【0003】
カチオン/両性ポリマーの一種である(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマーを、シャンプー組成物に配合することも知られており、毛髪にコンディショニング効果及び整髪効果を付与する目的で配合されている(例えば、特許文献7、8参照。)。これらの技術は、(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマーを単独で配合したものであり、これらの方法を用いても、洗髪時の指通りやすすぎ時の感触は十分満足すべきものに至っておらず、またアニオン性界面活性剤と複合体を形成して沈殿を生じ、安定に配合することが難しいなどの問題を有していた。
【0004】
洗髪によるコンディショニング効果の劣化を防ぐことを目的として、水溶性無機塩はカチオン性界面活性剤及び非イオン性ポリマーを組み合わせて乳化型頭髪処理剤に配合されているが(例えば、特許文献9参照。)、水溶性無機塩はポリマーの安定配合を目的としたものではなく、また非イオン性ポリマーと水溶性無機塩の組合わせに限定したものであり、カチオン/両性ポリマーの配合を安定化することについては知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−29939号公報
【特許文献2】特開平11−263715号公報
【特許文献3】特開平10−7536号公報
【特許文献4】特開2002−348218号公報
【特許文献5】特開2005−272658号公報
【特許文献6】特開2006−28095号公報
【特許文献7】特公平6−51617号公報
【特許文献8】特開平4−95017号公報
【特許文献9】特開平9−118609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術を背景とした本発明の目的は、洗髪時に泡立ちが良く、髪が絡まない滑り性に優れ、すすぎ時に髪のきしみがなく、指通り性に優れ、使用後に髪がぱさつかず、まとまりが良好であり、良好な安定性を有するシャンプー組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果、特定のカチオン性/両性ポリマー、エーテル硫酸塩型アニオン性界面活性剤及び/又はベタイン型両性界面活性剤、水溶性無機塩並びに特定のアミノ酸系アニオン性界面活性剤を含有するシャンプー組成物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記(A)〜(D)成分を含有し、成分(A)と成分(C)の質量比が(A)/(C)=1/5〜5/1の範囲にあるシャンプー組成物である。
(A)(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマー
(B)エーテル硫酸塩型アニオン性界面活性剤及び/又はベタイン型両性界面活性剤
(C)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩の1種又は2種以上
(D)カチオン化タラガム及び/又はカチオン化グアガム
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗髪時に泡立ちが良く、髪が絡まない滑り性に優れ、すすぎ時に髪のきしみがなく、指通り性に優れ、使用後に髪がぱさつかず、まとまりが良好であり、良好な安定性を有するシャンプー組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のシャンプー組成物について詳細に説明する。
【0010】
本発明のシャンプー組成物に配合される(A)(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマーは表示名称ポリクオタニウム−49(日本化粧品表示名称辞典、薬事日報社、2007年)として記載された公知の成分であり、メタクリロイルエチルジメチルベタイン、塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム及びメタクリル酸メトキシポリエチレングルコールの3つの繰返し単位を必須構成成分とするカチオン/両性ポリマーである。
【0011】
本発明では、(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマーはメタクリロイルエチルジメチルベタインが25〜75モル%、塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムが75〜25%、メタクリル酸メトキシポリエチレングルコールが0〜10%で構成されることが好ましく、メタクリロイルエチルジメチルベタインが35〜75モル%、塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムが65〜25%、メタクリル酸メトキシポリエチレングルコールが0〜8%で構成されることが更に好ましい。最も好ましくはメタクリロイルエチルジメチルベタインが45〜75モル%、塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムが55〜25%、メタクリル酸メトキシポリエチレングルコールが0〜6%で構成されることである。また、(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマーの配合量は特に限定されるものではないが、シャンプー組成物全体に対して0.01〜5質量%(以下、配合量についても単に%という。)が好ましく、特に0.1〜3%が好ましい。最も好ましくは0.2〜2%である。この配
合量の範囲であれば洗髪時及びすすぎ時の指通り性に優れ、また乾燥後の仕上がり感触においても好ましく、良好な安定性を有する。
【0012】
本発明のシャンプー組成物に配合される(B)エーテル硫酸塩型アニオン性界面活性剤及び/又はベタイン型両性界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリルベタイン、ラウロイルアミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。本発明では、これらエーテル硫酸塩型アニオン性界面活性剤及び/又はベタイン型両性界面活性剤を適宜選択し、1種又は2種以上を配合できる。特に好ましくはラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウラミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる1種又は2種以上を配合することである。エーテル硫酸塩型アニオン性界面活性剤及び/又はベタイン型両性界面活性剤の配合量は特に限定されるものではないが、シャンプー組成物全体に対して3〜30%が好ましく、更に好ましくは5〜20%である。これは、エーテル硫酸塩型アニオン性界面活性剤及び/又はベタイン型両性界面活性剤の配合量を増やすと、泡立ちが良くなるが、コンディショニング効果(例えば、洗浄中の使用感及び洗浄後の仕上り感の良さ等)が低くなり、また、粘性も高くなるため、充分起泡性を得るには3%以上が好ましく、また適度な粘性を保ち、充分なコンディショニング効果を得るには30%以下が好ましいからである。
【0013】
本発明のシャンプー組成物に配合される(C)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩は適宜選択し、1種又は2種以上を配合できる。最も好ましくは、塩化ナトリウム及び塩化カリウムから選ばれる水溶性無機塩である。但し、成分(A)と成分(C)の質量比は(A)/(C)=1/5〜5/1の範囲になることが必要であり、好ましくは1/4〜4/1であり、より好ましくは1/3〜3/1である。1/5未満の場合には配合安定性は向上するが毛髪へのコンディショニング性が十分に得られず、5/1を越える場合にはアニオン性界面活性剤と(A)(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマーが複合体を形成して沈殿を生じ、安定に配合することが難しい。
【0014】
本発明のシャンプー組成物に配合される(D)カチオン化タラガム及び/又はカチオン化グアガムのカチオン化度を示す電荷密度は、0.5〜2.5meq/gの範囲が好ましく、0.7〜2meq/gの範囲が更に好ましい。カチオン化タラガム及び/又はカチオン化グアガムの配合量は特に限定されるものではないが、シャンプー組成物全体に対して0.05〜2%が好ましく、特に0.1〜0.7%が好ましい。この配合量の範囲であれば、洗髪時及びすすぎ時の指通り性に優れ、また乾燥後の仕上がり感触においても好ましい。
【0015】
本発明のシャンプー組成物に好適に配合される(E)カチオン化セルロースは、表示名称ポリクオタニウム−10(日本化粧品表示名称辞典、薬事日報社、2007年)として記載された公知の成分であり、セルロース中の水酸基の一部が第4級窒素含有基で置換された構造である。具体的には、セルロースにグリシジルトリアルキルアンモニウム塩又は3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩等の第4級窒素含有基を反応させることにより製造することができる。
【0016】
本発明では、カチオン化セルロースのカチオン化度を示す電荷密度は、0.3〜2.5meq/gの範囲が好ましく、0.5〜2meq/gの範囲が更に好ましい。また、カチオ
ン化セルロースの配合量は特に限定されるものではないが、シャンプー組成物全体に対して0.01〜2%が好ましく、特に0.05〜1.0%が好ましい。この配合量の範囲であれば、洗髪時及びすすぎ時の指通り性に優れ、また乾燥後の仕上がり感触においても好ましい。
【0017】
本発明のシャンプー組成物に好適に配合される(F)25℃で液状のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンは、非イオン界面活性剤として知られている既知物質であって、25℃において液状の性状を有するものである。ポリオキシエチレンの付加モル数としては5〜10が好ましく、脂肪酸としては炭素数12〜20のものが好ましい。このようなポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンとしては、例えばポリオキシエチレン(5)ヤシ油脂肪酸グリセリン、ポリオキシエチレン(7)ヤシ油脂肪酸グリセリン、ポリオキシエチレン(10)ヤシ油脂肪酸グリセリン、ポリオキシエチレン(5)パーム核油脂肪酸グリセリン、ポリオキシエチレン(7)パーム核脂肪酸グリセリン、ポリオキシエチレン(10)パーム核脂肪酸グリセリン、ポリオキシエチレン(5)グリセリルモノオレート、ポリオキシエチレン(7)グリセリルモノオレート、ポリオキシエチレン(10)グリセリルモノオレート、ポリオキシエチレン(5)イソステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレン(7)イソステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレン(10)イソステアリン酸グリセリン等が挙げられる。これらの中でもポリオキシエチレン(7)ヤシ油脂肪酸グリセリンが特に好ましい。本発明のシャンプー組成物では、これらポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンエステルの1種又は2種以上を配合することができる。通常、洗髪中の起泡性や使用感触を損なわない範囲で十分な洗浄性とコンディショニング効果を与えるためには、本発明組成物中に0.3〜10%配合することが好ましく、更に好ましくは0.5〜5%である。
【0018】
本発明のシャンプー組成物は、常法により製造することができ、pH3〜10のシャンプーとして提供され、使用部位や使用場面に合わせて、固体、粉体、液体、ジェル、クリーム、エアゾール、フォーム等様々な態様をとることができる。
【0019】
また、本発明の洗浄剤組成物には、効果を損なわない範囲で公知の成分を適宜配合することができる。公知の成分としては、脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、モノグリセリド誘導体、高級アルコール酸化エチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、プルロニック型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、脂肪族アルキル基を含むブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、アルキルポリグルコシドに代表されるノニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、脂肪酸アミドアミン塩、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、ステアリルPGジメチルアミン、ステアリルPGトリモニウムクロリド、ベヘニルPGトリモニウムクロリドに代表されるカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0020】
更にアボカド油、アルモンド油、オリーブ油、グレープシード油、コメヌカ油、コメ胚芽油、月見草油、ツバキ油、サザンカ油、マカデミアナッツ油、メドフォーム油、シアバタ
ー、卵黄油、馬脂等の油脂類、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ラノリン、ミツロウ等のロウ類、オゾケライト、流動パラフィン、スクワレン、ワセリン等の炭化水素類、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ラノリンアルコール、フィトステロール、セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ステアリン酸オクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸オクチル、ジオレイン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリル、乳酸セチル、アジピン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸コレステリル等のエステル油類等、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、グリコシルトレハロース、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等の低級アルコール、キサンタンガム、グアガム、デンプン等の天然高分子及びその誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロール系高分子、カルボキシビニルポリマーやポリビニルピロリドン等の合成高分子等、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール等のパール化剤、カオリン、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、タルク、マイカ、セルロース末、シルク末、デンプン、ポリエチレン末、ナイロン末、架橋ポリスチレン等の顔料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、噴射剤、無機塩、有機酸及びその塩、ピロリドンカルボン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、ソルビトールやマルチトールやトレハロース等の糖類、トリメチルグリシン等の保湿剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノール、ピロクトンオラミン、クララエキス、ジンクピリチオン、ヒノキチオール等の殺菌剤、その他、センブリエキス、塩化カプロニウム、セファランチン、サリチル酸、イノシット、ヨウ化ニンニクエキス、レゾルシン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、オキセンドロン、パントテン酸及びその誘導体、プラセンタエキス、ビオチン、モノニトログアヤコール、感光素301、ウシヘマチン、グリチルリチン酸ジカリウム、塩酸ピリドキシン、冷感剤、温感剤、動植物抽出物、ビタミン、紫外線吸収剤、アミノ酸及びその誘導体、タンパク質及びその誘導体、酸化防止剤、着色剤、香料等である。
【0021】
次に本発明を実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0022】
(1)起泡力試験
1,000mL容器の攪拌機つき円筒形シリンダーに、実施例及び比較例のシャンプー組成物の5%水溶液を50mL入れ、5,000rpmで1分間攪拌した後の泡容積を測定した。また、評価の基準を次のように設定した。
◎:泡立ち極めて良好 泡容積600mL以上
○:泡立ち良好 泡容積500mL以上,600mL未満
△:泡立ち普通 泡容積400mL以上,500mL未満
×:泡立ち不良 泡容積400mL未満
【0023】
(2)洗髪時及びすすぎ時の使用感試験(ハーフヘッド法)
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例のシャンプー組成物を使用し、洗髪中の指通り、すすぎ時の指通り、すすぎ後のきしみの有無を官能評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
[洗髪中の指通り]
◎:極めて良好 洗髪中の指通りが良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 洗髪中の指通りが良いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 洗髪中の指通りが良いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 洗髪中の指通りが良いと答えた被験者の数が4人未満
[すすぎ時の指通り]
◎:極めて良好 すすぎ時の指通りが良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 すすぎ時の指通りが良いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い すすぎ時の指通りが良いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い すすぎ時の指通りが良いと答えた被験者の数が4人未満
[すすぎ後のきしみ]
◎:極めて良好 きしまないと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 きしまないと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い きしまないと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い きしまないと答えた被験者の数が4人未満
【0024】
(3)洗髪乾燥後の髪の仕上がり感
10名の専門パネルが前記と同様の方法で洗髪した後、毛髪を乾燥させ、毛髪のぱさつき、まとまり易さの良否等の仕上がり具合を官能評価した。評価の基準を次のように設定した。
[ぱさつき]
◎:極めて良好 ぱさつきがないと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 ぱさつきがないと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い ぱさつきがないと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い ぱさつきがないと答えた被験者の数が4人未満
[まとまり]
◎:極めて良好 髪のまとまりが良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 髪のまとまりが良いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 髪のまとまりが良いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 髪のまとまりが良いと答えた被験者の数が4人未満
【0025】
(4)安定性試験(外観評価)
実施例及び比較例のシャンプー組成物に対し、調製翌日の外観を目視で判定した。測定温度30℃で測定した。判断基準は以下の通りである。
○:沈殿なし
×:沈殿有り
【0026】
実施例1〜10及び比較例1〜9
表1に示す組成のシャンプー組成物を調製し、これらを使用したときの起泡性、洗髪時の指通り、すすぎ時の指通り、乾燥後のぱさつき及びまとまり、外観について調べ、その結果を表1に示した。なお、以下の全ての実施例及び比較例における配合量は全て質量%である。
【0027】
【表1】

【0028】
表1より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1〜10のシャンプーは比較例1〜9の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0029】
以下、本発明のシャンプー組成物のその他の処方例を実施例11,12として挙げる。なお、これらの実施例のシャンプー組成物についても、上記の起泡性、洗髪時の指通り、すすぎ時の指通り、乾燥後のぱさつき及びまとまり、外観の各項目を検討した。
【0030】
実施例11 シャンプー
(1)ラウレス硫酸ナトリウム 10.0
(2)ラウラミドプロピルベタイン 3.0
(3)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2.0
(4)(メタクリロイルエチルジメチルベタイン
/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム
/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマー
(45/45/10) 1.0
(5)塩化ナトリウム 1.5
(6)カチオン化セルロース(電荷密度:1.3meq/g) 0.2
(7)カチオン化タラガム(電荷密度:1.5meq/g) 0.2
(8)カチオン化グアガム(電荷密度:1.1meq/g) 0.1
(9)ポリオキシエチレン(7)ヤシ油脂肪酸グリセリン 4.0
(10)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 0.1
(11)ジステアリン酸エチレングリコール 2.0
(12)桃葉エキス 0.5
(13)海藻エキス 0.1
(14)海水 0.5
(15)セリシン 0.1
(16)アロエベラ葉エキス 0.1
(17)グリコシルトレハロース 0.5
(18)D−パントテニルアルコール 0.1
(19)加水分解コラーゲン液 0.5
(20)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
(21)シルクエキス 0.5
(22)加水分解コムギ 0.1
(23)セリシン 0.1
(24)L−アルギニン 0.1
(25)グルタミン酸ナトリウム 0.5
(26)L−プロリン 0.1
(27)ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 0.1
(28)ポリクオタニウム−64 0.1
(29)加水分解カラスムギタンパク 0.2
(30)クエン酸 0.4
(31)安息香酸ナトリウム 0.5
(32)EDTA 0.1
(33)カラメル 0.2
(34)香料 0.5
(35)精製水 バランス
【0031】
常法により上記組成のシャンプーを調製し、洗髪中の使用感、洗髪乾燥後の仕上がり感、起泡性、外観安定性を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。
【0032】
実施例12 シャンプー
(1)ラウラミドプロピルベタイン 8.0
(2)パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン 7.0
(3)(メタクリロイルエチルジメチルベタイン
/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム
/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマー
(25/70/5) 1.5
(4)塩化ナトリウム 1.5
(5)カチオン化セルロース(電荷密度:1.3meq/g) 0.2
(6)カチオン化セルロース(電荷密度:0.8meq/g) 0.2
(7)カチオン化タラガム(電荷密度:1.5meq/g) 0.1
(8)カチオン化グアガム(電荷密度:1.1meq/g) 0.2
(9)ポリオキシエチレン(7)ヤシ油脂肪酸グリセリン 6.0
(10)ラウラミドMIPA 1.0
(11)セテアレス−60ミリスチルグリコール 0.5
(12)ジステアリン酸エチレングリコール 2.0
(13)ムクロジエキス 0.5
(14)ヒオウギエキス 0.1
(15)ツバキエキス 0.1
(16)黒米エキス(商品名:黒米エキス−PC〔オリザ油化製〕) 0.1
(17)コメヌカエキス 0.1
(18)コメ胚芽油 0.1
(19)加水分解コメタンパク 0.5
(20)コメヌカ油脂肪酸フィトステリル 0.1
(21)クエン酸 0.2
(22)安息香酸ナトリウム 0.2
(23)EDTA 0.1
(24)カラメル 0.1
(25)香料 0.5
(26)精製水 バランス
【0033】
常法により上記組成のシャンプーを調製し、洗髪中の使用感、洗髪乾燥後の仕上がり感、起泡性、外観安定性を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)〜(D)成分を含有し、成分(A)と成分(C)の質量比が(A)/(C)=1/5〜5/1の範囲にあることを特徴とするシャンプー組成物。
(A)(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングルコール)コポリマー
(B)エーテル硫酸塩型アニオン性界面活性剤及び/又はベタイン型両性界面活性剤
(C)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩の1種又は2種以上
(D)カチオン化タラガム及び/又はカチオン化グアガム
【請求項2】
更に(E)カチオン化セルロースを含有する請求項1記載のシャンプー組成物
【請求項3】
更に(F)25℃で液状のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンを含有する請求項1又は2記載のシャンプー組成物

【公開番号】特開2011−162461(P2011−162461A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24884(P2010−24884)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】