説明

シール構造、液晶装置、その製造方法およびプロジェクタ

【課題】 水分や不純物等の浸入を防止することが可能な、液晶装置60を提供する。
【解決手段】 基板本体10Aの表面に突起81が形成され、その表面に倣って形成された無機配向膜16の表面に凸部82が形成され、また基板本体20Aの表面に溝91が形成され、その表面に倣って形成された無機配向膜22の表面に凹部92が形成され、そして凸部82および凹部92の表面にシール材19が配設されて、液晶層50が封止されている構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール構造、液晶装置、その製造方法およびプロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置の光変調手段として用いられる液晶装置は、一対の基板間の周縁部にシール材が配設され、その中央部に液晶層が封止されて構成されている。その一対の基板の内側には液晶層に電圧を印加する電極が形成され、その電極の内側には非選択電圧印加時において液晶分子の配向を制御する配向膜が形成されている。そして、非選択電圧印加時と選択電圧印加時との液晶分子の配向変化に基づいて光源光が変調され、画像光が作製される構成となっている。
【0003】
上述した配向膜として、側鎖アルキル基を付加したポリイミド等からなる高分子膜の表面に、ラビング処理を施したものが用いられている。ラビング処理とは、柔らかい布からなるローラで、高分子膜の表面を所定方向に擦ることにより、高分子を所定方向に配向させるものである。その配向性高分子と液晶分子との分子間相互作用により、配向性高分子に沿って液晶分子が配置されるので、非選択電圧印加時の液晶分子を所定方向に配向させることができるようになっている。また側鎖アルキル基により、液晶分子にプレティルトを与えることができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、このような有機配向膜を備えた液晶装置をプロジェクタの光変調手段として採用した場合には、光源から照射される強い光や熱によって配向膜が次第に分解されるおそれがある。そして長期間の使用後には、液晶分子を所望のプレティルト角に配列することができなくなるなど液晶分子の配向制御機能が低下して、液晶プロジェクタの表示品質が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、耐光性および耐熱性に優れた無機材料からなる配向膜の採用が検討されている。この無機配向膜の製造方法として、イオンビームスパッタ法や斜方蒸着法等が提案されている。これらの方法は、基板に対して所定の入射角度で無機材料の粒子を連続入射させ、無機材料の柱状構造体を形成して無機配向膜を構成するものである。液晶装置ではこの柱状構造体に沿って液晶分子が配向するので、この無機配向膜により液晶分子に対する配向規制およびプレティルトの付与が可能となっている。
【特許文献1】特開2001−222017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一対の基板間に液晶層を封止するためには、無機配向膜の表面にシール材を配設する必要がある。しかしながら、柱状構造体からなる無機配向膜は多孔質であるため、シール材と無機配向膜との界面に大きな隙間が形成されるおそれがある。この隙間を通って、液晶装置の外部から液晶層に水分や不純物等が浸入した場合には、主に液晶装置における液晶分子の配向制御機能が阻害されるという問題がある。その結果、液晶プロジェクタの信頼性を低下させることになる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、水分や不純物等が浸入する可能性を低減することが可能なシール構造、液晶装置およびその製造方法の提供を目的とする。また、信頼性に優れたプロジェクタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のシール構造は、多孔質層の表面にシール材を配設してシールを行う構造であって、前記多孔質層の表面における前記シール材の配設領域に凹凸部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、凹凸部がない場合と比べて、シール材の界面の幅が長くなる。そのため、その界面を通って水分等が浸入する可能性を低減することができる。
【0009】
一方、本発明の液晶装置は、一対の基板間にシール材が配設されて液晶層が封止された液晶装置であって、前記基板の表面における前記シール材の配設領域に凹凸部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、凹凸部がない場合と比べて、シール材の界面の幅が長くなる。そのため、その界面を通って水分等が液晶層に浸入する可能性を低減することができる。
【0010】
また本発明の他の液晶装置は、一対の基板間にシール材が配設されて液晶層が封止された液晶装置であって、前記基板の表面に配向膜が配設され、前記配向膜の表面おける前記シール材の配設領域に凹凸部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、凹凸部がない場合と比べて、シール材と配向膜との界面の幅が長くなる。そのため、その界面に形成される隙間を通って水分等が液晶層に浸入する可能性を低減することができる。
【0011】
また前記基板の表面に突起または溝が形成され、前記突起または前記溝の表面に倣って前記配向膜が配設されて、前記配向膜の表面に前記凹凸部が形成されていることが望ましい。
この構成によれば、配向膜の表面に対して簡単に凹凸部を形成することができる。
【0012】
なお前記配向膜は、多孔質に形成されていてもよい。
シール材と多孔質配向膜との界面には大きな隙間が形成されやすいが、本発明を適用することにより、その隙間を通って水分等が液晶層に浸入する可能性を低減することができる。
【0013】
また前記一対の基板における一方の前記基板の周縁部に凸部が形成され、前記一対の基板における他方の前記基板の周縁部に凹部が形成され、前記凸部と前記凹部とが嵌合されていることが望ましい。
この構成によれば、所定の液晶層厚を実現することができるとともに、両基板の水平方向のアライメントを実現することができる。
【0014】
一方、本発明の液晶装置の製造方法は、一対の基板間にシール材が配設されて液晶層が封止された液晶装置の製造方法であって、前記基板の表面に突起または溝を形成する工程と、前記突起または前記溝の表面に倣って多孔質配向膜を配設して、前記配向膜の表面に凹凸部を形成する工程と、前記凹凸部の表面に前記シール材を配設する工程と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、凹凸部がない場合と比べて、シール材と配向膜との界面の幅が長くなる。そのため、その界面に形成される隙間を通って水分等が液晶層に浸入する可能性を低減することができる。
【0015】
一方、本発明のプロジェクタは、上述した液晶装置を光変調手段として備えたことを特徴とする。
この構成によれば、水分等が液晶層に浸入する可能性の少ない液晶装置を備えているので、液晶装置の各種機能を維持することが可能になり、信頼性に優れたプロジェクタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。なお本明細書では、液晶装置の各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。また、「非選択電圧印加時」および「選択電圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧近傍である時」および「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧に比べて十分高い時」を意味しているものとする。
【0017】
(第1実施形態)
最初に、本発明の第1実施形態に係る液晶装置につき、図1ないし図7を用いて説明する。図6に示すように、第1実施形態に係る液晶装置は、一対の基板10,20間の周縁部にシール材19が配設され、その中央部に液晶層50が封止された液晶装置60であって、基板本体10Aの表面に突起81が形成され、その表面に倣って形成された無機配向膜16の表面に凸部82が形成され、また基板本体20Aの表面に溝91が形成され、その表面に倣って形成された無機配向膜22の表面に凹部92が形成され、そして凸部82および凹部92の表面に前記シール材19が配設されているものである。なお本実施形態では、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTという)素子を用いたアクティブマトリクス方式の透過型液晶装置を例にして説明する。
【0018】
(液晶装置)
図1は、液晶装置のTFTアレイ基板の平面図である。TFTアレイ基板10の中央には画像作製領域101が形成されている。その画像作製領域101の周縁部にシール材19が配設されて、画像作製領域101に液晶層(不図示)が封止されている。この液晶層は基板上に液晶を直接塗布して形成されたものであり、シール材19には液晶の注入口が設けられていない。そのシール材19の外側には、後述する走査線に走査信号を供給する走査線駆動素子110と、後述するデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動素子120とが実装されている。その駆動素子110,120から、TFTアレイ基板10の端部の接続端子79にかけて、配線76が引き廻されている。
【0019】
一方、TFTアレイ基板10に貼り合わされる対向基板(不図示)には、共通電極21が形成されている。この共通電極21は画像作製領域101のほぼ全域に形成され、共通電極21の四隅には基板間導通部70が設けられている。その基板間導通部70から接続端子79にかけて、配線78が引き廻されている。
そして、外部から入力された各種信号が、接続端子79を介して画像作製領域101に供給されることにより、液晶装置が駆動されるようになっている。
【0020】
(等価回路)
図2は、液晶装置の等価回路図である。透過型液晶装置の画像作製領域を構成すべくマトリクス状に配置された複数のドットには、それぞれ画素電極9が形成されている。また、その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30が形成されている。このTFT素子30のソースにはデータ線6aが接続されている。各データ線6aには、上述したデータ線駆動素子から画像信号S1、S2、…、Snが供給されるようになっている。
【0021】
また、TFT素子30のゲートには走査線3aが接続されている。走査線3aには、上述した走査線駆動素子から所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される。一方、TFT素子30のドレインには画素電極9が接続されている。そして、走査線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gmにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオンにすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、画素電極9を介して各ドットの液晶に所定のタイミングで書き込まれるようになっている。
【0022】
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極9と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光源光が変調されて、画像光が作製されるようになっている。
【0023】
(平面構造)
図3は、液晶装置の平面構造の説明図である。本実施形態の液晶装置では、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOという)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極9(破線9aによりその輪郭を示す)が、マトリクス状に配列形成されている。また、画素電極9の縦横の境界に沿って、データ線6a、走査線3aおよび容量線3bが設けられている。本実施形態では、各画素電極9の形成された矩形領域がドットであり、マトリクス状に配置されたドットごとに表示を行うことが可能な構造になっている。
【0024】
TFT素子30は、ポリシリコン膜等からなる半導体層1aを中心として形成されている。半導体層1aのソース領域(後述)には、コンタクトホール5を介して、データ線6aが接続されている。また、半導体層1aのドレイン領域(後述)には、コンタクトホール8を介して、画素電極9が接続されている。一方、半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分には、チャネル領域1a’が形成されている。
【0025】
(断面構造)
図4は、液晶装置の断面構造の説明図であり、図3のA−A’線における側面断面図である。図4に示すように、本実施形態の液晶装置60は、TFTアレイ基板10と、これに対向配置された対向基板20と、これらの間に挟持された液晶層50とを主体として構成されている。TFTアレイ基板10は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体10A、およびその内側に形成されたTFT素子30や画素電極9、配向膜16などを主体として構成されている。一方の対向基板20は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体20A、およびその内側に形成された共通電極21や配向膜22などを主体として構成されている。
【0026】
TFTアレイ基板10の表面には、後述する第1遮光膜11aおよび第1層間絶縁膜12が形成されている。そして、第1層間絶縁膜12の表面に半導体層1aが形成され、この半導体層1aを中心としてTFT素子30が形成されている。半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分にはチャネル領域1a’が形成され、その両側にソース領域およびドレイン領域が形成されている。このTFT素子30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用しているため、ソース領域およびドレイン領域に、それぞれ不純物濃度が相対的に高い高濃度領域と、相対的に低い低濃度領域(LDD領域)とが形成されている。すなわち、ソース領域には低濃度ソース領域1bと高濃度ソース領域1dとが形成され、ドレイン領域には低濃度ドレイン領域1cと高濃度ドレイン領域1eとが形成されている。
【0027】
半導体層1aの表面には、ゲート絶縁膜2が形成されている。そして、ゲート絶縁膜2の表面に走査線3aが形成されて、チャネル領域1a’との対向部分がゲート電極を構成している。また、ゲート絶縁膜2および走査線3aの表面には、第2層間絶縁膜4が形成されている。そして、第2層間絶縁膜4の表面にデータ線6aが形成され、第2層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール5を介して、そのデータ線6aが高濃度ソース領域1dに接続されている。さらに、第2層間絶縁膜4およびデータ線6aの表面には、第3層間絶縁膜7が形成されている。そして、第3層間絶縁膜7の表面に画素電極9が形成され、第2層間絶縁膜4および第3層間絶縁膜7に形成されたコンタクトホール8を介して、その画素電極9が高濃度ドレイン領域1eに接続されている。さらに、画素電極9を覆うように無機配向膜16が形成され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向を規制しうるようになっている。
【0028】
なお、本実施形態では、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fが形成されている。また、ゲート絶縁膜2を延設して誘電体膜が形成され、その表面に容量線3bが配置されて第2蓄積容量電極が形成されている。これらにより、上述した蓄積容量17が構成されている。
また、TFT素子30の形成領域に対応する基板本体10Aの表面に、第1遮光膜11aが形成されている。第1遮光膜11aは、液晶装置に入射した光が、半導体層1aのチャネル領域1a’、低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止するものである。
【0029】
一方、対向基板20における基板本体20Aの表面には、第2遮光膜23が形成されている。第2遮光膜23は、液晶装置に入射した光が半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c等に侵入するのを防止するものであり、平面視において半導体層1aと重なる領域に設けられている。また対向基板20の表面には、ほぼ全面にわたってITO等の導電体からなる共通電極21が形成されている。さらに、共通電極21の表面には無機配向膜22が形成され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向を規制しうるようになっている。
【0030】
そして、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、ネマチック液晶等からなる液晶層50が挟持されている。このネマチック液晶分子は、正の誘電率異方性を有するものであり、非選択電圧印加時には基板に沿って水平配向し、選択電圧印加時には電界方向に沿って垂直配向する。またネマチック液晶分子は、正の屈折率異方性を有するものであり、その複屈折と液晶層厚との積(リタデーション)Δndは、例えば約0.40μm(60℃)となっている。なお、TFTアレイ基板10の配向膜16による配向規制方向と、対向基板20の配向膜22による配向規制方向とは、約90°ねじれた状態に設定されている。これにより、本実施形態の液晶装置60は、ツイステッドネマチックモードで動作するようになっている。
【0031】
また両基板10,20の外側には、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素をドープした材料等からなる偏光板18,28が配置されている。なお各偏光板18,28は、サファイヤガラスや水晶等の高熱伝導率材料からなる支持基板上に装着して、液晶装置60から離間配置することが望ましい。各偏光板18,28は、その吸収軸方向の直線偏光を吸収し、透過軸方向の直線偏光を透過する機能を有する。TFTアレイ基板10側の偏光板18は、その透過軸が配向膜16の配向規制方向と略一致するように配置され、対向基板20側の偏光板28は、その透過軸が配向膜22の配向規制方向と略一致するように配置されている。
【0032】
液晶装置60は、対向基板20を光源側に向けて配置される。その光源光のうち偏光板28の透過軸と一致する直線偏光のみが偏光板28を透過して液晶装置60に入射する。非選択電圧印加時の液晶装置60では、基板に対して水平配向した液晶分子が液晶層50の厚さ方向に約90°ねじれたらせん状に積層配置されている。そのため、液晶装置60に入射した直線偏光は、約90°旋光されて液晶装置60から出射する。この直線偏光は、偏光板18の透過軸と一致するため、偏光板18を透過する。したがって、非選択電圧印加時の液晶装置60では白表示が行われるようになっている(ノーマリーホワイトモード)。
【0033】
また、選択電圧印加時の液晶装置60では、液晶分子が基板に対して垂直配向している。そのため、液晶装置60に入射した直線偏光は、旋光されることなく液晶装置60から出射する。この直線偏光は、偏光板18の透過軸と直交するため、偏光板18を透過しない。したがって、選択電圧印加時の液晶装置60では黒表示が行われるようになっている。
【0034】
(無機配向膜)
上述したように、両基板10,20の内側には無機配向膜16,22が形成されている。以下にはTFTアレイ基板10の無機配向膜16について説明するが、対向基板20の無機配向膜22も同様の構成となっている。
無機配向膜16は、SiOやSiO等のシリコン酸化物、またはAl、ZnO、MgOやITO等の金属酸化物等により、厚さ0.02〜0.3μm(好ましくは、0.02〜0.08μm)程度に形成されている。無機配向膜16の製造には、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法等のスパッタ法、蒸着法、ゾルゲル法、自己組織化法などを利用することが可能である。以下には、イオンビームスパッタ法による無機配向膜16の製造方法について説明する。
【0035】
図5(a)は、イオンビームスパッタ装置の模式図である。このイオンビームスパッタ装置S100は、真空チャンバS3およびその内部圧力を制御する排気ポンプS4と、その真空チャンバS3内で基板10を固定する基板ホルダーS5と、その基板に向けてスパッタ粒子を放出するターゲットS2と、そのターゲットに向けてイオンビームを照射するイオン源S1とを備えている。そのイオン源S1にはガス供給源S13が接続され、またイオン源S1の内部にはフィラメントS11および引き出し電極S12が設けられている。
【0036】
このイオンビームスパッタ装置を用いた無機配向膜の形成は、以下の手順で行う。まず、真空チャンバS3内の基板ホルダーS5に基板10を固定し、排気ポンプS4により真空チャンバS3の内部を減圧する。次に、ガス供給源S13からイオン源S1内にアルゴンガス等の希ガスを供給し、フィラメントS11に電圧を印加して熱電子を発生させる。すると、発生した熱電子が導入された希ガスと衝突してイオン源S1にプラズマが発生する。次に、引き出し電極S12にイオン加速電圧を印加して、プラズマにより発生したイオンを加速する。これにより、イオン源S1からイオンビームが照射される。イオンビームが照射されたターゲットS2は、無機配向膜の形成材料からなるスパッタ粒子を基板10に向けて放出する。このスパッタ粒子が基板10に堆積して、基板10上に無機配向膜が形成される。
【0037】
なお真空チャンバS3内の圧力は、5×10−1Pa以下とするのが好ましく、5×10−2Pa以下とするのがより好ましい。この圧力が高すぎると、照射されたスパッタ粒子の直進性が低下するからである。また基板10の温度は、150℃以下とするのが好ましく、100℃以下とするのがより好ましく、50〜80℃とするのがさらに好ましい。このように基板10を比較的低温に保持することにより、基板10に付着したスパッタ粒子が最初に付着した位置から移動する現象(マイグレーション)を抑制することができる。さらに引き出し電極S12に印加するイオン加速電圧は、400〜3000Vとするのが好ましく、800〜2000Vとするのがより好ましい。イオン加速電圧が低すぎるとスパッタレートが低下し、イオン加速電圧が高すぎると均一な膜が形成されないからである。
【0038】
図5(b)は、無機配向膜が形成された基板の側面断面図である。基板10に対して略一定の入射角度でスパッタ粒子が連続入射すると、スパッタ粒子が斜め柱状に堆積して、無機材料の柱状構造体16aが形成される。この柱状構造体16aが基板10の表面に無数に形成されて、無機配向膜16が構成されている。なお図5(a)に示すターゲットS2と基板10との角度を調整して、基板10に対してスパッタ粒子を所定の入射角度で入射させることにより、図5(b)に示す柱状構造体16aに所定の傾斜角度を付与することができる。そして液晶装置では柱状構造体16aに沿って液晶分子が配向するので、この無機配向膜16により非選択電圧印加時の液晶分子を所定方向に配向規制することができる。また液晶分子にプレティルトを付与することができる。
【0039】
なお、予め無機配向膜の下地膜表面に複数の傾斜面を形成しておき、その表面に上記スパッタ法で無機配向膜を形成して、前記複数の傾斜面の形状が無機配向膜の表面に伝達されている構成としてもよい。また上記スパッタ法で無機配向膜を形成した後に、所定角度でイオンビームを入射させるイオンミリングを行って、無機配向膜の表面に所定の方向性を有する凹部を形成してもよい。また予め無機配向膜の下地膜表面にイオンミリングを行っておき、次に上記スパッタ法で無機配向膜を形成し、さらにその表面に再度イオンミリングを行って、無機配向膜の表面に凹部を形成してもよい。いずれの場合にも、液晶分子に対して所望のプレティルト角を確実に付与することが可能な無機配向膜を提供することができる。
【0040】
(シール構造)
図6は、第1実施形態に係るシール構造の説明図であり、図1のB−B線における側面断面図である。なお図1に示すように、TFTアレイ基板10の周縁部にシール材19が配設されて、その中央部に液晶層が封止されている。
【0041】
図6に示すように、シール材19が配設されるシール領域では、TFTアレイ基板10の基板本体10Aの表面に突起81が形成されている。この突起81は感光性樹脂材料等からなり、フォトリソグラフィを用いて形成されている。この突起81は、シール領域の全周にわたって連続形成され、その連続方向に垂直な断面が矩形状とされている。その突起81の表面に倣って、無機配向膜16が略一定の厚さで配設されている。これにより、無機配向膜16の表面に、高さ数μmの凸部82が形成されている。この凸部82は、シール領域の全周にわたって連続形成され、その連続方向に垂直な断面が矩形状とされている。
【0042】
またシール領域では、対向基板20の基板本体20Aの表面に溝91が形成されている。この溝91は、シール領域の全周にわたって連続形成され、その連続方向に垂直な断面が矩形状とされている。その溝91の表面に倣って、無機配向膜22が略一定の厚さで配設されている。これにより、無機配向膜22の表面に深さ数μmの凹部92が形成されている。この凹部92は、シール領域の全周にわたって連続形成され、その連続方向に垂直な断面が矩形状とされている。なお凹部92の幅は、凸部82の幅より広くなっている。
【0043】
そして、TFTアレイ基板10の凸部82と、対向基板20の凹部92とが、シール材19を介して嵌合されている。このように凸部82と凹部92とを嵌合させた状態で、両基板の相対位置を固定することにより、液晶装置60において所定の液晶層厚(セルギャップ)が実現されている。なお、凸部82の先端面と凹部92の底面とを当接させることにより、所定の液晶層厚を確実に実現することができる。また、凸部82の側面と凹部92の側面とを当接させることにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との水平方向のアライメントを確保することができる。
【0044】
ところで、図5(b)に示すように柱状構造体16aで構成された無機配向膜16は多孔質であるため、シール材19と基板10との間に隙間が形成されるおそれがあり、特にシール材19と無機配向膜16との界面には大きな隙間が形成されるおそれがある。これらの隙間を通って、液晶装置の外部から水分や不純物等が液晶層に浸入するおそれがある。水分や不純物等が液晶層に浸入すると、液晶装置の各種機能が阻害されることになり、特に分極構造を持つ液晶中に分極性分子である水が浸入すると液晶の配向不良が発生することになる。
【0045】
これに対して、図6に示す本実施形態のシール構造では、無機配向膜16,22の表面に凹凸部82,92を形成し、その凹凸部82,92の表面にシール材19を配設する構成とした。この構成によれば、凹凸部がない場合と比べて、シール材19と無機配向膜16,22との界面の幅が長くなるので、水分等の浸入経路の長さが長くなる。そのため、その界面の隙間を通って水分等が液晶層50に浸入する可能性を低減することが可能になり、液晶装置60の各種機能を維持することができる。したがって、この液晶装置を光変調手段に採用した液晶プロジェクタの信頼性を向上させることができる。
【0046】
また本実施形態では、基板本体10A,20Aの表面に突起81または溝91を形成し、その突起81または溝91の表面に倣って無機配向膜16,22を配設して、無機配向膜16,22の表面に凹凸部82,92を形成する構成としたので、凹凸部82,92を簡単に形成することができる。ただし、この構成に限られず、基板本体は平坦面のままで、無機配向膜に突起または溝を形成して凹凸部を構成してもよい。また基板本体および無機配向膜の両方に突起または溝を形成して、両者の足し合わせにより大きな凹凸部を形成してもよい。
【0047】
なお有機材料からなる配向膜を採用する場合や、シール領域に配向膜を形成しない場合には、シール材の界面に大きな隙間が形成されるおそれは少ない。しかしながら、これらの場合でも、シール領域の表面に凹凸部を形成し、その凹凸部の表面にシール材を塗布すれば、シール材の界面の幅が長くなる。これにより、その界面の隙間を通って水分等が液晶層に浸入する可能性を極めて小さくすることが可能になり、液晶プロジェクタの信頼性を向上させることができる。
【0048】
(変形例)
図7は、第1実施形態の変形例の説明図である。図6に示す第1実施形態の凹凸部82,92は、シール領域の全周にわたって連続形成され、その連続方向に垂直な断面が矩形状とされている構成とした。これに対して、図7(a)に示す第1変形例の凹凸部82a,92aは、シール領域の全周にわたって連続形成されている点は第1実施形態と同じであるが、その連続方向に垂直な断面が半円形状とされている点で相違している。また図7(b)に示す第2変形例の凹凸部82b,92bは、連続方向に垂直な断面が三角形状とされている点で相違している。また図7(c)に示す第3変形例の凹凸部82c,92cは、連続方向に垂直な断面が三角形状とされている点で第2変形例と同じであるが、その外周面が基板に対して略垂直面とされている点で相違している。
【0049】
各変形例の凸部を形成するには、まずアクリル等の感光性樹脂層を基板表面に形成する。次に、濃淡の連続的な変化によりパターンが描画されたグレーマスク(ハーフトーンマスク)を用いて、感光性樹脂層を露光する。これにより、グレーマスクの濃淡に応じて焦点深度の異なる露光が行われる。その後、感光性樹脂層を現像することにより、断面が半球形状や三角形状の突起を形成することができる。また各変形例の凹部を形成するには、まずレジスト層を基板表面に形成する。次に、グレーマスクを用いてフォトリソグラフィを行うことにより、レジスト層に所望の溝形状を形成する。そして、そのレジスト層をマスクとして基板をエッチングすることにより、断面が半球形状や三角形状の溝を形成することができる。
【0050】
上述した各変形例でも、第1実施形態と同様に、無機配向膜の表面に凹凸部を形成し、その凹凸部の表面にシール材を配設する。この構成により、凹凸部がない場合と比べて、シール材と無機配向膜との界面の幅が長くなる。そのため、その界面の隙間を通って水分等が液晶層に浸入する可能性を低減することが可能になり、液晶装置の機能を維持することができる。したがって、この液晶装置を光変調手段に採用した液晶プロジェクタの信頼性を向上させることができる。また両基板の凹凸部が嵌合されている構成としたので、所定の液晶層厚を確実に実現することができるとともに、両基板の水平方向のアライメントを確保することができる。なお凹凸部の形状として、上記以外にも様々な形状を採用することが可能である。
【0051】
なお第1実施形態およびその変形例では、フォトリソグラフィを用いて突起および溝を形成したが、突起および溝の形成方法はこれに限られない。例えば、モールド内で基板と同時に突起および溝を成型する方法や、転写型を基板に押圧して突起および溝を形成する方法などを採用することも可能である。
【0052】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態につき、図8を用いて説明する。
図8は、第2実施形態に係るシール構造の説明図であり、図1のB−B線に相当する部分における側面断面図である。図8に示す第2実施形態のシール構造は、両基板10,20の無機配向膜16,22の表面に凹部182,192が形成され、その凹部182,192の表面にシール材19が配設されている点で第1実施形態と共通しているが、両基板の凹部182,192が嵌合されていない点で第1実施形態と相違している。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
【0053】
図8に示すように、シール材19が配設されるシール領域では、TFTアレイ基板10の基板本体10Aに複数の溝181が形成されている。その溝181の表面に倣って、無機配向膜16が略一定の厚さで配設されている。これにより、無機配向膜16の表面に凹部182が形成されている。同様に、対向基板20の基板本体20Aにも複数の溝191が形成され、その溝191の表面に倣って無機配向膜22が略一定の厚さで配設されて、無機配向膜22の表面に凹部192が形成されている。
【0054】
そして、両基板10,20の凹部182,192の内側にシール材19が充填されるとともに、両基板10,20間にもシール材19が配設されて、両基板の相対位置が固定されている。なおシール材19に混入させたスペーサ19aを両基板間に介在させることにより、所望の液晶層厚が確保されている。
【0055】
上述した第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、無機配向膜16,22の表面に凹部182,192が形成され、その凹部182,192の表面にシール材19が配設されている構成とした。このように、両基板の凹部182,192が嵌合されていなくても、シール材19と無機配向膜16,22との界面の幅が長くなる。そのため、その界面の隙間を通って水分等が液晶層50に浸入する可能性を低減することが可能になり、液晶装置160の各種機能を維持することができる。したがって、この液晶装置160を光変調手段に採用した液晶プロジェクタの信頼性を向上させることができる。
【0056】
なお、第2実施形態では両基板10,20に凹部182,192を形成したが、一方または双方の基板に凸部を形成してもよい。この場合にはシール材にスペーサを混入させなくても、凸部を相手側に突き当てることにより所望の液晶層厚を確保することができる。
また、各基板10,20の表面に形成される凹凸部の数が多いほど、また凹凸部の高さが高いほど、シール材19と無機配向膜16,22との界面の幅が長くなるので、液晶装置160の信頼性を向上させることができる。
【0057】
(プロジェクタ)
次に、本発明のプロジェクタにつき、図9を用いて説明する。図9は、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは、上述した各実施形態に係る液晶装置を光変調手段として備えたものである。
【0058】
図9において、810は光源、813,814はダイクロイックミラー、815,816,817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822,823,824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
【0059】
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
【0060】
各光変調手段822,823,824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
【0061】
上述したプロジェクタは、上記各実施形態の液晶装置を光変調手段として備えている。各実施形態の液晶装置は、耐光性および耐熱性に優れた無機配向膜を備えているので、光源から照射される強い光や熱により配向膜が劣化することはない。また、シール材と無機配向膜との界面に形成される隙間を通って水分等が液晶層に浸入する可能性を低減することができる。したがって、液晶装置における液晶分子の配向制御機能を維持することが可能になり、信頼性に優れたプロジェクタを提供することができる。
【0062】
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、実施形態ではスイッチング素子としてTFTを備えた液晶装置を例にして説明したが、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode)等の二端子型素子を備えた液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、実施形態では透過型液晶装置を例にして説明したが、反射型液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、実施形態ではTN(Twisted Nematic)モードで機能する液晶装置を例にして説明したが、VA(Vertical Alignment)モードで機能する液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、実施形態では3板式の投射型表示装置(プロジェクタ)を例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に本発明を適用することも可能である。
【0063】
また、本発明の液晶装置を、プロジェクタ以外の電子機器に適用することも可能である。その具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、上述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置を表示部に備えたものである。また、その他の電子機器としては、例えばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】液晶装置のTFTアレイ基板の平面図である。
【図2】液晶装置の等価回路図である。
【図3】液晶装置の平面構造の説明図である。
【図4】液晶装置の断面構造の説明図である。
【図5】(a)はイオンビームスパッタ装置の模式図であり、(b)は無機配向膜が形成された基板の側面断面図である。
【図6】第1実施形態に係るシール構造の説明図である。
【図7】第1実施形態の変形例の説明図である。
【図8】第2実施形態に係るシール構造の説明図である。
【図9】プロジェクタの要部を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0065】
10A‥基板本体 16‥無機配向膜 19‥シール材 20A‥基板本体 22‥無機配向膜 50‥液晶層 60‥液晶装置 81‥突起 82‥凸部 91‥溝 92‥凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質層の表面にシール材を配設してシールを行う構造であって、
前記多孔質層の表面における前記シール材の配設領域に凹凸部が形成されていることを特徴とするシール構造。
【請求項2】
一対の基板間にシール材が配設されて液晶層が封止された液晶装置であって、
前記基板の表面における前記シール材の配設領域に凹凸部が形成されていることを特徴とする液晶装置。
【請求項3】
一対の基板間にシール材が配設されて液晶層が封止された液晶装置であって、
前記基板の表面に配向膜が配設され、前記配向膜の表面おける前記シール材の配設領域に凹凸部が形成されていることを特徴とする液晶装置。
【請求項4】
前記基板の表面に突起または溝が形成され、前記突起または前記溝の表面に倣って前記配向膜が配設されて、前記配向膜の表面に前記凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置。
【請求項5】
前記配向膜は、多孔質に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液晶装置。
【請求項6】
前記一対の基板における一方の前記基板の周縁部に凸部が形成され、前記一対の基板における他方の前記基板の周縁部に凹部が形成され、前記凸部と前記凹部とが嵌合されていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の液晶装置。
【請求項7】
一対の基板間にシール材が配設されて液晶層が封止された液晶装置の製造方法であって、
前記基板の表面に突起または溝を形成する工程と、
前記突起または前記溝の表面に倣って多孔質配向膜を配設して、前記配向膜の表面に凹凸部を形成する工程と、
前記凹凸部の表面に前記シール材を配設する工程と、
を有することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項8】
請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の液晶装置を光変調手段として備えたことを特徴とするプロジェクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−285001(P2006−285001A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−106035(P2005−106035)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】