説明

ジケトピロロピロール誘導体の無溶媒製造方法。

本発明は、式A(D)(E)(I)の化合物、式(III)の化合物、式(X)の化合物および化合物(I)を式(II)の顔料へと変化させるその製造方法および化合物(I)の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある有機化合物、その製造方法およびその使用に関する。本発明はとくに、基本的には、ジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩の溶媒を含まない製造方法およびその潜在顔料としての使用および適する顔料形態での対応するジケトピロロピロール顔料の製造のための使用に関する。
【0002】
化学的、熱によるまたは光分解による方法によって、基材へそのまま微分割化顔料粒子を発生させることができる潜在顔料が、EP-A 654 711に記載されている(米国特許、6071989、6211347および6365720参照)。顔料分散の製造に有利に用いることができる潜在顔料および高分子量の材料の着色への使用もまた知られている(米国特許6211347)。
潜在顔料としての顔料誘導体を製造する方法は、EP 648 817およびWO 98/32802に知られている。それらの方法では、顔料は、とりわけ任意に触媒が存在する溶媒中のジカーボネートと反応させる。ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クロロベンゼンおよびピリジンなどの芳香族溶媒もまた含む、多数の溶媒が記載されている。極性の高い溶媒の好ましいものとしては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-ピロリドンまたはテトラヒドロフランである。例として、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチル-アセトアミドまたはテトラヒドロフランのみが用いられている。
【0003】
しかしながら、その方法は、常に所望の程度の十分な結果を生みださず(米国特許6365720参照)、いくらかの顔料は、不可解にも低収率であり、水酸またはアミド基へ部分的にのみ反応し得るものであることが見出された。他の顔料は、より反応するが、それによって得られた粗顔料誘導体が十分でない純度または不適切な貯蔵安定性を示し、複雑な精製工程を必要とする。さらに顔料は、パイロット規模または生産規模でのまだ予期せぬ問題をまだ発生する。
米国特許6365720では、反応を芳香族溶媒中のピロカルボン酸ジエステル(pyrocarbonic acid diester)で行うと驚くほど良好な結果を有する顔料が用いられることができることがクレームされている。収率および純度の両方とも明らかに高く、さらなる基が顔料へ導入され得る。この発明による方法では、比較的多量の潜在顔料の製造(.gtoreq.1 mol)にとくに優れて適することもまたクレームされている。さらに、そこで得られる顔料と溶解性顔料誘導体がこれまで用いられた溶媒中よりもより溶解しない比較的非極性溶媒中でとりわけ、驚くほどのより完全な反応が得られることもまたクレームされている。
【0004】
これらの方法はともに、経済的および環境的に重大な不利益を有する。例えば、製造方法が溶媒の使用を必要とし、反応物質の取り扱いが非常に難しい一方、他方では、つまらないものであって、あまりに複雑で、商品として重要でない。しかしながら、さらに重要な不利益は、基材に導入する間に対応する潜在顔料から顔料を得るとき、爆発性および有害なガスが発生する可能性を有する事である。したがって、基材に潜在顔料を導入することは、特別な装置および取り扱い手段を必要とし、非常に高価となり得る。
【0005】
製造が容易で容易に加水分解、またはそのまま加水分解へと誘導され、対応する顔料を発生するある顔料のアルカリ金属塩が潜在顔料、とくに塗料、印刷インキ、木の着色液などの液体系により適することがここで見出された。それらはとくに、顔料分散の製造および高分子量材料の着色への使用に適する。そのような潜在顔料の導入は、何ら複雑な装置を必要としない。さらに、危険な有機揮発性材料を全く遊離しない。したがって、生ずる顔料はそのまま自己分散(auto-dispersed)し、さらなる分散装置および/または加工を必要としない。
【0006】
したがって、本発明は、式A(D)(E)(I)で表される化合物に関する。
式中、xおよびyは、それぞれ互いに独立して0〜6の整数を示すが、xおよびyは同時に0でなく、Aは、ジケトピロロピロール、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インディコ、キノフタロン(quinophthalone)、インダスロン、イソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、アゾ、フタロシアニンまたはペリノン系(perinone series)の発色団の基または基の混合物であり、基は、1または2以上の窒素原子を介してx個の基Dに結合し、1または2以上の酸素原子を介してy個の基Eに結合し、窒素原子および酸素原子は、基Aの一部を形成し、基DまたはEは、それぞれ互いに独立してアルカリ金属である。
【0007】
本発明は、また式A(H)(H)(II)で表される化合物を高められた温度下で有機溶媒が存在または非存在下で強アルカリ金属塩基と反応させることによって式A(D)(E)(I)の化合物の製造方法に関する。
適する溶媒の例は、1〜10個の炭素原子を含む第1級、第2級または第3級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、2-メチル-2-ブタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール、2-メチル-2-ヘキサノール、3-エチル-3-ペンタノール、2,4,4-トリメチル-2-ペンタノールまたは、エチレングリコール、またはジエチレングリコールなどのグリコール;およびテトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル;およびアセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、N,N,-ジメチルアセトアミド、ニトロベンゼン、N-メチルピロリドンなどの双極性非プロトン性溶媒;ベンゼンまたはアルキル、アルコキシまたはハロゲンで置換されたベンゼン、たとえば、トルエン、キシレン、アニソールまたはクロロベンゼンなどの脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素;またはピリジン、ピコリンまたはキノリンなどの芳香族複素環化合物である。溶媒の混合物もまた用いてもよい。反応物1重量部に対し、溶媒を5〜20重量部用いるのが都合がいい。
【0008】
適する強塩基は、アルカリ金属水酸化物、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属、アルカリ金属アミド、アルカリ金属水素化物;およびとくに1〜10個の炭素原子を有する第1級、第2級または第3級脂肪族アルコール由来のアルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコキシドを含む。上述のアルカリ金属アルコキシドの混合物を用いることもまたできる。好ましくは、とくにナトリウムまたはカリウムであるアルカリ金属を有するアルカリ金属アルコキシドおよび水酸化物を用いることであり、アルコキシドは好ましくは、第1級、第2級および第3級アルコール由来である。とくに好ましい強塩基は、たとえば、水酸化カリウム、メチル化ナトリウム、イソプロピル化ナトリウム、tert-ブチル化ナトリウムおよびtert-アミル化ナトリウムである。これらのアルカリ金属アルコキシドは、また対応するアルコールをアルカリ金属と反応させることでそのまま生成することができる。
アルコラートを塩基として用いるときは、同じアルコールまたは不活性溶媒中の溶液または懸濁液としてもまた用いることができる。従って、使用され、反応の間生成されるアルコールおよび/または溶媒は、反応の間絶えず蒸留してもよく、そのため無溶媒状態を与える。
【0009】
Aは、好ましくは、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ペリレン、インディコ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、アゾ、またはペリノン系の発色団の基である。
さらに、好ましくは、少なくとも一つの、x個の基Dに結合したそれぞれの窒素原子で直接隣接するまたは共役カルボニル基を有する誘導体である。しかしながら、また多数のまたはすべての基Dおよび/またはEは、そのような窒素原子または酸素原子に結合することもできる。
【0010】
とくに好ましい式Iの化合物は、式IIIのジケトピロロピロール化合物である。
【化1】

式中、Mはともにアルカリ金属を示し、基RおよびRはそれぞれ互いに独立して同素環または複素環芳香族基である。RおよびRは、異なっていても同一であってもよいが、好ましくは、同一である。同素環芳香族基であるRおよびRは、好ましくは、単環から四環基であり、もっとも好ましくは、単環または二環基、すなわち、フェニル、ビフェニルまたはナフチルである。複素環芳香族基RおよびRは、好ましくは、単環から三環までである。これらの基は完全に複素環であってもまたは複素環および1または2以上の縮合ベンゼン環を含んでいてもよく、シアノ基は、複素環および同素間部位両方にそれぞれ結合することができる。複素環芳香族基の例は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、トリアジニル、フリル、ピロリル、チオフェニル、キノリル、ベンズイミダゾリル、キナゾリル、キノキサリル、フタラジニル(phthalazinyl)、フタラジンジオニル(phthalazindionyl)、フタルアミジル、イソキノリニル、イソチアゾリル、アクリジニル、アクリドニル、キナゾリンジオニル、キノキサリンジオニル、ベンズオキサジンジオニル、ベンズオキサジノニルおよびナフタリミジルである。
【0011】
同素環および複素環芳香族基は、ともに通常の非水溶化置換基を含んでもよく、たとえば、:
(1)塩素、臭素またはフッ素原子などのハロゲン原子。
(2)好ましくは1〜18個の、とくに1〜12個の、より好ましくは、1〜8個の、もっとも好ましくは、1〜4個の炭素原子を含む、分枝または非分枝アルキル基。これらのアルキル基は、非水溶化置換基、たとえば、フッ素、 −OCOR、−OR、−CONRまたは−CONHR、式中、RおよびRは、アルキル、ナフチルなどのアリール、またはベンジルまたはハロゲン、アルキルまたはアルコキシで置換されたベンジルまたは複素環基であり、;およびRおよびRは、水素、アルキルまたはシアノまたは水酸基で置換されたアルキル、またはC〜Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール、とくにフェニルまたはハロゲン、アルキルまたはアルコキシで置換されたフェニルであり、またはRおよびRは、窒素原子とともに5-または6-員複素環、たとえば、モルホリン、ピペリジンまたはフタルイミド環を形成する。さらに、アルキル基での可能な置換基は、モノまたはジアルキル化アミノ基、ナフチルなどのアリール基または好ましくは、フェニルまたはハロゲン、アルキルまたはアルコキシで置換されたフェニルまたは2-チエニル、2-ベンズオキサゾリル、2-ベンズチアゾリル、2-ベンズイミダゾリル、6-ベンズイミダゾリル、2-、 3-または4-ピリジル、または2-、4-または6-キノリル基などの複素環芳香族基でもある。
(3)好ましくは1〜18個、とくに1〜12個、より好ましくは1〜8個、もっとも好ましくは、1〜4個の炭素原子を含むアルコキシ基。
(4)シアノ基。
【0012】
非置換のまたはアルキル基で置換された例は、:メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec−ブチル、tert-ブチル、tert-アミル、n-ペンチル、n-ヘキシル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、n-ヘプチル、n−オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルまたはヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、シアノメチル、メトキシカルボニルメチル、アセトキシメチルまたはベンジルである。
好ましいRおよびRの意味は、フェニルまたは1または2個のフッ素、塩素、または臭素原子またはこれらの混合物、塩素原子を有する1、2または3個のメトキシまたはメチル基またはこれらの混合物、シアノ、ジメチルアミノ、トリフルオロメチル、2〜3個の炭素原子のアルコキシカルボニル、tert-ブチル、シアノフェニル、11〜14個の炭素原子のアセチルまたはアルキルベンゾイルオキシで置換されたフェニル;ビフェニル;ナフチルまたはメトキシで置換されたナフチル;アントリル;フェナントリル;ピリジルまたはメチルまたはアミルオキシで置換されたピリジル;キノリル;フリルまたはチエニルである。
【0013】
一般式IIの式IV
【化2】

の相当する好適化合物から式IIIの化合物を製造する方法の他、式IIIの化合物もまた基本的に溶媒を含まずそのまま直接合成することによって製造することができ、式
【化3】

式中、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキルまたはアリール基である、
のジコハク酸エステル1モルを最も多くて2モルの式R−CN(VI)またはR−CN(VII)のニトリルまたは0.1〜1.9モルの式VIのニトリルおよび1.9〜0.1モルの式VIIのニトリルと反応させ、基本的には、いかなる有機溶媒の存在しなく、高められた温度で強塩基の存在下で行う。溶媒を用いない式IVの顔料のこの製造方法がとくに好ましい。
【0014】
式VIおよび/またはVIIのニトリルを使用するに関し、式中、RおよびRは、置換されていないフェニルまたはナフチルまたは非水溶化置換基を含むフェニルまたはナフチルであるのが好ましい。
【化4】

とくに用いられる出発材料は、式VIIIのニトリルである。
式中、R、R10およびR11は、相互に独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、トリフルオロメチル、C〜C12のアルキル、C〜C12のアルコキシ、C〜C12のアルキルメルカプト、C〜C13のアルコキシカルボニル、C〜C13のアルカノイルアミノ、C〜C12のモノアルキルアミノ、C〜C24のジアルキルアミノまたはフェノキシ、フェニルメルカプト、フェノキシカルボニル、フェニルカルバモイルまたはベンゾイルアミノであり、それぞれが置換されていないかハロゲン、C〜C12のアルキル、またはC〜C12のアルコキシによって置換されており、ただし、R、R10およびR11の少なくとも一つが水素である。
【0015】
最も好ましくは、用いられる出発材料は、式IXのニトリルであり、R12およびR13は、塩素、臭素、C〜Cのアルキル、シアノ、C〜Cのアルコキシまたはフェノキシ、カルバモイルまたはC〜Cのアルキルカルバモイルであり、それぞれが置換されていないかまたは、塩素、またはメチルで置換されており、または置換されていないか、塩素、メチルまたはメトキシで置換され、他は水素であるフェニルカルバモイルである。
本発明の方法に用いられるジコハク酸エステルVは、ジアルキル、ジシクロアルキルまたはジアリールであってもよい。ジアルキル、ジシクロアルキルおよびジアリールコハク酸エステルは非対称でもよい。しかしながら、対称ジコハク酸エステルを用いるのが好ましく、最も好ましくは、対称ジアルキルコハク酸エステルである。
【0016】
ジコハク酸エステルの例は、ジメチルコハク酸エステル、ジエチルコハク酸エステル、ジプロピルコハク酸エステル、ジブチルコハク酸エステル、ジペンチルコハク酸エステル、ジヘキシルコハク酸エステル、ジヘプチルコハク酸エステル、ジオクチルコハク酸エステル、ジイソプロピルコハク酸エステル、ジ−sec−ブチルコハク酸エステル、ジ-tert-ブチルコハク酸エステル、ジ-tert-アミルコハク酸エステル、ジ-[1,1-ジメチルブチル]コハク酸エステル、ジ-[1,1,3,3-テトラメチルブチル]コハク酸エステル、ジ-[1,1-ジメチルペンチル]コハク酸エステル、ジ-[1-メチル-1-エチルブチル]コハク酸エステル、ジ-[1,1-ジエチルプロピル]コハク酸エステル、ジフェニルコハク酸エステル、ジ[4-メチルフェニル]コハク酸エステル、ジ-[2-メチルフェニル]コハク酸エステル、ジ-[4-クロロフェニル]コハク酸エステル、モノエチル-モノフェニルコハク酸エステルおよびジシクロヘキシルコハク酸エステルである。
【0017】
ジコハク酸エステルVおよび式VIまたはVIIのニトリルは、知られている化合物であり、知られている方法によって製造してもよい。
本発明の特有の方法は、いかなる溶媒の非存在下で、70〜200℃の温度範囲、好ましくは、80〜140℃の範囲で行う。
一対の活性化亜鉛−銅の存在下でベンゾニトリルおよびブロモ酢酸エチルから出発する1,4-ジケト-3,6-ジフェニルピロロ[3,4-c]ピロールの合成方法は、Tetrahedron Lett. 1974, 2549-52に記載されている。しかしながら、得られる収率が今のところ十分でない。
米国特許4,579,949に記載されている特定の反応条件下でコハク酸エステルおよび芳香族ニトリルから出発することによって所望のピロロ[3,4-c]ピロールが十分により高い収率で得られる。しかしながら、このプロセスは、非常に特定の不活性有機溶媒の使用を必要とする。特許でクレームされた高収率を得るためには、不活性である他、溶媒は、高い純度およびとくに十分に無水である必要がある。さらに、溶媒は、工程で用いた後、再使用するために再生する必要がある。高純度および特に実質的に無水である溶媒の再生は、さらに工程を扱いにくくしている。さらに、溶媒の使用は、生産性を減らし、高いエネルギー消費を必要とするために工程の経済性をより低くしている。たとえば、米国特許4,579,949は、また反応物質1重量部当たり、溶媒5〜20重量部の使用もまた記載している。溶媒を基本とする工程の他の不都合な点は、環境性 (揮発性有機化合物)、衛生性および安全性問題を含む。
【0018】
したがって、本発明は、基本的にいかなる有機溶媒の非存在下および高められた温度での強塩基の存在下での式IIIの1,4-ジケトピロロ[3,4-c]ピロールの製造方法を提供し、最先端技術の溶媒を基本とする工程の不都合点を軽減する。本発明は、また式IVに相当する微分割化された適する顔料形態の1,4-ジケトピロロ[3,4-c]ピロール顔料の製造方法もまた提供する。
【0019】
この方法は、完全に回文式だけでなく、連続してもまた行うことができる。アルキル基およびメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールまたはtert-ブタノールなどの低級アルコール由来のアルコラートを含む、ジコハク酸エステルを用いるときは、高収率を得るために、反応溶剤から反応の間形成される低級アルコールを除去する必要がある。
方法のさらに好ましい態様は、わずか化学量論的割合でジコハク酸エステルと反応させるニトリルの使用にある。最終生成物の収率は、通常、ニトリルに対し、過剰のジコハク酸エステルを用いることによってさらに改善され得ることが見出され、この場合、最適量は、それぞれの反応物質にしたがって決めなければならず、ニトリルに対し、必要とされる化学量論量の最大50%過剰であってもよい。
【0020】
一般式Iのさらに好ましい化合物は、式Xのキナクリドンである;
【化5】

式中、Mの好ましい意味は、アルカリ金属であり、D、D、DおよびDは、フッ素、塩素または臭素原子またはそれらの混合物であり、メトキシ、メチル基またはそれらの混合物、シアノ、ジメチルアミノ、トリフルオロメチル、tert-ブチルまたはアセチル基である。;
【0021】
以下の式のイソインドリノン化合物;
【化6】

式中、Mは、アルカリ金属、好ましくはナトリウムまたはカリウムであり、Zは、ハロゲンまたは水素であり、Yは、以下の式の芳香族残基である。
【化7】

【0022】
以下の式のキノフタロン;
【化8】

以下の式のイソインドリン;
【化9】

式中、E〜Eは、CN、CONH-アルキルまたはCONH-アリールである。E/EおよびE/Eは、モノ−およびポリ−複素環式またはそれらの組み合わせであってもまたよい。それらの化合物の例は、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントオレンジ66、ピグメントオレンジ69、ピグメントレッド260、ピグメントブラウン38の誘導体である。
【0023】
さらに式A(D)(E)(I)の化合物の生成に適する式A(H)(H)(II)の化合物はたとえば、
a)アゾ顔料:C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー182、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ62、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントブラウン23;
b)ペリレン顔料:C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントバイオレット23;
c)ペリノン顔料:C.I.ピグメントオレンジ43;
d)アントラキノン顔料:C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントブルー60;
e)ピラゾロキナゾロン(pyrazoloquinazolone)顔料: C.I.ピグメントオレンジ67、C.I.ピグメントレッド251;
f)フタロシアニン顔料: C.I.ピグメントブルー16;
g)複素環顔料: WO 9832800にクレームされているチアジン (THI)顔料およびDE 4442291にクレームされているベンズイミダゾロン(benzimidazolone)-ジオキサジン顔料である。
【0024】
本発明は、また、式A(H)(H)(II)の微分割化粒子化合物の同式に相当する初期粗化合物からの製造方法にもまた関する。
粒子有機固体である、有機顔料の製造は、通常、2つの製造段階を含む(Hugh Smith in Pigment Handbook Vol I 414頁, P.Lewis, John Wiley版 1988)。最初の段階は、通常、生成物が、顔料用途に適さない大きな結晶形態で形成される、相当する化学的部位の合成を含む。続く段階では、最初の粒子は、半分割され、それらの用途の要件に合うように調整される。しかしながら、そのような顔料の仕上げおよび調整の方法は、通常、多大なエネルギー消費(ウェットおよびドライのフライスなど)または高い汚染(酸ペーストまたは酸隆起)である。アルカリ金属塩を介してのイソインドリノン顔料などの有機顔料のそのままの仕上げもまた記載されている。しかしながら、多量の有機溶媒の使用が必須である。さらに、工程は、また非常に特別な不活性有機溶媒の使用も必要とする。不活性である他に溶媒は、実質的に無水である必要がある。さらに溶媒は、工程において使用後、分離工程で再使用のために再生する必要がある。溶媒の再生、とくに最も好ましい実質的に無水形態のアルコール性溶媒は、方法をさらに煩雑にしている。さらに多量の溶媒の使用は、生産性を減少させ、より高いエネルギー消費を必要とし、そのため工程の経済性を低くしている。
【0025】
本発明の方法は、最終段階での溶媒の使用が必須でない利点を有する。さらに、最も好ましいアルコール溶媒を水の替わりにおよび/または水と組み合わせて用いるとき、無水である必要はなく、そのために、その再生を非常に容易および経済的にしている。微粒子サイズおよび良好な分散性能、高い色強度、高い耐候性、高い色彩度などの所望の用途適性を有する最終顔料組成物が得られる。
好ましい方法では、水または水の混合物および第1級または第2級アルコールが加水分解の溶媒として用いられる。
【0026】
顔料組成物の粒子サイズを調整するために最先端技術で知られている添加剤もまた用いることができる。その上、沈殿後の最終顔料懸濁液を加圧下で加熱することによって顔料組成物の粒子サイズを調整することもできる。
顔料および加水分解の条件に応じて、2ミクロン未満の粒子サイズの顔料が得られる。
所望の粒子結晶サイズおよび形の生成が完了すると、調整された顔料は、ろ過によって分離され、油カスは、水および/または有機溶媒、好ましくはメタノール続けて水によって洗浄され、乾燥される。良好な結果が酸性条件でろ過を行うことで得られる。
顔料組成物の粒子サイズを調整するために最先端技術で知られている添加剤もまた用いることができる。その上、加水分解後の最終顔料懸濁液を加圧下で加熱することによって顔料組成物の粒子サイズを調整することもできる。
【0027】
本発明のさらなる目的は、高い安定性および良好な透明度を有する顔料分散およびそれらの製造方法を提供することにある。
カラーフィルターおよびインクジェット用途などの最近の顔料用途は、顔料の色および加工適性に厳しい要件を置いている。顔料は、清潔で強く、広い色領域で広がるのを可能にする明瞭な陰影を有することが要求される。さらに、単一の顔料としてだけでなく、組み合わせ、たとえば、三色染色の要素としても用いることができなければならない。技術的用途の点から、さらなる衛生性が心配される困難な混合およびフライス操作を避けることができるために、分散として顔料を適用することが有利であることがわかる。さらに、分散は、粉末形態よりも顔料粒子のより均一な分散を有するために、染色工程をより再生可能なものとする。
印刷インキなどの古典的な用途であっても経済的見地から、濃縮され、安定な分散を用いるのがとくに望ましく、輸送または貯蔵時に場所をとらず、同時に良好な安定性を有する。
さらに、生態学的理由および多くの国での厳しい揮発性有機化合物規制を考慮すると、溶媒を基本とする分散よりも水溶性分散の方がより望ましい。
【0028】
潜在顔料として用いられる本発明の顔料のアルカリ金属塩は、とくにそのような顔料分散すべての製造に適し、典型的には、たとえば、米国特許6,302,953;米国特許6,462,125,4;米国特許4,986,851; WO 99/01511; WO 03/008510に知られいる。驚いたことに、アルカリ金属顔料は導入時、自動分散し、そのまま加水分解することで顔料分散の最先端技術のいかなる製造方法と異なり、分散のために、ビーズミルまたはニーダーなどの特別な分散装置を必要としない。
したがって、米国特許4,597,794および5,085,698から、0.015〜0.5マイクロメータ平均粒子サイズ分布を有する細顔料分散の製造が知られており、安定化共重合体の添加によって、機械的粉砕および続けて粗粒子を取り除くためにろ過または遠心分離などの抽出技術によって得られる。これらの方法の不都合な点は、極端な時間を消費しエネルギーに集中したフライス加工であり、数日続き、高い摩擦エネルギーを必要とする。フライスされた生成物は、広い粒子サイズ分布および機械的圧力のために粗い表面を有する。過剰に大きな顔料粒子または粗い表面を有する顔料粒子は、輸送のロスをもたらす。一方でより小さい粒子は、凝集を生じやすく、分散加工の工程で既知の技術、たとえば超音波などの形での高エネルギーを入力することによって壊される。より小さい粒子の凝集傾向の結果は綿状沈殿の傾向となり、そういった分散は、本質的に不安定である。
【0029】
記載された不都合な点は、蒸発法(米国特許5,030,669および5,106,533参照)または高圧下における細分散の製造(WO 96/14925)などの他の技術によって一部のみ軽減することができる。さらに、これらの技術は、それらを適用するために特別な装置を必要とする。
米国特許6,211,347は、EP-A 654 711に知られている潜在顔料、ポリマーおよび溶媒を含む混合物を熱的、化学的または光分解処理を受けさせることを含む顔料分散の製造方法を提供する。したがって、そのような潜在顔料の不都合点および上述のそれらの使用の特別な欠点は、十分には取り組まれていない。
【0030】
したがって、本発明は、顔料分散が、顔料、ポリマーおよび/または分散剤、および液状媒体および任意に有機酸のアルカリ金属塩で構成され、
1)式A(D)(E)(I)の化合物を、液状媒体、ポリマーおよび/または分散剤、および任意に有機酸を添加した混合物Aへ添加する、または
2)式A(D)(E)(I)の化合物、ポリマーおよび/または分散剤、および液状媒体を含む混合物Bへ、任意に有機酸を添加する、または
3)式A(D)(E)(I)の化合物および有機酸を、ポリマーおよび/または分散剤、液状媒体を含む混合物Cへ、同時に添加する、または
上記手順の他の置換および混合のいずれかを含む、顔料分散の製造方法を提供する。
【0031】
この方法に適する有機酸は、脂肪族または芳香族の残基に4個までの酸基を有する脂肪族または芳香族ポリカルボン酸またはポリスルホン酸またはポリリン酸である。好ましい有機酸は、顔料のアルカリ金属と相互作用する他、分散剤および抗菌剤としても働く。典型的な酸は、炭素原子18までの脂肪酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリチック酸(pyromelitic acid)などの芳香族酸;ベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレンおよびアルキルナフタレンスルホン酸またはホスホン酸である。
典型的な最先端技術の液体は、水であり、有機溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、tert-ブタノールなどの脂肪族C〜Cのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、またはジアセトンアルコールなどのケトン、およびエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルなどのポリオール、セロソルブおよびカルビトール、およびN-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、N,N'-ジメチルホルムアミドまたはN,N'-ジメチルアセトアミドである。
しかしながら、製造方法は、水溶性顔料分散の製造に適する。
【0032】
本発明の方法によって製造された微細顔料分散は、好ましくは、0.02〜0.6マイクロメータ、とくに好ましくは、0.03〜0.5マイクロメータ、非常にとくに好ましくは、0.06〜0.4マイクロメータの平均粒子サイズ分布を有する。粒子サイズ分布は、Joyce-Loebl円盤遠心法(Joyce-Loebl disk centrifuging method)によって測定した。
分散剤は、好ましくは、異なる濃度の溶媒中で好ましい空間的定位を有する性質のイオン性または非イオン性であってもよい。水溶性分散は、たとえば、親水性の先端および疎水性の末端からなる大きな分子を含み、たとえば、 3M社の非イオン性フッ素含有界面活性剤Fluorad FC-170、(またはChevron社、リッチフィールド、カリフォルニアのOLOA.TM. 1200、Amoco Chemical社、ネーパービル、IllのAmoco.TM. 9250)などである。生じる分散は、好ましくは、20重量%、とくに好ましくは、10重量%、非常にとくに好ましくは、5重量%の添加剤を含み、所望により、さらなる共溶媒、たとえばシクロヘキサノン、シクロペンタノン、N,N'-ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドなどを含んでもよい。
【0033】
水溶性顔料分散のためのポリマーは、好ましくは、親水性部位および疎水性部位からなるポリマーである。前者は、イオン性であっても塩を形成してもまたは非イオン性であってもよい。
ポリマーは好ましくは、ランダム、ブロックまたはグラフトポリマーである。
ポリマーの親水性部位は、アルコール、カルボキシル、カルボキシアミド、カルボキシラトまたはサルファト(sulfato)を含むスルホ基、シアナトまたはカルボン酸無水物基などの官能基、またはエチレンまたはプロピレンオキサイド基などのエーテル基、およびさらにアクリルまたはメチルアクリル、クロチル、スルホエチルメチルアクリル、スルホプロピルメチルアクリル、ビニルナフチル、ビニルフェニルまたはビニルトリル基、イタコニル(itaconyl)基、たとえば、イタコニルモノエステル、マレイン酸またはマレイニル(maleinyl)基、たとえばマレイン酸モノエステル、フマリル基、たとえばフマリルモノエステルおよびとくにビニル安息香酸などの重合可能なビニルまたはビニレン基のモノマーで形成される。モノエステルは、たとえば、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸のモノエステルである。
好ましくは、官能基として、カルボキシル、カルボン酸無水物、スルホン酸塩またはサルフェート基を有するモノマーである。とくに好ましくは、カルボキシルまたはカルボン酸無水物であり、たとえばビニル安息香酸、無水マレイン酸である。
【0034】
ポリマーの疎水性部位を形成するモノマーは、好ましくは、たとえば、スチレン、C〜Cアルキル-置換スチレンなどのスチレン誘導体、塩化ビニル、ビニルナフタレン、C〜Cアルキル-置換ビニルナフタレンなどのビニルナフタレン誘導体、ビニルトルエン、α-、m-、p-またはm/p-ビニルトルエンおよび脂肪族C12〜C18アルケンからなる非極性モノマーの基から選択される。
好ましい疎水性非極性モノマーは、たとえば、スチレン、ビニルトルエンおよびオクタデセンである。
選択されるコポリマーは、好ましくは、1〜2Mw/Mn(式中、Mwは、平均分子量であり、Mnは平均数である)の狭い分子量分布を有する。
水を有さない顔料分散には、たとえば、アクリレート、メタクリレート、スチレンおよびビニルポリマーが用いられる。
【0035】
とくに好ましい態様では、エタノール分散にはポリビニルブチラート、溶媒としてメチルエチルケトンの分散にはメチルメタクリレートまたは溶媒としてクロロホルムの顔料分散には、メチルメタクリレートまたはブチルアクリレートのコポリマーが用いられる。
水溶性顔料分散の好ましいポリマーは、たとえば、カルボキシル含有ポリマー、たとえばスチレン、ビニルトルエンおよびビニル安息香酸、またはビニル安息香酸および非極性モノマー、およびスチレンおよび無水マレイン酸または長鎖アルケン(C12〜C18)と無水マレイン酸のコポリマーから構成され、たとえば、スチレン−無水マレイン酸、スチレン−ビニルトルエン−ビニル安息香酸またはオクタデセン−無水マレイン酸である。
本発明の方法の好ましい態様では、ビニル安息香酸および非極性モノマーを含むコポリマーの溶液またはカルボキシル含有ポリマーを含む溶液中で潜在顔料から水を基本とする顔料分散の製造に関する。
【0036】
以下は、本発明を説明する一連の例である。
例1
p-クロロベンゾニトリル2475 g、ジイソプロピルコハク酸エステル2181.6 g およびナトリウムtert-ブチラート2869.2 gを20〜25℃の10000 ml“All In One Reactor(登録商標)”(Drais Mannheim Germany)中にセットする。攪拌および窒素フロー下、混合物を60分以内に100℃に加熱する。80℃を超えると反応混合物は、かなり濃くなり、最終的には、ペーストへと変化する。80〜85℃を超えると、急速なアルコールの蒸発の形成が観察される。温度は、3時間、99〜100℃を維持するため、イソプロピルアルコールおよびtert-ブチルアルコールの混合物が蒸発する。反応塊は砕けやすく、最終的にはほとんどが、ほぼ半粉末状の材料へと崩壊する。反応混合物を、30分で120℃まで加熱し、120℃で30分維持する。混合物を、50℃まで冷却する。材料は、ポリエチレン袋へと中身を出し、リアクタの出口にきつく合わせる;式XIXの顔料が3248g得られる (p-クロロベンゾニトリルに基づき理論上90%)。次のバッチに用いられるおおよそ200 g (p-クロロベンゾニトリルに基づき理論上5.54 %)の生成物がまだリアクタ内に含まれる。従って、全収量は、おおよそ3448 g (p-クロロベンゾニトリルに基づき理論上約95.54 %)に相当する。
【0037】
この生成物は、最先端技術水性塗料系に攪拌し分散させると強い赤色を有する。
【化10】

【0038】
例2
加水分解のために、例1の生成物1000 gをゆっくりメタノール7000 mlおよび酢酸35 gの混合物へと室温で添加する。続けて混合物を還流のために加熱し、還流温度で2時間維持する。生じる顔料懸濁液を約50℃でろ過し、洗浄液が無色になるまでメタノールおよび水で洗浄し、真空で80℃で乾燥すると、PVCレッドの色の式XXの純粋な顔料845 g (式XIXの化合物に基づき理論上95 %)が得られる。
【化11】

【0039】
例3
ベンゾニトリル1545 g、ジ-tert-ブチルコハク酸エステル2242.5 g およびカリウムtert-ブチラート3024 gを20〜25℃の10000 ml“All In One Reactor”(Drais Mannheim Germany)中にセットする。攪拌および窒素フロー下、混合物を60分以内に100℃に加熱する。70℃を超えると反応混合物は、かなり濃くなり、最終的には、ペーストへと変化する。70〜75℃を超えると、急速なアルコールの蒸発の形成が観察される。温度は、3時間、99〜100℃を維持するため、tert-ブチルアルコールが蒸発する。反応塊は砕けやすく、最終的にはほとんどが、ほぼ半粉末状の材料へと崩壊する。反応混合物を、30分で120℃まで加熱し、120℃で30分維持する。混合物を、50℃まで冷却する。材料は、ポリエチレン袋へと中身を出し、リアクタの出口にきつく合わせ、例2のように精製し、式XXIの純粋な顔料1840gが得られる (ベンゾニトリルに基づき理論上85%)。
【化12】

【0040】
例4
p-クロロベンゾニトリル2750 gおよびナトリウムiso-プロピラート2950 gを20〜25℃の10000 ml“All In One Reactor”(Drais Mannheim Germany)中にセットする。攪拌および窒素フロー下、混合物を60分以内に90℃に加熱する。この温度に達してすぐに、ジイソプロピルコハク酸エステル2424 gを定量ポンプで145分にわたって添加する。温度を常に98〜99℃お維持するとイソプロピルアルコールが蒸発する。温度は99〜100℃を、2時間維持する。反応混合物を、30分で120℃まで加熱し、120℃で30分維持する。混合物を、50℃まで冷却する。材料は、ポリエチレン袋へと中身を出し、リアクタの出口にきつく合わせる;収量は、式XIXの化合物3490gである(p-クロロベンゾニトリルに基づき理論上87%)。
加水分解のために、上記反応混合物1000 gをゆっくり水10000 mlへと80℃で添加する。生じる顔料懸濁液を95℃まで加熱し、2時間95℃を維持する。その後、約80℃でろ過し、洗浄液が無色になるまで水で洗浄し、真空で80℃で乾燥すると、式XXの非常に微細な分割化顔料872 g (式XIXの化合物に基づき理論上98 %)が得られる。
続けて粗顔料は、130℃で3時間7体積部のジメチルホルムアミドで処理することで仕上げる。懸濁液を100℃でろ過し、100℃に加熱した同体積のジメチルホルムアミドで洗浄し、続けて70℃の水で洗浄する。油カスを100℃で乾燥すると、明るい赤の生成物が得られる。
【0041】
例5〜15
式R-CNのニトリル(式中Rは、表1で示す意味を有する)2-キロモルおよびナトリウムtert-アミラート3960 gを20〜25℃の10000 mlパドルドライヤー(TurbuDry(登録商標)、Drais Mannheim Germany)中にセットする。混合物を表1に示した温度に窒素下加熱する。この温度に達するとすぐに、ジ−iso-プロピルコハク酸エステル2626 mlを表1に示した時間にわたって定量ポンプを用いて常に攪拌しながら添加する。示した時間を維持すると生成されたアルコール混合物が蒸発する。添加が完了すると、反応混合物を同温度で2時間維持し、加水分解および例2のように精製を行うと、示した収量の式XXIIの顔料が得られる。
【化13】

式中、Rは、表1の意味を有する。
【0042】
【表1】

【0043】
例16〜20
式R'-CNのニトリル1.0キロモルおよび式R"-CN1.0キロモル(式中R'およびR"は、異なり、表2で定義する)(例16〜20)およびナトリウムtert-アミラート3.4キロモルを20〜25℃の10000 ml“All In One Reactor”(Drais Mannheim Germany)中にセットする。ジ−iso-プロピルコハク酸エステル1.2キロモルを表2に示した反応温度、またそこで示した時間にわたって定量ポンプを用いて添加すると、常にアルコール混合物が蒸発する。添加が完了すると、混合物を反応温度で2時間維持し、加水分解および例2のように精製を行うと、表2の式XXIII、XXIVおよびXXVの顔料混合物が得られる。
【化14】

【0044】
【表2】

【0045】
例21
粗ジケトピロロピロール顔料C.I.ピグメントレッド254、1786 g、tert-ブチルアルコール3000gおよびナトリウムtert-ブチラート960gを30℃の10000 ml“All In One Reactor(登録商標)”(Drais Mannheim Germany)中にセットする。攪拌および窒素フロー下、混合物を80℃まで加熱し、1時間80を維持する。50℃を超えると反応混合物は、かなり濃くなり、最終的には、ペーストへと変化する。その後、混合物を、ゆっくり外側から約90℃で加熱する。内側の温度が85℃に達した後、コンデンサーの出口を800mbarの真空にし、50mbarまで徐々に減圧すると、tert-ブチルアルコールが蒸発する。反応塊は砕けやすく、最終的にはほとんどが、ほぼ半粉末状の材料へと崩壊する。混合物を、50mbarの真空下でさらに30分、90℃で攪拌する。反応混合物を、80℃まで冷却する。材料は、スチール缶へと中身を出し、式XIXの生成物が1950g得られる 。次のバッチに用いられるおおよそ60 g の生成物がまだリアクタ内に含まれる。蒸留物もまた次のバッチに用いる。
【0046】
例22〜26
例21のピグメントレッド254の代わりに相当する市販の粗顔料および/またはナトリウムtert-ブチラートの代わりに相当するモル量のカリウムtert-ブチラートを用いて、次の表3の一般式XXVIの化合物を得る。
【表3】

【0047】
例27
ジイソプロピルコハク酸エステル1527.4 g、p-クロロベンゾニトリル1732.5 gおよびナトリウムtert-ブチラート2013 gを20〜25℃の10000 ml“All In One Reactor(登録商標)”(Drais Mannheim Germany)中にセットする。攪拌および窒素フロー下、混合物を87℃(内部温度)まで加熱する。50℃を超えると反応混合物は、かなり濃くなり、最終的には、ペーストへと変化する。内側の温度が87℃に達するとすぐに、コンデンサーの出口を800mbarの真空にし、50mbarまで徐々に減圧すると、イソプロピルアルコールおよびtert-ブチルアルコールの混合物が蒸発する。内部温度は初め75℃まで下げ、その後、アルコール混合物が完全に蒸発したらすぐに再び、85℃まで上げる。反応塊は砕けやすく、最終的にはほとんどが、ほぼ半粉末状の材料へと崩壊する。アルコールの残留混合物の蒸発の後、反応混合物を、50mbarの真空下でさらに30分、87℃で攪拌する。混合物を、60℃まで冷却し、材料は、スチール容器へと中身を出す。収量は、純度81.4%(p-クロロベンゾニトリルに基づき理論上約95%)の例21の式XIXの粗生成物2950gである。
【0048】
例28〜33
例27のp-クロロベンゾニトリルの代わりに式VIの相当するニトリルを用いて、表4の以下の化合物を得る。
【表4】

【0049】
例34
加水分解のために、例27の式XIXの粗化合物の成生物1000 gをゆっくりメタノール7000 mlおよび酢酸35 gの混合物へと室温で添加する。続けて混合物を還流のために加熱し、還流温度で2時間維持する。生じる顔料懸濁液を約50℃でろ過し、洗浄液が無色になるまでメタノールおよび水で洗浄し、真空で80℃で乾燥すると、式XXの純粋な顔料720gが得られる。
【0050】
例35〜40
例27の表4の相当する出発材料(例28〜33)を用いて、表5の式XXVIIIの化合物を得る。
【表5】

【0051】
例41
例34の出発材料として例21の式XIXの化合物を用いて得られる、式XXの化合物。
例42〜46
例34の出発材料として表3の式XXVIの相当する化合物を用いて得られる、式XXIXの化合物(表6)。
【表6】

【0052】
例47
500 mlのガラスリアクタに無水ter-アミルアルコール150 mlを窒素下、充填する。ナトリウム4.6 g (0.2モル)をそこへ添加し、混合物を100〜105℃まで加熱し、12時間維持する。生ずる溶液に80℃で4-クロロベンゾニトリル20.6 g (0.15モル)を添加する。続けて、96℃で3時間にわたってジイソプロピルハク酸エステル20.1 g (0.01モル)を測定する。 反応の間、tert-アミルアルコールに従って形成されるイソプロパノールは添加の間同時に蒸発する。反応混合物は、ジイソプロピルコハク酸エステルの添加が完了した後、さらに4時間攪拌する。その後、反応混合物を500mlの丸底フラスコに移し、残留tert-アミルアルコールをrotavap (Buechi)上で真空下蒸発させ、暗い赤色粉末の式XIXの化合物が得られる。
例48
例34に記載のように例47の化合物XIXの式XXの化合物へと加水分解する。
【0053】
例49
粗ジメチルキナクリドン顔料C.I.ピグメントレッド122、1700 g、tert-ブチルアルコール3500g およびナトリウムtert-ブチラート960gを30℃の10000 ml“All In One Reactor(登録商標)”(Drais Mannheim Germany)中にセットする。攪拌および窒素フロー下、混合物を80℃まで加熱し、3時間80℃を維持する。50℃を超えると反応混合物は、かなり濃くなり、最終的には、ペーストへと変化する。その後、混合物をゆっくり約90℃まで加熱する。内側の温度が85℃に達した後、コンデンサーの出口を800mbarの真空にし、さらに50mbarまで徐々に減圧すると、tert-ブチルアルコールが蒸発する。内部温度は初め75℃まで下げ、その後、アルコールが完全に蒸発したらすぐに再び、85℃まで上げる。反応塊は砕けやすく、最終的にはほとんどが、ほぼ半粉末状の材料へと崩壊する。混合物を、50mbarの真空下でさらに30分、85℃で攪拌する。反応混合物を、60℃まで冷却する。材料は、スチール缶へと中身を出し、式XXの生成物1890gが得られる。
【化15】

次のバッチに用いられるおおよそ30 gの生成物がまだリアクタ内に含まれる。蒸留物もまた次のバッチに用いる。
【0054】
例50〜53
例49に記載の手順に従って、相当する顔料から出発して表7の化合物を得る。
【表7】

【0055】
例54
水400 ml、フタル酸1.6 g、ジエチレングリコールに溶解した界面活性物質(Fluorad FC-171、3M社) の2% (重量%) 溶液0.7 gの混合物に例21の式XIXの化合物4 gを攪拌下、添加し、続けてジオキサン100 mlに溶解したオクタデセン−無水マレイン酸コポリマー(MW 50 000、Scientific Polymer Products社)10 gを添加する。混合後、ジオキサンを減圧下、ロータリーエバポレーターで蒸発させ、赤い分散を約410 gまで濃縮する。生じる分散は、均一で透明である。25℃で2.16 mPasの粘度である。数日後、沈殿の傾向は全く見られない。試料を水で50倍希釈し、1 mmセルの透過スペクトルを測定する。最大(520 nm)で吸収は、1.42mであり、660 nmではわずか0.1であり、これは良好な透明度を有する良好な粒子であることを示す。さらに、電子顕微鏡写真では、すべての粒子の大きさが0.5マイクロメータより小さいのを示している。
例55
例54の顔料分散3 gをジエチレングリコールに溶解した界面活性物質(Fluorad FC-171、3M社) の2% (重量%) 溶液0.75 gに混合する。生じるインキを"Quietjet" (Hewlett-Packard)熱的インクジェットプリンタで試験し、インキを収容するように提供されたプラスチック装置に適合させる。0.5のピーク光学強度の表面画線比率(surface coverage)(この値は、反射方式の分光計で測定し、紙の反射から差し引いたものである。)であり、透明でシャープな印刷特性が得られる。
インキは、通常市販の印刷紙ににじんだり、浸透する傾向はない。
【0056】
例56
例54の顔料分散10 gを界面活性物質(Fluorad FC-171、3M社) の2% (重量%) 溶液0.8 gおよびジエチレングリコールに、およびジエチレングリコール1.2 g、2-プロパノール0.5 g、モルホリン0.2 g およびブチルスルホキシド0.2 gに混合する。生じるインキを"Quietjet" (Hewlett-Packard)熱的インクジェットプリンタで試験し、インキを収容するように提供されたプラスチック装置に適合させる。1.09の最大光学強度の表面画線比率(この値は、反射方式の分光計で測定し、紙の反射から差し引いたものである。)であり、透明でシャープな印刷特性が得られる。
インキは、通常市販の印刷紙ににじんだり、浸透する傾向はない。
例57
スチレン/アクリル酸コポリマーアクリレート樹脂(例えばWO 03/008510に記載)25部、分散剤散剤 (C13-15-アルキル)-O-(CH2CH2O)9.5-CH2COONa、5部、プロピレングリコール15部および水35部の混合物に例21の式XIXの化合物20部を添加する。続けて生じる混合物に、フタル酸8部を添加する。生じる顔料分散は、たとえばサンドミルを用いて圧延する必要はない。
顔料分散は、優れたフロー適性および貯蔵安定性を示す。とくにインクジェット用途に適する。
【0057】
例58
例21の化合物XIX20部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30部およびアクリル樹脂(メタクリル酸、アクリル酸ブチル、スチレン、ヒドロキシエチルアクリレートを25/50/15/10のモル比で重合して得られる;分子量;12,000;固形量;30%)50部およびテレフタル酸8.3部の混合物へ添加する。それによって、カラーフィルターのための赤を基本とする色が得られた(たとえば分散剤を有さない米国特許6302953)。
例59
例21の式XIXの化合物40部をポリフェニルオキサレート7.5部、α-メチル-オメガ-ヒドロキシ-ポリエチレングリコールエーテル(MW 470〜530 g/mol)7.5部および水45部の混合物に攪拌しながら添加し、続けてトリメシン酸15.75部を添加する。生じる顔料分散は、たとえばサンドミルを用いて圧延する必要はない。
顔料分散は、優れたフロー適性および貯蔵安定性を示す。とくに建築塗料の色付けに適する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式A(D)(E)(I)で表される化合物であって、
式中、
xおよびyは、それぞれ互いに独立して0〜6の整数を示すが、xおよびyは同時に0でなく、Aは、ジケトピロロピロール、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インディコ、キノフタロン、インダスロン、イソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、アゾ、フタロシアニンまたはペリノン系の発色団の基または基の混合物であり、基は、1または2以上の窒素原子を介してx個の基Dに結合し、1または2以上の酸素原子を介してy個の基Eに結合し、窒素原子および酸素原子は、基Aの一部を形成し、基DまたはEは、それぞれ互いに独立してアルカリ金属または水素および少なくともDまたはEの一つは、アルカリ金属である、
前記化合物。
【請求項2】
請求項1の式(I)の化合物に相当する式;
【化1】

式中、Mはともにアルカリ金属を示し、RおよびRはそれぞれ互いに独立して同素環または複素環芳香族基である、
で表される、ジケトピロロピロール。
【請求項3】
請求項1の式(I)の化合物に相当する式;
【化2】

式中、Mはアルカリ金属を示し、 D、D、DおよびDは、フッ素、塩素、臭素原子またはそれらの混合物、メトキシ、メチル基またはそれらの混合物、シアノ、ジメチルアミノ、トリフルオロメチル、tert−ブチルまたはアセチル基である、
で表されるキナクリドン化合物。
【請求項4】
式A(H)(H)(II)で表される化合物を強アルカリ金属塩基と反応させることによって請求項1に記載の式A(D)(E)(I)の化合物の製造方法であって、その方法において反応を、アルカノール、グリコール、エーテル、グリコールエーテル、双極性非プロトン性溶媒、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコキシまたはハロゲンによって置換されたベンゼン、ピリジン、ピコリンまたはキノリンまたはそれらの混合物である有機溶媒中で行う、前記方法。
【請求項5】
請求項2の式IIIの化合物の製造方法であって、式V;
【化3】

式中、
およびRは、互いに独立してアルキルまたはシクロアルキルまたはアリール基である、
で表される非対称または対称ジアルキルまたはジアリールコハク酸エステルまたはモノアルキルモノアリールコハク酸エステル、ジシクロアルキルコハク酸エステルをコハク酸エステルの少なくとも各々のモルに対して2モルの式VI R−CN(VI)または式VII R−CN(VII)のニトリルまたは0.0〜2.0モルの式(VI)のニトリルおよび2.0〜0.0の式(VII)のニトリルとともに濃縮し、基本的にはいかなる有機溶媒の非存在下で70°〜200℃の温度で2〜5モルの強塩基の存在下で行う、前記方法。
【請求項6】
基本的には、溶媒の全く存在しない、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
強塩基が、アルカリ金属、アルカリ金属アミド、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコラートまたはアルカリ土類金属アルコラートである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ニトリルが、式VIまたはVIIの単独のニトリルである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
ジコハク酸エステルVが、それぞれのアルキル部位で1〜18個の炭素原子を含む、対称ジアルキルコハク酸エステルである、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
ジコハク酸エステルVが、アルキルが、sec-またはtert-アルキルである、対称ジアルキルコハク酸エステルである、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
およびRが、それぞれ互いに独立して、フェニルまたは1または2個の塩素原子、1または2個のメチル基、メトキシ、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシカルボニル、tert-ブチル、ジメチルアミノまたはシアノフェニルによって置換されたフェニル;ナフチル;ビフェニリル;ピリジルまたはアミルオキシで置換されたピリジル;フリルまたはチエニルである、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
およびRが、それぞれ互いに独立して、フェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、4-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、3-シアノフェニル、4-シアノフェニル、4-メトキシカルボニルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-ジメチルアミノフェニル、4-(p-シアノフェニル) フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニリル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、6-アミルオキシ-3-ピリジル、2-フリルまたは2-チエニルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
強塩基が、アルカリ金属アルコラートである、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
アルカリ金属アルコラートが、第2級または第3級アルコール由来である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
水または水を含む溶媒中で、無機または有機酸の存在または非存在下で、式A(D)(E)(I)の化合物の加水分解によって、式A(H)(H)(II)の微分割化顔料の製造方法。
【請求項16】
微分割化顔料が、2ミクロン未満の範囲の粒子サイズを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に記載の式A(D)(E)(I)の化合物からそのまま由来する、式A(H)(H)(II)の分散の製造方法であって、分散が、顔料、ポリマーおよび/または分散剤、および液状媒体で構成され、
a)式A(D)(E)(I)の化合物を、液状媒体、ポリマーおよび/または分散剤、および任意に有機酸を添加した混合物Aへ添加する、または
b)式A(D)(E)(I)の化合物、ポリマーおよび/または分散剤、液状媒体を含む混合物Bへ、任意に有機酸を添加する、または
c)式A(D)(E)(I)の化合物および任意に有機酸を、ポリマーおよび/または分散剤、および液状媒体を含む混合物Cへ、同時に添加する、
を含む、前記方法。
【請求項18】
請求項1に記載の式A(D)(E)(I)の化合物の、基材、好ましくは、合成ポリマー、合成樹脂および再生繊維の多量染色への使用。
【請求項19】
請求項1に記載の式A(D)(E)(I)の化合物の、印刷インキおよび織物の着色への使用。
【請求項20】
請求項1に記載の式A(D)(E)(I)の化合物の、電子写真トナーおよび現像剤の着色への使用。
【請求項21】
請求項1に記載の式A(D)(E)(I)の化合物の、塗膜の着色への使用。
【請求項22】
請求項1に記載の式A(D)(E)(I)の化合物の、インクジェットインキにおける着色剤としての使用。
【請求項23】
請求項1に記載の式A(D)(E)(I)の化合物の、化粧品組成物における着色剤としての使用。

【公表番号】特表2006−519167(P2006−519167A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568706(P2004−568706)
【出願日】平成15年6月24日(2003.6.24)
【国際出願番号】PCT/IB2003/002710
【国際公開番号】WO2004/076456
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505323367)エムシーエー テクノロジーズ ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】