説明

スイッチドリラクタンスモータ

【課題】本発明は、スイッチドリラクタンスモータに関する。
【解決手段】本発明は、中央に回転軸が固定されるように結合されるロータコア及び前記ロータコアの外周面から突出形成された複数個のロータ突極150からなるロータ部と、前記ロータ部が内部に回転可能に収容されるステータヨーク130及び前記ロータ突極150と対応するように前記ステータヨーク130から前記ロータ突極方向に突出形成され、コイル170が巻線される複数個のステータ突極150からなるステータ部と、前記ステータ部の上部に固定されるように結合され、複数個の前記ステータ突極150に巻線された前記コイル170が貫通される複数個の接地部を備えるプリント回路基板190と、を含むことを特徴とするスイッチドリラクタンスモータ100を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチドリラクタンスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチドリラクタンスモータ(switched reluctance motor)は、ステータヨーク及び前記ステータヨークから突出形成される複数個のステータ突極を含むステータ部と、ロータコア及び前記ステータ突極に対向するように前記ロータコアから突出形成される複数個のロータ突極を備え、前記ステータ部に回転可能に収容されるロータ部とで構成される。
【0003】
より具体的には、前記ステータ突極は、前記ロータ突極に向かうように、前記ステータヨークの内周面の周方向に沿って一定の間隔を置いて突出形成され、前記ステータ突極には、外部から電源の印加を受けるコイルが多数回巻線される。
【0004】
また、前記ロータ部の中央には、前記モータの駆動力を外部へ伝達する回転軸が結合され、前記ロータ部とともに一体に回転される。
【0005】
また、上述したように、前記ステータ突極には集中巻の前記コイルが巻線される一方、前記ロータ部は、如何なる励磁装置、例えばコイルの巻線または永久磁石なしに鉄心のみで構成される。
【0006】
従って、外部から前記コイルに電流が流れると、前記コイルで発生する磁気力により、前記ロータ部が前記コイルが巻線された前記ステータ突極の方向に移動するリラクタンストルクが発生するようになり、前記ロータ部は磁気回路の抵抗が最小になる方向に回転される。
【0007】
上述したように、夫々の前記ステータ突極には、外部から電源の印加を受けて一つの相を形成するためにコイルが多数回巻線される。
【0008】
この際、前記ステータ突極に巻線されたそれぞれの前記コイルに電源を印加するためには、前記コイルの端を前記コイルに外部電源を印加するプリント回路基板と電気的に連結しなければならないが、複雑に配置された前記コイルの配線を前記プリント回路基板に連結する従来の方式は、作業者に精密な手作業を要求するとともに、それにより製造コストが上昇するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、ステータ部の上部に直接結合されてステータ突極に巻線されたそれぞれのコイルに電流を独立に印加することにより、スイッチドリラクタンスモータを構成するそれぞれの相を容易に制御することができるプリント回路基板を含むスイッチドリラクタンスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はスイッチドリラクタンスモータに関するものであって、中央に回転軸が固定されるように結合されるロータコア及び前記ロータコアの外周面から突出形成された複数個のロータ突極からなるロータ部と、前記ロータ部が内部に回転可能に収容されるステータヨーク及び前記ロータ突極と対応するように前記ステータヨークから前記ロータ突極方向に突出形成され、コイルが巻線される複数個のステータ突極からなるステータ部と、前記ステータ部の上部に固定されるように結合され、複数個の前記ステータ突極に巻線された前記コイルが貫通される複数個の接地部を備えるプリント回路基板と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記プリント回路基板は、上部に複数個の受動素子が実装されるための受動素子用パッドが形成されることを特徴とする。
【0012】
また、上部に前記プリント回路基板のテストのためのテスト用パッドが形成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記プリント回路基板は、前記コイルに印加される外部電源により発生する電磁波障害を防止するための電磁波フィルターが実装されることを特徴とする。
【0014】
また、前記プリント回路基板は、前記接地部を貫通する前記コイルと電気的に連結される回路パターンが形成されることを特徴とする。
【0015】
また、前記ステータ部の外周面全体に絶縁材が塗布されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例によるスイッチドリラクタンスモータは、ステータ部の上部に固定されるように結合されて複数個のステータ突極にそれぞれ巻線されたコイルに電流を独立に印加することができるプリント回路基板を利用することにより、前記スイッチドリラクタンスモータを構成するそれぞれの相を容易に制御することができる効果がある。
【0017】
また、前記プリント回路基板の上部に受動素子を実装するパッドまたは前記プリント回路基板の作動をテストするテストパッドを配置することができるため、従来のスイッチドリラクタンスモータに比べ、小型化を実現することができる効果がある。
【0018】
また、前記プリント回路基板の上部に、前記コイルに印加される外部電源によって発生する電磁波障害を防止するための電磁波フィルターを実装することができるため、スイッチドリラクタンスモータの駆動の信頼性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例によるスイッチドリラクタンスモータの結合斜視図である。
【図2】図1に図示されたスイッチドリラクタンスモータを構成するステータ部の平面図である。
【図3】図2に図示されたスイッチドリラクタンスモータを構成するステータ突極とコイルとの概略的な結合関係を示す平面図である。
【図4】図1に図示されたスイッチドリラクタンスモータの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面と以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するために用いられることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ用いられる。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0021】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の実施例によるスイッチドリラクタンスモータの結合斜視図であり、図4は図1に図示されたスイッチドリラクタンスモータの分解斜視図である。図示されたように、前記スイッチドリラクタンスモータは、ロータコア及び前記ロータコアから突出形成された複数個のロータ突極を含むロータ部と、ステータヨーク及び前記ステータヨークから突出形成された複数個のステータ突極を含むステータ部と、で構成される。
【0023】
図示されたように、前記ロータ部120を構成する前記ロータコア140の中央には、前記モータの回転力を外部へ伝達するための回転軸が固定結合される中空孔が形成される。
【0024】
また、複数個の前記ロータ突極160は、前記ロータコア140の外周面に沿って一体に突出されるように形成される。
【0025】
また、前記ロータコア140とロータ突極160は、リラクタンストルクを発生させるために金属材質からなることが好ましい。
【0026】
図1及び図4に図示されたように、前記ステータ部110を構成する前記ステータヨーク130は、内部で前記ロータ部120が回転可能であるように、中空孔が形成された円筒状をなすことが好ましい。
【0027】
また、本発明の実施例は、3相のリラクタンススイッチドモータを具現するものであり、図示されたように、前記ステータヨーク130の外周面から突出形成される前記ステータ突極150は12個形成される。
【0028】
また、前記ステータ部110を構成する前記ステータヨーク130及び複数個のステータ突極150の外周面には、隣接する他のステータ突極150との電磁気的干渉を防止するために絶縁材(insulation)が塗布されることが好ましい。
【0029】
また、本発明の実施例において、前記ステータ部110の磁気力を向上させるための複数個のマグネットが追加に設けられるマグネット結合溝152が形成された複数個の補助突極151が、前記ロータ部120と対向するように前記ステータヨーク130から突出形成されることができる。
【0030】
より具体的には、3個のステータ突極150が順に前記ステータヨーク130の外周面に沿って突出形成された後、前記ステータ突極150と同一の長さまたは前記ステータ突極150より短い長さを有する補助突極151が突出形成される。
【0031】
従って、図1に図示されたように、前記ステータヨーク130から4個の前記補助突極151が突出されるように形成され、本発明の実施例によると、前記補助突極151の数はこれに限定されるものではない。
【0032】
また、一つの相を構成するために、図示されたように、一つのステータ突極150と他の一つのステータ突極150は互いに対向するように同一線上に配置されることが好ましい。
【0033】
図2は図1に図示されたスイッチドリラクタンスモータを構成するステータ部の平面図である。図示されたように、それぞれの前記ステータ突極150には、外部から電源の印加を受ける前記コイル170が多数回巻線される。
【0034】
より具体的には、前記スイッチドリラクタンスモータ100を構成する前記ステータ突極150とコイル170との概略的な結合関係を示す平面図である図3に図示されたように、前記ステータ突極150に多数回巻線される前記コイル170の端171は、後述するプリント回路基板190が結合される方向に突出されるように位置する。
【0035】
図4は図1に図示されたスイッチドリラクタンスモータの分解斜視図である。図示されたように、前記プリント回路基板190は前記ステータ部110の上部に固定されるように結合される。
【0036】
より具体的には、前記プリント回路基板190は、複数個の前記ステータ突極150に巻線された前記コイル170、即ち前記プリント回路基板190に向かって突出されるように位置する前記コイル170の端171が貫通される複数個の接地部191を備える。
【0037】
また、前記プリント回路基板190には、前記ステータ突極150に巻線されたそれぞれのコイル170に電源を独立に印加することにより、本発明のスイッチドリラクタンスモータ100の3相を容易に制御できるように、回路パターン(不図示)が形成される。
【0038】
また、前記プリント回路基板190の上部には、受動素子が実装される受動素子用パッド192が備えられることができる。
【0039】
また、上述の受動素子が実装されるための受動素子用パッド192の他にも、前記プリント回路基板190の上部には、本発明の実施例によるスイッチドリラクタンスモータ100の製造工程において前記プリント回路基板190をテストするためのテスト用パッド193が備えられることができる。
【0040】
また、前記プリント回路基板190の上部には、前記コイル170に印加される外部電源によって発生する電磁波障害を防止するための電磁波フィルター194が備えられることができる。
【0041】
これにより、各種受動素子を前記スイッチドリラクタンスモータ100を構成する前記ステータ部110の上部に直接実装することにより、従来のスイッチドリラクタンスモータに比べ、小型化を実現することができる。
【0042】
また、前記プリント回路基板190の上部に備えられる前記電磁波フィルター194により、前記コイル170に印加される外部電源によって発生する電磁波障害を前記スイッチドリラクタンスモータ100の内部で1次遮蔽するため、前記モータの駆動信頼性を向上することができる。
【0043】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるスイッチドリラクタンスモータはこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0044】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【符号の説明】
【0045】
100 スイッチドリラクタンスモータ
110 ステータ部
120 ロータ部
130 ステータヨーク
140 ロータコア
150 ステータ突極
151 補助突極
160 ロータ突極
170 コイル
190 プリント回路基板
191 接地部
192 受動素子用パッド
193 テスト用パッド
194 電磁波フィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に回転軸が固定されるように結合されるロータコア及び前記ロータコアの外周面から突出形成された複数個のロータ突極からなるロータ部と、
前記ロータ部が内部に回転可能に収容されるステータヨーク及び前記ロータ突極と対応するように前記ステータヨークから前記ロータ突極方向に突出形成され、コイルが巻線される複数個のステータ突極からなるステータ部と、
前記ステータ部の上部に固定されるように結合され、複数個の前記ステータ突極に巻線された前記コイルが貫通される複数個の接地部を備えるプリント回路基板と、を含むことを特徴とするスイッチドリラクタンスモータ。
【請求項2】
前記プリント回路基板は、
上部に複数個の受動素子が実装されるための受動素子用パッドが形成されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチドリラクタンスモータ。
【請求項3】
前記プリント回路基板は、
上部に前記プリント回路基板のテストのためのテスト用パッドが形成されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチドリラクタンスモータ。
【請求項4】
前記プリント回路基板には、
前記コイルに印加される外部電源により発生する電磁波障害を防止するための電磁波フィルターが実装されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチドリラクタンスモータ。
【請求項5】
前記プリント回路基板には、
前記接地部を貫通する前記コイルと電気的に連結される回路パターンが形成されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチドリラクタンスモータ。
【請求項6】
前記ステータ部の外周面全体に絶縁材が塗布されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチドリラクタンスモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−74788(P2013−74788A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32757(P2012−32757)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】