説明

スイッチング回路

【課題】電力効率を低下させずに高速動作可能なスイッチング回路を提供する。
【解決手段】スイッチング回路は、入力電圧を第1の電圧に変換する第1のDC/DCコンバータB1と、制御信号に応じて第1の電圧を出力するか否か切り替える第1のスイッチ回路C1と、第1のスイッチ回路からの電圧の過渡特性を制御する第1の制御回路D1と、高圧側電源に一端が、出力端子に他端が接続され、第1の制御回路からの電圧に応じてオンオフされる第1の能動素子A1と、入力電圧を第2の電圧に変換する第2のDC/DCコンバータB2と、制御信号に応じて第1のスイッチ回路とは相補的に第2の電圧を出力するか否か切り替える第3のスイッチ回路C3と、第3のスイッチ回路からの電圧の過渡特性を制御する第2の制御回路D2と、出力端子に一端が、低圧側電源に他端が接続され、第2の制御回路からの電圧に応じてオンオフされる第2の能動素子A2とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図6に示す様に、高圧側電源(電圧+VDD)と低圧側電源(電圧−VSS)との間に直列接続された2つの能動素子A1,A2を備え、2つの能動素子A1,A2の相補的なスイッチング動作によりパルス信号を出力するスイッチング回路が知られている。このスイッチング回路は、高圧側電源と低圧側電源との間に直列接続された、抵抗R1及びスイッチ回路C1、並びに、抵抗R2及びスイッチ回路C2をさらに備える。高圧側の能動素子A1を考えると、制御信号によってスイッチ回路C1がオフとなっている場合、抵抗R1に電流が流れないので、抵抗R1とスイッチ回路C1との接続点の電圧は高圧側電源の電圧+VDDである。よって、この電圧が制御端子に供給された能動素子A1はオンとなる。このとき、制御信号の反転信号によってスイッチ回路C2はオンとなっているため、抵抗R2とスイッチ回路C2との接続点の電圧は低くなる。よって、この電圧が制御端子に供給された能動素子A2はオフとなる。従って、出力端子から電圧+VDDが出力される。制御信号の極性が変化した場合、同様にして能動素子A1はオフとなり、能動素子A2はオンとなるので、出力端子から電圧−VSSが出力される。
【0003】
また、図7に示す様に、上記スイッチング回路を応用した、耐圧が低い能動素子を用いたスイッチング回路として、高圧側電源(電圧+VDD)と低圧側電源(電圧−VSS)との間に直列接続された4つの能動素子A11,A12,A21,A22を備える回路が知られている。このスイッチング回路は、高圧側の能動素子A11,A12を制御するために、高圧側電源と低圧側電源との間に直列接続された2つの抵抗R11,R12とスイッチ回路C1とをさらに備える。高圧側の一方の能動素子A11の制御端子には、2つの抵抗R11,R12の接続点の電圧が供給され、高圧側の他方の能動素子A12の制御端子には、抵抗R12とスイッチ回路C1との接続点の電圧が供給される。低圧側も同様であり、スイッチング回路は、低圧側の能動素子A21,A22を制御するために、高圧側電源と低圧側電源との間に直列接続された2つの抵抗R21,R22とスイッチ回路C2とをさらに備える。低圧側の一方の能動素子A21の制御端子には、2つの抵抗R21,R22の接続点の電圧が供給され、高圧側の他方の能動素子A22の制御端子には、抵抗R22とスイッチ回路C2との接続点の電圧が供給される。このスイッチング回路も、図6のスイッチング回路と同様に、制御信号の極性に応じて、出力端子から電圧+VDD又は電圧−VSSを出力する。
【0004】
上記スイッチング回路に関連して、例えば、特許文献1に記載されている回路も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−36719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した図6の従来のスイッチング回路は高速動作することが好ましい。高圧側電源及び低圧側電源から高電圧(例えば、±数百V以上)が加えられる能動素子A1,A2を高速にスイッチングするためには、それらの制御端子(例えば、ゲート端子)を低インピーダンスで駆動して、高速に遷移する信号を能動素子A1,A2の制御端子に供給する必要がある。抵抗R1とスイッチ回路C1とからなる回路の出力インピーダンスは、抵抗R1に基づいて決まる。従って、この出力インピーダンスを低くするためには、抵抗R1を小さくする必要がある。同様に、抵抗R2も小さくする必要がある。
【0007】
しかしながら、抵抗R1,R2は能動素子A1が接続された高圧側電源に接続されており、抵抗R1,R2を小さくすると高圧側電源から流れるバイアス電流が増加する。よって、電力効率が低下すると共に、バイアス電流が増加する分だけ高圧側電源の電力容量を大きくする必要がある。
【0008】
また、図7の4つの能動素子A11,A12,A21,A22を直列接続したスイッチング回路では、上記問題点に加え、各能動素子A11,A12,A21,A22の駆動インピーダンスが異なるため、各能動素子のスイッチングのタイミングが異なってしまい、耐圧が低下する。
【0009】
以上より、従来のスイッチング回路は、電力効率を低下させずに高速化することが困難であるという問題がある。
そこで、本発明に係る実施例では、電力効率を低下させずに高速動作可能なスイッチング回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る実施例に従ったスイッチング回路は、
入力電圧を第1の電圧に変換して、前記第1の電圧を第1端子と第2端子との間の電圧として出力する、入力側と出力側とが電気的に絶縁された第1の絶縁型DC/DCコンバータと、
制御信号に応じて、入力された前記第1の電圧を出力するか否か切り替える第1のスイッチ回路と、
前記第1のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を出力する第1の制御回路と、
高圧側電源に一端が接続され、出力端子に他端が接続され、制御端子と前記他端との間に加えられた、前記第1の制御回路から出力された電圧に応じてオンまたはオフに制御される第1の能動素子と、
前記第1のスイッチ回路がオンの時に前記第1の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に開放し、前記第1のスイッチ回路がオフの時に前記第1の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に接続する第2のスイッチ回路と、
前記入力電圧を第2の電圧に変換して、前記第2の電圧を第3端子と第4端子との間の電圧として出力する、入力側と出力側とが電気的に絶縁された第2の絶縁型DC/DCコンバータと、
前記制御信号に応じて、前記第1のスイッチ回路とは相補的に、入力された前記第2の電圧を出力するか否か切り替える第3のスイッチ回路と、
前記第3のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を出力する第2の制御回路と、
前記出力端子に一端が接続され、低圧側電源に他端が接続され、制御端子と前記他端との間に加えられた、前記第2の制御回路から出力された電圧に応じてオンまたはオフに制御される第2の能動素子と、
前記第3のスイッチ回路がオンの時に前記第2の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に開放し、前記第3のスイッチ回路がオフの時に前記第2の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に接続する第4のスイッチ回路と、を備える
ことを特徴とする。
【0011】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1の制御回路が前記第1のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、前記第2の制御回路が前記第3のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御することで、前記出力端子から出力されるパルス信号のスルーレートが制御されても良い。
【0012】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1の制御回路と前記第2の制御回路は、それぞれ、電圧入力端子と、基準端子と、電圧出力端子とを有しており、前記電圧入力端子と前記基準端子との間の電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を前記電圧出力端子と前記基準端子との間から出力し、
前記第1のスイッチ回路は、前記第1の絶縁型DC/DCコンバータの前記第1端子と、前記第1の制御回路の前記電圧入力端子との間に接続され、
前記第1の能動素子の前記他端は、前記第1の絶縁型DC/DCコンバータの前記第2端子と、前記第1の制御回路の前記基準端子とに接続され、
前記第1の能動素子の前記制御端子は、前記第1の制御回路の前記電圧出力端子に接続され、
前記第3のスイッチ回路は、前記第2の絶縁型DC/DCコンバータの前記第3端子と、前記第2の制御回路の前記電圧入力端子との間に接続され、
前記第2の能動素子の前記他端は、前記第2の絶縁型DC/DCコンバータの前記第4端子に接続され、
前記第2の能動素子の前記制御端子は、前記第2の制御回路の前記電圧出力端子に接続されても良い。
【0013】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1の制御回路と前記第2の制御回路は、ローパスフィルタであっても良い。
【0014】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1の能動素子と前記第2の能動素子は、バイポーラトランジスタ、MOSFETまたはIGBTであっても良い。
【0015】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1のスイッチ回路と、前記第2のスイッチ回路と、前記第3のスイッチ回路と、前記第4のスイッチ回路とは、フォトカプラまたはフォトMOSであっても良い。
【0016】
また、前記スイッチング回路において、
前記入力電圧を第3の電圧に変換して、前記第3の電圧を第5端子と第6端子との間の電圧として出力する、入力側と出力側とが電気的に絶縁された第3の絶縁型DC/DCコンバータと、
前記制御信号に応じて、入力された前記第3の電圧を出力するか否かを切り替える第5のスイッチ回路と、
前記第5のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を出力する第3の制御回路と、
前記高圧側電源と前記第1の能動素子の前記一端との間に一端と他端とが接続され、制御端子と前記他端との間に加えられた、前記第3の制御回路から出力された電圧に応じてオンまたはオフに制御される第3の能動素子と、
前記第5のスイッチ回路がオンの時に前記第3の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に開放し、前記第5のスイッチ回路がオフの時に前記第3の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に接続する第6のスイッチ回路と、
前記入力電圧を第4の電圧に変換して、前記第4の電圧を第7端子と第8端子との間の電圧として出力する、入力側と出力側とが電気的に絶縁された第4の絶縁型DC/DCコンバータと、
前記制御信号に応じて、前記第1のスイッチ回路とは相補的に、入力された前記第4の電圧を出力するか否かを切り替える第7のスイッチ回路と、
前記第7のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を出力する第4の制御回路と、
前記第2の能動素子の前記他端と前記低圧側電源との間に一端と他端とが接続され、制御端子と前記他端との間に加えられた、前記第4の制御回路から出力された電圧に応じてオンまたはオフに制御される第4の能動素子と、
前記第7のスイッチ回路がオンの時に前記第4の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に開放し、前記第7のスイッチ回路がオフの時に前記第4の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に接続する第8のスイッチ回路と、をさらに備えても良い。
【0017】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1の制御回路が前記第1のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、前記第2の制御回路が前記第3のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、前記第3の制御回路が前記第5のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、前記第4の制御回路が前記第7のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御することで、前記出力端子から出力されるパルス信号のスルーレートが制御されても良い。
【0018】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1の制御回路、前記第2の制御回路、前記第3の制御回路および前記第4の制御回路は、ローパスフィルタであっても良い。
【0019】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1の能動素子、前記第2の能動素子、前記第3の能動素子および前記第4の能動素子は、バイポーラトランジスタ、MOSFETまたはIGBTであっても良い。
【0020】
また、前記スイッチング回路において、
前記第1のスイッチ回路、前記第2のスイッチ回路、前記第3のスイッチ回路、前記第4のスイッチ回路、前記第5のスイッチ回路、前記第6のスイッチ回路、前記第7のスイッチ回路、前記第8のスイッチ回路は、フォトカプラまたはフォトMOSであっても良い。
【0021】
また、前記スイッチング回路において、
前記出力端子に容量性負荷が接続されても良い。
【0022】
また、前記スイッチング回路において、
前記出力端子と前記容量性負荷との間に、誘導性負荷が直列に接続されても良い。
【0023】
また、前記スイッチング回路において、
前記高圧側電源は正の高圧側電圧を出力し、前記低圧側電源は負の低圧側電圧を出力しても良い。
【0024】
また、前記スイッチング回路において、
前記高圧側電圧と前記低圧側電圧は、絶対値が等しくても良い。
【0025】
また、前記スイッチング回路において、
前記高圧側電圧と前記低圧側電圧は、絶対値が異なっても良い。
【0026】
また、前記スイッチング回路において、
前記高圧側電源は正の高圧側電圧を出力し、前記低圧側電源は前記高圧側電圧より低い正の低圧側電圧を出力しても良い。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様に係るスイッチング回路によれば、絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧を制御回路に加えるか否かをスイッチ回路で切り替えるようにしている。絶縁型DC/DCコンバータの出力インピーダンスは低インピーダンスであるため、この構成により、制御回路に加えられる電圧を高速に遷移させることができる。制御回路は、入力された高速に遷移する電圧の過渡特性を制御して能動素子の制御端子に出力するので、この過渡特性を適切に設定することで、能動素子をオン又はオフに高速に制御できる。その上、このように過渡特性を適切に設定することで、負荷インピーダンスに対して適切なスルーレートを有するパルス信号を出力できるので、そのパルス信号の波形の劣化を防ぐことができる。
【0028】
また、高圧側電源及び低圧側電源には能動素子のみが接続されるので、これらの電力容量は、能動素子のスイッチング動作でパルス信号を出力するのに必要な容量で良い。以上により、スイッチング回路を、電力効率を低下させず且つパルス信号の波形を劣化させずに高速化できる。
【0029】
さらに、直列接続された4つの能動素子の制御端子に、それぞれ対応する制御回路を接続するようにして、4つの制御回路に、それぞれ対応する絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧を加えるようにしている。これにより、各制御回路を等しい低インピーダンスで駆動して、各能動素子のスイッチングのタイミングを等しくできる。従って、制御回路の過渡特性を適切に設定することで、耐圧を低下させずにスイッチング回路を高速化できる。また、このように制御回路の過渡特性を適切に設定することで、負荷インピーダンスに対して適切なスルーレートを有するパルス信号を出力できるので、そのパルス信号の波形の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係るスイッチング回路の回路図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施例1に係るスイッチング回路のスイッチ回路の回路図であり、図2(b)は、スイッチング回路の制御回路の回路図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1に係るスイッチング回路の波形図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2に係るスイッチング回路の回路図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2に係るスイッチング回路の波形図である。
【図6】図6は、従来のスイッチング回路の回路図である。
【図7】図7は、従来の他のスイッチング回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は、本発明の実施例1に係るスイッチング回路の回路図である。図1に示すように、このスイッチング回路は、第1の絶縁型DC/DCコンバータB1と、第2の絶縁型DC/DCコンバータB2と、第1のスイッチ回路C1と、第2のスイッチ回路C2と、第3のスイッチ回路C3と、第4のスイッチ回路C4と、第1の能動素子A1と、第2の能動素子A2と、第1の制御回路D1と、第2の制御回路D2と、インバーター10と、を備える。
【0033】
本実施例では、第1のスイッチ回路C1、第2のスイッチ回路C2、第3のスイッチ回路C3および第4のスイッチ回路C4は、フォトMOSである。ただし、これらのスイッチ回路は、例えば、フォトカプラ等でもよい。
また、本実施例では、第1の制御回路D1及び第2の制御回路D2は、ローパスフィルタである。これらの回路構成の詳細について、以下に説明する。
【0034】
図2(a)は、本発明の実施例1に係るスイッチング回路のスイッチ回路C1,C2,C3,C4の等価回路図である。図2(a)に示すように、第1から第4のスイッチ回路C1,C2,C3,C4は、それぞれ発光ダイオード20とトランジスタ21とを有する。発光ダイオード20は、制御端子C1a,C2a,C3a,C4aを介してアノードに制御信号が入力され、制御端子C1b,C2b,C3b,C3dを介してカソードが接地されている。
【0035】
発光ダイオード20は、制御信号が加えられると発光する。トランジスタ21は、この光を受けると、端子C1c,C2c,C3c,C4cと端子C1d,C2d,C3d,C4dとの間が導通する。
【0036】
図2(b)は、本発明の実施例1に係るスイッチング回路の制御回路D1,D2の等価回路図である。図2(b)に示すように、第1の制御回路D1及び第2の制御回路D2は、それぞれ抵抗Rと容量Cとを有する。抵抗Rは、電圧入力端子D1a,D2aと、電圧出力端子D1b,D2bとの間に接続されている。容量Cは、電圧出力端子D1b,D2bと、基準端子D1c,D2cとの間に接続されている。本実施例では、第1の制御回路D1と第2の制御回路D2は、抵抗Rの値が等しい。また、容量Cの値も等しい。
【0037】
また、本実施例では、第1の能動素子A1及び第2の能動素子A2は、N型MOSFETである。本実施例では、第1の能動素子A1及び第2の能動素子A2の一端A1a,A2aはN型MOSFETのドレインに対応し、他端A1b,A2bはソースに対応し、制御端子A1c,A2cはゲートに対応する。ただし、これらの能動素子は、例えば、バイポーラトランジスタまたはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等でもよい。
【0038】
スイッチング回路の高圧側について説明する。第1の絶縁型DC/DCコンバータB1は、入力端子B1aと入力端子B1bとの間に入力された入力電圧を第1の電圧V1に変換して、この第1の電圧V1を第1端子B1cと第2端子B1dとの間の電圧として出力する。第1の絶縁型DC/DCコンバータB1は、入力側と出力側とが電気的に絶縁されている。
【0039】
第1のスイッチ回路C1は、端子C1cと端子C1dとが、第1の絶縁型DC/DCコンバータB1の第1端子B1cと、第1の制御回路D1の電圧入力端子D1aとの間に接続されている。第1のスイッチ回路C1は、制御端子C1aに制御信号が入力され、制御端子C1bが接地されている。第1のスイッチ回路C1の制御端子C1a,C1bと、端子C1c,C1dとの間は、電気的に絶縁されている。
第1のスイッチ回路C1は、制御信号に応じてオン又はオフに制御されて、端子C1cに入力された第1の電圧V1を、端子C1dから出力するか否か切り替える。
【0040】
第1の制御回路D1は、電圧入力端子D1aが第1のスイッチ回路C1の端子C1dに接続され、基準端子D1cが第1の絶縁型DC/DCコンバータB1の第2端子B1dに接続されている。
【0041】
第1の制御回路D1は、第1のスイッチ回路C1から出力された、電圧入力端子D1aと基準端子D1cとの間の電圧Vi1の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧Vo1を電圧出力端子D1bと基準端子D1cとの間から出力する。
【0042】
第1の能動素子A1は、高圧側電源に一端A1aが接続されて高圧側電圧+VDDが供給され、出力端子O1に他端A1bが接続されている。第1の能動素子A1の他端A1bは、第1の絶縁型DC/DCコンバータB1の第2端子B1dと、第1の制御回路D1の基準端子D1cと、にさらに接続されている。第1の能動素子A1の制御端子A1cは、第1の制御回路D1の電圧出力端子D1bに接続されている。
【0043】
これにより、第1の能動素子A1は、制御端子A1cと他端A1bとの間に加えられた電圧(即ち、第1の制御回路D1から出力された電圧Vo1)に応じてオンまたはオフに制御される。
【0044】
第2のスイッチ回路C2は、端子C2cが、第1のスイッチ回路C1の端子C1dと、第1の制御回路D1の電圧入力端子D1aとに接続され、端子C2dが、第1の絶縁型DC/DCコンバータB1の第2端子B1dに接続されている。また、第2のスイッチ回路C2は、制御端子C2aに制御信号の反転信号が入力され、制御端子C2bが接地されている。第2のスイッチ回路C2の制御端子C2a,C2bと、端子C2c,C2dとの間は、電気的に絶縁されている。上記制御信号の反転信号は、インバーター10により制御信号を反転して生成される。
【0045】
これにより、第2のスイッチ回路C2は、第1のスイッチ回路C1がオンの時に、第1の能動素子A1の制御端子A1cと他端A1bとを電気的に開放する。また、第2のスイッチ回路C2は、第1のスイッチ回路C1がオフの時に、第1の能動素子A1の制御端子A1cと他端A1bとを第1の制御回路D1を介して電気的に接続する。
【0046】
次に、スイッチング回路の低圧側について説明する。第2の絶縁型DC/DCコンバータB2は、入力端子B2aと入力端子B2bとの間に入力された入力電圧を第2の電圧V2に変換して、この第2の電圧V2を第3端子B2cと第4端子B2dとの間の電圧として出力する。第2の絶縁型DC/DCコンバータB2は、入力側と出力側とが電気的に絶縁されている。本実施例では、第2の電圧V2は第1の電圧V1と等しい。
【0047】
第3のスイッチ回路C3は、端子C3cと端子C3dとが、第2の絶縁型DC/DCコンバータB2の第3端子B2cと、第2の制御回路D2の電圧入力端子D2aとの間に接続されている。第3のスイッチ回路C3は、制御端子C3aに制御信号の反転信号が入力され、制御端子C3bが接地されている。第3のスイッチ回路C3の制御端子C3a,C3bと、端子C3c,C3dとの間は、電気的に絶縁されている。
【0048】
第3のスイッチ回路C3は、制御信号に応じてオン又はオフに制御されて、第1のスイッチ回路C1とは相補的に、端子C3cに入力された第2の電圧V2を、端子C3dから出力するか否か切り替える。
【0049】
第2の制御回路D2は、電圧入力端子D2aが第3のスイッチ回路C3の端子C3dに接続され、基準端子D2cが第2の絶縁型DC/DCコンバータB2の第4端子B2dに接続されている。
【0050】
第2の制御回路D2は、第3のスイッチ回路C3から出力された、電圧入力端子D2aと基準端子D2cとの間の電圧Vi2の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧Vo2を電圧出力端子D2bと基準端子D2cとの間から出力する。
【0051】
第2の能動素子A2は、出力端子O1に一端A2aが接続され、低圧側電源に他端A2bが接続されて低圧側電圧−VSSが供給されている。第2の能動素子A2の他端A2bは、第2の絶縁型DC/DCコンバータB2の第4端子B2dと、第2の制御回路D2の基準端子D2cと、にさらに接続されている。第2の能動素子A2の制御端子A2cは、第2の制御回路D2の電圧出力端子D2bに接続されている。
【0052】
これにより、第2の能動素子A2は、制御端子A2cと他端A2bとの間に加えられた電圧(即ち、第2の制御回路D2から出力された電圧Vo2)に応じてオンまたはオフに制御される。
【0053】
第4のスイッチ回路C4は、端子C4cが、第3のスイッチ回路C3の端子C3dと、第2の制御回路D2の電圧入力端子D2aとに接続され、端子C4dが、第2の絶縁型DC/DCコンバータB2の第4端子B2dに接続されている。また、第4のスイッチ回路C4は、制御端子C4aに制御信号が入力され、制御端子C4bが接地されている。第4のスイッチ回路C4の制御端子C4a,C4bと、端子C4c,C4dとの間は、電気的に絶縁されている。
【0054】
これにより、第4のスイッチ回路C4は、第3のスイッチ回路C3がオンの時に、第2の能動素子A2の制御端子A2cと他端A2bとを電気的に開放する。また、第4のスイッチ回路C4は、第3のスイッチ回路C3がオフの時に、第2の能動素子A2の制御端子A2cと他端A2bとを第2の制御回路D2を介して電気的に接続する。
【0055】
出力端子O2は接地されている。出力端子O1と出力端子O2との間から、高圧パルス信号VOUTが出力される。出力端子O1には、例えば、容量性負荷が接続可能となっている。この場合、容量性負荷には直流電流が流れず、過渡的な電流のみが流れる。そのため、第1の能動素子A1の一端A1aと他端A1bとの間、及び、第2の能動素子A2の一端A2aと他端A2bとの間に直流電流が流れないので、これらに直流の電圧降下が発生しない。よって、高圧パルス信号VOUTにおいて、正確な高圧側電圧+VDDと低圧側電圧−VSSとが得られる。
【0056】
本実施例においては、高圧側電圧+VDDと低圧側電圧−VSSは、絶対値が等しいとする。
また、本実施例においては、第1の能動素子A1と第2の能動素子A2は、等しい電気的特性を有しているものとする。
【0057】
次に、図3を参照して、スイッチング回路の動作を説明する。図3は、スイッチング回路の波形図である。
【0058】
(1)制御信号がローレベルからハイレベルに変化する時
時刻t1において、制御信号がローレベルからハイレベルに変化すると、第1のスイッチ回路C1の端子C1cと端子C1dとの間は、非導通状態から導通状態になる。また、時刻t1において、制御信号の反転信号(図示せず)がハイレベルからローレベルに変化すると、第2のスイッチ回路C2の端子C2cと端子C2dとの間は、導通状態から非導通状態になる。従って、制御回路D1の電圧入力端子D1aと基準端子D1cとの間に加えられる電圧Vi1は、時刻t1において、ゼロから第1の電圧V1に立ち上がる。
【0059】
一方、時刻t1において、第3のスイッチ回路C3の端子C3cと端子C3dとの間は、導通状態から非導通状態になると共に、第4のスイッチ回路C4の端子C4cと端子C4dとの間は、非導通状態から導通状態になる。従って、制御回路D2の電圧入力端子D2aと基準端子D2cとの間に加えられる電圧Vi2は、時刻t1において、第2の電圧V2からゼロに立ち下がる。
【0060】
電圧Vi1が立ち上がることにより、電圧Vo1は、第1の制御回路D1における抵抗Rと容量Cの時定数によって徐々に増加していき、時刻t2において第1の能動素子A1のしきい値電圧を超える。これにより、第1の能動素子A1はオンして電流を流し始める。また、電圧Vi2が立ち下がることにより、電圧Vo2は、第2の制御回路D2の時定数によって徐々に減少していき、第2の能動素子A2の電流駆動能力は低下していく。これにより高圧パルス信号VOUTは、低圧側電圧−VSSから立ち上がり始める。
【0061】
時刻t2の後、電圧Vo1はさらに増加して、電圧Vo2はさらに減少する。これにより、時刻t3において、第2の能動素子A2はオフして、これにより高圧パルス信号VOUTは高圧側電圧+VDDに達する。
【0062】
(2)パルス信号がハイレベルからローレベルに変化する時
時刻t4において、制御信号がハイレベルからローレベルに変化すると、第1のスイッチ回路C1の端子C1cと端子C1dとの間は、導通状態から非導通状態になる。また、時刻t1において、制御信号の反転信号がローレベルからハイレベルに変化すると、第2のスイッチ回路C2の端子C2cと端子C2dとの間は、非導通状態から導通状態になる。従って、電圧Vi1は、時刻t4において、第1の電圧V1からゼロに立ち下がる。
【0063】
一方、時刻t4において、第3のスイッチ回路C3の端子C3cと端子C3dとの間は、非導通状態から導通状態になると共に、第4のスイッチ回路C4の端子C4cと端子C4dとの間は、導通状態から非導通状態になる。従って、電圧Vi2は、時刻t4において、ゼロから第2の電圧V2に立ち上がる。
【0064】
電圧Vo2は、時定数によって徐々に増加していき、時刻t5において第2の能動素子A2のしきい値電圧を超える。これにより、第2の能動素子A2はオンして電流を流し始める。また、電圧Vo1は、時定数によって徐々に減少していき、第1の能動素子A1の電流駆動能力は低下していく。これにより高圧パルス信号VOUTは、高圧側電圧+VDDから立ち下がり始める。
【0065】
時刻t5の後、電圧Vo2はさらに増加して、電圧Vo1はさらに減少する。これにより、時刻t6において、第1の能動素子A1はオフして、高圧パルス信号VOUTは低圧側電圧−VSSに達する。
【0066】
上記(1)と(2)を交互に繰り返すことにより、スイッチング回路は、出力端子O1から、高圧パルス信号VOUTとして高圧側電圧+VDDと低圧側電圧−VSSとを交互に繰り返し出力する。
【0067】
また、第1の制御回路D1と第2の制御回路D2における時定数を大きくすることで、高圧パルス信号VOUTが低圧側電圧−VSSから高圧側電圧+VDDに遷移するまでの時間(時刻t2からt3までの時間)と、高圧側電圧+VDDから低圧側電圧−VSSに遷移するまでの時間(時刻t5からt6までの時間)とを、図3の例より長くすることができる。即ち、第1の制御回路D1が第1のスイッチ回路C1から出力された電圧Vi1の過渡特性を制御して、第2の制御回路D2が第3のスイッチ回路C3から出力された電圧Vi2の過渡特性を制御することで、出力端子O1から出力される高圧パルス信号VOUTのスルーレートが制御される。
【0068】
ここで、スイッチング回路の出力端子O1に、長いケーブル(例えば、3mなど)を介して容量性負荷が接続された場合を考える。このような場合、出力端子O1と容量性負荷との間に直列に接続されるケーブルの寄生インダクタンス(誘導性負荷)が無視できない値となる。これにより、高圧パルス信号VOUTの立ち上がり及び立ち下がりが高速すぎる場合、高圧パルス信号VOUTにリンギングが発生する。即ち、高圧パルス信号VOUTの波形が劣化する。本実施例によれば、第1の制御回路D1と第2の制御回路D2によって、高圧パルス信号VOUTのスルーレートを制御できるので、ケーブルの長さに応じた適切なスルーレートに設定することで、図6の従来のスイッチング回路よりも高速化した上で、高圧パルス信号VOUTのリンギングを抑えることができる。
【0069】
なお、出力端子O1の電圧は高圧側電圧+VDDと低圧側電圧−VSSとの間で変化するので、第1の絶縁型DC/DCコンバータB1の第2端子B1dの電圧も高圧側電圧+VDDと低圧側電圧−VSSとの間で変化する。しかし、前述のように第1の絶縁型DC/DCコンバータB1は入力側と出力側とが電気的に絶縁されているので、第2端子B1dの電圧が入力電圧より高く又は低くなっても第1の絶縁型DC/DCコンバータB1の動作に影響はない。同様に、第2の絶縁型DC/DCコンバータB2の第4端子B2dの電圧は低圧側電圧−VSSであるが、低圧側電圧−VSSが負電圧等であったとしても第2の絶縁型DC/DCコンバータB2の動作に影響はない。
【0070】
また、第1のスイッチ回路C1についても、前述のように制御端子C1a,C1bと、端子C1c,C1dとが電気的に絶縁されているので、端子C1c,C1dの電圧は第1のスイッチ回路C1の動作に影響しない。第2から第4のスイッチ回路C2,C3,C4についても同様である。
【0071】
以上で説明した様に、本実施例によれば、第1の絶縁型DC/DCコンバータB1の出力電圧V1を制御回路D1の電圧入力端子D1aと基準端子D1cとの間に加えるか否かを第1のスイッチ回路C1で切り替えるようにしている。また、第2の絶縁型DC/DCコンバータB2の出力電圧V2を制御回路D2に加えるか否かを第3のスイッチ回路C3で切り替えるようにしている。第1および第2の絶縁型DC/DCコンバータB1,B2の出力インピーダンスは低インピーダンスであるため、この構成により第1および第2の制御回路D1,D2に加えられる電圧を高速に遷移させることができる。第1および第2の制御回路D1,D2は、入力された高速に遷移する電圧の過渡特性を制御して、第1および第2の能動素子A1,A2の制御端子に出力するので、この過渡特性を適切に設定することで、第1および第2の能動素子A1,A2をオン又はオフに高速に制御できる。その上、このように過渡特性を適切に設定することで、負荷インピーダンスに対して適切なスルーレートを有する高圧パルス信号VOUTを出力できるので、その高圧パルス信号VOUTの波形の劣化を防ぐことができる。
【0072】
また、高圧側電源及び低圧側電源には第1及び第2の能動素子A1,A2のみが接続されるので、これら電源の電力容量は、第1及び第2の能動素子A1,A2のスイッチング動作で高圧パルス信号VOUTを出力するのに必要な容量で良い。
【0073】
このように、本実施例によれば、スイッチング回路を、電力効率を低下させず且つ高圧パルス信号VOUTの波形を劣化させずに高速化できる。
【実施例2】
【0074】
図4は、本発明の実施例2に係るスイッチング回路の回路図である。図4に示すように、このスイッチング回路は、図1の実施例1の構成に加え、第3の絶縁型DC/DCコンバータB3と、第4の絶縁型DC/DCコンバータB4と、第5のスイッチ回路C5と、第6のスイッチ回路C6と、第7のスイッチ回路C7と、第8のスイッチ回路C8と、第3の能動素子A3と、第4の能動素子A4と、第3の制御回路D3と、第4の制御回路D4と、をさらに備える。
【0075】
これら以外の構成は、図1の実施例1の構成と同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0076】
第3の絶縁型DC/DCコンバータB3は、入力端子B3aと入力端子B3bとの間に入力された入力電圧を第3の電圧V3に変換して、この第3の電圧V3を第5端子B3cと第6端子B3dとの間の電圧として出力する。第3の絶縁型DC/DCコンバータB3は、入力側と出力側とが電気的に絶縁されている。本実施例では、第3の電圧V3は第1の電圧V1と等しい。
【0077】
第5のスイッチ回路C5は、端子C5cと端子C5dとが、第3の絶縁型DC/DCコンバータB3の第5端子B3cと、第3の制御回路D3の電圧入力端子D3aとの間に接続されている。第5のスイッチ回路C5は、制御端子C5aに制御信号が入力され、制御端子C5bが接地されている。第5のスイッチ回路C5の制御端子C5a,C5bと、端子C5c,C5dとの間は、電気的に絶縁されている。
第5のスイッチ回路C5は、制御信号に応じてオン又はオフに制御されて、端子C5cに入力された第3の電圧V3を、端子C5dから出力するか否か切り替える。
【0078】
第3の制御回路D3は、電圧入力端子D3aが第5のスイッチ回路C5の端子C5dに接続され、基準端子D3cが第3の絶縁型DC/DCコンバータB3の第6端子B3dに接続されている。
【0079】
第3の制御回路D3は、第5のスイッチ回路C5から出力された、電圧入力端子D3aと基準端子D3cとの間の電圧Vi3の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧Vo3を電圧出力端子D3bと基準端子D3cとの間から出力する。
【0080】
第3の能動素子A3は、高圧側電源と第1の能動素子A1の一端A1aとの間に一端A3aと他端A3bとが接続され、その一端A3aに高圧側電圧+VDDが供給されている。第3の能動素子A3の他端A3bは、第3の絶縁型DC/DCコンバータB3の第6端子B3dと、第3の制御回路D3の基準端子D3cと、にさらに接続されている。第3の能動素子A3の制御端子A3cは、第3の制御回路D3の電圧出力端子D3bに接続されている。
【0081】
これにより、第3の能動素子A3は、制御端子A3cと他端A3bとの間に加えられた電圧(即ち、第3の制御回路D3から出力された電圧Vo3)に応じてオンまたはオフに制御される。
【0082】
第6のスイッチ回路C6は、端子C6cが、第5のスイッチ回路C5の端子C5dと、第3の制御回路D3の電圧入力端子D3aとに接続され、端子C6dが、第3の絶縁型DC/DCコンバータB3の第6端子B3dに接続されている。また、第6のスイッチ回路C6は、制御端子C6aに制御信号の反転信号が入力され、制御端子C6bが接地されている。第6のスイッチ回路C6の制御端子C6a,C6bと、端子C6c,C6dとの間は、電気的に絶縁されている。
【0083】
これにより、第6のスイッチ回路C6は、第5のスイッチ回路C5がオンの時に、第3の能動素子A3の制御端子A3cと他端A3bとを電気的に開放する。また、第6のスイッチ回路C6は、第5のスイッチ回路C5がオフの時に、第3の能動素子A3の制御端子A3cと他端A3bとを第3の制御回路D3を介して電気的に接続する。
【0084】
第4の絶縁型DC/DCコンバータB4は、入力端子B4aと入力端子B4bとの間に入力された入力電圧を第4の電圧V4に変換して、この第4の電圧V4を第7端子B4cと第8端子B4dとの間の電圧として出力する。第4の絶縁型DC/DCコンバータB4は、入力側と出力側とが電気的に絶縁されている。本実施例では、第4の電圧V4は第1の電圧V1と等しい。
【0085】
第7のスイッチ回路C7は、端子C7cと端子C7dとが、第4の絶縁型DC/DCコンバータB4の第7端子B4cと、第4の制御回路D4の電圧入力端子D4aとの間に接続されている。第7のスイッチ回路C7は、制御端子C7aに制御信号の反転信号が入力され、制御端子C7bが接地されている。第7のスイッチ回路C7の制御端子C7a,C7bと、端子C7c,C7dとの間は、電気的に絶縁されている。
【0086】
第7のスイッチ回路C7は、制御信号に応じてオン又はオフに制御されて、第1のスイッチ回路C1とは相補的に、端子C7cに入力された第4の電圧V4を、端子C7dから出力するか否か切り替える。
【0087】
第4の制御回路D4は、電圧入力端子D4aが第7のスイッチ回路C7の端子C7dに接続され、基準端子D4cが第4の絶縁型DC/DCコンバータB4の第8端子B4dに接続されている。
【0088】
第4の制御回路D4は、第7のスイッチ回路C7から出力された、電圧入力端子D4aと基準端子D4cとの間の電圧Vi4の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧Vo4を電圧出力端子D4bと基準端子D4cとの間から出力する。
【0089】
第4の能動素子A4は、第2の能動素子A2の他端A2bと低圧側電源との間に一端A4aと他端A4bとが接続されて、その他端A4bに低圧側電圧−VSSが供給されている。第4の能動素子A4の他端A4bは、第4の絶縁型DC/DCコンバータB4の第8端子B4dと、第4の制御回路D4の基準端子D4cと、にさらに接続されている。第4の能動素子A4の制御端子A4cは、第4の制御回路D4の電圧出力端子D4bに接続されている。
【0090】
これにより、第4の能動素子A4は、制御端子A4cと他端A4bとの間に加えられた電圧(即ち、第4の制御回路D4から出力された電圧Vo4)に応じてオンまたはオフに制御される。
【0091】
第8のスイッチ回路C8は、端子C8cが、第7のスイッチ回路C7の端子C7dと、第4の制御回路D4の電圧入力端子D4aとに接続され、端子C7dが、第4の絶縁型DC/DCコンバータB4の第8端子B4dに接続されている。また、第8のスイッチ回路C8は、制御端子C8aに制御信号が入力され、制御端子C8bが接地されている。第8のスイッチ回路C8の制御端子C8a,C8bと、端子C8c,C8dとの間は、電気的に絶縁されている。
【0092】
これにより、第8のスイッチ回路C8は、第7のスイッチ回路C7がオンの時に、第4の能動素子A4の制御端子A4cと他端A4bとを電気的に開放する。また、第8のスイッチ回路C8は、第7のスイッチ回路C7がオフの時に、第4の能動素子A4の制御端子A4cと他端A4bとを第4の制御回路D4を介して電気的に接続する。
【0093】
このように、第1の能動素子A1、第2の能動素子A2、第3の能動素子A3および第4の能動素子A4が高圧側電源と低圧側電源との間に直列接続されているので、これらの能動素子として、実施例1より耐圧が低い能動素子を用いることができる。
本実施例においては、第1の能動素子A1、第2の能動素子A2、第3の能動素子A3および第4の能動素子A4は、等しい電気的特性を有しているものとする。
【0094】
次に、図5を参照して、本発明の実施例2のスイッチング回路の動作を説明する。図5は、実施例2に係るスイッチング回路の波形図である。本実施例では、電圧Vi1と電圧Vi3は同じ波形であり、電圧Vi2と電圧Vi4は同じ波形であるとする。また、電圧Vo1と電圧Vo3は同じ波形であり、電圧Vo2と電圧Vo4は同じ波形であるとする。
【0095】
(1)制御信号がローレベルからハイレベルに変化する時
時刻t1において、制御信号がローレベルからハイレベルに変化すると、第1のスイッチ回路C1の端子C1cと端子C1dとの間、および、第5のスイッチ回路C5の端子C5cと端子C5dとの間は、非導通状態から導通状態になる。また、時刻t1において、制御信号の反転信号がハイレベルからローレベルに変化すると、第2のスイッチ回路C2の端子C2cと端子C2dとの間、および、第6のスイッチ回路C6の端子C6cと端子C6dとの間は、導通状態から非導通状態になる。
【0096】
従って、制御回路D1の電圧入力端子D1aと基準端子D1cとの間に加えられる電圧Vi1は、時刻t1において、ゼロから第1の電圧V1に立ち上がる。また、制御回路D3の電圧入力端子D3aと基準端子D3cとの間に加えられる電圧Vi3は、時刻t1において、ゼロから第3の電圧V3(=V1)に立ち上がる。
【0097】
一方、時刻t1において、第3のスイッチ回路C3の端子C3cと端子C3dとの間、および、第7のスイッチ回路C7の端子C7cと端子C7dとの間は、導通状態から非導通状態になる。また、第4のスイッチ回路C4の端子C4cと端子C4dとの間、および、第8のスイッチ回路C8の端子C8cと端子C8dとの間、非導通状態から導通状態になる。
【0098】
従って、制御回路D2の電圧入力端子D2aと基準端子D2cとの間に加えられる電圧Vi2は、時刻t1において、第2の電圧V2からゼロに立ち下がる。制御回路D4の電圧入力端子D4aと基準端子D4cとの間に加えられる電圧Vi4は、時刻t1において、第4の電圧V4(=V2)からゼロに立ち下がる。
【0099】
電圧Vo1は、第1の制御回路D1における抵抗Rと容量Cの時定数によって徐々に増加していき、時刻t2において第1の能動素子A1のしきい値電圧を超える。電圧Vo3は、第3の制御回路D3の時定数によって徐々に増加していき、時刻t2において第3の能動素子A3のしきい値電圧を超える。これにより、第1の能動素子A1と第3の能動素子A3は、ほぼ同時にオンして電流を流し始める。
【0100】
また、電圧Vo2は、第2の制御回路D2の時定数によって徐々に減少していき、第2の能動素子A2の電流駆動能力は低下していく。電圧Vo4は、第4の制御回路D4の時定数によって徐々に減少していき、第4の能動素子A4の電流駆動能力は低下していく。これにより高圧パルス信号VOUTは、低圧側電圧−VSSから立ち上がり始める。
【0101】
時刻t2の後、電圧Vo1,Vo3はさらに増加して、電圧Vo2,Vo4はさらに減少する。これにより、時刻t3において、第2の能動素子A2と第4の能動素子A4はほぼ同時にオフして、高圧パルス信号VOUTは高圧側電圧+VDDに達する。
【0102】
(2)パルス信号がハイレベルからローレベルに変化する時
時刻t4において、制御信号がハイレベルからローレベルに変化すると、第1のスイッチ回路C1の端子C1cと端子C1dとの間、および、第5のスイッチ回路C5の端子C5cと端子C5dとの間は、導通状態から非導通状態になる。また、時刻t1において、制御信号の反転信号がローレベルからハイレベルに変化すると、第2のスイッチ回路C2の端子C2cと端子C2dとの間、および、第6のスイッチ回路C6の端子C6cと端子C6dとの間は、非導通状態から導通状態になる。
【0103】
従って、電圧Vi1は、時刻t4において、第1の電圧V1からゼロに立ち下がる。また、電圧Vi3は、時刻t4において、第3の電圧V3(=V1)からゼロに立ち下がる。
【0104】
一方、時刻t4において、第3のスイッチ回路C3の端子C3cと端子C3dとの間、および、第7のスイッチ回路C7の端子C7cと端子C7dとの間は、非導通状態から導通状態になる。また、第4のスイッチ回路C4の端子C4cと端子C4dとの間、および、第8のスイッチ回路C8の端子C8cと端子C8dとの間は、導通状態から非導通状態になる。
【0105】
従って、電圧Vi2は、時刻t4において、ゼロから第2の電圧V2に立ち上がる。電圧Vi4は、時刻t4において、ゼロから第4の電圧V4(=V2)に立ち上がる。
【0106】
電圧Vo2は、時定数によって徐々に増加していき、時刻t5において第2の能動素子A2のしきい値電圧を超える。電圧Vo4は、時定数によって徐々に増加していき、時刻t5において第4の能動素子A4のしきい値電圧を超える。これにより、第2の能動素子A2と第4の能動素子A4は、ほぼ同時にオンして電流を流し始める。
【0107】
また、電圧Vo1は、時定数によって徐々に減少していき、第1の能動素子A1の電流駆動能力は低下していく。電圧Vo3は、時定数によって徐々に減少していき、第3の能動素子A3の電流駆動能力は低下していく。これにより高圧パルス信号VOUTは、高圧側電圧+VDDから立ち下がり始める。
【0108】
時刻t5の後、電圧Vo2,Vo4はさらに増加して、電圧Vo1,Vo3はさらに減少する。これにより、時刻t6において、第1の能動素子A1と第3の能動素子A3はほぼ同時にオフして、高圧パルス信号VOUTは低圧側電圧−VSSに達する。
【0109】
上記(1)と(2)を交互に繰り返すことにより、実施例1と同様に、実施例2のスイッチング回路は、出力端子O1から、高圧パルス信号VOUTとして高圧側電圧+VDDと低圧側電圧−VSSとを交互に繰り返し出力する。
【0110】
また、第1から第4の制御回路D1〜D4における時定数を大きくすることで、実施例1と同様に、高圧パルス信号VOUTが低圧側電圧−VSSから高圧側電圧+VDDに遷移するまでの時間(時刻t2からt3までの時間)と、高圧側電圧+VDDから低圧側電圧−VSSに遷移するまでの時間(時刻t5からt6までの時間)とを、図5の例より長くすることができる。即ち、第1の制御回路D1が第1のスイッチ回路C1から出力された電圧Vi1の過渡特性を制御して、第2の制御回路D2が第3のスイッチ回路C3から出力された電圧Vi2の過渡特性を制御して、第3の制御回路D3が第5のスイッチ回路C5から出力された電圧Vi3の過渡特性を制御して、第4の制御回路D4が第7のスイッチ回路C7から出力された電圧Vi4の過渡特性を制御することで、出力端子O1から出力される高圧パルス信号VOUTのスルーレートが制御される。
【0111】
以上で説明した様に、本実施例によれば、直列接続された4つの能動素子A1〜A4の制御端子に、それぞれ対応する制御回路D1〜D4を接続するようにしている。その上で、4つの制御回路D1〜D4に、それぞれ対応する絶縁型DC/DCコンバータB1〜B4の出力電圧V1〜V4を、対応するスイッチ回路C1,C3,C5,C7を介して加えるようにしている。これにより、各制御回路D1〜D4を等しい低インピーダンスで駆動して、各能動素子A1〜A4のスイッチングのタイミングを等しくできる。従って、制御回路D1〜D4の過渡特性を適切に設定することで、耐圧を低下させずにスイッチング回路を高速化できる。
【0112】
また、このように制御回路D1〜D4の過渡特性を適切に設定することで、負荷インピーダンスに対して適切なスルーレートを有する高圧パルス信号VOUTを出力できるので、その高圧パルス信号VOUTの波形の劣化を防ぐことができる。
【0113】
以上、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができる。
【0114】
例えば、実施例1,2では、第1から第4の制御回路D1〜D4として、抵抗Rと容量Cによるローパスフィルタを用いる一例について説明したが、これに限られない。第1から第4の制御回路D1〜D4を、任意の立ち上がり特性及び立ち下り特性を有する電圧Vo1〜Vo4を出力可能なように構成してもよい。
また、第1から第4の制御回路D1〜D4を、外部からの時定数制御信号によって時定数を制御可能なように構成しても良い。
【0115】
また、高圧側電圧+VDDと低圧側電圧−VSSは、絶対値が異なっても良い。また、高圧側電圧+VDDは正の電圧であり、低圧側電圧−VSSは高圧側電圧+VDDより低い正の電圧であっても良い。また、高圧側電圧+VDDは負の電圧であり、低圧側電圧−VSSは高圧側電圧より低い負の電圧でも良い。このように構成することにより、様々な高圧パルス信号VOUTを得ることができる。
【0116】
また、第1から第4の電圧V1〜V4は、互いに異なる電圧であっても良い。
【0117】
さらに、実施例2では4つの能動素子A1,A2,A3,A4を直列接続する一例について説明したが、より多くの能動素子を直列接続しても良い。
【符号の説明】
【0118】
A1 第1の能動素子
A2 第2の能動素子
A3 第3の能動素子
A4 第4の能動素子
B1 第1の絶縁型DC/DCコンバータ
B2 第2の絶縁型DC/DCコンバータ
B3 第3の絶縁型DC/DCコンバータ
B4 第4の絶縁型DC/DCコンバータ
C1 第1のスイッチ回路
C2 第2のスイッチ回路
C3 第3のスイッチ回路
C4 第4のスイッチ回路
C5 第5のスイッチ回路
C6 第6のスイッチ回路
C7 第7のスイッチ回路
C8 第8のスイッチ回路
D1 第1の制御回路
D2 第2の制御回路
D3 第3の制御回路
D4 第4の制御回路
10 インバーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を第1の電圧に変換して、前記第1の電圧を第1端子と第2端子との間の電圧として出力する、入力側と出力側とが電気的に絶縁された第1の絶縁型DC/DCコンバータと、
制御信号に応じて、入力された前記第1の電圧を出力するか否か切り替える第1のスイッチ回路と、
前記第1のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を出力する第1の制御回路と、
高圧側電源に一端が接続され、出力端子に他端が接続され、制御端子と前記他端との間に加えられた、前記第1の制御回路から出力された電圧に応じてオンまたはオフに制御される第1の能動素子と、
前記第1のスイッチ回路がオンの時に前記第1の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に開放し、前記第1のスイッチ回路がオフの時に前記第1の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に接続する第2のスイッチ回路と、
前記入力電圧を第2の電圧に変換して、前記第2の電圧を第3端子と第4端子との間の電圧として出力する、入力側と出力側とが電気的に絶縁された第2の絶縁型DC/DCコンバータと、
前記制御信号に応じて、前記第1のスイッチ回路とは相補的に、入力された前記第2の電圧を出力するか否か切り替える第3のスイッチ回路と、
前記第3のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を出力する第2の制御回路と、
前記出力端子に一端が接続され、低圧側電源に他端が接続され、制御端子と前記他端との間に加えられた、前記第2の制御回路から出力された電圧に応じてオンまたはオフに制御される第2の能動素子と、
前記第3のスイッチ回路がオンの時に前記第2の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に開放し、前記第3のスイッチ回路がオフの時に前記第2の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に接続する第4のスイッチ回路と、を備える
ことを特徴とするスイッチング回路。
【請求項2】
前記第1の制御回路が前記第1のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、前記第2の制御回路が前記第3のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御することで、前記出力端子から出力されるパルス信号のスルーレートが制御される
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング回路。
【請求項3】
前記第1の制御回路と前記第2の制御回路は、それぞれ、電圧入力端子と、基準端子と、電圧出力端子とを有しており、前記電圧入力端子と前記基準端子との間の電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を前記電圧出力端子と前記基準端子との間から出力し、
前記第1のスイッチ回路は、前記第1の絶縁型DC/DCコンバータの前記第1端子と、前記第1の制御回路の前記電圧入力端子との間に接続され、
前記第1の能動素子の前記他端は、前記第1の絶縁型DC/DCコンバータの前記第2端子と、前記第1の制御回路の前記基準端子とに接続され、
前記第1の能動素子の前記制御端子は、前記第1の制御回路の前記電圧出力端子に接続され、
前記第3のスイッチ回路は、前記第2の絶縁型DC/DCコンバータの前記第3端子と、前記第2の制御回路の前記電圧入力端子との間に接続され、
前記第2の能動素子の前記他端は、前記第2の絶縁型DC/DCコンバータの前記第4端子に接続され、
前記第2の能動素子の前記制御端子は、前記第2の制御回路の前記電圧出力端子に接続されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスイッチング回路。
【請求項4】
前記第1の制御回路と前記第2の制御回路は、ローパスフィルタである
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のスイッチング回路。
【請求項5】
前記第1の能動素子と前記第2の能動素子は、バイポーラトランジスタ、MOSFETまたはIGBTである
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のスイッチング回路。
【請求項6】
前記第1のスイッチ回路と、前記第2のスイッチ回路と、前記第3のスイッチ回路と、前記第4のスイッチ回路とは、フォトカプラまたはフォトMOSである
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のスイッチング回路。
【請求項7】
前記入力電圧を第3の電圧に変換して、前記第3の電圧を第5端子と第6端子との間の電圧として出力する、入力側と出力側とが電気的に絶縁された第3の絶縁型DC/DCコンバータと、
前記制御信号に応じて、入力された前記第3の電圧を出力するか否かを切り替える第5のスイッチ回路と、
前記第5のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を出力する第3の制御回路と、
前記高圧側電源と前記第1の能動素子の前記一端との間に一端と他端とが接続され、制御端子と前記他端との間に加えられた、前記第3の制御回路から出力された電圧に応じてオンまたはオフに制御される第3の能動素子と、
前記第5のスイッチ回路がオンの時に前記第3の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に開放し、前記第5のスイッチ回路がオフの時に前記第3の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に接続する第6のスイッチ回路と、
前記入力電圧を第4の電圧に変換して、前記第4の電圧を第7端子と第8端子との間の電圧として出力する、入力側と出力側とが電気的に絶縁された第4の絶縁型DC/DCコンバータと、
前記制御信号に応じて、前記第1のスイッチ回路とは相補的に、入力された前記第4の電圧を出力するか否かを切り替える第7のスイッチ回路と、
前記第7のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、過渡特性が制御された電圧を出力する第4の制御回路と、
前記第2の能動素子の前記他端と前記低圧側電源との間に一端と他端とが接続され、制御端子と前記他端との間に加えられた、前記第4の制御回路から出力された電圧に応じてオンまたはオフに制御される第4の能動素子と、
前記第7のスイッチ回路がオンの時に前記第4の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に開放し、前記第7のスイッチ回路がオフの時に前記第4の能動素子の前記制御端子と前記他端とを電気的に接続する第8のスイッチ回路と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング回路。
【請求項8】
前記第1の制御回路が前記第1のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、前記第2の制御回路が前記第3のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、前記第3の制御回路が前記第5のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御して、前記第4の制御回路が前記第7のスイッチ回路から出力された電圧の過渡特性を制御することで、前記出力端子から出力されるパルス信号のスルーレートが制御される
ことを特徴とする請求項7に記載のスイッチング回路。
【請求項9】
前記第1の制御回路、前記第2の制御回路、前記第3の制御回路および前記第4の制御回路は、ローパスフィルタである
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のスイッチング回路。
【請求項10】
前記第1の能動素子、前記第2の能動素子、前記第3の能動素子および前記第4の能動素子は、バイポーラトランジスタ、MOSFETまたはIGBTである
ことを特徴とする請求項7から請求項9の何れかに記載のスイッチング回路。
【請求項11】
前記第1のスイッチ回路、前記第2のスイッチ回路、前記第3のスイッチ回路、前記第4のスイッチ回路、前記第5のスイッチ回路、前記第6のスイッチ回路、前記第7のスイッチ回路、前記第8のスイッチ回路は、フォトカプラまたはフォトMOSである
ことを特徴とする請求項7から請求項10の何れかに記載のスイッチング回路。
【請求項12】
前記出力端子に容量性負荷が接続される
ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れかに記載のスイッチング回路。
【請求項13】
前記出力端子と前記容量性負荷との間に、誘導性負荷が直列に接続される
ことを特徴とする請求項12に記載のスイッチング回路。
【請求項14】
前記高圧側電源は正の高圧側電圧を出力し、前記低圧側電源は負の低圧側電圧を出力する
ことを特徴とする請求項1から請求項13の何れかに記載のスイッチング回路。
【請求項15】
前記高圧側電圧と前記低圧側電圧は、絶対値が等しい
ことを特徴とする請求項14に記載のスイッチング回路。
【請求項16】
前記高圧側電圧と前記低圧側電圧は、絶対値が異なる
ことを特徴とする請求項14に記載のスイッチング回路。
【請求項17】
前記高圧側電源は正の高圧側電圧を出力し、前記低圧側電源は前記高圧側電圧より低い正の低圧側電圧を出力する
ことを特徴とする請求項1から請求項13の何れかに記載のスイッチング回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175457(P2012−175457A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36286(P2011−36286)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】