説明

ステージ

【課題】 ブリッジ部材の等速運動時のヨーイング角を抑制する姿勢フィードバック制御手段を利用して、機械的共振に起因する振動を抑制する。
【解決手段】 平行に配置されたマスタ軸リニアモータ10及びスレーブ軸リニアモータ20と、リニアモータの軸方向にスライドして位置制御されるマスタスライダ11及びスレーブスライダ21と、スライダ間を結合し軸方向と同一方向に移動制御されるブリッジ部材30と、ブリッジ部材30の高さ方向の軸に対する回転角を検出してこれを抑制する姿勢フィードバック制御手段とを有するステージにおいて、ブリッジ部材30上のマスタスライダ11及びスレーブスライダ21との結合部近傍に取り付けられた一対の加速度センサ102と、姿勢フィードバック制御手段のフィードバックループ内に設けられ、一対の加速度センサの検出値の差分値に基づく角加速度信号を入力して演算する角加速度フィードバック手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定距離を隔てて平行に配置されたマスタ軸リニアモータ及びスレーブ軸リニアモータと、これらリニアモータの軸方向にスライドして位置制御されるマスタスライダ及びスレーブスライダと、これらスライダ間を結合し前記軸方向と同一軸方向に移動制御されるブリッジ部材と、このブリッジ部材の高さ方向の軸に対する回転角を検出してこれを抑制する姿勢フィードバック制御手段と、を有するステージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
平行配置された一対のリニアモータによりマスタリニアモータ及びスレーブ軸リニアモータが形成され、これらリニアモータの夫々の軸方向に位置制御されるスライダ間を結合するブリッジ部材よりなるステージの構成及びスライダの位置制御に関しては、特許文献1に開示されている。
【0003】
図8は、ステージ一般的な構成例を示す斜視図である。ステージは、所定距離を隔てて平行に配置されたマスタ軸リニアモータ10及びスレーブ軸リニアモータ20と、これらリニアモータの軸方向(X軸方向とする)にスライドして位置制御されるマスタスライダ11及びスレーブスライダ21と、これらスライダ間を結合し前記軸方向と同一軸方向(X軸方向)に移動制御されるブリッジ部材30よりなる。
【0004】
マスタスライダ11及びスレーブスライダ21の位置制御によるブリッジ部材30のX軸方向の運動に伴ない、ブリッジ部材30の高さ方向の軸(Z軸)回りに、機械的な制御位置誤差に起因する回転(以下、ヨーイング)が発生する。この回転角度(以下、ヨーイング角)をθで示す。
【0005】
図9は、ヨーイング角θを検出してこれを抑制する姿勢フィードバック制御手段の一般構成を示す機能ブロック図である。ブリッジ部材30のヨーイング角θは、マスタスライダ及びスレーブスライダのX軸方向位置X及びXの差(X−X)と、マスタスライダ及びスレーブスライダ間の距離lにより、θが小さい場合には、θ=(X−X)/lで検出される。
【0006】
検出されたヨーイング角θは、パルス変換手段40でディジタル値のヨーイング角フィードバック信号θfに変換され、ヨーイング角設定値θs(=0)との偏差θiが誤差増幅器50で演算され、速度指令Vsを出力する。
【0007】
ヨーイング角θを入力する速度変換手段60により算出された速度フィードバック信号Vfと速度指令Vsの偏差Viがドライバ70で演算され、マスタ軸リニアモータ10及びスレーブ軸リニアモータ20を介して、ブリッジ部材30に対してヨーイング角θを抑制するトルク指令Tsを出力する。
【0008】
【特許文献1】特開2006−034078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来構成のステージでは、図9で説明した姿勢フィードバック制御手段によりブリッジ部材30の等速運動時のヨーイング角を抑制する姿勢制御は可能である。しかしながら、ブリッジ部材30の加減速運動時には、マスタスライダ11及びスレーブスライダ21の位置偏差が大きくなる。
【0010】
この位置偏差に起因して、ヨーイング軸(Z軸)回りに機械的な共振が発生する。この機械的な共振に起因する振動は、一旦発生するとなかなか減衰することなく、等速運動領域になっても残ってしまう。
【0011】
この機械振動の特徴は、次のようにまとめられる。
(a)振幅値が大きい。
(b)減衰が遅い。
(c)振動数が低い。
【0012】
図10は、従来のステージの構成で測定されたブリッジ部材の機械振動特性図である。
ブリッジ部材の等速運動時のヨーイング角を抑制する姿勢フィードバック制御手段では、この機械的な共振による振動を抑制することが困難である。
【0013】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ブリッジ部材の等速運動時のヨーイング角を抑制する姿勢フィードバック制御手段を利用して、機械的な共振に起因する振動を抑制する機能を備えたステージの実現を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような課題を達成するために、本発明は次の通りの構成になっている。
(1)所定距離を隔てて平行に配置されたマスタ軸リニアモータ及びスレーブ軸リニアモータと、これらリニアモータの軸方向にスライドして位置制御されるマスタスライダ及びスレーブスライダと、これらスライダ間を結合し前記軸方向と同一軸方向に移動制御されるブリッジ部材と、このブリッジ部材の高さ方向に軸に対する回転角を検出してこれを抑制する姿勢フィードバック制御手段と、を有するステージにおいて、
前記ブリッジ部材上の前記マスタスライダ及びスレーブスライダとの結合部近傍に取り付けられた一対の加速度センサと、
前記姿勢フィードバック制御手段のフィードバックループ内に設けられ、前記一対の加速度センサの検出値の差分値に基づく角加速度信号を入力して演算する角加速度フィードバック手段と、
を備えることを特徴とするステージ。
【0015】
(2)前記角加速度フィードバック手段は、前記角加速度に所定の遅延時間を与えて回転抑制姿勢制御におけるダンピング係数を変化させる遅延時間設定部を備えることを特徴とする(1)に記載のステージ。
【0016】
(3)前記角加速度フィードバック手段は、前記角加速度信号に所定のゲインを与えて回転抑制姿勢制御における慣性モーメントを変化させるゲイン設定部を備えることを特徴とする(1)または(2)に記載のステージ。
【0017】
(4)所定距離を隔てて平行に配置されたマスタ軸リニアモータ及びスレーブ軸リニアモータと、これらリニアモータの軸方向にスライドして位置制御されるマスタスライダ及びスレーブスライダと、これらスライダ間を結合し前記軸方向と同一軸方向に移動制御されるブリッジ部材と、このブリッジ部材の高さ方向の軸に対する回転角を検出してこれを抑制する姿勢フィードバック制御手段と、を有するステージにおいて、
前記ブリッジ部材上の前記マスタスライダ及びスレーブスライダとの結合部近傍に取り付けられた一対の加速度センサと、
前記姿勢フィードバック制御手段のフィードバックループ内に設けられ、前記一対の加速度センサの検出値の差分値を積算して算出された角速度信号を入力して演算する角速度フィードバック手段と、
を備えることを特徴とするステージ。
【0018】
(5)前記角速度フィードバック手段は、前記角速度信号に所定の遅延時間を与えて回転抑制姿勢制御における慣性モーメントを変化させる遅延時間設定部を備えることを特徴とする(4)に記載のステージ。
【0019】
(6)前記角速度フィードバック手段は、前記角速度信号に所定のゲインを与えて回転抑制姿勢制御におけるダンピング係数を変化させるゲイン設定部を備えることを特徴とする(4)または(5)に記載のステージ。
【0020】
(7)前記マスタ軸リニアモータ及びスレーブ軸リニアモータの軸方向に直交して前記ブリッジ部材上に直交軸リニアモータが形成され、この直交軸リニアモータの軸方向にスライドして位置制御される直交軸スライダ上にワークが搭載されることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載のステージ。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、ブリッジ部材30上で、マスタスライダ11及びスレーブスライダ21の結合部近傍に取り付けられた一対の加速度センサ101,102の検出値の差分値に基づく角加速度信号を、姿勢フィードバック制御手段のフィードバックループ内に設けられた角加速度フィードバック手段300に入力すること、または、前記差分値を積算して算出した角速度信号を加速度フィードバック手段600に入力することで、次のような効果がある。
【0022】
加減速時に、マスタスライダ11とスレーブスライダ21の位置偏差を小さくすることができる。その結果、位置偏差に起因する機械的振動の、
(a)振幅値を小さくできる。
(b)減衰を速くできる。
(c)振動数をシフトさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。図1は、本発明を適用したステージの一実施形態を示す斜視図である。図2は、本発明の角加速度フィードバック手段を備えた姿勢フィードバック制御手段の一実施形態を示す機能ブロック図である。図6及び図7で説明した従来ステージと同一要素には同一符号を付して説明を省略する。以下、本発明の特徴部につき説明する。
【0024】
図1に示すブリッジ部材30上において、マスタスライダ11及びスレーブスライダ21との結合部近傍には一対の加速度センサ101及び102が取り付けられている。これら加速度センサは、ブリッジ部材30の機械的振動により発生する加速度am及びasを検出する。
【0025】
図2に示す姿勢フィードバック制御手段において、図9で説明した従来構成と比較した特徴部は、前記一対の加速度センサ101及び102の検出値の差分値に基づく角加速度信号を入力して演算する角加速度フィードバック手段300をヨーイング抑制フィードバックループ内に設けた点にある。
【0026】
減算器200は、一対の加速度センサ101及び102で検出された加速度amとas
の差分値から角加速度信号aiを算出して角加速度フィードバック手段300に入力する。
角加速度フィードバック手段300の出力a0は、ドライバ70の入力に設けた加算器400により、速度偏差Viに加算され、マスタ軸リニアモータ10及びスレーブ軸リニアモータ20を介して、ブリッジ部材30へのトルク指令が加算されてTs´となる。
【0027】
角加速度フィードバック手段300は、角加速度信号aiに所定のゲインを与えてヨーイング抑制姿勢制御における慣性モーメントを変化させるゲイン設定部301及び角加速度信号aiに所定の遅延時間を与えてヨーイング抑制姿勢制御におけるダンピング係数を変化させる遅延時間設定部302を備える。
【0028】
図3は、加速度センサ101及び102及び角加速度フィードバック手段300の信号処理手順を示すフローチャートである。ステップS1でブリッジ部材30が動くことにより、ステップS2でヨーイング方向(Z軸)の機械的振動が発生する。
【0029】
ステップS3で2つの加速度センサ101,102が加速度情報を検出し、その検出値がステップS4で減算器200を通過し、その差分値に基づきステップS5で角加速度情報を生成する。角加速度フィードバック手段300は、ステップS6でこの角加速度情報をフィードバックする。
【0030】
角加速度フィードバック手段300は、ステップS7でフィードバックゲインKaを積算し、ブリッジ部材30の慣性モーメントを制御的に変える。更にステップS8で遅延時間Lだけ遅らせることで、ブリッジ部材30のダンピングを制御的に変える。
【0031】
角加速度フィードバック手段300は、ステップS9でフィードバック量をトルク指令値に足し込むことにより、ステップS10でトルクが出力され、ステップS11でブリッジ部材30のヨーイング方向の機械振動を抑制する。ステップS3乃至ステップS10が、角加速度制御ループにおける信号処理である。
【0032】
図4は、本発明のステージの構成で測定されたブリッジ部材30の機械振動特性図である。図10に示した従来のステージの構成で測定されたブリッジ部材の機械振動特性図に比較して、振幅値が小さく、減衰が速く、振動数がシフトされていることがわかる。
【0033】
次に、本発明の効果を数式的に説明する。図5は、角加速度フィードバック制御系の基本構成を示す機能ブロック図である。この制御系は、微分方程式により(1)式のように記述できる。
【0034】
【数1】

【0035】
ここで、ヨーイング角θは、マスタスライダ及びスレーブスライダのX軸方向位置X及びXの差(X−X)と、マスタスライダ及びスレーブスライダ間の距離lにより、θが小さい場合には、θ=(X−X)/lで求められる。
【0036】
ここで、(f−f)は、マスタスライダ11及びスレーブスライダ21の推力差である。J[kgm2]は、慣性モーメント、D[Nms/rad]は粘性係数である。K[Nm/rad]は、復元係数である。
【0037】
(1)式をラプラス変換した角加速度−推力差の伝達関数は、(2)式のように記述できる。
【0038】
【数2】

【0039】
ここで遅延時間要素は、パディ1次近似により、(3)式のように記述できる。
【0040】
【数3】

【0041】
遅延時間を考慮した角加速度フィードバックゲインは、(4)式のように記述できる。
【0042】
【数4】

【0043】
(3)式及び(4)式を(2)式に代入した角加速度−推力差の伝達関数は、(5)式のように記述できる。
【0044】
【数5】

【0045】
(5)式の計算では、A≡l/2と定義し、L≡0より、(J−AK)L/2≡0、
DL/2≡0、AL/2≡0として最終項を導いている。
【0046】
(5)式を整理した伝達関数は、(6)式のように記述できる。
【0047】
【数6】

【0048】
(6)式の減衰率の項で明らかなように、フィードバックゲインKを操作して慣性モーメントJを、J→J+AKとすることにより、制御的に慣性モーメント及び固有振動数を変化させることができる。
【0049】
同様に、角加速度信号処理の遅延時間Lを操作して粘性係数Dを、D→D+KL/2とすることにより粘性係数(ダンピング特性)を変化させることができる。
【0050】
以上の結果から、フィードバックゲインKと遅延時間Lを操作することで、減衰率及び固有振動数を変えることができ、その結果、振幅値を小さく、減衰を速く、振動数をシフトさせることができる。
【0051】
図6は、角速度フィードバック手段を備えた本発明の他の実施形態を示す機能ブロック図である。図2で説明した実施形態との構成上の相違点につき説明する。
【0052】
誤差増幅器50の速度指令Vsと速度変換手段60の速度フィードバック信号Vfの偏差が速度制御器80に入力され、速度制御器80からブリッジ部材30に搭載されたマスタ軸及びスレーブ軸リニアモータに駆動電流Isを出力する。
【0053】
駆動電流Isの経路の途中に設けられた加算器700により、駆動電流Isに角速度フィードバック手段600の演算出力aoが足し込まれる。角速度フィードバック手段600は、一対の加速度センサ101及び102の検出値の差分値に基づく角加速度信号を入力する積算手段500で算出した角速度信号を入力して所定の演算を実行する。
【0054】
減算器200は、一対の加速度センサ101及び102で検出された加速度amとas
の差分値から角加速度信号aiを算出して積算手段500に入力する。積算手段500は、角加速度信号aiを積分演算して角速度信号ai´に変換し、角速度フィードバック手段600に入力する。
【0055】
角速度フィードバック手段600が備えるゲイン設定部601は、入力された角速度信号ai´に所定のゲインを与えてヨーイング抑制姿勢制御におけるダンピング係数を変化させる。
【0056】
角速度フィードバック手段600が備える遅延時間設定部602は、入力された角速度信号ai´に所定の遅延時間を与えてヨーイング抑制姿勢制御における慣性モーメントを変化させる。
【0057】
図7は、加速度センサ101及び102及び角速度フィードバック手段600の信号処理手順を示すフローチャートである。ステップS1でブリッジ部材30が動くことにより、ステップS2でヨーイング方向(Z軸)の機械的振動が発生する。
【0058】
ステップS3で2つの加速度センサ101,102が加速度情報を検出し、その検出値がステップS4で減算器200を通過し、その差分値に基づきステップS5で角加速度情報を生成する。
【0059】
積算手段500は、ステップS6で角速度情報を入力して積算し、角速度情報を生成する。角速度フィードバック手段600は、ステップS7でこの角速度情報を入力してフィードバックする。
【0060】
角速度フィードバック手段600は、ステップS8でフィードバックゲインKvを掛けて、ブリッジ部材30のダンピング係数を制御的に変える。更にステップS9で遅延時間Lだけ遅らせることで、ブリッジ部材30の慣性モーメントを制御的に変える。
【0061】
角速度フィードバック手段600は、ステップS10でフィードバック量を電流値に足し込み、ステップS11で電流出力することで、ステップS12でブリッジ部材30のヨーイング方向の機械振動を抑制する。
【0062】
次に、この実施形態の効果を数式的に説明する。(1)式乃至(3)式までは、図2の実施形態と同一である。
【0063】
遅延時間を考慮した角速度フィードバックゲインは、(7)式のように記述できる。
【0064】
【数7】

(3)式及び(7)式を(2)式に代入した角速度−推力差の伝達関数は、(8)式のように記述できる。
【0065】
【数8】

【0066】
(8)式の計算では、A≡l/2と定義し、L≡0より、JL/2≡0、AL/2≡0として最終項を導いている。
【0067】
(8)式を整理した伝達関数は、(9)式のように記述できる。
【0068】
【数9】

【0069】
(9)式の減衰率の項で明らかなように、フィードバックゲインKvと遅延時間Lを操作して慣性モーメントJを、J→(J−AKvL/2+DL/2)と、粘性係数DをD→(D+KL/2+AKv)とすることにより、制御的に慣性モーメント及びダンピング係数を変化させることができる。
【0070】
以上の結果から、フィードバックゲインKvと遅延時間Lを操作することで、減衰率及び固有振動数を変えることができ、その結果、振幅値を小さく、減衰を速く、振動数をシフトさせることができる。
【0071】
角加速度フィードバック手段300を備えた図2の実施形態と、角速度フィードバック手段600を備えた図6の実施形態の効果を比較する。角加速度フィードバック手段300におけるフィードバックゲインKaの操作では、(6)式の固有振動数ωnのシフト効果の方が減衰率ζの減衰効果より大である。
【0072】
角速度フィードバック手段600におけるフィードバックゲインKvの操作では、(9)式の減衰率ζの減衰効果の方が固有振動数ωnのシフト効果より大である。従って、どちらを重視するかによってフィードバックの形態を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明を適用したステージの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の角加速度フィードバック手段を備えた姿勢フィードバック制御手段の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図3】加速度センサ及び角加速度フィードバック手段の信号処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明のステージの構成で測定されたブリッジ部材の機械振動特性図である。
【図5】角加速度フィードバック制御系の基本構成を示す機能ブロック図である。
【図6】角速度フィードバック手段を備えた本発明の他の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図7】加速度センサ及び角速度フィードバック手段の信号処理手順を示すフローチャートである。
【図8】ステージ一般的な構成例を示す斜視図である。
【図9】姿勢フィードバック制御手段の一般構成を示す機能ブロック図である。
【図10】従来のステージの構成で測定されたブリッジ部材の機械振動特性図である。
【符号の説明】
【0074】
10 マスタ軸リニアモータ
11 マスタ軸スライダ
20 スレーブ軸リニアモータ
21 スレーブ軸スライダ
30 ブリッジ部材
40 パルス変換手段
50 誤差増幅器
60 速度変換手段
70 ドライバ
101,102 加速度センサ
200 減算器
300 角加速度フィードバック手段
301 ゲイン設定部
302 遅延設定部
400 加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定距離を隔てて平行に配置されたマスタ軸リニアモータ及びスレーブ軸リニアモータと、これらリニアモータの軸方向にスライドして位置制御されるマスタスライダ及びスレーブスライダと、これらスライダ間を結合し前記軸方向と同一軸方向に移動制御されるブリッジ部材と、このブリッジ部材の高さ方向の軸に対する回転角を検出してこれを抑制する姿勢フィードバック制御手段と、を有するステージにおいて、
前記ブリッジ部材上の前記マスタスライダ及びスレーブスライダとの結合部近傍に取り付けられた一対の加速度センサと、
前記姿勢フィードバック制御手段のフィードバックループ内に設けられ、前記一対の加速度センサの検出値の差分値に基づく角加速度信号を入力して演算する角加速度フィードバック手段と、
を備えることを特徴とするステージ。
【請求項2】
前記角加速度フィードバック手段は、前記角加速度信号に所定の遅延時間を与えて回転抑制姿勢制御におけるダンピング係数を変化させる遅延時間設定部を備えることを特徴とする請求項1に記載のステージ。
【請求項3】
前記角加速度フィードバック手段は、前記角加速度信号に所定のゲインを与えて回転抑制姿勢制御における慣性モーメントを変化させるゲイン設定部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のステージ。
【請求項4】
所定距離を隔てて平行に配置されたマスタ軸リニアモータ及びスレーブ軸リニアモータと、これらリニアモータの軸方向にスライドして位置制御されるマスタスライダ及びスレーブスライダと、これらスライダ間を結合し前記軸方向と同一軸方向に移動制御されるブリッジ部材と、このブリッジ部材の高さ方向の軸に対する回転角を検出してこれを抑制する姿勢フィードバック制御手段と、を有するステージにおいて、
前記ブリッジ部材上の前記マスタスライダ及びスレーブスライダとの結合部近傍に取り付けられた一対の加速度センサと、
前記姿勢フィードバック制御手段のフィードバックループ内に設けられ、前記一対の加速度センサの検出値の差分値を積算して算出された角速度信号を入力して演算する角速度フィードバック手段と、
を備えることを特徴とするステージ。
【請求項5】
前記角速度フィードバック手段は、前記角速度信号に所定の遅延時間を与えて回転抑制姿勢制御における慣性モーメントを変化させる遅延時間設定部を備えることを特徴とする請求項4に記載のステージ。
【請求項6】
前記角速度フィードバック手段は、前記角速度信号に所定のゲインを与えて回転抑制姿勢制御におけるダンピング係数を変化させるゲイン設定部を備えることを特徴とする請求項4または5に記載のステージ。
【請求項7】
前記マスタ軸リニアモータ及びスレーブ軸リニアモータの軸方向に直交して前記ブリッジ部材上に直交軸リニアモータが形成され、この直交軸リニアモータの軸方向にスライドして位置制御される直交軸スライダ上にワークが搭載されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のステージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−67587(P2008−67587A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322743(P2006−322743)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】