説明

スプレー粉

【課題】軸受部品の表面の摺動特性を改善すること;及び、設計がより簡単であり且つ著しく長い耐用年数を有する、改善された軸受装置を提案する。
【解決手段】基体を被覆するためのスプレー粉、とりわけ、軸受装置の軸受部品を被覆するためのスプレー粉において、不純物は別として、次の組成:炭素=0.1〜1.5重量%、マンガン=0.1〜8重量%、イオウ=0.1〜2重量%、銅=0.1〜12重量%、鉄=100重量%に対する残りの重量%、を含有しており、しかも、マンガン、リン、クロム及びモリブデンから成る群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有している、上記スプレー粉。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー粉(spray powder);スプレー粉を用いて作られる鉄含有表面層;及び、該表面層を施用するための方法;であって、各々のカテゴリーの独立請求項の前提部分に基づくものに関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる種類の軸受装置、例えば、滑り軸受(平軸受)及び転動体軸受、は、技術的用途で用いられる軸受の大部分を占めている。用語「軸受(bearin)」又は軸受装置(bearing apparatus)は、下記において、軸受の機能を規定する全ての軸受部品(例えば、互いに転がるか又は互いに摺動するか又は互いに支持されながら相互にかみ合っている軸受部品、及び軸受接触が協同している軸受部品)を意味することが理解されるだろう。
磨耗の諸徴候は概して、軸受接触、とりわけ、軸受滑り面上の軸受接触に関して協同している軸受滑り面において生じる摩擦と関連している。軸受装置の完璧な交換を必要としつつ、磨耗のこれら徴候を回避するためには、とりわけ滑り軸受の中に、磨滅してしまえば交換することのできる軸受胴が用いられている。しかし、滑り軸受の構造設計は、このことによって著しく複雑になっており、更に、軸受胴を交換するためには、費用のかかる整備プロセスが必要となる。
【0003】
滑り軸受はしばしば、シャフトのジャーナリング(journaling)のために用いられる。滑り軸受及び転動体軸受(rolling element bearings)において、連結ジャーナリング(combined journaling)も時々用いられる。軸受部品は一般に、球状黒鉛を含有する鋳鉄、若しくは熱処理可能な鋼から造られるか;又はしばしば、鋼基焼結用材料、鉄基焼結用材料若しくは可鍛鉄から造られる。軸受胴は大抵、いわゆる二層軸受又は三層軸受によって実現される。しかし、そのような軸受胴を製造することは、比較的高価である。エンジンの長い稼動時間によって、軸受胴は最終的には、軸受胴が必要となる程度まで磨滅してしまい、既に上述したように、そのようなエンジンの軸受胴を交換することは、高いコストと関連している。
【0004】
しかし、他の種類の軸受(例えば、玉軸受)においても同様に、軸受部品(例えば、玉軸受の玉、玉軸受によって支持されるべき車軸、玉軸受の玉のための保持器、又は玉軸受の他の軸受部品)が早期に損耗することは、修復し且つ整備するのに著しい作業を伴ない、結局、著しいコストに関係する基本的問題となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、軸受部品の表面の摺動特性(sliding characteristics)を改善すること;及び、設計がより簡単であり且つ著しく長い耐用年数を有する、改善された軸受装置を提案すること;である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的を満たす本発明の主題は、各々のカテゴリーの独立請求項の特徴によって特徴付けられる。
各々の独立請求項は、本発明のとりわけ好都合な態様に関する。
従って、本発明は、基体を被覆するためのスプレー粉、とりわけ、軸受装置の軸受部品を被覆するためのスプレー粉であって、少なくとも次の組成:即ち、炭素=0.1〜1.5重量%、マンガン=0.1〜8重量%、イオウ=0.1〜2重量%、銅=0.1〜12重量%、及び、鉄=残りの重量%を含有している該スプレー粉に関する。
【0007】
この態様において決め手となる成分は、本発明によるスプレー粉を用いて噴霧される層の中に、加工部材の上に溶射される液状粉(liquid powder)が冷却される時に沈降する銅である。その場合、分離された相が層の中に生じ、それに対応して、空間的見地から幾分分離されている、銅でできた領域が形成される結果となる。これら銅堆積物は、相対的に軟質の領域(即ち、別の相対的に硬質の鉄含有層の中で硬度の低い領域)を形成する。
従って、以下にいっそう詳しく説明されるように、本発明によるスプレー粉は、加工部材の表面であって軸受接触(bearing contact)に関しもう1つの表面と協同している該加工部材表面を被覆するのにとりわけ適している。なぜなら、銅堆積物は、表面層の摺動特性を著しく改善するからである。
【0008】
本発明によるスプレー粉は、好ましい態様において、リン0.01〜0.2重量%及び/又はクロム5〜20重量%及び/又はモリブデン0.1〜20重量%を更に含有することがある。
溶射においてとりわけ優れた結果を達成するためには、その粒径はとりわけ、1μm〜90μmの間、好ましくは5μm〜50μmの間であるのが好都合である。
該スプレー粉は、軸受接触に関してもう1つの加工部材と協同する加工部材の上に、特定の方法で表面層の溶射を行うのに適している。
【0009】
本発明によると、溶射によって施用される鉄含有表面層(とりわけ、軸受装置の軸受部品の軸受層)は、少なくとも次の組成:炭素=0.1〜1.5重量%、マンガン=0.1〜8重量%、イオウ=0.1〜2重量%、銅=0.1〜12重量%、鉄=100重量%に対する残りの重量%、を含有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
既に説明したように、本発明による表面層は、幾分分離された相(isolated phases)であって、それに対応して、空間的に幾分分離された、銅でできた領域を形成している該分離相を有している。これらの銅堆積物は、相対的に軟質の領域(即ち、別の相対的に硬質の鉄含有層の中で硬度が低い領域)を形成している。このことは、該表面層が、銅マトリックスを形成することのできる銅堆積物を有していることを意味する。銅でできているか又は銅を含有しているこれら領域の硬度は、この態様では、例えば、80HV〜200HVの間になっていることがあり、ここに、HVは、通常のビッカース硬度を意味し、約100HVになっているのが好ましい。それに対して、それら銅堆積物の外側の諸領域における鉄含有層は、300HV〜500HVの間の硬度、好ましくは約400HVの硬度を有していることがある。
【0011】
この態様において、鉄含有層中の銅堆積物は、摺動特性が、乾燥潤滑と、潤滑剤により達成される、2つの軸受部品の間の潤滑との両方によって著しく改善される結果となるだけでなく;軸受であってそれの複数の軸受部品が軸受接触に関して協同する該軸受の実用寿命をも著しく延ばす。銅堆積物を含有しているそれら領域は、相対的に低い硬度を有している(換言すれば、相対的に軟質である)ので、それら領域は、軸受の複数の軸受部品の間に入り込むとりわけ硬質の異物を取り込むことができる。なぜなら、それら異物は、銅堆積物を含有しているそれら領域の中に押し込められ、その結果、それら軸受部品の表面は、それら硬質の異物による損傷から保護されるからである。このことは、銅堆積物がそれら硬質の異物を濾過して取り除くこと(即ち、それら異物が、それら銅含有堆積物の中に永久に蓄積されること)を意味する。
【0012】
従って、例えば、湿式潤滑による軸受の表面層に、本発明による表面層が与えられると、とりわけ好都合である。これらのような軸受は一般に、あらゆる種類の汚染物質(例えば、エンジン内の非常に様々な位置で起こり得る摩損による汚染物質)を含有し得る潤滑油を用いて滑らかにされている。対応する濾過装置(例えば、自動車のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンの中の油フィルタ)がしばしば与えられている。しかし、いっそう大きい粒径の粒子だけが、濾過装置を用いている潤滑油から濾過によって効果的に取り除かれることがある。ミクロン範囲のいっそう小さい粒子は、濾過によって取り除かれないか又は不十分な量のみ濾過によって取り除かれ、その結果、それらのいっそう小さい粒子は、軸受の複数の部品であって互いに軸受接触している該部品の間に到達し、そして、長期間に渡ってこの軸受に損傷を引き起こすことがある。しかし、もし対応するそれら表面に、本発明による表面層が与えられるならば、損傷を与える汚染物質は、軸受が作動している間に該表面層の軟質銅堆積物の中に取り込まれ、その結果、軸受接触しているそれら表面は、汚染物質(換言すれば、ほこり粒子又は異物)によって何ら損傷を受けない。
【0013】
この態様における表面層は、リン0.01〜0.2重量%及び/又はクロム5〜20重量%及び/又はモリブデン0.1〜20重量%を更に含有することができる。とりわけ、表面層にクロム及びモリブデンが存在すると、例えば、軸受を滑らかにするための潤滑油の中に含有されていることがあるか;又は、燃焼機関が作動している間に生じることがあるか;又は、別の点では、被覆された表面の上に到達することがある;攻撃物質(aggressive materials)に対する、表面層の耐食性が著しく増大する。
本発明による表面層の好ましい具体例において、MnSは、乾燥潤滑剤として、マンガンの割合が1〜2.5重量%の間となり、好ましくは1.7重量%となり、また、イオウの割合が0.5〜1.5重量%の間となり、好ましくは1重量%となるように含有されており、その結果、とりわけ、潤滑剤を用いることなく軸受接触に関して協同する複数の軸受部品(換言すれば、乾式潤滑による軸受の該軸受部品)にこの種の表面層が与えられると、とりわけ好都合となることがある。乾燥潤滑剤としてのMnSはまた、湿式潤滑による軸受(換言すれば、オイル又はグリースを用いて滑らかにされる軸受)の表面層におけるMnSの潤滑効果をも有利に創り出すことができることは言うまでもない。
【0014】
該表面層は、α鉄のベースマトリックス(base matrix)であって、その中に、堆積された銅の領域が埋め込まれている該マトリックスを含有するのが好ましい。
この態様における表面層は、1種以上の炭化物、とりわけFe、好ましくはFeCを含有すれば、とりわけ好都合である。例えば、該表面層の中に微粒子の状態で堆積することのあるこれら炭化物は、本発明による特定の表面層の、とりわけ機械的強度を増大させ、炭化物のそれら微粒子は、該表面層における転位の移動を防止し、このようにして、該表面層を機械的に安定させる。
【0015】
実用的用途にとってとりわけ重要な具体例において、表面層は、0.5〜5体積%の間、とりわけ1〜3体積%の間の気孔率(porosity)を有している。とりわけ、湿式潤滑による軸受の場合、この気孔率は、軸受接触に関して協同する2つの軸受部品の間の摺動特性に対して非常に好都合な効果を有する。なぜなら、それら気孔は、困難な潤滑環境の下でも、それら軸受部品を滑らかにするのに十分な潤滑剤を常に利用し得るように、潤滑油のための貯蔵ポケット(storage pockets)を形成するからである。この態様において、0.5〜5体積%の間、とりわけ1〜3体積%の間の気孔率がとりわけ効果的であり、このようにして、それら軸受部品の間の潤滑(lubrication)は、例えば、不十分な潤滑の条件においてだけでなく、流体力学的潤滑の条件においても、更に改善される結果となる。
本発明による表面層は、それの品質を高めるために及び/又は特別な幾何学的必要条件に適応させるために、ホーニング仕上げ(honing)によって仕上げられると好都合である。
【0016】
支持されるべき2つの軸受部品の間に軸受胴を更に有している、従来技術から知られている軸受装置について、特定の利点が生じる。当業者には周知であるように、シャフトと、軸受サドル(bearing saddle)の中に形成されている軸受凹部(bearing depression)又は軸受座の内部との間に配列される複数の軸受胴が用いられている。それら軸受胴それら自体は、シャフトよりも低い硬度を有する材料から造られており;その結果、例えば、軸受胴は本来、作動中に損耗が増大し;その結果、それに対応してシャフトそれ自体の損耗程度は低減されることがあり、そして、軸受サドルそれ自体は実質的に、摩擦によっては損耗しない。なぜなら、シャフトは、軸受サドルと直接的には協同せずに、軸受胴と協同するからである。このことは、軸受胴が、そのような軸受装置の中に与えられることは絶対必要であることを意味する。なぜなら、さもなければ、シャフトそれ自体及び/又は軸受サドルが比較的短い時間で磨滅してしまい、従って、軸受サドルとシャフトとを備えた軸受全体が実質的に交換されなければならないのに対し、もし軸受胴が追加的に与えられれば、軸受胴のみを交換すれば済むからである。
【0017】
軸受胴を有する軸受が比較的複雑であり、従って、費用がかかること、及び、軸受胴の交換が相当な尽力と費用とに関連することは、明白である。
しかし、対照的に、もし軸受装置の軸受部品に、本発明による表面層が与えられた場合、軸受胴は完全に省略することができる。なぜなら、本発明による表面層は、諸軸受部品が損耗するのを防ぐので、既知の軸受装置では軸受部品を保護するのに役立つ軸受胴は不要となり得るからである。
最終的に、本発明は、本発明によるスプレー粉を用いて、本発明による表面層を製造するためのスプレー方法(spraying method)であって、溶射法(thermal spraying method)、とりわけ、大気圧プラズマ溶射法(atmospheric plasma spraying method)、真空プラズマ溶射法(vacuum plasma spraying method)、HVOF(高速ガスフレーム溶射)法、火炎溶射法(flame spraying method)、又は冷ガス溶射法(cold gas spraying method)の上記スプレー方法に関する。
本発明は、略図で示す図面の助けを借りて、以下により詳しく記述される。
【実施例1】
【0018】
図1は、解体されている本発明による表面層3を有する軸受の軸受部品2を、略図で示す。軸受の軸受サドル21を通る断面を示す。軸受サドル21は、本発明による表面層3が与えられている軸受表面5を有している。表面層3は、例えば、高純度Fe−炭化物を含有するα鉄の層を含有することがあり、しかも、表面層3は、例えば2%の開放気孔率を有することがある。表面層3は、銅でできた堆積物によって形成されている領域4と;乾燥潤滑剤であるMnSを含有し、他方においては、表面層3上で(本明細書には図示されていない)シャフトの摺動能力(sliding ability)を増大させる領域31と;を有している。その中の該銅堆積物は更に、汚染物質粒子を受け入れるのに適している。汚染物質粒子は、例えば、潤滑油によってシャフトに供給されることがある。該潤滑油は、それ自体知られているやり方で、本明細書には図示されていない油ポンプによって、軸受サドル21の表面と、同様に図示されていないその中のシャフトジャーナルとの間に、潤滑油開口6を通して押し付けられる。本発明による表面層3を用いる結果として、軸受胴は、図1に例示される軸受において不必要なものとなる。なぜなら、一方においては、表面層3は、軸受サドル21の軸受表面5が作動状態で損耗するのを防ぎ、また他方においては、表面層3上のシャフトの摺動能力が銅堆積物によって改善され、その結果、軸受胴(例えば、既知であり且つ従来技術において必要である軸受胴)がもはや必要でなくなるからである。
【0019】
本発明によると、一例として、溶射によって軸受装置の軸受部品を被覆するための銅含有スプレー粉が提供される。この態様における、本発明によるスプレー粉を用いて噴霧された表面層の特徴は、本発明による鉄含有層が銅堆積物の領域を有していることであり、該銅堆積物の領域は、摺動特性が、乾燥潤滑と潤滑剤によって達成される2つの軸受部品の間の潤滑との両方によって著しく改善される結果となるだけでなく;軸受であってそれの複数の軸受部品が軸受接触に関して協同する該軸受の実用寿命を著しく延ばす。これの理由はとりわけ、2つの軸受部品の間に配置される潜在的汚染物質粒子を銅堆積物が埋め込み、このようにして、該汚染物質粒子が、もはや該軸受部品の表面に有害な影響を与えることができないように該汚染物質粒子を拘束することである。この態様において本発明による鉄含有表面層は同時に、被覆された軸受部品が(例えば、摩擦による)損耗から著しく保護されるのに十分に高い硬度を有しており、その結果、従来技術からの軸受又は他の軸受においてとりわけ必要である軸受胴は不要となる場合がある。従って、それ自体は知られている軸受部品の耐久性も対応する軸受の耐久性も、全体として著しく増大するだけでなく、幾種類かの既知の軸受装置の構造を著しく簡略化することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による表面層を有する軸受の軸受部品を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体2を被覆するためのスプレー粉、とりわけ、軸受装置の軸受部品2を被覆するためのスプレー粉において、不純物は別として、次の組成:
炭素=0.1〜1.5重量%、
マンガン=0.1〜8重量%、
イオウ=0.1〜2重量%、
銅=0.1〜12重量%、
鉄=100重量%に対する残りの重量%
を含有しており、しかも、マンガン、リン、クロム及びモリブデンから成る群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有している、上記スプレー粉。
【請求項2】
リン0.01〜0.2重量%を更に含有している、請求項1に記載のスプレー粉。
【請求項3】
クロム5〜20重量%を更に含有している、請求項1又は2に記載のスプレー粉。
【請求項4】
モリブデン0.1〜20重量%を更に含有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスプレー粉。
【請求項5】
気体ノズル噴出、水ノズル噴出、焼結、噴霧乾燥、又は機械的合金化によって製造されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスプレー粉。
【請求項6】
スプレー粉の粒径が、5μm〜90μmの間、好ましくは8μm〜60μmの間にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスプレー粉。
【請求項7】
溶射によって施用された鉄含有表面層、とりわけ、軸受部品2の軸受層3であって、不純物は別として、次の組成:
炭素=0.1〜1.5重量%、
マンガン=0.1〜8重量%、
イオウ=0.1〜2重量%、
銅=0.1〜12重量%、
鉄=100重量%に対する残りの重量%
を含有しており、しかも、マンガン、リン、クロム及びモリブデンから成る群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有している、上記表面層。
【請求項8】
リン0.01〜0.2重量%を更に含有している、請求項7に記載の表面層。
【請求項9】
クロム5〜20重量%を更に含有している、請求項7又は8に記載の表面層。
【請求項10】
モリブデン0.1〜20重量%を更に含有している、請求項7〜9のいずれか1項に記載の表面層。
【請求項11】
MnSが、乾燥潤滑剤として含有されており;マンガンの割合が、1〜2.5重量%の間、好ましくは1.7重量%であり;イオウの割合が、0.5〜1.5重量%の間、好ましくは1重量%である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の表面層。
【請求項12】
α鉄のベースマトリックスを含有している、請求項7〜11のいずれか1項に記載の表面層。
【請求項13】
炭化物、とりわけFe、好ましくはFeCを含有している、請求項7〜12のいずれか1項に記載の表面層。
【請求項14】
分離相として生じている銅堆積物4を含有している、請求項7〜13のいずれか1項に記載の表面層。
【請求項15】
0.5〜5体積%、とりわけ1〜3体積%の気孔率を有している、請求項7〜14のいずれか1項に記載の表面層。
【請求項16】
ホーニング仕上げ又は研削によって仕上げられている、請求項7〜15のいずれか1項に記載の表面層。
【請求項17】
請求項7〜16のいずれか1項に記載の表面層を製造するためのスプレー方法であって、該スプレー方法が、溶射法、とりわけ、大気圧プラズマ溶射法、真空プラズマ溶射法、HVOF法、火炎溶射法又は冷ガス溶射法である、上記スプレー方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−83470(P2006−83470A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266163(P2005−266163)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(500063790)ズルツァー・メットコ・アクチェンゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】Sulzer Metco AG
【Fターム(参考)】