説明

スロットマシン

【課題】初心者であってもAT遊技中は一定の出玉率を確保でき、かつAT遊技の出玉に一定の規制をかけることができ、AT遊技が突然終了する印象を遊技者に与えないようにする。
【解決手段】RT遊技(ART遊技)に移行したときは、最初にAT1遊技を実行する。AT1遊技は、小役3A〜小役3C(AT小役)の当選時に、入賞させるためのストップスイッチ42の操作情報を報知するとともに、リプレイ2(RTパンク小役)の当選時にリプレイ2の入賞を回避するストップスイッチ42の操作情報を報知する。RT遊技への移行後に、差枚数が基準値に到達したときは、AT2遊技に移行する。AT2遊技では、小役3A〜小役3Cに係る報知を中止し、リプレイ2に係る報知を継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル獲得枚数に応じてAT遊技(報知遊技)の態様を変化させるスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシンにおいて、AT遊技を実行するスロットマシンが知られている。AT遊技を行う場合には、AT小役が設けられる。ここで「AT小役」とは、ストップスイッチの操作タイミングや押し順によって入賞したり入賞しなかったりする小役である。そして、非AT遊技中は、AT小役に当選しても遊技者はストップスイッチの操作タイミングや押し順を知らないので、当選したAT小役を確実に入賞させることができない。これに対し、AT遊技中は、AT小役の当選時にAT小役を入賞させるためのストップスイッチの操作タイミングや押し順(操作情報)が報知される。したがって、AT遊技中は、遊技者は、この報知に従いストップスイッチを操作することで、当選したAT小役を容易に(確実に)入賞させることができる(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
また、AT遊技を実行すると、出玉が予想以上に高くなってしまう場合がある。このため、AT遊技中に出玉(メダル差枚数)を管理し、メダル獲得枚数(差枚数)が上限値に到達した場合には、AT遊技を中断するスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3302975号公報
【特許文献2】特許第3509699号公報
【特許文献3】特開2002−346028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述の従来の技術において、第1に、AT小役が目押しを必要とする場合は、上級者は報知時に確実にAT小役を入賞させることができるが、目押しの不得意な初心者の場合には、報知されても必ずしもAT小役を入賞させることができなかった。このため、初心者は、AT遊技に移行しても出玉率を高めることが困難な場合があった。特に、報知時の目押しに何度も失敗していると、AT遊技であるにもかかわらず、出玉率が通常遊技と特に変わらない状態のままであるという問題があった。
【0006】
また第2に、特許文献3の技術では、AT遊技の通常の終了条件(例えば遊技回数の上限値)を満たす前にメダル獲得枚数が上限値に到達すると、突然、AT遊技が中断し、報知が全く行われなくなるものであった。このため、AT遊技の通常の終了条件を満たす前にメダル獲得枚数が上限値に到達してしまうと、遊技者に対し、AT遊技がパンクした印象を与えてしまうという問題があった。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、初心者であってもAT遊技中は、通常遊技を超える出玉率を確保することができ、かつAT遊技の出玉に一定の規制をかけることができ、さらには、AT遊技が突然終了する印象を遊技者に与えないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の一例を示す。
請求項1の発明は、複数種類の図柄を表示した複数のリール(31)と、役の抽選を行う役抽選手段(61)と、前記リールの回転開始命令を受けたとき(スタートスイッチ41が操作された時)にすべての前記リールを回転させるとともに、遊技者によりストップスイッチ(42)が操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する位置で、そのストップスイッチに対応する前記リールを停止させるリール制御手段(64)とを備え、前記役抽選手段は、特定遊技状態(RT1遊技)では特定役A(小役3A〜小役3C)及び特定役B(リプレイ2)を含めて役の抽選を行い、前記リール制御手段は、前記役抽選手段で前記特定役Aに当選したときに、遊技者による前記ストップスイッチの操作タイミング又は押し順に応じて、前記特定役Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる場合と停止させない場合とを有するように前記リールを停止制御し、前記リール制御手段は、前記役抽選手段で前記特定役Bに当選したときに、遊技者による前記ストップスイッチの押し順に応じて、前記特定役Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる場合と停止させない場合とを有するように前記リールを停止制御し、前記特定遊技状態において前記特定役Bに当選し、前記特定役Bに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、前記特定遊技状態を終了して前記特定遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態(RT2遊技)に移行するように制御し、前記特定遊技状態の遊技中、又は前記特定遊技状態を含む所定の遊技期間中において、遊技媒体の払出し数から投入数を引いた差数が基準値以上であるか否かを判断する差数判断手段(AT遊技制御手段70a)と、前記役抽選手段で前記特定役Aに当選したときに、前記特定役Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるための前記ストップスイッチの操作情報を遊技者に対して報知する第1報知手段と、前記役抽選手段で前記特定役Bに当選したときに、前記特定役Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないための前記ストップスイッチの押し順を遊技者に対して報知する第2報知手段とを備え、前記特定遊技状態に移行したときは、前記第1報知手段及び前記第2報知手段による双方の報知(AT1遊技)を実行し、前記差数判断手段により前記差数が前記基準値以上であると判断されたときは、前記第1報知手段による報知を停止し、かつ前記第2報知手段による報知を継続する(AT2遊技を実行する)ように制御することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、遊技状態として、通常遊技状態(RT2遊技)と前記特定遊技状態(RT1遊技)とを有し、前記特定遊技状態は、前記通常遊技状態に対して少なくとも1つの役(リプレイ1)の当選確率が高く設定されていることにより、前記通常遊技状態よりも出玉率が高く設定された遊技状態であり、前記特定遊技状態以外の遊技状態において所定の条件を満たしたとき(BB遊技の終了後、特定の図柄の組合せが有効ラインに停止したとき)に前記特定遊技状態に移行するとともに、前記特定遊技状態において前記特定役Bに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、前記特定遊技状態を終了して前記通常遊技状態に移行するように制御する遊技状態制御手段(69)を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、前記特定遊技状態に移行する以前の所定遊技期間(400ゲーム)における遊技媒体の投入数と払出し数との比を表す出玉率又は前記差数を算出し、前記特定遊技状態に移行するときは、前記出玉率又は前記差数に基づいて、その特定遊技状態における前記基準値を決定することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記差数の前記基準値は、複数設けられており、複数の前記基準値の中からいずれか1つの前記基準値を抽選により決定する基準値決定手段(AT遊技制御手段70a)を備えることを特徴とする。
【0012】
(作用)
本発明においては、特定遊技状態に移行すると、最初は、特定役Aの当選時に第1報知手段により特定役Aを入賞させるための操作情報が報知されるとともに、特定役Bの当選時に第2報知手段により特定役Bを入賞させないための操作情報が報知される。
これにより、特定役Aの当選時には報知に従ってストップスイッチを操作することで、特定役Aを入賞させ、遊技媒体を獲得することができる。また、特定役Bの当選時には、ストップスイッチの適切な押し順によって特定役Bの入賞を回避することができるので、初心者であっても容易に特定役Bの入賞を回避することができ、特定遊技状態からの転落を防止することができる。
【0013】
そして、遊技媒体の差数が増加していき、差数が基準値以上になると、第1報知手段による報知が停止する。ただし、第2報知手段による報知は継続される。
このため、第1報知手段による報知が行われていたときと比較すると遊技媒体の増加の程度は少なくなるが、遊技者にとって有利な遊技状態を維持することができる。
また、特定遊技状態において、第1報知手段及び第2報知手段による双方の報知が突然停止するようなことがないので、いきなり報知を打ち切られた印象を遊技者に与えることがない。
【0014】
なお、特定遊技状態において第2報知手段による報知のみとなったときは、それ以降に、いつ第2報知手段による報知を終了するかは、任意である。例えば、所定の条件を満たしたとき(BB等の当選時や、所定遊技回数を消化したとき等)に終了してもよい。あるいは、スロットマシンの電源を切る等しない限り、第2報知手段による報知が行われる特定遊技状態が終了しないようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、初心者であっても、特定遊技状態では、特定遊技状態以外の遊技状態、例えば通常遊技を超える出玉率を確保することができる。また、特定遊技状態の出玉に一定の規制をかけることができる。さらにまた、特定遊技状態が突然終了する印象を遊技者に与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。
【図2】リールの図柄配列を示す図である。
【図3】表示窓とリールとの関係、及び有効ラインを示す図である。
【図4】役の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
【図5】非RT遊技及び内部中遊技における役抽選テーブルを示す図である。
【図6】RT1遊技及びRT2遊技における役抽選テーブルを示す図である。
【図7】特別遊技における役抽選テーブルを示す図である。
【図8】小役3A〜小役3Cの当選時における有効ラインに停止する図柄の組合せを示す図である。
【図9】リプレイ1及びリプレイ2の重複当選時、並びにリプレイ1、リプレイ2及びリプレイ3の重複当選時における、最初に操作されたストップスイッチと入賞役との関係を示す図である。
【図10】遊技状態の移行を説明する図である。
【図11】基準値を決定するデータテーブルを示す図である。
【図12】第2実施形態における基準値を決定するデータテーブルを示す図である。
【図13】第3実施形態における小役4A〜小役4Cと、ストップスイッチの押し順と、入賞の有無の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態のスロットマシン10は、メダルを遊技媒体としているが、メダルに限らず、遊技球等であってもよいのはもちろんである。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10の遊技制御手段60は、スロットマシン10の全体を制御する手段であり、役の抽選、リール31の駆動制御、入賞時の払出し、及び演出の出力等を制御するものである。遊技制御手段60は、制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等や演出の出力に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0018】
なお、本実施形態では、遊技制御手段60を1つとして図示しているが、これに限らず、遊技の進行を制御する遊技制御手段60を有するメイン制御基板と、演出の出力を制御する演出制御手段70を有するサブ制御基板とを別体で備え、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、演出の出力に必要な情報を送信するように構成してもよい。
【0019】
図1に示すように、遊技制御手段60の入力側(図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及び(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態では、いずれの遊技においても、メダルを3枚投入して遊技を行うように設定されており、ベットスイッチ40として、3枚投入用の1つが設けられている。
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
【0020】
さらにまた、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらに、(左、中、右)ストップスイッチ42は、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0021】
遊技制御手段60の出力側(図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0022】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄(コマ)が等間隔で配置されている。
【0023】
また、図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3個(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計3×3=9個の図柄が見えるように配置されている。
なお、本明細書では、図3中、例えば左リール31の「スイカ」の図柄が停止している位置を「上段」、「赤7」の図柄が停止している位置を「中段」、「RP」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
【0024】
さらにまた、図3に示すように、スロットマシン10の表示窓11を含む部分には、図柄組合せラインL1〜L5が設けられている。
ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の中段、上段、及び下段の3本の図柄組合せラインL1〜L3と、斜め右下がり方向及び斜め右上がり方向の2本の図柄組合せラインL4及びL5の合計5本の図柄組合せラインを有する。
【0025】
また、図柄組合せラインは、有効ラインと無効ラインとを有する。
ここで、「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0026】
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数に応じて設定されるが、本実施形態では、上述したように、いずれの遊技中においても、3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、すべての遊技において、5本すべての図柄組合せラインL1〜L5が有効ラインとなり、無効ラインは存在しないように設定されている。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。さらに、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、5本の図柄組合せラインL1〜L5のうち、一部のみを有効ライン(残りを無効ライン)に設定してもよい。
【0027】
さらに、図1において、遊技制御手段60の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0028】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイやドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や、後述するAT遊技中におけるストップスイッチ42の押し順等の操作情報を表示するものである。
【0029】
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び役に対応する図柄の組合せを示す図である。図4に示すように、役としては、大別して、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。ただし、特別役の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイは、メダルが自動投入される。
【0030】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、図4に示すように、特別役として、BB(第1種ビッグボーナス)及びRB(レギュラーボーナス)が設けられている。
BB又はRBがそれぞれ入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、それぞれ特別遊技であるBB遊技又はRB遊技に移行する。BB遊技及びRB遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
【0031】
また、BBは、BBA及びBBBの2種類を備え、図柄の組合せが異なるように設定されている。なお、BBA及びBBBは、互いに独立した役(別フラグ)であり、当選時には、いずれか一方が当選するように設定されている。
なお、他の特別役としては、2BB(第2種ビッグボーナス。MB(ミドルボーナス)ともいう。)や、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
【0032】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、小役1、小役2、及び小役3(小役3A〜小役3C)が設けられており、各小役ごとに図柄の組合せが異なるように設定されている。なお、小役1における「any」とは、任意の図柄を意味する。すなわち、左リール31の有効ラインに「チェリー」の図柄が停止した時点で、中リール31及び右リール31の停止図柄にかかわらず、小役1の入賞となる。
【0033】
さらにまた、図4において、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。本実施形態では、リプレイとして、3種類のリプレイ1、リプレイ2、及びリプレイ3を備える。
【0034】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役であるBB(BBA、BBB)及びRBが挙げられる。BB又はRBに当選したときは、リール31の停止時に、BB又はRBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、それぞれBB又はRBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0035】
このように、BB及びRBの当選は持ち越されるのに対し、BB及びRB以外の役である小役及びリプレイは、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0036】
なお、BB又はRBに当選していない遊技中(BB又はRBの当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技においてBB又はRBに当選しているが、当選したBB又はRBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(BB又はRBの当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0037】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0038】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0039】
図1に示すように、遊技制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0040】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役、及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0041】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0042】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がBBAの当選領域に属する場合は、BBAの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0043】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。図5〜図7は、本実施形態における役抽選テーブル62(62A〜62E)を示す図である。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられている。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
【0044】
まず、本実施形態の「遊技状態」としては、大別して、通常遊技と特別遊技とを備える。「特別遊技」とは、本実施形態ではBB遊技及びRB遊技が相当する。また、「通常遊技」とは、特別遊技以外の遊技をいい、非RT遊技、内部中遊技、RT1遊技、及びRT2遊技が設けられている。なお、非RT遊技、RT1遊技、及びRT2遊技は、いずれも、非内部中遊技である。
【0045】
また、「RT(Replay Time )遊技」とは、広義には、リプレイの当選確率が非RT遊技と異なる遊技を指し、狭義には、リプレイの当選確率が非RT遊技よりも高く設定されることで出玉率を非RT遊技よりも高くした遊技を指す。本実施形態のRT1遊技は、後者を意味し、RT2遊技は、前者を意味する。
さらに、後者には、遊技の進行に伴ってメダル所有枚数が徐々に増加する遊技状態、メダル所有枚数が遊技の進行によってもほぼ現状維持される遊技状態、又は遊技の進行によってもメダル所有枚数がほとんど減らない遊技状態のいずれも含まれるが、本実施形態のRT1遊技は、遊技の進行に伴ってメダル所有枚数が徐々に増加する遊技状態である。
【0046】
本実施形態のRT1遊技では、リプレイ1の当選確率は、1/1.3であり、頻繁にリプレイ1が当選・入賞する遊技状態となる。リプレイ1が入賞すれば、次遊技ではメダルの投入の必要がないので、メダル持ちのよい遊技状態となる。
また、上記の遊技状態以外の遊技状態として、本実施形態では、「AT(Assist Time )遊技」が設けられている。AT遊技は、RT1遊技でのみ実行される。この点については後述する。また、上記の各遊技状態の特徴及び遊技状態間の移行については、後述する。
【0047】
図5の役抽選テーブル62Aは、非RT遊技で用いられる役抽選テーブル62である。図5中、当選役が1つ設けられている場合には、その役の単独当選を意味する。これに対し、「+」とは、当該遊技において複数の役が同時に重複当選することを意味する。例えば「BBA+リプレイ3」とは、BBAとリプレイ3とが重複当選することを意味している。同様に、「リプレイ1+リプレイ2+リプレイ3」とは、リプレイ1、リプレイ2、及びリプレイ3の3つの役が重複当選することを意味している。
【0048】
役抽選テーブル62Aで抽選される役は、特別役(BBA、BBB、及びRB)、小役1、小役2、小役3A、小役3B、小役3C、リプレイ1、及びリプレイ3の各単独当選と、BBA+リプレイ3、BBB+リプレイ3、リプレイ1+リプレイ2、リプレイ1+リプレイ2+リプレイ3の重複当選が設けられている。
【0049】
すなわち、BBA、BBBは、単独当選する場合と、リプレイ3と重複当選する場合とを有する。同様に、リプレイ3は、単独当選する場合と、BBA又はBBBと重複当選する場合とを有する。また、リプレイ2は、単独当選する場合はなく、リプレイ1、又はリプレイ1及びリプレイ3と重複当選するように設定されている。
なお、小役3は、全体として1/5の当選確率を有し、これが3等分されて小役3A〜小役3Cに割り当てられている。
【0050】
また、役抽選テーブル62Bは、内部中遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Aと比較すると、特別役が抽選されない点で役抽選テーブル62Aと異なる。すなわち、非内部中において特別役に一旦当選すると、その特別役が入賞して特別遊技に移行し、その特別遊技が終了して特別遊技以外の遊技に移行するまで、特別役の抽選は行われない。したがって、内部中では、小役及びリプレイのみが抽選される。よって、BBA、BBBの各単独当選、及びBBA又はBBBとリプレイ3との重複当選は設けられていない。
【0051】
図6に示す役抽選テーブル62Cは、RT1遊技で用いられる役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62Aと比較すると、リプレイ1の当選確率のみが異なる。役抽選テーブル62Cでは、リプレイ1の当選確率は1/1.3と高確率に設定されている。
また、役抽選テーブル62Dは、RT2遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Aと比較すると、リプレイ1の当選確率のみが異なる。役抽選テーブル62Dでは、リプレイ1の当選確率は1/7.4に設定されている。
【0052】
さらに、図7に示す役抽選テーブル62Eは、特別遊技(BB遊技及びRB遊技)で用いられる役抽選テーブル62であり、第1に、小役のみが抽選され、特別役及びリプレイは抽選されない。さらに、小役3A、小役3B、小役3Cは単独当選せず、常に、これら3つの小役3A〜小役3Cが重複当選するように設定されている。さらにその当選確率は、1/1.1に設定されている。すなわち、特別遊技では、ほぼ毎遊技、小役3A、小役3B及び小役3Cの重複当選となるように設定されている。
以上のいずれかの役抽選テーブル62A〜62Eを用いて、役抽選手段61は、毎遊技、スタートスイッチ41が操作された時に役の抽選を行う。
【0053】
なお、リプレイ3は、チャンス目としての役割を有している。リプレイ3は、単独当選する場合の他に、BBと重複当選する場合もあるからである。したがって、遊技者は、リプレイ3が入賞したときは、BBの当選を期待することができる。
【0054】
説明を図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、BBA、BBB、RB、小役1、小役2、小役3A、小役3B、小役3C、リプレイ1、リプレイ2、及びリプレイ3の各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、リプレイ1に当選したときは、リプレイ1に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。また、例えばリプレイ1、リプレイ2、及びリプレイ3に重複当選したときは、これらの3つの当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役に係る当選フラグ63aはオフのままである。
【0055】
さらにまた、上述したように、小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役やリプレイに当選し、小役やリプレイの当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、BB及びRBの当選は持ち越されるので、当該遊技でBB又はRBに当選し、当選したBB又はRBに係る当選フラグ63aがオンになったときは、そのBB又はRBが入賞するまでオンの状態が維持され、そのBB又はRBが入賞した時点でオフにされる。
【0056】
例えば、当該遊技でBBAに当選したときは、BBAの当選フラグ63aがオンにされ、当該遊技でBBAが入賞しなかったときは、BBAに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。そして、次遊技(内部中の遊技)で、小役2に当選したときは、すでにオンであるBBAに係る当選フラグ63aのほか、小役2の当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時にBBAが非入賞のときは、BBAに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、小役2の当選フラグ63aはオフにされる。
【0057】
さらに、当該遊技でBBA及びリプレイ3に重複当選したときは、BBAの当選フラグ63a及びリプレイ3の当選フラグ63aがオンにされる。そして、後述するが、この場合には、常にリプレイ3が入賞するように制御される。このため、当該遊技の終了時には、リプレイ3の当選フラグ63aがオフにされるが、BBAに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。
【0058】
リール制御手段64は、リールの回転開始命令を受信したとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信したとき)に、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0059】
例えば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0060】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内に設定されている。
【0061】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0062】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0063】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0064】
さらに、リール制御手段64は、複数の当選フラグ63aがオンである遊技(複数の役が重複当選している遊技)では、いずれか1つの役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御し、複数の役に対応する図柄の組合せが同時に有効ラインに停止しないようにリール31を停止制御する。
【0065】
また、図1に示すように、リール制御手段64は、押し順検出手段64aを備える。押し順検出手段64aは、遊技者によりストップスイッチ42が操作されたときに、左、中、及び右ストップスイッチ42のうち、いずれが操作されたかを検出するものである。押し順検出手段64aは、毎遊技、一律にストップスイッチ42の押し順を検出してもよいが、特に本実施形態では、リプレイ1とリプレイ2の重複当選時、及びリプレイ1、リプレイ2、リプレイ3の重複当選時に、ストップスイッチ42の押し順を検出する。
また、押し順検出手段64aは、最初(1番目)に操作されたストップスイッチ42及び2番目に操作されたストップスイッチ42を検出してもよいが(1番目及び2番目を検出すれば、最後の3番目の検出は不要である)、特に本実施形態では、最初に操作されたストップスイッチ42が左、中、又は右のいずれであるかを検出する。
【0066】
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力されるようになっている。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
【0067】
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段61による役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブル65には、例えば0番の図柄(左リール31であれば「赤7」)が上段(中段又は下段でも可)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
【0068】
停止位置決定テーブル65は、以下のテーブルを備える。
BBAテーブルは、BBAのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技でBBAに単独当選したとき、又はBBAの内部中遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、BBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、BBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0069】
また、BBBテーブル、及びRBテーブルについても上記と同様であり、上記BBAテーブル中、「BBA」をそれぞれ「BBB」、「RB」と読み替えたものに相当する。
【0070】
小役1テーブルは、小役1のみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役1に当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0071】
また、小役2テーブル、リプレイ1テーブル及びリプレイ3テーブルについても上記と同様であり、上記小役1テーブル中、「小役1」をそれぞれ「小役2」、「リプレイ1」及び「リプレイ3」と読み替えたものに相当する。
【0072】
また、小役3Aテーブルは、小役3Aのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役3Aに当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役3Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役3Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、特定の図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0073】
ここで、小役3Aテーブルにおける「特定の図柄の組合せ」とは、左リール31の停止時に有効ラインに「赤7」の図柄を停止させることができない場合に出現する図柄の組合せであり、「青7又は白7」−「RP」−「RP」に設定されている。この特定の図柄の組合せは、役に対応する図柄の組合せではないので、特定の図柄の組合せが有効ラインに停止しても、小役3Aの入賞となったり、所定枚数のメダルが払い出されることはない。ただし、特定の遊技状態のときに特定の図柄の組合せが有効ラインに停止すると、後述する遊技状態の移行が行われる。
【0074】
また、小役3Bテーブルは、小役3Bのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役3Bに当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役3Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役3Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、特定の図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0075】
ここで、小役3Bテーブルにおける「特定の図柄の組合せ」とは、左リール31の停止時に有効ラインに「青7」の図柄を停止させることができない場合に出現する図柄の組合せであり、「赤7又は白7」−「RP」−「RP」に設定されている。この特定の図柄の組合せは、上記と同様に、役に対応する図柄の組合せではなく、小役3Bの入賞となったり、所定枚数のメダルが払い出されることはないが、特定の遊技状態において遊技状態のの移行が行われる。
【0076】
さらにまた、小役3Cテーブルは、小役3Cのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役3Cに当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役3Cに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役3Cに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、特定の図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0077】
ここで、小役3Cテーブルにおける「特定の図柄の組合せ」とは、左リール31の停止時に有効ラインに「白7」の図柄を停止させることができない場合に出現する図柄の組合せであり、「赤7又は青7」−「RP」−「RP」に設定されている。この特定の図柄の組合せは、上記と同様に、役に対応する図柄の組合せではなく、小役3Cの入賞となったり、所定枚数のメダルが払い出されることはないが、特定の遊技状態において遊技状態の移行が行われる。
図8は、以上の小役3A〜小役3Cの当選時における有効ラインに停止する図柄の組合せを示した図である。
【0078】
さらに、リプレイ1・リプレイ2テーブルは、リプレイ1及びリプレイ2の当選フラグ63aがオンであるとき(リプレイ1及びリプレイ2に重複当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、最初に操作されたストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であるときはリプレイ1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、最初に操作されたストップスイッチ42が中又は右ストップスイッチ42であるときはリプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0079】
また、リプレイ1・リプレイ2・リプレイ3テーブルは、リプレイ1、リプレイ2及びリプレイ3の当選フラグ63aがオンであるとき(リプレイ1、リプレイ2及びリプレイ3に重複当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、最初に操作されたストップスイッチ42が右ストップスイッチ42であるときはリプレイ1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、最初に操作されたストップスイッチ42が左又は中ストップスイッチ42であるときはリプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
図9は、以上のリプレイ1及びリプレイ2の重複当選時、並びにリプレイ1、リプレイ2及びリプレイ3の重複当選時における、最初に操作されたストップスイッチ42と入賞役との関係を示した図である。
【0080】
また、BBA・リプレイ3テーブルは、BBA及びリプレイ3の当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技においてBBA及びリプレイ3に重複当選したとき、又はBBAの内部中遊技においてリプレイ3に当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、先ず、リプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先するとともに、リプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、BBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置が定められたものである。
【0081】
さらにまた、BBB・リプレイ3テーブルについても上記と同様であり、上記BBA・リプレイ3テーブル中、「BBA」を「BBB」と読み替えたものに相当する。
【0082】
さらに、小役3A・小役3B・小役3Cテーブルは、小役3A、小役3B及び小役3Cの当選フラグ63aがオンであるときに(特別遊技中に小役3A、小役3B、及び小役3Cに重複当選した遊技で)用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役3A、小役3B、又は小役3Cのうちのいずれか1つの図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0083】
また、BB(BBA又はBBB)又はRBの内部中において、小役1、小役2、小役3A〜小役3C、若しくはリプレイ1に単独当選したとき、リプレイ1及びリプレイ2の重複当選時、リプレイ1〜リプレイ3の重複当選時は、当選した小役又はリプレイの入賞が優先されるとともに、当選した小役又はリプレイを入賞させることができないときは、次に、当選を持ち越しているBB又はRBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置が定められた停止位置決定テーブル65が用いられる。
【0084】
さらにまた、非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、非内部中の遊技又は特別遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0085】
次に、リール31の図柄配列と停止制御との関係について説明する。
図2に示すように、すべてのリール31において、「RP」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、常に、所望の有効ラインに「RP」の図柄を停止させることができる。よって、リプレイ1に当選したときは、リール制御手段64は、常に、リプレイ1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0086】
同様に、中リール31及び右リール31において、「ベル」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、中又は右リール31がどの瞬間に位置するときに中又は右ストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、中及び右リール31については、所望の有効ラインに「ベル」の図柄を停止させることができる。以上より、リール制御手段64は、常に、リプレイ2に対応する図柄の組合せやリプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0087】
また、左リール31について、「チェリー」の図柄は、7図柄間隔で配置されている。このため、左リール31がどの瞬間に位置するときに左ストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、いずれかの有効ラインに「チェリー」の図柄を停止させることができる。よって、小役1に当選したときは、リール制御手段64は、常に、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0088】
また、「赤7」、「青7」、「白7」の図柄は、0番、14番、7番に(7図柄間隔で)それぞれ配置されている。このため、リール制御手段64は、上記3つの図柄については、いずれか1つの図柄しか有効ラインに停止させることができない。例えば「赤7」の図柄が有効ラインに停止するためには、15番〜17番の図柄が表示窓11内に位置する瞬間から、0番〜2番の図柄が表示窓11内に位置する瞬間までの間に左ストップスイッチ42が操作されることが必要となる。上記以外の位置で左ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」の図柄を有効ライン停止させることができない。
【0089】
同様に、「青7」の図柄が有効ラインに停止するためには、8番〜10番の図柄が表示窓11内に位置する瞬間から、14番〜16番の図柄が表示窓11内に位置する瞬間までの間に左ストップスイッチ42が操作されることが必要となる。上記以外の位置で左ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」の図柄を有効ライン停止させることができない。
さらに同様に、「白7」の図柄が有効ラインに停止するためには、1番〜3番の図柄が表示窓11内に位置する瞬間から、7番〜9番の図柄が表示窓11内に位置する瞬間までの間に左ストップスイッチ42が操作されることが必要となる。上記以外の位置で左ストップスイッチ42が操作されたときは、「白7」の図柄を有効ライン停止させることができない。
【0090】
したがって、小役3A、小役3B、又は小役3Cに当選したときは、それぞれ左リール31の所定の図柄が有効ラインに停止するタイミングで左ストップスイッチ42が操作されなければ、たとえ小役3A、小役3B、又は小役3Cに当選しても、その当選役を入賞させることができない。
【0091】
これに対し、「赤7」、「青7」、「白7」の各図柄は、7図柄間隔で配置されている。このため、リール制御手段64は、「赤7」、「青7」、又は「白7」のうちのいずれか1つの図柄を、常に、有効ラインに停止させることができる。
したがって、特別遊技中に小役3A、小役3B及び小役3Cに重複当選したときは、リール制御手段64は、常に、小役3A、小役3B又は小役3Cのいずれか1つの役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0092】
また、小役3Aテーブル、小役3Bテーブル、又は小役3Cテーブルが用いられた場合において、リール制御手段64は、それぞれ当選した小役3A、小役3B、又は小役3Cに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、常に、上述した特定の図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0093】
一方、「スイカ」の図柄については、間隔が5図柄を超えて配置されている。これにより、小役2の当選時には、小役2に対応する図柄が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42が操作されなければ、小役2に対応する図柄の組合せは有効ラインに停止しない。BBAに係る「赤7」、BBBに係る「青7」、RBに係る「白7」についても同様である。
【0094】
なお、BBA又はBBBとリプレイ3との重複当選時には、リプレイ3の入賞が優先されるが、上述したように、本実施形態では常にリプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができるので、この場合にBBA又はBBBが入賞する場合はない。
内部中遊技において小役1やリプレイ1の単独当選時、又は複数のリプレイの重複当選時についても同様である。
【0095】
説明を図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
【0096】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
【0097】
特別遊技制御手段68は、本実施形態の特別遊技であるBB遊技又はRB遊技の開始、BB遊技又はRB遊技中の遊技の進行、及びBB遊技又はRB遊技の終了を制御するものである。
遊技中に、BBA又はBBBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、BBA又はBBBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からBB遊技を開始するように制御する。
BB遊技では、上述した役抽選テーブル62Eを用いて役の抽選が行われる。
【0098】
また、本実施形態では、BB遊技の終了条件として、BB遊技中に払い出されたメダル枚数が450枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、BB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が450枚以上となったと判断したときは、BB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0099】
また、遊技中に、RBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、RBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からRB遊技を開始するように制御する。
RB遊技では、BB遊技と同様に役抽選テーブル62Eを用いて役の抽選が行われる。
また、本実施形態では、RB遊技の終了条件として、RB遊技中に払い出されたメダル枚数が100枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、RB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が100枚以上となったと判断したときは、RB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0100】
遊技状態制御手段69は、本実施形態の遊技状態である通常遊技(非RT遊技、RT1遊技、RT2遊技(以上は、すべて非内部中遊技)、内部中遊技)、特別遊技(BB遊技、RB遊技)間の移行を制御するものである。
図10は、遊技状態の移行を説明する図である。図10において、先ず、RT2遊技を基準として遊技状態の移行を説明する。
【0101】
RT2遊技は、[1]BB(BBA又はBBB)又はRBに当選するか、又は[2]BB又はRBに当選することなく1000遊技を消化するまで継続される。RT2遊技中にBB又はRBに当選し、当該遊技でBB又はRBが入賞しなかったときは、次遊技から内部中遊技に移行する。なお、RT2遊技においてBB又はRBに当選し、かつその遊技でBB又はRBが入賞したときは、内部中遊技を経ずに次遊技からBB遊技又はRB遊技に移行する。
また、RT2遊技でBB又はRBに当選することなく1000遊技を消化したときは、次遊技から非RT遊技に移行する。RT2遊技で1000ゲームはまりが発生すると、後述するいわゆる天井ATを発動させるためである。
【0102】
内部中遊技は、当選したBB又はRBが入賞するまで継続される。そして、内部中遊技で、当選したBB又はRBが入賞すると、それぞれ、次遊技からBB遊技又はRB遊技に移行する。
BB遊技の終了後は、遊技状態制御手段69は、非RT遊技に移行するように制御する。これに対し、RB遊技の終了後は、遊技状態制御手段69は、RT2遊技に移行するように制御する。
【0103】
非RT遊技では、特定の図柄の組合せが有効ラインに停止するまで継続される。すなわち、小役3A〜小役3Cのいずれかに当選し、当選した小役3A〜小役3Cが入賞しないときに出現する図柄の組合せ(「赤7/青7/白7」−「RP」−「RP」)が有効ラインに停止するまで継続される。なお、上述したような図柄配列により、小役3A〜小役3Cの当選時は、ほぼ1/3の確率で当選した小役3A〜小役3Cが入賞し、ほぼ2/3の確率で特定の図柄の組合せが有効ラインに停止する。
【0104】
非RT遊技において特定の図柄の組合せが有効ラインに停止すると、遊技状態制御手段69は、次遊技から遊技状態をRT1遊技(AT1遊技)に移行する。なお、非RT遊技でリプレイ2が入賞しても遊技状態の移行はない。
また、非RT遊技においてBB又はRBに当選し、その遊技でBB又はRBが入賞しなかったときは内部中遊技に移行する。さらにまた、BB又はRBに当選した遊技でBB又はRBが入賞したときは、それぞれBB遊技又はRB遊技に移行する。
【0105】
RT1遊技は、[1]リプレイ2が入賞するか、又は[2]BB若しくはRBが当選するまで継続される。RT1遊技でリプレイ2が入賞すると、RT2遊技に移行する。これに対し、BB又はRBが当選したときは、上記と同様に、内部中遊技に移行するか又はBB遊技若しくはRB遊技に移行する。
【0106】
RT1遊技では、AT遊技が実行される。特に本実施形態のAT遊技は、AT1遊技とAT2遊技とからなり、AT1遊技が終了すると、AT2遊技に移行する。ここで、AT1遊技及びAT2遊技のいずれも、RT1遊技である。また、AT1遊技やAT2遊技の実行中にリプレイ2が入賞してRT1遊技が終了するときは、同時にAT1遊技やAT2遊技も終了する。これらAT1遊技及びAT2遊技については後述する。
なお、RT遊技かつAT遊技は、「ART遊技」とも称される。
【0107】
図1において、演出制御手段70は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段70は、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、演出パターンを選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出パターンが予め設けられている。そして、演出制御手段70は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によっていずれか1つの演出パターンを選択する。
【0108】
また、演出パターンは、当選役に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。例えば、特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等ごとに、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段70は、選択した演出パターンに従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0109】
また、演出制御手段70は、AT遊技制御手段70aを備える。
ここで、「AT(Assist Time )遊技」とは、「報知遊技」とも称され、役の当選時に、その役を入賞させるためのストップスイッチ42の操作情報、又はその役を入賞させないためのストップスイッチ42の操作情報を報知する遊技である。特に本実施形態のAT遊技は、第1に、小役3A〜小役3Cに当選したときに、当選した小役3A〜小役3Cを入賞させるためのストップスイッチ42の操作情報を報知する(第1報知手段)。ここで、「ストップスイッチ42の操作情報」とは、左リール31の図柄に関する情報である。
【0110】
例えば、小役3Aに当選したときは、「赤7」、あるいは「赤」と報知する。このような報知が行われると、遊技者は、左ストップスイッチ42の操作時に、「赤7」の図柄が有効ライン(表示窓11内)に停止するように狙うことで、「赤7」の図柄を有効ラインに停止させることができる。また、小役3A〜小役3Cの当選時には、中リール31及び右リール31については、どのようなタイミングでストップスイッチ42を操作しても、左リール31の「赤7」等の図柄が停止した有効ラインに「ベル」の図柄が停止するようにリール31が停止制御される。よって、中ストップスイッチ42及び右ストップスイッチ42については、特定の図柄を狙うことなく操作すればよい。
【0111】
同様に、小役3Bに当選したときは、「青7」、あるいは「青」と報知する。さらに同様に、小役3Cに当選したときは、「白7」、あるいは「白」と報知する。
以上のような報知が行われ、その報知に従って左ストップスイッチ42を操作すれば、小役3A〜小役3Cの当選時には、当選した小役3A〜小役3Cを入賞させることができる。
【0112】
役抽選テーブル62C(他の役抽選テーブル62でも同様である)に示したように、小役3A〜小役3Cは、それぞれ1/15の確率で当選する。すなわち、1/5の確率で、いずれかの小役3A〜小役3Cが当選する。しかし、遊技者は、例えばRT2遊技中は、小役3A〜小役3Cのうち、どの小役3が当選したかがわからないので、当選した小役3A〜小役3Cを確実に入賞させることができない。上述したように、小役3A〜小役3Cの当選時には、約1/3の確率でしか入賞させることができない。
【0113】
これに対し、小役3A〜小役3Cの当選時に上記報知が行われれば、小役3A〜小役3Cに当選したときは、常に、当選した小役3A〜小役3Cを入賞させることができる。したがって、報知が行われるときは、報知が行われないときに対して、小役3A〜小役3Cの入賞率を3倍にすることができる。
【0114】
また、本実施形態のAT遊技は、第2に、リプレイ1及びリプレイ2の重複当選時、並びにリプレイ1、リプレイ2及びリプレイ3の重複当選時に、リプレイ2を入賞させないためのストップスイッチ42の押し順(最初に操作すべきストップスイッチ42)を報知する(第2報知手段)。
【0115】
リプレイ1及びリプレイ2に重複当選したときは、図9に示したように、最初に左ストップスイッチ42が操作されればリプレイ1が入賞し、最初に中又は右ストップスイッチ42が操作されたときはリプレイ2が入賞する。
また、リプレイ1、リプレイ2、及びリプレイ3に重複当選したときは、最初に右ストップスイッチ42が操作されればリプレイ1が入賞し、最初に左又は中ストップスイッチ42が操作されたときはリプレイ2が入賞する。
【0116】
そして、AT遊技では、上記リプレイの重複当選時に、リプレイ2を入賞させないためのストップスイッチ42の操作情報(最初に操作すべきストップスイッチ42)を報知する。例えばリプレイ1及びリプレイ2の重複当選時には、画像表示装置23等を用いて、「左から押せ!」等のような報知を行う。また、リプレイ1、リプレイ2及びリプレイ3の重複当選時には、「右から押せ!」等のような報知を行う。
【0117】
以上の報知が行われたときは、遊技者は、その報知に従ってストップスイッチ42を操作すれば、リプレイ2の入賞を回避することができる(いいかえれば、リプレイ1を入賞させることができる)。よって、RT1遊技からRT2遊技への移行(RT1遊技よりも遊技者にとって不利なRT2遊技への転落)を防止することができる。
【0118】
また、AT遊技制御手段70aは、AT遊技(RT1遊技)中における差枚数(メダルの払出し枚数から投入枚数を引いた枚数)をカウントするように制御する。遊技制御手段60は、演出制御手段70に対し、毎遊技、メダルの投入枚数、及び役の入賞時の払出し枚数を送信する。これらのデータに基づき、AT遊技制御手段70aは、AT遊技中における(総)差枚数をカウントし続ける。
【0119】
また、AT遊技制御手段70aは、基準値を決定する。
ここで、「基準値」は、予め1つの値を設定しておいてもよいが、本実施形態では、RT1遊技に移行したとき(AT遊技の開始時)に、ソフトウエア乱数を用いた抽選により基準値を決定する。図11は、基準値を決定するデータテーブルを示す図である。
なお、本実施形態のスロットマシン10には、6段階の設定値(例えば設定1〜設定6)が設けられており、設定値に応じて、BB及びRBの当選確率が異なるように設定されている。図5及び図6では、いずれか1つの設定値(例えば設定3)におけるBB及びRBの当選確率を例示したものであり、設定値が高いほど、BB及びRBの当選確率が高くなるように設定されている。この設定値は、スロットマシン10の設置店側で設定するものであり、遊技者からはわからないようになっている。
【0120】
このように複数の設定値を有する場合には、設定値ごとに、基準値の選択率が異なるように設定されている。そして、設定値が高いほど、値の大きい基準値が選択されやすく設定されている。例えば設定6では、1/10の確率で100枚が選択され、2/10の確率で200枚が選択され、3/10の確率で300枚が選択され、4/10の確率で500枚が選択される。
【0121】
そして、AT遊技制御手段70aは、RT1遊技に移行したときは、まず、第1報知手段及び第2報知手段の双方を実行する(図10中、AT1遊技)。また、AT遊技制御手段70aは、毎遊技の遊技終了時に、差枚数の値を更新し続け、かつ、算出された差枚数が、決定された基準値に到達したか否かを判断する。基準値に到達していないと判断したときは、次遊技においても、AT遊技制御手段70aは、AT1遊技(第1報知手段及び第2報知手段による双方の報知)を実行する。これに対し、AT遊技制御手段70aは、差枚数が基準値に到達したときは、次遊技から、AT2遊技を実行する(図10参照)。AT2遊技は、第1報知手段による報知を中止(停止)し、第2報知手段による報知を継続するように制御する遊技である。
【0122】
以上より、RT1遊技(AT1遊技)に移行すると、第1報知手段及び第2報知手段による双方の報知が行われる。これにより、小役3A〜小役3Cに当選したときは、第1報知手段による報知が行われるので、報知された左リール31の図柄を狙うことで、小役3A〜小役3Cを入賞させることができる。さらに、リプレイ2の当選時(リプレイ1との重複当選時、並びにリプレイ1及びリプレイ3との重複当選時)には、第2報知手段による報知が行われるので、報知された押し順でストップスイッチ42を操作することで、当選したリプレイ2の入賞を回避することができる。
【0123】
また、差枚数が基準値に到達すると、AT2遊技に移行し、第2報知手段による報知のみとなる。したがって、小役3A〜小役3Cのいずれかに当選しても、入賞率は約1/3となる。しかし、リプレイ2の当選時には、第2報知手段によりリプレイ2を入賞させないためのストップスイッチ42の押し順が報知されるので、RT1遊技からRT2遊技への移行を防止することができる。
【0124】
さらに第1実施形態では、AT遊技制御手段70aは、算出した差枚数に基づいて、さらに出玉率の制限値を算出し、その制限値を超えてしまうときは、AT1遊技を制限するように制御する。特に本実施形態では、400ゲーム間の出玉率が制限値300%を超えてしまうとき、6000ゲーム間の出玉率が制限値150%を超えてしまうとき、又は17500ゲーム間の出玉率が制限値120%を超えてしまうときは、AT1遊技を制限する。
ここで、Nゲーム(上記の例では、N=400、6000、又は17500)間の出玉率は、「(Nゲーム間の総払出し枚数)/(Nゲーム間の総投入枚数)」で算出される。
そして、AT遊技制御手段70aは、上述したように、毎遊技の終了時に差枚数の値を更新し続け、当該遊技の前400ゲーム間で出玉率が制限値300%を超えていないかどうか、当該遊技の前6000ゲーム間で出玉率が制限値150%を超えていないかどうか、及び当該遊技の前17500ゲーム間で出玉率が制限値120%を超えていないかどうかを判断する。
【0125】
いずれのゲーム数間でも出玉率が上記制限値を超えていないと判断したときは、次遊技でもAT1遊技を継続するが(ただし、AT1遊技における差枚数が基準値に到達した場合を除く)、出玉率が上記各ゲーム数間で各制限値を超えると判断したときは、たとえAT1遊技における差枚数が基準値に到達していない場合であっても、当該遊技をもってAT1遊技を終了し、次遊技から、AT2遊技に移行するように制御する。
このように制御すれば、スロットマシン10の出玉率に上記のような制限値が設定されている場合にも、その制限値を順守することができる。
ただし、上記制限値の算出は、ホールの閉店時にスロットマシン10の電源がオフにされたときはクリアされ、翌日に電源がオンにされたときは、再度、1遊技目から出玉率の算出を行う。
【0126】
なお、出玉率が制限値を超えてしまう前にAT2遊技に移行すれば、AT2遊技を継続しても、出玉率が制限値を超えてしまうことはない。後述するように、AT2遊技の出玉率は、約117%(1.17)に設定されているので、AT2遊技を継続しても、当該遊技の前400ゲーム間、6000ゲーム間、又は17500ゲーム間でそれぞれ出玉率が300%、150%、120%を超えることはない。
【0127】
なお、AT1遊技を実行するときの基準値を決定するにあたり、上記制限値を考慮してAT1遊技の基準値を決定することも可能である。
すなわち、AT1遊技が実行されても上記制限値を超えないように基準値を決定してもよい。
【0128】
次に、出玉率等について説明する。
まず、「1遊技あたりのメダルの払い出し枚数の期待値」とは、1遊技における役の入賞確率×払出し枚数をいう。そして、1遊技あたりの「差枚数」の期待値とは、1遊技あたりのメダルの増減数の期待値をいい、「払出し枚数の期待値−投入枚数」で表すことができる。差枚数の期待値が正の値であるときは、遊技の進行に伴ってメダルが増加していく遊技状態であり、負の値であるときは、遊技の進行に伴ってメダルが減少していく遊技状態である。
【0129】
また、「出玉率」は、「払出し枚数の期待値/投入枚数」で表すことができ、1を超える値であるときは、遊技の進行に伴ってメダルが増加していく遊技状態であり、1未満の値であるときは、遊技の進行に伴ってメダルが減少していく遊技状態である。
【0130】
ここで、リプレイの入賞時は3枚のメダルの払出しがあるものと仮定する(なお、現行の5号機では、リプレイ入賞時の払出し枚数は0枚、次遊技での投入枚数が0枚として計算される)。
また、小役1及び小役2当選時には、100%の確率で入賞させることができると仮定する。さらにまた、小役3A〜小役3Cの当選時には、1/3の確率で入賞させることができると仮定する。さらに、特別役とリプレイ3との重複当選を無視する。
このとき、RT2遊技中における、小役及びリプレイによる1遊技あたりのメダル払出し数の期待値は、
1/60×4(小役1)+1/40×6(小役2)+1/15×3×1/3×10(小役3A〜小役3C)+3×1/7.4(リプレイ1)+3×100(リプレイ3)+3×1/20×2(リプレイの重複当選)
≒1.62(枚)
となる。
【0131】
よって、差枚数の期待値は、
1.62−3
=−1.38(枚)
となる。
また、出玉率は、
1.62/3
=0.54
となる。
【0132】
これにより、RT2遊技中は、遊技の進行とともにメダルが減少していく遊技状態(遊技者にとって不利な遊技状態)である。非RT遊技や内部中遊技も同様である。
【0133】
これに対し、RT1遊技のAT1遊技中は、小役3A〜小役3Cの当選時には、常に小役3A〜小役3Cを入賞させることができると仮定すると、小役及びリプレイによる1遊技あたりのメダル払出し数の期待値は、
1/60×4(小役1)+1/40×6(小役2)+1/15×3×10(小役3A〜小役3C)+3×1/1.3(リプレイ1)+3×100(リプレイ3)+3×1/20×2(リプレイの重複当選)
≒4.85(枚)
となる。
【0134】
よって、差枚数の期待値は、
4.85−3
=+1.85(枚)
となる。
また、出玉率は、
4.85/3
=1.62
となる。
これにより、AT1遊技中は、遊技の進行とともにメダルが増加していく遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0135】
また、AT2遊技では、小役3A〜小役3C当選時の報知は行われない(入賞率は1/3となる)が、リプレイ1の当選確率は、以前として高いままである。
したがって、AT2遊技中における、小役及びリプレイによる1遊技あたりのメダル払出し数の期待値は、
1/60×4(小役1)+1/40×6(小役2)+1/15×3×1/3×10(小役3A〜小役3C)+3×1/1.3(リプレイ1)+3×100(リプレイ3)+3×1/20×2(リプレイの重複当選)
≒3.52(枚)
となる。
【0136】
よって、差枚数の期待値は、
3.52−3
=+0.52(枚)
となる。
また、出玉率は、
3.52/3
≒1.17
となる。
これにより、AT2遊技中は、AT1遊技中ほどではないが、遊技の進行とともにメダルが微増していく遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0137】
なお、BB遊技中又はRB遊技中は、1/60の確率で小役1が入賞し、1/40の確率で小役2が入賞し、さらに1/1.1の確率で小役3A〜小役3Cのいずれかが入賞するので、1遊技あたりのメダル払出し枚数の期待値は、
1/60×4(小役1)+1/40×6(小役2)+1/1.1×10(小役3A〜小役3C)
≒9.31(枚)
となる。
【0138】
よって、差枚数の期待値は、
9.31−3
=+6.31(枚)
となる。
また、出玉率は、
9.31/3
≒3.10
となる。
これにより、BB遊技中は、急激にメダルが増加していく遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0139】
以上のスロットマシン10においては、RT2遊技中は、遊技者は、メダルの増加が望めない。また、RBに当選してRB遊技に移行しても、RB遊技の終了後はRT2遊技に移行するので同様である。
これに対し、BBに当選してBB遊技が移行したときは、非RT遊技に移行することができる。また、RT2遊技でいわゆる1000ゲームはまりが発生したときも同様である。非RT遊技では、1/5の確率でいずれかの小役3に当選し、かつ2/3の確率で特定の図柄の組合せが有効ラインに停止するので、通常、7〜8ゲーム消化すれば、特定の図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0140】
そして、非RT遊技において特定の図柄の組合せが有効ラインに停止すると、RT1遊技かつAT1遊技に移行することができる。なお、RT2遊技において特定の図柄の組合せが有効ラインに停止しても、遊技状態の移行はない。
RT1遊技かつAT1遊技では、上述したように、メダル所有枚数を増加させることができる。また、たとえAT1遊技が終了し、RT1遊技かつAT2遊技に移行しても、メダル所有枚数を微増させつつ特別役の当選を待つことができる。
【0141】
また、スロットマシンの初心者であり、目押しが苦手な場合には、小役3A〜小役3Cの当選時に報知が行われても、当選した小役3A〜小役3Cを確実に入賞させることができない場合がある。しかし、リプレイ2の入賞を回避する場合には、最初に操作すべきストップスイッチ42を間違えないようにすればよいので、初心者であってもRT1遊技を維持することができる。これにより、初心者であっても、RT1遊技に移行したときは、少なくとも100%を超える出玉率を確保しつつ遊技を継続することができる。
【0142】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、RT1遊技に移行する直前の400ゲーム(通常遊技及び特別遊技の双方、すなわちすべての遊技を含む。)間の出玉率を算出し、この出玉率に基づいて基準値を決定する。ここで、RT1遊技に移行する直前にはBB遊技が実行されているはずなので、算出される出玉率には、少なくとも1回のBB遊技で獲得したメダル枚数も含まれる。
なお、400ゲーム間の出玉率は、「(400ゲーム間の総払出し枚数)/(400ゲーム間の総投入枚数)」で算出される。
【0143】
図12は、第2実施形態における基準値を決定するためのデータテーブルを示す図である。なお、第2実施形態では、基準値を決定するにあたり、設定値間の差はない。
図12に示すように、例えばRT1遊技に移行する直前の400ゲーム間の出玉率が0.95であったときは、「0.65以上1.00未満」に該当するので、基準値は、1/10の確率で100枚に決定され、1/10の確率で200枚に決定され、4/10の確率で300枚に決定され、4/10の確率で500枚に決定される。
【0144】
以上のようにして基準値を決定すれば、所定遊技回数における出玉率を一定範囲内に収束させる(出玉の平均化を図る)ことができる。すなわち、長いはまりの後にBBに当選したときは、そのBB遊技の終了後のAT1遊技の遊技回数を多して出玉を多くすることができる。一方、BBの連チャンとAT1遊技とを繰り返して出玉が多くなっているときには、BB遊技の終了後のAT1遊技の遊技回数を少なくして出玉を必要以上に増やさないようにすることができる。
なお、基準値の決定にあたり、抽選を行うことなく、算出された出玉率から一義的に基準値が決定されるようにしてもよい。
【0145】
<第3実施形態>
第1実施形態では、AT1遊技中に報知される小役として、小役3A〜小役3Cを設けた。これに対し、第3実施形態では、小役3A〜小役3Cを設けず、小役4A〜小役4Cを設ける。
そして、小役4A〜小役4Cに対応する図柄の組合せは、いずれも、「赤7/青7/白7」−「ベル」−「ベル」に設定されている。
これにより、リール制御手段64は、小役4A〜小役4Cの当選時には、常に、「赤7/青7/白7」−「ベル」−「ベル」を有効ラインに停止させることができる。
【0146】
また、小役4Aの当選時に用いられる小役4Aテーブルは、最初に左ストップスイッチ42が操作されたときは「赤7/青7/白7」−「ベル」−「ベル」を有効ラインに停止させ、最初に中又は右ストップスイッチ42が操作されたときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように(役の非入賞となるように)、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0147】
さらにまた、小役4Bの当選時に用いられる小役4Bテーブルは、最初に中ストップスイッチ42が操作されたときは「赤7/青7/白7」−「ベル」−「ベル」を有効ラインに停止させ、最初に左又は右ストップスイッチ42が操作されたときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0148】
さらに、小役4Cの当選時に用いられる小役4Cテーブルは、最初に右ストップスイッチ42が操作されたときは「赤7/青7/白7」−「ベル」−「ベル」を有効ラインに停止させ、最初に左又は中ストップスイッチ42が操作されたときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
図13は、小役4A〜小役4Cと、ストップスイッチ42の押し順と、入賞の有無の関係を示す図である。
【0149】
そして、AT遊技制御手段70aは、AT1遊技中は、小役4A〜小役4Cに当選したときに、当選した小役4A〜小役4Cを入賞させるための最初に操作すべきストップスイッチ42を報知するように制御する(第1報知手段)。このような押し順の報知により、目押しは必要ないので、スロットマシンの初心者であっても、当選した小役4A〜小役4Cを確実に入賞させることができる。
なお、リプレイ2の当選時には、第1実施形態と同様に、リプレイ2の入賞を回避するためのストップスイッチ42の押し順が報知される。
よって、第3実施形態では、第1報知手段及び第2報知手段のいずれも、押し順(最初に操作すべきストップスイッチ42)の報知にすることができる。
【0150】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、BB遊技の終了後に非RT遊技に移行し、この非RT遊技で特定の図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、RT1遊技に移行するようにした。しかし、これに限らず、非RT遊技から他のRT遊技(例えばRT3遊技)に移行させ、このRT3遊技でのみ抽選される特定役を設ける。そして、この特定役が入賞したことを条件として、RT1遊技に移行させるようにしてもよい。
【0151】
(2)RT1遊技に移行した後は、上記実施形態では、特別役に当選するか、又はストップスイッチ42の操作を誤ってリプレイ2を入賞させない限り、RT1遊技に滞在し続けることができるようにした。しかし、これに限らず、AT2遊技において、遊技状態の移行条件をさらに設けてもよい。例えば、AT2遊技に移行したときは、AT2遊技で100ゲーム消化後は、RT2遊技に移行するようにしてもよい。
【0152】
(3)また、AT2遊技で特定の条件を満たしたときは、AT1遊技に移行する(第1報知手段による報知を復活させる)ようにしてもよい。「特定の条件」としては、例えば第1に、AT2遊技で特定役の抽選を行い、この特定役に当選・入賞したときが挙げられる。また第2に、AT2遊技でリプレイ1に3遊技連続で当選したこと等が挙げられる。
【0153】
ここで、AT2遊技からAT1遊技に移行する場合には、AT1遊技の基準値を改めて決定する。そして、AT1遊技に移行した後、AT1遊技でその基準値、又は400ゲーム間、6000ゲーム間、若しくは17500ゲーム間の出玉率の制限値を超えたときは、再度、AT2遊技に移行するように制御する。
あるいは、AT2遊技からAT1遊技に移行する場合の基準値の決定に際し、AT1遊技を実行しても400ゲーム間、6000ゲーム間、又は17500ゲーム間の出玉率の制限値を超えないように基準値を設定することも可能である。
【0154】
(4)第1実施形態では、AT1遊技中の差枚数が基準値に到達したか否かを判断した。しかし、これに限らず、AT1遊技以前の遊技期間も含めて基準値に到達したか否かを判断するようにしてもよい。例えば、BB遊技終了後の非RT遊技及びAT1遊技の差枚数が基準値に到達したか否かを判断してもよい。あるいは、基準値を、図11で示した枚数よりも多く設定し、直前のBB遊技を含めて差枚数が基準値に到達したか否かを判断するようにしてもよい。
【0155】
(5)上記実施形態で記載した役の当選確率、払出し枚数、基準値、基準値の選択確率等は、すべて例示であり、これらの値に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0156】
10 スロットマシン
11 表示窓
21 ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
31 (左、中、右)リール
32 モータ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 (左、中、右)ストップスイッチ
43 メダル投入口
60 遊技制御手段
61 役抽選手段
62(62A〜62E) 役抽選テーブル
63 当選フラグ制御手段
63a 当選フラグ
64 リール制御手段
65 停止位置決定テーブル
66 停止図柄判断手段
67 払出し手段
68 特別遊技制御手段
69 遊技状態制御手段
70 演出制御手段
70a AT遊技制御手段
L1〜L5 有効ライン(図柄組合せライン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を表示した複数のリールと、
役の抽選を行う役抽選手段と、
前記リールの回転開始命令を受けたときにすべての前記リールを回転させるとともに、遊技者によりストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する位置で、そのストップスイッチに対応する前記リールを停止させるリール制御手段と
を備え、
前記役抽選手段は、特定遊技状態では特定役A及び特定役Bを含めて役の抽選を行い、
前記リール制御手段は、前記役抽選手段で前記特定役Aに当選したときに、遊技者による前記ストップスイッチの操作タイミング又は押し順に応じて、前記特定役Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる場合と停止させない場合とを有するように前記リールを停止制御し、
前記リール制御手段は、前記役抽選手段で前記特定役Bに当選したときに、遊技者による前記ストップスイッチの押し順に応じて、前記特定役Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる場合と停止させない場合とを有するように前記リールを停止制御し、
前記特定遊技状態において前記特定役Bに当選し、前記特定役Bに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、前記特定遊技状態を終了して前記特定遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態に移行するように制御し、
前記特定遊技状態の遊技中、又は前記特定遊技状態を含む所定の遊技期間中において、遊技媒体の払出し数から投入数を引いた差数が基準値以上であるか否かを判断する差数判断手段と、
前記役抽選手段で前記特定役Aに当選したときに、前記特定役Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるための前記ストップスイッチの操作情報を遊技者に対して報知する第1報知手段と、
前記役抽選手段で前記特定役Bに当選したときに、前記特定役Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないための前記ストップスイッチの押し順を遊技者に対して報知する第2報知手段と
を備え、
前記特定遊技状態に移行したときは、前記第1報知手段及び前記第2報知手段による双方の報知を実行し、前記差数判断手段により前記差数が前記基準値以上であると判断されたときは、前記第1報知手段による報知を停止し、かつ前記第2報知手段による報知を継続するように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
遊技状態として、通常遊技状態と前記特定遊技状態とを有し、
前記特定遊技状態は、前記通常遊技状態に対して少なくとも1つの役の当選確率が高く設定されていることにより、前記通常遊技状態よりも出玉率が高く設定された遊技状態であり、
前記特定遊技状態以外の遊技状態において所定の条件を満たしたときに前記特定遊技状態に移行するとともに、前記特定遊技状態において前記特定役Bに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、前記特定遊技状態を終了して前記通常遊技状態に移行するように制御する遊技状態制御手段を備える
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、
前記特定遊技状態に移行する以前の所定遊技期間における遊技媒体の投入数と払出し数との比を表す出玉率又は前記差数を算出し、前記特定遊技状態に移行するときは、前記出玉率又は前記差数に基づいて、その特定遊技状態における前記基準値を決定する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
前記差数の前記基準値は、複数設けられており、
複数の前記基準値の中からいずれか1つの前記基準値を抽選により決定する基準値決定手段を備える
ことを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−187714(P2010−187714A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32040(P2009−32040)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】