説明

スープの素などの粉類のカップ内落入装置

【課題】 本発明は受入孔にて受入れた所定量の粉類を直下のカップ内に余すことなく確実に落入し供給するようにしたスープの素などの粉類のカップ内落入装置を新規に提供するものであるる。
【構成】 本発明はスープの素などの粉類を収容するホッパーと該ホッパーの下部に重錘体を挟んで粉類の2つの繰出口を設け、該重錘体とひとつの繰出口に相対して粉類受入用の2つの受入孔を設けたプレートを台板上に配置し、該プレートの往復動にて2つの受入孔を交互に重錘体下に相対させて、該重錘体の下動による上面からの押しにて受入孔内の粉類を直下の掛吊りカップ内に落下供給することを特徴とするスープの素などの粉類のカップ内落入装置にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カップスープの素としての粉,ラーメンスープの粉,カレー粉など、湿気,ねばり気の強い粉のすべてを掛吊りカップ内に均等に押し落入させる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置としては実公平7−52103号公報がある。該公報は図3にて示しているように、ストッカー2外に定量穴41を押し出して粉体1を落下させるようにしている。
【特許文献1】実公平7−52103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ストッカー2外の大気中に定量穴41を押し出しても、定量穴41内の粉体1が例えばカレー粉などのように湿気とねばり気が強く、また具の入っている粉などは定量穴間を架橋して落下しないという課題があり、または一部のみの落下にとどまって均しい量の落下供給をしないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、スープの素などの粉類を収容するホッパーと該ホッパーの下部に重錘体を挟んで粉類の2つの繰出口を設け、該重錘体とひとつの繰出口に相対して粉類受入用の2つの受入孔を設けたプレートを台板上に配置し、該プレートの往復動にて2つの受入孔を交互に重錘体下に相対させて、受入孔内の粉類を該重錘体の下動による上面からの押しにて直下の掛吊りカップ内に落下供給するようにして、かかる課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、ホッパー内の粉類を繰出口より受入れする2つの受入孔を交互に重錘体下に移動させて、該重錘体の下動による押しにて粉類を直下のカップ内に落入するようにしたので、湿気を帯びたり、ねばりの強い粉類,具入りの粉類なども確実に全量を余すことなくカップ内に落入させることができるという効果を生ずる。
【0006】
2つの受入孔を重錘体下に交互に相対させることで、粉類のカップ内供給速度を著しく速めることができるという効果を生ずる。
【0007】
粉類を受入れた受入孔は移動の際に繰出口との間で縁切り,擦り切りするので、受入孔内の粉類の量は常に一定してカップに等しい量にて供給することができるという効果を生ずる。
【0008】
粉類の受入孔はプレートの厚み分の浅型によって重錘体の下動による押しが僅かでも粉類は確実に落下して直下のカップ内に供給されるという効果を生ずる。
【0009】
繰出口の上方のホッパー内に揺動体を設けて粉類を流動させるようにしたので、粉類は繰出口より途切れなく安定して繰出されて受入孔内に隙間なく充填されるという効果を生ずる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、カップを1乃至複数個づつ掛吊りして間歇走行するリテーナーなどのコンベア、または円形に間歇回転走行する掛吊りカップ上の一定位置にホッパーを設け、該ホッパーの下部に重錘体を挟んで粉類の2つの繰出口を設け、該重錘体とひとつの繰出口に相対する粉類受入用の2つの受入孔を設けたプレートを台板上に配置し、該プレートの往復動にて2つの受入孔を交互に重錘体下に相対させて、該重錘体の下動による上面からの押しにて受入孔内の粉類を直下に走行してきた掛吊りカップ内に順次落入させるようにしたのである。この際受入孔は繰出口の下端との間で縁切り、擦り切り移動するようにして定量の粉類を受入れて各カップ内に均等量にて供給するようにしている。
【実施例1】
【0011】
図1乃至図5は第1実施例であって、3列等にてカップ13を掛吊りして間歇走行するリテーナーコンベア14の所定位置上にホッパー1を縦設する。ホッパー1の水平底板2はリテーナーコンベア14上を横断するように跨いで図2では矩形状を呈しており、掛吊りカップ13の数と同数の3個の重錘体3を挟んで前後に繰出口4a,4bを設け、該水平底板2と台板5間に前後方向に水平移動する3個のスライドプレート6を接面挟入する。各プレート6は重錘体3と繰出口4a下に位置する粉類の受入孔7a,7bを設ける。なお図中8は重錘体3のカバー、9は重錘体3の収容筒、10は繰出口上の揺動体、11aは台板の穴、11bはガイド筒、12はスライドプレート6を進退させるシリンダーである。
【0012】
図1に示すようにホッパー1内の粉類イは揺動体10の揺動により繰出口4aより各受入孔7a内に隙間なく入り、次いで図3に示すように各スライドプレート6の前進にて受入孔7aの上面を繰出口4aとの間で接面擦り切りして受入れ粉類を定量にして各重錘体3下に移動させ、そこで重錘体3の下動により粉類イは上方から押されて直下の穴11a,ガイド筒11bを経て走行してきた3個の掛吊りカップ13内に同時に均しく落入されることとなる。
【0013】
次いで粉類イを受入れた受入孔7bを各スライドプレート6の戻し作動にて重錘体3下に相対させ、前記と同様に重錘体3の下動による粉類イの上面押しにて粉類イを直下に走行してきた次列の各掛吊りカップ13内に均等に落入させるのである。各重錘体3は受入孔7a,7bがスライドプレート6の厚み分の浅孔形状によって、僅かな下動にて確実に粉類を落下させることとなる。
【0014】
以上は3列の掛吊りカップ13に基づいて説明してきたが、掛吊りカップ13が6個,8個等に増加しても数を合わせることで均しく粉類を落入し供給することができる。
【実施例2】
【0015】
図6は間歇回転走行する円板14aの掛吊りカップ13上にホッパー1を設けた第2実施例である。図では円板14aに2列のカップ13を掛吊りして間歇走行させる例を示しており、所定の停止位置上にホッパー1を縦設し、2列の掛吊りカップ13に合わせて2個の重錘体3を挟んで前後に繰出口4a,4bを設け、該重錘体3とひとつの繰出口4a下に受入孔7a,7bを設けたスライドプレート6をそれぞれ前後動するように配置したほか前例と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0016】
この発明は以上のようにして、ホッパーからスープの素の粉,カップラーメンの粉,カレー粉のほか、湿気,ねばり気の強いすべての粉類を受入孔にて受入れて、直下のカップ等の容器内に落入させる各種の粉類の落入装置に広く利用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施例の側断面図
【図2】同、平面図
【図3】同、スライドプレートを前進し、粉類を受入れた受入孔を重錘下に移動させ、重錘体の下動により粉類を直下のカップ類に落入させた状態を示す側断面図
【図4】同、重錘体の下動により受入孔内の粉類を押し落とす瞬間を示す部分拡大断面図
【図5】リテーナーコンベアの部分平面図
【図6】粉類のカップ内落入装置を間歇回転走行する円板上に設けた第2実施例を示す平面図
【符号の説明】
【0018】
1はホッパー
2は水平底板
3は重錘体
4a,4bは繰出口
5は台板
6はプレート
7a,7bは受入孔
8は重錘体のカバー
9は重錘体の収容筒
10は揺動体
11aは台板に設けた穴
11bはガイド筒
12はシリンダー
13はカップ
14はリテーナーコンベア
14aは間歇回転走行する円板
イは粉類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スープの素などの粉類を収容するホッパーと該ホッパーの下部に重錘体を挟んで粉類の2つの繰出口を設け、該重錘体とひとつの繰出口に相対して粉類受入用の2つの受入孔を設けたプレートを台板上に配置し、該プレートの往復動にて2つの受入孔を交互に重錘体下に相対させて、受入孔内の粉類を該重錘体の下動による上面からの押しにて直下の掛吊りカップ内に落下供給することを特徴とするスープの素などの粉類のカップ内落入装置。
【請求項2】
粉類を受入れた受入孔は移動の際に繰出口との間で擦り切りして受入れ粉類を定量にしてカップ内に供給する請求項1に記載のスープの素などの粉類のカップ内落入装置。
【請求項3】
重錘体はプレート上にあるときは上動し、直下に粉類が相対したときに下動して粉類を押し落下させる請求項1または2に記載のスープの素などの粉類のカップ内落入装置。
【請求項4】
ホッパーは繰出口の上方に粉類を繰出すための揺動体を設ける請求項1乃至3のいずれかに記載のスープの素などの粉類のカップ内落入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−50916(P2007−50916A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238199(P2005−238199)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(593178317)株式会社シンセイ (16)
【Fターム(参考)】