説明

タッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材の製造方法

【課題】 小さなトルクでタッピングネジをねじ込むことができ、品質安定性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材を提供する。
【解決手段】 C:0.01〜0.20%,Si:1.5%以下,Mn:2.5%以下,P:0.05%以下,S:0.02%以下,酸可溶Al:0.005〜0.10%,Ti:0.01〜0.15%及び/又はNb:0.01〜0.15%,必要に応じZr:0.01〜0.30%,V:0.01〜0.30%,Mo:0.01〜0.30%,Cr:0.01〜0.30%,Ni:0.05〜1.00%の一種又は二種以上を含み、式(1)で定義されるC当量を0.25〜0.6%に調整した鋼材を連続鋳造する。仕上げ温度:Ar3変態点以上,巻取り温度:600〜450℃の熱間圧延、酸洗、冷延率:10〜75%の冷間圧延を経て、高強度化した冷延鋼帯が製造される。冷延鋼帯を素材とて幅方向両端部を溶接することにより、タッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材が得られる。
C当量=C+1/6Mn+1/24Si+1/5Cr+1/4Mo+1/14V+1/40Ni・・・(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きなトルクを要せずタッピングネジを打抜き穴に直接ねじ込むことが容易な高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のフレーム材等に使用される高強度電縫鋼管には所定の強度,溶接性等が要求されるが、燃費向上のために部品の軽量化が必須の自動車用途では、自動車用フレーム材に使用される電縫鋼管においても高強度化の要求が非常に高い。また、インパネリインスフォースメント等の自動車用フレーム材にあっては、ネジ穴や配線を固定するハーネスクリップ用に多数の穴を形成することが多い。穴あけには、大半が打抜き加工が採用されている。
【0003】
バリの発生を抑えながら打抜き性を改善するため、従来から種々の方法が提案されている。たとえば、冷延鋼板の成分を表層部と中央部とで変えることにより,表層部のみを硬化させてバリの発生を低減できるが、鋼板厚み方向の成分制御は製造技術上困難であり、製造コストの上昇を招きやすい(特許文献1)。MnS,TiS,TiN等の分散は、打抜き時のバリ発生を抑制する上で有効であるが、鋼板の成形性や耐穴あき腐食性を劣化させやすい(特許文献2〜4)。何れの改善策も、打抜き時のバリ発生を抑制することを狙っており、打抜き穴端面の硬化に起因するネジ切り作業や打抜き穴にタッピングネジを直接ねじ込む際に必要なタッピング性の改善については全く触れられていない。
【特許文献1】特開平3-226526号公報
【特許文献2】特開平1-230748号公報
【特許文献3】特開平6-73457号公報
【特許文献4】特開平8-73992号公報
【0004】
通常の製造工程を経て製造された熱延鋼帯を冷延後に焼鈍した冷延焼鈍板を素材とした電縫鋼管から製造された自動車用フレーム材では、打抜きにより形成した穴の端面が著しく硬化する。穴端面の著しい硬化は、打抜き穴にタッピングネジをねじ込む際にネジ山の破損,ねじ込み不能等の不良発生の原因となる。複数の穴をあけた状態での使用を前提とする自動車用フレーム材用途では、打抜き穴端面の硬質化を抑え、タッピングネジのねじ込みを容易にするタッピング性が必要になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、加工硬化,析出強化で高強度化した冷延鋼帯を電縫鋼管の素材に使用することにより、打抜き穴端面の硬質化を抑え、ネジ山の破損,ねじ込み不能等をきたすことなく小さなトルクでタッピングネジのねじ込みが可能なタッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、C:0.01〜0.20質量%,Si:1.5質量%以下,Mn:2.5質量%以下,P:0.05質量%以下,S:0.02質量%以下,酸可溶Al:0.005〜0.10質量%,Ti:0.01〜0.15質量%及び/又はNb:0.01〜0.15質量%,Fe:実質的に残部の組成をもち、式(1)で定義されるC当量を0.25〜0.6質量%に調整した鋼材を使用する。該鋼材は、必要に応じてZr:0.01〜0.30質量%,V:0.01〜0.30質量%,Mo:0.01〜0.30質量%,Cr:0.01〜0.30質量%,Ni:0.05〜1.00質量%の一種又は二種以上を含むことができる。
C当量=C+1/6Mn+1/24Si+1/5Cr+1/4Mo+1/14V+1/40Ni・・・(1)
【0007】
鋼材を連続鋳造し、仕上げ温度:Ar3変態点以上,巻取り温度:600〜450℃で熱間圧延し、酸洗後に冷延率:10〜75%で冷間圧延し、得られた冷延鋼帯を素材として幅方向両端部を溶接することにより、タッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材が製造される。
【発明の効果及び実施の形態】
【0008】
本発明では、加工硬化,析出強化で高強度化した冷延鋼帯を電縫鋼管の素材に使用している。必要な加工硬化は、熱延鋼帯を酸洗後に冷間圧延する際の冷延率で達成され、冷延鋼帯から製造された電縫鋼管でも持続する。そのため、打抜き加工で穴をあけても打抜き穴端面の硬質化が非常に小さく、タッピングネジのねじ込みに必要なトルクが小さくなり、ネジ山の破損,ねじ込み不能等のトラブルなく容易にタッピングできる。
【0009】
鋼材の強化には加工硬化,固溶強化,変態強化等が採用されているが、固溶強化,変態強化にはSi,Mn等の合金元素を多量添加する必要があり、鋼材コストを上昇させやすい。他方、加工硬化は、特殊な合金元素の多量添加を必要とせず、焼鈍工程の省略も可能なため安価な高強度化手段である。加工硬化による強化,成分調整による溶接熱影響部の軟化抑制を併用した高強度電縫鋼管は、本発明者等が提案(特許文献5)した材料であるが、自動車用フレーム材に要求される優れたタッピング性を見出し、該高強度電縫鋼管の新規用途を内容とする本発明に至ったものである。
【特許文献5】特願2003-299047号
【0010】
加工硬化で強化した冷延鋼帯を素材とする電縫鋼管を打抜き加工すると、冷延焼鈍板に比較して打抜き穴端面の硬さは母材硬さと同等又は僅かに上昇する程度に留まる。硬さ上昇が少ないことが、通常の冷間圧延→焼鈍で製造される冷延焼鈍板と大きく異なる点である。なお、打抜き穴端面に発生するダレやバリは、冷延焼鈍板と同程度である。
また、Ti,Nb等の炭窒化物形成元素が添加されているので、冷延鋼帯から製造された電縫鋼管の溶接熱影響部の軟質化も抑えられる。Ti,Nb等は、電縫鋼管の高強度化に有効な析出強化作用もある。
【0011】
以下、本発明で使用する鋼材の合金成分,含有量等を説明する。
・C:0.01〜0.20質量%
鋼材の高強度化に有効な合金成分であり、冷延率10%でもある程度の強度が得られるようにC含有量の下限を0.01質量%に設定した。しかし、Cは焼入れ性に大きな影響を与え、溶接部の加工性を劣化させ、割れの発生原因にもなる。そのため、必要な延性,溶接部靭性を確保するため、上限値を0.20質量%とした。
【0012】
・Si:1.5質量%以下
鋼材の高強度化に有効な合金成分であり、0.05質量%以上でSiの添加効果が顕著になる。しかし、1.5質量%を超えて過剰添加すると、強度が上昇するものの、冷間加工性や表面性状が劣化しやすい。
・Mn:2.5質量%以下
強度改善に寄与する合金成分であり、0.20質量%以上でMnの添加効果が顕著になる。Mnの増量に伴い強度改善効果が大きくなるが、過剰量のMnが含まれると溶接性が著しく劣化する。焼入れ強化元素でもあり、C当量を増大させて溶接部の加工性を劣化させ、割れの原因にもなるので、Mn含有量の上限を2.5質量%とした。
【0013】
・P:0.05質量%以下
高強度化に有効な合金元素であるが、0.05質量%を超える過剰含有は低温靭性を劣化させる傾向を示す。
・S:0.02質量%以下
熱間加工性,冷間加工性に有害な成分であることから、可能な限りの低硫化が好ましい。含有量を0.02質量%以下に規制すると、S起因の悪影響は抑制される。
・酸可溶Al:0.005〜0.10質量%
製鋼段階で脱酸剤として添加される合金成分であり、十分な脱酸効果を得るためには酸可溶Alとして0.005質量%以上の添加が必要である。Al添加による脱酸効果は0.10質量%で飽和し、それ以上にAlを添加しても却って鋼材コストの上昇を招く。
【0014】
・Ti:0.01〜0.15質量%
本成分系では重要な合金成分であり、鋼中のC,S,Nと反応して析出物を形成し、析出強化により鋼材を高強度化する。Ti系析出物は、溶接熱影響部の加工歪みの解放を抑制するインヒビタとして働き、溶接加熱時の固溶,再析出による熱影響部の軟化を防止する上でも有効である。Tiの添加効果は0.01質量%以上でみられるが、0.15質量%を超える量のTiを添加しても、Tiの添加効果が飽和し、却って製造コストの上昇を招く。好ましくは、Ti含有量を0.01〜0.10質量%の範囲で選定する。
【0015】
・Nb:0.01〜0.15質量%
Tiと同様に鋼中のCと反応して析出物となり、析出強化により鋼材を高強度化する作用を呈する。金属組織を微細化して鋼板強度を向上させる作用もある。溶接部においては、Tiと同様に、Nb系析出物により溶接熱影響部の加工歪みの解放を抑制し、溶接加熱時の固溶,再析出による熱影響部の軟化を防止する。
Nbの添加効果は0.01質量%以上でみられ、Nb含有量が多くなるほど高強度化する。しかし、0.15質量%を超えるNbの過剰添加は、加工性に悪影響を及ぼす。好ましくは、0.01〜0.10質量%の範囲でNb含有量を選定する。Ti,Nbを複合添加する場合、Ti+Nbの合計含有量を0.02〜0.20質量%とする。Ti,Nb及びCの添加量は、鋼材の高強度化,溶接加熱時の熱影響部の軟質化抑制効果のバランスを考慮して最適化することが重要である。
【0016】
・Zr:0.01〜0.30質量%,V:0.01〜0.30質量%
必要に応じて添加される合金成分であり、Nbと同様に鋼中のCと反応して析出物を形成し、析出強化により鋼材を高強度化する。溶接部においては、Ti,Nbと同様に、析出物により溶接熱影響部の加工歪みの解放を抑制し、溶接加熱時の固溶,再析出による熱影響部の軟化を防止する。強度改善効果は0.01質量%以上の添加で顕著になり、増量に従ってより高い強度が得られるが、0.30質量%を超える過剰添加は加工性に悪影響を及ぼす。
【0017】
・Mo:0.01〜0.30質量%,
・Cr:0.01〜0.30質量%,
・Ni:0.05〜1.00質量%
何れも必要に応じて添加される合金成分であり、高強度化,溶接部の靭性向上に有効な成分である。高強度化,溶接部の靭性向上に及ぼす影響は、0.01質量%以上のMo,Cr,0.05質量%以上のNiでみられるが、Mo:0.30質量%,Cr:0.30質量%,Ni:1.00質量%で飽和する。過剰添加は製造コストの低下を招くことは勿論、Mo,Crは焼入れ強化元素でもあるためC当量を増大させ、結果として溶接部の加工性劣化,割れ発生の原因にもなる。
【0018】
・C当量:0.25〜0.6質量%
式(1)で定義されるC当量は溶接熱影響部の軟化抑制に大きな影響を及ぼす因子であり、溶接熱影響部の硬さを確保する上でC当量を0.25質量%以上に調整する必要がある。溶接熱影響部はC当量の増加に応じて硬質化するが、0.6質量%を超える過剰なC当量では溶接熱影響部が著しく硬質化し、溶接部の加工性が著しく損なわれるばかりでなく、溶接割れの原因にもなる。C当量は、Cの他にMo,Cr,Mn等の強化元素添加量が多い場合にも増加し、鋼材がより硬質化される。
C当量=C+1/6Mn+1/24Si+1/5Cr+1/4Mo+1/14V+1/40Ni・・・(1)
【0019】
・熱間圧延
熱間強度の安定化を図るためAr3変態点以上の仕上げ温度で熱間圧延した後、600〜450℃の温度域で巻き取り、変態により高強度化させる。仕上げ温度がAr3変態点を下回ると、変態に伴う熱間強度の変動が大きく圧延方向に大きく変動するゲージハンチング,幅絞り等の板厚精度を劣化させる原因になりやすい。巻取り温度が高いほど鋼帯の延性が向上するが、600℃を超える温度域で巻き取ると鉄系炭化物の生成に起因して強度が著しく低下する。巻取り温度の低下に伴って強度は上昇するが、過度に低い450℃未満の温度で巻き取ると変態組織強化による硬質化が進行し、冷間圧延時の板厚設定や冷間圧延後の強度設定が難しくなるほどに加工性が低下する。
【0020】
・冷間圧延
冷間圧延では、加工硬化によって鋼帯を高強度化するため冷延率を10%以上に設定する。10%に満たない冷延率では加工硬化が十分に進行せず、強度の上昇が小さい。10%以上の冷延率は、板厚精度を確保する上でも有効である。冷延率の増加に応じて高強度化も進行するが、過度に大きな冷延率は製造コストの上昇を招くので冷延率の上限を75%に設定する。
【0021】
・電縫鋼管の製造
加工硬化,析出強化によって高強度化した冷延鋼帯は、焼鈍工程を経ることなく所定幅に裁断され、造管ラインに送られる。造管ラインでは、鋼帯をロール成形又はロールレス成形してオープンパイプ状に加工し、高周波溶接,レーザビーム溶接,MIG溶接,TIG溶接等で鋼帯幅方向両端部を溶接することにより、所定サイズの電縫鋼管を製造する。
溶接時、溶接部及び熱影響部は高温に加熱されるが、鋼中のC,N,S等がTi系又はNb系析出物として固定されているので冷間圧延で導入された加工歪みの解放が少なく、特に溶接熱影響部の軟化が抑えられる。その結果、円周方向に沿った強度,疲労特性のバラツキが少なくなり、品質安定性に優れた高強度電縫鋼管となる。しかも、打抜き加工しても打抜き穴端面の硬化が非常に小さく、優れたタッピング性を呈し、自動車用フレーム材としての要求特性を十分に満足する。
【実施例】
【0022】
表1の成分組成をもつ鋼材を溶製し、スラブに連続鋳造した。各スラブを1225℃に加熱し、粗圧延,仕上げ圧延を経て板厚:1.6〜3.3mmの熱延鋼帯を製造した。各熱延鋼帯を酸洗した後、圧延率:10〜75%で冷間圧延することにより板厚:1mmの冷延鋼帯に仕上げた。表中、鋼種No.4〜6は、Si,Mnを強化元素とする鋼材であり、冷延後に再結晶温度〜850℃で連続焼鈍した。
【0023】

【0024】
各鋼帯からJISの5号試験片を切り出し、JIS Z2201に準拠した室温引張試験で機械的性質を調査した。
更に、各鋼帯を所定幅に裁断した後、常法に従った造管ラインで外径:38.1mmの電縫鋼管を製造した。得られた電縫鋼管を、径:4.0mmのポンチ,径:4.2mmのダイスを用いクリアランスを片側10%に設定した打抜き試験に供した。
【0025】
形成された打抜き穴の中心線に沿って電縫鋼管を切断した後、断面観察用樹脂に埋め込み、研磨仕上げすることにより硬さ測定用試験片を用意した。荷重:4.9Nで微小硬度計を打抜き穴端面に押し当て、ダレ側,肉厚方向中央部,張り側の三箇所(図1参照)で打抜き穴端面の硬さを測定した。各個所で測定した硬さを母材硬さと比較し、硬度差ΔHVから打抜き穴端面の硬質化を評価した。
【0026】
また、同じ条件下の打抜き加工で形成された打抜き穴に径:4.0mmのタッピングネジをねじ込み、ねじ込み時のトルクをトルクレンチで測定した。トルク測定に際しては、トルクレンチを90度回転するたびに最大トルクを測定し、ねじ込み完了まで繰り返しトルクを測定した。
【0027】
表2の調査結果にみられるように、本発明例No.1〜3の電縫鋼管を打抜き加工した場合、打抜き穴端面の硬さ上昇が最大でもΔHV≦20に留まり、打抜きによる穴端面の硬さ上昇が非常に小さくなっている。他方、常法の冷延−焼鈍工程で製造した高強度材を素材とする比較例No.4〜6の電縫鋼管では、打抜き穴端面の硬度差がΔHV60〜100まで上昇していた。打抜き穴端面の硬質化を母材の引張強さとの関係で調査したところ、同じクラスの引張強さであっても本発明例No.1〜3では硬質化が大幅に抑えられていることが判る(図2)。
タッピングネジのねじ込みに必要なトルクについても、引張強さが同じクラスで比較すると本発明例No.1〜3は比較例No.4〜6よりも小さくなっており、少ないトルクでタッピングできる、すなわちタッピング性に優れていることが判る(図3)。
【0028】

【産業上の利用可能性】
【0029】
以上に説明したように、加工硬化,析出強化で高強度化した冷延鋼帯を素材とする電縫鋼管製自動車用フレーム材は、打抜き加工で形成される打抜き穴の端面の硬質化が抑えられ、小さなトルクでタッピングネジをねじ込むことができるため、各種ネジ穴の穿設が予定されている自動車用フレーム材としての要求特性を十分に満足する。しかも、溶接熱影響部の軟質化が抑えられ、円周方向に沿った機械的特性のバラツキもないので、品質安定性に優れた自動車用フレーム材として重宝される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】打抜き穴端面の硬さ測定を説明する図
【図2】打抜き穴端面の硬質化度を引張強さとの関係で表したグラフ
【図3】打抜き穴にタッピングネジをねじ込むときに要したトルクを引張強さとの関係で表したグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C:0.01〜0.20質量%,Si:1.5質量%以下,Mn:2.5質量%以下,P:0.05質量%以下,S:0.02質量%以下,酸可溶Al:0.005〜0.10質量%,Ti:0.01〜0.15質量%及び/又はNb:0.01〜0.15質量%,Fe:実質的に残部の組成をもち、式(1)で定義されるC当量を0.25〜0.6質量%に調整した鋼材を連続鋳造し、
仕上げ温度:Ar3変態点以上,巻取り温度:600〜450℃で熱間圧延し、
引き続き、酸洗後に冷延率:10〜75%で冷間圧延し、
得られた冷延鋼帯を素材としてオープンパイプ状に成形した鋼帯の幅方向両端部を溶接することを特徴とするタッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材の製造方法。
C当量=C+1/6Mn+1/24Si+1/5Cr+1/4Mo+1/14V+1/40Ni・・・(1)
【請求項2】
更にZr:0.01〜0.30質量%,V:0.01〜0.30質量%,Mo:0.01〜0.30質量%,Cr:0.01〜0.30質量%,Ni:0.05〜1.00質量%の一種又は二種以上を含む鋼材を使用する請求項1記載のタッピング性に優れた高強度電縫鋼管製自動車用フレーム材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−70312(P2006−70312A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253742(P2004−253742)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000004581)日新製鋼株式会社 (1,178)
【Fターム(参考)】