説明

チタン合金複合材料およびその製造方法

【課題】引張り強度、ヤング率、靱性、硬さなどの機械的特性に優れたチタン合金複合材料およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】炭素と反応して炭化物を生成する元素およびその炭化物を含む層で被覆された炭素繊維が、チタン合金の結晶粒内に分散されていることを特徴とするチタン合金複合材料である。この元素は、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)およびカルシウム(Ca)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン合金複合材料およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チタン合金は、比強度が高く、耐食性に優れるため、航空宇宙、深海探査、化学プラントなどの分野で主として使用されてきた。近年、チタン合金の有する特徴から、ゴルフクラブのヘッドやシャフト、時計や釣り具の部品、眼鏡のフレームなど民生用にも広く使われるようになってきている。
最近では、引張り強度、靭性などの機械的性質の更なる向上を目的として、チタン合金と炭素繊維とを組み合わせた複合材料が提案されている。例えば、特許文献1および2には、カーボンナノファイバーなどの炭素繊維を含有するチタン合金によって形成される自動車用部品が開示されている。さらに、これら特許文献には、カーボンナノファイバーに、酸素(O)、窒素(N)、塩素(Cl)、クロム(Cr)、炭素(C)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、リン(P)、アルミニウム(Al)等のイオンを注入することで、カーボンナノファイバーと金属との濡れ性や接着性が改善されることが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−225084号公報
【特許文献2】特開2004−225765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、上記特許文献に開示される従来技術では、複合化の際にチタンと炭素繊維とが反応してしまい、炭素繊維が本来有する補強材としての性能が著しく損なわれ、期待した程の機械的強度が実際には得られないということが判明した。さらに、上記特許文献に記載されるように、炭素繊維としてイオン注入処理されたカーボンナノファイバーを用いると、合金中におけるカーボンナノファイバーの分散性は改善されるものの、チタンとの反応性はむしろ促進されてしまい、機械的強度がかえって低下するということも分かった。
従って、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、引張り強度、ヤング率、靱性、硬さなどの機械的強度に優れたチタン合金複合材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明者らは上記のような従来の問題点を解決すべく鋭意研究、開発を遂行した結果、このような問題点を解決するためには、炭素と反応して炭化物を生成する元素およびその炭化物を含む層で被覆された炭素繊維を、チタン合金の結晶粒内に分散させることが有効であることに想到し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係るチタン合金複合材料は、炭素と反応して炭化物を生成する元素およびその炭化物を含む層で被覆された炭素繊維が、チタン合金の結晶粒内に分散されていることを特徴とするものである。
炭素と反応して炭化物を生成する元素は、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)およびカルシウム(Ca)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
炭素繊維は、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維またはこれらの混合物であることが好ましい。炭素繊維は0.1質量%〜10質量%含まれることが好ましい。
被覆層の厚さは少なくとも0.5nmであることが好ましい。
【0006】
また、本発明に係るチタン合金複合材料の製造方法は、炭素繊維と、炭素と反応して炭化物を生成する元素からなる粉末とを混合した後、高温真空下で前記元素を昇華させて、前記元素およびその炭化物を含む層で前記炭素繊維を被覆する工程、前記工程で得られた炭素繊維と、チタン合金粉末とを混合し、この混合物に機械的衝撃力を加えることによって前記チタン合金粉末の表面に前記炭素繊維を固定化する工程、前記工程で得られた炭素繊維固定化チタン合金粉末を焼結させる工程、および前記工程で得られた焼結体に塑性加工を施して、チタン合金の結晶粒内に前記炭素繊維を分散させる工程を含むことを特徴とするものである。
塑性加工されたチタン合金複合材料を時効処理する工程をさらに含むことが好ましい。
焼結は、パルス通電焼結法により行われることが好ましく、また、塑性加工は、熱間圧延プロセスおよび恒温鍛造プロセスから選択される少なくとも1つにより行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、引張り強度、ヤング率、靱性、硬さなどの機械的強度に優れたチタン合金複合材料およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
(チタン合金複合材料)
本発明によるチタン合金複合材料は、炭素と反応して炭化物を生成する元素およびその炭化物を含む層で被覆された炭素繊維を、チタン合金の結晶粒内に分散させてなるものである。すなわち、炭素繊維を覆う層は、上記元素と炭素繊維の一部が反応して生成された炭化物と、未反応元素とから構成されている。そして、この層が、複合化の際に炭素繊維とチタンとの反応を抑制する層として機能し且つチタン合金との濡れ性を高めるため、複合化後も炭素繊維が有する補強材としての性能が維持されている。さらに、本発明では、このように被覆された炭素繊維を結晶粒内に分散させることで、引張り強度、ヤング率、靱性、硬さなどの機械的強度を著しく向上させることができる。なお、本発明において、炭素繊維がチタン合金の結晶粒内に分散されている状態とは、塑性加工時の塑性流動により、チタン合金の微結晶粒内に炭素繊維の少なくとも一部が適度な分散性を保ちながら取り込まれた状態をいう。
一方、被覆された炭素繊維を結晶粒内に分散させない場合、例えば、被覆された炭素繊維とチタン合金粉末とを混合し、これを焼結させたチタン合金複合材料では、十分な機械的強度が得られないことを本発明者らは確認している。この理由は、チタン合金結晶粒界において炭素繊維やその炭化物であるTiCが硬度の高い脆い層を形成し、この硬度の高い脆い層が欠陥となって亀裂が発生するために、機械的強度が低下するものと考えられる。
【0009】
本発明における炭素繊維としては、その繊維径、繊維長、形状などは特に限定されず、一般に補強材として用いられている従来公知のものを制限なく用いることができる。中でも、機械的特性を更に向上させる観点から、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維またはこれらの混合物を用いることが好ましい。カーボンナノチューブとしては、気相成長法、アーク放電法、レーザー蒸発法などで生成される単層カーボンナノチューブや多層カーボンナノチューブを挙げることができる。気相成長炭素繊維としては、気相成長法により気相で結晶を成長させることで得られる不連続な炭素繊維や黒鉛繊維が挙げられる。これらは針状、コイル状、チューブ状、カップ状の形態など任意の形態をとることができ、これら2種類以上をブレンドしたものでもよい。補強材としての性能およびチタン合金中における分散性を更に向上させる観点から、カーボンナノチューブの繊維径は2nm〜80nmおよび繊維長は1μm〜100μmであることが好ましく、気相成長炭素繊維の繊維径は80nm〜200nmおよび繊維長は5μm〜100μmであることが好ましい。
なお、チタン複合材料中の炭素繊維の繊維径、繊維長および形状は、超高分解能FE−SEMや透過型電子顕微鏡による組織観察によって測定することができる。
また、炭素繊維の含有量は、チタン合金複合材料に対して、好ましくは、0.1質量%〜10質量%、更に好ましくは、0.2質量%〜5.0質量%、最も好ましくは、0.4質量%〜3.0質量%である。炭素繊維の含有量が上記範囲内であれば、機械的特性を更に向上させることができる。
なお、チタン複合材料中の炭素繊維の含有量は、超高分解能FE−SEMや透過型電子顕微鏡による形態観察と元素分析および「JIS H 1617 チタン及びチタン合金中の炭素定量方法」に従って分析することによって測定することができる。
【0010】
本発明において、炭素繊維を被覆する元素は、炭素と反応して炭化物を生成するものであれば特に限定されないが、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)およびカルシウム(Ca)から成る群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、ケイ素(Si)およびクロム(Cr)から選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。上記で例示した元素は、その炭化物がチタン合金との親和性に優れるため、機械的特性を更に向上させることができる。
また、炭素繊維を被覆する、上記元素およびその炭化物を含む層の厚さは、チタン合金中への分散強化による機械的強度を更に向上させる観点から、好ましくは、少なくとも0.5nm、更に好ましくは、2nm〜50nmであり、特に炭素繊維としてカーボンナノチューブを用いた場合には0.5nm〜10nmとすることが好ましい。
なお、超高分解能FE−SEMまたは透過型電子顕微鏡による組織観察によって、炭素繊維が上記元素およびその炭化物を含む層により被覆されているか否かを確認することができる。
【0011】
(チタン合金複合材料の製造方法)
次に、本発明のチタン合金複合材料の製造方法について説明する。
図1は、本発明のチタン合金複合材料の製造方法を説明するためのフローチャートである。本発明によるチタン合金複合材料の製造方法は、炭素と反応して炭化物を生成する元素およびその炭化物を含む層で炭素繊維を被覆する炭素繊維被覆工程、チタン合金粉末の表面に炭素繊維を固定化する炭素繊維固定化工程、炭素繊維が固定されたチタン合金粉末を焼結させる焼結工程、およびチタン合金の結晶粒内に炭素繊維を分散させる炭素繊維分散工程を含むことを特徴とする。
【0012】
(1)炭素繊維被覆工程
本発明における炭素繊維被覆工程は、炭素と反応して炭化物を生成する元素およびその炭化物を含む層で炭素繊維を被覆する工程である。この工程では、まず、炭素繊維と、炭素と反応して炭化物を生成する元素からなる粉末とが、攪拌混合機などを備えた混合容器内に投入され、15分〜30分間程度混合される。炭素繊維としては、チタン合金複合材料の説明で例示したものを同様に使用することができる。また、ここで使用する粉末は、炭素と反応して炭化物を生成する元素からなるものであればよく、好ましくは、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)およびカルシウム(Ca)からなる群から選択される少なくとも1種である。また、粉末の粒子形状や平均粒径は特に限定されるものではないが、10μm〜50μm以下の平均粒径を有する粉末を用いることで、炭素繊維の分散性を更に向上させることができる。
次に、混合容器から取り出された混合物は、内部と外部との通気が可能な非密閉型容器内に充填される。この非密閉型容器を、密閉炉体と、密閉炉体の内部を加熱するための加熱手段と、密閉炉体の内部を真空にする真空ポンプとを備えた真空炉内に設置する。その後、真空ポンプにより密閉炉体の内部を真空状態に維持しつつ、加熱手段により密閉炉体内を加熱して、炭素と反応して炭化物を生成する元素からなる粉末を昇華させる。そして、この蒸気は炭素繊維と接触して、炭素繊維の表面を覆う層を形成する。この層は、昇華した元素の一部が炭素繊維と反応して生成された炭化物と、未反応元素とから構成されている。ここでの真空度、加熱温度、加熱時間等の条件は、使用する粉末の種類に応じて適宜設定すればよいが、製造コストと炭素繊維表面を覆う層の品質とのバランスを考慮すると、例えば、真空度1×10−2Pa〜1×10−3Pa、加熱温度1200℃〜1500℃、加熱時間5時間〜10時間とすればよい。また、昇温速度および降温速度は、特に限定されるものではないが、100℃/h〜200℃/hであることが好ましい。
このようにして炭素繊維を上記元素で被覆しておくことで、炭素繊維をチタン合金と複合化する際に炭素繊維とチタンとの反応を抑制することができる。
【0013】
(2)炭素繊維固定化工程
本発明における炭素繊維固定化工程は、上述した炭素繊維被覆工程で得られた炭素繊維をチタン合金粉末の表面に固定化する工程である。この工程では、まず、炭素繊維被覆工程で得られた炭素繊維が、チタン合金粉末と混合される。炭素繊維とチタン合金粉末との混合割合は、特に限定されるものではないが、母材となるチタン合金の機械的特性を更に向上させる観点から、好ましくは、0.1質量%〜10質量%、更に好ましくは、0.2質量%〜3.0質量%、最も好ましくは、0.4質量%〜1.0質量%の炭素繊維が混合物中に含まれるようにすることが望ましい。また、ここで使用するチタン合金粉末としては、α型(例えば、Ti−O、Ti−5Al−2.5Snなど)、ニアα型(例えば、Ti−6Al−5Zr−0.5Mo−0.2Si、Ti−5.5Al−3.5Sn−3Zr−0.3Mo−1Nb−0.3Si、Ti−8Al−1Mo−1V、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Moなど)、α+β型(例えば、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−4.5Al−3V−2Mo−2Feなど)、ニアβ型(例えば、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr、Ti−10V−2Fe−3Alなど)、β型(例えば、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−15Mo−5Zr、Ti−13V−11Cr−3Alなど)いずれの結晶構造を有するものでもよい。さらに、特開平2005−76052号公報に開示されるようなTiBおよび/またはTiCの微粒子が金属組織内に分散されたチタン合金(Ti−15V−6Cr−4AlをベースにTiBおよび/またはTiCを少量添加したものやTi−22V−4AlをベースにTiBおよび/またはTiCを少量添加したもの)も好適に用いることができる。最終的に得られるチタン合金複合材料の機械的強度を考慮すると、Ti−6Al−4V、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−4.5Al−3V−2Mo−2Feおよび特開平2005−76052号公報に開示されるチタン合金が好ましい。また、チタン合金粉末の粒子形状や平均粒径は特に限定されるものではないが、10μm〜50μmの平均粒径を有する粉末を用いることで、複合チタン合金の機械的特性をより高めることができる。また、混合物中に炭素繊維が3質量%以上含まれる場合には、炭素繊維の凝集を抑制する観点から、平均粒径の小さいチタン合金粉末を用いることが好ましい。
次に、炭素繊維とチタン合金粉末との混合物に機械的衝撃力を加えることによって、チタン合金粉末の表面に炭素繊維が固定化される。これにより、チタン合金粉末粒子の表面からの炭素繊維の脱離が防止され、後述する焼結工程において均質な焼結体を得ることができる。
機械的衝撃力を加えるための具体的手段としては、機械的衝撃力の強いハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)やメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン製)等の撹拌装置やメディア粒子を用いた分散装置の他、ヘンシェルミキサーやV型混合器等の乾式混合撹拌装置を用いるこができる。これらの中でも、炭素繊維をより均一に且つ強固にチタン合金粉末粒子の表面に固定化するために、高速気流中、機械的衝撃力としてローターとステーターの剪断力、粒子同士の衝突力および粒子と機壁との衝突力を与えることのできるハイブリタイゼーションシステムを採用することが好ましい。
【0014】
(3)焼結工程
本発明における焼結工程は、上述の炭素繊維固定化工程で得られた炭素繊維固定化チタン合金粉末を加熱して焼結させる工程である。この工程では、炭素繊維固定化工程で得られた炭素繊維固定化チタン合金粉末を必要に応じて成形体とした後、当該技術分野において従来公知の焼結法、例えば、パルス通電焼結法、ホットプレス法、ガス圧焼結法、熱間等方加圧焼結法などにより、好ましくは真空または不活性ガスの雰囲気下で焼結される。従来の方法では、焼結過程においてチタンと炭素繊維の大部分とが反応してしまうのに対し、本発明の焼結工程では、炭素繊維を覆う層により炭素繊維とチタンとの反応が抑制され(炭素繊維の一部はチタンと反応して炭化チタンを生成する)、炭素繊維が有する補強材としての性能が維持される。
焼結温度、焼結時間等の焼結条件は、採用する焼結法や使用するチタン合金の種類に応じて適宜設定すればよく、例えば、焼結温度800℃〜1300℃、焼結時間5分間〜2時間とすればよい。
上記で例示した焼結法の中でも、より簡便に、短い焼結時間で均質な焼結体を得る観点から、焼結法としてパルス通電焼結法を採用することが好ましい。パルス通電焼結法により焼結を行う場合、炭素繊維固定化チタン合金粉末またはその成形体をグラファイトダイに充填し、例えば、50〜100℃/分の昇温速度で850〜950℃の温度まで昇温して、4.0Paの真空度下で、20〜30MPaの圧縮負荷をかけながら5〜10分間焼結を行えばよい。パルス通電焼結法による焼結では、粒子間のネック成長のみが促進され、粒子間収縮による粒子の粗大化が殆ど起こらないため、焼結前の粒子径が保持され、微細な組織構造を有する焼結体が得られる。このように、焼結体が微細な組織構造を有することにより、後述する炭素繊維分散工程において、炭素繊維を結晶粒内により均一に分散させやすくなり、結果として得られるチタン合金複合材料の機械的強度が向上する。
【0015】
(4)炭素繊維分散工程
本発明における炭素繊維分散工程は、上述の焼結工程で得られた焼結体に塑性加工を施して、チタン合金の結晶粒内に炭素繊維を分散させる工程である。塑性加工としては、当該技術分野において従来公知の方法を制限なく採用することができ、例えば、圧延プロセス、鍛造プロセス、押出しプロセスなどが挙げられる。これらの中でも、結晶粒をより微細化し且つ炭素繊維をより均一に分散させるために、熱間圧延プロセスおよび恒温鍛造プロセスから選択される少なくとも1つのプロセスを採用することが好ましく、特に、熱間圧延プロセスは、結晶粒を繊維状に引き伸ばしてチタン合金複合材料の機械的強度を更に向上させることができるため好ましい。
熱間圧延プロセスにより焼結体に塑性加工を施す場合、圧延速度、圧延温度、圧下率等の圧延条件は特に限定されるものではないが、機械的強度のより優れたチタン合金複合材料を得る観点から、圧延歪量/pass:0.1〜0.2、圧延温度700℃〜850℃、圧下率65%以上とすることが好ましい。特に、圧下率が65%未満であると、炭素繊維の結晶粒内への分散が不十分となることがあり、その結果、チタン合金複合材料の機械的強度が低下する恐れがあるため好ましくない。なお、ここでいう「圧下率」とは、(h−h)×100/h(ただし、h:圧延前の板厚、h:圧延後の板厚)で定義されるものである。
【0016】
(5)時効処理工程
本発明のチタン合金複合材料の製造方法は、上述の炭素繊維分散工程で得られたチタン合金複合材料を時効処理する工程を更に含むと好適である。この時効処理は、母材となるチタン合金の種類に応じて適宜設定すればよく、例えば、400℃〜600℃で、4〜24時間行えばよい。このような時効処理を施すことによって、チタン合金複合材料の機械的強度を更に向上させることができる。
【0017】
(チタン合金複合材料の用途)
本発明のチタン合金複合材料は、引張り強度、ヤング率、靱性、硬さなどの機械的特性に優れるため、その特性に合致した製品、例えば、産業機械、自動車、バイク、自転車、家電品、航空宇宙機器、船舶、スポーツ・レジャー用品、医療機器などに幅広く利用することができる。より具体的には、自動車やバイクの用途では、コネクティングロッド、エンジンバルブ、バルブスプリング、リテーナ、サスペンション、ボディフレームなどに好適に用いることができ、航空宇宙機器の用途では、ファンブレード、コンプレッサーブレード、ディスク、フレーム、ボディパネル、ファスナー、フラッグ、スポイラー、主脚、排気ダクト、燃料タンクなどに好適に用いることができ、医療機器の用途では、人工骨、人工関節、インプラントネジ、手術器具などに好適に用いることができる。
また、スポーツ・レジャー用品として、ゴルフクラブを例にとって説明すると、本発明のチタン合金複合材料をフェース部分に用いた場合、従来のチタン合金に比べて比強度向上による薄肉化が実現し、反発係数をより増大させることが可能となる。この薄肉化に伴って、余剰重量が得られるので設計の自由度が向上し、従来にない重心位置が設定できる。以上のことから、本発明のチタン合金複合材料を用いたヘッドを備えたゴルフクラブは、飛距離を相当伸ばすことができると共に、スイートスポットが拡がることでゴルファーはより曲がりの少ないストレートボールを打つことができる。
【実施例】
【0018】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
チタン合金複合材料の機械的特性の評価は、下記の方法に従って実施した。
【0019】
<材料強度測定>
チタン合金複合材料を炭酸ガスレーザーでダンベル型試験片(圧延方向と平行および直角方向)長さ30mm、平行部の長さ15mm、平行部の幅5mmに切り出した。平行部に歪みゲージを取り付け、材料試験機(島津製作所製オートグラフAG−1 100kN)を用いて、クロスヘッド速度1mm/分で強度測定を行った。
【0020】
<ヤング率測定>
弾性率測定装置(東芝タンガロイ製 UMS−R)を用いてヤング率測定を行った。
【0021】
<硬さ測定>
ロックウェル硬さ試験機(アカシ製 ATK−F3000)を用いて硬さ測定を行った。
【0022】
<実施例1>
平均繊維径10〜25nmおよび平均繊維長10〜50μmの多層型カーボンナノチューブ20gと平均粒径40μmのSi粉末2gとを電子天秤にて秤量後、乳鉢内で約30分混合した。得られた混合物を1Lのタンタル製容器内に投入し、タンタル製の蓋を載せた後、容器を真空炉内に入れた。真空度2×10−3Paまで真空引きしながら室温から300℃まで4時間かけて昇温した後、さらに1400℃まで7時間かけて昇温し、1400℃で5時間保持してSiを昇華させ、カーボンナノチューブの表面を被覆した。1400℃で保持中の真空度はSiの昇華よって3×10−3Pa程度に保持された。その後、真空中で炉冷し、Siで被覆されたカーボンナノチューブを得た。得られたカーボンナノチューブをX線回折測定した結果を図2に示した。このX線回折測定および超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡によるEDX分析と観察の結果、カーボンナノチューブの表面に、薄い箇所で0.5nm、厚い箇所で5nm程度の表面改質層(SiおよびSiCを含む層)が形成されていることが分かった。
【0023】
チタン合金粉末として、粉末アトマイズ法により作製され、+45μmが2.3質量%)、38〜45μmが20.2質量%、25〜38μmが27.8質量%および−25μmが49.7質量%の粒度分布を有するTi−6Al−4V合金を準備した。このチタン合金粉末と先に得られたSi被覆カーボンナノチューブとの混合物中に、カーボンナノチューブが0.5質量%含まれるように秤量した。粉末の攪拌混合装置の一種であるハイブリダイザー(奈良機械製作所製)を用いて、アルゴンガス中で混合物に機械的衝撃力を加えた。処理後の状態は、図3に示されるように、チタン合金粉末表面にカーボンナノチューブが付着し、チタン合金粉末同士の衝突によって、チタン合金粉末表面に付着したカーボンナノチューブは叩かれて、チタン合金粉末表面直下に埋め込まれていた(固定化されていた)。
【0024】
上記固定化処理した原料粉末を50g秤量し、パルス通電焼結装置の黒鉛型に投入し、黒鉛シリンダーで原料粉末を30MPaで加圧、真空度4Paオーダーに減圧し、室温から900℃まで昇温速度100℃/分で昇温させ、その後900℃で5分間保持して焼結させた。得られた焼結体(中間体)を金属顕微鏡により観察したところ、図4に示すように、カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブとチタンとが一部反応して生成された炭化チタンが、チタン合金微粒子の周囲を取り巻いた組織を形成していた。
【0025】
次いで焼結体を35mm×35mm×5mmに切断し、熱間圧延時の酸化を防ぐためにステンレス鋼SUS304板材でパック溶接を行った。これをバーナー加熱によって約800℃まで加熱し、圧延歪量/pass:0.1、圧下率68%で、長手方向に板材として熱間圧延し、実施例1のチタン合金複合材料を得た。得られたチタン合金複合材料を金属顕微鏡により観察したところ、図5に示すように、チタン合金の結晶粒内にカーボンナノチューブおよび炭化チタンが分散された組織を形成していた。
【0026】
実施例1のチタン合金複合材料の材料強度測定結果を図6に示した。超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製 S−5200)、エネルギー分散分析器(EDAX社製)を用いて、材料強度測定後のチタン合金複合材料の破断面を観察した結果を図7に示した。なお、図7(b)〜(f)において、明るい部分は測定対象となっている元素の存在量が多い部分である。図7から分かるように、カーボンナノチューブの形態は残っており、表面近傍はチタンとの反応で炭化チタンに変化している。アルミニウムおよびバナジウムはチタン合金成分であるが、カーボンナノチューブとは反応していない。また、一部コーティングされたSiが観察される。
また、引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0027】
【表1】

【0028】
<実施例2>
実施例1と同様にしてチタン合金複合材料を作製した後、パック材を除去し、真空炉に投入、真空引き後、アルゴンガス(133Pa)置換しながら500℃で8時間、時効処理を施して、実施例2のチタン合金複合材料を得た。実施例2のチタン合金複合材料の材料強度測定結果を図6に示した。また、引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0029】
<実施例3>
チタン合金粉末とSi被覆カーボンナノチューブとの混合物中のカーボンナノチューブ量を0.4質量%に変え、熱間圧延における圧下率を77%に変えた以外は実施例2と同様にして、実施例3のチタン合金複合材料を得た。引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0030】
<実施例4>
平均繊維径10〜25nmおよび平均繊維長10〜50μmの多層型カーボンナノチューブ20gと平均粒径10μmのCr粉末6gとを電子天秤にて秤量後、乳鉢内で約30分混合した。得られた混合物を1Lのタンタル製容器内に投入し、タンタル製の蓋を載せた後、容器を真空炉内に入れた。真空度2×10−3Paまで真空引きしながら室温から300℃まで7時間かけて昇温した後、さらに1273℃まで4時間かけて昇温し、1273℃で5時間保持してCrを昇華させ、カーボンナノチューブの表面を被覆した。1273℃で保持中の真空度はCrの昇華よって3×10−3Pa程度に保持された。その後、真空中で炉冷し、Crで被覆されたカーボンナノチューブを得た。得られたカーボンナノチューブをX線回折測定した結果を図8に示した。このX線回折測定および超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡によるEDX分析と観察の結果、カーボンナノチューブの表面に、薄い箇所で1〜2nm、厚い箇所で3nm程度の表面改質層(Cr、CrおよびCrを含む層)が形成されていることが分かった。
【0031】
チタン合金粉末として、粉末アトマイズ法により作製され、+45μmが2.3質量%)、38〜45μmが20.2質量%、25〜38μmが27.8質量%および−25μmが49.7質量%の粒度分布を有するTi−6Al−4V合金を準備した。このチタン合金粉末と先に得られたCr被覆カーボンナノチューブとの混合物中に、カーボンナノチューブが0.4質量%含まれるように秤量した。粉末の攪拌混合装置の一種であるハイブリダイザー(奈良機械製作所製)を用いて、アルゴンガス中で混合物に機械的衝撃力を加え、Cr被覆カーボンナノチューブをチタン合金粉末表面直下に固定化した。
【0032】
上記固定化処理した原料粉末を50g秤量し、パルス通電焼結装置の黒鉛型に投入し、黒鉛シリンダーで原料粉末を30MPaで加圧、真空度4Paオーダーに減圧し、室温から900℃まで昇温速度100℃/分で昇温させ、その後900℃で5分間保持して焼結させた。
【0033】
次いで焼結体を35mm×35mm×5mmに切断し、熱間圧延時の酸化を防ぐためにステンレス鋼SUS304板材でパック溶接を行った。これをバーナー加熱によって約800℃まで加熱し、圧延歪量/pass:0.1、圧下率82%で、長手方向に板材として熱間圧延した後、パック材を除去し、真空炉に投入、真空引き後、アルゴンガス(133Pa)置換しながら500℃で8時間、時効処理を施して、実施例4のチタン合金複合材料を得た。引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0034】
<実施例5>
チタン合金粉末とCr被覆カーボンナノチューブとの混合物中のカーボンナノチューブ量を0.5質量%に変え、熱間圧延における圧下率を81%に変えた以外は実施例4と同様にして、実施例5のチタン合金複合材料を得た。引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0035】
<比較例1>
実施例1で使用したものと同じチタン合金粉末を50g秤量し、パルス通電焼結装置の黒鉛型に投入し、黒鉛シリンダーでチタン合金粉末を30MPaで加圧、真空度4Paオーダーに減圧し、室温から900℃まで昇温速度100℃/分で昇温させ、その後900℃で5分間保持して焼結させた。次いで焼結体を35mm×35mm×5mmに切断し、熱間圧延時の酸化を防ぐためにステンレス鋼SUS304板材でパック溶接を行った。これをバーナー加熱によって約800℃まで加熱し、圧延歪量/pass:0.1、圧下率68%で、長手方向に板材として熱間圧延し、比較例1のチタン合金を得た。引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0036】
<比較例2>
熱間圧延を省略する以外は比較例1と同様にして、比較例2のチタン合金複合材料を得た。比較例2のチタン合金複合材料の材料強度測定結果を図6に示した。また、引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0037】
<比較例3>
Siで被覆せずに多層型カーボンナノチューブをそのまま使用する以外は実施例2と同様にして、比較例3のチタン合金複合材料を得た。引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0038】
<比較例4>
熱間圧延を省略する以外は実施例1と同様にして、比較例4のチタン合金複合材料を得た。比較例4のチタン合金複合材料の材料強度測定結果を図6に示した。また、引張り強度、ヤング率および硬さ測定の結果を表1にまとめて示した。
【0039】
以上の結果から明らかなように、実施例1〜5のチタン合金複合材料は、1500MPa以上の引張り強度および120GPaを超えるヤング率を有しており、従来のチタン合金(比較例1および2)よりも機械的強度が著しく向上している。
一方、熱間圧延を省略した(チタン合金の結晶粒内にカーボンナノチューブを分散させてない)比較例4は、引張り強度が493MPaと低く、従来のチタン合金(比較例1および2)よりも機械的強度に著しく劣るものであった。これは、チタン合金微粒子の周囲にカーボンナノチューブや炭化チタンがゆで卵の殻状に存在し、ここが起点となって亀裂が発生するために十分な機械的強度が得られないものと考えられる。
また、Si被覆を施さないカーボンナノチューブを使用した比較例3も、従来のチタン合金(比較例1および2)よりも機械的強度に劣るものであった。これは、チタン合金とカーボンナノチューブとの密着が不十分なために十分な機械的強度が得られないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のチタン合金複合材料の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】実施例1におけるSiで被覆されたカーボンナノチューブのX線回折測定結果である。
【図3】実施例1における炭素繊維が固定化されたチタン合金粉末の超高分解能FE−SEM画像である。
【図4】実施例1における焼結体金属組織の金属顕微鏡画像である。
【図5】実施例1において得られたチタン合金複合材料金属組織の金属顕微鏡画像である。
【図6】実施例1および2ならびに比較例2および4で得られた材料の強度測定結果である。
【図7】実施例1で得られたチタン合金複合材料の材料強度測定後の破断面である。
【図8】実施例4におけるCrで被覆されたカーボンナノチューブのX線回折測定結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素と反応して炭化物を生成する元素およびその炭化物を含む層で被覆された炭素繊維が、チタン合金の結晶粒内に分散されていることを特徴とするチタン合金複合材料。
【請求項2】
前記元素が、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)およびカルシウム(Ca)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金複合材料。
【請求項3】
前記炭素繊維が、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のチタン合金複合材料。
【請求項4】
0.1質量%〜10質量%の前記炭素繊維を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のチタン合金複合材料。
【請求項5】
前記層の厚さが、少なくとも0.5nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のチタン合金複合材料。
【請求項6】
炭素繊維と、炭素と反応して炭化物を生成する元素からなる粉末とを混合した後、高温真空下で前記元素を昇華させて、前記元素およびその炭化物を含む層で前記炭素繊維を被覆する工程、
前記工程で得られた炭素繊維と、チタン合金粉末とを混合し、この混合物に機械的衝撃力を加えることによって前記チタン合金粉末の表面に前記炭素繊維を固定化する工程、
前記工程で得られた炭素繊維固定化チタン合金粉末を焼結させる工程、および
前記工程で得られた焼結体に塑性加工を施して、チタン合金の結晶粒内に前記炭素繊維を分散させる工程
を含むことを特徴とするチタン合金複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記塑性加工されたチタン合金複合材料を時効処理する工程をさらに含む請求項6に記載のチタン合金複合材料の製造方法。
【請求項8】
前記焼結が、パルス通電焼結法により行われることを特徴とする請求項6または7に記載のチタン合金複合材料の製造方法。
【請求項9】
前記塑性加工が、熱間圧延プロセスおよび恒温鍛造プロセスから選択される少なくとも1つにより行われることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のチタン合金複合材料の製造方法。
【請求項10】
前記元素が、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)およびカルシウム(Ca)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載のチタン合金複合材料の製造方法。
【請求項11】
前記炭素繊維が、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載のチタン合金複合材料の製造方法。
【請求項12】
前記炭素繊維とチタン合金粉末との混合物中に前記炭素繊維が0.1質量%〜10質量%含まれることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載のチタン合金複合材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−70697(P2007−70697A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259797(P2005−259797)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(503467610)株式会社イーアンドエフ (4)
【出願人】(391001619)長野県 (64)
【Fターム(参考)】