説明

テープ縫付け装置および生地への印付け装置

【課題】薄い生地や伸びのある生地でも正確な印付けを行うことのできるテープ縫付け装置および印付け装置を提供する。
【解決手段】生地をX方向に広げた状態に載置可能なテーブル10と、このテーブル10上に載置された生地をY方向へ送る布送り手段40,50と、印を付けるマーカー部24と、このマーカー部24をテーブル10上に近接させたり離間させたりするマーカー駆動部250と、マーカー駆動部250をX方向に移動させるマーカー搬送手段(30〜32)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カーテン生地にリングテープやシャープシェードテープなどのテープを縫い付けるテープ縫付け装置、並びに、生地への印付けを行う印付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、紐を引くことでカーテンが裾部から折重なるように上昇して開くようにされたシェードカーテンがある。このようなカーテンは、カーテン生地に複数列のリングを付け、これらのリングに紐を通すことで構成される(図13(a),(b)参照)。
【0003】
リング付けは、図13(a)に示すように、予めテープにリングが付けられたリングテープTを用いる場合と、図13(b)に示すように、カーテン生地Kの横方向にファイバー芯を入れるシャープシェードテープT2を先ずカーテン生地Kに縫い付けて、このシャープシェードテープT2にその後にリングを縫い付けて行う場合などがある。リングテープTを用いる場合には、図13(a)に示すように、カーテン生地Kの縦方向に複数のリングテープTを縫い付ける。また、シャープシェードテープT2を用いる場合には、図13(b)に示すように、カーテン生地Kの横方向に複数のテープT2を縫い付け、テープ縫付け後にこのシャープシェードテープの所定位置にリングを取り付ける。
【0004】
また、このようなシェードカーテンにおいては、カーテンの天部や脇部から所定の長さだけ離れた箇所にテープを縫い付ける必要があり、また、シャープシェードテープを用いる場合には、縫い付け後のシャープシェードテープの所定位置にリングを取り付ける必要がある。そのため、カーテン生地KにテープT,T2を縫い付ける際には、カーテン生地Kに裁断線を引いて、この裁断線から所定長離れた位置にテープT,T2を縫い付けたり、また、テープT2を縫い付けた後にテープT2上の所定の位置にリング取付け用の印を付ける必要がある。
【0005】
また、本発明に関連する従来技術として、例えば、特許文献1には和裁用印付け装置が開示されている。この装置は、テーブル上に反物を広げて固定し、このテーブルの上をヘラ付け装置がX−Yの2次元方向に移動して、反物に種々の形状の裁断線を形成していくものである。
【特許文献1】特開2004−353144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カーテン生地にテープを縫い付ける工程は、一般に次のようにして行われる。すなわち、カーテン生地に人手により裁断線やテープ縫付け位置の印付けを行う。その後、裁断線に沿ってカーテン生地を裁断するととともに、通常のミシン等を用いてテープ縫付け位置へテープを縫い付けていく。しかしながら、カーテン生地は、例えば、幅方向に伸びが大きいものであったり、また、裁断線も長いものになるため、物差しなどを利用して人手により印付けを行ったのでは、生地の押さえ方によって生地がさまざまに伸びて正確な印付けは難しい。また、テープの縫付け位置に印付けを行った場合には、テープを縫い付けた後にこの印を消さなければならずこの作業はとても煩雑であった。
【0007】
また、上記従来の印付け装置のように、テーブル上に生地を広げて固定し、その上を2次元方向にヘラ等の印付けが移動して印し付けを行うものでは、カーテン生地のように縦横ともに寸法の長い生地を扱う場合に、テーブルや印付けの移動機構が非常に大掛かりなものになるという課題がある。また、薄い生地や伸びの大きな生地を扱う場合には、生地の完全な固定が難しく、それにより正確な印付けが困難になるという課題があった。
【0008】
この発明の目的は、薄い生地や伸びのある生地でも正確な印付けを行うことのできるテープ縫付け装置および印付け装置を提供することにある。
【0009】
また、カーテン生地への裁断線等の線付け、テープの縫い付け、或いは、縫付け後のテープへリング取付け位置の印しを付ける作業などを、一連の処理によって連続的に実行できるテープ縫付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
カーテン生地をX方向に広げた状態に載置可能なテーブルと、
このテーブル上に載置されたカーテン生地を前記X方向と交差するY方向へ送る布送り手段と、
カーテン生地にテープを縫い合わせる縫製ヘッドと、
この縫製ヘッドを前記X方向に移動させるヘッド搬送手段と、
カーテン生地又は前記テープに印を付けるマーカー部と、
このマーカー部を前記X方向に移動させるマーカー搬送手段と、
を備えていることを特徴とするテープ縫付け装置である。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のテープ縫付け装置において、
前記ヘッド搬送手段と前記マーカー搬送手段とは共通化され、
さらに、前記マーカー部を前記テーブル上まで近接させたり離間させたりするマーカー駆動部を備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のテープ縫付け装置において、
前記布送り手段は、
前記テーブル上でカーテン生地のX方向の幅の大半の箇所を保持可能な第1保持手段と、
この第1保持手段と平行して前記テーブル上でカーテン生地のX方向の幅の大半の箇所を保持可能な第2保持手段と、
前記第1保持手段を前記Y方向へ移動させる移動手段と、
を有し、
前記第1保持手段がカーテン生地を保持し且つ前記第2保持手段がカーテン生地を解放した状態で、前記第1保持手段がY方向へ移動することでカーテン生地がY方向に送られ、
前記第1保持手段がカーテン生地を解放し且つ前記第2保持手段がカーテン生地を保持した状態で、前記第1保持手段がY方向へ移動することで第1保持手段によるカーテン生地の保持位置がY方向に変更されるように構成され、
前記マーカー搬送手段は、前記第1保持手段と前記第2保持手段とがカーテン生地を保持した箇所の間の部位に前記マーカー部を接触させて印を付けるように構成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のテープ縫付け装置において、
前記布送り手段にカーテン生地がセットされた後、或いは、前記布送り手段を動作させてカーテン生地を所定量送った後に、前記マーカー搬送手段を動作させてカーテン生地に裁断用の印し線を付ける制御手段を備えていることを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項2記載のテープ縫付け装置において、
前記縫製ヘッドとヘッド搬送手段とを動作させてカーテン生地にテープを縫い付けた後に、前記マーカー搬送手段と前記マーカー駆動部を動作させて、縫い付けたテープの所定位置にリング取付け用の印しを付ける制御手段を備えていることを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の発明は、
生地をX方向に広げた状態に載置可能なテーブルと、
このテーブル上に載置された生地を前記X方向と交差するY方向へ送る布送り手段と、
印を付けるマーカー部と、
このマーカー部を前記テーブル上に近接させたり離間させたりするマーカー駆動部と、
このマーカー駆動部を前記X方向に移動させるマーカー搬送手段と、
を備えたことを特徴とする生地への印付け装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に従うと、カーテン生地への裁断線の線付けや、テープの縫い付け、或いはテープ上への印し付け等を、一連の処理によって自動的或いは半自動的に遂行することができる。また、それゆえ、テープ付けの加工精度と同様の精度で、カーテン生地上に例えば裁断線を付けたり、カーテン生地やテープ上の所定の位置に例えばリング取付け位置などの印付けを行うことができる。
【0017】
また、縦横共に幅の広い生地を処理する場合でも、印付けのY方向の位置移動については布送り手段により生地を送って対応するので、印付けの手段をX−Yの二次元方向に移動させる構成と比較して、テーブルや装置がさほど大掛かりにならない。
【0018】
また、生地はX方向に広げられた状態にされるが、Y方向には布送り手段にセットされた状態となり、大きく広げられて固定されるものではないので、薄い生地や伸びのある生地でも、印付け中に生地の固定がずれにくく、正確な位置への印付けが実現できる。
【0019】
さらに、上記の第1保持手段と第2保持手段とからなる布送り手段を採用することで、安定的に且つ生地ずれなく、正確な送り量で布送りを行うことができる。また、これら第1保持手段と第2保持手段により生地を保持させた状態でこれらの間の箇所に印を付けるようにすることで、印し付けの際の生地の固定もより確実なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態のテープ縫付け装置1を示す斜視図、図13は、シェードカーテンの一例を示すもので、(a)はリングテープを用いたもの、(b)はシャープシェードテープを用いたものである。
【0022】
この実施形態のテープ縫付け装置1は、カーテン生地KにリングテープTやシャープシェードテープT2などのテープを縫い付けるとともに、カーテン生地Kに裁断線を付けたりテープT2上のリングの取付け位置に印し付けをしたりするものである。
【0023】
テープ縫付け装置1は、図1に示すように、カーテン生地KがX方向に広げられた状態で載置されるX方向に長いテーブル10と、縫い針21やマーカー24を有する縫製ヘッド20と、この縫製ヘッド20をX方向に移動させるための支柱30と、テーブル10上のカーテン生地Kを奥方で把持して固定するとともにY方向にスライド移動可能にされた第1把持機構40と、テーブル10上のカーテン生地Kを手前側で把持して固定する第2把持機構50と、装置の動作制御を行う制御回路(制御手段)を内蔵し布送り量や印付けの位置などの設定データが入力される制御パネル70等を備えている。第1把持機構40と第2把持機構50は、テーブル10上でカーテン生地KをY方向に送る布送り機構を構成するものである。
【0024】
また、このテープ縫付け装置1には、図示は省略するが、テーブル10の下側で縫製ヘッド20と協働して縫目を形成する釜機構と、この釜機構を縫製ヘッド20と同期させてX方向に移動させる搬送機構が設けられている。
【0025】
テーブル10は、カーテン生地Kの一方をX方向に広げて載置できるように、Y方向に比べてX方向に長い形態にされている。このテーブル10の上記縫製ヘッド20が搬送される部位の下側には、縫い針21を下側に貫通させるスリット12(図8,図9参照)が形成され、その他の部分は平坦に形成されている。また、テーブル10の手前側にはカーテン生地Kの一端側を受ける生地受け13が形成されている。
【0026】
縫製ヘッド20には、縫い針21や布押え22を上方に退避させたりテーブル10に近接させたりする昇降機構が設けられ、テープを縫い付けるテープ付け工程の際には昇降機構が降り、その他の工程時には昇降機構が上るようになっている。また、昇降機構が降りたときには、動力伝達シャフト35の回転運動がベルト23を介して縫製ヘッド20に伝達され、この動力により縫い針21が上下に運動してカーテン生地Kに縫目を形成するようになっている。テーブル10の下側にも、同様の動力伝達シャフトが設けられ、この動力伝達シャフトから釜機構に動力が伝達されて釜が回転するようになっている。上側の動力伝達シャフト35とテーブル下の動力伝達シャフトはリンクして回転駆動され、それにより縫い針21と釜機構とが連動して縫目を形成するようになっている。図示は省略するが、動力伝達シャフト35や釜機構用の動力伝達シャフト35を回転駆動する駆動モータは装置の側面フレームF2の裏側に設けられ、制御パネル70内の制御回路によって駆動制御されるようになっている。
【0027】
また、支柱30には横方向に2本のレール31,31が形成され、このレール31,31に縫製ヘッド20の機枠29が連結されて、縫製ヘッド20がX方向にスライド移動可能になっている。縫製ヘッド20は、装置の側面フレームF2,F2の間に架設される搬送ベルト32に連結されており、この搬送ベルト32が回動移動することで縫製ヘッド20がX方向に搬送されるようになっている。テーブル10の下側にも、同様に釜機構と連結されるレールを備えた支柱や搬送ベルトが設けられ、搬送ベルトが回動移動することで釜機構がX方向に移動するようになっている。縫製ヘッド20を移動させる搬送ベルト32と、釜機構を移動させる搬送ベルトとはリンクして回動駆動され、それにより縫製ヘッド20と釜機構とが対応した位置で同一量だけX方向に移動するようになっている。搬送ベルト32を回動させる駆動モータは、回転量の制御が可能なサーボモータからなり、例えば側面フレームF2の裏側に設けられ、制御パネル70内の制御回路によって駆動制御されるようになっている。上記の支柱30、レール31,31、搬送ベルト32および駆動モータによってヘッド搬送手段やマーカー搬送手段が構成されている。
【0028】
図2には、縫製ヘッド20に設けられたマーカー駆動部の構成を示す三面図を、図3には、マーカー駆動部の動作を示す説明図を示す。
【0029】
縫製ヘッド20には、図2に示すように、マーカー24をテーブル10より上方に退避させたり、テーブル10の近傍まで降下させるマーカー駆動部250が設けられている。マーカー駆動部250は、縫製ヘッド20のフレーム20Aに固着されたレール255と、このレール255に沿って上下動するスライドブロック256と、マーカー24を保持したホルダーブロック24aと、スライドブロック256およびホルダーブロック24aが止着されるフレーム254と、このフレーム254の張出部254aに係合してフレーム254を昇降させる駆動部としてのエアシリンダ251と、エアシリンダ251のプランジャ252を引き戻すバネ部材253等から構成される。
【0030】
張出部254aには、エアシリンダ251のプランジャ252が遊嵌される貫通孔254bが形成されている。プランジャ252の先端部252aは、貫通孔254bより幅広に形成され、貫通孔254bがこのプランジャ252の先端部252aに引っかかって係止されるようになっている。
【0031】
図3(a)に示すように、エアシリンダ251に圧力が加えられてプランジャ252が伸びることで、張出部254aの係止が解けてフレーム254が自重によりレール255に沿って降下する。そして、マーカー24のペン先がテーブル10上のカーテン生地Kやテープ上に接触する。このとき、エアシリンダ251のプランジャ252は、張出部254aの貫通孔254bに遊嵌した状態にあるので、エアシリンダ251の駆動力はそのままマーカー24に伝わることなく、マーカー24はフレーム254等の重さを合わせた自重によってテーブル10上に接触した状態となる。これにより、マーカー24とカーテン生地Kやテープとは適宜軽いタッチで接触することとなり、マーカー24が落ちた状態のまま縫製ヘッド20がスライド移動してもカーテン生地Kやテープがずれてしまうことがない。
【0032】
そして、図3(b)に示すように、エアシリンダ251の圧力が解除されることで、バネ部材253がプランジャ252を引き戻して、マーカー24がテーブル10から浮き上がるようになっている。
【0033】
なお、フレーム254とスライドブロック256とのネジ止着の位置を、図2(a)の長孔254e,254eに沿って横方向にずらすことで、マーカー24の先端位置をY方向に微調整することが可能になっている。また、フレーム254とホルダーブロック24aの止着位置を図2(b)の長孔254f,254fに沿って上下でずらして固定することで、マーカー24を鉛直な状態からX方向に沿って倒して角度を微調整することが可能になっている。
【0034】
図4には、布送り機構を構成する第2把持機構50の平面図を示す。図5には、第2把持機構50の動作を表わした説明図を示す。
【0035】
第2把持機構50は、テーブル10の手前側でカーテン生地Kを把持して固定したり、この固定を解除したりするものである。この第2把持機構50は、上下方向に伸びるレール511が設けられたレールブロック51と、レール511にスライド自在に嵌合されたスライドブロック52と、このスライドブロック52を昇降駆動する駆動ベルト53(図1参照)と、左右のスライドブロック52,52の間に架設された支柱55と、この支柱55に沿って幅方向に並列に設けられた複数の布押え板56,56…と、これら複数の布押え板56,56…の基部を保持しその駆動部が設けられた駆動ブロック57と、布押え板56,56…を動作させる操作スイッチ等を有する操作ブロック58等から構成される。
【0036】
上記のレールブロック51は装置の側面フレームF2に固定されている。また、上記の駆動ブロック57と操作ブロック58は支柱55に固着されている。
【0037】
布押え板56,56…は、例えば平たいスティック形状をしており、その先端側に生地がすべるのを防止する滑止材料が付加されている。
【0038】
駆動ブロック57には、例えばエアシリンダなどの駆動機構がその内部に設けられ、この駆動により布押え板56,56…を少量だけ昇降運動させることが可能になっている。また、駆動ブロック57の内部には、上記の駆動機構が複数系統設けられ、一列に並んだ複数の布押え板56…を複数に分割したブロックB0単位で一時的に布押え板56…を昇降動作させることも可能になっている。
【0039】
操作ブロック58には、布押え板56…をブロックB0単位で昇降させる操作スイッチ581…に加え、装置の動作を1ステップ進める操作スイッチ583(図1参照)や、1ステップ戻す操作スイッチ584(図1参照)などが設けられている。
【0040】
上記構成により、駆動ベルト53が回動してスライドブロック52がレール511に沿って上下に移動することで、図5(a),(b)に示すように、支柱55ごと布押え板56…が大きく昇降し、支柱55が最下点まで降下したときに布押え板56がテーブル10から僅かに浮いた状態にされる。そして、この状態で駆動ブロック57の駆動機構が動作することで、図5(c)に示すように、布押え板56…が僅かに降下してその先端部がテーブル10上に圧接されるようになっている。これにより、テーブル10上にカーテン生地Kが置かれている場合には、テーブル10と布押え板56…との間に生地が把持されて固定される。
【0041】
また、カーテン生地Kの位置合わせを行う場合などには、操作ブロック58上の個別の操作スイッチ581を操作することで、布押え板56…がブロックB0単位で昇降動作して、カーテン生地Kを部分的に仮固定することができるようになっている。
【0042】
図6には、布送り機構を構成する第1把持機構40の平面図を、図7には、第1把持機構40の動作を表わした説明図を示す。
【0043】
第1把持機構40は、テーブル10の奥側でカーテン生地Kを把持して固定したり、この把持を解除したり、また、カーテン生地Kを把持する機構をY方向に移動可能としたものである。この第1把持機構40は、カーテン生地Kを上から把持する複数の布押え板41…と、カーテン生地Kの下側に配置される下敷き板42と、布押え板41…の基部が保持されるとともにその駆動部を有した駆動ブロック43と、装置の幅方向に架設されて上記の駆動ブロック43が固定される支柱44と、支柱44を上下と前後の2方向にスライド可能とするスライドブロック45と、スライドブロック45の変位方向に沿って支柱44を上下前後に動かすエアシリンダなどの駆動部46と、上記の下敷き板42、スライドブロック45および駆動部46が固定される側面ベース47と、この側面ベース47をY方向に大きくスライド自在なように連結するレール48と、回動駆動して側面ベース47をY方向に移動させる搬送ベルト49等を備えている。
【0044】
布押え板41,41…は、例えば平たいスティック形状をしており、その先端側に生地がすべるのを防止する滑止材料が付設されている。
【0045】
下敷き板42は、薄い板形状でX方向に長い部材からなり、布押え板41,41…と協働してカーテン生地Kを把持するものである。下敷き板42は金具42bを介して側面ベース47に固着されている。また、下敷き板42には、例えば、布端位置を合わせる基準線Aが記されている。
【0046】
駆動ブロック43には、例えばエアシリンダなどの駆動機構がその内部に設けられ、この駆動により布押え板41,41…を少量だけ昇降運動させることが可能になっている。
【0047】
このような構成により、上記の駆動部46が駆動して支柱44のフレーム44aに駆動力を及ぼすことで、スライドブロック45がスライド移動して、布押え板41が下敷き板42より後方上段の位置に退避した状態(図7(a))から、布押え板41が下敷き板42に近接した位置まで降下し(図7(b))、さらに、布押え板41の先端が基準線Aを超えて下敷き板42の前方まで移動するようになっている(図7(c))。前方まで移動した際には、布押え板41の先端が下敷き板42の手前側の辺とほぼ重なる位置に配置されるようになっている。
【0048】
そして、この状態で駆動ブロック43の駆動機構が動作することで、布押え板41が下降して下敷き板42に圧接するようになっている(図7(d))。これにより布押え板41と下敷き板42との間にカーテン生地Kがセットされた状態でこのカーテン生地Kが把持されて固定されるようになっている。
【0049】
また、ここで搬送ベルト49が回動して側面ベース47がY方向に移動することで、布押え板41と下敷き板42とが、図7(d)の状態のままY方向に移動して把持されたカーテン生地KがY方向に送られるようになっている。また、図7(c)の状態でY方向に移動することでカーテン生地Kの把持位置をY方向に変位できるようになっている。搬送ベルト49を回動させる駆動モータは、回転量の制御が可能なサーボモータからなり、例えば、装置の側面フレームF2,F2の裏側に設けられ、制御パネル70の制御回路によって駆動制御されるようになっている。
【0050】
制御パネル70には、制御プログムに従って制御処理を実行する制御回路が設けられ、この制御回路の制御処理によって各駆動部や各駆動モータが駆動するようになっている。例えば、エアシリンダの弁を開閉制御してエアシリンダのプランジャが伸縮動作したり、サーボモータに駆動信号が出力されてサーボモータが所定量だけ回転駆動したりする。また、作業者が各部のスイッチを操作することでこのスイッチ信号が上記制御回路に入力されて、操作に応じた動作がなされるようになっている。すなわち、処理を1ステップ進める操作がなされることで、所定の処理ステップに沿って、1ステップ分の処理を実行して停止する制御が行われたり、また、逆の操作が可能な処理ステップであれば(例えば第1把持機構40や第2把持機構50の昇降動作など)、戻すの操作がなされることで、1ステップ分の処理動作を戻して停止する制御が行われる。
【0051】
次に、上記のテープ縫付け装置1を用いたテープ縫付け工程の動作について説明する。先ず、カーテン生地Kを横向きにセットしてカーテンの縦方向にリングテープを縫い付けていく処理の一例について説明する。
【0052】
図8には、生地のセットから裁断線の印付け工程までの動作の流れを説明する図を、図9には、生地を所定長送ってテープ付けを行うまでの装置の動作の流れを説明する図を示す。なお、図8と図9においては、布押え板41,56やカーテン生地Kの動きを分かりやすくするために、カーテン生地Kとテーブル10との間に隙間が開いたように描いているが、実際はカーテン生地Kはテーブル10に接触した状態にされる。
【0053】
リングテープの縫付け処理では、先ず、作業者が初期操作を行うことで、図8(a)に示すように、第1把持機構40の布押え板41が後方上段の位置に退避し、第2把持機構50の布押え板56が上方に退避した状態となる。ここで、作業者は、カーテン生地Kをテーブル10と布押え板41,56との間に通してセットする。
【0054】
次に、作業者が1ステップ分の動作を進める操作を行うことで第2把持機構50の支柱55が降下して(図5(b)参照)、布押え板56がカーテン生地Kから少し浮いた状態で停止する。ここで、作業者はブロックB0単位で布押え板56を昇降させる操作スイッチ581を操作することで、図8(b)に示すように、部分的に布押え板56を下降させてカーテン生地Kを仮固定させながら、カーテン生地Kの先端を下敷き板42の基準線Aに合わせる。
【0055】
カーテン生地Kの先端が基準線Aに合ったら、作業者が1ステップ進める操作を行うことで、図8(c)に示すように、第1把持機構40が動作して布押え板41と下敷き板42との間にカーテン生地Kを把持してカーテン生地Kが固定される。また、ここで、第2把持機構50も動作して全ての布押え板56によりカーテン生地Kが把持されてカーテン生地Kが固定される。
【0056】
そして、この状態で、作業者が1ステップ進める操作を行うことで、図8(d)に示すように、マーカー駆動部250と縫製ヘッド20を搬送する駆動モータとが駆動制御されて、カーテン生地Kに直線状の印が付けられる。具体的には、マーカー駆動部250の駆動によってマーカー24がテーブル10の位置まで降下させたり引き上げたりしながら、縫製ヘッド20が支柱30に沿って一方から生地端まで搬送される。それにより、第1把持機構40と第2把持機構50とに把持された間のカーテン生地Kの位置にマーカー24の先端が間歇的に接触され、それによりカーテン生地KにX方向に伸びる直線点線状の裁断線が付けられる。マーカー24を間歇的にカーテン生地Kに接触させるのはインクの消費量を減らすためのものである。
【0057】
なお、縫製ヘッド20をカーテン生地Kの生地端で停止させる制御は、例えば、ユーザが制御パネル70にカーテン生地Kの幅長を入力しておき、制御回路がこの値に基づいて縫製ヘッド20を搬送するサーボモータの回転量を制御することで実現される。その他、縫製ヘッド20に布の有無を検出する光学センサー等を設けておき、このセンサー出力に基づき生地端を検出して停止制御するように構成することもできる。
【0058】
縫製ヘッド20がカーテン生地Kの生地端まで移動されたら、制御回路の駆動制御によってマーカー駆動部250の駆動が解除され、それによりマーカー24が上方に退避される。そして、この状態で、縫製ヘッド20がX方向に移動されて初期位置まで戻される。
【0059】
図10には、テープ縫付け装置による各工程の加工内容を説明する図を示す。
【0060】
上記のような一連の処理により、先ず、図10の「第1工程」の裁断線の線引きが完了する。線引きの際には、カーテン生地Kの布端が下敷き板42の基準線Aに合わせられた状態で行われるので、裁断線はカーテン生地Kの先端から所定長離れた箇所に付けられる。
【0061】
なお、この裁断線の線引き工程については、例えば、既に生地端が正確に裁断されていて裁断しなおす必要がない場合などには省略することが可能である。最初の裁断線の線引きを行うか否かの選択は、作業者が制御パネル70を操作することで設定できるようになっている。
【0062】
裁断線の線引き工程が完了したら、次に、テープの縫付け工程に移行する。すなわち、裁断線の線引き工程が完了して作業者がステップを進める操作を行うと、図9(a)に示すように、先ず、第2把持機構50の駆動ブロック57の駆動により全ての布押え板56が上昇して第2把持機構50によるカーテン生地Kの手前側の固定が解除される。さらに、第1把持機構40の搬送ベルト49が所定量だけ回動駆動されることで、布押え板41と下敷き板42との間にカーテン生地Kが把持された状態のまま、これらがY方向に所定量移動する。それにより、カーテン生地KがY方向に所定量送られる。
【0063】
さらに、制御回路による駆動制御が続けられて、図9(b)に示すように、第2把持機構50の駆動ブロック57の駆動により全ての布押え板56が下降してカーテン生地Kが把持され、さらに、第1把持機構40の駆動ブロック43の駆動により布押え板41が上昇して第1把持機構40によるカーテン生地Kの固定が解除される。続いて、図9(c)に示すように、第1把持機構40の搬送ベルト49が所定量だけ回動駆動されることで、布押え板41が下敷き板42より浮いた状態のまま、これらがY方向(前方)に所定量移動されて初期位置に戻される。そして、図9(d)に示すように、第1把持機構40の駆動ブロック43の駆動により、布押え板41が下降してカーテン生地Kが下敷き板42と布押え板41とにより把持されて固定される。
【0064】
ここで、カーテン生地Kの送り量は、作業者が予め制御パネル70に設定入力しておくことで、設定量だけ送られることとなる。
【0065】
図9(d)の状態になると、制御回路の制御によって動作が停止されるので、ここで、作業者は縫い付けるテープTの先端をカーテン生地Kの左端にセットして留める。詳細には、縫製ヘッド20の布押え22の上面側にテープTを通し、テープTの先端を布押え板41,56の間のカーテン生地Kの左端にセットして留める。
【0066】
このようにテープTをセットしたら、作業者は縫い付けの動作を開始させる操作を行う。すると、図9(e)に示すように、縫製ヘッド20の縫製部(布押え22や縫い針21)が下降され、且つ、動力伝達シャフト35が回転駆動されながら縫製ヘッド20がX方向に進められ、それによりカーテン生地KにテープTが縫い付けられていく。これらの駆動やX方向への移動はテーブル10の下側の釜機構に対しても同様に行われ、縫い針21と釜27の協働により縫目が形成されてカーテン生地KにテープTが縫い合わされていく。この縫い付け動作の際、縫製ヘッド20の布押え22は第1把持機構40の布押え板41と第2把持機構50の布押え板56との間の位置に下りてX方向に進んでいくようにされる。
【0067】
そして、テープTを設定量だけ縫い付けたら、この縫製動作が停止され、縫製部が上方に退避されて、縫製ヘッド20がX方向に移動されて初期位置まで戻される。テープTの縫付け量は、例えば、作業者が予め制御パネル70により入力しておくことで、その長さに制御される。また、縫製ヘッド20にテープ端を検出するセンサーを設けておき、このセンサー出力に基づきテープ端まで縫付け処理を行うように構成することもできる。
【0068】
このような縫付け処理により、図10の「第2工程」に示すテープ付けの処理が完了する。第1工程の裁断線Sの線付けの位置と第2工程のテープTの縫付け位置とはテーブル10上の同一の箇所において行われるので、これら裁断線SとテープTの縫付け位置との間隔は第1把持機構40による布送り量に正確に制御される。
【0069】
続いて、図9(a)〜(e)の制御動作を必要な回数繰り返すことで、図10の「第3工程〜第4工程」に示すように、複数のテープTを所定の間隔をあけた位置に縫い付けていくことができる。また、所定数のテープTを縫い付けた後に、図9(a)〜(d)の制御動作行うことでカーテン生地Kを所定量送り、さらに図8(d)の制御動作を行ってマーカー24をカーテン生地Kに落として線付けを行わせることで、図10の「第5工程」に示すようにテープTの縫付け位置から所定の間隔をあけた位置に裁断線Sを引くことができる。
【0070】
また、同様に、図10の「第5工程」の裁断線Sに続いて、「第6工程〜第8工程」のテープTの縫い付けの処理を続けて行うことで、複数枚分のカーテンの処理を連続して行うことも可能となる。ここで、テープTの縫付け長さ、テープT同士の間隔、裁断線SとテープTとの間隔は、複数のカーテンの各々ごとに制御パネル70に入力して設定変更することが可能になっている。
【0071】
次に、シャープシェードテープT2を縫い付けるときの説明を行う。
【0072】
図11には、シャープシェードテープT2上の所定位置に印付けを行う際の縫製ヘッドの動作を示す説明図を、図12には、シャープシェードテープT2を縫い付ける際の各工程の加工内容を説明する図を示す。
【0073】
シャープシェードテープT2は、カーテンの横方向に縫い付けていくものである。シャープシェードテープT2を縫い付ける際には、先ず、カーテン生地Kをその裾側の辺を下敷き板42の基準線Aに合わせるようにセットして、裾側からテープT2を縫い付けていく。さらに、シャープシェードテープT2の縫付け処理においては、テープ付けの工程においてテープT2の所定の位置にリング付け用の印を付ける処理が追加される。その他の工程処理は、図8〜図10に示したリングテープの縫付け処理の工程とほぼ同様である。
【0074】
先ず、図8や図10に示したように、第1工程で裁断線の線引きを行う。なお、既にカーテン生地Kの裾部分の三折り加工が済んでいる場合や、新たに裁断せずともカーテン生地Kの縁部分が正確に裁断されている場合には、この裁断線の線引きの工程は省略することができる。
【0075】
次に、図9(a)〜(d)に示したように、第1把持機構40と第2把持機構50によりカーテン生地Kを所定量送り、その後、テープT2をセットした後、図11(a)に示すように縫製ヘッド20の縫製部(縫い針21や布押え22)をカーテン生地K上に降下させ、縫製部を駆動させながら縫製ヘッド20をX方向に移動させてカーテン生地KにテープT2を縫い付けていく。
【0076】
そして、縫製ヘッド20を所定長移動させてテープT2を縫い付けたら、図11(b)に示すように、縫製ヘッド20の縫製部(縫い針21や布押え22)を上方に退避させ、更に、搬送ベルト32を逆方向に回動移動させて、図11(b)〜(e)に示すように縫製ヘッド20を初期位置(左端位置)まで引き戻す。
【0077】
さらに、この縫製ヘッド20を初期位置まで引き戻す際、制御回路は、搬送ベルト32を駆動するサーボモータの回転量をカウントしながら、図11(c)〜(e)に示すように、所定の回転量になったタイミングでマーカー駆動部250を駆動させてマーカー24をテープT2上に落としてすぐに引き上げる。このような制御を予め設定された複数の箇所で行う。それにより、図12に示すように、テープT2上の所定位置にマーカー24によりリングの取り付け位置を示す印P,P…が付けられる。
【0078】
印P,P…の位置は、作業者が制御パネル70により、例えば、カーテン生地Kの左端から1個目の印Pまでの長さxと、各印P,P…の間隔の長さyとを入力しておくことで、設定された位置に印P,P…が付けられるようになっている。
【0079】
なお、テープT2に付けた印P,P…はリングを付けた後に消さなければならない。そのため、複数のテープT2を縫い付ける際には、全てのテープT2に印P,P…を付けるのではなく、例えば1本間隔など印P,P…を付けない動作を間に挿入できると都合が良い。そのため、この実施形態のテープ縫付け装置1では、テープ付け工程の開始時に作業者がスイッチを切り換えることで、印付けの動作を行わないように選択できるようになっている。
【0080】
そして、上記のようなテープ付け工程を所定回数繰り返して、カーテン生地Kに所定本数のテープT2を縫い付け、さらにこれらのテープT2上に印付けを行って、1枚分のカーテンのテープ縫付け処理を完了する。
【0081】
なお、このシャープシェードテープT2の縫付け処理では、図10のリングテープTの縫付け処理とは異なり、通常、所定本数のテープT2を縫い付けた後に、裁断線の線引きを行わずに処理を終了する。また、図10の場合とは異なり、複数枚分のカーテンを連続して処理することも行わない。これは、シャープシェードテープT2はカーテンの横方向に沿って縫い付けられ、テーブル10上にはカーテン生地Kが丈方向に送られることに起因する。すなわち、カーテンの丈はカーテン生地Kの自重による伸びを考慮して厳密な長さに加工する必要があるため、カーテン生地Kの天部側の裁断位置は、カーテン生地Kを装置1から外して吊るした状態で調整する必要があるからである。
【0082】
以上のように、この実施の形態のテープ縫付け装置1によれば、カーテン生地Kへの裁断線の線付け、テープT,T2の縫い付け、或いはテープT2上へのリング取付け位置の印付けを、一連の処理によって半自動的に遂行することができる。それゆえ、テープ付けの加工精度と同様に一定の精度で線付けや印付けを行うことができる。
【0083】
また、カーテン生地Kのように縦横に幅の広い生地を扱う場合でも、マーカー24はX方向にのみ移動させ、布送り手段により生地をY方向に搬送して印付けを行う構造なので、印付けの手段をX−Yの二次元方向に移動させる構成と比較して、テーブル10や装置を奥行き方向にコンパクトに構成することができる。
【0084】
また、カーテン生地KはX方向には広げられた状態にされるが、Y方向に対しては第1把持機構40と第2把持機構50とに狭い範囲で固定された状態にされるので、薄い生地や伸びやすい生地であっても、印を付ける際に生地の固定がずれにくく、それにより正確な位置への印付けが実現できる。
【0085】
また、縫い針21や布押え22をX方向に移動させる構成と、マーカー24をX方向に移動させる構成を共通化させてコストの低減を図り、さらに、縫製ヘッド20にマーカー24を設けて、マーカー駆動部250によりマーカー24を降下させて印を付けたり、マーカー24を上方に退避させたりする構成とすることで、点状の印付けも可能となっている。
【0086】
また、第1把持機構40と第2把持機構50によりカーテン生地Kの幅方向の大半を把持してカーテン生地Kを固定ならびにY方向への送りを行う構成なので、薄い生地や伸びやすい生地であってもズレなくカーテン生地KをY方向に送ったり固定したりできるようになっている。
【0087】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものでなく、様々な変更が可能である。例えば、カーテン生地KをX方向に沿って保持する構成として、上記実施の形態では、複数の薄いスティック状の布押え板41,56によりカーテン生地Kを把持する構成を示したが、例えば、X方向に長い形状の布押え体によりカーテン生地Kを把持して固定する構成としても良い。また、カーテン生地Kを把持して固定するのでなく、エアー吸引によりカーテン生地Kを保持して固定するように構成することもできる。
【0088】
また、マーカー部としては生地に印付けができればどのような構成を適用しても構わないし、各部の駆動手段としてエアシリンダを採用した例を示したが、エアシリンダの代わりに電磁ソレノイドを用いたアクチュエータやモータなどを適用することも出来る。また、上記実施形態で示した第1把持機構40や第2把持機構50の詳細な動作方式、マーカー駆動部250の詳細な動作方式は適宜変更可能であるし、カーテン生地Kにテープを縫い付ける工程の各手順など、実施の形態で示した細部は発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0089】
また、上記実施形態では、リング取付け位置の印付けを行う場合として、シャープシェードテープT2に印付けを行う処理について説明したが、リングを後から取り付けるリング後付け用のリングテープTを用いる場合でも、同様の処理によりリングテープT上にリング取付け位置の印付けを行うことが出来る。
【0090】
また、上記実施形態では、カーテン生地KにテープTを縫い付けるテープ縫付け装置1において、マーカー24で印付けを行う構成を付加した例を示したが、テープTを縫い付ける構成を省いて生地に印付けのみを行う印付け装置とすることも出来る。このような装置によっても、薄い生地や伸びやすい生地であってもズレなく生地をY方向に送って正確な印付けを行うことが出来る。また、縦横に幅の広い生地に印付けを行う場合でも、奥行き方向に装置をコンパクトに構成できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施形態のテープ縫付け装置を示す斜視図である。
【図2】縫製ヘッドに設けられたマーカー駆動部の構成を示す三面図であり、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図3】縫製ヘッドのマーカー駆動部の動作を説明する図であり、(a)はマーカーがテーブル上へ近接した状態、(b)はマーカーがテーブル上から離間された状態である。
【図4】布送り機構を構成する第2把持機構(第2保持手段)の構成を示す平面図である。
【図5】第2把持機構の動作を示す説明図である。
【図6】布送り機構を構成する第1把持機構(第1保持手段)の構成を示す平面図である。
【図7】第1把持機構の動作を示す説明図である。
【図8】生地のセットから裁断線の印付け工程までの動作の流れを説明する図である。
【図9】生地を所定長送ってテープ付けを行うまでの装置の動作の流れを説明する図である。
【図10】テープ縫付け装置の各工程の加工内容を説明する図である。
【図11】シャープシェードテープ上の所定位置に印付けを行う際の縫製ヘッドの動作を示す説明図である。
【図12】シャープシェードテープを縫い付ける際のテープ縫付け装置の各工程の加工内容を説明する図である。
【図13】シェードカーテンの一例を示すもので、(a)はリングテープを用いたもの、(b)はシャープシェードテープを用いたものである。
【符号の説明】
【0092】
1 テープ縫付け装置
10 テーブル
13 生地受け
20 縫製ヘッド
21 縫い針
22 布押え
24 マーカー
250 マーカー駆動部
30 支柱
31 レール
32 搬送ベルト
40 第1把持機構(第1把持手段)
41 布押え板
42 下敷き板
A 基準線
44 支柱
45 スライドブロック
46 駆動部
47 側面ベース
48 レール
49 搬送ベルト
50 第2把持機構(第2把持手段)
511 レール
52 スライドブロック
53 駆動ベルト
55 支柱
56 布押え板
581 操作スイッチ
583,584 操作スイッチ
70 制御パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテン生地をX方向に広げた状態に載置可能なテーブルと、
このテーブル上に載置されたカーテン生地を前記X方向と交差するY方向へ送る布送り手段と、
カーテン生地にテープを縫い合わせる縫製ヘッドと、
この縫製ヘッドを前記X方向に移動させるヘッド搬送手段と、
カーテン生地又は前記テープに印を付けるマーカー部と、
このマーカー部を前記X方向に移動させるマーカー搬送手段と、
を備えていることを特徴とするテープ縫付け装置。
【請求項2】
前記ヘッド搬送手段と前記マーカー搬送手段とは共通化され、
さらに、前記マーカー部を前記テーブル上まで近接させたり離間させたりするマーカー駆動部を備えていることを特徴とする請求項1記載のテープ縫付け装置。
【請求項3】
前記布送り手段は、
前記テーブル上でカーテン生地のX方向の幅の大半の箇所を保持可能な第1保持手段と、
この第1保持手段と平行して前記テーブル上でカーテン生地のX方向の幅の大半の箇所を保持可能な第2保持手段と、
前記第1保持手段を前記Y方向へ移動させる移動手段と、
を有し、
前記第1保持手段がカーテン生地を保持し且つ前記第2保持手段がカーテン生地を解放した状態で、前記第1保持手段がY方向へ移動することでカーテン生地がY方向に送られ、
前記第1保持手段がカーテン生地を解放し且つ前記第2保持手段がカーテン生地を保持した状態で、前記第1保持手段がY方向へ移動することで第1保持手段によるカーテン生地の保持位置がY方向に変更されるように構成され、
前記マーカー搬送手段は、前記第1保持手段と前記第2保持手段とがカーテン生地を保持した箇所の間の部位に前記マーカー部を接触させて印を付けるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のテープ縫付け装置。
【請求項4】
前記布送り手段にカーテン生地がセットされた後、或いは、前記布送り手段を動作させてカーテン生地を所定量送った後に、前記マーカー搬送手段を動作させてカーテン生地に裁断用の印し線を付ける制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のテープ縫付け装置。
【請求項5】
前記縫製ヘッドとヘッド搬送手段とを動作させてカーテン生地にテープを縫い付けた後、前記マーカー搬送手段と前記マーカー駆動部を動作させて、縫い付けたテープの所定位置にリング取付け用の印しを付ける制御手段を備えていることを特徴とする請求項2記載のテープ縫付け装置。
【請求項6】
生地をX方向に広げた状態に載置可能なテーブルと、
このテーブル上に載置された生地を前記X方向と交差するY方向へ送る布送り手段と、
印を付けるマーカー部と、
このマーカー部を前記テーブル上に近接させたり離間させたりするマーカー駆動部と、
このマーカー駆動部を前記X方向に移動させるマーカー搬送手段と、
を備えたことを特徴とする生地への印付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−195299(P2009−195299A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37450(P2008−37450)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成19年11月21日〜24日 社団法人日本インテリアファブリックス協会主催の「第26回JAPANTEX2007」に出品
【出願人】(000213149)中日本ジューキ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】