説明

テープ貼着装置及びテープ貼着方法

【課題】ACFテープの切片の1枚当たりの貼着作業に要する時間を短縮することができるテープ貼着装置及びテープ貼着方法を提供することを目的とする。
【解決手段】押し付けツール22によりACFテープ4の切片4Sを基板2上の貼着対象部位Saに押し付けて貼着した後、移動ベース14を移動させて次にACFテープ4の切片4Sを貼着する基板2上の貼着対象部位Saの上方に押し付けツール22が位置するように移動ベース14を移動させるのに同期してテープ部材Tpの順方向搬送を行い、ACFテープ4の切片4SからセパレータSpを剥離させる。また、テープ切断部24をテープ搬送部23によって搬送されるテープ部材Tpの押し付けツール22の直下の領域Rgよりもテープ部材Tpの順搬送方向の下流側の位置に設け、テープ部材Tpの順方向搬送の継続によってACFテープ4の切断箇所の位置決めを行うことができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性導電膜から成るACFテープを基板上の貼着対象部位に貼着するテープ貼着装置及びテープ貼着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル等のモジュール製造工程等では、基板の上面に一の方向に並んで設けられた複数の電極にACF(Anisotropic Conductive Film)と呼ばれる異方性導電膜から成るテープ(以下、ACFテープと称する)を貼着するテープ貼着装置が用いられる。ここで、ACFテープは、その片面に取り付けられたセパレータと呼ばれる保護テープと一体になったテープ部材の状態で供給される。
【0003】
テープ貼着装置は、基板を保持する基板保持部、水平方向に移動自在な移動ベース、移動ベースに対して昇降自在に設けられた押し付けツール、移動ベースに設けられてテープ部材を押し付けツールの直下の領域において移動ベースの移動方向と平行な方向に順逆自在に搬送するテープ搬送手段、テープ搬送手段により搬送されるテープ部材からACFテープを切断してセパレータ上にACFテープの切片を形成させるテープ切断手段及び移動ベースとは独立して水平方向に移動自在に設けられ、基板上の貼着対象部位に貼着されたACFテープの切片側に移動することによってセパレータをACFテープの切片から剥離させる方向に案内する移動ローラを備えている(例えば、特許文献1)。
【0004】
このようなテープ貼着装置により基板にACFテープの切片を貼着するときは、(1)基板上の電極を含む貼着対象部位の一端の直上に押し付けツールの一端が位置するように移動ベースを位置決めする工程、(2)ACFテープの先頭部が押し付けツールの下方領域内にあり、かつ、ACFテープの切断箇所が貼着対象部位の上記一端の直上に位置するようにテープ部材を搬送する工程、(3)押し付けツールの直下のACFテープの切断箇所に進出させたテープ切断手段によってACFテープを切断し、セパレータ上にACFテープの切片を形成させる工程、(4)押し付けツールを下降させ、ACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に押し付けてACFテープの切片を貼着対象部位に貼着させる工程、(5)移動ローラを基板上の貼着対象部位に貼着されたACFテープの切片の側に移動させることによってセパレータをACFテープの切片から剥離させた後、移動ローラを元の位置に戻す工程、(6)次にACFテープの切片を貼着する基板上の貼着対象部位の上方に押し付けツールが位置するように移動ベースを移動させる工程から成る一連の動作を繰り返すようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−294361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のテープ貼着装置では、上述のように、押し付けツールによってACFテープを基板上の貼着対象部位に押し付けて貼着した後、次にACFテープの切片を貼着する基板上の貼着対象部位の上方に押し付けツールが位置するように移動ベースを移動させる前に、基板上に貼着されたACFテープの切片からセパレータを剥離させるために、移動ローラを移動ベースに対して往復移動させる必要があり(上記(5)の工程)、機構が複雑になるうえ、ACFテープの切片の1枚当たりの貼着作業に要する時間も増大するという問題点があった。また従来、ACFテープの切断を行うテープ切断手段は、ACFテープの切断を行うときには押し付けツールの直下に進出させるが、押し付けツールによってACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に貼着するときには押し付けツールと干渉しないように退去させるようになっていたので、そのテープ切断手段の進退に要する時間も必要であった。
【0007】
そこで本発明は、ACFテープの切片の1枚当たりの貼着作業に要する時間を短縮することができるテープ貼着装置及びテープ貼着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のテープ貼着装置は、基板を保持する基板保持部と、水平方向に移動自在な移動ベースと、移動ベースに対して昇降自在に設けられた押し付けツールと、移動ベースに設けられ、異方性導電膜から成るACFテープの片面にセパレータが取り付けられたテープ部材を押し付けツールの直下の領域において移動ベースの移動方向と平行な方向に順逆自在に搬送するテープ搬送手段と、テープ搬送手段によって搬送されるテープ部材の押し付けツールの直下の領域よりもテープ部材の順搬送方向の下流側の位置に設けられ、テープ搬送手段により搬送されるテープ部材からACFテープを切断してセパレータ上にACFテープの切片を形成させるテープ切断手段と、テープ搬送手段によりテープ部材が逆方向に搬送されることによって、セパレータ上に形成されたACFテープの切片が基板保持部に保持された基板上の貼着対象部位の直上の位置に位置決めされた状態で押し付けツールを下降させ、ACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に押し付けてACFテープの切片を貼着対象部位に貼着するツール昇降手段と、押し付けツールによりACFテープの切片が基板上の貼着対象部位に押し付けられて貼着された後、次にACFテープの切片を貼着する基板上の貼着対象部位の上方に押し付けツールが位置するように基板保持部に対して移動ベースを押し付けツールの直下の領域におけるテープ部材の順搬送方向とは逆の方向に移動させる移動ベース移動手段とを備え、テープ搬送手段は、移動ベース移動手段による移動ベースの移動に同期してテープ部材の順方向搬送を行って基板上の貼着対象部位に貼着されたACFテープの切片からセパレータを剥離させた後、テープ部材の順方向搬送を継続することによって、次に貼着するACFテープの切断箇所をテープ切断手段による切断位置に位置させることを特徴とするテープ貼着装置。
【0009】
請求項2に記載のテープ貼着方法は、基板を保持する基板保持部と、水平方向に移動自在な移動ベースと、移動ベースに対して昇降自在に設けられた押し付けツールと、移動ベースに設けられ、異方性導電膜から成るACFテープの片面にセパレータが取り付けられたテープ部材を押し付けツールの直下の領域において移動ベースの移動方向と平行な方向に順逆自在に搬送するテープ搬送手段と、テープ搬送手段によって搬送されるテープ部材の押し付けツールの直下の領域よりもテープ部材の順搬送方向の下流側の位置に設けられ、テープ搬送手段により搬送されるテープ部材からACFテープを切断してセパレータ上にACFテープの切片を形成させるテープ切断手段とを備えたテープ貼着装置によるテープ貼着方法であって、テープ切断手段により、テープ搬送手段により搬送されるテープ部材からACFテープを切断してセパレータ上にACFテープの切片を形成させる工程と、テープ搬送手段によりテープ部材を逆方向に搬送し、セパレータ上に形成されたACFテープの切片を基板保持部に保持された基板上の貼着対象部位の直上の位置に位置決めする工程と、セパレータ上に形成されたACFテープの切片を基板上の貼着対象部位の直上の位置に位置決めした状態で押し付けツールを下降させ、ACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に押し付けてACFテープの切片を貼着対象部位に貼着する工程と、押し付けツールによりACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に押し付けて貼着した後、次にACFテープの切片を貼着する基板上の貼着対象部位の上方に押し付けツールが位置するように基板保持部に対して移動ベースを押し付けツールの直下の領域におけるテープ部材の順搬送方向とは逆の方向に移動させるとともに、この移動ベースの移動に同期してテープ搬送手段によるテープ部材の搬送を行わせて基板上の貼着対象部位に貼着されたACFテープの切片からセパレータを剥離させる工程と、ACFテープの切片からセパレータを剥離させた後、テープ搬送手段にテープ部材の順方向搬送を継続させることによって、次に貼着するACFテープの切断箇所をテープ切断手段による切断位置に位置させる工程とを含むことを特徴とするテープ貼着方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、押し付けツールによりACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に押し付けて貼着した後、次にACFテープの切片を貼着する基板上の貼着対象部位の上方に押し付けツールが位置するように移動ベースを移動させるのに同期してテープ部材の順方向搬送を行うことによって、ACFテープの切片からセパレータを剥離させるようになっており、基板上の貼着対象部位に貼着されたACFテープの切片からセパレータを剥離させる工程(上記(5)の工程)と、次にACFテープの切片を貼着する基板上の貼着対象部位の上方に押し付けツールを位置させる工程(上記(6)の工程)とが同時に実行されるので、従来のようにセパレータの剥離用の移動ローラを別途設けてこれを往復移動させる必要がなく、ACFテープの切片の1枚当たりの貼着作業に要する時間を短縮することができる。
【0011】
また、テープ切断手段を、テープ搬送手段によって搬送されるテープ部材の押し付けツールの直下の領域よりもテープ部材の順搬送方向の下流側の位置に設けていることから、ACFテープの切片の基板上への押し付け時に押し付けツールと干渉することがなく、したがってテープ切断手段を進退自在な構成とする必要がない。このため機構が簡単になるうえ、ACFテープを切断するごとにテープ切断手段を進退させる時間が省かれるので、この面からもACFテープの切片の1枚当たりの貼着作業に要する時間を短縮することができる。なお、ACFテープの切断箇所の位置決めは、セパレータの剥離のためのテープ部材の順方向搬送をそのまま継続することによって行うことができることから、従来のようにテープ部材を押し付けツールの直下の切断位置にACFテープの切断箇所を位置決めし、テープ切断手段を進出させてACFテープの切断を行う場合と比べて作業時間が増大することはない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態におけるテープ貼着装置の正面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるテープ貼着装置の側面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるテープ貼着装置の制御系統を示すブロック図
【図4】本発明の一実施の形態におけるテープ貼着装置が基板上の貼着対象部位にACFテープの切片を貼着する作業の実行手順を示すフローチャート
【図5】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるテープ貼着装置が実行するテープ貼着作業の動作説明図
【図6】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるテープ貼着装置が実行するテープ貼着作業の動作説明図
【図7】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるテープ貼着装置が実行するテープ貼着作業の動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1及び図2に示すテープ貼着装置1は、上流側に配置された電極洗浄装置、下流側に配置された仮圧着装置や本圧着装置等とともに液晶パネル製造ラインを構成しており、上流側の電極洗浄装置から液晶パネル基板としての基板2を受け取った後、その基板2の上面の縁部に設けられた複数の電極3に対してACF(Anisotropic Conductive Film)と呼ばれる異方性導電膜から成るテープ(ACFテープ4)の切片4Sを貼着したうえで、基板2を下流側の仮圧着装置に受け渡すものである。本実施の形態では、ACFテープ4は、その片面に保護テープであるセパレータSpが取り付けられたテープ部材Tpとして供給される(図1中の拡大図参照)。
【0014】
図1及び図2において、テープ貼着装置1は、基台10と、電極3が上方を向くように基板2を水平姿勢に保持し、基台10上に設けられた基板保持部移動機構11によって移動されるテーブル状の基板保持部12と、基台10上に設けられ、水平方向に延びた横フレーム13aを有する門型フレーム13と、門型フレーム13の横フレーム13aに取り付けられて基板保持部12の上方に位置し、横フレーム13aに沿って(すなわち水平方向に)移動自在に設けられたプレート状の移動ベース14と、基台10上に移動ベース14の移動方向に延びて設けられたバックアップステージ15を備えて構成されている。以下、説明の便宜上、横フレーム13aが延びる(移動ベース14が移動する)水平方向をテープ貼着装置1の左右方向としてこれをX軸方向とし、X軸方向と直交する水平方向をテープ貼着装置1の前後方向としてこれをY軸方向とする。また、上下方向をZ軸方向とする。更に、左右方向(X軸方向)のうち、図1の紙面左側を左方、図1の紙面右側を右方とし、前後方向(Y軸方向)のうち、図2の紙面左側を前方、図2の紙面右側を後方とする。
【0015】
図1及び図2において、基板保持部移動機構11は、基台10に対して左右方向(X軸方向)に移動自在なX軸テーブル11a、X軸テーブル11aに対して前後方向(Y軸方向)に移動自在なY軸テーブル11b及びY軸テーブル11bに設けられてZ軸回りに回転自在なθテーブル11cから成り、θテーブル11cの上面には基板保持部12が取り付けられている。このため基板保持部12は、X軸テーブル11aの左右方向(X軸方向)への移動、Y軸テーブル11bの前後方向(Y軸方向)への移動及びθテーブル11cの上下軸(Z軸)回りの回転によって水平面内方向に移動させることができる。
【0016】
図1及び図2において、移動ベース14の前面にはツール昇降シリンダ21、ツール昇降シリンダ21を介して移動ベース14に対して昇降自在に設けられた押し付けツール22、テープ搬送部23、テープ切断部24、剥離用ローラ25及び撮像カメラ26が設けられている。
【0017】
図1及び図2において、ツール昇降シリンダ21はピストンロッド21aを下方に向けて移動ベース14の前面中央部に設けられている。押し付けツール22はピストンロッド21aの下端に取り付けられており、ツール昇降シリンダ21のピストンロッド21aが下方に突没させると、押し付けツール22は図1に示す上昇位置とその下方の下降位置との間で昇降する。押し付けツール22内には押し付けツール22を加熱するヒータ22a(図1)が設けられている。
【0018】
図1及び図2において、テープ搬送部23は、テープ部材Tpを供給する供給リール31、供給リール31より供給されるテープ部材Tpを真空吸引により回収するテープ回収部32及び供給リール31からテープ回収部32までの間のテープ部材Tpを案内する複数の案内ローラ(第1案内ローラ33a、第2案内ローラ33b、第3案内ローラ33c及び一対の第4案内ローラ33d)から成る。供給リール31は、移動ベース14の後面に設けられた供給リール駆動モータ31aによって駆動され、テープ回収部32は同じく移動ベース14の後面に設けられたテープ回収部駆動機構32aによって駆動される。
【0019】
図1において、第1案内ローラ33aは移動ベース14の左方上部に上下方向に延びて形成されたローラ移動溝14a内を移動自在であるとともに、図示しない付勢部材によって上方に付勢されている。第2案内ローラ33bは第1案内ローラ33aの下方であって、移動ベース14の左側下部に設けられており、第3案内ローラ33cは第2案内ローラ33bの右方であって、移動ベース14の右側下部に設けられている。一対の第4案内ローラ33dは第3案内ローラ33cの上方であって、移動ベース14の右側中央部に左右方向に並んで設けられている。ここで、第2案内ローラ33b及び第3案内ローラ33cは、押し付けツール22が上昇位置にあるときには押し付けツール22の下面よりも下方に位置し(図1参照)、押し付けツール22が下降位置にあるときには押し付けツール22の下面よりも上方に位置する箇所に設けられている。
【0020】
図1において、供給リール31から供給されるテープ部材Tpは、第1案内ローラ33a、第2案内ローラ33b、第3案内ローラ33c及び一対の第4案内ローラ33dによってこの順で案内され(一対の第4案内ローラ33dではテープ部材Tpは両面が左右方向から挟まれた状態となる)、テープ回収部32に送られる。
【0021】
テープ部材Tpは、第1案内ローラ33aがローラ移動溝14a内で上方に付勢されることによって適度なテンションが与えられ、第1案内ローラ33aと第2案内ローラ33bの間では移動ベース14の左側領域を垂直方向に延びた姿勢に保持され、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cの間では、移動ベース14の下側領域を左右方向(X軸方向)に水平方向に延びた姿勢に保持される(押し付けツール22が上昇位置にある場合)。またテープ部材Tpは、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間及び一対の第4案内ローラ33dとテープ回収部32との間では、移動ベース14の右側領域を垂直方向に延びた姿勢に保持される。
【0022】
テープ搬送部23は、テープ回収部32によってテープ部材Tpを吸引しながら供給リール31からテープ部材Tpを繰り出すことによってテープ部材Tpを順方向(押し付けツール22の直下の領域Rgを左から右に流れる方向。図1中に示す矢印A)に搬送することができ、テープ回収部32によってテープ部材Tpを吸引しながら供給リール31によりテープ部材Tpを巻き取ることによってテープ部材Tpを逆方向(押し付けツール22の直下の領域Rgを右から左に流れる方向)に搬送することができる。
【0023】
すなわち本実施の形態において、テープ搬送部23は、移動ベース14に設けられ、テープ部材Tpを押し付けツール22の直下の領域Rgにおいて移動ベース14の移動方向(X軸方向)と平行な方向に順逆自在に搬送するテープ搬送手段として機能する。
【0024】
テープ切断部24は、テープ部材Tpのうち、押し付けツール22の直下の領域Rgよりもテープ搬送部23によるテープ部材Tpの順搬送方向の下流側の位置である、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間の位置に設けられており、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間を垂直に延びるテープ部材Tpの右方領域において左右方向(すなわち、テープ部材Tpの面に直交する方向)に移動自在に設けられたカッター24a、カッター24aが右方の収納位置と左方の突出位置との間で移動(図1中に示す矢印B)するようにカッター24aを駆動するカッター駆動シリンダ24b及び第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間を垂直方向に延びるテープ部材Tpの左方領域においてカッター24aと水平方向に対向する位置(すなわちカッター24aとの間でテープ部材Tpを挟む位置)に設けられた背板部24cから成る。
【0025】
テープ切断部24において、突出位置に位置した状態のカッター24aと背板部24cとの間にはセパレータSpの厚さ分だけのクリアランスが確保されている。このため、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dとの間をテープ部材Tpが垂直方向に延びている状態で、カッター駆動シリンダ24bによってカッター24aを収納位置から突出位置に移動させると、テープ部材Tpの右面のACFテープ4に対して垂直にカッター24aが押し付けられ、テープ部材TpからACFテープ4のみが切断される。このとき背板部24cは、テープ部材Tpの左面のセパレータSpを支持してテープ部材Tpに対するカッター24aの押し付け荷重の反力をとる当て板として機能する。
【0026】
図1において、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間を垂直方向に延びるテープ部材Tpの右面のACFテープ4は、カッター24aが左右方向に移動する位置(高さ)である切断位置Mよりも上方の位置に先頭部が長さLsだけ引き上げられた状態に位置決めされたうえで、テープ切断部24によって切断される。この長さLsは、基板2上の電極3にACFテープ4を貼着しようとする貼着対象部位Sa(図1。各貼着対象部位Sa内には複数の電極3が含まれる)のX軸方向の長さに対応する長さであり、ACFテープ4がテープ切断部24によって切断されることによって、セパレータSp上には長さLsを有するACFテープ4の切片4Sが形成される。
【0027】
すなわち本実施の形態において、テープ切断部24は、テープ搬送部23によって搬送されるテープ部材Tpの押し付けツール22の直下の領域Rgよりもテープ部材Tpの順搬送方向の下流側の位置に設けられ、テープ搬送部23により搬送されるテープ部材TpからACFテープ4を切断してセパレータSp上にACFテープ4の切片4Sを形成させるテープ切断手段として機能する。
【0028】
図1において、剥離用ローラ25は、テープ搬送部23によって搬送されるテープ部材Tpの押し付けツール22の直下の領域Rgよりもテープ部材Tpの順搬送方向の下流側の一部(押し付けツール22の直下の領域Rgの右側の一部)を上下方向に挟持する一対のローラ部材から成る。この剥離用ローラ25は移動ベース14に設けられており、移動ベース14が水平方向に移動するときには、剥離用ローラ25も移動ベース14と一体となって水平方向に移動する。
【0029】
撮像カメラ26は移動ベース14の右側下方に撮像視野を下方に向けて設けられており、移動ベース14の水平方向への移動に応じて移動し、基板保持部12に保持された基板2の左右両端部に設けられた位置決め用のマーク(図示せず)の撮像を行う。
【0030】
門型フレーム13の横フレーム13aに対する移動ベース14のX軸方向(左右方向)への移動は、テープ貼着装置1が備える制御装置40(図3)の作業実行制御部40a(図3)が図示しないアクチュエータ等から成る移動ベース移動機構41(図3)の作動制御を行うことによってなされる。
【0031】
基板保持部12に保持された基板2の移動動作は、制御装置40の作業実行制御部40aが図示しないアクチュエータ等から成る基板保持部駆動機構42(図3)の作動制御を行うことによってなされる。
【0032】
テープ搬送部23によるテープ部材Tpの搬送動作は、制御装置40の作業実行制御部40aが供給リール駆動モータ31aとテープ回収部駆動機構32aの作動制御を行うことによってなされる(図3)。
【0033】
テープ部材TpにおけるACFテープ4の先頭部の位置は、回転数検出センサ43(図3)によって検出される一方の第4案内ローラ33dの回転数の情報及びその一方の第4案内ローラ33dの半径のデータ等から算出される。また、テープ切断部24におけるカッター24aの左右方向への移動動作、すなわちカッター24aによるACFテープ4の切断動作は、制御装置40の作業実行制御部40aがカッター駆動シリンダ24bの作動制御を行うことによってなされる(図3)。
【0034】
押し付けツール22の昇降動作は、制御装置40の作業実行制御部40aがツール昇降シリンダ21の作動制御を行うことによってなされる(図3)。また、押し付けツール22の内部に設けられたヒータ22aによる押し付けツール22の加熱動作は、制御装置40の作業実行制御部40aがヒータ作動機構44(図3)の作動制御を行うことによってなされる。
【0035】
撮像カメラ26による撮像動作制御は制御装置40の作業実行制御部40aによってなされる(図3)。撮像カメラ26によって撮像された画像データは制御装置40の画像データ格納部40bに格納され、作業実行制御部40aからの指示を受けた画像認識部40c(図3)が画像データ格納部40bに格納された画像データに基づいて画像認識を行う。
【0036】
次に、図4のフローチャート及び図5〜図7の動作説明図を用いてテープ貼着装置1により基板2上の貼着対象部位SaにACFテープ4の切片4Sを貼着する作業(テープ貼着作業)の実行手順を説明する。
【0037】
テープ貼着装置1により基板2上の貼着対象部位SaにACFテープ4の切片4Sを貼着するには、制御装置40の作業実行制御部40aは先ず、上流側に設置された電極洗浄装置から受け取った基板2を図示しない基板搬入機構によって搬入して基板保持部12に基板2を保持させる(図4に示すステップST1の基板の搬入及び保持工程)。
【0038】
制御装置40の作業実行制御部40aは、基板保持部12に基板2を保持させたら、基板保持部移動機構11を作動させて基板保持部12を移動させ、電極3が設けられた基板2の縁部の下面をバックアップステージ15の上面に接触させる(図2中に一点鎖線で示す基板2参照)。そして、複数の電極3が移動ベース14の移動方向(X軸方向)と平行な方向に並び、かつ押し付けツール22の直下に位置するように基板2の位置決めを行う(図4に示すステップST2の基板位置決め工程)。
【0039】
なお、この基板2の位置決めの際には、制御装置40の作業実行制御部40aは移動ベース14を左右方向(X軸方向)に移動させて撮像カメラ26により基板2の左右両端部に設けられた位置決め用のマークを撮像し、得られた画像データを画像認識部40cに画像認識させることによって、基板2のバックアップステージ15上の貼着位置に対する位置ずれが起きていないかどうかの確認を行う。
【0040】
制御装置40の作業実行制御部40aは、基板2の位置決めを行ったら、移動ベース移動機構41の作動制御を行って移動ベース14を左右方向に移動させ(図5(a)中に示す矢印C1)、押し付けツール22の左端がこれからACFテープ4の切片4Sの貼着を行おうとする基板2上の貼着対象部位Saの左端の直上に位置するように、移動ベース14の位置決めを行う(図5(a)。図4に示すステップST3の移動ベース位置決め工程)。
【0041】
制御装置40の作業実行制御部40aは、移動ベース14の位置決めを行ったら、テープ搬送部23の作動制御を行ってテープ部材Tpを順方向に搬送させ(図5(a)中に示す矢印D1)、ACFテープ4の先頭部が、テープ切断部24によるACFテープ4の切断位置Mよりも、貼着対象部位SaのX軸方向の長さに相当する長さLsだけ上方の位置に位置するように、ACFテープ4の位置決めを行う(図5(a)。図4のステップST4のACFテープ位置決め工程)。
【0042】
制御装置40の作業実行制御部40aは、ACFテープ4の位置決めを行ったら、カッター駆動シリンダ24bの作動制御を行い、カッター24aを左右方向に移動させ(図5(b)中に示す矢印E)、ACFテープ4の切断を行って、セパレータSp上に長さLsを有するACFテープ4の切片4Sを形成させる(図5(b)。図4のステップST5のACFテープ切断工程)。
【0043】
制御装置40の作業実行制御部40aは、ACFテープ4の切断を行ってセパレータSp上にACFテープ4の切片4Sを形成させたら、テープ搬送部23の作動制御を行ってテープ部材Tpを逆方向に搬送させ(図5(c)中に示す矢印D2)、セパレータSp上に形成されたACFテープ4の切片4Sを押し付けツール22の下方であって、基板保持部12に保持された基板2上の貼着対象部位Saの直上の位置に位置決めする(図5(c)。図4のステップST6のACFテープ切片位置決め工程)。
【0044】
制御装置40の作業実行制御部40aは、ACFテープ4の切片4Sの位置決めを行ったら、ツール昇降シリンダ21の作動制御を行って押し付けツール22を下降位置まで下降させ(図6(a)中に示す矢印F1)、ヒータ22aによって予め加熱しておいた押し付けツール22によって、ACFテープ4の切片4SをセパレータSpごと基板2の縁部に押し付けて、ACFテープ4の切片4Sを基板2上の貼着対象部位Saに貼着させる(図6(a)。図4のステップST7のACFテープ切片貼着工程)。
【0045】
このように、本実施の形態において、ツール昇降シリンダ21は、テープ搬送部23によりテープ部材Tpが逆方向に搬送されることによって、セパレータSp上に形成されたACFテープ4の切片4Sが基板保持部12に保持された基板2上の貼着対象部位Saの直上の位置に位置された状態で押し付けツール22を下降させ、ACFテープ4の切片4Sを基板2上の貼着対象部位Saに貼着させるツール昇降手段として機能する。
【0046】
制御装置40の作業実行制御部40aは、押し付けツール22によって基板2上の貼着対象部位SaにACFテープ4の切片4Sを貼着させたら、ツール昇降シリンダ21の作動制御を行って押し付けツール22を上昇位置まで上昇させる(図6(b)。図中に示す矢印F2)。
【0047】
なお、押し付けツール22を上昇位置に上昇させた状態では、ACFテープ4の切片4Sが基板2上の貼着対象部位Saに貼着されていることから、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cの間のテープ部材Tpは、図6(b)に示すように、下方に引っ張られた状態が維持される。
【0048】
制御装置40の作業実行制御部40aは、押し付けツール22を上昇位置まで上昇させたら、現在、ACFテープ4の切片4Sの貼着を行っている基板2上に、まだACFテープ4の切片4Sの貼着を行う貼着対象部位Saがあるかどうかの判断を行う(図4に示すステップST8の判断工程)。その結果、基板2上にまだACFテープ4の切片4Sの貼着を行う貼着対象部位Saがあった場合には、移動ベース移動機構41の作動制御を行い、移動ベース14を左方に移動させて(図6(c)、図7(a)及び図7(b)中に示す矢印C2)、押し付けツール22の左端が次に(これから)ACFテープ4の切片4Sを貼着する基板2上の貼着対象部位Saの左端の直上に位置するように、移動ベース14の位置決めを行うとともに(図7(b))、その間、テープ搬送部23の作動制御を行って、テープ部材Tpを順方向に搬送させる(図6(c)、図7(a)及び図7(b)中に示す矢印D3)。これにより、基板2上に貼着されたACFテープ4の切片4Sの上面に貼り付いているセパレータSpは、剥離用ローラ25によって上方に引っ張り上げられつつ、テープ搬送部23によって搬送されるので、基板2上の貼着対象部位Saに貼着されたACFテープ4の切片4SからセパレータSpが剥離される(図6(b)→図6(c)→図7(a)。図4に示すステップST9のセパレータの剥離を兼ねた移動ベース位置決め工程)。
【0049】
このように本実施の形態において、移動ベース移動機構41は、押し付けツール22によりACFテープ4の切片4Sが基板2上の貼着対象部位Saに押し付けられて貼着された後、次にACFテープ4の切片4Sを貼着する基板2上の貼着対象部位Saの上方に押し付けツール22が位置するように基板保持部12に対して移動ベース14を押し付けツール22の直下の領域Rgにおけるテープ部材Tpの順搬送方向とは逆の方向に移動させる移動ベース移動手段として機能する。
【0050】
制御装置40の作業実行制御部40aは、セパレータSpの剥離を兼ねた移動ベース14の位置決めを行ったら、セパレータSpの剥離が完了した後もテープ搬送部23によるテープ部材Tpの順方向への搬送動作を継続させ(図7(c)中に示す矢印D4。図4に示すステップST10のテープ部材搬送継続工程)、ステップST4に戻って、ACFテープ4の先頭部が、テープ切断部24によるACFテープ4の切断位置Mよりも、貼着対象部位SaのX軸方向の長さに相当する長さLsだけ上方の位置に位置するように、ACFテープ4の位置決めを行う(図7(c))。
【0051】
一方、制御装置40の作業実行制御部40aは、ステップST8で、基板2上にACFテープ4の切片4Sの貼着を行う貼着対象部位Saがなかった場合には、移動ベース14を左方に移動させつつ、テープ搬送部23によりテープ部材Tpの順方向搬送を行わせることによって、基板2上の貼着対象部位Saに貼着されたACFテープ4の切片4SからセパレータSpを剥離させる(図4に示すステップST11のセパレータの剥離工程)。なお、このステップST10では、制御装置40の作業実行制御部40aは、セパレータSpの剥離を行うことができる程度の移動量だけ移動ベース14を移動させるようにする。
【0052】
制御装置40の作業実行制御部40aは、ステップST11においてセパレータSpの剥離を行ったら、図示しない基板搬出機構によって、基板保持部12に保持された基板2(ACFテープ4の切片4Sの貼着が終了した基板2)を下流側に設置された仮圧着装置に搬出する(図4に示すステップST12の基板搬出工程)。
【0053】
このように、本実施の形態におけるテープ貼着装置1によるテープ貼着方法は、(1)テープ搬送部23によって搬送されるテープ部材Tpの押し付けツール22の直下の領域Rgよりもテープ部材Tpの順搬送方向の下流側の位置に設けられたテープ切断部24により、テープ搬送部23により搬送されるテープ部材TpからACFテープ4を切断してセパレータSp上にACFテープ4の切片4Sを形成させる工程(ステップST5のACFテープ切断工程)、(2)テープ搬送部23によりテープ部材Tpを逆方向に搬送し、セパレータSp上に形成されたACFテープ4の切片4Sを基板保持部12に保持された基板2上の貼着対象部位Saの直上の位置に位置決めする工程(ステップST6のACFテープ切片位置決め工程)、(3)セパレータSp上に形成されたACFテープ4の切片4Sを基板2上の貼着対象部位Saの直上の位置に位置決めした状態で押し付けツール22を下降させ、ACFテープ4の切片4Sを基板2上の貼着対象部位Saに押し付けてACFテープ4の切片4Sを貼着対象部位Saに貼着させる工程(ステップST7のACFテープ切片貼着工程)、(4)押し付けツール22により基板2上の貼着対象部位SaにACFテープ4の切片4Sを貼着させた後、次にACFテープ4の切片4Sを貼着する基板2上の貼着対象部位Saの上方に押し付けツール22が位置するように基板保持部12に対して移動ベース14を押し付けツール22の直下の領域Rgにおけるテープ部材Tpの順搬送方向とは逆の方向に移動させるとともに、この移動ベース14の移動に同期して(したがって、剥離用ローラ25が基板2上に貼着されたACFテープ4の切片4Sの側に移動するのに同期して)テープ搬送部23によるテープ部材Tpの搬送を行わせて基板2上の貼着対象部位Saに貼着されたACFテープ4の切片4SからセパレータSpを剥離させる工程(ステップST9のセパレータの剥離を兼ねた移動ベース位置決め工程)、(5)ACFテープ4の切片4SからセパレータSpを剥離させた後、テープ搬送部23にテープ部材Tpの順方向搬送を継続させることによって、次に貼着するACFテープ4の切断箇所をテープ切断部24による切断位置Mに位置させる工程(ステップST4のACFテープ位置決め工程)を含むものとなっている。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態におけるテープ貼着装置1では、テープ切断部24を、テープ搬送部23によって搬送されるテープ部材Tpの押し付けツール22の直下の領域Rgよりもテープ部材Tpの順搬送方向の下流側の位置に設け、押し付けツール22によりACFテープ4の切片4Sが基板2上の貼着対象部位Saに押し付けられて貼着された後、移動ベース移動機構41により移動ベース14が移動させるとともに、これと同期してテープ部材Tpの順方向搬送を行うようになっている。
【0055】
本実施の形態におけるテープ貼着装置1(テープ貼着方法)では、押し付けツール22によりACFテープ4の切片4Sを基板2上の貼着対象部位Saに押し付けて貼着した後、次にACFテープ4の切片4Sを貼着する基板2上の貼着対象部位Saの上方に押し付けツール22が位置するように移動ベース14を移動させるのに同期してテープ部材Tpの順方向搬送を行うことによって、ACFテープ4の切片4SからセパレータSpを剥離させるようになっており、基板2上の貼着対象部位Saに貼着されたACFテープ4の切片4SからセパレータSpを剥離させる工程と、次にACFテープ4の切片4Sを貼着する基板2上の貼着対象部位Saの上方に押し付けツール22を位置させる工程とが同時に実行されるので、従来のようにセパレータSpの剥離用の移動ローラを別途設けてこれを往復移動させる必要がなく、ACFテープ4の切片の1枚当たりの貼着作業に要する時間を短縮することができる。
【0056】
また、テープ切断部24を、テープ搬送部23によって搬送されるテープ部材Tpの押し付けツール22の直下の領域Rgよりもテープ部材Tpの順搬送方向の下流側の位置に設けていることから、ACFテープ4の切片4Sの基板2上への押し付け時に押し付けツール22と干渉することがなく、したがってテープ切断部24を進退自在な構成とする必要がない。このため機構が簡単になるうえ、ACFテープ4を切断するごとにテープ切断部24を進退させる時間が省かれるので、この面からもACFテープ4の切片4Sの1枚当たりの貼着作業に要する時間を短縮することができる。なお、ACFテープ4の切断箇所の位置決めは、セパレータSpの剥離のためのテープ部材Tpの順方向搬送をそのまま継続することによって行うことができることから、従来のようにテープ部材Tpを押し付けツール22の直下の切断位置にACFテープ4の切断箇所を位置決めし、テープ切断手段を進出させてACFテープ4の切断を行う場合と比べて作業時間が増大することはない。
【0057】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態におけるテープ切断部24は、水平方向に移動するカッター24aをACFテープ4の面に垂直に押し付けてACFテープ4を切断する構成になっていたが、テープ切断部24がテープ部材Tpの延びる方向と平行な軸回りに回転する回転刃を有して成り、テープ部材Tpの幅方向に転動させた回転刃をACFテープ4に乗り上げさせてACFテープ4を切断する構成になっていてもよい。
【0058】
また、テープ切断部24は、テープ搬送部23によって搬送されるテープ部材Tpの押し付けツール22の直下の領域Rgよりもテープ部材Tpの順搬送方向の下流側の位置に設けられていればよく、その設置位置は特に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
ACFテープの切片の1枚当たりの貼着作業に要する時間を短縮することができるテープ貼着装置及びテープ貼着方法を提供する。
【符号の説明】
【0060】
1 テープ貼着装置
2 基板
4 ACFテープ
4S 切片
12 基板保持部
14 移動ベース
21 ツール昇降シリンダ(ツール昇降手段)
22 押し付けツール
23 テープ搬送部(テープ搬送手段)
24 テープ切断部(テープ切断手段)
41 移動ベース移動機構(移動ベース移動手段)
Sp セパレータ
Tp テープ部材
Rg 押し付けツールの直下の領域
Sa 貼着対象部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部と、
水平方向に移動自在な移動ベースと、
移動ベースに対して昇降自在に設けられた押し付けツールと、
移動ベースに設けられ、異方性導電膜から成るACFテープの片面にセパレータが取り付けられたテープ部材を押し付けツールの直下の領域において移動ベースの移動方向と平行な方向に順逆自在に搬送するテープ搬送手段と、
テープ搬送手段によって搬送されるテープ部材の押し付けツールの直下の領域よりもテープ部材の順搬送方向の下流側の位置に設けられ、テープ搬送手段により搬送されるテープ部材からACFテープを切断してセパレータ上にACFテープの切片を形成させるテープ切断手段と、
テープ搬送手段によりテープ部材が逆方向に搬送されることによって、セパレータ上に形成されたACFテープの切片が基板保持部に保持された基板上の貼着対象部位の直上の位置に位置決めされた状態で押し付けツールを下降させ、ACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に押し付けてACFテープの切片を貼着対象部位に貼着するツール昇降手段と、
押し付けツールによりACFテープの切片が基板上の貼着対象部位に押し付けられて貼着された後、次にACFテープの切片を貼着する基板上の貼着対象部位の上方に押し付けツールが位置するように基板保持部に対して移動ベースを押し付けツールの直下の領域におけるテープ部材の順搬送方向とは逆の方向に移動させる移動ベース移動手段とを備え、
テープ搬送手段は、移動ベース移動手段による移動ベースの移動に同期してテープ部材の順方向搬送を行って基板上の貼着対象部位に貼着されたACFテープの切片からセパレータを剥離させた後、テープ部材の順方向搬送を継続することによって、次に貼着するACFテープの切断箇所をテープ切断手段による切断位置に位置させることを特徴とするテープ貼着装置。
【請求項2】
基板を保持する基板保持部と、水平方向に移動自在な移動ベースと、移動ベースに対して昇降自在に設けられた押し付けツールと、移動ベースに設けられ、異方性導電膜から成るACFテープの片面にセパレータが取り付けられたテープ部材を押し付けツールの直下の領域において移動ベースの移動方向と平行な方向に順逆自在に搬送するテープ搬送手段と、テープ搬送手段によって搬送されるテープ部材の押し付けツールの直下の領域よりもテープ部材の順搬送方向の下流側の位置に設けられ、テープ搬送手段により搬送されるテープ部材からACFテープを切断してセパレータ上にACFテープの切片を形成させるテープ切断手段とを備えたテープ貼着装置によるテープ貼着方法であって、
テープ切断手段により、テープ搬送手段により搬送されるテープ部材からACFテープを切断してセパレータ上にACFテープの切片を形成させる工程と、
テープ搬送手段によりテープ部材を逆方向に搬送し、セパレータ上に形成されたACFテープの切片を基板保持部に保持された基板上の貼着対象部位の直上の位置に位置決めする工程と、
セパレータ上に形成されたACFテープの切片を基板上の貼着対象部位の直上の位置に位置決めした状態で押し付けツールを下降させ、ACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に押し付けてACFテープの切片を貼着対象部位に貼着する工程と、
押し付けツールによりACFテープの切片を基板上の貼着対象部位に押し付けて貼着した後、次にACFテープの切片を貼着する基板上の貼着対象部位の上方に押し付けツールが位置するように基板保持部に対して移動ベースを押し付けツールの直下の領域におけるテープ部材の順搬送方向とは逆の方向に移動させるとともに、この移動ベースの移動に同期してテープ搬送手段によるテープ部材の搬送を行わせて基板上の貼着対象部位に貼着されたACFテープの切片からセパレータを剥離させる工程と、
ACFテープの切片からセパレータを剥離させた後、テープ搬送手段にテープ部材の順方向搬送を継続させることによって、次に貼着するACFテープの切断箇所をテープ切断手段による切断位置に位置させる工程とを含むことを特徴とするテープ貼着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−106804(P2012−106804A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254688(P2010−254688)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】