説明

デジタルアナログ変換回路及び表示ドライバ

【課題】CMOS化するスイッチ数、ゲート幅増加を抑制し、面積増加を抑制可能とする、デジタルアナログ変換器、データドライバ、表示装置を提供。
【解決手段】参照電圧集合体80は第1、第2の参照電圧群81、82を含み、デコーダ100は、mビットのデジタル信号の上位側(m−n)ビットの信号を共通に入力する第1乃至第2のサブデコーダ部10、20と、前記mビットのデジタル信号の下位側nビットの信号を共通に入力する第3乃至第4のサブデコーダ部30、40と、を備え、前記第1及び第3のサブデコーダ部10、30は第1導電型のトランジスタよりなり、前記第2及び第4のサブデコーダ部20、40は第2導電型のトランジスタよりなり、増幅回路50は入力に受けた電圧を、予め定められた重み付けで平均し、前記重み付け平均した電圧、前記mビットのデジタル信号に対応したアナログ信号として出力端子51から出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルアナログ変換回路とデータドライバ及びそれを用いた表示装置に関する。
【0002】
近時、表示装置は、薄型、軽量、低消費電力を特徴とする液晶表示装置(LCD)が幅広く普及し、携帯電話機(モバイルフォン、セルラフォン)やPDA(パーソナルデジタルアシスタント)、多機能携帯情報端末、ノートPC等のモバイル機器の表示部に多く利用されてきた。しかし、最近では液晶表示装置の大画面化や動画対応の技術も高まり、モバイル用途だけでなく据置型の大画面表示装置や大画面液晶テレビも実現可能になってきている。これらの液晶表示装置としては、高精細表示が可能なアクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置が利用されている。また薄型表示デバイスとして有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)を用いたアクティブマトリクス駆動方式の表示装置も開発されている。
【0003】
図16を参照して、アクティブマトリクス駆動方式の薄型表示装置(液晶表示装置及び有機発光ダイオード表示装置)の典型的な構成について概説しておく。図16(A)は、薄型表示装置の要部構成を示すブロック図である。図16(B)は液晶表示装置の表示パネルの単位画素の要部構成を示す図である。図16(C)は、有機発光ダイオード表示装置の表示パネルの単位画素の要部構成を示す図である。図16(B)と図16(C)において、単位画素は模式的な等価回路で示されている。
【0004】
図16(A)を参照すると、アクティブマトリクス駆動方式の薄型表示装置は、その典型的な構成として、電源回路940、表示コントローラー950、表示パネル960、ゲートドライバ970、データドライバ980を含む。表示パネル960は、画素スイッチ964と表示素子963を含む単位画素がマトリクス状に配置される(例えばカラーSXGAパネルの場合、1280×3画素列×1024画素行)。表示パネル960には、各単位画素にゲートドライバ970から出力される走査信号を送る走査線961と、データドライバ980から出力される階調電圧信号を送るデータ線962とが格子状に配線される。ゲートドライバ970及びデータドライバ980は、表示コントローラー950によって制御され、それぞれ必要なクロックCLK、制御信号等が表示コントローラー950より供給される。映像データはデータドライバ980に供給される。現在、映像データはデジタルデータが主流となっている。電源回路940は、ゲートドライバ970、データドライバ980に必要な電源を供給する。表示パネル960は半導体基板を備えている。大画面表示装置等の表示パネル960としては、絶縁性基板上に薄膜トランジスタ(画素スイッチ等)を形成した半導体基板が広く使われている。
【0005】
図16(A)の表示装置において、画素スイッチ964のオン・オフを走査信号により制御し、画素スイッチ964がオン(電気的に導通状態)となるときに、映像データに対応した階調電圧信号が表示素子963に印加され、該階調電圧信号に応じて表示素子963の輝度が変化することで画像が表示される。1画面分のデータの書き換えは、1フレーム期間(60Hz駆動時は通常、約0.017秒)で行われ、各走査線961で1画素行毎(ライン毎)、順次、選択(TFT964がオン)され、選択期間内に、各データ線962より階調電圧信号が画素スイッチ964を介して表示素子963に供給される。なお、走査線で複数画素行が同時に選択される場合や、60Hz以上のフレーム周波数で駆動される場合もある。
【0006】
液晶表示装置の場合、図16(A)及び図16(B)を参照すると、表示パネル960は、単位画素として画素スイッチ964と透明な画素電極973をマトリクス状に配置した半導体基板と、面全体に1つの透明な電極974を形成した対向基板と、これら2枚の基板を対向させて間に液晶を封入した構造を有する。単位画素を構成する表示素子963は、画素電極973、対向基板電極974、液晶容量971及び補助容量972を備えている。また表示パネルの背面に光源としてバックライトを備えている。
【0007】
走査線961からの走査信号により画素スイッチ964がオン(導通)となるときに、データ線962からの階調電圧信号が画素電極973に印加され、各画素電極973と対向基板電極974との間の電位差により液晶を透過するバックライトの透過率が変化し、画素スイッチ964がオフ(非導通)とされた後も、該電位差を液晶容量971及び補助容量972で一定期間保持することで表示が行われる。なお、液晶表示装置の駆動では液晶の劣化を防ぐため、対向基板電極974のコモン電圧に対して画素ごと通常1フレーム周期で電圧極性(正又は負)を切替える駆動(反転駆動)が行われる。代表的な駆動として、隣接画素間で異なる電圧極性となるようなドット反転駆動や隣接データ線間で異なる電圧極性となるようなカラム反転駆動がある。ドット反転駆動では、1選択期間(1データ期間)毎に異なる電圧極性の階調電圧信号がデータ線962へ出力される。カラム反転駆動では、1選択期間(1データ期間)毎に同じ電圧極性の階調電圧信号がデータ線962へ出力される。
【0008】
有機発光ダイオード表示装置の場合、図16(A)及び図16(C)を参照すると、表示パネル960は、単位画素として、画素スイッチ964、及び、2つの薄膜電極層に挟まれた有機膜からなる有機発光ダイオード982、有機発光ダイオード982に供給する電流を制御する薄膜トランジスタ(TFT)981をマトリクス状に配置した半導体基板を有する。TFT981と有機発光ダイオード982は、異なる電源電圧が供給される電源端子984、985との間に直列形態で接続されており、TFT981の制御端子電圧を保持する補助容量983を更に備える。なお、1画素に対応した表示素子963は、TFT981、有機発光ダイオード982、電源端子984、985及び補助容量983を含む。
【0009】
走査線961からの走査信号により画素スイッチ964がオン(電気的に導通)となるときに、データ線962からの階調電圧信号がTFT981の制御端子に印加され、該階調電圧信号に対応した電流が、TFT981を介して有機発光ダイオード982に供給され、電流に応じた輝度で有機発光ダイオード982が発光することで表示が行われる。画素スイッチ964がオフ(電気的に非導通)とされた後も、TFT981の制御端子に印加された該階調電圧信号を補助容量983で一定期間保持することで発光が保持される。図16には、画素スイッチ964、TFT981はNch型トランジスタの例が示されているが、Pch型トランジスタで構成することも可能である。また有機EL素子は電源端子984側に接続される構成も可能である。また、有機発光ダイオード表示装置の駆動では、液晶表示装置のような反転駆動は必要なく、1選択期間(1データ期間)毎に画素に対応した階調電圧信号が出力される。
【0010】
有機発光ダイオード表示装置は、上記データ線962からの階調電圧信号に対応して表示を行う構成とは別に、データドライバから出力された階調電流信号を受けて表示を行う構成もあるが、本明細書では、データドライバから出力された階調電圧信号を受けて表示を行う構成に限定する。
【0011】
図16(A)において、ゲートドライバ970は、少なくとも2値の走査信号を供給すればよいのに対し、データドライバ980は、各データ線962を階調数に応じた多値レベルの階調電圧信号で駆動することが必要とされる。このため、データドライバ980は、映像データを階調電圧信号に変換するデコーダと、その階調電圧信号をデータ線962に増幅回路出力する増幅回路を含むデジタルアナログ変換回路(DAC)を備えている。
【0012】
液晶表示装置や有機発光ダイオード表示装置の薄型表示装置を有するハイエンド用途のモバイル機器、ノートPC、モニタ、TV等において、高画質化(多色化)が進んでおり、映像デジタルデータの多ビット化の需要も高まっている。多ビットDACの面積はデコーダ構成に依存する。
【0013】
また、液晶表示装置では、液晶駆動電圧の低電源電圧化の要求がある。一方、有機発光ダイオード表示装置では、液晶駆動のような極性反転は必要なく、電源電圧に対してダイナミックレンジ(駆動電圧範囲)が広い。これらを実現するためには、液晶表示装置及び有機発光ダイオード表示装置ともに、データドライバ980において、デジタルアナログ変換回路のデコーダのスイッチとして、Pchトランジスタスイッチ(Pch−SW)とNchトランジスタスイッチ(Nch−SW)を抱き合わせた構成(Pch−SWとNch−SWのドレイン・ソース間に流れる電流の向きが同一方向となるように、並列接続し、それぞれのゲートに相補の制御信号を入力し、共通にオン、オフが制御されるCMOSスイッチ)が必要である。
【0014】
しかしながら、例えばPch型又はNch型のスイッチを全てCMOSスイッチ構成とすると、デコーダ面積が増加し、データドライバのコストが増大する。
【0015】
また、本発明の関連技術として、データドライバの入力デジタル信号の多ビット化に対して、デコーダで選択する参照電圧数の増大を抑止し、デコーダを構成する素子数の増大の抑止を図るデジタルアナログ変換回路が特許文献1(特開2009−104056号公報)、特許文献2(特開2009−284310号公報)、特許文献3(特開2009−213132号公報)に開示されている。
【0016】
図17は、特許文献1〜3に開示されたLCDの正極又は負極の一方の極性に対応したデコーダを備えたデジタルアナログ変換回路の主要な構成を共通に示す図で、関連技術を説明するため本願発明者により作成された図面である。
【0017】
図17を参照すると、特許文献1〜3のデジタルアナログ変換回路においては、不図示の参照電圧発生回路から出力された参照電圧集合体820と、mビット(ただし、mは3以上の所定の正整数)のデジタルデータのうち上位側の(m−n)ビット(ただし、nは2以上の所定の正整数)が入力される第1〜第(zS+1)(ただし、Sは1を含む2のべき乗の整数:1、2、4、…、且つ、zは、1を含む2のべき乗に1を加算した整数:2、3、5、9、…)のサブデコーダ811−1〜811−(zS+1)と、下位側のnビットが入力されるサブデコーダ813を備えたデコーダ810と、内挿アンプ830を備えている。図17のデジタルアナログ変換回路は、内挿アンプ830から出力される出力レベル数に対して、デコーダ810に入力される参照電圧数が少なく、更にデコーダを構成するトランジスタスイッチ数も縮減した構成とされている。なお、デコーダ810は、単一導電型のトランジスタスイッチで構成されている。
【0018】
参照電圧集合体820は、電圧値が序列化された互いに異なる複数の参照電圧を含み、前記複数の参照電圧は(zS+1)個の参照電圧グループ(820−1〜820−(zS+1))にグループ化されている。なお、以下では、表記の簡単化のため、記号と数値の積算や記号同士の乗算では乗算記号(×)を省略して表す。例えば、
zSはz×S、
2zSは2×z×S、
(j−1)zSは(j−1)×z×S
を表している。
【0019】
第1の参照電圧グループ820−1は、{(j−1)zS+1}番目の参照電圧(Vr{(j−1)zS+1}(ただし、インデックスjは1、2、・・・hをとることが可能、ただし、hは2以上の正整数)を含む。インデックスjが1乃至hの全ての整数値をとる場合、第1の参照電圧グループ820−1は、(zS)番おきの参照電圧Vr{1}、Vr{zS+1}、Vr{2zS+1}、・・・、Vr{(h−1)zS+1}を含む。
【0020】
第2の参照電圧グループ820−2は、{(j−1)zS+2}番目の参照電圧(Vr{(j−1)zS+2}を含む。インデックスjが1乃至hの全ての整数値をとる場合、第2の参照電圧グループ820−2は、(zS)番おきの参照電圧Vr{2}、Vr{zS+2}、Vr{2zS+2}、・・・、Vr{(h−1)zS+2}を含む。
【0021】
同様にして、第(zS+1)の参照電圧グループ820−(zS+1)は、{(j−1)zS+(zS+1)}番目((jzS+1)番目)の参照電圧Vr{(j−1)zS+(zS+1)}=Vr(jzS+1)を含む。インデックスjが1乃至hの全ての整数値をとる場合、第(zS+1)の参照電圧グループ820−(zS+1)は、(zS)番おきの参照電圧Vr{zS+1}、Vr{2zS+1}、Vr{3zS+1}、・・・、Vr{hzS+1}を含む。
【0022】
参照電圧集合体820は、インデックスjが1乃至hの全ての整数値をとる場合、(hzS+1)個の互いに異なる複数の参照電圧を含む。なお一部の参照電圧が欠如する場合に対応してインデックスjの一部も欠如する場合がある。
【0023】
第1〜第(zS+1)のサブデコーダ811−1〜811−(zS+1)は、mビットのデジタル信号のうち上位側の(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB、ただし、D(m−1)B〜DnBはD(m−1)〜Dnの相補信号である)の値に応じて、第1〜第(zS+1)の参照電圧グループ820−1〜820−(zS+1)の対応する参照電圧グループごとに、それぞれ1個の参照電圧を選択することができる。なお、ビット信号は(D0、D0B)をLSB(Least Significant Bit)、(D(m−1)、D(m−1)B)をMSB(Most Significant Bit)とし、記号mが小さい側を下位側ビット、mが大きい側を上位側ビットとする。
【0024】
サブデコーダ813は、mビットのデジタル信号のうち下位側のnビット(D(n−1)〜D0、D(n−1)B〜D0B)の値に応じて、第1〜第(zS+1)のサブデコーダ811−1〜811−(zS+1)で選択された(zS+1)個、又はそれ以下の参照電圧から第1及び第2の電圧Vo1、Vo2を選択する。
【0025】
内挿アンプ830は、サブデコーダ813で選択された第1及び第2の電圧Vo1、Vo2を重複を含めてP個の入力にV(T1)、V(T2)、…、V(TP)として受け、電圧V(T1)、V(T2)、…、V(TP)を所定の比率で重み付け平均した電圧レベルを出力する。すなわち、内挿アンプ830は、デコーダ810で選択された異なる2つの電圧又は同一の2つの電圧(電圧Vo1、Vo2)を2分割以上で内分した複数の電圧レベルを生成することを可能としている。
【0026】
なお、参照電圧集合体820のVr1からVr(hzS+1)までの参照電圧は、互いに異なる電圧レベルとされ、VrX(X=1〜(hzS+1))の電圧レベルは、Xの昇順/降順に対して、単調増加又は単調減少となるように序列化されている。
【0027】
具体例として、内挿アンプ830は、P=2とされ、2つの電圧(Vo1,Vo2)を2つの入力T1、T2に受け、2つの入力T1、T2に受けた電圧V(T1)、V(T2)を1対1に内挿(Vout={V(T1)+V(T2)}/2)する内挿アンプ(特許文献1〜3参照)や、P=3とされ、2つの電圧(Vo1,Vo2)を3つの入力T1、T2、T3に受け、3つの入力T1、T2、T3に受けた電圧V(T1)、V(T2)、V(T3)を1対1対2の比率で重み付け平均(Vout=(V(T1)+V(T2)+2×V(T3))/4)する内挿アンプ(特許文献1、2参照)が適用されている。
【0028】
第1〜第(zS+1)のサブデコーダ811−1〜811−(zS+1)は、上位側の(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)を共通に入力し、サブデコーダ811−1〜811−(zS+1)で選択される(zS+1)個又はそれ以下の参照電圧は、参照電圧集合体820において互いに電圧レベルが異なり、順序が連続している参照電圧とされる。
【0029】
例えば第1のサブデコーダ811−1で参照電圧Vr{(j−1)zS+1}が選択された場合、第2のサブデコーダ811−2では参照電圧Vr{(j−1)zS+2}、第3のサブデコーダ811−3では参照電圧Vr{(j−1)zS+3}、…、第(zS+1)のサブデコーダ811−(zS+1)では参照電圧Vr(jzS+1)}がそれぞれ選択される。
【0030】
次に、図17の参照電圧集合体820のグループ化とサブデコーダ811−1〜811−(zS+1)で選択される参照電圧について説明する。
【0031】
図18は、図17の参照電圧集合体820のグループ化の一例を模式的に示す図であり、関連技術を説明するため本願発明者により作成された図面である。図18を参照すると、図17の参照電圧集合体820の複数の参照電圧(最大で(hzS+1)個)のグループ化は、第1乃至第(zS+1)の参照電圧グループ(図17の820−1〜820−(zS+1))を行に割り当て、各参照電圧グループに属する参照電圧の参照電圧グループ内での序列(例えば1、2、・・・、h−1、h)を列に割当てた、(zS+1)行、h列の2次元配列で表すことができる。
【0032】
2次元配列に割り当てられたi行j列(ただし、iは1以上且つ(zS+1)以下の整数、jは1以上且つh以下の整数、hは2以上の整数)の要素は、参照電圧Vr((j−1)zS+i)に対応している。
【0033】
すなわち、第1の参照電圧グループ820−1は、2次元配列の第1行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr1、Vr(zS+1)、Vr(2zS+1)、・・・、Vr{(h−1)(zS)+1})よりなる。
【0034】
第2の参照電圧グループ820−2は、2次元配列の第2行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr2、Vr(zS+2)、Vr(2zS+2)・・・、Vr{(h−1)(zS)+2})よりなる。
【0035】
第i(ただし、1≦i≦(zS+1))の参照電圧グループ820−iは2次元配列の第i行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr(i)、Vr(zS+i)、Vr(2zS+i)・・・、Vr{(h−1)(zS)+i})よりなる。
【0036】
第(zS+1)の参照電圧グループ820−(zS+1)は、2次元配列の第(zS+1)行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr(zS+1)、Vr(2zS+1)、Vr(3zS+1)、・・・、Vr(hzS+1))よりなる。
【0037】
第(zS+1)の参照電圧グループ820−(zS+1)における1番目から(h−1)番目の参照電圧(2次元配列の第(zS+1)行の1列から(h−1)列までに割り当てられた参照電圧)は、第1の参照電圧グループ820−1における2番目からh番目の参照電圧(2次元配列の第1行の2列からh列までに割り当てられた参照電圧)と、それぞれ同一とされる。
【0038】
図18の2次元配列の列は、図17のmビットデジタル信号の上位側(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)の値と対応しており、図17の第1〜第(zS+1)のサブデコーダ811−1〜811−(zS+1)で選択される参照電圧は、上位側(m−n)ビットの値に対応した図18の第1列〜第h列のいずれか1列に割り当てられた参照電圧とされる。
【0039】
なお、図18には、Vr1からVr(hzS+1)までの互いに異なる(hzS+1)個の参照電圧の対応関係が示されているが、Vr1から所定個の参照電圧が欠如していてもよい。また、Vr(hzS+1)よりも手前の所定の電圧からVr(hzS+1)までの所定個の参照電圧が欠如していてもよい。
【0040】
図17と特許文献1〜3に開示されたデジタルアナログ変換回路との対応について説明する。
【0041】
(a) S=1、z=2(zS+1=3)とすると、図17のデジタルアナログ変換回路は、3個の参照電圧グループにグループ化された複数の参照電圧とmビットデジタル信号の上位側の(m−n)ビットが入力される第1〜第3のサブデコーダと、第1〜第3のサブデコーダの出力とmビットデジタル信号の下位側のnビットが入力され、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択するサブデコーダと、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)をP個の入力に受け、P個の入力に受けた電圧を所定の比率で重み付け平均した電圧を出力する内挿アンプを備える。これは特許文献1の図1に対応する。なお、特許文献1(図1)の記号kは、図17で記号jに対応する。
【0042】
(b) S=2、z=2(zS+1=5)、P=2とすると、図17のデジタルアナログ変換回路は、5個の参照電圧グループにグループ化された複数の参照電圧とmビットデジタル信号の上位側の(m−n)ビットが入力される第1〜第5のサブデコーダと、第1〜第5のサブデコーダの出力とmビットデジタル信号の下位側のnビットが入力され、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択するサブデコーダと、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を2個の入力に受け、2個の入力に受けた電圧を1対1の比率で平均(内分)した電圧を出力する内挿アンプを備える。これは、特許文献2の図3に対応する。なお、特許文献2の記号Sは、図17の(zS)に対応する。
【0043】
(c) S=4、z=2(zS+1=9)、P=2とすると、図17のデジタルアナログ変換回路は、9個の参照電圧グループにグループ化された複数の参照電圧とmビットデジタル信号の上位側の(m−n)ビットが入力される第1〜第9のサブデコーダと、第1〜第9のサブデコーダの出力とmビットデジタル信号の下位側のnビットが入力され、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択するサブデコーダと、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を2個の入力に受け、2個の入力に受けた電圧を1対1の比率で平均(内分)した電圧を出力する内挿アンプを備える。これは、特許文献2の図9に対応する。
【0044】
(d) S=2、z=2(zS+1=5)、P=3とすると、図17のデジタルアナログ変換回路は、5個の参照電圧グループにグループ化された複数の参照電圧とmビットデジタル信号の上位側の(m−n)ビットが入力される第1〜第5のサブデコーダと、第1〜第5のサブデコーダの出力とmビットデジタル信号の下位側のnビットが入力され、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択するサブデコーダと、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を3個の入力に受け、3個の入力に受けた電圧を1対1対2の比率で重み付け平均した電圧を出力する内挿アンプを備える。これは、特許文献2の図16に対応する。
【0045】
(e) Sを1を含む2のべき乗の2以上の整数とし、z=3(zS+1=3S+1)、P=2とすると、図17のデジタルアナログ変換回路は、(3S+1)個の参照電圧グループにグループ化された複数の参照電圧とmビットデジタル信号の上位側の(m−n)ビットが入力される第1〜第(3S+1)のサブデコーダと、第1〜第(3S+1)のサブデコーダの出力とmビットデジタル信号の下位側のnビットが入力され、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択するサブデコーダと、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を2個の入力に受け、2個の入力に受けた電圧を1対1の比率で平均(内分)した電圧を出力する内挿アンプを備える。これは、特許文献3の図1に対応する。
【0046】
(f) S=2、z=3(zS+1=7)、P=2とすると、図17のデジタルアナログ変換回路は、7個の参照電圧グループにグループ化された複数の参照電圧とmビットデジタル信号の上位側の(m−n)ビットが入力される第1〜第7のサブデコーダと、第1〜第7のサブデコーダの出力とmビットデジタル信号の下位側のnビットが入力され、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択するサブデコーダと、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を2個の入力に受け、2個の入力に受けた電圧を1対1の比率で平均(内分)した電圧を出力する内挿アンプを備える。これは、特許文献3の図3に対応する。
【0047】
(g) S=1、z=3(zS+1=4)、P=2とすると、図17のデジタルアナログ変換回路は、4個の参照電圧グループにグループ化された複数の参照電圧とmビットデジタル信号の上位側の(m−n)ビットが入力される第1〜第4のサブデコーダと、第1〜第4のサブデコーダの出力とmビットデジタル信号の下位側のnビットが入力され、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択するサブデコーダと、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を2個の入力に受け、2個の入力に受けた電圧を1対1の比率で平均(内分)した電圧を出力する内挿アンプを備える。これは、特許文献3の図7に対応する。
【0048】
以上のように、図17において、記号S(1を含む2のべき乗の整数:1、2、4、…)、記号z(1を含む2のべき乗に1を加算した整数:2、3、5、9、…)、記号P(2又は3)の組合せによる構成が、特許文献1〜3に開示されたデジタルアナログ変換回路の構成と対応している。ところで、本願発明者による分析の結果、特許文献1〜3に開示された以外の構成のデジタルアナログ変換回路も、上記各記号の値の組合せによって実現可能であることを補足しておく。なお、複数の参照電圧と、内挿アンプから出力可能な電圧レベルの関係については、特許文献1〜3に開示された仕様の説明が参照される。
【0049】
次に、図17のサブデコーダ811−1〜811−(zS+1)の構成について説明する。図19は、図17のi番目のサブデコーダ811−i(i=1〜(zS+1))の構成を示す図であり、関連技術を説明するため本願発明者により作成された図面である。参照電圧集合体820がVr1からVr(hzS+1)までの互いに異なる(hzS+1)個の参照電圧を含むとき、第1〜第(zS+1)のサブデコーダ811−1〜811−(zS+1)は、入力する参照電圧の組が異なるだけであり、回路構成は互いに同一である。図19において、最も左側の参照電圧グループ820−1が第1のサブデコーダ811−1に入力され、参照電圧グループ820−2が第2のサブデコーダ811−2に入力され、参照電圧グループ820−(zS+1)は第(zS+1)のサブデコーダ811−(zS+1)に入力されるが、サブデコーダとしてi番目のサブデコーダ1つが示されている。図19では、第1〜第(zS+1)のサブデコーダ811−i(i=1〜(zS+1))は、mビットデジタル信号の上位側(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)の値に応じて、それぞれ参照電圧グループ820−1〜820−(zS+1)から、各参照電圧グループ内の序列がj番目(図18の2次元配列の第j列の要素に対応)の参照電圧Vr{(j−1)zS+1}、Vr{(j−1)zS+2}、…、Vr(jzS+1)を選択している。
【0050】
図19において、サブデコーダ811−i(i=1〜(zS+1))は、h個の参照電圧を入力し、mビットデジタル信号の上位側(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)のうちの下位側ビット(Dn、DnB)から上位側ビットの順で順次選択していき(トーナメント形式のスイッチ)、(D(m−1)、D(m−1)B)で1個の電圧を選択出力する構成とされる。
【0051】
また、各スイッチは単一導電型のパストランジスタで構成されている。Nchトランジスタで構成する場合は、ビット信号線b1〜b5にDn〜D(m−1)、ビット信号線b1b〜b5bにDnB〜D(m−1)Bが入力され、Pchトランジスタで構成する場合は、ビット信号線b1〜b5にDnB〜D(m−1)B、ビット信号線b1b〜b5bにDn〜D(m−1)が入力される。なお図19では、便宜上Nchトランジスタで構成した5ビットのトーナメント形式のサブデコーダの構成が示されている。
【0052】
次に、図17のサブデコーダ813の構成について説明する。サブデコーダ813は、記号S、z、Pの値及びトランジスタスイッチの導電型によって異なる。以下では、Nchトランジスタスイッチ構成の代表的な例を説明する。
【0053】
図20は、S=2、z=2(zS+1=5)、P=2に対応したサブデコーダ813Aの構成を示す図である(詳細は特許文献2参照)。(D2B、D2)に接続するNchトランジスタスイッチでは、(Vr(4j−3),Vr(4j−1))、(Vr(4j−2),Vr(4j))、(Vr(4j−1),Vr(4j+1))のそれぞれについて一方を選択しノードn3、n4、n5にそれぞれ出力する。D2=1(High)のとき、(n3,n4,n5)=(Vr(4j−1),Vr(4j),Vr(4j+1))、D2B=1のとき、(n3,n4,n5)=(Vr(4j−3),Vr(4j−2),Vr(4j))となる。
【0054】
(D1B,D1)に接続するNchトランジスタスイッチでは、(ノードn3、ノードn4)、(ノードn4、ノードn5)のそれぞれについて一方を選択してノードT1、n2に出力する。D1が1のとき、(T1、n2)=(n4、n5)、D1Bが1のとき、(T1、n2)=(n3、n4)となる。
【0055】
(D0B,D0)に接続するNchトランジスタスイッチでは、ノードT1、n2の一方を選択してノードT2に出力する。D0が1のとき、T2=n2、D0Bが1のとき、T2=T1となる。
【0056】
ノードT1、T2には、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)として順序が隣り合う2つの電圧又は1つの電圧(同一電圧)が重複して出力され、ノードT1、T2の電圧V(T1)、V(T2)を1対1の比率で平均(内分)した電圧を出力する内挿アンプ830に供給される。
【0057】
また、図21は、S=2、z=2(zS+1=5)、P=3に対応したサブデコーダ813Bの構成を示す図である(詳細は特許文献2参照)。(D3B,D3)に接続するNchトランジスタスイッチでは、(Vr(4j−3),Vr(4j−1))、(Vr(4j−2)、Vr(4j))、(Vr(4j−1)、Vr(4j+1))のそれぞれについて一方を選択し、ノードn13、n14、n15にそれぞれ出力する。D3=1(High)のとき、(n13,n14,n15)=(Vr(4j−1),Vr(4j),Vr(4j+1))、D3B=1のとき、(n13,n14,n15)=(Vr(4j−3),Vr(4j−2),Vr(4j))となる。
【0058】
(D2B,D2)に接続するNchトランジスタスイッチでは、(ノードn13,ノードn14)、(ノードn14,ノードn15)のそれぞれについて一方を選択してノードT2、n12に出力する。D2が1のとき、(T2,n12)=(n14,n15)、D2Bが1のとき、(T2,n12)=(n13,n14)となる。
【0059】
(D1B,D1)に接続するNchトランジスタスイッチでは、ノードT2、n12の一方を選択してノードT3に出力する。D1が1のとき、T3=n12、D1Bが1のとき、T3=T2となる。
【0060】
(D0B,D0)に接続するNchトランジスタスイッチでは、ノードT2、n12の一方を選択してノードT1に出力する。D0が1のとき、T1=n12、D0Bが1のとき、T1=T2となる。
【0061】
ノードT1、T2、T3には、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)として順序が隣り合う2つの電圧又は1つの電圧が重複して出力され、ノードT1、T2、T3の電圧V(T1)、V(T2)、V(T3)を1対1対2の比率で重み付け平均した電圧を出力する内挿アンプ830に供給される。
【0062】
また、図22は、S=1、z=3(zS+1=4)、P=2に対応したサブデコーダ813Cの構成を示す図である(詳細は特許文献3参照)。(D0B,D0)に接続するNchトランジスタスイッチでは、(Vr(3j−2),Vr(3j−1))、(Vr(3j−1),Vr(3j))、(Vr(3j),Vr(3j+1))、(Vr(3j−1),Vr(3j−2))のそれぞれについて一方を選択しノードn24、n25、n26、n27にそれぞれ出力する。D0=1(High)のとき、(n24,n25,n26,n27)=(Vr(3j−1),Vr(3j),Vr(3j+1),Vr(3j−2))、D0B=1のとき、(n24,n25,n26,n27)=(Vr(3j−2),Vr(3j−1),Vr(3j),Vr(3j−1))となる。
【0063】
(D1B,D1)に接続するNchトランジスタスイッチでは、(ノードn24,ノードn25)、(Vr(3j−2),ノードn27)、(Vr(3j−1),Vr(3j))のそれぞれについて一方を選択してノードn21、n22、n23に出力する。D1=1(High)のとき、(n21,n22,n23)=(n25,n27,Vr(3j))、D1B=1のとき、(n21,n22,n23)=(n24,Vr(3j−2),Vr(3j−1))となる。
【0064】
(D2B,D2)に接続するNchトランジスタスイッチでは、(ノードn21,ノードn26)、(ノードn22,ノードn23)のそれぞれについて一方を選択してノードT1、T2に出力する。D2=1(High)のとき、(T1,T2)=(n26,n23)、D2B=1のとき、(T1,T2)=(n21,n22)となる。
【0065】
ノードT1、T2には、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)として異なる2つの電圧又は1つの電圧が重複して出力され、ノードT1、T2の電圧V(T1)、V(T2)を1対1の比率で平均(内分)した電圧を出力する内挿アンプ830に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開2009−104056号公報
【特許文献2】特開2009−284310号公報
【特許文献3】特開2009−213132号公報
【特許文献4】特開2007−158810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0067】
以下に、参考技術の課題を説明する。
【0068】
図12を参照して、ドライバの出力電圧範囲について説明する。なお、図12は、参考技術の課題を説明するために本願発明者により作成された図面である。図12(A)は、LCDドライバの出力電圧範囲を表す。LCDドライバは、コモン電極電圧COMに対して正極と負極の極性反転駆動を行う。正極電圧範囲と負極電圧範囲は、それぞれ、高電位側と低電位側に分かれるが、コモン電極電圧の調整幅Vdif1を考慮すると、それぞれの極性の電圧範囲は、(1/2)×(VDD−VSS)よりも広い電圧範囲を出力できることが求められる(VSSは一般にグランド電位=0V)。
【0069】
図12(B)は、アクティブマトリクス駆動(電圧プログラム型)のOLEDドライバの出力電圧範囲を表す。図12(B)に示すように、OLEDドライバでは、図12(A)に示したLCDのような極性反転駆動は行われない。図12(B)では、出力電圧範囲が、(VSS+Vdif2)〜VDDである例が示されている。電位差Vdif2は、表示パネルに形成されたOLED素子の発光に必要な電極間電位差や、OLED素子に供給する電流を制御する表示パネル上のトランジスタの閾値電圧による。
【0070】
図12(A)、図12(B)において、LCD、OLEDドライバには、電源電圧に対して広い出力電圧範囲が必要とされる。そのため、各ドライバにおいて、データ信号(デジタル映像信号)に応じて、出力電圧レベルに対応した参照電圧を選択するデコーダも、広い選択電圧範囲が必要となる。例えば、デコーダにおいて、高電位側(VDD側)の参照電圧は、Pchトランジスタ・スイッチ(Pch−SW)で選択することができるが、低電位側(VSS側)の参照電圧を選択するPch−SWは、基板バイアス効果により、閾値電圧(絶対値)が増加し、トランジスタのゲート・ソース間電圧Vgs(絶対値)も小さくなるため、オン抵抗が高くなり(電流駆動能力が低下する)、低電位側(VSS側)の参照電圧を選択出力することができない場合がある。
【0071】
このため、選択電圧範囲の広いデコーダは、低電位側(VSS側)の参照電圧を選択するPch−SWのトランジスタ・サイズ(ゲート幅W)を大きくするか、あるいは、低電位側(VSS側)の参照電圧を選択するPch−SWとNchトランジスタ・スイッチ(Nch−SW)とを並列接続したCMOSスイッチ構成(Pch−SWとNch−SWの「抱き合わせ」ともいう)にする必要がある。このため、デコーダの面積は大幅に増加することになる。
【0072】
図13(A)、図13(B)は、デコーダを構成する基準サイズのPch−SW、Nch−SWにおいて入力される参照電圧と出力される選択電圧を示す図である。図13(C)、図13(D)は、Pch−SW、Nch−SWにおける1個平均の選択電圧とオン抵抗(特性71、72)の関係を示す図である。横軸は選択電圧(スイッチの出力電圧)、縦軸はトランジスタスイッチのオン抵抗値である。なお、図13は、参考技術の課題を説明するために本願発明者により作成された図面である。
【0073】
図13(C)において、(a−1)の電圧範囲Vpa〜VDDは、基準サイズのPch−SWのみで十分な動作速度で選択可能な電圧範囲を表わしている。Pch−SWのゲート電位はLow電位(VSS)であり、選択電圧が高電位の(a−1)の電圧範囲のとき、ゲート・ソース間電圧Vgsの絶対値は大となり、特性71に示すようにオン抵抗値は小さい。なお、図13(C)において、縦軸のRoは選択電圧の出力遅延を考慮したPch−SWのオン抵抗の許容上限値を表わしている。
【0074】
図13(C)において、(a−2)の電圧範囲Vpb〜Vpaは、Pch−SWのみで選択できるが、特性71に示すように、オン抵抗がやや高く、動作速度が不足する電圧範囲を表わしている。Pch−SWのゲート幅(W)を基準サイズより十分大きくしてオン抵抗を下げることが必要である。
【0075】
図13(C)において、(a−3)の電圧範囲VSS〜Vpbは、Pch−SWのみでは選択電圧を出力することが不可能な電圧範囲を表わしており、Nch−SWとのCMOS化が必要である。
【0076】
次に、図13(D)において、(b−1)の電圧範囲VSS〜Vnaは、基準サイズのNch−SWのみで十分な動作速度で選択可能な電圧範囲を表わしている。Nch−SWのゲート電位はHigh電位(VDD)であり、選択電圧が低電位の(b−1)の電圧範囲のとき、ゲート・ソース間電圧Vgsの絶対値は大となり、特性72に示すように、オン抵抗値は小さい。なお、図13(D)において、縦軸のRoは選択電圧の出力遅延を考慮したNch−SWのオン抵抗の許容上限値を表わしている。
【0077】
図13(D)において、(b−2)の電圧範囲Vnb〜VnaはNch−SWのみで選択できるが、特性72に示すように、オン抵抗がやや高く、動作速度が不足する電圧範囲を表わしている。Nch−SWのゲート幅(W)を基準サイズより十分大きくしてオン抵抗を下げることが必要である。
【0078】
図13(D)において、(b−3)の電圧範囲Vnb〜VDDはNch−SWのみで選択不可能な電圧範囲を表わしており、Pch−SWとの抱き合わせ(CMOS化)が必要である。
【0079】
以上のように、広い選択電圧範囲が必要なデコーダにおいては、単一導電型のトランジスタスイッチのゲート幅(W)を十分大きくしたり、Pch−SWとNch−SWの抱き合わせ(CMOS化)が必要となる。
【0080】
図15は、データドライバ(のLSIの1チップ)980の典型な構成例を模式的に示す図である。図15は、OLEDの回路ブロック、又は、LCDの正極/負極の一方の回路ブロックを示している。図15は、参考技術の課題を説明するために本願発明者により作成された図面である。
【0081】
図15を参照すると、複数の参照電圧を出力する参照電圧発生回路704と、出力数qに対応したデコーダ705−1〜705−qと、増幅回路(内挿アンプ)706−1〜706−qを含む。データドライバの出力S1〜Sqは、チップの長辺の端部より取出される。多出力になるほどチップの長辺が長くなる。
【0082】
参照電圧発生回路704から出力される複数の参照電圧(参照電圧集合体)は、デコーダ705−1〜705−qに共通に入力され、複数の参照電圧配線は、チップ980の長辺方向に配線される。各出力S1〜Sqに対応して設けられるデコーダ705−1〜705−qには、デジタルデータ信号がそれぞれ供給される。デジタルデータ信号を構成する各ビット線は、チップ980の短辺方向に配線される。デコーダ705−1〜705−qの各々は、Pch−SW単独で構成されるPchトランジスタ領域705Pと、Nch−SW単独で構成されるNchトランジスタ領域705Nとが、短辺方向に対して、図の上下(順序は任意)に配置される。シリコンLSIでは、PchトランジスタとNchトランジスタは、それぞれ互いに異なるNウェルとPウェル内にまとめて形成した方が省面積化に有効である。これは、一般的に同一ウェル内でのトランジスタ間の分離距離は小さくできるが、異なるウェル間でのトランジスタ間の分離距離は大きくなるためである。
【0083】
したがって、Pchトランジスタ領域705PとNchトランジスタ領域705Nを、短辺方向に対して上下に配置した方が、Pchトランジスタ領域705PとNchトランジスタ領域705Nを長辺方向に交互に配置するよりも、デコーダ705−1〜705−qの出力間のトランジスタ間隔が小さくできるため、出力S1、S2、・・・Sqの出力間隔を小さくすることができる。その結果、LSIチップ980の面積を小さくすることができる。各デコーダは、参照電圧発生回路704から出力される複数の参照電圧を、Pchトランジスタ領域705PとNchトランジスタ領域705Nのトランジスタ・スイッチで選択して、選択された電圧は短辺方向の配線により、デコーダ下に位置する増幅回路に入力される。なお、各デコーダのPchトランジスタ領域705PとNchトランジスタ領域705Nには、各トランジスタスイッチのゲートを制御するビット信号線が接続され、相補の信号線を含めて少なくともビット数の2倍のビット信号線がチップ980の短辺方向に配線される。また、参照電圧発生回路704は、デコーダ705−1〜705−qの左側に配置されているが、デコーダ705−1〜705−qの右側や、デコーダ705−1〜705−qの間に配置しても良い。
【0084】
しかしながら、各デコーダにおいて、CMOS化されるトランジスタスイッチが増加すると、Pchトランジスタ領域705PとNchトランジスタ領域705Nのトランジスタスイッチ間を接続する配線数が増加し、配線面積が増大する。
【0085】
このように、参照電圧集合体からデジタル信号に応じて複数個の電圧を選択出力するデコーダと、複数個の電圧を演算して多値電圧レベルを出力可能な増幅回路を有するデジタルアナログ変換回路において、広い選択電圧範囲が必要なデコーダ(すなわち、選択する参照電圧の電圧範囲が広いために、単一導電型(Pch又はNchの一方)のトランジスタのみでは構成できないデコーダ)においては、Pch−SWとNch−SWを組み合わせてCMOSスイッチ構成とするか、単一導電型のトランジスタスイッチのゲート幅(W)を十分大きくすることが必要とされ、デコーダ面積の増大を招く。
【0086】
したがって、本発明の目的は、参照電圧集合体からデジタル信号に応じて複数個の電圧を選択出力するデコーダと増幅回路を備えたデジタルアナログ変換回路において、PchとNchを組み合わせてCMOS化するトランジスタスイッチの数を抑制するとともに、CMOS化はしないがゲート幅(W)の増加が必要なトランジスタスイッチのゲート幅の増大を抑制し、デコーダ面積の増加を抑えたデジタルアナログ変換回路と、該デジタルアナログ変換回路を備えたデータドライバ、表示装置を提供することにある。
【0087】
本発明は、上記目的を達成するとともに、CMOS化するトランジスタスイッチに対して、Pch/Nchトランジスタ領域間のトランジスタ同士を接続する配線本数の増大を抑制するデジタルアナログ変換回路と、該デジタルアナログ変換回路を備えたデータドライバ、表示装置を提供することもその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0088】
前記課題の少なくとも1つの解決を図るために、本発明は概略以下のように構成される(ただし、以下の構成に制限されるものではない)。
【0089】
本発明の1つの側面によれば、互いに異なる複数の参照電圧を含む参照電圧集合体と、mビット(ただし、mは3以上の所定の正整数)のデジタルデータが入力され、
前記参照電圧集合体から、前記mビットのデジタルデータに基づき、第1及び第2の電圧を選択するデコーダと、
前記デコーダで選択された前記第1及び第2の電圧を入力し、前記第1及び第2の電圧を演算増幅した電圧レベルを出力端子から出力する増幅回路と、
を備えたデジタルアナログ変換回路であって、
前記参照電圧集合体は、
第1の参照電圧群と、
第2の参照電圧群と、
を含み、前記第1の参照電圧群はその一部として前記第2の参照電圧群の一部又は全てを含み、
前記デコーダは、
前記mビットのデジタル信号の上位側(m−n)ビット(ただし、nは2以上の所定の正整数)の信号に基づき、導通と非導通が制御され、前記第1の参照電圧群から互いに異なるQ個(ただし、Qは2以上の所定の正整数)の参照電圧を選択し、それぞれ第1乃至第Qのノードへ伝達する、複数のスイッチを備えた第1のサブデコーダ部と、
前記mビットのデジタル信号の前記上位側(m−n)ビットの信号に基づき、導通と非導通が制御され、前記第2の参照電圧群から互いに異なるQ個(ただし、Qは2以上の所定の正整数)の参照電圧を選択し、それぞれ前記第1のサブデコーダ部と共通に接続された前記第1乃至第Qのノードへ伝達する、複数のスイッチを備えた第2のサブデコーダ部と、
前記第1乃至第Qのノードが入力ノードとして共有され、前記mビットのデジタル信号の下位側nビットの信号に基づき、それぞれ導通と非導通が制御され、前記第1又は第2のサブデコーダ部で選択された前記Q個の参照電圧から前記第1及び第2の電圧を共通に選択し、出力ノードとして共有される第1乃至第P(ただし、Pは2以上の所定の正整数)のノードへ前記第1及び第2の電圧を重複を含めて伝達する、複数のスイッチを備えた第3及び第4のサブデコーダ部と、
を備え、
前記増幅回路は、
前記第3及び第4のサブデコーダ部の共通に接続される前記第1乃至第Pのノードへ伝達された前記第1及び第2の電圧を第1乃至第Pの入力に受け、前記第1乃至第Pの入力に受けた電圧を予め定められた重み付けで平均した電圧を前記出力端子から出力する構成とされ、
前記第1及び第3のサブデコーダ部の前記スイッチは、第1導電型のトランジスタよりなり、
前記第2、第4のサブデコーダ部の前記スイッチは、第2導電型のトランジスタよりなる、ことを特徴とするデジタルアナログ変換回路が提供される。本発明によれば、デジタルアナログ変換回路を備えたデータドライバ、該データドライバを備えた表示装置が提供される。
【0090】
本発明において、前記第3、第4のサブデコーダ部は、前記mビットのデジタル信号の下位側nビットの信号の値に値して、前記第1乃至第Pのノードのうちの一部の複数ノード又は全てのノードに対して同一電圧を伝達する構成としてもよい。本発明によれば、前記デジタルアナログ変換回路を含むデータドライバが提供される。また本発明によれば、上記データドライバを備えた表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0091】
本発明によれば、CMOS化するトランジスタスイッチ数を抑制するとともに、CMOS化されないトランジスタスイッチのゲート幅の増加量を抑制し、面積の増加を抑制可能とし、広い選択電圧範囲を有するデコーダを備えたデジタルアナログ変換回路、データドライバと表示装置を提供することができる。また本発明によれば、デコーダのPch/Nch間の配線接続の増大を抑制し、配線面積の増大も抑制可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例の増幅回路の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例の参照電圧グループと参照電圧グループ内の参照電圧の序列を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施例の第1のサブデコーダの構成を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例の第2のサブデコーダの構成を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例の第3、4のサブデコーダの構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例の第3、4のサブデコーダの構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例の第3、4のサブデコーダの構成を示す図である。
【図10】参考例の構成を示す図である。
【図11】図9とは別の参考例の第3、4のサブデコーダの構成を示す図である。
【図12】LCDドライバの出力レンジの一例とOLEDディスプレイドライバの出力レンジの一例を模式的に示す図である。
【図13】Pch−SWとNch−SWの選択電圧とオン抵抗の関係を説明する図である。
【図14】参照電圧とデコーダの選択電圧範囲との対応関係を示す図である。
【図15】データドライバ(LSIチップ)のレイアウトを模式的に示す図である。
【図16】典型的な表示装置と表示素子(液晶素子、有機EL素子)の構成の一例を示す図である。
【図17】関連技術のデジタルアナログ変換回路の構成を示す図である。
【図18】図17の参照電圧グループと参照電圧グループ内の参照電圧の序列を説明する図である。
【図19】図17のサブデコーダ811の構成の一例を示す図である。
【図20】図17のサブデコーダ813の構成の一例を示す図である。
【図21】図17のサブデコーダ813の構成の別の一例を示す図である。
【図22】図17のサブデコーダ813の構成の更に別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
本発明の実施形態について以下に説明する。なお、関連技術の図面及び説明に用いた記号に関し、同じ用途で用いる記号については、下記実施形態及び実施例においても重複して使用する。図1は、本発明の一実施形態の構成を示す図である。図1には、OLEDに対応したデコーダ、又は、LCDの正極又は負極の一方の極性に対応したデコーダを備えたデジタルアナログ変換回路の構成が示されている。図1を参照すると、本発明の一実施形態のデジタルアナログ変換回路は、互いに異なる複数の参照電圧を含む参照電圧集合体80と、mビット(ただし、mは3以上の所定の正整数)のデジタル信号が入力され、参照電圧集合体80から、mビットのデジタル信号に基づき、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択するデコーダ100と、デコーダ100で選択された第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を入力し、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を演算増幅した電圧レベルを出力端子51から出力する増幅回路50を備えている。
【0094】
本実施形態において、参照電圧集合体80は、第1の参照電圧群81と、第2の参照電圧群82と、を含み、第1の参照電圧群81は、その一部に、第2の参照電圧群82の一部又は全ての電圧を含む。
【0095】
本実施形態において、デコーダ100は、mビットのデジタル信号の上位側(m−n)ビット(ただし、nは2以上、m−1以下の所定の正整数)の信号を共通に入力し、第1の参照電圧群81と、第2の参照電圧群82と、を入力とする第1、第2のサブデコーダ部10、20と、mビットのデジタル信号の下位側nビットの信号を共通に入力する第3、第4のサブデコーダ部30、40とを備えている。
【0096】
第1のサブデコーダ部10は、上位側(m−n)ビットの信号に基づき、導通と非導通が制御され、第1の参照電圧群81から互いに異なるQ個(ただし、Qは2以上の所定の正整数)の参照電圧を選択し、それぞれ第1乃至第Qのノードnd1_1、nd2_1、・・・ndQ_1へ伝達する、複数のスイッチを備える。また、第2のサブデコーダ部20は、上位側(m−n)ビットの信号に基づき、導通と非導通が制御され、第2の参照電圧群82から互いに異なるQ個(ただし、Qは2以上の所定の正整数)の参照電圧を選択し、それぞれ第1のサブデコーダ部10と共通に接続された第1乃至第Qのノードnd1_2、nd2_2、・・・ndQ_2へ伝達する、複数のスイッチを備える。また、第3及び第4のサブデコーダ部30、40は、第1乃至第Qのノードnd1_1、nd2_1、・・・ndQ_1(及びノードnd1_2、nd2_2、・・・ndQ_2)が入力ノードとして共有され、下位側nビットの信号に基づき、それぞれ導通と非導通が制御され、第1又は第2のサブデコーダ部10、20で選択されたQ個の参照電圧から第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を共通に選択し、出力ノードとして共有される第1乃至第P(ただし、Pは2以上の所定の正整数)のノードT1、T2、・・・、TPへ第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を重複を含めて伝達する、複数のスイッチを備える。なお、第1のサブデコーダ部10の出力を受ける第1乃至第Qのノードnd1_1、nd2_1、・・・ndQ_1と、第2のサブデコーダ部20の出力を受ける第1乃至第Qのノードnd1_2、nd2_2、・・・ndQ_2とは、それぞれ共通接続されたQ個のノードであるが、説明の便宜上_1と_2をそれぞれ付与して区別している(第1、第2のサブデコーダ部10の出力ノードに対応させる)。ノードnd1_1とノードnd1_2はPch/Nch領域間接続配線60_1で接続され、ノードnd2_1とノードnd2_2はPch/Nch領域間接続配線60_2で接続され、以下同様に、ノードndQ_1とノードndQ_2はPch/Nch領域間接続配線60_Qで接続されている。
【0097】
本実施形態において、第3及び第4のサブデコーダ部30、40で共通に選択される第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)は、参照電圧集合体80の序列において異なる2つの電圧か、又は、重複して選択された1つの電圧とされる。第3のサブデコーダ部30のP個の出力ノードと第4のサブデコーダ部40のP個の出力ノードは、それぞれを共通接続するP本のPch/Nch領域間接続配線(「Pch/Nchトランジスタ領域間配線」ともいう)61_1〜61_Pにより、第1乃至第Pのノード(端子)T1、T2、・・・、TPにそれぞれ接続されている。
【0098】
本実施形態において、増幅回路50は、第3及び第4のサブデコーダ部30、40の出力ノードに共通に接続される第1乃至第PのノードT1、T2、・・・、TPへ伝達された第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を第1乃至第Pの入力(ノードT1、T2、・・・、TPと共通)に受け、第1乃至第Pの入力に受けた電圧V(T1)、V(T2)、・・・、V(TP)を予め定められた重み付けで平均した電圧Voutを出力端子51から出力する構成とされている。
【0099】
本実施形態において、第1及び第3のサブデコーダ部10、30の各スイッチは、第1導電型(Pch又はNchの一方)のトランジスタで構成され、第2及び第4のサブデコーダ部20、40の各スイッチは、第2導電型(Pch又はNchの他方)のトランジスタで構成されている。
【0100】
本実施形態において、増幅回路50による出力電圧Voutは、例えば以下のように、V(T1)〜V(TP)を予め定められたw1〜wPの重み付けで平均した電圧とされる。
【0101】
Vout = w1*V(T1) + w2*V(T2) +・・・+ wP*V(TP) ・・・(1-1)
w1 + w2 +・・・+ wp = 1 ・・・(1-2)
ただし、
w1=w2=・・・=wP=1/P
としてもよい。
【0102】
なお、出力端子51を一つの入力(反転入力)に帰還接続し、複数の電圧を重み付け平均した電圧を出力する増幅回路として、例えば特許文献1、特許文献2等の記載が参照される。
【0103】
本実施形態において、第1、第2のサブデコーダ部10と20は、出力数Qは同一であるが、入力される参照電圧数や構成は異なってもよい。
【0104】
本実施形態において、第3、第4のサブデコーダ部30と40は、入力ノード同士、出力ノード同士が、それぞれ、Pch/Nch領域間接続配線60_1〜60_Q、61_1〜61_Pで共通接続されているが、内部構成は異なってもよい。
【0105】
第3、第4のサブデコーダ部30と40は、mビットデジタル信号の下位側nビットの信号に基づき、入力されたQ個の参照電圧の中から共通に選択した第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を、第1、第2、・・・、第Pのノードに振り分けるデコード処理を行う。
【0106】
本実施形態において、第1導電型(PchとNchの一方)の第3サブデコーダ部30と第2導電型(PchとNchの他方)の第4のサブデコーダ部40の入力を接続することにより、第3のサブデコーダ部30の第1導電型のトランジスタスイッチと、第4のサブデコーダ部40において、当該第1導電型のトランジスタスイッチに対応する第2導電型のトランジスタスイッチとが、等価的にCMOS構成となる。このため、第3、第4のサブデコーダ部30と40において、選択された第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を伝達するスイッチのオン抵抗が、第1又は第2導電型の単一のスイッチで構成した場合と比べて、低減される。
【0107】
なお、本実施形態では、第2のサブデコーダ部20において、第1の参照電圧群81に含まれる第2の参照電圧群82の複数の参照電圧からQ個の参照電圧が選択される場合、第1のサブデコーダ部10においても、第2のサブデコーダ部20で選択された参照電圧と同じ参照電圧が選択される。
【0108】
一方、第1のサブデコーダ部10において、第2の参照電圧群82に含まれない第1の参照電圧群81の複数の参照電圧からQ個の参照電圧が選択される場合、第2のサブデコーダ部20は非選択とされる(第2のサブデコーダ部20を構成する複数のスイッチはいずれもオフ状態)。同様に、第2のサブデコーダ部20において、第1の参照電圧群81に含まれない第2の参照電圧群82の複数の参照電圧からQ個の参照電圧が選択される場合、第1のサブデコーダ部10は非選択とされる(第1のサブデコーダ部10を構成する複数スイッチはいずれもオフ状態)。したがって、第1及び第2のサブデコーダ部10、20の共通出力ノードnd1_1、nd2_1、・・・ndQ_1(及びノードnd1_2、nd2_2、・・・ndQ_2)において、第1、第2のサブデコーダ部10、20からそれぞれ互いに異なった参照電圧が選択されて衝突することはない。
【0109】
本実施形態によれば、第3及び第4のサブデコーダ部30と40の入力ノード同士、出力ノード同士をそれぞれ共有することで、第3及び第4のサブデコーダ部30と40を組み合わせた構成を、等価的なCMOS構成とし、選択された電圧を伝達するスイッチのオン抵抗の低減化を実現したことにより、第1と第2のサブデコーダ部10と20において、等価的なCMOSを構成しないトランジスタスイッチ(第1又は第2導電型の単一のスイッチ)に対しても、トランジスタサイズの増大(ゲート幅の増大)を抑制することができ(基準サイズのままであってよい)、デコーダ100の省面積化を実現できる。
【0110】
以下、いくつかの実施例に即して説明する。なお、実施例の説明にあたり、はじめに、参照電圧とデコーダの選択電圧範囲の対応関係について説明する。図14(A)は、OLEDに対応したデコーダ、又は、LCDの正極電圧範囲に対応した正極デコーダにおける参照電圧とデコーダの選択電圧範囲の対応関係を示す図である。図14(B)は、LCDの負極電圧範囲に対応した負極デコーダにおける参照電圧とデコーダの選択電圧範囲の対応関係を示す図である。
【0111】
図14(A)を参照すると、OLEDに対応したデコーダ、又は、LCDの正極電圧範囲に対応した正極デコーダには、高電位側電源VDD寄りの参照電圧Vr1〜V(hzS+1)が入力され、参照電圧Vr1が該デコーダの選択電圧範囲の下限(低電位側)、参照電圧Vr(hzS+1)が該デコーダの選択電圧範囲の上限(高電位側)とする。参照電圧Vr1からV(hzS+1)までの各参照電圧は序列化されており、単調的に増加する電圧レベルとされている。
【0112】
該デコーダにおいて、高電位側のVr(gzS+1)〜Vr(hzS+1)(ただし、h>g)の範囲の参照電圧を選択するスイッチ群は、基準サイズのPch−SW単独で構成可能である(参照電圧が図13(C)の(a−1)の電圧範囲に対応し、Pch−SWのオン抵抗が小、ゲート・ソース間電圧Vgsの絶対値が大)。
【0113】
また、Vr(kzS+1)〜Vr(gzS+1)(ただしg>k)の範囲の参照電圧を選択するスイッチ群は、Pch−SW単独で構成可能であるが(参照電圧が図13(C)の(a−2)の電圧範囲に対応し、Pch−SWのオン抵抗がやや大、ゲート・ソース間電圧Vgsの絶対値がやや小)、Pch−SWのゲート幅(W)の増大が必要とされる。
【0114】
また、Vr1〜Vr(kzS+1)(ただしk>1)の範囲の参照電圧を選択するスイッチ群は、Pch−SW単独で構成不可能であり(参照電圧が図13(C)の(a−3)の電圧範囲に対応し、Pch−SWのオン抵抗が大、ゲート・ソース間電圧Vgsの絶対値が小)、Nch−SWとの抱き合わせ(CMOS化)が必要とされる。
【0115】
なお、デコーダの選択電圧範囲が低電位側に広く及ぶ場合には、最も低電位側のVr1〜Vr(fkz+1)(ただし、k>f>1)の範囲の参照電圧を選択するスイッチ群は、Nch−SW単独で構成してもよい。
【0116】
図14(B)を参照すると、LCDの負極電圧範囲に対応した負極デコーダには、低電位側電源VSS寄りの参照電圧Vr1〜V(hzS+1)が入力され、参照電圧Vr1が該デコーダの選択電圧範囲の上限(高電位側)、参照電圧Vr(hzS+1)が該デコーダの選択電圧範囲の下限(低電位側)とする。参照電圧Vr1からV(hzS+1)までの各参照電圧は序列化されており、単調的に減少する電圧レベルとされている。
【0117】
該デコーダにおいて、低電位側のVr(gzS+1)〜Vr(hzS+1)(ただしh>g)の範囲の参照電圧を選択するスイッチ群は、基準サイズのNch−SW単独で構成可能である(参照電圧が図13(D)の(b−1)の電圧範囲に対応し、Nch−SWのオン抵抗が小、ゲート・ソース間電圧Vgsが大)。
【0118】
また、Vr(kzS+1)〜Vr(gzS+1)(ただし、g>k)の範囲の参照電圧を選択するスイッチ群は、Nch−SW単独で構成可能であるが(参照電圧が図13(D)の(b−2)の電圧範囲に対応し、Nch−SWのオン抵抗がやや大、ゲート・ソース間電圧Vgsがやや小)、Nch−SWのゲート幅(W)の増大が必要とされる。
【0119】
また、Vr1〜Vr(kzS+1)(ただし、k>1)の範囲の参照電圧を選択するスイッチ群は、Nch−SW単独で構成不可能であり(参照電圧が図13(D)の(b−3)の電圧範囲に対応し、Nch−SWのオン抵抗が大、ゲート・ソース間電圧Vgsが小)、Pch−SWとの抱き合わせ(CMOS化)が必要とされる。
【0120】
なお、デコーダの選択電圧範囲が高電位側に広く及ぶ場合には、最も高電位側のVr1〜Vr(fkz+1)(ただしk>f>1)の範囲の参照電圧を選択する回路は、Pch−SW単独で構成してもよい。
【0121】
<実施例1>
図2は、図1の本発明の実施形態の第1の実施例の構成を示す図である。図2には、OLEDに対応したデコーダ(図14(A))、又は、LCDの正極又は負極の一方の極性に対応したデコーダ(図14(A)又は図14(B))を備えたデジタルアナログ変換回路の構成が示されている。図2を参照すると、本実施例のデジタルアナログ変換回路は、参照電圧集合体80として第1の参照電圧群81、第2の参照電圧群82と、第1のサブデコーダ部10、第2のサブデコーダ部20、第3のサブデコーダ部30、第4のサブデコーダ部40からなるデコーダ100、及び増幅回路50を備えている。デコーダ100において、第1のサブデコーダ部10、第3のサブデコーダ部30は第1導電型(Pch又はNchの一方)のトランジスタスイッチからなる。第2のサブデコーダ部20、第4のサブデコーダ部40は第2導電型(Pch又はNchの他方)のトランジスタスイッチからなる。
【0122】
本実施例において、参照電圧集合体80は、序列化された互いに異なる複数の参照電圧を含み、第1及び第2の参照電圧群81、82に分けられている。
【0123】
第1の参照電圧群81は、互いに異なる(hzS+1)個の参照電圧Vr1、Vr2、Vr3、…、Vr(kzS+1)、…、Vr(hzS+1)を含む。ただし、記号Sは、1を含む2のべき乗の正整数(1、2、4、…)とし、記号zは、1を含む2のべき乗に1を加算した正整数(2、3、5、9、…)とし、記号h及びkは、それぞれ2以上の正整数で、h>kとする。
【0124】
第2の参照電圧群82は、互いに異なる(kzS+1)個の参照電圧Vr1、Vr2、Vr3、…、Vr(kzS+1)を含む。なお、第2の参照電圧群82の(kzS+1)個の参照電圧Vr1、Vr2、Vr3、…、Vr(kzS+1)は、第1の参照電圧群81の参照電圧Vr1、Vr2、Vr3、…、Vr(kzS+1)とそれぞれ同一参照電圧とされる。なお、特に制限されないが、本実施例では、Vr1、Vr2、Vr3、…、Vr(hzS+1)は、インデクッス番号で序列化され、インデクッス番号が増えるに従い電圧値が単調的に変化(単調増加又は単調減少)するものとする。
【0125】
本実施例では、第1及び第2の参照電圧群81、82のそれぞれにおいて、図17と同様に、複数の参照電圧は、(zS+1)個の参照電圧グループにグループ化されている。
【0126】
第1の参照電圧群81の第1の参照電圧グループ81−1は、{(j−1)zS+1}番目の参照電圧Vr{(j−1)zS+1}(ただし、インデックスjは1、2、・・・、hをとることが可能)を含む。インデックスjが1乃至hの全ての整数値をとる場合、第1の参照電圧グループ81−1は、(zS)番おきの参照電圧Vr{1}、Vr{zS+1}、Vr{2zS+1}、・・・、Vr{(h−1)zS+1}を含む。
【0127】
第1の参照電圧群81の第2の参照電圧グループ81−2は、{(j−1)zS+2}番目の参照電圧Vr{(j−1)zS+2}を含む。インデックスjが1乃至hの全ての整数値をとる場合、第2の参照電圧グループ81−2は、(zS)番おきの参照電圧Vr{2}、Vr{zS+2}、Vr{2zS+2}、・・・、Vr{(h−1)zS+2}を含む。
【0128】
同様にして、第1の参照電圧群81の第(zS+1)の参照電圧グループ81−(zS+1)は、{(j−1)zS+(zS+1)}番目(=(jzS+1)番目)の参照電圧Vr{(j−1)zS+(zS+1)}=Vr(jzS+1)を含む。インデックスjが1乃至hの全ての整数値をとる場合、第(zS+1)の参照電圧グループ81−(zS+1)は、(zS)番おきの参照電圧Vr{zS+1}、Vr{2zS+1}、Vr{3zS+1}、・・・、Vr{hzS+1}を含む。
【0129】
第1の参照電圧群81は、インデックスjが1乃至hの全ての整数値をとる場合、(hzS+1)個の互いに異なる複数の参照電圧を含む。なお、一部の参照電圧が欠如する場合に対応して、インデックスjの一部も欠如する場合がある。
【0130】
また、第2の参照電圧群82の第1の参照電圧グループ82−1は、{(j−1)zS+1}番目の参照電圧Vr{(j−1)zS+1}(ただし、インデックスjは1、2、・・・kをとることが可能)を含む。インデックスjが1乃至kの整数値をとる場合、第1の参照電圧グループ82−1は、(zS)番おきの参照電圧Vr{1}、Vr{zS+1}、Vr{2zS+1}、・・・、Vr{(k−1)zS+1}を含む。
【0131】
第2の参照電圧群82の第2の参照電圧グループ82−2は、{(j−1)zS+2}番目の参照電圧Vr{(j−1)zS+2}を含む。インデックスjが1乃至kの整数値をとる場合、第2の参照電圧グループ82−2は、(zS)番おきの参照電圧Vr{2}、Vr{zS+2}、Vr{2zS+2}、・・・、Vr{(k−1)zS+2}を含む。
【0132】
同様にして、第2の参照電圧群82の第(zS+1)の参照電圧グループ82−(zS+1)は、(jzS+1)番目の参照電圧Vr(jzS+1)を含む。インデックスjが1乃至kの整数値をとる場合、第(zS+1)の参照電圧グループ82−(zS+1)は、(zS)番おきの参照電圧Vr{zS+1}、Vr{2zS+1}、Vr{3zS+1}、・・・、Vr{kzS+1}を含む。
【0133】
本実施例において、デコーダ100は、mビットのデジタル信号(D(m−1)〜D0及びその相補信号D(m−1)B〜D0B)が入力され、第1及び第2のサブデコーダ部10、20に、mビットのデジタル信号のうち上位側の(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)がそれぞれ入力され、第3及び第4のサブデコーダ部30、40に下位側のnビット(D(n−1)〜D0、D(n−1)B〜D0B)がそれぞれ入力される。
【0134】
第1のサブデコーダ部10は、複数の第1導電型のトランジスタ・スイッチで構成された第1〜第(zS+1)のサブデコーダ10−1〜10−(zS+1)を備える。サブデコーダ10−1〜10−(zS+1)は、第1の参照電圧群81の参照電圧グループ81−1〜81−(zS+1)の参照電圧がグループ単位でそれぞれ供給され、mビットのデジタル信号のうち上位側の(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)が共通に入力される。サブデコーダ10−1〜10−(zS+1)は、D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnBの値に応じて、それぞれ対応する参照電圧グループから1個の参照電圧を選択し、ノードnd1_1〜nd(zS+1)_1へ伝達する。このときサブデコーダ10−1〜10−(zS+1)からノードnd1_1〜nd(zS+1)_1に伝達される(zS+1)個の参照電圧は、第1の参照電圧群81において序列が連続している参照電圧とされる。例えばサブデコーダ10−1で参照電圧Vr{(j−1)zS+1}が選択された場合、サブデコーダ10−2では参照電圧Vr{(j−1)zS+2}、・・・、サブデコーダ10−(zS+1)では参照電圧Vr(jzS+1)がそれぞれ選択される。なお、図1の記号Qが図2の(zS+1)に対応する。
【0135】
第2のサブデコーダ部20は、複数の第2導電型のトランジスタスイッチで構成された第1〜第(zS+1)のサブデコーダ20−1〜20−(zS+1)を備える。サブデコーダ20−1〜20−(zS+1)は、第2の参照電圧群82の参照電圧グループ82−1〜82−(zS+1)の参照電圧がグループ単位でそれぞれ供給され、mビットのデジタル信号のうち上位側の(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)が共通に入力される。サブデコーダ20−1〜20−(zS+1)は、D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnBの値に応じて、それぞれ対応する参照電圧グループから1個の参照電圧を選択し、ノードnd1_2〜nd(zS+1)_2へ伝達する。このとき、サブデコーダ20−1〜20−(zS+1)からノードnd1_2〜nd(zS+1)_2に伝達される(zS+1)個の参照電圧は、第2の参照電圧群82において序列が連続している参照電圧とされる。
【0136】
なお、第1のサブデコーダ部10のサブデコーダ10−1〜10−(zS+1)の出力を受けるノードnd1_1〜nd(zS+1)_1と、第2のサブデコーダ部20のサブデコーダ20−1〜20−(zS+1)の出力を受けるノードnd1_2〜nd(zS+1)_2はそれぞれ共通接続されているが、説明の便宜上、_1と_2をそれぞれ付与して区別している。
【0137】
上位側の(m−n)ビットで指定されるインデックスjが1乃至kをとる場合は、第1のサブデコーダ部10のサブデコーダ10−1〜10−(zS+1)でそれぞれ選択されるVr((j−1)zS+1)〜Vr(jzS+1)の計(zS+1)個の参照電圧と、第2のサブデコーダ部20のサブデコーダ20−1〜20−(zS+1)でそれぞれ選択されるVr((j−1)zS+1)〜Vr(jzS+1)の計(zS+1)個の参照電圧は、それぞれ同一の参照電圧となる。すなわち、インデックスjが1乃至kの整数値をとる参照電圧は、第1及び第2のサブデコーダ部10、20のそれぞれで異なる導電型のトランジスタスイッチで共通に選択されるため、等価的なCMOSスイッチ構成となる。
【0138】
インデックスjが(k+1)乃至hをとる場合は、第1のサブデコーダ部10のサブデコーダ10−1〜10−(zS+1)によってVr((j−1)zS+1)〜Vr(jzS+1)の計(zS+1)個の参照電圧が選択されるが、第2のサブデコーダ部20のサブデコーダ20−1〜20−(zS+1)において第2の参照電圧群82の参照電圧は非選択とされる。サブデコーダ20−1〜20−(zS+1)はオフ状態とされ出力ノードはハイインピーダンス状態とされる。
【0139】
第3のサブデコーダ30は、複数の第1導電型のトランジスタスイッチで構成され、mビットのデジタル信号のうち下位側のnビット(D(n−1)〜D0、D(n−1)B〜D0B)の値に応じて、ノードnd1_1〜nd(zS+1)_1(及びノードnd1_2〜nd(zS+1)_2)へ伝達された(zS+1)個の参照電圧から、重複を含む第1及び第2の電圧Vo1、Vo2を選択し、第1乃至第PのノードT1〜TPへ伝達する。なお、重複を含む第1及び第2の電圧Vo1、Vo2を選択するとは、第1及び第2の電圧Vo1、Vo2として同一電圧が選択される場合を含む。また、第1乃至第PのノードT1〜TPのうちの1部の複数ノード又は全てのノードに、同一電圧が伝達される場合も生じる。
【0140】
第4のサブデコーダ40は、複数の第2導電型のトランジスタスイッチで構成され、第3のサブデコーダ30と同様に、mビットのデジタル信号のうち下位側のnビット(D(n−1)〜D0、D(n−1)B〜D0B)の値に応じて、ノードnd1_1〜nd(zS+1)_1(及びノードnd1_2〜nd(zS+1)_2)へ伝達された(zS+1)個の参照電圧から、重複を含む第1及び第2の電圧Vo1、Vo2を選択し、第3のサブデコーダ30と共通の第1乃至第PのノードT1〜TPへ伝達する。
【0141】
第3及び第4のサブデコーダ30、40は、入力ノード同士(ノードnd1_1〜nd(zS+1)_1とノードnd1_2〜nd(zS+1)_2)がPch/Nch領域間接続配線60_1〜60_(zS+1)で共通接続され、出力ノード同士がPch/Nch領域間接続配線61_1〜61_PでノードT1〜TPに共通接続され、第1及び第2の電圧Vo1、Vo2がそれぞれ異なる導電型のトランジスタスイッチで共通に選択されるため、等価的なCMOSスイッチ構成となる。このため、参照電圧集合体80の全ての参照電圧に対して、mビットのデジタル信号のうち下位側のnビット(D(n−1)〜D0、D(n−1)B〜D0B)で導通、非導通が制御されるトランジスタスイッチのオン抵抗が低減される。これにより、第1のサブデコーダ部10において、インデックスjが(k+1)乃至hをとる参照電圧を選択する単一導電型構成のトランジスタスイッチのゲート幅の増大を抑制することができる(基準サイズのままであってよい)。したがって、デコーダ100の省面積化を実現できる。
【0142】
増幅回路50は、第3のサブデコーダ部30と第4のサブデコーダ部40の出力ノードとして共有される第1乃至第PのノードT1〜TPを入力として備え、ノードT1〜TPの電圧V(T1)〜V(TP)を演算(重み付け平均等の演算)した電圧Voutを出力端子51から出力する。増幅回路50の出力電圧Voutは、一つの第(P+1)の入力に帰還入力される。
【0143】
増幅回路50の2つの具体例を図3(A)と図3(B)に示す。図3(A)を参照すると、増幅回路50は、P=2とされ、ノードT1、T2に伝達された電圧(Vo1,Vo2)を、電圧V(T1)、V(T2)として入力し、電圧V(T1)、V(T2)を1対1に内挿(Vout={V(T1)+V(T2)}/2)する内挿アンプである。すなわち、図3(A)は、電圧(Vo1,Vo2)を平均化した電圧を出力する増幅回路である。電圧(Vo1,Vo2)が重複する同一電圧の場合、電圧Vo1(=Vo2)が出力され、電圧(Vo1,Vo2)が異なる電圧の場合、電圧(Vo1,Vo2)の中間電圧が出力される。
【0144】
また、図3(B)を参照すると、増幅回路50は、P=3とされ、ノードT1、T2、T3に重複を含めて伝達された電圧(Vo1,Vo2)を、電圧V(T1)、V(T2)、V(T3)として入力し、電圧V(T1)、V(T2)、V(T3)を1対1対2の比率で重み付け平均(Vout=(V(T1)+V(T2)+2×V(T3))/4)する内挿アンプである。すなわち、図3(B)の構成において、電圧(Vo1,Vo2)が重複する同一電圧の場合、電圧Vo1(=Vo2)が出力され、電圧(Vo1,Vo2)が異なる電圧の場合、電圧(Vo1,Vo2)を1対3、1対1、3対1の比率で内挿(内分)した電圧のいずれか1つが出力される。なお、図示しないが、P=4とされ、ノードT1、T2、T3、T4に伝達される電圧(Vo1,Vo2)を、電圧V(T1)、V(T2)、V(T3)、V(T4)として入力し、電圧V(T1)、V(T2)、V(T3)、V(T4)を平均(Vout=(V(T1)+V(T2)+V(T3)+V(T4))/4)する増幅回路としてもよい。この増幅回路は、図3(B)と同様に、電圧(Vo1,Vo2)が重複する同一電圧の場合、電圧Vo1(=Vo2)が出力され、電圧(Vo1,Vo2)が異なる電圧の場合、電圧(Vo1,Vo2)を1対3、1対1、3対1の比率で内挿(内分)した電圧のいずれか1つが出力される。
【0145】
<参照電圧集合体80>
次に、図2の参照電圧集合体80のグループ化と、第1のサブデコーダ部10のサブデコーダ10−1〜10−(zS+1)及び第2のサブデコーダ部20のサブデコーダ20−1〜20−(zS+1)で選択される参照電圧について説明する。
【0146】
図4は、図2の参照電圧集合体80のグループ化の詳細を示す図で、参照電圧とデコーダ100の選択電圧の対応関係は図14(A)又は図14(B)に対応している。図4を参照すると、図2の参照電圧集合体80の複数の参照電圧(最大で(hzS+1)個)のグループ化は、図18と同様に、第1乃至第(zS+1)の参照電圧グループを行に割り当て、各参照電圧グループに属する参照電圧の参照電圧グループ内での序列を列に割当てた、(zS+1)行、h列の2次元配列で表すことができる。なお参照電圧群81及び82はそれぞれ(zS+1)個のグループにグループ化され、図4において共通に示されている。すなわち、図4において、参照電圧群81は参照電圧Vr1〜Vr(hzS+1)のグループ化が参照され、参照電圧群82は参照電圧Vr1〜Vr(kzS+1)のグループ化が参照される。
【0147】
2次元配列に割り当てられたi行j列(ただし、iは1以上且つ(zS+1)以下の整数、jは1以上且つh又はk以下の整数、h及びkは2以上の整数)の要素は、参照電圧群81、82のそれぞれの参照電圧Vr((j−1)zS+i)に対応している。すなわち参照電圧群81の参照電圧は、2次元配列の第1列〜第h列(j=1〜h)の配列要素に対応し、参照電圧群82の参照電圧は、2次元配列の第1列〜第k列(j=1〜k)の配列要素に対応している。
【0148】
具体的には、参照電圧群81の第1の参照電圧グループ81−1は、2次元配列の第1行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr1、Vr(zS+1)、Vr(2zS+1)、・・・、Vr{(h−1)(zS)+1})よりなる。
【0149】
参照電圧群81の第2の参照電圧グループ81−2は、2次元配列の第2行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr2、Vr(zS+2)、Vr(2zS+2)・・・、Vr{(h−1)(zS)+2})よりなる。
【0150】
参照電圧群81の第i(ただし、1≦i≦(zS+1))の参照電圧グループ81−iは2次元配列の第i行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr(i)、Vr(zS+i)、Vr(2zS+i)・・・、Vr{(h−1)(zS)+i))よりなる。
【0151】
参照電圧群81の第(zS+1)の参照電圧グループ81−(zS+1)は、2次元配列の第(zS+1)行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr(zS+1)、Vr(2zS+1)、Vr(3zS+1)、・・・、Vr(hzS+1))よりなる。
【0152】
このとき、参照電圧群81の第(zS+1)の参照電圧グループ81−(zS+1)における1番目から(h−1)番目の参照電圧(2次元配列の第(zS+1)行の1列から(h−1)列までに割り当てられた参照電圧)は、第1の参照電圧グループ81−1における2番目からh番目の参照電圧(2次元配列の第1行の2列からh列までに割り当てられた参照電圧)と、それぞれ同一とされる。
【0153】
また、参照電圧群82の第1の参照電圧グループ82−1は、2次元配列の第1行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr1、Vr(zS+1)、Vr(2zS+1)、・・・、Vr{(k−1)(zS)+1})よりなる。
【0154】
参照電圧群82の第2の参照電圧グループ82−2は、2次元配列の第2行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr2、Vr(zS+2)、Vr(2zS+2)・・・、Vr{(k−1)(zS)+2})よりなる。
【0155】
参照電圧群82の第i(ただし、1≦i≦(zS+1))の参照電圧グループ82−iは2次元配列の第i行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr(i)、Vr(zS+i)、Vr(2zS+i)・・・、Vr{(k−1)(zS)+i})よりなる。
【0156】
参照電圧群82の第(zS+1)の参照電圧グループ82−(zS+1)は、2次元配列の第(zS+1)行に割当てられたzS個置きの参照電圧(Vr(zS+1)、Vr(2zS+1)、Vr(3zS+1)、・・・、Vr(kzS+1))よりなる。
【0157】
このとき、参照電圧群82の第(zS+1)の参照電圧グループ82−(zS+1)における1番目から(k−1)番目の参照電圧は、第1の参照電圧グループ82−1における2番目からk番目の参照電圧と、それぞれ同一とされる。
【0158】
図4の2次元配列の列は、図2のmビットデジタル信号の上位側(m−n)ビット(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)の値と対応している。したがって、図2の第1のサブデコーダ部10の第1〜第(zS+1)のサブデコーダ10−1〜10−(zS+1)でそれぞれ選択される参照電圧は、上位側(m−n)ビットの値に対応した図4の第1列〜第h列のいずれか1列に割り当てられた参照電圧とされる。また、図2の第2のサブデコーダ部20の第1〜第(zS+1)のサブデコーダ20−1〜20−(zS+1)でそれぞれ選択される参照電圧は、上位側(m−n)ビットの値に対応した図4の第1列〜第k列のいずれか1列に割り当てられた参照電圧とされる。
【0159】
なお、参照電圧群81の参照電圧においては、図14に示すように、第1のサブデコーダ部10の第1導電型のトランジスタスイッチで選択できない参照電圧(Vr1〜Vr(fzS+1))がある場合に、その参照電圧が欠如されてもよい。このときには、参照電圧群81は、図4の2次元配列の第(f+1)列〜第h列までの配列要素に対応した参照電圧(Vr(fzS+1)〜Vr(hzS+1))で構成される。
【0160】
<第1のサブデコーダ部>
次に、図2の第1のサブデコーダ部10の構成について説明する。図5は、図2の第1のサブデコーダ10を構成する第1〜第(zS+1)のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))の構成例を示す図である。第1のサブデコーダ部10に供給される参照電圧群81の参照電圧Vr1〜Vr(hzS+1)は、図2及び図4で説明したように、第1〜第(zS+1)の参照電圧グループ81−1〜81−(zS+1)にグループ化される。第1〜第(zS+1)の参照電圧グループ81−1〜81−(zS+1)のそれぞれについてh個の参照電圧が、サブデコーダ10−1〜10−(zS+1)にそれぞれ供給される。図5において、最も左側の参照電圧グループ81−1がサブデコーダ10−1に入力され、参照電圧グループ81−2がサブデコーダ10−2に入力され、参照電圧グループ81−(zS+1)はサブデコーダ10−(zS+1)に入力される。サブデコーダ10−1〜10−(zS+1)はそれぞれ入力する参照電圧の組が異なるだけであり、回路構成は互いに同一である。このため、図5には、サブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))が1つが示されている。
【0161】
図5に示すように、サブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))は、mビットデジタル信号の上位側(m−n)ビット信号(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)の値に応じて、それぞれ参照電圧グループ81−iから、各参照電圧グループ内の序列がj番目(図4の2次元配列の第j列の要素に対応)の参照電圧Vr{(j−1)zS+i}を選択している(ただし、jはj=1〜hのいずれかの値)。したがって、サブデコーダ10−1〜10−(zS+1)は、参照電圧グループ81−1〜81−(zS+1)から、各参照電圧グループ内の序列がj番目の参照電圧Vr{(j−1)zS+1}、Vr{(j−1)zS+2}、…、Vr(jzS+1)を選択している。
【0162】
図5のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))は、第iの参照電圧グループのh個の参照電圧が入力され、上位側(m−n)ビット信号D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnBにより1つの参照電圧を選択するトーナメント形式のサブデコーダの構成とされる。ビット信号D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnBのうち、まず下位側のビット信号(Dn、DnB)により2つの参照電圧の一方が選択され、次に1つ上位のビット信号(D(n+1)、D(n+1)B)により、ビット信号(Dn、DnB)で選択された参照電圧のうちの2つの一方が選択される。以下同様に、下位側から上位側のビット信号の順で2つの参照電圧の一方が順次選択される。
【0163】
図5のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))の各スイッチは、第1導電型のトランジスタ・スイッチ(Nch又はPchの一方)で構成されている。前記各スイッチを、Nchトランジスタで構成する場合、ビット信号線b1〜b5にDn〜D(m−1)がそれぞれ入力され、ビット信号線b1b〜b5bにDnB〜D(m−1)Bがそれぞれ入力される。前記各スイッチをPchトランジスタで構成する場合は、ビット信号線b1〜b5にDnB〜D(m−1)Bがそれぞれ入力され、ビット信号線b1b〜b5bにDn〜D(m−1)がそれぞれ入力される。なお、図5では、図面の都合上5ビットのトーナメント形式のサブデコーダの構成が示されている。また、図5において、×を囲む○は第1導電型(Pch又はNchの一方)のトランジスタスイッチを表している。
【0164】
図5のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))は、図14(A)又は図14(B)の参照電圧とデコーダの選択電圧範囲の関係を満たしている。
【0165】
図5のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))において、参照電圧Vr(gzS+i)〜Vr((h−1)zS+i)を選択するトランジスタスイッチは、基準サイズの第1導電型のトランジスタスイッチ単独で構成可能である。
【0166】
また、サブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))において、参照電圧Vr(kzS+i)〜Vr(gzS+i)を選択するトランジスタスイッチ(図5のスイッチ群91P)は、第1導電型のトランジスタスイッチ単独で構成可能であるが、ゲート幅(W)の増大が必要とされる。
【0167】
また、図5のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))において、参照電圧Vr(i)〜Vr(kzS+i)を選択するトランジスタスイッチ(図5のスイッチ群92P)は、第2導電型のトランジスタスイッチ(第2のサブデコーダ20)との抱き合わせ構成(CMOS構成)となるトランジスタスイッチである。
【0168】
なお、デコーダの選択電圧範囲が広く、サブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))において、第1導電型のトランジスタスイッチで選択できない参照電圧(Vri〜Vr(f−1)zS+i)(ただし、i=1〜(zS+1))がある場合、該参照電圧Vri〜Vr((f−1)zS+i)を選択するトランジスタスイッチ(スイッチ群93P)は、欠如されてもよい。
【0169】
なお、上述したように、本実施例において、第3、第4のサブデコーダ部30、40は、等価的なCMOS構成とされ、スイッチのオン抵抗が低減される。これにより、図5の参照電圧Vr(kzS+i)〜Vr(gzS+i)(i=1〜(zS+1))を選択するトランジスタスイッチ(図5のスイッチ群91P)は、ゲートサイズ(ゲート幅W)の増大を抑制することができる。ゲート幅の増大が抑制可能なトランジスタスイッチは、図5のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))の各々に存在するため、ゲート幅の増大の抑制によるデコーダの省面積効果は大きい。
【0170】
<第2のサブデコーダ部>
次に、図2の第2のサブデコーダ部20の構成について説明する。図6は、図2の第2のサブデコーダ20のサブデコーダ20−i(i=1〜(zS+1))の構成を示す図である。第2のサブデコーダ20に供給される参照電圧群82の参照電圧Vr1〜Vr(kzS+1)は、図2及び図4で説明したように、第1〜第(zS+1)の参照電圧グループ82−1〜82−(zS+1)にグループ化されている。第1〜第(zS+1)の参照電圧グループ82−1〜82−(zS+1)のそれぞれについてk個の参照電圧が、サブデコーダ20−1〜20−(zS+1)にそれぞれ供給される。第2のサブデコーダ20のサブデコーダ20−1〜20−(zS+1)は、それぞれに入力される参照電圧の組が異なるだけであり、回路構成は互いに同一である。図6には、サブデコーダ20−1〜20−(zS+1)としてi番目のサブデコーダ20−iが1つ示されている。なお、図2の第1の参照電圧群81の参照電圧Vr1〜Vr(hzS+1)を例えば第1の部分Vr1〜Vr(kzS+1)と第2の部分Vr(kzS+2)〜Vr(hzS+1)に区分すると(1<k<h)、第1の部分は、第2の参照電圧群82の参照電圧Vr1〜Vr(kzS+1)と等しい。
【0171】
図6では、サブデコーダ20−i(i=1〜(zS+1))は、mビットデジタル信号の上位側(m−n)ビット信号(D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnB)の値に応じて、対応する参照電圧グループ82−i(i=1〜(zS+1))から、各参照電圧グループ内の序列がj番目(図4の2次元配列の第j列の要素に対応)の参照電圧Vr{(j−1)zS+i}を選択している(ただし、jはj=1〜kのいずれかの値)。サブデコーダ20−1、20−2、・・・20−(zS+1)ではそれぞれVr{(j−1)zS+1}、Vr{(j−1)zS+2}、・・・Vr{jzS+1}を選択する。
【0172】
図6のサブデコーダ20−i(i=1〜(zS+1))は、第iの参照電圧グループのk個の参照電圧が入力され、上位側(m−n)ビット信号D(m−1)〜Dn、D(m−1)B〜DnBにより、1つの参照電圧が選択されるトーナメント形式のサブデコーダの構成とされる。なお、図6のサブデコーダ20−iに供給される参照電圧数(k個)は、図5のサブデコーダ10−iに供給される参照電圧数(h個)より少ないことから、上位側のビット信号は正信号(例えばD(m−1))か、相補信号(例えばD(m−1)B)の一方のみによる選択になる。
【0173】
図6のサブデコーダ20−i(i=1〜(zS+1))の各スイッチは、第1のサブデコーダ部10のスイッチとは逆導電型の第2導電型のトランジスタ(Pch又はNchの他方)で構成されている。サブデコーダ20−i(i=1〜(zS+1))の各スイッチをNchトランジスタで構成する場合、ビット信号線b1〜b3にDn〜D(m−1)の下位側の対応するビット信号、ビット信号線b1b〜b5bにDnB〜D(m−1)Bが入力される。サブデコーダ20−i(i=1〜(zS+1))の各スイッチをPchトランジスタで構成する場合、ビット信号線b1〜b3にDnB〜D(m−1)Bの下位側の対応するビット信号、ビット信号線b1b〜b5bにDn〜D(m−1)が入力される。なお、図6では、図面の都合上5ビットで選択されるトーナメント形式のサブデコーダの構成が示されている。なお、Yを囲む○は、第2導電型のトランジスタスイッチ(×を○で囲んだ第1導電型のトランジスタスイッチ(Pch又はNchの一方)とは逆導電型のトランジスタスイッチ)を表している。
【0174】
図6のサブデコーダ20−i(i=1〜(zS+1))(図6のスイッチ群92N)は、図5のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))の参照電圧Vr1〜Vr(kzS+1)を選択するトランジスタスイッチ(図5のスイッチ群92P)との抱き合わせ構成(CMOS構成)となるトランジスタスイッチとして構成されている。
【0175】
なお、図5のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))において、参照電圧(Vr1〜Vr(fkz+1))を選択するトランジスタスイッチ(図5のスイッチ群93P)が欠如している場合、図6のサブデコーダ10−i(i=1〜(zS+1))の参照電圧(Vr1〜Vr(fkz+1))を選択するトランジスタスイッチ(図6のスイッチ群93N)は、第2導電型のトランジスタスイッチ単独で構成される。
【0176】
<第3、第4のサブデコーダ部>
次に、図2の第3、第4のサブデコーダ部30、40の構成例について説明する。サブデコーダ部30、40は、パラメータS、z、Pの値によって異なるため、代表的な例を説明する。
【0177】
図7は、図2において、S=2、z=2(zS+1=5)、P=2、n=3に対応した第3、第4のサブデコーダ部30A、40Aの構成例を示す図である。図7に示すように、第3、第4のサブデコーダ部30A、40Aには、第1、第2のサブデコーダ部10、20で選択された、(zS+1)個(zS+1=5)の参照電圧(Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1))、がそれぞれ入力され、mビットデジタルデータの下位側nビット(n=3)の信号(D2〜D0、D2B〜D0B)に基づいて、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択し、ノードT1、T2に伝達する構成とされている。
【0178】
第3、第4のサブデコーダ部30A、40Aは、それぞれ、互いに異なる導電型のトランジスタスイッチで構成されている。第3のサブデコーダ部30Aにおいて、×を囲んだ○は、第1導電型(PchとNchの一方、例えばPch)のトランジスタスイッチを表し、第4のサブデコーダ部40Aにおいて、Yを囲んだ○は、第2導電型(PchとNchの他方、例えばNch型)のトランジスタスイッチを表している。
【0179】
図7に示すように、第3、第4のサブデコーダ部30A、40Aにおいて、スイッチの配置は同一であるが、第3のサブデコーダ部30Aのスイッチと、該スイッチに対応する第4のサブデコーダ部40Aのスイッチのそれぞれのゲートには、相補となるビット信号が供給されている。なお、第4のサブデコーダ部40AのスイッチがNchトランジスタスイッチで構成される場合、図20と同様の構成となる。
【0180】
図7を参照すると、第3のサブデコーダ部30Aの入力ノードnd1_1A、nd2_1A、nd3_1A、nd4_1A、nd5_1Aと第4のサブデコーダ部40Aの入力ノードnd1_2A、nd2_2A、nd3_2A、nd4_2A、nd5_2Aは、それぞれPch/Nchトランジスタ領域間配線60_1、60_2、60_3、60_4、60_5で共通接続されている。また、第3のサブデコーダ部30Aの第1、第2出力ノード(T1、T2)と、第4のサブデコーダ部40Aの第1、第2出力ノード(T1、T2)も、それぞれ、Pch/Nchトランジスタ領域間配線61_1、61_2で共通接続されている。
【0181】
図7において、第3のサブデコーダ部30Aの入力ノードnd1_1A、nd2_1A、nd3_1A、nd4_1A、nd5_1Aには、第1のサブデコーダ部10で選択された参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)(ただし、j=1〜hのいずれかの値)が伝達されている。また、第4のサブデコーダ部40Aの入力ノードnd1_2A、nd2_2A、nd3_2A、nd4_2A、nd5_2Aには、第2のサブデコーダ部20で選択された参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)(ただし、j=1〜k(1<k<h)のいずれかの値)が伝達されている。
【0182】
インデックスjがj=1〜kのとき、第3及び第4のサブデコーダ部30A、40Aのそれぞれの入力ノードには、第1及び第2のサブデコーダ部10、20から参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)が共通に伝達される。
【0183】
また、インデックスjが、j=(k+1)〜hのとき、第2のサブデコーダ部20は非選択となり、第3のサブデコーダ部30Aの入力ノードには、第1のサブデコーダ部10で選択された参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)が伝達される。
【0184】
図7において、第3及び第4のサブデコーダ部30A、40Aでの参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)の選択について説明する。なお、以下の説明では、第3のサブデコーダ部30Aを複数のPchトランジスタスイッチ(Pch−SW)、第4のサブデコーダ部40Aを複数のNchトランジスタスイッチ(Nch−SW)で構成した場合について説明する。
【0185】
(1)(D2,D1,D0)=(Low,Low,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Aにおいて、D2、D1、D0にそれぞれゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn3_1、n4_1、n5_1には、Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、T1、n2_1には、n3_1(=Vr(4j−3)、n4_1がそれぞれ伝達され、T2には、n3_1(=Vr(4j−3)が伝達される。また、第4のサブデコーダ部40Aでは、D2B、D1B、D0Bにそれぞれゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn3_2、n4_2、n5_2には、Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、配線61_1、n2_2には、n3_2(=Vr(4j−3)、n4_2がそれぞれ伝達され、配線61_2には、n3_2(=Vr(4j−3))が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(4j−3),Vr(4j−3))が伝達される。
【0186】
(2)(D2,D1,D0)=(Low,Low,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Aでは、D2、D1、D0Bにそれぞれゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn3_1、n4_1、n5_1には、Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、T1、n2_1には、n3_1(=Vr(4j−3))、n4_1がそれぞれ伝達され、T2には、n2_1(=Vr(4j−2))が伝達される。第4のサブデコーダ部40Aでは、D2B、D1B、D0にそれぞれゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn3_2、n4_2、n5_2には、Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、配線61_1、n2_2には、n3_2(Vr(4j−3))、n4_2(=Vr(4j−2))がそれぞれ伝達され、配線61_2には、n2_2(=Vr(4j−2))が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(4j−3),Vr(4j−2))が伝達される。
【0187】
(3)(D2,D1,D0)=(Low,High,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Aでは、D2、D1B、D0にそれぞれゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn3_1、n4_1、n5_1には、Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、T1、n2_1には、n4_1(=Vr(4j−2))、n5_1がそれぞれ伝達され、T2には、n4_1が伝達される。第4のサブデコーダ部40Aでは、D2B、D1、D0Bにそれぞれゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn3_2、n4_2、n5_2には、Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、配線61_1、n2_2には、n4_2(=Vr(4j−2))、n5_2がそれぞれ伝達され、配線61_2には、n4_2が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(4j−2),Vr(4j−2))が伝達される。
【0188】
(4)(D2,D1,D0)=(Low,High,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Aでは、D2、D1B、D0Bにそれぞれゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn3_1、n4_1、n5_1には、Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、T1、n2_1には、n4_1(=Vr(4j−2))、n5_1がそれぞれ伝達され、T2には、n5_1(=Vr(4j−1))が伝達される。第4のサブデコーダ部40Aでは、D2B、D1、D0にそれぞれゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn3_2、n4_2、n5_2には、Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、配線61_1、n2_2には、n4_2(=Vr(4j−2))、n5_2がそれぞれ伝達され、配線61_2には、n2_2(=Vr(4j−1))が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(4j−2),Vr(4j−1))が伝達される。
【0189】
(5)(D2,D1,D0)=(High,Low,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Aでは、D2B、D1、D0にそれぞれゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn3_1、n4_1、n5_1には、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)がそれぞれ伝達され、T1、n2_1には、n3_1(=Vr(4j−1))、n4_1がそれぞれ伝達され、T2には、n3_1(=Vr(4j−1))が伝達される。第4のサブデコーダ部40Aでは、D2、D1B、D0Bにそれぞれゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn3_2、n4_2、n5_2には、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)がそれぞれ伝達され、配線61_1、n2_2には、n3_2(=Vr(4j−1))、n4_2が伝達され、配線61_2には、n3_2が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(4j−1),Vr(4j−1))が伝達される。
【0190】
(6)(D2,D1,D0)=(High,Low,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Aでは、D2B、D1、D0Bにそれぞれゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn3_1、n4_1、n5_1には、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)がそれぞれ伝達され、T1、n2_1には、n3_1(=Vr(4j−1))、n4_1がそれぞれ伝達され、T2には、n2_1(=Vr(4j))が伝達される。第4のサブデコーダ部40Aでは、D2、D1B、D0にそれぞれゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn3_2、n4_2、n5_2には、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)がそれぞれ伝達され、配線61_1、n2_2には、n3_2(=Vr(4j−1))、n4_2がそれぞれ伝達され、配線61_2には、n2_2(=Vr(4j)が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(4j−1),Vr(4j))が伝達される。
【0191】
(7)(D2,D1,D0)=(High,High,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Aでは、D2B、D1B、D0にそれぞれゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn3_1、n4_1、n5_1には、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)がそれぞれ伝達され、T1、n2_1には、n4_1(=Vr(4j))、n5_1がそれぞれ伝達され、T2には、n4_1が伝達される。第4のサブデコーダ部40Aでは、D2、D1、D0Bにそれぞれゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn3_2、n4_2、n5_2には、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)がそれぞれ伝達され、配線61_1、n2_2には、n4_2(=Vr(4j))、n5_2が伝達され、配線61_2には、n4_2が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(4j),Vr(4j))が伝達される。
【0192】
(8)(D2,D1,D0)=(High,High,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Aでは、D2B、D1B、D0Bにそれぞれゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn3_1、n4_1、n5_1には、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)がそれぞれ伝達され、T1、n2_1には、n4_1(=Vr(4j))、n5_1がそれぞれ伝達され、T2には、n2_1(=Vr(4j+1))が伝達される。第4のサブデコーダ部40Aでは、D2、D1、D0にそれぞれゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn3_2、n4_2、n5_2には、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)がそれぞれ伝達され、配線61_1、n2_2には、n4_2(=Vr(4j))、n5_2がそれぞれ伝達され、配線61_2には、n2_2(=Vr(4j+1))が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(4j),Vr(4j+1))が伝達される。
【0193】
すなわち、ノードT1、T2に伝達される電圧(第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)に対応)は、参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)のうちの順序が隣り合う2つの電圧か、又は、重複して選択された1つの電圧とされる。
【0194】
ノードT1、T2の電圧(V(T1),V(T2))は、図4(A)の増幅回路50に入力され、電圧(V(T1),V(T2))を1対1の比率で平均(内分)した電圧が増幅回路50の出力端子から出力される。
【0195】
例えば、第3及び第4のサブデコーダ部30A、40Aに入力される、順序が連続する5個の参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)をそれぞれ、
Vr(4j−3)=Vo、
Vr(4j−2)=Vo+2Vf、
Vr(4j−1)=Vo+4Vf、
Vr(4j)=Vo+6Vf、
Vr(4j+1)=Vo+8Vf、
のように、2Vf間隔の電圧レベルとすると、増幅回路50の出力電圧Vout(=(V(T1)+V(T2))/2)は、
(D2,D1,D0)=(Low,Low,Low)のとき、Vout=Vo、
(D2,D1,D0)=(Low,Low,High)のとき、Vout=Vo+Vf、
(D2,D1,D0)=(Low,High,Low)のとき、Vout=Vo+2Vf、
(D2,D1,D0)=(Low,High,High)のとき、Vout=Vo+3Vf、
(D2,D1,D0)=(High,Low,Low)のとき、Vout=Vo+4Vf、
(D2,D1,D0)=(High,Low,High)のとき、Vout=Vo+5Vf、
(D2,D1,D0)=(High,High,Low)のとき、Vout=Vo+6Vf、
(D2,D1,D0)=(High,High,High)のとき、Vout=Vo+7Vf、
となり、(D2,D1,D0)の信号に応じて、VoからVo+7VfまでのVf間隔の8個の電圧レベルが出力される。
【0196】
図8は、図2において、S=2、z=2(zS+1=5)、P=3、n=4に対応した第3、第4のサブデコーダ部30B、40Bの構成を示す図である。第3、第4のサブデコーダ部30B、40Bは、第1、第2のサブデコーダ部10、20で選択出力された(zS+1)個(zS+1=5)の参照電圧がそれぞれ入力され、mビットデジタルデータの下位側nビット(n=4)の信号(D3〜D0、D3B〜D0B)に基づいて、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択し、ノードT1、T2、T3に重複を含めて伝達する構成とされている。
【0197】
第3のサブデコーダ部30Bは、第1導電型(例えばPch)のトランジスタスイッチで構成され、第4のサブデコーダ部40Bは、第2導電型(例えばNch)のトランジスタスイッチで構成されており、スイッチの配置は同一であるが、それぞれのゲートには相補となるビット信号が供給されている。なお、第4のサブデコーダ部40Bは、Nchトランジスタスイッチで構成される場合、図21と同様の構成となる。
【0198】
図8を参照すると、第3のサブデコーダ部30Bの入力ノードnd1_1B、nd2_1B、nd3_1B、nd4_1B、nd5_1Bと第4のサブデコーダ部40Bの入力ノードnd1_2B、nd2_2B、nd3_2B、nd4_2B、nd5_2Bは、それぞれPch/Nchトランジスタ領域間の配線60_1、60_2、60_3、60_4で共通接続されている。また、第3のサブデコーダ部30Bの第1、第2、第3出力ノード(T1、T2、T3)と、第4のサブデコーダ部40Bの第1、第2、第3出力ノード(T1、T2、T3)も、それぞれPch/Nchトランジスタ領域間の配線61_1、61_2、61_3で共通接続されている。
【0199】
図8において、第3のサブデコーダ部30Bの入力ノードnd1_1B、nd2_1B、nd3_1B、nd4_1B、nd5_1Bには、第1のサブデコーダ部10で選択された参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)(ただし、j=1〜hのいずれかの値)が伝達されている。また、第4のサブデコーダ部40Bの入力ノードnd1_2B、nd2_2B、nd3_2B、nd4_2B、nd5_2Bには、第2のサブデコーダ部20で選択された参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)(ただし、j=1〜kのいずれかの値)が伝達されている。
【0200】
インデックスjがj=1〜kの整数値のとき、第3及び第4のサブデコーダ部30B、40Bのそれぞれの入力ノードには、第1及び第2のサブデコーダ部10、20から参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)が共通に伝達される。
【0201】
インデックスjがj=(k+1)〜hの整数値のとき、第2のサブデコーダ部20は非選択となり、第3のサブデコーダ部30Bの入力ノードには、第1のサブデコーダ部10で選択された参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)が伝達される。
【0202】
図8において、第3及び第4のサブデコーダ部30B、40Bでの参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)の選択について説明する。なお、以下の説明では、第3のサブデコーダ部30BはPchトランジスタスイッチ、第4のサブデコーダ部40BはNchトランジスタスイッチで構成される場合について説明する。
【0203】
(1)(D3,D2,D1,D0)=(Low,Low,Low,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Bにおいて、D3、D2、D1、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn13_1、n14_1、n15_1には、Vr(4j−3),Vr(4j−2),Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、端子T2とn12_1には、n13_1とn14_1が伝達され、端子T1、T3には、n13_1が伝達される。第4のサブデコーダ部40Bでは、D3B、D2B、D1B、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn13_2、n14_2、n15_2には、Vr(4j−3),Vr(4j−2),Vr(4j−1)がそれぞれ伝達され、配線61_2とn12_2には、n13_2とn14_2が伝達され、配線61_1、61_3には、n13_2が伝達される。この結果、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−3),Vr(4j−3),Vr(4j−3))が伝達される。
【0204】
以下同様にして、
(2)(D3,D2,D1,D0)=(Low,Low,Low,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3、D2、D1、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3B、D2B、D1B、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−2),Vr(4j−3),Vr(4j−3))が伝達される。
【0205】
(3)(D3,D2,D1,D0)=(Low,Low,High,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3、D2、D1B、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3B、D2B、D1、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−3),Vr(4j−3),Vr(4j−2))が伝達される。
【0206】
(4)(D3,D2,D1,D0)=(Low,Low,High,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3、D2、D1B、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Aでは、D3B、D2B、D1、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−2),Vr(4j−3),Vr(4j−2))が伝達される。
【0207】
(5)(D3,D2,D1,D0)=(Low,High,Low,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3、D2B、D1、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Aでは、D3B、D2、D1B、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−2),Vr(4j−2),Vr(4j−2))が伝達される。
【0208】
(6)(D3,D2,D1,D0)=(Low,High,Low,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3、D2B、D1、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3B、D2、D1B、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−1),Vr(4j−2),Vr(4j−2))が伝達される。
【0209】
(7)(D3,D2,D1,D0)=(Low,High,High,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3、D2B、D1B、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3B、D2、D1、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−2),Vr(4j−2),Vr(4j−1))が伝達される。
【0210】
(8)(D3,D2,D1,D0)=(Low,High,High,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3、D2B、D1B、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3B、D2、D1、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−1),Vr(4j−2),Vr(4j−1))が伝達される。
【0211】
(9)(D3,D2,D1,D0)=(High,Low,Low,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Bにおいて、D3B、D2、D1、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3、D2B、D1B、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−1),Vr(4j−1),Vr(4j−1))が伝達される。
【0212】
(10)(D3,D2,D1,D0)=(High,Low,Low,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3B、D2、D1、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3、D2B、D1B、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j),Vr(4j−1),Vr(4j−1))が伝達される。
【0213】
(11)(D3,D2,D1,D0)=(High,Low,High,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3B、D2、D1B、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3、D2B、D1、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j−1),Vr(4j−1),Vr(4j))が伝達される。
【0214】
(12)(D3,D2,D1,D0)=(High,Low,High,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3B、D2、D1B、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Aでは、D3、D2B、D1、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j),Vr(4j−1),Vr(4j))が伝達される。
【0215】
(13)(D3,D2,D1,D0)=(High,High,Low,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3B、D2B、D1、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Aでは、D3、D2、D1B、D0B、にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j),Vr(4j),Vr(4j))が伝達される。
【0216】
(14)(D3,D2,D1,D0)=(High,High,Low,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3B、D2B、D1、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3、D2、D1B、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j+1),Vr(4j),Vr(4j))が伝達される。
【0217】
(15)(D3,D2,D1,D0)=(High,High,High,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3B、D2B、D1B、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3、D2、D1、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j),Vr(4j),Vr(4j+1))が伝達される。
【0218】
(16)(D3,D2,D1,D0)=(High,High,High,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Bでは、D3B、D2B、D1B、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Bでは、D3、D2、D1、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2、T3には、(V(T1),V(T2),V(T3))=(Vr(4j+1),Vr(4j),Vr(4j+1))が伝達される。
【0219】
すなわち、ノードT1、T2、T3に伝達される電圧(第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)に対応)は、参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)のうちの順序が隣り合う2つの電圧か、又は、重複して選択された1つの電圧とされる。
【0220】
ノードT1、T2、T3の電圧(V(T1),V(T2),V(T3))は、図4(B)の増幅回路50に入力され、電圧(V(T1),V(T2),V(T3))を1対1対2の比率で重み付け平均した電圧が増幅回路50の出力端子から出力される。
【0221】
例えば、第3及び第4のサブデコーダ部30B、40Bに入力される、順序が連続する5個の参照電圧Vr(4j−3)、Vr(4j−2)、Vr(4j−1)、Vr(4j)、Vr(4j+1)をそれぞれ、
Vr(4j−3)=Vo、
Vr(4j−2)=Vo+4Vf、
Vr(4j−1)=Vo+8Vf、
Vr(4j)=Vo+12Vf、
Vr(4j+1)=Vo+16Vf
のように、4Vf間隔の電圧レベルとすると、増幅回路50の出力電圧Vout(=(V(T1)+V(T2)+2×V(T3))/4)は、
(D3,D2,D1,D0)=(Low,Low,Low,Low)のとき、Vout=Vo、
(D3,D2,D1,D0)=(Low,Low,Low,High)のとき、Vout=Vo+Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(Low,Low,High,Low)のとき、Vout=Vo+2Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(Low,Low,High,High)のとき、Vout=Vo+3Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(Low,High,Low,Low)のとき、Vout=Vo+4Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(Low,High,Low,High)のとき、Vout=Vo+5Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(Low,High,High,Low)のとき、Vout=Vo+6Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(Low,High,High,High)のとき、Vout=Vo+7Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(High,Low,Low,Low)のとき、Vout=Vo+8Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(High,Low,Low,igh)のとき、Vout=Vo+9Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(High,Low,High,Low)のとき、Vout=Vo+10Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(High,Low,High,High)のとき、Vout=Vo+11Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(High,High,Low,Low)のとき、Vout=Vo+12Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(High,High,Low,High)のとき、Vout=Vo+13Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(High,High,High,Low)のとき、Vout=Vo+14Vf、
(D3,D2,D1,D0)=(High,High,High,High)のとき、Vout=Vo+15Vf、
となり、(D3,D2,D1,D0)の信号に応じて、VoからVo+15VfまでのVf間隔の16個の電圧レベルが出力される。
【0222】
図9は、S=1、z=3(zS+1=4)、P=2、n=3に対応したサブデコーダ部30C、40Cの構成を示す図である。図7の第3、第4のサブデコーダ部30C、40Cは、第1、第2のサブデコーダ部10、20で選択された(zS+1)個(zS+1=4)の参照電圧がそれぞれ入力され、mビットデジタルデータの下位側nビット(n=3)の信号(D2〜D0、D2B〜D0B)に基づいて、第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)を選択し、ノードT1、T2に伝達する構成とされている。
【0223】
第3のサブデコーダ部30Cは、第1導電型(例えばPch)のトランジスタスイッチで構成され、第4のサブデコーダ部40Cは第2導電型(例えばNch)のトランジスタスイッチで構成されており、スイッチの配置は同一であるが、それぞれのゲートには相補となるビット信号が供給されている。なお、第4のサブデコーダ部40Cは、Nchトランジスタスイッチで構成される場合、図22と同様の構成となる。
【0224】
図9を参照すると、第3のサブデコーダ部30Cの入力ノードnd1_1C、nd2_1C、nd3_1C、nd4_1Cと第4のサブデコーダ部40Cの入力ノードnd1_2C、nd2_2C、nd3_2C、nd4_2Cは、それぞれPch/Nchトランジスタ領域間の配線60_1、60_2、60_3、60_4で共通接続されている。また、第3のサブデコーダ部30Cの第1、第2出力ノード(T1、T2)と、第4のサブデコーダ部40Cの第1、第2出力ノード(T1、T2)も、それぞれPch/Nchトランジスタ領域間の配線61_1、61_2で共通接続されている。
【0225】
図9において、第3のサブデコーダ部30Cの入力ノードnd1_1C、nd2_1C、nd3_1C、nd4_1Cには、第1のサブデコーダ部10で選択された参照電圧Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j+1)(ただし、j=1〜hのいずれかの値)が伝達されている。また、第4のサブデコーダ部40Cの入力ノードnd1_2C、nd2_2C、nd3_2C、nd4_2Cには、第2のサブデコーダ部20で選択された参照電圧Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j+1)(ただし、j=1〜kのいずれかの値)が伝達されている。
【0226】
インデックスjがj=1〜kのとき、第3及び第4のサブデコーダ部30C、40Cのそれぞれの入力ノードには、第1及び第2のサブデコーダ部10、20から参照電圧Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j+1)が共通に伝達される。また、インデックスjがj=(k+1)〜hのとき、第2のサブデコーダ部20は非選択となり、第3のサブデコーダ部30Cの入力ノードには、第1のサブデコーダ部10で選択された参照電圧Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j+1)が伝達される。
【0227】
図9において、第3及び第4のサブデコーダ部30C、40Cでの参照電圧Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j+1)の選択について説明する。なお、以下の説明では、第3のサブデコーダ部30CはPchトランジスタスイッチ、第4のサブデコーダ部40CはNchトランジスタスイッチで構成される場合について説明する。
【0228】
(1)(D2,D1,D0)=(Low,Low,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Cにおいて、D2、D1、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンする。ノードn24_1、n25_1、n26_1、n27_1には、Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j−1)が伝達され、n21_1、n22_1、n23_1には、n24_1、Vr(3j−2)、Vr(3j−1)が伝達され、配線61_1、61_2には、n21_1、n22_1がそれぞれ伝達される。第4のサブデコーダ部40Cでは、D2B、D1B、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンする。ノードn24_2、n25_2、n26_2、n27_2には、Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j−1)がそれぞれ伝達され、n21_2、n22_2、n23_2には、n24_2、Vr(3j−2)、Vr(3j−1)が伝達され、T1、T2には、n21_2、n22_2が伝達される。この結果、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(3j−2),Vr(3j−2))が伝達される。
【0229】
以下、同様にして、
(2)(D2,D1,D0)=(Low,Low,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Cでは、D2、D1、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Cでは、D2B、D1B、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(3j−1),Vr(3j−2))が伝達される。
【0230】
(3)(D2,D1,D0)=(Low,High,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Cでは、D2、D1B、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Cでは、D2B、D1、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(3j−1),Vr(3j−1))が伝達される。
【0231】
(4)(D2,D1,D0)=(Low,High,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Cでは、D2、D1B、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Cでは、D2B、D1、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(3j),Vr(3j−2))が伝達される。
【0232】
(5)(D2,D1,D0)=(High,Low,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Cでは、D2B、D1、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Cでは、D2、D1B、D0B、にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(3j),Vr(3j−1))が伝達される。
【0233】
(6)(D2,D1,D0)=(High,Low,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Cでは、D2B、D1、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Cでは、D2、D1B、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(3j+1),Vr(3j−1))が伝達される。
【0234】
(7)(D2,D1,D0)=(High,High,Low)のとき、第3のサブデコーダ部30Cでは、D2B、D1B、D0にゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Cでは、D2、D1、D0Bにゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(3j),Vr(3j))が伝達される。
【0235】
(8)(D2,D1,D0)=(High,High,High)のとき、第3のサブデコーダ部30Cでは、D2B、D1B、D0Bにゲートが接続されたPch−SWがオンし、第4のサブデコーダ部40Cでは、D2、D1、D0にゲートが接続されたNch−SWがオンし、ノードT1、T2には、(V(T1),V(T2))=(Vr(3j+1),Vr(3j))が伝達される。
【0236】
すなわち、ノードT1、T2に伝達される電圧(第1及び第2の電圧(Vo1,Vo2)に対応)は、Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j+1)のうちの順序が隣り合わないものも含めた2つの電圧か、又は、重複して選択された1つの電圧とされる。
【0237】
ノードT1、T2の電圧(V(T1),V(T2))は、図4(A)の増幅回路50に入力され、電圧(V(T1),V(T2))を1対1の比率で平均(内分)した電圧が増幅回路50の出力端子から出力される。
【0238】
例えば、第3及び第4のサブデコーダ部30C、40Cに入力される、順序が連続する4個の参照電圧Vr(3j−2)、Vr(3j−1)、Vr(3j)、Vr(3j+1)をそれぞれ、
Vr(3j−2)=Vo、
Vr(3j−1)=Vo+2Vf、
Vr(3j)=Vo+6Vf、
Vr(3j+1)=Vo+8Vf
のように、2Vf又は4Vf間隔の電圧レベルとすると、増幅回路50の出力電圧Vout(=(V(T1)+V(T2))/2)は、
(D2,D1,D0)=(Low,Low,Low)のとき、Vout=Vo、
(D2,D1,D0)=(Low,Low,High)のとき、Vout=Vo+Vf、
(D2,D1,D0)=(Low,High,Low)のとき、Vout=Vo+2Vf、
(D2,D1,D0)=(Low,High,High)のとき、Vout=Vo+3Vf、
(D2,D1,D0)=(High,Low,Low)のとき、Vout=Vo+4Vf、
(D2,D1,D0)=(High,Low,High)のとき、Vout=Vo+5Vf、
(D2,D1,D0)=(High,High,Low)のとき、Vout=Vo+6Vf、
(D2,D1,D0)=(High,High,High)のとき、Vout=Vo+7Vf、
となり、(D2,D1,D0)の信号に応じて、VoからVo+7VfまでのVf間隔の8個の電圧レベルが出力される。
【0239】
なお、図7乃至図9では、第3、第4のサブデコーダ部30、40は、スイッチの配置を同一とし、それぞれのゲートに相補となるビット信号が供給される構成の例が示されているが、下位側nビットの信号の値と選択される電圧が同じであるならば、第3、第4のサブデコーダ部30、40の一方又は両方のビット信号の選択順を入替えるなど、第3、第4のサブデコーダ部30、40が異なる構成であってもよい。
【0240】
図7乃至図9の各実施例で示したように、図1、図2の第3及び第4のサブデコーダ部30、40の入力ノード同士を共通接続し、出力ノード同士を共通接続し、等価的なCMOS構成とすることで、デコーダ100で選択する全ての参照電圧に対して、第3及び第4のサブデコーダ部30、40での選択時のスイッチのオン抵抗が低減される。これにより、第1のサブデコーダ部10のトランジスタスイッチ(図5のサブデコーダ10−iのスイッチ群91P)のゲート幅の増大を抑制することができる。
【0241】
なお、第1のサブデコーダ部10は、それぞれ(m−n)ビットの信号で選択される(zS+1)個のトーナメント型サブデコーダで構成されているため、第1のサブデコーダ部10のゲート幅の増大抑制対象となるトランジスタスイッチの数は多数となる。したがって、デコーダ100の省面積化が実現できる。
【0242】
また、第3及び第4のサブデコーダ部30、40のPch/Nchトランジスタ領域間の接続配線を入力ノード同士及び出力ノード同士の接続としたことにより、配線本数の増大を抑制し、図15におけるチップ980の短辺方向の配線数の増加は十分小さく、配線面積の増加はほとんどない。
【0243】
<比較例>
図10は、図1のデコーダ100の比較例(本発明の構成をとらない参考例)を示す図である。なお、図10は、本発明との比較の目的で本願発明者が作図した図面である。
【0244】
図10に示す比較例のデコーダ200では、第1のサブデコーダ部10のQ個の出力ノードnd1_1〜ndQ_1、第2のサブデコーダ部20のQ個の出力ノードnd1_2〜ndQ_2は、図1の実施例と相違して、互いに接続されていない。したがって、第3、第4のサブデコーダ部30、40は、図1の実施例のように参照電圧集合体80の全ての参照電圧に対して等価的なCMOS構成とならない。このため、第1のサブデコーダ部10において、図5のサブデコーダ10−iのスイッチ群91Pのトランジスタスイッチのゲート幅Wを増大させてスイッチのオン抵抗を下げることが必要とされ、デコーダの面積が増大する。一方、本発明のデコーダ100では、デコーダ面積の削減が実現可能である。
【0245】
また、図11は、図9の第3、第4のサブデコーダ30C、40Cの比較例のサブデコーダ230、240を示す図である。サブデコーダ230、240は図9と同様にそれぞれ第1導電型及び第2導電型のトランジスタスイッチで構成される。図11に示すサブデコーダ230、240では、図9の構成に対して、サブデコーダ230と240の対応する各スイッチの両端同士をそれぞれ共通接続したCMOS構成としている。
【0246】
このため、第3、第4のサブデコーダ部230、240の各スイッチ(CMOS構成)のオン抵抗は低くなるが、Nch/Pchトランジスタ領域間配線の本数が増え、配線面積が増加する。また、図15を参照して説明したように、データ信号のビット信号線と配線領域がかち合うため、1出力あたりのデコーダの長辺方向サイズが増大する。すなわち、図15において、デコーダ705−1〜705−qの各々の長辺方向サイズが増大し、チップ面積が増大する。
【0247】
これに対して、本発明の実施例(図7乃至図9)において、第3、第4のサブデコーダ部30、40では、入力ノード間及び出力ノード間のみ共通接続とし、Nch/Pchトランジスタ領域間配線を最小限として等価的なCMOS構成を実現している。このため、配線面積の増加が抑えられている。
【0248】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0249】
10 第1のサブデコーダ部
10−1〜10−(zS+1) サブデコーダ
20 第2のサブデコーダ部
20−1〜20−(zS+1) サブデコーダ
30、30A、30B、30C 第3のサブデコーダ部
40、40A、40B、40C 第4のサブデコーダ部
50 増幅回路
51 出力端子
60、61 Nch/Pchトランジスタ領域間配線
71、72 オン抵抗の特性曲線
80 参照電圧集合体
81 第1の参照電圧群
81−1〜81−(zS+1) 参照電圧グループ
82 第2の参照電圧群
82−1〜82−(zS+1) 参照電圧グループ
91P、92P、93P、92N、93N スイッチ群
100 デコーダ
200 デコーダ(比較例)
230 第3のサブデコーダ部(比較例)
240 第4のサブデコーダ部(比較例)
704 参照電圧発生回路
705−1〜705−q デコーダ
706−1〜706−q 増幅回路
810 デコーダ
811−1〜811−(zS+1) サブデコーダ
813 サブデコーダ
820 参照電圧集合体
820−1〜820−(zS+1) 参照電圧グループ
830 増幅回路(内挿アンプ)
940 電源回路
950 表示コントローラー
960 表示パネル
961 走査線
962 データ線
963 表示素子
964 画素スイッチ(TFT)
970 ゲートドライバ
971 液晶容量
972 補助容量
973 画素電極
974 電極(対向基板電極)
980 データドライバ
981 薄膜トランジスタ(TFT)
982 有機発光ダイオード
983 補助容量
984、985 電源端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数の参照電圧を含む参照電圧集合体と、
mビット(ただし、mは3以上の所定の正整数)のデジタル信号を入力し、前記参照電圧集合体から、前記mビットのデジタル信号に基づき、第1及び第2の電圧を選択するデコーダと、
前記デコーダで選択された前記第1及び第2の電圧を入力し、前記第1及び第2の電圧を演算増幅した電圧レベルを出力端子から出力する増幅回路と、
を備え、
前記参照電圧集合体は、
第1の参照電圧群と、
第2の参照電圧群と、
を含み、前記第1の参照電圧群の一部が、前記第2の参照電圧群の一部又は全ての電圧を含み、
前記デコーダは、
前記mビットのデジタル信号の上位側(m−n)ビット(ただし、nは2以上、且つ(m−1)以下の所定の正整数)の信号を共通に入力する第1乃至第2のサブデコーダ部と、
前記mビットのデジタル信号の下位側nビットの信号を共通に入力する第3乃至第4のサブデコーダ部と、
前記第1及び第2のサブデコーダ部の第1乃至第Q(ただし、Qは2以上の所定の正整数)の出力ノードに共通に接続され、前記第3乃至第4のサブデコーダ部の第1乃至第Qの入力ノードに共通に接続される第1乃至第Qのノードと、
前記第3及び第4のサブデコーダ部の第1乃至第P(ただし、Pは2以上の所定の正整数)の出力ノードに共通に接続される第1乃至第Pのノードと、
を備え、
前記第1のサブデコーダ部は、
前記mビットのデジタル信号の上位側(m−n)ビットの信号に基づき、導通と非導通が制御され、前記第1の参照電圧群から、互いに異なるQ個の参照電圧を選択し、それぞれ前記第1乃至第Qのノードへ伝達する、複数のスイッチを備え、
前記第2のサブデコーダ部は、
前記mビットのデジタル信号の前記上位側(m−n)ビットの信号に基づき、導通と非導通が制御され、前記第2の参照電圧群から、互いに異なるQ個の参照電圧を選択し、それぞれ前記第1乃至第Qのノードへ伝達する、複数のスイッチを備え、
前記第3のサブデコーダ部は、
前記mビットのデジタル信号の下位側nビットの信号に基づき、それぞれ導通と非導通が制御され、前記第1乃至第Qのノードに伝達された前記Q個の参照電圧から、前記第1及び第2の電圧を選択し、選択した前記第1及び第2の電圧を、前記第1乃至第Pのノードへ伝達する、複数のスイッチを備え、
前記第4のサブデコーダ部は、
前記mビットのデジタル信号の下位側nビットの信号に基づき、それぞれ導通と非導通が制御され、前記第1乃至第Qのノードに伝達された前記Q個の参照電圧から、前記第1及び第2の電圧を、前記第3のサブデコーダ部と共通に選択し、選択した前記第1及び第2の電圧を、前記第1乃至第Pのノードへ伝達する、複数のスイッチを備え、
前記第1及び第3のサブデコーダ部の前記スイッチは、同一の導電型のトランジスタよりなり、
前記第2及び第4のサブデコーダ部の前記スイッチは、前記第1及び第3のサブデコーダ部の前記スイッチとは逆導電型のトランジスタよりなり、
前記増幅回路は、
前記第1乃至第Pのノードにそれぞれ接続された第1乃至第Pの入力を備え、前記第1乃至第Pのノードに伝達され前記第1乃至第Pの入力に受けた電圧を、予め定められた重み付けで平均し、前記重み付け平均した電圧を、前記mビットのデジタル信号に対応したアナログ信号として前記出力端子から出力する、ことを特徴とするデジタルアナログ変換回路。
【請求項2】
前記第3、第4のサブデコーダ部は、前記mビットのデジタル信号の下位側nビットの信号の値に値して、前記第1乃至第Pのノードのうちの一部の複数ノード又は全てのノードに対して同一電圧を伝達する、ことを特徴とする請求項1記載のデジタルアナログ変換回路。
【請求項3】
前記Qが、z×S+1(ただし、Sは1を含む2のべき乗の正整数であり、zは1を含む2のべき乗の値に1を加算した正整数)とされ、
前記参照電圧集合体は、電圧値が昇順又は降順に順位付けされた第1乃至第(h×z×S+1)(ただし、hは2以上の所定の正整数)の参照電圧を含み、
前記第1乃至第(h×z×S+1)の参照電圧は、(z×S+1)行、h列の2次元配列の配列要素に割当てられ、
前記2次元配列における、i行j列(ただし、iは1以上、且つ、(z×S+1)以下の整数、jは1以上、且つ、h以下の整数)の配列要素が、前記第1乃至第(h×z×S+1)の参照電圧の第{(j−1)×(z×S+i)}番目の参照電圧に対応し、
前記第1の参照電圧群は、前記2次元配列の第1乃至第(z×S+1)行に対応した第1乃至第(z×S+1)の参照電圧グループにグループ化され、前記第1の参照電圧群の各参照電圧グループに属する参照電圧は、前記2次元配列の第f乃至第h列(ただし、fは1以上h未満の整数)の配列要素に対応した参照電圧とされ、
前記第2の参照電圧群は、前記2次元配列の第1乃至第(z×S+1)行に対応した第1乃至第(z×S+1)の参照電圧グループにグループ化され、
前記第2の参照電圧群の各参照電圧グループに属する参照電圧は、前記2次元配列の第1乃至第k列(ただし、kはfより大、且つ、h未満の整数)の配列要素に対応した参照電圧とされ、
前記第1のサブデコーダ部は、
前記第1の参照電圧群の前記第1乃至第(z×S+1)の参照電圧グループにそれぞれ対応して設けられ、前記mビットのデジタル信号の前記上位側(m−n)ビットの信号が、前記2次元配列の前記第f乃至第h列のいずれか一列に対応する値のとき、前記第1の参照電圧群の前記第1乃至第(z×S+1)の参照電圧グループから、前記第f乃至第h列の該一列に割当てられた参照電圧をそれぞれ選択する、第1乃至第(z×S+1)のサブデコーダを備え、
前記第1のサブデコーダ部の前記第1乃至第(z×S+1)のサブデコーダでそれぞれ選択された(z×S+1)個の参照電圧が、前記第1及び第2のサブデコーダ部に共通に設けられた前記第1乃至第(z×S+1)のノードへそれぞれ伝達され、
前記第2のサブデコーダ部は、
前記第2の参照電圧群の前記第1乃至第(z×S+1)の参照電圧グループにそれぞれ対応して設けられ、前記mビットのデジタル信号の前記上位側(m−n)ビットの信号が、前記2次元配列の前記第1乃至第k列のいずれか一列に対応する値のとき、前記第2の参照電圧群の前記第1乃至第(z×S+1)の参照電圧グループから、前記第1乃至第k列の該一列に割当てられた参照電圧をそれぞれ選択する、第1乃至第(z×S+1)のサブデコーダを備え、
前記第2のサブデコーダ部の前記第1乃至第(z×S+1)のサブデコーダでそれぞれ選択された(z×S+1)個の参照電圧が、前記第1及び第2のサブデコーダ部に共通に設けられた前記第1乃至第(z×S+1)のノードへそれぞれ伝達される、ことを特徴とする請求項1記載のデジタルアナログ変換回路。
【請求項4】
前記第1のサブデコーダ部の前記第1、第2乃至第(z×S+1)のサブデコーダが、前記mビットのデジタル信号の前記上位側(m−n)ビットの信号により、前記第1の参照電圧群の前記第1乃至第(z×S+1)の参照電圧グループからそれぞれ、j番目(ただし、jは1以上、k以下の整数)の参照電圧Vr((j−1)z×S+1)、Vr((j−1)z×S+2)乃至Vr(z×S+1)を選択するとき、前記第2のサブデコーダ部の前記第1、第2乃至第(z×S+1)のサブデコーダも、Vr((j−1)z×S+1)、Vr((j−1)z×S+2)乃至Vr(z×S+1)を選択し、前記第1のサブデコーダ部の前記第1、第2乃至第(z×S+1)のサブデコーダが、j番目(ただし、jはkよりも大、h以下の整数)の参照電圧Vr((j−1)z×S+1)、Vr((j−1)z×S+2)乃至Vr(z×S+1)を選択するとき、前記第2のサブデコーダ部の前記第1、第2乃至第(z×S+1)のサブデコーダはオフとされ、その出力はハイインピーダンス状態とされる、ことを特徴とする請求項3記載のデジタルアナログ変換回路。
【請求項5】
前記第1及び第2のサブデコーダ部は、それぞれに供給される第1及び第2の参照電圧群を、前記mビットのデジタル信号の前記上位側(m−n)ビットの信号について下位ビット側から上位ビット側へ向かって順にデコードする、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデジタルアナログ変換回路。
【請求項6】
前記Pが2とされ、
前記増幅回路は、前記第3及び第4のサブデコーダ部の第1、第2の出力ノードに共通に接続される第1、第2のノードへ伝達された電圧を、第1及び第2の入力に受け、前記第1及び第2の入力に受けた電圧を、1対1の比率で平均した電圧を出力する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデジタルアナログ変換回路。
【請求項7】
前記Pが3とされ、
前記第3及び第4のサブデコーダ部の第1乃至第3の出力ノードに共通に接続される第1乃至第3のノードへ伝達された電圧を、前記増幅回路が、前記第1乃至第3のノードへ伝達された電圧を第1乃至第3の入力に受け、前記第1乃至第3の入力に受けた電圧を1対1対2の比率で重み付け平均した電圧を出力する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデジタルアナログ変換回路。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の前記デジタルアナログ変換回路を含むデータドライバ。
【請求項9】
請求項8記載のデータドライバを備えた表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−34066(P2012−34066A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169951(P2010−169951)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】