説明

データベース作成システム及びデータベース作成方法

【課題】次の目的地として推奨できる施設情報を抽出可能な関連施設データベースを作成することが可能となるデータベース作成システム及びデータベース作成方法を提供する。
【解決手段】情報配信センタ3のCPU11は、ナビゲーション装置2から関連施設情報を受信した場合には、降りICに関する「降りIC情報」と、到着した「目的地の施設情報」と、この目的地から出発した「出発日時情報」と、「次の目的地の施設情報」とを抽出し、「統計処理用データ」として関連施設DB18に記憶する。そして、この関連施設DB18に記憶した一定期間の「統計処理用データ」を当該「降りIC情報」と、「目的地の施設情報」と、「出発日時情報」との要因毎に、「次の目的地の施設情報」を統計処理して統計施設情報18Aを作成し、関連施設DB18に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データベースを作成するデータベース作成システム及びデータベース作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、設定された目的地に対し、この目的地に関連する観光関連施設を案内する技術が種々提案されている。
例えば、目的地別に構成された対応観光関連施設名検索用データベースの各レコードは、目的地の名称、目的地のジャンル、位置情報、営業時間、観光フラグ、及び観光関連施設名から構成されている。そして、設定された目的地を検索キーに用いて、対応観光関連施設名検索用データベースに格納されている目的地に対応するレコードを見つけ、さらに該レコードの観光関連施設名を抽出して案内表示するように構成されたカーナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−345325号公報(段落(0018)〜(0021)、図2〜図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載される構成では、設定された目的地に関連する観光関連施設名を選択するだけでは、設定された観光関連施設を案内することはできるが、予め目的地に対応付けられた各施設がユーザに対して推奨できる施設でない場合がある。一方、設定された目的地に対応付けられていない施設が、ユーザに推奨できる施設である場合がある。例えば、現在地から目的地に向かう方向に応じてユーザに対して推奨できる施設が異なるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザに対して、次の目的地として推奨できる施設情報を抽出可能な関連施設データベースを作成することが可能となるデータベース作成システム及びデータベース作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係るデータベース作成システムは、ユーザが出発した出発施設に関する出発施設情報を取得する出発施設情報取得手段と、前記出発施設までの前記ユーザの走行履歴に関する走行履歴情報を取得する走行履歴情報取得手段と、前記ユーザが前記出発施設から次に到着した到着施設に関する到着施設情報を取得する到着施設情報取得手段と、前記出発施設情報に前記走行履歴情報と前記到着施設情報とを関連付けて格納した関連施設データベースを作成するデータベース作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係るデータベース作成システムは、請求項1に記載のデータベース作成システムにおいて、前記ユーザが前記出発施設から出発した日時に関する日時情報を取得する日時情報取得手段を備え、前記データベース作成手段は、前記日時情報に基づいて複数の時間帯毎に分類して当該複数の時間帯毎に統計処理することを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3に係るデータベース作成方法は、ユーザが出発した出発施設に関する出発施設情報を取得する出発施設情報取得工程と、前記出発施設までの前記ユーザの走行履歴に関する走行履歴情報を取得する走行履歴情報取得工程と、前記ユーザが前記出発施設から次に到着した到着施設に関する到着施設情報を取得する到着施設情報取得工程と、前記出発施設情報取得工程で取得した出発施設情報に前記走行履歴情報取得工程で取得した走行履歴情報と前記到着施設情報取得工程で取得した到着施設情報とを関連付けて格納した関連施設データベースを作成するデータベース作成工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
前記構成を有する請求項1に係るデータベース作成システムでは、出発施設情報と当該出発施設までの走行履歴情報とを検索キーとして、到着施設情報を抽出することによって、当該出発施設から出発する場合に、ユーザに対して次の目的地として推奨できる施設を抽出することが可能となる関連施設データベースを作成することができる。
【0010】
また、請求項2に係るデータベース作成システムでは、出発施設から出発する日時情報を検索キーに加えて到着施設情報を抽出することによって、次の目的地に出発する出発日時を考慮して、ユーザに対して次の目的地として推奨できる施設を更に精度よく抽出することが可能となる関連施設データベースを作成することができる。
【0011】
更に、請求項3に係るデータベース作成方法では、出発施設情報と当該出発施設までの走行履歴情報とを検索キーとして、到着施設情報を抽出することによって、当該出発施設から出発する場合に、ユーザに対して次の目的地として推奨できる施設を抽出することが可能となる関連施設データベースを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例に係るナビゲーションシステムを示したブロック図である。
【図2】ナビゲーションシステムのナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図3】ナビゲーションシステムのプローブカーに搭載されたナビゲーション装置が実行する「関連施設情報送信処理」と情報配信センタが実行する「関連施設データベース作成処理」を示すフローチャートである。
【図4】情報配信センタの関連施設DBに格納される統計施設情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】ナビゲーションシステムのプローブカーに搭載されたナビゲーション装置が実行する「推奨施設案内処理」と情報配信センタが実行する「施設情報配信処理」を示すフローチャートである。
【図6】推奨施設の案内を表示するか否かの指示コマンドを入力するコマンド入力画面の一例を示す図である。
【図7】推奨施設の一覧表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るデータベース作成システム及びデータベース作成方法をナビゲーションシステムについて具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
先ず、本実施例に係るナビゲーションシステム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーションシステム1を示したブロック図である。
【0015】
図1に示すように本実施例に係るナビゲーションシステム1は、各プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報や後述のように関連施設データベース(関連施設DB)18から抽出した対象施設情報を配信する情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。
尚、ナビゲーション装置2の構成に関しては後に図2を用いて詳細に説明する。
【0016】
また、ネットワーク4としては、例えばLAN(LocalArea Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。また、このネットワーク4には、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5が接続され、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3とは、ネットワーク4を介して、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。
【0017】
情報配信センタ3は、図1に示すようにサーバ10と、サーバ10に接続された地図情報記録部としてのセンタ側地図情報データベース(センタ側地図情報DB)14と、ナビ更新履歴情報データベース(ナビ更新履歴情報DB)15と、センタ側交通情報データベース(センタ側交通情報DB)16と、センタ側通信装置17と、関連施設DB18とを備える。
【0018】
また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、所定エリアの地図情報を新たなバージョンの地図情報に更新する為の更新情報をセンタ側地図情報DB14から抽出し、ナビゲーション装置2に対して配信する地図情報更新処理や、現況の交通情報をネットワーク4を介して配信する現況交通情報配信処理等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ19等を備えている。
【0019】
また、ROM13には、後述のプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2から収集した走行履歴情報(例えば、降りインターチェンジ、通過交差点等である。)やその関連施設情報(例えば、到着地点、到着施設、出発時間、次の到着地点、次の到着施設等である。)を統計処理して統計施設情報18A(図4参照)を作成・更新する関連施設データベース作成処理(図3参照)や、ナビゲーション装置2からの要求に基づいて、関連施設DB18から推奨施設情報を抽出してネットワーク4を介して配信する施設情報配信処理(図5参照)等を行うための制御プログラムが格納されている。
【0020】
また、センタ側地図情報DB14には、情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報である更新用地図情報14Aがバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部又は全部を更新用地図情報14Aに更新する為の更新情報についても記憶されている。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0021】
また、センタ側地図情報DB14に記憶された更新用地図情報14Aには、ナビゲーション装置2で経路案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(道路リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Pointof Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0022】
ここで、特に地図表示データとしては、約10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0023】
また、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路、1桁又は2桁の国道から構成される高規格道路区分と、3桁以上の国道、主要地方道、県道、市町村道から構成される一般道路区分と、細街路から構成される細街路区分の3つの配信道路区分に区分されて、それぞれバージョン毎に更新用地図情報14Aに格納されて管理されている。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0024】
そして、情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側地図情報DB14に格納された更新用地図情報14Aの内、最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aによってナビゲーション装置2に記憶された地図情報の更新を行う。
また、ナビ更新履歴情報DB15には、ナビゲーション装置2に記憶されている地図情報について現在までに更新を行った更新履歴に関する情報が、ナビゲーション装置2を特定するナビ識別IDとともに記憶される。
【0025】
また、センタ側交通情報DB16には、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2により収集されるプローブ情報(例えば、月、日時、リンク情報(メッシュID、リンクID、リンク長、交通信号機の有・無、道路種別等である。)、交通状況(旅行時間、渋滞度、速度等である。)、自車位置、自車位置の属する2次メッシュID、ワイパーの動作状況、車外/路面温度、天気、ABS(Antilockbrake system)動作情報、路面状況、車両情報(車種、各諸元性能、車速、乗員、車重の配分率、トルクの掛かり方等である。))や道路交通情報センタ5から受信した交通情報を収集して作成した現況の道路の渋滞等に関する情報である現況交通情報16Aが格納されている。
【0026】
また、このセンタ側交通情報DB16には、道路交通情報センタ5からのVICS信号や、各プローブカー6から収集したプローブ情報等の過去の交通情報に基づいて生成された統計交通情報16Bが格納されている。
そして、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側交通情報DB16に格納された現況交通情報16Aに基づいて各交差点間の交通情報や、統計交通情報16B等を選択して配信する。
【0027】
また、関連施設DB18には、後述のようにプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2から収集した走行履歴情報(例えば、降りインターチェンジ、通過交差点等である。)やその関連施設情報(例えば、到着地点、到着施設、出発時間、次の到着地点、次の到着施設等である。)を統計処理して作成した統計施設情報18A(図4参照)が格納されている。
そして、情報配信センタ3は、後述のようにナビゲーション装置2から要求があったタイミングで、関連施設DB18に格納された統計施設情報18Aから推奨施設情報を抽出して配信する(図5参照)。
【0028】
次に、本実施例に係るナビゲーションシステム1を構成するナビゲーション装置2の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施例に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
【0029】
図2に示すように本実施例に係るナビゲーション装置2は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、道路交通情報センタ5や情報配信センタ3等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置27と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部23には自車の走行速度を検出する車速センサ28が接続される。
【0030】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部21は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、現在の自車の位置、方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0031】
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶されたナビ側交通情報データベース(ナビ側交通情報DB)36、ナビ側地図情報データベース(ナビ側地図情報DB)37、走行履歴データベース(走行履歴DB)38及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0032】
ここで、ナビ側交通情報DB36には、情報配信センタ3や道路交通情報センタ5から受信した渋滞の実際の長さ、所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報や、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の交通情報から作成した現況交通情報36Aが格納される。
【0033】
また、ナビ側交通情報DB36の統計交通情報36Bには、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された上述の統計交通情報16Bが格納されている。そして、統計交通情報36Bに格納される統計交通情報16Bの各内容は、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
尚、ナビゲーション装置2は、CD−ROM等によって供給された上記統計交通情報16Bを統計交通情報36Bに記憶し、所定期間毎に(例えば、1週間乃至3ヶ月毎等である。)、走行履歴に基づいて更新するように構成してもよい。
【0034】
また、ナビ側地図情報DB37には、ナビゲーション装置2の走行案内や経路探索に使用されるとともに情報配信センタ3による更新対象となるナビ地図情報37Aが格納されている。ここで、ナビ地図情報37Aには、更新用地図情報14Aと同様に経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOIに関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。そして、ナビ側地図情報DB37の内容は、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0035】
また、走行履歴DB38には、各リンクの走行毎に、プローブ情報(例えば、月、日時、リンク情報(メッシュID、リンクID、リンク長、交通信号機の有・無、道路種別等である。)、交通状況(旅行時間、渋滞度、速度等である。)、自車位置、自車位置の属する2次メッシュID、ワイパーの動作状況、車外/路面温度、天気、ABS(Antilockbrake system)動作情報、路面状況、車両情報(車種、各諸元性能、車速、乗員、車重の配分率、トルクの掛かり方等である。))が順次記憶される。
【0036】
また、走行履歴DB38には、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、有料道路等の降りインターチェンジや通過した交差点等が、季節、曜日、日時データ等と共に走行履歴情報として通過毎に、順次記憶される。また、走行履歴DB38には、到着した目的地の座標データや施設情報、到着日時データ、次の目的地に出発した日時データ等が後述のように関連付けられて記憶される。
【0037】
そして、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2は、このプローブカー6が走行している場合には、所定時間毎(例えば、「1分毎」、「5分毎」、「15分毎」、「30分毎」等である。)又は各リンクの走行毎に、情報配信センタ3にプローブ情報を送信した前回の送信時点から、走行履歴DB38に新たに記憶されたプローブ情報を情報配信センタ3に通信装置27を介して送信する。また、ナビゲーション装置2は、後述のように、所定条件を充足した場合には、降りインターチェンジと関連施設情報を情報配信センタ3に通信装置27を介して送信する。
【0038】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置2を構成するナビゲーション制御部23は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データや情報配信センタ3から受信した後述の推奨施設情報等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、プローブ情報を取得して所定時間毎等に、このプローブ情報を情報配信センタ3へ送信するプローブ情報送信処理プログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0039】
また、本実施例においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部22に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0040】
更に、前記ナビゲーション制御部23には、操作部24、液晶ディスプレイ25、スピーカ26、通信装置27の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0041】
操作部24は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部23は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。更に、液晶ディスプレイ25の前面には、タッチパネルが設けられ、画面に表示されたボタン上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。
【0042】
また、液晶ディスプレイ25には、ナビ地図情報37Aに基づく地図が表示されて各リンク上の交通情報が表示される経路案内画面の他、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0043】
そして、通信装置27は、情報配信センタ3と通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタ3との間で最もバージョンの新しい更新地図情報や現況交通情報等の送受信を行う。また、通信装置27は、情報配信センタ3に加えて、道路交通情報センタ5等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0044】
次に、ナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41が、降りインターチェンジと到着施設等から構成される関連施設情報を情報配信センタ3に送信する「関連施設情報送信処理」と、情報配信センタ3のCPU11がナビゲーション装置2から関連施設情報を受信した場合に実行する「関連施設データベース作成処理」とについて図3及び図4に基づいて説明する。
図3はナビゲーションシステム1のプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2が実行する「関連施設情報送信処理」と情報配信センタ3が実行する「関連施設データベース作成処理」を示すフローチャートである。
【0045】
先ず、図3に基づいてプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41が実行する「関連施設情報送信処理」について説明する。尚、図3に、S11〜S18のフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているROM43に記憶されており、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、有料道路等の降りインターチェンジを通過した場合に、CPU41により実行される。
【0046】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、有料道路等の降りインターチェンジ(以下、「降りIC」という。)を通過した場合には、降りIC情報(当該降りICの座標データ(例えば、緯度と経度である。)、名称、上り又は下り等である。)、降りIC日時情報(季節、曜日、日時データ等である。)等から構成される走行履歴情報を走行履歴DB38に記憶する。S11で走行履歴DB38に記憶される降りIC情報が、出発施設までのユーザの走行履歴情報となる。
【0047】
そして、S12において、CPU41は、目的地に到着するのを待つ(S12:NO)。具体的には、CPU41は、車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいてイグニッションスイッチがONからOFFになるのを待つ。そして、イグニッションスイッチがONからOFFになった場合には、目的地に到着したと判定して(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。
【0048】
S13において、CPU41は、現在地検出処理部21により自車位置及び自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)を到着した目的地の座標データとしてRAM42に記憶する。また、CPU41は、当該目的地の施設情報をナビ地図情報37Aから取得してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、当該目的地の座標データと施設情報をRAM42から読み出すと共に、上記S11で走行履歴DB38に記憶した走行履歴情報を読み出し、この走行履歴情報に当該目的地の座標データと施設情報を関連付けた関連施設情報を作成して、再度、走行履歴DB38に記憶する。
【0049】
例えば、上記S11で、冬の金曜日の午前4時5分にAインターチェンジの上りを降りて、上記S12でスキー場Aに到着して、自車位置が「北緯XX度、東経YYY度」の場合には、CPU41は、上記S13で、「「冬」−「金曜日」−「4時05分」−「Aインターチェンジ上り」−「スキー場A」−「北緯XX度、東経YYY度」」のように関連付けた関連施設情報を作成して走行履歴DB38に記憶する。
【0050】
続いて、S14において、CPU41は、次の目的地へ出発するのを待つ(S14:NO)。具体的には、CPU41は、車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいてイグニションスイッチがOFFからONになるのを待つ。そして、イグニションスイッチがOFFからONになった場合には(S14:YES)、CPU41は、次の目的地へ出発すると判定して、S15の処理に移行する。
【0051】
S15において、CPU41は、イグニッションスイッチがONになった季節、曜日、日時データ等をタイマ45から取得し、出発日時情報としてRAM42に記憶する。そして、CPU41は、当該出発日時情報をRAM42から読み出すと共に、上記S13で走行履歴DB38に記憶した関連施設情報を読み出し、この関連施設情報に当該出発日時情報を関連付けた関連施設情報を作成して、再度、走行履歴DB38に記憶する。
【0052】
例えば、上記S13で走行履歴DB38に「「冬」−「金曜日」−「4時05分」−「Aインターチェンジ上り」−「スキー場A」−「北緯XX度、東経YYY度」」の関連施設情報を記憶し、当日の午後3時1分にイグニッションスイッチがOFFからONになった場合には、CPU41は、「「冬」−「金曜日」−「4時05分」−「Aインターチェンジ上り」−「スキー場A」−「北緯XX度、東経YYY度」−「冬」−「金曜日」−「15時01分」」の関連施設情報を作成して走行履歴DB38に記憶する。
【0053】
続いて、S16において、CPU41は、次の目的地に到着するのを待つ(S16:NO)。具体的には、CPU41は、車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいてイグニッションスイッチがONからOFFになるのを待つ。
そして、イグニッションスイッチがONからOFFになった場合には、次の目的地に到着したと判定して(S16:YES)、CPU41は、S17の処理に移行する。
【0054】
S17において、CPU41は、現在地検出処理部21により自車位置及び自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)を到着した次の目的地の座標データとしてRAM42に記憶する。また、CPU41は、当該次の目的地の施設情報をナビ地図情報37Aから取得してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、当該次の目的地の座標データと施設情報をRAM42から読み出すと共に、上記S15で走行履歴DB38に記憶した関連施設情報を読み出し、この関連施設情報に当該次の目的地の座標データと施設情報を関連付けた関連施設情報を作成して、再度、走行履歴DB38に記憶する。
【0055】
例えば、上記S15で走行履歴DB38に「「冬」−「金曜日」−「4時05分」−「Aインターチェンジ上り」−「スキー場A」−「北緯XX度、東経YYY度」−「冬」−「金曜日」−「15時01分」」の関連施設情報を記憶し、イグニッションスイッチがOFFになった自車位置が「北緯PP度、東経QQQ度」で、当該次の目的地が温泉Aの場合には、CPU41は、上記S17で、「「冬」−「金曜日」−「4時05分」−「Aインターチェンジ上り」−「スキー場A」−「北緯XX度、東経YYY度」−「冬」−「金曜日」−「15時01分」−「温泉A」−「北緯PP度、東経QQQ度」」のように関連付けた関連施設情報を作成して走行履歴DB38に記憶する。
【0056】
そして、S18において、CPU41は、上記S17で走行履歴DB38に記憶した関連施設情報を再度読み出し、当該ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDと共に関連施設情報として情報配信センタ3に送信後、当該処理を終了する。
【0057】
次に、図3に基づいて情報配信センタ3のCPU11が実行する「関連施設データベース作成処理」について説明する。尚、図3に、S111〜S112のフローチャートで示されるプログラムは、情報配信センタ3が備えているROM13に記憶されており、CPU11により所定時間毎(例えば、約0.01秒毎〜0.1秒毎である。)に実行される。
【0058】
先ず、S111において、CPU11は、上記S18でナビゲーション装置2から送信された関連施設情報を受信したか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、関連施設情報を受信していない場合には(S111:NO)、CPU11は、当該処理を終了する。
【0059】
一方、関連施設情報を受信した場合には(S111:YES)、CPU11は、受信した関連施設情報をRAM12に記憶後、S112の処理に移行する。S112において、CPU11は、受信した関連施設情報から降りICに関する「降りIC情報」(降りICの座標データ、名称、上り又は下り等である。)、降りICから降りた「降りIC日時情報」(季節、曜日、日時データ等から構成される。)と、当該降りICから到着した「目的地の施設情報」と、この目的地から出発した「出発日時情報」と、「次の目的地の施設情報」とを抽出し、「統計処理用データ」として関連施設DB18に記憶する。
【0060】
そして、CPU11は、この関連施設DB18に記憶した一定期間(例えば、過去6ヶ月である。)の「統計処理用データ」を、当該受信した関連施設情報の「目的地の施設情報」と、「降りIC情報」と、降りICから降りた「降りIC日時情報」と、「出発日時情報」との要因毎に、「次の目的地の施設情報」を統計処理して後述の統計施設情報18A(図4参照)を作成・更新後、当該処理を終了する。
【0061】
例えば、CPU11は、RAM12から受信した関連施設情報を再度読み出し、「目的地の施設情報」と、「降りIC情報」と、「出発日時情報」と、「次の目的地の施設情報」とを抽出し、当該「目的地の施設情報」と、「降りIC情報」と、「出発日時情報」と、「次の目的地の施設情報」とを含む一定期間(例えば、過去6ヶ月である。)の「統計処理用データ」を関連施設DB18から読み出しRAM12に記憶する。
【0062】
続いて、CPU11は、RAM12から受信した関連施設情報を再度読み出し、目的地から出発した「出発日時情報」を抽出し、当該「出発日時情報」の出発時刻が属する統計施設情報18Aの「出発時間帯」(図4参照)を特定する。そして、CPU11は、RAM12に記憶した「統計処理用データ」から、この特定した「出発時間帯」に属する「出発日時情報」の出発時刻を含む「統計処理用データ」を特定し、順次「次の目的地の施設情報」を読み出し、RAM12に記憶する。
【0063】
そして、CPU11は、この順次読み出した「次の目的地の施設情報」を統計処理して多い順にソートし、つまり、推奨順位の高い順にソートし、関連施設DB18に格納される統計施設情報18Aの該当する「出発時間帯」のランキング51F(図4参照)に記憶・更新後、当該処理を終了する。これにより、CPU11は、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2から関連施設情報を受信する毎に、統計施設情報18Aを更新することが可能となる。また、後述のようにナビゲーション装置2から推奨施設情報を要求する要求コマンドを受信した場合には、推奨施設に関する施設情報を配信することが可能となる(図5参照)。
尚、CPU11は、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2から受信した関連施設情報が所定個数(例えば、100個である。)に達する毎に、又は、所定時間毎に(例えば、1時間毎である。)にS112の処理を実行するようにしてもよい。
【0064】
ここで、関連施設DB18に格納される統計施設情報18Aのデータ構造の一例について図4に基づいて説明する。図4は関連施設DB18に格納される統計施設情報18Aのデータ構造の一例を示す図である。
図4に示すように、統計施設情報18Aは、降りICから到着した目的地の施設情報を表す施設51A、当該降りICの名称及び上り又は下りを表す路線方面51B、次の目的地に向かって出発した季節を表す季節51C、次の目的地に向かって出発した曜日を表す曜日51D、次の目的地に向かって出発した時間帯を表す出発時間帯51E毎に、次の目的地の推奨順位を表すランキング51Fから構成されている。
【0065】
そして、施設51Aの下位データは、路線方面51Bとなっている。この路線方面51Bは、出発時間帯51Eを、降りIC及び降りICの上り又は下り毎に分けている。路線方面51Bの下位データは、季節51Cとなっている。この季節51Cは、次の目的地に向かって出発した際の季節であり、出発時間帯51Eを、「冬」、「春」、「夏」、「秋」の季節毎に分けている。また、季節51Cの下位データは曜日51Dとなっている。この曜日51Dは、次の目的地に向かって出発した際の曜日であり、出発時間帯51Eを月曜日〜金曜日を表す「平日」と土曜日、日曜日、祝日を表す「休日」とに分けている。
【0066】
また、曜日51Dの下位データは、出発時間帯51Eとなっている。この出発時間帯51Eは、次の目的地の推奨順位を表すランキング51Fを「00:00〜03:00」、「03:00〜06:00」、「06:00〜09:00」、・・・「21:00〜24:00」の3時間毎の時間帯に分けている。尚、出発時間帯51Eは、次の目的地の推奨順位を表すランキング51Fを15分毎、30分毎、1時間毎、2時間毎、6時間毎、午前と午後等の時間帯に分けるようにしてもよい。
【0067】
また、ランキング51Fは、出発時間帯51Eの各時間帯毎に施設51Aから出発した場合に、推奨する「次の目的地の施設」を選択するためのデータであって、各施設情報(例えば、施設名、座標位置データ、旅行時間等である。)が、選択される回数が多い順、つまり、推奨順位の高い順に記憶されている。即ち、各ランキング51Fは、施設51A、路線方面51B、季節51C、曜日51D、出発時間帯51Eの要因毎に統計処理されたデータである。
【0068】
例えば、施設51Aが「スキー場A」、路線方面51Bが「Aインターチェンジ(AIC)上り」、季節51Cが「冬」、曜日51Dが「平日」、出発時間帯51Eが「12:00〜15:00」の場合には、ランキング51Fは、「温泉A、温泉B、・・・・・、宿A、・・・」が該当し、「スキー場A」に「AIC上り」を経由して到着したユーザに対して、次の目的地として「温泉A」、「温泉B」、・・・「宿A」、・・・の順で推奨できる、つまり、人気の高い順に推奨できることを表している。
【0069】
次に、ナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41が次の目的地に出発する際に実行する「推奨施設案内処理」と、情報配信センタ3のCPU11が実行する次の目的地としての施設情報をナビゲーション装置2に配信する「施設情報配信処理」について図5乃至図7に基づいて説明する。
図5はナビゲーションシステム1のプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2が実行する「推奨施設案内処理」と情報配信センタ3が実行する「施設情報配信処理」を示すフローチャートである。
【0070】
先ず、図5に基づいてプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41が実行する「推奨施設案内処理」について説明する。尚、図5に、S211〜S222のフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているROM43に記憶されており、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、有料道路等の降りインターチェンジを通過した場合に、CPU41により実行される。
【0071】
図5に示すように、先ず、S211において、CPU41は、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、有料道路等の降りICを通過した場合には、降りIC情報(当該降りICの座標データ(例えば、緯度と経度である。)、名称、上り又は下り等である。)、降りIC日時情報(季節、曜日、日時データ等である。)等から構成される走行履歴情報を走行履歴DB38に記憶する。S211で走行履歴DB38に記憶される降りIC情報が、出発施設までのユーザの走行履歴情報となる。
【0072】
そして、S212において、CPU41は、目的地に到着するのを待つ(S212:NO)。具体的には、CPU41は、車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいてイグニッションスイッチがONからOFFになるのを待つ。そして、イグニッションスイッチがONからOFFになった場合には、目的地に到着したと判定して(S212:YES)、CPU41は、S213の処理に移行する。
【0073】
S213において、CPU41は、現在地検出処理部21により自車位置及び自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)を到着した目的地の座標データとして、また、CPU41は、当該目的地の施設情報をナビ地図情報37Aから取得してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、当該目的地の座標データと施設情報をRAM42から読み出すと共に、上記S211で走行履歴DB38に記憶した走行履歴情報を読み出し、この走行履歴情報と当該目的地の座標データと施設情報とを関連付けて、RAM42に記憶する。
【0074】
続いて、S214において、CPU41は、次の目的地へ出発するのを待つ(S214:NO)。具体的には、CPU41は、車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいてイグニションスイッチがOFFからONになるのを待つ。そして、イグニションスイッチがOFFからONになった場合には(S214:YES)、CPU41は、次の目的地へ出発すると判定して、S215の処理に移行する。
【0075】
S215において、CPU41は、RAM42から上記S213で記憶した目的地の座標データを読み出し、予め登録されている自宅位置までの距離が、所定距離以上(例えば、約50km以上である。)であるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、自宅位置までの距離が所定距離未満の場合には(S215:NO)、CPU41は、次の目的地の施設案内を必要としないと判定して当該処理を終了する。
【0076】
一方、自宅位置までの距離が所定距離以上の場合には(S215:YES)、CPU41は、S216の処理に移行する。
S216において、CPU41は、タイマ45から出発日時情報(季節、曜日、日時データ等である。)を取得して、RAM42に記憶する。そして、CPU41は、当該出発日時情報をRAM42から読み出すと共に、走行履歴情報、目的地の座標データ、及び、目的地の施設情報を読み出し、これらを関連付けてRAM42に記憶する。
【0077】
そして、S217において、CPU41は、情報配信センタ3に対して、推奨施設情報を要求する要求コマンドと共に、RAM42に関連付けて記憶されている降りICに関する「降りIC情報」(降りICの座標データ、名称、上り又は下り等である。)と、車両が現在位置している施設に関する「施設情報」(目的地の座標データ、目的地の施設情報等である。)と「出発日時情報」(季節、曜日、日時データ等である。)等を送信する。
【0078】
その後、S218において、CPU41は、情報配信センタ3から受信した推奨施設に関する情報(推奨施設情報(各推奨施設の推奨順位、施設名、座標位置、到着予定時刻等)、または、推奨施設が無い旨を示す情報である。)をRAM42に記憶する。
続いて、S219において、CPU41は、上記S218で受信した推奨施設の案内を要求する案内要求コマンドが操作部24を介して入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。
【0079】
そして、案内要求コマンドが操作部24を介して入力されない場合には(S219:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、案内要求コマンドが操作部24を介して入力された場合には(S219:YES)、CPU41は、S220の処理に移行する。
【0080】
S220において、CPU41は、推奨施設情報があるか否かを判定する。具体的には、RAM42に記憶されている推奨施設に関する情報として、推奨施設情報が記憶されているか否かを判定する。そして、推奨施設情報があると判定されない場合、即ち、RAM42に記憶されている推奨施設に関する情報として、推奨施設が無い旨を示す情報が記憶されている場合(S220:NO)には、CPU41は、S221へ移行し、推奨施設が無い旨を案内して当該処理を終了する。
【0081】
一方、推奨施設があると判定された場合(S220:YES)、CPU41は、S222へ移行する。S222において、CPU41は、情報配信センタ3から受信した推奨施設情報をRAM42から読み出し、液晶ディスプレイ25の表示画面に推奨施設を一覧表示した後、当該処理を終了する。
【0082】
ここで、上記S219及びS222の処理における液晶ディスプレイ25の表示画面の一例を図6及び図7に基づいて説明する。図6は推奨施設の案内を表示するか否かの指示コマンドを入力するコマンド入力画面の一例を示す図である。図7は推奨施設の一覧表示画面の一例を示す図である。
図6に示すように、CPU41は、液晶ディスプレイ25の画面に自車位置周辺の地図を表示する共に、自車位置を表す車両位置マーク61を表示する。また、CPU41は、画面の右下に、「次の目的地の施設」として推奨する推奨施設の案内を表示するか否かの指示コマンドを入力する案内指示オブジェクト65を表示する。
【0083】
この案内指示オブジェクト65は、現在時刻で推奨する推奨施設の案内を表す「14:50現在のおすすめスポット」を表示すると共に、推奨施設の案内表示を指示する表示ボタン65Aと、推奨施設の案内表示をしないように指示するキャンセルボタン65Bとを表示する。
【0084】
そして、CPU41は、キャンセルボタン65Bが押下された場合、又は、案内指示オブジェクト65を表示してから所定時間(例えば、約30秒である。)が経過した場合には、推奨施設の案内表示をしないように指示されたと判定し(S219:NO)、当該処理を終了して、通常の地図表示を行う。
一方、CPU41は、表示ボタン65Aが押下された場合には、推奨施設の案内表示を指示されたと判定する(S219:YES)。
【0085】
続いて、推奨施設があると判定された場合(S220:YES)には、図7に示すように、CPU41は、情報配信センタ3から受信した推奨施設情報をRAM42から読み出し、この推奨施設と各推奨施設の到着予定時刻とを推奨順に一覧表示する一覧表示オブジェクト71を液晶ディスプレイ25の表示画面に表示する。そして、CPU41は、一覧表示オブジェクト71に表示されたいずれかの推奨施設の名称が押下された場合には、この推奨施設への経路案内を開始する。一方、キャンセルボタン72が押下された場合には、CPU41は、当該処理を終了して、通常の地図表示を行う。
【0086】
次に、図5に基づいて情報配信センタ3のCPU11が実行する「施設情報配信処理」について説明する。尚、図5に、S311〜S317のフローチャートで示されるプログラムは、情報配信センタ3が備えているROM13に記憶されており、ナビゲーション装置2から推奨施設情報を要求する要求コマンドを受信した場合に、CPU11により実行される。
【0087】
先ず、S311において、CPU11は、上記S217でナビゲーション装置2から送信された推奨施設情報を要求する要求コマンドと共に、ナビ識別ID、降りICに関する「降りIC情報」、車両が現在位置している施設に関する「施設情報」と、「出発日時情報」等の各車両情報を受信して、この各車両情報をRAM12に記憶する。
【0088】
続いて、S312において、CPU11は、RAM12に記憶されている「施設情報」に基づいて、車両が現在位置している施設が、関連施設DB18に格納されている統計施設情報18Aの施設51Aのデータに含まれる施設か否かを判定する判定処理を実行する。そして、車両が現在位置している施設が、関連施設DB18に格納されている統計施設情報18Aの施設51Aのデータに含まれない施設である場合には(S312:NO)、CPU11は、S313の処理に移行する。S313において、CPU11は、車両が現在位置している施設に対する推奨施設が存在しない旨を示す情報を車両へ送信した後、当該処理を終了する。
【0089】
一方、車両が現在位置している施設が、関連施設DB18に格納されている統計施設情報18Aの施設51Aのデータに含まれる施設である場合には(S312:YES)、CPU11は、S314の処理に移行する。S314において、CPU11は、RAM12に記憶されている「降りIC情報」、「施設情報」及び「出発日時情報」から、関連施設DB18に格納される統計施設情報18Aを構成する施設51A、路線方面51B、季節51C、曜日51D、出発時間帯51Eを順に特定し、当該出発時間帯51Eに対応するランキング51Fの推奨施設に関する各推奨施設情報を推奨順に読み出し、RAM12に記憶する。
【0090】
続いて、S315において、CPU11は、統計施設情報18Aから読み出した推奨施設情報の個数がN個以下(例えば、5個以下である。)か否かを判定する判定処理を実行する。そして、統計施設情報18Aから読み出した推奨施設情報の個数がN個以下(例えば、5個以下である。)の場合には(S315:YES)、CPU11は、S317の処理に移行する。S317において、CPU11は、RAM12から推奨施設情報を全て読み出し、センタ側通信装置17を介して当該ナビゲーション装置2へ送信後、当該処理を終了する。
【0091】
一方、統計施設情報18Aから読み出した推奨施設情報の個数がN個より多い(例えば、6個以上である。)場合には(S315:NO)、CPU11は、S316の処理に移行する。S316において、CPU11は、RAM12から推奨施設情報を全て読み出し、所定抽出条件(例えば、推奨順位の高い順に選択する等である。)に従ってN個以下(例えば、5個以下である。)の推奨施設を選択してRAM12に再度記憶後、S317の処理に移行する。S317において、CPU11は、RAM12から推奨施設情報を全て読み出し、センタ側通信装置17を介して当該ナビゲーション装置2へ送信後、当該処理を終了する。
【0092】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、ナビゲーション装置2のCPU41は、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、有料道路等の降りICを通過して、目的地に到着し、更に、次の目的地に到着した場合には、降りIC情報(当該降りICの座標データ、名称、上り又は下り等である。)、降りIC日時情報(季節、曜日、日時データ等である。)等から構成される走行履歴情報に、目的地の座標データと施設情報、この目的地を出発した日時等の出発日時情報、次の目的地の座標データと施設情報を関連付けた関連施設情報を作成して、当該ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDと共に情報配信センタ3に送信する(S11〜S18)。
【0093】
また、情報配信センタ3のCPU11は、ナビゲーション装置2から関連施設情報を受信した場合には、受信した関連施設情報から降りICに関する「降りIC情報」、降りICから降りた「降りIC日時情報」と、当該降りICから到着した「目的地の施設情報」と、この目的地から出発した「出発日時情報」と、「次の目的地の施設情報」とを抽出し、「統計処理用データ」として関連施設DB18に記憶する。そして、CPU11は、この関連施設DB18に記憶した一定期間(例えば、過去6ヶ月である。)の「統計処理用データ」を、当該受信した関連施設情報の「目的地の施設情報」と、「降りIC情報」と、「出発日時情報」との要因毎に、「次の目的地の施設情報」を統計処理し、多い順に、つまり、推奨順位の高い順にソートした統計施設情報18Aを作成して関連施設DB18に格納する(S111〜S112)。
【0094】
これにより、CPU11は、関連施設DB18に格納する統計施設情報18Aから、「降りIC情報」(例えば、降りICの名称、上り又は下り等である。)と、「目的地の施設情報」(例えば、目的地の施設名等である。)と、「出発日時情報」(例えば、冬の2月の日曜日の15:18等である。)を特定することによって、推奨順位の高い順にソートされた「次の目的地の施設情報」を抽出することが可能となる。
【0095】
従って、ナビゲーション装置2のCPU41は、次の目的地へ出発する際に、当該出発タイミングにおいて、情報配信センタ3へ「降りIC情報」と、「目的地の施設情報」と、「出発日時情報」を送信することによって、情報配信センタ3から推奨順位の高い順にソートされた「次の目的地の施設情報」を所定個数受信することが可能となる。また、CPU41は、この受信した所定個数の「次の目的地の施設情報」を、ユーザに「次の目的地」として推奨できる施設として一覧表示することが可能となる。
【0096】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0097】
例えば、上記S112において、CPU11は、関連施設DB18に格納する統計施設情報18Aを作成して更新した場合には、関連施設DB18から統計施設情報18Aを再度読み出し、この統計施設情報18Aの全情報をナビゲーション装置2へ送信するようにしてもよい。これにより、ナビゲーション装置2のCPU41は、受信した統計施設情報18Aをナビ側地図情報DB37に格納し、上記S311〜S317の処理を実行することが可能となる。
【符号の説明】
【0098】
1 ナビゲーションシステム
2 ナビゲーション装置
3 情報配信センタ
4 ネットワーク
6 プローブカー
10 サーバ
11、41 CPU
12、42 RAM
13、43 ROM
14 センタ側地図情報DB
17 センタ側通信装置
18 関連施設DB
18A 統計施設情報18A
21 現在地検出処理部
23 ナビゲーション制御部
25 液晶ディスプレイ
27 通信装置
37 ナビ側地図情報DB
38 走行履歴DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが出発した出発施設に関する出発施設情報を取得する出発施設情報取得手段と、
前記出発施設までの前記ユーザの走行履歴に関する走行履歴情報を取得する走行履歴情報取得手段と、
前記ユーザが前記出発施設から次に到着した到着施設に関する到着施設情報を取得する到着施設情報取得手段と、
前記出発施設情報に前記走行履歴情報と前記到着施設情報とを関連付けて格納した関連施設データベースを作成するデータベース作成手段と、
を備えたことを特徴とするデータベース作成システム。
【請求項2】
前記ユーザが前記出発施設から出発した日時に関する日時情報を取得する日時情報取得手段を備え、
前記データベース作成手段は、前記日時情報に基づいて複数の時間帯毎に分類して当該複数の時間帯毎に統計処理することを特徴とする請求項1に記載のデータベース作成システム。
【請求項3】
ユーザが出発した出発施設に関する出発施設情報を取得する出発施設情報取得工程と、
前記出発施設までの前記ユーザの走行履歴に関する走行履歴情報を取得する走行履歴情報取得工程と、
前記ユーザが前記出発施設から次に到着した到着施設に関する到着施設情報を取得する到着施設情報取得工程と、
前記出発施設情報取得工程で取得した出発施設情報に前記走行履歴情報取得工程で取得した走行履歴情報と前記到着施設情報取得工程で取得した到着施設情報とを関連付けて格納した関連施設データベースを作成するデータベース作成工程と、
を備えたことを特徴とするデータベース作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−259218(P2009−259218A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24656(P2009−24656)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】