説明

トイレナビゲーションシステム

【課題】GPS機能を備えた携帯電話を使用して、使用者の希望条件に合った現在位置に近いトイレを検索し、そのトイレまで自動で案内することができるトイレナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】地図データベース1とトイレ情報データベース2とを備えたホストシステム3と、ホストシステム3から地図データおよびトイレ情報を受信する携帯電話4とが、無線回線およびネットワーク7を介して接続され、ホストシステム3にトイレ5を管理するためのトイレ管理装置がネットワーク7を介して接続されるトイレナビゲーションシステムであって、携帯電話4は、ホストシステム3から、トイレ検索要求情報に基づく検索結果を受信すると、現在位置情報と検索結果の位置情報とからトイレ5までの到達時間を計算する手段と、到達時間が短いものから順番に検索結果のトイレ5を表示する手段等を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機を使用して最寄のトイレを検索し、予約できる場合は、そのトイレを予約し、使用者をそのトイレまで自動で案内するトイレナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
外出先でトイレへ行きたくなった場合、なかなかトイレが見つからなかったり、見つかっても混んでいたりする。また、いち早くトイレに行きたいという気持ちから、一番最初に見つけたトイレを利用することが多いが、必ずしもそのトイレがきれいであったり、洗浄機能付き便座がないなど使用者の望む設備が備わっていなかったりする。
混んでいるトイレへの対策としてトイレを予約するということが考えられる。トイレを予約する技術として、携帯電話から予約管理サーバに接続してトイレを予約し、電子コントローラによりトイレにロックをかける技術がある。
また最近、携帯電話にGPS(Global Positioning System)機能が搭載され、これを利用して使用者を携帯電話の画面で目的地まで案内するナビゲーションシステムが普及しつつある。
【0003】
なお、本発明に関連する公知技術文献としては下記の特許文献1がある。特許文献1には、電子ロックを備えたトイレの使用状況を予約管理サーバにて管理し、携帯端末からの要求に応じて予約管理サーバによってトイレの使用を確保するシステムが記載されている。
【特許文献1】特開2003―233740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、外出時、常にトイレがどこにあるかということを把握しておくことは不可能である。
外出先でのトイレ探しはよく知っている場所であればよいが、あまり知らない場所であった場合、トイレがどこにあるか即座に知ることができず、体調不良などによりトイレへ一刻も早く行きたい場合かなりの焦りを感じてしまう。また、探し出したトイレが混んでいたり、汚かったり、使用者の望む設備がないこともある。
特許文献1の技術によりトイレを予約することで、駅周辺で混雑していてすぐにトイレへ入れないということは解決できる。
しかし、外出先でトイレへ行きたくなるのは駅周辺とは限らず、予約できるトイレが近くにあるとも限らない。また、トイレの設備を予め確認することも不可能である。
【0005】
以上の現状に鑑み、本発明は、GPS機能を備えた携帯電話を使用して、使用者の希望条件に合った、現在位置に近いトイレを検索し、そのトイレまで自動で案内することができるトイレナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、地図データベースとトイレ情報データベースとを備えたホストシステムと、前記ホストシステムから地図データおよびトイレ情報を受信する携帯端末とが、無線回線およびネットワークを介して接続され、前記ホストシステムにトイレを管理するためのトイレ管理装置がネットワークを介して接続されるトイレナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末は、トイレ情報設定画面を表示する手段と、
使用者がトイレ情報設定画面に希望するトイレの条件を設定するトイレ情報設定を入力すると、前記トイレ情報設定を記憶装置に保存する手段と、
検索画面を表示する手段と、
使用者が前記検索画面にトイレの我慢可能時間と、前記トイレ情報設定による条件検索の「有」、「無」とを入力すると、条件検索「有」の場合、前記記憶装置から前記トイレ情報設定を読み出す手段と、
GPSによって現在位置情報を取得する手段と、
前記トイレの我慢可能時間と、条件検索「有」の場合は前記トイレ情報設定と、前記現在位置情報とから成るトイレ検索要求情報を前記ホストシステムに送信する手段と、
前記ホストシステムから、前記トイレ検索要求情報に基づく検索結果を受信すると、使用者が無条件検索を選択した場合、前記トイレ情報設定による前記検索結果の絞込みを行なわず、使用者が条件検索を選択した場合、前記検索結果を前記記憶装置より読み出したトイレ情報設定と一致するものに絞込む手段と、
無条件検索による絞込みを行なわない検索結果、又は、条件検索による絞込みを行なった検索結果のトイレの位置情報と、現在位置情報とからトイレまでの到達時間を夫々計算する手段と、
到達時間を計算したトイレを到達時間が短いものから順番に表示する手段と、
トイレを表示する画面で、使用者が詳細情報表示を要求すると、前記ホストシステムに詳細情報要求情報を送信する手段と、
前記ホストシステムから詳細情報を受信すると、前記詳細情報を表示する手段と、
GPSにより一定間隔で現在位置を取得する手段と、
一定間隔で取得した現在位置を前記ホストシステムに送信する手段と、
前記ホストシステムより現在位置に基づく地図データを受信する手段と、
受信した地図データに現在位置及びトイレの目印を加えて表示する手段とを備え、
前記ホストシステムは、前記携帯端末から、前記トイレ検索要求情報を受信すると、前記トイレ情報データベースにアクセスして前記現在位置情報の現在位置に近い前記我慢可能時間から求めた所定範囲内のトイレを検索する手段と、
前記トイレ検索要求情報に前記トイレ情報設定が含まれる場合、検索した前記トイレを前記トイレ情報設定によって絞り込む手段と、
絞り込んだトイレ、又は、絞込みをしなかったトイレが空いているかどうかの問い合わせ情報を前記トイレ管理装置に送信する手段と、
トイレが空いているかどうかの検知結果を前記トイレ管理装置から受信すると、前記検知結果を前記携帯端末に送信する手段と、
前記携帯端末から詳細情報の要求情報を受信すると、前記トイレ情報データベースから要求されたトイレ情報の詳細情報を抽出する手段と、
抽出した詳細情報を前記携帯端末に送信する手段と、
前記携帯端末から一定間隔で現在位置情報を受信すると、前記地図データベースから地図データを抽出する手段と、
抽出した地図データを前記携帯端末に送信する手段とを備え、
前記トイレ管理装置は、トイレの個室毎に設けられたトイレ個室鍵に接続され、
前記ホストシステムからトイレが空いているかどうかの問い合わせ情報を受信すると、前記トイレ個室鍵の施錠状態を検知する手段と、
検知結果を前記ホストシステムに送信する手段とを備えていることを特徴とするトイレナビゲーションシステムを提供するものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記トイレ管理装置は、予約可能なトイレの個室毎に設けられたトイレ個室鍵に接続され、
前記携帯端末は、使用者が利用したいトイレが予約可能なトイレであった場合、使用者の選択により前記ホストシステムに対してトイレ予約要求情報を送信する手段と、
前記ホストシステムから、前記トイレの予約結果と、予約が成功した場合には、電子ロックを解除するためのロック解除鍵情報とを受信する手段と、
前記ロック解除鍵情報を前記記憶装置に記憶する手段と、
使用者の要求により前記記憶装置からロック解除鍵情報を読み出す手段と、
トイレ個室鍵が直接ロック解除可能な場合に、前記ロック解除鍵情報をトイレ個室鍵に対し無線送信する手段と、
トイレ個室鍵が直接ロック解除不可能な場合に、前記ロック解除鍵情報を前記ホストシステムを経由して前記トイレ管理装置へ送信する手段とを備え、
前記ホストシステムは、前記携帯端末からトイレ予約要求情報を受信すると、前記トイレ管理装置に対してトイレの予約要求情報を送信する手段と、
前記トイレ管理装置からトイレの予約結果と、予約が成功した場合にロック解除鍵情報とを受信すると、前記トイレの予約結果と、予約が成功した場合のロック解除鍵情報とを前記携帯端末に送信する手段とを備え、
前記トイレ管理装置は、トイレの予約要求情報を受けると、トイレの個室に空きがある場合は、トイレ個室鍵に電子ロックをかける手段と、
予約が成功したこと及びロック解除鍵情報を前記ホストシステムに返信する手段と、
トイレの個室に空きがない場合は、予約が失敗したことを前記ホストシステムに返信する手段と、
前記携帯電話から、前記ホストシステムを介して前記ロック解除鍵情報を受信すると、前記ロック解除鍵が正当なものであるかどうかを認識する手段と、
前記ロック解除鍵が正当なものである場合は、トイレの個室鍵のロックを解除する手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のトイレナビゲーションシステムを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、希望する条件のトイレの検索から予約、案内までを一貫して行うので、見知らぬ土地であっても安心して、確実にトイレまで到達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したトイレナビゲーションシステムの実施の形態の一例を示すシステム構成図であり、本発明のトイレナビゲーションシステムは、地図データベース1とトイレ情報データベース2を備えたホストシステム3と、このホストシステム3から地図データおよびトイレ情報を送受信する複数の携帯端末である携帯電話4a,4b,4nと、複数のトイレ5a,5b,5nとから構成され、この携帯電話4a,4b,4nは無線回線によって基地局6と接続されている。そして、基地局6は有線の公衆回線網によるネットワーク7と接続され、このネットワーク7にホストシステム3が接続されている。
【0010】
従って、携帯電話4a,4b,4nは、基地局6に到る無線回線およびネットワーク7を通じてホストシステム3に接続されていることになり、トイレ5a,5b,5nはネットワーク7を通じてホストシステム3に接続されていることになる。
ホストシステム3の地図データベース1には、例えば日本全国の地図データが登録されている。
【0011】
ホストシステム3は、携帯電話4からのトイレ検索要求に対して、送信された(現在の)位置情報と使用者の好み(希望するトイレの条件)と(使用者のトイレ)我慢可能時間とを基に空きトイレ検索を行うトイレ検索部8、携帯電話4からのトイレ予約要求に対してトイレ5に予約を行うトイレ予約管理部9、携帯電話4と地図データの送受信を行う地図データ送受信部10を備えている。
【0012】
トイレ情報データベース2には、トイレ情報が格納され、トイレ情報は、GPSによる位置情報からトイレを検索可能にするためのトイレの所在位置情報と、使用者が希望するトイレの条件を設定したトイレ情報設定によってトイレを検索するためのトイレ情報の属性値を持つ。この属性値の例として図2にトイレ情報データベースの例を示す。トイレの所在位置情報として緯度,経度21を持つ。検索のための属性値として、地名22、建物内階数23、トイレ内のきれいさを示すきれいさ24、便座の洗浄機能の有無を示す洗浄機能25、便座ヒーターの有無を示す便座ヒーター26、石鹸の有無を示す石鹸27、トイレ区分28、チップの有無を示すチップ29、男女区分210、トイレの予約が可能かどうかを示す予約利用211から構成される。トイレ情報データベース2には全国各地のトイレを利用可能な施設が登録され、例えば随時最新のトイレ情報に更新されるように構成されている。
【0013】
携帯電話4は、図3に示すように、位置情報を取得するGPS部31、記憶装置32、表示部33、入力部34、送受信部35、データ処理部36から構成される。データ処理部36は、トイレ情報設定部361、トイレ検索要求部362、トイレ検索結果部363、地図データ処理部364、トイレ施錠解除処理部365で構成される。
【0014】
図5は携帯電話4のトイレ情報設定部361におけるトイレナビゲーションのトイレ情報設定処理フローチャートである。使用者は、まず携帯電話4を用いてトイレ情報設定画面上でトイレ情報設定を行う。トイレ情報設定は現在位置に近いトイレをトイレ情報データベース2から検索した結果をさらに絞り込むためのキーワードの属性となるもので、トイレ情報データベース2の属性と一致する必要がある。図4にトイレ情報設定の例を示す。要求するきれいさ41、洗浄機能42、便座ヒーター43、石鹸44、トイレ区分45、チップ46、男女区分47から構成され、トイレ情報設定部361を介して表示部33にトイレ情報設定画面を表示し(ステップ501)、使用者は入力部34より入力を行う(ステップ502)。設定したトイレ情報設定は携帯電話4内の記憶装置32に保存される(ステップ503)。ステップ501の設定画面例を図6に示す。
【0015】
図7は携帯電話4のトイレ検索要求部362におけるトイレナビゲーションの検索開始処理フローチャートである。使用者がトイレナビゲーションを行いたい場合、トイレ検索要求部362により表示部33に我慢可能時間とトイレ情報設定の条件検索の有無の入力を求める(ステップ701)。我慢可能時間とは、使用者が現在から後何分トイレを我慢できるかという値である。入力部34より我慢可能時間を受け付けたトイレ検索要求部362は、その入力内容と、条件検索有りの場合の記憶装置32から読み出したトイレ情報設定と、GPS部より取得した現在位置情報とから成るトイレ検索要求情報を、送受信部35を通してホストシステム3に送信する(ステップ702、703)。ステップ701の検索画面例を図8に示す。
【0016】
図9はホストシステム3のトイレ検索部8におけるトイレ検索処理フローチャートである。基地局6とネットワーク7を経由して携帯電話4からトイレ検索要求を受けたホストシステム3は、トイレ検索部8がトイレ情報データベース2にアクセスして、我慢可能時間から求めた所定範囲内の現在位置に近いトイレを1件検索する(ステップ901、902)。
【0017】
検索した現在位置に近いトイレに対して、そのトイレ情報の属性値を参照し、携帯電話4から受信したトイレ情報設定に設定された必須項目の属性値によって絞り込む(ステップ903)。例えば、男女区分210を必須項目とすることで、携帯電話4から受信したトイレ情報設定の男女区分47と一致するもののみ絞り込み、利用可能な性別が異なるトイレが検索結果とならないようにできる。必須項目を満たすトイレであった場合、個室の空き状況の問い合わせを行う(ステップ904)。具体的には、トイレ5に備えられた図13に示すトイレ管理装置131に、ホストシステム3から問い合わせ情報が送信され、トイレ管理装置131は問い合わせ情報を受信すると、トイレ個室鍵1321、1321、1322、1323、1324、132nの施錠状態を検知し、その検知結果をホストシステム3に送信する。トイレに空いている個室があった場合、そのトイレを検索結果に加える(ステップ905)。ステップ902から905までの処理を繰り返し行い、我慢可能時間から求めた所定範囲内の現在位置に近いトイレをすべて検索する。検索結果を携帯電話4へ返信する(ステップ906)。送信する内容は図2で示したトイレ情報データベース2に格納されている情報である。
【0018】
図10は携帯電話4のトイレ検索結果部363におけるホストシステム3からのトイレ検索結果の処理フローチャートである。携帯電話4がホストシステム3よりトイレ検索結果を受け取る(ステップ1001)。トイレ検索結果はトイレ検索結果部363を通じて処理された後、表示部33に表示される。このとき、トイレ検索結果部363は記憶装置32より読み出したトイレ情報設定と受信した検索結果が一致するもののみに絞込み、さらにGPS部31より取得した現在位置情報と検索結果の各トイレの位置情報(緯度、経度22)からトイレまでの到達時間を計算して、我慢可能時間以内に到達可能なトイレを到達時間が短いものから順番に表示部33に表示させる(ステップ1003、1004)。
図11に示すトイレ検索結果の表示画面には、無条件検索を行うための入力表示があり、この入力が行われた場合には、トイレ検索結果部363によるトイレ情報設定を用いた絞込みは行なわれず、ホストシステム3からのトイレ検索結果を全件到達時間が短い順番に表示部33に表示する。これはトイレへ一刻も早く行きたいような緊急事態に備えている(ステップ1002)。
【0019】
また、図11に示すトイレ検索結果の表示画面には、各トイレの詳細情報表示を行うための入力表示があり、この入力が行われた場合には、ホストシステム3より受信したトイレデータベース2の各情報を表示する(ステップ1005)。表示後、再び検索結果表示画面に戻る。
使用者が利用したいトイレが予約可能なトイレであった場合、トイレ予約処理に移行する(ステップ1006)。トイレ予約処理ではホストシステム3に対してトイレ予約要求を行い、ホストシステム3からその結果を受信する。(ステップ1007、1008)。予約が失敗した場合、表示部33にその旨を表示し、再び検索結果の一覧を表示する(ステップ1002、1003、1004、1009)。予約が成功した場合、ホストシステムから受信したロック解除の鍵情報を記憶装置32に保存してトイレへの案内を開始する(ステップ1009、1010)。
【0020】
使用者が利用したいトイレが予約不可能なトイレであった場合、トイレへの案内を開始する(ステップ1006、1010)。これらトイレ検索結果の画面例を図11に示す。
【0021】
図12はホストシステム3のトイレ予約管理部9におけるトイレ予約処理である。また、図13はトイレ5の詳細な構造を示す。トイレ5は前述したようにトイレ管理装置131とトイレ管理装置131に通信自在に接続されるトイレ個室鍵1321、1321、1322、1323、1324、132nとから構成させる。基地局6とネットワーク7を経由して携帯電話4からトイレ予約要求情報を受けたホストシステム3は、ネットワーク7を通してトイレ5のトイレ管理装置131に対してトイレの予約要求を行う(ステップ1201、1202)。予約要求情報を受けたトイレ管理装置131はその時点でまだ個室に空きがあれば個室の予約を受け付け、トイレ個室鍵132nに電子ロックをかけ、予約が成功したこと及び電子ロックを解除するためにロック解除鍵情報をホストシステム3に返信する。ロック解除鍵情報は一般的に一対一で一意に識別するための仕組みを利用するものとする。個室に空きがない場合は予約が失敗したことをホストシステム3に返信する。ホストシステム3はトイレの予約に成功した場合は成功を、失敗した場合は失敗をそれぞれ携帯電話4に返信すると共に、予約成功の場合は、同時にロック解除鍵情報を返信する(ステップ1203、1204、1205)。
【0022】
そして、使用者に対し携帯電話4の表示部33に表示された現在位置と目的トイレの目印を目標にした、トイレへの案内が開始される。このとき、地図データ処理部364はGPS部31により一定間隔で現在位置を取得して送受信部35よりホストシステム3に位置情報を送信する。
ホストシステム3の地図データ送受信部10は携帯電話4から受信した位置情報によって地図データベース1から地図データを取得し携帯電話4に返信する。携帯電話4は地図データを送受信部35より受け取り、地図データ処理部364にて現在位置や目的トイレの目印などを加えて表示部33に表示する。目的トイレ以外にもトイレ利用可能な施設が表示地図内に存在する場合、トイレのシンボルを表示して識別可能とする。この目的トイレへの案内手段は、例えば一般的な携帯電話の地図ナビゲーションシステムと同等であるとする。表示部33に表示される地図ナビゲーションの例を図14に示す。図14では、現在位置に「×」、目的トイレに「★」、目的トイレ以外の利用可能トイレを「▲」と表している。
【0023】
予約しないトイレへの案内の場合、トイレへの案内でトイレへ到達すると、本発明によるトイレナビゲーションは終了する。
トイレを予約した場合、トイレへ到達した使用者は個室のロックを解除する。使用者が携帯電話4の入力部34より個室ロック解除要求情報を入力すると、トイレ施錠解除部365が記憶装置32からロック解除鍵情報を読み出し、非接触ICカード技術などにより直接、ロック解除鍵情報をトイレ個室鍵132nに無線送信してトイレ個室鍵132nのロックを解除する。
または送受信部35からホストシステム3を経由してトイレ5のトイレ管理装置101へロック解除鍵情報を送信する。トイレ管理装置101は、ロック解除鍵情報が正当なものであることを認識して個室のロックを解除する。このロック解除の方法は、トイレ管理装置101が生成したロック解除鍵情報を携帯電話4が持っていないと行うことができないため第三者の不正なロック解除を防止できる。トイレの個室ロック解除で、本発明によるトイレナビゲーションは終了する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるトイレナビゲーションシステムを概略的に示す説明図である。
【図2】本発明のトイレ情報データベースに格納されているデータのデータ構成図である。
【図3】本発明の携帯電話の内部構成図である。
【図4】本発明の携帯電話に保存されるトイレ情報設定の例である。
【図5】本発明の携帯電話でのトイレ情報設定処理のフローチャートである。
【図6】本発明の携帯電話でのトイレ情報設定の画面例である。
【図7】本発明の携帯電話でのトイレ検索処理のフローチャートである。
【図8】本発明の携帯電話でのトイレ検索の画面例である。
【図9】本発明のホストシステムでのトイレ検索処理のフローチャートである。
【図10】本発明の携帯電話でのトイレ検索結果のフローチャートである。
【図11】本発明の携帯電話でのトイレ検索結果の画面例である。
【図12】本発明のホストシステムでのトイレ予約処理のフローチャートである。
【図13】本発明の予約可能なトイレの内部構成図である。
【図14】本発明の携帯電話での地図データ表示によるトイレ案内の画面例である。
【符号の説明】
【0025】
1 地図データベース
2 トイレ情報データベース
3 ホストシステム
5,5a,5b,5n トイレ
7 ネットワーク
32 記憶装置
131 トイレ管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データベースとトイレ情報データベースとを備えたホストシステムと、前記ホストシステムから地図データおよびトイレ情報を受信する携帯端末とが、無線回線およびネットワークを介して接続され、前記ホストシステムにトイレを管理するためのトイレ管理装置がネットワークを介して接続されるトイレナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末は、トイレ情報設定画面を表示する手段と、
使用者がトイレ情報設定画面に希望するトイレの条件を設定するトイレ情報設定を入力すると、前記トイレ情報設定を記憶装置に保存する手段と、
検索画面を表示する手段と、
使用者が前記検索画面にトイレの我慢可能時間と、前記トイレ情報設定による条件検索の「有」、「無」とを入力すると、条件検索「有」の場合、前記記憶装置から前記トイレ情報設定を読み出す手段と、
GPSによって現在位置情報を取得する手段と、
前記トイレの我慢可能時間と、条件検索「有」の場合は前記トイレ情報設定と、前記現在位置情報とから成るトイレ検索要求情報を前記ホストシステムに送信する手段と、
前記ホストシステムから、前記トイレ検索要求情報に基づく検索結果を受信すると、使用者が無条件検索を選択した場合、前記トイレ情報設定による前記検索結果の絞込みを行なわず、使用者が条件検索を選択した場合、前記検索結果を前記記憶装置より読み出したトイレ情報設定と一致するものに絞込む手段と、
無条件検索による絞込みを行なわない検索結果、又は、条件検索による絞込みを行なった検索結果のトイレの位置情報と、現在位置情報とからトイレまでの到達時間を夫々計算する手段と、
到達時間を計算したトイレを到達時間が短いものから順番に表示する手段と、
トイレを表示する画面で、使用者が詳細情報表示を要求すると、前記ホストシステムに詳細情報要求情報を送信する手段と、
前記ホストシステムから詳細情報を受信すると、前記詳細情報を表示する手段と、
GPSにより一定間隔で現在位置を取得する手段と、
一定間隔で取得した現在位置を前記ホストシステムに送信する手段と、
前記ホストシステムより現在位置に基づく地図データを受信する手段と、
受信した地図データに現在位置及びトイレの目印を加えて表示する手段とを備え、
前記ホストシステムは、前記携帯端末から、前記トイレ検索要求情報を受信すると、前記トイレ情報データベースにアクセスして前記現在位置情報の現在位置に近い前記我慢可能時間から求めた所定範囲内のトイレを検索する手段と、
前記トイレ検索要求情報に前記トイレ情報設定が含まれる場合、検索した前記トイレを前記トイレ情報設定によって絞り込む手段と、
絞り込んだトイレ、又は、絞込みをしなかったトイレが空いているかどうかの問い合わせ情報を前記トイレ管理装置に送信する手段と、
トイレが空いているかどうかの検知結果を前記トイレ管理装置から受信すると、前記検知結果を前記携帯端末に送信する手段と、
前記携帯端末から詳細情報の要求情報を受信すると、前記トイレ情報データベースから要求されたトイレ情報の詳細情報を抽出する手段と、
抽出した詳細情報を前記携帯端末に送信する手段と、
前記携帯端末から一定間隔で現在位置情報を受信すると、前記地図データベースから地図データを抽出する手段と、
抽出した地図データを前記携帯端末に送信する手段とを備え、
前記トイレ管理装置は、トイレの個室毎に設けられたトイレ個室鍵に接続され、
前記ホストシステムからトイレが空いているかどうかの問い合わせ情報を受信すると、前記トイレ個室鍵の施錠状態を検知する手段と、
検知結果を前記ホストシステムに送信する手段とを備えていることを特徴とするトイレナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記トイレ管理装置は、予約可能なトイレの個室毎に設けられたトイレ個室鍵に接続され、
前記携帯端末は、使用者が利用したいトイレが予約可能なトイレであった場合、使用者の選択により前記ホストシステムに対してトイレ予約要求情報を送信する手段と、
前記ホストシステムから、前記トイレの予約結果と、予約が成功した場合には、電子ロックを解除するためのロック解除鍵情報とを受信する手段と、
前記ロック解除鍵情報を前記記憶装置に記憶する手段と、
使用者の要求により前記記憶装置からロック解除鍵情報を読み出す手段と、
トイレ個室鍵が直接ロック解除可能な場合に、前記ロック解除鍵情報をトイレ個室鍵に対し無線送信する手段と、
トイレ個室鍵が直接ロック解除不可能な場合に、前記ロック解除鍵情報を前記ホストシステムを経由して前記トイレ管理装置へ送信する手段とを備え、
前記ホストシステムは、前記携帯端末からトイレ予約要求情報を受信すると、前記トイレ管理装置に対してトイレの予約要求情報を送信する手段と、
前記トイレ管理装置からトイレの予約結果と、予約が成功した場合にロック解除鍵情報とを受信すると、前記トイレの予約結果と、予約が成功した場合のロック解除鍵情報とを前記携帯端末に送信する手段とを備え、
前記トイレ管理装置は、トイレの予約要求情報を受けると、トイレの個室に空きがある場合は、トイレ個室鍵に電子ロックをかける手段と、
予約が成功したこと及びロック解除鍵情報を前記ホストシステムに返信する手段と、
トイレの個室に空きがない場合は、予約が失敗したことを前記ホストシステムに返信する手段と、
前記携帯電話から、前記ホストシステムを介して前記ロック解除鍵情報を受信すると、前記ロック解除鍵が正当なものであるかどうかを認識する手段と、
前記ロック解除鍵が正当なものである場合は、トイレの個室鍵のロックを解除する手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のトイレナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−69021(P2009−69021A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238356(P2007−238356)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】