説明

トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置、画像形成装置、ステッピングモータ制御方法

【課題】画像形成が長時間行われずにトナーが使用されない状態が継続した場合など、トナーが固着するような可能性がある場合に、開ループで制御されることに対応したステッピングモータにおいて大きなトルクを生じさせて、低コストで消費電力を抑制することができるトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置、画像形成装置、及び、ステッピングモータ制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】励磁電流出力部117と、ステッピングモータ94の駆動停止時間レベルを判断する駆動停止時間レベル判断部111と、複数の起動トルク値の各々と、複数の駆動停止時間レベルの各々とを対応づけて記憶した記憶部115と、現実に判断された駆動停止時間レベルから得られる起動トルク値が得られる励磁電流値を演算し、当該励磁電流値が得られる励磁電流を、励磁電流出力部117に対して出力させる制御部110と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを攪拌するためのステッピングモータの駆動を制御するトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置、画像形成装置、及び、ステッピングモータ制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、安価かつ小型である特徴を有するステッピングモータが広く使用されている。この種のステッピングモータは、例えば、画像形成装置において、トナーホッパに貯留されているトナーを攪拌する攪拌パドルを回転させるための回転力を発生するために設けられている。このように、ステッピングモータが回転力を発生して攪拌パドルを回転させるので、トナーホッパに貯留されているトナーが固着することが防止される。
【0003】
このように、ステッピングモータが、攪拌パドルを回転させるための回転力を発生するために設けられる場合、以下に示される問題が生じる。例えば、ステッピングモータが消費する電力に無駄が生じる問題が生じる。以下にその理由が示される。
【0004】
つまり、画像形成装置の電源が長時間切られた状態が続く場合や、画像形成装置において消費電力が大きな部材(例えば、像担持体から記録媒体へ転写されたトナー像を定着させる定着装置)へ電源を供給することを遮断するスリープモードが続く場合には、トナーが長時間使用されない状態が続くことになる。
【0005】
このように、トナーが長時間使用されない状態が続くと、トナーが固着しがちである。そのため、長時間使用されなかったトナーを使用した画像形成が開始される際には、固着している状態にあるトナーを攪拌して粉末状態に戻す必要がある。このように固着している状態にあるトナーの攪拌を開始する際には、攪拌パドルが回転することを阻害する抵抗が大きい。
【0006】
このように、攪拌パドルが回転することを阻害する抵抗が大きな場合には、ステッピングモータにおいて十分に大きなトルクが生じないと、ステッピングモータがステップ単位で回転することができなくなる脱調現象が生じる。このような脱調現象が生じると、ステッピングモータが振動もしくは逆方向へ回転する。このような脱調現象が生じることを防止するためには、ステッピングモータにおいて十分に大きなトルクが生じることが要される。そのため、ステッピングモータが受け付ける励磁電流の励磁電流値が大きな値に設定されている。
【0007】
ところが、このように、ステッピングモータが受け付ける励磁電流の励磁電流値が大きな値に設定されていると、消費電力が大きくなる。通常、前記励磁電流値は、トナーの固着状態にかかわらず一定の値に設定されているので、トナーが固着していない状態でも前記励磁電流値が大きな値に設定されたままである。そのため、消費電力に無駄が生じる。
【0008】
このように消費電力に無駄が生じることを防止するため、特許文献1及び2において、以下に示される事項が記載されている。特許文献1には、モータ制御装置が記載されている。この装置は、停止状態にある複数のブラシレスモータを開ループで制御して起動して、一定時間その状態を保持した後、前記複数のブラシレスモータを閉ループで制御してトナーの状態を判別する。そして、トナーが固着状態の時には、装置は、前記複数のブラシレスモータの各々を時系列的に独立に制御する。このように、装置が、複数のブラシレスモータの各々を時系列的に独立に制御するので、複数のブラシレスモータの各々の起動シーケンスが重複しない。そのため、装置は、複数のブラシレスモータの起動電流の総和を大きくさせずに、複数のブラシレスモータの各々から大きなトルクを発生させることができる。
【0009】
また、特許文献2には、電子写真画像形成装置が記載されている。この装置は、少なくとも、トナーを攪拌する攪拌部材を含むプロセスカートリッジが着脱されたことを検出した際には、プロセスカートリッジの回転モータへ出力する回転電流の値を、通常時における回転電流の値よりも大きくする。そのため、通常時において、消費電力が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−148886号公報
【特許文献2】特開2000−172127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前記特許文献1に記載されているモータ制御装置は、複数のブラシレスモータの各々を開ループ及び閉ループで制御している。そのため、閉ループで制御(フィードバック制御)されることに対応した高価なモータが必要となる。また、モータ制御装置において、モータを閉ループで制御することができるフィードバック機構が必要となる。そのため、コストがかかる。
【0012】
また、前記特許文献2に記載されている電子写真画像形成装置は、トナーを攪拌する攪拌部材を含むプロセスカートリッジが着脱されたことを検出した際に、回転電流の値を大きくする。そのため、装置は、プロセスカートリッジが装着されたままトナーが使用されない状態が続いた場合に対応することができない。
【0013】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、画像形成が長時間行われずにトナーが使用されない状態が継続した場合など、トナーが固着するような可能性がある場合に、開ループで制御されることに対応したステッピングモータにおいて大きなトルクを生じさせて、低コストで消費電力を抑制することができるトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置、画像形成装置、及び、ステッピングモータ制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一局面に係るトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、複数の励磁コイルが励磁する方式を表す励磁方式に対応した励磁電流の入力を受け付けて駆動するステッピングモータと組み合わせて使用されるトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置であって、前記励磁電流を前記ステッピングモータへ出力する励磁電流出力部と、前記ステッピングモータが駆動していない時間の長さを表す駆動停止時間レベルを判断する駆動停止時間レベル判断部と、前記ステッピングモータが駆動を開始するために要される複数の起動トルク値の各々と、複数の前記駆動停止時間レベルの各々とを対応づけて記憶した記憶部と、前記記憶部を参照して、前記駆動停止時間レベル判断部によって判断された前記駆動停止時間レベルから得られる前記起動トルク値を判断して、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算し、当該励磁電流値が得られる前記励磁電流を、前記励磁電流出力部に対して出力させる制御部と、を備えることを特徴とする(請求項1)。
【0015】
この構成によれば、ステッピングモータが駆動していない時間の長さを表す駆動停止時間レベルが駆動停止時間レベル判断部によって判断される。そして、判断された駆動停止時間レベルに対応する起動トルク値が、予め記憶されている複数の起動トルク値の中から判断される。そして、判断された起動トルク値から得られる励磁電流値が演算される。
【0016】
そのため、ステッピングモータが駆動していない時間の長さに応じた起動トルク値が判断され、当該起動トルク値が得られる励磁電流値が演算される。そして、当該励磁電流値を有する励磁電流がステッピングモータへ出力される。このように、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、ステッピングモータが駆動していない時間の長さに応じた起動トルク値が得られる励磁電流値を判断することができる。そのため、ステッピングモータ駆動装置は、例えば、ステッピングモータの駆動力によってトナーが攪拌されない時間が継続して、トナーが固着している可能性がある場合には、大きな起動トルク値が得られる励磁電流値を有する励磁電流を出力することができる。そのため、トナーが固着している可能性がある場合に、大きな起動トルクでステッピングモータの駆動を開始させることができる。
【0017】
また、ステッピングモータは、一般に、フィードバック機構を必要としない。つまり、ステッピングモータは開ループで制御されることに対応している。そのため、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、フィードバック機構を必要としないので、コストが抑制される。
【0018】
上記構成において、前記励磁電流出力部が前記励磁電流を出力するためのステップパルスを出力するパルス出力部を更に備えており、前記制御部は、前記ステップパルスの周波数が予め定められた定速周波数である際には、前記励磁電流出力部に対して、前記ステッピングモータを定速度で駆動させるために予め定められ、前記複数の起動トルク値の各々よりも小さな定速トルク値が得られる励磁電流値を演算する構成とすることができる(請求項2)。
【0019】
この構成によれば、予め定められた定速周波数を有するステップパルスが得られた際には、ステッピングモータの駆動速度が予め定められた定速度に達していることが判る。そのため、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、ステップパルスの周波数が予め定められた定速周波数である際には、起動トルク値の各々よりも小さな定速トルク値が得られる励磁電流値を演算して、ステッピングモータが発生するトルクを小さくする。従って、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、ステッピングモータが一定の定速度に達して大きなトルクが不要となった際に対応することができ、消費電力が抑制される。
【0020】
上記構成において、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の内部に設けられており、前記ステッピングモータが駆動していない間に、前記画像形成装置の内部温度のレベルを表す内部温度レベルを判断する内部温度レベル判断部を更に備えており、前記記憶部は、前記複数の起動トルク値の各々と、前記複数の前記内部温度レベルの各々とを対応づけて記憶しており、前記制御部は、前記記憶部を参照して、前記内部温度レベル判断部によって判断された前記内部温度レベルから得られる前記起動トルク値を判断し、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算する構成とすることができる(請求項3)。
【0021】
この構成によれば、ステッピングモータが駆動していない間に、画像形成装置の内部温度のレベルを表す内部温度レベルが内部温度レベル判断部によって判断される。そして、ステッピングモータが駆動していない間に判断される内部温度レベルが一定のレベルである際には、ステッピングモータの回転力によって攪拌されるトナーが存在すれば、当該トナーが固着している可能性がある。そのため、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、ステッピングモータが駆動していない間に判断された内部温度レベルに対応した起動トルク値を得て、当該起動トルク値から得られる励磁電流値を演算する。
【0022】
そのため、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、例えば、ステッピングモータの駆動力によって攪拌されるトナーが固着している可能性がある場合には、大きな起動トルク値が得られる励磁電流値を有する励磁電流を出力して、大きなトルクでステッピングモータの駆動を開始させることができる。
【0023】
上記構成において、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の内部に設けられており、前記ステッピングモータが駆動していない間に、前記画像形成装置の内部湿度のレベルを表す内部湿度レベルを判断する内部湿度レベル判断部を更に備えており、前記記憶部は、前記複数の起動トルク値の各々と、前記複数の前記内部湿度レベルの各々とを対応づけて記憶しており、前記制御部は、前記記憶部を参照して、前記内部湿度判断部によって判断された前記内部湿度レベルから得られる前記起動トルク値を判断し、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算する構成とすることができる(請求項4)。
【0024】
この構成によれば、ステッピングモータが駆動していない間に、画像形成装置の内部湿度のレベルを表す内部湿度レベルが内部湿度レベル判断部によって判断される。そして、ステッピングモータが駆動していない間に判断される内部湿度レベルが一定のレベルである際には、ステッピングモータの回転力によって攪拌されるトナーが存在すれば、当該トナーが固着している可能性がある。そのため、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、ステッピングモータが駆動していない間に判断された内部湿度レベルに対応した起動トルク値を得て、当該起動トルク値から得られる励磁電流値を演算する。
【0025】
そのため、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、例えば、ステッピングモータの駆動力によって攪拌されるトナーが固着している可能性がある場合には、大きな起動トルク値が得られる励磁電流値を有する励磁電流を出力して、大きなトルクでステッピングモータの駆動を開始させることができる。
【0026】
上記構成において、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の内部に設けられており、前記ステッピングモータが駆動していない間に、前記画像形成装置の内部温度のレベルを表す内部温度レベルを判断する内部温度レベル判断部と、前記ステッピングモータが駆動していない間に、前記画像形成装置の内部湿度のレベルを表す内部湿度レベルを判断する内部湿度レベル判断部と、を更に備えており、前記記憶部は、前記複数の起動トルク値の各々と、前記駆動停止時間レベル、前記内部温度レベル、及び、前記内部湿度レベルからなる複数の組み合わせの各々とを対応づけて記憶しており、前記制御部は、前記記憶部を参照して、前記駆動停止時間レベル判断部によって判断された前記駆動停止時間レベル、前記内部温度レベル判断部によって判断された前記内部温度レベル、及び、前記内部湿度レベル判断部によって判断された前記内部湿度レベルの組み合わせから得られる前記起動トルク値を判断し、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算する構成とすることができる(請求項5)。
【0027】
この構成によれば、ステッピングモータが駆動していない時間を表す駆動停止時間レベルが判断される。同時に、ステッピングモータが駆動していない間に、画像形成装置の内部温度のレベルを表す内部温度レベルが判断される。さらに同時に、ステッピングモータが駆動していない間に、画像形成装置の内部湿度のレベルを表す内部湿度レベルが判断される。
【0028】
そして、判断された、駆動停止時間レベル、内部温度レベル、及び内部湿度レベルの組み合わせに対応する起動トルク値が、予め記憶されている複数の組み合わせ(駆動停止時間レベル、内部温度レベル、及び内部湿度レベルの組み合わせ)の中から判断される。そして、判断された起動トルク値から得られる励磁電流値が演算される。
【0029】
そのため、ステッピングモータが駆動していない時間の長さ、ステッピングモータが駆動していない間に判断された内部温度のレベル、及び、ステッピングモータが駆動していない間に判断された内部湿度のレベルの組み合わせに応じた起動トルク値が判断され、当該起動トルク値が得られる励磁電流値が演算される。そして、当該励磁電流値を有する励磁電流がステッピングモータへ出力される。このように、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、複数の異なるパラメータ(つまり、前記ステッピングモータが駆動していない時間の長さ、当該時間の間に判断された内部温度のレベル、及び、当該時間の間に判断された内部湿度のレベル)に応じた起動トルク値が得られる励磁電流値を判断することができる。
【0030】
そのため、例えば、ステッピングモータの駆動力によってトナーを攪拌する際には、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、トナーが固着する可能性がある状況を、多くのパラメータからきめ細かく判断して、トナーを攪拌するのに適した起動トルクが得られる励磁電流値を得ることができる。
【0031】
上記構成において、それぞれ異なる色のトナーを貯留する複数のトナーホッパと、前記複数のトナーホッパの各々に貯留されている前記トナーを攪拌する攪拌手段とを備え、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の内部に設けられており、前記複数のトナーホッパの各々において、前記トナーが攪拌されていない時間の長さを表す攪拌停止時間レベルを判断する駆動停止時間レベル判断部と、前記複数のトナーホッパの各々において前記トナーが攪拌されていない間に、前記複数のトナーホッパの各々の内部温度のレベルを表す内部温度レベルを判断する内部温度レベル判断部と、前記複数のトナーホッパの各々において前記トナーが攪拌されていない間に、前記複数のトナーホッパの各々の内部湿度のレベルを表す内部湿度レベルを判断する内部湿度レベル判断部と、を更に備えており、前記記憶部は、前記複数のトナーホッパ毎に、前記複数のトナーホッパの各々に貯留されている前記トナーを攪拌するために前記ステッピングモータに要される複数のホッパ別起動トルクの各々と、前記攪拌停止時間レベル、前記内部温度レベル、及び、前記内部湿度レベルからなる複数の組み合わせの各々とを対応づけて記憶しており、前記制御部は、前記記憶部を参照して、前記複数のトナーホッパ毎に、前記駆動停止時間レベル判断部によって判断された前記攪拌停止時間レベル、前記内部温度レベル判断部によって判断された前記内部温度レベル、及び、前記内部湿度レベル判断部によって判断された前記内部湿度レベルの組み合わせから得られる前記ホッパ別起動トルク値を判断し、判断された前記ホッパ別起動トルク値の合計値で表される前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算する構成とすることができる(請求項6)。
【0032】
この構成によれば、トナーホッパ別に、トナーが攪拌されていない時間、及び、トナーが攪拌されていない間におけるトナーホッパの内部温度及び内部湿度からなる組み合わせが複数記憶されている。そして、トナーホッパ別に現実に判断された、トナーが攪拌されていない時間、及び、トナーが攪拌されていない間におけるトナーホッパの内部温度及び内部湿度からなる組み合わせに一致する組み合わせが記憶部から得られ、得られた組み合わせに対応するホッパ別起動トルク値が得られる。
【0033】
そのため、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、トナーホッパに貯留されているトナー毎に、トナーが固着する可能性がある状況を、多くのパラメータからきめ細かく判断することができる。従って、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、全てのトナーホッパに貯留されているトナーを攪拌するのに最適な起動トルクが得られる励磁電流値を得ることができる。
【0034】
また、本発明の他の局面に係る画像形成装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置と、前記ステッピングモータと、黒トナーを貯留する第1トナーホッパと、それぞれ異なる色トナーを貯留する複数の第2トナーホッパと、前記第1トナーホッパの内部に配置されており、前記ステッピングモータが駆動して発生する駆動力によって前記黒トナーを攪拌する第1攪拌手段と、前記複数の第2トナーホッパの各々の内部に配置されており、前記ステッピングモータが駆動して発生する駆動力によって前記色トナーのそれぞれを攪拌する複数の第2攪拌手段と、前記駆動力を前記第1攪拌手段に伝達する第1伝達軸と、前記駆動力を前記第2攪拌手段の各々に伝達する第2伝達軸と、前記ステッピングモータの正方向の駆動力を前記第1伝達軸に伝達する一方、前記ステッピングモータの前記逆方向の駆動力を前記第1伝達軸及び前記第2伝達軸に伝達する伝達切換手段と、を備えていることを特徴とする(請求項7)。
【0035】
この構成によれば、ステッピングモータが正方向に駆動すれば、駆動力が第1攪拌手段に伝達されて第1トナーホッパに貯留されている黒トナーが攪拌される。一方、ステッピングモータが逆方向に駆動すれば、駆動力が第1攪拌手段及び複数の第2攪拌手段に伝達されて第1トナーホッパ及び複数の第2トナーホッパに貯留されている黒トナー及び複数の色トナーの各々が攪拌される。
【0036】
そのため、1つのステッピングモータの駆動方向が正方向か逆方向かに応じて、当該ステッピングモータにおいて発生する駆動力が第1攪拌手段のみに伝達されるか、第1攪拌手段及び複数の第2攪拌手段の全てに伝達されるかが制御される。
【0037】
従って、第1攪拌手段及び複数の第2攪拌手段の各々に対応した数のステッピングモータが要されない。また、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置が、前記各々に対応した数のステッピングモータを制御することが要されない。さらに、ステッピングモータの駆動力を第1攪拌手段のみに伝達するか、第1攪拌手段及び複数の第2攪拌手段の全てに伝達するかを制御するための電子部品(例えば、電磁クラッチ、ソレノイド)が要されない。従って、消費電力が抑制される。
【0038】
上記構成において、前記ステッピングモータを前記逆方向に駆動させるために前記ステッピングモータへ出力される前記励磁電流の前記励磁電流値は、前記ステッピングモータを前記正方向に駆動させるために前記ステッピングモータへ出力される前記励磁電流の前記励磁電流値よりも大きい構成とすることができる(請求項8)。
【0039】
この構成によれば、ステッピングモータを逆方向に駆動させるための励磁電流の励磁電流値が、ステッピングモータを正方向に駆動させるための励磁電流の励磁電流値よりも大きい。そのため、ステッピングモータを逆方向に駆動させるトルクが、ステッピングモータを正方向に駆動させるトルクよりも大きくなる。このように、ステッピングモータを逆方向に駆動させるトルクが正方向に駆動させるトルクよりも大きいので、ステッピングモータは、逆方向の駆動によって、第1及び第2の伝達軸に駆動力をスムーズに伝達することができる。そのため、第1及び第2の伝達軸に駆動力を伝達して第1及び複数の第2の攪拌手段に対してトナーを攪拌させることがスムーズとなる。
【0040】
また、本発明の他の局面に係るステッピングモータ制御方法は、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置が、複数の励磁コイルが励磁する方式を表す励磁方式に対応した励磁電流の入力を受け付けて駆動するステッピングモータを制御するステッピングモータ制御方法であって、前記トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置が、前記ステッピングモータが駆動を開始するために要される複数の起動トルク値の各々と、前記ステッピングモータが駆動していない時間を表す複数の駆動停止時間レベルの各々とを対応づけて記憶した記憶部を備えており、前記記憶部を参照して、前記駆動停止時間レベル判断部によって判断された前記駆動停止時間レベルから得られる前記起動トルク値を判断して、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算し、当該励磁電流値が得られる前記励磁電流を、前記励磁電流出力部に対して出力させることを特徴とする(請求項9)。この方法は、請求項1に対応する方法である。そのため、請求項1と同じ効果が奏される。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、ステッピングモータが駆動していない時間の長さに応じた起動トルク値が得られる励磁電流値を判断することができる。そのため、ステッピングモータ駆動装置は、例えば、ステッピングモータの駆動力によってトナーが攪拌されない時間が継続して、トナーが固着している可能性がある場合には、大きな起動トルク値が得られる励磁電流値を有する励磁電流を出力することができる。そのため、トナーが固着している可能性がある場合に、大きな起動トルクでステッピングモータの駆動を開始させることができる。
【0042】
また、ステッピングモータは、一般に、フィードバック機構を必要としない。つまり、ステッピングモータは開ループで制御されることに対応している。そのため、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置は、フィードバック機構を必要としないので、コストが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置の概要の一例を示すブロック図である。
【図3】記憶部において、ステッピングモータが駆動を開始するために要される複数の起動トルク値が記憶されている態様の一例を示した図である。
【図4】ステッピングモータ制御処理の概要を示したフローチャートである。
【図5】画像形成装置に備えられたトナー供給装置の一例を示す斜視図である。
【図6】トナー供給装置をX方向から見たときの側面断面図である。
【図7】攪拌パドル回転機構の一例を示す斜視図である。
【図8】伝達切換手段の構成の一例を示す図である
【図9】トナー供給装置の他の例を示す斜視図である。
【図10】攪拌パドル回転機構の他の例を示す斜視図である。
【図11】伝達切換手段の構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の一実施形態に係るトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置及び画像形成装置について説明する。本実施の一実施形態における画像形成装置は電子写真方式の画像形成装置であって、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ又はこれらの機能を兼ね備えた複合機に適用することができる。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。尚、図1において、本発明に係る画像形成装置として、タンデム方式の画像形成装置1が例示されている。しかしながら、本発明に係る画像形成装置は、中間転写ベルト方式の画像形成装置であることもできる。
【0046】
図1において、画像形成装置1は、帯電することにより静電潜像を保持することができる感光体21、感光体21を帯電させる帯電装置22、感光体21に静電潜像を形成する露光ユニット27、感光体21にトナーを供給してトナー像を顕像化させる現像装置31、及び、感光体21に形成されたトナー像を搬送された用紙23に転写する転写装置28、を備える。
【0047】
また、画像形成装置1には、現像装置31の各々にトナーを供給するために、トナー供給装置8が着脱可能に設けられている。トナー供給装置8は、黒トナーを貯留して対応する現像装置31に供給する黒トナーホッパ80K(以下、トナーホッパ80Kという)、イエロートナーを貯留して対応する現像装置31に供給するイエロートナーホッパ80Y(以下、トナーホッパ80Yという)、を備える。
【0048】
更に、トナー供給装置8は、シアントナーを貯留して対応する現像装置31に供給するするシアントナーホッパ80C(以下、トナーホッパ80Cという)、及び、マゼンダトナーを貯留して対応する現像装置31に供給するするマゼンダトナーホッパ(以下、トナーホッパ80Mという)、を備える。このようなトナー供給装置8において、トナーホッパ80Kが第1トナーホッパを構成する。また、トナーホッパ80Y、80C、及び80Mの各々が第2トナーホッパを構成する。
【0049】
また、画像形成装置1は、前記構成要素の他に、用紙23を収容する給紙カセット24、用紙23を給紙カセット24から取り出して搬送する搬送ベルト25、及び、用紙23に転写された各色のトナー像を定着させる定着装置29を備える。定着装置29によってトナー像が定着された用紙23は排紙トレイ40に排出される。
【0050】
また、画像形成装置1は、前記構成要素の他に、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100(後述)を備える。トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、画像形成装置1において、攪拌パドル60(後述)を回動させて、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部に貯留されているトナーを攪拌するためのステッピングモータ94(後述)が回転することを制御する。尚、以下に示される説明において、ステッピングモータ94の駆動として、ステッピングモータ94の回転が例示されている。
【0051】
また、画像形成装置1は、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部に、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部においてトナーが攪拌されていることを検出する攪拌検出センサ111Aの各々を備える。攪拌検出センサ111Aの各々は、例えば、攪拌パドル60(図6参照)が取り付けられた軸93K、93Y、93C、及び93Mの各々(図5参照)が回転していることを検出することで対応することができる。
【0052】
このような攪拌検出センサ111Aの各々は、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部においてトナーが攪拌されていることを検出している間、駆動停止時間レベル判断部111に対して、トナーが攪拌されていることを示す通知を行う。尚、このような攪拌検出センサ111Aの各々は、後述される第2の起動トルク値判断処理において使用される。
【0053】
また、画像形成装置1は、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部温度を計測する温度センサ112A、及び、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部湿度を計測する湿度センサ113A、を備える。そして、温度センサ112Aによって計測されたトナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部温度はトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100へ出力される。また、湿度センサ113Aによって計測されたトナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部温度もトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100へ出力される。
【0054】
尚、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部温度は、画像形成装置1の内部温度の一例である。また、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部湿度は、画像形成装置1の内部湿度の一例である。
【0055】
図2は、本発明の一実施形態に係るトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100の概要の一例を示すブロック図である。このようなトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、ステッピングモータ94に接続されて使用される。
【0056】
図2において、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、制御部110、出力停止時間判断部111、内部温度レベル判断部112、内部湿度レベル判断部113、電源部114、記憶部115、回転方向切換部116、及び、励磁電流出力部117、を備える。制御部110は、例えば、マイコン、CPU(Central Processing Unit)で構成されており、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100を統括的に制御する。
【0057】
特に、制御部110は、ステッピングモータ94が回転していないことを検出する。制御部110は、例えば、励磁電流出力部117から励磁電流が出力されていないことを検出することで対応できる。また、制御部110は、例えば、ステッピングモータ94の回転軸94A(図8参照)に取り付けた回転検出センサが回転軸94Aの回転を検出していないことを検出することでも対応できる。
【0058】
また、制御部110は、ステッピングモータ94が回転していない際に、出力停止時間判断部111、内部温度レベル判断部112、及び、内部湿度レベル判断部113の各々に対して、ステッピングモータ94が回転していないことを通知する。尚、本実施形態において、制御部110は、励磁電流出力部117から励磁電流が出力されていないことを通知することで、ステッピングモータ94が回転していないことを通知している。
【0059】
また、制御部110は、ステッピングモータ94が回転を開始すべき処理(例えば、画像形成処理)を開始させることを指示するための指示信号を、ユーザによる操作部(図示せず)の操作により受け付けると、指示信号を受け付けたことを、駆動停止時間判断部111、内部温度レベル判断部112、及び、内部湿度レベル判断部113の各々に対して通知する。さらに、制御部110は、後述されるステッピングモータ制御処理を行う。
【0060】
駆動停止時間レベル判断部111は、ステッピングモータ94が回転していない時間の長さを表す駆動停止時間レベルを判断する。そのため、駆動停止時間レベル判断部111は、計時を行うタイマ(図示せず)を備えている。尚、ステッピングモータ94が回転していない時間には、例えば、画像形成装置1の電源が切断されている際、及び、画像形成装置1が先述されたスリープモードを実行中である際に、電源部114が、励磁電流出力部117へ電源を供給していない時間が含まれる。
【0061】
駆動停止時間レベル判断部111は、駆動停止時間レベルを、以下に示されるように判断する。つまり、駆動停止時間レベル判断部111は、ステッピングモータ94が回転していないことが制御部110から通知される。その後、駆動停止時間レベル判断部111は、ステッピングモータ94が回転していない時間を計測し、計測された時間の長さを、「短」、「中」、「長」の3つのレベルに区分する。そして、出力時間レベル判断部111は、ステッピングモータ94が回転を開始すべき処理(例えば、画像形成処理)を開始させることを指示するための指示信号を受け付けたことが制御部110から通知されると、前記時間の計測を終了する。
【0062】
内部温度レベル判断部112は、ステッピングモータ94が回転していない間に、温度センサ112Aによって計測された内部温度から内部温度レベルを判断する。内部温度レベル判断部112は、内部温度レベルを以下に示されるように判断する。つまり、内部温度レベル判断部112は、ステッピングモータ94が回転していないことが制御部110から通知される。その後、内部温度レベル判断部112は、温度センサ112Aの各々によって計測される、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部温度のレベルを、「高」、「常」、「低」の3つのレベルに区分する。そして、内部温度レベル判断部112は、ステッピングモータ94が回転を開始すべき処理(例えば、画像形成処理)を開始させることを指示するための指示信号を受け付けたことが制御部110から通知されると、前記内部温度レベルの判断を中止する。
【0063】
内部湿度レベル判断部113は、ステッピングモータ94が回転していない間に、湿度センサ113Aによって計測された内部湿度から内部湿度レベルを判断する。内部湿度レベル判断部113は、内部湿度レベルを以下に示されるように判断する。つまり、内部湿度レベル判断部113は、ステッピングモータ94が回転していないことが制御部110から通知される。その後、内部湿度レベル判断部113は、湿度センサ113Aの各々によって計測される、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部湿度のレベルを、「高」、「常」、「低」の3つのレベルに区分する。そして、内部湿度レベル判断部113は、ステッピングモータ94が回転を開始すべき処理(例えば、画像形成処理)を開始させることを指示するための指示信号を受け付けたことが制御部110から通知されると、前記内部湿度レベルの判断を中止する。
【0064】
電源部114は、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100が動作するために必要な電源を各部へ供給する。電源部114は、特に、駆動停止時間レベル判断部111、内部温度レベル判断部112、及び、内部湿度レベル判断部113へ、電源を常時供給する。電源部114は、例えば、画像形成装置1の電源が切断された際、画像形成装置1が先述されたスリープモードを実行している途中においても、駆動停止時間レベル判断部111、内部温度レベル判断部112、及び、内部湿度レベル判断部113の各々が、駆動停止時間レベル、内部温度レベル、及び、内部湿度レベルの各々を判断することができるように、駆動停止時間レベル判断部111、内部温度レベル判断部112、及び、内部湿度レベル判断部113の各々へ電源を供給する。
【0065】
記憶部115は、ステッピングモータ94が回転を開始するために要される複数の起動トルク値を記憶している。尚、記憶部115の具体的な構成は後述される。回転方向切換部116は、励磁電流出力部117から出力される励磁電流の極性を逆の極性として、ステッピングモータ94の回転方向を切り換える。
【0066】
励磁電流出力部117は、制御部110に組み込まれており、ステッピングモータ94に対して、ステッピングモータ94が回転するための励磁電流を生成して出力する。励磁電流出力部117は、パルス出力部119から出力されるステップパルスを受け付けて、公知のシーケンサー機能付きマイクロステッピング対応モータドライバが励磁電流を生成して出力する方法と同じ方法で、励磁電流を生成して出力する。このように、励磁電流出力部117によって生成されて出力される励磁電流は、各種の励磁方式(1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式)に対応した励磁電流であり、各々の励磁方式に応じた波形を有する。
【0067】
電流値増幅部118は、励磁電流出力部117によって出力された励磁電流の励磁電流値を、それぞれ異なる複数の増幅率のうちいずれかの増幅率で増幅して、それぞれ異なる励磁電流値を有する励磁電流にする。このような電流値増幅部118は、例えば、トランジスタ(例えばバイポーラトランジスタ)で構成されうる。このようなトランジスタにおいて、ベース端子に入力されるベース電流の値が変化することで、エミッタ端子からコレクタ端子に流れる励磁電流の励磁電流値が、それぞれ異なる複数の増幅率のうちいずれかの増幅率で増幅されうる。
【0068】
パルス出力部119は、励磁電流出力部117から出力される励磁電流の波形を定めるステップパルスを出力する。このようなステップパルスのパルスレートが高くなるにつれて、ステッピングモータ94の回転速度が速くなる。周波数可変部120は、パルス出力部119から出力されるステップパルスの周波数を変更する。つまり、周波数可変部120は、パルス出力部119から出力されるステップパルスのパルスレートを変更する。
【0069】
このようなトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、ステッピングモータ94を接続するための端子TA、TB、TC、及びTDを備える。端子TA及び端子TBには、ステッピングモータ94の励磁コイル940が接続されており、端子TA側が「/B相」、端子TB側が「B相」とされている。また、端子TC及び端子TDには、ステッピングモータ94の励磁コイル941が接続されており、端子TC側が「A相」、端子TD側が「/A相」とされている。
【0070】
また、図2において、ステッピングモータ94として、バイポーラ式の複数の励磁コイル940及び941を備える2相ステッピングモータが例示されている。このようなステッピングモータ94において、励磁コイル940の両端は、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100の端子TA及びTBへ接続されている。そのため、励磁コイル940の両端は、「/B相」及び「B相」とされている。また、励磁コイル941の両端は、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100の端子TC及びTDへ接続されている。そのため、励磁コイル941の両端は、「A相」及び「/A相」とされている。
【0071】
また、ステッピングモータ94は、N極及びS極を有する回転子942(2極ローター)を備える。この回転子942に近接して、複数の励磁コイル940及び941が設けられている。このようなステッピングモータ94は、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100から出力される励磁電流を受け付けて、「/B相」、「B相」、「/A相」、及び「A相」の各々の電圧レベルが周期的に変化して、励磁コイル940及び941が周期的に励磁される。そのため、ステッピングモータ94において回転子942が回転する。
【0072】
図3は、記憶部116において、ステッピングモータ94が駆動を開始するために要される複数の起動トルク値が記憶されている態様の一例を示した図である。尚、図3(a)は、マゼンダトナーが貯留されるトナーホッパ80Mに対応する起動トルク値テーブル115Mの一例を示した図である。また、図3(b)は、シアントナーが貯留されるトナーホッパ80Cに対応する起動トルク値テーブル115Cの一例を示した図である。
【0073】
また、図3(c)は、イエロートナーが貯留されるトナーホッパ80Yに対応する起動トルク値テーブル115Yの一例を示した図である。また、図3(d)は、黒トナーが貯留されるトナーホッパ80Kに対応する起動トルク値テーブル115Kの一例を示した図である。
【0074】
図3において、起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kの各々には、駆動停止時間レベルTI、内部湿度レベルHU、及び、内部温度レベルTEの複数の組み合わせの各々に対応して、起動トルク比が複数記憶されている。尚、起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kの各々において、前記駆動停止時間レベルTIは、厳密には、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々に貯留されているトナーが攪拌されない時間(攪拌停止時間)である。
【0075】
しかしながら、画像形成装置1がモノクロ印刷及びカラー印刷のいずれを行う際においても、ステッピングモータ94の回転によって、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの全てに貯留されているトナーを一括して攪拌する場合がある。このような場合には、モノクロ印刷及びカラー印刷が行われる際には、ステッピングモータ94に回転によって、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの全てにおいてトナーが攪拌される。一方、モノクロ印刷及びカラー印刷が行われていない際には、ステッピングモータ94が回転せずに、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの全てにおいてトナーが攪拌されない。
【0076】
そのため、以下に示される説明において、前記駆動停止時間レベルTIは、ステッピングモータ94が回転していない時間の長さを表すものとして扱われている。
【0077】
また、図3において、起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kの各々に複数記憶されているトルク比の各々は、ステッピングモータ94が、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々に貯留されている各色のトナーを攪拌するとした場合に、ステッピングモータ94が要されるホッパ別の起動トルク値(以下、ホッパ別起動トルク値という)STM、STC、STY、及び、STBの各々として記憶されている。このような前記トルク比の各々は、記憶部115に、トルク比が設定される際に基準とされる基準値として予め記憶されている基準起動トルク値(図示せず)を基準として設定されている。例えば、図3において、トルク比の各々として、「1」、「1.5」、及び、「2」のいずれかの値が記憶されている。
【0078】
図3において、トルク比「1」は、「ホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STBの各々=基準トルク値」であることを表す。また、トルク比「1.5」は、「ホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STBの各々=基準トルク値×1.5」であることを表す。また、トルク比「2」は、「ホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STBの各々=基準トルク値×2」であることを表す。
【0079】
尚、本実施形態において、前記基準起動トルク値を基準としたトルク比の各々が記憶されている。しかしながら、ホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STBの各々そのものの値が記憶されていてもよい。
【0080】
また、起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kの各々において、ホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STBの各々に対応して、内部湿度レベルHU及び内部温度レベルTEとして、先述された3つのレベルである「高」、「常」、「低」のうちいずれかのレベルが記憶されている。尚、本実施形態において、内部湿度レベルHU及び内部湿度レベルTEとして、先述された3つのレベルである「高」、「中」、「低」のうちいずれかのレベルが記憶されている。しかしながら、内部湿度レベルHU及び内部湿度レベルとして、内部湿度及び内部温度そのものの範囲が記憶されていてもよい。また、内部湿度及び内部温度そのものが記憶されていてもよい。
【0081】
また、起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kにおいて、ホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STBの各々に対応して、駆動停止時間レベルTIとして、先述された3つのレベルである「短」、「中」、「長」のうちいずれかのレベルが記憶されている。尚、本実施形態において、駆動停止時間レベルTIとして、先述された3つのレベルである「短」、「中」、「長」のうちいずれかのレベルが記憶されている。しかしながら、駆動停止時間レベルTIとして、ステッピングモータ94が回転していない時間の大きさそのものが記憶されていてもよい。
【0082】
以上に示される起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kの各々が存在するため、以下に示される第1の起動トルク値判断処理が可能となる。
[第1の起動トルク値判断処理]
例えば、画像形成装置1の電源が投入された直後、及び、画像形成装置1が先述されたスリープモードから通常のモード(画像形成がすぐにできるモード)に復帰した際には、制御部110は、以下の処理を行う。
【0083】
つまり、制御部110は、モノクロ印刷及びカラー印刷を行う際には、起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kの全てを用いる。そして、現実に判断された、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部湿度レベルHU及び内部温度レベルTE、及び、駆動停止時間レベルTIから、トナー別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STKの各々を得る。そして、制御部110は、これらのトナー別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STKの合計値を、ステッピングモータ94が駆動を開始するために要される起動トルク値STとして得る。
【0084】
例えば、それまでステッピングモータ94が回転していない時間を表す駆動停止時間レベルTI、及び、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び、80Kの各々の内部の内部湿度レベルHU及び内部温度レベルTEの組み合わせが、「長」、「高」、「高」からなる組み合わせである際には、制御部110は、当該組み合わせから「1.5」からなるホッパ別起動トルク値STM、STC、及び、STYの各々を得る。また、制御部110は、当該組み合わせから「2」からなるホッパ別起動トルク値STKを得る。そして、制御部110は、これらのホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及びSTKの各々を合計する。つまり、「1.5」×「3」+「2」で表される値「6.5」を、起動トルク値STとして得る。
【0085】
このような起動トルク値が得られる環境として、例えば、画像形成処理が開始されるまでの間、高温かつ高湿で、電源が切断されていた環境、及び、スリープモードが実行されていた環境が挙げられる。尚、このような第1の起動トルク値判断処理において、制御部110は、現実に判断された、前記内部湿度レベルHU、前記内部温度レベルTE、及び、前記駆動停止時間レベルTIのいずれか1つから、ホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及びSTKの各々を得て、これらの合計値を起動トルク値STとしてもよい。
【0086】
図4は、ステッピングモータ制御処理の概要を示したフローチャートである。制御部110は、励磁電流出力部117から励磁電流が出力されているか否かを判断する(ステップS1)。励磁電流が出力されていない際には(ステップS1のNO)、制御部110は、出力停止時間判断部111に対して、以下の処理を行わせる。つまり、出力停止時間判断部111が、タイマをオンして計時を開始する(ステップS2)。一方、励磁電流が出力されている際には(ステップS1のYES)、制御部110は、後述される通常処理(ステップS11)を行う。
【0087】
そして、制御部110は、内部温度レベル判断部112に対して以下の処理を行わせる。つまり、内部温度レベル判断部112が、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部温度レベルを判断する(ステップS3)。そのため、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部温度レベルが、「高」、「常」、「低」のいずれかのレベルに区分される。
【0088】
さらに、制御部110は、内部湿度レベル判断部113に対して以下の処理を行わせる。つまり、内部湿度レベル判断部113が、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部湿度レベルを判断する(ステップS4)。そのため、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部湿度レベルが、「高」、「常」、「低」のいずれかのレベルに区分される。
【0089】
以上に示される処理(ステップS3及びS4)は、制御部110が、励磁電流出力部117から励磁電流の出力を行うべき処理として、画像形成処理を開始させることを指示するための指示信号を受け付けるまで行われる。
【0090】
そして、制御部110が前記指示信号を受け付けた際には(ステップS5のYES)、制御部111は、駆動停止時間レベル判断部111に以下の処理を行わせる。つまり、駆動停止時間レベル判断部111が、タイマをリセットして計時を終了する(ステップS6)。そして、駆動停止時間レベル判断部111が、計時された時間の長さを、ステッピングモータ94が回転していない時間を表す駆動停止時間レベルとして、「短」、「中」、「長」のいずれかのレベルに区分する(ステップS7)。
【0091】
その後、制御部110は、ステッピングモータ94が駆動するために要される起動トルク値STを以下に示されるようにして判断する(ステップS8)。例えば、制御部110は、画像形成装置1の電源が投入された直後、画像形成装置1のモードが先述されたスリープモードから通常のモードへ復帰した直後には、先述された第1の起動トルク値判断処理を行って起動トルク値STを判断する。
【0092】
また、制御部110は、前記第1の起動トルク値判断処理ではなく、以下に示される第2の起動トルク値判断処理を行っても良い。
[第2の起動トルク値判断処理]
つまり、制御部110は、ホッパ別起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kの各々において、駆動停止時間レベルTIを、トナーホッパ80K、80C、80Y、及び、80Kの各々においてトナーが攪拌されていない時間(攪拌停止時間)のレベルとして扱う。
【0093】
また、制御部110は、駆動停止時間判断部111に対して、以下に示される処理を行わせる。つまり、駆動停止時間判断部111が、前記攪拌検出センサ111Aの各々から、トナーが攪拌されていることを示す通知を常時受け付ける。そして、駆動停止時間判断部111が、攪拌検出センサ111Aの各々毎に、前記通知を受け付けていない時間を、攪拌停止時間(つまり駆動停止時間レベルTI)とする。
【0094】
そして、制御部110は、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々毎に、内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び、トナーが攪拌されていない時間の長さ(駆動停止時間レベルT1)を得る。そして、制御部110は、得られた、内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び、駆動停止時間レベルT1の組み合わせの各々から、トナー別起動トルク値STM、STC、STY、及びSTKの各々を得る。
【0095】
そのため、制御部110は、以下に示される処理が可能となる。つまり、制御部110は、モノクロ印刷を行う際には、起動トルク値テーブル115Kを参照する。そして、トナーホッパ80Kにおいて現実に判断された、内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び、トナーが攪拌されていない時間(つまり駆動停止時間レベルTI)の組み合わせに対応するトナー別起動トルク値STKを、ステッピングモータ94が駆動を開始するために要される起動トルク値STとして得る。
【0096】
例えば、制御部110は、モノクロ印刷を行う際には、トナーホッパ80Kにおいて現実に判断された、内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び、駆動停止時間レベルT1の組み合わせが、「短」、「高」、「高」からなる組み合わせである際には、当該組み合わせから「1.5」で表されるホッパ別起動トルク値STKが得られる。
【0097】
一方、制御部110は、カラー印刷を行う際には、起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kの全てを参照する。そして、現実に判断された、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び駆動停止時間レベルTIの組み合わせに対応する、トナー別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STKの各々を得る。そして、これらのトナー別起動トルク値STM、STC、STY、及び、STKの合計値を、ステッピングモータ94が駆動を開始するために要される起動トルク値STとして得る。
【0098】
例えば、常温かつ通常の湿度である環境において、モノクロ印刷が長時間行われた直後には、トナーホッパ80M、80C、80Yの各々において、内部湿度レベルHU及び内部温度レベルTEが「常」、駆動停止時間レベルTIが「長」である。一方、トナーホッパ80Kの近くに配置されている部材(例えば定着装置29)が長時間発熱していたので、トナーホッパ80Kにおいて、内部湿度レベルHUが「低」、内部温度レベルTEが「高」、駆動停止時間レベルTIが「短」である。
【0099】
そのため、制御部110は、トナーホッパ80Kに対応するホッパ別起動トルク値テーブル115Kにおいて、「低」で表される内部湿度レベルHU、「高」で表される内部温度レベルTE、及び、「短」で表される駆動停止時間レベルTIの組み合わせから、「1.5」で表されるホッパ別起動トルク値STKを得る。一方、制御部110は、トナーホッパ80M、80C、及び80Yの各々に対応するホッパ別起動トルク値テーブル115M、115C、及び115Yの各々において、「常」で表される内部湿度レベルHU、「常」で表される内部温度レベルTE、「長」で表される駆動停止時間レベルT1から、「1.5」で表されるホッパ別起動トルク値STM、STC、及び、STYの各々を得る。
【0100】
そして、制御部110は、これらのホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及びSTKの各々を合計する。つまり、制御部110は、「1.5」×「3」+「1.5」で表される値「6.0」を、起動トルク値STとして得る。
【0101】
尚、このような第2の起動トルク値判断処理において、制御部110は、現実に判断された、前記内部湿度レベルHU、前記内部温度レベルTE、及び、前記駆動停止時間レベルTIのいずれか1つから、ホッパ別起動トルク値STM、STC、STY、及びSTKの各々を得て、これらの合計値を起動トルク値STとしてもよい。
【0102】
そして、制御部110は、ステップS8に示される処理において得られた起動トルク値STが得られる励磁電流値を演算して求める(ステップS9)。尚、起動トルク値STから励磁電流値を演算して求める方法は、公知のシーケンサー機能付きマイクロステッピング対応モータドライバが、所望の起動トルク値を得るための励磁電流値を演算する方法と同じである。
【0103】
そして、制御部110は、励磁電流出力部117に対して、パルス出力部119から出力されたステップパルスに同期し、且つ、演算された励磁電流値を有する励磁電流をステッピングモータ94へ出力させる(ステップS10)。このような処理において、励磁電流出力部117は、制御部110から、励磁電流を生成して出力する指示を受け付ける。その際、制御部110から励磁電流値の指示も受け付ける。そして、励磁電流出力部117は、パルス出力部119から出力されたステップパルスに同期する励磁電流を生成する。励磁電流出力部117は、生成された励磁電流を、電流値増幅部118において、励磁電流値が指示された励磁電流値となるように増幅する。このように増幅された励磁電流がステッピングモータ94へ出力される。
【0104】
その後、制御部110は、通常処理を行う。通常処理とは、制御部110が、前記ステップパルスの周波数が、予め定められた定速周波数である際には、励磁電流出力部117に対して、前記起動トルク値STよりも小さな定速トルク値が得られる励磁電流値を演算する処理である。ここに、制御部110は、ステップパルスの周波数が定速周波数であることが、ステッピングモータ94の励磁コイル940及び941の各々が励磁される時間の逆数から判る。
【0105】
このように、通常処理において、小さな定速トルク値が得られる励磁電流値が演算されるので、ステッピングパルス94へ出力される励磁電流の励磁電流値が小さくなり、ステッピングモータ94において発生するトルクが小さくなる。従って、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、ステッピングモータ94が一定の定速度に達して大きなトルクが不要となった際に対応することができ、消費電力が抑制される。
【0106】
尚、本実施形態において、記憶部115には、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び、80Kの各々に対応する起動トルク値テーブル115M、115C、115Y、及び、115Kが存在する。しかしながら、この例には限られない。例えば、モノクロ印刷のために、トナーホッパ80Kに対応する起動トルク値テーブル115Kが設けられる。起動トルク値テーブル115Kにおいて、内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び、駆動停止時間レベルTIのいずれかのパラメータ、又は、内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び、駆動停止時間レベルTIからなる組み合わせ、が複数記憶されている。そして、複数の前記パラメータ、又は、複数の前記組み合わせの各々に対応して、ステッピングモータ94が駆動を開始するために要される複数の起動トルク値STの各々が記憶されている。そして、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、現実に判断された前記パラメータ又は前記組み合わせから得られる起動トルク値STを判断する。このような構成によっても、ステッピングモータ94が必要とする大きさのトルクが得られる励磁電流値が得られる。
【0107】
また、カラー印刷のために、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び、80K全てに対応した1つの起動トルク値テーブル(以下、起動トルクテーブル115Aとされる)が設けられる。起動トルク値テーブル115Aにおいて、内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び、駆動停止時間レベルTIのいずれかのパラメータ、又は、内部湿度レベルHU、内部温度レベルTE、及び、駆動停止時間レベルTIからなる組み合わせ、が複数記憶されている。そして、複数の前記パラメータ、又は、複数の前記組み合わせの各々に対応して、ステッピングモータ94が駆動を開始するために要される複数の起動トルク値STの各々が記憶されている。
【0108】
そして、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、現実に判断された前記パラメータ又は前記組み合わせから得られる起動トルク値STを判断する。以上に示される構成によっても、前記内部湿度レベルHU、前記内部温度レベルTE、及び、前記駆動停止時間TIのいずれか、又は、これらの組み合わせに応じて、ステッピングモータ94が必要とする大きさのトルクを得るために最適な励磁電流値が得られる。
【0109】
以下に、本実施形態に係るトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100の具体的な使用例が説明される。図5は、画像形成装置1に備えられたトナー供給装置の一例を示す斜視図である。図5において、トナー供給装置8は、トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々と、後述されるパドル回転機構9、とからなる。
【0110】
トナー供給装置8において、前記トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々の外側には、後述されるパドル回転ギア90K、90Y、90C、及び90Mの各々と噛み合うアイドルギア91K、91Y、91C、及び91Mの各々、及び、アイドルギア91K、91Y、91C、及び91Mの各々と噛み合うパドルギア92K、92Y、92C、及び92Mが配置されている。パドルギア92K、92Y、92C、及び92Mの各々は、軸93K、93Y、93C、及び93Mの各々の一端側に同心状に固定されており、軸93K、93Y、93C、及び93Mの各々と一体となって回転できる。
【0111】
パドル回転ギア90K、90Y、90C、及び90Mの各々は、後述されるパドル回転機構9の一部をなしている。パドル回転ギア90K、90Y、90C、及び90Mの各々は、トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々が、画像形成装置1に、Z軸方向上側から取り付けられた際に、アイドルギア91K、91Y、91C、及び91Mの各々と噛み合う。
【0112】
そのため、パドル回転ギア80K、90Y、90C、及び90Mの各々が回転すると、各々の回転力がアイドルギア91K、91Y、91C、及び91Mの各々を通じてパドルギア92K、92Y、92C、及び92Mの各々に伝達される。そのため、パドル回転ギア90K、90Y、90C、及び90Mの各々が回転すると、パドルギア92K、92Y、92C、及び92Mの各々が回転することができる。その際、パドルギア92K、92Y、92C、及び92Mの各々と一体となって、軸93K、93Y、93C、及び93Mの各々が回転することができる。
【0113】
トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々の内部において、攪拌パドル60及び搬送スパイラル61が、図6に示されるように配置されている。図6は、トナー供給装置8をX方向から見たときの側面断面図である。ここに、トナーホッパ80Kの内部に配置されている攪拌パドル60が第1攪拌手段を構成する。また、トナーホッパ80Y、80C、及び80Mの各々の内部に配置されている攪拌パドル60が第2攪拌手段を構成する。
【0114】
搬送スパイラル61は、トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々に配置されている搬送スパイラルを総括的に表す名称である。また、軸93は、トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々に配置されている軸93K、93Y、93C、及び93Mの各々を総括的に表す名称である。
【0115】
図6に示されるように、攪拌パドル60は、トナーホッパ80(トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々を総括的に表す名称)においてY軸方向に位置する略U字状の底面を有する大領域E1の中央部に設けられており、軸93が回転すると軸93を中心軸として回動することができる。そのため、パドルギア92の回転力により軸93が回転すると、攪拌パドル60が軸93を中心軸として回動することができる。攪拌パドル60が回動すると、トナーホッパ80に貯留されているトナーが攪拌されて搬送スパイラル61の方向へ搬送される。
【0116】
また、トナーホッパ80の大領域E1において、軸93とZ軸方向に同一の高さには、トナーの残量を検知するセンサ50が配置されている。センサ50によって検知されたトナーの残量は、制御部110に通知される。制御部110は、トナーの残量が少なくなっていると判断すれば報知する。
【0117】
以下、搬送スパイラル61の機能を、図6とともに説明する。搬送スパイラル61は、トナーホッパ80において、トナー供給口81K、81Y、81C、及び81Mの各々に対応する位置に設けられた略U字状の底面を有する小領域E2に設けられており、トナーをトナー供給口81K、81Y、81C、及び81K寄りに集めるように搬送する。搬送スパイラル61は、トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々に対応して設けられている搬送スパイラル回転モータ70K、70Y、70C、及び70Mの各々が回転することによって発生する回転力によって回転する。トナー供給口81K、81Y、81C、及び81K寄りに集められたトナーは、トナー供給口81K、81Y、81C、及び81Mから現像装置31の各々に供給される。
【0118】
また、図5において、ステッピングモータ94は、正方向及び逆方向に回転して回転力を発生して、トナーホッパ80K、80Y、80C、及び80Mの各々に配置されている攪拌パドル60の各々に回転力を与えることができる。このように、ステッピングモータ94が正方向及び逆方向に回転して回転力を発生して、攪拌パドル60の各々に回転力を与えることができるように、トナー供給装置8は、以下に示される攪拌パドル回転機構9を備える。尚、図2において、トナー供給装置8は、中継ギア95及びアイドルギア96を備える。中継ギア95及びアイドルギア95の機能は後述される。
【0119】
図7は、攪拌パドル回転機構の一例を示す斜視図である。攪拌パドル回転機構9は、ステッピングモータ94、伝達切換手段10、第1シャフト(第1伝達軸)9A、第2シャフト(第2伝達軸)9B、第3シャフト9C、中継ギア95、アイドルギア96、及び、パドル回転ギア90K、90Y、90C、及び90M、を備える。
【0120】
攪拌パドル回転機構9において、パドル回転ギア90Kは、第1シャフト9Aの一端側に同心状に固定されており、第1シャフト9Aと一体となって回転することができる。パドル回転ギア90Yは、第3シャフト9Cの一端側に同心状に固定されており、第3シャフト9Cと一体となって回転することができる。パドル回転ギア90Cは、第3シャフト9Cの中間部に同心状に固定されており、第3シャフト9Cと一体となって回転することができる。パドル回転ギア90Mは、第3シャフト9Cの他端側に同心状に固定されており、第3シャフト9Cと一体となって回転することができる。
【0121】
また、攪拌パドル回転機構9において、中継ギア95が、第2シャフト9Bの一端側に同心状に固定されており、第2シャフト9Bと一体となって回転することができる。このような中継ギア95は、アイドルギア96と噛み合っている。そして、アイドルギア96は、パドル回転ギア90Yと噛み合っている。そのため、第2シャフト9Bの回転力が、中継ギア95及びアイドルギア96を通じて第3シャフト9Cに伝達される。
【0122】
このような攪拌パドル回転機構9において、伝達切換手段10によって、ステッピングモータ94において発生した正方向の回転力が回転力として第1シャフト9Aに伝達される。そのため、第1シャフト9Aが回転する。第1シャフト9Aが回転すると第1シャフト9Aと同じ方向にパドル回転ギア90Kが回転する。そのため、トナーホッパ80Kに配置されている攪拌パドル60が回動する。
【0123】
一方、攪拌パドル回転機構9において、伝達切換手段10によって、ステッピングモータ94において発生した逆方向の回転力が第1シャフト9A及び第2シャフト9Bに伝達される。そのため、第1シャフト9A及び第2シャフト9Bが回転する。第1シャフト9Aが回転するとパドル回転ギア90Kが第1シャフト9Aと同じ方向に回転するので、トナーホッパ80Kに配置されている攪拌パドル60が回動する。
【0124】
また、第2シャフト9Bが回転すると中継ギア95が第2シャフト9Bと同じ方向に回転する。すると、アイドルギア96が中継ギア95とは逆の方向に回転して回転力がパドル回転ギア90Yに伝達されるので、パドル回転ギア90Yが第2シャフト9Bと同じ方向に回転する。そのため、第2シャフト9Bに固定されているパドル回転ギア90C及び90Mも第2シャフト9Bと同じ方向に回転する。従って、トナーホッパ80Y、80C、80Mに配置されている攪拌パドル60が回動する。
【0125】
図8は、伝達切換手段の構成の一例を示す図である。図8(a)は、ステッピングモータ94が正方向に回転している際の状態を示す図である。また、図8(b)は、ステッピングモータ94が逆方向に回転している際の状態を示す図である。
【0126】
トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、伝達切換手段10において、ステッピングモータ94を正方向及び逆方向のいずれかの方向へ回転させるため、予め定められた波形を有する励磁電流をステッピングモータ94へ出力している。そして、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100において、回転方向切換部116が励磁電流の極性を反転させると、ステッピングモータ94の回転方向が逆方向となる。
【0127】
ここに、ステッピングモータ94が逆方向に回転する際に発生するトルクを、正方向に回転する際に発生するトルクよりも大きくする観点からは、ステッピングモータ94を逆方向に駆動させるためにステッピングモータ94へ出力される励磁電流の励磁電流値が、ステッピングモータ94を正方向に駆動させるためにステッピングモータ94へ出力される励磁電流の励磁電流値よりも大きいことが望ましい。
【0128】
後述されるように、ステッピングモータ94が逆方向に回転して、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの全てにおいてトナーを攪拌するためには、ステッピングモータ94が正方向に回転してトナーホッパ80Kにおいてトナーを攪拌するよりも、回転する攪拌パドル60の数が多いため、大きなトルクが要されるからである。このように、ステッピングモータ94へ出力される励磁電流の励磁電流値が大きくなるほど、ステッピングモータ94において生ずるトルクが大きくなり、必要とされる大きさのトルクが得られる。
【0129】
また、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、先述された第2の起動トルク値判断処理を行えば、以下の処理が実現される。つまり、画像形成装置1において、モノクロ印刷が行われる際には、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、ステッピングモータ94を正方向に回転させる。その際、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、ホッパ別起動トルクSTKを最適な起動トルク値STとして、ホッパ別起動トルクテーブル115Kから得る。
【0130】
一方、画像形成装置1において、カラー印刷が行われる際には、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、ステッピングモータ94を逆方向に回転させる。その際、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、ホッパ別起動トルクSTM、STC、STY、及び、STKの各々を、ホッパ別起動トルクテーブル115M、115C、115Y、及び115Kの各々から得る。そして、トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置100は、得られたホッパ別起動トルクSTM、STC、STY、及び、STKの各々の合計値を、最適な起動トルク値STとして得る。
【0131】
そして、第2の起動トルク値判断処理において、ステッピングモータ94を逆方向に回転させる際に得られる起動トルクSTは、正方向に回転させる際に得られる起動トルクSTよりも大きい。そのため、ステッピングモータ94を逆方向へ回転させるために出力される励磁電流の励磁電流値が、ステッピングモータ94を正方向へ回転させるために出力される励磁電流の励磁電流値よりも大きくなる。
【0132】
図8(a)及び(b)に示されるように、伝達切換手段10は、以下に示されるような構成とされている。伝達切換手段10は、アイドルギア11、アイドルギア12、アイドルギア13、アイドルギア14、一方向(ワンウェイ)ギア(第1の一方向伝達手段)15、アイドルギア16、一方向(ワンウェイ)ギア(第2の一方向伝達手段)17、中継ギア(第1伝達手段)18、及び、中継ギア(第2伝達手段)19、を備える。
【0133】
このような伝達切換手段10において、アイドルギア11〜14、及びアイドルギア16が、回転軸S0〜S4の各々と一体となって回転することが可能なように、基板BOに軸支されている。また、一方向ギア15及び17の各々が、回転軸S3及びS4の各々と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。中継ギア18は、第1シャフト9Aの他端側に同心状に固定されており、第1シャフト9Aと一体となって回転することができる。また、中継ギア19は、第2シャフト9Bの他端側に同心状に固定されており、第2シャフト9Bと一体となって回転することができる。
【0134】
アイドルギア11は、回転軸S0と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア11は、ステッピングモータ94の回転軸94Aと噛み合って、回転軸94Aが回転することによって発生する回転力が伝達される大径部11A、及び、大径部11Aに伝達された回転力を後段に伝達する小径部11Bからなる。
【0135】
アイドルギア12は、回転軸S1と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア12は、アイドルギア11の小径部11Bと噛み合って、アイドルギア11の小径部11Bから回転力が伝達される大径部12A、及び、大径部12Aに伝達された回転力を後段に伝達する小径部12Bからなる。
【0136】
アイドルギア13は、回転軸S2と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア13は、アイドルギア12の小径部12Bと噛み合って、アイドルギア12の小径部12Bから回転力が伝達される大径部13A、及び、大径部13Aに伝達された回転力を後段に伝達する小径部13Bからなる。
【0137】
アイドルギア14は、回転軸S3と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア14は、アイドルギア13の小径部13Bと噛み合って、アイドルギア13の小径部13Bから回転力が伝達される大径部14A、及び、大径部14Aに伝達された回転力を後段に伝達する小径部14Bからなる。
【0138】
一方向ギア15は、回転軸S3と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されており、中継ギア18に接している。一方向ギア15は、回転軸S3と一体となって図5に示される時計回り方向に回転するが、回転軸S3を基準として図8に示される反時計回り方向に空転するという性質を有する。つまり、一方向ギア15は、回転軸S3の前記時計回り方向の回転力が伝達されて回転するが、回転軸S3の前記反時計回り方向の回転力が伝達されず停止状態にあるという性質を有する。
【0139】
そのため、一方向ギア15は、回転軸S3が前記時計回り方向へ回転したときには、回転軸S3から回転力が伝達されて回転軸S3と一体となって回転する。その際には、回転軸S3の回転力が一方向ギア15によって中継ギア18に伝達される。一方、一方向ギア15は、回転軸S3が前記反時計回り方向へ回転したときには、回転軸S3から回転力が伝達されずに停止状態にある。そのため、一方向ギア15から中継ギア18に回転力が伝達されない。
【0140】
アイドルギア16は、回転軸S4と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア16は、アイドルギア14の小径部14Bと噛み合って、アイドルギア14の小径部14Bから回転力が伝達される。
【0141】
一方向ギア17は、回転軸S4と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されており、中継ギア18及び19に接している。一方向ギア17は、回転軸S4と一体となって前記時計回り方向に回転するが、回転軸S4を基準として前記反時計回り方向に空転するという性質を有する。つまり、一方向ギア17は、回転軸S4の前記時計回り方向の回転力が伝達されて回転するが、回転軸S4の前記反時計回り方向の回転力が伝達されず停止状態にあるという性質を有する。
【0142】
そのため、一方向ギア17は、回転軸S4が前記時計回り方向へ回転したときには、回転軸S4から回転力が伝達されて回転軸S4と一体となって回転する。その際には、回転軸S4の回転力が一方向ギア17によって中継ギア18及び19に伝達される。一方、一方向ギア17は、回転軸S4が前記反時計回り方向へ回転したときには、回転軸S4から回転力が伝達されずに停止状態にある。そのため、一方向ギア17から中継ギア18及び19に回転力が伝達されない。
【0143】
以下に示される説明において、「正方向の回転力」は、ステッピングモータ94の回転軸94Aが、図8(a)に示される矢印A方向に回転することによって発生する回転力である。また、「逆方向の回転力」は、ステッピングモータ94の回転軸94Aが、図8(b)に示される矢印B方向に回転することによって発生する回転力である。
【0144】
伝達切換手段10は、ステッピングモータ94が正方向の回転力を発生した際には、図8(a)に示されるように動作する。尚、ステッピングモータ94が正方向の回転力を発生してモノクロ印刷が行われる。ステッピングモータ94が正方向の回転力を発生した際には、伝達切換手段10は、図8(a)に示されるように動作して、ステッピングモータ94の正方向の回転力が、トナーホッパ80Kの内部に配置された攪拌パドル60へ伝達されて、トナーホッパ80Kに貯留されている黒トナーが攪拌される。
【0145】
図8(a)に示されるように、アイドルギア11、12、及び13が、実線矢印で示される方向に回転する。すると、アイドルギア14は、回転軸S3と一体となって、実線矢印に示される方向に回転する。その際、一方向ギア15は、回転軸S3から回転力が伝達されて回転軸S3と一体となって矢印方向に回転するので、回転軸S3の回転力が中継ギア18に伝達される。中継ギア18は矢印方向に回転するので、第1シャフト9Aが矢印方向に回転する。
【0146】
一方、アイドルギア14の回転力はアイドルギア16に伝達されるので、アイドルギア16が回転軸S4と一体となって矢印方向に回転する。しかしながら、一方向ギア17には、回転軸S4の矢印方向の回転が伝達されないので中継ギア19は回転しない。そのため、第2シャフト9Bが回転しない。
【0147】
一方、伝達切換手段10は、ステッピングモータ94が逆方向の回転力を発生した際には、図8(b)に示されるように動作する。尚、ステッピングモータ94が逆方向の回転力を発生してカラー印刷が行われる。ステッピングモータ94が逆方向の回転力を発生した際には、伝達切換手段10は、図8(b)に示されるように動作して、ステッピングモータ94の逆方向の回転力が、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kの各々の内部に配置された攪拌パドル60へ伝達されて、トナーホッパ80M、80C、80Y、及び80Kに貯留されている全ての色のトナーが攪拌される。
【0148】
図8(b)に示されるように、アイドルギア11、12、及び13が、実線矢印で示される方向に回転する。すると、アイドルギア14は、回転軸S3と一体となって、実線矢印に示される方向に回転する。その際、一方向ギア15は、回転軸S3から回転力が伝達されないので、一方向ギア15から中継ギア18に回転力が伝達されない。
【0149】
一方、アイドルギア14の回転力はアイドルギア16に伝達されるので、アイドルギア16が回転軸S4と一体となって矢印方向に回転する。その際、一方向ギア17は、回転軸S4から回転力が伝達されて回転軸S4と一体となって矢印方向に回転するので、回転軸S4の回転力が中継ギア18及び19に伝達される。中継ギア18及び19は矢印方向に回転するので、第1シャフト9A及び第2シャフト9Bが矢印方向に回転する。
【0150】
以上に説明されたように、正方向の回転力が発生した際には回転力が第1シャフト9Aのみに伝達される一方、逆方向の回転力が発生した際には回転力が第1シャフト9A及び第2シャフト9Bに伝達される。
【0151】
図9は、トナー供給装置の他の例を示す斜視図である。また、図10は、攪拌パドル回転機構の他の例を示す斜視図である。尚、図9及び図10において、図5及び図7で示される構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付され、説明が省略される。
【0152】
図9に示されるトナー供給装置8’は、図10に示される攪拌パドル回転機構9’を備える。攪拌パドル回転機構9’は、攪拌パドル回転機構9(図7参照)とは異なり、パドル回転ギア90Mが、第2シャフト9Bの一端側に同心状に固定されており、第2シャフト9Bと一体となって回転できる。また、パドル回転ギア90Y、90Cが、第2シャフト9Bの一端側と他端側との間において、X軸方向に対して、パドル回転ギア90Y、90Cの順番で等間隔に第2シャフト9Bと同心状に固定されており、第2シャフト9Bと一体となって回転できる。
【0153】
また、パドル回転ギア90Y、90C、及び90Mの各々には、中継ギア96を介さずに、パドルギア92K、92Y、92C、及び92Mの各々が噛み合っている。また、攪拌パドル回転機構9’は、ステッピングモータ94において発生した回転力を第1シャフト(第1伝達軸)9A及び第2シャフト(第2伝達軸)9Bに伝達することを制御する伝達切換手段10’を備える。
【0154】
このような攪拌パドル回転機構9’において、伝達切換手段10’によって、ステッピングモータ94において発生した正方向の回転力が回転力として第1シャフト9Aに伝達される。そのため、第1シャフト9Aが回転する。第1シャフト9Aが回転すると第1シャフト9Aと同じ方向にパドル回転ギア90Kが回転する。そのため、トナーホッパ80Kに配置されている攪拌パドル60が回動する。
【0155】
一方、攪拌パドル回転機構9’において、伝達切換手段10’によって、ステッピングモータ94において発生した逆方向の回転力が第1シャフト9A及び第2シャフト9Bに伝達される。そのため、第1シャフト9A及び第2シャフト9Bが回転する。
【0156】
第1シャフト9Aが回転するとパドル回転ギア90Kが第1シャフト9Aと同じ方向に回転するので、トナーホッパ80Kに配置されている攪拌パドル60が回動する。また、第2シャフト9Bが回転するとパドル回転ギア90Y、90C、及び90Mが第2シャフト9Bと同じ方向に回転するので、トナーホッパ80Y、80C、及び80Mに配置されている攪拌パドル60が回動する。
【0157】
図11は、伝達切換手段の構成の他の例を示す図である。図11(a)は、ステッピングモータ94が正方向に回転している際の状態を示す図である。また、図11(b)は、ステッピングモータ94が逆方向に回転している際の状態を示す図である。尚、図8に示される伝達切換手段10の構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付され、説明が省略される。
【0158】
図11(a)及び(b)に示されるように、伝達切換手段10’は、以下に示されるような構成とされている。伝達切換手段10’は、アイドルギア11、アイドルギア12、アイドルギア97、アイドルギア98、一方向(ワンウェイ)ギア(第1の一方向伝達手段)15’、一方向(ワンウェイ)ギア(第2の一方向伝達手段)17’、アイドルギア16、及び、一方向(ワンウェイ)ギア(第3の一方向伝達手段)99、を備える。
【0159】
このような伝達切換手段10’において、アイドルギア11、12、16、97、及び98が、回転軸S0〜S4の各々と一体となって回転することが可能なように、基板BOに軸支されている。一方向ギア15’及び17’は、第1シャフト9Aの他端側において第1シャフト9Aを回転軸として基板BOに軸支されている。一方向ギア99は、第2シャフト9Bの他端側に同心状に固定されており、且つ、第2シャフト9Bを回転軸として基板BOに軸支されている。
【0160】
アイドルギア11は、回転軸S0と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア11は、ステッピングモータ94の回転軸(図示せず)と噛み合って、回転軸94Aが回転することによって発生する回転力が伝達される大径部11A、及び、大径部11Aに伝達された回転力を後段に伝達する小径部11Bからなる。
【0161】
アイドルギア12は、回転軸S1と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア12は、アイドルギア11の小径部11Bと噛み合って、アイドルギア11の小径部11Bから回転力が伝達される大径部12A、及び、大径部12Aに伝達された回転力を後段に伝達する小径部12Bからなる。
【0162】
アイドルギア97は、回転軸S2と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア97は、アイドルギア12の小径部12Bと噛み合って回転力が伝達される。また、アイドルギア97は後段(アイドルギア98及び一方向ギア17’)へ回転力を伝達する。
【0163】
アイドルギア98は、回転軸S3と一体となって回転することが可能なように基板BOに軸支されている。アイドルギア98は、アイドルギア97と噛み合って回転力が伝達される。また、アイドルギア98は後段(一方向ギア15’)へ回転力を伝達する。
【0164】
一方向ギア15’はアイドルギア98に接している。一方向ギア15’は、第1シャフト9Aと一体となって図11に示される反時計回り方向に回転するが、第1シャフト9Aを基準として図11に示される時計回り方向に空転するという性質を有する。
【0165】
つまり、一方向ギア15’は、アイドルギア98の図11に示される時計回り方向の回転力が伝達された際には前記反時計回り方向に回転して、反時計回り方向の回転力を第1シャフト9Aに伝達する。そのため、一方向ギア15’は、アイドルギア98の前記時計回り方向の回転力が伝達された際には、第1シャフト9Aと一体となって前記反時計回り方向に回転する。一方、一方向ギア15’は、アイドルギア98の図11に示される反時計回り方向の回転力が伝達された際には前記時計回り方向に空転する。そのため、一方向ギア15’は、アイドルギア98の前記反時計回り方向の回転力が伝達された際には、第1シャフト9Aを基準として前記時計回り方向に空転して、前記回転力を第1シャフト9Aに伝達しない。
【0166】
一方向ギア17’はアイドルギア97及びアイドルギア16に接している。一方向ギア17’は、一方向ギア15’と同様に、第1シャフト9Aと一体となって図11に示される反時計回り方向に回転するが、第1シャフト9Aを基準として図11に示される時計回り方向に空転するという性質を有する。
【0167】
つまり、一方向ギア17’は、アイドルギア97の図11に示される時計回り方向の回転力が伝達された際には前記反時計回り方向に回転して、反時計回り方向の回転力を第1シャフト9A及びアイドルギア16に伝達する。そのため、一方向ギア17’は、アイドルギア98の前記時計回り方向の回転力が伝達された際には、第1シャフト9Aと一体となって前記反時計回り方向に回転し、更に、前記回転力をアイドルギア16に伝達する。
【0168】
一方、一方向ギア17’は、アイドルギア97の図11に示される反時計回り方向の回転力が伝達された際には、第1シャフト9Aを基準として前記時計回り方向に空転する。そのため、一方向ギア17’は、アイドルギア98の前記反時計回り方向の回転力が伝達された際には第1シャフト9Aを基準として前記時計回り方向に空転して、前記回転力を第1シャフト9A及びアイドルギア16に伝達しない。
【0169】
アイドルギア16は、一方向ギア17’及び一方向ギア99に接しており、一方向ギア17’の回転力が伝達されて、伝達された回転力を更に後段(一方向ギア99)に伝達する。
【0170】
一方向ギア99はアイドルギア16に接している。一方向ギア99は、第2シャフト9Bと一体となって図11に示される反時計回り方向に回転するが、第2シャフト9Bを基準として図11に示される時計回り方向に空転するという性質を有する。
【0171】
つまり、一方向ギア99は、アイドルギア16の図11に示される時計回り方向の回転力が伝達された際には前記反時計回り方向に回転して、反時計回り方向の回転力を第2シャフト9Bに伝達する。そのため、一方向ギア99は、アイドルギア16の前記時計回り方向の回転力が伝達された際には、第2シャフト9Bと一体となって前記反時計回り方向に回転する。
【0172】
一方、一方向ギア99は、アイドルギア16の図11に示される反時計回り方向の回転力が伝達された際には、第2シャフト9Bを基準として前記時計回り方向に空転する。そのため、一方向ギア99は、アイドルギア98の前記反時計回り方向の回転力が伝達された際には、第2シャフト9Bを基準として前記時計回り方向に空転して、前記回転力を第2シャフト9Bに伝達しない。
【0173】
以下に示される説明において、「正方向の回転力」は、ステッピングモータ94の回転軸94A(図8参照)が、図11(a)に示される矢印A方向(図11において時計回り方向)に回転することによって発生する回転力である。また、「逆方向の回転力」は、前記回転軸94Aが、図11(a)に示される矢印B方向(図11において反時計回り方向)に回転することによって発生する回転力である。
【0174】
伝達切換手段10’は、モノクロ印刷を行うためにステッピングモータ94が正方向の回転力を発生した際には、図11(a)に示されるような制御を行う。つまり、アイドルギア11、12、97、及び98が、実線矢印で示される方向に回転する。その際、一方向ギア15’は、アイドルギア98から伝達された回転力を第1シャフト9Aに伝達するので、第1シャフト9Aが矢印方向に回転する。
【0175】
一方、一方向ギア17’は、アイドルギア97から伝達された前記反時計回り方向の回転力によって第1シャフト9Aを基準として点線矢印で示される方向に空転する。その際、一方向ギア17’が空転することにより一方向ギア17’の回転力がアイドルギア16に伝達される。そのため、アイドルギア16が前記反時計回り方向に回転して、回転力が一方向ギア99に伝達される。しかしながら、一方向ギア99は、アイドルギア16の前記反時計回り方向の回転力が伝達された際には、第2シャフト9Bを基準として点線矢印で示される方向に空転する。そのため、第2シャフト9Bには回転力が伝達されないので第2シャフト9Bが回転しない。
【0176】
一方、伝達切換手段10は、カラー印刷を行うためにステッピングモータ94が逆方向の回転力を発生した際には、図11(b)に示されるような制御を行う。つまり、アイドルギア11、12、97、及び98が、実線矢印で示される方向に回転する。その際、一方向ギア15’は、第1シャフト9Aを基準として点線矢印で示される方向に空転する。一方、一方向ギア17’は、アイドルギア97の回転力が伝達されて、第1シャフト9Aと一体となって実線矢印で示される方向に回転する。そのため、第1シャフト9Aが回転する。
【0177】
そして、一方向ギア17’の回転力はアイドルギア16に伝達されてアイドルギア16が実線矢印で示される方向に回転する。そのため、一方向ギア99は、アイドルギア16の回転力が伝達されて、第2シャフト9Bと一体となって実線矢印で示される方向に回転する。そのため、第2シャフト9Bが回転する。
【符号の説明】
【0178】
1 画像形成装置
9A 第1シャフト
9B 第2シャフト
9C 第3シャフト
10、10’ 伝達切換手段
60 攪拌パドル
80K、80Y、80C、80M トナーホッパ
94 ステッピングモータ
110 制御部
111 駆動停止時間判断部
112 内部温度レベル判断部
113 内部湿度レベル判断部
114 電源部
115 記憶部
117 励磁電流出力部
119 パルス出力部
HU 内部湿度レベル
TE 内部温度レベル
TI 駆動停止時間レベル(攪拌停止時間レベル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の励磁コイルが励磁する方式を表す励磁方式に対応した励磁電流の入力を受け付けて駆動するステッピングモータと組み合わせて使用されるトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置であって、
前記励磁電流を前記ステッピングモータへ出力する励磁電流出力部と、
前記ステッピングモータが駆動していない時間の長さを表す駆動停止時間レベルを判断する駆動停止時間レベル判断部と、
前記ステッピングモータが駆動を開始するために要される複数の起動トルク値の各々と、複数の前記駆動停止時間レベルの各々とを対応づけて記憶した記憶部と、
前記記憶部を参照して、前記駆動停止時間レベル判断部によって判断された前記駆動停止時間レベルから得られる前記起動トルク値を判断して、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算し、当該励磁電流値が得られる前記励磁電流を、前記励磁電流出力部に対して出力させる制御部と、
を備えることを特徴とするトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置。
【請求項2】
前記励磁電流出力部が前記励磁電流を出力するためのステップパルスを出力するパルス出力部を更に備えており、
前記制御部は、
前記ステップパルスの周波数が予め定められた定速周波数である際には、前記励磁電流出力部に対して、前記ステッピングモータを定速度で駆動させるために予め定められ、前記複数の起動トルク値の各々よりも小さな定速トルク値が得られる励磁電流値を演算することを特徴とする請求項1に記載のトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置。
【請求項3】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の内部に設けられており、
前記ステッピングモータが駆動していない間に、前記画像形成装置の内部温度のレベルを表す内部温度レベルを判断する内部温度レベル判断部を更に備えており、
前記記憶部は、
前記複数の起動トルク値の各々と、前記複数の前記内部温度レベルの各々とを対応づけて記憶しており、
前記制御部は、
前記記憶部を参照して、前記内部温度レベル判断部によって判断された前記内部温度レベルから得られる前記起動トルク値を判断し、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置。
【請求項4】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の内部に設けられており、
前記ステッピングモータが駆動していない間に、前記画像形成装置の内部湿度のレベルを表す内部湿度レベルを判断する内部湿度レベル判断部を更に備えており、
前記記憶部は、
前記複数の起動トルク値の各々と、前記複数の前記内部湿度レベルの各々とを対応づけて記憶しており、
前記制御部は、
前記記憶部を参照して、前記内部湿度判断部によって判断された前記内部湿度レベルから得られる前記起動トルク値を判断し、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置。
【請求項5】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の内部に設けられており、
前記ステッピングモータが駆動していない間に、前記画像形成装置の内部温度のレベルを表す内部温度レベルを判断する内部温度レベル判断部と、
前記ステッピングモータが駆動していない間に、前記画像形成装置の内部湿度のレベルを表す内部湿度レベルを判断する内部湿度レベル判断部と、を更に備えており、
前記記憶部は、
前記複数の起動トルク値の各々と、前記駆動停止時間レベル、前記内部温度レベル、及び、前記内部湿度レベルからなる複数の組み合わせの各々とを対応づけて記憶しており、
前記制御部は、
前記記憶部を参照して、前記駆動停止時間レベル判断部によって判断された前記駆動停止時間レベル、前記内部温度レベル判断部によって判断された前記内部温度レベル、及び、前記内部湿度レベル判断部によって判断された前記内部湿度レベルの組み合わせから得られる前記起動トルク値を判断し、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置。
【請求項6】
それぞれ異なる色のトナーを貯留する複数のトナーホッパと、前記複数のトナーホッパの各々に貯留されている前記トナーを攪拌する攪拌手段とを備え、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の内部に設けられており、
前記複数のトナーホッパの各々において、前記トナーが攪拌されていない時間の長さを表す攪拌停止時間レベルを判断する駆動停止時間レベル判断部と、
前記複数のトナーホッパの各々において前記トナーが攪拌されていない間に、前記複数のトナーホッパの各々の内部温度のレベルを表す内部温度レベルを判断する内部温度レベル判断部と、
前記複数のトナーホッパの各々において前記トナーが攪拌されていない間に、前記複数のトナーホッパの各々の内部湿度のレベルを表す内部湿度レベルを判断する内部湿度レベル判断部と、を更に備えており、
前記記憶部は、
前記複数のトナーホッパ毎に、前記複数のトナーホッパの各々に貯留されている前記トナーを攪拌するために前記ステッピングモータに要される複数のホッパ別起動トルクの各々と、前記攪拌停止時間レベル、前記内部温度レベル、及び、前記内部湿度レベルからなる複数の組み合わせの各々とを対応づけて記憶しており、
前記制御部は、
前記記憶部を参照して、前記複数のトナーホッパ毎に、前記駆動停止時間レベル判断部によって判断された前記攪拌停止時間レベル、前記内部温度レベル判断部によって判断された前記内部温度レベル、及び、前記内部湿度レベル判断部によって判断された前記内部湿度レベルの組み合わせから得られる前記ホッパ別起動トルク値を判断し、判断された前記ホッパ別起動トルク値の合計値で表される前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のトナー攪拌用ステッピングモータ制御装置と、
前記ステッピングモータと、
黒トナーを貯留する第1トナーホッパと、
それぞれ異なる色トナーを貯留する複数の第2トナーホッパと、
前記第1トナーホッパの内部に配置されており、前記ステッピングモータが駆動して発生する駆動力によって前記黒トナーを攪拌する第1攪拌手段と、
前記複数の第2トナーホッパの各々の内部に配置されており、前記ステッピングモータが駆動して発生する駆動力によって前記色トナーのそれぞれを攪拌する複数の第2攪拌手段と、
前記駆動力を前記第1攪拌手段に伝達する第1伝達軸と、
前記駆動力を前記第2の攪拌手段の各々に伝達する第2伝達軸と、
前記ステッピングモータの正方向の駆動力を前記第1伝達軸に伝達する一方、前記ステッピングモータの逆方向の駆動力を前記第1伝達軸及び前記第2伝達軸に伝達する伝達切換手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記ステッピングモータを前記逆方向に駆動させるために前記ステッピングモータへ出力される前記励磁電流の前記励磁電流値は、前記ステッピングモータを前記正方向に駆動させるために前記ステッピングモータへ出力される前記励磁電流の前記励磁電流値よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置が、複数の励磁コイルが励磁する方式を表す励磁方式に対応した励磁電流の入力を受け付けて駆動するステッピングモータを制御するステッピングモータ制御方法であって、
前記トナー攪拌用ステッピングモータ制御装置が、
前記ステッピングモータが駆動を開始するために要される複数の起動トルク値の各々と、前記ステッピングモータが駆動していない時間を表す複数の駆動停止時間レベルの各々とを対応づけて記憶した記憶部を備えており、
前記記憶部を参照して、前記駆動停止時間レベル判断部によって判断された前記駆動停止時間レベルから得られる前記起動トルク値を判断して、判断された前記起動トルク値が得られる前記励磁電流値を演算し、当該励磁電流値が得られる前記励磁電流を、前記励磁電流出力部に対して出力させることを特徴とするステッピングモータ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−217550(P2010−217550A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64709(P2009−64709)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】