説明

トライボマイクロプラズマコーティング方法及び同コーティング装置

【課題】 実機の摺動面の隙間で発生するプラズマを用いて、その場でプラズマコーティングし、摺動しつつプラズマコーティングを行うことにより、コーティングと同時になじみ運転も行うことができる技術を提供する。また、摩擦または摺動により、薄膜には絶えず接線力を加えた状態でコーティングし、接線力による膜中の組織の配向を発生させ、極めて高い耐摩耗性、良潤滑性の膜をコーティングできる技術を提供する。
【解決手段】 摺動体と回転体を摩擦又は摺動させることにより、これらの間にトライボマイクロプラズを発生させ、該摺動体と回転体の一方又は双方に、摺動体又は回転体を構成する物質の少なくとも一部からなる膜を形成することを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械の摺動面などの、摩擦接触点の隙間で発生するトライボマイクロプラズマを用いて、該摺動面等にコーティング膜を形成するトライボマイクロプラズマコーティング方法、同コーティング膜及び同コーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種摩擦又は摺動機器の摺動面に、耐摩耗性などを持たせるための保護膜を形成する技術は、湿式または乾式によるコーティング技術が使用されており、これらの適用に際しては、歯車等の機器の機械要素に耐摩耗性硬質膜を予めプラズマコーティングし、その後、機器に組み込まれてきた。
【0003】
一方、固体表面に薄膜を形成させるのにプラズマを用いることは周知の技術である。この既知のプラズマコーティング法には、プラズマCVD法やスパッタリング法等がある。
これらの装置においては、いずれも真空槽の中に、試料やコーティング材等をいれ、さらに外部より高電圧を試料とターゲットの間に印加するものであり、またスパッタガスや反応性ガスを導入すること、あるいはイオン照射を行うなどのために、大掛かりで高価な装置を必要とするという問題があった。
【0004】
上記のように、歯車等の機器に潤滑性の皮膜を形成する場合には、機械要素に耐摩耗性硬質膜を予めプラズマコーティングし、その後機器に組み込むため、このコーティングした膜を実機で使用する場合には、初期なじみ運転をしなければならないという問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に鑑み、本発明は実機の摺動面の隙間で発生するプラズマを用いて、その場でプラズマコーティングし、摺動しつつプラズマコーティングを行うことにより、コーティングと同時になじみ運転も行うことができる技術を提供する。
また、摩擦または摺動により、薄膜には絶えず接線力を加えた状態でコーティングし、接線力による膜中の組織の配向を発生させ、極めて高い耐摩耗性、良潤滑性の膜をコーティングできるトライボマイクロプラズマコーティング膜、同コーティング方法及び同コーティング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、摩擦接触点の隙間にトライボマイクロプラズマが発生することを発見した。すなわち、摩擦接触点で発生するプラズマの直接撮影に成功し、プラズマの存在が明らかになった。このことはプラズマコーティング技術が可能であることを示唆した。
そして、このプラズマは、絶縁体、半導体、金属酸化膜など、ほとんどあらゆる材料の摩擦接触点の隙間に発生することが分かった。本発明においては、摩擦接触点の隙間に自然に発生するこのトライボマイクロプラズマを利用して、その場でプラズマコーティングできるとの知見を得、本発明を完成させた。
【0007】
上記知見に基づき、本発明は以下の発明を提供するものである。
1)同一物質又は異なる物質の摩擦又は摺動面に、トライボマイクロプラズマ下で形成された該摩擦又は摺動材料の少なくとも一部の膜構成物質を備えていることを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング膜。
2)同一物質又は異なる物質の摩擦又は摺動面に、トライボマイクロプラズマ下で形成された該摩擦又は摺動面に供給された有機又は無機材料ガスの構成物質の少なくとも一部の膜構成物質を備えていることを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング膜。
3)同一物質又は異なる物質の摩擦又は摺動面の一方又は双方に形成された膜であることを特徴とする上記1又は2記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜。
4)ポリマーコーティング膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンド状カーボン膜、サファイア膜であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜。
5)潤滑性皮膜であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜。
6)膜中の組織に配向性を備えていることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜。
7)摺動体と回転体を摩擦又は摺動させることにより、これらの間にトライボマイクロプラズを発生させ、該摺動体と回転体の一方又は双方に、摺動体又は回転体を構成する物質の少なくとも一部からなる膜を形成することを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング方法。
8)摺動体と回転体を摩擦又は摺動させることにより、これらの間にトライボマイクロプラズを発生させ、該摺動体と回転体の一方又は双方に、摺動体又は回転体を構成する物質の少なくとも一部からなる膜を形成することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜のコーティング方法。
9)摺動体と回転体の一方を正に他方を負に帯電させて皮膜を形成することを特徴とする上記7又は8記載のトライボマイクロプラズマコーティング方法。
10)酸素雰囲気若しくは大気中又はアルゴン等の不活性雰囲気中で皮膜を形成することを特徴とする上記7〜9のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング方法。
11)摺動体と回転体との間に反応性ガスを供給して、ガス構成物質の少なくとも一部を、該摺動体と回転体の一方又は双方にコーティングすることを特徴とする上記7〜10のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング方法。
12)すべり軸受用摺動面と歯車の摺動面に潤滑性薄膜を形成することを特徴とする上記7〜11のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング方法。
13)摺動体と回転体を摩擦又は摺動させる装置、摺動体と回転体との間に摩擦又は摺動によりトライボマイクロプラズマを発生させる装置、該摺動体と回転体の一方又は双方に、摺動体又は回転体構成物質の少なくとも一部を形成させる装置からなることを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング装置。
14)摺動体と回転体の一方を正に他方を負に帯電させことを特徴とする上記13記載のトライボマイクロプラズマコーティング装置。
15)酸素雰囲気若しくは大気又はアルゴン等の不活性雰囲気を形成する装置を備えていることを特徴とする上記13又は14記載のトライボマイクロプラズマコーティング装置。
16)摺動体と回転体との間に反応性ガスを供給する装置を備え、該ガス構成物質の少なくとも一部を該摺動体と回転体の一方又は双方にコーティングすることを特徴とする上記13〜15のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング装置。
17)すべり軸受用摺動面と歯車、カムとタペット等の様々な機械要素の摺動面を相対的に回転させ、潤滑性薄膜を形成する装置を備えていることを特徴とする上記13〜16のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、例えば機械の摺動面に、その場で発生するプラズマを利用して潤滑性皮膜をコーティングできるので、従来技術で用いてきたようなプラズマを発生させる高電圧を用いた高価なプラズマコーティング装置を必要とせず、実機の摺動面でそのままコーティングできるという大きな長所を有する。
さらに、従来の方法であれば、薄膜コーティングした後なじみ運転をしなければならないが、本発明においては、薄膜コーティングと同時になじみ運転も行われるため、極めて効率的に有効な薄膜コーティングを行うことができる。
さらに、摩擦による接線力の作用により薄膜をすべり方向に配向させることができ、極めて耐久性の高い潤滑性、耐摩耗性薄膜をコーティングできるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を図示の例を用いて説明する。図1は本発明によるピンディスク(摺動体と回転体)接触型トライボマイクロプラズマコーティング装置の原理説明図である。本説明では、摺動体と回転体を便宜上、ピン摺動子2と回転ディスク3に置き換えて説明する。
ピンディスク接触型トライボマイクロプラズマコーティング装置1において、試料であるピン摺動子2と回転ディスク3の、両者の接触点の隙間にトライボマイクロプラズマ4が発生する。これを利用してトライボマイクロプラズマコーティングを行う。
【0010】
先ず、大気中トライボマイクロプラズマCVD法において述べる。本CVD法においては、反応性ガス5を、パイプ6を通して摩擦接触点に発生したプラズマ4中に吹き込むことによりトライボマイクロプラズマCVDコーティングを行う。
雰囲気制御型トライボマイクロプラズマCVDコーティング法においては、真空槽7内にピン2とディスク3の接触点を置き、一度真空槽7内部を、バルブ8を通して、ターボ分子ポンプ9、ロータリーポンプ10により排気し、ガス圧力計11にてガス圧を計測しつつ、反応性ガス5を可変リークバルブ12通じて所定の圧力まで導入し、最も効率の良いガス圧にてCVDコーティングを行う。
【0011】
この際、負荷機構13にて荷重を調整し、回転機構14によりディスクの回転速度を調整して最適の摩擦条件を選定する。さらに広範囲の表面をCVDコーティングするために、摺動子移動機構15によりピン摺動子を半径方向に所定の距離移動してコーティングする。
プラズマ中には電子、正イオン、ラジカル、フォトン(光子)、励起分子などの活性な素粒子や反応中間体が存在するので、メタン、エタン、プロパンなどの有機分子ガスを初めとする様々な安定なガスでも、これらの分子のポリマーコーティングが可能である。
【0012】
大気中はもとより空気圧を下げていくと、プラズマは大きく強くなり最大点を経て減少していく。このプラズマが最大となる圧力は上記の通り、空気、炭化水素ガスなどの場合には約1000Paである。したがって、プラズマCVDコーティングには有利である。
実際、ブタンガスで雰囲気制御型プラズマCVD装置を試作して実験したところでは、1000Paで、最も効率よくポリマー状の薄膜が形成され、摩擦・摩耗低減効果をもつことが分かった。すなわち、ダイヤモンドピン/窒素珪素ディスクの接触点で、この1000Paの気体圧力で、プラズマコーティングが最大となるのをブタンガス雰囲気で確認した。
また、アルゴン雰囲気中で、ダイヤモンドピン/サファイヤディスクを組み合わせたトライボマイクロプラズマコーティングにより、サファイヤ材料がピン表面にスパッタコートすることができた。
【0013】
プラズマは、絶縁性固体同士の摩擦帯電による高電界による周囲気体の放電により発生する。摩擦帯電には帯電列と呼ばれるものがあり、この帯電列の序列により固体が正に帯電するか負に帯電するか決定される。
例えばガラスとナイロンを摩擦させるとガラスは正にナイロンは負に帯電するので、前者をピンに後者をディスクに選べば、図1Cに示されているようにピンは正に、ディスクは負に帯電する。
逆に、前者をディスクに、後者をピンに選べば、ピンは負に、ディスクは正に帯電する。どちらの組み合わせが良いかは実験的に求める必要がある。
【0014】
CVDコーティング膜16、17はディスク表面上、及びピン摺動子表面上のいずれにも形成されるが、どちらにより多く発生するかは、摩擦帯電列の組み合わせに依存する。
例えば、原料の反応性ガスにシラン(SiH)を用いたアモルファスシリコン、有機金属などを用いた金属及び金属化合物膜、メタン、アセトン、一酸化炭素等、及びこれらのガスと水素の混合物によるダイヤモンド薄膜、メタンによるダイヤモンド状炭素膜(DLC膜)など、従来のプラズマCVD法による薄膜が形成できると考えられる。
【0015】
次に、トライボプラズマスパッタリング法であるが、この場合には、従来のスパッタリン法と同様に反応性ガスは必要としない。
ターゲットとしてピンを用いれば、ディスク表面にピンの材料をコーティング可能であるし、逆にディスクにターゲット材料を使用すればピンにディスク材料をコーティング可能である。
この場合、摩擦帯電の序列が重要であり、ターゲット材料が負に帯電する材料を選び、他方、コーティング膜を形成させるべき試料は摩擦帯電により正に帯電する材料の組み合わせとする必要がある。
【0016】
試料としては、摩擦帯電を生ずる材料であれば、有機、無機を問わず、何でも良い。また、ターゲット材料としては摩擦帯電を生ずる絶縁性の材料であれば何でも良い。
例えば、従来のスパッタリングのターゲットとして用いられている窒化珪素(Si)、酸化物、有機物ポリマー等である。
大気中トライボマイクロプラズマコーティング法では、当然スパッタガスに空気を使用することとなるが、この場合、膜の酸化が起こる可能性が高いことに注意する必要がある。
雰囲気制御型トライボプラズマコーティング装置においては、従来技術と同様にアルゴンガスなどの不活性ガスを使用することが勧められる。
【0017】
次に、コーティングの行われる場所であるが、図2のコーティング膜形成平面図に示されているように、プラズマ発生領域18、19の範囲に発生する。プラズマ発生領域18、19とコーティング膜Bの形成される範囲は、それぞれ同一である。
実験によれば、プラズマの発生する範囲は、図2に示されるように摩擦トラック20を大きく越えて発生するので、摩擦トラックよりも広い範囲にコーティングをすることが可能である。
また、トライボマイクロプラズマCVDコーティングにおいては、ディスクの表面上に形成されたポリマーなどの潤滑性薄膜は、摺動中にピンの表面に移着することが実験で確かめられており、ピンとディスクの同時コーティングが可能である。
【0018】
図3と図4はすべり軸受用摺動面と歯車の摺動面に潤滑性薄膜をコーティングするための原理を説明した図である。図3と図4では、すべり軸受けと歯車が真空槽の中にいれてあるが、ピンディスク型トライボマイクロプラズマコーティング装置と同様に、大気中でもコーティングが可能である。
いずれの場合も、すべり軸受けの軸21と軸受け22との間及び歯車23と歯車24の間に発生したトライボマイクロプラズマを利用して、トライボマイクロプラズマコーティングを行う。
試料のピンとディスクの組み合わせを、すべり軸受においては軸と軸受、歯車においては歯と歯に置き換えれば、コーティング装置、コーティング方法ともピンとディスクの組み合わせの場合と同じである。
【0019】
このように、本発明は実機の摺動面の隙間で発生するプラズマを用いて、その場でプラズマコーティングし、摺動しつつプラズマコーティングを行うことができる。
また、摩擦または摺動により、薄膜には絶えず接線力を加えた状態でコーティングし、接線力による膜中の組織の配向を発生させることができるので、極めて高い耐摩耗性、良潤滑性の膜をコーティングできるトライボマイクロプラズマコーティング膜を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明によると、歯車、すべり軸受けなど、摺動部分をともなうあらゆる機器のコーティング膜の形成に使用することが可能であり、 機械産業、潤滑剤産業、ドライメッキ産業、薄膜コーティング産業など広範囲な技術に適用できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ピンディスク(摺動体と回転体)接触型トライボマイクロプラズマコーティング装置の説明図である。
【図2】コーティング膜を形成する際のトライボマイクロプラズマ発生領域を示す説明図である。
【図3】すべり軸受用トライボマイクロプラズマコーティング装置の概略説明図である。
【図4】歯車用トライボマイクロプラズマコーティング装置の概略説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1:ピンディスク接触型トライボマイクロプラズマコーティング装置
2:ピン摺動子、 3:回転ディスク
4:トライボマイクロプラズマ、 5:反応性ガス
6:パイプ、 7:真空槽、 8:バルブ
9:ターボ分子ポンプ、 10:ロータリーポンプ
11:ガス圧力計、12:リークバルブ
13:負荷機構、 14:回転機構、 15:摺動子移動機構
16、17:CVDコーティング膜
18、19:プラズマ発生領域
20:摩擦トラック、 21:すべり軸受けの軸、 22:軸受け
23、24:歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一物質又は異なる物質の摩擦又は摺動面に、トライボマイクロプラズマ下で形成された該摩擦又は摺動材料の少なくとも一部の膜構成物質を備えていることを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング膜。
【請求項2】
同一物質又は異なる物質の摩擦又は摺動面に、トライボマイクロプラズマ下で形成された該摩擦又は摺動面に供給された有機又は無機材料ガスの構成物質の少なくとも一部の膜構成物質を備えていることを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング膜。
【請求項3】
同一物質又は異なる物質の摩擦又は摺動面の一方又は双方に形成された膜であることを特徴とする請求項1又は2記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜。
【請求項4】
ポリマーコーティング膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンド状カーボン膜、サファイア膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜。
【請求項5】
潤滑性皮膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜。
【請求項6】
膜中の組織に配向性を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜。
【請求項7】
摺動体と回転体を摩擦又は摺動させることにより、これらの間にトライボマイクロプラズを発生させ、該摺動体と回転体の一方又は双方に、摺動体又は回転体を構成する物質の少なくとも一部からなる膜を形成することを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング方法。
【請求項8】
摺動体と回転体を摩擦又は摺動させることにより、これらの間にトライボマイクロプラズを発生させ、該摺動体と回転体の一方又は双方に、摺動体又は回転体を構成する物質の少なくとも一部からなる膜を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング膜のコーティング方法。
【請求項9】
摺動体と回転体の一方を正に他方を負に帯電させて皮膜を形成することを特徴とする請求項7又は8記載のトライボマイクロプラズマコーティング方法。
【請求項10】
酸素雰囲気若しくは大気中又はアルゴン等の不活性雰囲気中で皮膜を形成することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング方法。
【請求項11】
摺動体と回転体との間に反応性ガスを供給して、ガス構成物質の少なくとも一部を、該摺動体と回転体の一方又は双方にコーティングすることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング方法。
【請求項12】
すべり軸受用摺動面と歯車の摺動面に潤滑性薄膜を形成することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング方法。
【請求項13】
摺動体と回転体を摩擦又は摺動させる装置、摺動体と回転体との間に摩擦又は摺動によりトライボマイクロプラズを発生させる装置、該摺動体と回転体の一方又は双方に、摺動体又は回転体構成物質の少なくとも一部を形成させる装置からなることを特徴とするトライボマイクロプラズマコーティング装置。
【請求項14】
摺動体と回転体の一方を正に他方を負に帯電させことを特徴とする請求項13記載のトライボマイクロプラズマコーティング装置。
【請求項15】
酸素雰囲気若しくは大気又はアルゴン等の不活性雰囲気を形成する装置を備えていることを特徴とする請求項13又は14記載のトライボマイクロプラズマコーティング装置。
【請求項16】
摺動体と回転体との間に反応性ガスを供給する装置を備え、該ガス構成物質の少なくとも一部を該摺動体と回転体の一方又は双方にコーティングすることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング装置。
【請求項17】
すべり軸受用摺動面と歯車、カムとタペット等を含む様々な機器の機械要素の摺動面を相対的に回転させ、潤滑性薄膜を形成する装置を備えていることを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載のトライボマイクロプラズマコーティング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−7678(P2009−7678A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202640(P2008−202640)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【分割の表示】特願2003−312995(P2003−312995)の分割
【原出願日】平成15年9月4日(2003.9.4)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】