説明

トラクタの肘掛

【課題】農作業機の座席シートに、肘掛とアシストバーをともに配設すると、座席シート付近のスペースを消費し、トラクタのコンパクト化の妨げとなっていた。また、肘掛やアシストバーの下方に操作パネルを配設することができないため、座席シート付近の設計の妨げともなっていた。
【解決手段】肘掛基台40にアームベース32を枢支して該アームベース32の先端側に肘掛アーム30を固設し、該アームベース32がアームレスト位置とアシストバー位置との間で回動可能とし、前記アームベース32の先端側と、前記肘掛基台40の底面40aを弾性部材38で連結し、該アームベース32を、前記アームレスト位置とアシストバー位置で保持するように構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタの肘掛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、トラクタの座席シートの側部には肘掛が設けられており、該肘掛は該座席シートの背もたれ部側面に後側を支点として上下方向に回動可能に配設されていた(例えば、特許文献1参照。)。
また、作業者がトラクタに乗り降りする際に掴めるように、フェンダー上部にアシストバーが設けられているトラクタも公知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2002−104253号公報
【特許文献2】実公平7−42934公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記農作業機の座席シートに、肘掛とアシストバーの両方を配設すると、座席シート付近のスペースが該肘掛とアシストバーによって煩雑となってしまい、トラクタをコンパクト化する際の妨げとなっていた。また、肘掛またはアシストバーの下方に操作レバー等を配設すると、該肘掛またはアシストバーが邪魔になって操作し難くなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、座席シート近傍に配設された肘掛基台に設けられるトラクタの肘掛であって、
該肘掛基台にアームベースを枢支して、該アームベースの先端側に肘掛アームを固設し、
該アームベースがアームレスト位置とアシストバー位置との間で回動可能に構成したものである。
【0006】
請求項2においては、前記アームベースの先端側と、前記肘掛基台の底面を弾性部材で連結し、
該アームベースを、前記アームレスト位置とアシストバー位置で保持するように構成したものである。
【0007】
請求項3においては、前記アームベースと枢支軸の境界部分に複数のロック溝を設け、
該ロック溝に嵌入するロック凸部を、前記肘掛アームに設けた操作部材と連結して、ロック機構を構成したものである。
【0008】
請求項4においては、前記ロック溝を前記アームレスト位置とアシストバー位置に対応して設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1においては、トラクタのコンパクト化の妨げとならずに、肘掛とアシストバーをともに配設した効果を得られる。また、肘掛の下方に操作パネルを配設した場合においても、肘掛アーム及びアームベースを移動させることによって該操作パネルを操作することができるので、座席シート付近の設計上の妨げにもなりにくい。
【0011】
請求項2においては、肘掛アーム及びアームベースが常に下方に向って付勢されているため、走行中や乗降の際においても、肘掛アーム及びアームベースを回動操作したときに、アームレスト位置若しくはアシストバー位置に安定して保持することが可能となる。
【0012】
請求項3においては、リンク部材のロック凸部がロック溝によって固定されるので、走行中や乗降の際においても、肘掛アーム及びアームベースをアームレスト位置若しくはアシストバー位置に確実に保持することが可能となる。
【0013】
請求項4においては、リンク部材のロック凸部によって、枢支軸とアームベースとが相対回転不能となるので、走行中や乗降の際においても、肘掛アーム及びアームベースをアームレスト位置若しくはアシストバー位置に安定して保持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るトラクタ1の全体的な構成を示した左側面図、図2は肘掛アーム30を上死点位置にした状態を示す左側面断面図、図3は肘掛アーム30をアシストバー位置(座席シート外側位置)に保持した状態を示す前方斜視図、図4は肘掛アーム30をアームレスト位置(座席シート内側位置)に保持した状態を示す前方斜視図、図5は肘掛アーム30をアームレスト位置(座席シート内側位置)に保持した状態を示す左側面図、図6は肘掛アーム30をアームレスト位置(座席シート内側位置)に保持した状態を示す平面図、図7は肘掛アーム30をアームレスト位置(座席シート内側位置)に保持した状態を示す後方斜視図、図8はアームベース32及び枢支軸43を示す背面図、図9はアームベース32及び枢支軸43の別実施例を示す背面図である。
【0015】
まず、本発明の一実施例に係るトラクタ1の全体構成について説明する。
図1に示すように、機体の前後に前輪2・2及び後輪3・3を支承し、前部のボンネット4内部にはエンジン5を配置し、該ボンネット4の後方には後述するステアリングハンドル6を設けており、該ステアリングハンドル6の後方には座席シート7を配設している。また、座席シート7の側部には主変速レバー等が配設されている。
【0016】
前記エンジン5は機体フレーム8上に防振支持されており、該エンジン5の後部にはドライブシャフト9や、ミッションケース11等が配設されている。エンジン5の駆動力は、ドライブシャフト9によってミッションケース11へ伝達され、該ミッションケース11によって変速されて図示しないリアアクスルを介して後輪3・3を駆動し、さらにミッションケース11から前輪駆動軸を介して前輪2・2にも駆動力を伝達できるようにしている。
【0017】
また、エンジン5の駆動力はミッションケース11後端から突出した図示しないPTO軸に伝達されて、該PTO軸からユニバーサルジョイント等を介して、機体後端に配置した作業機装着装置13を介して装着される図示しない作業機を駆動するように構成されている。また、ミッションケース11上部には油圧ケース10が載置され、該油圧ケース10内に油圧シリンダを収納してリフトアーム19・19を回動可能としている。
【0018】
前記作業機装着装置13はトップリンク20とロアリンク21・21によって3点リンク構造の昇降リンク装置に構成されており、前記リフトアーム19の回動をリフトロッドを介してロアリンク21・21に伝え、該作業機装着装置13に装着される各種作業機を昇降可能としている。
【0019】
前記ボンネット4の後部にはダッシュボート23が設けられ、該ダッシュボード23は図示しないパワステバルブやラジエータ等を覆ってカバーし、該ダッシュボード23上には計器パネルやキースイッチや前後進切換レバー22等が配置されている。該ダッシュボード23の後下部には側下部に至って、ステップカバーが配設されてステップ25が形成され、該ステップ25はステー等を介して機体フレーム8に固設されている。
【0020】
後輪3・3の上方には、各々の後輪3・3を覆う鉄板製のフェンダー26L・26Rが配設されている。詳しくは、機体フレーム8に支持されている図示しないリアアクスルケース上部にフェンダー用支柱が立設され、該フェンダー用支柱上部に該フェンダー26L・26Rが固設されるものである。
【0021】
そして、前記フェンダー26Lの上部には肘掛基台40が溶接して固設されており、図2乃至図7に示すように、該肘掛基台40によって本発明の肘掛100が支持されている。但し、肘掛基台40のフェンダー26Lへの取り付けは、溶接に限定するものではなく、ボルト等の部材を用いて固設しても良いものとする。また、肘掛基台40は、機体フレーム8に固設されている座席シート7の基部や、直接機体フレーム8に固設する等の構成としても良いし、ステー等を介してそれらに固設する構成にしても良い。
【0022】
本発明の肘掛100の構成について、図2乃至図7を用いて説明する。但し、説明し易いように、図3から図7においては後述する上カバー41の左壁を取り除いた状態を示し、図6においては上カバー41を取り除いた状態を示している。
図2に示すように、肘掛基台40は鋼等によって側面視略L字状に構成され、前述したように、底面40aがフェンダー26L上に溶接やボルト締めによって固設されている。そして、肘掛基台40の前壁40bには、後述するアームベース32を枢支するための枢支軸43が回動不能に嵌入して固設されている。枢支軸43の一端(前側)は、肘掛基台40の前壁40bに嵌入されて、溶接等によって固設され、他側(後側)は上カバー41内部に水平方向に延出されている。
【0023】
前記枢支軸43には、アームベース32が回動自在に外嵌されている。該アームベース32はアーム部32aと筒状部32bからなり、図7及び図8に示すように、アーム部32aは鋼板等で背面視略卵型に形成され、アーム部32aの下端側(枢支軸43に枢支される側)の左右方向の幅が上端側よりも幅広に形成されて、筒状部32bを固定して安定して支持できるようにしている。そして、アーム部32aの上側から前方に筒状の肘掛アーム30が延設されて固設されている。該肘掛アーム30前部には、樹脂やスポンジ等によって形成される筒状の肘置き部材31が外嵌されている。
こうして、枢支軸43を中心として、アームベース32と肘掛アーム30と肘置き部材31が左右回動可能となっている。
【0024】
そして、図3に示すように、ロック機構を設けて二位置、つまり、肘掛アーム30及び肘置き部材31を座席シート7から遠い位置(以下、アシストバー位置。)に固定して、作業者がトラクタ1に乗り降りする際に掴むためのアシストバーの役割を担わせたり、または、図4乃至図7に示すように、肘掛アーム30及び肘置き部材31を座席シート7に近い位置(以下、アームレスト位置。)に固定して、作業者がトラクタ1を操縦している際に肘掛(アームレスト)の役割を担わせることが可能となっている。
【0025】
ロック機構は、図2に示すように、操作部材となる操作ボタン34とリンク部材33等からなり、肘置き部材31または肘掛アーム30の前端より前方に突出して操作ボタン34が配置されている。詳しくは、該操作ボタン34の後部にリンク部材33の前端が連結され、該操作ボタン34と肘置き部材31または肘掛アーム30の間にスプリング35を配置して、操作ボタン34を前方へ突出させると共に、該スプリング35は後述するリンク部材33の他端に設けたロック凸部33bがロック溝32dに嵌入する方向に付勢されている。
【0026】
前記リンク部材33は棒状体を略L字状に構成して、該リンク部材33の水平部33aは肘掛アーム30の中心に設けた中空部を貫通して後方へ延設され、該リンク部材33の後端から直角下方の枢支軸43の中心へ向かって延出して垂直部33cを形成し、該垂直部33cの下部における前記枢支軸43外周と筒状部32b内周との境界部分から前方へ突出するロック凸部33bを形成している。
なお、リンク部材33は、本実施例では角棒をL字状に折り曲げて一体的に形成しており、肘掛アーム30に形成した貫通孔32eを断面視四角形状に形成して、リンク部材33を肘掛アーム30の貫通孔32eに対して軸心方向に摺動自在、かつ、相対回転不能に挿入している。
【0027】
前記ロック機構を構成する前記ロック凸部33bが嵌入するロック溝は、図7及び図8に示すように、前記枢支軸43の後端外周と筒状部32bの後端内周に形成して、両溝にロック凸部33bが嵌入することにより肘掛アーム30がアシストバー位置とアームレスト位置で固定できるようにしている。
即ち、枢支軸43を中心として肘掛アーム30が座席シート7から離れた外側に傾斜した時に垂直部33cが位置する枢支軸43の外周位置(例えば、枢支軸43の中心を通過する鉛直線から機体外側(反時計方向)へ45度回動した位置)にロック凸部33bの約半分が入るロック溝43aが穿設され、枢支軸43を中心として肘掛アーム30が座席シート7側に傾斜した時に垂直部33cが位置する枢支軸43の外周位置(例えば、枢支軸43の中心を通過する鉛直線から機体中央側(時計方向)へ45度回動した位置)にロック凸部33bの約半分(枢支軸中心側)が入るロック溝43bが穿設されている。また、垂直部33cが位置する筒状部32bの後端内周にロック凸部33bの約半分(枢支軸外周側)が入るロック溝32dが穿設され、ロック凸部33bがロック溝43aまたはロック溝43bとロック溝32dの両者に跨がって嵌入することにより、枢支軸43に対して肘掛アーム30が回動しないようにロックする構成としている。
【0028】
このような構成としたので、作業者がスプリング35の復元力に抗して操作ボタン34後方へ押し込むと、スプリング35が縮められて、肘置き部材31及び肘掛アーム30及びアームベース32は前後方向に動かずに、操作ボタン34とリンク部材33だけが後方へと摺動する。逆に、作業者が操作ボタン34から手を離すと、操作ボタン34と操作ボタン34に固設されたリンク部材33はスプリングの復元力によって前方へ押し戻される。
【0029】
また、肘掛アーム30はロック機構とは別の支点越え機構により、左右回動時にアシストバー位置とアームレスト位置で保持できるようにしている。即ち、図2、図5、図6、図7に示すように、前記アームベース32のアーム部32a上部後面には板状部材を折り曲げて形成した係止部材36が溶接等によって後方に向って突設されており、他方、前記肘掛基台40の底面40aには板状部材を側面視略U字状に折り曲げて形成した係止部材37がボルト39等によって固設されている。そして、該係止部材36・37の両側において、自然長よりも延びた状態のスプリング38等の弾性部材が係止されている。ここで、係止部材37とスプリング38の連結部は、アームベース32の回動支点よりも下方に位置するようにする。
【0030】
つまり、アームベース32の上部が、より詳しくはアームベース32の係止部材36が固設された部分が、常に下方に付勢されており、アームベース32や肘掛アーム30や肘置き部材31は、図3に示すアシストバー位置から図4に示すアームレスト位置の間でにおいて、例えば図2に示す上支点において支点越えする構成となっている。
【0031】
そして、図4乃至図7に示すように、アームベース32や肘掛アーム30や肘置き部材31や該リンク部材33がアームレスト位置に位置した状態で、作業者が前記操作ボタン34を離すと、スプリング35に押されて操作ボタン34とリンク部材33が前方に摺動しロック凸部33bが前記ロック溝32d・43bに挿入される。
このように、リンク部材33のロック凸部33bが、肘掛基台40に固設された枢支軸43に形成されたロック溝43bとアームベース32に形成されたロック溝32dに挿入されると、アームベース32と枢支軸43との両方にロック凸部33bが係合し、アームベース32と枢支軸43が相対回転不能となり、その結果アームベース32や肘掛アーム30や肘置き部材31を図4乃至図7に示す状態で回動不能にすることができる。
【0032】
そして、作業者が前記操作ボタン34を後方へ押し込むと、リンク部材33が肘掛アーム30内を後方へ摺動し、ロック凸部33bがロック溝32d・43bから抜け出て、枢支軸43に対して前記アームベース32が相対回転可能となる。その結果、作業者は、肘掛アーム30や肘置き部材31をスプリング38の付勢力に抗して支点越えさせることが可能となり(図2参照。)、図4乃至図7に示すアームレスト位置から図3に示すアシストバー位置に回動することができる。
【0033】
そして、図3に示すように、アームベース32や肘掛アーム30や肘置き部材31や該リンク部材33がアシストバー位置に位置した状態で、作業者が前記操作ボタン34を離すとスプリング35に押されて操作ボタン34とリンク部材33が前方に摺動しロック凸部33bが前記ロック溝32d・43aに挿入される。
このように、リンク部材33のロック凸部33bが、肘掛基台40に固設された枢支軸43に形成されたロック溝43aとアームベース32に形成されたロック溝32dに挿入されると、前述同様に、アームベース32と枢支軸43とにロック凸部33bが噛ませられて、アームベース32と枢支軸43が相対回転不能となり、結果アームベース32や肘掛アーム30や肘置き部材31を図3に示す状態で回動不能にすることができる。
【0034】
ここで、前記ロック溝32dの穴と、ロック溝43a若しくはロック溝43bの穴は、リンク部材33のロック凸部33bが嵌入し易いように、ロック凸部33b断面の大きさに比べて大きめに形成しておくと好適である。
また、アームベース32側にはロック溝を設けずに、ロック凸部33bをロック溝43a若しくはロック溝43bに嵌入することによって、つまりリンク部材33の剛性によって、アームベース32や肘掛アーム30や肘置き部材31を回動不能とする構成としても良い。
【0035】
前述したように、本実施例では、リンク部材33として角棒をL字状に折り曲げて一体的に形成しているが、リンク部材33は丸棒等で構成しても良く、図9に示すように、リンク部材33が肘掛アーム30に対して相対回転しないようにアーム部32aにガイド部材32fを設ける構成としても良い。この場合は、リンク部材33の断面形状に合わせて、前記貫通孔32eを断面視円形状に形成し、前記ロック溝32d・43a・43bは断面視半円形状に形成する。
【0036】
ここで、肘置き部材31は、筒状の形態に限定されるものではなく、外周が多角柱に形成されたものを用いても良い。
また、該肘置き部材31の内周や該肘掛アーム30の外周も円柱形状に限定するものでなく、ともに多角柱形状に形成しても良い。つまり、該肘置き部材31と該肘掛アーム30は、回動可能に枢支しても良いし、回動不能に固設しても良いものとする。
【0037】
そして、アームベース32、リンク部材33の後部、係止部材36・37、スプリング38、前記枢支軸43等は、樹脂やステンレス等によって形成された上カバー41によって覆われている。詳しくは、該上カバー41は、底面と前壁の下部が欠落した略箱状の容器であり、後面下端を後方に折り曲げてフランジ部41bを形成し、該フランジ部41bを前記肘掛基台40の後端部にボルト42によって固設している。
【0038】
このように、座席シート7近傍に配設される肘掛基台40に設けられるトラクタ1の肘掛100であって、
該肘掛基台40にアームベース32を枢支して、該アームベース32の先端側に肘掛アーム30を固設し、
該アームベース32がアームレスト位置とアシストバー位置との間で回動可能に構成したので、
トラクタ1のコンパクト化の妨げとならずに、肘掛100とアシストバーをともに配設した効果を得られる。また、肘掛100の下方に操作パネルを配設した場合においても、肘掛アーム30及びアームベース32を移動させることによって該操作パネルを操作することができるので、座席シート7付近の設計上の妨げにもなりにくい。
【0039】
また、前記アームベース32の先端側と、前記肘掛基台40の底面40aを弾性部材38で連結し、
該アームベース32を、前記アームレスト位置とアシストバー位置で保持するように構成したので
肘掛アーム30及びアームベース32が常に下方に向って付勢されているため、走行中や乗降の際においても、肘掛アーム30及びアームベース32を回動操作したときに、アームレスト位置若しくはアシストバー位置に安定して保持することが可能となる。
【0040】
また、前記アームベース32と枢支軸43の境界部分に複数のロック溝43a・43bを設け、
該ロック溝43a・43bに嵌入するロック凸部33bを、前記肘掛アーム30に設けた操作部材34と連結して、ロック機構を構成したので、
リンク部材33のロック凸部33bがロック溝43a・43bによって固定されるので、走行中や乗降の際においても、肘掛アーム30及びアームベース32をアームレスト位置若しくはアシストバー位置に確実に保持することが可能となる。
【0041】
また、前記ロック溝43a・43bを前記アームレスト位置とアシストバー位置に対応して設けたので、
リンク部材33のロック凸部33bによって、枢支軸43とアームベース32とが相対回転不能となるので、走行中や乗降の際においても、肘掛アーム30及びアームベース32をアームレスト位置若しくはアシストバー位置に安定して保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のトラクタの一実施例に係るトラクタ1の全体的な構成を示した左側面図。
【図2】肘掛アーム30を上死点位置にした状態を示す左側面断面図。
【図3】肘掛アーム30をアシストバー位置(座席シート外側位置)に保持した状態を示す前方斜視図。
【図4】肘掛アーム30をアームレスト位置(座席シート内側位置)に保持した状態を示す前方斜視図。
【図5】肘掛アーム30をアームレスト位置(座席シート内側位置)に保持した状態を示す左側面図。
【図6】肘掛アーム30をアームレスト位置(座席シート内側位置)に保持した状態を示す平面図。
【図7】肘掛アーム30をアームレスト位置(座席シート内側位置)に保持した状態を示す後方斜視図。
【図8】アームベース32及び枢支軸43を示す背面図。
【図9】アームベース32及び枢支軸43の別実施例を示す背面図。
【符号の説明】
【0043】
1 トラクタ
7 座席シート
26 フェンダー
30 肘掛アーム
32 アームベース
33 リンク部材
33b ロック凸部
34 操作部材(操作ボタン)
38 弾性部材
40 肘掛基台
43 枢支軸
43a・43b ロック溝
100 肘掛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席シート近傍に配設された肘掛基台に設けられるトラクタの肘掛であって、
該肘掛基台にアームベースを枢支して、該アームベースの先端側に肘掛アームを固設し、
該アームベースがアームレスト位置とアシストバー位置との間で回動可能に構成したことを特徴とするトラクタの肘掛。
【請求項2】
前記アームベースの先端側と、前記肘掛基台の底面を弾性部材で連結し、
該アームベースを、前記アームレスト位置とアシストバー位置で保持するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のトラクタの肘掛。
【請求項3】
前記アームベースと枢支軸の境界部分に複数のロック溝を設け、
該ロック溝に嵌入するロック凸部を、前記肘掛アームに設けた操作部材と連結して、ロック機構を構成したことを特徴とする請求項1若しくは請求項2いずれかに記載のトラクタの肘掛。
【請求項4】
前記ロック溝を前記アームレスト位置とアシストバー位置に対応して設けたことを特徴とする請求項3に記載のトラクタの肘掛。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−341650(P2006−341650A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−166969(P2005−166969)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】